説明

オンチップ光導波路

これらの例示的実施形態によるシステムおよび方法は、オンチップ光導波路と、オンチップ光導波路の作製方法と、このようなオンチップ光導波路を含むデバイスとを提供する。導波路コアを、例えば透明なスペーサ誘電体材料から形成された誘電体層で形成し、この誘電体層を金属被覆層によって取り囲む、またはほぼ取り囲む、ことができる。金属被覆層は、バックエンドメタライゼーション手法、例えばダマシン処理、を用いて、チップに形成可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には集積回路に関し、特に光導波路を集積回路に設けることに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の社会には、電気デバイスおよび電子デバイスが溢れている。例えば、テレビ受像機、パーソナルコンピュータ、および携帯電話機は、多くの人々の家庭の一般的な家財道具として見受けられる。これらのデバイスの多く、または恐らく大半は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)を備えている。ASICは、さまざまな機器に対してカスタマイズされた機能を提供する。ただし、これらのASICの機能はますます複雑化してきているので、1つのASICチップを完成させるには数百万、場合によっては数十億、のトランジスタを組み込む必要がある。
【0003】
ASICは、最も一般的には単結晶シリコンウエハの最上部に実現される。このようなシリコンウエハ上のASIC回路のさまざまな部分を接続するための(デジタル回路およびアナログ回路の両方の)信号ルーティングは、現在では、例えばシリコンウエハ上にパターニングされた、電気配線を用いて達成されている。例えば、複数のトランジスタと複数の機能ブロックとの間の個々の接続を所望どおりに形成するために、ASIC構造の上に堆積された複数の金属層をパターニングすることができる。
【0004】
このようなASIC、集積回路、または他の「オンチップ」デバイスにおいては、各信号線に対応付けられた静電容量は、クロック周波数に応じて増加するインピーダンス負荷を給電回路にかける。したがって、信号線の動的な電力損失も次の関数に従って周波数に伴い増える。
【0005】
diss=CDDf (1)
式中、
diss=電力損失、
=給電回路に接続された信号線の静電容量
DD=供給電圧、および
f=クロック周波数。
【0006】
金属トレースまたは信号線の幅が狭まるにつれて、このようなデバイスの実装密度が高まり、単位チップ面積当たりの動的な電力損失がますます高くなるため、これにより使用可能なクロック周波数が制限される。これは、デジタルプロセッサのためのデジタル回路のクロック周波数の定常的かつ周期的な増加が現在止まっている理由である。
【0007】
この問題を克服するために論じられている1つの解は、チップ上の電気信号をできる限り光信号に置き換えることである。ただし、これは、例えばシリコンチップ上で、光信号を如何に伝送するかという問題を提起する。光信号は、伝統的に、例えば光送信器と光受信器との間の光ファイバで、伝送されている。ただし、例えば延伸石英ファイバを用いた、伝統的な光ファイバ構成は、ASICおよび他の集積回路などを作製するための半導体製造工程と相容れない。
【0008】
したがって、オンチップ光導波路を設けるためのシステム、方法、およびデバイスが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの例示的実施形態によるシステムおよび方法は、オンチップ光導波路と、オンチップ光導波路の作製方法と、このようなオンチップ光導波路を備えたデバイスとを提供する。導波路コアを、例えば透明なスペーサ誘電体材料で形成された誘電体層で形成し、この誘電体層を金属被覆層によって取り囲む、またはほぼ取り囲む、ことができる。この金属被覆層は、バックエンドメタライゼーション手法、例えばダマシン処理、を用いてチップに形成可能である。本願明細書に記載の複数の例示的実施形態による利点は、例えば、集積回路における電気信号の使用削減であり、これにより、電力損失の低減および発熱の低減がもたらされる。ただし、このような利点は、添付の特許請求の範囲の1つ以上の請求項に明示的に記載されている場合を除き、本発明の限界とは解釈されないことを当業者は理解されるであろう。
【0010】
一例示的実施形態によると、オンチップ光導波路は、基板と、この基板の上に設けられた誘電体層であって、オンチップ光導波路のコアを形成するためにパターニングされた誘電体層と、コアに隣接して設けられた光導波路の金属製の側壁と、誘電体層の上および側壁の上に設けられた第1メタライゼーション層とを備え、側壁と第1メタライゼーション層とはオンチップ光導波路の被覆層の一部をコアの周囲に形成する。
【0011】
別の例示的実施形態によると、オンチップ光導波路の作製方法は、基板を設けるステップと、基板の上に誘電体層を形成するステップと、ダマシンメタライゼーション工程を用いて誘電体層の両側に第1メタライゼーション層を形成するステップと、誘電体層の上に第2メタライゼーション層を形成するステップとを含み、誘電体層はオンチップ光導波路のコアを形成し、第1および第2メタライゼーション層はオンチップ光導波路の被覆層の一部を形成する。
【0012】
別の例示的実施形態によると、半導体チップ上に形成された光導波路で光信号を伝送する方法は、半導体チップの誘電体層から形成された光導波路のコアで光信号を伝送するステップと、半導体チップ上の誘電体層をほぼ取り囲む複数のメタライゼーション層から形成された光導波路の被覆層によって光導波路内を伝送されている光信号を内部反射させるステップと、を含む。
【0013】
添付の図面は、複数の例示的実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】一例示的実施形態によるオンチップ光導波路の主光路に直角な導波路構造の横断面図を示す。
【図1B】別の例示的実施形態によるオンチップ光導波路の主光路に直角な導波路構造の横断面図を示す。
【図2】変向構造を含む一例示的実施形態によるオンチップ光導波路の平面図を示す。
【図3】複数の例示的実施形態によるオンチップ光導波路構造を生成するためにバックエンドメタライゼーション層を利用する構成の断面を示す。
【図4】反射構成を用いて光信号を複数の検出器および回路ブロックに多重伝送するための一例示的実施形態の別の断面図を示す。
【図5】一例示的実施形態によるオンチップ光導波路の形成方法を説明するフローチャートである。
【図6】複数の例示的実施形態によるオンチップ光導波路を用いた光信号の伝送方法を示すフローチャートである。
【図7】複数の例示的実施形態によるオンチップ光導波路を含むことができる電子デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
各例示的実施形態についての以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。複数の異なる図面において同じ参照符号は同じ、または同様の、要素を特定する。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定しない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0016】
背景技術に記載されているように、少なくとも一部の信号を、電気的にではなく、光学的に伝送できるように、光導波路を有するASIC、集積回路チップ、および同様のデバイスを提供することが望ましいであろう。複数の例示的実施形態によると、これは、このようなデバイスを、誘電体の導波路コアと、標準的なバックエンドメタライゼーション工程でチップ上に設けることができる金属から、少なくとも一部が、作製された被覆層とを設けて作製することによって達成可能である。この組み合わせは、その後に光信号をチップ上で伝送するために使用されうる。このような実施形態は、図1の説明から始まる以下の説明を読まれるとより良く理解されるであろう。
【0017】
図1には、一例示的実施形態による集積回路(IC:integrated circuit)チップ102に設けられたオンチップ光導波路100の横断面が示されている。ICチップ102は、基板104、例えばシリコンウエハ、と基板104の上に設けられた3つの層106、108、および110とを含む多層構造を有する。当業者は、ICチップは一般には4つを超える数の層を有するが、ここでは説明を簡略化するために4層として図示されていることを理解されるであろう。光導波路100のコア112は、例えば、透明な誘電体材料、例えばこのようなICチップのスペーサを形成するために用いられるのと同じ誘電体材料、から作製されうる。ただし、これらの例示的実施形態によると、以降の図の説明からより明らかになるように、誘電体コア112は、基板104(または介在層)上に堆積され(または他の方法で設けられ)、信号発生器と信号受信器との間の所望の光信号路に合わせてパターニングされる。誘電体コア112は、光信号の伝達に対して伝導性のある何れか所望の誘電体材料、例えば二酸化珪素または窒化珪素、で作製可能である。
【0018】
図1Aには、この例示的実施形態による導波路100に対応付けられた被覆層を形成する、さまざまな金属層(または金属層の部分)113、114、116、および118も示されている。この被覆層は、以下にさらに説明するように、光を内部反射させることによって、光信号に対応付けられた光を光導波路100内に留める働きをする。したがって、導波路100内を進行する光の内部全反射が誘電体コア112と金属被覆113、114、116、および118との間の境界で発生するように、金属被覆113、114、116、および118は誘電体コア112より低い屈折率を有する。金属層113、114、116、および118は、バックエンドメタライゼーション工程を用いた堆積に適した、所望の屈折特性を有する何れか所望の金属から作製可能であり、さらに、導波路100からの光の漏れを防止するために、図1Aに示されているように互いに重ね合わせてもよい。
【0019】
誘電体コア112の周囲に金属被覆を堆積させるには、例えば、いわゆる「ダマシン」工程を使用できる。簡単に言うと、かつ純粋に説明のための例として、ICチップ102の層108に対応付けられた導波路100の部分を生成するためのダマシン工程は、誘電体材料の層を層106の上に堆積させるステップと、領域114および116以外をマスクするステップと、トレンチを形成するために領域114および116の誘電体材料をエッチングによって除去するステップと、被覆層の「側壁」を作成するためにトレンチに金属を堆積させるステップと、を含むことができる。被覆層を共に完成させるこれらの側壁ならびに上側金属層113および底側金属層118を形成するために、何れか所望の金属、例えばアルミニウム、を使用できる。バックエンドメタライゼーション工程およびダマシン工程に関するさらなる情報について関心のある読者は、米国特許第7,056,823号および第6,197,678号を参照されたい。これらの米国特許の開示内容は、参照により本願明細書に組み込まれるものとする。
【0020】
ただし、あらゆる場合に図1Aに示されているように被覆層が完全にメタライゼーション層によって形成される必要がある訳ではない。代わりに、例えば、別の例示的実施形態によるオンチップ光導波路は、例えば、以下により詳細に説明するように光送信および/または受信デバイスを含める場合など、導波路が基板の表面まで延在する部分では、図1Bに示されているように基板104を被覆層の一部として用いることもできる。図1Bでは、図1(a)の層106は省かれており、誘電体コア112に界接する基板104の部分は、メタライゼーション層113、114、および116も含む被覆層を完成させる役割を果たす。
【0021】
以上の説明から、かくして複数の例示的実施形態によるオンチップ光導波路は、基板と、基板の上に設けられた誘電体層であって、オンチップ光導波路のコアを形成するためにパターニングされた誘電体層と、コアに隣接して設けられた、光導波路の金属製の側壁と、誘電体層の上および側壁の上に設けられた第1メタライゼーション層とを含み、側壁と第1メタライゼーション層とはオンチップ光導波路の被覆層の一部をコアの周囲に形成することを理解されるであろう。これらの例示的実施形態におけるこの信号経路の性質は、図2に示されている一例示的実施形態の平面図を見直すことによってより良く理解されるであろう。この図では、誘電体コア112内を進行する光信号200は、オンチップ光導波路100の金属被覆層114および116によって画成された屈折率境界に衝突することによって内部反射される様子が分かる。
【0022】
一般に本来可撓性で容易に屈曲可能な光ファイバと異なり、これらの例示的実施形態による光導波路100は、光信号を信号経路内の「複数の屈曲部」に沿って送るために、複数の反射器、例えば反射器210、も通常含む。このような反射器は、例えば、その開示内容を参照により本願明細書に組み込むものとする、エルゼビア社(Elsevier B.V.)から出版された「薄い固体膜(Thin Solid Films)」第472巻(2005年)p.169−179、ポノス(Ponoth)ら著「シリコンの配線バックエンド工程を使った自己整合メタライゼーションによるマイクロミラーの作製(Fabrication of micromirrors with self−aligned metallization using silicon back−end−of−the−line processes)」という表題の記事に記載されているようなミラーとして作製することも、あるいは図3および図4を参照して次にさらに説明するように、これらの例示的実施形態による光導波路に沿ったさまざまな位置に反射器を設けるための他の方法で作製することも可能である。
【0023】
初めに図3において、この例示的実施形態は、基板104に組み込まれた光送信デバイス300と光受信デバイス302とを含むことが分かる。光送信デバイス300は、基板104の表面に組み込まれた平坦な光発生デバイスとして作製されてもよく、あるいは光学的光信号303が最初に基板104に直角または略直角な方向に送信されるように送信デバイス300を作成するために、例えばエルビウムを、シリコン自体に添加してもよい。1つの純粋に例示的な実施形態によると、送信デバイス300はシリコンのバンドギャップ(すなわち、hν=1.12eV)に近いエネルギー領域の光を発生させうるので、例えば、データストリームを伝送する電気信号に基づき、光を振幅変調させうる。
【0024】
次に、反射器304によって光学的光信号303を変向させて光導波路100によって画成された信号路に従わせることができる。光導波路100は、図1および図2を参照して先に説明したように暗い領域(金属被覆)に界接する明るい領域(誘電体コア112)を含むものとして図3の断面図に示されている。反射器304は、例えば、送信される光信号303に対して約45度の角度を有する反射面によって形成可能である。この反射面は、例えば、図3に示されているさまざまな金属層の金属堆積に先立ち、導波路100のコアを形成する誘電体材料を異方性エッチング工程によりエッチングすることによって、または金属堆積に先立ち、45度の入射角での指向性エッチングレートによる反応性イオンエッチング工程によって、作製可能である。反射器304は、その後に光信号303が基板104に平行または略平行な方向に進むように、光信号303を変向させる。
【0025】
図3の例示的実施形態において、光信号303は、第2反射器306に到達するまで、導波路100内を進む。この図から分かるように、光は導波路100内を多くの異なる経路に沿って伝播しうるが、金属被覆層によって閉じ込められている。反射器306は光信号303を変向させるので、光信号303は次に光受信デバイス302に向かって下方に進む。光受信デバイス302は、例えば、受信した光信号をその後の処理またはオフチップルーティングのために電気信号に変換する光検出器として機能する基板104内のPN接合として形成されうる。
【0026】
図4の実施形態は、光信号303の一部を対応する光受信デバイス302に向けて下方に変向させる複数の反射器400および402を光導波路100に沿って設けることによって上記の概念および実装をさらに展開している。この例において特に注目されることは、反射器400および402がコア112の横断面積より小さい大きさに設計されていることである。これにより、光信号303に対応付けられた光の一部は各光受信デバイス302に向けて下方に変向されるが、この光の一部は反射器400および402の傍を通り過ぎて光導波路100をそのまま進み、例えば他の複数の光受信デバイス302(図4には不図示)に到達する。この例示的構造により、オンチップ光導波路は、ICチップ上の複数の異なる部分(バスデータの消費側)に多重伝送される光バス信号を提供することができる。さらに、光波長多重化は、この構造の多重化能力を高めるためにも使用可能であろう。
【0027】
以上の説明から、これらの例示的実施形態によると、信号搬送手法に起因するインピーダンス負荷が皆無であるため、これらの光導波路構造によって生じる電力損失、または上記の光導波路と従来の電気トレースの両方を用いるICチップの場合は、少なくともその光学部分によって生じる電力損失、が皆無であることを理解されるであろう。信号の伝送速度は発光器および光検出器の速度によって制限されるだけであるので、今日のクロック周波数によって制限される対応する電気信号の伝送速度に比べ、高GHz範囲において数桁高い。さらに、光ファイバ内で遭遇する、例えばdB/km単位で論じられる、損失は遠距離光ファイバ通信システムでは致命的と考えられるが、オンチップ光導波路ではこのような信号の移動距離が相対的に短いため、このような損失はそれほど重要ではない。したがって例えば、光ファイバに用いられている特別に設計された被覆材料とは対照的に金属被覆を用いることにより、単位距離当たりの損失がより高いとしても、このような損失はこれらの例示的実施形態においては許容可能であり、さらにこれらの光導波路の光学コアと被覆層の両方の形成に既存の半導体製造手法を使用できることによって相殺される。
【0028】
したがって、1つの例示的実施形態によると、オンチップ光導波路を作製する方法は、図5のフローチャートに示されているステップを含むことができる。この図においては、ステップ500で、基板が設けられる。ステップ502で、この基板の上に誘電体層が形成される。上記のように、この誘電体層は、少なくとも一部が基板上に直接、および/または少なくとも一部が介在する金属層上に、形成されてもよく、さらにオンチップ光導波路のコアを所望どおりに形成するためにパターニングされてもよい。ステップ504に示されているように、ダマシンメタライゼーション工程を用いて第1メタライゼーション層が誘電体層の両側に形成される。ステップ506では、誘電体層がオンチップ光導波路のコアを形成し、第1および第2メタライゼーション層がオンチップ光導波路の被覆層の一部を形成するように、第2メタライゼーション層が誘電体層の上に形成される。
【0029】
別の例示的実施形態によると、半導体チップ上に形成された光導波路で光信号を伝送する方法は、図6のフローチャートに示されているステップを含むことができる。この図では、ステップ600で、半導体チップの誘電体層で形成された光導波路のコアで光信号が伝送される。ステップ602で、光導波路内を伝送されている光信号は、例えば光送信および/または光受信デバイスを含む半導体基板上の領域を除き、半導体チップ上の誘電体層をほぼ取り囲む複数のメタライゼーション層で形成された光導波路の被覆層によって内部反射される。
【0030】
これらの例示的実施形態によるオンチップ光導波路は、例えば携帯用電子装置、携帯電話機、コンピュータ、携帯用メディアプレーヤ、衛星航法デバイス、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、または携帯情報端末(PDA)を含むさまざまな電子デバイスに多くの用途を有するであろう。これらの電子デバイスのいくつかは、図7に示されているように概ね表すことができる。この図において、電子デバイス700は、例えば、プロセッサ702(または複数のプロセッサコア)と、メモリ704と、1つ以上の二次記憶デバイス706と、1つ以上の通信インターフェース708とを含むことができる。プロセッサ702および/または通信インターフェースは、例えば、図1〜6に示されている例示的実施形態に関連して上で説明したようなオンチップ光導波路を少なくともいくつか有する集積回路チップとして実装可能である。一部の例示的実施形態によると、このような集積回路チップは、例えば、チップ上の長い信号路にわたって信号を伝送するためにこのようなオンチップ光導波路を使用し、チップ上の短い信号路にわたって信号を伝送するために電気信号トレースを使用できる。
【0031】
上記の各例示的実施形態はあらゆる点において本発明を例示することを意図としており、限定を意図するものではい。したがって、本発明は、本願明細書に含まれている説明から当業者が導出できる詳細実装の変形例が多数可能である。例えば、金属層は被覆層を形成し、導波路の誘電体コア内で光を内部反射させると上で説明されているが、被覆層の反射機能の少なくとも一部を他の層が行ってもよい。例えば銅を用いて、金属層を設けるために上記のダマシン工程が用いられるとき、例えば上で参照により本願明細書に組み込まれた米国特許第6,197,678号に記載されているように、上記のような金属層と共に、バリア層を設けてもよい。このようなバリア層は、存在する場合、被覆層の反射機能の少なくとも一部を果たしうる。したがって、本願明細書および特許請求の範囲で使用されている「金属層」、「メタライゼーション層」という句およびこれらの変形は、金属層自体、および/またはバリア層が対応付けられた金属層、を指すものとする。このような変形および変更の全てが添付の特許請求の範囲によって規定されている本発明の範囲および精神に含まれるとみなされる。本出願の説明に用いられている如何なる要素、段階、または指示も、明示的に記述されていない限り、本発明にとって決定的または不可欠であると解釈されるべきではない。また、本願明細書に使用されている冠詞「a」は1つ以上の項目を含むものと意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンチップ光導波路であって、
基板と、
前記基板の上に設けられた誘電体層であって、前記オンチップ光導波路のコアを形成するためにパターニングされた誘電体層と、
前記コアに隣接して設けられた、前記光導波路の金属製の側壁と、
前記誘電体層の上および前記側壁の上に設けられた第1メタライゼーション層と、
を備え、
前記側壁と前記第1メタライゼーション層とは、前記オンチップ光導波路の被覆層の一部を前記コアの周囲に形成していることを特徴とするオンチップ光導波路。
【請求項2】
前記基板が前記側壁および前記第1メタライゼーション層と共に前記被覆層を完成させるように、前記誘電体層は前記基板の上に直接形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオンチップ光導波路。
【請求項3】
第2メタライゼーション層が前記側壁および前記第1メタライゼーション層と共に前記被覆層を完成させるように、前記誘電体層は前記基板と前記誘電体層との間に設けられた前記第2メタライゼーション層の上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオンチップ光導波路。
【請求項4】
前記側壁は、ダマシン金属堆積および平坦化工程を用いて前記金属をトレンチに充填することによって形成されることを特徴とする請求項1に記載のオンチップ光導波路。
【請求項5】
前記第1メタライゼーション層と前記側壁とは前記誘電体層に直接接触していることを特徴とする請求項3に記載のオンチップ光導波路。
【請求項6】
前記第1メタライゼーション層から前記誘電体層で形成された前記コアの内部まで延在する反射器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のオンチップ光導波路。
【請求項7】
前記反射器は前記コアの横断面積より小さいサイズに作られていることを特徴とする請求項6に記載のオンチップ光導波路。
【請求項8】
前記反射器の下方の前記基板に形成された光受信デバイスをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のオンチップ光導波路。
【請求項9】
前記基板に形成され、反射構成を介して光を前記誘電体層内に送信するように構成された光送信デバイスと、
前記基板に形成され、前記誘電体層で形成された前記光導波路からの前記光を前記反射構成を介して受信するように構成された光受信デバイスと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のオンチップ光導波路。
【請求項10】
前記光送信デバイスは、前記基板に略直角な第1方向に前記光を送信し、
第3メタライゼーション層に形成された前記反射構成内の反射器であって、前記誘電体層で形成された前記コア内を進む前記光を前記基板に略平行な第2方向に変向させるように構成された反射器、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のオンチップ光導波路。
【請求項11】
前記オンチップ光導波路は、光信号を光送信デバイスから光受信デバイスまで伝送するために集積回路チップ内に設けられ、前記光送信デバイスと前記光受信デバイスとは前記集積回路チップに対応付けられた前記基板に設けられることを特徴とする請求項1に記載のオンチップ光導波路。
【請求項12】
前記オンチップ光導波路は、携帯用電子装置、携帯電話機、コンピュータ、携帯用メディアプレーヤ、衛星航法デバイス、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、または携帯情報端末(PDA)のうちの1つの一部であることを特徴とする請求項11に記載のオンチップ光導波路。
【請求項13】
オンチップ光導波路の作製方法であって、
基板を設けるステップと、
前記基板の上に誘電体層を形成するステップと、
ダマシンメタライゼーション工程を用いて前記誘電体層の両側に第1メタライゼーション層を形成するステップと、
前記誘電体層の上に第2メタライゼーション層を形成するステップと、
を含み、
前記誘電体層は前記オンチップ光導波路のコアを形成し、前記第1および第2メタライゼーション層は前記オンチップ光導波路の被覆層の一部を形成することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記基板が前記第1および第2メタライゼーション層と共に前記被覆層を完成させるように、前記誘電体層は前記基板の上に直接形成されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第3メタライゼーション層が前記第1および第2メタライゼーション層と共に前記被覆層を完成させるように、前記誘電体層は前記基板と前記誘電体層との間に設けられた前記第3メタライゼーション層の上に形成されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1、第2、および第3メタライゼーション層は前記誘電体層に直接接触することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2メタライゼーション層から前記誘電体層で形成された前記光導波路コアの内部まで延在する反射器を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記反射器は前記導波路コアの横断面積より小さいサイズに作られることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記反射器の下方の前記基板に光受信デバイスを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
反射構成を介して光を前記誘電体層内に送信するように構成された光送信デバイスを前記基板に形成するステップと、
前記光を前記誘電体層から前記反射構成を介して受信するように構成された光受信デバイスを前記基板に形成するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記光送信器は前記光を前記基板に略直角な第1方向に送信するように構成され、
前記誘電体層に形成された光導波路コア内を進む前記光を前記基板に略平行な第2方向に変向するように構成された反射器を前記第2メタライゼーション層に形成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記光導波路コアを形成するために前記誘電体層をパターニングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項23】
半導体チップ上に形成された光導波路で光信号を伝送する方法であって、
前記光信号を前記光導波路のコアで伝送するステップであって、前記コアは前記半導体チップの誘電体層から形成されている、ステップと、
前記光信号が前記光導波路で伝送されているときに前記光導波路の被覆層によって前記光信号を内部反射させるステップであって、前記被覆層は前記半導体チップ上の前記誘電体層をほぼ取り囲む複数のメタライゼーション層から形成されている、ステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記光信号の各々の一部を前記半導体チップの基板の表面に形成された光受信デバイスに向けて反射させるステップと、
前記光信号の各々の残りの部分を前記光導波路で引き続き進ませるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
電子装置であって、
光信号を光送信デバイスから光受信デバイスまで伝送するためのオンチップ光導波路を含む集積回路チップを備え、
前記光送信デバイスと前記光受信デバイスとは前記集積回路チップに対応付けられた基板に設けられ、
前記光導波路は誘電体コアと金属被覆層とから形成され、前記金属被覆層はダマシンメタライゼーション工程を用いて形成されていることを特徴とする電子装置。
【請求項26】
前記電子装置は、携帯用電子装置、携帯電話機、コンピュータ、携帯用メディアプレーヤ、衛星航法デバイス、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、または携帯情報端末(PDA)であることを特徴とする請求項25に記載の電子装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−514540(P2013−514540A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543629(P2012−543629)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069377
【国際公開番号】WO2011/073097
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】