説明

オンラインの医療記録を提供するための方法およびシステム

消費者が、消費者アカウントを使用して、自分に関連付けられている健康記録へアクセスしてそれらの健康記録を収集できるようにするための方法が提供される。この方法は、少なくとも1つのヘルスケアプロバイダからの通信を受信するために、消費者アカウントに個別に関連付けられた送信先アドレスを割り当てるステップと、消費者が安全なウェブサイトへアクセスするために使用するアクセス情報を消費者アカウントに関連付けるステップと、その通信が、消費者が要求してヘルスケアプロバイダに送信許可を与えた、その消費者に関連付けられている健康記録を含むステップと、その健康記録の表示を保存するステップと、アクセス情報を使用してウェブサイトへの安全なアクセスを消費者に提供するステップと、消費者が使用できるようにその消費者の健康記録へのインターフェースをウェブサイト上で提供するステップとを含む。送信先アドレスは、電話番号やEメールアドレスとすることができる。ウェブサイトはまた、消費者によって(重要ドキュメントを含む)ドキュメントを保存するステップと、それらのドキュメントを整理するステップと、それらのドキュメントに注釈を付けるステップと、それらのドキュメントをアップロードするステップと、さらなる層のセキュリティを特定のドキュメントに提供するステップとを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年9月12日に出願された米国特許出願第11/225,518号の一部継続出願であり、この米国特許出願第11/225,518号に対する優先権を主張するものである。この米国特許出願第11/225,518号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、オンラインの医療記録を提供することに関する。より詳細には、本発明は、消費者が自分の医療記録をヘルスケアプロバイダ(healthcare provider)に要求し、自分の医療記録を保存し、自分と自分のヘルスケアプロバイダ間のプライベートな通信を提供するための手段を提供することに関する。
【背景技術】
【0003】
医療情報およびその他の健康情報は、とりわけ機密性の高い通信となる可能性がある。HIPPA プライバシー規則などの法律は、医療記録の配布を制限したり、限定したり、あるいは医療記録の配布に特定の条件を課したりしている。医療保険可搬性と責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act:HIPAA)などの法律は、自分自身の医療記録へアクセスする権利を患者に与えている。
【0004】
病院などのヘルスプロバイダ(health provider)は、治療や受け入れのための条件として自分たち自身のプライバシーに関する慣行(privacy practice)に従うことを患者に要求する可能性がある。ヘルスプロバイダによるプライバシーに関する慣行の記述では、患者は自分の医療記録を調べ、コピーする権利を有するということがおそらくは説明されるであろうが、ヘルスプロバイダおよび患者の双方にとって重荷となる乗り越えるべき大きな手続き上のハードルが存在するおそれがある。たとえば患者は、書面による要求を提出するように求められるかもしれず、医療や健康に関連する記録のコピーを受け取る際に処理の遅れがあるかもしれず、また患者は、ヘルスプロバイダが自分たちの患者の記録を不適切に開示することを回避するために設けた手続き上のハードルに準拠するためにヘルスプロバイダにとってもたらされる不便さの結果として生じるさらなる処理手数料を負担することになるかもしれない。
【0005】
もちろん、患者の医療記録に関するプライバシーに対する懸念によって、ヘルスケアプロバイダにとっては、その他の問題がもたらされる。たとえば、ヘルスケアプロバイダが、患者に関するチェックを行うために、患者の現在の状態に関するさらなる情報を要求するために、検査のスケジュールを組むために、検査の結果を報告するために、再受診が必要である旨を伝えるために、あるいはヘルスケアを患者に提供することに関連したその他の理由のために、電話を介して患者と通信する必要がある場合を想定していただきたい。ヘルスケアプロバイダは、患者の自宅や職場に電話するが、その患者は、電話に出ることができない。代わりに、その電話には別の人が出るが、その人は、同僚や家族である可能性がある。あるいは、ヘルスケアプロバイダには、留守番電話メッセージを残す機会が提供される。ヘルスケアプロバイダは、プライベートな情報を不注意に開示することを避けるために非常に慎重でなければならない。したがってヘルスケアプロバイダは、別の人に、あるいは留守番電話システムにメッセージを残すことが、患者のプライバシーの権利やプライバシーの期待に反することになる場合には、そうすることができないかもしれない。ヘルスケアプロバイダにとっては、以前に同意されたプライバシーに関する方針(privacy policy)を介してそうすることが法的に認められているかもしれない状況でさえ、その患者が、プライバシーに関する方針に同意した時点で自分が同意した内容を理解していなかった場合や、プライバシーに関する方針のもとでの自分の権利を理解していなかった場合には、そうすることは、その人の希望に反するおそれがある。その患者のためのメッセージは、その患者が他者に知ってほしいと思っている以上の情報を他者に提供するおそれがある。ヘルスケアプロバイダが、一見害のないメッセージを留守番電話システムに、あるいは別の個人に残そうと試みる場合でさえ、その患者が共有したいと思っている以上の情報が共有されるおそれがある。たとえば、その患者が特定の医師に電話することを求める別の要求と共に残されたメッセージは、その患者が他者と共有したいと思っている範囲を超えているかもしれない。たとえば、その医師が産科医であり、その患者が、自分が妊娠していることを自分の大切な相手にまだ知られたくないと思っている女性であるということが知られたり、あるいは容易に判断されたりする場合を想定していただきたい。その医師が癌専門医であり、その患者が、自分が癌であることを自分の同僚や雇用主に知られたくないと思っているということが知られたり、あるいは容易に判断されたりする場合を想定していただきたい。これらの場合においては、医師の名前を知るだけで、患者の状態や可能性のある状態に関して知識に基づく推測を行うには十分であろう。患者は、これを自分のプライバシーの侵害とみなすかもしれない。その患者が何らかの法的手段を取るか否かにかかわらず、この結果、その患者は憤慨するおそれがあり、その患者と、その患者のヘルスケアプロバイダとの間における関係に悪影響が生じるおそれがある。
【0006】
もちろん、メッセージを残す代わりに、ヘルスケアプロバイダは、単に電話をかけ直すこともできるが、これは、ヘルスケアプロバイダやそのスタッフにとって不便であり、患者がメッセージを受け取るまでの時間を必要以上に遅らせるおそれがある。したがって、プライベートで安全な通信があれば、ヘルスケアプロバイダおよび患者の双方にとって有益であろう。ヘルスケアプロバイダは、プライベートな情報を、その情報を有するべきではない相手に開示してしまうことについて心配する必要がなくなるであろう。そして患者は、それらの通信をより早く受け取る可能性が高まるであろうし、また、自分のプライバシーが保たれたことを知って安心することができる。
【0007】
医療記録に関連する別の問題は、ある個人が複数のヘルスケアプロバイダを受診している場合に、医療記録を要求する不便さが倍増するということである。記録を得る際の不便さおよび遅延の可能性を想定すれば、このような場合には、その個人は、実際には完全な医療履歴を編集しないという可能性もある。その個人が自分の記録を有している範囲内において、その個人は、それらの記録を保存して整理する方法を決定しなければならない。
【0008】
医療記録に関連するさらに別の問題は、個人が医療記録を提供できないときにそれらの医療記録が最も必要とされる場合が多いということである。たとえば緊急事態においては、処置者にとっては、その個人の医療履歴を知り理解することが望ましいであろう。特定のアレルギーについて知っておくことは、その個人の状態に悪影響を与えることになる薬物を投与してしまうことを回避する上で必要不可欠であるかもしれない。以前からの状態について知っておくことは、的確な診断および治療にとって必要不可欠であるかもしれない。望まれているものは、関連する医療記録を、最も必要とされているときに共有できる方法である。
【0009】
消費者をそれらの消費者の医療記録に関してさまざまな方法で支援するために、さまざまな試みが行われてきた。このような試みの一例が、Synchartである。Synchartは、ウェブベースのサービス(www.synchart.com)であり、これによって消費者は、自分個人および家族の健康情報をデータベースに入力することができる。ユーザは、医師への訪問(doctor visit)、予防接種、病院への訪問(hospital visit)、アレルギー、およびその他の関連情報を入力し、それらの入力したデータに基づいてレポートを作成することができる。それらのサービスの一環として、消費者は、自分の医療情報データを伴うCD、ならびにウォレットカード(wallet card)を受け取る。医療データはSynchartのウェブサーバ上に保存されるため、インターネットに接続されているいかなるコンピュータからもユーザの健康情報へアクセスすることができ、これによって、Synchartの主張によれば、医師およびその他のプロバイダは、ユーザにアカウント情報を与えられれば、ユーザの情報へアクセスできるようになる。
【0010】
Synchartなどのサービスに伴う問題の1つは、ユーザが自分の健康履歴に関する情報をデータベースに入力するように要求されるという時間のかかる面倒なプロセスであり、これは、不便でもあり、時として困難でもある。これらの問題は、個人が自分の医療記録を完全には理解していない場合には、さらに拡大される。このようなシステムの別の問題は、ユーザによる事務的なエラーによって、ユーザの医療記録が不正確な情報を有する結果となるおそれがあるということである。さらなる問題は、個人が医療情報をすぐに入力しなければ、その情報は、すぐに利用できるようにはならないということである。このような問題を悪化させる事実として、個人がヘルスケアプロバイダを頻繁に受診しているときには、彼らは病気であるか、あるいは負傷しており、彼らにとって、自分の医療記録を更新することは、とりわけ不都合である場合が多い。最後に、このようなシステムは、ヘルスケアプロバイダから医療記録を得るという問題に対処していない。
【0011】
Redi-Recordsは、消費者が自分の医療記録へアクセスできるように支援するシステムの別の例である。手数料と引き換えに、Redi-Recordsは、様々な医師および病院から加入者の医療記録をすべて収集する。記録が収集されると、Redi-Recordsは、それらの記録をデジタル化して、2枚のミニCD上に格納する。ユーザは、1枚のミニCDを自分の財布に入れて携帯し、もう1枚を自宅に保管することができる。さらなるコストと引き換えに、この企業は、180日または90日ごとにユーザの記録を更新する。このようなサービスは、ミニCD上の記録を携帯することによって医療上の緊急事態に際して適切な治療が受けやすくなるであろうという謳い文句を伴って販売されている。このようなアプローチに伴う問題の1つは、記録が必ずしも最新であるとは限らないということである。このようなアプローチに伴う別の問題は、第三者が関与していることであり、それによって、その第三者に医療記録へのアクセスを認めるために消費者およびその消費者のプロバイダによって複雑な用紙の全項目を記入することが必要となり、このことによって、情報を収集する際に遅延が生じるおそれがある。この第三者の関与に起因して、人によるドキュメントの取り扱いが連鎖し、このことによって、それらのドキュメントのプライバシーが危うくなるおそれがある。さらにミニCDは、保護やパスワードによる保護がなされていないおそれがあり、あるいは、それらのミニCDにどのようにアクセスするかに関する情報が容易に入手できるおそれがある。ミニCDに保護やパスワードによる保護がなされていない場合には、許可されていない個人が人の医療記録へアクセスするおそれがある。
【0012】
従来技術による別のアプローチは、HeartRecord(www.heartcenteronline.com)である。このサービスは、心臓病の患者に的を絞っている。ユーザは、会費を支払って、自分の医療履歴、医師、および処方薬に関する情報をデータベースに入力することができ、このデータベースには、インターネットおよび保護されたパスワードを使用してアクセスすることができる。結果として、医療上の緊急事態に際して、あるいはユーザが医師を訪問した際に、重要な情報を利用することができる。HeartRecordによって、ユーザは、自分のEKG(心電図)およびその他の生体関連画像(vital image)を、コンピュータから、あるいはその画像をその企業へEメール、ファックス、または郵送することによって、自分のアカウントにアップロードすることもできる。HeartRecordには、いくつかの固有の問題がある。HeartRecordのシステムは、データを入力することおよび画像をアップロードすることの負担を完全にユーザの側に課している。HeartRecordのシステムは、ユーザがデータを入力することおよび画像をアップロードすることに慣れていない可能性があることを考慮できていない。HeartRecordのシステムはまた、ユーザが新たなデータおよび画像を自分のアカウントへ更新する際に最大限の勤勉を実践することによって自分の記録を最新の状態に維持してくれるであろうと想定している。このようなサービスに伴う別の問題は、その範囲が限られているということである。このようなシステムに伴うさらなる問題は、このようなシステムは医師と患者間のプライベートな通信リンクを作り出さないということである。
【0013】
従来技術による別のアプローチが、Personal MDによって示されている。この製品(www.personalmd.com)は、ファックスベースのテクノロジーを使用し、このテクノロジーによって、ユーザは記録を保存することができ、それらの記録にインターネットを介してアクセスすることができる。Personal MDはまた、「緊急(Emergency)」とマークされたフォルダ内に最も重要な情報をユーザがファイルできる機能を提供し、それらの情報は、医療上の危機に際して要員によってファックスを介して印刷することができる。Personal MDはまた、投薬備忘録(medication reminder)およびその他のカレンダ機能を提供し、サイトには、記事配給業者を通して配信された健康情報コンテンツ(syndicated health information content)が含まれている。このアプローチに伴う問題の1つは、使いにくいことである。たとえばPersonal MDの場合には、専用ではない番号が使用され、したがって、ファックスを送信する人は、ファックスを送信する前にPIN(personal identification number:PIN)を入力しなければならない。このことによって、多忙な診療所にとって許容できない不便さが生じるおそれがあり、フラストレーションがもたらされるおそれがある。さらにまた、誤った暗証番号を使用することによって、誤った送信先へファックスが向けられるおそれがあるという点で、人為的なエラーを犯すさらなる機会が生じる。さらに、専用ではない番号は、専用の番号よりも使用中である場合が多く、ユーザの医療記録に対する更新やアクセスに関するフラストレーションが増大するおそれがある。このようなシステムは、患者とその患者のヘルスケアプロバイダ間のプライベートな通信リンクを提供することには焦点を合わせていない。
【0014】
従来技術による別のアプローチは、WebMD(www.webmd.com)によって提供されているWeb MD Health Managerである。このシステムによって、ユーザは、健康状態、血圧、コレステロールレベル、およびその他の指標など、自分個人の健康に関するデータを入力することができる。そしてこのシステムは、それらの数値をデータベースに照らし合わせて、個人的な「自己診断」を提供し、よりよい健康に関するヒントを提供する。このようなシステムは、医療記録の保存や、ヘルスケアプロバイダと患者間のプライベートな通信リンクを提供しない。
【0015】
従来技術による別のアプローチは、iHealthRecord.orgから利用することができる。このサービスは、インタラクティブなデータ入力スクリーンを提供し、このインタラクティブなデータ入力スクリーンによって、ユーザは、自分個人および家族の健康履歴を入力することができる。そして、この情報をウォレットカード上に印刷することができる。このようなアプローチに伴う問題の1つは、ユーザが自分の医療記録に関する情報をデータベースに入力するように要求されるという時間のかかる面倒な作業であり、これは、ユーザが自分の健康履歴を更新する際に勤勉であるだろうと想定しているが、たとえそうであっても、不正確な結果となるおそれがある。さらに、このアプローチは、ヘルスケアプロバイダとその患者間の安全な通信リンクを提供せず、あるいは個人の健康および医療の記録の保存および管理を提供しない。
【0016】
従来技術によるアプローチの別の例が、エメリらの米国特許出願公報第2004/0267572号に開示されている。エメリは、個人の医療に関するアポイントメントおよびその他の情報のためのオンラインデータベースのためのシステムを対象にしている。エメリはまた、そのオンラインデータベースへアクセスするために使用できる情報を提供する緊急情報IDカードを患者に提供することを開示している。エメリのシステムでは、患者またはヘルスケアプロバイダのいずれかが、オンラインデータベースへアクセスしてオンラインの健康記録を修正する必要がある。したがって、このようなシステムは使いにくく、患者にとっては、自分自身の情報をエラーなくタイムリーに入力すること、或いはさらなる時間、リソース、およびシステムに対する習熟やトレーニングを必要とすることになるさらに別のさらなるサービスを追加するようにヘルスケアプロバイダに要求することのいずれかが必要となる。
【0017】
従来技術による別のアプローチが、ジャコブスらの米国特許出願公報第2005/0209891号に開示されている。ジャコブスは、医療記録、臨床での所見、および医療画像を、ウェブを介してアクセスできる共通のデータベース内にまとめて集約することを開示している。ジャコブスはまた、プロバイダが患者の記録のアップロードや更新を行えるようにし、患者が自分の情報がアップロードされるように要請できるようにしている。このようなシステムでは、ヘルスケアプロバイダがそのシステムを使用してそのプロセスに関与することが必要となる。したがって患者は、自分のすべてのヘルスケアプロバイダがその同じシステムを使用しなければ、このようなシステムから十分に恩恵を受けられないことになるが、自分のヘルスケアプロバイダが、その同じシステムを使用することに積極的でなかったり、あるいはそうすることが不可能であったりするおそれがあり、このようなシステムを使用することに伴う時間およびコストが加わることになることを考えれば、とりわけそうである。
【0018】
従来技術による別のアプローチが、ベラムらの米国特許出願公報第2005/0251423号に開示されている。ベラムは、患者と電子医療記録(electronic medical record:EMR)間のプログラム可能なルールベースのインターフェースを開示しており、このインターフェースは、ヘルスケアプロセスへの患者の参加度合いを高めるために、患者がEMRへアクセスするのをコントロールすることができる。ベラムは、実際に、患者が自分自身のデータへアクセスすることを制限する。さらにベラムは、完全で正確なEMRを入手するという問題に対処していない。
【0019】
したがって、これらの領域における進歩にもかかわらず、依然として問題がある。とりわけ、ヘルスケアプロバイダと患者間の安全でプライベートな通信を提供すること、ならびにヘルスケアプロバイダおよび患者の双方にとって便利な方法でそれを行うことが必要であるという認識が一般的に欠けている。また、個人が自分のヘルスケア記録へのアクセスを得るための自分の権利を行使して、パスワードによって保護された安全な1つのアカウント内にそれらの記録を保存し維持することが出来、そのアカウントでファイルをまとめることができるという問題に対する認識が一般的に欠けている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明の第1の目的、特徴、または利点は、現況技術を改良することである。
【0021】
本発明のさらなる目的、特徴、または利点は、ヘルスケア要員が医療記録のプライバシーに関するHIPAAやその他の法的要件の順守を容易にすることである。
【0022】
本発明のまたさらなる目的、特徴、または利点は、個人に自分のヘルスケア記録への有意義なアクセスを提供し、それによって、その個人が、自分の医療記録へのアクセスをコントロールすることに関する自分の法的権利を行使できるようになることである。
【0023】
本発明のさらに別の目的、特徴、または利点は、緊急事態において適切な処置を提供する際に役立つように個人がヘルスケア記録にすぐにアクセスできるようにすることである。
【0024】
本発明のさらなる目的、特徴、または利点は、ヘルスケアプロバイダがヘルスケア記録のプライバシーに関する法律に従うための便利でコスト効率のよい方法を提供することである。
【0025】
本発明のまたさらなる目的、特徴、または利点は、個人が、医療記録のコピーを提供するよう自分のヘルスケアプロバイダに要求するための便利でコスト効率のよい方法を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的、特徴、または利点は、ヘルスケア要員とその患者間のプライベートな通信リンクを提供することである。
【0027】
本発明のさらに別の目的、特徴、または利点は、個人が自分の医療記録をコントロールできるようにし、選択的に他者へアクセスを提供できるようにすることである。
【0028】
本発明のまたさらなる目的、特徴、または利点は、個人や家族の医療記録および関連情報をすべて単一の場所に保存することを容易にすることであり、それによってヘルスケア要員は、必要なときに完全な医療情報/履歴を入手することができ、あるいはそれらの医療記録に関して分析を行うことができる。
【0029】
本発明の別の目的、特徴、または利点は、個人が、処方薬を補充する必要があることを思い出すためのカレンダを作成するための手段を提供することである。
【0030】
本発明のさらに別の目的、特徴、または利点は、個人が、医師のアポイントメントを保存するためのカレンダを作成するための手段を提供することである。
【0031】
本発明のさらなる目的、特徴、または利点は、処方薬を補充したり医師のアポイントメントを思い出したりする必要があることに関する備忘録メッセージを提供することである。
【0032】
本発明のまたさらなる目的、特徴、または利点は、医療記録を保存し、整理し、注釈を付けるための、そしてまた、それらの記録が保存されるフォルダにユーザが名前を付けられるようにすることによってその保存をカスタマイズするための方法を提供することである。
【0033】
本発明の別の目的、特徴、または利点は、ユーザがX線やスキャンなどの画像をアップロードできるようにすることである。
【0034】
本発明のさらに別の目的、特徴、または利点は、ユーザがファックスを介してヘルスケアプロバイダへ記録を転送できるようにすることである。
【0035】
本発明のさらなる目的、特徴、または利点は、ユーザが、自分が服用している処方薬どうしの間に何らかの発生しうる相互作用があるかどうかを確認できるようにすることである。
【0036】
本発明のさらなる目的、特徴、または利点は、個人が、医療記録だけでなく、歯科記録、ペットに関連するヘルスケア記録、および重要ドキュメント(遺書、尊厳死を求める遺書、委任状、およびヘルスケア関連の委任状(healthcare power of attorney)を含むが、これらには限定されない)を含むその他のタイプの健康記録を保存してそれらの記録へアクセスするための手段を提供することである。
【0037】
本発明のさらに別の目的、特徴、または利点は、ヘルスケアプロバイダが、個人に関連付けられている記録をその個人へ迅速かつ容易に、その一方で安全に通信できるようにすることである。
【0038】
本発明のこれらおよび/またはその他の目的、特徴、または利点のうちの1つまたは複数は、本明細書および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明の一態様によれば、消費者が、自分に関連付けられている個人的な健康記録へアクセスし収集できるようにするための方法が提供される。この方法は、ヘルスケアプロバイダからのファックス通信および音声通信のために消費者に個別に関連付けられた電話番号を割り当てることと、消費者が安全なウェブサイトへアクセスするために使用するアクセス情報をその消費者に関連付けることとを含む。消費者には、健康記録へアクセスするためのその消費者の法的権利を行使するヘルスケアプロバイダへ提供するためのドキュメントが提供され、このドキュメントは、健康記録を電話番号へ送信するようヘルスケアプロバイダに要求する。この方法は、消費者が要求してヘルスケアプロバイダに送信許可を与えたその消費者に関連付けられている個人的な健康記録を含むプライベートなファックス通信を受信することと、そのプライベートなファックス通信を(PDF(登録商標)などの)画像ファイルフォーマットへと変換することと、その画像ファイルフォーマットでコード化された健康記録を保存することと、アクセス情報を使用してウェブサイトへの安全なアクセスを消費者に提供することと、消費者が健康記録へアクセスできるようにその消費者の健康記録へのインターフェースをウェブサイト上で提供することとをさらに提供する。
【0040】
このドキュメントは、健康記録に容易に添付することができるように粘着剤を含むこともでき、あるいはステッカーとすることもできる。アクセス情報を含み、消費者に関連する医療上の緊急事態に際して、その消費者に関連付けられている健康記録へアクセスするために第三者によって使用することができる緊急アクセスカードを提供することもできる。
【0041】
このウェブサイトインターフェースは、好ましいことに、ファイルフォルダに名前を付けること、およびファイルフォルダを追加すること、ならびにそれらのファイルフォルダのためのさらなるパスワード保護を提供することのための消費者用の機能を用いて健康記録を別々のファイルフォルダへと整理することができる。
【0042】
本発明の別の態様によれば、顧客が、自分に関連付けられている健康記録に対する権利を行使し、それらの健康記録にアクセスし、それらの健康記録をプライベートなものとして維持し、緊急時にそれらの健康記録へのアクセスを提供する上で役に立つためのキットが提供される。このキットは、顧客の健康記録へのアクセスを提供する安全なウェブサイトへアクセスするために使用されるその顧客に関連付けられているアクセス情報を含むアクセスカードを含み、このアクセスカードは、その顧客に関連する医療上の緊急事態に際してアクセス情報を他者へ伝達するために使用される。このキットはまた、ヘルスケア記録に対する顧客の法的権利を行使する少なくとも1つのステッカーを含み、このステッカーは、送信先へ健康記録を電子的に送信するためのヘルスケアプロバイダへの指示を含み、その送信先へ送信されたそれらの健康記録には、安全なウェブサイト上でアクセスすることができる。
【0043】
本発明の別の態様によれば、消費者の個人的な健康記録を通信するためのシステムが提供される。このシステムは、同意書、ファックスサーバ、およびウェブサーバを含む。同意書(ステッカーであることが好ましい)は、消費者に関連付けられている専用の電話番号へ消費者の健康記録をファックスするようヘルスケアプロバイダに指示し、そうするよう許可を与える。ファックスサーバは、専用の電話番号へ宛てられた健康記録のファックスを受信するためのものである。ウェブサーバは、ファックスサーバと有効な通信状態にあり、健康記録への安全なウェブベースのインターフェースを提供するように適合されている。このウェブベースのインターフェースによって、ウェブブラウザを通じて画像をアップロードできるようになり、ユーザは、ファックスをヘルスケアプロバイダへ送信できるようになり、自分のヘルスケア記録を管理することに関連するその他の機能を実行できるようになる。
【0044】
本発明の別の態様によれば、消費者が、消費者アカウントを使用して、自分に関連付けられている健康記録へアクセスしてそれらの健康記録を収集できるようにするための方法が提供される。この方法は、少なくとも1つのヘルスケアプロバイダからの通信を受信するための、消費者アカウントに個別に関連付けられた送信先アドレスを割り当てることを含む。この送信先アドレスは、個別に割り当てられたフリーダイヤル番号又はEメールアドレスとすることができる。この方法は、消費者が安全なウェブサイトへアクセスするために使用するアクセス情報を消費者アカウントに関連付けることと、少なくとも1つのヘルスケアプロバイダのうちの1つからの通信を受信することとをさらに提供する。この通信は、送信先アドレスへ宛てられており、消費者が要求してヘルスケアプロバイダに送信許可を与えた、その消費者に関連付けられている健康記録を含む。この方法は、健康記録の表示を(好ましくは画像ファイルフォーマットで)保存することをさらに含む。この方法は、アクセス情報を使用してウェブサイトへの安全なアクセスを消費者に提供することと、消費者が使用できるようにその消費者の健康記録へのインターフェースをウェブサイト上で提供することとをさらに含む。アクセス情報は、第1のレベルのセキュリティを提供するための第1のセットのアクセス情報と、さらなるレベルのセキュリティを提供するための少なくとも1つの第2のセットのアクセス情報とを含むことができる。さらに、この方法は、ウェブサイトへのファイルアップロードによって消費者からヘルスケア記録、重要ドキュメント、あるいはその他の情報を受信することを含むこともできる。ヘルスケア記録は、家族やペットのヘルスケア記録、歯科記録、あるいはその他のタイプのヘルスケア記録とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
本発明は、個人が自分のプライベートな医療情報を収集して保存するための、およびその個人と、その個人のヘルスケアプロバイダとの間におけるプライベートな通信を提供するための便利な方法を提供する。本発明がプライベートな医療情報を収集して保存し、プライベートな通信を容易にする方法のうちの1つは、ファックス通信および音声通信のための専用のフリーダイヤル番号であるライフライン(LIFELINE)を使用することを通じたものである。この専用のフリーダイヤル番号は、ヘルスケアプロバイダとその患者との間における直接のプライベートな通信を提供し、それによってヘルスケアプロバイダは、自分が患者の通信を秘密に保持していること、および該当するプライバシー法やプライバシーに関する患者の期待に反するのを回避していることを確信することができる。
【0046】
図1は、本発明のシステム100の一実施形態を示す図である。図1においては、消費者または患者102が示されている。ヘルスケアプロバイダ104も、ファックス/音声サーバ(fax/voice server)106と共に示されている。ウェブサーバ108が、ファックス/音声サーバ106へ動作可能に接続されている。ヘルスケアプロバイダ104は、電話110を使用して、フリーダイヤルの専用電話番号によってプライベートな留守番電話メッセージをファックス/音声サーバ106へ通信する。さらにヘルスケアプロバイダは、フリーダイヤルの専用電話番号を使用して、健康記録または医療記録112をファックス/音声サーバ106へファックスする。医療記録112は、その医療記録112の上にステッカー114が提示されていることが好ましい。ステッカー114は、その情報をフリーダイヤルの専用電話番号へファックスするようにヘルスケアプロバイダ104またはそのスタッフに指示または命令する。さらにステッカー114は、患者102からヘルスケアプロバイダ104への明確な同意の表示をフリーダイヤルの専用電話番号へ提供する。したがって、これは、消費者または患者102にとっては、健康記録をファックスするための指示を自分のヘルスケアプロバイダ104に提供するというシンプルなプロセスになり、ヘルスケアプロバイダ104にとっては、ヘルスケア記録を求める要求を満たすための許可を得るというシンプルなプロセスになり、そしてヘルスケアプロバイダ104にとっては、ファックスが、患者102に関連付けられているフリーダイヤルの専用電話番号へ直接届くため、ヘルスケア記録を求める要求を安全で便利な方法で満たすというシンプルなプロセスになる。
【0047】
ウェブサーバ108は、ネットワークを介して、あるいはその他の方法でなど、ファックス/音声サーバ106へ動作可能に接続されている。患者102、または患者102の代理人は、コンピューティングデバイス109を通じてウェブサーバ108と、あるいは電話117を使用してファックス/音声サーバ106と直接通信することができる。患者102は、本発明のウェブサイトに関連付けられているウェブサーバ108へログオンするためのアクセス情報を含むライフライン(LIFELINE)カード116を、留守番電話メッセージへアクセスしたり、Eメールを文字から音声に変換したものを聴いたり、あるいはその他の形で情報へアクセスしたりするためにかけることができる自分のフリーダイヤルの専用電話番号の備忘録として使用することができる。
【0048】
本発明によって、患者102は、コンピューティングデバイス109を使用してファイルをウェブサーバ108へアップロードすることもできる。さらに患者102は、コンピューティングデバイス109を用いてウェブサーバ108と対話して、処方箋やその他の個人的な健康記録がファックス/音声サーバ106を介してヘルスケアプロバイダ104へファックスされるように指定することができる。
【0049】
図2は、患者が、自分に関連付けられているフリーダイヤルの専用電話番号へ医療記録をファックスするよう自分のヘルスケアプロバイダに要求または指示するために自分のヘルスケアプロバイダに与えるステッカー114の一実施形態を示している。ヘルスケアプロバイダのオフィスで患者のファイルに永久にまたは半永久的に添付できることによってさらなる利便性が提供されるため、ステッカー114を使用することが好ましいが、本発明は、その他のタイプのドキュメントも使用することができると考えている。ステッカー114は、ライフライン(LIFELINE)電話番号120を含み、このライフライン電話番号120は、患者に関連付けられているフリーダイヤルの専用電話番号である。暗証番号がまったく必要とされず、これによって、ドキュメントをファックスするプロセスが大幅に簡略化されるという点に留意されたい。さらに、患者の名前122が示されている。それらの記録をファックスするようヘルスケアプロバイダに指示し、それらのヘルスケア記録をファックスする許可を明示的に与える要求書124も、ステッカー114上にある。要求書124の文言は、該当するあらゆる法律に準拠するように、必要に応じてさまざまなものとすることができる。ステッカー114は、自分の医療記録へのアクセスを自分に与えるよう自分のヘルスケアプロバイダに指示したいと考えている個人、ならびにその個人の医療記録へのアクセスをその個人に容易に提供できるようになったヘルスケアプロバイダの双方にとって多大な利便性を提供するということを理解されたい。本発明はさらに、医療上の注意喚起情報(medical alert information)をステッカー114上に配置することもできると考えている。医療上の注意喚起情報のタイプとしては、血液型の情報(すなわち、ABOおよびRhの情報)、薬物に対するアレルギー、ペースメーカの存在、糖尿病、てんかん、あるいはその他の状態が含まれるが、これらには限定されない。
【0050】
図12は、このようなステッカーの別の実施形態を示している。図12においては、ステッカー800が示されているという点に留意されたい。ステッカー800は、医療記録802をファックスまたはEメールするための指示を含み、これらの指示は、自分のPHI(protected health information)のコピーを入手するための、および別の場所にいる自分へそのような通信を送信してもらうための45 C.F.R. § 164.522および45 C.F.R. § 164.524 (HIPAA プライバシー規則)のもとでの患者の権利を行使する役割を果たす。詳細には、指示802は、各来診後に、および/またはPHIが更新されたときは常にPHIのコピーをフリーダイヤル番号または市内番号で個人のプライベートなメールボックスにファックスするようヘルスケアプロバイダに指示し、それによって患者は、自分のPHIのコピーを保持することができる。あるいは指示802は、記録を指定のEメールアドレス810にEメールするようヘルスケアプロバイダに指示する。
【0051】
ステッカー800は、患者が自分の名前を活字体で記入するかまたはタイプするための領域804と、患者が自分の生年月日を活字体で記入するかまたはタイプするための領域806とを含む。医療記録が送達されるファックス番号のための領域808もある。この番号は、その患者に割り当てられたフリーダイヤルのファックス番号または市内番号であることが好ましい。医療記録が送信されることになるEメールアドレスのための領域810もある。
【0052】
図3Aおよび図3Bは、ライフラインカード116の一実施形態を示している。このライフラインカードには、表面130と、反対側の裏面132とがある。カード116は、個人の名前122と、その個人のための医療記録を保存しているウェブサイトを表すURL136とを含む。さらに、ユーザ名およびパスワードなどのアクセス情報134がある。カード116はまた、その個人に関連付けられているフリーダイヤルの専用電話番号120を含む。図3Bによって最もよく示されているようなカード116の裏面132上には、医療上の注意喚起情報139が提供されている。医療上の注意喚起情報139は、その個人が有するアレルギー、糖尿病やてんかんなどの病状、ペースメーカの存在、あるいは医療上の緊急事態に際してその個人に対して判断や治療を行う上で非常に重要になる可能性のあるその他の医療情報を含むことができる。医療上の注意喚起情報は、血液型の情報(すなわち、ABOおよびRhの情報)をさらに含むことができる。また、どのようにすればその個人に関する完全な医療記録や情報へアクセスすることができるかを示す指示138が、カード116上に提供されている。
【0053】
本発明は、個人や家族がこのサービスに申し込む際すなわちサインアップする際の導入キット(welcome kit)内にステッカー114(あるいはその他の許可/要求ドキュメント)およびライフラインカード116を含めることを考えている。さらに、このサービスに関連付けられているウェブサイトから、必要に応じて、さらなるステッカーおよび/またはさらなるカードを印刷することができ、情報を更新できることが好ましい。
【0054】
図13および図14は、本発明のウォレットカードの別の実施形態を示している。ウォレットカード820は、第1の面822と、反対側の第2の面824とを含む。図13に示されているように、ウォレットカード820の第1の面822は、第1のパネル826と、第2のパネル828とを有する。第1のパネル826は、個人に関する識別情報と、緊急指示830とを含む。緊急指示830は、緊急時には、ウェブサイトにおいて、保護されている健康情報へアクセスすることができるということを示している。ウォレットカード820の第1の面822の第2のパネル828は、保険情報と、患者の署名とを含む。
【0055】
図14に最もよく示されているように、ウォレットカード820の第2の面824は、緊急連絡先情報を含み、この緊急連絡先情報は、秘密の質問またはパスコード(passcode)を含み、これによって緊急連絡先の人は、本当に緊急事態であって不正な通知ではないということをよりよく確認することができる。ウォレットカード820の第2の面824はまた、現在の服薬、アレルギー、血液型、および適切な救急治療を提供する上で重要となる可能性のある病状に関する情報を含むことが好ましい。
【0056】
図4は、本発明のシステムの一実施形態を示している。このようなシステムは、ネブラスカ州オマハのプレイリーシステムズ会社(Prairie Systems, Inc.)の機器を使用して実装することが好ましいが、本発明は、その他のベンダーを使用することもできると考えている。図4に示されているように、システム200は、ファックス/音声サーバ202を含む。ファックス/音声サーバ202には、専用の電話番号206を使用してファックス機204または電話208によってアクセスすることができる。電話番号206はフリーダイヤルであることが好ましい。というのは、それによって、システムのアクセスしやすさおよび利便性が高まるためであり、これは、非常に重要なことである。しかし電話番号206は、ダイヤル直通電話番号とすることもできる。ファックス/音声サーバ202が通話を受信すると、ステップ210において、その通話が音声通話であるかファックス通話であるかが判定される。その通話が音声通話である場合には、双方向音声応答(IVR)システムを使用して、誰による通話か、通話の目的、あるいはその他の情報が判断され、そしていかなる留守番電話メッセージも音声ストレージ(voice storage)212内に保存される。このシステムは、留守番電話メッセージがある旨を、ステップ214におけるEメール通知、および/またはステップ216におけるその他のタイプの通知を通じて個人に通知するように適合されている。その他のタイプの通知は、携帯電話やホケベルへのテキストメッセージを含むことができるが、これに限定されない。したがってヘルスケアプロバイダは、ライフライン番号206に電話して、個人のための留守番電話メッセージを残しつつ、その通信がプライベートな通信であることを把握しているということが可能である。したがってヘルスケアプロバイダは、検査の結果、または新たなアポイントメントをスケジュールする必要があること、あるいはその他の情報など、プライベートな秘密の情報を残すことができる。個人は、留守番電話メッセージの存在に対して注意を喚起され、そしてファックス/音声サーバ202に電話して、メッセージをチェックすることができる。
【0057】
ドキュメントがファックスされた場合には、ファックス画像が収集され、PDF(portable document format)ドキュメント218に変換される。PDF形式が好ましいが、本発明は、本発明の特定の実装形態において適切である可能性がある場合には、その他のタイプのドキュメント変換を行うこともできると考えている。ドキュメントを送信するために使用された専用の電話番号206に基づいて、ファックスされたドキュメントは、ステップ220においてユーザアカウントに割り当てられ、保存される。個人は、ステップ224において、Eメールを介して、ドキュメントが送信されたことに対して注意を喚起される。あるいは個人は、ステップ222において、テキストメッセージングを介して、ファックスが送信されたことに対して注意を喚起される。
【0058】
本発明のウェブサイトは、ヘルスケア記録を収集して保存するための便利な場所を提供し、それらの記録への安全なアクセスを提供する。本発明のウェブサイトはまた、健康記録へのオンラインのアクセスを提供するためのサービスに登録するための便利な方法を提供する。図5Aおよび図5Bは、登録プロセスの一実施形態を提供している。図5Aにおいては、ユーザ250は、医療記録のウェブサイトを表すホームページ252へアクセスする。ステップ254においては、ユーザ250が既存のメンバーであるかどうかが判定される。そのメンバーが既存のメンバーである場合には、ステップ256において、そのユーザは、図6に示されているように、自分のユーザインターフェースへのアクセスを提供される。そのメンバーが既存のメンバーでない場合には、ステップ258において、そのユーザ250がサービスの契約条件に同意するかどうかが判定される。そのユーザ250がサービスの契約条件に同意しない場合には、ステップ260において、そのユーザが関心を示してくれたことに対して謝意が表明されるが、そのユーザが先へ進むことは許可されない。ユーザはまた、ステップ262において、それらの契約条件をプリンタへ出力するオプションを与えられるか、またはそうすることを推奨され、それによって、それらの契約条件を綿密に検討して、希望に応じて自分の記録用としてコピーを保持することができる。ステップ258において、ユーザがサービスの契約条件に同意する場合には、ステップ264において、システムはユーザデータを収集する。ユーザデータ266は、名字、名前、住所の情報、都市、州、郵便番号、電話番号、Eメール/ページャー/モバイルデバイスの情報、緊急連絡先の名前、緊急連絡先の電話番号、かかりつけの医師の電話番号、保険の情報、アレルギーおよび服薬、ならびに/あるいはその他の情報を含むことができる。すべてのフィールドがステップ268において受信された場合には、ステップ272において、システムはユーザ名およびパスワードを割り当てる。ユーザは、特定のユーザ名を要求することもでき、および/または独自のパスワードを設定することもできるという点を理解されたい。ユーザが独自のパスワードを選択した場合には、ステップ270において、そのパスワードがセキュリティの要件を満たしているかどうかが判定される。たとえば、最低限の文字数を必要とすることができたり、または少なくとも1つの数字がなければならなかったり、あるいはその他の要件があったりする。ユーザが独自の名前を選択することが認められる場合には、ステップ274において、ユーザ名のデータベースが検索され、ステップ276において、その名前が利用可能であるか否かが判定される。その名前が利用可能である場合には、278において、ユーザは、暗証番号(personal identification number:PIN)を作成することが認められる。ステップ280においては、特定の桁数や特定の最小桁数を必要とするようなルールが適用される。ステップ282においては、PINが有効にされ、登録プロセスは、ステップ284において課金オプションへ進む。図5Bにおいては、ユーザは、ステップ286においてプランを選択することが認められる。個人は、たとえばプランオプション288から個人プランまたは家族プランを選択することができる。ステップ290においては、ユーザは、クレジットカード情報292を入力し、このクレジットカード情報292は、クレジットカード番号、請求書送付先、およびCW番号(カード照合値番号)を含むことができる。そしてこの情報は、支払いプロセッサ(payment processor)294へ送信される。ステップ298においては、そのクレジットカード情報を支払い用として許可することができるかどうかが判定される。そのクレジットカード情報を支払い用として許可することができない場合には、ステップ296において再試行の回数が決定され、ユーザは、ステップ290において自分のクレジットカード情報を再入力することを許可される。クレジットカード情報の正当性を確認するために既に2回の試行があった場合には、今回は登録することができないので後で再び試してほしい旨がステップ300において個人に伝えられる。ステップ298において支払いが許可された場合には、ステップ302において専用のフリーダイヤルの電話番号が割り当てられ、ユーザに関連付けられているIPアドレスが登録される。ステップ304においては、ユーザアカウントが作成される。ステップ306においては、登録を確認するEメール通知がユーザへ送信される。ステップ308においては、ユーザは、医師、家族、カレンダに関する自分のデータベースなど、自分個人のウェブサイトをセットアップすること、およびその他の形で自分のウェブサイトを構成することを開始することができる。
【0059】
カレンダが使用される場合には、本発明は、そのカレンダを、Microsoft Outlook(登録商標)、PDA(登録商標)に付随するカレンダプログラム、あるいはその他の個人情報管理(personal information manager)などのアプリケーションと同期化することができると考えている。
【0060】
登録後、ユーザは、ウェブサイトのユーザインターフェースへアクセスすることができる。図6は、ユーザインターフェース256の一実施形態を示している。ユーザ250は、ホームページ252へアクセスすることができる。ステップ400においては、システムが、そのユーザによって使用されているipアドレスを、そのユーザに関連付けられているものとして認識するかどうかが判定される。そのipアドレスが認識されない場合には、特別なセキュリティ対策がとられ、ステップ414において開始する。ステップ414においては、ユーザ名および二重レベルのパスワードによるログインが必要とされる。有効なログインである場合には、プロセスはステップ424へ進む。有効なログインでない場合には、ステップ418において、無効なログインの試みすなわち試行の回数がモニタされ、その回数が3回である場合には、ステップ420において、そのアカウントは凍結される。ステップ400へ戻って、そのipアドレスが、そのユーザに関連付けられているものとして認識された場合には、ステップ402において、ユーザ名および単一レベルのパスワードによるログインが必要とされる。ステップ412においては、パスワードが有効であるか否かが判定される。有効なパスワードである場合には、プロセスはステップ424へ進む。有効なパスワードでない場合には、ステップ404において、無効な試みの回数が判定される。無効な試みが3回行われると、ステップ406において、そのアカウントは凍結され、ステップ408において、Eメールがその個人に送信され、その個人は、ステップ410において、パスワードを変更してそのアカウントを再開するための手続きを実施することができる。
【0061】
ステップ424へ戻って、そのアカウントが個人に関連付けられているか、または家族に関連付けられているかが判定される。そのアカウントが家族に関連付けられている場合には、ステップ426において、ユーザは、家族を選択して、家族データベース428へアクセスすることができる。ステップ424において、そのアカウントが家族アカウントでない場合には、ステップ430において、ユーザは、新たなPDFファイルおよび音声ファイルを表示する自分のメールボックスを見ることができる。これらの新たなファイルは、日時スタンプを含むことが好ましく、それによってユーザは、それらのファイルがいつ受信されたかを見ることができる。
【0062】
ステップ432において、ユーザは、自分にとって便利な方法でメッセージをよりよく識別するためにメッセージに注釈を付けることを認められる。ステップ434において、ユーザは、留守番電話メッセージを再生することができる。ステップ436において、ユーザは、そのメッセージを音声ストレージ438に保存すること、またはそのメッセージをゴミ箱440へ送ることを選択することができる。ステップ442において、ユーザは、医師を選択して、その留守番電話メッセージに関連付けることができる。たとえば、その留守番電話または画像化されたドキュメントの送信元の医師である。その医師が医師データベース444内にいることが好ましい。その医師が医師データベース444内にいない場合には、ステップ460において、ユーザは、その医師を含むように医師データベース444を更新することができる。そしてユーザは、その留守番電話またはドキュメントをユーザの好みに従って1つまたは複数のファイルフォルダへと整理することができる。ファイルフォルダの例としては、処方箋(RX)446、X線(XRAYS)448、検査(LABS)450、試験ノート(EXAM NOTES)452、その他(OTHER)454が含まれる。ユーザは、ファイルフォルダ456などの新たなファイルフォルダを作成し、そのフォルダを適切に識別することができる。ユーザインターフェースによって、フォルダ間のファイルの移動、ドラッグアンドドロップ、カットアンドペーストなどの機能458、および/またはユーザが自分の記録を整理する際に役立つことになるその他の機能が提供される。
【0063】
本発明は、1つまたは複数のさらなるパスワードを用いてファイルフォルダのそれぞれが保護されるようにする。このような実装形態は、複数のコンテキストにおいて特に有用である。たとえば、複数のパスワードを使用することによって、保険に関する情報、金銭に関する情報、あるいはその他の機密情報などの情報を医療記録とは別に保護することができる。
【0064】
このさらなる層のセキュリティが役に立つことができる場合の別の例は、両親と複数の子供たちとから構成されている家族によって単一のアカウントが共有されている場合である。それぞれの親は、自分自身のフォルダを別々のパスワードによって保護することができ、それによって他方の親は、そのフォルダにはアクセスすることができないが、双方の親は、依然として子供たちのフォルダにはアクセスすることができる。
【0065】
図7は、本発明の画面表示の一実施形態を示している。図7においては、画面表示500は、「Home(ホーム)」504、「My Medical Records(私の医療記録)」506、「My Calendar(私のカレンダ)」508、「Manage Prescriptions(処方箋管理)」510、「My Doctor(私のドクタ)」512などのさまざまなメニュー項目を有する、最上部に沿ったメニューバー502を含む。画面表示500はまた、個人にとっての、自分のライフライン(LIFELINE)フリーダイヤル専用電話番号514の備忘録を含む。メッセージセンター516は、最近のファックス、留守番電話、医師とのアポイントメント、処方薬の補充、あるいはその他の関連するイベントについての注意喚起を含む。ユーザは、最近のファックス518を見ることができ、それぞれのファックスごとに、ファックスファイリングオプション520を使用してそのファックスをファイルすることができ、このファックスファイリングオプション520によって、ユーザは、そのファックスにドキュメントタイトルを与え、医師をそのファックスに関連付け、そのファックスを特定のアカウント(この場合、そのアカウントは家族アカウントである)のもとでファイルし、そのファックスを処方箋、X線/画像、あるいは検査レポート(lab report)として識別することができる。
【0066】
ユーザが自分自身でドキュメントをファックスする必要はないということも理解されたい。その代わりに、ユーザは、スキャンされたドキュメントやその他のファイルを任意の数のフォーマットでアップロードすることができる。
【0067】
図8は、本発明の一実施形態による画面表示の別の例を示している。図8においては、画面表示550はまた、ファイルセクション552を含み、このファイルセクション552には、情報を保存して整理するためのさまざまなフォルダが表示されている。これによって、ユーザは、記録をそれらの記録に適した方法で保存することができる。一実施形態においては、これらのフォルダは、検査レポート、処方箋、X線/画像、歯科記録、検査レポート、処方箋、およびすべての記録に関する別々のフォルダを含むことができる。図8に示されているように、広告スペース554がある。本発明は、ユーザが関心を抱く可能性のある広告題材を広告スペース554内に配置することができる。広告情報は、サードパーティーの情報源や広告主からのものとすることができる。さらに、ニュース情報をウェブページのニュース情報部分556内に配置することができる。ニュース情報としては、患者が受けている投薬治療に関するニュース速報、健康およびフィットネスのニュース、あるいはユーザにとって関心や重要性を有する可能性のあるその他のニュースを含むことができる。
【0068】
図9は、本発明の一実施形態による画面表示560の別の例である。私のアカウント(MYACCOUNT)オプション513が画面表示560の最上部の付近に表示されているという点に留意されたい。ユーザはドロップダウンリストボックス515を使用して家族を選択することができるという点にも留意されたい。ユーザがさまざまなタイプのファイルを直接自分のアカウントにアップロードできるように提供されている記録アップロードオプション602もある。
【0069】
私のファイル(MY FILES)部分552には、緊急(EMERGENCY)フォルダ562、X線/画像(X-RAY/IMAGES)フォルダ564、検査レポート(LAB REPORTS)566、ワクチン(VACCINATIONS) 568、産科(OBSTETRICS)570、カルテ(PATIENT CHARTS)572、歯科(DENTAL)574、獣医(PET/VET)576、外科(SURGERIES)578、診療室訪問(OFFICE VISITS) 580、試験結果(TEST RESULTS)582、心臓病(CARDIOLOGY)584、小児科(PEDIATRICS)586、泌尿器科(UROLOGY)588、重要文書(VITAL DOCUMENTS)590、e金庫預金箱(eSAFEDEPOSITBOX)592を含む複数のファイルフォルダが表示されている。表示されているさまざまなファイルフォルダは、ユーザが自分のファイルを整理するための便利な方法を提供する。それぞれのフォルダは、そのファイルフォルダ内にいくつのファイルが保存されているかを表示しているという点に留意されたい。
【0070】
「何か変わったことはあるかい」(WHAT'S NEW)部分594によって、ユーザは、新たな特徴やその他の情報を知ることができる。家族(FAMILY)パネル596は、家族に関連する情報や、そうした情報へのリンクを表示することができる。高齢者(SENIORS)パネル598は、高齢者に関連する情報や、そうした情報へのリンクを表示することができる。医者(DOCTORS)パネル600は、医師に関連する情報や、そうした情報へのリンクを表示することができる。もちろん、パネル596、598、および600はなくてもよく、パネル596、598、および600がある場所は、ユーザが関心を抱く可能性のあるその他のタイプの情報を伝達するために使用することもできると本発明は考えている。
【0071】
図10は、本発明の一実施形態による画面表示の別の例である。画面表示610は、フォルダ管理を可能にする。フォルダ管理部分612は、複数のフォルダのリスト(表示されているのは16個)を、それぞれのフォルダごとに現在の名前を表示する列614、およびそれぞれのフォルダに割り当てられる新たな名前を表示する列616と共に含む。操作に際して、ユーザは、自分の特定のニーズに合うようにフォルダの名前を変更することができる。フォルダのうちの少なくとも一部にはパスワードが関連付けられているという点に留意されたい。これによって、さらなる層のセキュリティがこれらのファイルに提供される。
【0072】
図11は、本発明の別の実施形態によるファイルアップロード機能のための画面表示である。画面表示630は、医療記録602のアップロードを可能にする。記録アップロードウィンドウ632は、ユーザが、保存されているファイルの場所までブラウズすること(636)によって、アップロードするファイル634を選択できるようにする。たとえばユーザは、胸部のX線画像をJPEGなどの画像フォーマットで保存している場合には、そのファイルまでブラウズ(636)し、そのファイル634をアップロードして、自分の現在の一式の医療記録に追加したり、あるいはそうした医療記録を最新のものにしたりすることができるであろう。記録アップロードウィンドウ632によって、ユーザは、アップロードするファイル634に関するタイトル638を記録することもできる。さらに、記録アップロードウィンドウ632によって、ユーザは、アップロードするファイル634を、ドロップダウンリスト640から選択した適切な医師に関連付けることができる。アカウントが家族タイプや共同タイプのアカウントであり、複数の人に関する医療記録を保存することができる場合には、ユーザは、ドロップダウンメニュー642を使用して、この新たにアップロードするファイル634を関連付けるべき家族642を選択することができる。記録アップロードウィンドウ632によって、ユーザは、新たにアップロードするファイル634に関連付けられている日付644を記録することもできる。最後に、ユーザは、新たにアップロードするファイル634のコピーを保存しておきたい個人フォルダ646を選択するオプションを有する。たとえばユーザは、胸部のX線画像をX線及び画像(x-ray and images)フォルダ、ならびに緊急(emergency)フォルダ、検査レポート(lab report)、および/または外科(surgeries)フォルダなどのその他のフォルダ内に保存したいと希望することができる。記録アップロードウィンドウ632によって、ユーザは、自分個人の医療記録を重要な医療情報で定期的に更新し、その情報を適切なフォルダに関連付けることができる。記録アップロードウィンドウ632はまた、ユーザが医療ファイルまでブラウズして、その医療ファイルを電子形式で便利な整理された様式で保存することを容易にする。
【0073】
一実施形態においては、ウェブサイトへアクセスするために1つのパスワードが必要となるだけでなく、このようなフォルダへアクセスするためにさらなるパスワードが必要となる。この特徴は、複数の異なる状況において有利になることがある。たとえば、1つの家族は1つのアカウントを共有することができるが、それぞれの配偶者は、特定のファイルを他方の配偶者には秘密にしておくことができる。あるいは、緊急時に(または緊急カードの不正な使用によって)ヘルスケア情報がアクセスされる場合でも、第2レベルのパスワード保護を用いて保護されている最もプライベートな情報は、安全なままである。図示されているように、第2レベルのパスワード保護を提供するためのボタン618、622、624、626がある。
【0074】
図15は、さらなる利益を消費者に提供するために収集された健康関連の情報を使用する一実施形態を示している。たとえば本発明は、分析システム854へ動作可能に接続されている個人的健康記録データベース850および薬物間相互作用データベース852を含むシステム800を可能にする。分析システム854は、薬物間相互作用報告コンポーネント856へ動作可能に接続されている。個人的な健康記録850は、どの処方薬がユーザによって服用されているかに関する情報を含む。薬物間相互作用データベース852は、種々の薬物どうしの既知の相互作用に関する情報を含む。分析システム854は、ユーザによって服用されている処方薬を分析して、ユーザに何らかの形で害になるおそれのある何らかの既知の相互作用があるかどうかを判定する。この分析の結果に基づいて、薬物間相互作用報告コンポーネント856は、それらの結果をユーザ、ユーザの薬剤師、医師、あるいは必要に応じてその他のヘルスケアプロバイダに報告する。薬物間相互作用の報告856は、薬物間相互作用の報告に関するユーザの好みや、判定された害になる薬物間相互作用の重大性や確実性などの要因に基づいて、さまざまな方法でさまざまな人々に報告することができると本発明は考えている。個人的な健康記録に関しては、薬物間相互作用の分析および報告に加えて、その他のタイプの分析および報告を実行することもできると本発明は考えている。本発明の利点の1つは、完全な最新の健康記録を構築して保持するための便利な方法が可能となり、したがって個人的な健康記録を任意の数の方法で分析することができるという点である。
【0075】
本発明は、その他の多くの特徴および利点も提供する。たとえばウェブサイトは、医師とのアポイントメント、処方薬の補充、あるいはその他のイベントに関する備忘録を、Eメールによる備忘録またはテキストメッセージングによる備忘録を通じて提供することができる。さらにウェブサイトによって、ユーザは、ファックスを介してケアプロバイダ(care provider)へ情報を送信するオプションを選択することができる。たとえばユーザは、自分が選択した薬局へ処方箋をファックスすることができる。さらにユーザは、あるヘルスケアプロバイダから受信した自分の医療記録を別のヘルスケアプロバイダへファックスすることができる。
【0076】
本発明の別の実施形態によれば、ヘルスケア記録は、医療記録ならびに歯科記録の双方を含むことができる。さらにヘルスケア記録は、人間に関するヘルスケア記録だけでなく、ペットに関するヘルスケア記録も含むことができる。したがって家族は、単独または複数のペットを含めて、家族全員に関するヘルスケア記録を管理することができる。
【0077】
本発明の別の態様によれば、その他の重要記録も、ウェブサイト上に保存される。その他のタイプの重要記録の例としては、遺書、尊厳死を求める遺書、ヘルスケア関連の委任状、および関連する情報が含まれる。
【0078】
本発明は、本明細書で提供されている特定の開示に限定されるものではない。本発明は、多くの変形形態が特定のコンテキスト、環境、あるいは状況において適切になる可能性があると考えている。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明のシステムの一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、記録をユーザアカウントへ送信することを許可するステッカーを示す絵画図である。
【図3】図3Aおよび図3Bは、本発明の一実施形態による医療記録アクセス情報を有するカードを示す図である。
【図4】本発明のシステムの一実施形態を示す図である。
【図5A】図5Aは、本発明の一実施形態による登録プロセスを示す流れ図である。
【図5B】図5Bは、本発明の一実施形態による登録プロセスを示す流れ図である。
【図6】本発明の一実施形態による、記録へアクセスするための流れ図である。
【図7】本発明の一実施形態によるウェブサイトの画面表示である。
【図8】本発明の一実施形態によるウェブサイトの別の画面表示である。
【図9】一実施形態による画面表示である。
【図10】別の実施形態によるフォルダ管理のための画面表示である。
【図11】本発明の別の実施形態によるファイルアップロード機能のための画面表示である。
【図12】医療記録をファックスするための指示を提供するステッカーの好ましい一実施形態を示す絵画図である。
【図13】本発明に従って使用することができるウォレットカードの好ましい一実施形態を示す絵画図である。
【図14】本発明に従って使用することができるウォレットカードの好ましい一実施形態を示す絵画図である。
【図15】本発明による薬物間相互作用に関する報告および分析の一実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者が、前記消費者に関連付けられている個人的な健康記録へアクセスしてそれらの個人的な健康記録を収集できるようにするための方法であって、ヘルスケアプロバイダからのファックス通信および音声通信のために前記消費者に個別に関連付けられた電話番号を割り当てるステップと、前記消費者が安全なウェブサイトへアクセスするために使用するアクセス情報を前記消費者に関連付けるステップと、前記健康記録へアクセスするための前記消費者の法的権利を行使する前記ヘルスケアプロバイダへ提供するためのドキュメントを前記消費者に提供するステップであって、前記ドキュメントが、前記健康記録を前記電話番号へ送信するよう前記ヘルスケアプロバイダに要求するステップと、前記消費者が要求して前記ヘルスケアプロバイダに送信許可を与えた、前記消費者に関連付けられている個人的な健康記録を含むプライベートなファックス通信を受信するステップと、前記プライベートなファックス通信を画像ファイルフォーマットへと変換するステップと、前記画像ファイルフォーマットでコード化された前記健康記録を保存するステップと、前記アクセス情報を使用して前記ウェブサイトへの安全なアクセスを前記消費者に提供するステップと、前記消費者が前記健康記録へアクセスできるように前記消費者の前記健康記録へのインターフェースを前記ウェブサイト上で提供するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記法的権利が、HIPAAに関連付けられている法的権利である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドキュメントが、前記健康記録へ添付するように適合されているステッカーである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アクセス情報を含み、前記消費者に関連する医療上の緊急事態に際して、前記消費者に関連付けられている前記健康記録へアクセスするために第三者によって使用されるように適合されている緊急アクセスカードを前記消費者に提供するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェブサイトインターフェースは、前記ファイルフォルダに名前を付けること、およびファイルフォルダを追加することのための前記消費者用の機能を用いて、前記消費者により、前記健康記録を別々のファイルフォルダへと整理して注釈を付けるステップをさらに提供する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記医療記録が、患者カルテと、出生証明書と、ワクチン接種記録と、医療履歴と、検査レポートと、検査結果と、処方箋と、X線検査の結果や画像と、スキャンと、EKG(心電図)の結果や画像とから構成されるセットからのものである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ヘルスケアプロバイダから前記消費者への音声通信メッセージを受信して前記音声通信メッセージをプライベートなものとして保持する手段を提供するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ヘルスケアプロバイダからの前記音声通信メッセージに対して前記消費者の注意を喚起するステップと、前記音声通信メッセージにアクセスするためのアクセス情報を前記消費者に提供するステップとをさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ヘルスケアプロバイダからのファックス送信に対して前記消費者の注意を喚起するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
備忘録がテキストメッセージである請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記備忘録がEメールである請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記備忘録が音声メッセージである請求項9に記載の方法。
【請求項13】
処方薬の補充をスケジュールするための手段を前記ウェブサイト上で提供するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記処方薬の補充に関する備忘録を送信するステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ヘルスケアプロバイダとのアポイントメントをスケジュールするための手段を前記ウェブサイト上で提供するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ヘルスケアプロバイダとの前記アポイントメントに関する備忘録を送信するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記備忘録がテキストメッセージである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記備忘録がEメールである請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記備忘録が音声メッセージである請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記顧客に関連付けられている前記健康記録へのアクセスを容易にすることに対して前記顧客から支払いを受けるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記ウェブサイトが、アクセス情報を含むウォレットカードと、健康記録をフリーダイヤルの電話番号へファックスするようヘルスケアプロバイダに要求するステッカーとの作成を容易にするための手段を提供する請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記健康記録が薬物に関する処方箋を含む方法であって、前記薬物間の相互作用を分析するステップと、前記相互作用を報告するステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記健康記録が歯科記録である請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記消費者に関連付けられている前記健康記録が、前記消費者の子供の健康記録である請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記消費者に関連付けられている前記健康記録が、前記消費者のペットの健康記録である請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記消費者の重要ドキュメントを受信して前記重要ドキュメントを保存する手段を提供するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記重要ドキュメントが、遺書と、尊厳死を求める遺書と、ヘルスケア関連の委任状とのセットからのものである請求項27に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つのさらなる層のパスワード保護を用いてドキュメントを保護するための手段をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項30】
顧客が、前記顧客に関連付けられている健康記録に対する権利を行使し、前記健康記録にアクセスし、前記健康記録をプライベートなものとして保持し、緊急時に前記健康記録へのアクセスを提供する上で役に立つためのキットにおいて、前記顧客の健康記録へのアクセスを提供する安全なウェブサイトへアクセスするために使用される前記顧客に関連付けられているアクセス情報を含むアクセスカードであって、前記顧客に関連する医療上の緊急事態に際して前記アクセス情報を他者へ伝達するために使用されるアクセスカードと、ヘルスケア記録に対する前記顧客の法的権利を行使する少なくとも1つのステッカーであって、ある送信先へ前記健康記録を電子的に送信するためのヘルスケアプロバイダへの指示を含む少なくとも1つのステッカーとを含むキットであって、前記送信先へ送信された前記健康記録に、前記安全なウェブサイト上でアクセスすることができるキット。
【請求項31】
前記送信先が、ファックス通信を受信するためのフリーダイヤル番号である請求項30に記載のキット。
【請求項32】
前記フリーダイヤル番号が、前記顧客の個人専用である請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記アクセスカードが、前記フリーダイヤル番号を伴って印刷されている請求項30に記載のキット。
【請求項34】
前記送信先が、前記顧客に関連付けられているEメールアドレスである請求項30に記載のキット。
【請求項35】
消費者が、消費者アカウントを使用して、前記消費者に関連付けられている健康記録へアクセスしてそれらの健康記録を収集できるようにするための方法であって、少なくとも1つのヘルスケアプロバイダからの通信を受信するために前記消費者アカウントに個別に関連付けられた送信先アドレスを割り当てるステップと、前記消費者が安全なウェブサイトへアクセスするために使用するアクセス情報を前記消費者アカウントに関連付けるステップと、前記少なくとも1つのヘルスケアプロバイダのうちの1つからの通信を受信するステップであって、前記通信が、前記送信先アドレスへ宛てられており、前記通信は、前記消費者が要求して前記ヘルスケアプロバイダに送信許可を与えた、前記消費者に関連付けられている健康記録を含むステップと、前記健康記録の表示を保存するステップと、前記アクセス情報を使用して前記ウェブサイトへの安全なアクセスを前記消費者に提供するステップと、前記消費者が使用できるように前記消費者の前記健康記録へのインターフェースを前記ウェブサイト上で提供するステップとを含む方法。
【請求項36】
前記送信先アドレスが電話番号である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記電話番号がフリーダイヤルの電話番号である請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記送信先アドレスがEメールアドレスである請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記アクセス情報が、第1のレベルのセキュリティを提供するための第1のセットのアクセス情報と、さらなるレベルのセキュリティを提供するための少なくとも1つの第2のセットのアクセス情報とを含む請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記ウェブサイトへアップロードされた前記消費者からのヘルスケア記録を受信するステップをさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記ヘルスケア記録が家族のヘルスケア記録である請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記ヘルスケア記録がペットのヘルスケア記録である請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記ヘルスケア記録が歯科記録である請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記消費者から重要ドキュメントを受信するステップと、前記重要ドキュメントの表示を保存するステップとをさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記健康記録へアクセスするための前記消費者の法的権利を行使する前記ヘルスケアプロバイダへ提供するためのドキュメントを前記消費者に提供するステップをさらに含み、前記ドキュメントが、前記健康記録を前記送信先アドレスへ送信するよう前記ヘルスケアプロバイダに要求する請求項35に記載の方法。
【請求項46】
前記ドキュメントが粘着剤を含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記送信先アドレスが、前記消費者に関連付けられている暗証番号(PIN)を入力することなくファックス通信および音声通信の双方を受け取るように適合されている電話番号である請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−508207(P2009−508207A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529977(P2008−529977)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/004867
【国際公開番号】WO2007/032774
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508074837)マイメディカルレコーズ.コム,インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】