説明

オンライン熱処理を有する軽金属薄板の双ロール連続鋳造法

【課題】軽合金,とくにマグネシウム薄板の双ロール連続鋳造におけるオンライン熱処理法を実施することができ、6mm以下の薄板を作製する省エネルギー技術として, SF6の使用量を減らすことによって鋳造環境を改善することが可能とする。
【解決手段】軽金属,とくにマグネシウム合金薄板を鋳造する同時に熱処理するため、双ロール連続鋳造機のロール以下の高さから出口以下の薄板を含む部分を油槽の熱処理油に浸させる.一部のロールも油槽の中に浸させる。鋳片はロール、側板と熱処理油の空間に閉じて密封されることによりSF6の使用量を減らすことはこの方法の最も主要な特徴となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインライン熱処理を有する軽金属合金薄板の双ロール連続鋳造法である。
【背景技術】
【0002】
軽金属は,航空、宇宙飛行、自動車、コンピュータ、電子、通信および家電部品などの業界中に大量使用しておる。とくに,マグネシウム合金は最も軽い金属構造の材料であり、密度が低い、比強度および比硬度が高いことと、減衰の衝撃吸収性、熱伝導性、電磁波遮断効果などがよい、また機械加工性能が優れており、部品の寸法が安定、回収容易などの利点を持つ。マグネシウム合金の結晶構造が六方最密構造、塑性変形能力は良くない、代わりに鋳造性能が良いことを持ち、現在マグネシウム合金の製品が鋳物で多数を占めることをさせて、塑性加工の製品はきわめて少ない。伝統のマグネシウム合金の薄板(厚さ1mm以下)生産は加工を圧延法が主として、しかし、その加工技術は加工周期が長いなどの原因で効率が低い、コストが高い。
軽金属の板材を双ロール連続鋳造法で作製するときに,高温酸化が起こる.それをぼしするために,不活性ガスを使用する.とくに,鋳造する際に高温液体のマグネシウム合金が燃焼と酸化しやいため,それを防止するために通常にSF6ガスを使用する。しかし,鋳造環境が不活性ガスによって汚染され,現在、軽金属合金薄板,とくにマグネシウム合金薄板は双ロールから出す温度が300℃以下であるが、ほぼ高温酸化の保護措置ためのコストが高い。尚且つ,高速な鋳造が難しい.
【0003】
軽金属合金,とくにマグネシウム合金薄板を高速鋳造する場合,軽金属合金の高温塑性がひくい、その原因で鋳造過程中に加工量があまりに大きくなることができない、然もなく表面にひびを発生する。そのため高速鋳造場合は出口付近の温度が高くので鋳造板材が酸化やすくなる。冷却速度が低くすれば結晶粒子の成長がやすくなり、温度応力の作用によりひびを生成する。
【0004】
マグネシウム合金の大量生産に伴いSF6ガスの使用量が増加している。SF6ガスは人工的な温室効果ガスですが京都議定書で削減対象の温室効果ガスの一つに指定された。そのためにSF6ガス使用量の問題がある。
【0005】
この改善策として、双ロール連続鋳造機のロール中心以下の高さから出口以下の部分までの機械構造と薄板を油槽の熱処理油に浸させる。図1はこの方法によるオンライン熱処理方法を示すための説明図である。一部のロールを油槽の中に浸させる。鋳片はロール、側板と熱処理油の空間に閉じて密封された。熱処理油の使用によりマグネシウム合金の酸化防止用SF6の使用量を減らす。また、油槽中の温度と油面の高さにより薄板の温度と冷却速度,および内部の組織を制御することができる。
【特許文献1】特開2005−88040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は軽金属,とくにマグネシウム合金薄板の連続鋳造における薄板の高温酸化,不活性ガス,とくにSF6の大量使用となる二点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本考案は、軽金属,とくにマグネシウム合金薄板を鋳造する同時に熱処理するため、双ロール連続鋳造機のロール以下の高さから出口以下の薄板を含む部分を油槽の熱処理油に浸させる.一部のロールも油槽の中に浸させる。鋳片はロール、側板と熱処理油の空間に閉じて密封されることによりSF6の使用量を減らすことはこの方法の最も主要な特徴となる。
【発明の効果】
【0008】
本考案の鋳造法は軽金属,とくにマグネシウム合金薄板の連続鋳造における薄板の高温酸化,不活性ガス,とくにSF6の大量使用を抑えることができる。従来の方法より,SF6の使用量が80%を減らすことが実現できる。そして微細および均一な組織を得られ、引っ張り強度が20%を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本考案より,6mm以下の軽合金,マグネシウム合金薄板を8m〜30m/minの鋳造速度で作製することができる。熱処理油の温度は薄板の厚さ,鋳造速度にあわせて40〜150℃に設定する.
【実施例1】
【0010】
図1は、本考案装置の実施例の配布図である。
【0011】
図1には垂直型双ロール連続鋳造におけるオンライン熱処理システムである。このシステム鋳造速度は8−90m/minに設定する。溶けた軽金属,とくにマグネシウム合金の溶液は中間恒温炉とノズル(1)の中に送り、温度は750℃以下が必要。溶湯とロール接触により薄板の凝固ができる。ロールから出てくる鋳片の表面温度は450−550℃で、薄板の厚さは1−6mmになることを制御することができる。薄板がロール(3)、熱処理油および側板(10)に閉じられ,ロールの出口に通し油槽(6)に入り、薄板はガイドロール(7)を沿って、主ドライブロール(16)により油槽から出して、そして油槽出口所でロール(8)を使用し油を掃除する。油槽から板を出す温度は100−350℃間で制御する。油槽出口漏れた油は収集および冷却システム(13)により収集および温度のコントロールする油循環システム(12)および溢れ口(15)は油液面測定センサー(5)と油温計(11)の測定により油槽中の温度と液面高さが安定な状態を保持する。ロール(4)を用いてロール(3)表面に余分な油を掃除する。マグネシウム薄板は圧延システム(14)により加工することができる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
産業上の軽金属,とくにマグネシウム合金の6mm以下の薄板鋳造に利用することができる.省エネルギー技術として,鋳造環境の改善法として利用することができる.
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】オンライン熱処理を有する軽合金,とくにマグネシウム薄板の双ロール連続鋳造の実施方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0014】
1 中間恒温炉とノズル
2 側板
3 鋳造ロール
4 油掃除ロール
5 油液面測定センサー
6 油槽
7 ガイドロール
8 出口油掃除ロール
9 溶解炉
10 下部密封板
11 油温計
12 油循環システム
13 油収集および冷却システム
14 圧延システム
15 溢れ口
16 主ドライブロール
17 密封ドア
18 ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽金属合金の薄板を鋳造する双ロール連続鋳造機のロール中心以下の高さから出口以下までの機械構造と薄板を油槽の中に浸させる。この方法より、薄板を鋳造するときに、鋳片はロールと側板に挟められ、さらに油槽中の熱処理油によって鋳片が密封される。これで軽金属合金,とくにマグネシウム合金の薄板の高温酸化が難くなり、マグネシウム合金の鋳造ではSF6の使用量を減らすことができる.さらに熱処理初期条件(液面の高さおよび温度)を制御することによってオンライン熱処理を有する双ロール連続鋳造法となる.この方法は省エネルギー法となり,SF6の使用量も少なく,鋳造環境が改善される.軽金属合金の結晶粒の成長を抑えることができ,鋳造組織が微細化となり鋳造板の機械強度が向上する。

【図1】
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