説明

オーディオビジュアル資産の配信におけるオーディオ・ライセンシング

オーディオビジュアル資産のオーディオ部分を、該資産の個々のコピーごとにライセンスするのを可能にし、容易にするための方法および装置が開示される。本方法および装置は、資産からオーディオ・コンテンツのライセンスされていない部分を省略し、その代わりに、省略されたオーディオ部分を同定するタグを挿入し、オーディオビジュアル資産を配布することを含む。個々の各被頒布者は、該資産のライセンスされていないオーディオ部分についてのライセンスを取得し、該資産の再生中に、それらのオーディオ部分にアクセスし、再生することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオーディオビジュアル資産の配信に関する。より詳細には、本発明は、もとのオーディオ・コンテンツの一部が配信の時点でライセンスされないオーディオビジュアル資産の配信に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのオーディオビジュアル作品は広く頒布されることはない。それは、アーチストや制作会社が、作品のオーディオ・コンテンツの諸部分に対する権利を取得しないためである。具体的には、多くの独立系映画は、他のアーチストの音楽作品をバックグラウンドとして含むサウンドトラックを用いて制作され、それらの音楽作品についての上演権は所有者からライセンスされていない。これは、オーディオビジュアル作品のクリエーターはしばしば、そのような権利を取得するノウハウやリソースをもたないか、そのような権利をライセンスするだけの資金をまかなえないためである。特に、音楽に対する知的財産権のライセンシングは典型的には、そのような法律分野を専門とする弁護士を使うことを必要とし、非常に複雑で時間がかかるものとなることがあるからである。したがって、ライセンスを交渉する業務コストがそれ自身、禁止的になりうる。それに加えて、実際のライセンスのコストもかなりのものになることがある。
【0003】
一般的なシナリオでは、映画が制作され、映画祭で上映される際、大規模で経験もある映画配給者が該映画への権利を購入またはライセンスして、該映画を公に上映したり頒布したりできるよう該映画に組み込まれているライセンスされていない音楽その他のオーディオ作品に対するライセンスを取得してくれることを期待する。もう一つの一般的なシナリオは、サウンドトラックに組み込まれている音楽作品へのライセンスが切れているかある種の形の再生または上映に限定されている古いテレビ番組に関する。たとえば、1970年代またはそれ以前に交渉された多くのライセンスは、家庭用コンピュータやインターネットの登場を考えておらず、よって音楽作品をコンピュータで再生または上演したり、インターネットのようなコンピュータ・ネットワークを介してまたさらにはDVDの形で頒布したりする権利を認めていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結果として、あらゆるオーディオビジュアル作品のうちかなりの部分が一般大衆にとって利用不能である。
【0005】
媒体上に記録されたオーディオ、ビデオまたはオーディオビジュアル作品は一般に、業界では、「資産〔アセット〕」と呼ばれる。媒体に記憶されているまたは他の形で埋め込まれている資産の個々の各コピーは、該資産のコピーと称される。本明細書でもこれらの用語をそのように使う。
【課題を解決するための手段】
【0006】
オーディオ・ビデオ資産のオーディオ部分のライセンシングを、該資産の個々のコピーごとに可能にし、容易にするための方法および装置が開示される。本方法および装置は、オーディオ・コンテンツのライセンスされていない部分を当該資産から省略し、その代わりに省略されたオーディオ部分を識別するタグを挿入し、該オーディオビジュアル資産を頒布することを含む。ここで、個々の各被頒布者は、該資産のライセンスされていないオーディオ部分についてのライセンスおよび/または該オーディオ部分のコピーを取得しうる。すると、個々の被頒布者は、該オーディオビジュアル資産の再生の間、それらのオーディオ部分にアクセスし、再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の例示的な実施形態に基づく、オーディオビジュアル資産のデータ・コンテンツを示す図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態に基づく、オーディオビジュアル資産を再生するための装置のある実施形態のブロック図である。
【図3】本発明のある実施形態に基づく処理の流れを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(フィルムやビデオ・テープといったアナログ形態ではなく)デジタル形式で記憶または伝送されるオーディオビジュアル資産は、通例、全体的なファイルまたはデータ・ストリームの一つまたは複数の分離可能な部分またはコンポーネントを含むビデオ・データと、前記ファイルまたはストリームの一つまたは複数の異なる分離可能な部分を含むオーディオ部分とをもって記憶または伝送される。たとえばMPEGは、オーディオビジュアル作品をエンコードするための広く使われるフォーマットであるが、MPEGでは、作品のオーディオおよびビデオ部分は全体的なファイルまたはストリームの別個の部分をなす。MPEGおよびオーディオビジュアル・データを記憶および伝送するための他の多くのフォーマットは、追加的な分離可能な部分においてメタデータをも含むことがある。たとえば、デジタル・メディアを再生するよう適応された装置は、作品を再生できるためには、典型的には、実際のオーディオビジュアル作品自身の一部をなさない、命令およびその他のデータを必要とする。これはたとえば、プレーヤーが出力装置(たとえばビデオ・モニタまたはオーディオ・スピーカー)に出力するためのデータをどこから読み始めるべきかを決定できるようにするための、作品のさまざまな部分のメディア中での開始位置および終了位置を同定する目次〔テーブル・オブ・コンテンツ〕を含みうる。そのようなメタデータは、オーディオ・ビデオ・プレーヤー装置によって提供される、早送り、巻き戻し、前方チャプター・スキップ、後方チャプター・スキップ、一時停止、停止などといった機能の使用を可能にする。
【0009】
そのようなデジタル・ストリームを再生するよう設計された装置は、典型的には、ストリームのビデオおよびオーディオ部分のそれぞれを(どのように再生し、編成し、同期し、また他の仕方で該オーディオおよびビデオ・データの適正な再生を可能にするかを示すメタデータがあればそれも)読み、それをデコードし、等化し(equalize)、可能性としてはデジタル・データをアナログ形に変換し(いくつかの型の出力装置は自分でデジタルからアナログの変換をやってくれる)、ディスプレイ・モニタまたはスピーカーのような適切な出力装置に出力する。プレー/再生の間、データの全体的なストリームのこれら異なる部分(たとえば、オーディオ、ビデオ、メタデータ)は一般に、トラックと称される(本稿でもそれらをトラックと称することにする)。よって、最低でも、そのようなデジタル・オーディオビジュアル資産は、テレビジョン・セットのようなビデオ・モニタに出力される一つのビデオ・トラックと、一つまたは複数のスピーカーに出力される一つのオーディオ・トラックとを有することになる。再生「装置」は実際には複数の相異なる装置を含んでいてもよいことは理解しておくべきである。たとえば、ホームシアター環境では、DVD上に記録された作品を再生するためのシステムは、ビデオ・モニタ/テレビジョンおよび複数のスピーカーに出力ストリームを提供する、DVDプレーヤー装置およびオーディオ・レシーバーを含んでいてもよい。
【0010】
本発明の例示的な実施形態の以下の議論では、例示的なライセンスされていないオーディオ・コンテンツとして音楽作品に言及する。しかしながら、これは単に例である。ライセンスされていないオーディオ・コンテンツは事実上、いかなる型のオーディオ・コンテンツを含んでいてもよい。
【0011】
本発明の原理によれば、オーディオビジュアル作品のオーディオの音楽作品または他の任意の部分は、資産から省略され、該音楽作品を十分に同定するメタデータで置き換えられることができる。たとえば、音楽作品は、その一意的なCDDB識別子またはアップル(商標)アイチューンズ(商標)識別コードによって識別されてもよい。
【0012】
その際、オーディオビジュアル作品はいかなる仕方で頒布されることもできる。電波による放送、(インターネットなどの)有線もしくは無線ネットワークを通じたブロードキャスト、マルチキャスト、ナローキャストまたはユニキャスト伝送、あるいは任意の形のROMまたはRAMに記憶されたオーディオビジュアル作品のコピーを含むDVDのようなデジタル記憶媒体の物理的な頒布を通じてなどである。すると、作品の受領者(以下では被頒布者(distributee))は識別されている音楽作品のコピーおよび/または該作品を再生する権利をすでに所有しているか、あるいは該音楽作品を再生するライセンスを購入または他の仕方で取得したいかどうかを判定できる。所望されるライセンスが手当てされた(たとえば、取得されるまたはすでに存在していると判定される)場合、被頒布者は新たにライセンスされた音楽作品のコピーを取得し、および/または以前に自分のメディア・ライブラリに記憶された以前にライセンスされた音楽作品のコピーを位置特定し、それをオーディオビジュアル作品の再生のためにオーディオビジュアル作品中に挿入する。
【0013】
もちろん、本発明の商業的に好適な実施形態は、上述した諸工程の大半またはすべてを実質的に自動的に実行するオーディオビジュアル再生装置を含む。たとえば、ある例示的実施形態では、オーディオビジュアル作品が再生装置に入力されるが、該作品は、ライセンスされていない音楽作品を同定する上述したメタデータと、該ライセンスされていない音楽作品を、一つまたは複数のメタデータ・トラックにおいて提供される再生の間の適正な位置においてオーディオビジュアル作品中に挿入するために必要なすべての情報とを含む。再生装置は、この情報を読み、たとえばインターネットを介して、あるいは被頒布者が当該音楽作品のライセンスされたコピーをすでに所有している場合には被頒布者自身の音楽作品のデジタル・ライブラリから、音楽作品のコピーを取得することができる。次いで、プレーヤーがオーディオビジュアル作品を再生し、該音楽作品を再生オーディオ・ストリーム中に、再生中の適切な時間のところで挿入する。提供される特定の実施形態および機能に依存して、音楽作品は、被頒布者のメディア・ライブラリから直接再生されてもよいし、あるいは音楽作品の追加的なコピーが、事前に作成されてもよい。
【0014】
たとえば、音楽作品が大規模な前処理を必要とする実施形態では、前処理を事前に実行して、処理された音楽作品のコピーを記憶しておくことが望ましいことがある。たとえば、単に音楽作品および再生中にどこに挿入される必要があるかを同定することに加えて、メタデータは、再生装置に、音楽作品をどのように再生するかを指示する他の情報を含むこともある。そのような情報は、音楽作品が、サウンドトラックの残りに部分に対して再生されるべき相対的な音量、等化データ、効果(たとえばエコー、リバーブ、パン、フェードなど)または全体的なオーディオビジュアル作品のクリエーターによって所望されるオーディオビジュアル経験の完全なオーディオ部分を創り出すための他の任意の情報といった情報を含んでいてもよい。
【0015】
本発明のある実施形態によれば、このメタデータは、プレーヤー装置が、オーディオビジュアル作品の再生を開始するのに先立ってこの情報すべてを読むことができるような形で提供される。それにより、オーディオビジュアル・プレーヤー装置は、該音楽作品の必要な前処理を実行したり、またさらには以前にはライセンスされていなかった音楽作品を含む完全なオーディオビジュアル作品を事前組み立てしたりすることができる。特に、上述したタスクのすべてを実行するには、かなりの量の処理が要求されることがあり、そのため、必要なタスクのすべてを再生中にリアルタイムで実行することは実際的でないことがある。しかしながら、プロセッサおよびネットワーク・スピードが高速化するにつれ、これらのタスクがオーディオビジュアル作品がダウンロードされ、ストリーミングされ、あるいは再生される際にオンザフライで実行されることはより実際的となっていくであろう。
【0016】
さらに、商業的に実際的な実施形態では、少なくとも最初は、音楽作品を収集するプロセスにおいて何らかの人間の相互作用を許容することが望ましい可能性が高い。特に、音楽作品についてのライセンスはそれに伴うコストがある可能性が高い。したがって、プレーヤーは、所有者がライセンス購入に必要な情報(たとえばクレジットカード番号など)を入力する何らかの機構を提供するべきであるのみならず、被頒布者は、音楽作品についての必要なライセンスがあれば、それらのライセンスのいずれかまたは全部を購入したいかどうかの情報に基づいた意思決定(informed decision)ができるよう、購入前にそのコストを知りたがる可能性が高い。
【0017】
よって、単に一つの例示的な実施形態では、再生装置はまずこの情報を読み、プレーヤーが接続を有する何らかの音楽ライブラリがすでに当該作品のライセンスされたコピーを含んでいるかどうかを判定する。次いで、権利がすでに存在している音楽作品についてユーザーに通知するグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を生成し、残っている必要なライセンスがあればそれを取得するコストを表示する。コスト情報は、オーディオビジュアル作品とともに記憶されているまたは他の仕方でオーディオビジュアル作品に関連付けられているメタデータ中に直接含まれていてもよい。また、どこで音楽作品へのコピーまたはライセンスを取得すべきかについての情報がメタデータ中で与えられていてもよい。これは、音楽作品へのコピーまたはライセンスが購入または他の仕方で取得されうる場所の、インターネットにおけるURLの形で与えられてもよい。
【0018】
しかしながら、他の実施形態では、プレーヤーは、ライセンスのコストを判別するために、問題の音楽作品についてのライセンスをオファーする一つまたは複数のウェブサイトとインターネットまたは他の通信ネットワークを介して通信できるよう、ネットワーク接続を有していてもよい。この情報は、いかなる合理的な仕方で被頒布者に呈示されることもできる。たとえば、プレーヤーは、別個にライセンス可能な各音楽作品の名前とその必要なライセンスのコストとを表示するGUIを生成し、ユーザーにそのライセンスおよび作品のコピーを取得するオプションを提供してもよい。ある実施形態では、システムは個々にライセンス可能な各音楽作品のコストと、セット全体をライセンスする全体的なコストとを表示し、ユーザーが音楽作品の全部または何らかのサブセットをライセンスする機会を提供する。あるいはまた、パッケージ全体について一つのコストのみを提供してもよい。さらに他の実施形態では、オーディオビジュアル作品には、異なるコストおよび/またはテーマをもつ二つ以上の代替的なサウンドトラックがついてきてもよく、グラフィカル・ユーザー・インターフェースはこれらのオプションのすべてをユーザーに呈示する。それら異なるサウンドトラックは、必ずしも、コストに応じて形成される必要はない。クリエーターは、異なる音楽嗜好をもつ人にアピールするよう代替的な複数のサウンドトラックを提供してもよい。たとえば、クリエーターは、クラシック音楽サウンドトラック、ヒップホップ音楽サウンドトラック、ロック音楽サウンドトラック、エスニック・インド音楽サウンドトラック、エスニック・ラテン音楽サウンドトラックなどを提供してもよい。
【0019】
被頒布者はまた、オーディオビジュアル作品を、ライセンスされていない音楽作品またはその何らかの部分なしで視聴するオプションを与えられてもよい。さらなる実装では、本発明は、ソーシャル・ネットワーキング概念と組み合わされて、当該オーディオビジュアル作品および/またはそれに組み込まれる音楽作品の作成に直接関わっていない個人が代替的なサウンドトラックを開発し、ソーシャル・ネットワーキング・ウェブサイトを通じて利用可能にしてもよい。これらの概念によれば、プレーヤー装置はさらに、ソーシャル・ネットワーキング・ウェブサイトにおいて提供されている代替的なサウンドトラックをインターネットで検索し、被頒布者に、これらの代替的なサウンドトラックを、オーディオビジュアル作品自身とともに提供されるメタデータにおいて同定されているものとともに、呈示するよう適応されていてもよい。
【0020】
ある実施形態では、メタデータは、少なくとも、(1)音楽作品の識別情報(identity)、(2)もしそれがより大きな音楽作品の一部であれば、その音楽作品の当該部分、(3)オーディオビジュアル作品内でその音楽作品が再生されるべき時間を示す。しかしながら、メタデータは、その音楽作品が、オーディオ・サウンドトラックの残りの部分に対して再生されるべき相対的な音量や、その特性をもとのレコーディングから変更するために音楽作品に適用されるサウンド・エフェクト(たとえば、もとのレコーディングに適用されるべきフェード、パン、エコー、リバーブ、ウェーブレット・エンコード・アルゴリズム)のようなさらなる情報をも含んでいてもよい。
【0021】
本発明のさらに他の実施形態によれば、被頒布者がメタデータ中に同定されている音楽作品のすべてを自分のメディア・ライブラリ中にもたない場合、被頒布者のメディア・ライブラリから、メタデータ中で同定されている音楽作品に似ている別の音楽作品を選択するために、インテリジェント・ソフトウェアが使用されてもよい。たとえば、アップル(商標)から利用可能なアイチューンズ(商標)ジーニアス(商標)機能はそのような機能を実行する。しかしながら、音楽作品片をもつ具体的な瞬間、瞬間は、しばしば作品のビデオ部分において描かれるイベントに対応するようタイミングが取られている。たとえば、音楽におけるクレシェンドがビデオにおける特定の時点に対応するようなタイミングになっている。したがって、場合によっては、音楽作品の聴覚的な属性を解析して、同じような聴覚的属性をもつ他の音楽作品を見出すための、より洗練されたアルゴリズムが望ましいことがありうる
デジタル著作権管理(digital rights management)および他の法律上の問題に依存して、他の実施形態では、既存のライブラリからの音楽作品にアクセスする機能は省略されてもよく、上記したようなメタデータにおいて同定されているすべての音楽作品は、そのオーディオビジュアル作品について特に取得される一つまたは複数の形態のライセンスを通じてのみ取得されることが許容されるのでもよい。前記ライセンスの形態は、いかなる合理的な形であってもよく、本発明はいかなる特定の形のライセンスにも限定されない。たとえば、一度きりのライセンスが提供されてもよい。より高いコストに対して、被頒布者は、そのオーディオビジュアル作品との関連でその音楽作品を再生する恒久的なライセンスを購入することを許容されてもよい。さらに他のライセンス取り決めでは、被頒布者は、そのオーディオビジュアル作品との関連で、およびそのオーディオビジュアル作品とは別個にの両方での再生のために音楽作品を購入することを購入者に認める(音楽作品を含むコンパクト・ディスクを購入する者と同様に)幅広いライセンスを購入することが許されてもよい。そのような場合、購入者は、たとえ音楽作品の一部だけがオーディオビジュアル作品のサウンドトラックの一部をなしている場合であっても、その音楽作品全体を自分の音楽ライブラリに記憶するために購入できることが構想されている。GUIはそのようなオプションのうち任意のものまたは全部をユーザーに呈示しうる。
【0022】
同様に、音楽作品のコピーがユーザーのライブラリにみつかったとき、装置はさらに、ユーザーが有しているその作品へのライセンスの性質、特に、ユーザーにオーディオビジュアル作品との関連でその作品を実行することを認めているかどうかを判別してもよい。もしそうであれば、そのコピーはオーディオビジュアル作品と関連付けられることができる。もしそうでなければ、装置は、ユーザーにそのような関連付けを行うためのライセンスを購入するか他の仕方で取得することを許容するGUIをユーザーに呈示してもよい。
【0023】
いずれにせよ、音楽作品への必要なライセンスおよび音楽作品のコピーを取得する予備的なステップ後、再生装置はオーディオビジュアル作品を再生し、今やライセンスされた音楽作品を適切な位置において全体的なサウンドトラックの中に挿入することができる。
【0024】
ある実施形態では、プレーヤーは、再生に先立って作品全体を組み立ててもよい。他の実施形態では、プレーヤーは、再生中にオンザフライで、以前に省略された音楽作品を、オーディオビジュアル作品の残りと一緒に組み立ててもよい。さらに他の実施形態では、プレーヤーは完全なオーディオビジュアル作品を組み立て、被頒布者が恒久的に保有してもよい完成された作品の新しい物理的なコピーを生成してもよい。プレーヤーは、音楽作品が購入されたとき、該音楽作品を、完成されたオーディオビジュアル作品とは別に、恒久的に被頒布者のデジタル音楽ライブラリに入れるよう構成されていてもよい。
【0025】
新たに生成されるオーディオビジュアル作品の場合、それは本発明を念頭に最初から生成されてもよい。すなわち、省略されている実際のライセンスされていない音楽作品があり、その代わりにすでに本稿で述べた形になっている当該音楽作品を同定するメタデータおよび他の関連情報を含むのである。ライセンスされていない音楽作品を含むデジタル形式で記憶されているオーディオビジュアル資産の場合、所有者は、一般に、全体的なサウンドトラックの異なる諸部分を、別個のオリジナル・トラックにおいてもつことになる。よって、ライセンスされていないオーディオ・コンポーネントを除外し、識別用メタデータで置き換えた当該作品の新たなコピーを生成することは、単純な問題であるはずである。
【0026】
古いオーディオビジュアル・レコーディングの場合、デジタル式に記憶されているかアナログ形態(たとえばオリジナル・オーディオ・マスター・テープが入手可能でない古いテレビ番組)で記憶されているかによらず、ライセンスされていないオーディオ部分は、残りのオーディオ部分に影響することなくライセンスされていないオーディオ部分を消去する現代のオーディオ後処理〔ポストプロセシング〕ソフトウェアを使ってオーディオビジュアル作品から除去できる。オーディオ・レコーディングの望まれない部分を除去するといったまさにそのようなタスクのために設計されたオーディオ後処理ソフトウェア・パッケージが入手可能である。
【0027】
図1は、本発明の原理に基づくデジタル・オーディオビジュアル資産200をなしうる三つの例示的なトラックのデータを示す図である。第一のトラック201は当該作品についてのエンコードされたビデオを含む。第二のトラック202はライセンスされたオーディオ・ストリームを含む。これは典型的にはダイアログ、何らかのサウンド・エフェクトおよび何らかのライセンスされた音楽を含みうる。最後に、第三のトラック203がメタデータを含む。該メタデータは、被頒布者の再生システムに、ライセンスされていないオーディオ部分のコピーを取得し、それを適正な時点において、適正な継続時間にわたり、適切な等化、音量および/またはその他の効果をもって、オーディオビジュアル作品の再生に挿入できるようにするために必要な情報すべてを提供する。
【0028】
この単純な例では、ライセンスされていないオーディオは、商業的に入手可能な音楽作品(たとえば、本オーディオビジュアル作品とは別個に公に入手可能な音楽作品)からの三つの抜粋を含む。これらはたとえば、CDでまたはインターネットのようなコンピュータ・ネットワークを通じたダウンロードを介して購入可能なポピュラー音楽の作品であってもよい。メタデータ・トラック203は、別個の各ライセンスされていないオーディオ部分204、205、206について、そのオーディオ作品を特定的に同定する一意的なID 207を示す。これは、いかなる形を取ってもよい。音楽作品については、それはCDDB IDまたはアップル(商標)アイチューンズ(商標)IDであってもよい。さらに、それはオーディオ作品および/またはアーチストの実際の名前208を含んでいてもよい。これは、インターネットやCDDBウェブサイトのような外部データベースへの接続の必要なしに、ユーザーが作品を購入することを決める前に、プレーヤー装置がアーチストおよび楽曲タイトルをユーザーに対して表示できるようにする。メタデータはさらに、オーディオ部分が再生されるべき相対音量209、再生が開始および停止されるべきオーディオ作品内での時間インデックス210、オーディオのエンコード方式211、オーディオ部分に適用されるべき効果があればその効果(フェード、リバーブ、パン、スピードなど)212およびオーディオビジュアル作品が再生を開始すべきオーディオビジュアル作品内の時間インデックス213を含む。
【0029】
上記の例はきわめて単純化されたものである。より堅牢な実施形態では、たとえば効果情報はずっと詳細なもので、特殊効果のための個別的なパラメータまたはアルゴリズムを含んでいてもよい。
【0030】
図2は、本発明の原理に基づく、マルチメディア・プレーヤー装置のいくつかの潜在的な実施形態を示すブロック図である。一つのそのような実施形態では、プレーヤー装置100はオールインワン型のマルチメディア・プレーヤー装置であり、本質的に全機能が単一ボックスにおいて提供される。装置100はオーディオビジュアル前処理ブロック103を含む。前処理ブロック103は入力オーディオおよびビデオ・ストリームの通常の処理のすべてを実行し、消費者による消費のためにオーディオビジュアル作品を表現するためのスピーカー104およびテレビジョン105のようなオーディオおよびビデオ・モニタリング装置のための出力ストリームを生成する。ブロック103の機能はたとえば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ソフトウェア、デジタル回路、組み合わせ論理、状態機械(state machine)、フィールド・プログラム可能型ゲート・アレイ(FPGA: Field Programmable Gate Array)、アナログ回路およびそれらの組み合わせのうちの任意の一つまたは複数によって提供されうる。さらに、この特定の実施形態では、装置100は、ユーザーの音楽ライブラリを含むメモリ102をも、直接その中に組み込んでいる。もちろん、他の実施形態では、マルチメディア・プレーヤー100は代替的にまたは追加的に、別個の外部デジタル音楽ライブラリ記憶装置102aへの接続機能を有していてもよい。該記憶装置102aは、アイポッド(商標)またはアップル(商標)アイチューンズ(商標)もしくはウィンドウズ・メディアプレーヤー(商標)のようなデジタル・オーディオ記憶および整理ソフトウェアを走らせる汎用コンピュータまたは人がデジタル音楽ライブラリを記憶しうる他の任意のデジタル・メディア記憶装置といったものであってもよい。いくつかの実施形態では、メディア・ライブラリは、内部であれ外部であれ、いくつかのコンパクト・ディスクを含むCDカルーセル(carousel)を有していてもよい。
【0031】
前処理ブロック103は、少なくともビデオ・トラックおよびメタデータ・トラックを有する入力オーディオビジュアル・データ・ストリーム107を受領するよう適応されている。メタデータ・トラックは少なくとも、前記オーディオビジュアル作品の全体的なサウンドトラックのライセンスされていないオーディオ部分があれば該ライセンスされていないオーディオ部分およびそれが作品中のどこに属するかを同定するメタデータを含む。たいていの場合、適正にライセンスされた(またはライセンスを必要としない)前記オーディオビジュアル作品のオーディオ部分を含む少なくとも一つのオーディオ・トラックもあるであろう。ストリーム107はDVD(デジタル多用途ディスク)プレーヤー、DVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)、ハードディスク、半導体メモリなどといった内部デジタル・メディア再生装置108またはインターネットもしくは他の通信ネットワークを通じたストリーミング・データ、アイポッド(商標)、外部DVDプレーヤー、外部DVR、汎用コンピュータなどといった外部デジタル・メディア・プレーヤーのような外部源108aから提供されてもよい。
【0032】
前処理ブロック103は、オーディオビジュアル作品のさまざまなトラックを含むデータの入来ストリーム107を受け取り、それを、たとえばビデオ・トラック、ライセンス済みオーディオ・トラックおよびメタデータ・トラックを含む個々の別個のトラックに分解する。前処理ブロック103は、モニタリング装置104、105上での再生のためにデータを準備するために、通常のマルチメディア・プレーヤーに従ってビデオおよびオーディオ・トラックを前処理する。これは、データ圧縮解除、データ復号、等化およびデジタルからアナログへの変換といったタスクを含みうる。前処理ブロック101は、圧縮解除され復号されたオーディオビジュアル作品を、その所有者の他のデジタル・メディアと一緒に、ローカル・メモリ115および/またはメディア・ライブラリ102に記憶してもよい。前処理ブロック103は、入来デジタル・データ・ストリーム107から前述したメタデータを抽出し、デジタル音楽ライブラリ102、102aがメタデータにおいて同定されている音楽または他のオーディオ作品のいずれかをすでに含んでいるかどうかを判定するようにも適応されている。もし含んでいれば、前処理ブロック103はそれらをメタデータにおいて指示されているように前処理する。これは、それらの音楽作品の適切な部分を抽出し、等化し、効果を加え、相対音量を設定し、該データを、再生準備のできた一つまたは複数のデジタル・トラックの形でローカル・メモリ115のようなメモリに記憶することを含んでいてもよい。好適にライセンスされたコピーがデジタル・メディア・ライブラリ102、102aに前から存在しているのでない、メタデータ中に同定された音楽作品については、前処理ブロック103は、ライセンスされていない音楽作品の一つまたは複数の源117への接続をもつインターネット116または他の通信ネットワークを通じて、そのコピーにアクセスすることを試みる。
【0033】
前述したように、これらの源は、販売またはライセンスのためにそのようなオーディオ作品を提供するナップスター(商標)、アイチューンズ(商標)ストアおよびラプソディー(商標)といったよく知られたウェブサイトを含みうる。他の実施形態では、厳密に本発明に基づく要求にサービスするためにウェブサイトが設けられてもよい。後者の場合、対応するオーディオビジュアル作品の再生との関連での使用だけのための音楽作品および該音楽作品の当該オーディオビジュアル作品内で求められる部分のみのコピーをライセンスおよび取得しうるシステムが構築されてもよい。そのようなライセンスは、それぞれの音楽作品全体の完全な購入より実質的に低いコストで提供されることができると思われる。もちろん、この目的のために別個のウェブサイトが設けられることは必須ではない。前述したよく知られたウェブサイトのいずれでも、現在提供されている、より通常のライセンスおよび音楽作品の完全なコピーに加えて、そのようなライセンスおよびコピーを提供するよう適応されてもよい。
【0034】
いずれにせよ、前処理ブロック103は、音楽作品を購入およびダウンロードし、それをメモリ115に記憶するおよび/または音楽ライブラリ102、102aに追加するために、前記ウェブサイトまたは音楽作品の他の源117とのインターフェースをもつ。
【0035】
さらに、装置100は、ディスプレイ画面、キーボード、タッチスクリーン、マウス、一連のユーザー操作可能ボタンなどといった一つまたは複数のユーザー・インターフェース装置113のほか、装置100がユーザーに対して、ライセンスされていない音楽作品を購入するための一つまたは複数のオプションを呈示し、ユーザーが応答する指示を入力できるようにすることを許容するユーザー・インターフェース・ソフトウェアおよび/または回路111を含んでいてもよい。これらはみな上述した。
【0036】
前処理ブロック103が必要な音楽作品のすべてを収集し、それらを再生のために準備完了となるのに必要とされるように前処理したのち、前処理ブロック103は、補足オーディオのすべてを含む補足オーディオ・トラックを生成および記憶してもよい。この例示的な実施形態では、ユーザーが、オーディオビジュアル作品を再生するよう装置100を操作するとき、プレーヤーは、オーディオビジュアル作品と一緒に提供されるビデオ・トラックおよびオーディオ・トラック(単数または複数)を出力装置104、105に出力することを開始する。同時に、前処理ブロックは、補足オーディオ・トラックをマルチプレクサ120に出力することを開始する。該マルチプレクサ120は、該補足オーディオ・トラックをオーディオビジュアル作品と一緒に提供される前記他のオーディオ・トラック(単数または複数)と多重化し、多重化された信号を一つまたは複数のスピーカーに出力する。
【0037】
図2は、本発明の原理に基づくさまざまな機能を実行する装置の単に一つの簡略化された例である。本発明の原理を実装するには他の多くの仕方がある。たとえば、再生に先立って完全な補足オーディオ・トラックを生成するのではなく、補足オーディオ・トラックは再生中にオンザフライで追加されることができる。一つの可能な実装では、メタデータ・ストリーム中で、補足オーディオ片が再生されるべき時間の少し前にタグが置かれてもよく、補足オーディオ部分はその時点で、デジタル・ライブラリ102、102a、メモリ115から、あるいはインターネット116または他の通信ネットワークを介して取得されることができる。さらにもう一つの実施形態では、本発明は、単に、別個の通常のメディア・プレーヤーおよび/またはデジタル・メディア記憶装置へのアナログまたはデジタル源として作用する前処理装置によって実装されてもよい。さらに、上述した実施形態のいずれにおいても、ライセンスされていないオーディオ作品のライセンスおよびコピーを取得したのち、本装置は、自動的に、あるいはユーザー入力および/またはDRM(デジタル著作権管理)に従って、通常の仕方で他のオーディオビジュアル・プレーヤー装置で再生されることのできる、通常のDVDまたは完成されたオーディオビジュアル作品の他の恒久的な記録を生成してもよい。
【0038】
図3は、ある例示的な実施形態におけるオーディオビジュアル再生装置の動作を例解するフローチャートである。ステップ301では、装置は、少なくともビデオ・トラックおよびメタデータ・トラックならびにおそらくは少なくとも一つのオーディオ・トラックを含むオーディオビジュアル・ストリームを受領する。ステップ303では、装置は各ライセンスされていないオーディオ作品についてメタデータを抽出する。ステップ305では、装置は、受領者が前記メタデータ内で同定されているオーディオ作品のいずれかのライセンスおよびコピーをすでに所有しているかどうかを判定するために、該装置が接続を有する何らかのデジタル・メディア・ライブラリをチェックする。ステップ307では、受領者によってすでに所有されているのではないオーディオ作品があればそれに関して、当該装置は外部源にアクセスする。該外部源から、残りの作品のライセンスおよびコピーが得られうる。
【0039】
次に、ステップ309において、装置は、ユーザーに、残りのライセンスされていないオーディオ作品を購入するための少なくとも一つのオプションを呈示する。ユーザーは、どのオーディオ作品をダウンロードするかに関する指示を入力し、ステップ311では、装置がその入力を受け取る。ステップ313では、装置はそれらの作品のライセンスおよびコピーを取得する。これは、前記オーディオ作品について対価を支払い、そのコピーをダウンロードすることを含みうる。ステップ315では、オーディオビジュアル作品を再生するよう装置が操作されるのに応答して、装置はビデオおよびもしあれば該オーディオビジュアル作品のオーディオ・トラックを再生する。ステップ317では、装置は、ビデオ・ストリームに対して、メタデータにおいて示されている時点において、等化パラメータ、相対音量および効果といったメタデータにおける指示があればそれに従って条件付けられて、補足オーディオ作品を挿入するよう、補足オーディオ・トラックを出力する。ステップ319において、装置は、補足オーディオ作品を含む完成したオーディオビジュアル作品を再生するために、補足オーディオをオーディオビジュアル作品の他のオーディオ・トラック(単数または複数)と多重化する。
【0040】
本発明は、主として、ライセンスされていない音楽作品を含むオーディオビジュアル作品との関連で記載されてきたが、本発明の原理は、オーディオビジュアル作品中に、いかなる省略されているオーディオ作品を挿入するために適用されることもできることは理解しておくべきである。実際、本発明はオーディオ作品のみの取得および挿入にすら限定されない。本発明は、適切な状況では、オーディオビジュアル作品中にビデオ作品を挿入するよう実装されることができる。たとえば、本発明の原理を使って、音楽作品に伴うよう、音楽ビデオがダウンロードされてもよい。
【0041】
このように本発明の若干の個別的な実施形態を記述してきたが、さまざまな変更、修正および改善が当業者にはすぐ思いつくであろう。本開示によって自明となる変更、修正および改善は、本稿で明示的に述べられていなくても、本記載の一部であり、本発明の精神および範囲内であることが意図される。したがって、以上の記述は、単に例であって、限定するものではない。本発明は、以下の請求項およびその等価物が定義するところによってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ部分およびビデオ部分を含むオーディオビジュアル作品を配布する方法であって:
配布者から受領者に前記オーディオビジュアル作品のコピーを伝達する段階であって、前記コピーは前記オーディオビジュアル作品のビデオ・セグメントを含む第一のデータおよび前記オーディオビジュアル作品のオーディオ・セグメントの第一の部分を含む第一のオーディオ作品を同定する第二のデータを含み、前記オーディオビジュアル作品の前記コピーは前記第一のオーディオ作品のコピーを含まない、段階と;
前記受領者が、前記第一のオーディオ作品の識別情報を判別するよう前記第二のデータを読む段階と;
前記受領者が、前記オーディオビジュアル作品の前記コピーを伝達する前記段階とは別個に、前記第一のオーディオ作品のコピーを取得する段階と;
前記受領者が、前記オーディオビジュアル作品を再生するよう、前記ビデオ・セグメントを前記第一のオーディオ作品の前記コピーと組み合わせて再生する段階とを含む、
方法。
【請求項2】
前記オーディオビジュアル作品の前記コピーがさらに、前記オーディオビジュアル作品のオーディオ・セグメントの第二の部分を含む第二のオーディオ作品を含む第三のデータを含み、前記オーディオビジュアル作品を再生する前記段階はさらに、前記第二のオーディオ作品を前記オーディオビジュアル作品の前記第一のオーディオ作品および前記ビデオ・セグメントと組み合わせることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第二のデータがさらに、前記第一のオーディオ作品が挿入されるべき前記オーディオビジュアル作品内の位置を記述する情報をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項4】
前記第二のデータがさらに、前記第一のオーディオ作品に適用されるべきオーディオ効果を含み、前記オーディオ効果に基づいて前記第一のオーディオ作品の前記コピーを前処理する段階をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記読む段階、前記取得する段階および前記前処理する段階が、前記再生する段階に先立って実行される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記第二のデータがさらに、(a)前記第一のオーディオ作品についての等化パラメータを記述する情報、(b)前記第一のオーディオ作品の音量を記述する情報、(c)前記第一のオーディオ作品のエンコード方式を記述する情報および(d)前記第一のオーディオ作品に適用されるべきウェーブレット・エンコード方式のうちの少なくとも一つを含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記第一のオーディオ作品が少なくとも、前記オーディオビジュアル作品とは別個に購入またはライセンスのために利用可能な音楽作品のセグメントを含み、前記第二のデータがさらに、前記オーディオ部分の最初のコンポーネントを含む前記音楽作品のセグメントを定義する情報をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記第一のオーディオ作品の前記取得が、通信ネットワークを介して前記第一のオーディオ作品のコピーをダウンロードすることを含む、請求項3記載の方法。
【請求項9】
前記第一のオーディオ作品の前記取得が、前記第一のオーディオ作品について前記受領者が所有しているオーディオ作品のコピーのデジタル・ライブラリを検索することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項10】
前記第一のオーディオ作品の前記取得が、前記第一のオーディオ作品が前記オーディオビジュアル作品と組み合わせて再生されることを許す前記第一のオーディオ作品に対するライセンスを前記受領者が所有しているかどうかを判定することを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第一のオーディオ作品の前記取得が、前記デジタル・ライブラリが前記第一のオーディオ作品のコピーをすでに含んでいるのでない場合にのみ、前記第一のオーディオ作品のコピーおよび前記第一のオーディオ作品に対するライセンスを購入することをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記第二のデータがさらに、(a)前記第一のオーディオ作品についてのライセンスのコストを示す情報および(b)前記第一のオーディオ作品に対するライセンスをどこで入手しうるかを示す情報のうちの少なくとも一方を含む、請求項3記載の方法。
【請求項13】
前記第二のデータが、任意的に前記第一のオーディオ作品として使用されうる複数のオーディオ作品を含み、前記取得する段階がさらに、前記受領者が、前記複数のオーディオ作品のうち使用されるべきものを前記第一のオーディオ作品として選択することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項14】
請求項9記載の方法であって、さらに:
前記デジタル・ライブラリが前記第一のオーディオ作品のコピーを含んでいない場合、前記第一のオーディオ作品を、聴覚的属性について解析する段階と;
前記デジタル・ライブラリが、前記第一のオーディオ作品の前記解析された聴覚的属性と類似の聴覚的属性をもつ別のオーディオ作品のコピーを含んでいるかどうかを判定する段階と;
前記オーディオビジュアル作品を再生するよう、前記第一のオーディオ作品に対する代替として、前記別のオーディオ作品と組み合わせて前記ビデオ部分を再生する段階とを含む、
方法。
【請求項15】
前記オーディオビジュアル作品内の前記第一のオーディオ作品についての代替として、代わりのオーディオ作品を提供するウェブサイトに通信ネットワークを介してアクセスする段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
ビデオ・セグメントおよびオーディオ・セグメントを含むオーディオビジュアル作品を再生する方法であって:
デジタル形式の前記オーディオビジュアル作品のコピーを受領する段階であって、前記コピーは前記オーディオビジュアル作品の前記ビデオ・セグメントを含む第一のデータおよび前記オーディオビジュアル作品の前記オーディオ・セグメントの第一の部分を含む第一のオーディオ作品を同定する第二のデータを含み、前記オーディオビジュアル作品の前記コピーは前記第一のオーディオ作品のコピーを含まない、段階と;
前記第一のオーディオ作品の識別情報を判別するよう前記第二のデータを読む段階と;
前記オーディオビジュアル作品の前記コピーとは別個の源から前記第一のオーディオ作品のコピーを取得する段階と;
前記第一のオーディオ作品を含む前記オーディオビジュアル作品の新しいバージョンを生成するよう、前記ビデオ・セグメントを前記第一のオーディオ・セグメントと組み合わせる段階とを含む、
方法。
【請求項17】
前記オーディオビジュアル作品の前記コピーがさらに、前記オーディオビジュアル作品の前記オーディオ・セグメントの第二の部分を含む第二のオーディオ作品を含む第三のデータを含み、前記組み合わせる段階は、前記第二のオーディオ作品を前記第一のオーディオ作品および前記ビデオ・セグメントと組み合わせることを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記取得する段階が、オーディオ作品のデジタル・ライブラリを検索して前記第一のオーディオ作品のコピーが利用可能であるかどうかを判別し、利用可能であれば、前記デジタル・ライブラリから前記第一のオーディオ作品の前記コピーを取得することを含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記取得する段階が、前記第一のオーディオ作品のコピーが前記デジタル・ライブラリにおいて利用可能でない場合、ネットワークを介して前記第一のオーディオ作品のコピーを取得しうるサーバーに接続し、前記サーバーから前記第一のオーディオ作品のコピーを取得する段階をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記取得する段階が、ネットワークを介して前記第一のオーディオ作品のコピーを取得しうるサーバーに接続し、前記サーバーから前記第一のオーディオ作品のコピーを取得する段階をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記サーバーから前記第一のオーディオ作品のコピーを取得する前記段階がさらに、前記第一のオーディオ作品が前記オーディオビジュアル作品の一部として再生されることを許す前記第一のオーディオ作品に対するライセンスを取得することを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記取得する段階が、前記ライセンスおよび前記コピーに対する対価を支払うことをさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
ライセンスを取得する前記段階が、前記オーディオビジュアル作品とは別個に前記第一のオーディオ作品を再生するライセンスを取得することを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
請求項21記載の方法であって:
前記取得する段階に先立って、前記第一のオーディオ作品のコピーを取得することに関して、複数のオプションをユーザーに対して表示する段階と;
前記オプションの一つを選択するユーザーからの入力を受領する段階とをさらに含み、
前記オプションは、前記第一のオーディオ作品に対する複数の異なる種類のライセンスを含む、方法。
【請求項25】
前記第二のデータがさらに、(a)前記第一のオーディオ作品についてのライセンスのコストを示す情報および(b)前記第一のオーディオ作品に対するライセンスをどこで入手しうるかを示す情報のうちの少なくとも一方を含む、請求項18記載の方法。
【請求項26】
請求項16記載の方法であって:
前記取得する段階に先立って、前記第一のオーディオ作品のコピーを取得することに関して、複数のオプションをユーザーに対して表示する段階と;
前記オプションの一つを選択するユーザーからの入力を受領する段階とをさらに含む、方法。
【請求項27】
前記第二のデータがさらに、(a)前記第一のオーディオ作品についてのライセンスのコストを示す情報および(b)前記第一のオーディオ作品に対するライセンスをどこで入手しうるかを示す情報のうちの少なくとも一方を含む、請求項16記載の方法。
【請求項28】
前記第二のデータが、任意的に前記第一のオーディオ作品として使用されうる複数のオーディオ作品を含み、前記提供する段階が、前記複数のオーディオ作品のうちの一つを選択するオプションをユーザーに提供することを含む、請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記オーディオビジュアル作品内の前記第一のオーディオ作品についての代替として、代わりのオーディオ作品を提供するウェブサイトに通信ネットワークを介してアクセスする段階をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項30】
オーディオビジュアル作品のコピーを担持する媒体であって、前記オーディオビジュアル作品は、前記オーディオビジュアル作品のビデオ・セグメントを含む第一のデータおよび前記オーディオビジュアル作品の前記オーディオ・セグメントの第一の部分を含む第一のオーディオ作品を同定する第二のデータを含み、前記オーディオビジュアル作品の前記コピーは前記第一のオーディオ作品のコピーを含まない、媒体。
【請求項31】
前記第二のデータがさらに、前記第一のオーディオ作品のコピーおよびライセンスを取得する方法を示す情報を含む、請求項30記載の媒体。
【請求項32】
前記第一のオーディオ作品のコピーおよびライセンスを取得する方法を示す前記情報が、前記第一のオーディオ作品のコピーおよびライセンスを取得しうるウェブ・アドレスを含む、請求項31記載の媒体。
【請求項33】
前記第二のデータがさらに、前記第一のオーディオ作品のコピーおよび前記第一のオーディオ作品に対するライセンスを取得するコストを示す情報を含む、請求項32記載の媒体。
【請求項34】
前記オーディオビジュアル作品のオーディオ・セグメントの第二の部分を含む第二のオーディオ作品を含む第三のデータをさらに含む、請求項30記載の媒体。
【請求項35】
前記第二のデータがさらに、前記第一のオーディオ作品に適用されるべきオーディオ効果を含む、請求項34記載の媒体。
【請求項36】
前記第一のオーディオ作品が、少なくとも、前記オーディオビジュアル作品とは別個に購入またはライセンスのために利用可能な音楽作品のセグメントを含み、前記第二のデータがさらに、前記オーディオ部分の最初のコンポーネントをなす前記音楽作品のセグメントを定義する情報を含む、請求項30記載の媒体。
【請求項37】
前記第二のデータがさらに、前記第一のオーディオ作品のコピーおよび前記第一のオーディオ作品に対するライセンスを取得するコストを示す情報を含む、請求項30記載の媒体。
【請求項38】
前記第二のデータは、前記第一のオーディオ作品として任意的に使用されうる複数のオーディオ作品を含む、請求項30記載の媒体。
【請求項39】
前記媒体がDVDである、請求項30記載の媒体。
【請求項40】
前記媒体が通信ネットワークを通じて伝送される信号である、請求項30記載の媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−531764(P2012−531764A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516457(P2012−516457)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001028
【国際公開番号】WO2011/000105
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511225310)ロックスター ビーアイディーシーオー,エルピー (26)
【Fターム(参考)】