説明

オーディオ信号処理回路およびそれを用いたオーディオ装置

【課題】オーディオ装置の歪み特性を改善する。
【解決手段】D/Aコンバータ30は、入力されたデジタルオーディオ信号S2をアナログオーディオ信号S3に変換する。アナログボリウム回路30は、D/Aコンバータ22の出力信号S3を、ユーザにより設定されたボリウム値に応じた利得で増幅する。アナログボリウム回路30は、ボリウム値の変更時に、利得を緩やかに変化させるように構成される。D/Aコンバータ22およびアナログボリウム回路30は、ひとつの半導体基板に一体集積化され、共通のマスタークロック信号MCLKを起源とする互いに整数倍の関係にあるクロック信号にもとづいて動作するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ信号処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ装置において、オーディオ信号の音量を調節したり、周波数特性を変化させたり(イコライズ)する目的で、オーディオ信号処理回路が利用される。
【0003】
図1は、本発明者が検討したオーディオ装置の構成を示すブロック図である。オーディオ装置1rは、音源2、スピーカもしくはヘッドホンなどの電気音響変換素子(以下、単にスピーカと総称する)4およびオーディオ信号処理回路100rを備える。音源2からは、デジタルのオーディオ信号S1が出力される。音源2は、たとえばデジタル出力を有するCDプレイヤ、DVDプレイヤ、シリコンオーディオプレイヤであり、あるいはアナログオーディオ信号をデジタルオーディオ信号に変換するDSP(Digital Signal Processor)である。オーディオ信号処理回路100rは、音源2からのオーディオ信号S1を受け、その振幅レベルを変化させるデジタルボリウム回路10を含む。デジタルボリウム回路10は、デジタルオーディオ信号S1に、ボリウムに応じた係数を乗算する乗算器で構成される。
【0004】
D/A(Digital to Analog)コンバータ12は、デジタルボリウム回路10から出力されるオーディオ信号S2をアナログのオーディオ信号S3に変換する。オーディオ信号S3は、図示しないアンプやフィルタを経て、オーディオ信号処理回路100rの後段のスピーカ4に入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−151309号公報
【特許文献2】特開平9−205482号公報
【特許文献3】特開2007−325057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オーディオ信号S1のレベルが小さいときに、デジタルボリウム回路10によりオーディオ信号S1のレベルを減衰させると、D/Aコンバータ12の入力レンジのごく一部のみが利用されることになる。したがって図1のオーディオ装置1rでは、オーディオ信号S1の信号レベルが小さい場合に、歪み特性が悪化するという問題が生ずる。
【0007】
本発明はこうした課題に鑑み似てなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、オーディオ装置の歪み特性の改善にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、オーディオ信号処理回路に関する。オーディオ信号処理回路は、入力されたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換するD/Aコンバータと、D/Aコンバータの出力信号を、ユーザにより設定されたボリウム値に応じた利得で増幅するアナログボリウム回路であって、ボリウム値の変更時に、利得を緩やかに変化させるように構成されたアナログボリウム回路と、を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化される。D/Aコンバータとアナログボリウム回路はそれぞれ、共通のマスタークロック信号を起源とする互いに整数倍の関係にあるクロック信号にもとづいて動作するように構成される。
【0009】
この態様によると、D/Aコンバータの後段に、いわゆるソフト遷移切りかえ機能を有するアナログボリウム回路を設け、それらを集積化することにより、D/Aコンバータの前段にデジタルボリウム回路を設けた場合に比べて、小信号時の歪みを改善することができる。
また、D/Aコンバータとアナログボリウム回路を、共通のIC(Integrated Circuit)に内蔵し、共通のマスタークロック信号を起源としたクロック信号と同期して動作させることにより、D/Aコンバータとアナログボリウム回路が非同期の状態において生ずるビートノイズを低減することができる。
【0010】
なお「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。また、「増幅」は利得が1より大きい場合のみでなく、1より小さい場合、すなわち「減衰」も含む。
【0011】
アナログボリウム回路は、デジタルオーディオ信号のレベルが所定のしきい値より小さいとき、アナログボリウム回路の利得を、最小値に設定してもよい。
これにより、無入力あるいは無信号時のS/N比を大幅に改善することができる。
【0012】
デジタルオーディオ信号が本オーディオ信号処理回路に入力されてから、アナログボリウム回路に到達するまで、所定の遅延時間が存在してもよい。アナログボリウム回路は、デジタルオーディオ信号のレベルが所定のしきい値より小さい状態から高い状態に移行するとき、アナログボリウム回路の利得を、遅延時間よりも短い遷移時間の間に、最小値から、ユーザが設定したボリウム値に応じた値に遷移させてもよい。
これにより、無入力あるいは無信号状態から、有信号状態に遷移する際に、アナログボリウム回路にオーディオ信号が到達する前に、ボリウム制御を完了でき、オーディオ信号が再生されながら音量が変化するのを防止できる。
【0013】
アナログボリウム回路は、デジタルオーディオ信号に含まれる周波数成分を検出し、含まれる周波数が高いほど利得の遷移時間を短くしてもよい。
低周波成分が支配的なオーディオ信号に対して、短時間でボリウムを変化させると、可聴ノイズが発生してしまう。反対に高周波成分が支配的なオーディオ信号では、短時間でボリウムを変化させても可聴ノイズは発生しにくい。この態様によれば、オーディオ信号の周波数成分に応じて、ボリウムの遷移時間を最適化できる。
【0014】
アナログボリウム回路は、デジタルオーディオ信号の振幅が小さいほど、利得の遷移時間を短くしてもよい。
振幅が大きなオーディオ信号に対して、短時間でボリウムを変化させると、可聴ノイズが発生してしまう。反対に振幅が小さなオーディオ信号では、短時間でボリウムを変化させても可聴ノイズは発生しにくい。この態様によれば、オーディオ信号の振幅に応じて、ボリウムの遷移時間を最適化できる。
【0015】
本発明の別の態様は、オーディオ装置に関する。オーディオ装置は、上述のいずれかの態様のオーディオ信号処理回路を備える。
【0016】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のある態様によれば、オーディオ装置のS/N比を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明者が検討したオーディオ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係るオーディオ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2のオーディオ信号処理回路のミュート動作を示す波形図である。
【図4】図2のオーディオ信号処理回路のミュート状態から有信号状態への復帰を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0020】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0021】
図2は、実施の形態に係るオーディオ装置1の構成を示すブロック図である。
オーディオ装置1は主として、音源2、オーディオ信号処理回路100、スピーカ4、マイコン6を備える。
【0022】
音源2からは、デジタルのオーディオ信号S1が出力される。音源2は、たとえばデジタル出力を有するCDプレイヤ、DVDプレイヤ、シリコンオーディオプレイヤであり、あるいはアナログオーディオ信号をデジタルオーディオ信号に変換するDSPである。
【0023】
マイコン6は、オーディオ装置1全体を統括的に制御するユニットである。マイコン6は、ユーザにより設定されたボリウムを示すボリウムデータVOLを、オーディオ信号処理回路100へと出力する。
【0024】
オーディオ信号処理回路100の入力端子P1には、音源2からのオーディオ信号S1が入力される。オーディオ信号処理回路100は、信号処理部20、D/Aコンバータ22、アナログボリウム回路30、オシレータ40を備え、ひとつの半導体基板に集積化された機能ICである。
【0025】
信号処理部20は、入力端子P1に入力されたオーディオ信号S1に対して、イコライジング処理、トーンコントロール、ラウドネスコントロールなど、さまざまな処理を行う。
【0026】
D/Aコンバータ22は、信号処理部20から出力されるオーディオ信号S2をアナログのオーディオ信号S3に変換する。
【0027】
アナログボリウム回路30は、D/Aコンバータの出力信号S4を、ボリウムデータVOLに応じた利得gで増幅する。
【0028】
ソフト遷移切りかえ機能を有するアナログボリウム回路30は、アナログ増幅器32および利得制御部34を含む。アナログ増幅器32は、D/Aコンバータ22から出力された信号S3を、利得制御部34により設定された利得gで増幅する。たとえば利得gは、0〜1の間をとるように構成され、アナログ増幅器32は減衰器で構成される。
【0029】
利得制御部34は、マイコン6からのボリウムデータVOLを受け、その値に応じた利得gをアナログ増幅器32に設定する。利得制御部34は、ボリウムデータVOLの値が変更されると、アナログ増幅器32の利得を、現在の値から、変更後のボリウムに対応する値まで緩やかに変化させる。アナログボリウム回路30の構成は特に限定されず、公知の技術を利用すればよい。
【0030】
アナログボリウム回路30により増幅されたアナログのオーディオ信号S4は、出力端子P2から出力され、図示しないアンプやフィルタを経て、オーディオ信号処理回路100の後段のスピーカ4に入力される。
【0031】
オシレータ40は、所定の周波数を有するマスタークロック信号MCLKを生成する。D/Aコンバータ22は、マスタークロック信号MCLKを第1の分周比で分周し、オーディオ信号S2のサンプリング周波数を有する変換用クロック信号を生成し、その変換用クロック信号を用いて、オーディオ信号S2をアナログのオーディオ信号S3に変換する。
【0032】
アナログボリウム回路30の利得制御部34は、マスタークロック信号MCLKを第2の分周比で分周し、遷移用クロック信号を生成する。利得制御部34は、遷移用クロック信号と同期して、アナログ増幅器32に設定する利得gを、初期値から目標値へと段階的に遷移させる。
【0033】
このように、D/Aコンバータ22とアナログボリウム回路30はそれぞれ、共通のマスタークロック信号MCLKを起源とする互いに整数倍の関係にあるクロック信号にもとづいて動作するように構成される。
【0034】
以上がオーディオ信号処理回路100の基本構成である。
このオーディオ信号処理回路100によれば、D/Aコンバータ22の後段にアナログボリウム回路30を設けることにより、D/Aコンバータ22の入力レンジを有効的に利用することができ、オーディオ信号S1のレベルが小さい場合であっても、ボリウム制御により歪み特性が悪化するのを防止することができる。
【0035】
当然のことながら、アナログボリウム回路30は、ソフト遷移切りかえ機能を有しているため、ボリウム値の切りかえに伴うノイズの発生は抑制される。
【0036】
また、D/Aコンバータ22とアナログボリウム回路30を、共通のIC(Integrated Circuit)に内蔵し、共通のマスタークロック信号MCLKを起源としたクロック信号と同期して動作させることにより、D/Aコンバータ22とアナログボリウム回路30が非同期の状態において生ずるビートノイズを低減することができる。
【0037】
続いて、オーディオ信号処理回路100のさらなる特徴を説明する。
【0038】
アナログボリウム回路30の利得制御部34は、デジタルオーディオ信号S1のレベルを監視する。利得制御部34は、オーディオ信号S1のレベルが所定のしきい値より小さいとき、無音状態あるいは無信号状態と判定し、アナログ増幅器32の利得gを、実質的にゼロである最小値に設定する。これをミュート状態と称する。
【0039】
反対に利得制御部34は、デジタルオーディオ信号S1のレベルが所定のしきい値より小さい状態から高い状態に移行するとき、ミュート状態を解除し、アナログ増幅器32の利得gを、ユーザが設定したボリウムに対応する値に復帰させる。
【0040】
デジタルオーディオ信号S1がオーディオ信号処理回路100に入力されてから、アナログボリウム回路30に到達するまで、所定の遅延時間τが存在する。遅延時間τは、信号処理部20に内蔵されるIIR(Infinite Impulse Response)フィルタの遅延時間であってもよい。あるいは信号処理部20は、意図的に遅延を生成するバッファを含んでもよい。
【0041】
利得制御部34は、入力端子P1からアナログボリウム回路30への遅延時間τよりも短い遷移時間τの間に、アナログ増幅器32の利得gを、最小値から、ボリウムデータVOLに応じた値に遷移させる。
【0042】
図3は、図2のオーディオ信号処理回路100のミュート動作を示す波形図である。なお波形図の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。
【0043】
時刻t0〜t1の間、オーディオ信号S1はある程度の振幅を有している。時刻t1に、オーディオ信号S1の振幅(信号レベル)が、しきい値THより小さくなる。
利得制御部34は、時刻t1に直ちに無信号状態を検出すると、それから遅延時間τ経過後の時刻t2に、利得制御部34の利得gを、それまでのボリウムデータVOLに応じた値gから、最小値0に向けて緩やかに段階的に低下させていく。
【0044】
時刻t2以降、オーディオ信号S3は、実質的にゼロの利得gで増幅されるため、オーディオ信号S4の信号レベルは非常に小さくなる。このように、無信号、あるいは無入力状態において、アナログ増幅器32の利得を実質的にゼロとすることにより、無入力あるいは無信号時のS/N比を大幅に改善することができる。
【0045】
図4は、図2のオーディオ信号処理回路100のミュート状態から有信号状態への復帰を示す波形図である。時刻t0〜t1の間、オーディオ信号S1のレベルはしきい値THより小さい。時刻t1に、オーディオ信号S1のレベルがしきい値THより大きくなると、利得制御部34は直ちに有信号状態と判定する。そして、アナログ増幅器32の利得gを、実質的にゼロの値からボリウムデータVOLに応じた値g1に向けて、段階的に上昇させる。利得gが、0からgに復帰するまでの遷移時間τは、入力端子P1からアナログ増幅器32への遅延時間τよりも短く設定される。
【0046】
もし遷移時間τが、遅延時間τよりも長い場合、オーディオ信号S3が再生された状態で音量が変化することとなり不自然である。これに対してオーディオ信号処理回路100によれば、無入力あるいは無信号状態から、有信号状態に遷移する際に、アナログボリウム回路30にオーディオ信号S3が到達する前に、ボリウム制御を完了でき、オーディオ信号が再生された状態で、音量が変化するのを防止できる。
【0047】
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を示す。
【0048】
ボリウムの遷移時間τは短ければ短いほど好ましいが、低周波成分が支配的なオーディオ信号S1に対して、短時間でボリウムを変化させると、可聴ノイズが発生してしまう。反対に高周波成分が支配的なオーディオ信号S1の場合、短時間でボリウムを変化させても可聴ノイズは発生しにくい。
【0049】
そこでアナログボリウム回路30の利得制御部34は、デジタルオーディオ信号S1に含まれる周波数成分を検出し、含まれる周波数が高いほど利得の遷移時間τを短くしてもよい。これにより、オーディオ信号S1の周波数成分に応じて、ボリウムの遷移時間τを最適化できる。
【0050】
また、振幅が大きなオーディオ信号に対して、短時間でボリウムを変化させると、可聴ノイズが発生してしまう。反対に振幅が小さなオーディオ信号では、短時間でボリウムを変化させても可聴ノイズは発生しにくい。
【0051】
そこでアナログボリウム回路30の利得制御部34は、デジタルオーディオ信号S1の振幅が小さいほど、利得gの遷移時間τを短くしてもよい。これによりオーディオ信号の振幅に応じて、ボリウムの遷移時間を最適化できる。
【0052】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0053】
1…オーディオ装置、S1…オーディオ信号、P1…入力端子、P2…出力端子、2…音源、4…スピーカ、6…マイコン、20…信号処理部、22…D/Aコンバータ、30…アナログボリウム回路、32…アナログ増幅器、34…利得制御部、40…オシレータ、100…オーディオ信号処理回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換するD/Aコンバータと、
前記D/Aコンバータの出力信号を、ユーザにより設定されたボリウム値に応じた利得で増幅するアナログボリウム回路であって、ボリウム値の変更時に、前記利得を緩やかに変化させるように構成されたアナログボリウム回路と、
を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化され、
前記D/Aコンバータと前記アナログボリウム回路はそれぞれ、共通のマスタークロック信号を起源とする互いに整数倍の関係にあるクロック信号にもとづいて動作するように構成されることを特徴とするオーディオ信号処理回路。
【請求項2】
前記アナログボリウム回路は、前記デジタルオーディオ信号のレベルが所定のしきい値より小さいとき、前記アナログボリウム回路の利得を、最小値に設定することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ信号処理回路。
【請求項3】
前記デジタルオーディオ信号が本オーディオ信号処理回路に入力されてから、前記アナログボリウム回路に到達するまで、所定の遅延時間が存在し、
前記アナログボリウム回路は、前記デジタルオーディオ信号のレベルが所定のしきい値より小さい状態から高い状態に移行するとき、前記アナログボリウム回路の利得を、前記遅延時間よりも短い遷移時間の間に、前記最小値から、ユーザが設定したボリウム値に応じた値に遷移させることを特徴とする請求項2に記載のオーディオ信号処理回路。
【請求項4】
前記アナログボリウム回路は、前記デジタルオーディオ信号に含まれる周波数成分を検出し、含まれる周波数が高いほど前記利得の遷移時間を短くすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
【請求項5】
前記アナログボリウム回路は、前記デジタルオーディオ信号の振幅が小さいほど、前記利得の遷移時間を短くすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のオーディオ信号処理回路を備えることを特徴とするオーディオ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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