説明

カチオン重合硬化型インクジェットインク

【課題】常温溶融塩を添加することで、硬化感度を落とすことなく、長期保存によるインクの増粘やゲル化を抑制し、安定した出射性を実現することが出来るカチオン重合硬化型インクを提供する。
【解決手段】カチオン重合性化合物と、光重合開始剤と、色材と常温溶融塩とを含有することを特徴とするカチオン重合硬化型インクジェットインク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化感度を落とすことなく長期保存時に伴う暗反応によるインクの増粘を抑制することが出来るカチオン重合硬化型インクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作製出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0003】
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後に紫外線(UV)光等の活性光線により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式などである。
【0004】
中でも、活性光線硬化型インクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、例えば、紫外線硬化型インクジェット用インクが開示され(例えば、特許文献1、2参照)ている。
【0005】
又、活性光線硬化型インクジェット用インクとしては、一般にラジカル重合タイプとカチオン重合タイプがあるが、カチオン重合タイプは、酸素阻害を受けないこと、使用するカチオン系モノマーは比較的低臭気で、硬化収縮が少ない等の利点があり注目されている。
【0006】
また、カチオン重合による活性光線硬化型インクには、オキセタン化合物やエポキシ化合物などのカチオン重合性化合物が使用する方法が提案されて(例えば、特許文献3、4参照)いる。しかしながら、カチオン重合開始剤を添加した状態で長期間にわたり保存すると、紫外線が遮断された状態でも、カチオン重合開始剤からカチオンが自然発生することがあり、この自然発生したカチオンによりカチオン重合性化合物の重合が開始して増粘やゲル化が生ずるという問題があった。
【0007】
上記課題に対し、活性光線硬化型インクジェットインクに、塩基性化合物を添加することにより貯蔵安定性を改良する方法が提案されて(例えば、特許文献5、6参照)いる。
【特許文献1】特開平6−200204号公報
【特許文献2】特表2000−504778号公報
【特許文献3】特開2002−348478号公報
【特許文献4】特開2003−212965号公報
【特許文献5】特開2000−186079号公報
【特許文献6】特開2003−292606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献に開示されているようなアルカリ金属水酸化物またはアミンをインク中に添加すると長期保存安定性は改良することが出来たが、それと同時にインクの硬化感度の低減を招くといった問題が生じてきた。
【0009】
従って、本発明の目的は、常温溶融塩を添加することで、硬化感度を落とすことなく、長期保存によるインクの増粘やゲル化を抑制し、安定した出射性を実現することが出来るカチオン重合硬化型インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
【0011】
1.カチオン重合性化合物と、光重合開始剤と、色材と常温溶融塩とを含有することを特徴とするカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【0012】
2.前記常温溶融塩がアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩及びアルキルピペリジニウム塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【0013】
3.前記常温溶融塩のアニオン部がBF4-、PF6-及び(CF3SO22-から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1又は2に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【0014】
4.カチオンとして、アルキルアミンイオン、第4級アンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、アルキルイミダゾリウムイオン及びアルキルピペリジニウムイオンから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、アニオンとして、BF4-、PF6-及び(CF3SO22-から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【0015】
5.前記常温溶融塩をカチオン重合硬化型インクジェットインク全量に対して0.01〜15質量%含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【0016】
6.前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有するオキセタン化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【0017】
7.前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物およびオキセタン環を有するオキセタン化合物であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【0018】
8.前記光重合開始剤が光酸発生剤であり、かつ該光酸発生剤が、トリアリールスルホニウム塩を含有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【発明の効果】
【0019】
本発明の常温溶融塩をカチオン重合硬化型インクに添加することで、硬化感度を落とすことなく、長期保存時におけるカチオンインクの暗反応を抑制し、インクの増粘やゲル化を抑制することで安定した吐出性を確保できた。また、常温溶融塩は同じく塩である開始剤に対して溶解性が良好である溶媒として作用し、結果、インクの長期保存時においても開始剤等の沈殿を抑制する効果もあった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を更に詳しく説明する。
【0021】
本発明では、常温溶融塩をカチオン重合硬化型インクに添加することで、硬化感度を落とすことなく、長期保存時におけるカチオンインクの暗反応を抑制し、インクの増粘を抑制することで安定した吐出性を確保する。また、常温溶融塩は同じく塩である開始剤に対して溶解性が良好である溶媒として作用し、結果、インクの長期保存時においても開始剤の沈殿を抑制する効果もある。
【0022】
詳細なメカニズムは分からないが、イオン液体には長期保存時において発生するプロトンをトラップすることで暗反応の促進を抑制する効果があると推測される。
【0023】
〔常温溶融塩〕
塩は一般に常温で固体であるが、加熱してゆくとある温度で融解し液体(溶融塩)となる。この液状の塩、いわゆる溶融塩の歴史は古く、無機塩を中心に研究が展開されてきた。非常に面白い材料であるが、数百OCという融点の高さが障壁となり、広範囲への利用、普及には至らなかった。ところが20世紀の終わり頃に、有機のカチオンとアニオンを用いて、室温で液体となる塩が見出された。これらは常温溶融塩またはイオン液体と呼ばれ、前出の系とは区別されている。一般的に、25℃以内で液体状態をとる塩が常温溶融塩とよばれおり、本発明でもそのように規定する。
【0024】
イオン液体を形成するイオンの構成は様々であるが、物性はイオンの構造に依存するので、それらの組み合わせは非常に重要となる。例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンとBr-からなる塩は室温で固体である。それに対し、BF4-、PF6-、あるいは(CF3SO22-(TFSI-)などを組み合わせた系は室温で液体となる。さらに、TFSIアニオンを用いた場合、塩でありながら水に不溶となることが知られている。イオン液体は主に有機材料で構成されているため、それらの組み合わせは無限といっても過言ではなく、さらに優れた性能を引き出すことも可能である。しかし、イオン液体の作製は合成及び精製が煩雑で、構造と諸物性(融点、粘度、及びイオン伝導度など)との間の明確な相関については、情報は増えているものの、未だ解明されていない。
【0025】
本発明に係る常温溶融塩は、カチオン重合硬化型インクジェットインク全量に対して0.01〜15質量%含有することが好ましいが、1.0〜5質量%含有することがより好ましい。
【0026】
〔カチオン重合性化合物及び光重合開始剤〕
本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクは、少なくともカチオン重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする。また、カチオン重合性化合物として、少なくとも1種の単官能モノマーを10〜30質量%含有することが好ましい。単官能モノマーは、10質量%以上であればその効果を十分に発揮することができ、30質量%以下であれば、優れた硬化性を達成できると共に、色滲みなどの画質上問題を防止することができる。
【0027】
本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクにおいては、カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有するオキセタン化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることが、本発明の目的効果をより発揮できる観点から好ましく、更には、少なくとも1種の単官能または2官能のエポキシ化合物、少なくとも1種の単官能または2官能のオキセタン化合物、または少なくとも1種の単官能または2官能のビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
【0028】
これらのカチオン重合性化合物としては、例えば、開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報等に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0029】
エポキシ化合物としては、以下に記載の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
【0030】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0031】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
【0032】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0033】
これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0034】
本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性向上の観点から、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を全光重合性化合物の30〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜70質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%含有することが好ましい。
【0035】
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
【0036】
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0037】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0038】
〔光重合開始剤〕
本発明のインクにおいて、光重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)などに掲載されているあらゆる公知の光重合開始剤を用いることができるが、光酸発生剤を用いることが好ましい。
【0039】
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
【0040】
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654-、PF6-、AsF6-、SbF6-、CF3SO3-塩を挙げることができる。
【0041】
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
【0042】
【化1】

【0043】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
【0044】
【化2】

【0045】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
【0046】
【化3】

【0047】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0048】
【化4】

【0049】
特に、本発明のインクにおいては、光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩を含有する化合物であることが好ましい。
【0050】
光酸発生剤は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光酸発生剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させてもさらなる硬化性向上効果はない。これら光酸発生剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
【0051】
〔色材〕
本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクにおいては、上記説明したカチオン重合性化合物及び光重合開始剤と共に、各種の公知の染料または顔料を含有する。耐候性に優れる観点から色材として顔料を適用することが好ましい。
【0052】
本発明に用いる顔料としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末等の無機顔料、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
【0053】
顔料の具体例としては、
C.I Pigmen Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I Pigmen Orange−16、36、38、
C.I Pigmen Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I Pigmen Violet−19、23、
C.I Pigmen Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I Pigmen Green−7、36、
C.I Pigmen White−6、18、21、
C.I Pigmen Black−7、等を挙げることができる。
【0054】
顔料のアミン価は酸価よりも大きいことが好ましく、その差が1mg/gKOH以上、10mg/g未満であることが更に好ましい。1mg/gKOH未満であればその効果がなく、10mg/g以上の場合は塩基性処理を過度に行う必要があり、コストアップとなるばかりでなく、重合阻害の原因にもなり好ましくない。
【0055】
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の分散装置を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することもできる。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明のインクでは、印字後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
【0056】
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
【0057】
《インクジェット記録方法》
次いで、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
【0058】
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
【0059】
図1は本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
【0060】
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
【0061】
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
【0062】
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
【0063】
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
【0064】
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
【0065】
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
【0066】
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
【0067】
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
【0068】
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
【0069】
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
【0070】
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
【0071】
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
【0072】
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【0073】
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色の記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
【0074】
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、照射手段4が設けられている。
【0075】
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
【0076】
本発明に係るインクジェットプリンターにおいては、前述のように、図1、図2に代表されるインクジェットプリンターを用いて、インクジェットヘッドより本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出した後、活性光線を照射、硬化させて画像を形成するものであるが、インクジェットヘッドと活性光線照射装置び活性光線照射による硬化方法について、以下説明する。
【0077】
本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクを硬化するのに用いる活性光線としては、紫外線、X線、電子線等が挙げられる。紫外線により本発明のインクを硬化させる場合に使用できる光源としては、様々な光源を使用することができ、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が挙げられる。電子線により硬化させる場合には、種々の照射装置が使用でき、例えば、コックロフトワルトシン型、バンデグラフ型または共振変圧器型等が挙げられ、電子線としては50〜1000eVのエネルギーを持つものが好ましく、より好ましくは100〜300eVである。本発明では、安価な装置を使用できることから、活性エネルギー線硬化組成物の硬化に紫外線を使用することが好ましい。
【0078】
次に、本発明に適用可能なインクジェット画像形成方法について説明する。
【0079】
本発明に係るインクジェット画像形成方法は、本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクを、インクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法である。
【0080】
(インクの吐出条件)
本発明のインクを用いて画像形成する場合、インクの吐出条件としては、インクジェットヘッド及び本発明のインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。カチオン重合硬化型インクジェットインクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
【0081】
(インク着弾後の光照射条件)
本発明に係るインクジェット画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、記録材料上にインクが着弾した後、0.001秒〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
【0082】
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることが出来る。
【実施例】
【0083】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0084】
《顔料分散液の調製》
〔イエロー顔料分散液の調製〕
下記に示す方法に従って、イエロー顔料分散液を調製した。
【0085】
下記の2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、ホットプレート上で65℃で加熱、攪拌しながら溶解した。
【0086】
アジスパーPB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製オキセタン化合物) 72質量部
次いで、室温まで冷却した後、この溶液に顔料としてC.I. Pigment Yellow 150を20質量部を加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200部と共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間の分散処理を施した後、ジルコニアビーズを除去して、イエロー顔料分散液を調製した。
【0087】
〔マゼンタ顔料分散液の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I. Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Red 122に変更した以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液を調製した。
【0088】
〔シアン顔料分散液の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I. Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Blue 15:4に変更した以外は同様にして、シアン顔料分散液を調製した。
【0089】
〔ブラック顔料分散液の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I. Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Black 7に変更した以外は同様にして、ブラック顔料分散液を調製した。
【0090】
実施例1
《インクの調製》
(イエローインクの調製)
上記調製したイエロー顔料分散液(イエロー顔料:20質量%、分散剤PB822:8質量%、光重合性化合物OX−221:72質量%含有)と表1記載の各添加剤とを用いて、イエローインクを調製した。
【0091】
具体的には、イエロー顔料分散物以外の全ての表1記載の添加剤を混合し、十分に溶解したことを確認した後、この混合溶液をイエロー顔料分散物中に攪拌しながら少しずつ添加し、15分間攪拌した後、ロキテクノ社製PP3μmディスクフィルターで濾過を行った。
【0092】
表1に示す、インク中に常温溶融塩0〜20%の間で添加を6点振ったものと、常温溶融塩の代わりにアミン化合物を添加したのも2点、計8種のインクをそれぞれY1〜Y8とした。
【0093】
【表1】

【0094】
実施例2
(マゼンタインクの調製)
実施例1でYインクを作製したのと同様の手順でM分散液を用いてMインクを作製した。
【0095】
表2に示す、インク中に常温溶融塩0〜20%の間で添加を6点振ったものと、常温溶融塩の代わりにアミン化合物を添加したのも2点、計8種のインクをそれぞれM1〜M8とした。
【0096】
【表2】

【0097】
実施例3
(シアンインクの調製)
実施例1でYインクを作製したのと同様の手順でC分散液を用いてCインクを作製した。
【0098】
表3に示す、インク中に常温溶融塩0〜20%の間で添加を6点振ったものと、常温溶融塩の代わりにアミン化合物を添加したのも2点、計8種のインクをそれぞれC1〜C8とした。
【0099】
【表3】

【0100】
実施例4
(ブラックインクの調製)
実施例1でYインクを作製したのと同様の手順でK分散液を用いてKインクを作製した。
【0101】
表4に示す、インク中に常温溶融塩0〜20%の間で添加を6点振ったものと、常温溶融塩の代わりにアミン化合物を添加したのも2点、計8種のインクをそれぞれK1〜K8とした。
【0102】
【表4】

【0103】
表1〜表4で使用した添加剤の構造を以下に示す。
【0104】
【化5】

【0105】
Y,M,C,Kインクのそれぞれの硬化感度と、長期保存安定性をそれぞれ評価した。
【0106】
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各硬化組成物で調製したインクセットを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各硬化組成物インクの粘度にあわせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、上記記載の硬化組成物で調製したインクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより40℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇のメタルハライドランプにより300mJ/cm2の紫外線を照射し、瞬時(着弾後0.5秒未満)に硬化させた。インク吐出量は、一回でUV照射されるインク量が各色11〜13μg/m2になるよう、吐出量を調整した。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、30℃、80%RHの環境下で印字を行った。
【0107】
尚、各照射光源の照度は、岩崎電機社製のUVPF−A1を用いて、254nmの積算照度を測定した。
【0108】
また、記録材料として以下の2種類を用い、塗膜の硬化性を評価し、結果を表5〜8に示す。
【0109】
PVC:polyvinyl chloride
PET:polyethylen−terephthalate
[塗膜の硬化性の評価]
塗膜の硬化性は、触感から下記基準で評価した。
【0110】
5:塗膜がしっかり固体化してさわってもべとつかない
4:塗膜が固体化しているが、さわると極わずかにべたつく
3:塗膜が固体化しているが、さわると若干べたつく
2:塗膜が部分的に硬化しないところがある。または皺になる
1:塗膜が全く硬化せず
3以上が硬化性に関して実使用上好適な組成物である。
【0111】
[保存性の評価]
粘度の測定
上記調製した各カチオン重合硬化型インクジェットインクの粘度を、レオメータMCR300(Physica製)を用い、サーモ機の投入し、70度4日で強制劣化をさせる前後で粘度を測定し、増粘幅の値で保存安定性を評価をする。測定条件は、温度55℃、Shear Rate=1000(1/s)の条件下で測定した。
増粘幅の値から下記基準で評価した。
【0112】
5:増粘幅の値Δが0.2mPa・s未満である
4:増粘幅の値Δが0.2m0以上0.3Pa・s未満である
3:増粘幅の値Δが0.3m0以上0.5Pa・s未満である
2:増粘幅の値Δが0.5m0以上1.0Pa・s未満である
1:増粘幅の値Δが1.0mPa・s以上である
3以上が保存性に関して実使用上好適な組成物である。
【0113】
沈殿物評価
それぞれのインクを透明なポリ容器に保存し、ひっくり返した状態で1週間放置し、ひっくり返したポリ容器の底に沈殿物が付着していないかを確かめる。
【0114】
沈殿物が無いものが実使用上好適な組成物である。
【0115】
【表5】

【0116】
【表6】

【0117】
【表7】

【0118】
【表8】

【0119】
表5〜8より、本発明のインクでは、硬化性を落とすことなく、長期保存安定性を確保することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【符号の説明】
【0121】
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射光源
P 記録材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン重合性化合物と、光重合開始剤と、色材と常温溶融塩とを含有することを特徴とするカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【請求項2】
前記常温溶融塩がアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩及びアルキルピペリジニウム塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【請求項3】
前記常温溶融塩のアニオン部がBF4-、PF6-及び(CF3SO22-から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【請求項4】
カチオンとして、アルキルアミンイオン、第4級アンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、アルキルイミダゾリウムイオン及びアルキルピペリジニウムイオンから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、アニオンとして、BF4-、PF6-及び(CF3SO22-から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【請求項5】
前記常温溶融塩をカチオン重合硬化型インクジェットインク全量に対して0.01〜15質量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【請求項6】
前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有するオキセタン化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【請求項7】
前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物およびオキセタン環を有するオキセタン化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【請求項8】
前記光重合開始剤が光酸発生剤であり、かつ該光酸発生剤が、トリアリールスルホニウム塩を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−73881(P2009−73881A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242126(P2007−242126)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】