カテーテル法システム
本開示は、カテーテル法システムおよびその構成要素に関する。一実施形態において、近位端および遠位端を有する本体を含み、自身を通して延在する第1および第2のルーメンを画定するカテーテルと、スタイレットとを含むカテーテル法システムが開示される。スタイレットは、各々近位端領域および遠位端領域を有する第1および第2のスタイレット部分を含み、第1および第2のスタイレット部分との遠位端領域は、先細りの貫通部分をともに画定する。第1および第2のスタイレット部分は、各々カテーテルの第1および第2のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される。第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分とは、カテーテルの近位端からカテーテルの遠位端を越えて延在し、第1のスタイレット部分および/または第2のスタイレット部分のカテーテルからの選択的除去を容易化するように互いに対して独立して移動可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/220,656号(2009年6月26日出願)の利益を主張し、この出願の全開示は、本明細書に参照により援用される。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、カテーテル法手技における使用に適合されたカテーテルアセンブリに関する。具体的には、本開示は、血液透析手技におけるカテーテルアセンブリの移植中での使用のための挿入シースおよびスタイレットに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、体腔、管路および血管への、およびそれらからの流体の引き出しおよび導入における使用のための可撓性医用機器である。特に、カテーテルは、血液が血管から引き出されて処理され、続いて血管に返却されて患者の体内において循環する血液透析手技において使用される。
【0004】
多くの血液透析カテーテルは、複数のルーメン、例えば2つまたは3つのルーメンカテーテルを含み、1つのルーメンは、血管からの流体の引き出し専用であり、少なくとも1つの他のルーメンは、血管への流体の返却専用である。一般に、流体が引き出されるルーメンは「動脈」ルーメンと呼ばれ、流体が返却されるルーメンは「静脈」ルーメンと呼ばれる。典型的な血液透析において、複数ルーメンカテーテルを患者に留置した後、血液がカテーテルの動脈ルーメンを通して患者から引き出され、血液透析ユニットに誘導されて透析される、すなわち老廃物および毒素が血液から除去される。次いで、透析後の血液は、カテーテルの静脈ルーメンを通して患者に返却される。
【0005】
例えばガイドワイヤ、導入スタイレット等の使用を含む、血液透析カテーテルの挿入のための様々な技術が使用されている。そのような手技において、スタイレットがカテーテルを通して挿入され、標的部位への途中でカテーテルの導入を容易化するために使用される。カテーテルの留置後、スタイレットが除去され、延長管を用いて、または用いずに、カテーテルの近位端がカテーテルハブに流体的な連絡される。1つの挿入技術は、参照により本明細書にその全内容が組み込まれる、Twardowskiらに対する特許文献1に開示されている。
【0006】
一般に、血液透析カテーテルは、本来緊急カテーテルまたは長期カテーテルに分類される。緊急カテーテルは、留置の遅れが許されない急を要する状況下での患者への留置用に設計されており、典型的には、数日間のみ留置される。それとは対照的に、長期カテーテルは、典型的には長期間留置されるものであり、例えば患者の寝床において、または外来手術環境下において外科的切開により移植され得る。
【0007】
一般に、挿入するには、患者の組織を通してカテーテルを前進させる間にねじれおよび屈曲がもたらされるため、より可撓性のカテーテルと比較してより剛性のカテーテルほど容易である。したがって、緊急カテーテルは、留置の緊急度を鑑みて長期カテーテルよりも剛性であることが多い。より可撓性のカテーテルは患者の外傷のリスクを低減し、患者の快適性の増加をもたらし得るが、これらのカテーテルは、通常、留置を補助するための挿入デバイス、例えば挿入シースまたはスタイレットの使用を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,509,897号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、患者の外傷の低減および患者の快適性の増加に関して悪影響をもたらすことなく、剛性のカテーテルに関連した挿入の利点を達成するための、可撓性カテーテルの留置に使用可能な構造を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態において、近位端および遠位端を有する本体を有し、それを通して延在する第1および第2のルーメンを画定するカテーテルと、スタイレットとを含むカテーテル法システムが開示される。カテーテルは、第1の材料から形成され、スタイレットは、スタイレットのカテーテル内の設置が、カテーテルの剛性を増加させるように、第2のより剛性の材料から形成される。
【0011】
スタイレットは、近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分と、近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分とを含む。第1のスタイレット部分は、カテーテルの第1のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定され、第2のスタイレット部分は、カテーテルの第2のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される。第1および第2のスタイレット部分は、カテーテルの近位端からカテーテルの遠位端を越えるまで延在し、第1のスタイレット部分および/または第2のスタイレット部分のカテーテルからの選択的除去を容易化するように、互いに対して独立して移動可能である。第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域は、実質的に隣接しており、先細りの貫通部分をともに画定する。
【0012】
本開示の一実施形態において、第1および第2のスタイレット部分は、その遠位端領域に設置される対応する接合構造を含む。対応する接合構造は、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成される。例えば、第1のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを含んでもよく、第2のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを摺動可能に受容するように構成および寸法設定されるチャネルを含んでもよい。リブおよびチャネルは、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な横方向の移動を可能とするように構成および寸法設定されてもよく、または、リブおよびチャネルは、そのような相対的な横方向の移動を防止するように構成および寸法設定されてもよく、例えば、リブおよびチャネルは、各々蟻継ぎ構成を含んでもよいことが企図される。
【0013】
第1のスタイレット部分の構成は、カテーテルの第1のルーメンに対応し、第1のスタイレット部分は、それを通してカテーテルを受容するように構成および寸法設定されるチャネルを画定し得る。同様に、第2のスタイレット部分の構成は、カテーテルの第2のルーメンに対応する。
【0014】
一実施形態において、カテーテル法システムは、近位端および遠位端を有し、カテーテルを受容するように構成および寸法設定されるシースルーメンを画定するシースをさらに含み得る。開示されるカテーテル法システムのこの実施形態において、スタイレットは、シースが第1および第2のスタイレット部分を強制的に互いに係合させてスタイレットの貫通部分を画定するように、スタイレットがカテーテル内に設置されたときにシースの遠位端を越えて延在するように寸法設定される。シースの裂断を容易化するために、シースは、ミシン目部分を含んでもよい。
【0015】
本開示の別の側面において、それを通して延在する第1および第2のルーメンを画定する本体を含むカテーテルとの併用のための挿入スタイレットが開示される。開示される挿入スタイレットは、カテーテルの第1のルーメン内に設置されるように構成および寸法設定される第1のスタイレット部分と、カテーテルの第2のルーメン内に設置されるように構成および寸法設定される第2のスタイレット部分とを含む。第1および第2のスタイレット部分は、カテーテルへの独立した選択的な挿入、およびカテーテルからの独立した選択的除去のために構成および寸法設定される。第1および第2のスタイレット部分は、先細りの貫通部分をともに画定する。
【0016】
第1および第2のスタイレット部分は、第1と第2のスタイレット部分との相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成および寸法設定される、対応する接合構造を組み込んだ遠位端領域を含んでもよいことが企図される。例えば、第1のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを含んでもよく、第2のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを摺動可能に受容するように構成および寸法設定されるチャネルを含んでもよい。
【0017】
本開示のさらに別の側面において、組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、(i)スタイレットの第1のスタイレット部分を、カテーテルの第1のルーメン内に設置し、スタイレットの第2のスタイレット部分を、カテーテルの第2のルーメン内に設置するステップであって、第1および第2のスタイレット部分は、カテーテルの近位端から前記カテーテルの遠位端を越えて延在する、ステップと、(ii)スタイレットおよびカテーテルをイントロデューサーシース内に設置し、それによりカテーテルアセンブリを形成するステップと、(iii)カテーテルの遠位端が組織部位内に設置されるまで、カテーテルアセンブリをガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、(iv)カテーテルからスタイレットを引き抜くステップと、(v)シースを分割し、それによりカテーテルを露出させるステップとを含む方法が開示される。
【0018】
カテーテルからスタイレットを引き抜くステップは、第1のスタイレット部分および第2のスタイレット部分を順番に引き抜くステップを含んでもよい。追加的に、または代替的に、開示される方法は、第1と第2のスタイレット部分とが独立して移動可能であるように、第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域に提供される対応する接合構造を取り付け、それにより第1のスタイレット部分の遠位端領域を第2のスタイレット部分の遠位端領域に接続するステップをさらに含んでもよい。
【0019】
本開示のさらに別の側面において、カテーテルおよびスタイレットを含むカテーテル法システムが開示される。
【0020】
カテーテルは、近位端および遠位端を有する本体を含み、自身を通って延在する、隔壁によって隔離される第1および第2のルーメンを画定する。
【0021】
スタイレットは、近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分であって、カテーテルの第1のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される第1のスタイレット部分と、近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分であって、カテーテルの第2のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される第2のスタイレット部分とを含む。第1および第2のスタイレット部分の近位端領域は互いに隔離されているが、第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域は互いに結合し、それにより、スタイレットに所定の力が印加されるまで第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を阻止する。
【0022】
第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域は、例えば溶接部等の結合構造によって接続される。結合構造は、第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方がカテーテルから引き抜かれたときに、カテーテルの隔壁によって結合構造に所定の力が印加され、それにより、第1のスタイレット部分が第2のスタイレット部分から分離されてその間の相対的な縦方向の移動を可能とするように構成、寸法設定および設置される。
【0023】
本開示の別の側面において、組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、(i)第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域が、カテーテルの遠位端を越えて延在するように、スタイレットの第1および第2のスタイレット部分をカテーテルの対応するルーメン内に設置するステップと、(ii)第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を阻止する様式で、第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域を互いに結合するステップと、(iii)カテーテルの遠位端が組織部位内に設置されるまで、スタイレットおよびカテーテルをガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、(iv)第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方に、近位方向の力を印加し、それにより第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域を分離し、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を可能にするステップと、(v)カテーテルからスタイレットを引き抜くステップとを含む方法が開示される。
【0024】
本開示の最後の側面において、組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、(i)第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域が、カテーテルの遠位端を越えて延在するように、スタイレットの第1と第2のスタイレット部分とを隔壁によって隔離されたカテーテルの対応するルーメン内に設置するステップと、(ii)第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を阻止する様式で、第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域を互いに結合するステップと、(iii)カテーテルの遠位端が組織部位内に設置されるまで、スタイレットおよびカテーテルをガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、(iv)第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方に、近位方向の力を印加し、それにより、結合構造と隔壁との係合および第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域の分離をもたらし、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を容易化するステップと、(iv)カテーテルからスタイレットを引き抜くステップとを含む方法が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の様々な実施形態を、添付の図面を参照しながら本明細書において説明する。
【図1】図1は、本開示の一側面によるイントロデューサーシースの斜視側面図である。
【図2】図2は、本開示の別の側面による、第1および第2のスタイレット部分を有する挿入スタイレット、カテーテル、およびイントロデューサーシースを含むカテーテル法システムの正面斜視図である。
【図2A】図2Aは、カテーテル内に設置された、図2に示される第1および第2のスタイレット部分を示す正面図である。
【図2B】図2Bは、カテーテル内に設置され、その遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分の部分側面図である。
【図2C】図2Cおよび2Dは、カテーテル内に設置され、その遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分の部分側面斜視図である。
【図2D】図2Cおよび2Dは、カテーテル内に設置され、その遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分の部分側面斜視図である。
【図3】図3は、2つのルーメン構成を示す、第1および第2のスタイレット部分が除去された図2に示されるカテーテルの正面図である。
【図3A】図3Aは、本開示の挿入スタイレットが中に挿入された、スタガー型先端設計を含むカテーテルの別の実施形態の部分側面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示されるカテーテルおよび挿入スタイレットの等角図である。
【図3C】図3Cは、本開示の挿入スタイレットが中に挿入された、分割型先端設計を含むカテーテルの別の実施形態の部分側面図である。
【図3D】図3Dは、図3Cに示されるカテーテルおよび挿入スタイレットの等角図である。
【図4】図4は、ルアーコネクタおよびロック構造を含む、図2に示される第1のスタイレット部分の近位端の部分側面斜視図である。
【図5】図5は、延長管内に設置された図4に示される第1のスタイレット部分の近位端の部分斜視図である。
【図6】図6は、イントロデューサーシースの遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分を示す、図2に示されるカテーテル法システムの遠位端部分の側面斜視図である。
【図7】図7は、その遠位端領域を示す第1のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図8】図8は、第1のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図9】図9は、第1のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図10】図10は、その遠位端領域を示す第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図11】図11は、第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図12】図12は、第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図13】図13は、係合後のその遠位端領域を示す第1および第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図14】図14は、係合後の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図15】図15は、係合後の図14に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面図である。
【図16】図16は、係合後の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面斜視図である。
【図17】図17は、遠近法で示された係合後の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分背面断面図である。
【図18】図18は、その遠位端領域を示す、本開示の代替の実施形態による第1のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図19】図19は、図18に示される第1のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図20】図20は、その遠位端領域を示す、本開示の代替の実施形態による第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図21】図21は、図20に示される第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図22】図22は、係合後のその遠位端領域を示す、図18〜21に示される第1および第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図23】図23は、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図24】図24は、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面図である。
【図25】図25は、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面斜視図である。
【図26】図26は、遠近法で示された係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分背面断面図である。
【図27】図27は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図28】図28は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面図である。
【図29】図29および30は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図30】図29および30は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図31】図31は、カテーテル内に設置され、互いに結合された遠位端領域を有する第1および第2のスタイレット部分を含む、本開示の挿入スタイレットの代替の実施形態を示す部分側面図である。
【図32】図32は、図31に示される挿入スタイレットおよびカテーテルの部分縦断面図である。
【図33】図33A〜33Dは、カテーテルから挿入スタイレットを引き抜く間の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の分離の過程を示す、部分側面図である。
【図34】図34は、図31〜33Dに示される挿入スタイレットと共に使用するための、カテーテルの一実施形態の部分側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書において、患者の身体への、および身体からの流体の管理、すなわち引き出しおよび導入のための医用カテーテルに関して、より具体的には血液透析カテーテルに関して、本開示の様々な例示的実施形態を示す。しかしながら、本開示の原理は、対象の病気および身体の疾患の手術、診断およびそれに関連した処置を含む、広範なカテーテルの用途に同等に適用可能であることが企図される。さらに、本開示のカテーテルに関連する原理は、例えば、血液透析、心臓、腹部、尿、および腸に対する手技等の様々なカテーテル関連手順に同等に適用可能となり得ることが企図される。さらに、本開示のカテーテルは、例えば、医薬品、生理食塩水、体液、血液および尿の投与および除去に使用することができる。
【0027】
以下の議論において、「近位」および「後続」という用語は交換可能に使用することができ、適切な使用において臨床医学者により近い構造の部分を指すものとして理解されたい。また、「遠位」および「先頭」という用語も交換可能に使用することができ、適切な使用において臨床医学者からより遠い構造の部分を指すものとして理解されたい。本明細書において使用される場合、「患者」という用語は、人間の患者または他の動物を指すものとして理解されたく、また「臨床医学者」という用語は、医師、看護士、またはその他の介護者を指し、補助要員を含み得ることを理解されたい。
【0028】
以下の議論は、本開示のカテーテル法システムおよび対応するスタイレットの説明、続いて本開示の原理に従った対応する例示的使用方法の説明を含む。議論の目的のために、カテーテル法システム、スタイレットおよび他の構成要素は、血液透析カテーテルに関して議論され、対応する使用方法は、透析手技においてカテーテルを設置するために利用されるトンネリング手技に関して議論される。しかしながら、本開示のカテーテル法システムおよびその構成要素は、透析用途だけでなく他の多くの用途を有し得ることが、当業者に理解される。
【0029】
ここで図を参照するが、いくつかの図を通して同様の構成要素には同様の数字が付されており、図1は、図2に示されるカテーテル200等のカテーテルの患者への留置における使用のための、全般的に参照数字100で参照されるイントロデューサーシースの一実施形態を示す。イントロデューサーシース100は、近位領域104および遠位領域106を有する管状本体部分102を含む。イントロデューサーシース100の本体部分102は、カテーテル200(図2)を摺動可能に受容するように構成および寸法設定される内部ルーメン108(図1中点線で示される)を画定する。
【0030】
イントロデューサーシース100の遠位領域106は、イントロデューサーシース100の遠位方向への前進中に、標的組織、例えば血管に形成された開口部を拡張するように構成および寸法設定される、遠位方向に先細りの貫通部分110を含む。貫通部分110は、本体部分102に固定して保持され、例えば一体形成され、ガイドワイヤ(図示せず)を受容するように構成および寸法設定される遠位開口部112を含む。イントロデューサーシース100の一実施形態において、遠位開口部112は、貫通部分110の最遠位端における表面積を最小化し、それにより患者へのイントロデューサーシース100の導入中の患者組織に対する外傷を最小化するために、ガイドワイヤの外側寸法に実質的に近似する内部横寸法を画定してもよいことが企図される。
【0031】
図1に示されるイントロデューサーシース100の実施形態において、イントロデューサーシース100は、イントロデューサーシース100の裂断または分割を容易化するために、1つ以上のミシン目114、例えば正反対に対置したミシン目を含む。具体的には、所望により標的組織にカテーテル200(図2)を留置した後、臨床医学者は、カテーテル200(図2)からのイントロデューサーシース100の分離を容易化するために、ミシン目(複数を含む)114に沿ってイントロデューサーシース100を裂断または分割することができる。そのような裂断を容易化するために、イントロデューサーシース100は、臨床医学者による係合のために構成および寸法設定される、イントロデューサーシース100の近位領域104に位置する把持部または把持部材116を含んでもよい。
【0032】
図示されていないが、イントロデューサーシース100は、イントロデューサーシース100を通した流体的な連絡を阻止するように構成および寸法設定される、内部ルーメン108内に位置する1つ以上の弁部材を含んでもよいことが企図される。例えば、弁部材(複数を含む)は、血液損失および/または空気塞栓を阻止するように構成および寸法設定され得る。しかしながら、遠位開口部112は、弁部材が必要とされ得ないように、ガイドワイヤに密着するようなサイズであってもよいことも企図される。
【0033】
ここで図2を参照しながら、本開示によるカテーテル法システム1000について議論する。カテーテル法システム1000は、図1の議論において上述したカテーテル200、カテーテル200内に除去可能に設置するように構成および寸法設定される挿入スタイレット300、ならびにカテーテル200を除去可能に受容するように構成および寸法設定されるイントロデューサーシース400を含む。
【0034】
図2は、イントロデューサーシース400内に設置されたカテーテル200およびカテーテル200内に設置されたスタイレット300を示す。以下の議論を通して、血液透析手技における具体的用途を有する、スパイラルのZ型先端構成(図2A〜2D)を含む2つのルーメンカテーテルとして、カテーテル200が議論され、対応する図に示される。しかしながら、本開示の原理は、スタガー型先端カテーテル(図3A、3B)もしくは分割型先端カテーテル(図3C、3D)等の代替の先端構成を有するカテーテル、3つのルーメンカテーテル等の追加的なルーメンを含むカテーテル、ならびに/または様々な他の医学手技において使用可能なカテーテルに対しても同等に適用可能であることが理解される。
【0035】
ここで図2〜3を参照すると、カテーテル200は、近位端および遠位端204、206の各々を有する本体202、ならびにその間に延在する、隔壁212によって隔離された第1および第2のルーメン208、210(図2A、3)を含む。カテーテル200を通って延在する各第1および第2のルーメン208、210は、実質的にD字形状の断面構成を含むものとして示されているが、本明細書において、実質的に円形またはパイ形状を含むがこれらに限定されない、ルーメン208、210の別の構成もまた企図されることを理解されたい。
【0036】
カテーテル200は、可撓性材料から形成され、従来の射出成形および押出プロセスを含むがこれらに限定されない、任意の好適な製造方法により形成され得る。安定性および剛性の増加が必要または望ましい場合、カテーテル200は、補強材料を含んでもよい。カテーテル200は、その通常の状態において事前に湾曲した構成を含んでもよく、カテーテル200が設置される標的組織、例えば体腔または血管の構造にカテーテル200が適合し得るように、カテーテルは任意の外力が存在しない場合に弓形の側面を有する。あるいは、カテーテル200は、そのような通常は湾曲した構成を有さなくてもよい。
【0037】
本開示の範囲内に含まれる、カテーテル200の好適な限定されない例は、Tal PALINDROME(商標)およびMAHURKAR(登録商標)Maxid(商標)カテーテルであり、各々、15 Hampshire Street,Mansfield,Massachusettsに主要営業場所を構えるCovidien社から入手可能である。好適なカテーテルの他の例は、2006年9月25日出願の米国特許出願公開第11/528,913号、および2005年2月11日出願のHaaralaらに対する米国特許第7,182,746号に開示されており、これらの参考文献の各々の全内容は、参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0038】
上述のように、本開示は、図3Aおよび3Bに示されるカテーテル200A等のスタガー型先端カテーテル、ならびに図3Cおよび3Dに示されるカテーテル200B等の分割型先端カテーテルの両方と関連したスタイレット300の使用を企図する。図3Aおよび3Bに示されるように、カテーテル200Aはスタガー型先端設計を含み、カテーテル200Aを通って延在する第1のルーメン208Aと第2のルーメン210Aとは、各々、カテーテル200Aの縦軸に沿って互いにずれた遠位端214A、216Aを含む。それとは対照的に、図3Cおよび3Dに示されるように、カテーテル200Bは、それを通して第1のルーメン208Bが延在する遠位端214Bを有する第1の先端部202B、およびそれを通して第2のルーメン210Bが延在する遠位端216Bを有する第2の先端部204Bを組み込んだ分割先端型設計を含む。図3Cおよび3Dには具体的に示されていないが、各第1の先端部202Bと第2の先端部204Bとは、個々の構成要素であり、互いに離間していてもよい。
【0039】
図3Aおよび3Bに示されるように、スタイレット300をカテーテル200Aに挿入した後、挿入スタイレット300は、ルーメン208A、210Aの各遠位端214A、216Aを越えて延在する。同様に、図3Cおよび3Dに示されるように、スタイレット300をカテーテル200Bに挿入した後、挿入スタイレット300は、ルーメン208B、210Bの各遠位端214B、216Bを越えて延在する。図3Cおよび3Dに示される分割先端カテーテル200Bの実施形態において、スタイレット300の挿入前、各第1の先端部202Bと第2の先端部204Bとは、当技術分野において知られるように、互いから分岐してもよいことが企図される。スタイレット300は、挿入スタイレット300がカテーテル200B内に挿入された後に、挿入のために先端部202B、204Bを合流させる。
【0040】
第1および第2の先端部202B、204Bの各遠位端214B、216Bは、図3Cおよび3Dに示される実施形態において、カテーテル200Bの縦軸に沿って互いに配列しているように示されているが、代替の実施形態において、第1および第2の先端部202B、204Bの各遠位端214B、216Bは、図3A、3Bに示されるスタガー型設計と同様に、カテーテル200Bの縦軸に沿って互いに離間していてもよいことが企図される。
【0041】
ここで、図2〜17を参照しながら、挿入スタイレット300について詳細に議論する。挿入スタイレット300は、標的組織、例えば体内管へのカテーテル200の挿入を容易化するように構成および寸法設定され、血液透析手技と関連した具体的用途を有する。挿入スタイレット300は、カテーテル200を構成する材料よりも高いデュロメータを有する材料から形成され、それにより、スタイレット300のカテーテル内の設置が、カテーテル200の剛性を増加させる。
【0042】
挿入スタイレット300は、縦軸「X」(図2)に沿って延在し、近位端領域304および遠位端領域306を有する第1の細長いスタイレット部分302、ならびに近位端領域310および遠位端領域312を有する第2の細長いスタイレット部分308を含む。
【0043】
図4および5に示されるように、挿入スタイレット300の一実施形態において、第1のスタイレット部分302の近位端領域304は、第1のスタイレットハブ314に機械的に接続され、そこから遠位方向に延在する。第1のスタイレットハブ314は、臨床医学者による第1のスタイレット部分302の手による係合を容易化するように構成および寸法設定され、この使用目的に好適な任意の構造であってもよい。図示された実施形態において、第1のスタイレットハブ314は、かん流を目的とした生理食塩水源等の流体源、または真空源への接続に適合される、ルアーコネクタ316を含む。そのような接続を容易化するために、ルアーコネクタ316は、任意の好適な構造、例えば部分的なネジ山、バヨネット結合等を含み得ることが企図される。第1のスタイレットハブ314は、さらに、それとの解放可能な接続を容易化するための延長管アセンブリ(図示せず)の延長管500(図5)構成要素に含まれる、対応するロック構造502と係合するように構成および寸法設定されるロック構造318を含む。好適な延長管アセンブリの一例は、2008年12月30日出願の米国仮特許出願第61/141,518号に記載されており、その全内容は、参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0044】
第2のスタイレット部分308の近位端領域310は、第1のスタイレット部分302の近位端領域と同一であってもよい。すなわち、第2のスタイレット部分308の近位端領域310は、ルアーコネクタ、ならびに別の延長管に含まれる対応するロック構造と係合するように構成および寸法設定されるロック構造を有する第2のスタイレットハブを含んでもよい。したがって、簡略化のために、第2のスタイレット部分308の近位端領域310はこれ以上詳細には議論されず、図に示されない。
【0045】
特に図6〜17を参照しながら、第1および第2のスタイレット部分302、308の各遠位端領域306、312について議論する。第1のスタイレット部分302の遠位端領域306は、接合構造324を含む内面320(図7、8)を画定し、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312は、接合構造326を含む内面322(図10、11)を画定する。接合構造324、326は、その構成および寸法において対応しており、第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308との間の解放可能な接続の形成を容易化する係合に適合する。図13〜17に示されるように、第1のスタイレット部分302の遠位端領域306に含まれる接合構造324が、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312に含まれる接合構造326と係合する際、第1および第2のスタイレット部分302、308の各遠位端部分306、312は、連携して、組織を通した挿入スタイレット300の遠位方向の前進を容易化するように構成および寸法設定される貫通部分328を画定する。
【0046】
接合構造324、326は、各第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308とが、互いに対して、およびカテーテル200に対して独立して移動可能であるように、縦軸「X」(図2)に沿った第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308との間の相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成および寸法設定される。これにより、各第1および第2のスタイレット部分302、308を、カテーテル200から順番に除去することができる。あるいは、各第1および第2のスタイレット部分302、308は、接合構造324、326の係合を解除するように操作することができ、それにより、各第1および第2のスタイレット部分302、308が続いて同調してカテーテル200から除去され得ることが企図される。
【0047】
一実施形態において、第1のスタイレット302の遠位端領域306に含まれる接合構造324は、リブ330(図7、8)を含み、第2のスタイレット308の遠位端領域312に含まれる接合構造326は、リブ330を受容するように構成および寸法設定されるチャネル332(図10、11)を含む。図6〜17に示される挿入スタイレット300の実施形態において、リブ330およびチャネル332は、蟻継ぎ構成での係合のために構成および寸法設定される。具体的には、リブ330は、先細りの側壁334を含み、チャネル332は、先細りの側壁336を含む。先細りの側壁334、336は、横軸に沿った、すなわちスタイレット300の縦軸「X」(図2)に交差する軸に沿った、第1のスタイレット部分302の遠位端領域306(図7〜9)と第2のスタイレット部分308の遠位端領域312(図10〜12)との間の相対的な移動を阻止する係合のために構成および寸法設定される。しかしながら、各々リブ330およびチャネル332に含まれる側壁334、336の先細り構成は、図18〜21に示されるように、省略されてもよいことが企図される。この実施形態において、リブ330は、チャネル332と摩擦係合し、それにより、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312に対する第1のスタイレット部分302の遠位端領域306(図6)の横方向の移動に抵抗するように構成および寸法設定される。しかしながら、各第1および第2のスタイレット部分302、308の片方または両方に対して所定の力を印加すると、リブ330およびチャネル332の構成は、第1および第2のスタイレット部分302、308の各遠位端領域306、312(図6)の間の相対的な横方向の移動を可能とする。したがって、この実施形態において、各第1および第2のスタイレット部分302、308は、順番に、または連携してカテーテル200(図2〜2D)から除去され得る。
【0048】
各第1および第2のスタイレット部分302、308(図2)のうちの少なくとも一方、例えば第1のスタイレット部分302は、以下でより詳細に説明されるように、カテーテル法システム1000の標的組織内への留置を容易化するためのガイドワイヤ(図示せず)を受容するように構成および寸法設定される、スタイレット部分を通って延在するチャネル338(図13、14)を含んでもよいことが企図される。また、チャネル338は、患者への医薬品等の流体の輸液に使用され得ること、または、カテーテル200(図2)を通って延在するルーメン208、210(図3)のうちの一方は、ガイドワイヤチャネルとして機能し得ることが企図される。
【0049】
再び図2を参照しながら、カテーテル法システム1000に含まれるイントロデューサーシース400について議論する。イントロデューサーシース400は、図1に関連して上述したイントロデューサーシース100と同様であり、したがって、そのなんらかの違いに関してのみ議論する。
【0050】
イントロデューサーシース400は、カテーテル200の留置中に使用され、近位領域404および遠位領域406を有する管状本体部分402を含む。イントロデューサーシース400の本体部分402は、カテーテル200を受容するように構成および寸法設定される内部ルーメン408(図2中において点線で示される)を画定する。
【0051】
イントロデューサーシース400の遠位領域406は、各々第1および第2のスタイレット部分302、308の遠位端領域306、312により連携して画定される、先細りの貫通部分328の外側寸法に近似する、遠位方向に先細りとなる部分410を含む。イントロデューサーシース400は、挿入スタイレット300およびカテーテル200が内部ルーメン408内に設置されたときに、挿入スタイレット300がシースの先細り部分410を越えて延在するように寸法設定される。イントロデューサーシース100(図1)と関連して上述したように、イントロデューサーシース400は、1つ以上のミシン目414、例えば正反対に対置したミシン目を含んでもよく、またミシン目(複数を含む)414に沿ったイントロデューサーシース400の裂断を容易化するための把持部または把持部材416を含んでもよい。
【0052】
ここで、図2〜17を参照しながら、血液透析手技の過程におけるカテーテル200の留置を容易化するためのスタイレット部材300(図2)の使用および操作について議論する。まず、中空針カニューレ(図示せず)を標的体内管に挿入し、静脈切開(進入)部位を形成する。例えば、静脈に到達するために、頸部および鎖骨に隣接した対象の皮膚内に針カニューレを配置してもよい。針カニューレを標的管内に設置した後、針カニューレの近位端から体内管内の所望の位置までガイドワイヤ(図示せず)を挿入する。次いで、ガイドワイヤの遠位端は標的管内に設置され、ガイドワイヤの近位端は患者の身体から外向きに延在したまま、針カニューレを引き抜く。留置後、ガイドワイヤをカテーテル法システム1000(図2)に導入する。
【0053】
ガイドワイヤの留置後または留置前に、カテーテル200をイントロデューサーシース400の内部ルーメン408(図2)に挿入し、それを通して遠位方向に前進させる。その後、各第1および第2のスタイレット部分302、308を対応する延長管500(図5)に挿入し、それを通してカテーテル200の対応する内部ルーメン208、210(図2A、3)内に遠位方向に前進させる。具体的には、第1のスタイレット部分302を内部ルーメン208内に設置し、第2のスタイレット部分308を第2のルーメン210(図2A)内に設置する。その遠位端領域306がイントロデューサーシース400(図2、6)の遠位領域406の遠位方向に設置されるまで、第1のスタイレット部分302をカテーテル200の内部ルーメン208を通して遠位方向に前進させる。同様に、その遠位端領域312がイントロデューサーシース400(図2、6)の遠位領域406の遠位方向に設置されるまで、第2のスタイレット部分308をカテーテル200の内部ルーメン210を通して遠位方向に前進させる。第1のスタイレット部分302および第2のスタイレット部分308の各遠位端領域306、312は、第1および第2のスタイレット部分302、308がカテーテル200内に適切に設置されたときに、その各遠位端領域306、312が隣接するように構成および寸法設定される(図2、6)。
【0054】
組み付けの間、各第1および第2のスタイレット部分302、308(図2)を、第1のスタイレット部分302の遠位端領域306に含まれる接合構造324(図7〜9)が、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312に含まれる接合構造326(図10〜12)に係合し、それにより全体として貫通部分328(図6、15〜17)を画定するように操作する。その後、スタイレットハブ314に含まれるロック構造318(図4、5)を、延長管500に含まれる対応するロック構造502(図5)に接続し、延長管500およびカテーテル200に対する各第1および第2のスタイレット部分302、308の位置を固定する。
【0055】
所望の通りにカテーテル200内にスタイレット300を設置した後、ガイドワイヤの近位端をチャネル338(図13、14)に挿入し、これは、繰り返すが、第1のスタイレット部分302または第2のスタイレット部分308内に含まれてもよい。次いで、イントロデューサーシース400の遠位領域406(図2)の少なくとも一部およびカテーテル200の遠位端206(図2B〜2D)の少なくとも一部が標的管内に設置されるまで、ガイドワイヤ上で遠位方向にカテーテル法アセンブリ1000を前進させる。
【0056】
次いで、ガイドワイヤならびに各第1および第2のスタイレット部分302、308(図2)を、カテーテル200から除去することができる。第1および第2のスタイレット部分302、308の遠位端領域306、312に各々含まれる独特の接合構造324、326(図7−12)により、第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308とは、互いに独立して、例えば上述のように順番または同時に、カテーテル200の内部ルーメン208、210(図2A、3)から摺動可能に除去され得る。換言すると、各第1および第2のスタイレット部分302、308を同時に除去することは任意選択的であり、必須ではない。
【0057】
臨床医学者の選択により、ガイドワイヤならびに各第1および第2のスタイレット部分302、308の除去前または除去後に、イントロデューサーシース400は、カテーテル200から分離することができる。この分離を容易化するために、臨床医学者は、ミシン目(複数を含む)414(図2)に沿った裂断を容易化するための把持部材416を把持および操作する。
【0058】
ここで、図22〜30を参照しながら、全般的に参照数字600で参照される挿入スタイレットの代替の実施形態について議論する。挿入スタイレット600は、図2〜17に関連して上述した挿入スタイレット300と同様であり、したがって、その任意の違いに関してのみ議論する。
【0059】
挿入スタイレット600は、標的組織、例えば体内管へのカテーテル200(図28〜30)の挿入を容易化するように構成および寸法設定され、第1および第2のスタイレット部分602、608(図25、26)の各々を含む。図22および23において最も良く示されているように、第1および第2のスタイレット部分602、608の各遠位端領域606、612は、挿入スタイレット300(図2)と関連して上述した接合構造324、326(図7〜12)を有さない。したがって、この実施形態において、各々第1および第2のスタイレット部分602、608(図25)の遠位端領域606、612により画定される内面620、622(図22、23)の間の接触は、イントロデューサーシース400(図2)により維持される。換言すれば、各第1および第2のスタイレット部分602、608がイントロデューサーシース400(図2)の遠位領域406を越えて延在するように、各第1および第2のスタイレット部分602、608がカテーテル200(図28〜30)内に設置された時、イントロデューサーシース400は、第1および第2のスタイレット部分602、608の各遠位端領域端606、612に対し、縦軸「X」(図24)に向かって内向き方向、すなわち、例えば矢印1の方向の力を印加するように機能する。この力は、第1のスタイレット部分602の遠位端領域606と第2のスタイレット部分608の遠位端領域612との係合をもたらすとともにそれを維持し、それにより貫通部分628を画定し、したがって上述の接合構造324、326(図7〜12)の必要性を回避する。
【0060】
第1および第2のスタイレット部分602、608の各遠位端領域606、612の構成は、各第1および第2のスタイレット部分602、608が、お互いおよびカテーテル200の両方に対して独立して移動可能であるように、縦軸「X」(図24)に沿った第1のスタイレット部分602と第2の第1のスタイレット部分608との間の相対的で摺動可能な移動を容易化する。したがって、各第1および第2のスタイレット部分602、608はまた、順番または同時にカテーテル200から除去される。
【0061】
ここで、図31〜33Dを参照しながら、全般的に参照数字700で参照される挿入スタイレットの別の実施形態について議論する。挿入スタイレット700は、上述の挿入スタイレット300(図2〜17)と同様であり、したがって、その任意の違いに関してのみ議論する。
【0062】
挿入スタイレット700は、近位端領域(図示せず)および遠位端領域706、712を有する第1および第2のスタイレット部分702、708を含む。スタイレット部分702、708の近位端領域は切り離され互いから離間しているが(図2を参照)、遠位端領域706、712は、結合構造714により付着している。結合構造714により確立された遠位端領域706、712間の付着は、スタイレット部分702、708間の相対的な縦方向の移動が望ましくなる時まで、例えばカテーテル200から挿入スタイレット700を除去する間まで、スタイレット部分702、708間の相対的な縦方向の移動を実質的に阻止する。その時点で、後述のように、所定の力が結合構造714に印加され、遠位端領域706、712が分離する。
【0063】
結合構造714は、スタイレット部分702、708の各遠位端領域706、712を互いに結合する使用目的に好適な任意の構造であってもよい。図31〜33Dに示される挿入スタイレット700の実施形態において、例えば、結合構造714は、遠位端領域706、712間に設置された薄壁716として示される。薄壁716は、スタイレット700の挿入中の遠位端領域706、712間の付着を維持するが、その後、スタイレット700が、上記の様式でカテーテル200から除去可能な2つの異なる構成要素に分離され得るように、遠位端領域706、712の選択的切り離しを可能とする。
【0064】
遠位端領域706、712を分離するために、カテーテル200のルーメン208、210(図3)を隔離する隔壁212に薄壁716を係合させることができることが企図される。具体的には、スタイレット部分702、708のいずれかまたは両方に対して近位方向の力を印加すると、図33A〜33Dに示される工程に見られるように、隔壁212は薄壁716と係合され、それにより薄壁716を剥離または裂断し、スタイレット部分708からスタイレット部分702を分離する。スタイレット部分702、708の分離をさらに容易化するために、薄壁716は、シームまたはミシン目部分等の弱い部分(図示せず)を含んでもよいことが企図される。
【0065】
スタイレット部分702、708の分離後、薄壁716を構成する材料は、薄壁716を構成する材料が、スタイレット部分702、708と同時にルーメン208、210を通してカテーテル200から引き抜かれるように、遠位端領域706、712のいずれかまたは両方に付着する。
【0066】
図31〜33Dに示される本開示の実施形態において、遠位端領域706、712は、薄壁716を含む円錐先端718を画定するように構成される。円錐先端718は、第1のスタイレット部分702の遠位端720および第2のスタイレット部分708の遠位端722の両方に固定される。
【0067】
本明細書において、円錐先端718を形成し、円錐先端718をスタイレット部分702、708に取り付ける様々な方法が企図される。例えば、円錐先端718が個々に形成され、その後、図31〜33B中の点線「A」により示されるような、スタイレット部分702、708の遠位端720、722に固定されてもよいことが企図される。そのような実施形態においては、円錐先端718が形成され、その後、カテーテル200のルーメン208、210(図3)内にスタイレット部分702、708を設置した後に、スタイレット部分702、708の遠位端720、722上にインサート成形されてもよいことが企図される。あるいは、円錐先端718は、射出成形され、次いで、スタイレット部分702、708の各遠位端720、722上に溶接、例えばRFまたは超音波溶接されてもよい。
【0068】
また、円錐先端718は、スタイレット部分702、708の遠位端720、722と一体成形されてもよいことが企図される。そのような実施形態において、カテーテル200のルーメン208、210(図3)内にスタイレット部分702、708を設置した後、スタイレット部分702、708の各遠位端720、722が円錐先端718として再構成されてもよい。例えば、スタイレット部分702、708の各遠位端720、722を互いに圧縮し、例えばRF溶接機およびダイにより加熱し、それにより円錐先端718の薄壁716が互いに結合して、スタイレット部分702、708を有する円錐先端718を一体的に形成することができる。
【0069】
挿入スタイレット700が、図34に示されるカテーテル200等の長期透析カテーテルに関連して利用される場合、遠位先端の周囲のカテーテル200の外側部分に沿った縁部218は、図34に示されるように面取りされてもよいことが企図される。面取りされた縁部218を含むことにより、挿入スタイレット700とカテーテル200との間の円滑な移行が可能となる。
【0070】
挿入スタイレット700は、シースの使用等の当技術分野において知られたそれらの挿入方法に勝る利点を、使用者および製造者の両方に提供する。例えば、挿入スタイレット700は、挿入プロセスにおけるステップおよび構成要素の数を最小化し、それにより、挿入に必要な全体的な時間を短縮するとともに挿入の容易性を増加させ、ひいては、これによって外科的手技を行うために必要な時間、および結果的にはそれに関連したコストが低減され得る。さらに、シースを用いた挿入に関して、挿入スタイレット700は、製造がより容易でより低コストであり、これにより、製造に関連したコストおよびリソースの低減が可能となる。
【0071】
本明細書において具体的に説明され、図面において示されたデバイスおよび方法は、制限されない例示的実施形態であることが、当業者に理解される。例示的実施形態に関連して示され説明された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱せずに、別の実施形態の要素および特徴と組み合わせることができることが企図される。同様に、当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解するだろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲により示されることを除き、具体的に示され説明されたことにより限定されない。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/220,656号(2009年6月26日出願)の利益を主張し、この出願の全開示は、本明細書に参照により援用される。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、カテーテル法手技における使用に適合されたカテーテルアセンブリに関する。具体的には、本開示は、血液透析手技におけるカテーテルアセンブリの移植中での使用のための挿入シースおよびスタイレットに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、体腔、管路および血管への、およびそれらからの流体の引き出しおよび導入における使用のための可撓性医用機器である。特に、カテーテルは、血液が血管から引き出されて処理され、続いて血管に返却されて患者の体内において循環する血液透析手技において使用される。
【0004】
多くの血液透析カテーテルは、複数のルーメン、例えば2つまたは3つのルーメンカテーテルを含み、1つのルーメンは、血管からの流体の引き出し専用であり、少なくとも1つの他のルーメンは、血管への流体の返却専用である。一般に、流体が引き出されるルーメンは「動脈」ルーメンと呼ばれ、流体が返却されるルーメンは「静脈」ルーメンと呼ばれる。典型的な血液透析において、複数ルーメンカテーテルを患者に留置した後、血液がカテーテルの動脈ルーメンを通して患者から引き出され、血液透析ユニットに誘導されて透析される、すなわち老廃物および毒素が血液から除去される。次いで、透析後の血液は、カテーテルの静脈ルーメンを通して患者に返却される。
【0005】
例えばガイドワイヤ、導入スタイレット等の使用を含む、血液透析カテーテルの挿入のための様々な技術が使用されている。そのような手技において、スタイレットがカテーテルを通して挿入され、標的部位への途中でカテーテルの導入を容易化するために使用される。カテーテルの留置後、スタイレットが除去され、延長管を用いて、または用いずに、カテーテルの近位端がカテーテルハブに流体的な連絡される。1つの挿入技術は、参照により本明細書にその全内容が組み込まれる、Twardowskiらに対する特許文献1に開示されている。
【0006】
一般に、血液透析カテーテルは、本来緊急カテーテルまたは長期カテーテルに分類される。緊急カテーテルは、留置の遅れが許されない急を要する状況下での患者への留置用に設計されており、典型的には、数日間のみ留置される。それとは対照的に、長期カテーテルは、典型的には長期間留置されるものであり、例えば患者の寝床において、または外来手術環境下において外科的切開により移植され得る。
【0007】
一般に、挿入するには、患者の組織を通してカテーテルを前進させる間にねじれおよび屈曲がもたらされるため、より可撓性のカテーテルと比較してより剛性のカテーテルほど容易である。したがって、緊急カテーテルは、留置の緊急度を鑑みて長期カテーテルよりも剛性であることが多い。より可撓性のカテーテルは患者の外傷のリスクを低減し、患者の快適性の増加をもたらし得るが、これらのカテーテルは、通常、留置を補助するための挿入デバイス、例えば挿入シースまたはスタイレットの使用を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,509,897号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、患者の外傷の低減および患者の快適性の増加に関して悪影響をもたらすことなく、剛性のカテーテルに関連した挿入の利点を達成するための、可撓性カテーテルの留置に使用可能な構造を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態において、近位端および遠位端を有する本体を有し、それを通して延在する第1および第2のルーメンを画定するカテーテルと、スタイレットとを含むカテーテル法システムが開示される。カテーテルは、第1の材料から形成され、スタイレットは、スタイレットのカテーテル内の設置が、カテーテルの剛性を増加させるように、第2のより剛性の材料から形成される。
【0011】
スタイレットは、近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分と、近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分とを含む。第1のスタイレット部分は、カテーテルの第1のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定され、第2のスタイレット部分は、カテーテルの第2のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される。第1および第2のスタイレット部分は、カテーテルの近位端からカテーテルの遠位端を越えるまで延在し、第1のスタイレット部分および/または第2のスタイレット部分のカテーテルからの選択的除去を容易化するように、互いに対して独立して移動可能である。第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域は、実質的に隣接しており、先細りの貫通部分をともに画定する。
【0012】
本開示の一実施形態において、第1および第2のスタイレット部分は、その遠位端領域に設置される対応する接合構造を含む。対応する接合構造は、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成される。例えば、第1のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを含んでもよく、第2のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを摺動可能に受容するように構成および寸法設定されるチャネルを含んでもよい。リブおよびチャネルは、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な横方向の移動を可能とするように構成および寸法設定されてもよく、または、リブおよびチャネルは、そのような相対的な横方向の移動を防止するように構成および寸法設定されてもよく、例えば、リブおよびチャネルは、各々蟻継ぎ構成を含んでもよいことが企図される。
【0013】
第1のスタイレット部分の構成は、カテーテルの第1のルーメンに対応し、第1のスタイレット部分は、それを通してカテーテルを受容するように構成および寸法設定されるチャネルを画定し得る。同様に、第2のスタイレット部分の構成は、カテーテルの第2のルーメンに対応する。
【0014】
一実施形態において、カテーテル法システムは、近位端および遠位端を有し、カテーテルを受容するように構成および寸法設定されるシースルーメンを画定するシースをさらに含み得る。開示されるカテーテル法システムのこの実施形態において、スタイレットは、シースが第1および第2のスタイレット部分を強制的に互いに係合させてスタイレットの貫通部分を画定するように、スタイレットがカテーテル内に設置されたときにシースの遠位端を越えて延在するように寸法設定される。シースの裂断を容易化するために、シースは、ミシン目部分を含んでもよい。
【0015】
本開示の別の側面において、それを通して延在する第1および第2のルーメンを画定する本体を含むカテーテルとの併用のための挿入スタイレットが開示される。開示される挿入スタイレットは、カテーテルの第1のルーメン内に設置されるように構成および寸法設定される第1のスタイレット部分と、カテーテルの第2のルーメン内に設置されるように構成および寸法設定される第2のスタイレット部分とを含む。第1および第2のスタイレット部分は、カテーテルへの独立した選択的な挿入、およびカテーテルからの独立した選択的除去のために構成および寸法設定される。第1および第2のスタイレット部分は、先細りの貫通部分をともに画定する。
【0016】
第1および第2のスタイレット部分は、第1と第2のスタイレット部分との相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成および寸法設定される、対応する接合構造を組み込んだ遠位端領域を含んでもよいことが企図される。例えば、第1のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを含んでもよく、第2のスタイレット部分に含まれる接合構造は、リブを摺動可能に受容するように構成および寸法設定されるチャネルを含んでもよい。
【0017】
本開示のさらに別の側面において、組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、(i)スタイレットの第1のスタイレット部分を、カテーテルの第1のルーメン内に設置し、スタイレットの第2のスタイレット部分を、カテーテルの第2のルーメン内に設置するステップであって、第1および第2のスタイレット部分は、カテーテルの近位端から前記カテーテルの遠位端を越えて延在する、ステップと、(ii)スタイレットおよびカテーテルをイントロデューサーシース内に設置し、それによりカテーテルアセンブリを形成するステップと、(iii)カテーテルの遠位端が組織部位内に設置されるまで、カテーテルアセンブリをガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、(iv)カテーテルからスタイレットを引き抜くステップと、(v)シースを分割し、それによりカテーテルを露出させるステップとを含む方法が開示される。
【0018】
カテーテルからスタイレットを引き抜くステップは、第1のスタイレット部分および第2のスタイレット部分を順番に引き抜くステップを含んでもよい。追加的に、または代替的に、開示される方法は、第1と第2のスタイレット部分とが独立して移動可能であるように、第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域に提供される対応する接合構造を取り付け、それにより第1のスタイレット部分の遠位端領域を第2のスタイレット部分の遠位端領域に接続するステップをさらに含んでもよい。
【0019】
本開示のさらに別の側面において、カテーテルおよびスタイレットを含むカテーテル法システムが開示される。
【0020】
カテーテルは、近位端および遠位端を有する本体を含み、自身を通って延在する、隔壁によって隔離される第1および第2のルーメンを画定する。
【0021】
スタイレットは、近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分であって、カテーテルの第1のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される第1のスタイレット部分と、近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分であって、カテーテルの第2のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される第2のスタイレット部分とを含む。第1および第2のスタイレット部分の近位端領域は互いに隔離されているが、第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域は互いに結合し、それにより、スタイレットに所定の力が印加されるまで第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を阻止する。
【0022】
第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域は、例えば溶接部等の結合構造によって接続される。結合構造は、第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方がカテーテルから引き抜かれたときに、カテーテルの隔壁によって結合構造に所定の力が印加され、それにより、第1のスタイレット部分が第2のスタイレット部分から分離されてその間の相対的な縦方向の移動を可能とするように構成、寸法設定および設置される。
【0023】
本開示の別の側面において、組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、(i)第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域が、カテーテルの遠位端を越えて延在するように、スタイレットの第1および第2のスタイレット部分をカテーテルの対応するルーメン内に設置するステップと、(ii)第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を阻止する様式で、第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域を互いに結合するステップと、(iii)カテーテルの遠位端が組織部位内に設置されるまで、スタイレットおよびカテーテルをガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、(iv)第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方に、近位方向の力を印加し、それにより第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域を分離し、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を可能にするステップと、(v)カテーテルからスタイレットを引き抜くステップとを含む方法が開示される。
【0024】
本開示の最後の側面において、組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、(i)第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域が、カテーテルの遠位端を越えて延在するように、スタイレットの第1と第2のスタイレット部分とを隔壁によって隔離されたカテーテルの対応するルーメン内に設置するステップと、(ii)第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を阻止する様式で、第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域を互いに結合するステップと、(iii)カテーテルの遠位端が組織部位内に設置されるまで、スタイレットおよびカテーテルをガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、(iv)第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方に、近位方向の力を印加し、それにより、結合構造と隔壁との係合および第1と第2のスタイレット部分との遠位端領域の分離をもたらし、第1と第2のスタイレット部分との間の相対的な縦方向の移動を容易化するステップと、(iv)カテーテルからスタイレットを引き抜くステップとを含む方法が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の様々な実施形態を、添付の図面を参照しながら本明細書において説明する。
【図1】図1は、本開示の一側面によるイントロデューサーシースの斜視側面図である。
【図2】図2は、本開示の別の側面による、第1および第2のスタイレット部分を有する挿入スタイレット、カテーテル、およびイントロデューサーシースを含むカテーテル法システムの正面斜視図である。
【図2A】図2Aは、カテーテル内に設置された、図2に示される第1および第2のスタイレット部分を示す正面図である。
【図2B】図2Bは、カテーテル内に設置され、その遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分の部分側面図である。
【図2C】図2Cおよび2Dは、カテーテル内に設置され、その遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分の部分側面斜視図である。
【図2D】図2Cおよび2Dは、カテーテル内に設置され、その遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分の部分側面斜視図である。
【図3】図3は、2つのルーメン構成を示す、第1および第2のスタイレット部分が除去された図2に示されるカテーテルの正面図である。
【図3A】図3Aは、本開示の挿入スタイレットが中に挿入された、スタガー型先端設計を含むカテーテルの別の実施形態の部分側面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示されるカテーテルおよび挿入スタイレットの等角図である。
【図3C】図3Cは、本開示の挿入スタイレットが中に挿入された、分割型先端設計を含むカテーテルの別の実施形態の部分側面図である。
【図3D】図3Dは、図3Cに示されるカテーテルおよび挿入スタイレットの等角図である。
【図4】図4は、ルアーコネクタおよびロック構造を含む、図2に示される第1のスタイレット部分の近位端の部分側面斜視図である。
【図5】図5は、延長管内に設置された図4に示される第1のスタイレット部分の近位端の部分斜視図である。
【図6】図6は、イントロデューサーシースの遠位端を越えて延在する第1および第2のスタイレット部分を示す、図2に示されるカテーテル法システムの遠位端部分の側面斜視図である。
【図7】図7は、その遠位端領域を示す第1のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図8】図8は、第1のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図9】図9は、第1のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図10】図10は、その遠位端領域を示す第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図11】図11は、第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図12】図12は、第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図13】図13は、係合後のその遠位端領域を示す第1および第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図14】図14は、係合後の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図15】図15は、係合後の図14に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面図である。
【図16】図16は、係合後の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面斜視図である。
【図17】図17は、遠近法で示された係合後の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分背面断面図である。
【図18】図18は、その遠位端領域を示す、本開示の代替の実施形態による第1のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図19】図19は、図18に示される第1のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図20】図20は、その遠位端領域を示す、本開示の代替の実施形態による第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図21】図21は、図20に示される第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図22】図22は、係合後のその遠位端領域を示す、図18〜21に示される第1および第2のスタイレット部分の部分背面断面図である。
【図23】図23は、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図24】図24は、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面図である。
【図25】図25は、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面斜視図である。
【図26】図26は、遠近法で示された係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分背面断面図である。
【図27】図27は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分正面図である。
【図28】図28は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面図である。
【図29】図29および30は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図30】図29および30は、図2に示されるカテーテル内に設置された、係合後の図22に示される第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の部分側面斜視図である。
【図31】図31は、カテーテル内に設置され、互いに結合された遠位端領域を有する第1および第2のスタイレット部分を含む、本開示の挿入スタイレットの代替の実施形態を示す部分側面図である。
【図32】図32は、図31に示される挿入スタイレットおよびカテーテルの部分縦断面図である。
【図33】図33A〜33Dは、カテーテルから挿入スタイレットを引き抜く間の第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域の分離の過程を示す、部分側面図である。
【図34】図34は、図31〜33Dに示される挿入スタイレットと共に使用するための、カテーテルの一実施形態の部分側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書において、患者の身体への、および身体からの流体の管理、すなわち引き出しおよび導入のための医用カテーテルに関して、より具体的には血液透析カテーテルに関して、本開示の様々な例示的実施形態を示す。しかしながら、本開示の原理は、対象の病気および身体の疾患の手術、診断およびそれに関連した処置を含む、広範なカテーテルの用途に同等に適用可能であることが企図される。さらに、本開示のカテーテルに関連する原理は、例えば、血液透析、心臓、腹部、尿、および腸に対する手技等の様々なカテーテル関連手順に同等に適用可能となり得ることが企図される。さらに、本開示のカテーテルは、例えば、医薬品、生理食塩水、体液、血液および尿の投与および除去に使用することができる。
【0027】
以下の議論において、「近位」および「後続」という用語は交換可能に使用することができ、適切な使用において臨床医学者により近い構造の部分を指すものとして理解されたい。また、「遠位」および「先頭」という用語も交換可能に使用することができ、適切な使用において臨床医学者からより遠い構造の部分を指すものとして理解されたい。本明細書において使用される場合、「患者」という用語は、人間の患者または他の動物を指すものとして理解されたく、また「臨床医学者」という用語は、医師、看護士、またはその他の介護者を指し、補助要員を含み得ることを理解されたい。
【0028】
以下の議論は、本開示のカテーテル法システムおよび対応するスタイレットの説明、続いて本開示の原理に従った対応する例示的使用方法の説明を含む。議論の目的のために、カテーテル法システム、スタイレットおよび他の構成要素は、血液透析カテーテルに関して議論され、対応する使用方法は、透析手技においてカテーテルを設置するために利用されるトンネリング手技に関して議論される。しかしながら、本開示のカテーテル法システムおよびその構成要素は、透析用途だけでなく他の多くの用途を有し得ることが、当業者に理解される。
【0029】
ここで図を参照するが、いくつかの図を通して同様の構成要素には同様の数字が付されており、図1は、図2に示されるカテーテル200等のカテーテルの患者への留置における使用のための、全般的に参照数字100で参照されるイントロデューサーシースの一実施形態を示す。イントロデューサーシース100は、近位領域104および遠位領域106を有する管状本体部分102を含む。イントロデューサーシース100の本体部分102は、カテーテル200(図2)を摺動可能に受容するように構成および寸法設定される内部ルーメン108(図1中点線で示される)を画定する。
【0030】
イントロデューサーシース100の遠位領域106は、イントロデューサーシース100の遠位方向への前進中に、標的組織、例えば血管に形成された開口部を拡張するように構成および寸法設定される、遠位方向に先細りの貫通部分110を含む。貫通部分110は、本体部分102に固定して保持され、例えば一体形成され、ガイドワイヤ(図示せず)を受容するように構成および寸法設定される遠位開口部112を含む。イントロデューサーシース100の一実施形態において、遠位開口部112は、貫通部分110の最遠位端における表面積を最小化し、それにより患者へのイントロデューサーシース100の導入中の患者組織に対する外傷を最小化するために、ガイドワイヤの外側寸法に実質的に近似する内部横寸法を画定してもよいことが企図される。
【0031】
図1に示されるイントロデューサーシース100の実施形態において、イントロデューサーシース100は、イントロデューサーシース100の裂断または分割を容易化するために、1つ以上のミシン目114、例えば正反対に対置したミシン目を含む。具体的には、所望により標的組織にカテーテル200(図2)を留置した後、臨床医学者は、カテーテル200(図2)からのイントロデューサーシース100の分離を容易化するために、ミシン目(複数を含む)114に沿ってイントロデューサーシース100を裂断または分割することができる。そのような裂断を容易化するために、イントロデューサーシース100は、臨床医学者による係合のために構成および寸法設定される、イントロデューサーシース100の近位領域104に位置する把持部または把持部材116を含んでもよい。
【0032】
図示されていないが、イントロデューサーシース100は、イントロデューサーシース100を通した流体的な連絡を阻止するように構成および寸法設定される、内部ルーメン108内に位置する1つ以上の弁部材を含んでもよいことが企図される。例えば、弁部材(複数を含む)は、血液損失および/または空気塞栓を阻止するように構成および寸法設定され得る。しかしながら、遠位開口部112は、弁部材が必要とされ得ないように、ガイドワイヤに密着するようなサイズであってもよいことも企図される。
【0033】
ここで図2を参照しながら、本開示によるカテーテル法システム1000について議論する。カテーテル法システム1000は、図1の議論において上述したカテーテル200、カテーテル200内に除去可能に設置するように構成および寸法設定される挿入スタイレット300、ならびにカテーテル200を除去可能に受容するように構成および寸法設定されるイントロデューサーシース400を含む。
【0034】
図2は、イントロデューサーシース400内に設置されたカテーテル200およびカテーテル200内に設置されたスタイレット300を示す。以下の議論を通して、血液透析手技における具体的用途を有する、スパイラルのZ型先端構成(図2A〜2D)を含む2つのルーメンカテーテルとして、カテーテル200が議論され、対応する図に示される。しかしながら、本開示の原理は、スタガー型先端カテーテル(図3A、3B)もしくは分割型先端カテーテル(図3C、3D)等の代替の先端構成を有するカテーテル、3つのルーメンカテーテル等の追加的なルーメンを含むカテーテル、ならびに/または様々な他の医学手技において使用可能なカテーテルに対しても同等に適用可能であることが理解される。
【0035】
ここで図2〜3を参照すると、カテーテル200は、近位端および遠位端204、206の各々を有する本体202、ならびにその間に延在する、隔壁212によって隔離された第1および第2のルーメン208、210(図2A、3)を含む。カテーテル200を通って延在する各第1および第2のルーメン208、210は、実質的にD字形状の断面構成を含むものとして示されているが、本明細書において、実質的に円形またはパイ形状を含むがこれらに限定されない、ルーメン208、210の別の構成もまた企図されることを理解されたい。
【0036】
カテーテル200は、可撓性材料から形成され、従来の射出成形および押出プロセスを含むがこれらに限定されない、任意の好適な製造方法により形成され得る。安定性および剛性の増加が必要または望ましい場合、カテーテル200は、補強材料を含んでもよい。カテーテル200は、その通常の状態において事前に湾曲した構成を含んでもよく、カテーテル200が設置される標的組織、例えば体腔または血管の構造にカテーテル200が適合し得るように、カテーテルは任意の外力が存在しない場合に弓形の側面を有する。あるいは、カテーテル200は、そのような通常は湾曲した構成を有さなくてもよい。
【0037】
本開示の範囲内に含まれる、カテーテル200の好適な限定されない例は、Tal PALINDROME(商標)およびMAHURKAR(登録商標)Maxid(商標)カテーテルであり、各々、15 Hampshire Street,Mansfield,Massachusettsに主要営業場所を構えるCovidien社から入手可能である。好適なカテーテルの他の例は、2006年9月25日出願の米国特許出願公開第11/528,913号、および2005年2月11日出願のHaaralaらに対する米国特許第7,182,746号に開示されており、これらの参考文献の各々の全内容は、参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0038】
上述のように、本開示は、図3Aおよび3Bに示されるカテーテル200A等のスタガー型先端カテーテル、ならびに図3Cおよび3Dに示されるカテーテル200B等の分割型先端カテーテルの両方と関連したスタイレット300の使用を企図する。図3Aおよび3Bに示されるように、カテーテル200Aはスタガー型先端設計を含み、カテーテル200Aを通って延在する第1のルーメン208Aと第2のルーメン210Aとは、各々、カテーテル200Aの縦軸に沿って互いにずれた遠位端214A、216Aを含む。それとは対照的に、図3Cおよび3Dに示されるように、カテーテル200Bは、それを通して第1のルーメン208Bが延在する遠位端214Bを有する第1の先端部202B、およびそれを通して第2のルーメン210Bが延在する遠位端216Bを有する第2の先端部204Bを組み込んだ分割先端型設計を含む。図3Cおよび3Dには具体的に示されていないが、各第1の先端部202Bと第2の先端部204Bとは、個々の構成要素であり、互いに離間していてもよい。
【0039】
図3Aおよび3Bに示されるように、スタイレット300をカテーテル200Aに挿入した後、挿入スタイレット300は、ルーメン208A、210Aの各遠位端214A、216Aを越えて延在する。同様に、図3Cおよび3Dに示されるように、スタイレット300をカテーテル200Bに挿入した後、挿入スタイレット300は、ルーメン208B、210Bの各遠位端214B、216Bを越えて延在する。図3Cおよび3Dに示される分割先端カテーテル200Bの実施形態において、スタイレット300の挿入前、各第1の先端部202Bと第2の先端部204Bとは、当技術分野において知られるように、互いから分岐してもよいことが企図される。スタイレット300は、挿入スタイレット300がカテーテル200B内に挿入された後に、挿入のために先端部202B、204Bを合流させる。
【0040】
第1および第2の先端部202B、204Bの各遠位端214B、216Bは、図3Cおよび3Dに示される実施形態において、カテーテル200Bの縦軸に沿って互いに配列しているように示されているが、代替の実施形態において、第1および第2の先端部202B、204Bの各遠位端214B、216Bは、図3A、3Bに示されるスタガー型設計と同様に、カテーテル200Bの縦軸に沿って互いに離間していてもよいことが企図される。
【0041】
ここで、図2〜17を参照しながら、挿入スタイレット300について詳細に議論する。挿入スタイレット300は、標的組織、例えば体内管へのカテーテル200の挿入を容易化するように構成および寸法設定され、血液透析手技と関連した具体的用途を有する。挿入スタイレット300は、カテーテル200を構成する材料よりも高いデュロメータを有する材料から形成され、それにより、スタイレット300のカテーテル内の設置が、カテーテル200の剛性を増加させる。
【0042】
挿入スタイレット300は、縦軸「X」(図2)に沿って延在し、近位端領域304および遠位端領域306を有する第1の細長いスタイレット部分302、ならびに近位端領域310および遠位端領域312を有する第2の細長いスタイレット部分308を含む。
【0043】
図4および5に示されるように、挿入スタイレット300の一実施形態において、第1のスタイレット部分302の近位端領域304は、第1のスタイレットハブ314に機械的に接続され、そこから遠位方向に延在する。第1のスタイレットハブ314は、臨床医学者による第1のスタイレット部分302の手による係合を容易化するように構成および寸法設定され、この使用目的に好適な任意の構造であってもよい。図示された実施形態において、第1のスタイレットハブ314は、かん流を目的とした生理食塩水源等の流体源、または真空源への接続に適合される、ルアーコネクタ316を含む。そのような接続を容易化するために、ルアーコネクタ316は、任意の好適な構造、例えば部分的なネジ山、バヨネット結合等を含み得ることが企図される。第1のスタイレットハブ314は、さらに、それとの解放可能な接続を容易化するための延長管アセンブリ(図示せず)の延長管500(図5)構成要素に含まれる、対応するロック構造502と係合するように構成および寸法設定されるロック構造318を含む。好適な延長管アセンブリの一例は、2008年12月30日出願の米国仮特許出願第61/141,518号に記載されており、その全内容は、参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0044】
第2のスタイレット部分308の近位端領域310は、第1のスタイレット部分302の近位端領域と同一であってもよい。すなわち、第2のスタイレット部分308の近位端領域310は、ルアーコネクタ、ならびに別の延長管に含まれる対応するロック構造と係合するように構成および寸法設定されるロック構造を有する第2のスタイレットハブを含んでもよい。したがって、簡略化のために、第2のスタイレット部分308の近位端領域310はこれ以上詳細には議論されず、図に示されない。
【0045】
特に図6〜17を参照しながら、第1および第2のスタイレット部分302、308の各遠位端領域306、312について議論する。第1のスタイレット部分302の遠位端領域306は、接合構造324を含む内面320(図7、8)を画定し、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312は、接合構造326を含む内面322(図10、11)を画定する。接合構造324、326は、その構成および寸法において対応しており、第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308との間の解放可能な接続の形成を容易化する係合に適合する。図13〜17に示されるように、第1のスタイレット部分302の遠位端領域306に含まれる接合構造324が、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312に含まれる接合構造326と係合する際、第1および第2のスタイレット部分302、308の各遠位端部分306、312は、連携して、組織を通した挿入スタイレット300の遠位方向の前進を容易化するように構成および寸法設定される貫通部分328を画定する。
【0046】
接合構造324、326は、各第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308とが、互いに対して、およびカテーテル200に対して独立して移動可能であるように、縦軸「X」(図2)に沿った第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308との間の相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成および寸法設定される。これにより、各第1および第2のスタイレット部分302、308を、カテーテル200から順番に除去することができる。あるいは、各第1および第2のスタイレット部分302、308は、接合構造324、326の係合を解除するように操作することができ、それにより、各第1および第2のスタイレット部分302、308が続いて同調してカテーテル200から除去され得ることが企図される。
【0047】
一実施形態において、第1のスタイレット302の遠位端領域306に含まれる接合構造324は、リブ330(図7、8)を含み、第2のスタイレット308の遠位端領域312に含まれる接合構造326は、リブ330を受容するように構成および寸法設定されるチャネル332(図10、11)を含む。図6〜17に示される挿入スタイレット300の実施形態において、リブ330およびチャネル332は、蟻継ぎ構成での係合のために構成および寸法設定される。具体的には、リブ330は、先細りの側壁334を含み、チャネル332は、先細りの側壁336を含む。先細りの側壁334、336は、横軸に沿った、すなわちスタイレット300の縦軸「X」(図2)に交差する軸に沿った、第1のスタイレット部分302の遠位端領域306(図7〜9)と第2のスタイレット部分308の遠位端領域312(図10〜12)との間の相対的な移動を阻止する係合のために構成および寸法設定される。しかしながら、各々リブ330およびチャネル332に含まれる側壁334、336の先細り構成は、図18〜21に示されるように、省略されてもよいことが企図される。この実施形態において、リブ330は、チャネル332と摩擦係合し、それにより、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312に対する第1のスタイレット部分302の遠位端領域306(図6)の横方向の移動に抵抗するように構成および寸法設定される。しかしながら、各第1および第2のスタイレット部分302、308の片方または両方に対して所定の力を印加すると、リブ330およびチャネル332の構成は、第1および第2のスタイレット部分302、308の各遠位端領域306、312(図6)の間の相対的な横方向の移動を可能とする。したがって、この実施形態において、各第1および第2のスタイレット部分302、308は、順番に、または連携してカテーテル200(図2〜2D)から除去され得る。
【0048】
各第1および第2のスタイレット部分302、308(図2)のうちの少なくとも一方、例えば第1のスタイレット部分302は、以下でより詳細に説明されるように、カテーテル法システム1000の標的組織内への留置を容易化するためのガイドワイヤ(図示せず)を受容するように構成および寸法設定される、スタイレット部分を通って延在するチャネル338(図13、14)を含んでもよいことが企図される。また、チャネル338は、患者への医薬品等の流体の輸液に使用され得ること、または、カテーテル200(図2)を通って延在するルーメン208、210(図3)のうちの一方は、ガイドワイヤチャネルとして機能し得ることが企図される。
【0049】
再び図2を参照しながら、カテーテル法システム1000に含まれるイントロデューサーシース400について議論する。イントロデューサーシース400は、図1に関連して上述したイントロデューサーシース100と同様であり、したがって、そのなんらかの違いに関してのみ議論する。
【0050】
イントロデューサーシース400は、カテーテル200の留置中に使用され、近位領域404および遠位領域406を有する管状本体部分402を含む。イントロデューサーシース400の本体部分402は、カテーテル200を受容するように構成および寸法設定される内部ルーメン408(図2中において点線で示される)を画定する。
【0051】
イントロデューサーシース400の遠位領域406は、各々第1および第2のスタイレット部分302、308の遠位端領域306、312により連携して画定される、先細りの貫通部分328の外側寸法に近似する、遠位方向に先細りとなる部分410を含む。イントロデューサーシース400は、挿入スタイレット300およびカテーテル200が内部ルーメン408内に設置されたときに、挿入スタイレット300がシースの先細り部分410を越えて延在するように寸法設定される。イントロデューサーシース100(図1)と関連して上述したように、イントロデューサーシース400は、1つ以上のミシン目414、例えば正反対に対置したミシン目を含んでもよく、またミシン目(複数を含む)414に沿ったイントロデューサーシース400の裂断を容易化するための把持部または把持部材416を含んでもよい。
【0052】
ここで、図2〜17を参照しながら、血液透析手技の過程におけるカテーテル200の留置を容易化するためのスタイレット部材300(図2)の使用および操作について議論する。まず、中空針カニューレ(図示せず)を標的体内管に挿入し、静脈切開(進入)部位を形成する。例えば、静脈に到達するために、頸部および鎖骨に隣接した対象の皮膚内に針カニューレを配置してもよい。針カニューレを標的管内に設置した後、針カニューレの近位端から体内管内の所望の位置までガイドワイヤ(図示せず)を挿入する。次いで、ガイドワイヤの遠位端は標的管内に設置され、ガイドワイヤの近位端は患者の身体から外向きに延在したまま、針カニューレを引き抜く。留置後、ガイドワイヤをカテーテル法システム1000(図2)に導入する。
【0053】
ガイドワイヤの留置後または留置前に、カテーテル200をイントロデューサーシース400の内部ルーメン408(図2)に挿入し、それを通して遠位方向に前進させる。その後、各第1および第2のスタイレット部分302、308を対応する延長管500(図5)に挿入し、それを通してカテーテル200の対応する内部ルーメン208、210(図2A、3)内に遠位方向に前進させる。具体的には、第1のスタイレット部分302を内部ルーメン208内に設置し、第2のスタイレット部分308を第2のルーメン210(図2A)内に設置する。その遠位端領域306がイントロデューサーシース400(図2、6)の遠位領域406の遠位方向に設置されるまで、第1のスタイレット部分302をカテーテル200の内部ルーメン208を通して遠位方向に前進させる。同様に、その遠位端領域312がイントロデューサーシース400(図2、6)の遠位領域406の遠位方向に設置されるまで、第2のスタイレット部分308をカテーテル200の内部ルーメン210を通して遠位方向に前進させる。第1のスタイレット部分302および第2のスタイレット部分308の各遠位端領域306、312は、第1および第2のスタイレット部分302、308がカテーテル200内に適切に設置されたときに、その各遠位端領域306、312が隣接するように構成および寸法設定される(図2、6)。
【0054】
組み付けの間、各第1および第2のスタイレット部分302、308(図2)を、第1のスタイレット部分302の遠位端領域306に含まれる接合構造324(図7〜9)が、第2のスタイレット部分308の遠位端領域312に含まれる接合構造326(図10〜12)に係合し、それにより全体として貫通部分328(図6、15〜17)を画定するように操作する。その後、スタイレットハブ314に含まれるロック構造318(図4、5)を、延長管500に含まれる対応するロック構造502(図5)に接続し、延長管500およびカテーテル200に対する各第1および第2のスタイレット部分302、308の位置を固定する。
【0055】
所望の通りにカテーテル200内にスタイレット300を設置した後、ガイドワイヤの近位端をチャネル338(図13、14)に挿入し、これは、繰り返すが、第1のスタイレット部分302または第2のスタイレット部分308内に含まれてもよい。次いで、イントロデューサーシース400の遠位領域406(図2)の少なくとも一部およびカテーテル200の遠位端206(図2B〜2D)の少なくとも一部が標的管内に設置されるまで、ガイドワイヤ上で遠位方向にカテーテル法アセンブリ1000を前進させる。
【0056】
次いで、ガイドワイヤならびに各第1および第2のスタイレット部分302、308(図2)を、カテーテル200から除去することができる。第1および第2のスタイレット部分302、308の遠位端領域306、312に各々含まれる独特の接合構造324、326(図7−12)により、第1のスタイレット部分302と第2のスタイレット部分308とは、互いに独立して、例えば上述のように順番または同時に、カテーテル200の内部ルーメン208、210(図2A、3)から摺動可能に除去され得る。換言すると、各第1および第2のスタイレット部分302、308を同時に除去することは任意選択的であり、必須ではない。
【0057】
臨床医学者の選択により、ガイドワイヤならびに各第1および第2のスタイレット部分302、308の除去前または除去後に、イントロデューサーシース400は、カテーテル200から分離することができる。この分離を容易化するために、臨床医学者は、ミシン目(複数を含む)414(図2)に沿った裂断を容易化するための把持部材416を把持および操作する。
【0058】
ここで、図22〜30を参照しながら、全般的に参照数字600で参照される挿入スタイレットの代替の実施形態について議論する。挿入スタイレット600は、図2〜17に関連して上述した挿入スタイレット300と同様であり、したがって、その任意の違いに関してのみ議論する。
【0059】
挿入スタイレット600は、標的組織、例えば体内管へのカテーテル200(図28〜30)の挿入を容易化するように構成および寸法設定され、第1および第2のスタイレット部分602、608(図25、26)の各々を含む。図22および23において最も良く示されているように、第1および第2のスタイレット部分602、608の各遠位端領域606、612は、挿入スタイレット300(図2)と関連して上述した接合構造324、326(図7〜12)を有さない。したがって、この実施形態において、各々第1および第2のスタイレット部分602、608(図25)の遠位端領域606、612により画定される内面620、622(図22、23)の間の接触は、イントロデューサーシース400(図2)により維持される。換言すれば、各第1および第2のスタイレット部分602、608がイントロデューサーシース400(図2)の遠位領域406を越えて延在するように、各第1および第2のスタイレット部分602、608がカテーテル200(図28〜30)内に設置された時、イントロデューサーシース400は、第1および第2のスタイレット部分602、608の各遠位端領域端606、612に対し、縦軸「X」(図24)に向かって内向き方向、すなわち、例えば矢印1の方向の力を印加するように機能する。この力は、第1のスタイレット部分602の遠位端領域606と第2のスタイレット部分608の遠位端領域612との係合をもたらすとともにそれを維持し、それにより貫通部分628を画定し、したがって上述の接合構造324、326(図7〜12)の必要性を回避する。
【0060】
第1および第2のスタイレット部分602、608の各遠位端領域606、612の構成は、各第1および第2のスタイレット部分602、608が、お互いおよびカテーテル200の両方に対して独立して移動可能であるように、縦軸「X」(図24)に沿った第1のスタイレット部分602と第2の第1のスタイレット部分608との間の相対的で摺動可能な移動を容易化する。したがって、各第1および第2のスタイレット部分602、608はまた、順番または同時にカテーテル200から除去される。
【0061】
ここで、図31〜33Dを参照しながら、全般的に参照数字700で参照される挿入スタイレットの別の実施形態について議論する。挿入スタイレット700は、上述の挿入スタイレット300(図2〜17)と同様であり、したがって、その任意の違いに関してのみ議論する。
【0062】
挿入スタイレット700は、近位端領域(図示せず)および遠位端領域706、712を有する第1および第2のスタイレット部分702、708を含む。スタイレット部分702、708の近位端領域は切り離され互いから離間しているが(図2を参照)、遠位端領域706、712は、結合構造714により付着している。結合構造714により確立された遠位端領域706、712間の付着は、スタイレット部分702、708間の相対的な縦方向の移動が望ましくなる時まで、例えばカテーテル200から挿入スタイレット700を除去する間まで、スタイレット部分702、708間の相対的な縦方向の移動を実質的に阻止する。その時点で、後述のように、所定の力が結合構造714に印加され、遠位端領域706、712が分離する。
【0063】
結合構造714は、スタイレット部分702、708の各遠位端領域706、712を互いに結合する使用目的に好適な任意の構造であってもよい。図31〜33Dに示される挿入スタイレット700の実施形態において、例えば、結合構造714は、遠位端領域706、712間に設置された薄壁716として示される。薄壁716は、スタイレット700の挿入中の遠位端領域706、712間の付着を維持するが、その後、スタイレット700が、上記の様式でカテーテル200から除去可能な2つの異なる構成要素に分離され得るように、遠位端領域706、712の選択的切り離しを可能とする。
【0064】
遠位端領域706、712を分離するために、カテーテル200のルーメン208、210(図3)を隔離する隔壁212に薄壁716を係合させることができることが企図される。具体的には、スタイレット部分702、708のいずれかまたは両方に対して近位方向の力を印加すると、図33A〜33Dに示される工程に見られるように、隔壁212は薄壁716と係合され、それにより薄壁716を剥離または裂断し、スタイレット部分708からスタイレット部分702を分離する。スタイレット部分702、708の分離をさらに容易化するために、薄壁716は、シームまたはミシン目部分等の弱い部分(図示せず)を含んでもよいことが企図される。
【0065】
スタイレット部分702、708の分離後、薄壁716を構成する材料は、薄壁716を構成する材料が、スタイレット部分702、708と同時にルーメン208、210を通してカテーテル200から引き抜かれるように、遠位端領域706、712のいずれかまたは両方に付着する。
【0066】
図31〜33Dに示される本開示の実施形態において、遠位端領域706、712は、薄壁716を含む円錐先端718を画定するように構成される。円錐先端718は、第1のスタイレット部分702の遠位端720および第2のスタイレット部分708の遠位端722の両方に固定される。
【0067】
本明細書において、円錐先端718を形成し、円錐先端718をスタイレット部分702、708に取り付ける様々な方法が企図される。例えば、円錐先端718が個々に形成され、その後、図31〜33B中の点線「A」により示されるような、スタイレット部分702、708の遠位端720、722に固定されてもよいことが企図される。そのような実施形態においては、円錐先端718が形成され、その後、カテーテル200のルーメン208、210(図3)内にスタイレット部分702、708を設置した後に、スタイレット部分702、708の遠位端720、722上にインサート成形されてもよいことが企図される。あるいは、円錐先端718は、射出成形され、次いで、スタイレット部分702、708の各遠位端720、722上に溶接、例えばRFまたは超音波溶接されてもよい。
【0068】
また、円錐先端718は、スタイレット部分702、708の遠位端720、722と一体成形されてもよいことが企図される。そのような実施形態において、カテーテル200のルーメン208、210(図3)内にスタイレット部分702、708を設置した後、スタイレット部分702、708の各遠位端720、722が円錐先端718として再構成されてもよい。例えば、スタイレット部分702、708の各遠位端720、722を互いに圧縮し、例えばRF溶接機およびダイにより加熱し、それにより円錐先端718の薄壁716が互いに結合して、スタイレット部分702、708を有する円錐先端718を一体的に形成することができる。
【0069】
挿入スタイレット700が、図34に示されるカテーテル200等の長期透析カテーテルに関連して利用される場合、遠位先端の周囲のカテーテル200の外側部分に沿った縁部218は、図34に示されるように面取りされてもよいことが企図される。面取りされた縁部218を含むことにより、挿入スタイレット700とカテーテル200との間の円滑な移行が可能となる。
【0070】
挿入スタイレット700は、シースの使用等の当技術分野において知られたそれらの挿入方法に勝る利点を、使用者および製造者の両方に提供する。例えば、挿入スタイレット700は、挿入プロセスにおけるステップおよび構成要素の数を最小化し、それにより、挿入に必要な全体的な時間を短縮するとともに挿入の容易性を増加させ、ひいては、これによって外科的手技を行うために必要な時間、および結果的にはそれに関連したコストが低減され得る。さらに、シースを用いた挿入に関して、挿入スタイレット700は、製造がより容易でより低コストであり、これにより、製造に関連したコストおよびリソースの低減が可能となる。
【0071】
本明細書において具体的に説明され、図面において示されたデバイスおよび方法は、制限されない例示的実施形態であることが、当業者に理解される。例示的実施形態に関連して示され説明された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱せずに、別の実施形態の要素および特徴と組み合わせることができることが企図される。同様に、当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解するだろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲により示されることを除き、具体的に示され説明されたことにより限定されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分であって、カテーテルの第1のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される第1のスタイレット部分と、
近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分であって、隔壁によって該第1のルーメンから隔離された該カテーテルの第2のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される第2のスタイレット部分と
を備え、該第1および第2のスタイレット部分は、該カテーテルの近位端から該カテーテルの遠位端を越えるまで延在し、該第1および第2のスタイレット部分は、該第1および第2のスタイレット部分の該遠位端領域を解放可能に結合する、対応する接合構造を含み、該第1および第2のスタイレット部分は、該第1のスタイレット部分および/または該第2のスタイレット部分の該カテーテルからの選択的除去を容易化するために、互いに対して独立して移動可能であり、該第1および第2のスタイレット部分の該遠位端領域は、先細りの貫通部分をともに画定する、スタイレット。
【請求項2】
前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との前記遠位端領域は、実質的に隣接する、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項3】
前記スタイレットは、前記カテーテルよりも剛性の材料から形成されることにより、該スタイレットの該カテーテル内の設置が、該カテーテルの剛性を増加させる、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項4】
前記対応する接合構造は、前記第1および第2のスタイレット部分の前記遠位端領域に設置される、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項5】
前記第1および第2のスタイレット部分に含まれる前記対応する接合構造は、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との間の相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成される、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項6】
前記対応する接合構造は、前記第1および第2のスタイレット部分の前記遠位端領域に共通した壊れやすい溶接部を含み、該溶接部は、前記カテーテルから前記第1および第2のスタイレット部分を引き出すときに前記隔壁と係合し、それにより、該第1のスタイレット部分の該遠位端領域が該第2のスタイレット部分の該遠位端領域から分離されるように構成および寸法設定される、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項7】
前記第1のスタイレット部分に含まれる前記接合構造は、リブを含み、前記第2のスタイレット部分に含まれる前記接合構造は、該リブを摺動可能に受容するように構成および寸法設定されるチャネルを含む、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項8】
前記リブおよび前記チャネルは、前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との間の相対的な横方向の移動を可能とするように構成および寸法設定される、請求項7に記載のスタイレット。
【請求項9】
前記リブおよび前記チャネルは、前記第1のスタイレットと第2のスタイレット部分との間の相対的な横方向の移動を防止するように構成および寸法設定される、請求項7に記載のスタイレット。
【請求項10】
前記リブおよび前記チャネルは、各々、蟻継ぎ構成を含む、請求項9に記載のスタイレット。
【請求項11】
前記第1のスタイレット部分は、ガイドワイヤを受容するように構成および寸法設定されるチャネルを画定する、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項12】
前記第1のスタイレット部分は、構成において前記カテーテルの前記第1のルーメンに対応し、前記第2のスタイレット部分は、構成において該カテーテルの前記第2のルーメンに対応する、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項13】
近位端および遠位端を有する本体を含み、自身を通って延在する第1および第2のルーメンを画定するカテーテルであって、該第1のルーメンと第2のルーメンとは、隔壁によって隔離されている、カテーテルと、
近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分と、近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分とを含むスタイレットであって、該第1のスタイレット部分は、該カテーテルの該第1のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定され、該第2のスタイレット部分は、該カテーテルの該第2のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される、スタイレットと
を備え、該第1および第2のスタイレット部分は、該カテーテルの近位端から該カテーテルの遠位端を越えるまで延在し、該第1のスタイレット部分および第2のスタイレット部分は、該第1および第2のスタイレット部分の該遠位端領域を解放可能に結合するための、対応する接合構造を含み、該第1および第2のスタイレット部分は、該第1のスタイレット部分および/または該第2のスタイレット部分の該カテーテルからの選択的な除去を容易化するために、互いに対して独立して移動可能であり、該第1および第2のスタイレット部の該遠位端領域は、先細りの貫通部分をともに画定する、カテーテル法システム。
【請求項14】
近位端および遠位端を有し、前記カテーテルを受容するように構成および寸法設定されるシースルーメンを画定するシースをさらに備え、前記スタイレットは、該シースが前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分とを強制的に互いに係合させて該スタイレットの前記貫通部分を画定するために、該スタイレットが該カテーテル内に設置されたときに該シースの該遠位端を越えて延在するように寸法設定される、請求項13に記載のカテーテル法システム。
【請求項15】
前記シースは、該シースの裂断を容易化するためのミシン目部分をさらに含む、請求項14に記載のカテーテル法システム。
【請求項16】
組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、
スタイレットの第1のスタイレット部分を、該カテーテルの第1のルーメン内に設置し、該スタイレットの第2のスタイレット部分を、該カテーテルの第2のルーメン内に設置するステップであって、該第1および第2のスタイレット部分は、該カテーテルの近位端から該カテーテルの遠位端を越えて延在し、少なくとも該第1のスタイレット部分は、ガイドワイヤを受容するように構成される、該第1のスタイレット部分を通るチャネルを画定する、ステップと、
該第1および第2のスタイレット部分が独立して移動可能であるように、該第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域に提供される対応する接合構造を取り付け、それにより第1のスタイレット部分の遠位端領域を該第2のスタイレット部分の遠位端領域に接続するステップと、
該カテーテルの遠位端が該組織部位内に設置されるまで、該スタイレットおよび該カテーテルを該組織部位内に設置されたガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、
該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該遠位端領域の該対応する接合構造を分離することによって、該カテーテルから該スタイレットを引き抜くステップと
を含む、方法。
【請求項17】
近位端および遠位端を有する本体を含み、自身を通って延在する第1および第2のルーメンを画定するカテーテルであって、該第1のルーメンと第2のルーメンとは、隔壁によって隔離される、カテーテルと、
該カテーテルの該第1のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分と、該カテーテルの該第2のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分とを含むスタイレットと
を備え、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該近位端領域は互いに隔離され、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該遠位端領域は互いに結合されて、それにより、所定の力が該スタイレットに印加されるまで、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該遠位端領域の間の相対的な縦方向の移動を阻止する、カテーテル法システム。
【請求項18】
前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との前記遠位端領域は、結合構造によって接続される、請求項17に記載のカテーテル法システム。
【請求項19】
前記結合構造は、溶接部である、請求項18に記載のカテーテル法システム。
【請求項20】
前記結合構造は、前記第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方を前記カテーテルから引き抜いたときに、該カテーテルの前記隔壁によって前記所定の力が、該結合構造に印加されるように構成および寸法設定され、それにより、該第1のスタイレット部分が該第2のスタイレット部分から分離されて、その間の相対的な縦方向の移動を可能にする、請求項18に記載のカテーテル法システム。
【請求項1】
近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分であって、カテーテルの第1のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される第1のスタイレット部分と、
近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分であって、隔壁によって該第1のルーメンから隔離された該カテーテルの第2のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される第2のスタイレット部分と
を備え、該第1および第2のスタイレット部分は、該カテーテルの近位端から該カテーテルの遠位端を越えるまで延在し、該第1および第2のスタイレット部分は、該第1および第2のスタイレット部分の該遠位端領域を解放可能に結合する、対応する接合構造を含み、該第1および第2のスタイレット部分は、該第1のスタイレット部分および/または該第2のスタイレット部分の該カテーテルからの選択的除去を容易化するために、互いに対して独立して移動可能であり、該第1および第2のスタイレット部分の該遠位端領域は、先細りの貫通部分をともに画定する、スタイレット。
【請求項2】
前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との前記遠位端領域は、実質的に隣接する、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項3】
前記スタイレットは、前記カテーテルよりも剛性の材料から形成されることにより、該スタイレットの該カテーテル内の設置が、該カテーテルの剛性を増加させる、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項4】
前記対応する接合構造は、前記第1および第2のスタイレット部分の前記遠位端領域に設置される、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項5】
前記第1および第2のスタイレット部分に含まれる前記対応する接合構造は、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との間の相対的で摺動可能な移動を容易化するように構成される、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項6】
前記対応する接合構造は、前記第1および第2のスタイレット部分の前記遠位端領域に共通した壊れやすい溶接部を含み、該溶接部は、前記カテーテルから前記第1および第2のスタイレット部分を引き出すときに前記隔壁と係合し、それにより、該第1のスタイレット部分の該遠位端領域が該第2のスタイレット部分の該遠位端領域から分離されるように構成および寸法設定される、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項7】
前記第1のスタイレット部分に含まれる前記接合構造は、リブを含み、前記第2のスタイレット部分に含まれる前記接合構造は、該リブを摺動可能に受容するように構成および寸法設定されるチャネルを含む、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項8】
前記リブおよび前記チャネルは、前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との間の相対的な横方向の移動を可能とするように構成および寸法設定される、請求項7に記載のスタイレット。
【請求項9】
前記リブおよび前記チャネルは、前記第1のスタイレットと第2のスタイレット部分との間の相対的な横方向の移動を防止するように構成および寸法設定される、請求項7に記載のスタイレット。
【請求項10】
前記リブおよび前記チャネルは、各々、蟻継ぎ構成を含む、請求項9に記載のスタイレット。
【請求項11】
前記第1のスタイレット部分は、ガイドワイヤを受容するように構成および寸法設定されるチャネルを画定する、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項12】
前記第1のスタイレット部分は、構成において前記カテーテルの前記第1のルーメンに対応し、前記第2のスタイレット部分は、構成において該カテーテルの前記第2のルーメンに対応する、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項13】
近位端および遠位端を有する本体を含み、自身を通って延在する第1および第2のルーメンを画定するカテーテルであって、該第1のルーメンと第2のルーメンとは、隔壁によって隔離されている、カテーテルと、
近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分と、近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分とを含むスタイレットであって、該第1のスタイレット部分は、該カテーテルの該第1のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定され、該第2のスタイレット部分は、該カテーテルの該第2のルーメン内に摺動可能に設置されるように構成および寸法設定される、スタイレットと
を備え、該第1および第2のスタイレット部分は、該カテーテルの近位端から該カテーテルの遠位端を越えるまで延在し、該第1のスタイレット部分および第2のスタイレット部分は、該第1および第2のスタイレット部分の該遠位端領域を解放可能に結合するための、対応する接合構造を含み、該第1および第2のスタイレット部分は、該第1のスタイレット部分および/または該第2のスタイレット部分の該カテーテルからの選択的な除去を容易化するために、互いに対して独立して移動可能であり、該第1および第2のスタイレット部の該遠位端領域は、先細りの貫通部分をともに画定する、カテーテル法システム。
【請求項14】
近位端および遠位端を有し、前記カテーテルを受容するように構成および寸法設定されるシースルーメンを画定するシースをさらに備え、前記スタイレットは、該シースが前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分とを強制的に互いに係合させて該スタイレットの前記貫通部分を画定するために、該スタイレットが該カテーテル内に設置されたときに該シースの該遠位端を越えて延在するように寸法設定される、請求項13に記載のカテーテル法システム。
【請求項15】
前記シースは、該シースの裂断を容易化するためのミシン目部分をさらに含む、請求項14に記載のカテーテル法システム。
【請求項16】
組織部位内にカテーテルを設置する方法であって、
スタイレットの第1のスタイレット部分を、該カテーテルの第1のルーメン内に設置し、該スタイレットの第2のスタイレット部分を、該カテーテルの第2のルーメン内に設置するステップであって、該第1および第2のスタイレット部分は、該カテーテルの近位端から該カテーテルの遠位端を越えて延在し、少なくとも該第1のスタイレット部分は、ガイドワイヤを受容するように構成される、該第1のスタイレット部分を通るチャネルを画定する、ステップと、
該第1および第2のスタイレット部分が独立して移動可能であるように、該第1および第2のスタイレット部分の遠位端領域に提供される対応する接合構造を取り付け、それにより第1のスタイレット部分の遠位端領域を該第2のスタイレット部分の遠位端領域に接続するステップと、
該カテーテルの遠位端が該組織部位内に設置されるまで、該スタイレットおよび該カテーテルを該組織部位内に設置されたガイドワイヤ上で遠位方向に前進させるステップと、
該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該遠位端領域の該対応する接合構造を分離することによって、該カテーテルから該スタイレットを引き抜くステップと
を含む、方法。
【請求項17】
近位端および遠位端を有する本体を含み、自身を通って延在する第1および第2のルーメンを画定するカテーテルであって、該第1のルーメンと第2のルーメンとは、隔壁によって隔離される、カテーテルと、
該カテーテルの該第1のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される近位端領域および遠位端領域を有する第1のスタイレット部分と、該カテーテルの該第2のルーメン内に挿入するように構成および寸法設定される近位端領域および遠位端領域を有する第2のスタイレット部分とを含むスタイレットと
を備え、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該近位端領域は互いに隔離され、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該遠位端領域は互いに結合されて、それにより、所定の力が該スタイレットに印加されるまで、該第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との該遠位端領域の間の相対的な縦方向の移動を阻止する、カテーテル法システム。
【請求項18】
前記第1のスタイレット部分と第2のスタイレット部分との前記遠位端領域は、結合構造によって接続される、請求項17に記載のカテーテル法システム。
【請求項19】
前記結合構造は、溶接部である、請求項18に記載のカテーテル法システム。
【請求項20】
前記結合構造は、前記第1および第2のスタイレット部分のうちの少なくとも一方を前記カテーテルから引き抜いたときに、該カテーテルの前記隔壁によって前記所定の力が、該結合構造に印加されるように構成および寸法設定され、それにより、該第1のスタイレット部分が該第2のスタイレット部分から分離されて、その間の相対的な縦方向の移動を可能にする、請求項18に記載のカテーテル法システム。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図33C】
【図33D】
【図34】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図33C】
【図33D】
【図34】
【公表番号】特表2012−531266(P2012−531266A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517678(P2012−517678)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/039633
【国際公開番号】WO2010/151573
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/039633
【国際公開番号】WO2010/151573
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]