説明

カテーテル装置

【課題】人間の膀胱から液体を排出するためのカテーテルを準備するキットを提供すること。
【解決手段】本発明は、カテーテルの長さよりも短いカテーテル部分から医療用カテーテルを準備するためのキットである。カテーテルは、二つの構造形を構成可能な二つ以上のカテーテル部分に分けられる。一方の構造形では、カテーテル部分は、各個々のカテーテル部分の長さよりも長い長さのカテーテルを形成するように接合される。他方の構造形では、カテーテルの長さは短縮される。本発明は、射出成形によってカテーテル部分を製造するための方法にも関係する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液の例えば膀胱からの排出のための細長い管状カテーテル部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膀胱から排液するためのカテーテルは、間歇的なカテーテル法及び内在の又は永久的なカテーテル法にますます使用されている。典型的に、カテーテルは尿失禁患者又は自主的な排尿を制御できない下半身不随者若しくは四肢麻痺者のような身体障害者に使用され、カテーテル法はそれらの患者のための排尿法となり得る。
【0003】
こうしてカテーテル法は、大集団の患者のための生活の質を著しく向上させる日常生活の手段にますますなってきている。
【0004】
典型的には、カテーテルは一回限りの使用のために作られており、従ってカテーテルを製造、包装、及び殺菌するためのコストが重要な問題である。既存のカテーテルは、連続するカテーテル管のただ一本から作られる。典型的に、カテーテル管の肉厚はその全長にわたって一定である。
【0005】
カテーテルの全長は、ある長さを尿が流れ始めるまで尿道の中に挿入することを容易にする。現段階では、カテーテルのある余剰長が利用されているに違いない。余剰長は、使用者が、カテーテルをしっかり保持すること、及び尿を廃棄の場所へ導くこと、及びカテーテルを安全に且つカテーテルが尿道の中に消えるリスクなしに引き抜くことを助ける。
【0006】
既存のカテーテルは、粘膜の痛みのリスクを最小限に抑えるように、及び挿入時における痛みの感覚を実質的に与えないように作られている。従って、公知のカテーテルは、尿道の中への安全で快適な挿入に最適な滑らかで滑りやすい表面を備えている。その結果、特に身体障害の使用者には、滑り易い余剰長の操作によりカテーテルを取り扱うことはしばしば困難になることがある。
【0007】
管状部材が、潰れるか又は捩れて、カテーテルを通る尿の排出通路を塞がないことが重要である。従って既存のカテーテルは、例えばポリ塩化ビニール、ポリウレタン、又はポリエチレンから作られた、安定した形状の、比較的硬く但しそれでも屈曲可能な管から作られている。捩れを回避する観点で管の硬さは比較的硬く選択されるので、カテーテルは、それらが過小な局率半径で曲げられる場合に潰れることがある。
【0008】
従って、既存のカテーテルはかなりの長さを有しているだけでなく、それらは典型的には細長い状態で包装されている。従って、特にカテーテル法が日常生活の手段である個人にとっては、既存のカテーテルは取り扱いと持ってくることとが困難であることがあり、前記日常生活の手段では、カテーテル法が一日に数回生じて使用済みカテーテルがごみ収集を介して廃棄されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
人間の膀胱から液体を排出するためのカテーテルを準備するキットを提供することにより公知のカテーテルの前述の欠点を克服することが本発明の目的であり、前記キットは通路を中に形成している少なくとも二つのカテーテル部分を具備しており、前記カテーテル部分は、通路が一つの通路に接合されてカテーテル部分が各個々のカテーテル部分の長さよりも長い長さのカテーテルを協働して構成するような共同構造形で配置されるようにされていて、カテーテル全体が少なくとも一つの個々のカテーテル部分の操作によって操作されるような剛性を有している。導尿カテーテルの改良された製造方法を提供することが本発明の更なる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、収納式の、折畳式の、屈曲可能な、分離可能な、又は、カテーテルが尿道若しくは人工尿管に挿入されるところの少なくとも一つの構造形とカテーテルの長さが短縮されるところの一つの構造形とに適するようにされたその他のやり方のカテーテルが提供される。一つの例として、長さは、カテーテルの操作のために必要な余剰長さを含む通常の所要長さの半分、三分の一、四分の一、又はさらに五分の一の範囲まで短縮され得る。
【0011】
カテーテル部分は、通路がカテーテル部分の内側に形成されるところの長楕円形管状中空断面の形で備えられるか、又はカテーテル部分が中実核の全長に沿って中実核から放射状に延びる一つ以上の羽根をもつ引き延ばされた中実核を具備することもある。羽根は従って尿を排出するためのいくつかの排出通路を核と人体の排出通路、例えば尿道との間に形成する。中実核と尿道壁との間に形成された通路を使用する利点は、体液の流れが尿道をきれいにしその結果、体液が、人体の管から隔絶されたカテーテルの内側で排出されるところの従来のカテーテルに比較して感染症のリスクを低減させることである。
【0012】
カテーテルの実質的全長の剛性は、一つの同一のカテーテル管としてカテーテルの操作を可能にする。その結果、カテーテルの近位端部の挿入は、尿道へ挿入される予定のカテーテルの部分に触ることなく実行され得る。カテーテルは、Eモジュラスと断面二次モーメントとの積が少なくとも1MPamm4として定義された曲げ剛性を備えることが好ましい。男性の個人に関して、カテーテルの近位(挿入)端部は、湾曲した通路にある前立腺を通過しなければならないので、カテーテルの近位端部、例えばカテーテルの先端から10〜50mmであって、例えば先端から20〜40mm、例えば先端から25〜35mm、又は例えば先端から30mmは、Eモジュラスと断面二次モーメントとの積が例えば0.6MPamm4未満、若しくはさらに0.3MPamm4未満として定義された更に小さな曲げ剛性を備える。カテーテルの他の部分、例えば尿がトイレ、又はバッグ、又は廃棄のための同様の場所に排出されるところの遠位端部は同様に小さくされた曲げ剛性を備える。
【0013】
流路断面積、又は濡れた周長に対する流路断面積の比率により定義される水力半径は、例えばカテーテルを使用する個人に依存する尿道の大きさに基づいて、長さとは無関係に選択される。カテーテル部分の各々は同一の流路断面積もしくは水力半径を有するか、又は各カテーテル部分は個別の流路断面積若しくは水力半径を有する。しかしながら、一つのカテーテル部分の少なくとも一部分は、尿道又は人工尿管の大きさに適するようにされた断面の形状と大きさとを有するべきである。同様に、一つのカテーテル部分が尿道又は人工尿管の長さに基づいて選択された長さを有することが好ましい。その結果、ただ一つのカテーテル部分が挿入されること及び従ってカテーテル部分間の遷移部が挿入される必要がないことが達成される。しかし、尿道が特に長い男性の個人については、二つ以上の部分に分けられる挿入長さを有するカテーテルが提供される。この特定の場合には、カテーテルの少なくとも外表面に凹部又は鋭角部を実質的に有さない遷移部をカテーテル部分の間に提供することが妥当である。
【0014】
カテーテル部分の少なくとも一つが50〜90mmの範囲の長さであって、例えば55〜85mmの範囲の長さ、例えば60〜80mmの範囲の長さ、もしくは例えば70mmの大きさの長さで提供されることが好ましく、前記70mmの長さは大部分の女性の個人に対して適切な挿入可能長さであることがわかっている。男性の個人に関しては、カテーテル部分は、180〜250mmの範囲の長さであって、例えば190〜240mmの範囲の長さ、例えば200〜230mmの範囲の長さ、もしくは220mmの大きさの長さで提供されることが好ましい。男性の個人に関しては、管が捩れることなく非常に柔軟になるようにカテーテルの少なくとも挿入部分の材料又は形状が提供されることが更に好ましい。このことはカテーテルが前立腺を通過することを容易にする。
【0015】
少なくとも一つのカテーテル部分の外側断面形状が、0.5mm2〜30mm2の範囲の断面積をもつほぼ円であることが好ましい。0.2〜1.5mmの大きさの水力半径(“断面積”/“円周長”)をもつ少なくとも一つのカテーテル部分が提供されることが更に好ましい。代わりに、少なくとも一つのカテーテル部分が、0.5mm2〜30mm2の範囲の断面積又は0.2〜1.5mmの大きさの水力半径をまだ有していて、尿道又は人工尿管の形に適合する断面形状を有していてもよい。しかしながら、カテーテル部分の他の部分は同じの断面形状又は同じ水力半径を必ずしも有する必要はない。カテーテルの肉厚は0.5〜1.5mmの範囲であることが好ましい。
【0016】
カテーテル又はカテーテルの少なくとも一部は、熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂もしくはエラストマー、又はそれらの混合物(即ちポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ラテックス、及び又はクラトン(Kraton)(登録商標)のような材料を含むグループ)から作られることが可能である。
【0017】
好適な実施例によると、本発明は、完全に分離されるカテーテル部分に分割される導尿カテーテルに関係する。各カテーテル部分は、該部分をカテーテルの隣接する部分に相当する他方の部分に接続する手段を備える少なくとも一つの端部を有している。例えば、カテーテルは、接続手段により接続される二つの管状接続可能部分に分割され得る。
【0018】
接続手段は、他方のカテーテル部分の一つの操作によって少なくとも一つのカテーテル部分の操作を可能にする剛性を備えることが好ましい。少なくとも各々の部分の間の接続部は、一つの近位カテーテル部分が他のカテーテル部分の一つの操作により尿道の中に挿入されることができる十分な剛性を備える。従って、接続部は、接続帯域に延在するカテーテルの少なくとも一部が、Eモジュラスと断面二次モーメントとの積が例えば少なくとも1MPamm4のような少なくとも0.6MPamm4で定義される曲げ剛性を有するように提供されることが好ましい。使用中に各個々の部分を落下させないために、接続部は、少なくとも0.5ニュートンの軸方向力を支えるか又はカテーテルを尿道又は人工尿管から引き抜くのに必要な軸方向力より大きな軸方向力を少なくとも支えるようにされていることが好ましい。
【0019】
部片は、例えば伸縮式に接続されるか、又は二つのカテーテル部分の一方を二つのカテーテル部分の他方に対して回転可能にするヒンジを介して接続される。カテーテル部分は、カテーテル使用中の、尿がカテーテルを通って排出される間に、外れることがないように固定的係合状態にあることが理解される。しかしながら、尿は常に一方向で排出されるので、接続部は必ずしも液体封止されていなくてもよい。例えば、尿道への挿入に適するようにされたカテーテル部分を遠位のカテーテル部分に挿入することにより伸縮式接続が確立され得る。尿の流れの方向は、接続部がそれ自体では完全な液体封止ではないとしても接続部からの漏れを少なくとも実質的に防ぐ。しかし、完全に封止された接続部が、手その他を汚すリスクを低下させる更に安全なカテーテルを提供することが可能である。
【0020】
二つのカテーテル部分が伸縮式に配置された一つの実施例では、カテーテル部分の第一の部分が人の尿道に挿入されるように意図されているのに対して、カテーテル部分の第二の部分がカテーテルの使用の間に人の尿道の外部にカテーテルの延長部を形作るように通常は意図されている。使用時、つまり二つのカテーテル部分の第一共同構造形において、カテーテル第二部分は、カテーテル第一部分の遠位端部から離れてカテーテル第一部分と共に延在する。伸縮式キットが通常は保管及び出荷されるところの構造形であるところの第二共同構造形において、カテーテル第一部分の少なくとも一部がカテーテル第二部分により取り囲まれる。第二共同構造形では、管状保護部材が、カテーテル第一部分の外表面とカテーテル第二部分の内壁との間に備えられてもよい。管状保護部材とカテーテル部分との形状寸法は、第二共同構造形において、ほぼ環状で縦方向に延在するキャビティがカテーテル第一部分の外表面とカテーテル第二部分の内壁との間に形成されるようになっている。カテーテル第一部分は親水性表面を有していて、カテーテル第一部分の親水性表面を膨潤させるように、液状膨潤媒体が環状キャビティに備えられることによって、しっかりと封止された環状キャビティ内に封じ込まれたカテーテル第一部分が、その湿って膨潤した状態で1〜15年又は例えば3〜5年又はそれ以上の期間保存される。環状キャビティのしっかりした封止は、親水性及び疎水性のカテーテル表面を含むあらゆる種類のカテーテル表面に対して、キャビティ内への雑菌混入を防ぐために望まれている。従って、第二共同構造形では、伸縮式継手が、液体と汚染物質とに関する封止をカテーテル第二部分と周囲雰囲気との間に形成するように働く。
【0021】
カテーテル第二部分の遠位端部は封止シールを備えていることが好ましく、前記封止シールは液体と汚染物質の両方を封止し、また前記封止シールは取り除かれ、その結果カテーテル第二部分の遠位端部が例えば尿捕集バッグに挿入されたとき、シールが取り除かれた場所に尿のための通路が形成される。環状保護部材は、カテーテル第一部分及び第二部分が第一共同構造形にあるとき取り外し可能であることが好ましく、その結果環状保護部材が取り外されたとき、カテーテル第一部分の近位端部が露出して人の尿道への挿入の準備が整う。代案として、カテーテル第二部分の遠位端部が捕集バッグと一体に備えられることがある。例えば、カテーテル第二部分が、プラスチックの捕集バッグをカテーテル第二部分に接着で結合させるためのプラスチック溶着フランジを備えてもよい。
【0022】
他の好適な実施例によると、カテーテルは、分離はされないが屈曲可能帯域により分けられる少なくとも二つの部分を具備している。屈曲可能帯域は例えばベローズ形区域であるか、又は屈曲可能帯域は、管状部材の肉厚が薄く従って屈曲可能帯域が小さな曲げ剛性を有するところの領域であり得る。屈曲可能帯域が、カテーテル管を捻るか又は損傷することなくカテーテル管を屈曲させることができる、例えばより弾性又は可撓性のある材料で提供されることが可能である。
【0023】
一般的に、カテーテルを尿道へ導入する際の問題は、カテーテルの導入部分の大きさの問題だけではなく、導入される部分の滑りやすさにも依存している。カテーテル部分、又は尿道もしくは人工尿管への挿入に適するようにされたカテーテル部分の少なくとも一部は、容易で安全な挿入のために表面の滑り易さを備えている。しかし、潤滑された表面又は滑り易い表面は、特に器用さの低下した使用者にとっては取り扱いが難しいことがわかっている。従って、本発明の一つの目的は、滑り易い表面を提供するように処理された挿入部分と、容易に操作できる表面を提供するように処理されない他の部分とをカテーテルに備えることである。カテーテルの処理される一つの部分と処理されない一つの部分との区分は、カテーテルを折り畳み式又は分離式にする目的をもつカテーテルの前述の区分に従うことが好ましい。代替実施例によると、前記部分は、滑らかな一つの部分と粗い表面を備えた別の部分との形で提供される。
【0024】
好適な実施例によると、カテーテル部分の少なくとも一つが、カテーテルの確実な把持を容易にする把持手段を備えている。特に身体障害者にとっては、把持手段はカテーテルの価値を相当高める。把持手段は、放射状に広がる一つ以上のフランジとして、又は大きな横断外径を有する帯域として提供される。カテーテル、又はカテーテル部分の少なくとも一つは、外部ハンドルに係合するための手段も備える。例えば、管状カテーテル管の一つは、ハンドルを取り付けるためのリング形突出部を備える。リング形突出部は、カテーテルより大きな半径方向の大きさをもつプラスチックの短い管状部品として提供されることが可能で、カテーテルがプラスチックの短い管の中に挿入されて接着される。
【0025】
液状膨潤媒体で処理された親水性表面を備えた部分は、挿入のための卓越した潤滑性及び身体組織への適合性も提供する。従って、本発明の好適な更なる実施例は、カテーテル部分の少なくとも一つに親水性表面層を設ける。
【0026】
例えばカテーテル部分を一方のカテーテル部分の内側に伸縮式に配置して、例えば剥がすことが可能で任意選択的に金属蒸着されたフォイルにより一方のカテーテル部分の両端を閉じて封止することにより、カテーテル部分の一方が他方のカテーテル部分のための無菌パッケージとして使用されることが可能であり、前記フォイルは熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(即ちポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ラテックス、及び又はクラトン(Kraton)(登録商標)のような材料を含むグループ)から作られることが可能であり、その結果組立体を照射により殺菌することが可能である。
【0027】
親水性表面用の液状膨潤媒体は、低摩擦特性の始動のためにカテーテルが包装されるときに既にパッケージの中に準備されている。液状膨潤媒体は、単純に食塩水であるか、又は親水性表面を膨潤させることと表面を無菌状態で維持できる殺菌溶液であってよく、又はそれは純水でもよい。膨潤はカテーテルの包装の前に既に始動されてもよく、次にカテーテルは湿った表面の保全のためにガスをほぼ透過させないパッケージに包装される。更に、液状膨潤媒体は、挿入の直前に親水性物質を膨潤させるためにカテーテルと共に包装されたカプセル又はコンテナの中に準備されることがある。
【0028】
第二の態様によると、本発明は、人の膀胱から排液するための屈曲可能な導尿カテーテルに関係しており、該カテーテルは:
尿を排出するための第一導管を形成する内側の断面形状と大きさとを有していて、挿入端部と排出端部とを有している柔軟な細長い管と;
第一導管に導入される支持部材であって、前記細長い管を曲げる際の潰れに対して前記管を支持するように、細長い管の内側の断面形状と大きさとにほぼ等しい外側の横断形状と半径方向の大きさとを備え、且つ丸めることが可能な可撓性を有する支持部材と;を具備する。
【0029】
柔軟で細長い管は、公知の種類の普通のカテーテルの形状を有することが可能である。管又は管の少なくとも一部が、熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(即ちポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ラテックス、及び又はクラトン(Kraton)(登録商標)のような材料を含むグループ)から作られることが好ましい。
【0030】
支持部材は、例えばカテーテルを使用者の使いやすい短いパッケージに包装する目的でカテーテルが曲げられるときに潰れを防止するためにカテーテルを支持する。支持部材は、中実又は中空のどちらでもよく、中空の場合は従って第二導管を形成する。中実の支持部材は膀胱の排液の前の除去に適するようにされていて、これに対して中空の支持部材は、膀胱が第一及び第二導管を通して空にされる間に管の内部に残ることが可能である。
【0031】
支持部材は例えば細長い管の内側に接着されるか又は支持部材は管を製作する工程の間に管の中に成形されることさえある。支持部材が細長い管の中に完全に一体化されることさえある。
【0032】
支持部材は、例えばプラスチック、鉄鋼、アルミニウム、熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物のような適切な材料から作られることが可能である。例えば、支持部材は、20〜60mmの範囲であって、例えば30〜50mmの範囲、又は例えば35〜45mmの範囲の長さで提供されるコイルばねであり得る。ばねは、細長い管の内側のカテーテルを曲げることが求められる帯域、例えば細長い管の縦軸線に沿った中間地点に位置決めされる。使用中に、尿は細長い管の第一導管を通って、支持部材を通り過ぎて第二導管を通って排出される。
【0033】
好適な実施例によると、支持部材は、60〜120mmの範囲であって、例えば70〜110mmの範囲、又は例えば80〜100mmの範囲の長さで提供され、また支持部材が細長い管の排出端部から外へ延びることさえある。このことは、カテーテルの尿道への挿入過程の間に使用者が支持部材を取り除くことを可能にする。
【0034】
更に好適な実施例によると、支持部材は、カテーテルの挿入の間に支持部材を排出端部から引き抜くことを容易にするための把持手段を備える。
【0035】
第三の態様では、本発明は、人の膀胱からの排液のためのカテーテルを準備するキットを提供し、前記キットは、縦方向に延在する通路を中に形成する少なくとも二つのカテーテル部分を具備しており、前記カテーテル部分は、前記カテーテル部分の近位の第一部分を取り囲む管状保護部材とともに延在する様式で配置され、前記キットはカテーテル第一部分及び第二部分を相互に接続するための継手を更に具備していて、前記継手は、カテーテル第一部分の近位端部と管状保護部材の内壁との間に生じた、ほぼ管状で縦方向に延在するキャビティの近位端部に液体封止シールを形成し、管状保護部材は、継手及び/又はカテーテル第二部分に取り外し可能に接続され、その結果管状保護部材が取り外されたとき、カテーテル第一部分の近位端部が露出されて人の尿道の中への挿入の準備が整う。通路は、中空の管状カテーテル部分の内側、又は中実の核と尿道若しくは類似の人体の管路の壁との間に形成される。
【0036】
カテーテル第一部分及び第二部分が伸縮式に配置されるところの実施例の特徴の、本発明の第一の態様と共に前述された論述は、本発明の第三の態様のキットにも適用される。従って、本発明の第三の態様によるキットの実施例は、本発明の第一の態様によるキットの伸縮式実施例の変形形態とみなされ、その変形形態は、二つのカテーテル部分の互いに対する縦方向の移動が通常は意図されていないこと、及びただ一つの共同構造形が通常は意図されていることを含んでなる。更に、本発明の第一の態様と共に先に論じられた全ての要素及び特徴は、そのような特徴及び要素が本発明の第三の態様によるカテーテルにおいて妥当である程度まで、本発明の第三の態様によるキットに備えられる。
【0037】
特に、第三の態様によるカテーテルは、カテーテル部分が少なくとも二つの位置の間を互いに移動するのに適するように、提供される。一方の位置は、第二部分が第一部分を取り囲むところの位置であり、他方の位置は、第二部分が第一部分に対する延長部を形成するところの位置である。
【0038】
第一部分と第二部分との間の継手は、第一部分と第二部分が第一位置と第二位置との間で移動する際に前記部分の間に液体封止シールを提供する伸縮式継手であることが好ましい。例えば、第一位置と第二位置との間で第一部分が第二部分から引き出されている際に、第二部分の内壁に沿って滑動するようにされたピストンシールを第一部分が備えることが可能である。
【0039】
使用者が第一部分を身体の管路に挿入可能にするために、第一及び第二部分が第二位置にあるとき即ちカテーテルが身体の管路への挿入の準備ができている構造形にあるとき、第一部分の位置を第二部分に対してロックするための、第一及び/又はカテーテル第二部分のロック配置構造を有することが理解されるであろう。
【0040】
使用者が、カテーテルの挿入可能部分に触れることなくカテーテル第一部分をカテーテル第二部分から引き出すことを可能にするために、管状保護部材が、備えられて、カテーテル第一部分と固定係合状態で係合することが好ましい。その結果、カテーテル第一部分をカテーテル第二部分から引き出すために管状保護部材を使用することが可能になる。
【0041】
カテーテル第一部分がカテーテル第一部分から引き出されたとき、即ちカテーテル部分が、第二位置、即ちカテーテル第二部分がカテーテル第一部分に対する延長部を形成するところの位置にあるとき、管状保護部材はカテーテル第一部分から外れることが可能である。管状保護部材が取り外されたときカテーテルは、“挿入準備の整った”状態にある。
【0042】
カテーテル第二部分をカテーテル第一部分即ち挿入可能なカテーテル部分のための密封外囲器又はパッケージとして使用するために、カテーテル第一部分の遠位端部は、カテーテル部分が第一位置にある際にカテーテル第二部分の遠位端部における開口を密封するようにされて、カテーテル部分が第二位置にあるときに用意された開口を密封しないようにされることが好ましい。カテーテル部分が第二位置、即ちカテーテルの“挿入準備が整って”いる場合、第二部分の遠位端部における開口は、例えば尿等の体液をカテーテルから排出するために使用され得る。
【0043】
例えば親水性カテーテル用の水もしくは食塩水又はヒドロゲル又は同様の潤滑物質のような摩擦低減物質を例えば保持することに環状キャビティが使用されることを可能にするために、キットは、管状保護部材がカテーテル第一部分に係合しているとき、管状保護部材とカテーテル第一部分との間に密封係合を提供することが好ましい。管状保護部材がカテーテル第一部分から外されたとき、即ちカテーテルがその“挿入準備が整った状態”に達した後、環状キャビティは周囲雰囲気に開放され従ってカテーテル第一部分の挿入可能な先端を露出させて使用者が余剰の摩擦低減物質を排出することを可能にする。
【0044】
好適な実施例によると、カテーテル第一部分は親水性表面を備えており、また環状キャビティに備えられる摩擦低減物質は、例えば水又は食塩水のような液状膨潤媒体である。
【0045】
第四の態様では、本発明は、尿のための内部の細長い通路を形成する近位挿入部分と、尿が人の膀胱から内部の細長い通路に通ることを可能にするための、近位挿入部分の近位端部に近接した少なくとも一つの開口とを具備する導尿カテーテルを製造する方法を提供し、該方法は:
少なくとも近位挿入部分の形状を形成する型を準備する段階と;
射出成形により近位挿入部分を成形する段階と;
型から近位挿入部分を取り出す段階と;を含んでいる。
【0046】
プラスチック材料から作られる縦方向に延びるカテーテルは、カテーテル本体の押出し段階、熱処理によりカテーテルの丸い先端を形成する段階、切削工具を使ってカテーテルの先端近くに尿のための横に延在する通路を切削する段階、及び横に延在する通路の縁を熱処理によって丸みを付ける段階を含んだ比較的コストのかかる工程によって今までは製造されてきたのに対して、本発明の第四の態様による方法は、材料の無駄が少なくまた少ない製造段階をもつより効率的でより精密に制御可能な製造工程を可能にするという利点を有している。
【0047】
カテーテルは、近位挿入部分を別のカテーテル部分又は尿捕集バッグに接続するためのコネクタ部をさらに具備する。コネクタ部は、近位挿入部分と同じ材料から作られ、それによって、近位挿入部分を形作る段階において、近位挿入部分及びコネクタ部はほぼ同時に形作られる。代わりに、コネクタ部が近位挿入部分の材料とは異なった材料から作られてもよく、そしてコネクタ部及び近位挿入部分は、別個の工程段階、例えば多成分射出成形法で形作られてもよい。
【0048】
本発明の好適な実施例は、ここで添付図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明によるカテーテルキットを示す図である。
【図2】使用のための構造形に組み立てられた、図1のカテーテルキットを示す図である。
【図3】本発明による“スイスナイフ式”実施例を示す図である。
【図4】使用のための構造形に展開されて配置された、図3のカテーテルキットを示す図である。
【図5】補強スリーブを備えた折り畳み式カテーテルを示す図である。
【図6】展開されて使用のための構造形にある、図5のカテーテルキットを示す図である。
【図7】一つのカテーテル部分が保存のために他のカテーテル部分に挿入されその結果カテーテルパッケージの代わりになる、キットの実施例を示す図である。
【図8】挿入されたカテーテル部分がパッケージの一方の端から部分的に引き出されている、図7の実施例を示す図である。
【図9】挿入されたカテーテル部分がパッケージから完全に引き出されて次にパッケージの他方の端に取り付けられ、その結果パッケージがカテーテルの操作用のハンドルとして機能するところの、図7及び8の実施例を示す図である。
【図10】収められた伸縮式カテーテルキットを示す図である。
【図11】伸張された構造形にある、図10のカテーテルキットを示す図である。
【図12】展開されて、閉鎖と撤去の組合せキャップの撤去の後の、図10のカテーテルキットを示す図である。
【図13】図11及び12に示されるキットのための閉鎖と撤去の組合せキャップの好適な実施例を示す図である。
【図14】図11及び12に示されるキットのための閉鎖と撤去の組合せキャップの更に別の好適な実施例を示す図である。
【図15】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、本発明によるキットの実施例を示す図である。
【図16】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、本発明によるキットの実施例を示す図である。
【図17】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、本発明によるキットの実施例を示す図である。
【図18】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、本発明によるキットの実施例を示す図である。
【図19】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、更なる実施例を示す図である。
【図20】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、更なる実施例を示す図である。
【図21】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、更なる実施例を示す図である。
【図22】カテーテル部分が伸縮式様態で配置されている、更なる実施例を示す図である。
【図23】カテーテルの挿入部分を保護するように、カテーテルの遠位端部がカテーテルの挿入部分の上で丸くされるキットを示す図である。
【図24】支持部材を有する屈曲可能なカテーテルキットを示す図である。
【図25】カテーテルの取り扱いを容易にするための把持手段を備えたカテーテル部分を示す図である。
【図26】尿道の中への挿入に適するようにされたカテーテル部分の好適な断面形状を示す図である。
【図27】本発明に従う方法により作り出されたカテーテルを示す図である。
【図28】通路が中実の核と尿道のような身体の管路の壁との間に形成されるところの、カテーテル部分の実施例を示す図である。
【図29】通路が中実の核と尿道のような身体の管路の壁との間に形成されるところの、カテーテル部分の実施例を示す図である。
【図30】通路が中実の核と尿道のような身体の管路の壁との間に形成されるところの、カテーテル部分の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1を参照すると、本発明によるカテーテルキットは、尿道又は人工尿管への挿入に適するようされた第一の細長い管状カテーテル部分1と、カテーテルの操作に適するようにされた第二の細長い管状カテーテル部分2とを具備している。管状カテーテル部分は、尿を管状部材の中に排出可能にする穴4を近位端部3に備えている。粘膜を保護するために、穴は管状部材の側面に設けられることが好ましい。代わりに管状部材が先端に穴を備えてもよい。穴の縁は滑らかに丸みを付けられていること、及び少なくとも管状部材のこの部分の材料は、尿道を切るか又は傷つけないという観点で、即ち例えば柔らかくて弾力性のあるゴム材料から選択される。
【0051】
管状部材は、カテーテル部分を第二管状カテーテル部分の嵌め合い接続手段7にカテーテル部分を接続するための接続手段6を遠位端部5に備えている。第一部分及び第二部分は、熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(即ちポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ラテックス、クラトン(Kraton)(登録商標)、PTFE(テフロン(登録商標))、フルオロカーボン樹脂、シロキサン(シリコンゴム)、及び/又はフルオロカーボン樹脂のような材料を含むグループ)から作られる。
【0052】
図2は組み立てられたカテーテルを示している。カテーテル第二部分はカテーテル第一部分の引き延ばしに適するようにされており、その結果第一及び第二部分が合わさってカテーテル法を可能にするのに十分な長さを有する硬いカテーテルを形作る。第一部分の剛性は、その部分が潰れることなく尿道に挿入されることを可能にする程に十分でなければならない。第二部分、及び第二部分と第一部分との間に設けられた図1に示されるような接続部6、7は、第二部分の操作により第一部分の挿入を可能にする剛性を備えている。図1及び2で見られるように、カテーテルが、カテーテルの確実な把持と操作とを容易にするための把持手段8をもっていることが好ましい。図1及び2の実施例では、キットが無菌パッケージに包装されることが好ましい。
【0053】
図2で示されるように、キットは一つのハンドル部分と挿入に適するようにされたいくつかのカテーテル部分とを具備しているか、又はキットが代わりに、二つのパッケージに包装されてもよく、前記二つのパッケージの一方は複数の使用のためのハンドルを収容しており、また他方の分離して殺菌可能なパッケージは、挿入と一回限りの使用とに適するようにされた一つ以上の部分を収容している。前記一つ以上の部分は、例えば、回転弾倉拳銃の弾薬筒、又は弾帯に類似の態様で、即ち相互に連結されて前記部分の長い列又はチューブを形作るように包装されてもよい。
【0054】
図3は、カテーテルキットの“スイスナイフ式”実施例を示している。カテーテル第一部分10はカテーテル第二部分12のスリット11の中に折り畳まれる。カテーテル第一部分は、カテーテル第二部分にヒンジ接続部13において回転ヒンジ式に取り付けられている。
【0055】
図4は、展開された“スイスナイフ式”実施例を示している。スリット11は、カテーテル第二部分を密封するように、例えば薄いラテックスフォイルで覆われることが可能である。カテーテルが折り畳まれるとき、カテーテル第一部分はラテックスフォイルをカテーテル第二部分の中に半径方向内側に単純に折り畳む。カテーテルが展開されるとき、フォイルの弾性と僅かな初期張力とが、フォイルをスリットから外へ持ち上げることにより、尿のカテーテル第二部分を通る排出のための自由な通路を提供する。ラテックスフォイルは図3及び4には示されていない。
【0056】
図5は、カテーテルが単純に屈曲される本発明の実施例を示しており、カテーテルは、潰されるカテーテル部分16によりカテーテル第一部分14とカテーテル第二部分15とに分けられている。カテーテルは補強スリーブ17を備えている。コネクタ18は、例えば尿捕集バッグへのカテーテルの接続を可能にする。
【0057】
図6は、図5の、展開されたカテーテルを示している。スリーブ17は、今度はカテーテルの潰される部分16の周囲でカテーテルを支持するようにカテーテルに沿って配設されている。
【0058】
図7は、図7に示されていないカテーテル第一部分がカテーテル第二部分21の内側に無菌状態で包まれ、カテーテル第二部分が両端を封止キャップ又はフォイル22、23で封止されている、本発明によるカテーテルキットの実施例を示している。
【0059】
液状膨潤媒体で処理されたときにカテーテル第一部分に低摩擦表面を提供する親水性被覆で第一部分が覆われることが好ましい。前記被覆は、長期間、例えば数ヶ月の間液状膨潤媒体による活性化を持続する種類のものであることが可能である。その結果液状膨潤媒体は、すぐ使用できるカテーテルを提供するために、包装の時点からカテーテルパッケージ内に準備されることが可能である。親水性被覆はそれ自体が公知であり、例えば公開された特許出願である、国際公開第98/58988号パンフレット、国際公開第98/58989号パンフレット、国際公開第98/58990号パンフレット、又は欧州特許出願公開第0570370号明細書に見られる。この目的のために、封止キャップ若しくはフォイルは、湿気の保全と、従ってカテーテルの長期、例えば数ヶ月にわたる潤滑性とのためにガス不透過性材料で提供されることが好ましい。例として、カテーテル第二部分及び/又は封止キャップは熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(即ちポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ラテックス、及び/又はクラトン(登録商標)のような材料を含むグループ)から作られる。キャップは、十分なガス不透過性を可能にする厚さを備えている。代わりに、キャップが金属蒸着フォイルから作られてもよい。
【0060】
図8で見られるように、カテーテル第一部分は、カテーテル第一部分の遠位端部に係合しているキャップ若しくはフォイル23を引くことによりカテーテル第二部分から簡単に引き出される。
【0061】
図9はカテーテル第一部分がカテーテル第二部分に取り付けられた後の組み立てられたカテーテルを示している。フォイルもしくはキャップ23は、図9に示されるように完全に取り外されるか又はカテーテル第二部分の接続手段24により少なくとも貫通されることが可能である。
【0062】
図10は、カテーテル第一部分及び第二部分が伸縮式に接続されているカテーテルキットの実施例を示している。カテーテル第一部分は、カテーテル第二部分26の内部に無菌状態で包まれている。カテーテル第二部分は、第一封止蓋27及び第二封止蓋28とによって封止されている。使用に先立って、第一封止蓋は取り除かれる。カテーテル第一部分が親水性表面層を備えていて、該カテーテル部分が液状膨潤媒体と共に包装されている場合、液状膨潤媒体は第一封止蓋によって開口された通路を通って空にされる。図11で最もよく見られるように、第二封止蓋は、カテーテル第一部分の簡単な引き抜きのためにカテーテル第一部分30に係合している。カテーテル第一部分が完全に引き出されたとき、カテーテル第一部分の遠位端部はカテーテル第二部分の近位端部に接続帯域31で係合し、また第二封止蓋はカテーテル第一部分から容易に外される。そしてカテーテルは使用のための形態になる。
【0063】
図13は、第二封止蓋28の別の実施例を示しており、その実施例では蓋は、図12に示された穴32と係合するのに適するようにされた、内部の、半径方向内側に延びた突起33を備えている。
【0064】
図14は、第二封止蓋28の別の実施例を示しており、その実施例では、第二封止蓋の取り外しの際における、カテーテル第一部分のカテーテル第二部分からの簡単な引出しのために、可撓性グリップフランジ34が、カテーテル第一部分の近位(挿入)端部を軽く把持している。
【0065】
図10〜14で開示されたカテーテルキットの伸縮式実施例は、カテーテル第二部分の内径がカテーテル第一部分の外径より僅かに大であるように提供されることが好ましい。このことは、例えば、カテーテル第一部分が親水性表面被覆で被覆されている場合に、カテーテル第一部分をカテーテル第二部分から滑り出させるときに被覆をこすることがないので有利である。他方では、カテーテル第一部分とカテーテル第二部分とがしっかり係合するところの接続帯域を提供することが重要な側面である。それにより、第一部分の挿入と方向付けとが、伸縮接続における第一及び第二部分相互の滑動なしで単に第二部分の操作だけで可能になる。カテーテル第一部分が第二部分から滑り出ないことを保証することが更に重要であり、滑り出る場合にはカテーテル第一部分が尿道の中へ消えることがある。このために、カテーテル第一部分の遠位端部(挿入端部の反対側)は、半径方向外側に広がるフランジを備えて、カテーテル第一部分がカテーテル第二部分から滑り出ることを防ぐ。
【0066】
図15〜18は、第一及び第二部分42,44が伸縮式に相互接続されているカテーテルキットの第二実施例を示している。管状保護部材46が、カテーテル第一部分42の一部を取り囲んで、カテーテル第一部分の周囲にほぼ環状のキャビティ48を形成している。図16に示される第二の共同構造形では、キットは保管及び出荷を意図されており、カテーテル第一部分42と管状保護部材46とができる限りカテーテル第二部分44の中へ挿入されている。例えば水のような親水性膨潤媒体がキャビティ48内に準備されることがあり、その結果カテーテル第一部分48の表面に任意選択的に備えられた親水性表面被覆が、その膨潤、つまり濡れた状態で保管される。親水性表面被覆の乾燥を防ぐために、十分な親水性膨潤媒体がキャビティ48の中に存在する。液体封止シール50がカテーテル第一部分42の遠位端部に備えられる。液体封止閉鎖部材52がカテーテル第二部分44の遠位端部を閉じる。一つの実施例では、閉鎖部材52が取り外されたとき、カテーテル第二部分44とカテーテル第二部分44の遠位端部に装着される尿捕集バッグ又は尿を蓄積して運ぶための他のデバイスとの間に通路が準備されるように閉鎖部材52は取り外し可能である。他の実施例では、閉鎖部材52はカテーテル第二部分44の一体化された一部であり、その場合には、カテーテル第二部分44と、カテーテル第二部分44の遠位端部に装着される尿捕集バッグ又は尿を蓄積して運ぶ他のデバイスとの間に通路を準備するために閉鎖部材52の壁53は穿孔される。更に他の実施例では、閉鎖部材52は、穿孔される端壁、例えば放射状に延びたリブ又はスポークを使ってカテーテル第二部分44の遠位端部でその外壁に接続された中央プレートから作られた壁によって置き換えられ得る。そのような実施例では、カテーテル第一部分42及びシール50は単一で一体の部品として形作られる。
【0067】
図16で示されるように、カテーテル第二部分44の外壁はハンドルを形作り、また管状保護部材46は、それがハンドルの近位端部でハンドルから外へ延びるように配置されている。使用者によるカテーテル第一部分42と管状保護部材46とのハンドル若しくはカテーテル第二部分44からの抜き出しを容易にするように、管状保護部材46はその近位端部にフランジを形作っている。抜き出されたとき、管状保護部材46及び従ってそれに囲まれているカテーテル第一部分42は、図17で示されるようにハンドル若しくはカテーテル第二部分44の延長として延びる。図15,17、及び18を参照すると、管状保護部材46の遠位端部における凸部47が、管状保護部材46をシール50に解放可能なように固定している。シール50と管状保護部材46とが図17に示される完全引出し位置に達したならスナップ作用によってシール50がカテーテル第二部分44の近位端部に係合するようにシール50は作られている。図15に示される例では、シール50は溝51を有しており、前記溝51は、図17及び18に示される引出し位置では、カテーテル第二部分44の近位端部でフランジ45に係合する。カテーテルの使用の直前に、管状保護部材46は取り除かれ、その結果カテーテル第一部分42が図18に示されるように露出される。
【0068】
図19〜22は、カテーテル部分が伸縮式様態で配置されたカテーテルキットの更なる実施例を示している。図22の分解図に示されるように、キットは以下の部品を具備している。その部品とは、カテーテル第一部分62、一つ以上の内側フランジ部65を有するカテーテル第二部分64、突出部67を有するガイド部材66、カラー部70とガイド部材66のためのスリット71とを有する継手69、並びに遠位閉鎖部材72及び近位閉鎖部材73である。キットは、カテーテル第二部分がカテーテル第一部分62とガイド部材66とを取り囲んでいる、図19で示される構造形で保管及び出荷される。カテーテルの使用の前に、図20に示されるように、遠位閉鎖部材72は取り除かれてガイド部材66は引き出される。ガイド部材66は可能な限り、即ち突出部67がその弾性に起因して継手69のスリット71に設けられたそれぞれの溝(非図示)に係合するまで引き出される(図22参照)。継手69は、カテーテル第二部分64の内側フランジ部65によってカテーテル第二部分からの滑り出しから守られる。近位閉鎖部材73も取り除かれる。次にガイド部材66はカテーテル第二部分64の中へ押し戻される。ガイド部材が、カテーテル第一部分の遠位端部にしっかり接続されている継手に係合するとき、継手69及びカテーテル第一部分62は、ガイド部材66がカテーテル第二部分62の中に押し込まれるのでカテーテル第二部分64の遠位端部から押し出される。継手69のカラー部70が、カテーテル第二部分64の近位端部に設けられた内側フランジ若しくは突出部に係合するとき、キットは使用準備が整って、カテーテル第一部分62は人の尿道に導入できる。尿を蓄積して運ぶための尿捕集バッグ又は他の手段が、カテーテル第二部分64の近位端部に取り付けられる。
【0069】
図23は、第一近位カテーテル部分を取り囲むカテーテル第二部分が裏返しにされることが可能でそれによりカテーテル第二部分がカテーテル第一部分を使用前に保護するところのカテーテルキットの実施例を示している。密封フォイル又はキャップを両端に準備することにより、カテーテル第一部分は第二部分の内側で無菌状態をさらに維持できる。使用前に、カテーテル第二部分は巻くか又は丸めることにより裏返しにされ、それによってカテーテルは使用形態にされる。
【0070】
図24を参照すると、本発明の一つの態様が屈曲可能なカテーテルに関係している。該カテーテルは、例えば、熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂若しくはエラストマー、又はそれらの混合物(即ちポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ラテックス、クラトン(登録商標)、PTFE(テフロン(登録商標))、フルオロカーボン樹脂、シロキサン(シリコンゴム)、及び/又はフルオロカーボン樹脂のような材料を含むグループ)から少なくとも部分的に作られた、例えば柔らかくて可撓性のあるプラスチックホース35として準備される。カテーテルは、カテーテルを屈曲可能にする帯域36を備えている。該帯域は例えばカテーテルのベローズ形部分として形作られてよい。カテーテルが比較的長い場合で、カテーテルのかなり長い部分が尿道の中に挿入されなければならない男性の使用者にとっては普通にある場合は、屈曲可能な帯域を有していて、前記帯域を尿道に挿入できるほど外側が滑らかなカテーテルを準備することは有利である。この目的のために、本発明は、少なくとも屈曲可能な帯域の中に挿入される支持部材を有するカテーテルに関係する。支持部材は、尿を排出するための導管を備える一つの細長いコイルばねである。前記ばねは、カテーテルが潰れないようにカテーテルに対する支持を容易に提供する。ばねは、カテーテルホースの内径にできる限り近い外径を備えるべきである。一つの例として、支持部材が、曲がるようにされた帯域内でカテーテルの内側に接着された一つの小さなばねとして提供されてよい。他の例として、支持部材が、カテーテルの遠位端部(挿入端部の反対側)におけるカテーテルの開口を通って延びる長いばね37として提供されてもよい。その結果支持部材は、カテーテルの尿道への挿入前に又はちょうど同時に取り除くことができる。このために支持部材はハンドル38を備えることがある。
【0071】
図25は、カテーテルの容易な操作のためのハンドル40を示している。このハンドルは、特に障害を有するカテーテルの使用者、例えば器用さの低下した人々に非常に重宝される。
【0072】
図26は、カテーテルの挿入可能部分の好適な断面形状を示している。挿入部分が楕円の断面形状を有しているので、(図26に示される)x軸周りの曲げ剛性はy軸周りの曲げ剛性と異なる。y軸周りの相対的に小さな曲げ剛性は、カテーテルが一方向へ曲がる能力を高め、その結果前立腺を過ぎたカテーテルの挿入を容易にする。x軸周りの相対的に大きな曲げ剛性は、カテーテルの全体的な剛性を高め、その結果挿入されていないカテーテルの部分からカテーテルの挿入部分を操作することを容易にする。
【0073】
図27は、本発明による方法によって製造されたカテーテルを示しており、前記カテーテルは近位カテーテル部分60を有していて、前記近位カテーテル部分60の少なくとも一部は人の尿道への挿入に適するようにされている。カテーテル部分60は一つ以上の横通路62を形作っており、カテーテル部分60の近位端部が膀胱に挿入されると、前記一つ以上の横通路62を通して尿が流れる。カテーテル部分60は、該カテーテル部分60が尿道の皮膜を傷つけることなく挿入され得ることを保証するように、丸くなった近位先端64を更に備えている。カテーテル部分60は射出成形によって単一の部品に形作られる。コネクタ部66がカテーテル部分60と一体に同じ成形工程の間に形作られる。コネクタ部66は、ハンドル部分又は尿バッグへのカテーテル部分の接続に適するようにされている。
【0074】
図28は、中実の核281を具備するカテーテル又はカテーテル部分の実施例の斜視図を示しており、前記核281は、その全長に沿って核から放射状に延びる一つ以上の羽根282をもっている。羽根は従って、核と、身体の排出通路、例えば尿道との間で尿を排出するためのいくつかの排出通路283を形成する。中実の核と尿道壁との間に形成された通路を使うことの利点は、体液の流れが、尿道をきれいにし、その結果感染症のリスクを低減させることである。
【0075】
図29は、図28に示されたカテーテル部分の側面図である。図30は、図28及び29に示されたカテーテルの平面図である。図30は何枚かの羽根282に接続された中実部分281を示している。羽根は、いくつかのスポーク301を介してコネクタ302にやはり接続されている。いくつかの開口303が、中実のカテーテル部分281とコネクタ302との間に形作られている。通路が、中空の本体の内側ではなく、中実の核と人体の導管の壁との間に形成されることを除けば、図28〜30のカテーテル部分は図15のカテーテル部分42に一致する。開口303は、図15のカテーテル部分の穿孔に相当する。開口は、摩擦低減物質がカテーテル第一部分とカテーテル第二部分との間に形成されたキャビティ48(図15参照)から排出されることを可能にするために設けられている。乱流を生じさせることなく又流体を拡散させることなく流体がスポークを通って排出可能になるように、スポーク301は、流体の動的態様を当然考慮して形作られることが好ましい。最も長い辺が流れの方向に配置された菱形の断面形状を持つスポークは、該スポークを通る乱れのほとんどない流れを持続させる。
【符号の説明】
【0076】
1 カテーテル第1部分
2 カテーテル第2部分
3 近位端部
4 穴
5 遠位端部
6 接続手段
7 接続手段
8 把持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔からの排液のためのカテーテルを準備するためのキットであって、該キットが、通路を中に形成する少なくとも二つのカテーテル部分を具備しており、該少なくとも二つのカテーテル部分が、第一共同構造形と第二共同構造形とに配置されるようにされていて、前記第一共同構造形において、通路が一つの通路になるように接合されて、少なくとも二つのカテーテル部分が、各個々のカテーテル部分の長さより長いカテーテルであってカテーテル部分のうちの少なくとも一つの操作によってカテーテルが操作可能になるような剛性を有するカテーテルを共同して構成し、前記第二共同構造形において、キットが、カテーテル部分が第一共同構造形に配置されているときよりも短いものである、体腔からの排液のためのカテーテルを準備するためのキット。
【請求項2】
カテーテル部分の少なくとも二つが、一つの管状部材に含まれて、前記カテーテル部分が管状部材の構造的遷移により分けられるところの、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
少なくとも一つの構造的遷移が、カテーテルの隣接する二つの部分の間に屈曲可能な帯域を形成するところの、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
屈曲可能な帯域が、管状部材の一部により形成され、前記管状部材の一部が、管状部材の他の部分とは異なる曲げ剛性を有するところの、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
屈曲可能な帯域が、管状部材のベローズ形部分により形成されるところの、請求項3又は4に記載のキット。
【請求項6】
第一共同構造形において、カテーテルの屈曲可能な帯域を支持するための移動可能な補強スリーブを更に具備する、請求項3〜5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
補強スリーブが管状部材を取り囲むように配置されるところの、請求項6に記載のキット。
【請求項8】
補強スリーブが管状部材の内側に配置されるところの、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
一つのカテーテル部分が他の一つ以上のカテーテル部分の周囲で包まれることを可能にするように、少なくとも一つの構造的遷移が、一つのカテーテル部分の内側が裏返しにされることをできるようにする、請求項2に記載のキット。
【請求項10】
少なくとも二つのカテーテル部分が、接続手段により接合される一対の別個のカテーテル部分に分けられるところの、請求項1〜9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
接続手段が、カテーテル部分の中の少なくとも一つの操作を他のカテーテル部分の中の一つの操作により可能にさせる剛性を備えるところの、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
接続手段が回転継手を形成するところの、請求項10又は11に記載のキット。
【請求項13】
接続手段が伸縮式継手を形成するところの、請求項10〜12のいずれか一項に記載のキット。
【請求項14】
カテーテル部分の第一部分の少なくとも一部が、第二共同構造形の際にカテーテル部分の第二部分に取り囲まれるところの、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
カテーテル第一部分の近位端部が、人の尿道に挿入されることが意図されており、また第二共同構造形の際に、カテーテル第一部分の少なくとも近位端部が管状保護部材により取り囲まれる、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
伸縮式継手が、カテーテル第一部分の近位端部と管状保護部材の内壁との間に生じるほぼ環状で縦方向に延在するキャビティの近位端に液体封止シールを形成するところの、請求項13〜15のいずれか一項に記載のキット。
【請求項17】
親水性カテーテル表面のための液状膨潤媒体が前記環状キャビティ内に備えられるところの、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
第二共同構造形において、伸縮式継手がカテーテル第二部分と周囲雰囲気との間に液体封止シールを形成するところの、請求項13〜17のいずれか一項に記載のキット。
【請求項19】
カテーテル第一部分及び第二部分が第一共同位置にあるにあるとき管状保護部材が取り外し可能であり、その結果、管状保護部材が取り外されたときカテーテル第一部分の近位端部が、露出されて人の尿道への挿入の準備が整うところの、請求項13〜18のいずれか一項に記載のキット。
【請求項20】
カテーテル第二部分の遠位端部が取り外し可能な液体封止シールを備えるところの、請求項13〜19のいずれか一項に記載のキット。
【請求項21】
カテーテル第二部分の遠位端部から引き出され得るガイド部材が、カテーテル第一部分をカテーテル第二部分の遠位端部から押出すために備えられるところの、請求項13又は14に記載のキット。
【請求項22】
伸縮式継手がカテーテル第一部分の遠位端部に固く接続されるところの、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
ガイド部材がカテーテル第二部分の遠位端部から引き出されたときにガイド部材の近位端が前記継手に係合するように、ガイド部材の近位端が作られているところの、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
カテーテル第二部分の遠位端部のための閉鎖具を更に具備するところの、請求項21〜23のいずれか一項に記載のキット。
【請求項25】
カテーテル第二部分の近位端部のための閉鎖具を更に具備するところの、請求項21〜24のいずれか一項に記載のキット。
【請求項26】
カテーテル部分の少なくとも一つが、カテーテル部分の少なくとも一つの表面の少なくとも一部に親水性表面を備え、前記親水性表面が、カテーテルの使用前に液状膨潤媒体を使った処理によりカテーテルの前記一部に低摩擦特性を提供することが意図されているところの、請求項1〜25のいずれか一項に記載のキット。
【請求項27】
カテーテル部分の少なくとも一つが、0.5mm2〜30mm2の範囲であって、例えば2mm2〜26mm2の範囲の、例えば5mm2〜22mm2の範囲の、例えば10mm2〜16mm2の範囲の、例えば12mm2〜14mm2の範囲の、又は例えば13mm2の大きさの流路断面積をもつ管を形作るところの、請求項1〜26のいずれか一項に記載のキット。
【請求項28】
カテーテル部分の少なくとも一つが、0.2〜1.5mmの範囲であって、例えば0.3〜1.4mmの範囲、例えば0.4〜1.3mmの範囲、例えば0.5〜1.2mmの範囲、例えば0.6〜1.1mmの範囲、例えば0.7〜1.0mmの範囲、又は例えば0.8〜0.9mmの範囲の水力半径をもつ管を形作るところの、請求項1〜27のいずれか一項に記載のキット。
【請求項29】
カテーテル部分の少なくとも一つが、ほぼ円形の断面形を持つ管を形作るところの、請求項1〜28のいずれか一項に記載のキット。
【請求項30】
カテーテル部分の少なくとも一つが、ほぼ非円形の断面形を持つ管を形作るところの、請求項1〜29のいずれか一項に記載のキット。
【請求項31】
カテーテル部分の少なくとも一つが、50〜90mmの範囲の長さであって、例えば55〜85mmの範囲の、例えば60〜80mmの範囲の、又は例えば70mmの長さで準備されるところの、請求項1〜30のいずれか一項に記載のキット。
【請求項32】
カテーテル部分の少なくとも一つが、180〜250mmの範囲の長さであって、例えば190〜240mmの範囲の、例えば200〜230mmの範囲の、又は例えば220mmの大きさの長さで準備されるところの、請求項1〜31のいずれか一項に記載のキット。
【請求項33】
カテーテル部分の少なくとも一つが、カテーテルの使用中に把持を容易にするためのグリップ帯を備えるところの、請求項1〜32のいずれか一項に記載のキット。
【請求項34】
グリップ帯がほぼ半径方向に延在するところの、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
カテーテル部分が、第二共同構造形でパッケージ内に配置されるところの、請求項1〜34のいずれか一項に記載のキット。
【請求項36】
パッケージがカテーテル部分の少なくとも一つにより少なくとも部分的に形成されるところの、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
パッケージが、親水性表面部分の処理に対して十分な量の液状膨潤媒体を含んで、前記表面部分に低摩擦表面を提供するところの、請求項35又は36に記載のキット。
【請求項38】
カテーテル部分のパッケージへの配置の前、又は間中、又は後に、低摩擦表面特性の活性化のために液状膨潤媒体が親水性表面との接触に持ち込まれて、カテーテルの使用準備が整うところの、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
カテーテル部分の少なくとも一つが、潤滑剤で被覆されるところの、請求項1〜38のいずれか一項に記載のキット。
【請求項40】
キットのカテーテル部分の少なくとも一つを被覆するための潤滑剤を更に含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項41】
パッケージが潤滑剤を含むところの、請求項35〜40のいずれか一項に記載のキット。
【請求項42】
体液を排出するための屈曲可能なカテーテルであって:
尿を排出するための第一導管を形成する内部断面形状と大きさとをもっていて、挿入端と排出端とを有している可撓性の細長い管と;
前記管の屈曲中の潰れに対抗して前記管を支持するように第一導管の中に導入されていて、曲がることを可能にする可撓性を有している支持部材と;を具備する屈曲可能なカテーテル。
【請求項43】
支持部材が、前記細長い管の内側横断面の形状と大きさとにほぼ等しい外側横断面の形状と径方向の大きさとを備えているところの、請求項42に記載のカテーテル。
【請求項44】
支持部材が、中空であり又尿を支持部材を通って排出するための第二導管を形成するところの、請求項42又は43に記載のカテーテル。
【請求項45】
支持部材が、20〜60mmの範囲の長さであって、例えば30〜50mmの範囲の、又は例えば35〜45mmの範囲の長さで備えられるところの、請求項42〜44のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項46】
支持部材が、60〜120mmの範囲の長さであって、例えば70〜110mmの範囲の、又は例えば80〜100mmの範囲の長さで備えられるところの、請求項42〜44のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項47】
支持部材が、細長い管の長さの少なくとも半分の範囲にある長さで備えられるところの、請求項42〜46のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項48】
支持部材が細長い管の排出端から外へ延びているところの、請求項42〜47のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項49】
支持部材が、カテーテルの挿入の間に支持部材を排出端から引き出すことを容易にするための把持手段を備えるところの、請求項48に記載のカテーテル。
【請求項50】
支持部材が、細長い管に一体化された部分であるところの、請求項42〜48のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項51】
支持部材がばねであるところの、請求項42〜50のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項52】
支持部材が、外科用の、鉄鋼、アルミニウム、チタン、熱可塑性エラストマー材料、他の熱可塑性材料、硬化性エラストマー材料、ポリアミド樹脂、エラストマー、及びそれらの混合物を含むグループから選択された材料から作られるところの、請求項42〜51のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項53】
請求項42〜52に記載の屈曲可能なカテーテルと共に使用される支持部材。
【請求項54】
人の膀胱から排液するためのカテーテルを準備するためのキットであって、該キットが少なくとも二つのカテーテル部分を具備しており、該カテーテル部分がその中に縦に延在する通路を形成していて、該カテーテル部分が、該カテーテル部分の近位の第一部分を取り囲む管状保護部材と共に延在する方式で配置されていて、キットがカテーテル第一部分及び第二部分を相互接続するための継手を具備していて、継手が、液体をほぼ封止するシールをカテーテル第一部分の近位端部と管状保護部材の内壁との間に生じるほぼ環状で縦方向に延在するキャビティの遠位端に形成していて、管状保護部材が継手及び/又はカテーテル第二部分に取り外し可能に結合されており、その結果、管状保護部材が取り外されたときカテーテル第一部分の近位端部が露出されて人の尿道の中への挿入の準備が整う、カテーテルを準備するためのキット。
【請求項55】
カテーテル部分が、少なくとも二つの位置の間で互いに対して移動されるようにされており、またカテーテル第二部分が、カテーテル第一部分に対する第一位置において、カテーテル第一部分を取り囲み、カテーテル第一部分に対する第二位置において、カテーテル第一部分に対する延長部を形成するところの、請求項54に記載のキット。
【請求項56】
継手が、カテーテル部分が第一位置と第二位置との間で移動される最中にカテーテル第一部分とカテーテル第二部分との間に液体封止シールを提供する伸縮式継手であるところの、請求項55に記載のキット。
【請求項57】
カテーテル第一部分及び第二部分が、互いに対して第二位置にあるときに、カテーテル第一部分の位置をカテーテル第二部分に対して固定するための協働ロック手段を備えるところの、請求項55又は56に記載のキット。
【請求項58】
管状保護部材が取り外されたとき、伸縮式継手がカテーテル第二部分と周囲雰囲気との間に液体封止シールを形成するところの、請求項56又は57に記載のキット。
【請求項59】
カテーテル第二部分の遠位端部が取り外し可能な液体封止シールを備えるところの、請求項54〜58のいずれか一項に記載のキット。
【請求項60】
カテーテル第一部分が管状保護部材を介して第一位置と第二位置との間を移動されることが可能になるように、管状保護部材がカテーテル第一部分に係合しているところの、請求項55〜59のいずれか一項に記載のキット。
【請求項61】
カテーテル第一部分が第二位置に達したときに、管状保護部材がカテーテル第一部分から外されるようにされているところの、請求項55〜60のいずれか一項に記載のキット。
【請求項62】
カテーテル第一部分が第一位置にある間に、カテーテル第一部分の遠位端部がカテーテル第二部分の遠位端部の開口を封止するところの、請求項55〜61のいずれか一項に記載のキット。
【請求項63】
管状保護部材がカテーテル第一部分に係合している場合に、管状保護部材とカテーテル第一部分との間の密封係合によって環状キャビティが一方の端部において封止されるところの、請求項62に記載のキット。
【請求項64】
管状保護部材がカテーテル第一部分を外すとき、環状キャビティが周囲雰囲気に開放されるところの、請求項62又は63に記載のキット。
【請求項65】
カテーテルが親水性表面を有していて、液状膨潤媒体が環状キャビティ内に準備されるところの、請求項54〜64のいずれか一項に記載のキット。
【請求項66】
尿のための内部の細長い通路を形成する近位挿入部分と、尿が人の膀胱から内部の細長い通路の中に通ることを可能にするための、近位挿入部分の近位端部に近接する少なくとも一つの開口とを具備するカテーテルの製造方法であって:
少なくとも近位挿入部分の形状を形成する型を準備する段階と;
近位挿入部分を射出成形によって成形する段階と;
近位挿入部分を型から取り出す段階と;を含んでなるカテーテルの製造方法。
【請求項67】
近位挿入部分を更に別のカテーテル部分に、又は体液を捕集するための捕集バッグに接続するためのコネクタ部をカテーテルがさらに具備するところの、請求項66に記載のカテーテルの製造方法。
【請求項68】
コネクタ部が近位挿入部分と同一の材料から作られるところの、請求項67に記載のカテーテルの製造方法。
【請求項69】
コネクタ部が近位挿入部分の材料とは異なる材料から作られるところの、請求項66又は67に記載のカテーテルの製造方法。
【請求項70】
コネクタ部と近位挿入部分とが別個の工程段階で形作られるところの、請求項66〜69のいずれか一項に記載のカテーテルの製造方法。
【請求項71】
近位挿入部分とコネクタ部とが多成分射出成形法で成形されるところの、請求項70に記載のカテーテルの製造方法。
【請求項72】
近位挿入部分を成形する前記段階において、近位挿入部分とコネクタ部とがほぼ同時に成形されるところの、請求項66〜68のいずれか一項に記載のカテーテルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−101219(P2009−101219A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30527(P2009−30527)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【分割の表示】特願2003−508417(P2003−508417)の分割
【原出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】