説明

カプセル内視鏡用検査装置及びこのカプセル内視鏡用検査装置を用いたカプセル内視鏡システム

【課題】体腔内の観察及び検査等を行う事前に、カプセル内視鏡の動作確認を行うことのできるカプセル内視鏡用検査装置及びこのカプセル内視鏡検査装置を用いたカプセル内視鏡システムを提供する。
【解決手段】本発明のカプセル内視鏡用検査装置2は、無線方式により電源部4からの電力をカプセル内視鏡3の受電アンテナ8及び受電部9に送電するための送電アンテナ7と、この送電アンテナ7を駆動するための駆動部6と、この駆動部6を制御する制御部5と、を有し、この駆動部6を制御して前記送電アンテナ7から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡3の受電アンテナ8及び受電部9に受電させることで前記カプセル内視鏡3の動作確認を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル内視鏡の動作確認を行うためのカプセル内視鏡用検査装置及びこのカプセル内視鏡用検査装置を用いたカプセル内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、先端に撮像素子等を備えた管状の細長な挿入部と、この挿入部に連接される操作部とを有する内視鏡、及び前記内視鏡に接続される画像処理装置及び表示装置等を有し、前記挿入部を被験者の体腔内へと挿入し、体腔内を撮像することにより所望の部位を観察及び検査し得る内視鏡装置が実用化されている。
【0003】
このような内視鏡装置の前記内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部の太さや長さに制約があることから、術者が観察や検査等を行い得る範囲には限界があった。
そこで、こうした事情に鑑みて、例えば錠剤カプセル形状の外装筐体の内部に撮影光学系を有する撮像素子を内蔵した超小型のカプセル内視鏡が近年開発されている。
前記カプセル内視鏡は、このカプセル内視鏡を被験者が嚥下する等の手段によって体腔内に導入され、例えば腸の蠕動運動により体腔内を進行して、前記体腔内の臓器の患部等を前記撮像素子により撮影し、その内視鏡画像をメモリに記憶する、又は無線にて対外の受信機へ送信するように構成されている。
【0004】
そして、前記カプセル内視鏡では、このカプセル内視鏡で撮像した内視鏡画像を、無線通信の場合には体外で受信することにより、また、前記メモリに記憶する場合には体内から排出された前記カプセル内視鏡のメモリを取り出すことにより、術者は容易に内視鏡画像を観察することができるので、体腔内の観察や検査等を容易に行うことができる。
このように、体腔内の検査に前記カプセル内視鏡を用いれば、従来の細長な挿入部を有する内視鏡では観察及び検査等を行うのが困難であった、例えば小腸等の臓器の観察及び検査等も比較的容易に行うことができる。
【0005】
ところで、前記カプセル内視鏡の動力源としては、前記カプセル内視鏡に内蔵された電池を用いるものが一般的であるが、この電池の寿命切れを解消するための方法が検討されている。その方法の一つとして考えられるのが無線方式によりカプセル内視鏡に対して電力を給電する給電方法である。
【0006】
この無線方式による給電方法の場合、体外に設けられた送電システムから前記カプセル内視鏡に対して電力を送信するため、この送電システムの電源をコンセントから取ることにより永久に使用可能となる。また、この送電システムが電池駆動であった場合でも、電池を交換することにより半永久的に使用可能となる。
【0007】
このような無線方式による給電方法は、後述するような形態で行われるのが一般的である。例えば、体外に位置する前記送電システムは、この送電システム内の制御回路と駆動回路により、前記送電システム内に有する送電アンテナを駆動して交流磁界を発生する。この発生した交流磁界は、体内に導入されたカプセル内視鏡に到達する。
【0008】
体内に導入されている前記カプセル内視鏡には、内部に、受電アンテナと、整流回路及び平滑化回路からなる受電回路とが設けられている。このようなカプセル内視鏡では、内部の受電アンテナに対して、交流磁界によって発生した磁束が鎖交することで前記受電アンテナの両端に電力を発生し、この発生した電力を整流、平滑化することにより、前記カプセル内視鏡の動力源となる電力が得られる。
【0009】
例えば、特許文献1には、体内を照明する照明手段と、この照明手段によって照明された体内を撮像する撮像手段と、この撮像手段による画像信号を体外に無線送信する送信アンテナと、体外から送電された電力を受電する受電コイルとを有するカプセル内視鏡が開示されている。
【0010】
具体的には、前記特許文献1により開示された前記カプセル内視鏡は、透明カバーを通して観察される被検物を対物光学系、撮像手段を介して撮像する。この撮像手段で光電変換された電気信号は、信号処理部により画像信号に変換され、変調・送信アンプで変調・増幅されて送信信号となる。この送信信号は、送信アンテナ部から体外に向けて電波として送信される。
【0011】
また、前記カプセル内視鏡は、受電コイルを有している。ここで、前記したような体外に位置する送電システムの送電アンテナを駆動することで、交流磁界を発生すると、その交流磁界は体内へ導入された前記カプセル内視鏡へ到達する。そして、この交流磁界によって発生した磁束が前記受電コイルに作用することによって、この受電コイルの両端に電力を発生し、この発生した電力を整流、平滑化することによって前記カプセル内視鏡の動力源となる電力を得ている。したがって、体外から電力を無線方式で供給することにより、必要なときに前記カプセル内視鏡に電力を供給することができる。
【特許文献1】特開2001−224551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記特許文献1に開示されているような、体外から電力が無線方式で供給されるカプセル内視鏡を有する従来のカプセル内視鏡システムにおいては、無線方式により電力を供給しない限り、前記カプセル内視鏡が動作することはない。すなわち、前記カプセル内視鏡自体に電源を持ち合わせていないため、単独で動作することは不可能である。
【0013】
そのため、被験者が前記カプセル内視鏡を使用する場合、そのカプセル内視鏡は正常に動作するものでなければならない。なぜなら、正常に動作しないカプセル内視鏡を飲み込んだ場合には、再度カプセル内視鏡を飲み込む必要が生じ、場合によっては検査日を改める必要が発生したり、被験者に対して負担を強いることになってしまう。
【0014】
したがって、術者が前記カプセル内視鏡を使用して体腔内の観察及び検査等を行う事前に、前記カプセル内視鏡が正常に動作するか否かなどの動作確認を行えるようにすることが望まれている。
【0015】
しかしながら、前記特許文献1に示すような、体外から電力が無線方式で供給されるカプセル内視鏡を有する従来のカプセル内視鏡システムでは、体腔内の観察及び検査等を行う事前に前記カプセル内視鏡が正常に動作するか否か等の動作確認を検査する手段及び方法については何等開示も示唆もされてない。
【0016】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、体腔内の観察及び検査等を行う事前に、カプセル内視鏡の動作確認を行うことのできるカプセル内視鏡用検査装置及びこのカプセル内視鏡検査装置を用いたカプセル内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のカプセル内視鏡用検査装置は、無線方式により電源からの電力をカプセル内視鏡の受電部に送電するための送電部と、前記送電部を駆動するための駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を有し、前記駆動部を制御して前記送電部から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させることで、前記カプセル内視鏡の動作確認を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明のカプセル内視鏡システムは、無線方式により送電された電力を受電するための受電部と、体内に光を照射するための照明部と、前記体内の画像を撮像するための撮像部と、前記撮像部により撮像した画像の画像信号を送信するための送信部と、前記受電部、前記照明部、前記撮像部及び前記送信部を制御する制御部と、を備えたカプセル内視鏡と、無線方式により電源からの電力を前記カプセル内視鏡の受電部に送電するための送電部と、前記送電部を駆動するための駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を有し、前記駆動部を制御して前記送電部から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させることで、前記カプセル内視鏡の動作確認を行うカプセル内視鏡用検査装置と、を有している。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、体腔内の観察及び検査等を行う事前に、カプセル内視鏡の動作確認を行うことのできるカプセル内視鏡用検査装置及びこのカプセル内視鏡検査装置を用いたカプセル内視鏡システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1から図5は本発明に係るカプセル内視鏡用検査装置の第1の実施の形態を示し、図1はカプセル内視鏡用検査装置を有するカプセル内視鏡システムの概略構成を示すブロック図、図2は図1のカプセル内視鏡用検査装置の作用を説明するための説明図、図3は図2のカプセル内視鏡用検査装置の変形例を示す説明図、図4はカプセル内視鏡が収容される収容ケースの構成例を示す分解斜視図、図5は使用する際にカプセル内視鏡が収容された収容ケースの蓋部を外す状態を示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、第1の実施の形態のカプセル内視鏡システム1は、カプセル内視鏡用検査装置2と、カプセル内視鏡3とを有して構成されている。
前記カプセル内視鏡用検査装置2は、体腔内の観察及び検査等を行う事前に、前記カプセル内視鏡3の動作確認を行うための簡易型の検査装置である。このカプセル内視鏡用検査装置2は、主に外観を構成する本体2aと、スイッチ2bと、電源部4と、電力信号を発生するとともに後述する駆動部を制御する制御部5と、後述する送電アンテナ7を駆動するための駆動部6と、電力を送信するための送電アンテナ7とを有して構成されている。尚、前記送電アンテナ7は、前記送電部を構成している。
【0023】
具体的な構造を説明すると、前記カプセル内視鏡用検査装置2は、例えば図2に示すように、本体2aと、この本体2aを固定するための固定台2cとで主に構成される。この本体2a内には、前記電源部4、前記制御部5及び前記駆動部6が設けられており、この本体2aの表面には、例えば平面型の前記送電アンテナ7が露出するように設けられている。
【0024】
尚、前記カプセル内視鏡用検査装置2は、前記本体2aのみで構成しても良く、必ずしも固定台2cを設けなくても良い。また、図2に示す構成では、前記本体2aは、前記送電アンテナ7を設けた面が接地面に対して鉛直方向となるような縦型に構成したものであるが、これに限定されることはなく、前記送電アンテナ7を設けた面が接地面に対して水平方向となるような横型に構成しても良い。
【0025】
また、前記送電アンテナ7は、平面コイルで構成した場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えばソレノイド型コイルやヘルムホルツ型コイルでも、同様の機能を実現することは明らかである。
【0026】
前記本体2aの前記送電アンテナ7を設けた面には、例えば前記スイッチ2bが設けられている。このスイッチ2bは、前記制御部5と電気的に接続され、オン、オフ操作することで前記制御部5に操作信号を出力する。そして、前記制御部5は、前記スイッチ2bからの操作信号に基づき、前記電源部4をオン、オフするように制御する。すなわち、前記スイッチ2bは、前記カプセル内視鏡用検査装置2の電源をオン、オフするためのスイッチである。
【0027】
尚、前記電源部4は、電力を発生するのに必要な電源であるが、前記カプセル内視鏡用検査装置2内に設けずに、外部に配置された電源部を介して電源が前記カプセル内視鏡用検査装置に供給されるように構成しても良い。
【0028】
次に、前記カプセル内視鏡3の構成について説明する。
図1に示すように、前記カプセル内視鏡3は、前記カプセル内視鏡用検査装置2又は図示しないから送電システムから送電される電力を受信するための受電アンテナ8と、この受電アンテナ8で受電した電力を整流・平滑する受電部9と、体内に光を照射するための照明部10と、体内の画像を撮像するための撮像部11と、この撮像部11により撮像した画像を送信するためのRF送信部13及び送信アンテナ12と、前記受電部9、前記照明部10、前記撮像部11及び前記RF送信部13を制御する制御部14とを有して構成されている。
尚、前記受電アンテナ8及び前記受電部9は、前記受電部を構成している。
【0029】
前記カプセル内視鏡3は、構造的には、例えば前記特許文献1に開示されているカプセル内視鏡と略同じ構成である。
したがって、前記カプセル内視鏡3は、前記照明部10により光を照射した状態において、図示しない透明カバーを通して観察される被検物を、対物光学系を有する撮像部11を介して撮像する。この撮像部11で光電変換された電気信号は、前記制御部14内の信号処理部(図示せず)により画像信号に変換され、前記RF送信部13内の変調・送信アンプで変調・増幅されて送信信号となる。この送信信号は、前記送信アンテナ12から体外に向けて電波として送信される。
【0030】
また、前記カプセル内視鏡3を用いて体腔内の観察及び検査等を行う場合には、図示はしないが体外に位置する送電システムの送電アンテナを駆動することで、交流磁界を発生すると、その交流磁界は体内へ導入された前記カプセル内視鏡3へ到達する。
そして、この交流磁界によって発生した磁束が前記受電アンテナ8に作用することによって、この受電アンテナ8はその両端に電力を発生し、この発生した電力を前記受電部9により整流、平滑化処理を施すことによって、前記制御部14を介して前記カプセル内視鏡3の動力源となる電力を得ている。
【0031】
本実施の形態では、前記カプセル内視鏡用検査装置2は、前記カプセル内視鏡3を用いて体腔内の観察及び検査等を行う事前に、前記カプセル内視鏡3の動作確認を簡単に行うことができるようになっている。
【0032】
この場合、前記カプセル内視鏡用検査装置2は、前記スイッチ2bのオン操作により電源部4が投入されることで前記制御部5にて発生した電力信号を、前記駆動部6を介し前記送電アンテナ7を駆動することによって、前記カプセル内視鏡3へ向けて電力を送電する。
【0033】
一方、前記カプセル内視鏡3は、前記カプセル内視鏡3を用いた体腔内の観察及び検査等を行う場合と同様に、送電された電力を前記受電アンテナ8で受電し、前記受電部9にて整流、平滑化処理が施された後、制御部14に供給する。
そして、前記カプセル内視鏡3の前記制御部14は、電力が供給されたことを認識すると、前記照明部10、前記撮像部11及び前記RF送信部13を制御することにより、このカプセル内視鏡3としての通常動作を行う。この場合、前記カプセル内視鏡3は、撮像した画像をRF送信部13及び送信アンテナ12を介して、このカプセル内視鏡3の外部へ無線送信する。
【0034】
尚、前記カプセル内視鏡3の動作の確認は、前記したように前記カプセル内視鏡3に電力が供給されて、前記制御部14の制御により前記カプセル内視鏡3を通常の動作を行わせることにより可能である。
【0035】
例えば、前記カプセル内視鏡の通常の動作を行わせて行う前記カプセル内視鏡3の動作の確認としては、前記カプセル内視鏡3に電力が正常に受電されているかの確認、又は、前記カプセル内視鏡3に電力が受電され前記撮像部11による撮像動作が確実に行われているかの確認、又は、この撮像部11により撮像された画像が前記RF送信部13及び送信アンテナ12を介して確実に送信されているかの確認等である。
【0036】
そして、前記カプセル内視鏡3は、前記電力が供給されて通常の動作が行われることで、例えば動作確認を術者に告知するために、前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10が点灯又は点滅することになる。これにより、術者に対して前記カプセル内視鏡3の動作確認がなされ且つ正常に動作することを即座に告知させることが可能となる。
【0037】
尚、前記カプセル内視鏡3の構成は、少なくとも前記受電アンテナ8、前記受電部9、前記照明部10、前記撮像部11、前記送信アンテナ12、前記RF送信部13、及び前記制御部14を有していれば良い。すなわち、前記カプセル内視鏡3は、従来技術と略同様に構成されたものでも良い。
【0038】
また、前記カプセル内視鏡3は、図1に示すように、既存の構成の他に、例えば、制御部14からの制御信号に基づき動作確認の判定を行う動作判定部15と、動作確認の告知用のLED等の第2の照明部10aとを設け、前記動作判定部15により動作確認の判定行い、この判定結果が動作確認された場合には、前記第2の照明部10aを前記同様に点灯又は点滅させるように制御しても良い。
【0039】
次に、本実施例のカプセル内視鏡用検査装置2の作用について、図2を参照しながら説明する。
いま、前記カプセル内視鏡用検査装置2を用いて、予め用意されたカプセル内視鏡3の動作確認を検査するものとする。
この場合、術者は、前記カプセル内視鏡用検査装置2のスイッチ2bをオン操作することにより、このカプセル内視鏡用検査装置2の電源部4をオンさせて電源を投入する。すると、前記電源部4がオンされることにより、送電アンテナ7には交番電流が流れ交流磁界を発生する。
【0040】
そこで、術者は、図2中の矢印Aに示すように、前記カプセル内視鏡用検査装置2に前記カプセル内視鏡3を近接させる。そのため、前記カプセル内視鏡用検査装置2が発生する磁界に前記カプセル内視鏡3が晒されることで、前記カプセル内視鏡3内に設けられた前記受電アンテナ8に磁束が鎖交し、その結果、このカプセル内視鏡3は電力を受電することになる。そして、この受電した電力によってこのカプセル内視鏡3の制御部14は、前記したようにこのカプセル内視鏡3の通常の動作を行うように制御する。
【0041】
このとき、前記カプセル内視鏡3は、前記受電アンテナ8及び前記受電部9を介して電力が確実に受電された場合に通常の動作うことにより、前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10が点灯又は点滅することになる。これにより、術者に対して前記カプセル内視鏡3の動作確認がなされ且つ正常に動作することを即座に告知させることが可能となる。
【0042】
尚、本実施の形態において、術者が前記カプセル内視鏡3を前記カプセル内視鏡用検査装置2に近接させ、或いは近接させた状態を保持する手段については述べてないが、前記カプセル内視鏡3を前記カプセル内視鏡用検査装置2に近接させ、或いは近接させた状態を保持するような構成であればどのような手段を用いても良い。
【0043】
例えば、図3の変形例に示すように、前記カプセル内視鏡用検査装置2の前記本体2aの中心部に、前記カプセル内視鏡3を挿入可能な開口部16を設け、この開口部16に前記カプセル内視鏡3を挿入し、保持する機構、例えばカプセル内視鏡3の保持台等を設けても良い。
この場合、前記機構は、前記カプセル内視鏡3に磁束が鎖交するように保持する機構であれば、図3に示したような前記開口部16ではなく、前記送電アンテナ7の表面に、前記カプセル内視鏡3を支持して保持することの可能な支持台等を設置しても良い。
【0044】
従って、第1の実施の形態によれば、被験者の体腔内の観察及び検査等を行う事前に、前記カプセル内視鏡3の既存の照明部10の点灯又は点滅により、前記カプセル内視鏡3に電力が確実に受電されたこと等の前記カプセル内視鏡3の動作確認を行うことが可能となる。これにより、正常に動作するカプセル内視鏡3であることを確認することができるので、正常でないカプセル内視鏡3を使用するために発生するトラブルを防止することが可能となる。
【0045】
尚、前記第1の実施の形態では、術者が前記カプセル内視鏡3自体を、前記カプセル内視鏡用検査装置2に近接させ(図2参照)、或いは前記開口部16等によって近接させた状態を保持するように説明したが(図3参照)、前記カプセル内視鏡3が予め滅菌処理されて収容された状態の収容ケースのままでも、この収容されているカプセル内視鏡3の動作確認を行うことも可能である。このような収容ケースの構成例について図4及び図5を参照しながら説明する。
【0046】
前記カプセル内視鏡3は、例えば、図4及び図5に示す収容ケース20内に滅菌された状態で収容されて出荷されるようになっている。
この収容ケース20は、図4及び図5に示すように、この収容ケース20の主要部分を構成する第1の収容ケース21と、この第1の収容ケース21内に形成された収容部21a内に収容可能な第2の収容ケース22と、前記第1の収容ケース21の前記収容部21aの開口及び縁部21hを密封するように接着する蓋部23とを有して構成されている。
【0047】
尚、前記収容ケース20は、その全体が例えば透明な材質で内部に収容されたカプセル内視鏡3が見えるように形成されるようになっている。
【0048】
前記第1の収容ケース21内には、前記第2の収容ケース22の底面に当接して保持するための当接面21bが形成されている。この当接面21bの中心部には、前記カプセル内視鏡3を嵌入可能な開口部21d及びこの開口部21dを介して前記カプセル内視鏡3を嵌入して収容するための収容溝21eが設けられている。
【0049】
また、前記第1の収容ケース21の縁部21hの片側には、後述する前記第2の収容ケース22の摘み部22Aを摘み易くするための溝部21gが形成されている。また、この溝部21gの前記収容部21aとの境界部分には、前記第2の収容ケース22の摘み部22Aの下面と当接してこの摘み部22Aを摘み易くするための当接部21fが形成されている。
【0050】
一方、前記第2の収容ケース22内には、収容部22aと、この収容部22aに突起するように突起部22bが設けられ、この突起部22bの外側部分に形成された開口部22c及びこの開口部22cを介して前記カプセル内視鏡3を嵌入して収容するための収容溝22dとが形成されている。
【0051】
そして、このように形成された収容ケース20では、前記第1の収容ケース21の前記収容溝21eに前記カプセル内視鏡3の例えば後端側(前記照明部10及び前記撮像部11が設けられてない後端側部分)を嵌入して収容する。
【0052】
そして、その状態の前記カプセル内視鏡3の例えば先端側(前記照明部10及び前記撮像部11が設けられた先端側部分であり被倹者が飲み込む部分側である)に、前記第2の収容ケース22の収容溝22dを被せるようにして、前記カプセル内視鏡3の例えば先端側を前記収容溝22dに嵌入して収容させる。
【0053】
すなわち、前記カプセル内視鏡3を前記第1の収容ケース21の収容溝21eと前記第2の収容ケース22の収容溝22dとでは挟み込むようにして前記カプセル内視鏡3が前記収容ケース20内に収容されるようになっている。
【0054】
このように前記カプセル内視鏡3が前記収容ケース20内に収容された状態が図5に示されている。そして、図5に示すように、前記第1の収容ケース21の縁部21hには、例えば透明な材質で形成された蓋部23が接着される。
【0055】
この蓋部23には、縁部21hから術者がつまながらこの蓋部23を剥がすための摘み部23aが設けられている。また、この蓋部23の裏側の前記カプセル内視鏡3に対向する位置には、例えばこのカプセル内視鏡3により試験的に撮像するためのテストチャート23bが設けられている。
【0056】
尚、このテストチャート23bは、図5に示す画像に限定されることはなく、例えば通常の撮像素子の撮像試験を行う際に用いられるようなカラーチャート等を適用しても良く、前記カプセル内視鏡3によって撮像可能であればいずれの画像を用いても良い。
【0057】
そして、前記収容ケース20に収容された前記カプセル内視鏡3の動作確認を行う場合には、術者は、前記カプセル内視鏡3が収容されているままの収容ケース20を、前記第1の実施の形態と同様に前記カプセル内視鏡用検査装置2に近接させ、或いは開口部16内に挿入させて保持したりすることで、前記カプセル内視鏡3の動作確認を行う。
【0058】
すなわち、前記カプセル内視鏡3を取り出さずに、収容ケース20に収容したままの状態で前記カプセル内視鏡3の照明部10の点滅又は点灯により動作確認を行うことができる。これにより、第1の実施の形態によりも、カプセル内視鏡3の動作確認を容易に行うことが可能となる。
【0059】
尚、前記カプセル内視鏡3を収容する収容ケース20は、図4及び図5に示す構成に限定されるものではなく、あくまで構成の一例として説明したものである。
【0060】
(第2の実施の形態)
図6から図8は本発明に係るカプセル内視鏡用検査装置の第2の実施の形態を示し、図6はカプセル内視鏡用検査装置を有するカプセル内視鏡システムの概略構成を示すブロック図、図7は図6のカプセル内視鏡用検査装置の作用を説明するための説明図、図8は図7のカプセル内視鏡用検査装置の変形例を示す説明図である。尚、図6から図8は前記第1の実施の形態と同様に構成要素については同一の符号を付して異なる部分のみを説明する。
【0061】
第2の実施の形態のカプセル内視鏡用検査装置2は、前記カプセル内視鏡3の動作確認を行う場合に、電力が正常に受電されたことを確認する他に、通常の動作を行って撮像された画像を正常に外部に送信したことを確認することで、前記カプセル内視鏡3の動作確認を行うように構成している。
【0062】
図6に示すように、カプセル内視鏡システム1Aは、前記第1の実施の形態で用いられた前記カプセル内視鏡用検査装置2の他に、前記画像表示装置を構成する画像ビューワ30を有して構成されている。
【0063】
前記画像ビューワ30は、周知のように、被験者の体外に配置されるものであって、被倹者の体内にあるカプセル内視鏡3により送信された画像を受信し、受信した画像をメモリ34に記憶、又は画像表示部35に表示したりすることが可能である。
【0064】
具体的には、前記画像ビューワ30は、図示しない電源と、前記カプセル内視鏡3から送信された画像信号を受信するための受信アンテナ31及びRF受信部32と、受信した画像信号を処理する画像信号処理部33と、この画像信号処理部33で処理された画像信号を記憶するメモリ34と、前記画像信号処理部33で処理された画像信号に基づく画像を表示する画像表示部35と、前記RF受信部32、前記画像信号処理部33、前記メモリ34及び前記画像表示部35を制御する制御部36と、を有して構成されている。
【0065】
第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様に前記カプセル内視鏡用検査装置2によって、体腔内の観察及び検査等を行う事前に、通常の動作が行われて電力が正常に受電されたことを前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10を点灯又は点滅させることより確認し、さらに、前記カプセル内視鏡3のRF送信部13及び送信アンテナ12を介して撮像部11により撮像した画像が正常に外部に送信されたことを、前記画像ビューワ30の画像表示部35に表示させることにより確認することが可能である。
その他の構成は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0066】
次に、本実施例のカプセル内視鏡用検査装置2及び画像ビューワ30の作用について、図7を参照しながら説明する。
いま、前記カプセル内視鏡用検査装置2及び画像ビューワ30を用いて、予め容易されたカプセル内視鏡3の動作確認を検査するものとする。
【0067】
この場合、術者は、前記カプセル内視鏡用検査装置2のスイッチ2bをオン操作することにより、このカプセル内視鏡用検査装置2の電源部4をオンさせて電源を投入する。すると、電源部4がオンされることにより、送電アンテナ7には交番電流が流れ交流磁界を発生する。
また、図7に示す画像ビューワ30についても、術者は予め前記画像ビューワ30を前記カプセル内視鏡用検査装置2の近傍に配置しておき、そして、図示しないスイッチをオン操作することにより、前記画像ビューワ30の電源を投入する。
【0068】
そこで、術者は、図7中の矢印Aに示すように、前記カプセル内視鏡用検査装置2に前記カプセル内視鏡3を近接させる。そのため、前記カプセル内視鏡用検査装置2が発生する磁界に前記カプセル内視鏡3が晒されることで、前記カプセル内視鏡3内に設けられた前記受電アンテナ8に磁束が鎖交し、その結果、このカプセル内視鏡3は電力を受電することになる。そして、この受電した電力によってこのカプセル内視鏡3の制御部14は、前記したようにこのカプセル内視鏡3の通常の動作を行うように制御する。
【0069】
このとき、前記カプセル内視鏡3は、前記受電アンテナ8及び前記受電部9を介して電力が確実に受電された場合に通常の動作うことにより、前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10が点灯又は点滅することになる。
【0070】
また、同時に、前記画像ビューワ30の前記制御部36は、通常の動作を行わせる。すなわち、前記画像ビューワ30の制御部36は、前記カプセル内視鏡3から送信される画像信号を、この画像ビューワ30の前記受信アンテナ31及び前記RF受信部32によって受信し、その後、前記画像信号処理部33により処理した画像信号をメモリ34に格納すると同時に前記画像表示部35に画像信号に基づく画像を表示させるように制御する。
【0071】
すなわち、術者は、前記画像ビューワ30の画像表示部35に、前記カプセル内視鏡3から送信された画像が正常に表示されたことを確認することにより、前記照明部10の点灯又は点滅による電力の正常な受電の確認の他に、前記カプセル内視鏡3の撮像部11、送信アンテナ12及びRF送信部13が正常に動作したことを迅速に確認することができる。
【0072】
尚、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、例えば図8の変形例に示すように、前記カプセル内視鏡用検査装置2の前記本体2aの中心部に、前記カプセル内視鏡3を挿入可能な開口部16を設け、この開口部16に前記カプセル内視鏡3を挿入し、保持する機構、例えばカプセル内視鏡3の保持台等を設けても良い。この場合、前記機構は、前記カプセル内視鏡3に磁束が鎖交するように保持する機構であれば、図8に示したような前記開口部16ではなく、前記送電アンテナ7の表面に、前記カプセル内視鏡3を支持して保持することの可能な支持台等を設置しても良い。
その他の構成及び作用は前記第1の実施の形態と同様である。
【0073】
従って、第2の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、前記画像ビューワ30を用いて通常の動作を行うことにより、前記カプセル内視鏡3が正常に動作するかを、画像信号に基づく画像の表示により確かめる事が可能となるため、正常でないカプセル内視鏡3使用する為に発生するトラブルを、高精度で且つ確実に防止することが可能となる。
【0074】
(第3の実施の形態)
図9から図11は本発明に係るカプセル内視鏡用検査装置の第3の実施の形態を示し、図9はカプセル内視鏡用検査装置を有するカプセル内視鏡システムの概略構成を示すブロック図、図10は図9のカプセル内視鏡用検査装置の作用を説明するための説明図、図11は図10のカプセル内視鏡用検査装置の変形例を示す説明図である。尚、図9から図11は前記第1及び第2の実施の形態と同様に構成要素については同一の符号を付して異なる部分のみを説明する。
【0075】
第3の実施の形態のカプセル内視鏡用検査装置2Aは、前記第2の実施の形態と同様に、前記カプセル内視鏡3の動作確認を行う場合に、電力が正常に受電されたことを確認する他に、通常の動作を行うことにより撮像された画像を正常に外部に送信したことを確認することで、前記カプセル内視鏡3の動作確認を行うように構成している。
【0076】
具体的には、図9に示すように、カプセル内視鏡システム1Bは、カプセル内視鏡用検査装置2Aを有し、このカプセル内視鏡用検査装置2Aは、前記第1の実施の形態で用いられた前記カプセル内視鏡用検査装置2に、前記第2の実施の形態で用いられた前記画像ビューワ30の機能を設けて構成することにより、電力が正常に受電されたことを確認する他に、撮像された画像を正常に外部に送信したことを確認することが可能である。
【0077】
前記カプセル内視鏡用装置2Aは、前記第1の実施の形態のカプセル内視鏡用検査装置2を構成する電源部4、制御部5、駆動部6及び送電アンテナ7の他に、前記カプセル内視鏡3から送信された画像信号を受信するための受信アンテナ41及びRF受信部42と、受信した画像信号を処理する画像信号処理部43と、この画像信号処理部43で処理された画像信号に基づく画像を表示する画像表示部44と、を有して構成されている。
【0078】
尚、前記カプセル内視鏡用検査装置2A内に、前記画像信号処理部43で処理された画像信号を記憶するメモリを設けて構成しても良い。
【0079】
前記制御部5は、前記電源部4、前記駆動部6及び前記送電アンテナ7の他に、前記受信アンテナ41、前記RF受信部42、前記画像信号処理部43及び前記画像表示部44を制御する。
【0080】
また、前記画像表示部44は、図11に示すように、本体2aの前記送電アンテナ7が配される面上の例えば上部に設けられている。また、前記受信アンテナ41についても、前記画像表示部44が設けられた本体2aの面上の一部に設けられている。尚、前記画像表示部44及び前記受信アンテナ41の位置については図11に示す位置に限定されることはない。
【0081】
第3の実施の形態では、前記第2の実施の形態と同様に前記カプセル内視鏡用検査装置2Aによって、体腔内の観察及び検査等を行う事前に、通常の動作を行うことにより電力が正常に受電されたことを前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10を点灯又は点滅させることより確認し、さらに、前記カプセル内視鏡3のRF送信部13及び送信アンテナ12を介して撮像部11により撮像した画像が正常に外部に送信されたことを、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aの画像表示部44に表示させることにより確認することが可能である。
その他の構成は、前記第1及び第2の実施の形態と同様である。
【0082】
次に、本実施の形態のカプセル内視鏡用検査装置2Aの作用について、図11を参照しながら説明する。
いま、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aを用いて、予め容易されたカプセル内視鏡3の動作確認を検査するものとする。
【0083】
この場合、術者は、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aのスイッチ2bをオン操作することにより、このカプセル内視鏡用検査装置2の電源部4をオンさせて電源を投入する。すると、電源部4がオンされることにより、送電アンテナ7には交番電流が流れ交流磁界を発生する。
そこで、術者は、図11中の矢印Aに示すように、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aに前記カプセル内視鏡3を近接させる。そのため、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aが発生する磁界に前記カプセル内視鏡3が晒されることで、前記カプセル内視鏡3内に設けられた前記受電アンテナ8に磁束が鎖交し、その結果、このカプセル内視鏡3は電力を受電することになる。そして、この受電した電力によってこのカプセル内視鏡3の制御部14は、前記したようにこのカプセル内視鏡3の通常の動作を行うように制御する。
【0084】
このとき、前記カプセル内視鏡3は、前記受電アンテナ8及び前記受電部9を介して電力が確実に受電されて通常の動作を行うことにより動作確認がなされた場合には、前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10が点灯又は点滅することになる。
【0085】
また、同時に、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aの前記制御部5は、通常の動作を行い、つまり、前記カプセル内視鏡3から送信される画像信号を、前記受信アンテナ41及び前記RF受信部42によって受信し、その後、前記画像信号処理部43により処理した画像信号に基づく画像を前記画像表示部44に表示させるように制御する。
【0086】
すなわち、術者は、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aの画像表示部44に、前記カプセル内視鏡3から送信された画像が正常に表示されたことを確認することにより、前記照明部10の点灯又は点滅による電力の正常な受電の確認の他に、前記カプセル内視鏡3の撮像部11、送信アンテナ12及びRF送信部13が正常に動作したことを迅速に確認することができる。
【0087】
尚、本実施の形態においても、前記第2の実施の形態と同様に、例えば図12の変形例に示すように、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aの前記本体2aの中心部に、前記カプセル内視鏡3を挿入可能な開口部16を設け、この開口部16に前記カプセル内視鏡3を挿入し、保持する機構、例えばカプセル内視鏡3の保持台等を設けても良い。この場合、前記機構は、前記カプセル内視鏡3に磁束が鎖交するように保持する機構であれば、図11に示したような前記開口部16ではなく、前記送電アンテナ7の表面に、前記カプセル内視鏡3を支持して保持することの可能な支持台等を設置しても良い。
その他の構成及び作用は前記第1及び前記第2の実施の形態と同様である。
【0088】
従って、第3の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、カプセル内視鏡3が正常に動作するかを、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aが有する画像表示部44による画像の表示により確かめる事ができるため、正常でないカプセル内視鏡3を使用する為に発生するトラブルを、高精度で且つ確実に防止できるとともに、画像ビューワ30を持参することなく、前記カプセル内視鏡用検査装置2Aのみで動作確認が行える簡便性を有する。
【0089】
本発明は、以上述べた第1から第3の実施の形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0090】
例えば、本発明に係る第2及び第3の実施の形態では、前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10を点灯又は点滅させると同時に、さらに、前記カプセル内視鏡3のRF送信部13及び送信アンテナ12を介して撮像部11により撮像した画像が正常に外部に送信されたことを、前記画像ビューワ30の画像表示部35又は前記カプセル内視鏡用検査装置2Aの画像表示部44に表示させることにより確認していたが、このカプセル内視鏡3を収容ケース20に収容したままの状態で動作確認を行う場合には、前記撮像部11により前記収容ケース20の蓋部23の裏側に設けられたテストチャート23bを撮像し、そして、この撮像した画像を前記画像ビューワ30の画像表示部35又は前記カプセル内視鏡用検査装置2Aの画像表示部44に表示させて動作確認を行うように構成しても良い。
【0091】
また、本発明に係る第1から第3の実施の形態では、前記カプセル内視鏡用検査装置2、2Aからの電力供給により前記カプセル内視鏡3を通常の動作を行わせることによって事前に前記カプセル内視鏡3の動作確認を行うように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、前記カプセル内視鏡用検査装置2、2Aの制御部5は、前記駆動部6を制御して前記送電部から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させることで前記カプセル内視鏡の動作確認を行うための制御信号を、前記電力と共に前記送電アンテナ7を介してカプセル内視鏡3に出力するように構成しても良い。
【0092】
この場合、前記カプセル内視鏡3の制御部14は、前記制御信号に基づいて、前記カプセル内視鏡3の動作確認を行うように制御する。すなわち、前記制御部14は、ソフト的に電力が正常に受電されたことを前記カプセル内視鏡3の既存の前記照明部10を点灯又は点滅させるように制御したり、あるいは前記第2及び第3の実施のように前記カプセル内視鏡3のRF送信部13及び送信アンテナ12を介して撮像部11により撮像した画像が正常に外部に送信されたことを、前記画像ビューワ30の画像表示部35又は前記カプセル内視鏡用検査装置2Aの画像表示部44に表示させるように制御する。このことにより、前記第1から第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態のカプセル内視鏡用検査装置を有するカプセル内視鏡システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】図1のカプセル内視鏡用検査装置の作用を説明するための説明図、
【図3】図2のカプセル内視鏡用検査装置の変形例を示す説明図。
【図4】カプセル内視鏡が収容される収容ケースの構成例を示す分解斜視図、
【図5】使用する際にカプセル内視鏡が収容された収容ケースの蓋部を外す状態を示す斜視図。
【図6】本発明の第2の実施の形態のカプセル内視鏡用検査装置を有するカプセル内視鏡システムの概略構成を示すブロック図。
【図7】図6のカプセル内視鏡用検査装置の作用を説明するための説明図。
【図8】図7のカプセル内視鏡用検査装置の変形例を示す説明図。
【図9】本発明の第3の実施の形態のカプセル内視鏡用検査装置を有するカプセル内視鏡システムの概略構成を示すブロック図。
【図10】図9のカプセル内視鏡用検査装置の作用を説明するための説明図。
【図11】図10のカプセル内視鏡用検査装置の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
【0094】
1、1A、1B…カプセル内視鏡システム、
2、2A…カプセル内視鏡用検査装置、
2a…本体、
2b…スイッチ、
2c…固定台、
3…カプセル内視鏡、
4…電源部、
5…制御部、
6…駆動部、
7…送電アンテナ、
8…受電アンテナ、
9…受電部、
10…照明部、
10a…第2の照明部、
11…撮像部、
12…送信アンテナ、
13…RF送信部、
14…制御部、
15…動作判定部、
16…開口部、
20…収容ケース、
30…画像ビューワ、
31…受信アンテナ、
32…RF受信部、
33…画像信号処理部、
34…メモリ、
35…画像表示部、
36…制御部、
41…受信アンテナ、
42…RF受信部、
43…画像信号処理部、
44…画像表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線方式により電源からの電力をカプセル内視鏡の受電部に送電するための送電部と、
前記送電部を駆動するための駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を有し、
前記駆動部を制御して前記送電部から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させることで、前記カプセル内視鏡の動作確認を行うことを特徴とするカプセル内視鏡用検査装置。
【請求項2】
前記カプセル内視鏡の動作確認は、前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させた後、前記カプセル内視鏡に設けられた照明部を点灯又は点滅させて行うことを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡用検査装置。
【請求項3】
さらに、前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を受信する受信部と、前記受信部により受信した画像信号に基づく画像を表示する画像表示部とを備え、
前記カプセル内視鏡の動作確認は、前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を前記受信部により受信し、この受信した画像信号に基づく画像を前記画像表示部に表示させて行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカプセル内視鏡用検査装置。
【請求項4】
少なくとも前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を受信する受信部と、前記受信部により受信した画像信号に基づく画像を表示する画像表示部とを備えた画像表示装置を設け、
前記カプセル内視鏡の動作確認は、前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を前記画像表示装置の前記受信部により受信し、この受信した画像信号に基づく画像を前記画像表示部に表示させて行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカプセル内視鏡用検査装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記駆動部を制御して前記送電部から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させることで前記カプセル内視鏡の動作確認を行うための制御信号を、前記電力と共に前記送電部を介して出力することを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡用検査装置。
【請求項6】
無線方式により送電された電力を受電するための受電部と、体内に光を照射するための照明部と、前記体内の画像を撮像するための撮像部と、前記撮像部により撮像した画像の画像信号を送信するための送信部と、前記受電部、前記照明部、前記撮像部及び前記送信部を制御する制御部と、を備えたカプセル内視鏡と、
無線方式により電源からの電力を前記カプセル内視鏡の受電部に送電するための送電部と、前記送電部を駆動するための駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を有し、前記駆動部を制御して前記送電部から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させることで、前記カプセル内視鏡の動作確認を行うカプセル内視鏡用検査装置と、
を具備したことを特徴とするカプセル内視鏡システム。
【請求項7】
前記カプセル内視鏡の動作確認は、前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させた後、前記カプセル内視鏡の前記照明部を点灯又は点滅させて行うことを特徴とする請求項6に記載のカプセル内視鏡システム。
【請求項8】
前記カプセル内視鏡用検査装置は、さらに、前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を受信する受信部と、前記受信部により受信した画像信号に基づく画像を表示する画像表示部とを備え、
前記カプセル内視鏡の動作確認は、前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を前記受信部により受信し、この受信した画像信号に基づく画像を前記画像表示部に表示させて行うことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のカプセル内視鏡システム。
【請求項9】
少なくとも前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を受信する受信部と、前記受信部により受信した画像信号に基づく画像を表示する画像表示部とを備えた画像表示装置を設け、
前記カプセル内視鏡の動作確認は、前記カプセル内視鏡から送信された画像信号を前記画像表示装置の前記受信部により受信し、この受信した画像信号に基づく画像を前記画像表示部に表示させて行うことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のカプセル内視鏡システム。
【請求項10】
前記カプセル内視鏡用検査装置の前記制御部は、前記駆動部を制御して前記送電部から無線方式により送電された前記電力を前記カプセル内視鏡の前記受電部に受電させることで前記カプセル内視鏡の動作確認を行うための制御信号を、前記電力と共に前記送電部を介して出力することを特徴とする請求項6に記載のカプセル内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−289724(P2008−289724A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139545(P2007−139545)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】