説明

カプセル化されたデータ・フローのためのポリシー制御

異なるモビリティ・プロトコル・タイプをサポートするために、ポリシー・サーバにおける特有の実装が簡略化されたデータ・フローで通信する際に利用される関連するモビリティ・プロトコル・タイプのためのカプセル化情報を通信することを容易にするシステムおよび方法が記載される。この点に関し、ネットワーク・ゲートウェイからポリシー・サーバへカプセル化情報が送信される。これによって、ポリシー・サーバは、カプセル化情報を、データ・フロー・タイプに関連するポリシー・ルールとともに、サービス提供ゲートウェイへ転送しうる。サービス提供ゲートウェイは、このポリシー・ルールにしたがって、カプセル化されたデータを検出し、解釈するために、このカプセル化情報を利用しうる。この点に関し、サービス提供ゲートウェイは、フローのためのサポート(例えば、サービス品質サポート)を提供しうる。カプセル化情報は、モビリティ・プロトコル・タイプ、カプセル・ヘッダ、カプセル化が必要であることを示すインジケーション、メッセージにおけるカプセル・ヘッダを位置決めすることに関連するパラメータ等に関連しうる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に対する相互参照】
【0001】
本願は、2008年2月6日に出願された"MOBILITY PROTOCOL INDICATION IN THE PPC SESSION ESTABLISHMENT"と題された米国仮出願61/026,712号、2008年2月7日に出願された"HANDLING POLICY CONTROL FOR ENCAPSULATED DATA FLOWS"と題された米国仮出願61/026,981号、および2008年3月14日に出願された"METHOD AND APPARATUS FOR PROVIDING POLICY CONTROL IN COMMUNICATION SYSTEMS"と題された米国仮出願61/036,585号の利益を主張する。前述した出願の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
以下の記載は、一般に無線通信に関し、更に詳しくは、無線通信ネットワークにおけるデータ・フローのためのポリシー制御に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、例えば、音声、データ等のようなさまざまなタイプの通信コンテンツを提供するために広く開発された。一般的な無線通信システムは、(例えば、帯域幅、送信電力等のような)利用可能なシステム・リソースを共有することにより、複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムでありうる。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム等を含む。さらに、これらシステムは、例えば、第3世代パートナシップ計画(3GPP)、3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、および/または、例えばイボリューション・データ・オプティマイズド(EV−DO)のようなマルチ・キャリア無線仕様、あるいはこれら技術の1または複数の改訂技術等に準拠しうる。
【0004】
一般に、無線多元接続通信システムは、複数のモバイル・デバイスのための通信を同時にサポートすることができる。モバイル・デバイスはおのおのの、順方向リンクおよび逆方向リンクによる送信を介して1または複数のアクセス・ポイント(例えば、基地局、中継局、および、ピア・ツー・ピア技術またはアド・ホック技術を用いたその他のモバイル・デバイス等)と通信することができる。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、アクセス・ポイントからモバイル・デバイスへの通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、モバイル・デバイスからアクセス・ポイントへの通信リンクを称する。さらに、モバイル・デバイスとアクセス・ポイントとの間の通信は、単一入力単一出力(SISO)システム、複数入力単一出力(MISO)システム、複数入力複数出力(MIMO)システム等によって確立されうる。
【0005】
アクセス・ポイントは、例えばモビリティ管理エンティティ(MME)、ゲートウェイ、ポリシー・サーバ等のように、基礎をなす無線ネットワークのさまざまな構成要素と通信することによって、モバイル・デバイスへ無線ネットワーク・アクセスを提供しうる。モバイル・デバイスは、一例において、1または複数のインターネット・プロトコル(IP)フローを用いてネットワーク・ゲートウェイと通信し、ポリシー・サーバが、IPフローを許可しうる。それに加えて、1または複数のサービス提供ゲートウェイあるいは中間ゲートウェイが、モバイル・デバイスとネットワーク・ゲートウェイとの間の通信を容易にしうる。ポリシー・サーバは、サービス提供ゲートウェイへポリシーを提供する。これによって、サービス提供ゲートウェイは、モバイル・デバイスとネットワーク・ゲートウェイとの間のIPフローを詳しく調べる(traverse)ことができるようになり、例えば、サービス品質サポートのようなサポートを提供する。しかしながら、IPフローはさらに、用いられているモビリティ・プロトコルに依存するホスト・ベースのモビリティを用いて、モバイル・デバイスからネットワーク・ゲートウェイへとカプセル化されうる。この点に関し、サービス提供ゲートウェイは、サポートを提供する場合、フローを正しく調べるための適切なカプセル化情報を知らない。
【発明の概要】
【0006】
以下は、1または複数の実施形態の基本的な理解を提供するために、このような実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、考えられるすべての実施形態の広範囲な概観ではなく、すべての実施形態の重要要素や決定的要素を特定することも、何れかまたは全ての実施形態のスコープを線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後に示されるより詳細な記載に対する前置きとして、簡略化された形式で1または複数の実施形態のいくつかの概念を表すことである。
【0007】
1または複数の実施形態および対応する開示によれば、1または複数のサービス提供ゲートウェイへのその後の通信のために、ポリシー・サーバへカプセル化情報を示すことを容易にすることに関するさまざまな態様が記載される。例えば、無線通信ネットワーク内のネットワーク・ゲートウェイは、無線ネットワーク内の1または複数のデバイスとのデータ・フロー確立のため、ポリシー・サーバからの許可を求める。許可されると、あるいは、許可要求中に、ネットワーク・ゲートウェイは、例えば、ホスト・ベースのモビリティが利用されるようなデータ・フローに関連するカプセル化情報を、ポリシー・サーバに対して指定しうる。このカプセル化情報は、例えば、モビリティ・プロトコル・タイプ、カプセル・ヘッダ、カプセル化が使用されるべきかを示すインジケーション、インターネット・プロトコル(IP)フロー内のカプセル・ヘッダに関連するオフセットおよび/または開始/終了位置、またはその他のデータグラム等を含みうる。ポリシー・サーバは、サービス提供ゲートウェイへポリシー・ルールを通信する際にカプセル化情報を利用し、サービス提供ゲートウェイは、データ・フローのためのサポート(例えば、サービス品質サポート)を提供するために、無線ネットワーク・デバイスとサービス提供ゲートウェイとの間のデータ・フローを詳しく調べるために、このカプセル化情報を利用しうる。
【0008】
関連する態様によれば、無線ネットワークにおいてポリシー・ルールを送信する方法が提供される。この方法は、データ・フロー通信に関連するカプセル化情報を、コア・ネットワーク・ゲートウェイから受信しうることを含む。この方法はさらに、データ・フロー通信に関連する1または複数のポリシー・ルールを生成することと、ポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信することとを含む。
【0009】
別の態様は、無線通信装置に関する。この無線通信装置は、ネットワーク・ゲートウェイとネットワーク・デバイスとの間のデータ・フローにおいて利用されるモビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル化情報を受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含みうる。このプロセッサはさらに、データ・フローのタイプに少なくとも部分的に基づいて、1または複数のポリシー・ルールを定義し、カプセル化情報と1または複数のポリシー・ルールとをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信するように構成される。無線通信装置はまた、少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリをも備える。
【0010】
さらに別の態様は、無線ネットワークにおいてポリシー・ルールを送信することを容易にする無線通信装置に関する。この無線通信装置は、後の通信のために、コア・ネットワーク・ゲートウェイからカプセル化情報を受信する手段を備えうる。この無線通信装置はさらに、受け取られた通信パラメータに関連する1または複数のポリシー・ルールを生成する手段と、カプセル化情報および1または複数のポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信する手段とを含みうる。
【0011】
さらに別の態様は、コンピュータ・プログラム製品に関する。このコンピュータ・プログラム製品は、少なくとも1つのコンピュータに対して、データ・フロー通信に関連するカプセル化情報をコア・ネットワーク・ゲートウェイから受信させるためのコードを含むコンピュータ読取可能媒体を有しうる。コンピュータ読取可能媒体はさらに、少なくとも1つのコンピュータに対して、データ・フロー通信に関連するタイプに少なくとも部分的に基づいて、1または複数のポリシー・ルールを生成させるためのコードを含みうる。さらに、このコンピュータ読取可能媒体は、少なくとも1つのコンピュータに対して、カプセル化情報および1または複数のポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信させるためのコードを備えうる。
【0012】
さらに、追加の態様は装置に関する。この装置は、デバイスとのデータ・フロー通信に関連するコア・ネットワーク・ゲートウェイから、カプセル化情報を取得するカプセル化情報受信機を含みうる。この装置はさらに、データ・フロー通信のタイプに少なくとも部分的に基づいて、1または複数のポリシー・ルールを定義し、1または複数のポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信するポリシー・ルール指定部を含みうる。
【0013】
さらなる態様によれば、その後のポリシー・ルール指定のためにカプセル化情報を示すことを容易にする方法が提供される。この方法は、モバイル・デバイスとのデータ・フロー通信に関連するモビリティ・プロトコル・タイプを選択することを含む。この方法はさらに、モビリティ・プロトコル・タイプに少なくとも部分的に基づいて、データ・フローによる通信のためのカプセル化情報を生成することと、カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信することとを含む。
【0014】
別の態様は、無線通信装置に関する。この無線通信装置は、確立されたデータ・フローによるデバイスとの通信のために、モビリティ・プロトコル・タイプを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含みうる。このプロセッサはさらに、モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル化情報を生成し、このカプセル化情報を、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイへの後の通信のために、ポリシー・サーバへ送信するように構成される。無線通信装置はまた、少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリをも備える。
【0015】
さらに別の態様は、サービス提供ゲートウェイとの通信のためのカプセル化情報を示す無線通信装置に関する。この無線通信装置は、データ・フローによる通信のためのモビリティ・プロトコル・タイプを選択する手段を含みうる。この無線通信装置は、モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル化情報を決定する手段と、このカプセル化情報をポリシー・サーバへ送信する手段とを含みうる。
【0016】
さらに別の態様は、コンピュータ・プログラム製品に関連する。このコンピュータ・プログラム製品は、少なくとも1つのコンピュータに対して、モバイル・デバイスとのデータ・フロー通信に関連するモビリティ・プロトコル・タイプを選択させるためのコードを含むコンピュータ読取可能媒体を有しうる。このコンピュータ読取可能媒体はさらに、少なくとも1つのコンピュータに対して、モビリティ・プロトコル・タイプに少なくとも部分的に基づいて、サービス提供ゲートウェイと通信するためのカプセル化情報を決定させるためのコードを備えうる。さらに、このコンピュータ読取可能媒体は、少なくとも1つのコンピュータに対して、カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信させるためのコードを備えうる。
【0017】
さらに、さらなる態様は、装置に関する。この装置は、デバイスとのデータ・フローを確立し、このデータ・フローによって通信するためのモビリティ・プロトコル・タイプを選択するデータ・フロー要求部を含みうる。この装置はさらに、モビリティ・プロトコル・タイプに少なくとも部分的に基づいてカプセル化情報を生成するカプセル化情報生成器と、このカプセル化情報をポリシー・サーバへ送信するカプセル化情報指定部とを含みうる。
【0018】
前述した目的および関連する目的を達成するために、1または複数の実施形態は、後に十分に記載され、特許請求の範囲において特に指摘されている特徴を備える。次の記載および添付図面は、1または複数の実施形態のある実例となる態様を詳細に記載する。しかしながら、これらの態様は、さまざまな実施形態の原理が適用されるさまざまな方法のうちの僅かしか示しておらず、記載された実施形態は、そのような全ての局面およびそれらの等価物を示すことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本明細書に記載されたさまざまな態様にしたがう無線通信システムの実例である。
【図2】図2は、受信したカプセル化情報と共にポリシー・ルールを送信することを容易にする無線通信ネットワークの実例である。
【図3】図3は、ポリシー・ルールとともにカプセル化情報を通信することを有効にする無線通信システムの実例である。
【図4】図4は、データ・フロー通信のカプセル化を必要とするホスト・ベースのモビリティを利用する無線通信システムの実例である。
【図5】図5は、データ・フローのカプセル化を必要としないネットワーク・ベースのモビリティを利用する無線通信システムの実例である。
【図6】図6は、ネットワーク・ベースのモビリティを利用する無線通信システムの実例である。
【図7】図7は、受信したカプセル化情報とともにポリシー・ルールを送信することを容易にする方法の実例である。
【図8】図8は、ポリシー・サーバへカプセル化情報を示す方法の実例である。
【図9】図9は、本明細書に記載されたさまざまなシステムおよび方法と共に適用されうる無線ネットワーク環境の実例である。
【図10】図10は、決定したカプセル化情報に基づいてポリシー・ルールを通信するシステムの実例である。
【図11】図11は、後の通信のためにポリシー・サーバにカプセル化情報を提供することを容易にするシステムの実例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
さまざまな実施形態が、全体を通じて同一要素を示すために同一の参照番号が使用される図面を参照して説明される。以下の記載では、説明の目的のために、1または複数の実施形態の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられる。
【0021】
しかしながら、そのような実施形態は、これら具体的な詳細無しで実現されうることが明からである。他の事例では、1または複数の実施形態の記載を容易にするために、周知の構成およびデバイスがブロック図形式で示される。
【0022】
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」等は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアのうちの何れかであるコンピュータ関連エンティティを称することが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピュータ・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピュータ・デバイスとの両方が構成要素になりえる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されるか、および/または、複数のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納したさまざまなコンピュータ読取可能媒体から実行可能である。これら構成要素は、(例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを介して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような)1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。
【0023】
さらに、本明細書では、さまざまな実施形態が、モバイル・デバイスに関連して記載される。モバイル・デバイスはまた、システム、加入者ユニット、加入者局、モバイル局、モバイル、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、無線通信デバイス、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、あるいはユーザ機器(UE)とも称されうる。モバイル・デバイスは、セルラ電話、コードレス電話、セッション初期化プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有する携帯型デバイス、コンピュータ・デバイス、あるいは無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。さらに、本明細書では、さまざまな実施形態が、基地局に関連して記載される。基地局は、モバイル・デバイスと通信するために利用することができ、アクセス・ポイント、ノードB、イボルブド・ノードB(eNodeBあるいはeNB)、基地トランシーバ局(BTS)、あるいはその他のいくつかの用語として称されうる。
【0024】
さらに、本明細書に記載のさまざまな態様または特徴は、標準的なプログラミング技術および/またはエンジニアリング技術を用いた方法、装置、または製造物品として実現されうる。本明細書で使用される用語「製造物品」は、任意のコンピュータ読取可能デバイス、キャリア、または媒体からアクセスすることが可能なコンピュータ・プログラムを含むことが意図される。例えば、コンピュータ読取可能媒体は、限定される訳ではないが、磁気記憶装置(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等)、光ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD)、DVD等)、スマート・カード、およびフラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、EPROM、カード、スティック、キー・ドライブ等)を含みうる。さらに、本明細書に記載されたさまざまな記憶媒体は、情報を格納するための1または複数のデバイス、および/または、その他の機械読取可能媒体を表すことができる。用語「機械読取可能媒体」は、限定されることなく、無線チャネル、および、命令群および/またはデータを格納、包含、および/または搬送することができるその他任意の媒体を含みうる。
【0025】
本明細書に記載された技術は、例えば符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)システム、およびその他のシステムのようなさまざまな無線通信システムのために使用されうる。「システム」、「ネットワーク」という用語はしばしば置換可能に使用される。CDMAシステムは、例えばユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、CDMA2000等のようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)およびCDMAのその他の変形を含んでいる。CDMA2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM)のような無線技術を実現することができる。OFDMAシステムは、例えばイボルブドUTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実現することができる。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)は、ダウンリンクではOFDMAを適用し、アップリンクではSC−FDMAを適用するE−UTRAを用いるUMTSの最新のリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、およびGSMは、「第3世代パートナシップ計画プロジェクト」(3GPP)と命名された組織からのドキュメントに記述されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナシップ計画プロジェクト」(3GPP2)と命名された組織からドキュメントに記述されている。本明細書に記載された技術はまた、例えば、1xEV−DOレビジョンBあるいはその他のレビジョン等のようなイボリューション・データ・オブティマイズド(EV−DO)規格において利用されうる。さらに、そのような無線通信システムは、しばしばアンペア(unpaired)な無許可のスペクトルを用いるピア・トゥ・ピア(例えば、モバイル・トゥ・モバイル)アド・ホック・ネットワーク・システム、802xx無線LAN、Bluetooth(登録商標)、および、その他任意の短距離または長距離の無線通信技術を含みうる。
【0026】
さまざまな態様または特徴が、多くのデバイス、構成要素、モジュール等を含むシステムの観点から示されるだろう。さまざまなシステムが、追加のデバイス、構成要素、モジュール等を含むことができるか、および/または、図面に関連して説明されたデバイス、構成要素、モジュール等の必ずしも全てを含んでいる訳ではないことが理解され、認識されるべきである。これらアプローチの組み合わせもまた使用されうる。
【0027】
図1に示すように、本明細書に記載されたさまざまな実施形態にしたがった無線通信システム100が例示されている。システム100は、複数のアンテナ・グループを含むことができる基地局102を含む。例えば、1つのアンテナ・グループは、アンテナ104およびアンテナ106を含むことができ、別のグループはアンテナ108およびアンテナ110を備えることができ、さらに別のグループはアンテナ112およびアンテナ114を含むことができる。おのおののアンテナ・グループについて2つのアンテナしか例示されていないが、2本のアンテナが各アンテナ・グループのために例示されているが、2本より多いアンテナ、または2本より少ないアンテナも、各グループのために利用されうる。基地局102はさらに、送信機チェーンおよび受信機チェーンを含みうる。それらおのおのは、当業者によって理解されるように、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナ等)を備えうる。
【0028】
基地局102は、例えばモバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122のような1または複数のモバイル・デバイスと通信することができる。しかしながら、基地局102は、モバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122に類似した実質的に任意の数のモバイル・デバイスと通信しうることが理解されるべきである。モバイル・デバイス116、122は例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線通信システム100を介して通信するのに適切なその他任意のデバイスでありうる。図示するように、モバイル・デバイス116は、アンテナ112およびアンテナ114と通信している。ここで、アンテナ112およびアンテナ114は、順方向リンク118によってアクセス端末116へ情報を送信し、逆方向リンク120によってアクセス端末116から情報を受信する。さらに、モバイル・デバイス122はアンテナ104およびアンテナ106と通信している。ここで、アンテナ104およびアンテナ106は、順方向リンク124でアクセス端末122へ情報を送信し、逆方向リンク126でアクセス端末122から情報を受信する。周波数分割デュプレクス(FDD)システムでは、例えば、順方向リンク118は、逆方向リンク120によって使用されるものとは異なる周波数帯域を使用し、順方向リンク124は、逆方向リンク126によって使用されるものとは異なる周波数帯域を使用することができる。さらに、時分割デュプレクス(TDD)システムでは、順方向リンク118および逆方向リンク120は、共通の周波数帯域を使用し、順方向リンク124および逆方向リンク126は、共通の周波数帯域を使用することができる。
【0029】
通信するように指定された領域および/またはアンテナのおのおののグループは、基地局102のセクタと称されうる。例えば、基地局102によってカバーされる領域のセクタ内のアクセス端末に通信するように、複数のアンテナが設計されうる。順方向リンク118および順方向リンク124による通信では、基地局102の送信アンテナは、アクセス端末116およびアクセス端末122のための順方向リンク118および順方向リンク124の信号対雑音比を改善するためにビームフォーミングを適用することができる。また、基地局102が、関連付けられた有効通信範囲にランダムに散在したモバイル・デバイス116、122に送信するためにビームフォーミングを利用している間、近隣セル内のモバイル・デバイスは、すべてのモバイル・デバイスに対して単一のアンテナによって送信している基地局に比べて、少ない干渉しか被らない。さらに、モバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122は、ピア・ツー・ビアまたはアド・ホック技術(図示せず)を使用して、互いとダイレクトに通信しうる。
【0030】
例によれば、システム100は、複数入力複数出力(MIMO)通信システムでありうる。さらに、システム100は、例えばFDD、FDM、TDD、TDM、CDM等のような通信チャンネル(例えば、順方向リンク、逆方向リンク)を分割する実質的に任意のタイプのデュプレクス技術を利用しうる。基地局102は、基地局102がアクセスを提供する無線ネットワーク128に通信可能に接続されうる。接続は、有線または無線でありうることが認識されるべきである。無線ネットワーク128は、例えば、以下に示すようなさまざまな構成要素を備えうる。基地局102は、モバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122のアップストリーム構成要素からのアクセスを受信するために、無線ネットワーク128内の1または複数のゲートウェイと通信しうる。一例において、基地局102は、無線ネットワーク128において、モバイル・デバイス116およびモバイル・デバイス122のためのセッションを設立しうる。例えばネットワーク・ゲートウェイ(図示せず)のような無線ネットワーク128の構成要素は、基地局102および/または1または複数のサービス提供ゲートウェイ(例えば、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ)を通じてフローしうる1または複数のデータ・フローを、モバイル・デバイス116および/またはモバイル・デバイス122と確立しうる。さらに、データ・フロー通信は、サポートされているさまざまなプロトコルの少なくとも1つを利用しうる。
【0031】
以下にさらに詳細に説明するように、1または複数のデータ・フローが、モビリティ・プロトコル・タイプに依存して、モバイル・デバイス116および/またはモバイル・デバイス122からゲートウェイへとトンネルされうる。そのようなトンネリングを容易にするために、データがカプセル化され、ヘッダ、フッタ、あるいは、その他のカプセル化情報が含まれる。これらは、例えば宛先のようなデータに関する情報を取得するために、受信デバイスによって読み取られる。カプセル化情報は、例えば、データを宛先へ転送したり、宛先においてデータを解釈するために利用されうる。しかしながら、ネットワーク・ベースのモビリティ・プロトコルもまた同様に利用されうることが認識されるべきであり、ここでは、例えば、無線ネットワーク128に入ると、無線ネットワーク128内で通信されるデータが処理されるか、および/または、ネットワーク・ベースのモビリティ・プロトコルへ変換されうる。
【0032】
図2に示すように、カプセル化情報を通信することを容易にするシステム200が示される。このシステム200は、無線ネットワークへのアクセスを受信するネットワーク・デバイス202と、1または複数のデバイスやアクセス・ポイント等へ無線ネットワーク・アクセスを提供するアクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204と、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204(または1または複数の更なるゲートウェイ)に、アップストリーム無線ネットワーク構成要素へのアクセスを提供するコア・ネットワーク・ゲートウェイ206と、ネットワークまたはアクセス・ネットワーク・ゲートウェイとネットワーク・デバイスとの間のデータ・フローを許可するポリシー・サーバ208とを含む。
【0033】
例によれば、ネットワーク・デバイス202は、モバイル・デバイス、アクセス・ポイント、モビリティ管理エンティティ(MME)等でありうる。そして、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206を経由して無線ネットワークへアクセスを提供するためにネットワーク・デバイス202と通信しうる。コア・ネットワーク・ゲートウェイ206は、ネットワーク・デバイス202と通信するために、例えばインターネット・プロトコル(IP)フローのようなデータ・フローに対し、ポリシー・サーバ208からの許可を求める。ポリシー・サーバ208は、このフローを許可または拒否し、(例えば、サービス品質(QoS)サポートのような)フロー・サポートを容易にするために、関連するフロー情報をアクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ送信しうる。さらに、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206あるいは他のネットワーク・エンティティは、IPフローによる通信に利用するためのモビリティ・プロトコルを選択しうる。コア・ネットワーク・ゲートウェイ206あるいは他のネットワーク・エンティティが、ホスト・ベースのモビリティ・プロトコルを選択した場合、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206は、フローによって送信されたデータをカプセル化することによって、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204(および/または、例えばアクセス・ポイント、MME、無線デバイス等のような1または複数の媒介)を介してネットワーク・デバイス202へデータをトンネルしうる。しかしながら、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206あるいは他のネットワーク・エンティティがネットワーク・ベースのモビリティ・プロトコルを選択した場合、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、受信したデータを、ネットワークによって利用されるプロトコルへ変換し、この変換されたデータを、宛先構成要素へ転送しうる。ネットワーク・ベースのモビリティ・プロトコルを利用する場合、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、受信したデータを解釈できるので、QoSサポートを提供できることが認識されるべきである。
【0034】
それに加えて、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206は、選択されたモビリティ・プロトコル・タイプにおけるトンネリングに関連するカプセル化情報を、ポリシー・サーバ208に対して指定しうる。ポリシー・サーバ208は、ネットワーク・デバイス202とコア・ネットワーク・ゲートウェイ206との間のフローを詳しく調べる際に利用するために、関連するカプセル化情報をアクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ転送しうる。一例において、ポリシー・サーバ208は、フロー情報を通信する場合、受信したカプセル化情報をアクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ送信しうる。一例において、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206によって指定されたカプセル化情報は、カプセル・ヘッダが利用されるべきであるかを示すインジケータ、利用されるべきカプセル・ヘッダ、ネットワーク・デバイスからコア・ネットワーク・ゲートウェイ206へ(あるいは、その逆)のカプセル化メッセージにおけるカプセル・ヘッダの開始および/または終了に対応する1または複数のオフセット、利用されているモビリティ・プロトコル・タイプ等でありうる。したがって、例えば、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206が、セッション確立要求でカプセル・ヘッダ・インジケータを送信する場合、ポリシー・サーバ208は、このインジケータを評価し、カプセル・ヘッダまたはその他のトンネリング情報を、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ送信されるポリシー・ルール(一例では、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206を経由して送信されうる)に含めるべきかを判定する。
【0035】
コア・ネットワーク・ゲートウェイ206から受信したカプセル化情報が、明示的なカプセル・ヘッダを備える場合、ポリシー・サーバ208は、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へのポリシー・ルールのその後の送信にヘッダを含める。これによって、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、ヘッダを識別し、関連するデータ・フローを詳しく調べる際に、このヘッダを考慮できるようになる。ヘッダが存在しない場合(および/または、値が、ヘッダが存在しないことを示す場合)、ポリシー・サーバ208は、カプセル・ヘッダ無しで、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へポリシー・ルールを送信しうる。この点において、ポリシー・サーバ208は、プロトコル特有の実装が簡略化された適切なカプセル化を利用しうる。別の例において、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206は、ネットワーク・デバイス202とコア・ネットワーク・ゲートウェイ206との間のトンネル化されたフロー通信に利用されるカプセル・ヘッダの位置に関連する開始/終了点およびオフセットを送信しうる。したがって、ポリシー・サーバ208は、この情報を、ポリシー・ルールと共に、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ転送しうる。アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、カプセル・ヘッダおよび/またはカプセル化されたフローを検出し、このフローのサポートを提供するために、ネットワーク・デバイス202とコア・ネットワーク・ゲートウェイ206との間のデータ・フローを詳しく調べる際に、カプセル・ヘッダおよび/またはカプセル化されたフローを解釈しうる。また別の例では、カプセル化情報が、モビリティ・プロトコル・タイプを含む場合、ポリシー・サーバ208は、ポリシー・ルールのための適切なカプセル化を決定するためのこのタイプを利用し、カプセル化情報を、説明するように、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ転送しうる。別のシステムでは、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、サービス提供ゲートウェイ、高レート・パケット・データ(HRPD)サービス提供ゲートウェイ、ゲートウェイGPRSサービス提供ゲートウェイ(GGSN)、PDNゲートウェイ、WiMAXアクセス・ゲートウェイ、アクセス・ゲートウェイ、基地局、アクセス・ノード、デジタル加入者ライン・アクセス・マルチプレクサ(DSLAM)、あるいは、中間ノードを示すその他の名称によって表されうる。
【0036】
カプセル化情報は、ヘッダしか含んでいないのではなく、フッタ、パッケージング命令または符号化命令、セキュリティ鍵等をも含みうることが認識されるべきである。何れにせよ、ポリシー・サーバ208は、受信した情報を(例えば、ポリシー・ルール送信とともに)アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ提供しうる。これによって、ポリシー・サーバ208は、異なるモビリティ・プロトコルのための特有の実装を要しないようになる。一例において、カプセル化情報が、モビリティ・プロトコル・タイプである場合、ポリシー・サーバ208におけるプロトコル特有の符号化を緩和するために、コンフィギュレーションが処理および利用され、プロトコル・タイプが、適切なカプセル化情報に調和される。カプセル化情報が決定されると、ポリシー・ルールとともに、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204へ送信されうる。アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、説明するように、ネットワーク・デバイス202とコア・ネットワーク・ゲートウェイ206との間でトンネルされたデータを解釈するために、カプセル化情報を利用しうる。そして、提供されたポリシー・ルールを用いて、フローのために、例えば、QoSサポートのようなサポートを提供しうる。一例において、ポリシー・サーバ208は、無線ネットワークにおけるポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)でありうる。同様に、コア・ネットワーク・ゲートウェイ206は、パケット・データ・ネットワーク(PDN)ゲートウェイになりえる。また、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ204は、例えば、MME、アクセス・ポイント、モバイル・デバイス、あるいは、1または複数のデバイスへアクセスを提供する無線ネットワークと通信する他のゲートウェイのようなサービス提供ゲートウェイでありうる。
【0037】
図3に移って、プロトコル特有の実装が簡略化されたカプセル化情報を提供することを容易にする無線通信システム300が例示されている。このシステム300は、無線ネットワークにおいて動作することができ、図示するものよりも多くのその他の構成要素を備えており、アクセス・ポイントおよびさまざまなアクセス端末を含んでいる。このシステム300は、サービス提供ゲートウェイ306と通信する1または複数のデバイス(図示せず)とのデータ・フローを確立するために、ポリシー・サーバ304と通信するネットワーク・ゲートウェイ302を備える。説明するように、サービス提供ゲートウェイ306は、(例えば、アクセス・ポイント、アクセス端末等のような)1または複数のデバイスから、ネットワーク・アクセスを求める関連要求を受信しうる。
【0038】
ネットワーク・ゲートウェイ302は、ポリシー・サーバ304からモバイル・デバイスと通信するためのデータ・フローを要求しうるデータ・フロー要求部308と、もしあれば、サービス提供ゲートウェイ306を介したモバイル・デバイスとの通信をトンネルする際に利用されるべきカプセル化情報を指定するカプセル化情報生成器310と、関連するカプセル化情報をポリシー・サーバ304へ送信しうるカプセル化情報指定部312とを備えうる。ポリシー・サーバ304は、例えば、上述したようなインジケータ、ヘッダ、オフセット、開始/終了位置等のようなカプセル化情報を取得しうるカプセル化情報受信機314と、受け取られたモビリティ・プロトコル、データ・フロー・タイプ等に関連する1または複数のポリシー・ルールを示すポリシー・ルール指定部316と、取得されたカプセル化情報を(一例において、ポリシー・ルールとともに)送信しうるカプセル化情報転送部318とを備えうる。また、サービス提供ゲートウェイ306は、(例えば、ネットワーク・ゲートウェイ302あるいはその他を経由して)ポリシー・サーバ304からカプセル化情報を受信するカプセル化情報評価部320と、利用されているフロー・タイプを判定するために、受信したポリシー情報を評価するポリシー・ルール決定部322と、受信したカプセル化情報およびフロー・ポリシーを考慮して、例えばQoSサポートのようなサポートを提供するために、ネットワーク・ゲートウェイ302とモバイル・デバイスとの間のデータ・フローを解釈するデータ・フロー・トラバーサ(traverser)324とを含みうる。
【0039】
例によれば、サービス提供ゲートウェイ306は、接続されたデバイスまたはアクセス・ポイントから、接続確立要求を受信し、この要求を、ネットワーク・ゲートウェイ302へ送信しうる。データ・フロー要求部308は、説明するように、ポリシー・サーバ304から、デバイスとのデータ・フロー確立を要求しうる。データ・フロー要求部308は、一例において、ポリシー・サーバ304に対してフロー・タイプを指定しうる。認可を受信することに基づいて、データ・フロー要求部は、デバイスとのデータ・フローを確立し、データ・フロー要求部308は、フロー通信のためのモビリティ・プロトコル・タイプを選択するか、あるいは、選択するように指示されうる。そして、カプセル化情報生成器310は、モビリティ・プロトコル・タイプに関連する適切なカプセル化情報を決定しうる。例えば、ホスト・ベースのモビリティ・プロトコルが選択される場合、カプセル化情報生成器310は、モビリティ・プロトコル・タイプを使用して、通信に関連するカプセル化情報を決定しうる。そして、カプセル化情報指定部312は、ポリシー・サーバ304へとカプセル化情報を送信しうる。
【0040】
したがって、例えば、選択されたモビリティ・プロトコル・タイプが、汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリング・プロトコル(GTP)である場合、カプセル化情報生成器310は、カプセル化値を生成しないか、あるいはヌル(NULL)のカプセル化値を生成しうる。例えば、インジケータが利用されている場合、カプセル化情報生成器310はそれを偽(false)に設定することができ、カプセル・ヘッダが使用されている場合、カプセル化情報生成器310は、それをヌルに設定することができ、オフセットがゼロに設定されうる。同様に、選択されたモビリティ・プロトコル・タイプが、プロキシ・モバイル・インターネット・プロトコル(PMIP)である場合、トンネリングは、ネットワーク・ゲートウェイ302(例えば、PDNゲートウェイ)とサービス提供ゲートウェイ306との間でのみ実行され、一例では、そのプロトコル・タイプについて、サービス提供ゲートウェイ306へのカプセル化は、個別に指定される必要はないので、カプセル化情報生成器310は、カプセル化情報を設定しないか、あるいは、ヌルのカプセル化情報を設定しうる。
【0041】
また別の例では、選択されたモビリティ・プロトコルが、デュアル・スタック・モバイル・インターネット・プロトコル(DSMIP)、通信がデバイスからサービス提供ゲートウェイ306を介してネットワーク・ゲートウェイ302へトンネルされるホスト・ベースのモビリティ・プロトコルである場合、カプセル化情報生成器310は、適切なカプセル化情報を生成しうる。例えば、カプセル化情報生成器310は、インジケータ値を真(true)に設定するか、あるいは、生成された情報内にカプセルが存在することを示す他の値に設定しうる。別の例において、カプセル化情報生成器310は、実際のカプセル・ヘッダを提供しうる。同様に、カプセル化情報生成器310は、デバイスからネットワーク・ゲートウェイ302へとトンネルされる通信におけるカプセル・ヘッダを区別するカプセル化情報に、オフセットおよび/または開始/終了点を挿入しうる。さらに、あるいは、その代わりに、カプセル化情報生成器310は、モビリティ・プロトコル・タイプを示すインジケーションを含みうる。カプセル化情報が生成されると、カプセル化情報指定部312は、ポリシー・サーバ304に情報を通知しうる。
【0042】
カプセル化情報受信機314は、説明するように、ネットワーク・ゲートウェイ302からカプセル化情報を取得しうる。この情報は、カプセル・ヘッダあるいはその他のカプセル化命令群が、関連するデータ・フローによるその後の通信において指定されているかを示すインジケータ、カプセル・ヘッダ自身、カプセル・ヘッダに関連するデータ・フロー通信内のオフセットまたは開始/終了点、モビリティ・プロトコル・タイプ等でありうる。ポリシー・ルール指定部316は、ネットワーク・ゲートウェイ302および、それが通信しているデバイスによって利用されるデータ・フローに関連する1または複数のポリシー・ルールを生成しうる。これらルールは、データ・フローの詳しい調査を可能にしうる。例えば、これらルールは、少なくとも部分的に、受信したインターネット・プロトコル接続アクセス・ネットワーク(IP−CAN)タイプ(例えば、デバイスとネットワーク・ゲートウェイ302との間の関係)、および/または、データ・フローに対する許可要求で指定されたラジオ・アクセス端末(RAT)タイプに基づいて生成されうる。
【0043】
ポリシー・ルールが生成されると、ポリシー・ルール指定部316は、サービス提供ゲートウェイ306へこれらルールを送信しうる。また、そのような情報がデータ・フローで利用される場合、カプセル化情報転送部318は、サービス提供ゲートウェイ306へカプセル化情報を送信しうる。一例では、この情報は、定義されたポリシー・ルールのうちの1または複数とともに送信され、これによって、サービス提供ゲートウェイ306は、カプセル化されたデータ・フローでさえも詳しく調べることができるようになる。例えば、カプセル化情報がヘッダである場合、説明するように、カプセル化情報転送部318は、サービス提供ゲートウェイ306へヘッダを送信しうる。カプセル化情報が、例えばフッタ、カプセル化命令群、セキュリティ鍵等のようなその他のデータに関連している場合、カプセル化情報転送部318は、サービス提供ゲートウェイ306へも同様に送信しうる。一例において、カプセル化情報受信機314によって、何れのカプセル化情報も発見されない場合(例えば、カプセル化情報受信機314が、受信したカプセル化情報に基づいて、何れのカプセル化も使用されるべきではないことを検知した場合)、カプセル化情報転送部318は、サービス提供ゲートウェイ306へカプセル化情報を送信しない(および/または、どのカプセル化情報も存在しないことを示すインジケーションを送信する)。
【0044】
この例では、サービス提供ゲートウェイ306は、ポリシー・ルールを受信しうる。そして、カプセル化情報評価部320は、ポリシー・サーバ304が、カプセル化情報を指定したかを判定しうる。指定したと判定された場合、カプセル化情報評価部320は、カプセル化情報を除去するか、そうでない場合には、考慮することによって、フロー・データを解釈しうる。ポリシー・ルール判定部322は、ポリシー・サーバ304から受信した1または複数のポリシー・ルールを識別しうる。その後、データ・フロー・トラバーサ324は、ネットワーク・ゲートウェイ302と、通信している関連するデバイスとの間のデータ・フローによって受信したデータを解釈しうる。これに関し、サービス提供ゲートウェイ306は、ポリシー・サーバ304からフローに関する情報および可能なカプセルを受信することにより、フロー制御を提供しうる。また、ポリシー・サーバは、この情報の送信を容易にするためにプロトコル特有の実装を必要としない。
【0045】
図4を参照して、後の通信のためにPCRFへカプセル化情報を示すことを容易にする無線通信システム400の例が例示される。この無線通信システム400は、信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404に接続するUE402を含みうる。説明するように、非3GPP IPアクセス・デバイス404は、コア無線ネットワークからデータを受信するために、PDNゲートウェイ406と通信しうる。そして、PDNゲートウェイ406は、コア・ネットワークのためにポリシー・ルールを提供するPCRF408へ接続されうる。無線ネットワーク上のデバイスを認証するために、PCRF408は、無線ネットワークのホーム加入者サブシステム(HS)410と通信しうる。一例として、この例は、DSMIPアクセス・ネゴシエーションを示しうることが認識されるべきである。
【0046】
例によれば、UE402は、信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404へのアクセスを求めるメッセージ412を送信しうる。UE402が無線ネットワークにアクセスできることを保証するために、信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404は、PDNゲートウェイ406へ、認証および認可要求414を送信しうる。PDNゲートウェイ406は、それをPCRF408、最終的にはHSS410へ送信する。UE402は、UE402の非3GPP IPアクセス・デバイス404上のローカルIPアドレスをネゴシエートするためのメッセージ416を送信しうる。この点において、信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404は、UE402へ無線ネットワーク・アクセスを提供するためのゲートウェイ(例えば、サービス提供ゲートウェイ)の役割をしうる。既に説明したように、UE402からのアクセス要求によって、信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404は、PCRF408とのゲートウェイ・セッション確立418を要求できるようになる。このセッション確立要求は、例えば、PCRF408において、この要求の許可または拒否、および/または、1または複数のポリシー・ルールの生成を容易にするために、その後のIPフロー確立および/またはRATタイプに関連するIP−CANタイプを備えうる。PCRF408は、ゲートウェイ制御セッション確立アクノレッジメント420を送信しうる。
【0047】
UE402は、信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404を介したPDNゲートウェイ406への1または複数のIPフローを確立するために、PDNゲートウェイ406と、MIPバージョン6関係をセットアップ422する。例えば、PDNゲートウェイ406は、トンネルに対する認証および認可424を検証しうる。IPフローに結びつけるために、UE402からPDNゲートウェイ406へとバインディング・アップデート426が送信されうる。それにしたがって、PDNゲートウェイ406は、UE402に関するIP−CANセッション確立428を、PCRF408に示しうる。例えば、このようなセッション確立を示すインジケーションに、PDNゲートウェイ406は、説明するように、PCRF408によるその後の使用のためのカプセル化情報を含めうる。カプセル化情報は、カプセル化情報がIPフローで利用されているかを示すインジケータ、IPフローで利用されているカプセル・ヘッダ、IPフローによる通信におけるカプセル・ヘッダのオフセットおよび/または開始/終了、モビリティ・プロトコル・タイプ等を含みうる。PCRF408は、IP−CANセッション確立をアクノレッジ430しうる。
【0048】
少なくとも部分的にこのIP−CANセッション確立アクノレッジメントに基づいて、PDNゲートウェイ406は、バインディング・アクノレッジメント432をUE402へ送信しうる。この例では、例えばDSMIPのようなホスト・ベースのモビリティが利用され、PCRF408は、説明するように、434において、ゲートウェイ制御およびQoSポリシー・ルール・プロビジョン・メッセージによって、受け取られたモビリティ・プロトコル・タイプまたはパラメータ、データ・フロー判定基準等を含みうるポリシー・ルールを、IPフローのカプセル化情報とともに、信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404へ送信しうる。例えば、PCRF408は、ゲートウェイ制御セッション確立418で受信したIP−CANタイプおよび/またはRATタイプに基づいてポリシー・ルールを生成しうる。別の例において、PCRF408は、既に詳しく説明したように、IP−CANセッション確立428を示すインジケーションで受信したカプセル化情報を含みうる。信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404は、既に説明したように、ポリシー・ルールおよび/またはカプセル化情報を受信し、トンネルされたIPフローを非カプセル化するためにこのカプセル化情報を利用し、受信したポリシー・ルールに基づいて、IPフローのためのQoSサポートを提供しうる。信頼された非3GPP IPアクセス・デバイス404は、ゲートウェイ制御およびQoSポリシー・ルール・プロビジョン・アクノレッジメント436をPCRF408へ送信しうる。特に、ローミングの場合、この無線通信システム600内に追加の構成要素が存在しうるが、説明の目的で、一部のみしか示されていないことが認識されるべきである。
【0049】
図5に移って、後の通信のためにPCRFへカプセル化情報を示すことを容易にする無線通信システム500の例が例示される。このシステム500は、UE502、UE502へ無線ネットワーク・アクセスを提供するアクセス・ポイントでありうるeNodeB504、eNodeB504からの情報を通信するためにネットワーク・ベースのモビリティをサポートする新たなMME506、新たなMME506との間でデータを転送する古いMME/サービス提供GPRSサポート・ノード(SGSN)508、サービス提供ゲートウェイ510、PDNゲートウェイ512、PCRF514、およびHSS516を含む。これらは、既に説明したものと類似している。一例において、このシステム500は、例えばGTPのようなネットワーク・ベースのモビリティを用いて、UE502のためのネットワーク・アクセスを確立するために利用されうる。
【0050】
UE502は、eNodeB504へ接続要求518を送信し、無線ネットワーク接続を求める。eNodeB504は、新たなMME506を用いたアクセスを確立するために、接続要求520を新たなMME506へ転送しうる。新たなMME506は、UE502の識別情報を検証するために、識別要求522を古いMME/SGSN508へ送信し、古いMME/SGSN508は、それに応答524しうる。その後、新たなMME506は、識別要求526をUE502に送信し、UE502から識別応答528を受信しうる。その後、UE502は、新たなMME506へ認証情報530を送信し、これによって、MME506は、HSS516における認証を検証できるようになる。新たなMME506は、サービス提供ゲートウェイ510に対して、デフォルト・ラジオ・ベアラを生成する要求532を送信し、これによって、サービス提供ゲートウェイ510は、PDNゲートウェイ512から同じものを求める要求534を送信できるようになる。
【0051】
デフォルト・ベアラ要求534を受信すると、PDNゲートウェイ512は、説明するように、536において、PCRF514と通信し、カプセル化情報を示さない。あるいは、説明するように、PDNゲートウェイ512を介してサービス提供ゲートウェイ510と通信するために何れのカプセル化情報も必要とされていないことを示す。なぜなら、図示するネットワーク・ベースのモビリティ・プロトコルは、UE502とPDNゲートウェイ512との間の通信をトンネルしないからである。この点に関し、PCRFインタラクション536中、PCRF514は、ポリシー・ルールを、カプセル化することなくPDNゲートウェイ512へ送信する。さらに、あるいは、その代わりに、PDNゲートウェイ512は、PCRF514へモビリティ・プロトコル・タイプを送信し、PCRF514は、カプセル化しないことを決定しうることが認識されるべきである。さらに、PDNゲートウェイ512は、インタラクション536中に、IP−CANタイプおよび/またはRATタイプを送信しうる。これらは、説明するように、ポリシー・ルールを定義する際に、PCRF514によって利用されうる。PDNゲートウェイ512は、デフォルト・ベアラ応答生成538時に、これらルールを、サービス提供ゲートウェイ510へ転送しうる。サービス提供ゲートウェイ510は、これらルールを実施するか、および/または、デフォルト・ベアラ応答生成540時に、新たなMME506へ転送しうる。これらベアラおよびポリシー・ルールを用いて、新たなMME506は、eNodeB504からの接続要求542を受け取り、UE502へRRC接続再設定544を送信しうる。UE502は、そのRRC接続を設定し、完了メッセージ546を送信しうる。そして、eNodeB504は、接続完了メッセージ548を新たなMME506へ送信しうる。特に、ローミングの場合、この無線通信システム600内に追加の構成要素が存在しうるが、説明の目的で、一部のみしか示されていないことが認識されるべきである。
【0052】
図6を参照して、後の通信のためにPCRFへカプセル化情報を示すことを容易にする無線通信システム600が示される。このシステム600は、UE602、eNodeB604、新たなMME606、古いMME608、サービス提供ゲートウェイ610、PDNゲートウェイ612、PCRF614、およびHSS616を含みうる。これらは、前の図中で言及されたものと類似している。一例において、このシステム600は、例えばPMIPのようなネットワーク・ベースのモビリティを用いて、UE602のためのネットワーク・アクセスを確立するために利用されうる。ここでは、ポリシー決定が、PDNゲートウェイ612からサービス提供ゲートウェイ610へ、トンネルされることなく通信されうる。PDNゲートウェイ612、PCRF614、および/またはHSS616は、異なるエンティティが、図中の異なるモビリティ・プロトコルを用いて、PDNゲートウェイ612によって無線ネットワーク・アクセスが確立されている図4乃至図6にわたって類似しうることが認識されるべきである。
【0053】
UE602は、以前の図面におけるものと類似した接続手順618を実行して、ネットワーク・アクセスを要求する。この接続手順618は、既に示したように、構成要素間の通信を引き起こす。eNodeB604に関連するRATタイプを含みうるプロキシ・バインディング・アップデート620が、サービス提供ゲートウェイ610からPDNゲートウェイ612へ送信されうる。PDNゲートウェイ612は、例えば、モビリティ・プロトコル・タイプのように、UE602との通信の際に利用されるカプセル化情報を示すメッセージ622をPCRF614へ送信しうる。そして、PCRF614は、アクノレッジメント624を送信しうる。説明するように、カプセル化情報は、一例において、ヌル(NULL)、すなわち、そのような情報の不在に関連しうる。アクノレッジメント624を受信すると、PDNゲートウェイ612は、プロキシ・バインディングをアクノレッジ626しうる。サービス提供ゲートウェイ610は、その後、無線ネットワーク・セッションを確立するために、一例において、IP−CANタイプおよび/またはRATタイプを備えうるゲートウェイ制御確立628を、PCRFへ送信しうる。
【0054】
確立要求628を受信すると、PCRF614は、説明するように、少なくとも部分的に、RATタイプおよび/またはIP−CANタイプに基づいて、ポリシー・ルールを生成しうる。PCRF614は、ポリシー制御および課金(PCC)プロビジョン630をPDNゲートウェイへ送信しうる。このプロビジョンは、カプセル化されない。なぜなら、PDNゲートウェイ612は、カプセル化情報を送信しないか、あるいは、カプセル化が使用されるべきではないことを示すインジケーションを送信するからである。あるいは、カプセル化情報は、(例えば、この例ではPMIPのような)モビリティ・プロトコル・タイプを備えうる。これは、PCRF614が、カプセル化が必要とされていないことを判定するために利用しうる。PDNゲートウェイは、PCC決定アクノレッジメント632を送信し、PCRF614は、サービス提供ゲートウェイ610へ、制御セッション確立アクノレッジメント634を送信しうる。特に、ローミングの場合、この無線通信システム600内に追加の構成要素が存在しうるが、説明の目的で、一部のみしか示されていないことが認識されるべきである。さらに、その他多くのモビリティ・プロトコルがサポートされ、PDNゲートウェイ612は、モビリティ・プロトコル・タイプのための(例えば、モビリティ・プロトコル・タイプ、カプセル・ヘッダ、ヘッダ位置、フッタ、セキュリティ鍵、符号化命令群等のような)適切なカプセル化情報を送信しうる。
【0055】
図7乃至図8を参照して、1または複数のサービス提供ゲートウェイへの通信のために、カプセル化情報をポリシー・サーバへ提供することに関連する方法が例示される。説明を単純にする目的で、これら方法は、一連の動作として示され説明されているが、これら方法は、1または複数の実施形態にしたがって、幾つかの動作が本明細書で示され記載されたものとは異なる順序で、あるいは他の動作と同時に生じうるので、動作の順序によって限定されないことが理解され認識されるべきである。例えば、当業者であれば、これら方法はその代わりに、例えば状態図におけるように、一連の相互関連する状態またはイベントとして表されうることを理解し認識するだろう。さらに、1または複数の実施形態にしたがって方法を実現するために、必ずしも例示された全ての動作が必要とされる訳ではない。
【0056】
図7に移って、カプセル化情報およびポリシー・ルールを送信することを容易にする方法700が示される。702では、データ・フロー通信で利用されるカプセル化情報が受信される。この情報は、説明するように、ネットワーク・ゲートウェイから受信され、モバイル・デバイスとの通信に関連しうる。さらに、カプセル化情報は、説明するように、ネットワーク・ゲートウェイおよび/またはデバイスあるいはその間で通信するアクセス・ポイントによって利用されるモビリティ・プロトコル・タイプ、モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル・ヘッダ、カプセル・ヘッダが利用されるべきかを示すインジケーション、その後のフロー通信におけるカプセル・ヘッダのオフセットまたは開始/終了位置等を備えうる。704では、データ・フローを詳しく調べることに関連するポリシー・ルールが生成されうる。既に説明したように、ポリシー・ルールは、少なくとも部分的に、RATタイプ、および/または、データ・フローに関連する受信されたIP−CANタイプに基づいて生成されうる。
【0057】
706では、カプセルが利用されるべきであるとカプセル化情報が示しているかが判定される。一例において、カプセルは、モビリティ・プロトコル・タイプを含む場合、タイプに基づいて決定されうる。別の例では、カプセル化情報が、カプセル・ヘッダ、または、ヘッダを検出することに関連するパラメータを備えている場所が判定されうる。カプセル化が示される場合、前述したように、708において、カプセル化情報が、サービス提供ゲートウェイへ送信され、示されない場合、方法は、ステップ710に進む。710では、カプセル化されていようといまいと、ポリシー・ルールがサービス提供ゲートウェイへ送信されうる。一例において、例えば706のように、カプセル化情報は、カプセル化情報に関連する判定を行うことなく、サービス提供ゲートウェイへ転送されうることが認識されるべきである。
【0058】
図8に移って、サービス提供ゲートウェイとの後の通信のためにポリシー・サーバへカプセル化情報を示すことを容易にする方法800が例示される。802では、デバイスとの通信に関連するモビリティ・プロトコル・タイプが選択されうる。一例において、これは、ポリシー・サーバから、データ・フローの許可を受信することに基づいて選択されうる。804では、モビリティ・プロトコル・タイプに基づいて、デバイスとの通信のためのカプセル化情報が決定されうる。この情報は、モビリティ・プロトコル・タイプを用いたデータ・フローを介したデバイスとの通信が、カプセル化される必要があるか、および/または、どの程度される必要があるかに関連しうる。806では、カプセル化情報がポリシー・サーバへと送信されうる。この点に関し、ポリシー・サーバは、説明するように、デバイスから受信したカプセル化データ、および/または、デバイスへ送信されるカプセル化データを解釈することを容易にするために、カプセルを他のネットワーク構成要素へ転送しうる。
【0059】
本明細書に記載された1または複数の態様によれば、説明するように、カプセル化情報の決定について、および/または、その情報をいつ適用するかについて推論がなされうることが認識されるだろう。本明細書で使用されるように、「推論する」または「推論」なる用語は一般に、イベントおよび/またはデータによって取得されたような観察のセットから、システム、環境、および/または、ユーザの状態の推論あるいはそれらに関する推理のプロセスを称する。推論は、特定の文脈または動作を特定するために適用されるか、あるいは、例えば状態にわたる確率分布を生成しうる。推論は、確率論的、すなわち、データおよびイベントの考慮に基づいて、該当する状態にわたる確率分布を計算することでありうる。推論はまた、イベントおよび/またはデータのセットから、より高いレベルのイベントを構築するために適用される技術を称することができる。そのような推論によって、イベントが時間的に近接していようといまいと、これらイベントおよびデータが1または幾つかのイベント・ソースおよびデータ・ソースに由来していようと、観察されたイベントおよび/または格納されたイベント・データのセットから、新たなイベントまたは動作を構築することができる。
【0060】
図9は、無線通信システム900の例を示す。無線通信システム900は、簡潔さの目的で、1つの基地局910と1つのモバイル・デバイス950とを示している。しかしながら、システム900は、1より多い基地局、および/または、1より多いモバイル・デバイスを含むことができ、これら追加の基地局および/またはモバイル・デバイスは、以下に説明する基地局910およびモバイル・デバイス950の例と実質的に同じでも、別のものでもありうることが認識されるべきである。さらに、基地局910および/またはモバイル・デバイス950は、その間の無線通信を容易にするために、本明細書に記載されたシステム(図1乃至図6)および/または方法(図7および図8)を適用しうることが認識されるべきである。
【0061】
基地局910では、多くのデータ・ストリームのためのトラフィック・データが、データ・ソース912から送信(TX)データ・プロセッサ914へ提供される。一例によれば、おのおののデータ・ストリームが、それぞれのアンテナを介して送信される。TXデータ・プロセッサ914は、トラフィック・データ・ストリームをフォーマットし、このデータ・ストリームのために選択された特定の符合化スキームに基づいて符号化し、インタリーブして、符合化されたデータを提供する。
【0062】
おのおののデータ・ストリームの符合化されたデータは、直交周波数分割多重化(OFDM)技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。さらに、あるいは、その代わりに、パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)、時分割多重化(TDM)、あるいは符号分割多重化(CDM)されうる。パイロット・データは一般に、既知の方法で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル応答を推定するためにモバイル・デバイス950において使用されうる。おのおののデータ・ストリームについて多重化されたパイロットおよび符号化されたデータは、そのデータ・ストリームについて選択された特定の変調スキーム(例えば、BPSK、QPSK、M−PSK、M直交振幅変調(M−QAM)等)に基づいて変調され(例えば、シンボル・マップされ)、変調シンボルが提供される。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符号化、および変調は、プロセッサ930によって実行または提供される命令によって決定されうる。
【0063】
データ・ストリームの変調シンボルは、(例えば、OFDMのために)変調シンボルを処理するTX MIMOプロセッサ920に提供される。TX MIMOプロセッサ920はその後、N個の変調シンボル・ストリームを、N個の送信機(TMTR)922a乃至922tへ提供する。さまざまな実施形態において、TX MIMOプロセッサ920は、データ・ストリームのシンボル、および、そのシンボルが送信されるアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
【0064】
おのおのの送信機922は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのシンボル・ストリームを受信して処理し、さらには、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供するために、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)する。さらに、送信機922a乃至922tからのN個の変調信号は、N個のアンテナ924a乃至924tそれぞれから送信される。
【0065】
モバイル・デバイス950では、送信された変調信号が、NR個のアンテナ952a乃至952rによって受信され、おのおののアンテナ952から受信した信号が、それぞれの受信機(RCVR)954a乃至954rへ提供される。おのおのの受信機954は、それぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにこのサンプルを処理して、対応する「受信された」シンボル・ストリームを提供する。
【0066】
RXデータ・プロセッサ960は、N個の受信機954からN個のシンボル・ストリームを受信し、受信されたこれらシンボル・ストリームを、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、N個の「検出された」シンボル・ストリームを提供する。RXデータ・プロセッサ960は、検出されたおのおののシンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、そのデータ・ストリームのためのトラフィック・データを復元する。RXデータ・プロセッサ960による処理は、基地局910におけるTX MIMOプロセッサ920およびTXデータ・プロセッサ914によって実行されるものと相補的である。
【0067】
プロセッサ970は、上述したように、どの事前符合化行列を使用するのかを定期的に決定する。さらに、プロセッサ970は、行列インデクス部およびランク値部を備えた逆方向リンク・メッセージを規定することができる。
【0068】
逆方向リンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータ・ストリームに関するさまざまなタイプの情報を備えうる。逆方向リンク・メッセージは、多くのデータ・ストリームに関するトラフィック・データをデータ・ソース936から受け取るTXデータ・プロセッサ938によって処理され、変調器980によって変調され、送信機954a乃至954rによって調整され、基地局910へ送り戻される。
【0069】
基地局910では、モバイル・デバイス950からの変調信号が、アンテナ924によって受信され、受信機922によって調整され、復調器940によって復調され、RXデータ・プロセッサ942によって処理されて、モバイル・デバイス950によって送信された逆方向リンク・メッセージを抽出する。さらに、プロセッサ930は、ビームフォーミング重みを決定するためにどの事前符合化行列を使用するかを決定するために、この抽出されたメッセージを処理する。
【0070】
プロセッサ930およびプロセッサ970は、基地局910およびモバイル・デバイス950それぞれにおける動作を指示(例えば、制御、調整、管理等)する。
【0071】
プロセッサ930およびプロセッサ970はそれぞれ、プログラム・コードおよびデータを格納するメモリ932およびメモリ972に関連付けられうる。プロセッサ930およびプロセッサ970はまた、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれのための周波数およびインパルス応答推定値を導出する計算をも実行する。
【0072】
本明細書に記載された実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、あるいはこれらの任意の組み合わせで実現されうることが理解されるべきである。ハードウェアで実現する場合、処理ユニットは、1または複数の特定用途向けIC(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラム可能ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載の機能を実行するために設計されたその他の電子ユニット、あるいはこれらの組み合わせ内に実装されうる。
【0073】
これら実施形態が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアあるいはマイクロコード、プログラム・コードあるいはコード・セグメントで実現される場合、これらは、例えば記憶素子のような機械読取可能媒体に格納されうる。コード・セグメントは、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、または、命令、データ構造、あるいはプログラム文からなる任意の組み合わせを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、あるいは記憶内容の引渡および/または受信を行うことによって、他のコード・セグメントまたはハードウェア回路に接続されうる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を用いて引渡、転送、あるいは送信されうる。
【0074】
ソフトウェアで実現する場合、本明細書に記載のこれら技術は、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えば、手続き、機能等)を用いて実現されうる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット内に格納され、プロセッサによって実行されうる。メモリ・ユニットは、プロセッサ内部またはプロセッサ外部に実装されうる。プロセッサ外部に実装される場合、メモリ・ユニットは、当該技術分野で周知のさまざまな手段によってプロセッサと通信可能に接続されうる。
【0075】
図10を参照して、無線ネットワークにおいて、カプセル化情報およびポリシー・ルールを送信するシステム1000が例示される。例えば、システム1000は、基地局、モバイル・デバイス等の中に少なくとも部分的に存在しうる。システム1000は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして示されることが認識されるべきである。システム1000は、連携して動作しうる電子構成要素の論理グループ1002を含む。例えば、論理グループ1002は、後の通信のために、コア・ネットワーク・ゲートウェイからカプセル化情報を受信するための電子構成要素1004を含みうる。説明するように、カプセル化情報は、モビリティ・プロトコル・タイプ、カプセル・ヘッダ、カプセル・ヘッダを検索するためのパラメータ等を含みうる。一例において、カプセル化情報は、説明するように、確立されたデータ・フローによるデバイスとコア・ネットワーク・ゲートウェイとの間の通信に利用されるモビリティ・プロトコル・タイプに関連しうる。
【0076】
さらに、論理グループ1002は、受け取られた通信パラメータに関連する1または複数のポリシー・ルールを生成するための電子構成要素1006を備えうる。これらパラメータは、説明するように、少なくとも部分的に、RATタイプまたはデータ・フローのIP−CANタイプに基づいて生成されうる。さらに、論理グループ1002は、カプセル化情報および1または複数のポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信するための電子構成要素1008を含みうる。この点に関し、カプセル化情報は、ポリシー・ルールを、アクセス・ネットワークまたはコア・ネットワーク・ゲートウェイへ送り戻すために、カプセル化は必要とされないことを示しうることが認識されるべきである。さらに、システム1000は、電子構成要素1004、1006、1008に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ1010を含みうる。メモリ1010の外側にあると示されているが、電子構成要素1004、1006、1008のうちの1または複数は、メモリ1010内に存在しうることが理解されるべきである。
【0077】
図11に移って、後の通信のために、カプセル化情報をポリシー・サーバへ提供するシステム1100が例示される。システム1100は、例えば、基地局、モバイル・デバイス等に存在しうる。図示するように、システム1100は、プロセッサ、ソフトウェア、または(例えば、ファームウェアのような)これらの組み合わせによって実現される機能を表しうる。システム1100は、サービス提供ゲートウェイとの通信のためのカプセル化情報を指定することを容易にする電子構成要素からなる論理グループ1102を含む。論理グループ1102は、データ・フローを介した通信のためのモビリティ・プロトコル・タイプを選択するための電子構成要素1104を含みうる。説明するように、モビリティ・プロトコル・タイプは、ホスト・ベースまたはネットワーク・ベースでありうる。
【0078】
さらに、論理グループ1102は、モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル化情報を決定するための電子構成要素1106を含みうる。カプセルは、説明するように、モビリティ・プロトコル・タイプ、および/または、例えばカプセル・ヘッダ、インジケータ、通信におけるヘッダの位置、セキュリティ鍵、符号化命令群等のような、ネットワーク・ゲートウェイと無線デバイスとの間のカプセル化データに関するさまざまなパラメータを備えうる。さらに、論理グループ1102は、カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信するための電子構成要素1108をも含みうる。したがって、説明するように、カプセル化情報を受信したポリシー・サーバは、フロー・サポート(例えば、QoSサポート)を提供する際に、後の利用のために、カプセル化情報を、サービス提供ゲートウェイへ転送しうる。さらに、システム1100は、電子構成要素1104、1106、1108に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ1110を含みうる。メモリ1110の外部にあるとして示されているが、電子構成要素1104、1106、1108は、メモリ1110の内部に存在しうることが理解されるべきである。
【0079】
上述したものは、1または複数の実施形態の一例しか含んでいない。もちろん、上述した実施形態を説明する目的で、構成要素または方法の考えられる全ての組み合わせを記述することは可能ではないが、当業者であれば、さまざまな実施形態のさらに多くの組み合わせおよび置き換えが可能であることを認識することができる。したがって、記載された実施形態は、特許請求の範囲の精神およびスコープ内にあるそのような全ての変更、修正、および変形を含むことが意図される。さらにまた、用語「含む」が、詳細説明あるいは特許請求の範囲のうちの何れかで使用されている限り、その用語は、用語「備える」が、請求項における遷移語として適用される場合に解釈される用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、説明された態様および/または実施形態の構成要素は、単数形で記載または特許請求されているが、もしも単数であると明示的に述べられていないのであれば、複数が考慮される。さらに、任意の態様および/または実施形態のすべてまたは一部は、特に述べられていないのであれば、その他任意の態様および/または実施形態のすべてまたは一部とともに利用されうる。
【0080】
本明細書で開示された実施形態に関連して記述されたさまざまな例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。プロセッサは、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロプロセッサ、またはその他任意のこのような構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。それに加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上述したステップおよび/または動作のうちの1または複数を実行するように動作可能な1または複数のモジュールを備えうる。
【0081】
さらに、本明細書に開示された態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムからなるステップおよび/または動作は、ハードウェア内に直接的に組み込まれるか、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって組み込まれるか、これら2つの組み合わせに組み込まれうる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、あるいは、当該技術で周知のその他任意の形態の記憶媒体内に存在しうる。典型的な記憶媒体は、プロセッサに結合されており、これによって、プロセッサは、記憶媒体との間で情報を読み書きできるようになる。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。さらに、ある態様では、プロセッサと記憶媒体が、ASIC内に存在しうる。さらに、ASICは、ユーザ端末に存在することができる。あるいはプロセッサと記憶媒体とは、ユーザ端末内のディスクリート部品として存在することができる。さらに、いくつかの態様では、方法またはアルゴリズムのステップおよび/または動作は、機械読取可能媒体および/またはコンピュータ読取可能媒体上の1または任意の組み合わせ、または、コードおよび/または命令群のセットとして存在する。これらは、コンピュータ・プログラム製品に組み込まれうる。
【0082】
1または複数の態様では、説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能はコンピュータ読取可能媒体に格納されうるか、あるいは、コンピュータ読取可能媒体上の1または複数の命令群またはコードとして送信されうる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体との両方を含む。これらは、コンピュータ・プログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされる利用可能な任意の媒体でありうる。例として、限定することなく、そのようなコンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、コンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。さらに、いかなる接続も、コンピュータ読取可能媒体と適切に称される。同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、あるいはその他の遠隔ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるdiskおよびdiscは、コンパクト・ディスク(CD)、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ・ディスクを含む。通常、diskは、データを磁気的に再生し、discは、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークにおいてポリシー・ルールを取り扱う方法であって、
コア・ネットワーク・ゲートウェイからデータ・フロー通信に関連するカプセル化情報を受信することと、
前記データ・フロー通信に関連する1または複数のポリシー・ルールを生成することと、
前記ポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信することと
を備える方法。
【請求項2】
前記受信したカプセル化情報を、前記アクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1または複数のポリシー・ルールを生成することは、前記受信したカプセル化情報を前記1または複数のポリシー・ルールにおいて示すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カプセル化情報は、モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル・ヘッダを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カプセル化情報は、カプセル・ヘッダによってデータ・フローへ導入されたオフセットを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カプセル化情報は、前記コア・ネットワーク・ゲートウェイによってデータ・フローのために利用されるモビリティ・プロトコル・タイプを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記モビリティ・プロトコル・タイプに少なくとも部分的に基づいて、カプセル・ヘッダを決定することをさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ前記カプセル・ヘッダを送信することをさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データ・フロー通信に関連するインターネット・プロトコル接続アクセス・ネットワーク(IP−CAN)タイプを受信することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1または複数のポリシー・ルールを生成することは、前記IP−CANタイプに少なくとも部分的に基づく請求項9に記載の方法。
【請求項11】
無線通信装置であって、
ネットワーク・ゲートウェイとネットワーク・デバイスとの間のデータ・フローで利用されたモビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル化情報を受信し、
前記データ・フローのタイプに少なくとも部分的に基づいて1または複数のポリシー・ルールを定義し、
前記カプセル化情報および前記1または複数のポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信する
ように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリと
を備える無線通信装置。
【請求項12】
無線ネットワークにおいてポリシー・ルールを送信することを容易にする無線通信装置であって、
後の通信のためにコア・ネットワーク・ゲートウェイからカプセル化情報を受信する手段と、
受け取られた通信パラメータに関連する1または複数のポリシー・ルールを生成する手段と、
前記カプセル化情報および前記1または複数のポリシー・ルールを、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信する手段と
を備える無線通信装置。
【請求項13】
コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
前記コンピュータ読取可能媒体は、
少なくとも1つのコンピュータに対して、コア・ネットワーク・ゲートウェイからデータ・フロー通信に関連するカプセル化情報を受信させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに対して、前記データ・フロー通信に関連するタイプに少なくとも部分的に基づいて、1または複数のポリシー・ルールを生成させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに対して、前記カプセル化情報および前記1または複数のポリシー・ルールを、アクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信させるためのコードと
を備えるコンピュータ・プログラム製品。
【請求項14】
装置であって、
デバイスとのデータ・フロー通信に関連するコア・ネットワーク・ゲートウェイからカプセル化情報を取得するカプセル化情報受信機と、
前記データ・フロー通信のタイプに少なくとも部分的に基づいて1または複数のポリシー・ルールを生成し、前記1または複数のポリシー・ルールをアクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ送信するポリシー・ルール指定部と
を備える装置。
【請求項15】
前記ポリシー・ルール指定部は、前記1または複数のポリシー・ルールに前記カプセル化情報を含める請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記アクセス・ネットワーク・ゲートウェイへ前記カプセル化情報を送信するカプセル化情報転送部をさらに備える請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記カプセル化情報は、カプセル・ヘッダである請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記カプセル化情報は、データ・フロー通信による後のメッセージ内に、カプセル・ヘッダを区別する1または複数の位置を備える請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記カプセル化情報は、モビリティ・プロトコル・タイプを備える請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記カプセル化情報受信機は、前記モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル・ヘッダを決定する請求項19に記載の装置。
【請求項21】
後の通信のためのカプセル化情報を示すことを容易にする方法であって、
モバイル・デバイスとのデータ・フロー通信に関連するモビリティ・プロトコル・タイプを選択することと、
前記モビリティ・プロトコル・タイプに少なくとも部分的に基づいて、前記データ・フロー通信のためのカプセル化情報を生成することと、
前記カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信することと
を備える方法。
【請求項22】
前記カプセル化情報を送信することは、前記モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル・ヘッダを提供することを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記カプセル化情報を送信することは、前記データ・フロー通信におけるカプセル・ヘッダの終了に対応する、その後のデータ・フロー通信におけるオフセットを示すことを含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記カプセル化情報を送信することは、その後のデータ・フロー通信内に、カプセル・ヘッダの開始および終了位置を示すことを含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記カプセル化情報を送信することは、前記モビリティ・プロトコル・タイプを前記ポリシー・サーバへ送信することを含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
無線通信装置であって、
確立されたデータ・フローによってデバイスと通信するためのモビリティ・プロトコル・タイプを決定し、
前記モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル化情報を生成し、
アクセス・ネットワーク・ゲートウェイへの後の通信のために、前記カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信する
ように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続されたメモリと
を備える無線通信装置。
【請求項27】
サービス提供ゲートウェイと通信するためのカプセル化情報を示す無線通信装置であって、
データ・フローによって通信するためのモビリティ・プロトコル・タイプを選択する手段と、
前記モビリティ・プロトコル・タイプに関連するカプセル化情報を決定する手段と、
前記カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信する手段と
を備える無線通信装置
【請求項28】
コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
前記コンピュータ読取可能媒体は、
少なくとも1つのコンピュータに対して、モバイル・デバイスとのデータ・フロー通信に関連するモビリティ・プロトコル・タイプを選択させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに対して、前記モビリティ・プロトコル・タイプに少なくとも部分的に基づいて、サービス提供ゲートウェイと通信するためのカプセル化情報を決定させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに対して、前記カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信させるためのコードと
を備えるコンピュータ・プログラム製品
【請求項29】
装置であって、
デバイスとのデータ・フローを確立し、前記データ・フローによる通信のためのモビリティ・プロトコル・タイプを選択するデータ・フロー要求部と、
前記モビリティ・プロトコル・タイプに少なくとも部分的に基づいてカプセル化情報を生成するカプセル化情報生成器と、
前記カプセル化情報をポリシー・サーバへ送信するカプセル化情報指定部と
を備える装置。
【請求項30】
前記カプセル化情報は、カプセル・ヘッダを含む請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記カプセル化情報は、カプセル・ヘッダの終了に対応する、後のデータ・フローによる通信におけるオフセットを備える請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記カプセル化情報は、前記後のデータ・フローによる通信におけるカプセル・ヘッダの開始および終了位置を含む請求項29に記載の装置。
【請求項33】
前記カプセル化情報は、前記モビリティ・プロトコル・タイプを含む請求項29に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−517864(P2011−517864A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545980(P2010−545980)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/033155
【国際公開番号】WO2009/100180
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】