説明

カプセル化材料上の表面油を低減する方法

【課題】いかなる種類の溶媒も使用することなくカプセル化材料の表面から表面油を除去する方法を提供する。
【解決手段】該方法は、カプセル化材料上の表面油を少なくとも約80%低減するのに有効な時間、約1から約60重量パーセントの含水率を有するカプセル化材料を少なくとも約5重量パーセントの油除去材料と接触させるステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶媒を使用することなく、カプセル化材料の表面上の油を除去および低減する方法に関する。より具体的には、カプセル化材料を、カプセル化材料の表面上の油を低減するのに有効な油除去材料と接触させる。
【背景技術】
【0002】
経口で利用される組成物で使用するための風味材料の分野において、相当量の研究が存在してきた。より揮発性が低く、より安定で、したがって減少または分解を回避する形態でこれらの風味材料または他の活性成分を提供することが望ましい場合が多い。この点に関して、一般に採用される技法は、活性成分の粒子の周囲に完全な被膜を付与するように意図された材料のシェルまたはマトリックス内への活性成分のカプセル化である。
【0003】
油がカプセル化されている活性成分であるプロセス、または油を含むプロセスでは、カプセル化材料の表面上に若干量の油が残存することがある。マイクロカプセルの表面上の油は酸化する傾向があり、その結果、異臭が生じる。表面油を除去する一般的慣習は、アルコール、ヘキサンまたは他の有機溶媒などの溶媒の使用に依存する。それらの溶媒を完全に除去するのは困難であるため、食品用途向けの組成物で溶媒を使用することは非常に好ましくない。さらに、カプセル化材料の製造で被膜として使用される一般的成分がアセトンおよびアルコールなどの溶媒に可溶であり得るため、溶媒は、カプセル化材料に悪影響を及ぼし得る。水単独または界面活性剤と組み合わせた水は、ある程度の成功を収め得るが、水の使用により、別の乾燥ステップが必要となり、加工コストが増加する。さらに、追加の乾燥ステップの際に活性成分が減少する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/479444号明細書
【特許文献2】米国特許出願第12/479454号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いかなる種類の溶媒も使用することなく、カプセル化材料の表面から表面油を除去する方法を提供する。表面油の除去は、異臭および/または異味が低減したカプセル化材料を提供するのに有効である。異臭および/または異味が低減したカプセル化材料は、特に、例えば飲料において、より美味な製品をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
カプセル化材料から表面油を除去する方法を提供する。該方法は、約1から約60重量パーセント、好ましくは約1から約40重量パーセントの含水率を有するカプセル化材料を、少なくとも約5重量パーセントの油除去材料と接触させるステップを含む。カプセル化材料は、油除去材料と接触させていないカプセル化材料と比較してカプセル化材料上の表面油を少なくとも約80%低減するのに有効な時間、油除去材料と接触させる。油除去材料は、カプセル化材料からの油除去材料の分離を促進するのに有効な、カプセル化材料の粒径より大きい、または小さい粒径を有する。重要な態様において、油除去材料はSiO2である。
【0007】
別の態様において、油除去材料をリサイクルおよび再使用することができる、カプセル化材料から表面油を除去する方法を提供する。この態様において、カプセル化材料は、カプセル化材料の粒径より大きい、または小さい粒径を有する油除去材料と接触させる。カプセル化材料は、油除去材料と接触させていないカプセル化材料と比較してカプセル化材料上の表面油を少なくとも約80%低減するのに有効な時間、油除去材料と接触させる。油除去材料は、カプセル化材料から分離し、次いで、吸収した油を除去するために処理する。
【0008】
別の態様において、表面油が低減したカプセル化材料を形成する方法を提供する。該方法は、カプセル化材料を形成するステップと、カプセル化材料をスクリーニングして過剰な水を除去し、湿った濾過ケーキを形成するステップと、湿った濾過ケーキをプレスしてより多くの過剰な水を除去し、湿ったプレス濾過ケーキを形成するステップと、湿ったプレス濾過ケーキを粗磨砕するステップと、粉砕するステップと、乾燥するステップとを含む。この方法において、SiO2は、カプセル化材料の形成後、スクリーニング後、プレス後、粗磨砕後、粉砕後、および/または乾燥の間に添加し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】カプセル化材料を形成する方法を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
カプセル化材料は、有機溶媒を使用することなく、マイクロカプセルの表面上に残存する油が低減するように形成および加工する。本明細書で使用する場合、「無溶媒」とは、検出可能なレベル未満の有機溶媒を含むカプセル化材料を指す。
【0011】
カプセル化材料
本明細書で使用する場合、「カプセル化材料」または「マイクロカプセル」は、一般に、少なくとも1種の実質的に連続的な膜/マトリックスにより包囲された、少なくとも1種の固体または液体コアを含有する球形または異形の粒子について記述する。知られているマイクロカプセルの例は、以下の商品(膜材料は括弧内に示す)、Hallcrest Microcapsule(ゼラチン、アラビアゴム)、Coletica Thalasphere(海洋性コラーゲン)、Lipotec Millicapseln(アルギン酸、寒天)、Induchem Unisphere(ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Unicerin C30(ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Kobo Glycosphere(加工デンプン、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softsphere(加工寒天)およびKuhs Probiol Nanosphere(リン脂質)である。
【0012】
利用し得るカプセル化材料としては、約1から約60重量パーセント、重要な態様においては約1から約40重量パーセント、非常に重要な態様においては約10から約25重量パーセントの含水率を有するカプセル化材料が挙げられる。いかなる理論によっても縛られることを意図しないが、十分に油除去材料を水和させ、したがって該材料の油除去効率を上げるのに、示した範囲内の水分レベルが必要である。
【0013】
カプセル化材料は、カプセル化材料の総重量に基づいて少なくとも約5重量パーセントの油除去材料と接触させる。重要な態様において、カプセル化材料は、約5から約50重量パーセントの油除去材料、別の態様においては、約15から約25重量パーセントの油除去材料と接触させる。重要な態様において、油除去材料はSiO2である。
【0014】
油除去材料は、カプセル化材料上の表面油を少なくとも約80%、別の態様においては少なくとも約90%、および別の態様においては少なくとも約98%低減するのに有効な任意の時間、カプセル化材料と接触させる。カプセル化材料は、油除去材料と少なくとも約5分間、別の態様においては約15分間、および別の態様においては約1時間接触させる。
【0015】
カプセル化材料を形成する方法
カプセル化材料を形成する方法は、全般的に図1に記載している。図1で示すように、カプセル化材料100は、一般的に知られている方法を使用して、ならびに参照により本明細書に組み込まれる、同時継続中の特許文献1および特許文献2で記載されている方法により形成し得る。カプセル化材料は、スクリーニング、篩い分け、寸法および密度に基づいた遠心分離、エアブロー分離、濾過、ならびにそれらの混合物などの知られている方法を用いて回収し得る。回収したカプセル化材料は、例えば適切な媒体中での再懸濁により洗浄してもよく、次いで、示した方法のいずれかで回収し得る。乾燥したカプセル化材料は、全般的に、1から1000マイクロメートルの範囲の粒径を有する。
【0016】
カプセル化材料の分離は、湿った濾過ケーキ200を提供するのに有効である。湿った濾過ケーキは、知られている方法を使用してプレス300して、該濾過ケーキ中の液体の量を低減し得る。例えば、湿った濾過ケーキは、チーズクロスを使用してプレスして、目標含水率を実現し得る。湿った濾過ケーキは、粗磨砕400、粉砕500、次いで、乾燥600してもよい。磨砕、粉砕および乾燥は、全て当技術分野で知られている方法を使用して実施し得る。カプセル化材料は、凍結乾燥もしくは流動床乾燥の形態で乾燥することにより、または水の除去により、粉末形態の最終製品に転換し得る。
【0017】
この態様において、SiO2などの油除去材料の総量は、該方法の様々なステップで添加することができるか、または油除去材料の一部は、該方法の異なるステップで添加することができる。この態様において、SiO2は、カプセル化材料の形成後(実施例4を参照)、スクリーニング後、プレス後、粗磨砕後、粉砕後および/または乾燥の間に添加し得る。
【0018】
(実施例)
[実施例1]
SiO2を使用した表面油の除去
ビーカー中に、2400gの水を添加し、次いで、オーバーヘッド低剪断混合により、37.5gのゼイン粉末(Freeman IndustriesからのF4000)を分散させた。pHが11.3に達するまで10%水酸化ナトリウム溶液を秤量した(ゼイン粉末を可溶化するために)。450gの予め作製した25%シェラック溶液(Temuss Products LTDからの漂白乾燥シェラック粉末を、25%およびpH8で、水酸化アンモニウム溶液を用いて水和させた)を添加した。1.4gのステアリン酸スクロースS−1570(三菱化学株式会社、東京、日本から)を添加し、次いで、80gの精油ブレンド(13%カノーラ油、10%αピネン、25%p−シメン、12%酢酸リナリル、40%酢酸チモール)をゆっくりとミックスに添加した。次いで、200mm×25mmのジェネレーターを有するPowerGen 700D均質化装置(Fisher Scientific、Pitssburg、PA)を15000rpmで4分間、次いで、20000rpmで1分間使用して、エマルションを均質化した。次いで、3%クエン酸溶液を用いて、pHが3.8に達するまでエマルションを滴定した。次いで、10gのSiO2(PPG Industries、Pittsburg、PAからのFlo Guard AB−D、35μmの平均寸法)を添加し、30分間混合させた。次いで、75μmの孔を有する200メッシュのスクリーンに注ぐことによりスラリーを濾過した。次いで、スクリーンの上にある微粒子を、0.5gのクエン酸、0.5gのステアリン酸スクロース(S−1570)、および1.25gのSiO2(Flo Guard AB−D)を含有する2000gの水中に再懸濁した。スラリーを約5分間混合し再濾過した。洗浄を上記の通りもう1度繰り返し、次いで、濾液(濾過ケーキ)を採取した。次いで、チーズクロスで手で絞ることにより濾過ケーキをプレスして、より多くの水を除去した。次いで、該ケーキを2つの部分に分割した:
部分1:(対照、#AA091708−1)、砕いて、トレー上に広げ、室温で終夜乾燥させた。
部分2(処理済み、#AA091708−2)、該ケーキ(100g)を砕き、75μmのスクリーンで篩にかけた10gのSiO2とドライブレンドした。ブレンドをWaringブレンダーで数秒間微粉際してあらゆる塊を破壊し、ドライブレンドを約10分間タンブルした。次いで、半乾燥材料をトレー上に広げて、終夜乾燥させた。
いずれの試料も寸法を測定し、75〜250μmの間の粒子のみを採取した。以下の表から分かるように、SiO2を用いた処理後の粒子の合計表面油は有意に低減した。
【0019】
【表1】

【0020】
[実施例2]
最終加工ステップで添加するSiO2による油の除去
カプセル化材料を、実施例1(AA091708−1)で記載したもの、および75〜250μmの間の最終粉末と同様に調製した。含水率は5%未満であった。その試料は#RM081308−2Aと呼んだ。
【0021】
50gの粉末RM081308−2Aを10gのSiO2AB−D(75μmより小さい)とドライブレンドした。ドライブレンドを約2時間タンブルし、次いで、ドライブレンドを75μmの孔を有するスクリーン上で篩にかけた。75μm超の微粒子を採取し、次いで、分析した(試料#AA090908)。最終加工ステップにおけるSiO2による表面油処理での低減に関しては、以下の表を参照のこと。
結果:
【0022】
【表2】

【0023】
[実施例3]
プレスの前後に添加するSiO2による油の除去
ビーカー中に、2400gの水を添加し、次いで、オーバーヘッド低剪断混合により、37.5gのゼイン粉末を分散させた。pHが11.3に達するまで10%水酸化ナトリウム溶液を秤量した(ゼイン粉末を可溶化するために)。450gの25%シェラック溶液を添加した。1.4gのステアリン酸スクロース(S−1570)を添加し、次いで、80gの精油ブレンド(13%カノーラ油、10%αピネン、25%p−シメン、12%酢酸リナリル、40%酢酸チモール)をゆっくりとミックスに添加した。次いで、200mm×20mmのジェネレーターを有するIKA Works T25 Basic Ultra Turraxを17,500rpmで1分間、次いで、24,000rpmで5分間使用して、エマルションを均質化した。次いで、3%クエン酸溶液を用いて、pHが3.8に達するまでエマルションを滴定した。次いで、15gのSiO2(Flo Guard FF、平均寸法は18μm)を添加し、30分間混合させた。次いで、<5μmの孔を有する濾布に注ぐことによりスラリーを濾過した。次いで、濾布上の微粒子を、0.5gのクエン酸、0.5gのステアリン酸スクロース、および7.5gのSiO2(Flo Guard FF)を含有する2000gの水中に再懸濁した。スラリーを15分間混合し、次いで、再濾過した。洗浄を上記の通りもう1度繰り返し、次いで、濾過ケーキを採取した。次いで、プレスボックス中の30μmの濾過袋に置き、チーズプレス機で20psiで20分間絞ることにより濾過ケーキをプレスして、より多くの水を除去した。プレスケーキの水分は18.8%であった。プレスケーキを、5クォートのHobartミキサーで、速度1に設定した泡立て器で5分間、50gのSiO2(Flo Guard FF)と混合した。Hobartミキサーからの材料を、FitzMill Model DA S06粉砕機で、1532−0020多孔板を使用して、最高速度でハンマーを前進させて粉砕した。粉砕した材料を、ジャータンブラーを使用して60分間タンブルした。次いで、Uni−Glatt流動床乾燥機を使用して、40℃で20分間バッチを乾燥した。乾燥したバッチをスクリーニングし、75〜250μmの間の粒子のみを採取した。
【0024】
【表3】

【0025】
[実施例4]
プレス前に添加するSiO2による油の除去
ビーカー中に、2400gの水を添加し、次いで、オーバーヘッド低剪断混合により、37.5gのゼイン粉末を分散させ、pHが11.3に達するまで10%水酸化ナトリウム溶液を秤量した(ゼイン粉末を可溶化するために)。450gの25%シェラック溶液(水酸化アンモニウム中)を添加し、1.4gのステアリン酸スクロース(S−1570)を添加し、次いで、80gの精油ブレンド(13%カノーラ油、10%αピネン、25%p−シメン、12%酢酸リナリル、40%酢酸チモール)をゆっくりとミックスに添加した。次いで、200mm×20mmのジェネレーターを有するIKA Works T25 Basic Ultra Turraxを17,500rpmで1分間、次いで、24,000rpmで5分間使用して、エマルションを均質化した。次いで、3%クエン酸溶液を用いて、pHが3.8に達するまでエマルションを滴定した。次いで、15gのSiO2(Flo Guard FF、18μmの平均寸法)を添加し、30分間混合させた。次いで、<5μmの孔を有する濾布に注ぐことによりスラリーを濾過した。次いで、濾布上の微粒子を、1.0gのクエン酸、1.0gステアリン酸スクロース、および7.5gのSiO2(Flo Guard FF)を含有する2000gの水中に再懸濁した。スラリーを15分間混合し、次いで、再濾過した。次いで、濾布上の微粒子を、1.0gのクエン酸、1.0gのステアリン酸スクロース、および150gのSiO2(Flo Guard FF)を含有する2000gの水中に再懸濁し、次いで、濾過ケーキを採取した。次いで、プレスボックス中の<30μmの孔を有する濾布に置き、チーズプレス機で20psiで20分間絞ることにより濾過ケーキをプレスして、より多くの水を除去した。次いで、塊を破壊するように、増圧バーを載せたPatterson−Kelley 16クォートV−ブレンダーでプレスケーキを30分間タンブルした。材料はさらに大きな塊になり、さらなる加工を進めるには湿りすぎていた。プレスケーキの水分は57.1%であった。
【0026】
この実施例の結果に基づいて、全てのSiO2をプレス前にスラリーに添加した場合、SiO2の大部分をプレスケーキに添加した実施例#3と比較して、該材料を加工することが可能ではないと結論づけた。
【0027】
[実施例5]
噴霧乾燥によるSiO2による油の除去
清浄な4000mlのプラスチックビーカーに、2400.0gのD.I.H2Oを秤量し、3叉のインペラブレードを有するLIGHTNIN G3U05Rオーバーヘッドミキサーを使用して混合を開始する。32.5gのジェットミルされたゼイン粉末(F4000、Freeman Industries;Tuckahoe、NY)をビーカーに添加し、均一に分散するまで混合を続ける。pHが11.3に達するまで10%NaOH溶液を該溶液に添加する。ゼイン粉末が完全に溶解するまで混合すると、該溶液は半透明である。凝集および発泡を回避するように、20.0gのBiPro WPI粉末(Davisco Foods International;Eden Prairie、MN)をゆっくりと添加する。該粉末が完全に溶解するまで混合する。390.0gの予め作製した固形分25%のシェラック(Temuss #594;Ajax、ON.、Canada)水酸化アンモニウム溶液を添加する。5〜10分間混合する。該溶液が均質であることを確認する。151.4gの精油ブレンド(13%カノーラ油、10%αピネン、25%p−シメン、12%酢酸リナリル、40%酢酸チモール)を混合の間に添加する。全ての油の添加後、5〜10分間混合する。Ultra−Turrax T 25 Basicを使用して、混合物を17,500rpmで4分間均質化し、次いで、さらに1分間速度を24,000rpmに増大してエマルションを作製する。エマルションが形成されると、Master Flexポンプを使用して、適度なオーバーヘッド混合により、pHが3.8に達するまで同じ撹拌機および速度設定を使用して、3%クエン酸溶液をエマルションに滴定し、スラリーを作製する。20.0gのSiO2AB−D(PPG Industries;Pittsburg、PA)をスラリーに添加し、20〜30分間混合を続ける。5N HClを添加することによりpHを2.0にし、さらに10分間混合する。混合物を濾過する。>75μmおよび<250μmの粒子を採取する。粒子を合わせて湿ったケーキにする。粒子をすすぐために、別々の清浄な4000mlのプラスチックビーカーに、2000.0gのD.I.H2Oを秤量し、LIGHTNIN G3U05Rおよびノッチ10の3叉のインペラブレードを使用して混合を開始する。5N HCIを添加することによりpHを2.0に調整する。1gのステアリン酸スクロース、S−1570(三菱化学フーズ株式会社、東京、日本)を添加し、完全に溶解するまで混合する。5.0gのSiO2AB−Dを添加する。該ケーキを混合物中に再懸濁し、3〜5分間混合する。すすぎプロセスを繰り返した。次いで、混合の間にバッチを2つの等しい体積に分割した。1つの部分(A)を25μmの篩で篩にかけ、プレスすることなく、湿ったケーキを、パドルブレードを使用して、Hobartミキサーで50gのSiO2FF(PPG Industries;Pittsburg、PA)とブレンドした。プレスせず、より高い含水率であるため、流体製品を製造するためにさらに30gのSiO2FFが必要であった。該粉末を10分間混合し、次いで、500μmのスクリーンで篩にかけた。次いで、該粉末の含水率を測定し、0.2%乳性タンパク質単離物溶液に適切な量を添加して固形分15%のスラリーを形成した。混合の間に、二流体霧化ノズルを備えた噴霧乾燥機にスラリーを注入し、170℃の入口温度および57℃の出口温度で乾燥した。分析に付す前に、#200メッシュ超、#60メッシュ未満(<250μm/>75μm)で該粉末の寸法を測定した。以下の表は、噴霧乾燥により表面油のレベルが有意に低減することを示す。
【0028】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル化材料から表面油を除去する方法であって、前記カプセル化材料上の表面油を少なくとも約80%低減するのに有効な時間、約1から約60重量パーセントの含水率を有するカプセル化材料を少なくとも約5重量パーセントの油除去材料と接触させるステップを含み、前記油除去材料は前記カプセル化材料の粒径より大きい、または小さい粒径を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記カプセル化材料は約10から約40重量パーセントの含水率を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カプセル化材料はSiO2であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カプセル化材料を約5から約50重量パーセントの油除去材料と接触させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カプセル化材料を前記油除去材料と少なくとも約5分間接触させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カプセル化材料上の前記表面油は少なくとも約90%低減することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
カプセル化材料から表面油を除去する方法であって、
前記カプセル化材料上の表面油を少なくとも約80%低減するのに有効な時間、前記カプセル化材料を、前記カプセル化材料の粒径より大きい、または小さい粒径を有する油除去材料と接触させるステップと、
前記カプセル化材料から前記油除去材料を分離するステップと、
前記油除去材料をリサイクルするステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記カプセル化材料はSiO2であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カプセル化材料を約5から約50重量パーセントの油除去材料と接触させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記カプセル化材料を前記油除去材料と少なくとも約5分間接触させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記カプセル化材料上の前記表面油は少なくとも約90%低減することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記油除去材料は、スクリーニング、篩い分け、寸法および密度に基づいた遠心分離、エアブロー分離、濾過、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される分離法により前記カプセル化材料から分離されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記油除去材料をリサイクルして油を除去することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項14】
表面油が低減したカプセル化材料を形成する方法であって、
カプセル化材料を形成するステップと、
前記カプセル化材料をスクリーニングして湿った濾過ケーキを形成するステップと、
前記湿った濾過ケーキをプレスして湿ったプレス濾過ケーキを形成するステップと、
前記湿ったプレス濾過ケーキを粗磨砕するステップと、
粉砕するステップと、
乾燥するステップと
を含み、SiO2は、カプセル化材料の形成後、スクリーニング後、プレス後、粗磨砕後、粉砕後、および/または乾燥の間に添加し得ることを特徴とする方法。
【請求項15】
少なくとも約5重量パーセントのSiO2が添加されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
カプセル化材料をSiO2と少なくとも約5分間接触させることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
SiO2は粗磨砕後および粉砕前に添加されることを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−279353(P2010−279353A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−126985(P2010−126985)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(508247877)クラフト・フーヅ・グローバル・ブランヅ リミテッド ライアビリティ カンパニー (53)
【Fターム(参考)】