説明

カプセル状の口腔衛生製剤

【課題】口臭と戦うために、細菌性歯垢の生成防止のために、歯科手術の準備にまたは手術後に、咽頭口部粘膜に通常存在する細菌の負荷(量)を減らすことによって口腔の衛生状態を維持ないし改善しなければならないいずれの場合に、いかなる環境および状態でも使いやすい携帯可能な口腔衛生製剤の提供。
【解決手段】口腔用の消毒剤を含む油を充填した、飲食物用途に適する、ゼラチンまたは類似のゲル化物質でつくられた、カプセル状の口腔衛生配合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用として適するゼラチンまたは類似のゲル化物質でつくられた、口腔用の消毒剤を含む油を充填したカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
口臭と戦うために、細菌性歯垢の生成防止のために、歯科手術の準備にまたは手術後に、咽頭口部粘膜に通常存在する細菌の負荷(量)を減らすことによって口腔の衛生状態を維持ないし改善しなければならないいずれの場合に、マウスウォシュとして、または口腔の洗浄用として使用する、第4級アンモニウム塩、クロルヘキシジンなどの消毒剤を含む、通常溶液である。うがい剤が知られている。
【0003】
溶液の、要するに消毒剤の、接触時間は、抗細菌剤が粘膜を刺激しないでその作用を発揮するには、通常数秒から数分の範囲にある。この時間後、望ましくない効果を生じさせる可能性のある全身に及ぶ作用を防止するため、ユーザーは通常この溶液を吐き出す。
【0004】
そのため、望ましい消毒作用に必要な時間が過ぎたなら、うがい剤を吐き出す場所としても使用する溶液服用のための容器(例えばコップなどの)が通常必要である。
【0005】
したがって、たとえば公共の場所または輸送手段などのある情況においては、うがい剤の使用は実質的に不可能であり、上記引用の状態や手段が利用できるようになるまで使用を遅らせる必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、キャンデーやカプセルなどと同じように、いかなる環境および状態でも使いやすい携帯可能なうがい剤が強く要望される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、食品用(食品及び飲料用)として適するゼラチンまたは類似のゲル化物質でつくられた口腔用消毒剤を含む油を充填したカプセルによって前記の問題を解決することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のカプセルは、直径が概略2〜10mm、好ましくはおよそ3〜6mmの、好ましくはゼラチンからなる、通常実質的に球形の外殻からなる。ゼラチンの代りに、変性されていてもよい、セルロースまたはアミド化合物、ペクチン、カラギーナン、ゴム、アルギナート(アルギン酸)などの天然ポリマーが、場合によってはそれらの混合物で使用できる。最も好ましいのはゼラチンである。充填液に対して不透過性な外殻の重量%は、通常約5〜10%範囲である。
【0009】
カプセルの外殻は、その感覚的な感じ方を最適化するためさらに香料、染料および甘味料を含むことができる。この殻は透明または半透明であってもよく、また各種の色に色付けされたものであってもよい。
【0010】
カプセル内に含まれる油は、塩化セチルピリジニウム(cetylpyridinium chloride)、塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、塩化デカリニウム(decalinium chloride)、エチルレゾルシノール、クロルヘキシジンまたはその塩、トリクロサン(toriclosan:2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル)、ポリフェノール化合物、特に緑茶からのポリフェノール抽出物などの少なくとも1つの消毒剤を含む。
【0011】
特に好ましいのは、塩化セチルピリジニウムとトリクロサンであり、これらを必要に応じて緑茶抽出物と一緒に用いる。
【0012】
次の表は本発明にしたがう消毒剤の重量%範囲および好ましい重量%範囲を示す。%はカプセルの全重量基準である。
【0013】
【表1】

【0014】
殻の中に含まれる油に甘味料または香料を加えることもできる。好適な甘味料の例には、所望の味覚を与える適切な量、通常カプセルの全重量基準で0.1〜1%範囲量のアセスルフェームK(acesulfame K)、アスパルテーム、サッカリン、スクラロースが含まれる。
【0015】
消毒剤や他のすべての成分に対してキャリヤーとして働くカプセル内に含まれる稀釈油は、必要に応じて分留またはエステル化された、ココナツ油、オリーブ油、大豆油、ひまわり油などの食用油である。
【0016】
本発明のカプセルは、ソフト−ゼラチンカプセルまたは「ソフトゲル」の製造に使用されるものなどの既知の方法および慣用の装置で製造することができる。本発明のカプセル製造に使用する各種慣用技術のより詳細な説明は、たとえば米国特許US2005/0100640A1に報告されている。
【0017】
本発明のカプセルは、サイズが小さいこともあって、どんな場合でもユーザーの口中に都合よく入れることができるので、水、コップ、服用器(doser)などを必要としない、携帯可能で使用便利なうがい剤を提供し、局所の消毒剤含有量が低いので、場合によっては呑みこむこともできる。
【0018】
カプセルが口中で破裂して直ちに内容物を放出するので、キャリヤーのサイズが小さいことと、その特質によって実質的に即時の消費が可能となる。本発明のカプセルは、食用に適しない部分を始末するための容器の必要性と、従来のキャンデーまたはトローチの場合のように製品を長時間しゃぶる必要性の両方を回避している。さらに、この実効性薬剤がごく少量でもよいことから、日中での反復使用が可能となり、望まれていない影響のリスクを最小にして細菌フローラの増殖に対する連続的なコントロールを維持できる。
【0019】
以下の例は本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】
【表2】

【0021】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品用として適するゼラチンまたは類似のゲル化物質でつくられた、口腔用消毒剤を含む油を充填したカプセル。
【請求項2】
カプセルの外殻が、ゼラチン、変性されていてもよい、セルロースまたはアミド、ペクチン、カラギーナン、ゴムまたはアルギン酸塩からなる、あるいは、これらの混合物からなっていてもよい請求項1記載のカプセル。
【請求項3】
前記外殻がゼラチンからなる、請求項2記載のカプセル。
【請求項4】
不透過性外殻の重量%が、全充填液基準で概略3〜10%範囲にある、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項5】
実質的に球形であり、2〜10mm範囲の直径を有する、請求項1ないし4のいずれか1項記載のカプセル。
【請求項6】
前記消毒剤が、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、エチルレゾルシノール、クロルヘキシジンまたはその塩、トリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシフェニル エーテル)及び緑茶ポリフェノール抽出物から、単独またはそれらの組合せで選ばれる請求項1ないし5のいずれか1項記載のカプセル。
【請求項7】
塩化セチルピリジニウムまたはトリクロサンを含み、更に、緑茶抽出物を含んでいてもよい、請求項6記載のカプセル。
【請求項8】
塩化セチルピリジニウムまたはトリクロサンが、カプセルの全重量基準で0.01〜5%範囲の重量%で存在する、請求項7記載のカプセル。
【請求項9】
前記外殻および/または外殻中の油中に、香料、甘味料および染料をさらに含む、請求項1ないし7のいずれか1項記載のカプセル。

【公開番号】特開2008−156269(P2008−156269A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−346180(P2006−346180)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(502174704)ペルフェッティ ヴァン メッレ ソシエタ ペル アチオニ (2)
【氏名又は名称原語表記】PERFETTI VAN MELLE S.p.A.
【Fターム(参考)】