説明

カメラ、およびコンバーターレンズ

【課題】装着されているコンバーターレンズに応じてカメラを自動的に設定すること。
【解決手段】コンバーターレンズ検出部104aは、撮像素子103から入力される画像信号に基づいて画像データを生成し、画像データに対応する画像内に含まれる画像パターンに基づいて、カメラ100へのコンバーターレンズ200の装着の有無を判定する。カメラ設定部104bは、コンバーターレンズ200が装着されていると判定された場合には、コンバーターレンズ200を用いた撮影に適した撮影条件となるように、カメラ100を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影を行うためのカメラ、およびカメラに装着するコンバーターレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
次のようなカメラが知られている。このカメラは、コンバーターレンズが取り付けられたことを検出して、カメラの設定を変更する(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−316227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のカメラは、コンバーターレンズの種類に応じたカメラの設定は、使用者が手動で行わなければならなかった。また、使用者は、カメラへのコンバーターレンズの装着の有無を判断するためには、カメラの鏡筒側を確認する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるカメラは、コンバーターレンズ、および撮影光学系を通して入力された光の像を撮像して画像信号を取得し、画像信号に基づいて画像データを生成し、画像データに対応する画像内に含まれる画像パターンに基づいて、カメラへのコンバーターレンズの装着の有無を判定し、コンバーターレンズが装着されていると判定された場合には、コンバーターレンズを用いた撮影に適した撮影条件となるように、カメラを設定することを特徴とする。
本発明では、コンバーターレンズには、広角撮影用のワイドバーターレンズと、望遠撮影用のテレコンバーターレンズとがあり、コンバーターレンズが装着されていると判断した場合に、装着されているコンバーターレンズが、テレコンバーターレンズであるか、あるいはワイドコンバーターレンズであるかを判定し、判定結果に基づいて、カメラに装着されているコンバーターレンズの種類に応じたカメラの設定を行うようにしてもよい。
本発明によるカメラはまた、コンバーターレンズ、および撮影光学系を通して入力された光の像を撮像して画像信号を取得し、画像信号に基づいて画像データを生成し、画像データに対応する画像内に含まれる画像パターンに基づいて、カメラへのコンバーターレンズの装着の有無を判定し、コンバーターレンズが装着されていると判断された場合には、その旨を表示装置に表示することを特徴とする。
コンバーターレンズが装着されていると判断された場合には、使用者に対して、コンバーターレンズを用いた撮影に適した撮影条件となるようなカメラの設定を行うことを促すためのメッセージを表示装置に表示するようにしてもよい。
画像パターンは、コンバーターレンズの遮光時にも光学系を通して光が入射するようにコンバーターレンズの先端部分に設けられた開口部、またはコンバーターレンズのレンズキャップに設けられた開口部を通して入射される光によって画像内に現れるパターンであることが好ましい。
撮像時に発光素子を発光させるようにしてもよい。
撮像前に、撮影光学系の焦点距離を、ワイドコンバーターレンズの装着の有無を判定することが可能な画像を取得することができる焦点距離に設定するようにしてもよい。
本発明によるコンバーターレンズは、上記いずれかのカメラに装着するためのものであることを特徴とする。
本発明によるコンバーターレンズはまた、コンバーターレンズの遮光時にも光学系を通して光が入射するようにコンバーターレンズの先端部分に開口部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コンバーターレンズの装着に応じて、カメラの設定を自動的に行うことができる。また、使用者はモニタの表示内容を見るだけでカメラへのコンバーターレンズの装着有無を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本実施の形態におけるカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ100は、操作部材101と、レンズ鏡筒102と、撮像素子103と、制御装置104と、メモリカードスロット105と、モニタ106とを備えている。操作部材101は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズスイッチ、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。
【0008】
レンズ鏡筒102は、複数の光学レンズから構成される。撮像素子103は、例えばCCDやCMOSであり、レンズ鏡筒102の複数の光学レンズを通して入力された光の像を電気信号に変換して画像信号を取得して、制御装置104へ出力する。
【0009】
制御装置104は、撮像素子103から入力される画像信号に基づいて、画像データを生成する。また、制御装置104は、生成した画像データをExif(Exchangeable Image File Format for Digital Still Camera)等の所定の形式の画像ファイルに格納してメモリカードスロット105へ出力する。
【0010】
メモリカードスロット105は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御装置104から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、メモリカードスロット105は、制御装置104からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。モニタ106は、カメラ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ106には、メモリカードに記憶されている画像やカメラ100を設定するための設定メニューなどが表示される。
【0011】
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、コンバーターレンズ検出部104aと、カメラ設定部104bとを機能的に備えている。なお、制御装置104を構成するメモリには、SDRAMやフラッシュメモリが含まれる。SDRAMは、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリは、不揮発性のメモリであって、制御装置104により実行されるプログラムやプログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
【0012】
本実施の形態におけるカメラ100には、コンバーターレンズを取り付けることができる。図2は、カメラ100にコンバーターレンズ200を取り付けた状態を示した図である。図2(a)および(b)に示すように、コンバーターレンズ200は、カメラ100のレンズ鏡筒102に装着され、被写体像は、コンバーターレンズ200を通してレンズ鏡筒102の撮影光学系へ入射される。このコンバーターレンズ200には、レンズを保護するためのレンズキャップ201が装着可能である。
【0013】
また、コンバーターレンズ200には、レンズキャップ201を装着した状態でもレンズを通して光が入射するように、その先端部に開口部200aが設けられている。すなわち、コンバーターレンズ200を装着したカメラ100には、レンズキャップ201を装着した遮光時においても、開口部200aから光が入射される。なお、開口部200aは、図2に示すように切り欠きとしてもよく、防塵のために透明部材をあてがってもよい。
【0014】
本実施の形態では、コンバーターレンズ検出部104aは、この開口部200aから入射される光の像に基づいて画像内に現れる画像パターンを検出する。そして、検出した画像パターンに基づいて、カメラ100にコンバーターレンズ200が装着されているか否かを判断する。すなわち、あらかじめ、コンバーターレンズ200がカメラに装着された場合に開口部200aから入力される光の像に基づく画像パターンの画像データをフラッシュメモリに記録しておく。そして、コンバーターレンズ検出部104aは、検出した画像パターンが、フラッシュメモリに記録されている画像パターンと一致するか否かを判定し、一致する場合には、カメラ100にコンバーターレンズ200が装着されていると判断する。
【0015】
なお、コンバーターレンズの種類として広角撮影用のワイドコンバーターレンズと、望遠撮影用のテレコンバーターレンズの2種類がある場合には、それぞれのコンバーターレンズを装着した場合に検出される画像パターンは、それぞれのレンズの倍率の違いにより異なるものとなる。よって、コンバーターレンズ検出部104aは、検出した画像パターンの違いに基づいて、カメラ100に装着されているコンバーターレンズ200がワイドコンバーターレンズであるか、テレコンバーターレンズであるかを判定することができる。
【0016】
さらに、本実施の形態では、コンバーターレンズ200の先端部に設ける開口部200aの数をコンバーターレンズの種類ごとに変更する。これによって、ワイドコンバーターレンズ同士、あるいはテレコンバーターレンズ同士でも、画像内から検出される画像パターンは、その種類によって異なることになる。よって、コンバーターレンズ検出部104aは、検出した画像パターンの違いに基づいて、カメラ100に装着されているコンバーターレンズ200の種類を判定することができる。
【0017】
例えば、ワイドコンバーターレンズの先頭部には、図3(a)に示すように3つの開口部200aを設けておく。この場合には、ワイドコンバーターレンズによって広角撮影が行われることから、図3(b)に示すように、3つの開口部200aから入射された光の像が画像の外側部分に現れた画像パターンが得られる。また、テレコンバーターレンズの先頭部には、図3(c)に示すように4つの開口部200aを設けておく。この場合には、テレコンバーターレンズによって望遠撮影が行われることから、図3(d)に示すように、4つの開口部200aから入射された光の像が画像の内側部分に現れた画像パターンが得られる。
【0018】
本実施の形態では、図3(b)に示した画像パターンのデータを、カメラ100に装着するデフォルトのワイドコンバーターレンズが装着された場合の画像パターンとしてフラッシュメモリに記録しておく。また、開口部200aの数が異なる他のワイドコンバーターレンズ用の画像パターンのデータもフラッシュッメモリに記録しておく。同様に、図3(d)に示した画像パターンのデータを、カメラ100に装着するデフォルトのテレコンバーターレンズが装着された場合の画像パターンとしてフラッシュメモリに記録しておく。また、開口部200aの数が異なる他のテレコンバーターレンズ用の画像パターンのデータもフラッシュッメモリに記録しておく。
【0019】
コンバーターレンズ検出部104aは、画像内から図3(b)に示した画像パターンが検出された場合には、カメラ100にはデフォルトのワイドコンバーターレンズが装着されているものと判定する。これに対して、コンバーターレンズ検出部104aは、画像内から他の画像パターンが検出され、その画像パターンが、画像内のワイドコンバーター検出領域、すなわち画像の外側部分に現れている場合には、デフォルト以外のワイドコンバーターレンズが装着されているものと判定し、その検出された画像パターンと一致する画像パターンに対応する種類のワイドコンバーターレンズが装着されているものと判定する。
【0020】
また、コンバーターレンズ検出部104aは、画像内から図3(d)に示した画像パターンが検出された場合には、デフォルトのテレコンバーターレンズがカメラ100に装着されているものと判定する。これに対して、コンバーターレンズ検出部104aは、画像内から他の画像パターンが検出され、その画像パターンが、画像内のテレコンバーター検出領域、すなわち画像の内側部分に現れている場合には、デフォルト以外のテレコンバーターレンズが装着されているものと判定し、その検出された画像パターンと一致する画像パターンに対応する種類のテレコンバーターレンズが装着されているものと判定する。
【0021】
なお、コンバーターレンズ検出部104aは、コンバーターレンズ200の開口部200aから確実に光が入射するようにするために、撮像時にカメラ100が備える発光部を発光させる。例えば、カメラ100がAF(オートフォーカス)の補助光を照射させるライトを搭載している場合には、当該ライトを発光させてAF補助光を照射する。また、カメラ100がフラッシュやセルフタイマーライトを備えている場合には、これらを発光させるようにしてもよい。
【0022】
カメラ設定部104bは、コンバーターレンズ検出部104aによって判定された種類のコンバーターレンズを用いた撮影に適した撮影条件となるように、カメラ100の設定を変更する。例えば、カメラ設定部104bは、装着されているコンバーターレンズがテレコンバーターレンズである場合には、取得した画像に対してひずみ補正を施す際に用いる画像処理パラメータのパラメータ値を、装着されているテレコンバーターレンズの種類に応じた値に設定する。また、カメラ設定部104bは、装着されているコンバーターレンズがワイドコンバーターレンズである場合には、接続されているワイドコンバーターレンズの種類に応じて、レンズ鏡筒102の撮影光学系がズーム可能なズームポジションに制限をかける。
【0023】
なお、コンバーターレンズの種類に応じたカメラ100の設定内容については、コンバーターレンズの種類ごとにあらかじめ設定されている。また、カメラ設定部104bは、画像ファイルのExif情報に記録するコンバーターレンズに関する情報を、装着しているコンバーターレンズ200に関する情報に設定する。
【0024】
図4は、本実施の形態におけるカメラ100の処理を示すフローチャートである。図4に示す処理は、カメラ100の電源がオンされると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。このプログラムは制御装置104に記憶されている。
【0025】
ステップS10において、コンバーターレンズ検出部104aは、AF補助光の発光を開始して、ステップS20へ進む。ステップS20では、コンバーターレンズ検出部104aは、上述したように、撮像素子103から入力される画像信号に基づいて画像を生成し、画像の中央部に高輝度の画素が存在するか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0026】
ここで、カメラ100にコンバーターレンズ200が装着されており、かつコンバーターレンズ200にレンズキャップ201が取り付けられている場合には、図3(b)および(d)に示したように、得られる画像の中央部付近の画素は輝度が低くなる。よって、もし得られた画像の中央部に高輝度の画素が存在する場合には、コンバーターレンズ200にレンズキャップ201が取り付けられていない可能性がある。よって、ステップS30では、コンバーターレンズ検出部104aは、モニタ106に「キャップを付けて下さい」というようなメッセージを表示して、使用者にコンバーターレンズ200へのレンズキャップ201の取り付けを促す。その後、ステップS40へ進む。
【0027】
ステップS40では、コンバーターレンズ検出部104aは、モニタ106に上記メッセージを表示してからあらかじめ設定されている所定時間が経過したか否かを判断する。肯定判断した場合には、処理をタイムアウトさせる。すなわち、ステップS50へ進み、コンバーターレンズ検出部104aは、使用者に対して、カメラ100を装着中のコンバーターレンズ200に応じて手動で設定するように促すために、モニタ106にメッセージを表示して、ステップS60へ進む。ステップS60では、コンバーターレンズ検出部104aは、AF補助光の発光を停止した後、処理を終了する。一方、ステップS40で否定判断した場合には、ステップS20へ戻り、上述の処理を繰り返す。
【0028】
一方、ステップS20で否定判断した場合には、ステップS70へ進む。ステップS70では、コンバーターレンズ検出部104aは、画像内のワイドコンバーター検出領域、すなわちすなわち図3(b)に示したように、画像の外側部分に画像パターンがあるか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS80へ進み、コンバーターレンズ検出部104aは、検出した画像パターンが画像内の特定の範囲のみに存在しているか否か、すなわち上述したように、画像パターンがデフォルトのワイドコンバーターレンズ用の画像パターンと一致するか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS90へ進む。
【0029】
ステップS90では、カメラ設定部104bは、カメラ100の設定をデフォルトのワイドコンバーターレンズ用の設定に変更する。例えば、カメラ設定部104bは、上述したように、レンズ鏡筒102の撮影光学系がズーム可能なズームポジションに制限をかけたり、画像ファイルのExif情報に記録するコンバーターレンズに関する情報を、デフォルトのワイドコンバーターレンズに関する情報に設定したりする。その後、上述したステップS60へ進む。
【0030】
これに対して、ステップS80で否定判断した場合には、ステップS100へ進み、コンバーターレンズ検出部104aは、画像内に含まれる画像パターンの数を判定する。これによって、コンバーターレンズ200の先端部分に設けられている開口部200aの数を特定することができ、カメラ100に装着されているワイドコンバーターレンズの種類を判定することができる。その後、ステップS110へ進み、カメラ設定部104bは、カメラ100の設定を画像パターンの数に応じたワイドコンバーターレンズ用の設定に変更して、上述したステップS60へ進む。
【0031】
次に、ステップS70で否定判断した場合の処理について説明する。この場合には、ステップS120へ進み、コンバーターレンズ検出部104aは、画像内のテレコンバーター検出領域、すなわち図3(d)に示したように、画像の内側部分に画像パターンがあるか否かを判断する。否定判断した場合には、カメラ100にはコンバーターレンズ200が装着されていないか、あるいは先端部分に開口部200aを備えていないコンバーターレンズが装着されている可能性があるため、上述したステップS60へ進む。
【0032】
これに対して、肯定判断した場合には、ステップS130へ進み、コンバーターレンズ検出部104aは、検出した画像パターンが画像内の特定の範囲内のみに存在しているか否か、すなわち上述したように、検出した画像パターンがデフォルトのテレコンバーターレンズ用の画像パターンと一致するか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS140へ進む。
【0033】
ステップS140では、カメラ設定部104bは、カメラ100の設定をデフォルトのテレコンバーターレンズ用の設定に変更する。例えば、カメラ設定部104bは、上述したように、取得した画像に対してひずみ補正を施す際に用いる画像処理パラメータのパラメータ値を、デフォルトのテレコンバーターレンズの種類に応じた値に設定したり、画像ファイルのExif情報に記録するコンバーターレンズに関する情報を、デフォルトのテレコンバーターレンズに関する情報に設定したりする。その後、上述したステップS60へ進む。
【0034】
これに対して、ステップS130で否定判断した場合には、ステップS150へ進み、コンバーターレンズ検出部104aは、画像内に含まれる画像パターンの数を判定する。これによって、コンバーターレンズ200の先端部分に設けられている開口部200aの数を特定することができ、カメラ100に装着されているテレコンバーターレンズの種類を判定することができる。その後、ステップS160へ進み、カメラ設定部104bは、カメラ100の設定を画像パターンの数に応じたテレコンバーターレンズ用の設定に変更して、上述したステップS60へ進む。
【0035】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)コンバーターレンズ検出部104aは、撮像素子103から入力される画像信号に基づいて画像データを生成し、画像データに対応する画像内に含まれる画像パターンに基づいて、カメラ100へのコンバーターレンズ200の装着の有無を判定した。カメラ設定部104bは、コンバーターレンズ200が装着されていると判定された場合には、コンバーターレンズ200を用いた撮影に適した撮影条件となるように、カメラ100を設定するようにした。これによって、コンバーターレンズの装着の有無に応じて、カメラの設定を自動的に変更することができる。
【0036】
(2)コンバーターレンズ検出部104aは、コンバーターレンズ200が装着されていると判断した場合に、装着されているワイドコンバーターレンズ200が、テレコンバーターレンズであるか、あるいはワイドコンバーターレンズであるかを判定し、カメラ設定部104bは、コンバーターレンズ検出部104aによる判定結果に基づいて、カメラに装着されているコンバーターレンズの種類に応じた設定を行うようにした。これによって、装着されているコンバーターレンズ200の種類に応じて、カメラの設定を自動的に行うことができる。
【0037】
(3)画像パターンは、コンバーターレンズ200の遮光時にも光学系を通して光が入射するようにコンバーターレンズ200の先端部分に設けられた開口部を通して入射される光によって画像内に現れるパターンであるようにした。これによって、コンバーターレンズ200の先端部分に、その種類に応じた開口部200aを設けるだけで、本発明を実現することができる。
【0038】
(4)コンバーターレンズ検出部104aは、撮像時にAF補助光などを発光させるようにした。これによって、コンバーターレンズ200の開口部200aから確実に光が入射するようにすることができる。
【0039】
―変形例―
なお、上述した実施の形態のカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、コンバーターレンズ検出部104aがカメラ100にコンバーターレンズ200が装着されていることを検出した場合には、カメラ設定部104bがその検出結果に基づいて、カメラ100の設定を自動的に変更する例について説明した。しかしながら、コンバーターレンズ検出部104aがカメラ100にコンバーターレンズ200が装着されていることを検出した場合には、その旨をモニタ106に表示するようにしてもよい。これによって、使用者は、カメラ100にコンバーターレンズ200が装着されていることを画面上で確認することができる。
【0040】
(2)または、コンバーターレンズ検出部104aがカメラ100にコンバーターレンズ200が装着されていることを検出した場合には、装着されているコンバーターレンズ200に適した設定にカメラの設定を変更するように促すためのメッセージをモニタ106表示してもよい。これによって、使用者のカメラ100の設定変更忘れを防ぐことができる。
【0041】
(3)上述した実施の形態では、撮影した画像内に現れる画像パターンに基づいてカメラ100へのコンバーターレンズ200の装着有無、および装着されているコンバーターレンズ200の種類を判定する例について説明した。このとき、ワイドコンバーターレンズが装着されている場合、撮影光学系の焦点距離が短いときには、画像内に画像パターンが現れない可能性がある。よって、コンバーターレンズ検出部104aは、画像の撮影時に撮影光学系の焦点距離を、少なくともワイドコンバーターレンズが装着されている場合に画像内に画像パターンが現れるような値に自動的に設定するようにしてもよい。これによって、ワイドコンバーターレンズが装着されている場合に、その検出が失敗することを防ぐことができる。また、ワイドコンバーターレンズが装着されている場合に画像内に画像パターンが現れるように焦点距離を設定しておけば、仮にテレコンバーターレンズが装着された場合であっても画像内には画像パターンが現れるため、テレコンバーターレンズが装着されている場合にも検出に失敗することはない。
【0042】
(4)上述した実施の形態では、画像の撮影時にAF補助光などを発光させる例について説明した。しかしながら、AF補助光は、必ずしも発光させなくてもよい。例えば、コンバーターレンズ検出部104aは、まず、AF補助光を発光させずにコンバーターレンズ200の装着有無の判定を行う。その結果、コンバーターレンズ200が装着されていないと判断した場合には、AF補助光を発光させて、再度コンバーターレンズ200の装着有無の判定を行うようにしてもよい。また、AF補助光を発光させて、再度コンバーターレンズ200の装着有無の判定を行ったにも関わらず、コンバーターレンズ200が装着されていないと判断した場合には、モニタ106にエラーメッセージを表示して使用者に通知するようにしてもよい。
【0043】
(5)上述した実施の形態では、レンズキャップ201を装着した遮光時でもレンズを通して光が入射するように、コンバーターレンズ200の先端部に開口部200aが設ける例について説明した。しかしながら、レンズキャップ201の外周に開口部を設けることによって、レンズキャップ201を装着した遮光時でもレンズを通して光が入射するようにしてもよい。また、図3に示したように、コンバーターレンズ200の先端部に開口部200aに間隔を空けて複数の開口部200aを設ける例について説明したが、コンバーターレンズ200の先端部の全周を透明部材で構成するようにしてもよい。あるいは、レンズキャップ201の外周全部を透明部材で構成するようにしてもよい。
【0044】
(6)上述した実施の形態では、カメラ100には、テレコンバーターレンズ、およびワイドコンバーターレンズのそれぞれを装着可能である場合について説明した。しかしながら、カメラ100にテレコンバーターレンズしか装着できない場合には、コンバーターレンズ検出部104aは、撮影した画像の中心部から所定の範囲内だけを対象として画像パターンの検出を行なうようにしてもよい。そして、コンバーターレンズ検出部104aは、当該範囲内で画像パターンが検出されれば、テレコンバーターレンズが装着されているものと判定し、当該範囲内で画像パターンが検出されなければ、テレコンバーターレンズは装着されていないと判定するようにしてもよい。
【0045】
(7)上述した実施の形態では、コンバーターレンズ検出部104aは、撮影した画像内から光の像によって現れる画像パターンを検出し、この画像パターンに基づいて、カメラ100へのコンバーターレンズの装着有無、および装着されているコンバーターレンズの種類を判定する例について説明した。しかしながら、レンズ鏡筒102内にコンバーターレンズ200の開口部200aから入射される光を検出するための測光センサーを設け、この測光センサーからの出力信号に基づいて、カメラ100へのコンバーターレンズの装着有無、および装着されているコンバーターレンズの種類を判定するようにしてもよい。
【0046】
なお、上述した実施の形態と複数の変形例を組み合わせることにしてもよい。また、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】カメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】カメラ100にコンバーターレンズ200を取り付けた状態を示した図である。
【図3】コンバーターレンズに設けられた開口部の具体例、および検出される画像パターンの具体例を示す図である。
【図4】カメラ100の処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0048】
100 カメラ、101 操作部材、102 レンズ鏡筒、103 撮像素子、104 制御装置、104a コンバーターレンズ検出部、104b カメラ設定部、105 メモリカードスロット、106 モニタ、200 コンバーターレンズ、201 レンズキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーターレンズを装着可能なカメラであって、
前記コンバーターレンズ、および撮影光学系を通して入力された光の像を撮像して画像信号を取得する撮像素子と、
前記撮像素子から出力される前記画像信号に基づいて、画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データに対応する画像内に含まれる画像パターンに基づいて、カメラへの前記コンバーターレンズの装着の有無を判定する装着有無判定手段と、
前記装着有無判定手段によって、前記コンバーターレンズが装着されていると判定された場合には、前記コンバーターレンズを用いた撮影に適した撮影条件となるように、カメラを設定する設定手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記コンバーターレンズには、広角撮影用のワイドバーターレンズと、望遠撮影用のテレコンバーターレンズとがあり、
前記装着有無判定手段によって、前記コンバーターレンズが装着されていると判断した場合に、装着されている前記コンバーターレンズが、前記テレコンバーターレンズであるか、あるいは前記ワイドコンバーターレンズであるかを判定するコンバーターレンズ種別判定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記コンバーターレンズ種別判定手段による判定結果に基づいて、カメラに装着されている前記コンバーターレンズの種類に応じた設定を行うことを特徴とするカメラ。
【請求項3】
コンバーターレンズを装着可能なカメラであって、
前記コンバーターレンズ、および撮影光学系を通して入力された光の像を撮像して画像信号を取得する撮像素子と、
前記撮像素子から出力される前記画像信号に基づいて、画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データに対応する画像内に含まれる画像パターンに基づいて、カメラへの前記コンバーターレンズの装着の有無を判定する装着有無判定手段と、
前記装着有無判定手段によって前記コンバーターレンズが装着されていると判断された場合には、その旨を表示装置に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項3に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記装着有無判定手段によって前記コンバーターレンズが装着されていると判断された場合には、使用者に対して、前記コンバーターレンズを用いた撮影に適した撮影条件となるようなカメラの設定を行うことを促すためのメッセージを前記表示装置に表示することを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項1または3に記載のカメラにおいて、
前記画像パターンは、前記コンバーターレンズの遮光時にも光学系を通して光が入射するように前記コンバーターレンズの先端部分に設けられた開口部、または前記コンバーターレンズのレンズキャップに設けられた開口部を通して入射される光によって前記画像内に現れるパターンであることを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項1または3に記載のカメラにおいて、
前記撮像素子による撮像時に発光する発光手段をさらに備えることを特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項2に記載のカメラにおいて、
前記撮像素子による撮像前に、前記撮影光学系の焦点距離を、前記装着有無判断手段が前記ワイドコンバーターレンズの装着の有無を判定することが可能な画像を前記撮像素子が取得することができる焦点距離に設定する焦点距離設定手段をさらに備えることを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のカメラに装着するためのコンバーターレンズ。
【請求項9】
カメラに装着されるコンバーターレンズであって、
前記コンバーターレンズの遮光時にも光学系を通して光が入射するように前記コンバーターレンズの先端部分に開口部を備えることを特徴とするコンバーターレンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−93103(P2009−93103A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266080(P2007−266080)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】