説明

カメラシステム

【課題】閃光装置の発光が、交換レンズの鏡筒表面で反射し、外部調光受光部に入射して外部調光に与える影響を補正し、精度を向上可能とする。
【解決手段】カメラシステムは、閃光装置を利用可能なカメラ本体に対して、交換レンズを着脱可能に装着して成る。交換レンズは、レンズ情報をカメラに出力する手段と、距離情報を検出する手段とを備える。閃光装置は、発光部と、被写体から反射する光量を検出する調光素子と、この調光素子で検出した光量が発光停止レベルとなったときに、発光を停止させる動作を行なう発光停止手段と、レンズ情報によりレンズ鏡筒の反射率が大きいことを検知し、距離情報により被写体までの距離が遠距離である場合に、アンダー露出とならないように、発光停止レベルを補正する補正手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光機能を有する閃光装置と交換レンズとを利用可能なカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、撮像装置には、交換レンズ方式のカメラで、調光機能を有する閃光装置が利用可能なカメラシステムがある。このようなカメラのシステムで用いられる閃光発光を制御する方式には、外部調光オート方式やTTL方式がある。
【0003】
この外部調光オート方式は、閃光装置の閃光発光の被写体からの反射光を受光センサである調光素子が受光し、その受光光量を積分し、所定レベルに到達したら発光を停止させ適正な発光光量になるように制御する方式である。
【0004】
従来の閃光装置には、あらかじめ決められたガイドナンバー(フル発光)により発光を制御する第一の発光制御手段と、外部調光オート方式で閃光発光を制御する第2の発光制御手段との2つの制御手段を持つものがある。そして、この2つの制御手段を持つ閃光装置では、バウンス時に第2の発光制御手段を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−42644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような閃光装置では、外部調光オート方式であっても、発光部のパネルからの直接光が交換レンズの鏡筒の表面で反射し、外部調光受光部に入射する場合がある。このような場合に、交換レンズの鏡筒の表面の反射率が高いと、この表面で反射して外部調光受光部に入射する光量が大きくなって露出がアンダーになるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、閃光装置の発光が交換レンズの鏡筒表面で反射し、外部調光受光部に入射して外部調光に与える影響を補正し、閃光装置の発光精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のカメラシステムは、閃光装置を利用可能なカメラ本体に対して、交換レンズを着脱可能に装着して成るカメラシステムにおいて、前記交換レンズは、レンズ情報をカメラに出力する手段と、距離情報を検出する手段とを備え、前記閃光装置は、発光部と、被写体から反射する光量を検出する調光素子と、当該調光素子で検出した光量が発光停止レベルとなったときに、発光を停止させる動作を行なう発光停止手段と、前記レンズ情報によりレンズ鏡筒の反射率が大きいことを検知し、前記距離情報により被写体までの距離が遠距離である場合に、アンダー露出とならないように、前記発光停止レベルを補正する補正手段とを備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装着された交換レンズの種類によらず、精度よく閃光装置を発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムの撮影用処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムのレリーズ動作の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムのストロボ制御処理を示すフローチャートである。
【図5】(a)(b)は、本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムの効果を説明するための比較例を示す概略説明図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムの効果を説明するための比較例を示すグラフである。
【図7】本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムの効果を例示するグラフである。
【図8】本発明の第2実施の形態に係わるカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施の形態に係わるカメラシステムのストロボ制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施の形態に係わるカメラシステムのストロボ制御処理で利用する基準電圧補正量を求めるのに利用するテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1実施の形態〕
以下、本発明の撮像装置の第1実施の形態に係わるカメラシステムについて図面を参照しながら説明する。このカメラシステムは、閃光装置(以下ストロボ装置と言う)300を利用可能なカメラ本体(デジタルカメラのボディ)100に対して、交換レンズ200を着脱可能に装着して成る。
【0012】
このカメラシステムの構成を示すブロック図である図1で、100はカメラ本体(デジタルカメラのボディ)、200は交換レンズ、300はストロボ装置(閃光装置)である。これら交換レンズ200とストロボ装置300とは、それぞれカメラ本体100に対して着脱可能に装着されている。
【0013】
まず、カメラ本体100(デジタルカメラのボディ)内の構成について説明する。
【0014】
このカメラ本体100は、マイクロコンピュータであるCCPU(以下、カメラマイコンと言う)101で制御されるよう構成されている。
【0015】
このカメラマイコン101は、マイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。このIC回路構成は、CPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマ回路、EEPROM(電気的にデータを消去・書き込みできるROM)、A/D、D/Aコンバータ等を含む。このカメラマイコン101は、カメラシステムの制御をソフトウェアで行えるように構成されており、各種の条件判定を行う。
【0016】
このカメラ本体100は、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD,CMOS等の撮像素子102を備える。この撮像素子102には、後述するレンズ群202によって撮影時に被写体の像が結像される。また、非撮影時に撮像素子102を遮光し、撮影時に開いて撮像素子102へ光線を導く、シャッター103が設置されている。また、非撮影時にレンズ群202より入射する光の一部を反射しピント板105に結像させる、主ミラー104(ハーフミラー)が設置されている。このピント板105は、不図示の光学ファインダー内のピントを目視で確認できるように構成されている。これらがカメラ本体100の備える撮像系である。
【0017】
106は、回路内に実装された測光センサーで被写体の撮影範囲を複数の領域に分割しそれぞれの領域で測光を行うように構成した測光回路である。この測光回路106内の測光センサーは、後述するペンタプリズム114を介してピント板105に結像された被写体像を測光するように構成されている。107は、焦点検出回路であり、回路内の測距センサーが複数点を測距ポイントとして持ち、測光センサーの分割された部分に対応した位置に測距ポイントが含まれているように構成されている。
【0018】
108は、撮像素子102の信号の増幅のゲインを切換えするためのゲイン切換え回路である。このゲイン切換え回路108によるゲインの切換えは、撮影の条件や撮影者の入力等によりカメラマイコン101の指令により行われる。109は、増幅された撮像素子102からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。110は、撮像素子102の増幅された信号入力とA/D変換器109の変換タイミングを同期させるためのタイミングジェネレータ(TG)である。111は、A/D変換器109でディジタル信号に変換された画像データをパラメータにしたがって画像処理を行う、ディジタル信号処理回路である。尚、カメラ本体100には、図示しないが、処理画像の記憶のためのメモリ等が装着されている。
【0019】
このカメラ本体100は、インタフェースの信号ラインSCを介して、交換レンズ200とストロボ装置300との間で、例えばカメラマイコン101をホストとして、データの交換やコマンドの伝達を相互に行うよう構成されている。
【0020】
またカメラ本体100は、カメラマイコン101が、インタフェースの信号ラインSCと通信クロック端子を介して、ストロボマイコン310との間で発光開始信号の送信等の通信を行うように構成されている。
【0021】
さらに、カメラ本体100のカメラマイコン101は、インタフェースの信号ラインSCとデータを送信する端子を介して、レンズマイコン201との間で通信を行うように構成されている。
【0022】
112は、撮像素子102のゲインの設定の入力操作、カメラの各種設定等を外部から入力可能とするスイッチやボタン等を設けた各種入力部である。113は、各種設定されたモードやその他の撮影情報等を表示する液晶装置や発光素子等からなる表示部である。
【0023】
114は、ピント板105の被写体像を測光回路106内の測光センサー及び図示しない光学ファインダーに導くペンタプリズムである。115は、レンズ群202より入射し主ミラー104を透過した光線を焦点検出回路107の測距センサーへ導くサブミラーである。
【0024】
次に、本カメラシステムにおける交換レンズ200内の構成と動作について説明する。
【0025】
この交換レンズ200は、交換レンズ200の各部の動作を制御するマイクロコンピュータLPU(以下、レンズマイコン)201を備える。
【0026】
このレンズマイコン201は、マイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。IC回路構成は、CPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマ回路、EEPROM(電気的にデータを消去・書き込みできるROM)、A/D、D/Aコンバータ等を含む。また、このレンズマイコン201は、カメラシステムの制御をソフトウェアで行えるもので、各種の条件判定を行ったり、その記憶装置のROM又はEEPROMにレンズの種別情報(ID)、鏡筒の反射率情報を予め記憶しておく。
【0027】
202は、複数枚で構成されたレンズ群である。203は、レンズ群202の焦点位置合わせ用の光学系を移動させるレンズ駆動部である。この交換レンズ200では、カメラマイコン101が、レンズ群202の駆動量を、カメラ本体100内にある焦点検出回路107の出力に基づいて演算して制御する。
【0028】
204は、レンズ群202の駆動時に位置を検出するエンコーダ204であり、エンコーダ204の出力であるエンコーダ情報により被写体距離情報を検出する。
【0029】
そして、カメラマイコン101は、算出したレンズ群202の駆動量をレンズマイコン201に通信し、エンコーダ204の駆動情報により駆動量分だけレンズ駆動部203を動作させ、レンズ群202を合焦位置へ移動させる。
【0030】
205は、絞り制御回路206を介してレンズマイコン201により制御される絞りである。
【0031】
なお、この交換レンズ200は、レンズ群202の焦点距離が単焦点のものであっても、ズームレンズのように焦点距離が可変のものであっても良い。
【0032】
上述のように構成された交換レンズ200を備えたカメラシステムでは、カメラマイコン101がレンズマイコン201に通信し、被写体距離情報とレンズの種類(種別)の情報(ID情報)及び鏡筒の反射率情報を取得する。
【0033】
次に、本カメラシステムにおけるストロボ装置300の構成について説明する。
【0034】
このストロボ装置300は、ストロボ装置300各部の動作を制御するマイクロコンピュータFPU(以下、ストロボマイコンという)310を備える。
【0035】
このストロボマイコン310は、マイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。このIC回路構成は、CPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマ回路、EEPROM(電気的にデータを消去・書き込みできるROM)、A/D、D/Aコンバータ等を含む。このストロボマイコン310は、カメラシステムの制御をソフトウェアで行えるもので、各種の条件判定を行う。
【0036】
301は、ストロボの電源(VBAT)としての電池である。302は、図示しないメインコンデンサに発光のためのエネルギーを蓄積させるための電池301の電圧を数百Vに昇圧する昇圧回路である。なお、図示しないメインコンデンサは昇圧回路302に含まれる。メインコンデンサに充電された電圧は、図示しない電圧検出回路により分圧され、分圧された電圧がストロボマイコン310のA/D変換端子に入力される。
【0037】
図示しないメインコンデンサに充電されたエネルギーをトリガー回路306から放電管307に印加し、数KVのパルス電圧で励起する事で発光させ、その光を被写体に照射する。
【0038】
308は、トリガー回路306と共に放電管307の発光の開始を制御し、さらに発光の停止を制御する発光制御回路である。
【0039】
322は、受光センサーとしてのフォトダイオードであり、直接またはグラスファイバーなどを介して被写体の光を受光する調光素子として構成されている。
【0040】
309は、フォトダイオード322の受光電流を積分する積分回路であり、積分回路309の出力は、コンパレータ312の反転入力端子とストロボマイコン(電圧設定手段)310のA/Dコンバータ端子に入力される。このコンパレータ312の非反転入力端子は、ストロボマイコン310内のD/Aコンバータ出力端子に接続され、コンパレータ312の出力は311のANDゲートの入力端子に接続される。
【0041】
このD/Aコンバータ端子電圧は発光を停止させるための基準電圧であり、ストロボマイコン310により可変できる。本カメラシステムでは、レンズ鏡筒の表面反射率に応じて電圧値を変えるよう構成されている。
【0042】
本カメラシステムでは、レンズ鏡筒の反射率が大きく、遠距離の場合に、アンダー露出にあるため、基準レベルより補正量(マイナス)を加えると共に発光停止レベルを下げる。また、本カメラシステムでは、レンズ鏡筒の反射率が小さく、近距離の場合に、基準レベルに設定する。
【0043】
前述したANDゲート311のもう一方の入力端子は、ストロボマイコン310の発光制御端子と接続され、ANDゲート311の出力が発光制御回路308に入力される。
【0044】
このストロボ装置300は、反射傘315及びパネル316等から成る閃光の照射角を変更するズーム光学系を備える。反射傘315とズーム光学系316の距離を所定の位置に変更することにより、被写体への照射ガイドナンバー及び配光を変化させる。
【0045】
313は、モーター等から成るズーム光学系316を移動させるズーム駆動部であり、このズーム光学系316の駆動量は、ストロボマイコン310のズーム制御端子より信号を受け制御される。このズーム駆動量は、レンズマイコン201からカメラマイコン101を介してストロボマイコン310に焦点距離情報が送信され、その焦点距離情報に応じてストロボマイコン310がズームの駆動量を演算して決定する。
【0046】
314は、ズーム光学系316のズーム位置を検出するエンコーダ等の位置検出部であり、この位置検出部314は、ストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与える。この移動情報に基づいて、ストロボマイコン310は、必要な駆動量分だけズーム駆動部313内のモータを動作させてズーム光学系316を移動制御する。
【0047】
320は、各種入力部(入力インタフェース)であり、例えばストロボ装置300の側面などに配置されたスイッチで構成され、ユーザの操作によりズーム情報の入力が可能に構成されている。
【0048】
さらに、このストロボ装置300は、ストロボ装置300の各状態を表示する表示部321と、バウンスが可能な発光部350とを備える。
【0049】
次に、本カメラシステムのシーケンスに係わる、カメラマイコン101の具体的な動作について、図2及び図3のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
このカメラ本体100では、図示しない電源スイッチがオンされるとカメラマイコン101が動作可能となり、カメラマイコン101が、図2に示す撮影用処理におけるステップS1から所定の動作を開始する。
【0051】
まず、ステップS1では、カメラマイコン101が、自身のメモリやポートの初期化を行う。さらに、カメラマイコン101は、入力部112のスイッチの状態を検知して入力された指令や予め設定された入力情報を読み込み、シャッタースピードの決め方や、絞りの決め方等様々な撮影モードの設定を行う。
【0052】
次に、カメラマイコン101は、図示しないシャッターボタンの半押し状態であるSW1がONか否かを判別する(ステップS2)。そして、カメラマイコン101は、OFFのとき(ステップS2でOFF)にこのステップを繰り返し、ONのとき(ステップS2でON)にステップS3に進む。
【0053】
次に、カメラマイコン101は、交換レンズ200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行う(ステップS3)。そして、交換レンズ200の焦点距離情報(以下、レンズの焦点距離情報)や測距、測光に必要な光学情報を取得する。さらに、カメラマイコン101は、同様にしてレンズマイコン201と通信して、レンズの種別情報(ID)、鏡筒の反射率情報を取得する。
【0054】
次に、カメラマイコン101は、カメラ本体100にストロボ装置300が装着されているかどうかをチェックする。カメラ本体100にストロボ装置300が装着されている場合(ステップS4でYES)ならばステップS5へ進み、未装着の場合(ステップS4でNO)ならばステップS6へ進む。
【0055】
ストロボ装置300が装着されている場合、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCとを介して通信し、前述したステップS3にて取得したレンズの焦点距離情報をストロボマイコン310に出力する(ステップS5)。これにより、ストロボマイコン310は、受信した焦点距離情報に基づいてモータ駆動回路313を駆動してエンコーダ314で位置を検出しストロボの照射角を制御する。
【0056】
次に、カメラマイコン101は、ステップS1で設定されたカメラの撮影モードのうち、カメラが自動焦点検出動作を行うモード(AFモード)であるか否かを判定する(ステップS6)。そしてカメラマイコン101は、AFモードであると判定した場合(ステップS6でYES)にステップS7に進み、AFモードでないと判定した場合(ステップS6でNO)にステップS10へ進む。
【0057】
カメラマイコン101は、ステップS7において、焦点検出回路107を駆動することにより周知の位相差検出法による焦点検出動作を行う。この際、カメラマイコン101は、複数の測距点からどのポイントに合わせるか(測距ポイント)を、前述の入力部112で入力され設定されたポイント又はカメラの撮影モードに応じて決定する。さらに、カメラマイコン101は、近点優先を基本の考え方とした周知の自動選択アルゴリズムなどで測距ポイントを決定しても良い。このステップS7で決定された測距ポイントは、カメラマイコン101内の図示しないRAM(ランダムアクセスメモリー)に記憶される。
【0058】
次に、カメラマイコン101は、焦点検出回路107の情報に基づきレンズの駆動量を演算する。そして、カメラマイコン101は、演算した駆動量を、交換レンズ200内のレンズマイコン201へ通信ラインSCを介して送信する。カメラマイコン101の演算結果を受信したレンズマイコン201は、この演算結果に基づいてレンズ駆動回路203を制御し、レンズ群202を合焦位置に駆動する(ステップS8)。
【0059】
次に、カメラマイコン101は、交換レンズ200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信して、被写体距離情報を取得する(ステップS9)。
【0060】
次に、カメラマイコン101は、例えば、画面を6つのエリアに分割し、被写体輝度値を測光回路106より得る。
その輝度値は、
EVb(i) (i=0〜5)
として、RAMに記憶させる(ステップS10)。
【0061】
次に、カメラマイコン101は、入力部112より入力されたゲイン設定の処理をゲイン切換え回路108により行う(ステップS11)。ここでは、ISO感度設定を行う。
【0062】
次に、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信し、ゲイン切換え回路108にて取得したゲイン設定情報をストロボマイコン310に出力する。
【0063】
次に、カメラマイコン101は、複数のエリアの被写体輝度値EVbから、周知のアルゴリズムを利用して露出値(EVs)を決定する(ステップS12)。
【0064】
次に、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310が充電完了信号を出力しているかどうかをチェックする(ステップS13)。ここで、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310が充電完了信号を出力していると判定した場合(ステップS13でYES)に、ステップS14へ進み、出力していないと判定した場合(ステップS13でNO)にステップS15へ進む。なお、カメラマイコン101は、このステップS13におけるストロボマイコン310が充電完了信号を出力しているかどうかの判定結果を、後のステップで用いるために記憶しておく。
【0065】
次に、カメラマイコン101は、ストロボ撮影を行うために適したシャッタ速度(Tv)と絞り値(Av)とを上記ステップS10にて得られた測光出力に基づいて決定する(ステップS14)。
【0066】
次に、カメラマイコン101は、自然光撮影(ストロボ装置300を発光させない撮影)を行うために適したシャッタ速度(Tv)と絞り値(Av)とを上記ステップS10にて得られた測光出力に基づいて決定する。上記ステップS14又はステップS15の処理が実行されると、いずれの場合もステップS16へ進む。
【0067】
次に、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信し、その他のストロボに関する情報をストロボマイコン310に出力する(ステップS16)。
【0068】
次に、カメラマイコン101は、図示しない撮影開始のスイッチであるSW2がONであるか否かを判定し、OFFであると判定した場合にステップS1からステップS16までの動作を繰り返す。また、カメラマイコン101は、ONであると判定した場合にステップS17に続く、図3のフローチャートで示した一連のレリーズ動作の処理を開始する。
【0069】
次に、レリーズ動作の処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0070】
このレリーズ動作の処理が開始すると、カメラマイコン101は、露光動作に先立って主ミラー104をアップさせ、撮影光路内から退去させる(ステップS18)。
【0071】
次に、カメラマイコン101は、SCラインを介してストロボマイコン310へストロボ情報をストロボ装置300に送信する(ステップS19)。
【0072】
次に、カメラマイコン101は、決定された露光値(EVs)に基づく絞り値(AV)になるようにレンズマイコン201に指令を出す。これと共に、カメラマイコン101は、決定されたシャッタースピード値(TV)になるように図示しないシャッター制御回路を介してシャッター103を制御する(ステップS20)。
【0073】
次に、カメラマイコン101は、シャッター103の全開に同期し、SCラインを介してストロボマイコン310に発光信号を与える。これと共に、ストロボマイコン310は、適正な発光量になるようにメイン発光制御を行う(ステップS21)。なお、ストロボ発光の詳細な説明は後述する。
【0074】
次に、カメラマイコン101は、上述した一連の露光動作を終了させると、撮影光路より退去させていた主ミラー104をダウンさせて再び撮影光路内に斜状にセットする(ステップS22)。
【0075】
次に、カメラマイコン101は、撮像素子102の画素データをゲイン切換え回路108で設定されたゲインで増幅した信号を生成し、この増幅した信号をA/D変換器109でデジタル信号として変換する。このようにして変換された画素データは、信号処理回路111で、ホワイトバランス等の所定の信号処理が施される(ステップS23)。
【0076】
次に、カメラマイコン101は、上述のように処理された画像データを、図示しないメモリに記憶して(ステップS24)撮影のルーチンを終了する。
【0077】
次に、ストロボ装置300内のストロボマイコン310での具体的な動作(ストロボ制御処理)について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0078】
このストロボ装置300は、図示しない電源スイッチがオンされるとストロボマイコン310が動作可能となり、ストロボマイコン310が、図4のステップS101から所定の動作を開始する。
【0079】
まず、ステップS101では、ストロボマイコン310が、自身のメモリやポートの初期化を行う。さらに、ストロボマイコン310は、入力されたスイッチの状態を検知して入力された指令や予め設定された入力情報を読み込み、ストロボ撮影モードや発光量等の設定を行う。
【0080】
次に、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101より通信ラインSCを介してストロボ情報を受信する。するとストロボマイコン310は、ストロボ情報をストロボマイコン310内の図示しないRAM(ランダムアクセスメモリー)に記憶させる。
【0081】
次に、ストロボマイコン310は、昇圧回路302の動作を開始させて発光の準備を行う(ステップS102)。
【0082】
次に、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101から通信ラインSCを介して受信したレンズの焦点距離情報をチェックする。そして、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101から受信したレンズの焦点距離情報を自身のメモリ内に記憶(格納)する。また、これ以前にレンズの焦点距離情報を自身のメモリ内に記憶していたならば、記憶内容を更新する(ステップS103)。
【0083】
次に、ストロボマイコン310は、自身のメモリ内に記憶されたレンズの焦点距離情報を表示部321に表示する(ステップS104)。
【0084】
次に、ストロボマイコン310は、ストロボ光の照射角が上記ステップS104にて選定された照射角のポジションになるようにエンコーダ314を介してストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与える。そして、ストロボマイコン310は、位置信号端子によって必要な駆動量分だけズーム駆動部313内のモータを動作させ、エンコ−ダ314の位置信号により所定の位置へ動作させる(ステップS105)。
【0085】
次に、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101から送信されたレンズの種別情報(ID)、鏡筒の反射率情報、距離情報を取得する(ステップS106)。
【0086】
次に、ストロボマイコン310は、レンズの種別情報(ID)、鏡筒の反射率情報により外部調光の補正レベルを合焦した距離情報に応じて補正する。すなわち、ストロボマイコン310は、取得したレンズの種別情報(ID)、鏡筒の反射率情報、距離情報から、ステップS107〜ステップS110の処理によって、補正方法を設定する。
【0087】
以下、この補正の方法の設定について、図4、図7及び図10を参照して説明する。なお、図10に例示する補正量では、レンズの判別を4つにしているが、これに限られるものではなく、5以上の場合に分けて判別するようにしてもよい。
【0088】
このストロボ装置300では、外部調光の補正レベルを合焦した距離情報に応じて補正する機能が、以下のように構成されている。
【0089】
このストロボ装置300では、被写体から反射した光を調光素子322で受光して積分回路309で積分した出力信号が、コンパレータ312の反転入力端子とストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子に入力される構成となっている。
【0090】
このコンパレータ312の非反転入力端子は、ストロボマイコン310内のD/Aコンバータ出力端子に接続されている。このコンパレータ312の出力端子は、ANDゲート311の入力端子に接続されている。
【0091】
このANDゲート311から出力された信号は、発光制御回路308に入力される。発光制御回路308は、ANDゲート311からの信号を受信すると、発光を停止させる。
【0092】
ここで、ストロボマイコン310内のD/Aコンバータ端子電圧は、発光を停止させるための基準電圧(VTH)となっている。この基準電圧(VTH)は、ストロボマイコン310により可変可能に構成されており、下記式で求められる。
【0093】
基準電圧(VTH)=VTH0+k+L
ここで、
VTH0:鏡筒の反射率の影響が無い時の基準電圧
k:レンズの鏡筒の反射率による補正量
L:被写体距離による補正量
k+L:補正量
である。
【0094】
この外部調光の補正の具体的な内容としては、レンズ鏡筒の反射率が大きく、遠距離の場合に、アンダー露出にあるため基準レベルより補正量(マイナス)を加え、発光停止レベルを下げる(発光量を大きくする)。また、この外部調光の補正では、レンズ鏡筒の反射率が小さく、近距離の場合には基準レベルとする。
【0095】
上述の外部調光の補正を行うため、図4のフローチャートにおけるステップS107では、ストロボマイコン310が、レンズの種別情報(ID)が「001」であると判断した場合(ステップS107でYES)に、ステップS111へ進む。
【0096】
次に、ストロボマイコン310は、レンズの距離情報を使用して被写体距離による補正量Lを決める(ステップS111)。そして、ストロボマイコン310は、図10に示すテーブルを参照して、レンズの種別情報(ID)が「001」の鏡筒反射率情報に対応した基準電圧補正量「k1」を求める。そして、ストロボマイコン310は、基準電圧補正量「k1」に基づいて、基準電圧VTH1を設定(ステップS112)し、次のステップS117へ進む。
【0097】
また、ストロボマイコン310は、レンズの種別情報(ID)が「001」でないと判断した場合(ステップS107でNO)にステップS108へ進む。
【0098】
次に、ストロボマイコン310は、レンズの種別情報(ID)が「002」と判定した場合(ステップS108でYES)に、ステップS113へ進む。
【0099】
次に、ストロボマイコン310は、レンズの距離情報を使用して被写体距離による補正量Lを決める(ステップS113)。そして、ストロボマイコン310は、図10に示すテーブルを参照して、レンズの種別情報(ID)が「002」の鏡筒反射率情報に対応した基準電圧補正量「k2」を求める。そして、ストロボマイコン310は、基準電圧補正量「k2」に基づいて、基準電圧VTH2を設定(ステップS114)し、次のステップS117へ進む。
【0100】
また、ストロボマイコン310は、レンズの種別情報(ID)が「002」でないと判断した場合(ステップS108でNO)にステップS109へ進む。
【0101】
次に、ストロボマイコン310は、レンズの種別情報(ID)が「003」と判定した場合(ステップS109でYES)に、ステップS115へ進む。
【0102】
次に、ストロボマイコン310は、レンズの距離情報を使用して被写体距離による補正量Lを決める(ステップS115)。そして、ストロボマイコン310は、図10に示すテーブルを参照して、レンズの種別情報(ID)が「003」の鏡筒反射率情報に対応した基準電圧補正量「k3」を求める。そして、ストロボマイコン310は、基準電圧補正量「k3」に基づいて、基準電圧VTH3を設定(ステップS112)し、次のステップS117へ進む。
【0103】
また、ストロボマイコン310は、レンズの種別情報(ID)が「003」でないと判断した場合(ステップS109でNO)にステップS110へ進む。この場合、ストロボマイコン310が鏡筒反射率がほとんどないと判断した場合であるので、ストロボマイコン310は、基準電圧VTH0を設定(ステップS110)し、次のステップS117へ進む。
【0104】
なお、上述した基準電圧は、下記式の関係がある。
[式1]
VTH0>VTH1>VTH2>VTH3
また、上述したように補正することにより、図7に示すように、補正前はBのカーブのように発光量がアンダーになったのに対し、基準データを被写体距離に対応して補正することで、A´のカーブのように適正な範囲に補正できる。なお、ここでは、テーブルを参照して補正したが、演算により算出しても同様の結果を得ることができる。
【0105】
次に、ストロボマイコン310は、昇圧回路302が昇圧した電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達したか(充電完了か)どうかを判定する(ステップS117)。
【0106】
そして、ストロボマイコン310は、昇圧回路302が昇圧した電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していないと判定した場合に、ステップS123へ進む。
【0107】
次に、ストロボマイコン310は、充電未完信号を出力してストロボの発光準備ができていないことを通信ラインSCによってカメラマイコン101に送信すると共に、充電信号を昇圧回路302に送信する(ステップS123)。その後、ストロボマイコン310は、ステップS102へ戻り、上述したステップを繰り返す。
【0108】
また、ストロボマイコン310は、放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していると判定した場合に、ステップS118に進む。
【0109】
次に、ストロボマイコン310は、充電完了信号を出力してストロボの発光準備ができたことを通信ラインSCによってカメラマイコン101に送信する。
【0110】
次に、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101より発光開始用信号が出力されているかどうかを判定し、発光開始用信号が出力されていないと判定した場合(ステップS119でNO)にステップS102に戻り、前述したステップを繰り返す。
【0111】
一方、ストロボマイコン310は、発光開始用信号が出力されていると判定した場合(ステップS119でYES)に、ステップS120へ進む。そして、ストロボマイコン310は、トリガ回路306とストロボマイコン310の発光制御端子よりANDゲート311を介して発光制御回路308にトリガ信号を与えてストロボの発光を開始させる(ステップS120)。
【0112】
次に、ストロボマイコン310は、被写体からの反射光をフォトダイオード322で受光すると、積分回路309でフォトダイオード322の受光電流を積分させる。そして、この積分回路309で積分された出力は、コンパレータ312の反転入力端子とストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子に入力される。このとき、コンパレータ312の非反転入力は、ストロボマイコン310内のD/Aコンバータ出力端子に接続され、前述の如くして、適正光量に相当する発光量に相当するD/Aコンバータ値である基準電圧VTHが設定されている状態にある。
【0113】
次に、ストロボマイコン310は、設定されている基準電圧VTHのレベルまで達するまで発光を継続し(ステップS121でNO)、基準電圧VTHのレベルに達達した場合(ステップS121でYES)にステップS122へ進む。
【0114】
次に、ストロボマイコン310は、ANDゲート311より発光停止信号を出し発光制御回路308により発光を停止し、ステップS102へ戻り、前述したステップを繰り返す。
【0115】
次に、本実施の形態に係わるカメラシステムによる効果を理解するための比較例について、図5及び図6を参照して説明する。
【0116】
図5は本実施形態のカメラシステムで被写体を撮影するときの概略説明図で、500は撮影する被写体、100はカメラ本体、200は交換レンズ、300はストロボ装置(閃光装置)、350は発光部、322は調光素子であるフォトダイオードである。
【0117】
このようなカメラシステムに用いられる交換レンズ200は、レンズの焦点距離の違いや用途によってレンズ鏡筒に表面の色が異なり反射率が異なるものが存在する。
【0118】
図5(a)に被写体が近距離の場合を示すように、発光部350にて発光した光(L1)は、被写体500に反射して(L2)調光素子322に受光される。このとき発光部350からの光の一部は、直接光(L3)として交換レンズ200で反射され、この反射した光(L4)は、その一部が調光素子に受光される。
【0119】
ここで、レンズ鏡筒の反射率が小さく、近距離の場合には、「被写体からの反射光(L2)>レンズ鏡筒反射光(L4)」であるため、調光は適正に行なわれる。
【0120】
しかし、図5(b)に示すように被写体が遠距離の場合には、発光部350で発光した光(L1’)が被写体500で反射して(L2’)調光素子322に受光される。このとき発光部350からの光の一部は、直接光(L3’)として交換レンズ200で反射され、反射した光(L4’)が調光素子に受光される。
【0121】
このような、レンズ鏡筒の反射率が大きく、遠距離の場合には、「被写体からの反射光(L2’)<レンズ鏡筒反射光(L4’)」の関係にあるため、調光がアンダーになってしまう。
【0122】
このときの状態を図6のグラフを参照して説明する。この図6のグラフでは、横軸に被写体距離をとり、縦軸に適正光量に対する段差が示してある。また、図6のAは、レンズ鏡筒の反射率が低い場合の精度を示す。図6のBは、レンズ鏡筒の反射率が高い(例えば、レンズ鏡筒の色が白)場合の発光量の精度を示す。Aの場合には、被写体距離によらず発光量の精度がほぼ一定であるが、Bの場合には、被写体距離に応じて依存して発光量の精度が下降する。
【0123】
また、図6のグラフの(a)の位置が、図5(a)の場合に相当し、図6のグラフの(b)の位置が、図5(b)の場合に相当している。
【0124】
図6から、レンズ鏡筒の反射率が高い場合には、被写体からの反射光とレンズ鏡筒からの反射光のバランスが被写体距離に応じて大きく変化し、被写体距離が遠いほど発光量の精度に影響することがわかる。
【0125】
よって、本実施の形態に係わるカメラシステムでは、外部調光の補正を、レンズ鏡筒の反射率が大きく、遠距離の場合に、基準レベルより補正量(マイナス)を加え、発光停止レベルを下げてアンダー露出を補正する。また、この外部調光の補正では、レンズ鏡筒の反射率が小さく、近距離の場合に、基準レベルとする。これにより本実施の形態に係わるカメラシステムでは、交換レンズの種類によらず適正な外部調光の補正を行うことができる。さらに、このカメラシステムでは、調光の遠距離での精度向上と、調光センサの配置位置の自由度の増加を両立でき、しかも、調光センサをレンズ近傍に配置できるので、ストロボ装置を小型化できる。
【0126】
〔第2実施の形態〕
以下、本発明の第2実施の形態について、図8及び図9を参照して説明する。本第2実施の形態に係わるカメラシステムでは、カメラ本体100とストロボ装置300とが、延長コードで接続された構成となっている。
【0127】
図8のブロック図で、400は、カメラとストロボ装置を接続する延長コードであり、それぞれの通信端子は公知の脱着が可能なコネクタで構成されている。また、401、402は、インターフェース回路で、公知のバッファ回路や接続認識回路で構成されている。
【0128】
なお、図8のブロック図における以上説明した以外のものは、前述した図1のブロック図で説明したものと同様であるので、同一部材には同一符号を付すこととして、その説明を省略する。
【0129】
次に、本第2実施の形態に係わるカメラシステムにおける、ストロボ制御処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、この図9の動作のフローチャートは、前述した図4のフローチャートと対応するので、異なる部分についてのみ説明することとし、同様に動作するステップには、同一符号を付すこととして、その説明を省略する。
【0130】
このストロボ制御処理では、カメラシステムの電源スイッチが入力されると、ストロボマイコン310が、前述したようにステップS101からステップS105までの動作を実行する。そして、ストロボマイコン310は、ストロボ光の照射角が選定された照射角のポジションになるように動作(ステップS105)させた後、ステップS105−2へ進む。
【0131】
このステップS105−2で、ストロボマイコン310は、延長コードが接続されているか否かをインターフェース回路401,402により判断する。ここで、ストロボマイコン310は、延長コードが接続された状態のオフカメラであると判定した場合(ステップS105−2でYES)に、ステップS110へ進み、オフカメラでないと判定した場合(ステップS105−2でNO)にステップS106へ進む。
【0132】
次に、ストロボマイコン310は、オフカメラでない場合の処理として、前述した図4のステップS106からステップS116と同じ動作を行なう。
【0133】
このように、本第2実施の形態に係わるカメラシステムでは、カメラ本体100とストロボ装置300が脱着可能なコードで接続されたことを検出する手段を備える。そして、ストロボマイコン310は、コードが接続されているときに、レンズ情報と距離情報によって調光素子の発光停止時期の補正を行なわないよう制御する。これにより、ストロボ装置300がカメラ本体100から離れた位置に配置されているためレンズ鏡筒からの反射光の影響が無い状態となっているときに、不要な外部調光の補正が行われないようにできる。
【0134】
なお、本第2実施の形態における以上説明した以外の構成、作用、効果は、前述した第1実施の形態と同様なので、その説明を省略する。
【0135】
〔第3実施の形態〕
本第3実施の形態に係わるカメラシステムでは、カメラ本体100とストロボ装置300とが、ワイヤレス通信で接続された構成となっている。
【0136】
本第3実施の形態では、前述した図2のステップS4において、カメラマイコン101が、ストロボ装置の装着を、ストロボ通信の有無によって判別する。このため、カメラマイコン101は、図8のフローチャートにおけるステップS105−2で、ストロボ装着の有無を判別する。そして、カメラマイコン101は、ストロボ装着が無いと判別した場合(ステップS105−2でYES)、ワイヤレス通信でストロボデータを送信する時に、図8のフローチャートにおけるステップS110へ分岐するよう制御する。
【0137】
または、カメラマイコン101がストロボマイコン310との通信の有無を判別することにより、ストロボ装着の有無を判別する。そして、カメラマイコン101は、ストロボ装着が無いと判定したときに、図8のフローチャートにおけるステップS105−2からステップS110へ分岐するように制御する。
【0138】
これにより、ストロボ装置300がカメラ本体100から離れた位置に配置されているためレンズ鏡筒からの反射光の影響が無い状態となっているときに、不要な外部調光の補正が行われないようにできる。
【0139】
なお、本第3実施の形態における以上説明した以外の構成、作用、効果は、前述した第1実施の形態と同様なので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0140】
101 カメラマイコン
201 レンズマイコン
310 ストロボマイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閃光装置を利用可能なカメラ本体に対して、交換レンズを着脱可能に装着して成るカメラシステムにおいて、
前記交換レンズは、レンズ情報をカメラに出力する手段と、距離情報を検出する手段とを備え、
前記閃光装置は、発光部と、被写体から反射する光量を検出する調光素子と、当該調光素子で検出した光量が発光停止レベルとなったときに、発光を停止させる動作を行なう発光停止手段と、前記レンズ情報によりレンズ鏡筒の反射率が大きいことを検知し、前記距離情報により被写体までの距離が遠距離である場合に、アンダー露出とならないように、前記発光停止レベルを補正する補正手段とを備える、
ことを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
前記レンズ情報は、交換レンズの種類の情報(ID情報)であることを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記レンズ情報はレンズの鏡筒の反射率の情報であることを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記発光停止レベルを補正する前記補正手段は、コンパレータと可変できる電圧設定手段により発光停止レベルを変更するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記カメラ本体と閃光装置とを着脱可能にコードで接続されたことを検出する検出手段をさらに備え、
前記検出手段で前記コードが接続されていることを検出したときに、前記補正手段が前記発光停止レベルの補正を行なわないように制御することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記カメラ本体に閃光装置が取り付けられたことを検出する検出手段をさらに備え、
前記検出手段で前記閃光装置が取り付けられたことを検出したときに、前記補正手段が前記発光停止レベルの補正を行なわないように制御することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−3188(P2012−3188A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140527(P2010−140527)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】