説明

カメラ及びカメラ制御プログラム

【課題】利便性が高いカメラを提供する。
【解決手段】カメラは、発光部を有するアクセサリーを制御する。カメラは、前記発光部の点灯期間を制御するカメラ制御部を備え、前記カメラ制御部は、点灯している前記発光部を予め定められた通常点灯期間の終了に応じて消灯させるべき第1の時刻より、前記発光部を点灯させた状態の撮影を終了させる第2の時刻が遅れる場合、前記発光部の点灯期間を延長させるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
カメラ及びカメラ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは、閃光装置等のアクセサリーとともに使用されることがある(例えば、特許文献1参照)。アクセサリーは、カメラのアクセサリーシュー(シュー座、ホットシュー等ともよばれる)に接続されて、使用される。アクセサリーシューは、アクセサリーを制御する制御信号をアクセサリーへ出力する端子を有する。カメラは、アクセサリーシューの端子を介してアクセサリーに制御信号を送信し、アクセサリーを制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0329302号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラ及びアクセサリーを備えるカメラシステムは、使い勝手がよい(利便性が高い)ことが期待される。カメラシステムは、例えばユーザーの操作に応答しないことや応答が遅いこと等があると、使い勝手が悪くなってしまう。本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであって、利便性が高いカメラ、及びカメラ制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様のカメラは、発光部を有するアクセサリーを制御するカメラであって、前記発光部の点灯期間を制御するカメラ制御部を備え、前記カメラ制御部は、点灯している前記発光部を予め定められた通常点灯期間の終了に応じて消灯させるべき第1の時刻より、前記発光部を点灯させた状態の撮影を終了させる第2の時刻が遅れる場合、前記発光部の点灯期間を延長させるよう制御することを特徴とする。

【0006】
本発明の第2の態様のカメラ制御プログラムは、アクセサリーを制御するカメラが備えるコンピュータを、前記アクセサリーの発光部の点灯時間を予め定められる通常点灯期間よりも撮影開始時刻に応じて延長させるよう制御するカメラ制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性の高いカメラ及びカメラ制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態のカメラシステムの外観を示す図である。
【図2】本実施形態のカメラシステムを図1とは反対側から見た図である。
【図3】本実施形態のアクセサリーシューの外観を示す図である。
【図4】本実施形態のアクセサリーのコネクターの外観を示す図である。
【図5】本実施形態のアクセサリーシューを示す図である。
【図6】本実施形態のカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態のアクセサリーの構成、及びアクセサリーとカメラとの接続関係を示す図である。
【図8】充電制御において各処理を行うタイミングを示す図である。
【図9】(A)は、着脱検出信号とカメラ制御部との接続関係を模式的に示す図、(B)は、信号生成部の構成模式的に示す図である。
【図10】本実施形態のカメラシステムにおける処理の手順を示す図である。
【図11】通信準備シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図12】初期通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図13】図12から続く処理の手順を示す図である。
【図14】アクセサリーに電力を供給する制御における処理の手順を示す図である。
【図15】定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図16】図15から続く処理の手順を示す図である。
【図17】各発光機能を有効又は無効にする設定処理の手順を示す図である。
【図18】充電制御の処理の手順を示す図である。
【図19】初期通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。
【図20】定常通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。
【図21】撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図22】照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図23】点灯時間を延長する制御の各処理を行うタイミングを示す図である。
【図24】アクセサリーにおける処理を終了する処理の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態について説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0010】
図1は、本実施形態のカメラシステム1の外観を示す図である。図2は、本実施形態のカメラシステム1を図1とは反対側から見た図である。
【0011】
図1及び図2に示すカメラシステム1は、カメラ10(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー400を備える。本実施形態のアクセサリー400は、発光機能を有し、被写体を照らすことができる。カメラ10は、アクセサリー400と通信して、アクセサリー400を制御することができる。カメラシステム1は、例えば、アクセサリー400によって被写体を照らしながら、カメラ10によって被写体の像を撮像することができる。
【0012】
図1に示すように、カメラ10は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
【0013】
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ10は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー400を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切替えるスイッチである。
【0014】
本実施形態において、図1等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。このXYZ直交座標系において、X軸方向及びZ軸方向は、それぞれY軸方向と直交し、かつ互いに直交する方向である。正面12及び背面14は、それぞれ、Y軸方向とほぼ直交している。頂面13は、Z軸方向とほぼ直交している。
【0015】
アクセサリー400は、アクセサリー本体410、コネクター420、及び発光部425を備える。発光部425は、それぞれ光を射出する射出面を備えた閃光発光部430及び照明光発光部435を備える。アクセサリー本体410は、照明光発光部435及び各種電気部品などを収容している。コネクター420は、アクセサリー本体410の下方に設けられている。コネクター420は、カメラボディ100のシュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー400は、コネクター420がシュー座15に装着されることによって、カメラボディ100に装着されてカメラボディ100に対して固定される。閃光発光部430は、アクセサリー本体410に対してコネクター420とは反対側(上方)に設けられている。閃光発光部430は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で且つ閃光発光部430の射出面がカメラボディ100の正面12側(+Y方向側)の方向を向いている場合には、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に閃光照明光(Xe管からの閃光発光)を発することができる。閃光発光部430はその射出面の向き(姿勢)を、アクセサリー本体410に対して変化(姿勢変化)できるように設けられている。例えば、閃光発光部430の射出面を、アクセサリー本体410の上方(+Z側)に向けて閃光照明光を発することもできる。一方、照明光発光部435は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で、カメラボディ100の正面12側(+Y側)に向けて(撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に)連続照明光(例えばLED照明光)を発することができる。
【0016】
図2に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー400の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ10とアクセサリー400の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
【0017】
図2に示すように、アクセサリー400は、第1パイロットランプ455、第2パイロットランプ460、第1操作部424、及び第2操作部471を備える。第1パイロットランプ455は、図1に示した閃光発光部430の動作状態に応じて発光する。第2パイロットランプ460は、図1に示した照明光発光部435の動作状態に応じて発光する。第1操作部424は、アクセサリー400をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば第1操作部424は取外し操作部材である)。第2操作部471は、アクセサリー400の機能全体のオン状態とオフ状態とを切替えるために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば第2操作部471はON/OFF操作スイッチである)。
【0018】
図3は、本実施形態のシュー座15の外観を示す図である。図4は、シュー座15を図3の上から(図3の天板部22から−Z軸方向に)、部分的に透過して見た平面図である。
【0019】
シュー座15は、底板部21、天板部22、底板部21と天板部22との間に配置された側板部23、底板部21と天板部22との間に配置された開口24、及び底板部21に配置された端子部25を備える。
【0020】
底板部21は、図1に示したカメラボディ100の頂面13に取付けられている。底板部21は、カメラボディ100の頂面13に取付けるのに用いられる取り付け孔26と、アクセサリー400を係止するのに用いられる係止孔27とを有する。底板部21は、取り付け孔26の内側に配置されるネジ等によって、カメラボディ100の頂面13に固定される。本実施形態において、+Z軸方向を「上方」ということがある。
【0021】
天板部22は、上方(Z軸方向)から見た平面形状がほぼU字形状である。天板部22は、上方(Z軸方向)から見て側板部23よりも内側に張出している。側板部23は、開口24から所定の方向(Y軸方向)に延びる一対の内壁を有する。側板部23の一対の内壁は、内壁の延在方向(Y軸方向)に直交する方向(X軸方向)にて、互いに向かい合って配置されている。
【0022】
開口24は、底板部21から天板部22へ向かう方向(Z軸方向)に対して交差する方向に向って、開いている。開口24は、側板部23の内壁の延在方向(Y軸方向)にほぼ平行な方向に向って、開いている。開口24は、コネクター420を挿入することができるように、寸法及び形状が設定されている。
【0023】
端子部25は、図4において符号Tp1からTp12で示される複数(12個)の端子を有する。端子部25の複数の端子は、それぞれ、側板部23の内壁の延在方向(Y軸方向)にほぼ平行な方向に、延びている。端子部25の複数の端子は、側板部23の内壁の延在方向に対して直交する方向(X軸方向)に並んで配設されている。端子部25の端子は、上方から見て、天板部22に一部重なる(覆われる)領域に配置されている。
【0024】
複数の端子のうちの少なくとも1つの端子は、他の端子とY軸方向の長さが異なっていてもよい。例えば、本実施形態において、符号Tp1からTp12で示される12個の端子は全て、+Y側の端部の位置が揃っている。その一方で符号Tp1からTp3で示す3つの端子の長さは、符号Tp4からTp12で示される端子よりも−Y軸方向に長い。すなわち、本実施形態において、符号Tp1からTp3で示す3つの端子は、他の端子よりも−Y側に突出している。後述するようにTp1〜Tp3はいわゆるグランド端子となっている。これらグランド端子を他端子よりも長い端子構成にした理由は後述する。
【0025】
アクセサリー400は、シュー座15の開口24にコネクター420を挿入して所定の方向(+Y軸方向)にスライド移動させることによって、シュー座15に取付けられる(図1参照)。
【0026】
図5は、本実施形態のコネクター420の外観を示す図である。コネクター420は、底部421と、底部421からコネクター420の外部に向って突出する可動部材(以下、係止爪422という)と、底部421に設けられた端子部423とを備える。
【0027】
底部421は、コネクター420がシュー座15に取付けられた状態で、シュー座15の底板部21と接触する。係止爪422は、所定の方向に進退(移動)できるように、設けられている。本実施形態において、係止爪422が進退する所定の方向は、係止爪422が底部421から突出する方向(Z軸方向)である。係止爪422は、底部421から突出する位置と、アクセサリー400の内部に収容される位置との間で、移動可能である。係止爪422は、底部421からコネクター420の外部へ突出する側(−Z側)に押されるように、バネ等で付勢されている。係止爪422は、コネクター420がシュー座15に取付けられる際にコネクター420がスライド移動されるにつれて、シュー座15の底板部21に押されて(力を受けて)+Z側に退避した後に、係止孔27の形成位置で係止孔27内に進出する。これにより、コネクター420は、係止爪422がシュー座15の係止孔27の内周面と係止され、スライド方向(Y軸方向)においてシュー座15に対する移動が規制される。
【0028】
コネクター420は、開口24に挿入された状態で、底板部21と天板部22との間に配置され、底板部21から天板部22に向う方向においてシュー座15に対する移動が規制される。コネクター420は、開口24に挿入された状態で、側板部23の一対の内壁の間に配置され、側板部23の一方の内壁から他方の内壁に向う方向(X軸方向)においてシュー座15に対する移動が規制される。
【0029】
第1操作部424(図2参照)は、係止爪422を所定の方向に移動させるために、ユーザーによって操作可能な操作部材である。本実施形態の第1操作部424は、アクセサリー本体410の背面側に設けられている。第1操作部424は、ユーザーの操作により受ける力を係止爪422に伝えるリンク機構を備える。係止爪422は、操作部424のリンク機構から受ける力によって、所定の方向(図5の+Z軸方向)に移動する。つまり係止爪422は、図3に示した係止孔27に係止されている状態で操作部424が操作された場合に、係止孔27の内側から退避するように+Z側に移動する。これにより、アクセサリー400は、カメラボディ100に対する位置の規制が解除され、カメラボディ100から取り外すことが可能な状態になる。
【0030】
端子部423は、符号Ts1からTs12で示される複数(12個)の端子を有する。端子部423が有する端子の数は、シュー座15の端子部25が有する端子の数と同じである。端子部423が有する複数の端子は、それぞれ、シュー座15の端子部25が有する複数の端子のいずれかと1対1で対応している。端子部423が有する複数の端子は、それぞれ、コネクター420がシュー座15に接続された状態で、シュー座15の端子部25が有する複数の端子のうちの対応関係にある端子と接触して電気的に接続される。
【0031】
図6は、本実施形態のカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、撮影レンズ200は、光学系210、光学系駆動部220、及び光学系制御部230を含む。被写体から撮影レンズ200へ入射した光は、光学系210を通ってカメラボディ100の撮像素子121の受光面へ入射する。
【0032】
光学系210は、レンズや絞り等の複数の光学部品、及び複数の光学部品を収容するレンズ鏡筒等を備える。光学系210は、カメラボディ100の外部から入射した光を結像させることができる。
【0033】
光学系駆動部220は、光学系210を駆動するアクチュエータ、光学系210における光学部品の位置を検出するエンコーダ、及び手振れ等による光学系210の移動(併進移動と回転移動の少なくとも一方)を検出するセンサーを備える。光学系駆動部220のアクチュエータは、例えば、フォーカシング制御用モータ、パワーズーム制御用モータ、絞り開口制御用モータ、手ブレ補正(Vibration Reduction;VR)制御用モータ、伸筒・縮筒制御用モータを含む。
【0034】
光学系駆動部220は、光学系制御部230からの制御指令に従って光学系駆動部220のアクチュエータを動作させることによって、フォーカシング制御、ズーミング制御、露出制御、VR制御、及び撮影レンズ200の伸縮制御を行うことができる。フォーカシング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをフォーカシング制御用モータによって光軸方向に移動して、光学系210の焦点を調整する制御である。ズーミング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをパワーズーム制御用モータによって光軸方向に移動して、撮像画角を変更する制御である。露出制御は、光学系210を構成する絞りを絞り開口制御用モータにより駆動して、絞りの開口サイズを変化させることによって、光学系210を通って撮像素子121へ入射する光の光量等を調整する制御である。VR制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをVR制御用モータによって光軸と交差する方向に移動して、手ブレによる像揺れを補正する制御である。伸縮制御は、伸筒・縮筒制御用モータを駆動することによって、撮影レンズ200を光軸方向に伸筒又は縮筒させる制御である。
【0035】
光学系駆動部220は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220を構成するアクチュエータ、エンコーダ、及びセンサーは、電池BATから供給される電力によって動作する。
【0036】
光学系制御部230は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、カメラボディ100のカメラ制御部170(後述する)と通信することができる。光学系制御部230は、光学系駆動部220のエンコーダの検出結果を示す情報及びセンサーの検出結果を示す情報を、カメラ制御部170に供給することができる。光学系制御部230からカメラ制御部170に供給される情報は、撮影レンズ200の種類を示すレンズ種類情報、レンズ焦点距離情報、露出制御によって設定された絞り値、フォーカシング制御により設定された被写体焦点距離情報、消費電力情報等を含む。消費電力情報は、駆動状態に消費する消費電力を示し、レンズ種類情報や、駆動されている状態に応じて変化する情報である。
【0037】
アクセサリー400は、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、不揮発メモリー445、及びバッファメモリー446を含む。照明光発光部435、アクセサリー制御部440、不揮発メモリー445、及びバッファメモリー446は、例えば、図1及び図2に示したアクセサリー本体410に収容されている。アクセサリー400の詳細については、後述する。
【0038】
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。
【0039】
電池収納部110は、一次電池や二次電池等の電池BATを収納することができる。電池BATは、電池収納部110に収納されることによって、カメラボディ100に搭載される。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム1の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー400等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
【0040】
撮像処理部120は、撮像素子121、撮像素子制御回路122、及び画像回路123を備える。撮像素子121は、二次元的に配列された複数の画素を備える。撮像素子121の各画素は、CCD(Charge Coupled device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の受光素子を備える。撮像素子121の受光素子は、光学系210から各画素へ入射した光の光量に応じた電荷を発生する。撮像素子121は、各画素に入射した光により受光素子に発生した電荷を信号に変換する。撮像素子121は、光学系210を介して撮像素子121の受光面に形成された像(光学像)に応じたアナログの画像信号を生成する。撮像素子121は、撮像素子制御回路122と画像回路123のそれぞれに接続されている。画像回路123は、撮像素子121から出力された画像信号を増幅し、アナログの画像信号をデジタル信号に変換する。撮像素子制御回路122は、撮像素子121を制御して、像に応じた画像信号を生成させることや、生成した画像信号を出力させること等ができる。
【0041】
シャッター駆動部130は、カメラボディ100に収容されているシャッターの開閉を制御する。このシャッターは、光学系210を通って撮像素子121の受光面へ入射してくる光を、シャッターが閉じた状態で遮光する。なお、カメラボディ100に露出制御用のシャッター機構が搭載されていない場合には、このシャッター駆動部130も不要である。
【0042】
表示部制御回路135は、例えば、表示部102の点灯や明るさ調整、消灯等の表示制御や、カメラ制御部170から出力される画像データを表示部102に表示させる処理を行う。
【0043】
メモリー140は、例えば、メモリーカード等のようにカメラボディ100から抜き差し可能な記憶媒体である。メモリー140は、例えば、カメラ制御部170によって生成される画像データ等を記憶する。メモリー制御回路145は、カメラ制御部170とメモリー140との間の情報の入出力を制御する。メモリー制御回路145は、例えば、カメラ制御部170によって生成された画像データ等の情報をメモリー140に記憶させる処理や、メモリー140に記憶されている画像データ等の情報を読み出してカメラ制御部170に出力する処理等を行う。
【0044】
入力部150は、ユーザーが操作することが可能な設定スイッチ104及びレリーズ釦16を備える。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を検出する。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を示す操作情報を生成し、生成した操作情報をカメラ制御部170に出力する。
【0045】
記憶部158は、不揮発メモリー160及びバッファメモリー165を備える。不揮発メモリー160は、カメラ制御部170を動作させるプログラムや、撮像により生成された画像データ、装置の状態を示す情報、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報、ユーザーから入力された各種設定や撮像条件等の情報を記憶する。装置の状態を示す情報は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATの電圧情報(電池残量)、撮影レンズ200の各アクチュエータの制御状態を示す情報等を含む。カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報は、シャッター駆動部130で消費される(動作に必要な)電力、撮影レンズ200のアクチュエータで消費される(動作に必要な)電力、アクセサリー400で消費される(動作に必要な)電力等を含む。バッファメモリー165は、カメラ制御部170の制御処理に用いられる一時的な情報の記憶部である。カメラ制御部170は、例えば、撮像素子121から出力される画像信号や、画像信号に応じて生成された画像データ等をバッファメモリー165に一時的に記憶させる。
【0046】
カメラ制御部170は、不揮発メモリー160に記憶されたプログラムに基づいてカメラボディ100の構成要素の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子部品とを備える。カメラ制御部170は、例えば、操作検出回路155がカメラ制御部170に出力した操作情報に応じて、カメラボディ100への電源の投入や、光学系駆動部220を介した光学系210の駆動制御、撮像素子制御回路122を介した撮像素子121の駆動制御、表示部制御回路135を介した表示部102の表示制御、画像回路123に出力された画像信号に対する処理の制御等を行う。
【0047】
カメラ制御部170は、画像処理部171、表示制御部172、撮像制御部173、操作検出処理部174、電力制御部175、及び通信部176を含む。
【0048】
画像処理部171は、画像回路123から出力された画像信号に基づいて、画像データを生成する画像処理を行う。画像処理部171は、画像処理により生成した画像データをバッファメモリー165に記憶させる。
【0049】
表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、読み出した画像データを表示部102に繰り返し表示させる。また、表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、動画形式のデータ(動画データ)としてメモリー140に記録させる。また、表示制御部172は、後述する電力制御部175の判定結果に応じて、電池BATの充電残量を表示部102に表示させる。
【0050】
操作検出処理部174は、操作検出回路155が出力した操作情報に基づいて操作検出回路155が検出したユーザーの操作を判定し、判定した情報をバッファメモリー165に記憶させる。操作検出処理部174は、ユーザーからの操作に応じた各種処理の制御指令を、操作に対応する処理を実行する構成要素(機能部)に出力する。操作検出処理部174は、例えば撮像処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、撮像処理の実行を要求する制御指令を撮像制御部173に出力する。また、操作検出処理部174は、例えばオートフォーカス(AF)処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、AF処理の実行を要求する制御指令を出力する。AF処理において、光学系制御部230は、操作検出処理部174が出力した制御指令に基づいて、光学系210を介して撮像素子121で検出された画像を利用した測距結果を参照しつつ、光学系駆動部220のフォーカシング制御用モータを制御して、例えばユーザーが指定した被写体にピントが合うように、光学系210の焦点を調整する。
【0051】
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム1の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム1の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。また、撮像制御部173は、必要に応じて、アクセサリー400を制御して、撮影タイミングに同期させてアクセサリー400から光を照射させる。
【0052】
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。また、電力制御部175は、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報を収集し、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を監視する。
【0053】
通信部176は、カメラボディ100の内部の各負荷部を制御する負荷制御部と通信可能に接続される。カメラボディ100の内部の負荷部は、例えば表示部102等であり、負荷制御部は、例えば表示部制御回路135等である。また、通信部176は、カメラシステム1のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。本実施形態の撮影レンズ200は、外部装置の1つであり、光学系制御部230が通信部176と通信可能に接続される。また、本実施形態のアクセサリー400は、外部装置の1つであり、アクセサリー制御部440が通信部176と通信可能に接続される。
【0054】
図7は、本実施形態のアクセサリー400の構成、及びアクセサリー400とカメラ10(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)との接続関係を示す図である。
【0055】
まず、カメラ10について説明する。カメラ10は、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、及びアクセサリー電源制御部33を備える。
【0056】
負荷部30は、既述のシャッター駆動部130や表示部102等のようにカメラボディ100の負荷部と、光学系駆動部220や光学系制御部230等のようにカメラボディ100の外部の負荷部とを含む。負荷部30は、消費電力が大きい重負荷部と、重負荷部よりも相対的に消費電力が小さい軽負荷部とを含む。重負荷部は、例えば光学系駆動部220やカメラボディ100におけるシャッター駆動部130等のように、アクチュエータを有する負荷部を含む。軽負荷部は、光学系制御部230や画像処理部171、各制御回路、表示部等を含む。
【0057】
電源スイッチ31は、電池BATから負荷部30の重負荷部への電力の供給を遮断するスイッチである。
【0058】
電源部32は、電池BATから供給される電力に基づいて、電池BATの出力電圧を安定化して負荷部30の軽負荷部及びカメラ制御部170に供給する。電源部32は、電池BATの出力電圧を検出する電圧検出センサーと、電池BATの出力電圧を安定化する定電圧回路とを備える。
【0059】
アクセサリー電源制御部33は、第1端子、第2端子、及び制御端子を備える。アクセサリー電源制御部33は、制御端子に入力される制御信号に応じて、第1端子と第2端子の間を導通状態にするか否かを切替えるスイッチである。本実施形態の説明において、スイッチが自身の端子間を導通状態にすることを「回路を閉路する」と呼び、スイッチが自身の端子間を非導通状態にすることを「回路を遮断する」と呼ぶ。
【0060】
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー400の端子部423と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む(図4参照)。本実施形態の説明において、シュー座15の端子部25の各端子を、端子の並び順を示す番号を付して、区別する場合がある。この番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X)側に向って昇順する番号である。例えば、端子部25の複数の端子のうち、最も+X側に配置された端子を1番目の端子と呼び、最も−X側に配置された端子を12番目の端子と呼ぶ。
【0061】
図4及び図7に示すように、カメラボディ100の端子部25における各端子は、次のように割り付けられる。
【0062】
端子部25において、11番目の端子(以下、電源端子Tp11という)と12番目の端子(以下、電源端子Tp12という)は、それぞれ、カメラボディ100内の電池BATからの電力PWRをアクセサリー400側に供給する端子である。
【0063】
1番目の端子(以下、接地端子Tp1という)と、2番目の端子(以下、接地端子Tp2という)は、それぞれ、電源端子Tp11及び電源端子Tp12に対応する接地端子である。接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、電位が電力PWRの基準電位になる端子である。また接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、電力PWRを利用するカメラボディ100内の回路(負荷部30の重負荷部)用の接地端子である。
【0064】
3番目の端子(以下、基準電位端子Tp5という)と5番目の端子(以下、基準電位端子Tp5という)は、それぞれ、電位が基準電位SGND(シグナルグランド)になる端子である(即ち、信号の授受を行うための基準となる電位となる端子である)。また基準電位端子Tp3及び基準電位端子Tp5は、カメラボディ100内の回路(カメラ制御部170、電源部32、負荷部30の軽負荷部)用の接地端子である。
【0065】
4番目の端子(以下、同期信号端子Tp4という)は、アクセサリー400側で生成する通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKがアクセサリー400から入力される端子である。
【0066】
6番目の端子(以下、通信信号端子Tp6という)は、カメラ側データ(各種コマンドを含む)を含む通信信号DATAをアクセサリー400側に出力する端子でもあり、且つその逆に、アクセサリー400側の各種情報(アクセサリー400の固有情報や設定情報など)を含む通信信号DATAがアクセサリー400側から入力される端子でもある。
【0067】
7番目の端子(以下、起動状態検出端子Tp7という)は、シュー座15に対してコネクター420が装着された状態であり且つアクセサリー起動状態を示す(換言すれば、アクセサリー400が起動して機能できる起動状態(機能可能状態)を示す)起動検出レベル(電気的なLレベル)DETを、アクセサリー400側が提供しているか否かを検出するための端子である(詳細は図9にて後述する)。
【0068】
8番目の端子(以下、発光制御信号端子Tp8という)は、アクセサリー400の閃光発光部430と照明光発光部435の少なくとも一方の発光を制御する発光制御(発光指令)信号Xをアクセサリー400に対して出力する端子である。発光制御(発光指令)信号Xは、ひらたく言えば、閃光発光部430または照明光発光部435に対して発光開始を指示する制御指令である。
【0069】
9番目の端子(以下、通信制御信号端子Tp9という)は、カメラ10からアクセサリー400に対して通信を始める際に通信制御(通信開始)信号Csをカメラ10からアクセサリー400に対して出力する端子である。この通信制御信号Csは、前述の通信信号端子Tp6を介したカメラ10とアクセサリー400との間のDATA通信の通信開始タイミングを定める信号である。
【0070】
10番目の端子(以下、オープン端子Tp10という)は、電力と信号の双方が供給されない端子であり、いわゆるオープン端子である。このオープン端子Tp10は、システムの将来的な機能拡張のために予備的に設けられている端子である。
【0071】
また、上記の端子配列において、電源端子Tp11及び電源端子Tp12は、端子部25の複数の端子の配列方向(X軸方向)において、一方側(−X側)に偏らせて配置されている。換言すると、電源端子Tp11及び電源端子Tp12は、端子部25の12個の端子配列において、一方の端部に寄せて(まとめて)並んで配置されている。接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、端子部25の複数の端子の配列方向(X軸方向)において、他方側(+X側)に偏らせて、配置されている。換言すると、接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、端子部25の12個の端子配列において、他方の端部(電源端子Tp11及び電源端子Tp12の配置側とは反対側の端部)に寄せて(まとめて)並んで配置されている。
【0072】
また、上記の端子配列において、端子部25の12個の端子のうちでアクセサリー400に制御信号を出力する端子(通信信号端子Tp6、発光制御信号端子Tp8、通信制御信号端子Tp9)、アクセサリー400から信号が入力される端子(同期信号端子Tp4)、及びアクセサリー400が機能可能な状態かを識別する端子(起動状態検出端子Tp7)はいずれも、電源端子Tp11と接地端子Tp2との間に配置されている。
【0073】
オープン端子Tp10は、端子部25の12個の端子配列において、電源端子Tp11と通信制御信号端子Tp9との間に配置されている。オープン端子Tp10をこの位置に配置することによって、信号通信系で使用する端子(Tp4、Tp6、Tp8、Tp9)やアクセサリー400の起動状態を検出する起動状態検出端子Tp7を、電源端子Tp11、Tp12から離間させることができる。
【0074】
また、上記の端子配列において、通信制御端子Tp9の、オープン端子Tp10とは反対側の隣には、発光制御信号端子Tp8が配置されている。この発光制御信号端子Tp8の、通信制御端子Tp9とは反対側の隣には起動状態検出端子Tp7が配置されている。すなわち、発光制御信号端子Tp8は、起動状態検出端子Tp7と通信制御信号端子Tp9とに挟まれるように配置されている。
【0075】
また、上記の端子配列において、起動状態検出端子Tp7の、発光制御信号端子Tp8とは反対側の隣には、通信信号端子Tp6が配置されている。すなわち、起動状態検出端子Tp7は、通信信号端子Tp6と発光制御信号端子Tp8とに挟まれるように、配置されている。
【0076】
また、上記の端子配列において、通信信号端子Tp6の、起動状態検出端子Tp7とは反対側の隣には、基準電位端子Tp5が配置されている。すなわち、通信信号端子Tp6は、基準電位端子Tp5と起動状態検出端子Tp7とに挟まれるように、配置されている。
【0077】
上記の端子配列において、基準電位端子Tp5の、通信信号端子Tp6とは反対側の隣には、同期信号端子Tp4が配置されている。この同期信号端子Tp4の、基準電位端子Tp5とは反対側の隣にはもう一つの基準電位端子Tp3が配置されている。すなわち、同期信号端子Tp4は、2つの基準電位端子(Tp3とTp5)の間に挟まれるように、配置されている。
そして基準電位端子Tp3の、同期信号端子Tp4とは反対側の隣には、接地端子Tp2が配置されている。すなわちGND関係の3つの端子(基準電位端子Tp3と2つの接地端子Tp1,Tp2)が端子配列の一方の端部近傍において偏って配置されている。
【0078】
なお、端子部25の各端子に入力される信号、各端子が出力する信号の詳細については、後述する。
【0079】
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部423を介して、アクセサリー400と通信してアクセサリー400を制御するための制御信号を、アクセサリー400に供給する。本実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー400に供給する制御信号は、アクセサリー400における発光部425の発光を制御する発光制御信号X、通信信号DATA、及びカメラ10とアクセサリー400との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
【0080】
カメラ制御部170は、図5に示した不揮発メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶されている情報を読み出して、読み出した情報をアクセサリー制御部440へ送信する。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した情報を不揮発メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶させる。
【0081】
不揮発メモリー160に記憶されている情報は、カメラ10の初期状態を示すカメラ初期状態情報、及びカメラの設定状態を示すカメラ設定状態情報を含む。カメラ制御部170は、カメラ初期状態情報又はカメラ設定状態情報に含まれる各種の情報のうちの少なくとも1つの情報を、アクセサリー制御部440へ送信することができる。
【0082】
カメラ初期状態情報は、カメラ10の種類を示す情報、カメラ10が有する機能の種類を示す情報、カメラ10が有する各機能の特性を示す情報等を含む。カメラ10が有する機能の種類を示す情報は、例えば、AE制御を行うか否かを示す情報、AWB制御を行うか否かを示す情報等である。カメラ設定状態情報は、カメラ10が有する各機能を機能させるか否かを示す設定情報、カメラ10の撮影モードを示す情報等である。撮影モードを示す情報は、例えば、カメラ10が動画として画像を撮像する撮影モードに設定されているか否かを示す情報、カメラ10が静止画として画像を撮像する撮影モードに設定されている否かを示す情報等である。カメラ10が静止画として画像を撮像するモードに設定されていることを示す情報は、例えば、単写と連写のいずれを行うモードに設定されているか否かを示す情報である。単写を行うモードは、例えば、レリーズ釦16が押下されるたびに1枚の画像を撮像する撮影モードである。連写を行うモードは、レリーズ釦16が押下されている間に、複数の画像を撮像する撮影モードである。
【0083】
次に、図7を参照してカメラ10における各構成要素の接続関係について説明する。以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
【0084】
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、電源部32の入力端子に接続されている。電源部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、電源部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
【0085】
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、基準電位端子Tp5とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、本実施形態のカメラ10のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
【0086】
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー400の装着前及びアクセサリー400との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。これについては図9を参照して後述する。
【0087】
電源端子Tp11は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。電源端子Tp12は、電源端子Tp11と並列に、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
【0088】
次に、図7を参照して、アクセサリー400側の構成について説明する。本実施形態のアクセサリー400は、カメラ10から供給される電力PWRによって動作する。アクセサリー400は、アクセサリー400において消費される電力を供給する電源がアクセサリー400側に搭載されていない場合に、カメラ10から供給される電力PWRによってアクセサリー400の各構成要素を機能させることができる。
【0089】
アクセサリー400は、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、記憶部444、第1電源部(電源部1)450−1、第2電源部(電源部2)450−2、第2パイロットランプ460、第1パイロットランプ455、第1スイッチ部465、及び第2スイッチ部470を備える。本アクセサリー400は、電池を内蔵できないものとする。
【0090】
閃光発光部430は、閃光光源431及び充電部432を備える。閃光光源431は、キセノン管など周知の閃光照明光源を備える。
【0091】
充電部432は、カメラボディ100から供給された電圧を昇圧する昇圧回路部(昇圧部とも称す)と、その昇圧回路部で昇圧された電圧に基づいて閃光光源431を発光させるのに必要な電力を蓄積可能な蓄積回路部(蓄積部/コンデンサ/又はキャパシタ)とを備える。充電部432は、蓄積部(蓄積回路部)に蓄積された電力を閃光光源431に供給することによって、閃光光源431を発光させる。
【0092】
充電部432は、アクセサリー制御部440から供給される信号に従って、充電部432の蓄積部への充電を開始又は停止する。充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中に蓄積部の電極間の電圧(充電電圧)を検出することによって、蓄積部が蓄積している充電量(蓄電量、電荷量)を検出することができる。充電部432は、検出した蓄積部の充電量を示す情報をアクセサリー制御部440に供給する。
【0093】
なお、充電部432は、周知の発光制御回路(例えば周知のIGBTのように発光の開始・停止を制御する回路)を備えており、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、閃光光源431を撮影タイミングに同期させて発光させること、及び閃光光源431の発光量を制御することができる。
【0094】
照明光発光部435は、照明光光源436及び照明光光源駆動部437を備える。本実施形態の照明光光源436は、連続照明光を発光可能な発光ダイオード(LED)等の固体光源を備える。照明光光源駆動部437は、照明光光源436に電流を供給することによって、照明光光源436を発光させる。もちろん照明光光源436は、照明光光源駆動部437によって間欠的に電流が供給されることにより、連続照明光ばかりでなく照明光を間欠的に発光することも可能である。照明光光源駆動部437は、アクセサリー制御部440の制御により、照明光光源436を撮影タイミングに同期させて発光させる。照明光光源駆動部437は、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、照明光光源436を発光させる時間(点灯時間)を制御する。
【0095】
なお、不図示ではあるが、アクセサリー400は、閃光発光部430の電源線481に対する電気的な導通状態(ON/OFF)を切り替える第1導通スイッチと、照明発光部435の電源線481に対する電気的な導通状態(ON/OFF)を切り替える第2導通スイッチとを備えている。これら第1、第2導通スイッチは、アクセサリー制御部440によって制御される。よって、カメラシステム1が発光部425を機能させて撮像を行う場合において、アクセサリー400は、アクセサリー制御部440の第1、第2導通スイッチ及び各発光部430、435への制御によって、閃光発光部430又は照明光発光部435から択一的に、あるいは両発光部から光を発することができる。
【0096】
本実施形態において、閃光発光部430の最大の発光量は、照明光発光部435の最大の発光量よりも多い。閃光発光部430は、例えば静止画の撮像時に点灯され、照明光発光部435の点灯時よりも被写体を明るく照らすことができる。本実施形態において、照明光発光部435の最長の点灯時間(最長点灯時間)は、閃光発光部430の最長の点灯時間よりも長い。照明光発光部435は、例えば動画の撮像時に点灯され、閃光発光部430の点灯時間よりも被写体を長時間にわたって照らすことができる。
【0097】
本実施形態において、閃光発光部430が発する光を閃光と称し、閃光発光部430が閃光を発する機能を閃光発光機能と称すことがある。また、照明光発光部435が発する光を照明光と称し、照明光発光部435が照明光を発する機能を照明発光機能と称すことがある。
【0098】
本実施形態において、第1パイロットランプ455(PL2)及び第2パイロットランプ460(PL1)は、それぞれ、LED等の固体光源を備える。第1パイロットランプ455は、アクセサリー制御部440の制御によって、閃光発光部430の状態に応じて点灯する。例えば、閃光発光部430を発光可能な状態(電荷蓄積部への充電が完了した状態)にある場合に、アクセサリー制御部440は、第1パイロットランプ455を点灯する。また閃光発光部430を発光できない状態にある場合(電荷蓄積部の充電量が不十分な場合)に、アクセサリー制御部440は、第1パイロットランプ455を消灯する。第2パイロットランプ460は、第1パイロットランプ455と同様に、アクセサリー制御部440によって、照明光発光部435が点灯可能な状態(上述の第2導通スイッチがON状態)にあるか否かに応じて点灯又は消灯する。
【0099】
本実施形態において、第1スイッチ部465(MSW)は、既述した係止爪422(図4参照)に機械的に連動している。第1スイッチ部465は、係止爪422が所定の方向(Z軸方向)に移動することによって、回路を閉路又は遮断する。第1スイッチ部465は、係止爪422の先端がコネクター420の底部421から予め設定される所定の距離以上に突出している場合に、回路を閉路する。すなわち、第1スイッチ部465は、アクセサリー400がカメラ10への装着が完了された場合に、回路を閉路する。その一方で第1スイッチ部465は、係止爪422がコネクター420の底部421に向って、予め設定される所定の移動量以上押込まれた場合に、回路を遮断する。
【0100】
本実施形態において、第2スイッチ部470(PCSW)は、既述した第2操作部471(図2参照)に機械的に連動している。第2スイッチ部470は、第2操作部471が操作されることによって、回路を閉路又は遮断する。
【0101】
第1電源部(電源部1)450−1は、カメラ10から供給された電力の電圧を安定化(定電圧制御)する定電圧回路を備える。電源部450−1は、定電圧回路によって電圧が安定化された電力を、第2電源部(電源部2)450−2及び照明光発光部435へ供給することができる。第1電源部450−1は、基準電位線480(SGND)に接続されている。第2電源部450−2は、第1電源部450−1から供給された電力から、アクセサリー制御部440用の電力を生成する。第2電源部450−2も、基準電位線480(SGND)に接続されている。
【0102】
記憶部444は、不揮発メモリー445を備える。不揮発メモリー445は、アクセサリー400に電力が供給されない状態でも情報を保持しておくことができる。不揮発メモリー445は、記憶しているデータを書き換え可能なメモリーと、記憶しているデータを書き換え不能なメモリー(例えばROM)の少なくとも一方を含む。不揮発メモリー445は、アクセサリー制御部440を動作させるプログラムや、アクセサリー400の状態(初期状態及び、アクセサリー制御部440内のメモリーに現在設定されている様々なアクセサリーの設定状態)を示す情報、カメラ10から取得したカメラの状態(初期状態及び設定状態)を示す情報等の情報を記憶する。
【0103】
アクセサリー制御部440は、不揮発メモリー445に記憶されたプログラムに基づいてアクセサリー400の構成要素の動作を制御するCPUと、ASIC等の電子部品とを備える。アクセサリー制御部440は、端子部423及び端子部25を介して、カメラ制御部170と通信する。アクセサリー制御部440は、記憶部444に記憶されているアクセサリー初期状態情報又はアクセサリー設定状態情報に含まれる各種の情報のうちの少なくとも1つの情報を、カメラ制御部170へ送ることができる。また、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信した情報を、記憶部444に記憶させる。
【0104】
アクセサリー初期状態情報は、アクセサリー400の種類を示すアクセサリー種類情報を含む。アクセサリー種類情報は、アクセサリー400に電池が搭載されているか否かを示す電池有無情報、アクセサリー400が有する各機能の種類を示す機能種類情報、及びアクセサリー400が有する各機能の特性を示す特性情報を含む。機能種類情報は、閃光発光機能の有無を示す情報、照明発光機能の有無を示す情報、及び拡張機能の有無を示す情報を含む。拡張機能は、閃光発光機能と照明発光機能のいずれにも該当しない他の機能であり、例えば調光機能、GPS(Global Positioning System)機能、カメラボディ100以外の装置との通信機能等である。閃光発光機能の特性情報は、閃光発光部430の発光特性を示す情報(プロファイル情報)を含む。照明発光機能の特性情報は、照明光発光部435の発光特性を示す情報(照明プロファイル情報)、及び照明光発光部435が連続して発光可能な最長の時間(最長点灯時間)を示す情報を含む。
【0105】
アクセサリー設定状態情報は、閃光発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報、及び照明発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報を含む。
【0106】
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された制御信号に基づいて、アクセサリー400の構成要素を制御する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された発光制御信号Xに従って、閃光発光部430又は照明光発光部435を発光させる発光制御を行う。閃光発光部430を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、閃光光源431がカメラ側の撮影タイミングと同期して発光するように、充電部432を制御する。照明光発光部435を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、照明光光源436が撮影タイミングと同期して発光するように、照明光光源駆動部437を制御する。
【0107】
ここで、図8を参照して、アクセサリー制御部440による充電部432の制御方法について詳述する。
【0108】
図8は、充電制御において各処理を行うタイミングを示す図である。本実施形態のアクセサリー400は、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)を充電するための電源(電池)を具備(内蔵)しておらず、カメラ10から供給される電力により充電を行う。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から、蓄積部(電荷蓄積部)への充電開始を指示する指令(以下、「充電指令」という)を受信すると、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)への充電を開始させる。
【0109】
ここで、充電部432がアクセサリー制御部440の制御の下で行う充電動作には、大別して2種類ある。一つは「モニタ充電動作」と呼ばれるものである。充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)の充電中に蓄積部における充電量(充電電圧)を検出できるように構成されている。しかしながら充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)への上記充電中を除くと、所望時点での蓄積部の充電量を検出できない。そこで、アクセサリー制御部440は、蓄積部の所望時点での充電量を検出するための特別な充電動作として、「モニタ充電動作」を行わせるようになっている。アクセサリー制御部440は、モニタ充電が開始されてから所定時間経過後にモニタ充電を停止する。このモニタ充電による充電時間は、ほんの僅か(例えば10ms程度)である。
【0110】
もう一つの充電動作は、閃光光源431を発光させるのに必要な充電量を確保するために行われる本充電動作(以下、「本充電」という)である。通常、本充電動作の充電時間は、前述のモニタ充電動作の充電時間よりもはるかに長い。換言すると、通常、本充電動作時に蓄積部(電荷蓄積部)に蓄積される充電量はモニタ充電動作時に充電される量よりもはるかに多い。この本充電中において、充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量(充電電圧)を検出し、その充電量を示す情報をアクセサリー制御部440に供給する。アクセサリー制御部440は、充電量が図8に示す所定量(後述する充電停止レベル)に達してなければ、その所定量(充電停止レベル)に達するまで充電動作を継続するよう充電部432を制御する。このアクセサリー制御部440による充電動作は、その充電動作を強制的に停止せしめる充電停止指令がカメラ制御部170からアクセサリー制御部440に対して送信されない限り、充電量が所定量(充電停止レベル)に達するまで継続される。
【0111】
ところで、本実施形態において、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から上述の「充電指令」を受信していない状態では、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)に対する充電動作(上述のモニタ充電動作及び本充電動作)を開始させないように構成されている。そのためアクセサリー制御部440は、カメラ制御部170に対して、「充電指令」を送信するよう要求(以下、「充電要求」という)を出す。この充電要求には上述のモニタ充電の指令をカメラ10に要求する場合の「モニタ充電要求」と、上述の本充電の指令をカメラ10に要求する場合の本充電要求とがある(本実施形態ではこれら2種類の充電要求を総称して「充電要求」と呼ぶ)。「モニタ充電要求」は、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で行われる初期通信シーケンス(詳細は後述)や、両者間で定期的(周期的に)に行われる定常通信シーケンス(詳細は後述)の中で、アクセサリー制御部440からカメラ制御部170に対して送信される。一方「本充電要求」は上述したモニタ充電の結果、充電量が図8に示す「充電要求レベル」を下回った場合や、発光動作の直後に行われた定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から出力される。
【0112】
アクセサリー制御部440は、アクセサリー400側からの各「充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される各「充電指令」を受信することによって、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)を充電することが可能になる。
【0113】
ここで、図8を参照しつつ一般的な充電シーケンスについて説明する。アクセサリー制御部440は、充電部432が充電動作中でない場合(初期通信シーケンス時や定常通信シーケンス時)に、「モニタ充電要求」をカメラ制御部170に送る。そしてアクセサリー制御部440は、「モニタ充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力された「モニタ充電指令」に応じて、充電部432にモニタ充電を開始させる(図8中の時刻t1)。アクセサリー制御部440は、モニタ充電中に充電部432が検出した充電量(以下、「モニタ充電量」という)を示す情報を、充電部432から取得する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電が開始されてから所定時間(例えば10ms)経過後にモニタ充電を停止する。
【0114】
アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した充電量(モニタ充電量又は本充電量)を示す情報に基づいて、充電部432の充電状態に関する判定を行う。アクセサリー制御部440は、充電量が閃光光源431を発光させるのに最低限度必要な充電量(図8中の「発光許可レベル」)以上であるか否かを判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が発光許可レベル以上であると判定した場合に、閃光発光部430が発光可能な状態(以下、「レディ状態」という)であると判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が発光許可レベル未満であると判定した場合に、閃光発光部430が発光不能な状態であると判定する。アクセサリー制御部440は、閃光発光部430が「レディ状態」であるか否かを示す発光可否情報を、充電部432の充電状態を示す「充電状態情報」(詳細は後述)の1項目として、不揮発メモリー445に記憶させる。
【0115】
また、アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した充電量(モニタ充電量又は本充電量)を示す情報に基づいて、充電量が予め定められている閾値(図8中の「充電要求レベル」)以上であるか否かを判定する。「充電要求レベル」は、「発光許可レベル」よりも高いレベルに設定される。
【0116】
アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベル未満であると判定した場合に、本充電を開始する指令(以下、本充電指令という)をカメラ10から送信してもらうために、カメラ制御部170に対して本充電要求を出力する。アクセサリー制御部440は、本充電要求に基づくカメラ制御部170からの本充電指令に応じて、本充電を開始させる(図8中の時刻t2)。なお、閃光発光機能を停止するように設定されている場合には、アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベルよりも少ないと判定した場合であっても本充電要求をカメラ制御部170に出力しない。
【0117】
また、アクセサリー制御部440は、本充電中に充電部432が検出した本充電量を示す情報に基づいて、本充電量が予め設定された閾値(図8中の「充電停止レベル」)以上であるか否かを判定する。「充電停止レベル」は、蓄積部(電荷蓄積部)に蓄積可能な蓄電量の最大値に応じて予め設定されているものであり、前述の「充電要求レベル」よりも高いレベルに設定されている。アクセサリー制御部440は、本充電量が充電完了レベル以上であると判定した場合に、カメラ制御部170の制御によらずに、充電部432を制御して蓄積部(電荷蓄積部)の本充電を停止する(図8中の時刻t3)。
【0118】
なお、アクセサリー制御部440は、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に対する充電の停止を要求する指令(以下、「充電停止指令」という)をカメラ制御部170から受けた場合には、その「充電停止指令」に従って、本充電量がたとえ充電停止レベル未満であったとして、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)の充電を停止させる。
【0119】
このように本実施形態のアクセサリー400及びカメラ10のカメラシステムでは、アクセサリー400側からの「充電要求」に応じてカメラ10が充電指令を出力し、その指令を受けることによってアクセサリー400側はカメラ10から受ける電力を用いて充電を行うようになっている。このようにアクセサリー400側で充電を行うときには、必ず、カメラ10側に許可(充電の制御指令)を得るように伺い(充電許可)を出すシステム構成にしている。このため例えば、カメラ10側で重負荷動作(例えばレンズ駆動動作など)を行っているときに、アクセサリー400側が勝手に本充電動作を行ってしまって、システム全体として過大な電力消費を招いてしまうことにより、電力カメラ10側の動作に不都合(カメラ側の動作停止など)を招く虞を抑制することができる。またカメラ10側(カメラ制御部170)は、アクセサリー400側の蓄積部の蓄積電荷量をチェックする処理をせずとも、アクセサリー400側からの充電要求を待っていればよいので、カメラ制御部170の処理負担を減らすことができる。またアクセサリー400側(アクセサリー制御部440)においても、カメラ10側が充電できる状態か否か(重負荷動作中か否か)をチェックすることなく、蓄積部の蓄積電荷量の残量のみに応じて「充電要求」を出すだけでよいので(充電実行タイミングはカメラ10側で判断してくれるので)、カメラ10側での負荷状況をチェックしながら充電要求を出す必要がなく、その点でアクセサリー制御部440の処理負担を軽減することができる。
【0120】
ところで、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量は、充電の停止後(図8中の時刻t3以降)に、リーク等によって時間経過とともに減少していく。アクセサリー制御部440は、充電を停止させた後に、「モニタ充電要求」を周期的にカメラ制御部170に送る。そしてアクセサリー制御部440は、その周期的な「モニタ充電要求」に応じてカメラ制御部170から周期的に出力される「モニタ充電指令」に応じて、充電部432にモニタ充電を周期的に行わせる。
【0121】
また、アクセサリー制御部440は、モニタ充電中に充電部432が検出した充電量を示す情報に基づいて、モニタ充電量が充電要求レベル未満であるか否かを判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベル未満であると判定した場合に、カメラ制御部170に「本充電要求」を送る(図8中の時刻t4)。そしてアクセサリー制御部440は、その「本充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される「本充電指令」に応じて、充電部432に本充電を行わせる(図8中の時刻t5)。
【0122】
また、閃光発光部430が発光(図8中の時刻t6)した場合に、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量は、発光許可レベル未満に減少する場合がある。そこで、アクセサリー制御部440は、閃光発光部430の発光後に、カメラ制御部170に「本充電要求」を送る。そしてアクセサリー制御部440は、その発光後の「本充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される「本充電指令」に応じて、充電部432に本充電を行わせる(図8中の時刻t7)。
【0123】
なお、アクセサリー制御部440は、閃光発光部430の発光後やアクセサリー400の起動後等のように、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量が発光許可レベル未満である場合に、カメラ制御部170の制御により充電部432に第1充電速度で充電動作を行わせる(図8中の時刻t7から時刻t8)。また、アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した蓄積部(電荷蓄積部)の充電量が発光許可レベル以上になった場合(図8中のt8)には、(カメラ制御部170の制御により)充電部432に第2充電速度で充電を行わせる(図8中の時刻t8以降)。この第2充電速度は、前述の第1充電速度よりも遅い充電速度に予め設定されている。本実施形態において、第1充電速度で行われる本充電動作を「通常充電」と呼び、第2充電速度で行われる本充電動作を「スロー充電」と呼ぶことがある。
【0124】
また、アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す「充電状態情報」をカメラ制御部170に送る。充電状態情報は、記憶部444に記憶されるアクセサリー設定状態情報の一部である。
【0125】
ここで、充電状態情報について説明する。充電状態情報には、「充電要求」があるか否かを示す「充電要求情報」、充電部432がその時点(現在)で充電中であるか否かを示す「充電経過情報」、充電部432が充電可能であるか否かを示す「充電可否情報」、及び閃光発光部430が発光可能な状態(既述のレディ状態)であるか否かを示す「発光可否情報」を含む。
【0126】
ここで、上記「充電可否情報」について説明する。カメラ10から充電指令を受けていても、アクセサリー400側の状態によっては充電動作を行えない場合がある。例えばアクセサリー400側の閃光発光部430の発光による発熱によって閃光発光部430の温度が上昇すると、それ以上の発光動作による温度上昇を抑制するために、アクセサリー制御部440が充電動作を禁止させる場合がある。或いは充電部432内の昇圧回路などの回路部が発熱して規定の温度を超えると、アクセサリー制御部440が充電動作を禁止させる場合がある。あるいは充電部432による充電動作が規定時間内に終了できずに充電処理がタイムアウトすると、アクセサリー制御部440は充電部432に何らかの不具合が生じていると判断して充電動作を禁止させる場合がある。このようにアクセサリー制御部440が充電動作の禁止を判断している場合には「充電不可(禁止)」を示す情報を「充電可否情報」として、一方、充電動作を禁じていない場合は「充電可」を示す情報を「充電可否情報」として、アクセサリー制御部440はカメラ制御部170に送信する。なお、充電要求情報、充電経過情報、発光可否情報については、既述した通りである。
【0127】
次に、アクセサリー400の端子部423について説明する。図5及び図7に示したように、端子部423は、アクセサリー400がカメラ10に装着されている場合に、カメラ10の端子部25と電気的に接続される。端子部423は、符号Ts1から符号Ts12で示される複数(12個)の端子を含む。ここでは、次に説明する端子の並び順を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X)側に向って昇順する番号であるものとする。
【0128】
なお、これら複数の端子Ts1〜Ts12は、それぞれ、カメラに装着される方向とほぼ平行な方向(+Y方向)に延びた線形状(ライン形状)の部分を含む(図5参照)。そして、これらライン形状の先端部近傍(+Y方向側)に形成された接触部(図9(B)において端子Tp7と接触している部分)おいて、カメラ側の対応する各端子(Tp1〜Tp12)に物理的に接触して且つ電気的接続するように形成されている(図9(B)に示した端子Ts7と端子Tp7間の接触構造を参照)。これらの端子Ts1〜Ts12は、それぞれ、先端部近傍に形成された接触部が、図中の−Z方向(カメラ側の対応する各接点に対して押し付けられる方向)に付勢される板バネ構造となっている。
【0129】
端子部423における各端子の機能は、次のように割り付けられる。ここで、この端子部423の各端子Ts1〜Ts12は、図3,4にて既述したカメラ側の端子部25の各端子(Tp1〜Tp12)に対応して設けられているものである。そして端子部423の各端子の機能についても、上述した端子部25の各端子の機能と対応付けられるものである。このため本実施形態の説明では、上記にて端子部25に関して既述した説明との重複を避けるため、各端子の端子番号1〜12について、カメラ側の端子部25の各端子と対応する端子の端子番号を同じ番号で記載することで、各端子の機能や配置について重複する内容については、その説明を簡略化または割愛する。
【0130】
端子部423において、電源端子Ts11と電源端子Ts12はそれぞれ、カメラ10から電力PWRが供給される端子である。接地端子Ts1と接地端子Ts2は、電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子であり、電位が電力PWRの基準電位(グランド)になる端子である。
【0131】
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5はそれぞれ、電位が信号の授受を行うための基準電位(シグナルグランド)になる端子である。
【0132】
同期信号端子Ts4は、通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKをカメラ10に対して出力する端子である。
【0133】
通信信号端子Ts6は、既述したようなカメラ側の通信データを含む通信信号DATAがカメラ10側から入力されたり、或いはアクセサリー側の通信信号DATAをカメラ10に対して出力したりする端子である。
【0134】
起動状態提供端子Ts7は、既述の起動検出レベルDET(Lレベル/SGNDによる基準電位)をカメラ10に提供する端子である。
【0135】
発光制御信号端子Ts8は、既述の発光制御信号(発光指令信号)Xがカメラ10から入力される端子である。
【0136】
通信制御信号端子Ts9は、既述の通信制御信号(通信起動信号)Csがカメラ10から入力される端子である。
【0137】
また、電源端子Ts11と通信制御信号端子Ts9との間には、オープン端子Ts10が配置されている。
【0138】
これら12個の端子Ts1〜Ts12についての各端子の配列については、既述した端子部25の各端子Tp1〜Tp12にそれぞれ呼応するものであり、簡略的に説明する。
【0139】
電源端子Ts11及び電源端子Ts12は、端子部423の端子配列において、一方の端部に寄せて配置されている。接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、端子部423の端子配列において、他方の端部(電源端子Ts11及び電源端子Ts12の配置側とは反対側の端部)に寄せて配置されている。
【0140】
オープン端子Ts10は、端子部423の端子配列において、電源端子Ts11と、通信制御信号端子Ts9との間に配置されている。
【0141】
発光制御信号端子Ts8は、起動状態提供端子Ts7の隣に配置されており、且つ起動状態提供端子Ts7と通信制御信号端子Ts9との間に挟まれるように配置されている。
【0142】
通信信号端子Ts6は、起動状態提供端子Ts7の隣に配置されている。よって起動状態提供端子Ts7は、通信信号端子Ts6と発光制御信号端子Ts8とに挟まれるように、配置されている。
【0143】
基準電位端子Ts5は、通信信号端子Ts6の隣に配置されている。よって通信信号端子Ts6は、基準電位端子Ts5と起動状態提供端子Ts7とに挟まれるように配置されている。
【0144】
同期信号端子Ts4は、基準電位端子Ts5の隣に配置されている。また、基準電位端子Ts3は、同期信号端子Ts4の隣に配置されている。よって同期信号端子Ts4は、基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5とに挟まれるように配置されている。
基準電位端子Ts3の、同期信号端子Ts4とは反対側の隣には接地端子Ts2が配置されている。
【0145】
次に、図7を参照して、アクセサリー400における各構成要素の接続関係について説明する。
【0146】
接地端子Ts1と接地端子Ts2は、図7に示す接続パターンを介して接続されている。これら接地端子Ts1と接地端子Ts2は、アクセサリー400がカメラ10に接続されると、カメラ10側の端子Tp1,Tp2を介して、カメラ10側の接地線43に接続される。この接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、アクセサリー400側の、電力PWRを利用する回路(充電部432)用の接地端子であり、アクセサリー400側において、供給される電圧の基準電位となる端子であり、また充電電圧の基準電位となる端子である。
【0147】
電源端子Ts11は、電源線481に接続されている。電源端子Ts12は、電源端子Ts11と並列に、電源線481に接続されている。この電源線481は、2つの電源端子(電源端子Ts11及びTs12)を介してカメラ10から供給された大電流を流せるよう、回路基板上において比較的太い配線パターン(Ts11に直接接続している配線パターンの線幅と、Ts12に直接接続している配線パターンの線幅とを足し合わせた線幅以上の線幅を持つ配線パターン)にする。なお、カメラ10側のアクセサリー電源制御部33に接続している配線パターンも、アクセサリー400側と同様に、比較的太い配線パターンにする。
【0148】
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5は、図7に示すように接続用ラインを介して接続されている。そしてこれら基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5は、基準電位線480(SGND)に並列に接続されている。この基準電位線480は、アクセサリー400がカメラ10に接続されると、基準電位端子Ts3及びTs5と、カメラ10側の端子Tp3及びTp5とを介して、カメラ10側の基準電位線(SGND)42に接続される。この基準電位端子Ts3、基準電位端子Ts5は、アクセサリー400内の各回路(MSW465、PCSW470、不揮発性メモリー445、第1電源部450―1、第2電源部450−2、アクセサリー制御部440、照明光発光部435)において、信号の授受を行うための基準電位となる端子である。
【0149】
なお、この基準電位線480(SGND)に対しては、接地端子Ts1と接地端子Ts2も、接続ライン490を介して並列に接続されている。ただし接地端子Ts1と接地端子Ts2に接続している接続ライン(接続ライン490と接続しているライン)は、接続ライン490及び基準電位端子Ts3,Ts5に接続しているラインよりも抵抗(インピーダンス)が低いラインになっている。このため充電部432を流れた大電流はSGNDライン(基準電位端子Ts3,Ts5)には流れないようになっている。
【0150】
なお、基準電位線480を流れる電流は、接続ライン490を介して接地端子Ts1,Ts2に流れるようになっており、接地端子Ts1,Ts2はアクセサリー400内の上記各回路に供給される電圧の基準となり得る。また、本実施形態のアクセサリー400のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
【0151】
起動状態提供端子Ts7は、信号線を介して、第1スイッチ部465におけるスイッチ466(図9(B)に示す)の第1端子に接続されている。第1スイッチ部465におけるスイッチ466の第2端子は、第2スイッチ部470におけるスイッチ472(図9(B)に示す)第1端子に接続されている。第2スイッチ部470におけるスイッチ472の第2端子は、基準電位線480に接続されている。このように、第2スイッチ部470は、起動状態提供端子Ts7に接続された信号線に対して、第1スイッチ部465と直列に接続されている。
【0152】
同期信号端子Ts4は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信信号端子Ts6は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信信号端子Ts6に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部450の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
【0153】
通信制御信号端子Ts9は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信制御信号端子Ts9に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部450の出力側に電気的に接続されている。よって通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
【0154】
発光制御信号端子Ts8は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。発光制御信号端子Ts8に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部450の出力側に電気的に接続されている。よって通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
【0155】
オープン端子Ts10は、電源系統と信号系統のいずれにも接続されていない所謂オープン端子である。オープン端子Ts10は、アクセサリー制御部440、電源線481、及び基準電位線480等の回路と絶縁されている。
【0156】
閃光発光部430の閃光光源431における主放電用の第1の電極は充電部432に接続されている。主放電用の第2の電極は電源線481に接続されている。充電部432の電源端子は、電源線481に接続されている。充電部432の接地端子は、接地端子Ts1に接続する接地線に接続されている。
【0157】
照明光光源駆動部436の電源端子は、第1電源部450−1に接続されている。照明光光源駆動部436の接地端子は、基準電位線480に接続されている。照明光光源駆動部436の制御端子は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。
照明光光源437は、固体光源のアノードが照明光光源駆動部436に接続され、固体光源のカソードが、基準電位線480に接続されている。
【0158】
第1パイロットランプ455及び第2パイロットランプ460は、それぞれ、一端が第2電源部(電源部2)450−2の出力側に電気的に接続されている。第1パイロットランプ(PL2)455の他端は、信号線を介してアクセサリー制御部440に接続されている。第2パイロットランプ(PL1)460の他端は、第1パイロットランプ455とは異なる信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。
【0159】
第1電源部(電源部1)450−1の入力端子は、電源線481に接続されている。第1電源部450−1の接地端子は、基準電位線480に接続されている。第1電源部450−1の出力端子は、第2電源部(電源部2)450−2の入力端子と、照明光光源駆動部436とに接続されている。第2電源部450−2の出力端子は、アクセサリー制御部440の電源端子に接続されている。第2電源部450−2の接地端子は、基準電位線480に接続されている。
【0160】
次に、カメラ10とアクセサリー400との接続関係について説明する。アクセサリー400がカメラ10に装着されている状態(以下、装着状態という)において、接地端子Ts1は、カメラ10の接地端子Tp1に接続される。接地端子Ts2は、装着状態において、カメラ10の接地端子Ts2に接続される。そしてこれらアクセサリー400側の接地端子Ts1,Ts2に接続している箇所(充電部432の接地端子)は、装着状態において、接地端子Tp1及び接地端子Ts1を介した経路と、接地端子Tp2及び接地端子Ts2を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、接地線43に接続されて電池BATの負極に接続される。そのため、接地端子Ts1、Ts2及びそれらに接続している箇所の電位は、装着状態において、電池BATの負極の電位に応じた基準電位になる。
【0161】
電源端子Ts11は、装着状態において、カメラ10の電源端子Tp11に接続される。電源端子Ts12は、装着状態において、カメラ10の電源端子Ts12に接続される。アクセサリー電源制御部33は、装着状態において、電源端子Tp11及び電源端子Ts11を介した経路と、電源端子Tp12及び電源端子Ts12を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、電源線481に接続される。そのため、アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に従って、電池BATからアクセサリー電源制御部33に供給された電力PWRを、電源線481を介してアクセサリー400内の各回路や電気部品に供給することができる。
【0162】
基準電位端子Ts3は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp3に接続される。基準電位端子Ts5は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp5に接続される。基準電位端子Ts3の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp3の電位(基準電位)になる。基準電位端子Ts5の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp5の電位(基準電位)になる。
【0163】
図4に示したように、接地端子Tp1と接地端子Tp2と基準電位端子Tp3は、スライド移動方向(+Y軸方向)の寸法が他の端子よりも長い。そのため、本実施形態においてカメラ10にアクセサリー400を装着する際に、接地端子Tp1と接地端子Tp2と基準電位端子Tp3の3つの端子は、他の端子よりも先にアクセサリー400の端子部423の対応する各端子(接地端子Ts1、接地端子Ts2、基準電位端子Ts3)と接触する。
【0164】
起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー400がカメラ10に装着された状態であって、かつ第2スイッチ部470が回路を閉路している状態(オン状態)において、基準電位線480を介して、接地線42に接続される。そのため、カメラ制御部170は、第2スイッチ部470がオン状態で且つカメラ10に接続されている状態(以下、第1状態と称す)であるときに、第1状態であることを示す起動検出レベルDET(SGNDレベル/基準電位レベル/Lowレベル/Lレベル)を、起動状態提供端子Ts7及び起動状態検出端子Tp7を介して検出することができる。また、カメラ制御部170は、下記の第2状態であるときに、第1状態とは電気的にレベルが異なる起動検出レベルDETを検出することができる。第2状態は、第2スイッチ部470がオフ状態で且つカメラ10に装着されている状態と、アクセサリー400がカメラ10に装着されていない状態とのいずれかの状態を含む。
【0165】
同期信号端子Ts4は、装着状態において、カメラ10の同期信号端子Tp4に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、同期信号端子Tp4及び同期信号端子Ts4を介して、カメラ制御部170に接続される。これにより、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170と同期通信を行うための同期信号CLKを、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、カメラ制御部170へ送信することができる。また、カメラ制御部170は、アクセサリー400に下記のモニタ発光を実行させるモニタ発光制御信号を、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、アクセサリー制御部440へ送信することができる。
【0166】
なお、モニタ発光は、本撮像に用いる本発光よりも前に行われる発光である。モニタ発光による撮像(モニタ撮像)の結果は、オートホワイトバランス(AWB)制御等のようなホワイトバランスの調整と、オート露光(AE)制御等のような露光制御の少なくとも一方に用いられる。
【0167】
通信信号端子Ts6は、装着状態において、カメラ10の通信信号端子Tp6に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、シリアルデータ通信を行うことができる。この通信信号端子Tp6及びTs6はいずれも入力/出力機能を切り替え可能であり、これら両端子間における通信は、通信方向を切り替え可能な双方向通信である。通信信号DATAとして通信されるデータは次のようなものがある。カメラ10側から出力されるデータとしては、カメラ制御部170がアクセサリー400に処理を実行させる指令(コマンド)や、カメラ10に関する情報(カメラデータ)などである。一方、アクセサリー400側から出力されるデータとしては、アクセサリー400に関する情報(アクセサリー情報)などである。本実施形態において、指令あるいは情報を示すデータを送信(又は受信)することを、単に指令あるいは情報を送信(又は受信)するということがある。なお、通信信号DATAは、カメラ制御部170が送信する場合とアクセサリー制御部440が送信する場合のいずれにおいても、アクセサリー400側から出力される同期信号CLKに同期させて送信される。
【0168】
例えば、カメラ制御部170は、指定した項目の情報をカメラ制御部170からアクセサリー制御部440へ送信することを通知する送信通知コマンド(指令)を、アクセサリー制御部440に送信する。カメラ制御部170は、送信通知コマンドの送信終了後に、所定の時間間隔をあけて送信通知コマンドの送信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をアクセサリー制御部440へ送信する。
【0169】
また、例えば、カメラ制御部170は、指定した情報をアクセサリー制御部440からカメラ制御部170へ送信することを要求する送信要求コマンドを、アクセサリー制御部440へ送信することができる。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドの受信完了後に、送信通知コマンドの受信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をカメラ制御部170へ送信する。
【0170】
通信制御信号端子Ts9は、装着状態において、カメラ10の通信制御信号端子Tp9に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、アクセサリー制御部440へ通信制御信号Csを供給することができる。
【0171】
なお、アクセサリー400側から上述の「充電要求」などの情報をカメラ10側に送信したい場合には、アクセサリー制御部440は、上記の通信制御信号端子Ts9でカメラ10側から受信した通信制御信号Csをきっかけとして開始される定常通信シーケンス(後述)において、カメラ制御部170に情報を送信する。
【0172】
この通信制御信号Csは、通信信号端子Ts6を介したカメラ10とアクセサリー400との間の通信の通信開始タイミングを定める信号である。アクセサリー400側において、通信制御信号端子Ts9に接続している配線パターンにはプルアップ抵抗が接続されている。このため通信信号端子Ts6における通信制御信号Csの信号レベルは、通信開始前にHレベルに維持される。通信制御信号Csの信号レベルは、通信信号端子Ts6を介したデータ通信を開始する際に、カメラ制御部170によってLレベルに立ち下げられて維持される。通信制御信号Csの信号レベルがLレベルに維持されている期間に、通信信号DATAとして複数ビットのデータが同期信号CLKに同期して送受信される。複数ビットのデータが送受信された後に、通信制御信号Csの信号レベルは、次回の通信信号DATAの送信までの期間において、再び上述のプルアップ抵抗によってHレベルに維持される。このように、通信制御信号Csは、通信信号DATA及び同期信号CLKと比較して、信号レベル(HレベルとLレベルの)の単位時間あたりの切替わり回数が少ない信号である。
【0173】
発光制御信号端子Ts8は、装着状態において、カメラ10の発光制御信号端子Tp8に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、発光制御信号端子Tp8及び発光制御信号端子Ts8を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、撮影タイミングと同期してアクセサリー400に発光(本発光)を実行させる発光制御信号Xを、発光制御信号端子Ts8及び発光制御信号端子Tp8を介して、アクセサリー制御部440へ供給することができる。アクセサリー制御部440は、発光制御信号Xに従って、発光制御を行う。
【0174】
充電部432は、電源線481を介して供給される電力の電圧を昇圧する昇圧回路と、その昇圧回路で昇圧された電圧により充電される蓄積部(電荷蓄積部)とを備える。また、充電部432は、第1信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。アクセサリー制御部440は、第1信号線を介して、充電部432を制御する信号を充電部432に供給することができる。充電部432は、第2信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。充電部432は、充電部432の充電量を示す情報を、第2信号線を介してアクセサリー制御部440に供給することができる。
【0175】
アクセサリー制御部440は、照明光光源駆動部437を制御する信号を、信号線を介して照明光光源駆動部437へ供給する。そのため、照明光光源436は、電源線481及び照明光光源駆動部437を介して供給される電力によって、発光することができる。
【0176】
第1パイロットランプ455及び第2パイロットランプ460は、それぞれ、アクセサリー制御部440から信号線を介して供給される制御信号によって、点灯状態が制御される。第1パイロットランプ455は、例えば、閃光発光部430の発光がアクセサリー制御部440に許可されている状態で、点灯する。第1パイロットランプ455は、例えば閃光発光部430を発光させることができない状態で、消灯する。第2パイロットランプ460は、第1パイロットランプ455と同様に、アクセサリー制御部440の制御によって、照明光発光部435の状態に応じて点灯又は消灯する。
【0177】
第1電源部450−1は、電源線481から供給される電力に基づいて、電源部450の入力端子に入力される電圧を安定化して後段の回路に供給する。第2電源部450−2は第1電源部450−1から供給される電力に基づいて、第2電源部450−2の入力端子に入力される電圧を安定化して後段の回路に供給する。
【0178】
次に、レベル切替部475について説明する。
【0179】
図9は、起動状態検出端子Tp7とカメラ制御部170との接続関係を模式的に示す図である。図9(A)には、起動状態検出端子Tp7とカメラ制御部170との接続関係が、シュー座15の断面図と関連付けて図示されている。図9(B)には、レベル切替部475の構成及び接続関係が、コネクター420の断面図と関連付けて図示されている。
【0180】
図9(A)に示すように、カメラ制御部170に接続された起動状態検出端子Tp7には、プルアップ抵抗482を介して電圧が印加されている。起動状態検出端子Tp7がアクセサリー400の起動状態提供端子Ts7に接続されていない状態で、起動状態検出端子Tp7の電位すなわち起動検出レベルDETは、H(ハイ)レベルになっている。Hレベルは、例えば、接地線42の基準電位SGNDよりも高電位に設定される。
【0181】
本実施形態のアクセサリー400は、レベル切替部475を備える。図9(B)に示すように、レベル切替部475は、第1スイッチ部465、第2スイッチ部470、第1操作部424、及び第2操作部471を備える。
【0182】
第1スイッチ部465は、カメラボディ100とアクセサリー400との着脱に応じてその状態を切替える。第1スイッチ部465は、可動部材(係止爪422)、及び係止爪422の移動に連動する電気スイッチ466を備える。係止爪422は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着される際にカメラボディ100から受ける力によって所定の方向(Z軸方向の+Z側)に移動する。電気スイッチ466は、係止爪422の移動に連動して、回路を閉路又は遮断する。コネクター420がシュー座15の所定の位置まで挿入されると、コネクター420の係止爪422がシュー座15の係止孔27内部に突出し、それにより第1スイッチ部465の電気スイッチ466が図9(B)の回路を閉路する。また、係止爪422は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着されている場合に、カメラボディ100に係止されることによって、カメラボディ100に対するアクセサリー400の移動を規制する。
【0183】
また、第1スイッチ部465は、第1操作部424に対して取外し操作(コネクタ420をシュー座15から取り外すための操作)がなされると、その操作により係止爪422がZ軸方向に移動して係止孔27の内部からアクセサリー本体410側に向って押込まれ、それにより電気スイッチ466が図9(B)の回路を遮断する(回路をオープンにする)。
【0184】
第2スイッチ部470は、ユーザーに操作されることによって起動検出レベルDETのレベルを切替える。第2スイッチ部470は、第2操作部471、及び電気スイッチ472を備える。
【0185】
第2スイッチ部470は、ユーザーが第2操作部471に対して機能オン操作または機能オフ操作することに応じて、操作部471の移動に連動する電気スイッチ472によって図9(B)の回路を閉路(クローズ)又は遮断(オープン)する(機能オン操作でクローズ、機能オフ操作でオープン)。
【0186】
第1操作部424は、係止爪422を所定の方向に移動させるために、ユーザーによって操作される。操作部424は、ユーザーの操作により受ける力を係止爪422に伝えることによって、係止爪422を所定の方向(Z軸方向)に移動させる。アクセサリー400がカメラボディ100に装着されている状態で第1操作部424が操作された場合に、係止爪422は、Z軸方向に移動して係止孔27の内側からアクセサリー本体410に向って退去する。これにより、アクセサリー400は、カメラボディ100に対する固定が解除され、カメラボディ100から取り外すことが可能になるとともに、第1スイッチ部465が回路を遮断する。
【0187】
アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7は、電気スイッチ466が回路を閉路した状態であって、且つ、電気スイッチ472が回路を閉路した状態(「オン」の位置)である場合に、電気スイッチ466及び電気スイッチ472を介して、上述の基準電位線480に接続される。基準電位線480は、コネクター420がシュー座15に接続された状態である場合には、既述の如くカメラボディ100の接地線(SGND/シグナルグランド)42と電気的に接続されている。
【0188】
コネクター420がシュー座15に接続された状態(装着状態)で、アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7がカメラボディ100の接地線42と電気的に接続され、起動状態提供端子Ts7の電位は、L(ロー)レベルになる。コネクター420がシュー座15に接続された状態で、カメラボディ100の起動状態検出端子Tp7の電位がアクセサリー400の起動状態提供端子Ts7と短絡することによって、起動検出レベルDETはLレベルになる。Lレベルは、接地線42(基準電位SGND)と同じ電位に設定される。起動検出レベルDETは、コネクター420がシュー座15に接続された状態で第1操作部424が操作された場合には、第1スイッチ部465が回路を遮断するためHレベルになる。また、起動検出レベルDETは、コネクター420がシュー座15に接続された状態で第2スイッチ部470の第2操作部471が機能オフ操作された場合にも、電気スイッチ472が回路を遮断するためHレベルになる。すなわち、アクセサリー400がカメラ10に装着されている場合において、第1操作部424に対してコネクター420をシュー座15から取り外すための操作がなされても、或いは第2操作部471に対して機能オフ操作がなされても、そのいずれの操作の場合であっても起動検出レベルDETはHレベルになる。
【0189】
ところで、一般的にカメラシステムは、アクセサリーあるいはカメラの端子部の端子間に埃等が付着して短絡が生じると、想定されていない電流が短絡した端子間に流れること等によって、カメラシステムが安定して動作しない可能性がある。また、カメラシステムは、カメラとアクセサリーとの間で端子を介して供給される信号がノイズの影響を受けることによって、安定して動作しなくなる可能性がある。カメラシステムは、例えば安定に動作しないことによりユーザーの操作に応答しなくなったり、応答が遅くなったりして、利便性が低下する可能性がある。
【0190】
これに対して、本実施形態のアクセサリー400は、図5及び図7に示したように、端子部423の端子配列が以下のようになっている。カメラ10から電力が供給される電源端子Ts11及び電源端子Ts12は、11番目と12番目とにそれぞれ配置されている。電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、1番目と2番目とにそれぞれ配置されている。カメラ10とアクセサリー400との着脱に応じて変化する起動検出レベルDETをカメラ10に出力する起動状態提供端子Ts7は、7番目に配置されている。閃光発光部430又は照明光発光部435の発光状態を制御する発光制御信号Xがカメラ10から入力される発光制御信号端子Ts8は、8番目に配置されている。アクセサリー400を制御する制御信号がカメラ10と通信する通信信号DATAとして供給される通信信号端子Tp6は、6番目に配置されている。通信信号DATAに同期する同期信号CLKをカメラ10に出力する同期信号端子Ts4は、4番目に配置されている。カメラ10アクセサリー400との通信の通信タイミングを定める通信制御信号Csがカメラ10から入力される通信制御信号端子Ts9は、9番目に配置されている。基準電位端子Ts3及び基準電位端子Ts5は、電位が起動検出レベルDET、通信信号DATA、同期信号CLK、発光制御信号X、及び通信制御信号Csの基準電位になり、3番目と5番目とにそれぞれ配置されている。
【0191】
すなわち、電源端子Ts11及び電源端子Ts12は、端子の配列方向の一方側に偏らせて配置されており、接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、端子の配列方向の他方側に偏らせて配置されている。したがって、カメラシステム1は、電源端子(電源端子Ts11及び電源端子Ts12)と、接地端子(接地端子Ts1及び接地端子Ts2)とが大きく離間されているがゆえに両者間での短絡の発生が抑制され、電源端子と接地端子との短絡による応答停止等の不具合の発生を抑制することができ、電気的な安全性が保たれる。また、アクセサリー400は、アクセサリー400の内部で電源端子Ts11及び電源端子Ts12に接続される電源線481、あるいは接地端子Ts1及び接地端子Ts2に接続される基準電位線480の設計の自由度が高くなる。また、複数端子の間に配置するのではなく、配列の端の方に寄せて配列することにより電源端子の多極化が容易になり、複数の電源端子を並べて設計することが可能となる。そしてその結果として、アクセサリー400は、例えば電源線481や基準電位線480の幅を広くすることが容易になり、電源線481や基準電位線480を低抵抗にすること、電源線481や基準電位線480を介して大電力を供給されること等が可能になる。
【0192】
また、撮像に必要な情報を示す通信信号DATAが供給される通信信号端子Ts6は、基準電位が供給される基準電位端子Ts5と隣り合って配置されている。したがって、通信信号DATAは、基準電位端子Ts5に対して通信信号端子Ts6とは反対側からノイズを受けにくくなる。また、通信信号端子Ts6は、通信信号端子Ts6に対して基準電位端子Ts5とは反対側で起動状態提供端子Ts7と隣り合って配置されている。起動検出レベルDETは、カメラ10とアクセサリー400とが互いに通信可能な状態で、Lレベルに維持される。したがって、通信信号DATAは、カメラ10とアクセサリー400とが互いに通信可能な状態で、起動状態提供端子Ts7に対して通信信号端子Ts6とは反対側からノイズを受けにくくなる。このように、カメラシステム1は、通信信号DATAがノイズの影響を受けにくくなるので、通信上の安全性が保たれ通信信号DATAがノイズの影響を受けることによる誤動作等の不具合の発生を抑制することができる。
【0193】
また、発光制御信号端子Ts8は、起動状態提供端子Ts7と隣り合って配置されている。起動検出レベルDETは、カメラ10とアクセサリー400とが互いに通信可能な状態である場合に、Lレベルに維持される。したがって、発光制御信号Xは、発光制御信号端子Ts8に対して起動状態提供端子Ts7とは反対側からノイズを受けにくくなる。また、発光制御信号端子Ts8は、発光制御信号端子Ts8に対して起動状態提供端子Ts7とは反対側にて通信制御信号端子Ts9と隣り合っている。通信制御信号Csは、複数ビットのデータを同期信号CLKに同期して通信している期間にLレベルに維持されており、データの通信を終了してから次のデータの通信を開始するまでの期間においては、Hレベルに維持されている。このように、通信制御信号Csは、信号レベルの切替わりが同期信号CLKと通信信号DATAのいずれよりも低周波数である。これにより、発光制御信号Xは、発光制御信号端子Ts8に対して通信制御信号端子Ts9とは反対側からノイズの影響を受けにくくなる。このように、カメラシステム1は、発光制御信号Xがノイズの影響を受けにくくなるので、通信上の安全性が保たれ、発光制御信号Xがノイズの影響を受けることによる誤動作(誤発光動作)等の不具合の発生を抑制することができる。
【0194】
また、起動状態提供端子Ts7は、通信信号端子Ts6と隣り合って配置されている。通信信号DATAは、カメラ制御部170がデータを送受信していない状態において、Hレベルに維持されている。したがって、起動状態提供端子Ts7が通信信号端子Ts6と短絡した場合に、起動検出レベルDETはHレベルになり、カメラ制御部170はアクセサリー400が装着されていない状態であると判定する。よって、カメラシステム1は、アクセサリー400がオフ状態である場合に、アクセサリー400がオン状態であると検出して誤作動が発生することを抑制することができる。また、起動状態提供端子Ts7は、発光制御信号端子Ts8と隣り合って配置されている。発光制御信号Xは、カメラ制御部170が発光部425を発光させない状態においてHレベルに維持されており、カメラ制御部170が発光部425を発光させるときにLレベルになる。したがって、起動状態提供端子Ts7が発光制御信号端子Ts8と短絡した場合に、起動検出レベルはHレベルになり、カメラ制御部170はアクセサリー400が装着されていない状態であると判定する。よって、カメラシステム1は、アクセサリー400がオフ状態である場合に、アクセサリー400がオン状態であると検出して誤作動が発生することを抑制することができ、電気的な安全性が高い。
【0195】
本実施形態において、同期信号端子Ts4は、基準電位が供給される基準電位端子Ts5と隣り合って配置されている。したがって、同期信号CLKは、基準電位端子Ts5に対して同期信号端子Ts4とは反対側(端子Ts6側)からの外乱(ノイズなど)の影響を受けにくくなる。また、同期信号端子Ts4は、同期信号端子Ts4に対して基準電位端子Ts5とは反対側では、基準電位が供給される基準電位端子Ts3と隣り合って配置されている。したがって、同期信号CLKは、基準電位端子Ts3に対して同期信号端子Ts4とは反対側(接地端子Ts2側)からの外乱(ノイズなど)の影響を受けにくくなる。また、基準電位端子Ts3に対して同期信号端子Ts4とは反対側に配置されている端子は、接地端子Ts2であり、接地端子Ts2の電位はほぼ基準電位と同じ電位になるので、同期信号CLKは、ノイズを受けにくくなる。このように、カメラシステム1は、同期信号CLKがノイズの影響を受けにくくなるので通信上の安全性が保たれ、通信の基準信号となる同期信号CLKがノイズの影響を受けることによる誤動作等の不具合の発生を抑制することができる。
【0196】
また、レベル切替部475は、カメラ10からアクセサリー400を取り外す動作や機能オフ操作に応じて起動検出レベルDETの状態(電気的レベル)を切り替える。したがって、カメラ10は、アクセサリー400の取外し操作や機能オフ操作に応じてアクセサリー400を制御することができ、アクセサリー400を安定して制御することができる。また、カメラシステム1は、例えばアクセサリー400がカメラ10に装着されて且つ機能オン操作されたことをカメラ制御部170が検出して、その検出結果に基づいてカメラ制御部170がアクセサリー400の制御を開始することができるので、アクセサリー400が装着されてから機能させることができるまでの時間を短縮すること等ができる。
【0197】
また、カメラシステム1は、オープン端子Ts10が電源端子群(Ts11、Ts12)と、通信や検出用の端子群(Ts4、Ts6〜Ts9/通信端子群とも称す)との間に配置されているので、電源からの電気的外乱(ノイズなど)が通信端子群に悪影響を及ぼす可能性を低減できる。また、本実施形態ではあえてオープン端子Ts10を配置しているが、この端子Ts10を設けることによって、(オープン端子Ts10を配置せずにこの位置に端子が存在しない構成に比して)12個の端子全体において、それぞれ対応する相手側の各端子との間の接触力(接触圧)を均一にすることができる。
【0198】
また、図4に示したように、シュー座15における端子部25の接地端子Tp1、接地端子Tp2、基準電位端子Tp3は、コネクター420が取り付けられる際に進入してくる方向(−Y側)に向って符号Tp4からTp12で表される端子よりも突出している。これにより、接地端子Tp1、接地端子Tp2、基準電位端子Tp3は、符号Tp4からTp12で表されるどの端子よりも先に、コネクター420の接地端子Tp1、接地端子Tp2、基準電位端子Tp3とそれぞれ接続されることになる。結果として、アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着された状態で、起動検出レベルDETを安定して出力することができる。
【0199】
以上のように、アクセサリー400は、誤動作の発生を抑制すること等ができ、カメラシステム1の利便性を高めることができる。また、カメラ10、シュー座15、コネクター420は、いずれも、上述したような端子配列になっているので、カメラシステム1の利便性を高めることができる。
【0200】
なお、電源端子Tp11と電源端子Tp12のうちの一方の端子は、省略されていてもよい。電源端子Tp11と電源端子Tp12は、一体化されていてもよい。電源端子Tp11と電源端子Tp12と同様に、接地端子Tp1と接地端子Tp2のうちの一方の端子は、省略されていてもよい。接地端子Tp1と接地端子Tp2は、一体化されていてもよい。また、電源端子Tp11と電源端子Tp12の少なくとも一方を含む電源端子と、接地端子Tp1と接地端子Tp2の少なくとも一方を含む接地端子との間に配置される端子は、符号Tp3から符号Tp10で示される端子のうちの1つでもよいし、2以上でもよく、全部でもよい。
【0201】
なお、発光制御信号端子Tp8が起動状態検出端子Tp7と通信制御信号端子Tp9とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をLとして、端子部25の端子配列において、起動状態検出端子Tp7が(L−1)番目に配置されており、発光制御信号端子Tp8がL番目に配置されているとともに、通信制御信号端子Tp9が(L+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Lが6である場合に、端子部の端子配列において、起動状態検出端子Tp7は5番目に配置され、発光制御信号端子Tp8は6番目に配置され、通信制御信号端子Tp9は7番目に配置される。
【0202】
なお、通信信号端子Tp6が起動状態検出端子Tp7と発光制御信号端子Tp8とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をMとして、端子部25の端子配列において、通信信号端子Tp6が(M−1)番目に配置されており、起動状態検出端子Tp7がM番目に配置されているとともに、発光制御信号端子Tp8が(M+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Mが4である場合に、端子部の端子配列において、通信信号端子Tp6は3番目に配置され、起動状態検出端子Tp7は4番目に配置され、発光制御信号端子Tp8は5番目に配置されることになる。
【0203】
なお、通信信号端子Tp6が基準電位端子Tp5と起動状態検出端子Tp7とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をNとして、端子部25の端子配列において、基準電位端子Tp5が(N−1)番目に配置されており、通信信号端子Tp6がN番目に配置されているとともに、起動状態検出端子Tp7が(N+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Nが8である場合に、端子部の端子配列において、基準電位端子Tp5は7番目に配置され、通信信号端子Tp6は8番目に配置され、起動状態検出端子Tp7は9番目に配置されることになる。
【0204】
なお、同期信号端子Tp4が基準電位端子Tp3と基準電位端子Tp5とに挟まれるように配置される構成としては、2以上の整数をPとして、端子部25の端子配列において、基準電位端子Tp3が(P−1)番目に配置されており、同期信号端子Tp4がP番目に配置されているとともに、基準電位端子Tp5が(P+1)番目に配置されている構成が挙げられる。例えば、Pが6である場合に、端子部の端子配列において、基準電位端子Tp3は5番目に配置され、同期信号端子Tp4は6番目に配置され、基準電位端子Tp5は7番目に配置されることになる。
【0205】
このように、カメラシステム1は、符号Tp3から符号Tp9で示される端子が上記のような条件で配置されていることにより、図4等に示した端子配列である場合と同様の理由により、利便性が高いシステムになる。
【0206】
なお、本実施形態において、各端子の配置を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X)側に向って昇順する番号であるが、他方側(−X側)から一方側(+X)側に向って昇順する番号であってもよい。この場合に、端子部25の端子配列において、1番目と2番目の端子は、それぞれ、電源端子Tp12、電源端子Tp11となり、11番目と12番目の端子は、それぞれ、接地端子Tp2、接地端子Tp1となる。また、上記したようなカメラボディ100の端子部25における複数の端子の配列に関する変形は、アクセサリー400の端子部423における複数の端子の配列に適用することができる。
【0207】
なお、本実施形態において、図1に示した撮影レンズ200は、カメラボディ100に対して着脱可能であるが、カメラボディ100に対して着脱不能であってカメラボディ100と一体になっていてもよい。撮影レンズ200の少なくとも一部は、カメラボディ100に収容可能でもよい。本実施形態においてカメラ10は、少なくともカメラボディ100を備えていればよく、撮影レンズ200を備えていなくてもよい。すなわち、撮影レンズ200は、カメラの外部装置(アクセサリー)であって、カメラシステム1の構成要素としてもよい。また、アクセサリー400は、コネクター420とシュー座15との間にケーブル等を介して電気的に接続可能であって、カメラボディ100とは別の装置、例えば三脚等に保持されていてもよい。
【0208】
なお、本実施形態において、図6に示した電池収納部110はカメラボディ100に内蔵されているが、電池収納部110は、カメラボディ100の外部の装置(アクセサリー)であってもよい。例えば、電池収納部110は、カメラボディ100に外付け可能であってもよい。また、カメラシステム1は、ACアダプター等を介してカメラボディ100の外部から供給された電力によって、カメラシステム1の構成要素を動作させることもできる。カメラシステム1は、外部からの電力を、電池収納部110に収納された電池BATから供給される電力と同様に、カメラシステム1の各構成要素に供給することができる。
【0209】
なお、本実施形態において、図6に示したメモリー140は、カメラボディ100に内蔵されていてもよいし、カメラボディ100の外部の装置(アクセサリー)であってもよい。
【0210】
なお、本実施形態において、図2に示した第1パイロットランプ455は、点灯又は消灯が切替わることによって、閃光発光部430における発光可能な状態を示すように、構成されていたが、発する光の波長あるいは点灯と消灯とを繰り返す周期等が変化することによって、閃光発光部430における発光可能な状態を示すように、構成されていてもよい。第2パイロットランプ460は、第1パイロットランプ455と同様に、発する光の波長、点灯と消灯とを繰り返す周期等が変化することによって、照明光発光部435における発光可能な状態を示すように、構成されていてもよい。
【0211】
次に、カメラシステムにおける処理の手順について、説明する。以下の説明において、同様の処理については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0212】
図10は、カメラシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム1は、アクセサリー400を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。カメラシステム1は、起動シーケンス(ステップS1)において、カメラ10とアクセサリー400との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う(ステップS2)。カメラシステム1は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う(ステップS3)。カメラシステム1は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う(ステップS4)。
【0213】
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う(ステップS5)。カメラシステム1は、割込要求が無いとステップS5で判定した場合(ステップS5;No)に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。カメラシステム1は、割込要求が有るとステップS5で判定した場合(ステップS5;Yes)に、割込処理(ステップS6)を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム1は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
【0214】
次に、通信準備シーケンスについて説明する。カメラシステム1は、通信準備シーケンスにおいて、カメラボディ100にアクセサリー400がオン状態で装着されているか否かを検出する。カメラシステム1は、カメラボディ100にアクセサリー400がオン状態で装着されている場合に、アクセサリー400に電力の供給を開始し、また、カメラボディ100は、アクセサリー400に通信を許可することを通知する。以下、通信準備シーケンスにおける処理フローの一例を説明する。
【0215】
図11は、通信準備シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
レベル切替部475(図9参照)が出力する起動検出レベルDETの信号レベルは、カメラ10にアクセサリー400が装着され、かつ第2スイッチ部470が回路を閉路している(「オン」の位置)場合に、L(ロー)レベルになる(ステップS101)。カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるか否かの判定する判定処理を行う(ステップS102)。カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルでないとステップS102で判定した場合(ステップS102;No)に、アクセサリー400がカメラ10に装着されていない状態であると判定して、ステップS102の判定処理を再度行う。
【0216】
カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるとステップS102で判定した場合(ステップS102;Yes)に、カメラ10からアクセサリー400への電力供給を開始する制御を行う(ステップS103)。ステップS103において、カメラ制御部170は、アクセサリー電源制御部33を制御して、カメラ10からアクセサリー400への電力供給をアクセサリー電源制御部33に開始させる。アクセサリー制御部440は、カメラ10から電源部450を介して供給された電力によって、起動する。
【0217】
カメラ制御部170は、ステップS103の制御の終了後に、アクセサリー制御部440に通信の許可を通知する(ステップS104)。カメラ10の通信制御信号端子Tp9の電位すなわち通信制御信号Csの信号レベルは、アクセサリー400がカメラ10に装着されていないとカメラ制御部170に判定されている状態で、Lレベルになっている。
【0218】
アクセサリー制御部440は、通信制御信号端子Ts9の電位すなわち通信制御信号Csの信号レベルがHレベルであるか否かを判定する判定処理を行う(ステップS105)。アクセサリー制御部440は、通信制御信号CsがHレベルでないとステップS105で判定した場合(ステップS105;No)に、ステップS105の判定処理を再度行う。アクセサリー制御部440は、通信制御信号CsがHレベルであるとステップS105で判定した場合(ステップS105;Yes)に、カメラ制御部170との通信が許可されたと認識する。
【0219】
通信準備シーケンスは、カメラ制御部170がステップS104で通信制御信号CsをHレベルに立ち上げて通信許可を通知し、アクセサリー制御部440がカメラ制御部170との通信が許可されたと認識した後に、終了する。
【0220】
このように、カメラシステム1は、アクセサリー400から出力される起動検出レベルDETに基づいて、アクセサリー400への電力の供給を開始するので、アクセサリー400に電力の供給する制御の信頼性が高くなる。また、カメラシステム1は、カメラ制御部170がアクセサリー400への電力の供給を開始した後に通信許可の通知を行う。これにより、カメラシステム1は、アクセサリー400が起動している状態でアクセサリー制御部440が通信許可の通知を受けることになり、カメラ10とアクセサリー400との間における通信の開始を安定して制御することができる。このように、カメラシステム1は、アクセサリー400を安定して制御することができ、安定して動作するものとなるので、利便性が高いシステムである。
【0221】
なお、カメラ10の起動検出レベルDETは、カメラ10に装着されているアクセサリー400の第2スイッチ部470が回路を遮断した状態(「オフ」の位置)である場合に、Hレベルになる。この場合に、カメラ制御部170は、アクセサリー400がカメラ10に装着されていないと判定することになる。すなわち、アクセサリー400は、第2スイッチ部470が「オフ」の位置である場合に、カメラ10からの電力供給を受けることができないので、起動しない(換言すれば「機能しない」)ことになる。このように、第2スイッチ部470は、実質的にアクセサリー400の電源スイッチ(機能オン/オフスイッチ)として機能する。
【0222】
次に、初期通信シーケンスにおける処理について説明する。カメラシステム1は、初期通信シーケンスにおいて、カメラ10とアクセサリー400との間で撮影に必要とされる情報を相互に送る。カメラ10とアクセサリー400は、初期通信シーケンスにおいて、複数の情報を予め定められた順に従って送受信する。初期通信シーケンスにおける処理の初期条件として、アクセサリー400の記憶部444には、アクセサリー種類を示すアクセサリー種類情報を含む情報(第1の応答情報)が予め記憶されている。アクセサリー種類情報は、機能種類情報と電池有無情報を含む。
【0223】
機能種類情報は、アクセサリー制御部440の制御対象の種類を示す情報(種類情報)である。アクセサリー制御部440の制御対象は、照明発光機能を機能させる照明光発光部435、閃光発光機能を機能させる閃光発光部430、GPS機能を機能させるGPS機能部、多灯コマンダ機能を機能させる多灯コマンダ機能部等である。複数の制御対象は、各制御対象の機能の種類に応じて、複数のグループに区分されている。発光機能に関する制御対象、すなわち閃光発光部430及び照明光発光部435は、第1グループに属している。発光機能以外の機能に関する制御対象、例えばGPS機能部及び多灯コマンダ機能部は、第2グループに属する。このように、種類情報は、アクセサリー400が有する機能の種類の一覧を示す情報である。
【0224】
電池有無情報は、アクセサリー400側に、電池などの電源を備えているか否かを示す情報(換言すれば、アクセサリー400側で消費する電力をアクセサリー400側自身で賄えるか否かを示す情報)である。この電池有無情報は、カメラ10がアクセサリー400に電力を供給する制御(後述する)等に使われる情報である。この電池有無情報の詳細については、後述する。
【0225】
また、記憶部444には、アクセサリー400が有する各機能の特性を示す特性情報(第2の応答情報)が予め記憶されている。特性情報は、アクセサリー400の各機能を担当する各機能部の特性を示す情報を含む。例えば、閃光発光機能の特性情報は、閃光発光部430の発光特性を示す情報(プロファイル情報)を含む。照明発光機能の特性情報は、照明光発光部435(撮影照明用のLED)の発光特性を示す情報(照明プロファイル情報)、及び照明光発光部435が連続して発光可能な最長の時間(最長点灯時間)を示す情報を含む。
【0226】
カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440に送信を要求する複数の情報について、予め定められた順番(要求順番)に従って、各情報をアクセサリー制御部440に送信する。記憶部444には、アクセサリー制御部440が要求順番に従って順に情報を読み出すことができるように、情報が予め記憶されている。アクセサリー制御部440は、要求順番に従って、記憶部444から情報を読み出して、読み出した情報を示す通信信号DATAを、カメラ制御部170に送信する。また、カメラ制御部170は、要求順番に対して予め定められた順番で、カメラボディ100の初期状態を示すカメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信する。初期状態情報は、カメラボディ100の記憶部158に予め記憶されている。カメラ初期状態情報は、モニタ充電許可情報等を含む。モニタ充電許可情報は、後に説明する充電制御に用いられる。以下、初期通信シーケンスにおける処理フローの一例を説明する。
【0227】
図12は、初期通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図13は、図12から続く処理の手順を示す図である。図12、13においても図11と同様に、図中左側のフローがカメラボディ100のカメラ制御部170における処理内容であり、図中右側のフローがアクセサリー400のアクセサリー制御部440における処理内容である。
【0228】
カメラ制御部170は、通信準備シーケンス(図9及び図10参照)が終了した後に、初期通信シーケンスが開始されると、アクセサリー初期状態情報に含まれる情報の送信を要求する送信要求コマンドC1を、アクセサリー制御部440へ送信し、アクセサリー初期状態情報を受信する準備をする(ステップS201)。送信要求コマンドC1は、アクセサリー初期状態情報のうちのアクセサリー種類情報の送信を、カメラ制御部170が要求していることを示す要求情報である。
【0229】
アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC1を受信する(ステップS202)。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170からの要求情報(送信要求コマンドC1)に応じて応答する応答情報を、カメラ制御部170に送信するよりも前に、記憶部444に予め記憶させている。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報に応じて、記憶部444に記憶されている応答情報を読み出してカメラ制御部170に送る(送信)する(ステップS203)。カメラ制御部170は、電池有無情報及び機能種類情報を受信する(ステップS204)。
【0230】
カメラ制御部170は、既述した「カメラ初期状態情報」の送信を通知する送信通知コマンドC20をアクセサリー制御部440に送信し、カメラ初期状態情報を送信する準備をする(ステップS204A)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC20を受信し、カメラ初期状態情報を受信する準備をする(ステップS204B)。カメラ制御部170は、ステップS204Aで送信通知コマンドC20を送信した後に、カメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS204C)。アクセサリー制御部440は、カメラ初期状態情報を受信する(ステップS204D)。
【0231】
カメラ制御部170は、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が拡張機能を有するか否かを判定する(ステップS205)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が拡張機能を有するとステップS205で判定した場合(ステップS205;Yes)に、拡張機能の詳細を示す特性情報の送信を要求する送信要求コマンドC2を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS206)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC2を受信して(ステップS207)、送信要求コマンドC2に従って、拡張機能の特性情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS208)。カメラ制御部170は、拡張機能の特性情報を受信する(ステップS209)。
【0232】
カメラ制御部170は、優先機能(例えばGPS機能)が拡張機能として含まれているとステップS205で判定した場合に、送信要求コマンドC2により優先機能を指定することによって、ステップS209で優先機能の特性情報を受信することができる。この優先機能は、アクセサリー400が有する機能のうち優先的にオン状態(有効)にすることが予め設定されている機能である。カメラ制御部170は、ステップS209で優先機能の特性情報を受信した場合に、アクセサリー400内における他の機能よりも優先させて
処理をする。カメラ制御部170は、例えば優先機能を有効にさせるコマンドを、アクセサリー制御部440へ送信することができる(このため拡張機能の起動を早めることができる)。
【0233】
カメラ制御部170は、拡張機能の特性情報を受信終了後、又はアクセサリー400が拡張機能を有していないとステップS205で判定した場合(ステップS205;No)に、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能を有するか否かを判定する(ステップS210)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有するとステップS210で判定した場合(ステップS210;Yes)に、照明発光機能の初期状態情報(第3の応答情報)の送信を要求する送信要求コマンドC3を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS211)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC3を受信して(ステップS212)、送信要求コマンドC3に従って、照明発光機能の初期状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS213)。カメラ制御部170は、照明発光機能の初期状態情報を受信する(ステップS214)。
【0234】
カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有していないとステップS210で判定した場合(ステップS210;No)に、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が閃光発光機能を有するか否かを判定する(ステップS215)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が閃光発光機能を有していないとステップS215で判定した場合(ステップS215;No)に、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能と閃光発光機能のいずれにも該当しない機能、例えば多灯コマンダ機能等を有しているか否かを判定する(ステップS216)。このように、アクセサリー400は、照明発光機能と閃光発光機能の双方を有していなくてもよい。アクセサリー制御部440が発光状態を制御する発光部425は、アクセサリー400とは別の装置に設けられていてもよい。
【0235】
カメラ制御部170は、ステップS214の処理の終了後、又はアクセサリー400が閃光発光機能を有しているとステップS215で判定した場合(ステップS215;Yes)、又はステップS216の処理の終了後に、アクセサリー400の機能のうちで特性を設定可能な機能を示す設定可能情報の送信を要求する送信要求コマンドC4を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS217)。アクセサリー400は、送信要求コマンドC4を受信(ステップS218)した後に、アクセサリー400の設定可能情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS219)。カメラ制御部170は、アクセサリー400の設定可能情報を受信する(ステップS220)。
【0236】
カメラ制御部170は、アクセサリー400のプロファイルを示すプロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC5をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS221)。
【0237】
本実施形態において、プロファイル情報は、閃光発光機能の特性を示す情報である。プロファイル情報は、例えば、閃光光源431の発光特性を示す情報を含む。閃光光源431の発光特性は、例えば、閃光光源431が発する光の光量(明るさ)と波長(色味)の少なくとも一方を含む。プロファイル情報は、例えば、閃光発光機能を機能させる撮影モードにおいて、AWB制御等に利用される。
【0238】
アクセサリー400は、送信要求コマンドC5を受信(ステップS222)した後に、プロファイル情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS223)。カメラ制御部170は、プロファイル情報を受信する(ステップS224)。
【0239】
カメラ制御部170は、ステップS204で受信した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能を有するか否かを判定する(ステップS225)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有しているとステップS225で判定した場合(ステップS225;Yes)に、照明プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC6をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS226)。
【0240】
本実施形態において、照明プロファイル情報は、照明発光機能の特性を示す情報である。照明プロファイル情報は、例えば、照明光光源436の発光特性を示す情報を含む。照明光光源436の発光特性は、例えば、閃光光源431が発する光の光量(明るさ)と波長(色味)の少なくとも一方を含む。照明プロファイル情報は、例えば、照明発光機能を機能させる撮影モードにおいて、AE制御、AWB制御等に利用される。
【0241】
アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC6を受信(ステップS227)した後に、照明プロファイル情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS228)。カメラ制御部170は、照明プロファイル情報を受信する(ステップS229)。
【0242】
カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有していないとステップS225で判定した場合(ステップS225;No)、又はステップS229の処理の終了後に、アクセサリー設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC7を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS230)。アクセサリー400は、送信要求コマンドC7を受信(ステップS231)した後に、アクセサリー設定状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS232)。カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報を受信する(ステップS233)。
【0243】
カメラ制御部170は、既述した「カメラ設定状態情報」を送信することを通知する送信通知コマンドC8をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS234)。アクセサリー400は、送信通知コマンドC8を受信(ステップS235)する。カメラ制御部170は、カメラ設定状態情報をアクセサリー制御部440へ送信(ステップS236)する。アクセサリー制御部440は、カメラ設定状態情報を受信する(ステップS237)。
【0244】
アクセサリー設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC9を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS238)。アクセサリー400は、送信要求コマンドC9を受信(ステップS239)した後に、アクセサリー設定状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS240)。カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報を受信する(ステップS241)。ステップS241の処理の終了後に、初期通信シーケンスは、終了される。
【0245】
以上に示した初期通信シーケンスの手順に従って、カメラシステム1において以下の処理が行われる。初期通信シーケンスの手順に含まれる第1の処理として、アクセサリー制御部440は、記憶部444に記憶されている情報を、カメラ制御部170からの送信要求に対して応答する処理がある。送信要求に対する応答処理は、例えば、以下に示される制御手順に従って行われる。
【0246】
上述したように、記憶部444は、カメラ制御部170からの要求情報に応じて応答する応答情報を予め記憶する。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報(ステップS203参照)に応じて、記憶部444に記憶された応答情報をカメラ制御部170に送る(ステップS204参照)。このような処理により、例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170からの要求情報に応じて、アクセサリー制御部440によって制御される制御対象の種類情報をカメラ制御部170に送信する。
【0247】
また、記憶部444が、アクセサリー制御部440の制御対象の種類を示す種類情報を含む第1の応答情報を記憶する場合には、アクセサリー制御部440は、カメラから送られて来た要求情報に応じて、第1の応答情報をカメラ制御部170に送る。
【0248】
また、記憶部444が、アクセサリー制御部440の制御対象の制御を行う上でのアクセサリー制御部440の制御対象の詳細情報を含む第2の応答情報を第1の応答情報における種類情報と対応させて記憶する場合がある。この場合、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報に応じて、第2の応答情報をカメラ制御部170に送る。
【0249】
また、アクセサリー制御部440は、第1の応答情報を送るタイミング(ステップS203参照)と異なるタイミング(ステップS208参照)に第2の応答情報をカメラ制御部170に送るようにする。例えば、アクセサリー制御部440は、第1の応答情報をカメラ制御部170に送った(ステップS203参照)後に、カメラ制御部170から送られて来た要求情報に応じて、第2の応答情報をカメラ10に送る(ステップS208参照)。
【0250】
また、アクセサリー制御部440の制御対象が複数ある場合がある。このような場合には、記憶部444は、複数の制御対象のそれぞれについて、アクセサリー制御部440の制御対象の詳細情報を含む第2の応答情報を、制御対象の種類情報に対応させて制御対象ごとに記憶する。アクセサリー制御部440は、複数の制御対象のうちカメラ制御部170から送られて来た要求情報により指定された制御対象の詳細情報を含む第2の応答情報をカメラ制御部170に送る。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170の要求情報(ステップS207参照)に応じて、拡張機能(例えばGPS機能)の特性情報を送信する(ステップS208参照)。また、アクセサリー制御部440は、拡張機能の特性情報とは別の機能(例えば、照明発光機能)に関するカメラ制御部170の要求情報(ステップS212参照)に応じて、照明発光機能の特性情報を送信する(ステップS213参照)する。
【0251】
また、複数の制御対象は、アクセサリー制御部440の制御対象の種類に応じて複数のグループに区分してもよい。本実施形態において、第1グループに属する制御対象は、発光機能を担当する閃光発光部430と照明光発光部435を含むものとする。第1グループに属する制御対象の機能は、アクセサリー400が備える基本機能としてもよい。また、第2グループに属する制御対象は、発光機能以外の機能を担当する例えばGPS機能部等とする。第2グループに属する制御対象の機能は、アクセサリー400が備える拡張機能としてもよい。
【0252】
アクセサリー制御部440は、複数のグループのうちの第1グループに属する制御対象(例えば照明光発光部435)の詳細情報を含む第3の応答情報を、第2の応答情報としてカメラ制御部170に送る(ステップS213参照)。アクセサリー制御部440は、複数のグループのうちの第1グループとは異なる第2グループに属する制御対象がある場合に、第1の応答情報を送った(ステップS203参照)後であって、第3の応答情報を送る(ステップS213)前に、第2グループに属する制御対象の詳細情報を含む第4の応答情報を、第2の応答信号としてカメラ10に送る(ステップS208)。
【0253】
このように、カメラシステム1は、カメラ制御部170からの送信要求に対してアクセサリー制御部440が応答する処理を行うことにより、例えば要求情報と応答情報が整合しないことによる通信の失敗等の発生が抑制される。また、カメラシステム1は、例えばアクセサリー400がカメラ制御部170に装着されてから、まず第1の応答情報に基づいて拡張機能の有無を判別し、アクセサリー400側に拡張機能「有り」ならば、カメラ10側はその拡張機能に関する情報(第3の応答情報)を早期に取得するように構成しているので、カメラ10側でもその早期取得した拡張機能情報に基づいてその拡張機能のための準備作業を早めることができる。例えば拡張機能としてGPS機能を具備するアクセサリーであれば、早期にGPS測位情報の取得開始が可能となり、またカメラ10側への送信処理(カメラ10側の受信処理)を開始させることが可能となる。このように、カメラシステム1は、利便性が高いシステムである。
【0254】
次に、アクセサリー400に電力を供給する制御(以下、給電制御という)における処理について説明する。カメラシステム1は、給電制御において、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給を開始する。そして、カメラシステム1は、アクセサリー400において消費される電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給するか否かを示す情報に基づいて、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給を制御する。以下、アクセサリー400に電力を供給する制御における処理フローの一例を説明する。
【0255】
図14は、アクセサリーに電力を供給する制御における処理の手順を示す図である。図14に示す処理のうち、ステップS101からステップS105までの処理は、通信準備シーケンス(図11参照)において説明した処理と同様の処理である。ステップS101からステップS105までの処理により、カメラ制御部170は、通信準備シーケンスにおいて、起動検出レベルDETの信号レベルに基づいて、アクセサリー400への電力の供給を開始する(ステップS103参照)。
【0256】
また、図14に示す処理のうち、ステップS201からステップS204までの処理は、初期通信シーケンス(図12参照)において説明した処理と同様の処理である。ステップS204の処理において、カメラ制御部170は、アクセサリー400において消費される電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給するか否かを示す情報として、例えば電池有無情報をアクセサリー制御部440から受信する。
【0257】
カメラ制御部170は、ステップS204の処理の終了後に、ステップS204において受信した電池有無情報に基づいて、アクセサリー400に電池が搭載されているか否かを判定する(ステップS250)。カメラ制御部170は、ステップS250の判定処理でアクセサリー400に電池が搭載されていると判定した場合(ステップS250;Yes)に、通信準備シーケンスのステップS103で開始したアクセサリー400への電力供給を停止する制御を行う(ステップS251)。すなわち、カメラ制御部170ステップS251において、カメラ制御部170は、アクセサリー電源制御部33を制御して、カメラボディ100からアクセサリー400への電力の供給をアクセサリー電源制御部33に停止させる。カメラ制御部170は、ステップS250の判定処理でアクセサリー400に電池が搭載されていないと判定した場合(ステップS250;No)に、通信準備シーケンスのステップS103で開始したアクセサリー400への電力供給を維持する。アクセサリー400への電力供給の制御は、アクセサリー400に電池が搭載されていないとカメラ制御部170が判定した後、又は、カメラ制御部170がアクセサリー400への電力供給を停止させた後に、終了される。
【0258】
以上のように、カメラ制御部170は、電池有無情報に基づいてアクセサリー400に電池が搭載されていると判定した場合に、アクセサリー400における消費電力をアクセサリー400に搭載されている電池から供給するものと判定し、アクセサリー400への電力の供給を停止する。また、カメラ制御部170は、電池有無情報に基づいてアクセサリー400に電池が搭載されていないと判定した場合に、アクセサリー400における消費電力をアクセサリー400に搭載されている電池から供給しないものと判定し、アクセサリー400への電力の供給を継続する。このように、アクセサリー制御部440は、アクセサリー400内に電源を備えているか否か、換言すれば、アクセサリー400側での消費電力をアクセサリー400内に搭載されている電池から供給するか否か(カメラ10からの給電を必要とせず、アクセサリー400側だけで電力を賄えるか否か)、さらに換言すればアクセサリー400が消費する電力の供給をカメラ10に対して要請するか否か、を示す情報として、電池有無情報をカメラ制御部170に送る。本実施形態において、アクセサリー制御部440は、電池有無情報をカメラ制御部170からの要求(ステップS201参照)に応じて送る。
【0259】
ところで、本実施形態のカメラシステム1は、カメラ10がアクセサリー400に電力を供給し、アクセサリー400には電源が搭載されていない。そのため、アクセサリー制御部440は、アクセサリー400に電源が搭載されていないことを示す電池有無情報(電池「無」情報)をカメラ10に送る。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から送られてきた電池有無情報(ステップS204参照)に基づいて、電池有無情報が送られてくるよりも前に開始していたアクセサリー400への電力の供給を継続する。このように、電源を備えていないアクセサリー400におけるアクセサリー制御部440は、アクセサリー400において消費される電力をカメラ10から供給させるために、電池有無情報(電池「無」情報)をカメラ10に送る。
【0260】
なお、アクセサリー400としては、アクセサリー400側で消費する電力をカメラ10以外から供給される場合もありうる。例えばアクセサリー400内部に電源(電池など)を搭載している場合や、或いはアクセサリー400に対して外部から電源を供給する外部電源を備えている場合(例えばアクセサリー400に電源供給するバッテリーパックを装着するシステムや、或いはアクセサリー400にACアダプター等を介して家庭用(商用)電源を供給するシステム)などである。このような場合、例えばアクセサリー400内部に電池が搭載されている場合に、アクセサリー制御部440は、そのアクセサリー内部の電源からアクセサリー400が消費する電力の供給を受けるアクセサリーであることを示す電池有無情報(電池「有」情報)をカメラ10に送る。この場合のカメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から送られてきた電池有無情報(電池「有」情報)(ステップS204)に基づいて、その電池有無情報(電池「有」情報)を受信するよりも前に開始していたアクセサリー400への電力の供給を停止する(ステップS251参照)。
【0261】
以上のような給電制御を行うことによって、カメラ10は、例えばアクセサリー400側に電源を搭載している場合には、アクセサリー400側に与える必要の無い電力を供給し続けることによるカメラ10の電力不足の発生を抑制することができる。このように、カメラシステム1は、例えばカメラ10の電力不足による動作停止等の不具合の発生を抑制することができ、利便性の高いシステムである。
【0262】
なお、上記の説明において、電池有無情報は、アクセサリー400において消費される電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給するか否かを示す情報であるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電池有無情報は、カメラ10からの電力を受電することが可能であるか否かを示す情報、換言すれば、カメラ10からの電力を受電する受電能力をアクセサリー400側が備えるか否かを示す情報であってもよい。このように、電池有無情報が上記いずれの情報を示すものであっても、カメラシステム1は、カメラ10からアクセサリー400に給電しなければならないのか否かを(カメラ10からアクセサリー400への給電を継続しなければならないのか否か)を確実に判断でき、その給電によってアクセサリー400は動作を継続できるので、カメラ10からの給電停止によるアクセサリー400側の動作停止等の不具合の発生を抑制でき、利便性の高いシステムになる。
【0263】
次に、定常通信シーケンスについて説明する。カメラシステム1は、定常通信シーケンスにおいて、カメラ10とアクセサリー400との間で撮影に必要とされる情報を相互に送る。定常通信シーケンスは、図10に示したように割込要求が発生していない期間において、例えば周期が200ms程度の周期で繰り返し実行される。カメラ10とアクセサリー400は、繰り返し行われる定常通信シーケンスのそれぞれにおいて、正気通信シーケンスと同様に、複数の情報を予め定められた順に従って送受信する。
【0264】
また、カメラ10とアクセサリー400は、それぞれ、前回の初期通信シーケンス又は前回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報を、必要に応じて、今回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報に更新する。また、カメラシステム1は、初期状態情報を更新する場合に、初期通信シーケンスをやり直すこと、又は更新が必要な項目を指定して初期状態情報を更新することができる。以下、定常通信シーケンスの処理フローの一例を説明する。
【0265】
図15は、定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図16は、図15から続く処理の手順を示す図である。
【0266】
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスが開始されると、カメラ設定状態情報の送信を通知する送信通知コマンドC10をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS301)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC10を受信して、カメラ設定状態情報を受信する準備をする(ステップS302)。カメラ制御部170は、送信通知コマンドC10で指定した項目の最新のカメラ設定状態情報を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS303)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC10に指定された項目の最新のカメラ設定状態情報を、受信する(ステップS304)。
【0267】
カメラ制御部170は、初期通信シーケンスのステップS204(図12参照)で取得した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能を有しているか否かを判定する(ステップS305)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有しているとステップS305で判定した場合(ステップS305;Yes)に、照明発光機能の設定状態を示す照明設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC11を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS306)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC11を受信(ステップS307)した後に、照明設定状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS308)。カメラ制御部170は、照明設定状態情報を受信する(ステップS309)。
【0268】
カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有していないとステップS305で判定した場合(ステップS305;No)、又はステップS309の処理の終了後に、アクセサリー設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC12を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS310)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC12を受信して(ステップS311)、送信要求コマンドC12に指定された項目の最新のアクセサリー設定状態情報を、カメラ制御部170へ送信する(ステップS312)。カメラ制御部170は、送信要求コマンドC12によって指定した項目の最新のアクセサリー設定状態情報を、受信する(ステップS313)。
【0269】
カメラ制御部170は、ステップS313で取得したアクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれているか否かを判定する(ステップS314)。初期化要求は、カメラ制御部170が初期通信シーケンス又は定常通信シーケンスで取得したアクセサリー400に関する情報を取得しなおすことを、アクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
【0270】
カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれているとステップS314で判定した場合(ステップS314;Yes)に、初期通信シーケンス又は定常通信シーケンスで取得したアクセサリー400に関する情報を破棄する(ステップS315)。カメラ制御部170は、ステップS315の処理の終了後に、初期通信シーケンスを開始する(ステップS316)。
【0271】
カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれていないとステップS314で判定した場合(ステップS314;No)に、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報に、プロファイル更新要求情報が含まれているか否かを判定する(ステップS317)。このプロファイル更新要求情報は、カメラ制御部170が初期通信シーケンスで取得した照明発光機能の特性情報のうちプロファイル情報を更新することをアクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
【0272】
カメラ制御部170は、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報にプロファイル更新要求情報が含まれているとステップS317で判定した場合(ステップS317;Yes)に、プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC13を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS318)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC13を受信して(ステップS319)、プロファイル情報を送信する(ステップS320)。カメラ制御部170は、プロファイル情報を受信して(ステップS321)、ステップS321の処理前に保持していたプロファイル情報を、ステップS321で受信した照明発光機能の特性情報へ更新する。
【0273】
カメラ制御部170は、ステップS321の処理の終了後、又はアクセサリー設定状態情報にプロファイル更新要求情報が含まれていないとステップS317で判定した場合(ステップS317;No)に、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報に、照明プロファイル更新要求情報が含まれているか否かを判定する(ステップS322)。プロファイル更新要求情報は、カメラ制御部170が初期通信シーケンスで取得した照明プロファイル情報を更新することをアクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
【0274】
カメラ制御部170は、ステップS313でアクセサリー設定状態情報に照明プロファイル更新要求情報が含まれているとステップS322で判定した場合(ステップS322;Yes)に、照明プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC14を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS323)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC14を受信して(ステップS324)、照明プロファイル情報を送信する(ステップS325)。カメラ制御部170は、照明プロファイル情報を受信して(ステップS326)、ステップS321の処理前に保持していた照明プロファイル情報を、ステップS321で受信した閃光発光機能の特性情報へ更新する。
【0275】
定常通信シーケンスは、カメラ制御部170が照明プロファイル情報の受信を終了した後、又はカメラ制御部170がアクセサリー設定状態情報に閃光発光機能に関する更新要求情報が含まれていないとステップS322で判定した場合(ステップS322;No)に、終了される。
【0276】
以上のように、記憶部444は、カメラ制御部170からの要求情報に応じて応答する複数の応答情報を予め記憶する。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報(ステップS311参照)に応じて、記憶部444に記憶された複数の応答情報を予め設定される順にカメラ制御部170に送る(ステップS312)。これにより、カメラシステム1は、例えば要求情報と応答情報が整合しないことによる通信の失敗等の発生が抑制されるので、利便性が高いシステムである。
【0277】
また、本実施形態によれば、カメラ10とアクセサリー400との最初の要求コマンドC1に対するアクセサリー400の応答において、拡張機能ありを示す応答が含まれていた場合には、カメラ10側は照明初期状態情報を要求(ステップS211参照)する前に、まず拡張機能の特性情報を要求(ステップS206参照)する。そしてアクセサリー400側はカメラ10からのそれらの要求手順に従って、まず拡張機能の起動を開始する。このように手順を構成することによって、拡張機能の起動を早めることができる。
【0278】
ところで、カメラ制御部170は、上述の定常通信シーケンスで更新したアクセサリー設定状態情報又はアクセサリー初期状態情報によって、アクセサリー400に関する設定の変更が必要になる場合がある。アクセサリー制御部440は、今回の定常通信シーケンスで更新したカメラ設定状態情報によってカメラ10に関する設定の変更が必要になった場合に、その必要になった設定の変更を次回の定常通信シーケンスまでに完了する。例えば、アクセサリー制御部440は、照明発光機能と閃光発光機能のいずれを有効にするかの設定を行って、有効とされた発光機能を機能させるための制御を行う。
【0279】
これに関する一例として、各発光機能を有効又は無効にする設定処理について説明する。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードに応じて行われる。カメラシステム1は、カメラ10の撮影モードに応じてアクセサリー400の発光部425を制御する。撮影モードは、例えばユーザーからの入力等に応じて設定される。撮影モードを動画撮影モードに設定したことを示す入力(動画の撮像を行うモードを設定する旨のユーザーからの入力)があった場合には、アクセサリー400側は照明発光機能を機能させる第1撮影モードに設定される。また撮影モードを静止画撮影モードに設定したことを示す入力(レリーズ釦16が全押しされる度に1枚の静止画の撮像を行うモードを設定する旨のユーザーからの入力)があった場合には、アクセサリー400側は閃光発光機能を機能させる第2撮影モードに設定される。また、撮影モードとして発光禁止撮影モード(発光機能を機能させないで撮影するモード)に設定したことを示すユーザーからの入力があった場合や、露光量を確保する上で発光機能を機能させなくてもよい場合には、アクセサリー400側は照明発光機能と閃光発光機能のいずれも機能させない第3撮影モードに設定される。
【0280】
次に、図17のフローチャートを参照して、各発光機能を有効又は無効にする設定処理の処理フローについて説明する。
【0281】
図17は、各発光機能を有効又は無効にする設定処理の手順を示す図である。図17に示す処理のうち、ステップS304の処理は、定常通信シーケンス(図12、図13参照)において説明した情報受信処理(例えばステップS204DやステップS237)と同様の処理である。
【0282】
ステップS304において、アクセサリー制御部440は、カメラ10がいずれの撮影モード(動画モードまたは静止画モード)に設定されているかを示す撮影モード情報を含んだ、既述の「カメラ設定状態情報」を受信する。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、例えば、定常通信シーケンスのステップS304で受信したカメラ設定状態情報に含まれる撮影モード情報が更新された場合に、例えば次回の定常通信シーケンスが開始されるまでに完了する。
【0283】
アクセサリー制御部440は、定常通信シーケンスのステップS304で受信したカメラ設定状態情報に含まれる撮影モード情報に基づいて、カメラ10の撮影モードが照明発光機能を機能させる第1撮影モード(照明撮像)に設定されているか否かを判定する(ステップS330)。アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されていると判定した場合(ステップS330;Yes)に、閃光発光機能をオフ状態(無効)に設定するとともに照明発光機能をオン状態(有効)に設定し、設定した状態をフラグによって保持させる(ステップS331)。
【0284】
なお、閃光発光機能をオフ状態に設定し且つ照明発光機能をオン状態(有効)に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、既述の第1導通スイッチをOFF状態し且つ第2導通スイッチをON状態に設定する。また、閃光発光機能をオフ状態に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、閃光発光のための準備処理、すなわち上述した蓄積部への本充電処理や、蓄積部の充電量をモニタするモニタ充電処理を停止する。
【0285】
アクセサリー制御部440は、ステップS331における処理に続いて、第1パイロットランプ455(PL2)を消灯に設定するとともに、第2パイロットランプ460(PL1)を点灯に設定する(ステップS332)。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されている場合に、ステップS332の処理の終了後に、終了される。
【0286】
アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されていないと判定した場合(ステップS330;No)に、撮影モード情報に基づいて、カメラ10の撮影モードが閃光発光機能を機能させる第2撮影モード(閃光撮像)に設定されているか否かを判定する(ステップS333)。アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードに設定されていると判定した場合(ステップS333;Yes)に、閃光発光機能を有効に設定するとともに照明発光機能を無効に設定し、設定した状態をフラグによって保持させる(ステップS334)。
【0287】
なお、閃光発光機能を有効に設定し且つ照明発光機能を無効に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、既述の第1導通スイッチをON状態し且つ第2導通スイッチをOFF状態に設定する。また閃光発光機能を有効に設定した段階で、アクセサリー制御部440は、閃光発光のための準備処理、すなわち上述した蓄積部への充電処理を行う。
【0288】
アクセサリー制御部440は、ステップS334における処理によって閃光発光の準備処理(充電処理)が完了すると、それに続いて、第1パイロットランプ455を点灯に設定するとともに、第2パイロットランプ460を消灯に設定する(ステップS335)。ユーザーは、この第1パイロットランプ455の点灯によって閃光発光部430が発光可能な状態(充電完了状態)にあることを知ることができる。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードに設定されている場合に、ステップS335の処理の終了後に、終了される。
【0289】
アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードに設定されていないと判定し(ステップS330;No)、かつカメラ10の撮影モードが第2撮影モードに設定されていないと判定した場合(ステップS333;No)に、カメラ10の撮影モードが発光機能を使用しない第3撮影モードに設定されていると判定して、閃光発光機能を無効に設定するとともに照明発光機能も無効に設定し、設定した状態をフラグによって保持させる(ステップS336)。アクセサリー制御部440は、ステップS336における処理に続いて、パイロットランプ455を消灯に設定するとともに、パイロットランプ460も消灯に設定する(ステップS337)。各発光機能を有効又は無効にする設定処理は、カメラ10の撮影モードが第3撮影モードに設定されている場合に、ステップS337の処理の終了後に、終了される。
【0290】
以上のような処理フローにおいて、アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードを示す撮影モード情報が入力される(ステップS304参照)。例えば、アクセサリー制御部440は、選択された撮影モードが第1撮影モードの場合には、第1撮影モード情報が入力される。アクセサリー制御部440は、選択された撮影モードが第2撮影モードの場合には、第2撮影モード情報が入力される。
【0291】
アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードに応じて、アクセサリー400における処理を制御する。例えば、アクセサリー制御部440は、撮影モードに応じて、閃光発光部430の発光処理、照明光発光部435の発光処理を制御する。アクセサリー制御部440は、例えば撮影モードが第1撮影モードに設定されている場合には、照明発光機能を有効に設定(ステップS331参照)して、照明光発光部435の発光処理を制御する。また、アクセサリー制御部440は、例えば撮影モードが第2撮影モードに設定されている場合には、閃光発光機能を有効に設定(ステップS334参照)して、閃光発光部430による発光処理を制御する。アクセサリー制御部440は、閃光発光機能を有効に設定した場合に、後に説明する充電制御等の制御を行う。
【0292】
このように、カメラシステム1は、例えばユーザーが選択した撮影モードに応じて、アクセサリー制御部440が各発光機能の有効又は無効を自動的に設定する。そしてこのアクセサリー400側の自動設定に伴って、閃光発光部430を無効に設定した場合には、充電処理などの閃光発光部430での発光準備動作も自動的に停止するので、アクセサリー400内での無用な電力消費を抑制することができ、利便性が高いシステムである。
【0293】
次に、閃光発光機能において機能させる閃光発光部430に対する充電制御について説明する。
【0294】
図18は、閃光発光機能において機能させる閃光発光部430に対する充電制御の処理の手順を示す図である。カメラシステム1は、充電制御を開始すると、初期通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行し(ステップS7)、次いで定常通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS8)。カメラシステム1は、ステップS8の処理を終了した後に、撮像処理(割込処理)を実行するか否かを判定する(ステップS9)。カメラシステム1は、撮像処理を実行するとステップS9でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS9;Yes)に、撮影シーケンスの各処理を実行する。
【0295】
本実施形態において、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮像処理、AF制御、AE制御、AWE制御等を含む撮影処理を行う。また、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮影処理とともに撮影シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS10)。カメラシステム1は、撮影シーケンスにおける撮影処理と充電制御の各処理とが終了した後、又は撮像処理を実行しないとステップS9でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS9;No)に、ステップS8に戻って定常通信シーケンスにおける充電制御を再度行う。
【0296】
上記のように、定常通信シーケンスは、撮像処理を行わない期間において一定の周期(例えば200ms)で繰り返し行われる。また、撮影シーケンスに続く定常通信シーケンスは、撮影シーケンスの直前に行った定常通信シーケンスから、撮影シーケンスの処理を行う期間の長さに応じた時間が経過した後に行われる。すなわち、定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われる。
【0297】
各定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報を含んだ充電状態情報を、カメラ制御部170に送信する。定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われるので、アクセサリー制御部440は、充電状態情報を、一定又は不定の周期で繰り返しカメラ制御部170に送ることになる。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した充電状態情報に基づいて、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる。
【0298】
ところで、撮像シーケンスを開始する場合に定常通信シーケンスが休止されるので、アクセサリー制御部440は、カメラ10が撮影処理を行う状態にある期間において、充電状態情報をカメラ制御部170に送信しないことになる。撮像シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信しなくとも、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる指令を、アクセサリー制御部440に送る。
【0299】
以上のように、カメラシステム1において、閃光発光部430に対する充電制御は、各シーケンスに対応して行われる。以下、閃光発光部430に対する充電制御のうち、各シーケンスにおいて処理を、シーケンスごとに説明する。
【0300】
まず、閃光発光部430に対する充電制御のうち、初期通信シーケンスにおける充電制御について説明する。本実施形態のアクセサリー400は、アクセサリー400の消費電力を供給する電源(電池)が搭載されていない。また、アクセサリー400の充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中を除くと蓄積部に蓄積されている蓄電量(充電量)を検出することができない。すなわち、本実施形態のアクセサリー400は、初期通信シーケンスが開始される時点における充電部432の充電量を示す情報を保持していない。そこで、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスにおいて、設定情報としてアクセサリー400側(充電部432)におけるモニタ充電動作を許可することを示すモニタ充電情報を含んだカメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信し、アクセサリー制御部440にモニタ充電を行わせる。モニタ充電情報は、カメラ制御部170がアクセサリー制御部440に対して、モニタ充電動作を許可するか否かを示す情報である。モニタ充電情報は、モニタ充電の「許可」及び「禁止」を“0(ゼロ)”及び“1”で表すモニタ充電許可フラグデータである。モニタ充電情報は、記憶部158に予め記憶される。以下、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理フローの一例を説明する。
【0301】
図19は、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。図19に示す処理のうち、ステップS204AからステップS204Dの処理は、初期通信シーケンス(図12参照)において説明した処理と同様の処理である。カメラ制御部170は、ステップS204Aの処理によって送信通知コマンドC20をアクセサリー制御部440に送信した後、記憶部158に記憶されたカメラ初期状態情報を読み出す。このカメラ初期状態情報は、上述したモニタ充電「許可」情報を含む。次に、カメラ制御部170は、ステップS204Aで読み出したカメラ初期状態情報を、ステップS204Cの処理によってアクセサリー制御部440に送信する。
【0302】
アクセサリー制御部440は、ステップS204Dの処理によってカメラ初期状態情報を受信すると、このカメラ初期状態情報を記憶部444に記憶させる。つまり、カメラボディ100から供給されたモニタ充電「許可」情報は、記憶部444に記憶される。アクセサリー制御部440は、モニタ充電「許可」情報に基づいて、充電部432の蓄積部を僅かに充電するモニタ充電処理を充電部432に開始させる(ステップS401)。充電部432は、モニタ充電処理によって充電部432に蓄積された蓄電量(モニタ充電量)を検出し、このモニタ充電量に基づいて現時点での蓄積部の充電電荷量を算出する。アクセサリー制御部440は、充電部432からこの充電電荷量を示す情報を取得する(ステップS402)。アクセサリー制御部440は、ステップS402において取得した蓄積電荷量を示す情報に基づいて、初期通信シーケンスに続く定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を生成し、生成した充電状態情報を記憶部444に記憶させる。初期通信シーケンスにおける充電制御は、アクセサリー制御部440が充電状態情報を記憶部444に記憶させた後に、終了される。
【0303】
以上のように、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170との周期的な通信(定常通信シーケンス)を開始する前に、モニタ充電量を示す情報を取得する。また、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスにおいて、充電要求をカメラ制御部170に送ることなくモニタ充電を充電部432に行わせることができる。これにより、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスに続く初回の定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を、初期通信シーケンスにおいて準備することができる。結果として、カメラ制御部170は、初回の定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信し、受信した充電状態情報に基づいて充電制御を開始することができる。これにより、カメラシステム1は、カメラボディ100にアクセサリー400が装着されてから充電制御が開始されるまでの時間を短縮することができる。結果として、カメラシステム1は、閃光発光機能を機能させる撮影を行うことができるまでの時間を短縮することができ、利便性が高いシステムになる。
【0304】
次に、閃光発光部430に対する充電制御のうち、定常通信シーケンスにおける充電制御について説明する。
【0305】
本実施形態のカメラシステム1は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第1の処理として、充電部432の充電状態を示す複数の項目について、撮影処理に対する影響が大きい順に判定する。第1の処理において、カメラ制御部170は、今回の定常通信シーケンスにおいてアクセサリー制御部440から受信したアクセサリー設定状態情報に含まれている充電状態情報に基づいて、充電部432の充電状態を判定する。アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報をカメラ制御部170に送る。なお充電状態情報には、既述したように、充電要求があるか否かを示す充電要求情報、充電部432が充電中であるか否かを示す充電経過情報、充電部432が充電可能であるか否かを示す充電可否情報、及び閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)であるか否かを示す発光可否情報が含まれる。
【0306】
また、本実施形態のカメラシステム1は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第2の処理として、閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)になっていない場合に、カメラシステム1において行われる複数の処理のうち充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理を優先させて行う。
【0307】
例えば、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でない場合に、AF制御やパワーズーム制御等のカメラ10側の動作を中断(動作禁止状態に設定)し、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理をAF制御やパワーズーム制御よりも優先させる。カメラ制御部170は、動作禁止状態に設定した場合に、予め設定された第1充電速度で、充電部432に充電(通常充電)を行わせる。また、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態である場合に、第1充電速度よりも遅い第2充電側で、充電部432に充電(スロー充電)を行わせ、また動作禁止状態を解除する。
【0308】
図20は、定常通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。図20に示す処理のうち、ステップS313の処理は、定常通信シーケンス(図15参照)において説明した処理と同様の処理である。ステップS313において、カメラ制御部170は、充電状態情報を含んだアクセサリー設定状態情報を受信する。カメラ制御部170は、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの既述した充電可否情報に基づいて、充電部432が充電可能であるか否かを判定する(ステップS430)。カメラ制御部170がステップS430において、充電部432が充電不可である、と判定した場合(ステップS430;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は、終了する。
【0309】
カメラ制御部170は、充電部432が充電可能であるとステップS430で判定した場合(ステップS430;Yes)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、モニタ充電要求があるか否かを判定する(ステップS431)。カメラ制御部170は、モニタ充電要求があるとステップS431で判定した場合(ステップS431;Yes)に、アクセサリー制御部440にモニタ充電の開始を要求する指令(モニタ充電指令)をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS432)。この定常通信シーケンスにおける充電制御は、ステップS432の処理が終了した後に終了される。
【0310】
カメラ制御部170は、モニタ充電要求がないとステップS431で判定した場合(ステップS431;No)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、本充電要求があるか否かを判定する(ステップS433)。カメラ制御部170は、本充電要求があるとステップS433で判定した場合(ステップS433;Yes)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS434)。
【0311】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態ではないとステップS434で判定した場合(ステップS434;No)に、負荷部30の一部の動作を制限(禁止)する動作禁止状態に設定する(ステップS435)。本実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS435で負荷部30のうち重負荷部の少なくとも一部の動作を制限する。本実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS435で光学系駆動部220の動作を制限(禁止)する。
【0312】
カメラ制御部170は、ステップS435の処理の終了後に、通常充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に指令する通常充電指令を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS436)。通常充電指令は、予め設定された第1充電速度の本充電を行うことを要求する指令である。ステップS436の処理が終了した後、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0313】
ところで、充電部432が蓄積部(電荷蓄積部)を充電するのに必要とされる時間は、AF制御を開始してから合焦するまでに要する時間よりも長い。本実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光部430が発光不能である(レディ状態に無い)場合に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電の方を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。これにより、カメラ制御部170は、閃光発光を伴う本撮影を行うためにレリーズ釦16が全押し操作されてから、実際に閃光発光を伴う撮影が可能になるまでに要する時間を短縮できる。
【0314】
一例として、閃光発光部430の発光を必要とする撮影状況において、AF制御を完了させて被写体にピントを合わせてから蓄積部の充電を開始すると、充電している間に被写体が動く等してシャッターチャンスを逃してしまう虞がある。本実施形態では、このような状況下において、AF制御等のカメラ10側の動作を禁止し、充電部432の蓄積部の充電を優先するので、シャッターチャンスを逃さずに撮影を行うことができる。
【0315】
なお、本実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光機能を機能させた撮影処理の直後にもステップS435と同様に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。
【0316】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS434で判定した場合(ステップS434;Yes)に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS437)。カメラ制御部170は、負荷部30の動作禁止状態を解除した後に、スロー充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に対して指令するスロー充電指令を、アクセサリー制御部440に対して送信する(ステップS438)。スロー充電指令は、本充電を第1充電速度よりも遅い第2充電速度で行うことを要求する指令である。本実施形態において、第2充電速度は、予め設定された固定値(例えば、第1充電速度のほぼ半分)である。アクセサリー制御部440は、第2充電速度に指定して、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)を充電させる。ステップS438の処理が終了した後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0317】
カメラ制御部170は、本充電要求がないとステップS433で判定した場合(ステップS433;No)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電経過情報に基づいて、充電部432が充電中であるか否かを判定する(ステップS439)。充電部432が充電中でないとカメラ制御部170がステップS439で判定した場合(ステップS439;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0318】
カメラ制御部170は、充電部432が充電中であるとステップS439で判定した場合(ステップS439;Yes)に、S313において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS440)。閃光発光部430がレディ状態ではないとカメラ制御部170がステップS440で判定した場合(ステップS440;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0319】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS440で判定した場合(ステップS440;Yes)に、ステップS437と同様にスロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS441)。カメラ制御部170は、スロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信した後に、ステップS438と同様に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS442)。ステップS442の処理の終了後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0320】
以上のように、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第1の処理として、充電状態情報に基づいて、予め定められた優先度順に従って充電部432の充電状態を判定する。例えば、カメラ制御部170は、充電状態を示す項目のうち、充電部432が充電可能な状態にあるか否かを最初に判定する(ステップS431参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432が充電可能な状態にあるか否かを判定した後に、充電部432に充電させるための充電要求があるか否かを判定する(ステップS431、ステップS433参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432に充電させるための充電要求があるか否かを判定した後に、充電部432が充電中にあるか否かを判定する(ステップS439参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432が充電中にあるか否かを判定した後に、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)の充電量予め定められた所定の充電量に達している状態(レディ状態)にあるか否かする(ステップS434参照)。充電状態を示す複数の項目の優先度順は、例えば、カメラ10の撮影処理に対する影響が大きくなる項目であるほど先に判定されるように、設定される。このように、カメラシステム1は、予め定められた優先度順に従ってアクセサリー400の充電状態を判定するので効率よく充電制御を行うことができ、利便性が高いシステムである。
【0321】
また、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第2の処理として、充電状態情報に基づいて、制御対象を制御する処理のうちアクセサリー400において行われる充電処理についての優先度を制御する。例えば、カメラ制御部170は、充電部432の充電量が予め定められる閾値未満(発光許可レベル未満)である場合に、光学系210の駆動を制限(ステップS435参照)するように制御する。すなわち、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でない場合に、重負荷部(例えば、光学系駆動部220)が行う処理よりも充電処理が優先して行われるように制御する。本実施形態のカメラシステム1は、上述の如く、閃光発光部430の発光を必要とする撮影状況においてもシャッターチャンスを逃さないので、利便性の高いシステムである。
【0322】
次に、撮影シーケンスにおける処理について説明する。まず、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理を中心に説明する。
【0323】
図21は、撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、ステップS4の定常通信シーケンスの終了によりレリーズ釦16が操作されたことが検出されると、カメラ10の撮影モードが閃光発光機能を機能させる第2撮影モード(閃光撮像)であるか否かを撮影モード情報に基づいて、判定する(ステップS500)。なお、カメラ制御部170は、ステップS4の定常通信シーケンスにおける処理中にレリーズ釦16が操作されたことが検出されると、レリーズ釦16が操作されたことに対する処理をステップS4の定常通信シーケンスの終了まで休止させる。
【0324】
カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードでないとステップS500で判定した場合に(ステップS500;No)、カメラ10の撮影モードが照明発光機能を機能させる第1撮影モード(照明撮像)であるか否かを判定する(ステップS501)。カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードであるとステップS501で判定した場合に(ステップS501;Yes)、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスを実行する(ステップS11)。カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードでないとステップS501で判定した場合に(ステップS501;No)、閃光発光機能と照明発光機能のいずれも機能させない撮影シーケンスを実行する(ステップS12)。
【0325】
カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードであるとステップS500で判定した場合に(ステップS500;Yes)、ステップS4の定常通信シーケンスにおいてアクセサリー制御部440から受信したアクセサリー設定状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS502)。カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でないとステップS502で判定した場合に(ステップS502;No)、ステップS503でレリーズ釦の操作がなかった(レリーズボタンの操作結果解除)とする。ステップS503の処理の終了後に、次回の定常通信シーケンスが開始される。
【0326】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS502で判定した場合に(ステップS502;Yes)、次回の定常通信シーケンスの開始を撮影シーケンスの終了まで停止(遅延)することを示す定常通信停止通知を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS504)。カメラ制御部170は、ステップS504で送信した定常通信停止通知をアクセサリー制御部440が受信したことを検出した後に、アクセサリー制御部440とともに定常通信シーケンスを停止する(ステップS505)。ステップS505の処理の終了後に、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスは、開始される(ステップS13)。
【0327】
カメラ制御部170は、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスが開始された後に、ユーザーが指定する被写体にピントが合うように、AF制御を実行する。また、カメラ制御部170は、既述のモニタ充電指令をアクセサリー制御部440へ送信(ステップS510)し、アクセサリー制御部440に充電部432の充電を開始させる。充電部432による充電は、既述のように予め定められた所定時間だけ継続して行われる。
【0328】
カメラ制御部170は、ステップS510の処理の終了後に、カメラ10の設定状態に応じて、被写体の反射率を測定するために周知のモニタ発光(プリ発光)制御を行う(ステップS511)。モニタ発光制御において、カメラ制御部170は、モニタ発光を実行させるモニタ発光制御信号を、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、アクセサリー制御部440へ送信する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信したモニタ発光制御信号に従って、閃光発光部430を発光させる。カメラ制御部170は、カメラ10の設定状態に応じて、閃光発光部430がモニタ発光を実行したときに撮像(モニタ撮像)された結果を用いたAE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。なお、モニタ発光制御、AE制御、及びAWB制御のうちの少なくとも1つは、カメラ10の設定状態に応じて、省略されることがある。
【0329】
カメラ制御部170は、撮像(本撮像)の実行を指令する旨のレリーズ釦16の操作情報(レリーズ釦16の全押し操作)が検出された場合に、発光制御(本発光制御)を行う(ステップS512)。カメラ制御部170は、レリーズ釦16の操作情報(全押し操作)が検出されたタイミングに応じて設定される撮影タイミングに同期して閃光発光部430の発光を要求する発光制御信号Xを、アクセサリー制御部440へ送信する。発光制御信号Xは、アクセサリー400内において、発光制御の実行前にHレベルに維持されており、カメラ制御部170は、発光制御信号XをLレベルに立ち下げることによって、撮影タイミングをアクセサリー制御部440へ通知する。アクセサリー制御部440は、発光制御信号XがLレベルに立ち下げられたことを検出した場合に、発光制御信号XがLレベルに立ち下げられたタイミングに応じて、閃光発光部430を発光させる。
【0330】
カメラ制御部170は、閃光発光部430が発光するタイミングと同期して、撮像素子121に対する露光を開始する(ステップS513)。カメラ制御部170は、ステップS513で露光を開始してから、AE制御等によって設定された露光時間が経過したときに撮像素子121に対する露光を終了させる(ステップS514)。カメラ制御部170は、ステップS514の処理の終了後に、撮像素子121が撮像した撮像画像を示す画像データを取り込む撮像処理を行う(ステップS515)。カメラ制御部170は、取り込んだ画像データを例えばメモリー140に記憶させる。ステップS515の処理の終了後に閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスは、終了される。
【0331】
次回の定常通信シーケンスは、撮影シーケンスの終了後に、開始される。上記のように、アクセサリー制御部440は、充電要求情報、充電経過情報、充電可否情報、及び発光可否情報を含む充電状態情報を、定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170へ送信する。しかしながら、カメラシステム1は、撮影シーケンスの処理を行っている間には定常通信シーケンスを休止させているので、アクセサリー制御部440が充電状態情報の送信を休止することになる。そこで、カメラ制御部170は、必要に応じて、アクセサリー制御部440に充電制御を実行させる指令をアクセサリー制御部440におくる(ステップS510参照)。このように、カメラ制御部170は、撮影シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から充電要求を受信することなく、アクセサリー制御部440に充電させることができる。また、アクセサリー制御部440は、撮影シーケンスにおいて、充電要求をカメラ制御部170に送信することなくカメラ制御部170からの指令を受けて、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)を充電させることができる。
【0332】
なお、閃光発光機能と照明発光機能のいずれも機能させない第3撮影モードの撮影シーケンス(ステップS12)における処理は、例えば、ステップS513からステップS515の処理を含む。第3撮影モードの撮影シーケンスは、発光制御を行わない点で閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスと異なる。第3撮影モードの撮影シーケンスにおける処理は、発光制御を行わない点を除くと、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスと同様であるので、その説明を省略するまた、カメラ制御部170は、第3撮影モードの撮影シーケンスを行う間に定常通信シーケンスの開始を停止し、第3撮影モードの撮影シーケンスの終了後に定常通信シーケンスを開始する。
【0333】
次に、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスについて説明する。アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モード(照明撮影)に設定されている場合に、照明光発光部435の発光処理を制御する。第1撮影モードは、例えば、予め定められる所定時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モード、あるいは予め定められる所定時間継続する動画撮影処理を行う撮影モードのいずれかの撮影モードである。
【0334】
アクセサリー400は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける第1の処理として、カメラ10からの合焦完了情報を受信したタイミングで、照明光発光部435を点灯する。AE制御やAWB制御は、照明光発光部435が点灯している状態で行われる。
【0335】
また、カメラボディ100は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける第2の処理として、最長点灯時間の終了間際にレリーズ釦16が全押しされた場合に、最長点灯時間を超えて点灯時間を延長させる。カメラボディ100は、第2の処理の初期条件として、照明発光機能を機能させる第1撮影モードの撮影シーケンスが開始する前(図22のフローチャートを実行開始する前)に行われた上述の定常通信シーケンス(例えば、図15のステップS309参照)において、アクセサリー制御部440から照明発光機能の特性情報を受信している。照明発光機能の特性情報は、最長点灯時間(照明発光部435を連続点灯可能な期間(時間)を示す情報)を示す情報を含んでいる。
【0336】
図22は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、照明発光機能を機能させる第1撮影モードの撮影シーケンスが開始した後に、撮像の準備を開始することを示すレリーズ釦16の操作(半押し)を検出(ステップS601)すると、AF制御を開始する(ステップS602)。カメラ制御部170は、AFセンサーによって合焦状態を検出してAF制御が終了(ステップS603)した後に、所望の被写体に対する合焦動作の完了(合焦状態に至ったこと)を示す合焦完了情報(合焦状態情報)をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS604)。アクセサリー制御部440は、この合焦状態情報を受信(ステップS605)した後に、照明光発光部435に点灯を開始させる(ステップS606)。撮影シーケンスが開始した時点において、アクセサリー制御部440が照明光発光部435を点灯させる時間(通常点灯時間)は、予め設定された所定の時間だけ照明光発光部435の最長点灯時間よりも短く設定されている。
【0337】
カメラ制御部170は、ステップS604の処理の終了後に、AE制御及びAWB制御を開始(ステップS607)して、照明光発光部435が被写体を照らしている状態でAE制御及びAWB制御を行う。カメラ制御部170は、AE制御及びAWB制御が完了(ステップS608)し、撮像を要求することを示すレリーズ釦16の操作(全押し)を検出する(ステップS609)。ステップS609の処理の終了後に、カメラ制御部170は、最長点灯時間内に撮像を完了可能であるか否かを判定する(ステップS610)。
【0338】
カメラ制御部170は、ステップS610において、合焦完了(状態)情報を送信(ステップS604)したタイミングと、通常点灯時間と、ステップS609でレリーズ釦16の操作(全押し)を検出したタイミング(撮影開始時刻)とに基づいて、通常点灯時間内に撮像を完了可能であるか否かを判定する。カメラ制御部170は、例えば、レリーズ釦16の操作(全押し)を検出した時点で照明光発光部435に残されている点灯時間を求め、撮像を完了するのに必要とされる時間とを比較することによって、通常点灯時間内に撮像を完了可能であるか否かを判定する。
【0339】
カメラ制御部170は、通常点灯時間内に撮像を完了可能であると判定した場合(ステップS610;Yes)に、撮像素子121に対する露光を開始する(ステップS615)。
【0340】
カメラ制御部170は、通常点灯時間内に撮像を完了不能であると判定した場合(ステップS610;No)に、点灯時間を通常点灯時間から最長点灯時間以下の時間まで延長し、さらに撮像を完了可能であるか否かを判定する(ステップS611)。通常点灯時間よりも延長した時間内に撮像を完了不能であるとカメラ制御部170がステップS611で判定した場合(ステップS611;No)、撮影シーケンスは終了する。カメラ制御部170は、通常点灯時間よりも延長した時間内に撮像を完了可能であるとステップS611で判定した場合(ステップS611;Yes)に、点灯時間を延長することを示す延長情報をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS612)。アクセサリー制御部440は、延長情報を受信する(ステップS613)。カメラ制御部170は、ステップS612の処理の終了後に、撮像素子121に対する露光を開始する(ステップS615)。
【0341】
カメラ制御部170は、ステップS615で露光開始してから、AE制御によって設定された露光時間が経過したときに撮像素子121に対する露光を終了させる(ステップS616)。カメラ制御部170は、ステップS616の処理の終了後に、撮像素子121が撮像した撮像画像の画像データを生成させ、生成した画像データをメモリー140等に取り込んで記憶させる(ステップS617)。カメラ制御部170は、ステップS617の処理の終了後に、露光を終了したことを示す露光終了情報をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS618)。
【0342】
アクセサリー制御部440は、ステップS606で照明光発光部435の点灯を開始した後に、カメラ制御部170から延長情報を受信したか否かを判定する(ステップS613)。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から延長情報を受信したとステップS613で判定した場合(ステップS613;Yes)に、照明光発光部435の点灯時間が通常点灯時間を超えて照明光発光部435の点灯を継続するように照明光発光部435の延長条件を設定する。
【0343】
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から延長情報を受信していないとステップS613で判定した場合(ステップS613;No)に、照明光発光部435の点灯時間を変更しないで照明光発光部435を点灯状態に維持する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から露光終了情報を受信(ステップS619)した後、照明光発光部435を消灯させる(ステップS620)。
【0344】
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から延長情報を受信していない状態で、照明光発光部435の点灯時間が最長点灯時間になった場合には、照明光発光部435を消灯させる。ステップS618の処理とステップS620の処理が終了した後に、照明発光機能を用いた撮影シーケンスは終了する。
【0345】
上記のような手順で行われた第1の処理において、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170が合焦状態を検出した場合に、カメラ制御部170の制御によって照明光発光部435を点灯させる(ステップS606)。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信した合焦完了情報(ステップS605)に応じて照明光発光部435を点灯させる(ステップS606)。合焦完了情報は合焦状態を示す情報である。
【0346】
また、カメラ制御部170は、照明光発光部435によって被写体が照明されている状態で、露光量を調整するAE制御と色調を調整するAWB制御との少なくとも一方を開始する(ステップS608)。AE制御とAWB制御は、照明光発光部435の発光特性を示す情報に基づいて行われる。これにより、カメラシステム1は、照明光発光部435から被写体に照射された光による露光量(明るさ)への影響や色調(色味)への影響が加味された状態で被写体を撮像することができる。また、カメラシステム1は、アクセサリー制御部440が合焦完了情報を受信した後に、照明光発光部435の点灯を開始する(発光開始タイミングをAF開始タイミングよりも遅らせる)よう構成しているので、AF開始タイミング(半押し操作時点)と同時に照明光を発光する場合に比して、本撮影期間中に本撮影動作と並行して照明光を発光(点灯)できる期間を長くすることができる。このため、撮影動作が完了する前に照明光発光部435の点灯が終了してしまって撮影期間中の後半の撮影が照明光量不足(露出不足)に陥ってしまうリスクを低減できる。このように、カメラシステム1は、利便性が高いシステムである。
【0347】
また、上記のような手順で行われた第2の処理において、カメラ制御部170は、照明光発光部435の点灯時間を、撮影開始時刻に応じて通常点灯時間よりも延長させるように制御する。最長点灯時間は、例えば照明光光源436の発熱量に応じて予め設定されている。通常点灯時間は、最長点灯時間に応じて予め設定される。最長点灯時間は、例えば照明光光源436の発熱量に応じて、予め設定されている。アクセサリー制御部440は、予め設定された通常点灯時間内において、照明光発光部435を点灯させる。アクセサリー制御部440は、撮影開始時刻に応じて、照明光発光部435の点灯時間を、通常点灯時間よりも延長させるように制御する。以下、数値例を示して第2の処理を説明する。
【0348】
図23は、点灯時間を延長する制御の各処理を行うタイミングを示す図である。図23(A)には、通常点灯時間内に撮影が完了する場合の各処理を行うタイミングが図示されている。図23(B)には、点灯時間を最長点灯時間内に延長して撮影が完了する場合の各処理を行うタイミングが図示されている。図23(A)及び図23(B)において、符号Tnは、撮影開始時刻から通常点灯時間(例えば6秒)の経過した時刻を示し、符号Tmは撮影開始時刻から最長点灯時間(例えば8秒)の経過した時刻を示す。撮影を行う時間(撮影時間)は、露光を開始(ステップS615)してから露光を終了(ステップS616)するまでの時間であり、予め設定される時間(例えば2秒)である。
【0349】
本実施形態のカメラシステム1は、撮影時間の間に複数フレームの画像を撮像する。また、本実施形態のカメラシステム1は、撮影処理(図23中に「撮影」と示す)を行う所望の期間に先立ち、プリキャプチャーを行う。プリキャプチャーは、レリーズ釦16が全押しされるよりも前に画像の取り込みを開始する処理である。ここでカメラシステム1は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した場合に、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻よりも前に撮像が開始されたものとする。すなわち、カメラシステム1は、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻の前に続く所定の時間に取り込まれている画像と、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻の後に続く所定の時間に取り込まれている画像とを、撮像処理において撮像された画像とする。
【0350】
まず、点灯時間を延長させることなく撮影処理を完了させる例について説明する。図23(A)に示すように、カメラ10は、時刻t10において、レリーズ釦16が半押しされたことを検出した時刻に応じてAF制御を開始する。また、カメラ10は、時刻t10よりも後の時刻t11において、AF制御が完了した時刻に応じて、アクセサリー400の照明光発光部435を点灯させる。また、カメラ10は、時刻t11において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を開始し、例えば被写体が照明光発光部435に照らされている状態において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。
【0351】
本実施形態のカメラ10は、時刻t11よりも後の時刻t12において、AE制御とAWB制御とが完了した時刻に応じてプリキャプチャーを開始する。カメラ10は、時刻t12よりも後の時刻t13において、撮影処理を開始する。上記のように、カメラ10は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻よりも前に撮影を開始したものとする。すなわち、レリーズ釦16が全押しされたことをカメラ10が検出した時刻は、撮影処理が開始された時刻t13と撮影処理が終了される時刻t14との間のいずれかの時刻である。本例において、撮影開始時刻t13は、例えば点灯開始時刻(t11)から3秒経過した時刻であるとする。この場合に、撮影時間が2秒であるとすると、撮影時間は、点灯開始時刻から5秒経過した時刻t14(第2の時刻)に終了することになる。この場合に、撮影処理は、点灯開始時刻t10から通常点灯時間(6秒)が経過する時刻Tn(第1の時刻)までに終了することになる。このような場合に、カメラ10は、時刻t14において、撮影処理を終了するとともに照明光発光部435を消灯させる。
【0352】
次に、通常点灯時間を延長させて撮影処理を完了させる例について説明する。図23(B)に示すように、カメラ10は、時刻t20において、レリーズ釦16が半押しされたことを検出した時刻に応じてAF制御を開始する。また、カメラ10は、時刻t20よりも後の時刻t21において、AF制御が完了した時刻に応じて、アクセサリー400の照明光発光部435を点灯させる。また、カメラ10は、時刻t21において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を開始し、例えば被写体が照明光発光部435に照らされている状態において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。また、カメラ10は、時刻t21よりも後の時刻t22において、AE制御とAWB制御とが完了した時刻に応じてプリキャプチャーを開始する。
【0353】
本実施形態のカメラ10は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻に至る撮影開始時刻t23からの時間と、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻から撮影処理を完了させるべき撮影終了時刻t24までの時間とが予め定められている。本例において、撮影開始時刻t23は、例えば点灯開始時刻(t21)から5秒経過した時刻であるとする。この場合に、撮影時間が2秒であるとすると、撮影時間は、点灯開始時刻から7秒経過した時刻t24(第2の時刻)に終了することになる。この場合に、撮影処理は、点灯開始時刻t20から通常点灯時間(6秒)が経過する時刻Tn(第1の時刻)までに完了させることができないが、点灯開始時刻t20から最長点灯時間(8秒)が経過する時刻Tmまでに完了させることはできる。このような場合に、カメラ10は、照明光発光部435の点灯時間を延長させて、撮影処理が完了するこのように、カメラシステム1は、撮影開始時刻に応じて点灯時間を延長させるので、利便性が高いシステムである。
【0354】
次に、アクセサリー400における処理を終了する終了処理について説明する。カメラ10は、電力を供給する制御(図14参照)において、アクセサリー400への電力の供給を開始(ステップS103参照)している。また、カメラ10は、アクセサリー400の消費電力をアクセサリー400に搭載されている電源から供給しないと判定した場合(ステップS250参照)に、アクセサリー400への電力の供給を継続している。本実施形態のアクセサリー400は、アクセサリー400が行う処理を終了することを示す信号(起動検出レベルDET)をカメラ10に出力する。図9に示した起動検出レベルDETは、第1スイッチ部465が閉路しており、かつ第2スイッチ部470が閉路している場合に、Lレベルに維持される。起動検出レベルDETは、第1スイッチ部465と第2スイッチ部470の少なくとも一方が遮断されると、Hレベルになる。例えば、アクセサリー400は、ユーザーがアクセサリー400をカメラ10から取り外す際に、ユーザーがカメラ10に対するアクセサリー400の固定を解除すべく第1操作部424(図2及び図9参照)を操作すると、第1スイッチ部465が回路を遮断する。これにより、起動検出レベルDETがHレベルになる。また、アクセサリー400は、ユーザーが第2スイッチ部470の操作部471(図2及び図9参照)に対して機能オフ操作すると、第2スイッチ部470が回路を遮断する。これによっても、起動検出レベルDETがHレベルになる。アクセサリー400のアクセサリー制御部440は、アクセサリー400の処理が終了されることを示す起動検出レベルDET(Hレベル)をカメラ10に提供した後に、終了処理を開始する。以下、終了処理の処理フローの一例を説明する。
【0355】
図24は、アクセサリー400における処理を終了する処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、起動状態検出端子Tp7の電位を継続的に検出しており、起動検出レベルDETがLレベルであるか否かを判定する判定処理を所定タイミング(所定周期)で繰り返し行っている。すなわち、カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるか否かを判定する判定処理を行う(ステップS702)。また、カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルであるとステップS702において判定した場合(ステップS702;Yes)に、アクセサリー400がカメラ10に装着されている状態であると判定して、ステップS702の判定処理に戻る。
【0356】
カメラ制御部170は、起動検出レベルDETがLレベルでないとステップS702で判定した場合(ステップS702;No)に、カメラ10からアクセサリー400への電力供給を停止することを示す電力供給停止情報を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS703)。カメラ制御部170は、電力供給停止情報をアクセサリー制御部440へ送信(ステップS703)した後であって、且つその電力供給停止情報の送信時点から予め設定された所定の給電期間が経過した後のタイミングで、アクセサリー電源制御部33を制御して、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給を停止させる(ステップS704)。すなわち、アクセサリー制御部440は、起動検出レベルDETをカメラ制御部170に提供すると同時に、あるいはカメラから電力供給停止情報を受信すると同時にカメラ10から給電が断たれるのでは無く、しばらく(前述の所定の給電期間)の間はカメラ10からの電力供給が維持されている。
【0357】
アクセサリー制御部440は、カメラ10からアクセサリー400への電力の供給が停止される前の僅かな時間(前述の所定の給電期間中)に、次に述べる終了処理を行う。アクセサリー制御部440は、カメラ10から電力供給停止情報を受信(ステップS705)すると、アクセサリー400の処理を終了するための終了処理を開始する(ステップS706)。この終了処理は、アクセサリー400内のバッファメモリー446(記憶部444)に一時的に記憶されている、その時点のアクセサリー400の各種状態を示す情報(例えば、発光回数などの発光履歴情報や、設定されている発光モード等のアクセサリー設定状態情報など)を不揮発メモリー445(記憶部444)に記憶(保存)する処理である。アクセサリー制御部440は、ステップS706の後に、処理を終了する(ステップS707)。
【0358】
このように、カメラシステム1は、例えばユーザーがアクセサリー400をカメラ10から取り外そうとした場合に、アクセサリー400の処理を終了するために必要な処理(上記終了処理)を行うので、アクセサリー400の設定や履歴が保存できて、利便性が高いシステムである。
【0359】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した構成要素のうち少なくとも1つの構成要素は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各構成要素は、適宜、組み合わせることができる。
【0360】
なお、上述のカメラボディ100とアクセサリー400は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、各機能部の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0361】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0362】
1・・・カメラシステム、10・・・カメラ、15・・・シュー座(アクセサリーシュー)、25・・・端子部、422・・・係止爪(可動部材)、423・・・端子部、424・・・操作部、430・・・閃光発光部(発光部)、435・・・照明光発光部(発光部)、465・・・第1スイッチ部、470・・・第2スイッチ部、475・・・レベル切替部、Tp1・・・接地端子、Tp2・・・接地端子、Tp3・・・基準電位端子、Tp4・・・クロック信号(同期信号)端子、Tp5・・・基準電位端子、Tp6・・・通信信号(データ信号)端子、Tp7・・・起動状態検出端子、Tp8・・・発光制御信号端子、Tp9・・・通信制御信号端子、Tp10・・・オープン端子、Tp11・・・電源端子、Tp12・・・電源端子、Ts1・・・接地端子、Ts2・・・接地端子、Ts3・・・基準電位端子、Ts4・・・クロック信号(同期信号)端子、Ts5・・・基準電位端子、Ts6・・・通信信号(データ信号)端子、Ts7・・・起動状態提供端子、Ts8・・・発光制御信号端子、Ts9・・・通信制御信号端子、Ts10・・・オープン端子、Ts11・・・電源端子、Ts12・・・電源端子、CLK・・・同期信号、DET・・・起動検出レベル、DATA・・・通信信号(データ信号)、PWR・・・電力、PGND・・・基準電位、SGND・・・基準電位、X・・・発光制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を有するアクセサリーを制御するカメラであって、
前記発光部の点灯期間を制御するカメラ制御部
を備え、
前記カメラ制御部は、点灯している前記発光部を予め定められた通常点灯期間の終了に応じて消灯させるべき第1の時刻より、前記発光部を点灯させた状態の撮影を終了させる第2の時刻が遅れる場合、前記発光部の点灯期間を延長させるよう制御する
ことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記カメラ制御部は、
前記撮影開始時刻から前記第1の時刻までの時間が、前記発光部を点灯させた状態で撮影する時間として予め設定される撮影時間より短い場合、前記通常点灯期間を延長させるよう制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記カメラ制御部は、
前記撮影開始時刻から前記撮影時間が経過するまでに、前記第1の時刻を迎える場合、前記発光部の点灯期間を前記撮影時間が経過するまで延長させるよう制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記カメラ制御部は、
撮影モードが前記撮影時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モードである場合に、前記発光部の点灯期間を前記撮影時間が経過するまで延長させるよう制御する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のカメラ。
【請求項5】
前記カメラ制御部は、
前記発光部を連続して点灯可能とする最長点灯期間を示す情報を前記アクセサリーから受信する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項6】
前記カメラ制御部は、
前記最長点灯期間を示す情報に基づいて、前記発光部の点灯期間の延長を制御する
ことを特徴とする請求項5に記載のカメラ。
【請求項7】
前記カメラ制御部は、
撮影モードが撮影時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モードである場合に、前記撮影開始時刻から前記最長点灯期間が経過するまでの範囲において、前記発光部の点灯期間を延長させるよう制御する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のカメラ。
【請求項8】
前記最長点灯期間は、
前記発光部の発熱量に応じて予め定められた時間である
ことを特徴とする請求項7に記載のカメラ。
【請求項9】
アクセサリーを制御するカメラが備えるコンピュータを、
前記アクセサリーの発光部の点灯時間を予め定められる通常点灯期間よりも撮影開始時刻に応じて延長させるよう制御するカメラ制御部
として機能させるためのカメラ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−15592(P2013−15592A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146818(P2011−146818)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】