説明

カメラ

【課題】各種の記録媒体が使用でき更に将来予想される新たな規格の記録媒体にも容易かつ確実に対応できるカメラを提供する。
【解決手段】カメラはグリップユニット1とカメラユニット群8の例えば第1のカメラ本体9とレンズユニット群20のレンズユニット21、22又は23とメモリユニット群26のメモリユニット27、28又は29とが着脱自在に結合されて成る。グリップユニット1はグリップ部2、レリースボタン3、設定ダイヤル4、表示装置5、その他の操作装置とカメラ本体9と回動自在に結合する回動シャフト7を備え、内部の基板にCPUと交換電池を備えている。第1のカメラ本体9は内蔵ストロボ12、ストラップ孔14、標準レンズ19、光学ファインダ17及びグリップユニット1と結合するための係合凹部18を備えている。メモリユニット27はそれぞれ異なる種類の記録媒体毎に存在し第1のカメラ本体9の背面に自在に結合する。また、新たな規格の記録媒体が出現しても十分に対応できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像記録媒体に対応できるカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラにおいて、銀塩フィルムを使用する銀塩カメラでは、12枚取り、24枚取り、32枚取りなどと撮影状況に応じて使用するフイルムの記録性能(枚数)を選択して使用していたが、デジタルカメラでは、銀塩フィルムに対応する撮像素子がカメラ本体内に内蔵されていて交換ができないことに代わって、撮像された画像データを記録する記録媒体を、同一種類の規格の記録媒体で例えば16M(メガバイトの略)、32M、64M、128Mなどと記録容量が異なるものの中から選択してカメラに交換装着して使用できるようになっている。
【0003】
このようなデジタルカメラ用の記録媒体としては、複数種類の規格のものが存在し、例えば、スマートカード(登録商標)、CF(compact flash)カード(登録商標)、メモリスティック(登録商標)、SD(Secure Digital)メモリカード(登録商標)などの種類がある。
【0004】
一般的には、カメラのメーカによって、カメラに装着して使用する記録媒体の規格がそれぞれ異なっている場合が多く、上記複数種類の規格のもの全てが相互の互換性がないので、カメラのユーザは、自分のカメラ用の記録媒体と異なる規格の記録媒体を利用することができないという不便がある。
【0005】
そこで、そのような不便の解消を狙って、2種類の記録媒体が利用できるカメラが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2001−078134号公報([要約]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のカメラは、カメラ本体に規格の異なる2種類の記録媒体を装着できるように2つのコネクタが設けられているので、通常のカメラの構成に比較して記録媒体用のコネクタを余計に1つ内蔵していることになり、1種類の記録媒体に対応している通常のカメラに比較して、カメラ本体が大きくなるという問題を有している。
【0007】
また、デジタルカメラ用の現存する全ての記録媒体に対応しようとすると、例えば上述した4種類の記録媒体の全てに対応しようとすると、その分のコネクタを全てカメラに内蔵することになるので、カメラが大きくなりすぎて現実的ではない。また、大きさ以外にも使い勝手が悪くなることも十分に予想される。
【0008】
さらに、上記のように記録媒体用のコネクタをカメラに内蔵する方式では、将来出現することが十分に予想される新たな規格の記録媒体には、いずれにしても対応できない。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、各種の記録媒体が使用でき、さらに将来予想される新たな規格の記録媒体にも容易に且つ確実に対応できるカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、本発明に係わるカメラの構成を述べる。
本発明のカメラは、被写体像を撮影し画像信号を出力する撮像手段と上記画像信号を記録媒体に記録する記録手段を有するカメラ本体と、上記記録媒体の複数の仕様に対応する数だけ備えられ該対応する記録媒体を着脱自在に保持し上記カメラ本体に対し交換取り付け可能に構成されたメモリユニットと、を少なくとも有して構成される。
【0010】
上記メモリユニットは、例えば上記カメラ本体の背面に配置されるように構成され、また、例えば上記記録媒体の記録容量使用状態に関する情報を表示する表示部を有して構成され、また、例えば上記カメラ本体の背面を覆うように取り付けられるように構成され、また、例えば当該メモリユニットの両側面および底面が上記カメラ本体の背面の両側面および底面と外観的に連続するように配置されるように構成される。
【0011】
更に、上記メモリユニットは、例えば底面に記録媒体の着脱用開口を備えて構成され、また、例えば上記カメラ本体との装着時に遮蔽される面に、記録媒体の着脱用開口を備えて構成される。
上記カメラ本体は、例えば背面の上記メモリユニットが取り付けられる上部に覗き込み型のファインダを備えて構成される。
【0012】
また、本発明のカメラの構成は、情報機器にも適用することができる。すなわち、被写体像を撮影し画像信号を出力する撮像手段と上記画像信号を記録媒体に記録する記録手段を有する情報機器本体と、上記記録媒体の複数の仕様に対応する数だけ備えられ該対応する記録媒体を着脱自在に保持し上記情報機器本体に対し交換取り付け可能に構成されたメモリユニットと、を少なくとも有する情報機器として構成することができる。
【0013】
また、本発明のカメラにおける上記メモリユニットは、被写体像を撮影し画像信号を出力する撮像手段及び上記画像信号を記録媒体に記録する記録手段を有するカメラ本体と、上記記録媒体を着脱自在に保持するメモリユニットとが組み合わされて成るカメラのメモリユニットであって、上記メモリユニットは、記録媒体に応じて複数種類用意され、用意された複数の中から選択的に上記カメラ本体に装着されるメモリユニットの中の1つである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、メモリユニットの交換によってカメラ全体の大きさを変えることなく種々の規格の記録媒体を使用することができて便利であるとともに、メモリユニットとカメラ本体との結合部に形態的な一体感があるので違和感なく使用できて便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0016】
図1(a) 〜(d) は、本発明のユニット化されたカメラの基本システムの構成を示す外観図である。同図(a) は左にグリップユニット、右にカメラユニット群と外付けストロボユニットの正面図を示し、同図(b) はそれらの上面図、同図(c) はレンズユニット群の上面図、同図(d) はメモリユニット群の正面(カメラとしては背面)図を示している。
【0017】
同図(a),(b) の左に示すように、グリップユニット1は、詳しくは後述する背面の一部と外側(図では左側)の側部と前部の下方全面にわたる広いグリップ部2が形成され、上部前方には、レリースボタン3と設定ダイヤル4が配設されている。また、グリップユニット1の上部後方にはLCD(液晶ディスプレイ)からなる表示装置5が配置され、その下方(図では上方)の背面にモードダイヤル6が配設されている。また、グリップユニット1の内側(図では右側)側面の中央よりやや上方に回動シャフト7が横方向に突設されている。
【0018】
また、同図(a),(b) の右に示すように、カメラユニット群8は、機能の異なる2台のカメラ本体(第1のカメラ本体9及び第2のカメラ本体11)から構成される。尚、カメラユニット群8のカメラ本体は、2台と限ることなく3台以上であってもよいことは勿論である。このように、本発明のカメラは、カメラ本体を交換すれば以下に示すように撮像系を交換することができる。
【0019】
すなわち、先ず上記第1のカメラ本体9は、一眼レフユニットであり、ポップアップ式の内蔵ストロボ12を備え、撮影状況に応じて外付けストロボユニット13を組み付けることも可能である。この第1のカメラ本体9は、両側に2つのストラップ孔14を形成され、これら2つのストラップ孔14には、肩掛け式のストラップ15が取り付けられている。
【0020】
この第1のカメラ本体9の上面には、上記の内蔵ストロボ12の後方(図では上方)に外付けストロボユニット13を組み付けるストロボ係合部16が形成されている。また、この第1のカメラ本体9の後面(図では上方の面)上方(図では手前側)には、光学ファインダ17が配置され、内側(図では左側)側面のほぼ中央には、詳しくは後述する係合凹部18が形成されている。
【0021】
この第1のカメラ本体9には、標準レンズ19を取り外した後に、同図(c) に示すレンズユニット群20の各レンズユニット21、22、又は23をそれぞれ交換可能に組み付けることができる。各レンズユニット21、22、又は23は、例えば、あるものは広角レンズ、あるものは遠距離望遠レンズ、あるものは中距離望遠レンズである。
【0022】
尚、これらレンズユニット群の構成は、上記の構成に限ることなく、例えば超望遠レンズ、魚眼レンズ等、機能が異なるレンズであれば、どのような種類のレンズユニットで構成しても良いことは勿論である。
次に、カメラユニット群8の第2のカメラ本体11は、スナップショット用の小型のカメラ本体ユニットであり、上部に固定型の専用ストロボ24を備え、内側(図では左側)側面を大きく占めて、第1のカメラ本体9の係合凹部18と同様の係合凹部25が形成されている。
【0023】
このように、スナップショットの撮影では、グリップユニット1と合体させるカメラ本体ユニットを、スナップショット専用の撮影系である小型のカメラ本体ユニット11に付け替えて、手軽且つ迅速にスナップ撮影を行うことができる。
尚、上記第1のカメラ本体9と第2のカメラ本体11とは、それぞれ係合凹部18又は25によって、グリップユニット1の回動シャフト7を介して排他的にグリップユニット1と合体するように構成されている。
【0024】
また、同図(d) に示すように、メモリユニット群26は複数(同図(d) に示す例では3個のメモリユニット27、28、及び29)のメモリユニットによって構成されている。これらのメモリユニットには、それぞれ異なる記録媒体が着脱自在に装着される。すなわち、あるものはメモリスティック(登録商標)を装着するメモリユニットであり、あるものはSD(Secure Digital)メモリカード(登録商標)を装着するメモリユニットであり、そして、あるものはコンパクトフラッシュ(登録商標)を装着するメモリユニットである。
【0025】
図2(a) は、上記グリップユニット1と第1のカメラ本体9とが合体して形成されるカメラの正面図であり、同図(b) は、その背面図である。尚、図2(a),(b) には、図1(a),(b) と同一の構成部分には図1(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
図2(a) に示すカメラを正面図から見た構成は、図1(a) に示したグリップユニット1と第1のカメラ本体9の構成と同一である。図2(b) に示すカメラ背面の構成は、同図(b) で右側に配置されるグリップユニット1では、モードダイヤル6の左方となるユニット左角上部にイジェクトボタン31が配置され、右手親指の付け根の腹で把持するグリップ部2の左方空き領域に、十字ボタン32と、2つの設定ボタン33が配設されている。
【0026】
このように、グリップユニット1には、レリースボタン3、設定ダイヤル4、モードダイヤル6、十字ボタン32、設定ボタン33等の各種の操作ボタンや操作ダイヤル及び表示装置5のような撮影画像を表示できる表示装置、つまりカメラとして汎用的な機能に該当する部分が備えられており、このグリップユニット1に撮影機能のみを有する種類の異なるカメラ本体9(又は11、以下同様)が着脱自在に装着できるので、撮影状況に応じてカメラ本体を選択できるだけでなく、グリップユニット1は従来通り使用し、最新の撮像素子が搭載されたカメラ本体9を買い換えるなどのカメラ本体のバージョンアップにも対処することができる。
【0027】
また、図2(b) に示すように、表示装置5の下部に、カメラ本体9の撮影操作用の各種の操作ボタンや操作ダイヤルが配置されているので、グリップユニット1を把持した状態で、指によって表示装置5の表示面が隠されることがなく、常に表示を確認することができる。
【0028】
また、4方向選択ボタンの十字ボタン32が、右手親指の付け根の腹で把持するグリップ部2の左方の指が当たらない空きスペースとなるグリップユニット1の背面側下部位置に備えられているので、空きスペースが有効に利用されると共に、グリップ部2を保持すると同一の右片手で十字ボタン32を操作することができるので極めて便利である。
【0029】
他方、上記同様カメラを背面から見た構成において、図2(b) に示すように左側に配置される第1のカメラ本体9では、光学ファインダ17の下部に、図1(d) に示したメモリユニット群26の中のいずれかのメモリユニット27、28又は29が、カメラ本体9と一体に取り付けられている。
【0030】
メモリユニット27(又は28又は29、以下同様)は、両側部にそれぞれロック解除ボタン34を備え、背面中央にLCDからなる主に撮影に関する情報表示部35を備えている。情報表示部35には、シャッター速度と絞り表示領域36、撮影可能枚数表示領域37、電池残量バー表示領域38、メモリ残量バー表示領域39が設けられている。その情報表示部35の下方にはこのメモリユニット27に対応するメモリの名称41が印刷等によって表示されている。
【0031】
図3(a) は、上記カメラの上面図であり、同図(b) は、上面図と比較参照のために図2(a) を再掲する図である。ただし、図3(a),(b) には、第1のカメラ本体9に、図1(a) 及び図2(a) に示した標準レンズ19ではなく、図1(c) に示したレンズユニット群20の中のレンズユニット22を装着した状態を示している。尚、図3(a),(b) において、図1(a),(b) と同一の構成部分には図1(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
【0032】
図4(a) は、図3(b) の矢印A方向に見た側面図であり、図4(b) は、図3(b) の矢印B方向に見た側面図である。尚、この図4(a),(b) においても、図1(a),(b) と同一の構成部分には図1(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
図4(a) に示すように、グリップユニット1に対して反対側面となるカメラ本体9の外側側面の上部には、5個の撮影条件ボタン42が配設されている。また、このカメラ本体9に対して反対側面となるグリップユニット1の外側側面の上部には、2個の設定ボタン43が配設されている。
【0033】
上記のような構成において、このカメラは、グリップユニット1とカメラ本体9とが、図1(a),(b) 〜図3(a),(b) に示したグリップユニット1の回動シャフト7とカメラ本体9の係合凹部18を介して、図4(a),(b) に示す基準使用状態位置から矢印C、C´方向へそれぞれ90度、回動自在に構成されている。
【0034】
これにより、グリップユニット1に対して持ち方を変えることなく、カメラ本体9を適宜に回動させて、ローアングル、ハイアングル等の各種の角度からの撮影が容易に可能になる。
また、図2(b) に示すように、表示装置5は、グリップユニット1の上方において表示面が背面方向を向くように配置されているので、上記のように各種のアングルで撮影するためにカメラ本体9をグリップユニット1に対しどのように回動させても、撮影者は同じような姿勢で表示装置5によって表示を確認することができる。
【0035】
図5は、グリップユニット1を破線1´で示す基準使用状態位置から、図の矢印Cで示すようにカメラ本体9の前方向に、回動中心44を支点にして90°回動させた状態を示す図である。この状態は、非使用時における携帯状態を示す図である。この状態ではグリップ1の外形がカメラ本体9の背面突出端Q及び底面突出端Pをそれぞれ越えないような位置におさまるので携帯に便利である。
【0036】
このようなカメラ本体9の前方向への回動は、破線1´で示す基準使用状態位置から実線で示す携帯状態位置までの間で、等間隔で3箇所すなわち30°毎に固定することができる。これにより、グリップユニット1の持ち方を変えることなく一定に維持したまま、各種(本例では3種類)のハイアングルの撮影を行うことができる。
【0037】
また、これとは逆に、グリップユニット1を破線1´で示す基準使用状態位置から、特には図示しないが、カメラ本体9の後方向に90°まで回動させることができる。この場合も、このカメラ本体9の後方向への回動は、破線1´で示す基準使用状態位置から後方向に90°まで、等間隔で30°毎に固定することができる。
【0038】
これにより、グリップユニット1の持ち方を変えることなく一定に維持したままで、斜め上から真上まで各種(本例では3種類)のローアングルの撮影を行うことができる。また、この状態で使用者が上体を前方に低く曲げてカメラを低く構えると、例えば足元の花などを撮影する場合に好適である。
【0039】
また、上記の回動中心44の回動軸は、グリップユニット1に装着されたカメラ本体(図の例ではカメラ本体9)の光軸と交差するように配置されている。これは、勿論カメラ本体11の場合も同様である。
これにより、カメラグリップ1に対してカメラ本体9を回動させて撮影角度を変えても撮影方向の変更が把持位置から見た変更となるため、撮影者は目の位置をそのまま転じて眺める角度を変えた如く違和感無く撮影を続行することができる。
【0040】
図6(a),(b) は、上記カメラグリップ1とカメラ本体9の回動係合部を示す斜視図である。尚、図1〜図5で述べてきた構成部分と同一の構成部分には図1〜図5と同一の番号を付与してい示している。この図6(a),(b) において、新たに示す部分は、図6(a) のカメラ本体9においては、係合凹部18内に配置されているメス係合爪45、凸接点46、である、尚、参考のため、係合凹部18の中央に目には見えない回動中心Tpを示している。
【0041】
他方の図6(b) に示すカメラグリップ1において新たに示す部分は、回動シャフト7が回動筒7aと係合固定筒7bに分かれていること、並びにその係合固定筒7bが上記係合凹部18との係合時に係合凹部18の底面に対向する係合面7cに設けられている上記メス係合爪45に対応するオス係合爪47、及び上記凸接点46に対応する平接点48である。尚、参考のため、回動シャフト7には、図5に示した回動中心44の目には見えない回動中心軸Tsを示している。
【0042】
図7(a) は、図6(a) に示すカメラ本体9の係合凹部18を拡大して示す図であり、図7(b) は、図6(b) に示すカメラグリップ1の回動シャフト7及びその関連部分を分解して示す図、図7(c) は同図(b) の反対側(同図(b) の斜め右上方向)から見た斜視図である。
【0043】
図7(a) に示すように、カメラ本体9の係合凹部18には、上述したメス係合爪45及び凸接点46のほかに、係合凹部18の底面に固定して係合凹部18の内周面に対し斜めに立設された板状カム51と、不図示の付勢部材により内部から外部に向けて付勢されて進退自在に配置された係合ピン52とを備えている。
【0044】
他方のカメラグリップ1の回動シャフト7(回動筒7a、係合固定筒7b)には、図7(b) に示すように、一部を切り欠いて示す係合固定筒7bの係合面7cには、上述したオス係合爪47及び平接点48のほかに、係合固定筒7bと係合凹部18との係合時に係合凹部18の係合ピン52が進出して係止する係合孔53が形成されており、また上記板状カム51に摺接する外部ピン54aが突設されている。
【0045】
外部ピン54aは、係合固定筒7bの内側に突設されている内部ピン54bと一体になっており、それらの長手方向中央部を回動部材55の回動自由端に保持され、外部ピン54aが回動軌跡に沿った円弧状の長孔56に挿通されて上記のように外部に突設されている。
【0046】
回動部材55は、支持ピン57を支点にして回動可能であり、これにより外部ピン54aが長孔56の一端から他端へと移動し、これに応じて内部ピン54bも図の上下方向に移動する。
この内部ピン54bは、図7(a),(b) のように係合固定筒7bが係合凹部18から離脱しているときは、上記の回動部材55が不図示の付勢部材により図の矢印d方向に付勢されていることにより、同図(b) に示す長孔55の下端部位置とは逆に、長孔55の上端部に位置している。これにより、内部ピン54bも上方に移動して、回動筒7aのリング状の縁58の切り欠き溝59に嵌入している。したがって、このように係合固定筒7bが係合凹部18から離脱しているときには、回動筒7aと係合固定筒7bとは相互間の回転が禁止されている。
【0047】
係合固定筒7bの上記リング状の縁58は、係合固定筒7bの外周面よりも段差61の分だけ内側に位置するように係合固定筒7bの外周面よりも小さな外周面をもって形成されている。
このリング状の縁58の内側に接して、このリング状の縁58が係合固定筒7b内に嵌入して係合固定筒7bと回動筒7aとが係合したとき、係合固定筒7b側の係合孔53と一致する位置に、回動筒7aの軸方向に平行に回動筒7aを貫通する貫通孔62が形成されている。この貫通孔62にはEJピン63が挿通される。
【0048】
また、回動筒7aの上記リング状の縁58が形成されている面の中央には、同図(c) に示す外嵌係合筒64の外側開口部64aが形成されている。この外側開口部64aには、係合固定筒7bの内側に突設されている嵌入係合筒65が嵌入する。この嵌入係合筒65の中に、同図(a) に示す平接点48に接続されているフレキシブル配線66が挿通している。
【0049】
上記の嵌入係合筒65には、内側2箇所にネジ孔67が設けられている。このネジ孔67には、嵌入係合筒65が外嵌係合筒64に嵌入してその端分開口面が外嵌係合筒64の内部開口部64bの面にほぼ一致する状態で、クリック板68が、2個のネジ69によりネジ挿通孔71を介してネジ止めされる。
【0050】
クリック板68には、円周近傍に円周に沿って等間隔で穿設された12個のクリック孔72が配置される。また、円周部の2箇所の対向する位置に嵌入係合筒65に向う方向の軸方向に突設するように2個のストッパ73が設けられている。
上記クリック板68のクリック孔72には、外嵌係合筒64の内部開口部64bの外円周の2箇所の対向する位置に配設されたクリックボール74がクリック嵌入する。
【0051】
これにより、回動筒7aは、係合固定筒7bとクリック板68との間に挟持され、同図(a) に示す内部ピン54bが、図のようにリング状の縁58の切り欠き溝59から内側に外れた位置にあるとき、係合固定筒7bに対して回動可能となり、クリック孔72の間隔に対応する回転角度で、クリックボール74を保持している部分に径方向に突出して形成されている円周内凸部64C(2ヶ所)がストッパ73に当接するまでクリックしながら回動する。
【0052】
すなわち、この回動範囲は、クリック板68の対向する2箇所に設けられた2個のストッパ73が、回動筒7aの円周内凸部64Cに、それぞれ反対側から当接するまでの範囲、すなわち180度の範囲で回動する。この間1個のクリックボール74がクリック嵌入するクリック孔72の数は6個であり、したがって1回のクリック角は30°である。尚、この回動は、回動筒7aに対して係合固定筒7b側が回動すると見ることも出来る。
【0053】
上記の回動筒7aには、外周面の内側(図では右側)端部の対向する2箇所にネジ固定部75が形成されている。このネジ固定部75により、回動筒7aがグリップユニット1本体にネジ止めされる。
これにより、グリップユニット1本体が係合固定筒7bに対して(又は係合固定筒7bがグリップユニット1本体に対して)クリック回動が可能となる。
【0054】
上記のように回動筒7aがグリップユニット1本体にネジ止めされると、グリップユニット1本体側に配設されてる上述したEJピン63が貫通孔62に挿通される。EJピン63は、付勢部材76により図の矢印eで示す本体内側方向に付勢されており、その内側方向の端部は、EJレバー77の下端部に形成されている斜面78の下端部に当接している。この状態で、EJピン63の外側端部の先端は、カメラ本体9の係合凹部18から係合固定筒7bの係合孔53に嵌入する係合ピン52の先端にちょうど当接する。
【0055】
EJレバー77は、長孔79により、本体側フレームに配設されている支持ピン81に係合して上下に摺動可能に本体側フレームに支持されている。このEJレバー77には係合爪82が形成されており、この係合爪82に、図6(b) にも示したイジェクトボタン31が本体内部で係合している。
【0056】
イジェクトボタン31は、ボタン摺動溝83に摺動自在に嵌入しており、常には図7(b) に示すようにボタン摺動溝83の上方に位置している。使用者がイジェクトボタン31を図の矢印fで示すイジェクト方向に押し下げると、イジェクトボタン31に係合しているEJレバー77が下方に押し下げられ、これに応じてEJレバー77の斜面78が降下することにより、この斜面78に摺接するEJピン63が付勢部材76の付勢力に抗して外方向(図では左方向)に移動し、そのの外側端部の先端が、カメラ本体9の係合凹部18から係合固定筒7bの係合孔53に嵌入している係合ピン52を係合孔53から外側へ押出すように構成されている。
【0057】
図8(a) 〜(d) は、上記グリップユニット1の回動シャフト7(回動筒7a、係合固定筒7b)とカメラ本体9の係合凹部18との分離結合動作を示す模式的断面図である。尚、図8(a) 〜(d) には、図7(a),(b),(c) の構成と同一の機能部分には図7(a),(b),(c) の構成の番号と同一の番号を付与して示している。この図8(a) 〜(d) により、図7(a),(b),(c) をも参照しながら、以下に回動シャフト7と係合凹部18との分離結合動作を説明する。
【0058】
図8(a) は、係合凹部18と回動シャフト7(回動筒7a、係合固定筒7b)が分離している状態を示している。係合凹部18の係合ピン52は、不図示の付勢部材により常に矢印g方向に付勢されている。
他方の回動シャフト7においては、外部ピン54a及び内部ピン54bは、図7(b) に示す回動部材55を介して図8(a) の矢印hで示す上方向に常に付勢されており、内部ピン54bが、図7(b) に示すリング状の縁58の切り欠き溝59に嵌入して、回動筒7aと係合固定筒7b相互の回動を禁止している。
【0059】
そして、グリップユニット1本体内部のEJレバー77は、不図示の付勢部材により図8(a) の矢印iで示す上方向に常時付勢されており、EJピン63は、図7(b) に示す付勢部材76により、図8(a) の矢印jで示す右方向に常時付勢されて、内側端部がEJレバー77の斜面78の下端部に当接している。
【0060】
ここでカメラの使用者が回動シャフト7の係合固定筒7bを、図8(a) に示すカメラ本体9の係合凹部18内にカメラ本体9とグリップユニット1を相対的に反時計回り方向(図7(b) のx方向)に回し込むと、図7(a),(b) に示す係合固定筒7bのオス係合爪47が係合凹部18のメス係合爪45の溝に嵌入する。
【0061】
つづいて、図8(b) に示すように、係合固定筒7bの外部ピン54aの先端部周面上部が係合凹部18底面の板状カム51の上端部下面に当接し、係合凹部18の係合ピン52の先端が係合固定筒7bの係合孔53からややずれた位置で係合面7cに当接する。
そして回動終了時には、図8(c) に示すように、係合凹部18の係合ピン52の先端が係合固定筒7bの係合孔53に嵌入して係合固定筒7bを位置決めする。これにより、係合固定筒7bと係合凹部18の分離禁止が維持され、係合ピン52の先端部が係合孔53に嵌入して、カメラ本体9と係合固定筒7bの回動を規制する。
【0062】
また、これと共に、図8(c) に示すように、係合固定筒7bの外部ピン54aが板状カム51の下面に摺接しながら板状カム51の下端部下面まで押し下げられて、図7(b) に示す長孔56の下端部まで移動する。これにより、図8(c) に示すように、外部ピン54aと一体の内部ピン54bが、切り欠き溝59から外れて、図7(b) に示すリング状の縁58の内側方向に移動し、係合固定筒7bと回動筒7a間の回動禁止を解除する。これにより、係合固定筒7bに対して、つまり係合凹部18すなわちカメラ本体9に対して、回動筒7aすなわちグリップユニット1の回動が可能となる。
【0063】
一方、グリップユニット1からカメラ本体9を分離するときは、カメラの使用者は、図6(b) 及び図7(b) に示すイジェクトボタン31を押し下げる。これにより、図8(d) に示すように、EJレバー77が付勢部材の付勢力に抗して図の矢印kで示すように下方に押し下げられる。
【0064】
これに応じてEJレバー77の下端部の斜面78が下方に押されることにより、この斜面78に当接するEJピン63の内側先端が斜面78を摺接しながらEJピン63全体が図の付勢部材76(図7(b) 参照)の付勢力に抗して矢印mで示すように左方に押出される。これにより、EJピン63の外側先端に押された係合ピン52が、付勢部材の付勢力に抗して図の矢印nで示すように左方に移動し、その外側先端が係合固定筒7bの係合孔53から外れる。
【0065】
これにより、カメラ本体9に対する係合固定筒7bの位置決めが解除されて、係合固定筒7bのオス係合爪47と係合凹部18のメス係合爪45との係合解除が可能となり係合固定筒7bと係合凹部18の分離が可能になると共に、EJピン63の外側先端が係合固定筒7bの係合孔53に嵌入していることを維持することにより、つまりイジェクトボタン31を押し下げた状態を維持することにより、回動筒7aを介してグリップユニット1に対し係合固定筒7bの回転を禁止することができ、これにより、グリップユニット1とカメラ本体9を相対的に時計回り方向に回動させることができる。すなわち、オス係合爪47とメス係合爪45との係合を解除させてグリップユニット1とカメラ本体9を分離することができる。分離後は、内部ピン54bが切り欠き溝59に再度嵌入して、回動筒7aと係合固定筒7bの回動禁止が維持される(図8(a) )。
【0066】
続いて、図6(a) に示したカメラ本体9とメモリユニット27(又は28又は29、以下同様)の分離結合関係及びメモリユニット27の構成について説明する。
図9(a) は、カメラ本体9の背面を示す斜視図であり、同図(b) は、メモリユニット27の背面から見た斜視図、同図(c) はその前面(カメラ本体9との結合面)から見た斜視図である。尚、同図(a),(b),(c) は、それぞれ一部切り欠き、一部図示省略、一部透視的に示している。また、いままで述べてきた構成部分と同一の構成部分には、いままでと同一の番号を付与して示している。
【0067】
同図(a) に示すように、カメラ本体9の背面は、光学ファインダ17が配設されているファインダ配設部84の面と、メモリユニット27が結合されるユニット結合面85には、メモリユニット27の厚さだけの段差部が形成されている。このファインダ配設部84の段差部の下面には中央よりも右寄りにメス型コネクタ86が配置され、両側面にはロック穴87(図では左側のロック穴は陰になって見えない)が形成されている。
【0068】
また、上記のユニット結合面85には、平行して縦方向に延在する断面が鉤型の二本のガイドリブ88が配設され、それぞれの下方に押圧パッド89が配設されている。押圧パッド89は同図(a) の右下方に拡大して示すように、低く四角錘状に突出した柔軟弾性部材からなるパッドであり、ユニット結合面85に結合されるメモリユニット27の前後の遊びを吸収するために設けられている。
【0069】
これに対して、同図(b),(d) に示すメモリユニット27は、上述したようにカメラ本体9背面の段差部に対応する厚さで形成されており、その段差部の下から両側面に回り込む角(つの)状突出部91を備えている。これら角状突出部91の外壁面に形成された孔90からは、それぞれ上記のロック穴87と係合するロック爪92が配設されている。
【0070】
ロック爪92は、三角柱を横にした形状をなしており、Tの字を外側に倒してその一本足を横にした形状のロック板93の、一本足の外側端部から上方に延びる枝の上端部に取り付けられて、三角柱の三面のうちの二面が角状突出部91の外部に出るように配設される。このロック爪92は、その角状突出部91の外部に出る三角柱の二面のうち、上方の面が傾斜面をなし下方の面が水平面を成すように配置される。
【0071】
上記ロック板93の横になった一本足の内側端部には回動中心孔94が形成され、この回動中心孔94が、図では定かに見えないがメモリユニット27のフレームに設けられている支持ピンに外嵌している。また、このロック板93の一本足の外側端部から下方に延びる枝の下端部にカムピン95が取り付けられている。このカムピン95は、横曲がり部と上曲がり部からなる鉤型のロックレバー96の上曲がり部に形成されたカム溝孔97に嵌入している。
【0072】
ロックレバー96の横曲がり部には長孔98が形成されており、この長孔98に、図では陰になって見えないがメモリユニット27のフレームに設けられている支持ピンが嵌入している。ロックレバー96は、その支持ピンにより長孔98を介して支持され、不図示の付勢部材により図の矢印pで示す外側方向に付勢され、横方向に摺動自在に配置されている。このロックレバー96にロック解除ボタン34が係合している。
【0073】
また、メモリユニット27の上記2つの角状突出部91が両端から立設する上面99には、このメモリユニット27がカメラ本体9と結合したときにカメラ本体9のメス型コネクタ86と結合する位置に、オス型コネクタ101が突設されている。
また、メモリユニット27の内部には、メモリコネクタ(不図示)を備えた記録媒体装着部102が配設されており、この記録媒体装着部102とメモリユニット27背面の情報表示部35との間に基板103が配設されている。また、上記の記録媒体装着部102の下開口部104には、同図(c) にも示すように蓋105が配設されている。この記録媒体装着部102には、例えばメモリスティック(登録商標)又はコンパクトフラッシュ(登録商標)等の記録媒体が下開口部104から挿入されて装着される。
【0074】
このように、記録媒体装着部102の開口と蓋を下面に設けているので、外部から開口部が目立たないようすることができる。
同図(c) に示すように、メモリユニット27の前面(カメラ本体9との結合面)106には、カメラ本体9のユニット結合面85に形成されている二本のガイドリブ88にそれぞれ外嵌する断面が鉤型の二本のガイド溝107が形成されている。このガイド溝107の内壁側面の上下二箇所の孔から、線状の押圧バネ108の押圧部がガイド溝107内に突出して配置される。これらの押圧バネ108は、カメラ本体9のユニット結合面85に結合されるメモリユニット27の左右の遊びを吸収するために設けられている。
【0075】
このメモリユニット27の構成にいて、メモリユニット27をカメラ本体9の下方からユニット結合面85に摺接させながら、ガイドリブ88の下端部にガイド溝107の上端部を嵌合させ、ガイド溝107を介しガイドリブ88により案内されながら、メモリユニット27を上方に摺り上げていくことにより、ロック爪92の三角柱の二面のうちの斜面を成す上方の面が、カメラ本体9のファインダ配設部84の両側面に摺接して、ロック爪92が角状突出部91の孔90内に押し込まれる。ことき、ロック板93は回動中心孔94を支点にして下方に回動し、そのカムピン95に引かれてロックレバー96が付勢部材の付勢力に抗して内側に移動する。
【0076】
そして、更に最上部までメモリユニット27を上方に摺り上げていくことにより、オス型コネクタ101がメス型コネクタ86に連結すると共に、孔90内に押し込まれていたロック爪92が、ロックレバー96の付勢部材の付勢力により、上記と逆の連動作用で孔90から外部に突出し、三角柱の二面のうちの水平面を成す面が、ファインダ配設部84の段差部両側面のロック穴87に係止する。
【0077】
これにより、メモリユニット27はカメラ本体9の結合面85にほぼ密着したけ形で結合する。前後に生じる可能性のあるがたつきは押圧パッド89により吸収され、左右に生じる可能性のあるがたつきは押圧バネ108によって吸収される。
メモリユニット27は、上述したように、カメラ本体9の背面を覆うように取り付けられ、カメラ本体9背面の段差部と同じ厚さで構成され、更に、メモリユニット27の前面(カメラ本体9との結合面)106とカメラ本体9背面のユニット結合面85とは、それぞれ外周の輪郭形状が製造誤差を別にすれば同一形状に形成されているので、上記のようにメモリユニット27をカメラ本体9に結合させた状態では、メモリユニット27とカメラ本体9とが一体となって形態的な一体感があり、別体のユニットの組み合わせには見えないという違和感の生じない良さを備えている。
【0078】
また、上記のように結合したメモリユニット27をカメラ本体9から取り外して分離するときは、カメラ使用者は、図9(b) の矢印qで示すようにロック解除ボタン34を内側方向へ押し込む。これにより、ロックレバー96が付勢部材の付勢力に抗して内側方向へ移動する。ロックレバー96が内側方向へ移動すると、ロックレバー96の上曲がり部に形成されているカム溝孔97により、ロック板93のカムピン95が下に引き下げられ、ロック板93全体が下方向に回動する。このロック板93の下方向への回動により、ロック板93の一本足の外側端部から上方に延びる枝の上端部に取り付けられているロック爪92が角状突出部91の外壁面に形成されている孔90から角状突出部91内部に引き戻される。これにより、ロック爪92とカメラ本体9のロック穴87との係止状態が解除され、メモリユニット27を下方に引き出してカメラ本体9から分離することが出来る。
【0079】
また、このように、メモリユニット27は、カメラ本体9の背面で結合・分離できるので、他のメモリユニットとの交換が極めて容易である。
図10(a) は、メモリユニットの他の構成を示す斜視図であり、同図(b) は、それに装着される記録媒体の形状を示す外観斜視図である。同図(a) に示すように、このメモリユニット27´は、図9(b),(c) に示したメモリユニット27のように記録媒体を挿入する下開口部が設けられておらず、メモリユニット27´前面(カメラ本体9との結合面)110に大きく開口する記録媒体装着部109が形成されているだけである。
【0080】
このメモリユニット27´の前面110の外周の輪郭形状はメモリユニット27の場合と同様であり、背面の表示装置その他の構成、及び内部の基板構成等もメモリユニット27の場合と同様である。
同図(b) に示す記録媒体111は、単にこの記録媒体装着部109に平らに嵌め込むだけで装着が完了する。記録媒体111を記録媒体装着部109から脱抜するときは、記録媒体装着部109上部の切り欠き112に指先などを差し込んで記録媒体111を容易に記録媒体装着部109から取り出すことができる。上記の記録媒体111は、例えばSDメモリカード等である。
【0081】
このように、本例のメモリユニット27´では、カメラ本体9との結合面つまりカメラ本体9によって遮蔽される面に記録媒体が装着されるので、記録媒体を外部から確実に保護することができ、ごみやほこり等の進入をより確実に防止することができる。
このように、本発明のカメラは、グリップユニット1に第1のカメラ本体9を結合したときは、使用可能なメモリユニットが複数あるため、撮影状態に応じて任意の記録媒体を用いることができる。すなわち、色々な規格のメモリを使用することができる。
【0082】
また、新しい種類の記録媒体が市場に出たときでも、その新しい種類の記録媒体に対応するメモリユニットを購入するだけで、グリップユニットは勿論、カメラ本体をも買い変えることなく、新しい種類の記録媒体を直ちにこのカメラに使用することができる。
なお、本発明の実施例としてデジタルカメラに適用した例を示したが、撮影装置を有する携帯電話やモバイルパソコン等の情報機器に適用することも可能である。
【0083】
図11は、カメラ全体のブロック図である。尚、同図は第1のカメラ本体(カメラ本体9)を使用した場合の図である。同図に示すように、グリップユニット1には、第1のカメラ本体ユニット9の制御部であるCPUC122と接点(図6及び図7に示した凸接点46と平接点48)を介して制御信号を交信して全体を制御するCPU(central processing unit)G115と、このCPUG115に接続された操作部116、及びレリース部117を備え、更に画像表示部118、電源部119、及び交換電池121を備えている。
【0084】
操作部116は、設定ダイヤル4、モードダイヤル6、十字ボタン32、設定ボタン33等の操作イベントを検出して、その検出した操作イベントをCPUG115に通知する。レリース部117は、レリースボタン3の操作イベントを検出して、その検出した操作イベントをCPUG112に通知する。画像表示部118は、第1のカメラ本体ユニット9の画像処理部124から接点を介して送信される画像データに基づく画像を表示装置5に表示する。
【0085】
電源部119は交換電池121から供給される電源を、接点を介して第1のカメラ本体ユニット9に供給すると共に、更に第1のカメラ本体ユニット9を介して交換レンズユニット21(22又は23)、及びメモリユニット27(28又は29)に供給する。
第1のカメラ本体ユニット9においては、上記のCPUC122にバス123を介して上記の画像処理部124のほか、撮像部125が接続されている。撮像部125には撮像素子126が接続されている。また、CPUC122にはストロボ部127が直接接続されている。
【0086】
CPUC122は、上記各部を制御すると共に、一方ではコネクタ128及び129を介して交換レンズユニット21のCPUL130を制御し、他方では図9に示したメス型コネクタ86及びオス型コネクタ101を介してメモリユニット27の操作ボタン部131と表示部132を制御する。
【0087】
第1のカメラ本体ユニット9の撮像部125は、撮像素子126に結像された画像データをデジタル画像信号として、バス123を介してCPUC122に送信する。画像処理部124は、CPUC122の指示に下に、撮像部125から送信されたデジタル画像信号を表示用イメージ信号に変換してグリップユニット1の画像表示部118に送信する。
【0088】
また、CPUG115は、レリース部117からの操作イベント情報に基づいてCPUC122に撮影の指示を出力し、CPUC122は、CPUL130を介してレンズ駆動部134を駆動して、レンズ135による合焦と絞りを制御し、撮像部125を駆動して撮像を開始させ、上記のように得られたデジタル画像信号をメモリユニット27の交換メモリ133に格納する。
【0089】
ストロボ部127、CPUG115からのCPUC122を介しての指示に基づいてグリップユニット1の電源部119から供給される電力を用いてストロボ光を発光する。
メモリユニット27の表示部132には、バス123を介して交換メモリ133から取得されるメモリ残量がCPUC122から通知されると共に、このCPUC122を介して、CPUG115から、日付データや撮影枚数データが通知される。これらの通知に基づいて、表示部132は情報表示部35に、図2(b) に示した各種の情報を表示する。
【0090】
また、CPUC122は、操作ボタン部131からロック解除ボタン34の操作信号を受け取ると、メス型コネクタ86の各接点部をハイインピーダンスに設定して、交換メモリ133の電気的破損を防止する。
図12は、第2のカメラ本体ユニット11のブロック図である。同図に示すように、第2のカメラ本体ユニット11は、CPU136を中心にして、このCPU136にバス137、操作ボタン部138、凸接点46、ストロボ部139、レンズ駆動部141が接続され、バス137には、画像処理部142、及び撮像部143が接続されている。撮像部143には撮像素子144が接続されている。また、レンズ145が備えられている。
【0091】
上記のCPU136、バス137、操作ボタン部138、凸接点46、ストロボ部139、レンズ駆動部141、画像処理部142、撮像部143、撮像素子144、及びレンズ145の機能、動作、作用は、図11のCPUC122、バス123、操作ボタン部131、凸接点46、ストロボ部127、レンズ駆動部134、画像処理部124、撮像部125、撮像素子126、及びレンズ135の機能、動作、作用とほぼ同様である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】(a) 〜(d) は本発明のユニット化されたカメラの基本システムの構成を示す外観図である。
【図2】(a) はグリップユニットと第1のカメラ本体とが合体して形成されるカメラの正面図、(b) はその背面図である。
【図3】(a) はグリップユニットと第1のカメラ本体とが合体して形成されるカメラの上面図、(b) は上面図と比較参照のために図2(a) を再掲する図である。
【図4】(a) は図3(b) の矢印A方向に見た側面図、(b) は図3(b) の矢印B方向に見た側面図である。
【図5】グリップユニットを第1のカメラ本体の前方向に90度回動させた状態を示す図である。
【図6】(a),(b) はカメラグリップと第1のカメラ本体の回動係合部を示す斜視図である。
【図7】(a) は第1のカメラ本体の係合凹部を拡大して示す図、(b) はカメラグリップの回動シャフト及びその関連部分を分解して示す図、(c) は(b) の反対側から見た斜視図である。
【図8】(a) 〜(d) はグリップユニットの回動シャフトと第1のカメラ本体の係合凹部との分離結合動作を示す模式的断面図である。
【図9】(a) は第1のカメラ本体の背面を示す斜視図、(b) はメモリユニットの背面から見た斜視図、(c) はその前面(第1のカメラ本体との結合面)から見た斜視図である。
【図10】(a) はメモリユニットの他の構成を示す斜視図、(b) はそれに装着される記録媒体の形状を示す外観斜視図である。
【図11】第1のカメラ本体を使用した場合のカメラ全体のブロック図である。
【図12】第2のカメラ本体ユニットのブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
1 グリップユニット
2 グリップ部
3 レリースボタン
4 設定ダイヤル
5 表示装置
6 モードダイヤル
7 回動シャフト
7a 回動筒
7b 係合固定筒
7c 係合面
8 カメラユニット群
9 第1のカメラ本体
11 第2のカメラ本体
12 内蔵ストロボ
13 外付けストロボユニット
14 ストラップ孔
15 肩掛け式ストラップ
16 ストロボ係合部
17 光学ファインダ
18 係合凹部
19 標準レンズ
20 レンズユニット群
21、22、23 レンズユニット
24 固定型専用ストロボ
25 係合凹部
26 メモリユニット群
27、27´、28、29 メモリユニット
31 イジェクトボタン
32 十字ボタン
33 設定ボタン
34 ロック解除ボタン
35 情報表示部
36 シャッター速度と絞り表示領域
37 撮影可能枚数表示領域
38 電池残量バー表示領域
39 メモリ残量バー表示領域
41 メモリの名称
42 撮影条件ボタン
43 設定ボタン
44 回動中心
45 メス係合爪
46 凸接点
Tp 回動中心
47 オス係合爪
48 平接点
Ts 回動中心軸
51 板状カム
52 係合ピン
53 係合孔
54a 外部ピン
54b 内部ピン
55 回動部材
56 長孔
57 支持ピン
58 リング状の縁
59 切り欠き溝
61 段差
62 貫通孔
63 EJピン
64 外嵌係合筒
64a 外側開口部
64b 内側開口部
65 嵌入係合筒
66 フレキシブル配線
67 ネジ孔
68 クリック板
69 ネジ
71 ネジ挿通孔
72 クリック孔
73 ストッパ
74 クリックボール
75 ネジ固定部
76 付勢部材
77 EJレバー
78 斜面
79 長孔
81 支持ピン
82 係合爪
83 ボタン摺動溝
84 ファインダ配設面
85 ユニット結合面
86 メス型コネクタ
87 ロック穴
88 ガイドリブ
89 押圧パッド
91 角状突出部
92 ロック爪
93 ロック板
94 回動中心孔
95 カムピン
96 ロックレバー
97 カム溝孔
98 長孔
99 メモリユニット上面
101 オス型コネクタ
102 メモリ収納部
103 基板
104 下開口部
105 蓋
106 メモリユニット前面(第1のカメラ本体との結合面)
107 ガイド溝
108 押圧バネ
110 メモリユニット前面(カメラ本体との結合面)
109 記録媒体装着部
111 記録媒体
112 上部切り欠き
115 CPU(central processing unit)G
116 操作部
117 レリース部
118 画像表示部
119 電源部
121 交換電池
122 CPUC
123 バス
124 画像処理部
125 撮像部
126 撮像素子
127 ストロボ部
128、129 コネクタ
130 CPUL
131 操作ボタン部
132 表示部
133 交換メモリ
134 レンズ駆動部
135 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮影し画像信号を出力する撮像手段と前記画像信号を記録媒体に記録する記録手段を有するカメラ本体と、
前記記録媒体の複数の仕様に対応する数だけ備えられ該対応する記録媒体を着脱自在に保持し前記カメラ本体に対し交換取り付け可能に構成されたメモリユニットと、
を少なくとも有することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記メモリユニットは、前記カメラ本体の背面に配置される、ことを特徴とする請求項1記載のカメラ。
【請求項3】
前記メモリユニットは、前記記録媒体の記録容量使用状態に関する情報を表示する表示部を有する、ことを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項4】
前記メモリユニットは、前記カメラ本体の背面を覆うように取り付けられる、ことを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項5】
前記メモリユニットは、該メモリユニットの両側面および底面が前記カメラ本体の背面の両側面および底面と外観的に連続するように配置される、ことを特徴とする請求項4記載のカメラ。
【請求項6】
前記メモリユニットは、底面に記録媒体の着脱用開口を備えている、ことを特徴とする請求項4記載のカメラ。
【請求項7】
前記メモリユニットは、前記カメラ本体との装着時に遮蔽される面に、記録媒体の着脱用開口を備えている、ことを特徴とする請求項4記載のカメラ。
【請求項8】
前記カメラ本体は、背面の前記メモリユニットが取り付けられる上部に覗き込み型のファインダを備えている、ことを特徴とする請求項2記載のカメラ。
【請求項9】
被写体像を撮影し画像信号を出力する撮像手段と前記画像信号を記録媒体に記録する記録手段を有する情報機器本体と、
前記記録媒体の複数の仕様に対応する数だけ備えられ該対応する記録媒体を着脱自在に保持し前記情報機器本体に対し交換取り付け可能に構成されたメモリユニットと、
を少なくとも有することを特徴とする情報機器。
【請求項10】
被写体像を撮影し画像信号を出力する撮像手段及び前記画像信号を記録媒体に記録する記録手段を有するカメラ本体と、前記記録媒体を着脱自在に保持するメモリユニットとが組み合わされて成るカメラのメモリユニットであって、
前記メモリユニットは、記録媒体に応じて複数種類用意され、用意された複数の中から選択的に前記カメラ本体に装着されるメモリユニットの中の1つであることを特徴とするメモリユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2005−184504(P2005−184504A)
【公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−422883(P2003−422883)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】