カメラ
【課題】複数の表示部を備えたカメラにおいて、複数の表示部を有効に使って画像や撮影条件情報などの表示内容を見やすくすることができるカメラを提供する。
【解決手段】電子カメラに備えられた上部表示部と背面表示部は、同時に視認不能な第1の位置関係と、同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)とに配置可能である。電子カメラのコンピューターは、2つの表示部が略平行であるか否かを判断する(S10)。略平行でなければ、上部表示部に「撮影条件情報」を表示し(S20)、背面表示部に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する(S30)。一方、略平行であれば、上部表示部に「撮影条件情報」を表示し(S40)、背面表示部に「撮影画像」を表示する(S30)。つまり、略平行である場合は、背面表示部から撮影条件情報の表示が無くなり撮影画像だけが表示される。
【解決手段】電子カメラに備えられた上部表示部と背面表示部は、同時に視認不能な第1の位置関係と、同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)とに配置可能である。電子カメラのコンピューターは、2つの表示部が略平行であるか否かを判断する(S10)。略平行でなければ、上部表示部に「撮影条件情報」を表示し(S20)、背面表示部に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する(S30)。一方、略平行であれば、上部表示部に「撮影条件情報」を表示し(S40)、背面表示部に「撮影画像」を表示する(S30)。つまり、略平行である場合は、背面表示部から撮影条件情報の表示が無くなり撮影画像だけが表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示部を備えたカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子カメラ(デジタルカメラ)には、液晶表示装置が設けられている。例えば特許文献1には、表示装置と液晶表示器とを備えたカメラが開示されている。表示装置には撮影コマ番号又は撮影可能な残り枚数と、録音可能な残り時間が表示され、液晶表示器はメモリカードの内容を表示したり、スルー画像(ライブビュー画像)を表示してビューファインダーとして用いられる。近年、多くの電子カメラでは、表示装置にはシャッター速度やISO感度などの撮影条件情報も表示される。また、2つの表示部のうち少なくとも一方が姿勢変更可能な可動式に構成され、2つの表示部を各々の画面が略直交する位置関係と、略平行となる位置関係とに配置可能な電子カメラも登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−322652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示部が可能式の電子カメラでは、液晶表示器の画面には、画像と共に撮影条件情報が表示され、表示装置には、撮影条件情報が表示される。そのため、液晶表示器の画面に表示されるスルー画像や撮影画像、動画などの表示エリアが狭くなったり、これらの画像に撮影条件情報や他の画像が重畳表示されて画像の一部が隠れたりして、画像が見にくかったという問題があった。
【0005】
本発明は前記の問題点に解決するためになされたものであって、その目的は、複数の表示部を備えたカメラにおいて、複数の表示部を有効に使って画像や撮影条件情報などの表示内容を見やすくすることができるカメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、第1表示部と第2表示部とを備えたカメラであって、前記第1表示部と前記第2表示部とのうち少なくとも一方が姿勢の変更が可能に構成されており、前記第1表示部と前記第2表示部とが両方を一度に視認不能な第1の位置関係にあるときに第1検知状態になり、両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときに第2検知状態となる検知手段と、前記第1表示部と前記第2表示部との各表示内容を、前記検知手段の検知結果に基づく前記位置関係に応じて切り替える表示制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
この発明によれば、第1表示部と第2表示部とが両方を一度に視認不能な第1の位置関係にあるときには、検知手段が第1検知状態になる。一方、第1表示部と第2表示部とが両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときには、検知手段が第2検知状態となる。表示制御手段は、検知手段の検知結果に基づき第1表示部と第2表示部との位置関係(第1の位置関係か第2の位置関係か)に応じて、第1表示部と第2表示部との各表示内容を切り替える。よって、カメラに備わる複数の表示部を有効に使って撮影時に表示部に表示される画像や撮影条件情報などの表示内容を見やすくすることができる。
【0008】
また、本発明のカメラでは、前記第2の位置関係とは、前記第1表示部と前記第2表示部との各表示画面が略平行となる位置関係であることが好ましい。この発明によれば、第1表示部と第2表示部の各表示画面が略平行とある位置関係では、ユーザーは2つの表示部を同時に視認可能であるので、両表示部の二つ分の画面を有効に活用して、効率よく表示内容を表示させることができる。
【0009】
また、本発明のカメラでは、前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態では、前記第1検知状態においては前記第1表示部と前記第2表示部とで重複して表示される重複表示内容を、一方の表示部に表示させることが好ましい。この発明によれば、第1表示部と第2表示部とが、両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときには、第1の位置関係にあるときに両表示部間で重複して表示される表示内容が一方の表示部に表示される。よって、他方の表示部から重複表示内容が無くなるか減り、その他方の表示部の表示内容が見やすくなる。
【0010】
さらに、本発明のカメラでは、前記表示制御手段は、前記第1検知状態では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方の表示部に画像に加え当該画像と対応する第2の画像を画面の一部領域に表示させ、前記第2検知状態では、前記第2の画像の表示先を、前記一方の表示部から他方の表示部へ切り替えることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、第2検知状態では、第1検知状態で第1表示部と第2表示部のうち一方の表示部に画像と共に画面の一部領域に表示される当該画像と対応する第2の画像の表示先が、他方の表示部に切り替わる。よって、一方の表示部で画像を確認しつつ、他方の表示部で第2の画像を確認できる。また、一方の表示部の表示内容から第2の画像が排除されたことで、一方の表示部の画像が見やすくなる。
【0012】
また、本発明のカメラでは、前記第1表示部と前記第2表示部が省電モードにある状態下で、前記検知手段が第1検知状態から第2検知状態に切り替わると、前記第1表示部と前記第2表示部を省電モードから表示モードに切り替えるモード切替手段を更に備えることが望ましい。
【0013】
この発明によれば、省電モードにある状態下で、第1表示部と第2表示部のうち少なくとも一方が操作されて、両表示部が第1の位置関係から第2の位置関係に切り替わると、検知手段が第1検知状態から第2検知状態に切り替わる。すると、それまで消灯していた省電モードから、第1表示部と第2表示部が表示モードに切り替わる。よって、ユーザーが両表示部を一度に視認すべく第2の位置関係に配置すると、両表示部が表示状態になる。よって、省電モードから表示モードに切り替えるため特別な操作を行う必要がない。
【0014】
また、本発明のカメラでは、前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中及び撮影画像表示中に画像の一部領域を拡大表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部に前記一部領域の拡大画像を表示させることにより、当該他方の表示部が拡大表示専用になることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、検知手段の第2検知状態の下で、第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中及び撮影画像表示中のときに画像の一部領域を拡大表示させる操作が行われたことを検知すると、表示制御手段が、他方の表示部に一部領域の拡大画像を表示させることにより、この他方の表示部が拡大表示専用になる。
【0016】
さらに、本発明のカメラでは、前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方が撮影画像表示中のときに、ヒストグラムを表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にヒストグラムを表示させることにより、当該他方の表示部がヒストグラム表示専用になることが望ましい。
【0017】
この発明によれば、検知手段の第2検知状態の下で、第1表示部と第2表示部のうち一方が撮影画像表示中のときに、ヒストグラムを表示させる操作が行われたことを検知すると、表示制御手段が、他方の表示部にヒストグラムを表示させることにより、この他方の表示部がヒストグラム表示専用になる。
【0018】
また、本発明のカメラでは、前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態の下では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方がライブビュー表示中又は動画撮影中に、デジタル水準器を表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にデジタル水準器を表示させることにより、当該他方の表示部がデジタル水準器表示専用になることが好ましい。
【0019】
この発明によれば、検知手段の第2検知状態の下では、第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中又は動画撮影中に、デジタル水準器を表示させる操作が行われたことを検知すると、表示制御手段が、他方の表示部にデジタル水準器を表示させることにより、この他方の表示部がデジタル水準器表示専用になる。
【0020】
さらに、本発明のカメラでは、前記第1表示部と前記第2表示部は、カメラの設定情報を文字表示可能な上部表示部と、ライブビュー及び撮影画像を表示する背面表示部とからなることが好ましい。この発明によれば、上部表示部と背面表示部が第2の位置関係にあるときは、上部表示部と背面表示部の総表示エリアを有効に使って、効率よく必要な表示内容を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】2つの表示部が第1の位置関係にあるときの電子カメラの斜視図。
【図2】2つの表示部が第2の位置関係にあるときの電子カメラの斜視図。
【図3】2つの表示部が図2と異なる第2の位置関係にあるときの電子カメラの斜視図。
【図4】電子カメラの模式側断面図。
【図5】電子カメラの電気的構成を示すブロック図。
【図6】(a),(b)テーブルデータ図。
【図7】第1の位置関係にあるときのライブビュー時の表示内容を示す画面正面図。
【図8】第2の位置関係にあるときのライブビュー時の表示内容を示す画面正面図。
【図9】第1の位置関係にあるときのライブビュー時の拡大表示を示す画面正面図。
【図10】第2の位置関係にあるときのライブビュー時の拡大表示を示す画面正面図。
【図11】第2の位置関係にあるときの動画撮影時の拡大画像表示を示す画面正面図。
【図12】第1の位置関係にあるときのヒストグラム表示を示す画面正面図。
【図13】第2の位置関係にあるときのヒストグラム表示を示す画面正面図。
【図14】第1の位置関係にあるときの水準器表示を示す画面正面図。
【図15】第2の位置関係にあるときの水準器表示を示す画面正面図。
【図16】通常表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図17】ライブビュー時の拡大表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図18】動画撮影時の拡大表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図19】ヒストグラム表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図20】水準器表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を電子カメラに具体化した一実施形態を、図1〜図20に基づいて説明する。図1〜図3は、電子カメラを背面側から見た斜視図であり、カメラ本体に設けられた2つの表示部がそれぞれ異なる位置関係に配置された状態をそれぞれ示す。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の電子カメラ11(デジタルカメラ)は、略直方体形状をなすカメラ本体12とレンズユニット13(レンズ鏡筒)(図4に示す)とを有している。電子カメラ11は、カメラ本体12の上面部に配置された小型な画面を有する上部液晶表示部(以下、「上部表示部14」という)と、カメラ本体12の背面部に配置された大型の画面を有する背面液晶表示部(以下、「背面表示部15」という)とを備える。
【0024】
上部表示部14はカメラ本体12に対して一軸回動可能に連結され、その姿勢を前後に傾動させることで、図1に示す収納状態と図2に示す起立状態とに配置可能となっている。一方、背面表示部15はその下端中央部でカメラ本体12に対して二軸回動可能に連結されている。すなわち、背面表示部15の連結部は、カメラ本体12の底面と平行な水平回動軸12aと、その水平回動軸12aと直交する垂直回動軸12bとを有している。そして、背面表示部15は、電子カメラ11を水平に配置した状態の下で、水平回動軸12aを中心とする約180度の上下の傾動と、垂直回動軸12bを中心とする約360度の回動とが可能となっている。
【0025】
図1では、両表示部14,15が共に収納状態にある。この状態では、上部表示部14の画面14aが上向きに配置され、背面表示部15の画面15aがカメラ本体12の背面と略平行に配置される。そして、この状態では、両表示部14,15の各画面14a,15aが略直交し、両表示部14,15は、ユーザーによって同時(一度には)に視認できない位置関係となる。
【0026】
また、図2では、上部表示部14が画面を手前側(背面側)に向けた起立状態にあり、背面表示部15は画面15aを背面側に向けた収納状態にある。この状態では、両表示部14,15の画面14a,15aが同じ側を向いた略平行な位置関係となり、ユーザーは、電子カメラ11を背面側から覗く視線方向をとることで、両表示部14,15の画面14a,15aを同時に(一度に)視認可能となる。
【0027】
さらに、図3では、背面表示部15を収納状態から水平回動軸12aを中心に約90度下側へ傾動し、かつ垂直回動軸12bを中心に約180度反転させて、背面表示部15の画面15aが上側を向いた状態にある。また、上部表示部14は収納位置に配置されてその画面14aが上側を向いている。よって、両表示部14,15は共に画面14a,15aが上側を向く略平行な状態にあるので、ユーザーは、電子カメラ11を上方から覗き込む視線方向をとることで、両表示部14,15を同時に(一度に)視認可能となる。
【0028】
このように両表示部14,15は、図2及び図3に示したような同時に視認不能な(両方を一度には視認不能な)位置関係(以下、「第1の位置関係」という)と、第1の位置関係から逸脱して各画面14a,15aを同時に視認可能な(一度に視認可能な)略平行な第2の位置関係とに配置される。ここで、略平行とみなしうる角度範囲は、例えば30度以内としている。もちろん、同時に視認可能な角度範囲は、表示部14,15の視野角などから決まるため、第1の位置関係を規定する角度範囲を、30度以内の角度範囲以外の範囲に設定することもできる。例えば視野角の小さい場合は20度以内、視野角の大きい場合は40度以内などの角度範囲を設定してもよい。
【0029】
また、カメラ本体12の上部右側には、回動操作式の電源スイッチ17と、電源スイッチ17の環状部中央に配置されたレリーズボタン18とが設けられている。また、カメラ本体12の上部右側にはコマンドダイヤル19が、上部左側には撮影モードダイヤル20がそれぞれ設けられている。さらに、カメラ本体12の上側中央部には、アップ・ダウン動作が可能な内蔵フラッシュ21が設けられ、その近傍位置にアクセサリー用のシュー22が設けられている。
【0030】
また、電子カメラ11の背面上部にはファインダー23(ファインダー接眼窓)が設けられている。さらに背面表示部15の右隣箇所には、ライブビューボタン25、選択スイッチ26(マルチセレクター)、OKボタン27(決定ボタン)及びボタンスイッチ28が設けられている。選択スイッチ26は、上下左右を含む多方向のうち任意の一方向を選択可能に構成されている。
【0031】
さらに、背面表示部15の図1における左側箇所には、上から順番に、再生ボタン31、メニューボタン32、ホワイトバランスボタン33、1SO感度ボタン34、画質モード・画像サイズボタン35が、縦列配置されて設けられている。なお、これらのボタン31〜35は、操作された際に発揮される機能はその時々のモードによって変わる。
【0032】
図4は、電子カメラの構成を示す模式側断面図である。図4に示すように、電子カメラ11は、前述のカメラ本体12とレンズユニット13とを備える。レンズユニット13内には、撮像レンズ群38及び絞り39が設けられている。撮像レンズ群38はレンズ38a〜38cを含む複数のレンズより構成される。また、カメラ本体12内には、クイックリターンミラー40、焦点板41、ペンタプリズム42、接眼レンズ43、測光センサ44、シャッター45、撮像素子46及び焦点検出用センサ47を備えている。
【0033】
本実施形態の電子カメラ11では、動作モードとして撮影モード及びライブビューモードが設けられている。撮影モードとしては、静止画モード及び動画モードなどが設けられている。電子カメラ11は、静止画モードが選択された状態で、レリーズボタン18による撮影操作が行われると、撮影コマごとにクイックリターンミラー40のアップ・ダウン駆動を行い、静止画の撮影および記録をする。一方、動画モードの場合は、クイックリターンミラー40を図4の破線で示すアップ位置に保持した状態で、動画を背面表示部15に表示しながら撮影および記録を行なう。ライブビューモードは、静止画モード設定時にレリーズ前にスルー画像を動画として背面表示部15に表示するモードである。
【0034】
図5は、電子カメラの電気的構成を示すブロック図である。なお、図5では、コンピューター内は、コンピューターが果たす機能ブロックで示している。
図5に示すように、電子カメラ11は、コンピューター50、電源スイッチ17、レリーズボタン18、操作部51、測光センサ44、焦点検出用センサ47、水準器52(例えば加速度センサ)、第1検出器53、第2検出器54、第1表示ドライバ55、上部表示部14、第2表示ドライバ56、背面表示部15、電源回路57、撮像素子46及びアナログ信号処理回路58などを備えている。
【0035】
詳しくは、コンピューター50には、入力系として、電源スイッチ17、レリーズボタン18、操作部51、測光センサ44、焦点検出用センサ47、水準器52、第1検出器53及び第2検出器54が電気的に接続されている。また、コンピューター50には、出力系として、第1表示ドライバ55及び第2表示ドライバ56が電気的に接続され、コンピューター50は第1表示ドライバ55を介して上部表示部14の表示制御を行い、第2表示ドライバ56を介して背面表示部15の表示制御を行う。
【0036】
第1検出器53は、上部表示部14の回動位置(姿勢角)を検出する検出器であり、上部表示部14の回動位置に応じた値の検出信号を出力する。また、第2検出器54は、背面表示部15の二軸方向の各回動位置を別々に検出可能な第一検出器と第二検出器とを有する検出ユニットとして構成される。そして、第2検出器54は、背面表示部15の二軸方向の各回動位置(各姿勢角)に応じた値の2つの検出信号をコンピューター50へ出力する。そして、コンピューター50は、検出器53,54からの各検出信号に基づき、両表示部14,15の位置関係が、ユーザーによる同時視認可能な(両方を一度に視認可能な)略平行な位置関係(第2の位置関係)であるか否かを判断する。両表示部14,15が例えば図1に示す位置関係にあれば、コンピューター50は略平行(第2の位置関係)ではないと判断する。また、両表示部14,15が例えば図2及び図3に示す位置関係にあれば、コンピューター50は、両表示部14,15の位置関係が略平行(第2の位置関係)であると判断する。
【0037】
また、コンピューター50に接続された電源回路57は、カメラ本体12のバッテリ室に収容された電源電池59から供給される電圧を、電子カメラ11内の各部で必要な電圧に変換して各部に必要な電力を供給する。詳しくは、コンピューター50は、電源スイッチ17がオン操作されると、電源回路57を制御して電子カメラ11内の各部への電力供給を開始する。一方、電源スイッチ17がオフ操作されると、コンピューター50は電源回路57を制御して電子カメラ11内の各部への電力供給を停止する。また、電子カメラ11には省電モードが設けられている。コンピューター50は、電源オン状態の下で、何も動作されていない状態で、何も操作されないまま一定時間を経過すると省電モードに移行し、電源をオフする。なお、電源オフ状態でも、コンピューター50の一部と、電源スイッチ17、レリーズボタン18、操作部51などの操作入力系へは、電源オフ状態の下でも操作信号を検出できるように待機電力が供給されるようになっている。
【0038】
また、両表示部14,15が消灯した省電モードの状態で、ユーザーが表示部14,15の姿勢を変化させる操作を行って、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係に変更されると、コンピューター50は、第1及び第2検出器53,54からの検出信号に基づいて第2の位置関係への変更を検出する。すると、コンピューター50は、電源回路57を制御して電子カメラ11をオン状態としたうえで表示部14,15を表示状態にする。そのため、ユーザーが、両表示部14,15の画面14a,15aの両方を使って表示エリアを広く確保して、画像及び撮影条件情報などを確認すべく、両表示部14,15が略平行となるように操作すれば、自動で電源オン状態となって両表示部14,15が表示状態になる。つまり、ユーザーが両表示部14,15を第1の位置関係から第2の位置関係に変更したことを、電子カメラ11を使用する旨の操作であるとして、コンピューター50は、電子カメラ11の電源をオンさせて、両表示部14,15を表示状態にする。このため、電源スイッチ17を操作する余分な操作を省略できるようになっている。
【0039】
また、レリーズボタン18が半押し操作されると、コンピューター50は、焦点検出用センサ47から入力した焦点検出信号に基づいてデフォーカス量などの焦点調節状態の演算を行う。そして、コンピューター50は、そのデフォーカス量に基づいて図示しない合焦用モータを駆動制御して、撮像レンズ群38のうちの可動レンズを位置制御して自動合焦制御(AF制御)を行う。また、コンピューター50は、測光センサ44から入力した測光信号に基づき算出された被写体の輝度及び撮像感度(ISO感度)に基づいて、シャッター速度と絞り値とを演算する。そして、コンピューター50は、その絞り値に基づいて図示しない絞り用モータを駆動制御することで、演算された絞り値に絞り39の絞り込み量を調節する。さらに、レリーズボタン18が全押し操作されると、コンピューター50は、演算したシャッター速度に基づいて図示しないシャッター用モータを駆動制御することで、シャッター45を駆動させる。こうして静止画像の撮影が行われると、撮像素子46から出力される撮像信号がアナログ信号処理回路58を介してコンピューター50に入力される。
【0040】
ここで、撮像素子46は、複数の受光素子を2次元状(マトリックス状)に配列した受光面を有している。そして、撮像素子46は、レンズユニット13内を通過した光束を受光素子で光電変換して被写体を撮影する。この撮像素子46の出力はアナログ信号処理回路58に入力される。なお、本実施形態の撮像素子46には、CCDまたはCMOS等の公知の固体撮像素子が用いられている。
【0041】
アナログ信号処理回路58は、撮像素子46の出力に対してアナログ信号処理を施すアナログフロントエンド回路からなる。このアナログ信号処理回路58は、相関二重サンプリングや、画像信号のゲインの調整や、画像信号のA/D変換を行う。そして、アナログ信号処理回路58から出力されるデジタル画像信号はコンピューター50へ入力される。
【0042】
なお、操作部51は、図1で示された前述のコマンドダイヤル19、撮影モードダイヤル20、ライブビューボタン25、選択スイッチ26、OKボタン27、ボタンスイッチ28、再生ボタン31、メニューボタン32及び各ボタン33〜35などからなる。また、本実施形態の電子カメラ11は、ライブビュー機能、撮影画像表示機能(静止画再生機能)、動画撮影機能、動画再生機能、ヒストグラム表示機能、デジタル水準器表示機能などを備えている。
【0043】
図5に示すコンピューター50は、CPU、ROM(例えば不揮発性メモリ(EEPROM等)を含む)及びRAM等を備える。本実施形態では、コンピューター50が、ROM等に記憶された各種プログラムのうち画像表示処理用のプログラム(図16〜図20を参照)を実行することにより、コンピューター50内にソフトウェアからなる各種機能部が構築される構成となっている。もちろん、図5におけるコンピューター50内の各機能部は、ソフトウェアに限定されず、コンピューター50の内部又は外部に設けられた電子回路等(集積回路等)のハードウェアによる構成、あるいはソフトウェアとハードウェアの協働により実現される構成でもよい。
【0044】
次に、コンピューター50内の機能ブロックについて説明する。図5に示すように、コンピューター50には、制御部61、メモリ62、モード設定部63、判定部64、電源制御部65、画像処理部66、顔検出部67、合焦制御部68及び表示制御部69などを備えている。制御部61は、コンピューター50内の各部を統括的に制御する。メモリ62には、図6(a),(b)に示すテーブルデータが記憶されたテーブルデータ記憶部62a、拡大倍率設定データを記憶するための拡大倍率記憶部62b、各種フラグを記憶するためのフラグ記憶部62cが備えられている。ここで、画像中のフォーカスポイントを含む一部領域を拡大表示させたいときには、ユーザーは操作部51を操作して背面表示部15に表示されるメニュー画面の拡大設定の項目で、選択スイッチ26及びOKボタン27を操作して「拡大設定あり」を選択設定する。さらに拡大設定項目の下位層として用意された拡大倍率設定項目中の拡大倍率の候補の中から、選択スイッチ26及びOKボタン27を操作して所望の拡大倍率(拡大倍率設定データ)を設定する。すると、制御部61が、その設定された拡大設定の有無情報と拡大倍率設定データとを、メモリ62の拡大倍率記憶部62aに記憶する。この設定された拡大倍率により画像中で拡大対象とされるフォーカスポイントを含む一部領域、つまり拡大表示領域のサイズが決定される。そして、その拡大表示領域の画像をその拡大倍率で拡大した拡大画像を、表示制御部69が、2つの表示部14,15のうちそのときの表示条件等に応じて決まる少なくとも一方に表示させる構成となっている。
【0045】
モード設定部63は、ユーザーが操作部51を操作して設定したモードを設定する。本例の電子カメラ11では、モードとして、静止画撮影モード、動画撮影モード、ライブビューモード、静止画を再生する撮影画像表示モード、及び動画を再生する動画再生モードなどがある。モード設定部63は、操作部51の操作により、対応するモードが設定されると、その設定されたモードに応じた値のビットデータ(例えば2ビット)を、モード設定データとしてメモリ62のフラグ記憶部62cに記憶する。本例では、撮影画像モード、ライブビューモード、動画モードが、フラグで管理される。
【0046】
判定部64は、第1検出器53と第2検出器54から入力される各検出信号に基づいて、上部表示部14と背面表示部15とが同一方向から同時に視認可能な略平行な状態(つまり第2の位置関係)にあるか否かを判断する。詳しくは、判定部64は、各検出器53,54からの検出信号(姿勢角信号)に基づいて、表示部14,15の各々の姿勢角を求め、両者の姿勢角から表示部14,15がどのような位置関係にあるかを判定する。判定部64は、表示部14,15が略平行ではない第1の位置関係にあると判定した場合は、判定フラグ「0」をフラグ記憶部62cに書き込み、一方、表示部14,15が略平行となる第2の位置関係にあると判定した場合は、判定フラグ「1」をフラグ記憶部62cに書き込む。判定部64は、この判定処理を所定時間(例えば数10〜数100ミリ秒の範囲内の所定値)毎に実行し、判定フラグを、両表示部14,15のその時々の位置関係に応じた値に逐次更新する。なお、本実施形態では、第1検出器53、第2検出器54及び判定部64により、検知手段が構成され、第1の位置関係にあると判定したときが第1検知状態に相当し、第2の位置関係にあると判定したときが第2検知状態に相当する。
【0047】
また、図5に示す画像処理部66は、アナログ信号処理回路58から入力される1フレーム分のデジタル画像信号に対して、各種の画像処理(色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整など)を施して、画像データを生成する。また、画像処理部66は、制御部61の指示によりスルー画像のデータから背面表示部15の表示用画像(ライブビュー画像)の画像データを生成する。画像処理部66が生成した画像データは、表示制御部69及び顔検出部67へ入力される。さらに、画像処理部66は、本画像のデータをJPEG形式で圧縮する処理や、圧縮された撮影画像データを伸長復元する処理も実行する。
【0048】
顔検出部67は、顔検出モードが設定されている場合に、ライブビュー表示中又は動画撮影中にライブビュー画像又は動画像のデジタル画像信号を入力し、ライブビュー画像又は動画像に対して顔認識処理及び顔検出処理を施す。顔検出モードで顔が検出された場合、その顔検出情報は合焦制御部68及び表示制御部69に送られる。
【0049】
また、合焦制御部68は、レリーズボタン18が半押し操作されると、制御部61からの指示により、焦点検出用センサ47から入力した焦点検出信号に基づいてデフォーカス量などの焦点調節用制御値の演算を行う。そして、合焦制御部68は、そのデフォーカス量に基づいて図示しない合焦用モータを駆動制御することで、撮像レンズ群38のうちの可動レンズを位置制御して自動合焦制御(AF制御)を行う。このとき、合焦制御部68は、顔検出モードにあるときは、顔検出部67が検出した顔がフォーカスポントとされ、そのフォーカスポイントの顔に焦点を合わせる自動焦点制御を行う。
【0050】
表示制御部69は、上部表示部14と背面表示部15に画像を表示するための表示制御を行う。表示制御部69は、拡大画像やヒストグラム、水準器などの必要な画像を生成する画像生成部71と、上部表示部14に画像を表示するための表示処理を行う第1表示処理部72と、背面表示部15に画像を表示するための表示処理を行う第2表示処理部73とを備えている。
【0051】
この画像生成部71は、拡大画像を生成する拡大画像生成部74と、ヒストグラムを生成するヒストグラム生成部75と、水準器の画像を生成する水準器画像生成部76と、フォーカスポントの枠や拡大表示領域の枠などの重畳表示用の各種画像を生成する重畳表示画像生成部77とを備えている。画像生成部71には、画像処理部66からのデジタル画像信号が図示しないバッファを介して入力される。
【0052】
また、拡大画像生成部74は、デジタル画像信号に基づく画像において、そのときのフォーカスポイントを含みかつそれより大きな所定サイズの一部領域を拡大した拡大画像データを生成する。ここで、電子カメラ11の操作部51を操作して背面表示部15に表示されるメニュー中の設定画面で、ユーザーが設定した拡大倍率の設定データ(拡大倍率設定データ)がメモリ62の拡大倍率記憶部62bに記憶されている。拡大画像生成部74は、拡大倍率記憶部62bから読み出した拡大倍率に、画像の一部領域(拡大ポイント)を拡大する拡大処理を行って拡大画像用の画像データを生成する。
【0053】
ヒストグラム生成部75は、画像処理部66からの撮影画像の画像データに基づいて画素を輝度毎に集計してヒストグラムを求め、求めたヒストグラムが描かれたヒストグラム画像90(図12、図13を参照)を生成する。
【0054】
水準器画像生成部76は、水準器52からの検出信号に基づいて電子カメラ11の傾きを検出し、その検出された電子カメラの傾きに応じて傾きを変化させるカメラ画像を含む水準器画像91(水準器インジケーター)(図14、図15参照)を生成する。
【0055】
重畳表示画像生成部77は、ライブビュー表示時や動画撮影時などで画像上に重畳表示させるフォーカスポイント枠FP、及び全体画像中の拡大領域を示す拡大表示領域ZA(いずれも図10、図11を参照)の枠画像を生成する。例えば顔検出モードが設定されているときは、顔検出部67が検出した顔領域がフォーカスポイントに選択され、合焦制御部68によりそのフォーカスポイントで焦点が合うように合焦制御が行われる。そして、重畳表示画像生成部77は、その顔のフォーカスポイント領域を囲む枠画像を生成する。また、拡大表示領域ZAは、フォーカスポイントを含む所定サイズの枠画像として生成される。このとき、拡大表示領域ZAの枠画像は、メモリ62の拡大倍率記憶部62bから読み込んだ拡大倍率設定データの拡大倍率に応じた枠サイズで生成される。このとき、拡大表示領域ZAの枠サイズは、拡大表示領域ZA内の画像部分をそのとき設定されている拡大倍率で拡大したときに、その拡大した画像サイズが、表示先の表示部における拡大画像の表示サイズに一致するように決定される。よって、拡大倍率が大きいほど、拡大表示領域ZAの枠サイズは小さなサイズに決定される。また、電子カメラ11では、顔検出モード以外にも、複数のフォーカスポイントの決め方が用意されている。例えば任意に選んだ一点(例えばポートレート撮影における被写体の目)に集中して焦点を合わせる合焦制御も用意されている。また、重畳表示画像生成部77は、背面表示部15に表示される撮影条件情報82(図7、図9、図12、図13を参照)のうち画像に重畳表示される一部の撮影条件情報の画像の生成も行う。
【0056】
第1表示処理部72は、画像処理部66や画像生成部71からの画像データや、撮影条件情報などを、上部表示部14の画面形状・画面サイズに応じた1画面にレイアウトした画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像を、第1表示ドライバ55を介して上部表示部14に表示させる。第1表示処理部72は、第1画像データ生成部78を備え、1画面レイアウトの画像データの生成は、第1画像データ生成部78が行う。
【0057】
また、第2表示処理部73は、画像処理部66や画像生成部71からの画像データや、撮影条件情報などを、背面表示部15の画面形状・画面サイズに応じた1画面にレイアウトした画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像を、第2表示ドライバ56を介して背面表示部15に表示させる。第2表示処理部73は、第2画像データ生成部79を備え、1画面レイアウトの画像データの生成は、第2画像データ生成部79が行う。
【0058】
図6は、テーブルデータを示す。図6(a)は、ライブビューモードと撮影画像表示モード用のテーブルデータTD1であり、図6(b)は、動画モード用のテーブルデータTD2である。これら動作モードの下位階層には、「通常表示」、「拡大表示」、「ヒストグラム表示」、「水準器表示」の各表示モードがそれぞれ用意されている。
【0059】
現在のモードは、フラグ記憶部62cに書き込まれたモードフラグを調べることで取得可能となっている。すなわち、ユーザーが操作部51を操作して動作モードや表示モードを選択すると、モード設定部63が、そのときの操作部51からの操作信号に基づいて、現在のモード(動作モード及び表示モード)を決定して、その決定した現在のモード情報を、4ビットのビットデータとして、フラグ記憶部62cに書き込む構成となっている。よって、表示制御部69は、フラグ記憶部62cからモード情報を読み出せば、現在のモードを把握できる。本例の場合、4ビットのモード情報のうちの上位2ビットが「動作モード」、下位2ビットが「表示モード」を示す。動作モードには、例えばライブビューモード「00」、撮影画像表示モード「01」、動画モード「10」が割り当てられている。また、表示モードには、通常表示「00」、拡大表示「01」、ヒストグラム表示「10」、水準器表示「11」が割り当てられている。例えば、「0000」であれば、ライブビューモード(「00」)の通常表示(「00」)を示す。
【0060】
そして、表示制御部69は、フラグ記憶部62cから読み出した現在のモード情報及び判定フラグに基づいて、図6(a),(b)に示すテーブルデータTD1,TD2を参照することで、表示部14,15のそれぞれの表示内容を決定する。なお、図6(b)における動画モードとは、動画撮影モードと動画再生モードの両方を含み、動画撮影モードと動画再生モードで共通のテーブルデータTD2が使用される。
【0061】
以下、図7〜図15を用いて、上部表示部14と背面表示部15とが、第1の位置関係(略平行ではない位置関係)と、第2の位置関係(略平行となる位置関係)とに配置されたときの各々の表示内容について説明する。
【0062】
図7及び図8は、ライブビューモードにおける背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図7は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図8は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。
【0063】
図7に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81と、撮影条件情報82とが表示される。撮影条件情報82は、ライブビュー画像81に重畳表示される形で、撮影モード「M」(マニュアル)、データ種「RAW」、ホワイトバランス「Auto」の文字情報が表示され、さらにライブビュー画像81の下側に配置される形で、測光モードマーク、シャッター速度、絞り値(F値)、ISO感度、記録可能コマ数などの文字情報が表示される。一方、上部表示部14には、測光モードマーク、シャッター速度、絞り値(F値)、データ種「RAW」、ホワイトバランス、記録可能コマ数などの撮影条件情報83が表示される。
【0064】
図8に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81が表示される。一方、上部表示部14には、撮影条件情報83が表示される。つまり、上部表示部14には、図7において、背面表示部15と上部表示部14とで重複していた重複表示内容、すなわち、測光モードマーク、シャッター速度、絞り値(F値)、記録可能コマ数が表示されると共に、これに加えてISO感度とホワイトバランスが表示される。このように必要な撮影条件情報はすべて上部表示部14に撮影条件情報83として表示されるので、背面表示部15には、その画面15aほぼ一杯に、ライブビュー画像81が何も重畳表示されることなくすべて表示される。なお、図8の上部表示部14に、撮影モード「M」の表示を追加してもよい。
【0065】
図9及び図10は、ライブビューモードで拡大表示させる際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図9は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図10は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。図9に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、拡大画像84と撮影条件情報82とが表示される。この拡大表示モードでは、拡大画像84に全体画像85が重畳表示される。
【0066】
一方、図10に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、拡大画像84と撮影条件情報82とが表示される。また、上部表示部14には、全体画像85が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、全体画像85の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14で全体画像を確認しつつ、背面表示部15で拡大画像84を何も重畳表示されることなくその全体を見ることが可能となっている。
【0067】
なお、全体画像85には、フォーカスポイント枠FPと拡大表示領域ZAとが重畳表示される。ここで、フォーカスポイント枠FPは、全体画像85中で焦点を合わせたエリアを示し、このフォーカスポイント枠FPを含む所定サイズの矩形領域として拡大表示領域ZAは表示される。ユーザーが操作部51を操作して電子カメラ11に拡大設定の登録を行っておくと、その後、ライブビュー時に拡大表示モードが選択されるようになっている。拡大設定操作は、背面表示部15に表示されるメニュー画面中の拡大設定の項目で、「拡大設定あり」を選択した後、「拡大倍率」を設定することで行われる。これらの拡大設定情報は、制御部61によりメモリ62の所定記憶領域に記憶される。
【0068】
また、図11は、動画モードで拡大表示させる際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。同図では両表示部14,15が第2の位置関係にある場合を示す。図11に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、動画86と、この動画86の下側に配置された撮影条件情報82とが表示される。撮影条件情報82は、測光モードマーク、ビデオ撮影マーク、及び撮影時間、ISO感度などの文字情報からなる。また、動画86には、拡大表示領域ZAが重畳表示される。また、上部表示部14には、拡大画像87が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、拡大画像87の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14で拡大画像87を確認しつつ、背面表示部15で動画86をどこも隠れることなく見ることができる。なお、この動画モードでの拡大設定操作は、ライブビューモード時と基本的に同様である。
【0069】
図12及び図13は、撮影画像表示モードでヒストグラム表示させる際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図12は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図13は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。なお、図12には、背面表示部15の表示内容の例として、2種類の表示形式を示している。
【0070】
図12に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、撮影画像88とヒストグラム89と撮影条件情報82とが表示される。図12中の上側の背面表示部15の表示形式では、撮影画像88に重畳表示される形で、ヒストグラム89が表示される。また、図12中の下側の背面表示部15の表示形式では、撮影画像88と、ヒストグラム89が描かれたヒストグラム画像90とが別画面枠で表示される。また、上部表示部14には、撮影条件情報83が表示される。
【0071】
一方、図13に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、撮影画像88と撮影条件情報82とが表示される。また、上部表示部14には、ヒストグラム画像90が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、ヒストグラム89の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14でヒストグラム89を確認しつつ、背面表示部15で比較的大きく表示された撮影画像88の全体を見ることが可能となっている。
【0072】
図14及び図15は、ライブビューモード又は動画モードで水準器表示を行う際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図14は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図15は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。なお、図14には、背面表示部15の表示内容の例として、2種類の表示形式を示している。
【0073】
図14に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81と水準器画像91(水準器インジケーター)と撮影条件情報82とが表示される。図14中の上側の背面表示部15の表示形式では、ライブビュー画像81に重畳表示される形で、水準器画像91が表示される。また、図14中の下側の背面表示部15の表示形式では、ライブビュー画像81と水準器画像91とが別画面枠で表示される。また、上部表示部14には、撮影条件情報83が表示される。
【0074】
一方、図15に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81と撮影条件情報82とが表示される。また、上部表示部14には、水準器画像91が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、水準器画像91の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14で水準器画像91を見て電子カメラ11の傾斜を確認しつつ、背面表示部15で比較的大きく表示されたライブビュー画像81の全体を見ることが可能となっている。なお、動画モードにも水準器表示モードがあるが、ライブビューと動画の違いだけで、水準器画像の表示の仕方は基本的に同様である。
【0075】
次に電子カメラ11の表示処理を説明する。まず、図16のフローチャートを用いてライブビュー時の通常表示処理について、図7及び図8を参照しつつ説明する。ユーザーが操作部51(ライブビューボタン25)を用いてライブビュー実行操作を行うと、コンピューター50が図16のフローチャートで示される通常表示処理用プログラムを実行する。
【0076】
まず、ステップS10では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS20に進み、略平行であればステップS40に進む。
【0077】
ステップS20では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS30では、背面表示部15に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける通常表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像+撮影条件情報」となる。これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図7に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定された撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図7に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81と撮影条件情報82とを表示させる。
【0078】
一方、ステップS40では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS50では、背面表示部15に「撮影画像」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける通常表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像」となる。
【0079】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図8に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図8に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81を表示させる。
【0080】
次に、図17のフローチャートを用いてライブビュー時の拡大表示処理について、図9及び図10を参照しつつ説明する。ユーザーが操作部51を用いて拡大設定を行ったうえで、操作部51によるライブビュー実行操作が行われると、コンピューター50が図17に示す拡大表示処理用プログラムを実行する。
【0081】
まず、ステップS110では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS120に進み、略平行であればステップS140に進む。
【0082】
ステップS120では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS130では、背面表示部15に「拡大画像+全体画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける拡大表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「拡大画像+全体画像+撮影条件情報」となる。
【0083】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図9に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像が拡大画像生成部74により拡大処理された拡大画像と、画像処理部66からのスルー画像を基に重畳表示画像生成部77により生成された全体画像と、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「拡大画像+全体画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図9に示すように、背面表示部15に、拡大画像84と、これに重畳表示された全体画像85と、撮影条件情報82とを表示させる。このとき、撮影条件情報82の一部は、拡大画像84に重畳表示される。
【0084】
一方、ステップS140では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS150では、背面表示部15に「拡大画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける拡大表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「全体画像」、背面表示部15が「拡大画像+撮影条件情報」となる。
【0085】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「全体画像」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図10に示すように、上部表示部14に全体画像85を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像が拡大表示された拡大画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「拡大画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図10に示すように、背面表示部15に、拡大画像84と撮影条件情報82とを表示させる。
【0086】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、全体画像85が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、画像の一部を隠すような全体画像が重畳表示されることのない拡大画像84が表示される。よって、ユーザーは上部表示部14で全体画像85を見ながら、その全体画像85中の拡大表示領域ZAの拡大画像84を背面表示部15で確認することができる。
【0087】
次に、図18のフローチャートを用いて動画撮影時の拡大表示処理について、図11を参照しつつ説明する。ユーザーが操作部51を用いて拡大設定を行ったうえで、操作部51による動画撮影実行操作が行われると、コンピューター50が図18に示す拡大表示処理用プログラムを実行する。
【0088】
まず、ステップS210では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS220に進み、略平行であればステップS240に進む。
【0089】
ステップS220では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS230では、背面表示部15に「全体画像+拡大画像+撮影条件情報」を表示する。
一方、ステップS240では、上部表示部14に「拡大画像」を表示する。次のステップS250では、背面表示部15に「全体画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、動画モードにおける拡大表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「拡大画像」、背面表示部15が「全体画像+撮影条件情報」となる。
【0090】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、画像処理部66からのスルー画像が拡大表示された拡大画像の画像データに基づき、上部表示部用の「拡大画像」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図11に示すように、上部表示部14に拡大画像87を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの動画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「全体画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図11に示すように、背面表示部15に、動画86と撮影条件情報82とを表示させる。
【0091】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、拡大画像87が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、画像の一部を隠すような全体画像が重畳表示されることのない動画86が表示される。よって、ユーザーは背面表示部15で動画86の全体を見ながら、その動画86中の拡大表示領域ZAの拡大画像87を上部表示部14で確認することができる。
【0092】
次に、図19のフローチャートを用いて撮影画像表示時のヒストグラム表示処理について、図12及び図13を参照しつつ説明する。撮影画像表示時に、操作部51によりヒストグラム表示操作が行われると、コンピューター50が図19に示すヒストグラム表示処理用プログラムを実行する。
【0093】
まず、ステップS310では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS320に進み、略平行であればステップS340に進む。
【0094】
ステップS320では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS330では、背面表示部15に「撮影画像+ヒストグラム+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、撮影画像表示モードにおけるヒストグラム表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像+ヒストグラム+撮影条件情報」となる。これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図12に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。
【0095】
また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの撮影画像の画像データと、ヒストグラム生成部75により生成されたヒストグラムの画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+ヒストグラム+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図12に示すように、背面表示部15に、撮影画像88とヒストグラム89と撮影条件情報82とを表示させる。このとき、背面表示部15における表示方法には2種類あり、図12中の上側の背面表示部15に示すように、撮影画像88にヒストグラム89を重畳表示させる表示形式と、図12中の下側の背面表示部15に示すように、撮影画像88と、ヒストグラム89が描かれたヒストグラム画像90とを別画面枠で表示させる表示形式とがある。
【0096】
一方、ステップS340では、上部表示部14に「ヒストグラム」を表示する。次のステップS350では、背面表示部15に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおけるヒストグラム表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「ヒストグラム」、背面表示部15が「撮影画像+撮影条件情報」となる。
【0097】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「ヒストグラム」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図13に示すように、上部表示部14にヒストグラム89が描かれたヒストグラム画像90を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの撮影画像データと、この画像データに付加されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図13に示すように、背面表示部15に、撮影画像88と撮影条件情報82とを表示させる。
【0098】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、ヒストグラム画像90が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、重畳表示されたヒストグラム画像により画像の一部が隠れることのない撮影画像88が表示される。よって、ユーザーは上部表示部14に表示されたヒストグラム画像90でホワイトバランス等を確認しつつ、背面表示部15で隠れる部分の少ない撮影画像88を見ることができる。
【0099】
次に、図20のフローチャートを用いてライブビュー時又は動画撮影時の水準器表示処理について、図14及び図15を参照しつつ説明する。ライブビュー時又は動画撮影時に、操作部51によりデジタル水準器表示操作が行われると、コンピューター50が図20に示す水準器表示処理用プログラムを実行する。ここで、ライブビュー時と動画撮影時とで水準器表示処理の基本内容は同じなので、以下ではライブビュー時の例で説明する。
【0100】
まず、ステップS410では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS420に進み、略平行であればステップS440に進む。
【0101】
ステップS420では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS430では、背面表示部15に「撮影画像+水準器+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける水準器表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像+水準器+撮影条件情報」となる。これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図14に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。
【0102】
また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの撮影画像データと、水準器画像生成部76により生成された水準器画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+水準器+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図14に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81と水準器画像91(水準器インジケーター)と撮影条件情報82とを表示させる。このとき、背面表示部15における表示方法には2種類あり、図14中の上側の背面表示部15に示すように、ライブビュー画像81に水準器画像91を重畳表示させる表示形式と、図14中の下側の背面表示部15に示すように、ライブビュー画像81と水準器画像91とを別画面枠で表示させる表示形式とがある。
【0103】
一方、ステップS440では、上部表示部14に「水準器」を表示する。次のステップS450では、背面表示部15に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける水準器表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「水準器」、背面表示部15が「撮影画像+撮影条件情報」となる。
【0104】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「水準器」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図15に示すように、上部表示部14に水準器画像91を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図15に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81と撮影条件情報82とを表示させる。
【0105】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、水準器画像91が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、重畳表示された水準器画像により画像の一部が隠れることのないライブビュー画像81が表示される。よって、ユーザーは上部表示部14に表示された水準器画像91で電子カメラ11の傾斜を確認しつつ、背面表示部15で隠れる部分の少ないライブビュー画像81を見ることができる。
【0106】
以上詳述したようにこの第一実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係に配置されると、両表示部14,15の表示内容が、同時に視認不能な第1の位置関係にあるときの表示内容から、両表示部14,15の総表示エリアを使って表示内容の確認が行える表示内容に切り替わる。よって、第2の位置関係にあるときには、両表示部14,15の総表示エリアを有効に使って表示内容を見やすくすることができる。
【0107】
(2)両表示部14,15が略平行となる位置関係を第2の位置関係として設定したので、ユーザーが両表示部14,15を同時に視認すべく意識して平行に配置したときに限り、二画面を総表示エリアとする表示内容に切り替わる。よって、ユーザーの意図に反して表示内容が切り替わる事態を回避することができる。
【0108】
(3)両表示部14,15が略平行となる第2の位置関係にあるときには、両表示部14,15が第1の位置関係にあるときに重複していた重複表示内容(撮影条件情報82,83)を、背面表示部15の表示内容から削除したうえで上部表示部14だけに表示させる構成とした。よって、例えば電子カメラ11でライブビュー表示を行っているときには、ユーザーは、上部表示部14の画面14aで撮影条件情報83を確認しつつ、背面表示部15の画面15aでライブビュー画像81の全体を見渡すことができる。
【0109】
(4)両表示部14,15が略平行となる第2の位置関係にあるときには、両表示部14,15が第1の位置関係にあるときに撮影画像(拡大画像84、動画像86、静止画像88)に重畳されていた第2の画像(全体画像85、拡大画像87、ヒストグラム89、水準器画像91)を、背面表示部15の表示内容から削除したうえで上部表示部14だけに表示させる構成とした。よって、例えば電子カメラ11でライブビュー表示、動画撮影、撮影画像表示を行っているときには、ユーザーは、上部表示部14で第2の画像(全体画像85、拡大画像87、ヒストグラム89、水準器画像91)を確認しつつ、背面表示部15で撮影画像(拡大画像84、動画像86、静止画像88)のほぼ全体を見渡すことができる。
【0110】
(5)両表示部14,15が省電モードで消灯した状態で、両表示部14,15のうち少なくとも一方が操作されて第2の位置関係に配置されると、電源制御部65が、電源回路57の供給電力を制御して、それまで省電状態にあった両表示部14,15を表示状態に復帰させる。よって、動作も操作もなく所定時間経過したときには両表示部14,15を省電目的で消灯でき、両表示部14,15を使って表示内容を確認すべくそれぞれの姿勢角を略平行になるように調整すれば、両表示部14,15を自動で表示状態にすることができる。よって、表示部14,15を表示状態とするために電源スイッチ17を操作するなどの面倒の操作を不要にできる。
【0111】
(6)第2の位置関係に配置された状態で背面表示部15に撮影画像が表示されている最中に、操作部51の操作でヒストグラム表示が指示されると、上部表示部14の表示内容が、撮影条件情報83からヒストグラム画像90に切り替わり、上部表示部14がヒストグラム表示専用になる。よって、ユーザーは、上部表示部14でヒストグラムを確認しつつ、背面表示部15で撮影画像を見ることができる。
【0112】
(7)ライブビュー時又は動画撮影時に、第2の位置関係に配置された状態で背面表示部15に撮影画像が表示されている最中に、操作部51の操作で水準器表示が指示されると、上部表示部14の表示内容が、撮影条件情報83から水準器画像91に切り替わり、上部表示部14が水準器表示専用になる。よって、ユーザーは、上部表示部14で水準器画像91(水準器インジケーター)を確認しつつ、背面表示部15で撮影画像を見ることができる。
【0113】
前記実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)図8では、撮影条件情報を上部表示部14に集中させたが、図7における重複表示内容のうち一部(画像の下側の撮影条件情報や、重畳表示の撮影条件情報の全部又は一部)だけを背面表示部15から排除した構成でもよい。この場合でも、背面表示部15のライブビュー画像81の表示エリアを広くできたり、ライブビュー画像81から重畳表示を削除又は低減したりできる。また、上部表示部14と背面表示部15の表示エリアサイズにさほど差のないカメラであれば、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆にしてもよい。
【0114】
(変形例2)図9では、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15に、拡大画像84を画面に大きく表示し、全体画像85を拡大画像84の一部領域に小さく重畳表示したが、この逆でもよい。この場合、第2の位置関係にあるとき、図10に替えて、背面表示部15に全体画像85を表示し、上部表示部14に拡大画像84を表示する。
【0115】
(変形例3)図11において上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆とし、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15に拡大画像87を表示し、上部表示部14に動画86を表示してもよい。
【0116】
(変形例4)図13において上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆とし、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15にヒストグラム画像90を表示し、上部表示部14に撮影画像88を表示してもよい。
【0117】
(変形例5)図15において上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆とし、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15に水準器画像91を表示し、上部表示部14にライブビュー画像81を表示してもよい。
【0118】
(変形例6)背面表示部15がカメラ本体12に対して一軸回動可能に連結された構成も採用できる。この場合、図1における電子カメラにおいて、背面表示部15をその上端中央部にてカメラ本体12と1本の水平回動軸で連結する構成とすればよい。この構成であれば、背面表示部15を収納状態から上側へ約90度傾動させれば、背面表示部15と上部表示部14とを、第2の位置関係(略平行となる配置関係)に配置できる。また、上部表示部14を二軸回動可能な状態でカメラ本体に連結した構成も採用できる。
【0119】
(変形例7)前記実施形態では、複数の表示部のすべてを回動式としたが、複数の表示部のうち少なくとも1つが回動式であれば足りる。つまり、複数の表示部のうち少なくとも1つの表示部の回動操作により、少なくとも2つの表示部が略平行となる第2の位置関係に配置できる構成であれば足りる。
【0120】
(変形例8)第1表示部と第2表示部の配置位置は、カメラ本体12の上面と背面に限定されず、カメラ本体12の任意の位置に設定してよい。また、表示部の個数は、第1表示部と第2表示部の2個に限定されず、第1表示部と第2表示部とを含む3個以上の複数個の表示部を備えた構成も採用できる。
【0121】
(変形例9)第1検知状態と第2検知状態との間に非検知状態があってもよい。この場合、非検知状態の表示内容は、第1検知状態の際の表示内容と、第2検知状態の際の表示内容のうちどちらであってもよい。例えば第1検知状態から第2検知状態へ切り替わる途中の非検知状態では第1検知状態の際の表示内容が維持され、一方、第2検知状態から第1検知状態へ切り替わる途中の非検知状態では第2検知状態の際の表示内容が維持される構成としてもよい。要するに、第1検知状態と第2検知状態とで、第1表示部と第2表示部との位置関係に応じた表示内容に切り替わればよい。
【0122】
(変形例10)第1表示部と第2表示部のうち少なくとも一方を、モータ等のアクチュエータの動力で姿勢変更可能に駆動される構成としてもよい。例えばカメラには、表示部の収納状態から離れる方向への姿勢変更をさせる開操作と、表示部の収納側への姿勢変更をさせる閉操作とが可能な表示部駆動用の操作ボタンが設けられ、ユーザーが表示部駆動用の操作ボタンを押している間、表示部の姿勢角を調整できる構成が挙げられる。もちろん、ユーザーが表示部駆動用の操作ボタンを押すと、表示部が収納状態から例えば約90度回動して、第1表示部と第2表示部が、第1の位置関係から第2の位置関係に配置される構成も採用できる。
【0123】
(変形例11)カメラは、電子カメラ(デジタルカメラ)に限定されず、フィルム式カメラでもよい。
【符号の説明】
【0124】
11…カメラとしての電子カメラ、12…カメラ本体、17…電源スイッチ、18…レリーズボタン、14…第1表示部としての上部表示部、14a…表示画面としての画面、15…第2表示部としての背面表示部、15a…表示画面としての画面、50…コンピューター、51…操作部、52…水準器、53…検知手段を構成する第1検出器、54…検知手段を構成する第2検出器、55…第1表示ドライバ、56…第2表示ドライバ、57…電源回路、58…アナログ信号処理回路、59…電源電池、61…制御部、62…メモリ、62a…テーブルデータ記憶部、62b…拡大倍率記憶部、62c…フラグ記憶部、63…モード設定部、64…検知手段を構成する判定部、65…モード切替手段としての電源制御部、66…画像処理部、67…顔検出部、68…合焦制御部、69…表示制御手段を構成する表示制御部、71…画像生成部、72…第1表示処理部、73…第2表示処理部、74…拡大画像生成部、75…ヒストグラム生成部、76…水準器画像生成部、77…重畳表示画像生成部、78…第1画像データ生成部、79…第2画像データ生成部、81…ライブビュー画像、82…撮影条件情報、83…撮影条件情報、84…拡大画像、85…全体画像、86…動画、87…拡大画像、88…撮影画像、89…ヒストグラム、90…ヒストグラム画像、91…水準器画像、FP…フォーカスポイント枠、ZA…拡大表示領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示部を備えたカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子カメラ(デジタルカメラ)には、液晶表示装置が設けられている。例えば特許文献1には、表示装置と液晶表示器とを備えたカメラが開示されている。表示装置には撮影コマ番号又は撮影可能な残り枚数と、録音可能な残り時間が表示され、液晶表示器はメモリカードの内容を表示したり、スルー画像(ライブビュー画像)を表示してビューファインダーとして用いられる。近年、多くの電子カメラでは、表示装置にはシャッター速度やISO感度などの撮影条件情報も表示される。また、2つの表示部のうち少なくとも一方が姿勢変更可能な可動式に構成され、2つの表示部を各々の画面が略直交する位置関係と、略平行となる位置関係とに配置可能な電子カメラも登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−322652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示部が可能式の電子カメラでは、液晶表示器の画面には、画像と共に撮影条件情報が表示され、表示装置には、撮影条件情報が表示される。そのため、液晶表示器の画面に表示されるスルー画像や撮影画像、動画などの表示エリアが狭くなったり、これらの画像に撮影条件情報や他の画像が重畳表示されて画像の一部が隠れたりして、画像が見にくかったという問題があった。
【0005】
本発明は前記の問題点に解決するためになされたものであって、その目的は、複数の表示部を備えたカメラにおいて、複数の表示部を有効に使って画像や撮影条件情報などの表示内容を見やすくすることができるカメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、第1表示部と第2表示部とを備えたカメラであって、前記第1表示部と前記第2表示部とのうち少なくとも一方が姿勢の変更が可能に構成されており、前記第1表示部と前記第2表示部とが両方を一度に視認不能な第1の位置関係にあるときに第1検知状態になり、両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときに第2検知状態となる検知手段と、前記第1表示部と前記第2表示部との各表示内容を、前記検知手段の検知結果に基づく前記位置関係に応じて切り替える表示制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
この発明によれば、第1表示部と第2表示部とが両方を一度に視認不能な第1の位置関係にあるときには、検知手段が第1検知状態になる。一方、第1表示部と第2表示部とが両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときには、検知手段が第2検知状態となる。表示制御手段は、検知手段の検知結果に基づき第1表示部と第2表示部との位置関係(第1の位置関係か第2の位置関係か)に応じて、第1表示部と第2表示部との各表示内容を切り替える。よって、カメラに備わる複数の表示部を有効に使って撮影時に表示部に表示される画像や撮影条件情報などの表示内容を見やすくすることができる。
【0008】
また、本発明のカメラでは、前記第2の位置関係とは、前記第1表示部と前記第2表示部との各表示画面が略平行となる位置関係であることが好ましい。この発明によれば、第1表示部と第2表示部の各表示画面が略平行とある位置関係では、ユーザーは2つの表示部を同時に視認可能であるので、両表示部の二つ分の画面を有効に活用して、効率よく表示内容を表示させることができる。
【0009】
また、本発明のカメラでは、前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態では、前記第1検知状態においては前記第1表示部と前記第2表示部とで重複して表示される重複表示内容を、一方の表示部に表示させることが好ましい。この発明によれば、第1表示部と第2表示部とが、両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときには、第1の位置関係にあるときに両表示部間で重複して表示される表示内容が一方の表示部に表示される。よって、他方の表示部から重複表示内容が無くなるか減り、その他方の表示部の表示内容が見やすくなる。
【0010】
さらに、本発明のカメラでは、前記表示制御手段は、前記第1検知状態では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方の表示部に画像に加え当該画像と対応する第2の画像を画面の一部領域に表示させ、前記第2検知状態では、前記第2の画像の表示先を、前記一方の表示部から他方の表示部へ切り替えることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、第2検知状態では、第1検知状態で第1表示部と第2表示部のうち一方の表示部に画像と共に画面の一部領域に表示される当該画像と対応する第2の画像の表示先が、他方の表示部に切り替わる。よって、一方の表示部で画像を確認しつつ、他方の表示部で第2の画像を確認できる。また、一方の表示部の表示内容から第2の画像が排除されたことで、一方の表示部の画像が見やすくなる。
【0012】
また、本発明のカメラでは、前記第1表示部と前記第2表示部が省電モードにある状態下で、前記検知手段が第1検知状態から第2検知状態に切り替わると、前記第1表示部と前記第2表示部を省電モードから表示モードに切り替えるモード切替手段を更に備えることが望ましい。
【0013】
この発明によれば、省電モードにある状態下で、第1表示部と第2表示部のうち少なくとも一方が操作されて、両表示部が第1の位置関係から第2の位置関係に切り替わると、検知手段が第1検知状態から第2検知状態に切り替わる。すると、それまで消灯していた省電モードから、第1表示部と第2表示部が表示モードに切り替わる。よって、ユーザーが両表示部を一度に視認すべく第2の位置関係に配置すると、両表示部が表示状態になる。よって、省電モードから表示モードに切り替えるため特別な操作を行う必要がない。
【0014】
また、本発明のカメラでは、前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中及び撮影画像表示中に画像の一部領域を拡大表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部に前記一部領域の拡大画像を表示させることにより、当該他方の表示部が拡大表示専用になることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、検知手段の第2検知状態の下で、第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中及び撮影画像表示中のときに画像の一部領域を拡大表示させる操作が行われたことを検知すると、表示制御手段が、他方の表示部に一部領域の拡大画像を表示させることにより、この他方の表示部が拡大表示専用になる。
【0016】
さらに、本発明のカメラでは、前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方が撮影画像表示中のときに、ヒストグラムを表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にヒストグラムを表示させることにより、当該他方の表示部がヒストグラム表示専用になることが望ましい。
【0017】
この発明によれば、検知手段の第2検知状態の下で、第1表示部と第2表示部のうち一方が撮影画像表示中のときに、ヒストグラムを表示させる操作が行われたことを検知すると、表示制御手段が、他方の表示部にヒストグラムを表示させることにより、この他方の表示部がヒストグラム表示専用になる。
【0018】
また、本発明のカメラでは、前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態の下では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方がライブビュー表示中又は動画撮影中に、デジタル水準器を表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にデジタル水準器を表示させることにより、当該他方の表示部がデジタル水準器表示専用になることが好ましい。
【0019】
この発明によれば、検知手段の第2検知状態の下では、第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中又は動画撮影中に、デジタル水準器を表示させる操作が行われたことを検知すると、表示制御手段が、他方の表示部にデジタル水準器を表示させることにより、この他方の表示部がデジタル水準器表示専用になる。
【0020】
さらに、本発明のカメラでは、前記第1表示部と前記第2表示部は、カメラの設定情報を文字表示可能な上部表示部と、ライブビュー及び撮影画像を表示する背面表示部とからなることが好ましい。この発明によれば、上部表示部と背面表示部が第2の位置関係にあるときは、上部表示部と背面表示部の総表示エリアを有効に使って、効率よく必要な表示内容を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】2つの表示部が第1の位置関係にあるときの電子カメラの斜視図。
【図2】2つの表示部が第2の位置関係にあるときの電子カメラの斜視図。
【図3】2つの表示部が図2と異なる第2の位置関係にあるときの電子カメラの斜視図。
【図4】電子カメラの模式側断面図。
【図5】電子カメラの電気的構成を示すブロック図。
【図6】(a),(b)テーブルデータ図。
【図7】第1の位置関係にあるときのライブビュー時の表示内容を示す画面正面図。
【図8】第2の位置関係にあるときのライブビュー時の表示内容を示す画面正面図。
【図9】第1の位置関係にあるときのライブビュー時の拡大表示を示す画面正面図。
【図10】第2の位置関係にあるときのライブビュー時の拡大表示を示す画面正面図。
【図11】第2の位置関係にあるときの動画撮影時の拡大画像表示を示す画面正面図。
【図12】第1の位置関係にあるときのヒストグラム表示を示す画面正面図。
【図13】第2の位置関係にあるときのヒストグラム表示を示す画面正面図。
【図14】第1の位置関係にあるときの水準器表示を示す画面正面図。
【図15】第2の位置関係にあるときの水準器表示を示す画面正面図。
【図16】通常表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図17】ライブビュー時の拡大表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図18】動画撮影時の拡大表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図19】ヒストグラム表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【図20】水準器表示処理ルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を電子カメラに具体化した一実施形態を、図1〜図20に基づいて説明する。図1〜図3は、電子カメラを背面側から見た斜視図であり、カメラ本体に設けられた2つの表示部がそれぞれ異なる位置関係に配置された状態をそれぞれ示す。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の電子カメラ11(デジタルカメラ)は、略直方体形状をなすカメラ本体12とレンズユニット13(レンズ鏡筒)(図4に示す)とを有している。電子カメラ11は、カメラ本体12の上面部に配置された小型な画面を有する上部液晶表示部(以下、「上部表示部14」という)と、カメラ本体12の背面部に配置された大型の画面を有する背面液晶表示部(以下、「背面表示部15」という)とを備える。
【0024】
上部表示部14はカメラ本体12に対して一軸回動可能に連結され、その姿勢を前後に傾動させることで、図1に示す収納状態と図2に示す起立状態とに配置可能となっている。一方、背面表示部15はその下端中央部でカメラ本体12に対して二軸回動可能に連結されている。すなわち、背面表示部15の連結部は、カメラ本体12の底面と平行な水平回動軸12aと、その水平回動軸12aと直交する垂直回動軸12bとを有している。そして、背面表示部15は、電子カメラ11を水平に配置した状態の下で、水平回動軸12aを中心とする約180度の上下の傾動と、垂直回動軸12bを中心とする約360度の回動とが可能となっている。
【0025】
図1では、両表示部14,15が共に収納状態にある。この状態では、上部表示部14の画面14aが上向きに配置され、背面表示部15の画面15aがカメラ本体12の背面と略平行に配置される。そして、この状態では、両表示部14,15の各画面14a,15aが略直交し、両表示部14,15は、ユーザーによって同時(一度には)に視認できない位置関係となる。
【0026】
また、図2では、上部表示部14が画面を手前側(背面側)に向けた起立状態にあり、背面表示部15は画面15aを背面側に向けた収納状態にある。この状態では、両表示部14,15の画面14a,15aが同じ側を向いた略平行な位置関係となり、ユーザーは、電子カメラ11を背面側から覗く視線方向をとることで、両表示部14,15の画面14a,15aを同時に(一度に)視認可能となる。
【0027】
さらに、図3では、背面表示部15を収納状態から水平回動軸12aを中心に約90度下側へ傾動し、かつ垂直回動軸12bを中心に約180度反転させて、背面表示部15の画面15aが上側を向いた状態にある。また、上部表示部14は収納位置に配置されてその画面14aが上側を向いている。よって、両表示部14,15は共に画面14a,15aが上側を向く略平行な状態にあるので、ユーザーは、電子カメラ11を上方から覗き込む視線方向をとることで、両表示部14,15を同時に(一度に)視認可能となる。
【0028】
このように両表示部14,15は、図2及び図3に示したような同時に視認不能な(両方を一度には視認不能な)位置関係(以下、「第1の位置関係」という)と、第1の位置関係から逸脱して各画面14a,15aを同時に視認可能な(一度に視認可能な)略平行な第2の位置関係とに配置される。ここで、略平行とみなしうる角度範囲は、例えば30度以内としている。もちろん、同時に視認可能な角度範囲は、表示部14,15の視野角などから決まるため、第1の位置関係を規定する角度範囲を、30度以内の角度範囲以外の範囲に設定することもできる。例えば視野角の小さい場合は20度以内、視野角の大きい場合は40度以内などの角度範囲を設定してもよい。
【0029】
また、カメラ本体12の上部右側には、回動操作式の電源スイッチ17と、電源スイッチ17の環状部中央に配置されたレリーズボタン18とが設けられている。また、カメラ本体12の上部右側にはコマンドダイヤル19が、上部左側には撮影モードダイヤル20がそれぞれ設けられている。さらに、カメラ本体12の上側中央部には、アップ・ダウン動作が可能な内蔵フラッシュ21が設けられ、その近傍位置にアクセサリー用のシュー22が設けられている。
【0030】
また、電子カメラ11の背面上部にはファインダー23(ファインダー接眼窓)が設けられている。さらに背面表示部15の右隣箇所には、ライブビューボタン25、選択スイッチ26(マルチセレクター)、OKボタン27(決定ボタン)及びボタンスイッチ28が設けられている。選択スイッチ26は、上下左右を含む多方向のうち任意の一方向を選択可能に構成されている。
【0031】
さらに、背面表示部15の図1における左側箇所には、上から順番に、再生ボタン31、メニューボタン32、ホワイトバランスボタン33、1SO感度ボタン34、画質モード・画像サイズボタン35が、縦列配置されて設けられている。なお、これらのボタン31〜35は、操作された際に発揮される機能はその時々のモードによって変わる。
【0032】
図4は、電子カメラの構成を示す模式側断面図である。図4に示すように、電子カメラ11は、前述のカメラ本体12とレンズユニット13とを備える。レンズユニット13内には、撮像レンズ群38及び絞り39が設けられている。撮像レンズ群38はレンズ38a〜38cを含む複数のレンズより構成される。また、カメラ本体12内には、クイックリターンミラー40、焦点板41、ペンタプリズム42、接眼レンズ43、測光センサ44、シャッター45、撮像素子46及び焦点検出用センサ47を備えている。
【0033】
本実施形態の電子カメラ11では、動作モードとして撮影モード及びライブビューモードが設けられている。撮影モードとしては、静止画モード及び動画モードなどが設けられている。電子カメラ11は、静止画モードが選択された状態で、レリーズボタン18による撮影操作が行われると、撮影コマごとにクイックリターンミラー40のアップ・ダウン駆動を行い、静止画の撮影および記録をする。一方、動画モードの場合は、クイックリターンミラー40を図4の破線で示すアップ位置に保持した状態で、動画を背面表示部15に表示しながら撮影および記録を行なう。ライブビューモードは、静止画モード設定時にレリーズ前にスルー画像を動画として背面表示部15に表示するモードである。
【0034】
図5は、電子カメラの電気的構成を示すブロック図である。なお、図5では、コンピューター内は、コンピューターが果たす機能ブロックで示している。
図5に示すように、電子カメラ11は、コンピューター50、電源スイッチ17、レリーズボタン18、操作部51、測光センサ44、焦点検出用センサ47、水準器52(例えば加速度センサ)、第1検出器53、第2検出器54、第1表示ドライバ55、上部表示部14、第2表示ドライバ56、背面表示部15、電源回路57、撮像素子46及びアナログ信号処理回路58などを備えている。
【0035】
詳しくは、コンピューター50には、入力系として、電源スイッチ17、レリーズボタン18、操作部51、測光センサ44、焦点検出用センサ47、水準器52、第1検出器53及び第2検出器54が電気的に接続されている。また、コンピューター50には、出力系として、第1表示ドライバ55及び第2表示ドライバ56が電気的に接続され、コンピューター50は第1表示ドライバ55を介して上部表示部14の表示制御を行い、第2表示ドライバ56を介して背面表示部15の表示制御を行う。
【0036】
第1検出器53は、上部表示部14の回動位置(姿勢角)を検出する検出器であり、上部表示部14の回動位置に応じた値の検出信号を出力する。また、第2検出器54は、背面表示部15の二軸方向の各回動位置を別々に検出可能な第一検出器と第二検出器とを有する検出ユニットとして構成される。そして、第2検出器54は、背面表示部15の二軸方向の各回動位置(各姿勢角)に応じた値の2つの検出信号をコンピューター50へ出力する。そして、コンピューター50は、検出器53,54からの各検出信号に基づき、両表示部14,15の位置関係が、ユーザーによる同時視認可能な(両方を一度に視認可能な)略平行な位置関係(第2の位置関係)であるか否かを判断する。両表示部14,15が例えば図1に示す位置関係にあれば、コンピューター50は略平行(第2の位置関係)ではないと判断する。また、両表示部14,15が例えば図2及び図3に示す位置関係にあれば、コンピューター50は、両表示部14,15の位置関係が略平行(第2の位置関係)であると判断する。
【0037】
また、コンピューター50に接続された電源回路57は、カメラ本体12のバッテリ室に収容された電源電池59から供給される電圧を、電子カメラ11内の各部で必要な電圧に変換して各部に必要な電力を供給する。詳しくは、コンピューター50は、電源スイッチ17がオン操作されると、電源回路57を制御して電子カメラ11内の各部への電力供給を開始する。一方、電源スイッチ17がオフ操作されると、コンピューター50は電源回路57を制御して電子カメラ11内の各部への電力供給を停止する。また、電子カメラ11には省電モードが設けられている。コンピューター50は、電源オン状態の下で、何も動作されていない状態で、何も操作されないまま一定時間を経過すると省電モードに移行し、電源をオフする。なお、電源オフ状態でも、コンピューター50の一部と、電源スイッチ17、レリーズボタン18、操作部51などの操作入力系へは、電源オフ状態の下でも操作信号を検出できるように待機電力が供給されるようになっている。
【0038】
また、両表示部14,15が消灯した省電モードの状態で、ユーザーが表示部14,15の姿勢を変化させる操作を行って、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係に変更されると、コンピューター50は、第1及び第2検出器53,54からの検出信号に基づいて第2の位置関係への変更を検出する。すると、コンピューター50は、電源回路57を制御して電子カメラ11をオン状態としたうえで表示部14,15を表示状態にする。そのため、ユーザーが、両表示部14,15の画面14a,15aの両方を使って表示エリアを広く確保して、画像及び撮影条件情報などを確認すべく、両表示部14,15が略平行となるように操作すれば、自動で電源オン状態となって両表示部14,15が表示状態になる。つまり、ユーザーが両表示部14,15を第1の位置関係から第2の位置関係に変更したことを、電子カメラ11を使用する旨の操作であるとして、コンピューター50は、電子カメラ11の電源をオンさせて、両表示部14,15を表示状態にする。このため、電源スイッチ17を操作する余分な操作を省略できるようになっている。
【0039】
また、レリーズボタン18が半押し操作されると、コンピューター50は、焦点検出用センサ47から入力した焦点検出信号に基づいてデフォーカス量などの焦点調節状態の演算を行う。そして、コンピューター50は、そのデフォーカス量に基づいて図示しない合焦用モータを駆動制御して、撮像レンズ群38のうちの可動レンズを位置制御して自動合焦制御(AF制御)を行う。また、コンピューター50は、測光センサ44から入力した測光信号に基づき算出された被写体の輝度及び撮像感度(ISO感度)に基づいて、シャッター速度と絞り値とを演算する。そして、コンピューター50は、その絞り値に基づいて図示しない絞り用モータを駆動制御することで、演算された絞り値に絞り39の絞り込み量を調節する。さらに、レリーズボタン18が全押し操作されると、コンピューター50は、演算したシャッター速度に基づいて図示しないシャッター用モータを駆動制御することで、シャッター45を駆動させる。こうして静止画像の撮影が行われると、撮像素子46から出力される撮像信号がアナログ信号処理回路58を介してコンピューター50に入力される。
【0040】
ここで、撮像素子46は、複数の受光素子を2次元状(マトリックス状)に配列した受光面を有している。そして、撮像素子46は、レンズユニット13内を通過した光束を受光素子で光電変換して被写体を撮影する。この撮像素子46の出力はアナログ信号処理回路58に入力される。なお、本実施形態の撮像素子46には、CCDまたはCMOS等の公知の固体撮像素子が用いられている。
【0041】
アナログ信号処理回路58は、撮像素子46の出力に対してアナログ信号処理を施すアナログフロントエンド回路からなる。このアナログ信号処理回路58は、相関二重サンプリングや、画像信号のゲインの調整や、画像信号のA/D変換を行う。そして、アナログ信号処理回路58から出力されるデジタル画像信号はコンピューター50へ入力される。
【0042】
なお、操作部51は、図1で示された前述のコマンドダイヤル19、撮影モードダイヤル20、ライブビューボタン25、選択スイッチ26、OKボタン27、ボタンスイッチ28、再生ボタン31、メニューボタン32及び各ボタン33〜35などからなる。また、本実施形態の電子カメラ11は、ライブビュー機能、撮影画像表示機能(静止画再生機能)、動画撮影機能、動画再生機能、ヒストグラム表示機能、デジタル水準器表示機能などを備えている。
【0043】
図5に示すコンピューター50は、CPU、ROM(例えば不揮発性メモリ(EEPROM等)を含む)及びRAM等を備える。本実施形態では、コンピューター50が、ROM等に記憶された各種プログラムのうち画像表示処理用のプログラム(図16〜図20を参照)を実行することにより、コンピューター50内にソフトウェアからなる各種機能部が構築される構成となっている。もちろん、図5におけるコンピューター50内の各機能部は、ソフトウェアに限定されず、コンピューター50の内部又は外部に設けられた電子回路等(集積回路等)のハードウェアによる構成、あるいはソフトウェアとハードウェアの協働により実現される構成でもよい。
【0044】
次に、コンピューター50内の機能ブロックについて説明する。図5に示すように、コンピューター50には、制御部61、メモリ62、モード設定部63、判定部64、電源制御部65、画像処理部66、顔検出部67、合焦制御部68及び表示制御部69などを備えている。制御部61は、コンピューター50内の各部を統括的に制御する。メモリ62には、図6(a),(b)に示すテーブルデータが記憶されたテーブルデータ記憶部62a、拡大倍率設定データを記憶するための拡大倍率記憶部62b、各種フラグを記憶するためのフラグ記憶部62cが備えられている。ここで、画像中のフォーカスポイントを含む一部領域を拡大表示させたいときには、ユーザーは操作部51を操作して背面表示部15に表示されるメニュー画面の拡大設定の項目で、選択スイッチ26及びOKボタン27を操作して「拡大設定あり」を選択設定する。さらに拡大設定項目の下位層として用意された拡大倍率設定項目中の拡大倍率の候補の中から、選択スイッチ26及びOKボタン27を操作して所望の拡大倍率(拡大倍率設定データ)を設定する。すると、制御部61が、その設定された拡大設定の有無情報と拡大倍率設定データとを、メモリ62の拡大倍率記憶部62aに記憶する。この設定された拡大倍率により画像中で拡大対象とされるフォーカスポイントを含む一部領域、つまり拡大表示領域のサイズが決定される。そして、その拡大表示領域の画像をその拡大倍率で拡大した拡大画像を、表示制御部69が、2つの表示部14,15のうちそのときの表示条件等に応じて決まる少なくとも一方に表示させる構成となっている。
【0045】
モード設定部63は、ユーザーが操作部51を操作して設定したモードを設定する。本例の電子カメラ11では、モードとして、静止画撮影モード、動画撮影モード、ライブビューモード、静止画を再生する撮影画像表示モード、及び動画を再生する動画再生モードなどがある。モード設定部63は、操作部51の操作により、対応するモードが設定されると、その設定されたモードに応じた値のビットデータ(例えば2ビット)を、モード設定データとしてメモリ62のフラグ記憶部62cに記憶する。本例では、撮影画像モード、ライブビューモード、動画モードが、フラグで管理される。
【0046】
判定部64は、第1検出器53と第2検出器54から入力される各検出信号に基づいて、上部表示部14と背面表示部15とが同一方向から同時に視認可能な略平行な状態(つまり第2の位置関係)にあるか否かを判断する。詳しくは、判定部64は、各検出器53,54からの検出信号(姿勢角信号)に基づいて、表示部14,15の各々の姿勢角を求め、両者の姿勢角から表示部14,15がどのような位置関係にあるかを判定する。判定部64は、表示部14,15が略平行ではない第1の位置関係にあると判定した場合は、判定フラグ「0」をフラグ記憶部62cに書き込み、一方、表示部14,15が略平行となる第2の位置関係にあると判定した場合は、判定フラグ「1」をフラグ記憶部62cに書き込む。判定部64は、この判定処理を所定時間(例えば数10〜数100ミリ秒の範囲内の所定値)毎に実行し、判定フラグを、両表示部14,15のその時々の位置関係に応じた値に逐次更新する。なお、本実施形態では、第1検出器53、第2検出器54及び判定部64により、検知手段が構成され、第1の位置関係にあると判定したときが第1検知状態に相当し、第2の位置関係にあると判定したときが第2検知状態に相当する。
【0047】
また、図5に示す画像処理部66は、アナログ信号処理回路58から入力される1フレーム分のデジタル画像信号に対して、各種の画像処理(色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整など)を施して、画像データを生成する。また、画像処理部66は、制御部61の指示によりスルー画像のデータから背面表示部15の表示用画像(ライブビュー画像)の画像データを生成する。画像処理部66が生成した画像データは、表示制御部69及び顔検出部67へ入力される。さらに、画像処理部66は、本画像のデータをJPEG形式で圧縮する処理や、圧縮された撮影画像データを伸長復元する処理も実行する。
【0048】
顔検出部67は、顔検出モードが設定されている場合に、ライブビュー表示中又は動画撮影中にライブビュー画像又は動画像のデジタル画像信号を入力し、ライブビュー画像又は動画像に対して顔認識処理及び顔検出処理を施す。顔検出モードで顔が検出された場合、その顔検出情報は合焦制御部68及び表示制御部69に送られる。
【0049】
また、合焦制御部68は、レリーズボタン18が半押し操作されると、制御部61からの指示により、焦点検出用センサ47から入力した焦点検出信号に基づいてデフォーカス量などの焦点調節用制御値の演算を行う。そして、合焦制御部68は、そのデフォーカス量に基づいて図示しない合焦用モータを駆動制御することで、撮像レンズ群38のうちの可動レンズを位置制御して自動合焦制御(AF制御)を行う。このとき、合焦制御部68は、顔検出モードにあるときは、顔検出部67が検出した顔がフォーカスポントとされ、そのフォーカスポイントの顔に焦点を合わせる自動焦点制御を行う。
【0050】
表示制御部69は、上部表示部14と背面表示部15に画像を表示するための表示制御を行う。表示制御部69は、拡大画像やヒストグラム、水準器などの必要な画像を生成する画像生成部71と、上部表示部14に画像を表示するための表示処理を行う第1表示処理部72と、背面表示部15に画像を表示するための表示処理を行う第2表示処理部73とを備えている。
【0051】
この画像生成部71は、拡大画像を生成する拡大画像生成部74と、ヒストグラムを生成するヒストグラム生成部75と、水準器の画像を生成する水準器画像生成部76と、フォーカスポントの枠や拡大表示領域の枠などの重畳表示用の各種画像を生成する重畳表示画像生成部77とを備えている。画像生成部71には、画像処理部66からのデジタル画像信号が図示しないバッファを介して入力される。
【0052】
また、拡大画像生成部74は、デジタル画像信号に基づく画像において、そのときのフォーカスポイントを含みかつそれより大きな所定サイズの一部領域を拡大した拡大画像データを生成する。ここで、電子カメラ11の操作部51を操作して背面表示部15に表示されるメニュー中の設定画面で、ユーザーが設定した拡大倍率の設定データ(拡大倍率設定データ)がメモリ62の拡大倍率記憶部62bに記憶されている。拡大画像生成部74は、拡大倍率記憶部62bから読み出した拡大倍率に、画像の一部領域(拡大ポイント)を拡大する拡大処理を行って拡大画像用の画像データを生成する。
【0053】
ヒストグラム生成部75は、画像処理部66からの撮影画像の画像データに基づいて画素を輝度毎に集計してヒストグラムを求め、求めたヒストグラムが描かれたヒストグラム画像90(図12、図13を参照)を生成する。
【0054】
水準器画像生成部76は、水準器52からの検出信号に基づいて電子カメラ11の傾きを検出し、その検出された電子カメラの傾きに応じて傾きを変化させるカメラ画像を含む水準器画像91(水準器インジケーター)(図14、図15参照)を生成する。
【0055】
重畳表示画像生成部77は、ライブビュー表示時や動画撮影時などで画像上に重畳表示させるフォーカスポイント枠FP、及び全体画像中の拡大領域を示す拡大表示領域ZA(いずれも図10、図11を参照)の枠画像を生成する。例えば顔検出モードが設定されているときは、顔検出部67が検出した顔領域がフォーカスポイントに選択され、合焦制御部68によりそのフォーカスポイントで焦点が合うように合焦制御が行われる。そして、重畳表示画像生成部77は、その顔のフォーカスポイント領域を囲む枠画像を生成する。また、拡大表示領域ZAは、フォーカスポイントを含む所定サイズの枠画像として生成される。このとき、拡大表示領域ZAの枠画像は、メモリ62の拡大倍率記憶部62bから読み込んだ拡大倍率設定データの拡大倍率に応じた枠サイズで生成される。このとき、拡大表示領域ZAの枠サイズは、拡大表示領域ZA内の画像部分をそのとき設定されている拡大倍率で拡大したときに、その拡大した画像サイズが、表示先の表示部における拡大画像の表示サイズに一致するように決定される。よって、拡大倍率が大きいほど、拡大表示領域ZAの枠サイズは小さなサイズに決定される。また、電子カメラ11では、顔検出モード以外にも、複数のフォーカスポイントの決め方が用意されている。例えば任意に選んだ一点(例えばポートレート撮影における被写体の目)に集中して焦点を合わせる合焦制御も用意されている。また、重畳表示画像生成部77は、背面表示部15に表示される撮影条件情報82(図7、図9、図12、図13を参照)のうち画像に重畳表示される一部の撮影条件情報の画像の生成も行う。
【0056】
第1表示処理部72は、画像処理部66や画像生成部71からの画像データや、撮影条件情報などを、上部表示部14の画面形状・画面サイズに応じた1画面にレイアウトした画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像を、第1表示ドライバ55を介して上部表示部14に表示させる。第1表示処理部72は、第1画像データ生成部78を備え、1画面レイアウトの画像データの生成は、第1画像データ生成部78が行う。
【0057】
また、第2表示処理部73は、画像処理部66や画像生成部71からの画像データや、撮影条件情報などを、背面表示部15の画面形状・画面サイズに応じた1画面にレイアウトした画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像を、第2表示ドライバ56を介して背面表示部15に表示させる。第2表示処理部73は、第2画像データ生成部79を備え、1画面レイアウトの画像データの生成は、第2画像データ生成部79が行う。
【0058】
図6は、テーブルデータを示す。図6(a)は、ライブビューモードと撮影画像表示モード用のテーブルデータTD1であり、図6(b)は、動画モード用のテーブルデータTD2である。これら動作モードの下位階層には、「通常表示」、「拡大表示」、「ヒストグラム表示」、「水準器表示」の各表示モードがそれぞれ用意されている。
【0059】
現在のモードは、フラグ記憶部62cに書き込まれたモードフラグを調べることで取得可能となっている。すなわち、ユーザーが操作部51を操作して動作モードや表示モードを選択すると、モード設定部63が、そのときの操作部51からの操作信号に基づいて、現在のモード(動作モード及び表示モード)を決定して、その決定した現在のモード情報を、4ビットのビットデータとして、フラグ記憶部62cに書き込む構成となっている。よって、表示制御部69は、フラグ記憶部62cからモード情報を読み出せば、現在のモードを把握できる。本例の場合、4ビットのモード情報のうちの上位2ビットが「動作モード」、下位2ビットが「表示モード」を示す。動作モードには、例えばライブビューモード「00」、撮影画像表示モード「01」、動画モード「10」が割り当てられている。また、表示モードには、通常表示「00」、拡大表示「01」、ヒストグラム表示「10」、水準器表示「11」が割り当てられている。例えば、「0000」であれば、ライブビューモード(「00」)の通常表示(「00」)を示す。
【0060】
そして、表示制御部69は、フラグ記憶部62cから読み出した現在のモード情報及び判定フラグに基づいて、図6(a),(b)に示すテーブルデータTD1,TD2を参照することで、表示部14,15のそれぞれの表示内容を決定する。なお、図6(b)における動画モードとは、動画撮影モードと動画再生モードの両方を含み、動画撮影モードと動画再生モードで共通のテーブルデータTD2が使用される。
【0061】
以下、図7〜図15を用いて、上部表示部14と背面表示部15とが、第1の位置関係(略平行ではない位置関係)と、第2の位置関係(略平行となる位置関係)とに配置されたときの各々の表示内容について説明する。
【0062】
図7及び図8は、ライブビューモードにおける背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図7は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図8は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。
【0063】
図7に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81と、撮影条件情報82とが表示される。撮影条件情報82は、ライブビュー画像81に重畳表示される形で、撮影モード「M」(マニュアル)、データ種「RAW」、ホワイトバランス「Auto」の文字情報が表示され、さらにライブビュー画像81の下側に配置される形で、測光モードマーク、シャッター速度、絞り値(F値)、ISO感度、記録可能コマ数などの文字情報が表示される。一方、上部表示部14には、測光モードマーク、シャッター速度、絞り値(F値)、データ種「RAW」、ホワイトバランス、記録可能コマ数などの撮影条件情報83が表示される。
【0064】
図8に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81が表示される。一方、上部表示部14には、撮影条件情報83が表示される。つまり、上部表示部14には、図7において、背面表示部15と上部表示部14とで重複していた重複表示内容、すなわち、測光モードマーク、シャッター速度、絞り値(F値)、記録可能コマ数が表示されると共に、これに加えてISO感度とホワイトバランスが表示される。このように必要な撮影条件情報はすべて上部表示部14に撮影条件情報83として表示されるので、背面表示部15には、その画面15aほぼ一杯に、ライブビュー画像81が何も重畳表示されることなくすべて表示される。なお、図8の上部表示部14に、撮影モード「M」の表示を追加してもよい。
【0065】
図9及び図10は、ライブビューモードで拡大表示させる際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図9は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図10は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。図9に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、拡大画像84と撮影条件情報82とが表示される。この拡大表示モードでは、拡大画像84に全体画像85が重畳表示される。
【0066】
一方、図10に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、拡大画像84と撮影条件情報82とが表示される。また、上部表示部14には、全体画像85が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、全体画像85の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14で全体画像を確認しつつ、背面表示部15で拡大画像84を何も重畳表示されることなくその全体を見ることが可能となっている。
【0067】
なお、全体画像85には、フォーカスポイント枠FPと拡大表示領域ZAとが重畳表示される。ここで、フォーカスポイント枠FPは、全体画像85中で焦点を合わせたエリアを示し、このフォーカスポイント枠FPを含む所定サイズの矩形領域として拡大表示領域ZAは表示される。ユーザーが操作部51を操作して電子カメラ11に拡大設定の登録を行っておくと、その後、ライブビュー時に拡大表示モードが選択されるようになっている。拡大設定操作は、背面表示部15に表示されるメニュー画面中の拡大設定の項目で、「拡大設定あり」を選択した後、「拡大倍率」を設定することで行われる。これらの拡大設定情報は、制御部61によりメモリ62の所定記憶領域に記憶される。
【0068】
また、図11は、動画モードで拡大表示させる際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。同図では両表示部14,15が第2の位置関係にある場合を示す。図11に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、動画86と、この動画86の下側に配置された撮影条件情報82とが表示される。撮影条件情報82は、測光モードマーク、ビデオ撮影マーク、及び撮影時間、ISO感度などの文字情報からなる。また、動画86には、拡大表示領域ZAが重畳表示される。また、上部表示部14には、拡大画像87が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、拡大画像87の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14で拡大画像87を確認しつつ、背面表示部15で動画86をどこも隠れることなく見ることができる。なお、この動画モードでの拡大設定操作は、ライブビューモード時と基本的に同様である。
【0069】
図12及び図13は、撮影画像表示モードでヒストグラム表示させる際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図12は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図13は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。なお、図12には、背面表示部15の表示内容の例として、2種類の表示形式を示している。
【0070】
図12に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、撮影画像88とヒストグラム89と撮影条件情報82とが表示される。図12中の上側の背面表示部15の表示形式では、撮影画像88に重畳表示される形で、ヒストグラム89が表示される。また、図12中の下側の背面表示部15の表示形式では、撮影画像88と、ヒストグラム89が描かれたヒストグラム画像90とが別画面枠で表示される。また、上部表示部14には、撮影条件情報83が表示される。
【0071】
一方、図13に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、撮影画像88と撮影条件情報82とが表示される。また、上部表示部14には、ヒストグラム画像90が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、ヒストグラム89の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14でヒストグラム89を確認しつつ、背面表示部15で比較的大きく表示された撮影画像88の全体を見ることが可能となっている。
【0072】
図14及び図15は、ライブビューモード又は動画モードで水準器表示を行う際の背面表示部15と上部表示部14の各表示内容を示す。ここで、図14は、両表示部14,15が第1の位置関係にあるとき、図15は、両表示部14,15が第2の位置関係にあるときをそれぞれ示す。なお、図14には、背面表示部15の表示内容の例として、2種類の表示形式を示している。
【0073】
図14に示すように、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81と水準器画像91(水準器インジケーター)と撮影条件情報82とが表示される。図14中の上側の背面表示部15の表示形式では、ライブビュー画像81に重畳表示される形で、水準器画像91が表示される。また、図14中の下側の背面表示部15の表示形式では、ライブビュー画像81と水準器画像91とが別画面枠で表示される。また、上部表示部14には、撮影条件情報83が表示される。
【0074】
一方、図15に示すように、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15には、ライブビュー画像81と撮影条件情報82とが表示される。また、上部表示部14には、水準器画像91が表示される。すなわち、両表示部14,15が第1の位置関係から第2の位置関係へ変更されると、水準器画像91の表示先が、背面表示部15から上部表示部14へ切り替わる。そのため、上部表示部14で水準器画像91を見て電子カメラ11の傾斜を確認しつつ、背面表示部15で比較的大きく表示されたライブビュー画像81の全体を見ることが可能となっている。なお、動画モードにも水準器表示モードがあるが、ライブビューと動画の違いだけで、水準器画像の表示の仕方は基本的に同様である。
【0075】
次に電子カメラ11の表示処理を説明する。まず、図16のフローチャートを用いてライブビュー時の通常表示処理について、図7及び図8を参照しつつ説明する。ユーザーが操作部51(ライブビューボタン25)を用いてライブビュー実行操作を行うと、コンピューター50が図16のフローチャートで示される通常表示処理用プログラムを実行する。
【0076】
まず、ステップS10では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS20に進み、略平行であればステップS40に進む。
【0077】
ステップS20では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS30では、背面表示部15に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける通常表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像+撮影条件情報」となる。これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図7に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定された撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図7に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81と撮影条件情報82とを表示させる。
【0078】
一方、ステップS40では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS50では、背面表示部15に「撮影画像」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける通常表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像」となる。
【0079】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図8に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図8に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81を表示させる。
【0080】
次に、図17のフローチャートを用いてライブビュー時の拡大表示処理について、図9及び図10を参照しつつ説明する。ユーザーが操作部51を用いて拡大設定を行ったうえで、操作部51によるライブビュー実行操作が行われると、コンピューター50が図17に示す拡大表示処理用プログラムを実行する。
【0081】
まず、ステップS110では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS120に進み、略平行であればステップS140に進む。
【0082】
ステップS120では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS130では、背面表示部15に「拡大画像+全体画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける拡大表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「拡大画像+全体画像+撮影条件情報」となる。
【0083】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図9に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像が拡大画像生成部74により拡大処理された拡大画像と、画像処理部66からのスルー画像を基に重畳表示画像生成部77により生成された全体画像と、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「拡大画像+全体画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図9に示すように、背面表示部15に、拡大画像84と、これに重畳表示された全体画像85と、撮影条件情報82とを表示させる。このとき、撮影条件情報82の一部は、拡大画像84に重畳表示される。
【0084】
一方、ステップS140では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS150では、背面表示部15に「拡大画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける拡大表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「全体画像」、背面表示部15が「拡大画像+撮影条件情報」となる。
【0085】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「全体画像」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図10に示すように、上部表示部14に全体画像85を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像が拡大表示された拡大画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「拡大画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図10に示すように、背面表示部15に、拡大画像84と撮影条件情報82とを表示させる。
【0086】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、全体画像85が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、画像の一部を隠すような全体画像が重畳表示されることのない拡大画像84が表示される。よって、ユーザーは上部表示部14で全体画像85を見ながら、その全体画像85中の拡大表示領域ZAの拡大画像84を背面表示部15で確認することができる。
【0087】
次に、図18のフローチャートを用いて動画撮影時の拡大表示処理について、図11を参照しつつ説明する。ユーザーが操作部51を用いて拡大設定を行ったうえで、操作部51による動画撮影実行操作が行われると、コンピューター50が図18に示す拡大表示処理用プログラムを実行する。
【0088】
まず、ステップS210では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS220に進み、略平行であればステップS240に進む。
【0089】
ステップS220では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS230では、背面表示部15に「全体画像+拡大画像+撮影条件情報」を表示する。
一方、ステップS240では、上部表示部14に「拡大画像」を表示する。次のステップS250では、背面表示部15に「全体画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、動画モードにおける拡大表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「拡大画像」、背面表示部15が「全体画像+撮影条件情報」となる。
【0090】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、画像処理部66からのスルー画像が拡大表示された拡大画像の画像データに基づき、上部表示部用の「拡大画像」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図11に示すように、上部表示部14に拡大画像87を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの動画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「全体画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図11に示すように、背面表示部15に、動画86と撮影条件情報82とを表示させる。
【0091】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、拡大画像87が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、画像の一部を隠すような全体画像が重畳表示されることのない動画86が表示される。よって、ユーザーは背面表示部15で動画86の全体を見ながら、その動画86中の拡大表示領域ZAの拡大画像87を上部表示部14で確認することができる。
【0092】
次に、図19のフローチャートを用いて撮影画像表示時のヒストグラム表示処理について、図12及び図13を参照しつつ説明する。撮影画像表示時に、操作部51によりヒストグラム表示操作が行われると、コンピューター50が図19に示すヒストグラム表示処理用プログラムを実行する。
【0093】
まず、ステップS310では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS320に進み、略平行であればステップS340に進む。
【0094】
ステップS320では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS330では、背面表示部15に「撮影画像+ヒストグラム+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、撮影画像表示モードにおけるヒストグラム表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像+ヒストグラム+撮影条件情報」となる。これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図12に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。
【0095】
また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの撮影画像の画像データと、ヒストグラム生成部75により生成されたヒストグラムの画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+ヒストグラム+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図12に示すように、背面表示部15に、撮影画像88とヒストグラム89と撮影条件情報82とを表示させる。このとき、背面表示部15における表示方法には2種類あり、図12中の上側の背面表示部15に示すように、撮影画像88にヒストグラム89を重畳表示させる表示形式と、図12中の下側の背面表示部15に示すように、撮影画像88と、ヒストグラム89が描かれたヒストグラム画像90とを別画面枠で表示させる表示形式とがある。
【0096】
一方、ステップS340では、上部表示部14に「ヒストグラム」を表示する。次のステップS350では、背面表示部15に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおけるヒストグラム表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「ヒストグラム」、背面表示部15が「撮影画像+撮影条件情報」となる。
【0097】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「ヒストグラム」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図13に示すように、上部表示部14にヒストグラム89が描かれたヒストグラム画像90を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの撮影画像データと、この画像データに付加されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図13に示すように、背面表示部15に、撮影画像88と撮影条件情報82とを表示させる。
【0098】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、ヒストグラム画像90が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、重畳表示されたヒストグラム画像により画像の一部が隠れることのない撮影画像88が表示される。よって、ユーザーは上部表示部14に表示されたヒストグラム画像90でホワイトバランス等を確認しつつ、背面表示部15で隠れる部分の少ない撮影画像88を見ることができる。
【0099】
次に、図20のフローチャートを用いてライブビュー時又は動画撮影時の水準器表示処理について、図14及び図15を参照しつつ説明する。ライブビュー時又は動画撮影時に、操作部51によりデジタル水準器表示操作が行われると、コンピューター50が図20に示す水準器表示処理用プログラムを実行する。ここで、ライブビュー時と動画撮影時とで水準器表示処理の基本内容は同じなので、以下ではライブビュー時の例で説明する。
【0100】
まず、ステップS410では、判定部64が、2つの表示部14,15が略平行であるか、つまり第2の位置関係にあるか否かを判断する。略平行(第2の位置関係)でなければステップS420に進み、略平行であればステップS440に進む。
【0101】
ステップS420では、上部表示部14に「撮影条件情報」を表示する。次のステップS430では、背面表示部15に「撮影画像+水準器+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける水準器表示モードで、判定フラグが「0」の場合であるので、上部表示部14が「撮影条件情報」、背面表示部15が「撮影画像+水準器+撮影条件情報」となる。これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図14に示すように、上部表示部14に撮影条件情報83を表示させる。
【0102】
また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からの撮影画像データと、水準器画像生成部76により生成された水準器画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+水準器+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図14に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81と水準器画像91(水準器インジケーター)と撮影条件情報82とを表示させる。このとき、背面表示部15における表示方法には2種類あり、図14中の上側の背面表示部15に示すように、ライブビュー画像81に水準器画像91を重畳表示させる表示形式と、図14中の下側の背面表示部15に示すように、ライブビュー画像81と水準器画像91とを別画面枠で表示させる表示形式とがある。
【0103】
一方、ステップS440では、上部表示部14に「水準器」を表示する。次のステップS450では、背面表示部15に「撮影画像+撮影条件情報」を表示する。詳しくは、表示制御部69が、モード情報と判定フラグとに基づき、メモリ62のテーブルデータTD1,TD2を参照して、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を取得する。この場合、図6に示すように、ライブビューモードにおける水準器表示モードで、判定フラグが「1」の場合であるので、それぞれの表示内容は、上部表示部14が「水準器」、背面表示部15が「撮影画像+撮影条件情報」となる。
【0104】
これらの情報に従って、第1表示処理部72の第1画像データ生成部78が、上部表示部用の「水準器」を表示するための画像データを生成する。そして、第1表示処理部72はその画像データに基づき、図15に示すように、上部表示部14に水準器画像91を表示させる。また、第2表示処理部73の第2画像データ生成部79が、画像処理部66からのスルー画像の画像データと、メモリ62から読み出したその時設定されている撮影条件情報の文字データとを用いて、背面表示部用の「撮影画像+撮影条件情報」を表示するための画像データを生成する。そして、第2表示処理部73はその画像データに基づき、図15に示すように、背面表示部15に、ライブビュー画像81と撮影条件情報82とを表示させる。
【0105】
このように、上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係(略平行となる位置関係)にあるときには、水準器画像91が上部表示部14に表示されるため、背面表示部15には、重畳表示された水準器画像により画像の一部が隠れることのないライブビュー画像81が表示される。よって、ユーザーは上部表示部14に表示された水準器画像91で電子カメラ11の傾斜を確認しつつ、背面表示部15で隠れる部分の少ないライブビュー画像81を見ることができる。
【0106】
以上詳述したようにこの第一実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)上部表示部14と背面表示部15とが同時に視認可能な第2の位置関係に配置されると、両表示部14,15の表示内容が、同時に視認不能な第1の位置関係にあるときの表示内容から、両表示部14,15の総表示エリアを使って表示内容の確認が行える表示内容に切り替わる。よって、第2の位置関係にあるときには、両表示部14,15の総表示エリアを有効に使って表示内容を見やすくすることができる。
【0107】
(2)両表示部14,15が略平行となる位置関係を第2の位置関係として設定したので、ユーザーが両表示部14,15を同時に視認すべく意識して平行に配置したときに限り、二画面を総表示エリアとする表示内容に切り替わる。よって、ユーザーの意図に反して表示内容が切り替わる事態を回避することができる。
【0108】
(3)両表示部14,15が略平行となる第2の位置関係にあるときには、両表示部14,15が第1の位置関係にあるときに重複していた重複表示内容(撮影条件情報82,83)を、背面表示部15の表示内容から削除したうえで上部表示部14だけに表示させる構成とした。よって、例えば電子カメラ11でライブビュー表示を行っているときには、ユーザーは、上部表示部14の画面14aで撮影条件情報83を確認しつつ、背面表示部15の画面15aでライブビュー画像81の全体を見渡すことができる。
【0109】
(4)両表示部14,15が略平行となる第2の位置関係にあるときには、両表示部14,15が第1の位置関係にあるときに撮影画像(拡大画像84、動画像86、静止画像88)に重畳されていた第2の画像(全体画像85、拡大画像87、ヒストグラム89、水準器画像91)を、背面表示部15の表示内容から削除したうえで上部表示部14だけに表示させる構成とした。よって、例えば電子カメラ11でライブビュー表示、動画撮影、撮影画像表示を行っているときには、ユーザーは、上部表示部14で第2の画像(全体画像85、拡大画像87、ヒストグラム89、水準器画像91)を確認しつつ、背面表示部15で撮影画像(拡大画像84、動画像86、静止画像88)のほぼ全体を見渡すことができる。
【0110】
(5)両表示部14,15が省電モードで消灯した状態で、両表示部14,15のうち少なくとも一方が操作されて第2の位置関係に配置されると、電源制御部65が、電源回路57の供給電力を制御して、それまで省電状態にあった両表示部14,15を表示状態に復帰させる。よって、動作も操作もなく所定時間経過したときには両表示部14,15を省電目的で消灯でき、両表示部14,15を使って表示内容を確認すべくそれぞれの姿勢角を略平行になるように調整すれば、両表示部14,15を自動で表示状態にすることができる。よって、表示部14,15を表示状態とするために電源スイッチ17を操作するなどの面倒の操作を不要にできる。
【0111】
(6)第2の位置関係に配置された状態で背面表示部15に撮影画像が表示されている最中に、操作部51の操作でヒストグラム表示が指示されると、上部表示部14の表示内容が、撮影条件情報83からヒストグラム画像90に切り替わり、上部表示部14がヒストグラム表示専用になる。よって、ユーザーは、上部表示部14でヒストグラムを確認しつつ、背面表示部15で撮影画像を見ることができる。
【0112】
(7)ライブビュー時又は動画撮影時に、第2の位置関係に配置された状態で背面表示部15に撮影画像が表示されている最中に、操作部51の操作で水準器表示が指示されると、上部表示部14の表示内容が、撮影条件情報83から水準器画像91に切り替わり、上部表示部14が水準器表示専用になる。よって、ユーザーは、上部表示部14で水準器画像91(水準器インジケーター)を確認しつつ、背面表示部15で撮影画像を見ることができる。
【0113】
前記実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)図8では、撮影条件情報を上部表示部14に集中させたが、図7における重複表示内容のうち一部(画像の下側の撮影条件情報や、重畳表示の撮影条件情報の全部又は一部)だけを背面表示部15から排除した構成でもよい。この場合でも、背面表示部15のライブビュー画像81の表示エリアを広くできたり、ライブビュー画像81から重畳表示を削除又は低減したりできる。また、上部表示部14と背面表示部15の表示エリアサイズにさほど差のないカメラであれば、上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆にしてもよい。
【0114】
(変形例2)図9では、第1の位置関係にあるとき、背面表示部15に、拡大画像84を画面に大きく表示し、全体画像85を拡大画像84の一部領域に小さく重畳表示したが、この逆でもよい。この場合、第2の位置関係にあるとき、図10に替えて、背面表示部15に全体画像85を表示し、上部表示部14に拡大画像84を表示する。
【0115】
(変形例3)図11において上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆とし、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15に拡大画像87を表示し、上部表示部14に動画86を表示してもよい。
【0116】
(変形例4)図13において上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆とし、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15にヒストグラム画像90を表示し、上部表示部14に撮影画像88を表示してもよい。
【0117】
(変形例5)図15において上部表示部14と背面表示部15の各表示内容を逆とし、第2の位置関係にあるとき、背面表示部15に水準器画像91を表示し、上部表示部14にライブビュー画像81を表示してもよい。
【0118】
(変形例6)背面表示部15がカメラ本体12に対して一軸回動可能に連結された構成も採用できる。この場合、図1における電子カメラにおいて、背面表示部15をその上端中央部にてカメラ本体12と1本の水平回動軸で連結する構成とすればよい。この構成であれば、背面表示部15を収納状態から上側へ約90度傾動させれば、背面表示部15と上部表示部14とを、第2の位置関係(略平行となる配置関係)に配置できる。また、上部表示部14を二軸回動可能な状態でカメラ本体に連結した構成も採用できる。
【0119】
(変形例7)前記実施形態では、複数の表示部のすべてを回動式としたが、複数の表示部のうち少なくとも1つが回動式であれば足りる。つまり、複数の表示部のうち少なくとも1つの表示部の回動操作により、少なくとも2つの表示部が略平行となる第2の位置関係に配置できる構成であれば足りる。
【0120】
(変形例8)第1表示部と第2表示部の配置位置は、カメラ本体12の上面と背面に限定されず、カメラ本体12の任意の位置に設定してよい。また、表示部の個数は、第1表示部と第2表示部の2個に限定されず、第1表示部と第2表示部とを含む3個以上の複数個の表示部を備えた構成も採用できる。
【0121】
(変形例9)第1検知状態と第2検知状態との間に非検知状態があってもよい。この場合、非検知状態の表示内容は、第1検知状態の際の表示内容と、第2検知状態の際の表示内容のうちどちらであってもよい。例えば第1検知状態から第2検知状態へ切り替わる途中の非検知状態では第1検知状態の際の表示内容が維持され、一方、第2検知状態から第1検知状態へ切り替わる途中の非検知状態では第2検知状態の際の表示内容が維持される構成としてもよい。要するに、第1検知状態と第2検知状態とで、第1表示部と第2表示部との位置関係に応じた表示内容に切り替わればよい。
【0122】
(変形例10)第1表示部と第2表示部のうち少なくとも一方を、モータ等のアクチュエータの動力で姿勢変更可能に駆動される構成としてもよい。例えばカメラには、表示部の収納状態から離れる方向への姿勢変更をさせる開操作と、表示部の収納側への姿勢変更をさせる閉操作とが可能な表示部駆動用の操作ボタンが設けられ、ユーザーが表示部駆動用の操作ボタンを押している間、表示部の姿勢角を調整できる構成が挙げられる。もちろん、ユーザーが表示部駆動用の操作ボタンを押すと、表示部が収納状態から例えば約90度回動して、第1表示部と第2表示部が、第1の位置関係から第2の位置関係に配置される構成も採用できる。
【0123】
(変形例11)カメラは、電子カメラ(デジタルカメラ)に限定されず、フィルム式カメラでもよい。
【符号の説明】
【0124】
11…カメラとしての電子カメラ、12…カメラ本体、17…電源スイッチ、18…レリーズボタン、14…第1表示部としての上部表示部、14a…表示画面としての画面、15…第2表示部としての背面表示部、15a…表示画面としての画面、50…コンピューター、51…操作部、52…水準器、53…検知手段を構成する第1検出器、54…検知手段を構成する第2検出器、55…第1表示ドライバ、56…第2表示ドライバ、57…電源回路、58…アナログ信号処理回路、59…電源電池、61…制御部、62…メモリ、62a…テーブルデータ記憶部、62b…拡大倍率記憶部、62c…フラグ記憶部、63…モード設定部、64…検知手段を構成する判定部、65…モード切替手段としての電源制御部、66…画像処理部、67…顔検出部、68…合焦制御部、69…表示制御手段を構成する表示制御部、71…画像生成部、72…第1表示処理部、73…第2表示処理部、74…拡大画像生成部、75…ヒストグラム生成部、76…水準器画像生成部、77…重畳表示画像生成部、78…第1画像データ生成部、79…第2画像データ生成部、81…ライブビュー画像、82…撮影条件情報、83…撮影条件情報、84…拡大画像、85…全体画像、86…動画、87…拡大画像、88…撮影画像、89…ヒストグラム、90…ヒストグラム画像、91…水準器画像、FP…フォーカスポイント枠、ZA…拡大表示領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示部と第2表示部とを備えたカメラであって、
前記第1表示部と前記第2表示部とのうち少なくとも一方が姿勢の変更が可能に構成されており、
前記第1表示部と前記第2表示部とが両方を一度に視認不能な第1の位置関係にあるときに第1検知状態になり、両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときに第2検知状態となる検知手段と、
前記第1表示部と前記第2表示部との各表示内容を、前記検知手段の検知結果に基づく前記位置関係に応じて切り替える表示制御手段と
を備えたことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記第2の位置関係とは、前記第1表示部と前記第2表示部との各表示画面が略平行となる位置関係であることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態では、前記第1検知状態においては前記第1表示部と前記第2表示部とで重複して表示される重複表示内容を、一方の表示部に表示させることを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記第1検知状態では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方の表示部に画像に加え当該画像と対応する第2の画像を画面の一部領域に表示させ、前記第2検知状態では、前記第2の画像の表示先を、前記一方の表示部から他方の表示部へ切り替えることを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記第1表示部と前記第2表示部が省電モードにある状態下で、前記検知手段が第1検知状態から第2検知状態に切り替わると、前記第1表示部と前記第2表示部を省電モードから表示モードに切り替えるモード切替手段を更に備えたことを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中及び撮影画像表示中に画像の一部領域を拡大表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部に前記一部領域の拡大画像を表示させることにより、当該他方の表示部が拡大表示専用になることを特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方が撮影画像表示中のときに、ヒストグラムを表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にヒストグラムを表示させることにより、当該他方の表示部がヒストグラム表示専用になることを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態の下では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方がライブビュー表示中又は動画撮影中に、デジタル水準器を表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にデジタル水準器を表示させることにより、当該他方の表示部がデジタル水準器表示専用になることを特徴とするカメラ。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記第1表示部と前記第2表示部は、カメラの設定情報を文字表示可能な上部表示部と、ライブビュー及び撮影画像を表示する背面表示部とからなることを特徴とするカメラ。
【請求項1】
第1表示部と第2表示部とを備えたカメラであって、
前記第1表示部と前記第2表示部とのうち少なくとも一方が姿勢の変更が可能に構成されており、
前記第1表示部と前記第2表示部とが両方を一度に視認不能な第1の位置関係にあるときに第1検知状態になり、両方を一度に視認可能な第2の位置関係にあるときに第2検知状態となる検知手段と、
前記第1表示部と前記第2表示部との各表示内容を、前記検知手段の検知結果に基づく前記位置関係に応じて切り替える表示制御手段と
を備えたことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記第2の位置関係とは、前記第1表示部と前記第2表示部との各表示画面が略平行となる位置関係であることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態では、前記第1検知状態においては前記第1表示部と前記第2表示部とで重複して表示される重複表示内容を、一方の表示部に表示させることを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記第1検知状態では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方の表示部に画像に加え当該画像と対応する第2の画像を画面の一部領域に表示させ、前記第2検知状態では、前記第2の画像の表示先を、前記一方の表示部から他方の表示部へ切り替えることを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記第1表示部と前記第2表示部が省電モードにある状態下で、前記検知手段が第1検知状態から第2検知状態に切り替わると、前記第1表示部と前記第2表示部を省電モードから表示モードに切り替えるモード切替手段を更に備えたことを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と第2表示部のうち一方がライブビュー表示中及び撮影画像表示中に画像の一部領域を拡大表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部に前記一部領域の拡大画像を表示させることにより、当該他方の表示部が拡大表示専用になることを特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段が、前記検知手段の第2検知状態の下で、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方が撮影画像表示中のときに、ヒストグラムを表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にヒストグラムを表示させることにより、当該他方の表示部がヒストグラム表示専用になることを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記検知手段の第2検知状態の下では、前記第1表示部と前記第2表示部のうち一方がライブビュー表示中又は動画撮影中に、デジタル水準器を表示させる操作が行われたことを検知すると、他方の表示部にデジタル水準器を表示させることにより、当該他方の表示部がデジタル水準器表示専用になることを特徴とするカメラ。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記第1表示部と前記第2表示部は、カメラの設定情報を文字表示可能な上部表示部と、ライブビュー及び撮影画像を表示する背面表示部とからなることを特徴とするカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−192998(P2010−192998A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33000(P2009−33000)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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