説明

カメラ

【課題】操作感の良い、ポップアップする閃光発光部を備えたカメラを提供する。
【解決手段】本発明のカメラ1は、閃光発光部14の発光位置へのポップアップの判断を、第1ポップアップ判定と第2ポップアップ判定の2度行う。レリーズボタン15Rの半押し操作後の一度目の第1ポップアップ判定において発光が必要であると判断された場合には、ポップアップは行わず、閃光発光部14の発光量を演算してその発光量に応じた充電を開始すると共に合焦制御を行う。そして、合焦完了後の測光結果に基づいて第2ポップアップ判定を行い、ここで発光が必要であると判断された場合にポップアップを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
撮影時に補助照明光として利用する閃光発光を行う閃光発光部を、使用位置と格納位置との間で移動可能に備えるカメラがある。
このようなカメラでは、オート撮影モードに設定すると、被写体の輝度情報に応じて閃光発光の必要性を判断し、閃光発光部の格納位置から使用位置への移動(以下、ポップアップと呼ぶ)と閃光発光とを自動的に行うように構成される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−208517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、閃光発光部が格納位置から使用位置にポップアップする構成のカメラでは、閃光発光部のポップアップ後に、撮影条件や測光精度等の諸要因の変化に起因して閃光発光が不要となる等、使用者にとって違和感のある制御となることがある。
【0005】
本発明の課題は、操作感の良い、ポップアップする閃光発光部を備えたカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
請求項1に記載の発明は、使用位置と格納位置との間を移動可能な閃光発光部(14)と、前記閃光発光部(14)を格納位置から使用位置に移動させる駆動手段(14A)と、半押しと全押しの二段階のスイッチング操作が可能であって全押し操作によって撮影指令する撮影指令スイッチ(15R)と、撮像面に対する合焦状態を演算する合焦演算部(110)と、前記合焦演算部(110)の演算結果に基づいて前記撮像面に対する合焦を判定する合焦判定部(120)と、前記撮影指令スイッチ(15R)の操作情報と、前記合焦判定部(120)の合焦判定情報と、に基づいて、前記閃光発光部(14)の充電と前記駆動手段(14A)の駆動とを制御する制御部(100)と、を備え、前記制御部(100)は、前記撮影指令スイッチ(15R)の半押し操作に基づいて、前記閃光発光部(14)の格納位置から使用位置への移動前に前記閃光発光部(14)の充電を開始し、前記合焦判定部(120)による合焦判定後に前記閃光発光部(14)を格納位置から使用位置に移動させること、を特徴とするカメラ(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカメラであって、入射光量を測光する測光部(130)を備え、前記制御部(100)は、前記合焦判定部(120)による合焦判定前における前記測光部(130)による測光結果に基づいて、前記閃光発光部(14)の充電を開始すること、を特徴とするカメラ(1)である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカメラであって、前記制御部(100)は、前記合焦判定部(120)による合焦判定後における前記測光部(130)の測光結果に基づいて、前記閃光発光部(14)を格納位置から使用位置に移動させること、を特徴とするカメラ(1)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカメラであって、前記制御部(100)は、前記合焦演算部(110)の出力に基づいて、前記閃光発光部(14)の格納位置から使用位置への移動を判断すること、を特徴とするカメラ(1)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のカメラであって、前記制御部(100)は、前記合焦判定部(120)において合焦判定する合焦領域における測光結果に基づいて、前記閃光発光部(14)を格納位置から使用位置に移動させること、を特徴とするカメラ(1)である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のカメラであって、選択可能な複数の合焦領域を備え、前記制御部(100)は、選択された前記合焦領域における前記測光部(130)の測光結果に基づいて、前記閃光発光部(14)を格納位置から使用位置に移動させること、を特徴とするカメラ(1)である。
【0008】
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、違和感が少なく操作感の良い、ポップアップする閃光発光部を備えたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態を備えるカメラの外観斜視図である。
【図2】カメラのブロック構成図である。
【図3】制御部による閃光発光部のポップアップ制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態を備えるカメラ1の外観斜視図である。図2は、カメラ1のブロック構成図である。
カメラ1は、カメラボディ10と、このカメラボディ10に着脱可能な撮影レンズ20と、により構成された、いわゆる一眼レフデジタルカメラである。
【0012】
カメラボディ10は、ハード構成として、ミラー部11と、ファインダー部12と、撮像素子13と、閃光発光部14と、操作部15と、表示部16と、を備えている。
ミラー部11は、メインミラー11Mと、その背面に配設されたサブミラー11Sとにより構成されている。
【0013】
メインミラー11Mは、撮像素子13の前面側に、撮影レンズ20を介した被写体光を上側に位置するファインダー部12に向けて反射するように設けられている。メインミラー11Mは、撮影時には光路外に退避するいわゆるクイックリターンミラーである。
メインミラー11Mの一部はハーフミラーとなっており、このハーフミラー部を透過した光を、その背面に配設されたサブミラー11Sによって後述する測距センサに導くようになっている。
【0014】
ファインダー光学系12は、ファインダスクリーン12S、ペンタプリズム12P、接眼光学系12L、等を備えている。そして、ファインダー光学系12は、ミラー部11におけるメインミラー11Mによって反射されてファインダスクリーン12Sに結像した被写体像を、ペンタプリズム12Pおよび接眼光学系12Lを介して正立像として観察できるように構成されている。
【0015】
撮像素子13は、受光面に受光素子が二次元的に配列されたCMOSイメージセンサ等によって構成されている。撮像素子13は、撮影レンズ20による被写体像を光電変換してアナログ画像信号を形成する。この撮像素子13によるアナログ画像信号は、後述するAFE回路101に入力される。
【0016】
閃光発光部14は、ファインダー部12におけるペンタプリズム12Pの上側に配置されている。
閃光発光部14は、詳細は図示しないが、コンデンサ、充電制御回路、閃光回路などの内部回路と、プロテクタ、キセノン管、リフレクタなどの外部部品により構成されている。
【0017】
閃光発光部14は、閃光照明光を発光不能な格納位置(図1中実線,図2中二点差線で示す)と、照明を発光可能な発光位置(図1中二点鎖線,図2中二点実線で示す)との間を揺動可能に構成されている。閃光発光部14は、図示しないが、当該閃光発光部14を発光位置に付勢するバネ等の付勢手段と、格納位置において係合するロック機構と、を備えている。閃光発光部14は、ロック機構の係合によって通常は格納位置に収納され、ロック機構の係合を解除すると付勢手段の付勢力で発光位置に揺動する。このロック機構の係合解除は、後述する制御部100によって制御される発光部駆動機構14Aによって行われるようになっている。以下、この閃光発光部14の格納位置から発光位置への揺動をポップアップと呼ぶ。
そして、閃光発光部14は、発光位置において制御部100によって制御され、閃光発光する。この閃光発光部14は、被写体光量が不足する夜間撮影の際の光源として、また、定常光撮影時における逆光時等に補助光源として用いられる。
【0018】
操作部15は、レリーズボタン15Rの他、詳細は図示しないが、モードダイヤル、十字キーおよび決定ボタン等を備え、各々の操作に応じた操作信号を制御部100へと送出する。
レリーズボタン15Rは、二段階の押圧スイッチを押圧操作するようになっており、一段目の押圧操作(半押し)で合焦および測光を、二段目の押圧操作(全押し)で撮影を、制御部100に対して指令するように構成されている。
表示部16は、液晶パネル等によって構成され、制御部100からの指示に応じて画像や操作メニューなどを表示する。
【0019】
また、カメラボディ10は、画像処理系および制御系の構成要素として、制御部100、AFE(Analog Front End)回路101、画像処理部102、バッファメモリ103、記録インターフェイス104、焦点検出部110、合焦制御部120、測光部130、等を備えている。
【0020】
制御部100は、CPU等を備えて構成され、図示しないROMに制御プログラムを格納保持している。制御部100には、操作部15からの操作情報、後述する焦点検出部110、合焦制御部120、測光部130等からの制御情報等が入力される。また、後述する撮影レンズ20からマウントの接点を介して固有情報および操作状態情報等が入力される。制御部100は、これら入力制御情報に基づいて制御プログラムを実行することにより、当該カメラ1の動作を統括的に制御する。すなわち、AF(オートフォーカス)動作制御、AE(自動露出)動作制御、オートホワイトバランス制御等を行う。また、制御部100は、被写体の顔認識や、発光部駆動機構14Aを操作制御することによる閃光発光部14のポップアップおよび閃光発光部14の発光制御を行う。
【0021】
AFE回路101は、撮像素子13から入力されたアナログ画像信号に対するゲイン調整(ISO感度に応じて信号増幅)を行う。具体的には、制御部100からの感度設定指示に応じて、撮像感度を所定範囲内で変更する。AFE回路101は、さらに、内蔵するA/D変換回路によってアナログ処理後の画像信号をデジタル画像情報に変換する。変換されたデジタル画像情報は、画像処理部102に入カされる。
【0022】
画像処理部102は、デジタル画像情報に対して、画像解析、画像合成処理などの画像処理を行う。
バッファメモリ103は、画像処理部による画像処理の前工程や後工程での画像データを一時的に記録する。
記録インターフェイス104は、CFカードやSDカード等の記録媒体105が接続される図示しないコネクタを有しており、そのコネクタに接続された記録媒体105に対して、データの書き込みや、記録媒体105からのデータの読み込みを行う。
【0023】
焦点検出部110は、ミラー部11におけるサブミラー11Sによって導かれた被写体光の一部を、焦点検出光学系によって2分割して測距素子111に結像させ、測距点(AFフレーム)について位相差を検出してデフォーカス量を演算する。焦点検出部110は、演算したデフォーカス量を焦点状態情報として合焦制御部120に出力する。測距点(AFフレーム)は、撮像画面内に複数設定されており、焦点検出部110は、これらの測距点(AFフレーム)各々についてデフォーカス量を演算する。なお、焦点検出方式はこれに限定されず、撮像素子13の撮像情報からコントラストを検出する方式などを用いてもよい。
【0024】
合焦制御部120は、制御部100の制御下で、焦点検出部110によって演算された焦点状態情報(デフォーカス量)に基づいて、後述する撮影レンズ20の合焦駆動機構21を駆動して合焦制御を行う。そして、合焦状態を判定して、制御部100に出力する。この合焦制御部120による合焦制御は、複数の中から設定されたAFフレームの被写体に対して行う。AFフレームの設定は、操作部15を介した任意設定と、制御部100による自動設定とがある。
【0025】
測光部130は、ファインダー部12におけるファインダスクリーン12Sに結像した被写体の光輝度を測定する測光センサ131を備えている。測光部130は、撮像画面全体およびAFフレームと対応する領域のそれぞれの輝度を測光可能となっており、それら測光情報を制御部100に出力する。なお、測光は、このような測光センサによるものに限らず、撮像素子13による撮像出力を利用する構成であってもよい。
【0026】
撮影レンズ20は、焦点調節レンズを含む結像光学系を備えて構成されており、図示しないマウントを介してカメラボディ10に装着されて、被写体像をカメラボディ10における撮像素子13の受光面に結像させる。また、撮影レンズ20は、合焦レンズ群を移動駆動する合焦駆動機構21を備えている。さらに、撮影レンズ20は、図示しないが、固有情報(当該撮影レンズ20のタイプや開放F値等)をメモリに格納しており、カメラボディ10に装着されると、その固有情報をカメラボディ10の制御部100にマウントを介して制御情報として送出する。これにより、撮影レンズ20は、カメラボディ10からの制御が可能となり、合焦駆動機構21がカメラボディ10の制御部100によって制御されるようになる。
【0027】
上記のように構成されたカメラ1は、撮影時において制御部100によって制御されて、下記のように作用する。
カメラ1は、操作者によって操作部15のレリーズボタン15Rが半押し操作されると、測光部130によって測光を行うと共に、合焦制御部120による撮影レンズ20(合焦駆動機構21)の駆動によってAFフレームの被写体に対する合焦制御を行う。レリーズボタン15Rが全押し操作されると、ミラー部11におけるメインミラー11Mを光路中から退避させると共に図示しないシャッターを所定時間開放(露光)し、撮像素子13がその受光面に結像された被写体像に対応する画像信号を生成する。そして、その画像信号に対して、AFE回路101によるゲイン調整およびデジタル変換と画像処理部102による画像処理とを行った後、所定のフォーマットで記録媒体105に記憶・保存する。表示部18は、画像処理部102で画像処理された画像データに基づく撮影画像を、必要に応じて表示する。
【0028】
また、制御部100は、撮影時において、測光部130によって測光された被写体の輝度情報に基づいて、閃光発光部14を発光位置にポップアップさせると共にその発光を制御する。
つぎに、この制御部100による閃光発光部14のポップアップ制御について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。なお、以下の説明における各機能部の符号については前述の図1および図2を参照のこと。また、図3および以下の説明中、ステップを「S」とも略記する。
【0029】
カメラ1の電源が投入される(メインスイッチON=START)と、発光に備えて閃光発光部14に予め基礎的な(たとえば最小発光量と対応する程度の)充電を行う(S301)。
そして、撮影に先立ってレリーズボタン15Rが半押し操作される(S302→Yes)と、測光部130による測光情報(被写体輝度情報)に基づいて測光領域全体の平均輝度と最大最小輝度差の輝度差の演算を行うと共に、焦点検出部110による焦点状態情報(デフォーカス量)の演算とを行う(S303)。
【0030】
ここで、ステップ303における演算値に基づいて、閃光発光部14による発光の要・不要の一回目の判断を行う(S304)。なお、このステップ304の判断を第1ポップアップ判定と呼ぶが、ここで発光の必要あり(Yes)と判断されても、ポップアップは行わない。
【0031】
ステップ304において発光の必要あり(Yes)と判断された場合には、ステップ303での演算値に基づいて、閃光発光部14の発光量の演算を行う(S305)。すなわち、焦点検出部110によって演算されたデフォーカス量によって被写体までの距離が解るため、これと測光部130からの被写体輝度情報とに基づいて概略の発光量を求める。
【0032】
ついで、ステップ305で求められた発光量に対応した充電を開始する(S306)。ここでは、誤差等を考慮し、ステップ305で求められた発光量より、所定量多い充電量に設定する。
そして、合焦制御部120による合焦制御を行う(S307〜S308)。すなわち、ステップ303において演算された指定AFフレームにおけるデフォーカス量に基づいて、合焦駆動機構21によって撮影レンズ20における合焦レンズを移動駆動し(S307)、合焦状態とする(S308→Yes)。
【0033】
一方、ステップ304において発光不要(No)と判断された場合には、ステップ305および306はスキップし、直ちにステップ307〜308の合焦制御を行う。
ステップ308において合焦と判断されると、再度、測光部130による測光(被写体輝度情報の取得)を行い、合焦状態において、撮像画面全体の平均輝度と適用したAFフレーム内の被写体の輝度差を演算する(S309)。これにより、より正確な輝度差情報を得ることができる。
【0034】
つづいて、ステップ309における演算値に基づいて、平均輝度と輝度差に加えてAFフレーム内の輝度情報も使用して閃光発光部14による発光の要・不要の二回目の判定(第2ポップアップ判定)を行う(S310)。
ステップ310において発光の必要あり(Yes)と判断された場合には、発光部駆動機構14Aを駆動して、閃光発光部14をポップアップする(S311)。
そして、レリーズスイッチが全押し操作される(S312→Yes)と、閃光発光部14を予備発光させて精度の高い正式な実閃光発光量を決定し(S313)、その発光量で閃光発光部14を発光させて撮影を行う(S315)。
【0035】
一方、ステップ310において発光不要(No)と判断された場合には、ステップ311〜313はスキップし、レリーズボタン15Rの全押し操作(S314→Yes)によって撮影を行う(S315)。すなわち、閃光発光部14のポップアップおよび発光を行わずに撮影する。
なお、マニュアルフォーカスの場合には、第1ポップアップ判定のみとして、ここで発光の必要ありと判断されたら、閃光発光部14をポップアップして撮影時に発光させる。
【0036】
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)カメラ1は、閃光発光部14の発光位置へのポップアップの判断を、第1ポップアップ判定と第2ポップアップ判定の2度行う。レリーズボタン15Rの半押し操作後の一度目の第1ポップアップ判定において発光が必要であると判断された場合には、ポップアップは行わず、閃光発光部14の発光量を演算してその発光量に応じた充電を開始すると共に合焦制御を行う。そして、合焦完了後の測光結果に基づいて第2ポップアップ判定を行い、ここで発光が必要であると判断された場合にポップアップを行う。
【0037】
これにより、主要被写体に合焦した輝度情報に基づいて閃光発光部14の発光位置へのポップアップを行うため、ポップアップ動作や発光を高い精度で行うことができる。すなわち、レリーズボタン15Rの半押し操作直後の主要被写体に合焦していない輝度情報に基づく判定でポップアップを行うと、被写体と背景との判別を誤って逆光撮影と誤判断して不要にポップアップして発光してしまうことが生じ得るが、本構成では、このような不具合を抑制できる。
【0038】
(2)カメラ1は、レリーズボタン15Rの半押し操作後の第1ポップアップ判定において発光が必要であると判断された場合、ポップアップは行わないが閃光発光部14の発光量を演算してその発光量に応じた充電を開始する。このため、第2ポップアップ判定において発光が必要であると判断されてポップアップした段階で、充電を待つことなく迅速な発光が可能となる。また、迅速な発光のために閃光発光部14に予めフル充電しておくといった無駄がなく、合理的な充電が可能となる。
【0039】
(3)カメラ1は、第2ポップアップ判定を、合焦後における撮像画面全体の平均輝度と適用したAFフレーム内の被写体との輝度差に基づいて行う。このため、精度の高い逆光判定を行うことができ、ポップアップの誤動作を抑制できる。
【0040】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態は、本発明をカメラボディ10と着脱可能な撮影レンズ20とにより構成された一眼レフデジタルカメラに適用したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポップアップする閃光発光装置を備えるカメラであれば適用可能である。すなわち、フィルムを用いるいわゆる銀塩カメラや、レンズ固定のコンパクトタイプのカメラに適用してもよい。
なお、実施形態および変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0041】
1:カメラ、10:カメラボディ、14:閃光発光部、14A:発光部駆動機構、15:操作部、15R:レリーズボタン、20:撮影レンズ、100:制御部、110:焦点検出部、120:合焦制御部、130:測光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用位置と格納位置との間を移動可能な閃光発光部と、
前記閃光発光部を格納位置から使用位置に移動させる駆動手段と、
半押しと全押しの二段階のスイッチング操作が可能であって全押し操作によって撮影指令する撮影指令スイッチと、
撮像面に対する合焦状態を演算する合焦演算部と、
前記合焦演算部の演算結果に基づいて前記撮像面に対する合焦を判定する合焦判定部と、
前記撮影指令スイッチの操作情報と、前記合焦判定部の合焦判定情報と、に基づいて、前記閃光発光部の充電と前記駆動手段の駆動とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記撮影指令スイッチの半押し操作に基づいて、前記閃光発光部の格納位置から使用位置への移動前に前記閃光発光部の充電を開始し、前記合焦判定部による合焦判定後に前記閃光発光部を格納位置から使用位置に移動させること、
を特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラであって、
入射光量を測光する測光部を備え、
前記制御部は、前記合焦判定部による合焦判定前における前記測光部による測光結果に基づいて、前記閃光発光部の充電を開始すること、
を特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラであって、
前記制御部は、前記合焦判定部による合焦判定後における前記測光部の測光結果に基づいて、前記閃光発光部を格納位置から使用位置に移動させること、
を特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のカメラであって、
前記制御部は、前記合焦演算部の出力に基づいて、前記閃光発光部の格納位置から使用位置への移動を判断すること、
を特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のカメラであって、
前記制御部は、前記合焦判定部において合焦判定する合焦領域における測光結果に基づいて、前記閃光発光部を格納位置から使用位置に移動させること、
を特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項5に記載のカメラであって、
選択可能な複数の合焦領域を備え、
前記制御部は、選択された前記合焦領域における前記測光部の測光結果に基づいて、前記閃光発光部を格納位置から使用位置に移動させること、
を特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−252111(P2012−252111A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123785(P2011−123785)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】