カラオケ装置及びカラオケプログラム
【課題】外部楽器用に設定した音響効果をカラオケの演奏音に対して利用可能とする。
【解決手段】本発明に係るカラオケ装置は、認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を演奏手段に演奏させる演奏処理と、効果付与手段で音響効果付与の対象とする演奏音または楽器演奏音を選択する効果付与対象選択処理と、効果付与対象選択処理で選択された楽器演奏音または演奏音に対し、ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、を実行することを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るカラオケ装置は、認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を演奏手段に演奏させる演奏処理と、効果付与手段で音響効果付与の対象とする演奏音または楽器演奏音を選択する効果付与対象選択処理と、効果付与対象選択処理で選択された楽器演奏音または演奏音に対し、ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、を実行することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏にあわせて歌唱を楽しむことのできるカラオケ装置及びカラオケプログラムに関するものであり、特に、ギター、ベースなどの外部楽器を接続して演奏を楽しむことのできるカラオケ装置及びカラオケプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、カラオケボックスなどにおいてユーザーによる楽曲の歌唱のみならず、ギターなどの楽器演奏も行い、歌唱と演奏を同時に楽しむことが検討されている。特許文献1には、カラオケ演奏されるパートのうちで、ミュート(消音)できるパートを表示手段に表示させ、マイナスワン演奏することのできるカラオケ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−30284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなカラオケ装置を使用した楽器演奏は、現状、歌唱室としての契約が結ばれているカラオケボックスでは行うことができない。カラオケボックスなどに楽器を持ち込んで演奏するには、演奏室としての契約を新たに結ぶ必要がある。演奏室として契約を部屋単位で行うことで、ユーザーが持ち込んだギターなどの外部楽器の演奏や、演奏しながらのカラオケを楽しむことが可能となる。
【0005】
また、エレキギターなどの外部楽器では、エフェクタを接続して、エレキギターの出力にディレイ、ディストーションなどの音響効果(エフェクト)を付与することが行われている。音源として機能するカラオケ装置においても、この音響効果を付与するエフェクタ機能を組み込むことが考えられるが、カラオケボックスなどでは同じカラオケ装置を利用できるとは限らず、使用する毎にエフェクタの各種パラメータを設定することが考えられる。
【0006】
さらに、外部楽器を使用した演奏が禁止されている歌唱室では、外部楽器が使用できないため、自分の嗜好するパラメータに設定されたエフェクタも使用することができない。そのため、業者側で設定された標準の音響効果が付された演奏音で楽しむことしかできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するため、本発明に係るカラオケ装置は、
ユーザーから各種入力を受け付ける入力手段と、
複数の楽器パートから構成された演奏情報に基づいて演奏を実行し、演奏音を出力する演奏手段と、
外部楽器を接続可能とし、接続された外部楽器から楽器演奏音が入力される外部楽器接続手段と、
前記演奏音または前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する効果付与手段と、
前記入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を前記演奏手段に演奏させる演奏
処理と、
前記効果付与手段で音響効果付与の対象とする前記演奏音または前記楽器演奏音を選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
さらに本発明に係るカラオケ装置は、
演奏許可・禁止フラグを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記外部楽器接続手段から入力される外部演奏音を出力させないことを特徴とする。
【0009】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記制御手段は、前記入力手段にて前記効果情報を設定する効果設定処理を実行することを特徴とする。
【0010】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記効果設定処理を実行しないことを特徴とする。
【0011】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記ユーザー情報に含まれる効果情報は、楽曲及び楽器パートに対応し、
前記効果付与処理は、前記演奏処理にて指定された楽曲の楽器パートに対応する効果情報に基づいて前記楽器演奏音または前記演奏音に音響効果を付与することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記効果付与手段は、前記演奏音と前記楽器演奏音を切り換えて音響効果を付与することを特徴とする。
【0013】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記効果付与手段は、前記演奏音に対して音響効果を付与する第1の効果付与部と、前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する第2の効果付与部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明に係るカラオケプログラムは、
入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を演奏手段に演奏させて演奏音を出力させる演奏処理と、
外部楽器接続手段から入力される楽器演奏音、または、前記演奏処理で出力される前記演奏音を音響効果付与の対象として選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカラオケ装置によれば、ユーザーが外部楽器の音響効果付与のために設定した効果情報を演奏情報の演奏音に対しても使用することができ、例えば、著作権の契約上、外部楽器の使用が認められていないカラオケ装置においては、設定した効果情報を演奏音
に対して使用することが可能となり、ユーザーの嗜好に沿った演奏を実行することができる。
【0016】
さらに本発明のカラオケ装置によれば、著作権の契約上、外部楽器の使用が認められていないカラオケ装置においては、外部楽器から入力される外部演奏音を出力させないことで契約を遵守したカラオケ装置の使用が可能となる。
【0017】
さらに本発明のカラオケ装置によれば、カラオケ装置で効果情報を設定することが可能となる。これにより、外部楽器による演奏を行う、あるいは、演奏情報に基づく演奏が実行される環境下において、効果情報を設定し効果音を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示す図
【図2】本発明の実施形態に係るトップ画面を示す図
【図3】本発明の実施形態に係るユーザー情報を示す図
【図4】本発明の実施形態に係るユーザーに対するサービス処理を示す図
【図5】本発明の実施形態に係るアクティブユーザートップ画面を示す図
【図6】本発明の実施形態に係るメイン処理を示すフロー図
【図7】本発明の実施形態に係る音響制御部の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施形態に係る演奏室演奏処理を示すフロー図
【図9】本発明の実施形態に係る歌唱室演奏処理を示すフロー図
【図10】本発明の実施形態に係る効果設定画面(パート指定)を示す図
【図11】本発明の実施形態に係る効果設定画面(接続形態設定)を示す図
【図12】本発明の実施形態に係る効果設定画面(エフェクタ、パラメータ設定)を示す図
【図13】本発明の実施形態に係る楽曲確認画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、コマンダ2(カラオケ装置)と、リモコン装置1にて構成されており、これらは、LAN100にて、無線、有線で互いに接続されている。
【0020】
店舗に設置されるコマンダ2は、リモコン装置1(例えば、1a、1b)によりユーザーからの各種指示を受け付けることが可能となっている。また、リモコン装置1は表示部11と操作部17が共有されたタッチパネル表示画面を備え、ユーザーに対して各種情報の提供や、操作入力することが可能とされている。リモコン装置1は、LAN100上に設置されたアクセスポイント110aを介してコマンダ2と無線接続される。図中に破線で示されるように、例えばコマンダ2aにはリモコン装置1aと1bが対応付けられ、LAN100aを介して情報を送受信することが可能となっている。また、リモコン装置1とコマンダ2とは赤外線などを利用した近距離通信を行うことも可能である。
【0021】
さらに、本実施形態のカラオケシステムでは、ユーザーに各種サービスを提供するためインターネットを介したホスト5(サーバ装置)が設けられ、楽曲情報やユーザー情報など、各種サービスに必要な情報を記憶している。そして、ルータ120aを通じて、コマンダ2、又はリモコン装置1aと、前述した情報の送受信が行える。
【0022】
コマンダ2は、全体を統括制御する制御部30を中心として機能し、主な機能として、楽曲演奏処理、映像表示処理、楽曲指定処理などを実行可能としている。楽曲演奏処理は、入力部21やリモコン装置1にて、ユーザーにより指定された楽曲に対応する演奏情報をMIDI音源を含んで構成される音響制御部70にて演奏させ、スピーカー42から放
音させる処理である。このとき、スピーカー42からは歌唱用マイク44から入力される音声も合わせて放音される。映像再生処理は、映像再生部29にて各種映像情報、歌詞情報などを再生させ、モニタ41を介した視覚情報をユーザーに提供する処理である。
【0023】
楽曲指定処理は、ユーザーからの指定に基づいて楽曲を選択、予約するための処理である。本実施形態ではリモコン装置1と連携して実行することとなる。リモコン装置1の操作部17から入力されたユーザーの指令は、赤外線通信部19、23、あるいは、LAN100を介してコマンダ2に伝達される。コマンダ2での処理結果は、リモコン装置1側の表示部11に表示され、ユーザーは選曲のための各種情報を視認することが可能である。コマンダ2とリモコン装置1は、この楽曲指定処理に限らず、ユーザー個別のサービスを提供するためのログイン処理など各種処理を実行することが可能である。
【0024】
さらに本実施形態のコマンダ2は、ギターやベースといった外部楽器44bを接続することが可能とされている。外部楽器44bから出力される外部演奏音は、音響制御部70に出力され、MIDI音源からの演奏音や歌唱用マイク44aから入力される歌唱音声などとミキシングされ、スピーカー42から放音される。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に係るトップ画面、すなわち、リモコン装置1を起動した直後の画面を示す図である。本実施形態では、リモコン装置1の表示部11に表示を行うことで、リモコン装置1を操作するユーザーに対して各種情報を提供する。なお、リモコン装置1の操作部17としては、カーソルキーなどの各種機械的なスイッチの他、表示部11に表示されたボタン、アイコンなどを直接タッチして操作を行うタッチパネルを採用することができる。
【0026】
本実施形態のカラオケシステムは、複数のユーザーが各リモコン装置1のタッチパネル表示画面から必要な情報(後述するユーザIDやパスワード)を入力し、ログインすることが可能となっている。ユーザーのログインに関する情報は画面上方に常時表示される。ログインしたユーザーの分身像(アバター)を表示するためのログインユーザー欄103が設けられている。なお、分身像としては、人、キャラクターを模した像の他、図形や記号など各種形態を採用することができる。
【0027】
また、アカウントを有していないユーザーのためのゲストアイコン102、ユーザーを切り替えるためのユーザー切替スイッチ101が表示されている。ログインしたユーザーは、ログインユーザー欄103に表示される分身像を選択、あるいは、ユーザー切替スイッチ101を操作することで、自分のユーザー情報を利用した各種サービスを受けることが可能となる。また、アカウントを有していないユーザーは、ゲストアイコン102を操作することで、選曲など一般的なサービスを受けることが可能となっている。なお、ユーザーの切替の際には、パスワードなど認証を行うこととしてもよいが、認証を行うことなく簡易に切り替えることとしてもよい。
【0028】
図3は、各ユーザー毎に、ホスト5に記憶されたユーザー情報を説明するための図である。本実施形態では、ユーザー情報として、個人情報、マイうたテーブル、マイアーティストテーブル、エフェクトテーブルなど、ユーザーに関する各種情報を含んで構成される。ユーザー情報は、カラオケ用ホスト1の記憶部51に予め記憶されている。また、ユーザー情報には、ユーザーがリモコン装置1からホスト5へログインしてこれら情報を利用するためのユーザーID、パスワードが対応付けられている。個人情報には、ユーザー名(実際の名前に限ったものでなく、ニックネームであってもよい)、性別、年齢等を含んで構成されている。これら各種情報は、リモコン装置1、あるいは、インターネットなどのネットワークに接続された図示しないパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などにてログインして設定することができる。
具体的には、リモコン装置1などを介したユーザーのログイン操作よって、ユーザーIDとパスワードとがホスト5へ通知され、記憶部51に記憶されたユーザー情報がリモコン装置1、コマンダ2へ送付され、各々の記憶手段(メモリ14、メモリ27など)へ記憶される。詳細な手順は後述する。
【0029】
マイうたテーブルは、ユーザーによって事前に登録された楽曲を示すテーブルであって、少なくとも楽曲を識別するための楽曲識別子を含んで構成されている。この他、歌唱した際に採点された最高点(採点情報)や、自分の歌唱音域に合わせるためのキー調整情報などを登録しておいてもよい。
【0030】
マイアーティストテーブルは、ユーザーによって事前に登録されたアーティスト(歌手)を示すテーブルであって、歌手識別子を含んで構成されている。ユーザーは、このマイアーティストテーブルを呼び出すことで、事前に登録したアーティストを読み出し、さらにデータベースを参照することで当該アーティストに関連する楽曲を読み出して選曲することが可能となる。
【0031】
エフェクトテーブルは、ギターなどの外部楽器に対して音響効果を付与するための効果情報を楽曲毎に記憶したテーブルであって、音響効果を付与する楽曲を示す楽曲識別子、演奏情報を構成する複数の楽器パートのうち、どの楽器パートに対して音響効果を付与するかを示す楽器パートを含んで構成されている。さらに、本実施形態では、複数のエフェクタを組み合わせて音響効果を付与することが可能となっており、各エフェクタをどのように接続するかを示す接続形態、使用するエフェクタを示すエフェクタ種別、そして各エフェクタの設定値を示すパラメータを含んで構成されている。本実施形態では、コマンダ2に接続した外部楽器から入力される外部演奏音に対し、この効果情報に基づいて音響効果を付与できる他、演奏情報に対する音響効果付与のためにも使用することが可能とされている。
【0032】
本実施形態では、このようなユーザー情報を利用することで、ユーザーに対し様々なサービスを提供することができる。特に、マイうたテーブル、マイアーティストテーブル、といったユーザー別選曲情報を利用することで、ユーザー別に選曲を実行することが可能とされるとともに、エフェクトテーブルに記憶された各楽曲に対する効果情報を用いることで、外部楽器から入力される外部演奏音または演奏情報に基づいて出力される演奏音に対して音響効果を付与することが可能となっている。
【0033】
図4は、このユーザー情報の送受信の様子と、リモコン装置1の制御部15、コマンダ2の制御部30、ホスト5の図示しない制御部が、それぞれ実行するプログラムのフローチャートを示した図である。カラオケ店舗に来店したユーザーは、リモコン装置1の操作部17やカラオケ装置2の操作部21から自己のユーザーIDとパスワードなどの識別情報を入力する。ユーザーの識別情報を読み取った、コマンダ2あるいはリモコン装置1は、識別情報をカラオケ用ホスト5に送信し(S102)、識別情報を受信したカラオケ用ホスト5は記憶部1に記憶されたデータベースから、該当するユーザーのユーザー情報を抽出し(S121)、問い合わせのあったコマンダ2あるいはリモコン装置1に対して送信する(S122)。
【0034】
ホスト5からコマンダ2あるいはリモコン装置1に対してのユーザー情報の送信は、本実施形態では、予め各装置のIPアドレス等の通信相手先を特定する情報を記憶しているとして送信している。他の送信方法として、リモコン装置1とコマンダ2とが、カラオケにおける、周知の「括り付け」、又は「紐付け」関係にあるならば、ホスト5はログインしたリモコン装置1へユーザー情報を一旦送信し、その後、ログインしたリモコン装置1
から必要に応じて(例えば、リモコン装置1からコマンダ2への曲予約指示した時に、曲予約情報とともに)、括り付け相手のコマンダ2へ再送信してもよいし、または、コマンダ2で一旦受信し、コマンダ2からリモコン装置1へ再送信してもよい。
【0035】
ユーザー情報を受信したコマンダ2側では(S103)、受信したユーザー情報に基づいて、選曲処理、演奏処理など各種サービス処理が提供される(S104)。ユーザーによりログアウトが要求される(S105)とサービス処理を中断し、サービス処理中における各種履歴(ログ)、あるいは、ユーザーによる設定変更を反映したユーザー情報をカラオケ用ホスト5に送信する(S106)。ここで、ユーザー情報は、全ての情報を送信することの他、更新された差分だけを送信してもよい。カラオケ用ホスト5では、受信したユーザー情報に基づいて記憶部1に記憶されたデータベースの更新を実行する(S124)。
【0036】
以上、1ユーザーが認証処理(ログイン)してから、ログアウトするまでの流れを説明したが、本実施形態のコマンダ2、リモコン装置1は、認証された複数人(認証ユーザー)が同時にログインした状態で使用することが可能となっており、図2で説明したユーザーインターフェイスを用いることで、サービスを提供するユーザー(以下、「アクティブユーザー」という)を切り替えて使用することが可能となっている。
【0037】
図5は、本発明の実施形態に係るアクティブユーザートップ画面を示す図である。この図に示されるように、複数人がログインした状態ではログインユーザー欄103にログインしたユーザーの分身像103a〜103e(本実施形態では顔部分)が表示される。またログインユーザー欄103中、右端に背景がハイライトで示されるユーザーは、アクティブユーザー103eであって、図に示す状態では、このアクティブユーザー103eに対するサービス、すなわち、アクティブユーザー103eのユーザー情報を利用したサービスが実行されている状態となっている。
【0038】
このアクティブユーザートップ画面では、「曲を探す」を選択することで、従来の歌本と同様、歌手名、楽曲名に基づく検索を行うことができる。また、「マイルーム」を選択した場合には、ユーザー情報中のマイうたテーブルなどを利用した、アクティブユーザーに特化した楽曲検索を行うことができる。
【0039】
では、本発明に係るカラオケシステムにおける処理について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るメイン処理を示すフロー図である。カラオケシステムの起動に伴って処理が開始されると、コマンダ2の設定が確認される(S201)。この確認処理はコマンダ2内のメモリ27(記憶手段)などに予め記憶されている演奏許可・禁止フラグを確認することで、当該コマンダ2が演奏が許可されている演奏室設定であるのか、演奏が禁止されている歌唱室設定であるのかが確認される。演奏室設定であった場合には、演奏室演奏処理(S300)が、一方、歌唱室設定であった場合には、歌唱室演奏処理(S400)が実行される。各処理は、カラオケシステムの終了が判断される(S202、S203:Yes)まで継続して実行される。
【0040】
演奏室演奏処理では、外部楽器から入力される楽器演奏音に対する音響効果付与が、また、歌唱室演奏処理では、MIDI音源などの演奏手段から出力される演奏音に対する音響効果付与が特徴となるが、これら音響効果付与を実行する音響制御部70の詳細について説明しておく。
【0041】
図7は、本発明の実施形態に係る音響制御部70の構成を示すブロック図である。本実施形態の音響制御部70は、歌唱音声の信号系統として、歌唱用マイク44aが接続されるマイク接続端子81、マイク接続端子81から入力される歌唱音声信号をデジタル変換
するADC77、デジタル変換された歌唱音声信号に、エコーなどの音響効果を付与する第3効果付与部78、歌唱音声信号をアナログ信号に戻すDAC79を有する。
【0042】
そして、楽器演奏音の系統として、エレキギターなど外部楽器44bを接続するための外部楽器接続端子82、外部楽器44bから出力される楽器演奏音をデジタル化するADC73、デジタル変換された楽器演奏音に各種音響効果を付与する第2効果付与部74を、また、演奏音の系統として、シーケンス信号に基づいて演奏を実行するMIDI音源71、MIDI音源画出力する演奏音信号に対して音響効果を付与する第1効果付与部72を有する。さらに、歌唱音声、楽器演奏音、演奏音をミキシングする系統として、ミキシング部75、ミキシング部75でミキシングされた信号をデジタル化するDAC76、DAC69とDAC76の信号をミキシングしてスピーカー42に出力するミキシング部80を備えている。
【0043】
第1〜第3効果付与部72、74、78は、それぞれ制御部30から出力される第1〜第3効果情報に基づいて音響効果が付与される。特に、本実施形態では、第2効果情報に基づいて外部楽器44bから出力される演奏音に対して音響効果を付与すると共に、第1効果情報に基づいて演奏音に音響効果を付与する点が特徴となっている。
【0044】
では、このような音響制御部70を使用して実行される演奏室演奏処理、歌唱室演奏処理について説明する。図7は、演奏室演奏処理を示すフロー図である。演奏室演奏処理が開始されると、S301にて楽曲指定を受け付ける。楽曲指定は、リモコン1を用いて実行される処理であって、歌唱若しくは演奏を希望する楽曲について、楽曲名、歌手名などを元に検索し、楽曲を指定する処理である。
【0045】
S302では、外部楽器接続手段としての外部楽器接続端子82に外部楽器44bが接続されているか否かが判定される。この判定は、図7のブロック図に示されるように外部楽器接続端子82の接続状態を監視する接続状態検出信号に基づいて判定される。外部楽器44bが接続されていると判定される(S302:Yes)と、まず、楽器パート選択画面が表示され、演奏を希望する楽器パートがユーザーに問われる。図10は、効果設定画面におけるパート指定を示す図となっている。ユーザーA(Aさん)によって指定された楽曲について、演奏可能な楽器パートが選択可能に表示されている。この場合、ギターA、ギターB、ベースの楽器パートが選択可能とされている。ユーザーは、演奏を希望する楽器パートを選択し、「予約」、あるいは、各外部楽器について効果情報を設定する「設定」を選択することができる。なお、各楽器パートを選択するボタンの右下には、各楽器パートについて、以前にユーザーが設定を行った効果情報の有無が設定有、設定無の表示にて示されている。
【0046】
S304では、ユーザーが選択した楽器パートについて、効果情報が設定されているか否かが判定される。効果情報が設定されている場合(S304:Yes)、効果情報を設定し直すことも可能(S305)することもできる。効果情報を設定せずに予約が実行されると、S301にて指定した楽曲について、演奏を行う楽器パート、並びに、楽器パートに設定されている効果情報、予約したユーザーのユーザーIDなどを含む予約情報を予約リストに記憶させることで予約を完了する。
【0047】
一方、選択した楽器パートについて効果情報を設定する場合(S304:NoもしくはS305:Yes)、すなわち、楽曲を選択したユーザーのユーザー情報中に該当する効果情報が存在する場合には、リモコン装置1に表示される効果設定画面にて効果情報の設定を実行する(S306)。図11、図12は、この効果情報の設定画面を示す図であって、図11は接続形態設定について、また、図12はエフェクタ、パラメータ設定についての設定画面となっている。
【0048】
まず、図11の接続形態の設定では、エフェクタの接続形態が設定される。本実施形態のように複数のエフェクタを組み合わせて使用する場合、直列に接続するか、並列に接続するかなどその接続形態によって音響効果が変化することが知られている。この設定画面では、まず、どのようにエフェクタを接続するかが選択される。図の丸1〜丸4は、それぞれエフェクタの設置位置が示されている。
【0049】
次にユーザーは、各エフェクタの設置位置について、どのエフェクタを使用するか、また、使用するエフェクタのパラメータを設定することが可能となっている。図11は、このエフェクタ、パラメータ設定についての設定画面である。画面下方には、図12でユーザーが選択した接続形態が表示されている。画面中央には、使用可能とされている各種エフェクタが表示されている。各エフェクタの表示は、ギターなどの音響効果付与に使用する実際のエフェクタと同様のものがグラフィカルに表示されている。そして、各エフェクタに付随して表示されるダイヤルなどを画面上で調整することで、各エフェクタのパラメータを調整することができる。
【0050】
使用するエフェクタのパラメータを調整した後、当該エフェクタを画面下方の接続形態上に移動させることで、当該エフェクタが音響効果付与に使用されることが確定される。図の丸1〜丸4に対して全てエフェクタを使用することとしてもよいが、使用を希望するエフェクタ数が少ない場合には、空欄のまま確定することとしてもよい。空欄とした場合には、当該位置を短絡した接続形態として確定される。
【0051】
以上、本実施形態では、実際のエフェクタと同様の操作にて音響効果を付与するための効果情報を設定することが可能とされている。設定した効果情報は、図3で説明したユーザー情報中のエフェクトテーブル中に記憶され、次回以降の使用に用いることが可能となる。
【0052】
以上説明した操作にて楽曲予約が確定されると、予約された各種情報に基づいて第1演奏処理を実行する(S308)。この第1演奏処理は、MIDI音源71から出力される演奏音にあわせて、外部楽器44bを使用して演奏を可能とする処理であって、外部楽器44bから入力される楽器演奏音に対しては、S306にて設定した効果情報、あるいは、ユーザー情報中に記憶されている効果情報に基づく音響効果が付与される。この効果情報は、図7の構成図における第2効果情報として使用されることとなる。また、演奏情報に基づくシーケンス信号にてMIDI音源71が制御され、演奏音信号が出力されることとなるが、楽器演奏のために選択している楽器パートについては非出力、すなわち、マイナスワン演奏の状態としてもよい。演奏音に対しては第1効果情報に基づく各種音響効果が付与される。
【0053】
このように、第1演奏処理S308では、ユーザーが設定した、あるいは、ユーザー情報中の効果情報に基づいて、外部楽器44bから出力される演奏音に対して音響効果が付与されることとなる。
【0054】
一方、外部楽器44bが接続されていない場合(S302:No)には、設定済み、すなわち、ユーザー情報中のエフェクトテーブルに記憶される効果情報を用いて、演奏音に対して音響効果を付与することが可能とされている。S309では、効果情報が設定済みか否かが判定される。この処理では、S301で選択した楽曲に対応する効果情報がユーザー情報中に存在するか否かが判定される。図13は、この場合の楽曲確認画面を示す図であって、画面には、効果情報の設定状態がエフェクタ設定欄に表示されている。ユーザーは、エフェクタ設定欄右下に表示されている操作ボタンを操作することで、効果情報を使用するか否かを選択することができる。
【0055】
効果情報が設定済みであって、効果情報の使用が選択された場合(S309、S310:Yes)には、第2演奏処理が実行される(S311)。この処理は、ユーザーが外部楽器の音響効果付与のために設定した効果情報を演奏音に対する音響効果付与に使用する演奏処理である。具体的には、第1演奏処理では、第2効果情報として使用していた効果情報を、第1効果情報のうち、該当する楽器パートに対して使用することとし、MIDI音源71から出力される演奏音に対して音響効果付与することとしている。
【0056】
このように第2演奏処理(S311)では、外部楽器の演奏音に対して設定していた効果情報を演奏手段としてのMIDI音源71から出力される演奏音に対して使用可能としている。
【0057】
また、効果情報が設定されていない、すなわち、選択した楽曲に対応する効果情報がユーザー情報中にない場合には、第3演奏処理が実行される(S312)。この演奏処理では、第1効果付与部72にて使用される第1効果情報として、演奏情報に含まれている、あるいは、標準で設定されているものを利用して音響効果が付与される。
【0058】
以上、演奏室演奏処理では、外部楽器44bを接続して演奏を行う場合、ユーザーが設定した効果情報に基づく音響効果を楽器演奏音に対して付与することができると共に、外部楽器44bを接続せずに歌唱のみを楽しむ場合には、効果情報を演奏手段から出力される演奏音に対して適用し、音響効果を付与することが可能となる。
【0059】
なお、図7に示されるように本実施形態では、楽器演奏音に対して音響効果を付与する第2効果付与部74と、演奏手段としてのMIDI音源71から出力される演奏音に対して音響効果を付与する第1効果付与部72とを別構成として記載しているが、同一の効果付与部を共用して使用することとしてもよい。その場合、外部楽器44bからの楽器演奏音とMIDI音源71からの演奏音が切り換えて効果付与部に入力され、入力されたものに対して音響効果が付与される。
【0060】
また、図6のフロー図において、コマンダ2が歌唱室設定であると判定された場合には、図9のフロー図に示される歌唱室演奏処理が実行される。この処理は図8の演奏室演奏処理で説明した外部楽器44bが接続されていないときの処理と略同様とされている。また、歌唱室では契約上、楽器演奏を行うことが禁止されているため、外部楽器接続端子82に外部楽器を接続した場合であっても、楽器演奏音はスピーカー42に対して出力されないように設定されている。そして、演奏室演奏処理で可能とされていた効果設定処理についても実行されないように設定されている。
【0061】
ユーザーにより楽曲指定が実行される(S401)と、当該楽曲に対する効果情報は設定済みか否かが判定される(S402)。効果情報が設定済み、すなわち、ユーザー情報中にS401で指定した楽曲に対応付けられた効果情報が存在する場合には、前述宇野場合と同様、図13に示される楽曲確認画面にて、効果情報を利用するか否かをエフェクタ設定欄で選択させ予約を実行させる。効果情報を利用する場合(S403:Yes)には、当該効果情報に基づいて演奏音に音響効果が付与される。一方、効果情報が存在しない場合(S402:No)、あるいは、効果情報を使用しない場合(S403:No)には、演奏音に対して所定の音響効果が付与される。
【0062】
このように本実施形態では、外部楽器を用いた演奏が禁止されている場合には、外部楽器用に設定した効果情報を演奏音の音響効果付与に使用することが可能とされており、ユーザーの嗜好に沿った演奏を楽しむことが可能となる。
【0063】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0064】
1…リモコン装置、11…表示部、12…ビデオRAM、13…映像制御部、14…メモリ、15…制御部、16…無線LAN通信部、17…操作部、18…操作処理部、19…赤外線通信部、2…コマンダ(カラオケ装置)、21…操作部、22…操作処理部、23…赤外線通信部、24…インターフェイス部、27…メモリ、28…ビデオRAM、29…映像再生部、30…制御部、31…映像制御部、32…ハードディスク、41…モニタ、42…スピーカー、44a…歌唱用マイク、44b…外部楽器、100…LAN、110…アクセスポイント、120…ルータ、5…カラオケ用ホスト、51…第1記憶部、70…音響制御部、71…MIDI音源、72…第1効果付与部、73、77…ADC、74…第2効果付与部、75…ミキシング部、76、79…DAC、78…第3効果付与部、80…ミキシング部、81…マイク接続端子、82…外部楽器接続端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏にあわせて歌唱を楽しむことのできるカラオケ装置及びカラオケプログラムに関するものであり、特に、ギター、ベースなどの外部楽器を接続して演奏を楽しむことのできるカラオケ装置及びカラオケプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、カラオケボックスなどにおいてユーザーによる楽曲の歌唱のみならず、ギターなどの楽器演奏も行い、歌唱と演奏を同時に楽しむことが検討されている。特許文献1には、カラオケ演奏されるパートのうちで、ミュート(消音)できるパートを表示手段に表示させ、マイナスワン演奏することのできるカラオケ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−30284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなカラオケ装置を使用した楽器演奏は、現状、歌唱室としての契約が結ばれているカラオケボックスでは行うことができない。カラオケボックスなどに楽器を持ち込んで演奏するには、演奏室としての契約を新たに結ぶ必要がある。演奏室として契約を部屋単位で行うことで、ユーザーが持ち込んだギターなどの外部楽器の演奏や、演奏しながらのカラオケを楽しむことが可能となる。
【0005】
また、エレキギターなどの外部楽器では、エフェクタを接続して、エレキギターの出力にディレイ、ディストーションなどの音響効果(エフェクト)を付与することが行われている。音源として機能するカラオケ装置においても、この音響効果を付与するエフェクタ機能を組み込むことが考えられるが、カラオケボックスなどでは同じカラオケ装置を利用できるとは限らず、使用する毎にエフェクタの各種パラメータを設定することが考えられる。
【0006】
さらに、外部楽器を使用した演奏が禁止されている歌唱室では、外部楽器が使用できないため、自分の嗜好するパラメータに設定されたエフェクタも使用することができない。そのため、業者側で設定された標準の音響効果が付された演奏音で楽しむことしかできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するため、本発明に係るカラオケ装置は、
ユーザーから各種入力を受け付ける入力手段と、
複数の楽器パートから構成された演奏情報に基づいて演奏を実行し、演奏音を出力する演奏手段と、
外部楽器を接続可能とし、接続された外部楽器から楽器演奏音が入力される外部楽器接続手段と、
前記演奏音または前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する効果付与手段と、
前記入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を前記演奏手段に演奏させる演奏
処理と、
前記効果付与手段で音響効果付与の対象とする前記演奏音または前記楽器演奏音を選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
さらに本発明に係るカラオケ装置は、
演奏許可・禁止フラグを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記外部楽器接続手段から入力される外部演奏音を出力させないことを特徴とする。
【0009】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記制御手段は、前記入力手段にて前記効果情報を設定する効果設定処理を実行することを特徴とする。
【0010】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記効果設定処理を実行しないことを特徴とする。
【0011】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記ユーザー情報に含まれる効果情報は、楽曲及び楽器パートに対応し、
前記効果付与処理は、前記演奏処理にて指定された楽曲の楽器パートに対応する効果情報に基づいて前記楽器演奏音または前記演奏音に音響効果を付与することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記効果付与手段は、前記演奏音と前記楽器演奏音を切り換えて音響効果を付与することを特徴とする。
【0013】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記効果付与手段は、前記演奏音に対して音響効果を付与する第1の効果付与部と、前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する第2の効果付与部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明に係るカラオケプログラムは、
入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を演奏手段に演奏させて演奏音を出力させる演奏処理と、
外部楽器接続手段から入力される楽器演奏音、または、前記演奏処理で出力される前記演奏音を音響効果付与の対象として選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカラオケ装置によれば、ユーザーが外部楽器の音響効果付与のために設定した効果情報を演奏情報の演奏音に対しても使用することができ、例えば、著作権の契約上、外部楽器の使用が認められていないカラオケ装置においては、設定した効果情報を演奏音
に対して使用することが可能となり、ユーザーの嗜好に沿った演奏を実行することができる。
【0016】
さらに本発明のカラオケ装置によれば、著作権の契約上、外部楽器の使用が認められていないカラオケ装置においては、外部楽器から入力される外部演奏音を出力させないことで契約を遵守したカラオケ装置の使用が可能となる。
【0017】
さらに本発明のカラオケ装置によれば、カラオケ装置で効果情報を設定することが可能となる。これにより、外部楽器による演奏を行う、あるいは、演奏情報に基づく演奏が実行される環境下において、効果情報を設定し効果音を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示す図
【図2】本発明の実施形態に係るトップ画面を示す図
【図3】本発明の実施形態に係るユーザー情報を示す図
【図4】本発明の実施形態に係るユーザーに対するサービス処理を示す図
【図5】本発明の実施形態に係るアクティブユーザートップ画面を示す図
【図6】本発明の実施形態に係るメイン処理を示すフロー図
【図7】本発明の実施形態に係る音響制御部の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施形態に係る演奏室演奏処理を示すフロー図
【図9】本発明の実施形態に係る歌唱室演奏処理を示すフロー図
【図10】本発明の実施形態に係る効果設定画面(パート指定)を示す図
【図11】本発明の実施形態に係る効果設定画面(接続形態設定)を示す図
【図12】本発明の実施形態に係る効果設定画面(エフェクタ、パラメータ設定)を示す図
【図13】本発明の実施形態に係る楽曲確認画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、コマンダ2(カラオケ装置)と、リモコン装置1にて構成されており、これらは、LAN100にて、無線、有線で互いに接続されている。
【0020】
店舗に設置されるコマンダ2は、リモコン装置1(例えば、1a、1b)によりユーザーからの各種指示を受け付けることが可能となっている。また、リモコン装置1は表示部11と操作部17が共有されたタッチパネル表示画面を備え、ユーザーに対して各種情報の提供や、操作入力することが可能とされている。リモコン装置1は、LAN100上に設置されたアクセスポイント110aを介してコマンダ2と無線接続される。図中に破線で示されるように、例えばコマンダ2aにはリモコン装置1aと1bが対応付けられ、LAN100aを介して情報を送受信することが可能となっている。また、リモコン装置1とコマンダ2とは赤外線などを利用した近距離通信を行うことも可能である。
【0021】
さらに、本実施形態のカラオケシステムでは、ユーザーに各種サービスを提供するためインターネットを介したホスト5(サーバ装置)が設けられ、楽曲情報やユーザー情報など、各種サービスに必要な情報を記憶している。そして、ルータ120aを通じて、コマンダ2、又はリモコン装置1aと、前述した情報の送受信が行える。
【0022】
コマンダ2は、全体を統括制御する制御部30を中心として機能し、主な機能として、楽曲演奏処理、映像表示処理、楽曲指定処理などを実行可能としている。楽曲演奏処理は、入力部21やリモコン装置1にて、ユーザーにより指定された楽曲に対応する演奏情報をMIDI音源を含んで構成される音響制御部70にて演奏させ、スピーカー42から放
音させる処理である。このとき、スピーカー42からは歌唱用マイク44から入力される音声も合わせて放音される。映像再生処理は、映像再生部29にて各種映像情報、歌詞情報などを再生させ、モニタ41を介した視覚情報をユーザーに提供する処理である。
【0023】
楽曲指定処理は、ユーザーからの指定に基づいて楽曲を選択、予約するための処理である。本実施形態ではリモコン装置1と連携して実行することとなる。リモコン装置1の操作部17から入力されたユーザーの指令は、赤外線通信部19、23、あるいは、LAN100を介してコマンダ2に伝達される。コマンダ2での処理結果は、リモコン装置1側の表示部11に表示され、ユーザーは選曲のための各種情報を視認することが可能である。コマンダ2とリモコン装置1は、この楽曲指定処理に限らず、ユーザー個別のサービスを提供するためのログイン処理など各種処理を実行することが可能である。
【0024】
さらに本実施形態のコマンダ2は、ギターやベースといった外部楽器44bを接続することが可能とされている。外部楽器44bから出力される外部演奏音は、音響制御部70に出力され、MIDI音源からの演奏音や歌唱用マイク44aから入力される歌唱音声などとミキシングされ、スピーカー42から放音される。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に係るトップ画面、すなわち、リモコン装置1を起動した直後の画面を示す図である。本実施形態では、リモコン装置1の表示部11に表示を行うことで、リモコン装置1を操作するユーザーに対して各種情報を提供する。なお、リモコン装置1の操作部17としては、カーソルキーなどの各種機械的なスイッチの他、表示部11に表示されたボタン、アイコンなどを直接タッチして操作を行うタッチパネルを採用することができる。
【0026】
本実施形態のカラオケシステムは、複数のユーザーが各リモコン装置1のタッチパネル表示画面から必要な情報(後述するユーザIDやパスワード)を入力し、ログインすることが可能となっている。ユーザーのログインに関する情報は画面上方に常時表示される。ログインしたユーザーの分身像(アバター)を表示するためのログインユーザー欄103が設けられている。なお、分身像としては、人、キャラクターを模した像の他、図形や記号など各種形態を採用することができる。
【0027】
また、アカウントを有していないユーザーのためのゲストアイコン102、ユーザーを切り替えるためのユーザー切替スイッチ101が表示されている。ログインしたユーザーは、ログインユーザー欄103に表示される分身像を選択、あるいは、ユーザー切替スイッチ101を操作することで、自分のユーザー情報を利用した各種サービスを受けることが可能となる。また、アカウントを有していないユーザーは、ゲストアイコン102を操作することで、選曲など一般的なサービスを受けることが可能となっている。なお、ユーザーの切替の際には、パスワードなど認証を行うこととしてもよいが、認証を行うことなく簡易に切り替えることとしてもよい。
【0028】
図3は、各ユーザー毎に、ホスト5に記憶されたユーザー情報を説明するための図である。本実施形態では、ユーザー情報として、個人情報、マイうたテーブル、マイアーティストテーブル、エフェクトテーブルなど、ユーザーに関する各種情報を含んで構成される。ユーザー情報は、カラオケ用ホスト1の記憶部51に予め記憶されている。また、ユーザー情報には、ユーザーがリモコン装置1からホスト5へログインしてこれら情報を利用するためのユーザーID、パスワードが対応付けられている。個人情報には、ユーザー名(実際の名前に限ったものでなく、ニックネームであってもよい)、性別、年齢等を含んで構成されている。これら各種情報は、リモコン装置1、あるいは、インターネットなどのネットワークに接続された図示しないパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などにてログインして設定することができる。
具体的には、リモコン装置1などを介したユーザーのログイン操作よって、ユーザーIDとパスワードとがホスト5へ通知され、記憶部51に記憶されたユーザー情報がリモコン装置1、コマンダ2へ送付され、各々の記憶手段(メモリ14、メモリ27など)へ記憶される。詳細な手順は後述する。
【0029】
マイうたテーブルは、ユーザーによって事前に登録された楽曲を示すテーブルであって、少なくとも楽曲を識別するための楽曲識別子を含んで構成されている。この他、歌唱した際に採点された最高点(採点情報)や、自分の歌唱音域に合わせるためのキー調整情報などを登録しておいてもよい。
【0030】
マイアーティストテーブルは、ユーザーによって事前に登録されたアーティスト(歌手)を示すテーブルであって、歌手識別子を含んで構成されている。ユーザーは、このマイアーティストテーブルを呼び出すことで、事前に登録したアーティストを読み出し、さらにデータベースを参照することで当該アーティストに関連する楽曲を読み出して選曲することが可能となる。
【0031】
エフェクトテーブルは、ギターなどの外部楽器に対して音響効果を付与するための効果情報を楽曲毎に記憶したテーブルであって、音響効果を付与する楽曲を示す楽曲識別子、演奏情報を構成する複数の楽器パートのうち、どの楽器パートに対して音響効果を付与するかを示す楽器パートを含んで構成されている。さらに、本実施形態では、複数のエフェクタを組み合わせて音響効果を付与することが可能となっており、各エフェクタをどのように接続するかを示す接続形態、使用するエフェクタを示すエフェクタ種別、そして各エフェクタの設定値を示すパラメータを含んで構成されている。本実施形態では、コマンダ2に接続した外部楽器から入力される外部演奏音に対し、この効果情報に基づいて音響効果を付与できる他、演奏情報に対する音響効果付与のためにも使用することが可能とされている。
【0032】
本実施形態では、このようなユーザー情報を利用することで、ユーザーに対し様々なサービスを提供することができる。特に、マイうたテーブル、マイアーティストテーブル、といったユーザー別選曲情報を利用することで、ユーザー別に選曲を実行することが可能とされるとともに、エフェクトテーブルに記憶された各楽曲に対する効果情報を用いることで、外部楽器から入力される外部演奏音または演奏情報に基づいて出力される演奏音に対して音響効果を付与することが可能となっている。
【0033】
図4は、このユーザー情報の送受信の様子と、リモコン装置1の制御部15、コマンダ2の制御部30、ホスト5の図示しない制御部が、それぞれ実行するプログラムのフローチャートを示した図である。カラオケ店舗に来店したユーザーは、リモコン装置1の操作部17やカラオケ装置2の操作部21から自己のユーザーIDとパスワードなどの識別情報を入力する。ユーザーの識別情報を読み取った、コマンダ2あるいはリモコン装置1は、識別情報をカラオケ用ホスト5に送信し(S102)、識別情報を受信したカラオケ用ホスト5は記憶部1に記憶されたデータベースから、該当するユーザーのユーザー情報を抽出し(S121)、問い合わせのあったコマンダ2あるいはリモコン装置1に対して送信する(S122)。
【0034】
ホスト5からコマンダ2あるいはリモコン装置1に対してのユーザー情報の送信は、本実施形態では、予め各装置のIPアドレス等の通信相手先を特定する情報を記憶しているとして送信している。他の送信方法として、リモコン装置1とコマンダ2とが、カラオケにおける、周知の「括り付け」、又は「紐付け」関係にあるならば、ホスト5はログインしたリモコン装置1へユーザー情報を一旦送信し、その後、ログインしたリモコン装置1
から必要に応じて(例えば、リモコン装置1からコマンダ2への曲予約指示した時に、曲予約情報とともに)、括り付け相手のコマンダ2へ再送信してもよいし、または、コマンダ2で一旦受信し、コマンダ2からリモコン装置1へ再送信してもよい。
【0035】
ユーザー情報を受信したコマンダ2側では(S103)、受信したユーザー情報に基づいて、選曲処理、演奏処理など各種サービス処理が提供される(S104)。ユーザーによりログアウトが要求される(S105)とサービス処理を中断し、サービス処理中における各種履歴(ログ)、あるいは、ユーザーによる設定変更を反映したユーザー情報をカラオケ用ホスト5に送信する(S106)。ここで、ユーザー情報は、全ての情報を送信することの他、更新された差分だけを送信してもよい。カラオケ用ホスト5では、受信したユーザー情報に基づいて記憶部1に記憶されたデータベースの更新を実行する(S124)。
【0036】
以上、1ユーザーが認証処理(ログイン)してから、ログアウトするまでの流れを説明したが、本実施形態のコマンダ2、リモコン装置1は、認証された複数人(認証ユーザー)が同時にログインした状態で使用することが可能となっており、図2で説明したユーザーインターフェイスを用いることで、サービスを提供するユーザー(以下、「アクティブユーザー」という)を切り替えて使用することが可能となっている。
【0037】
図5は、本発明の実施形態に係るアクティブユーザートップ画面を示す図である。この図に示されるように、複数人がログインした状態ではログインユーザー欄103にログインしたユーザーの分身像103a〜103e(本実施形態では顔部分)が表示される。またログインユーザー欄103中、右端に背景がハイライトで示されるユーザーは、アクティブユーザー103eであって、図に示す状態では、このアクティブユーザー103eに対するサービス、すなわち、アクティブユーザー103eのユーザー情報を利用したサービスが実行されている状態となっている。
【0038】
このアクティブユーザートップ画面では、「曲を探す」を選択することで、従来の歌本と同様、歌手名、楽曲名に基づく検索を行うことができる。また、「マイルーム」を選択した場合には、ユーザー情報中のマイうたテーブルなどを利用した、アクティブユーザーに特化した楽曲検索を行うことができる。
【0039】
では、本発明に係るカラオケシステムにおける処理について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るメイン処理を示すフロー図である。カラオケシステムの起動に伴って処理が開始されると、コマンダ2の設定が確認される(S201)。この確認処理はコマンダ2内のメモリ27(記憶手段)などに予め記憶されている演奏許可・禁止フラグを確認することで、当該コマンダ2が演奏が許可されている演奏室設定であるのか、演奏が禁止されている歌唱室設定であるのかが確認される。演奏室設定であった場合には、演奏室演奏処理(S300)が、一方、歌唱室設定であった場合には、歌唱室演奏処理(S400)が実行される。各処理は、カラオケシステムの終了が判断される(S202、S203:Yes)まで継続して実行される。
【0040】
演奏室演奏処理では、外部楽器から入力される楽器演奏音に対する音響効果付与が、また、歌唱室演奏処理では、MIDI音源などの演奏手段から出力される演奏音に対する音響効果付与が特徴となるが、これら音響効果付与を実行する音響制御部70の詳細について説明しておく。
【0041】
図7は、本発明の実施形態に係る音響制御部70の構成を示すブロック図である。本実施形態の音響制御部70は、歌唱音声の信号系統として、歌唱用マイク44aが接続されるマイク接続端子81、マイク接続端子81から入力される歌唱音声信号をデジタル変換
するADC77、デジタル変換された歌唱音声信号に、エコーなどの音響効果を付与する第3効果付与部78、歌唱音声信号をアナログ信号に戻すDAC79を有する。
【0042】
そして、楽器演奏音の系統として、エレキギターなど外部楽器44bを接続するための外部楽器接続端子82、外部楽器44bから出力される楽器演奏音をデジタル化するADC73、デジタル変換された楽器演奏音に各種音響効果を付与する第2効果付与部74を、また、演奏音の系統として、シーケンス信号に基づいて演奏を実行するMIDI音源71、MIDI音源画出力する演奏音信号に対して音響効果を付与する第1効果付与部72を有する。さらに、歌唱音声、楽器演奏音、演奏音をミキシングする系統として、ミキシング部75、ミキシング部75でミキシングされた信号をデジタル化するDAC76、DAC69とDAC76の信号をミキシングしてスピーカー42に出力するミキシング部80を備えている。
【0043】
第1〜第3効果付与部72、74、78は、それぞれ制御部30から出力される第1〜第3効果情報に基づいて音響効果が付与される。特に、本実施形態では、第2効果情報に基づいて外部楽器44bから出力される演奏音に対して音響効果を付与すると共に、第1効果情報に基づいて演奏音に音響効果を付与する点が特徴となっている。
【0044】
では、このような音響制御部70を使用して実行される演奏室演奏処理、歌唱室演奏処理について説明する。図7は、演奏室演奏処理を示すフロー図である。演奏室演奏処理が開始されると、S301にて楽曲指定を受け付ける。楽曲指定は、リモコン1を用いて実行される処理であって、歌唱若しくは演奏を希望する楽曲について、楽曲名、歌手名などを元に検索し、楽曲を指定する処理である。
【0045】
S302では、外部楽器接続手段としての外部楽器接続端子82に外部楽器44bが接続されているか否かが判定される。この判定は、図7のブロック図に示されるように外部楽器接続端子82の接続状態を監視する接続状態検出信号に基づいて判定される。外部楽器44bが接続されていると判定される(S302:Yes)と、まず、楽器パート選択画面が表示され、演奏を希望する楽器パートがユーザーに問われる。図10は、効果設定画面におけるパート指定を示す図となっている。ユーザーA(Aさん)によって指定された楽曲について、演奏可能な楽器パートが選択可能に表示されている。この場合、ギターA、ギターB、ベースの楽器パートが選択可能とされている。ユーザーは、演奏を希望する楽器パートを選択し、「予約」、あるいは、各外部楽器について効果情報を設定する「設定」を選択することができる。なお、各楽器パートを選択するボタンの右下には、各楽器パートについて、以前にユーザーが設定を行った効果情報の有無が設定有、設定無の表示にて示されている。
【0046】
S304では、ユーザーが選択した楽器パートについて、効果情報が設定されているか否かが判定される。効果情報が設定されている場合(S304:Yes)、効果情報を設定し直すことも可能(S305)することもできる。効果情報を設定せずに予約が実行されると、S301にて指定した楽曲について、演奏を行う楽器パート、並びに、楽器パートに設定されている効果情報、予約したユーザーのユーザーIDなどを含む予約情報を予約リストに記憶させることで予約を完了する。
【0047】
一方、選択した楽器パートについて効果情報を設定する場合(S304:NoもしくはS305:Yes)、すなわち、楽曲を選択したユーザーのユーザー情報中に該当する効果情報が存在する場合には、リモコン装置1に表示される効果設定画面にて効果情報の設定を実行する(S306)。図11、図12は、この効果情報の設定画面を示す図であって、図11は接続形態設定について、また、図12はエフェクタ、パラメータ設定についての設定画面となっている。
【0048】
まず、図11の接続形態の設定では、エフェクタの接続形態が設定される。本実施形態のように複数のエフェクタを組み合わせて使用する場合、直列に接続するか、並列に接続するかなどその接続形態によって音響効果が変化することが知られている。この設定画面では、まず、どのようにエフェクタを接続するかが選択される。図の丸1〜丸4は、それぞれエフェクタの設置位置が示されている。
【0049】
次にユーザーは、各エフェクタの設置位置について、どのエフェクタを使用するか、また、使用するエフェクタのパラメータを設定することが可能となっている。図11は、このエフェクタ、パラメータ設定についての設定画面である。画面下方には、図12でユーザーが選択した接続形態が表示されている。画面中央には、使用可能とされている各種エフェクタが表示されている。各エフェクタの表示は、ギターなどの音響効果付与に使用する実際のエフェクタと同様のものがグラフィカルに表示されている。そして、各エフェクタに付随して表示されるダイヤルなどを画面上で調整することで、各エフェクタのパラメータを調整することができる。
【0050】
使用するエフェクタのパラメータを調整した後、当該エフェクタを画面下方の接続形態上に移動させることで、当該エフェクタが音響効果付与に使用されることが確定される。図の丸1〜丸4に対して全てエフェクタを使用することとしてもよいが、使用を希望するエフェクタ数が少ない場合には、空欄のまま確定することとしてもよい。空欄とした場合には、当該位置を短絡した接続形態として確定される。
【0051】
以上、本実施形態では、実際のエフェクタと同様の操作にて音響効果を付与するための効果情報を設定することが可能とされている。設定した効果情報は、図3で説明したユーザー情報中のエフェクトテーブル中に記憶され、次回以降の使用に用いることが可能となる。
【0052】
以上説明した操作にて楽曲予約が確定されると、予約された各種情報に基づいて第1演奏処理を実行する(S308)。この第1演奏処理は、MIDI音源71から出力される演奏音にあわせて、外部楽器44bを使用して演奏を可能とする処理であって、外部楽器44bから入力される楽器演奏音に対しては、S306にて設定した効果情報、あるいは、ユーザー情報中に記憶されている効果情報に基づく音響効果が付与される。この効果情報は、図7の構成図における第2効果情報として使用されることとなる。また、演奏情報に基づくシーケンス信号にてMIDI音源71が制御され、演奏音信号が出力されることとなるが、楽器演奏のために選択している楽器パートについては非出力、すなわち、マイナスワン演奏の状態としてもよい。演奏音に対しては第1効果情報に基づく各種音響効果が付与される。
【0053】
このように、第1演奏処理S308では、ユーザーが設定した、あるいは、ユーザー情報中の効果情報に基づいて、外部楽器44bから出力される演奏音に対して音響効果が付与されることとなる。
【0054】
一方、外部楽器44bが接続されていない場合(S302:No)には、設定済み、すなわち、ユーザー情報中のエフェクトテーブルに記憶される効果情報を用いて、演奏音に対して音響効果を付与することが可能とされている。S309では、効果情報が設定済みか否かが判定される。この処理では、S301で選択した楽曲に対応する効果情報がユーザー情報中に存在するか否かが判定される。図13は、この場合の楽曲確認画面を示す図であって、画面には、効果情報の設定状態がエフェクタ設定欄に表示されている。ユーザーは、エフェクタ設定欄右下に表示されている操作ボタンを操作することで、効果情報を使用するか否かを選択することができる。
【0055】
効果情報が設定済みであって、効果情報の使用が選択された場合(S309、S310:Yes)には、第2演奏処理が実行される(S311)。この処理は、ユーザーが外部楽器の音響効果付与のために設定した効果情報を演奏音に対する音響効果付与に使用する演奏処理である。具体的には、第1演奏処理では、第2効果情報として使用していた効果情報を、第1効果情報のうち、該当する楽器パートに対して使用することとし、MIDI音源71から出力される演奏音に対して音響効果付与することとしている。
【0056】
このように第2演奏処理(S311)では、外部楽器の演奏音に対して設定していた効果情報を演奏手段としてのMIDI音源71から出力される演奏音に対して使用可能としている。
【0057】
また、効果情報が設定されていない、すなわち、選択した楽曲に対応する効果情報がユーザー情報中にない場合には、第3演奏処理が実行される(S312)。この演奏処理では、第1効果付与部72にて使用される第1効果情報として、演奏情報に含まれている、あるいは、標準で設定されているものを利用して音響効果が付与される。
【0058】
以上、演奏室演奏処理では、外部楽器44bを接続して演奏を行う場合、ユーザーが設定した効果情報に基づく音響効果を楽器演奏音に対して付与することができると共に、外部楽器44bを接続せずに歌唱のみを楽しむ場合には、効果情報を演奏手段から出力される演奏音に対して適用し、音響効果を付与することが可能となる。
【0059】
なお、図7に示されるように本実施形態では、楽器演奏音に対して音響効果を付与する第2効果付与部74と、演奏手段としてのMIDI音源71から出力される演奏音に対して音響効果を付与する第1効果付与部72とを別構成として記載しているが、同一の効果付与部を共用して使用することとしてもよい。その場合、外部楽器44bからの楽器演奏音とMIDI音源71からの演奏音が切り換えて効果付与部に入力され、入力されたものに対して音響効果が付与される。
【0060】
また、図6のフロー図において、コマンダ2が歌唱室設定であると判定された場合には、図9のフロー図に示される歌唱室演奏処理が実行される。この処理は図8の演奏室演奏処理で説明した外部楽器44bが接続されていないときの処理と略同様とされている。また、歌唱室では契約上、楽器演奏を行うことが禁止されているため、外部楽器接続端子82に外部楽器を接続した場合であっても、楽器演奏音はスピーカー42に対して出力されないように設定されている。そして、演奏室演奏処理で可能とされていた効果設定処理についても実行されないように設定されている。
【0061】
ユーザーにより楽曲指定が実行される(S401)と、当該楽曲に対する効果情報は設定済みか否かが判定される(S402)。効果情報が設定済み、すなわち、ユーザー情報中にS401で指定した楽曲に対応付けられた効果情報が存在する場合には、前述宇野場合と同様、図13に示される楽曲確認画面にて、効果情報を利用するか否かをエフェクタ設定欄で選択させ予約を実行させる。効果情報を利用する場合(S403:Yes)には、当該効果情報に基づいて演奏音に音響効果が付与される。一方、効果情報が存在しない場合(S402:No)、あるいは、効果情報を使用しない場合(S403:No)には、演奏音に対して所定の音響効果が付与される。
【0062】
このように本実施形態では、外部楽器を用いた演奏が禁止されている場合には、外部楽器用に設定した効果情報を演奏音の音響効果付与に使用することが可能とされており、ユーザーの嗜好に沿った演奏を楽しむことが可能となる。
【0063】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0064】
1…リモコン装置、11…表示部、12…ビデオRAM、13…映像制御部、14…メモリ、15…制御部、16…無線LAN通信部、17…操作部、18…操作処理部、19…赤外線通信部、2…コマンダ(カラオケ装置)、21…操作部、22…操作処理部、23…赤外線通信部、24…インターフェイス部、27…メモリ、28…ビデオRAM、29…映像再生部、30…制御部、31…映像制御部、32…ハードディスク、41…モニタ、42…スピーカー、44a…歌唱用マイク、44b…外部楽器、100…LAN、110…アクセスポイント、120…ルータ、5…カラオケ用ホスト、51…第1記憶部、70…音響制御部、71…MIDI音源、72…第1効果付与部、73、77…ADC、74…第2効果付与部、75…ミキシング部、76、79…DAC、78…第3効果付与部、80…ミキシング部、81…マイク接続端子、82…外部楽器接続端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーから各種入力を受け付ける入力手段と、
複数の楽器パートから構成された演奏情報に基づいて演奏を実行し、演奏音を出力する演奏手段と、
外部楽器を接続可能とし、接続された外部楽器から楽器演奏音が入力される外部楽器接続手段と、
前記演奏音または前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する効果付与手段と、
前記入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を前記演奏手段に演奏させる演奏処理と、
前記効果付与手段で音響効果付与の対象とする前記演奏音または前記楽器演奏音を選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする
カラオケ装置。
【請求項2】
演奏許可・禁止フラグを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記外部楽器接続手段から入力される楽器演奏音を出力させないことを特徴とする
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記入力手段にて前記効果情報を設定する効果設定処理を実行することを特徴とする
請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記効果設定処理を実行しないことを特徴とする
請求項3に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記ユーザー情報に含まれる効果情報は、楽曲及び楽器パートに対応し、
前記効果付与処理は、前記演奏処理にて指定された楽曲の楽器パートに対応する効果情報に基づいて前記楽器演奏音または前記演奏音に音響効果を付与することを特徴とする
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項6】
前記効果付与手段は、前記演奏音と前記楽器演奏音を切り換えて音響効果を付与することを特徴とする
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項7】
前記効果付与手段は、前記演奏音に対して音響効果を付与する第1の効果付与部と、前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する第2の効果付与部と、を備えることを特徴とする
請求項1から請求項5に何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項8】
入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を演奏手段に演奏させて演奏音を出力させる演奏処理と、
外部楽器接続手段から入力される楽器演奏音、または、前記演奏処理で出力される前記演奏音を音響効果付与の対象として選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする
カラオケプログラム。
【請求項1】
ユーザーから各種入力を受け付ける入力手段と、
複数の楽器パートから構成された演奏情報に基づいて演奏を実行し、演奏音を出力する演奏手段と、
外部楽器を接続可能とし、接続された外部楽器から楽器演奏音が入力される外部楽器接続手段と、
前記演奏音または前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する効果付与手段と、
前記入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を前記演奏手段に演奏させる演奏処理と、
前記効果付与手段で音響効果付与の対象とする前記演奏音または前記楽器演奏音を選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、を実行する制御手段と、を備えることを特徴とする
カラオケ装置。
【請求項2】
演奏許可・禁止フラグを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記外部楽器接続手段から入力される楽器演奏音を出力させないことを特徴とする
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記入力手段にて前記効果情報を設定する効果設定処理を実行することを特徴とする
請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶する演奏許可・禁止フラグが演奏禁止を示す場合、前記効果設定処理を実行しないことを特徴とする
請求項3に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記ユーザー情報に含まれる効果情報は、楽曲及び楽器パートに対応し、
前記効果付与処理は、前記演奏処理にて指定された楽曲の楽器パートに対応する効果情報に基づいて前記楽器演奏音または前記演奏音に音響効果を付与することを特徴とする
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項6】
前記効果付与手段は、前記演奏音と前記楽器演奏音を切り換えて音響効果を付与することを特徴とする
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項7】
前記効果付与手段は、前記演奏音に対して音響効果を付与する第1の効果付与部と、前記楽器演奏音に対して音響効果を付与する第2の効果付与部と、を備えることを特徴とする
請求項1から請求項5に何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項8】
入力手段にて入力された識別情報に基づいてユーザーを認証する認証処理と、
前記認証処理で認証された認証ユーザーに対応するユーザー情報を取得するユーザー情報取得処理と、
前記入力手段にて指定された楽曲に対応する演奏情報を演奏手段に演奏させて演奏音を出力させる演奏処理と、
外部楽器接続手段から入力される楽器演奏音、または、前記演奏処理で出力される前記演奏音を音響効果付与の対象として選択する効果付与対象選択処理と、
前記効果付与対象選択処理で選択された前記楽器演奏音または前記演奏音に対し、前記ユーザー情報取得処理で取得したユーザー情報に含まれる効果情報に基づいて音響効果を付与する効果付与処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする
カラオケプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−215618(P2012−215618A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79131(P2011−79131)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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