説明

カラーフィルタ付タッチパネルセンサ、液晶表示装置、および座標検出装置

【課題】
カラーフィルタ付タッチパネルセンサにおいて、カラーフィルタ側の表面の物理的損傷を防止し、且つ、基材を介してカラーフィルタとは反対側面に形成される電極層の電気的損傷を防止することの可能なカラーフィルタ付タッチパネルセンサ、および該カラーフィルタ付タッチパネルセンサを備える液晶表示装置、座標検出装置を提供する。
【解決手段】
基材の第一の面上に直接または間接にカラーフィルタを設け、上記基材の第二の面上に直接または間接に電極部を備えるタッチパネル感知部と、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部と、上記タッチパネル感知部を被覆する誘電体層と、を設け、上記電極部および上記取り出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上となるようカラーフィルタ付タッチパネルセンサを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタを一体的に備えるタッチパネルセンサ、並びに、上記タッチパネルセンサを用いる液晶表示装置および座標検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、表示機能と座標検出機能を組み合わせた、表示装置が急速に普及してきている。多くの態様として座標検出機能を付与するためにタッチパネルセンサが用いられており、タッチパネル機能を有する表示装置が種々開発されている。タッチパネルの方式にはその作動原理から、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波表面弾性波方式などが挙げられる。それぞれの方式でメリット、デメリットがあり、用途に応じて使い分けがなされていることが一般的である。
【0003】
タッチパネル機能を有する表示装置は、従来、表示用パネルとタッチパネルセンサとが別々に製造され、後工程において、表示用パネルにタッチパネルが搭載されてなる構成が一般的であった。例えば、液晶表示パネル上に、エアギャップを介して、あるいは、粘着フィルムで直接に、透明タッチパネルセンサを貼り合わせることにより、液晶表示画面においてタッチパネル機能が付与されていた。
【0004】
しかしながら、表示用パネルとタッチパネルセンサとを貼り合わせてなる表示装置では、表示用パネルを構成する二枚の基材と、タッチパネルセンサにおける一枚の基材の計3枚の基材を含み、表示装置の薄型化、あるいは軽量化の要求に望ましく対応できない。より具体的には、タッチパネル機能を有する液晶表示装置では、カラーフィルタ基板における基材と、対向するTFT基板における基材と、これに搭載されるタッチパネルセンサ用の基材、の計3枚の基材が用いられる。あるいはさらに、静電容量式タッチパネルセンサを使用する場合には、タッチパネルセンサの最表面(タッチ面)に傷防止機能や反射防止機能を付与するための意匠ガラスが配置される場合もあり、4枚のガラス基材を備える態様もある。
【0005】
これに対し、カラーフィルタの基材とタッチパネルセンサの基材とを兼用し、タッチパネルセンサとカラーフィルタを一体的に形成する技術が報告されている。例えば、下記特許文献1には、基材の一方面側にタッチパネル感知部を構成する電極部が設けられ、基材の他方面側にカラーフィルタ層が設けられる構成が示されている。
【0006】
上記カラーフィルタと一体的に形成されるタッチパネルセンサであれば、別体で製造されるカラーフィルタ基板と、タッチパネルセンサとを貼り合わせる態様に比べて、基材を一枚低減させることができ、大幅に軽量化を促進させることが可能である。尚、本発明および、本明細書において、カラーフィルタの基材とタッチパネルセンサの基材とを兼用し、もって、カラーフィルタと一体的に形成されるタッチパネルセンサのことを、カラーフィルタ付タッチパネルセンサともいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−72584
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のカラーフィルタ付タッチパネルセンサは、一枚の基材に、カラーフィルタとタッチパネル感知部(以下、単に「感知部」ともいう)を作り込まなければならないことから、以下の課題を有していた。カラーフィルタ付タッチパネルセンサの例を図6に示し、課題について具体的に説明する。
【0009】
図6に示すカラーフィルタ付タッチパネルセンサ100は、基材101の一方の面に複数の第一電極部102を有する第一電極層103と、複数の第二電極部105を有する第二電極層106を備えるタッチパネル感知部108が設けられている。タッチパネル部108の表面には誘電体層107が設けられており、また、第一電極層103と第二電極層106との間には、これらを絶縁するための誘電体部104が設けられている。尚、一般的に、タッチパネル感知部が二層以上の電極層から構成される場合には、互いの電極層は絶縁されていることが望ましく、これを可能にする誘電体部は、図6に示すとおり積層される第一電極層と第二電極層との間において層状に設けられていてもよいし、あるいは、所望の領域、即ち、第一電極層と第二電極層とが隣接する位置においてこれらの接触を防止するために部分的にパターニングされたものであってもよい。第一電極層と第二電極層とが隣接する位置とは、上面視上、第一電極層と第二電極層とが重なりあう領域、および、第一電極層と第二電極層とが同一面上に設けられており、該面に平行方向において隣り合う第一電極層と第二電極層との間の領域を含む。
【0010】
また図6におけるカラーフィルタ付タッチパネルセンサ100は、基材101の他方の面にカラーフィルタ110を設けるために、製造途中のカラーフィルタ110が示されている。
【0011】
このように基材101の一方の面に、タッチパネル感知部108を設け、他方の面にカラーフィルタ110を設ける場合に、一般的には、基材101の一方の面に感知部108および誘電体層107が設けられた後、これを下面にして搬送用ローラーコンベア111上に置かれ、基材101の他方の面にカラーフィルタ110が形成される。図6に示すカラーフィルタ110は、ブラックマトリクス109、赤色着色部(R)、緑色着色部(G)、青色着色部(B)が設けられている。そしてカラーフィルタ110上には、さらに誘電体層112、透明導電膜113が設けられ、透明導電膜113上には、複数の柱状スペーサ部114が形成される。柱状スペーサ部114は、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ100を液晶表示装置の一方側の基板として用いた際に、対向基板との間で一定のスペースを確保するためのものである。
【0012】
カラーフィルタ110、およびカラーフィルタ110上に設けられる誘電体層112、透明導電膜113、柱状スペーサ部114は、いずれも感知部108側を下面に向けた状態で形成されるため、タッチパネル感知部108側の最表面である誘電体層107は、搬送用ローラーコンベア111と断続的に接触する状態が続く。また、カラーフィルタ110、誘電体層112、透明導電膜113、柱状スペーサ部114の少なくともいずれかをリソグラフィ工程で形成する場合には、先に形成されたタッチパネル感知部108側もリソグラフィ工程実施環境下に晒される。
【0013】
しかしながら、タッチパネル感知部108の最表面には、誘電体層107が設けられている。誘電体層107は、一般的に保護層としても充分な程度の硬度を有するため、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ100の製造において、先に形成されたタッチパネル感知部108を下面側にし、次いで、カラーフィルタ110を形成しようとする場合、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ100のカラーフィルタ110とは反対側面は、搬送時など製造工程上における物理的損傷を防ぐことができる。
【0014】
ただし、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ100が搬送方向に移動される際、誘電体層107と搬送用ローラーコンベア111との間の摩擦により誘電体層107が接触帯電し、これに起因して、誘電体層107とは反対極の電荷が第一電極層103および第二電極層106の表面に移動する場合がある。図6では、誘電体層107の表面が正に帯電し、これに起因して、第一電極層103および第二電極層104が負に帯電した例を示した。帯電する電荷の極性は、図6の例とは反対の場合もある。このような状態になると、両端矢印A、Bに示すように、第一電極層103と誘電体層107表面との間、および第二電極層106と誘電体層107表面との間が強電場となる。この結果、誘電体層107、あるいはさらに誘電体部104がイオン化し、電流が流れる放電現象が生じ、第一電極層103、第二電極層106にも一時的に大電流が流れることにより、第一電極層103、第二電極層106の一部が、ジュール熱により損傷(以下、「電気的損傷」ともいう)を受ける虞があることを、本発明者らは見出した。電極層の破損は、電極抵抗の上昇や、電極の断線を生じさせ、タッチパネルの検知感度の劣化に繋がるため問題であった。
【0015】
また、誘電体層107表面の帯電は、搬送時における摩擦以外にも生じ得る。例えば、カラーフィルタ110を形成するための製造装置のステージに、誘電体層107を備える基板101を真空固着により固定し、その後、ステージから基板101を剥離する際にも、ステージ表面と誘電体層107の表面には、互いに反対の極性をもつ電荷が帯電し易い。その結果、上述の同様に、第一電極層103、第二電極層106の一部が、上述と同様に電気的損傷を受ける虞があることを、本発明者らは見出した。
【0016】
また、タッチパネルセンサには、電極部の電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部が設けられることが一般的であり、図6においては各第一電極部102に電気的に接続される第一取り出し配線部116が図示されている(各第二電極部105に電気的に接続される第二取り出し配線部について図示省略)。上記取り出し配線部においても、第一電極層103または第二電極層106に一時的に大電流が流れた際に、これを充分に取り出せない場合には、電気的損傷を受ける虞があることがわかった。
【0017】
上述においては、第一電極層103と第二電極層106とが積層してなるタッチパネル感知部108を例に、電極層がジュール熱により損傷を受ける虞があるという課題について説明したが、例えば、タッチパネル部材が単一電極層からなり、該単一電極層を覆って設けられる誘電体層を備える態様のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ、あるいは、第一電極層および第二電極層とが実質的に同一面上にパターン形成されており、これら第一電極層および第二電極層を覆って誘電体層が設けられる態様のカラーフィルタ付タッチパネルセンサにおいても、同様に、電極層と誘電体層との間が強電場となり、上述の同様に電極層が電気的損傷を受ける虞があった。
【0018】
上述する電極層の電気的損傷の発生を避けるために、基材の一方の面に、先にカラーフィルタを形成し、その後、カラーフィルタ側を下面側にして、基材の他方の面にタッチパネル感知部、および該タッチパネル感知部を覆う誘電体層を設ける場合を検討する。
【0019】
一般的に、図6に示すように、カラーフィルタ110上に直接または間接に、誘電体層112、表示用の透明電極層である透明導電膜113と柱状スペーサ部114が設けられる。これらの構成、特にブラックマトリクス109、誘電体層112、透明導電膜113、および柱状スペーサ部114の一以上の構成は、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ100の搭載が予定される液晶表示装置の形式などにより省略可能である。
しかしながら、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ100において、基材101の一方の面側に先にカラーフィルタ110側の必要な構成を形成し、その後に、これを下面とする場合には、少なくともカラーフィルタ110が最下面となるか、あるいは、透明導電膜113または柱状スペーサ部114が最下面となる場合がある。このようにカラーフィルタ110側を下面側にして搬送しつつ、他方の面に第一電極層103、第二電極層106および誘電体層112を形成しようとすると、最下面となるカラーフィルタ110、あるいは透明導電膜113、あるいは柱状スペーサ部114が物理的損傷を受けやすく各構成における所期の性能を充分に発揮できなくなる可能性や、カラーフィルタ110側にさらに設けられる液晶表示装置に関する他の構成に負の影響を与える可能性があり実質的ではない。特に、カラーフィルタ110の最表面側に柱状スペーサ部114を立設することは、液晶表示装置における対向基板とのスペースを設ける手段として望ましい。しかし柱状スペーサ部114が凸形状であるという形態上の問題に加え、柱状スペース部を介して対向基板とセル組みをする際に、確実にセル組みを行なうために柱状スペーサ部の若干の潰れを期待するため、柱状スペーサ部は上記潰れが実現される程度の硬度で形成される。したがって柱状スペーサ部は、物理的損傷に耐えうる硬度を示し難いのである。そのため、特に柱状スペーサ部が最下面側に位置した状態で搬送されると柱状スペーサ部が容易に傷つき、対向基板との間において精密セルギャップが得られないという虞がある。
【0020】
以上のとおり、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ100を得るために、基材の一方の面に、カラーフィルタ110および透明導電膜113、柱状スペーサ部114を設け、基材の他方の面にタッチパネル感知部108を設ける場合に、基材101のどちらの面を先に作り込んでも、電気的損傷、あるいは物理的損傷という問題が発生する可能性があることを本発明者らは見出した。
【0021】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、カラーフィルタ付タッチパネルセンサにおいて、カラーフィルタ側の表面の物理的損傷を防止し、且つ、基材を介してカラーフィルタとは反対側面に形成される電極層の電気的損傷を防止することの可能なカラーフィルタ付タッチパネルセンサ、および該カラーフィルタ付タッチパネルセンサを備える液晶表示装置、座標検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、基材を介して、カラーフィルタとは反対の面に形成される電極層および取り出し配線の許容電流を0.05A以上とすることによって、上記問題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0023】
即ち、本発明は
(1)タッチパネルセンサ用基材と、上記タッチパネルセンサ用基材の面上に直接または間接にカラーフィルタおよびタッチパネル感知部を備えるカラーフィルタ付タッチパネルセンサであって、上記タッチパネルセンサ用基材の第一の面上に直接または間接にカラーフィルタが設けられており、上記タッチパネルセンサ用基材の第二の面上に直接または間接に電極部を備えるタッチパネル感知部と、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部と、上記タッチパネル感知部を被覆する誘電体層と、が設けられており、上記電極部および上記取り出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とするカラーフィルタ付タッチパネルセンサ、
(2)上記電極部が、透明導電膜で形成されている部分を含むことを特徴とする上記(1)に記載のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ、
(3)上記タッチパネル感知部は、複数の第一電極部を有する第一電極層と、複数の第二電極部を有する第二電極層を備え、上記第一電極層および上記第二電極層を覆って上記誘電体層が設けられており、上記第一電極部には、第一取出し配線部が電気的に接続されており、上記第二電極部には、第二取出し配線部が電気的に接続されており、上記第一電極部、上記第二電極部、上記第一取出し配線部、および上記第二取出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ、
(4)対向する二枚の基材と、上記二枚の基材間に設けられる駆動用液晶層とを備える液晶表示装置であって、
タッチパネルセンサ用基材と、上記タッチパネルセンサ用基材の面上に直接または間接にカラーフィルタおよびタッチパネル感知部とを備えるカラーフィルタ付タッチパネルセンサが設けられており、上記タッチパネルセンサ用基材は、タッチパネル感知部が上記二枚の基材間の外側に位置する向きで、上記対向する二枚の基材のうちの一方の基材として兼用されており、上記タッチパネルセンサは、上記タッチパネルセンサ用基材の第一の面上に直接または間接にカラーフィルタを備え、且つ、上記タッチパネルセンサ用基材の第二の面上に直接または間接に電極部を備えるタッチパネル感知部と、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部と、上記タッチパネル感知部を被覆する誘電体層と、が設けられており、上記電極部および上記取り出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とする液晶表示装置、
(5)タッチパネルセンサ用基材と、上記タッチパネルセンサ用基材の面上に直接または間接にカラーフィルタおよびタッチパネル感知部を備えるカラーフィルタ付タッチパネルセンサと、上記タッチパネル感知部の接触面において接触動作の行われることによって出力される電気信号を検出する検出回路と、上記検出回路において検出された電気信号から上記接触動作の行われた接触位置の座標を算出する座標算出用演算回路とが設けられており、上記カラーフィルタ付タッチパネルセンサは、上記タッチパネルセンサ用基材の第一の面上に直接または間接にカラーフィルタが設けられており、且つ、上記タッチパネルセンサ用基材の第二の面上に直接または間接に電極部を備えるタッチパネル感知部と、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部と、上記タッチパネル感知部を被覆する誘電体層と、が設けられており、上記電極部および上記取り出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とする座標検出装置、
を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサであれば、従来問題となる虞のあったカラーフィルタ面の物理的損傷、および、基材を介してカラーフィルタとは反対の面に設けられる電極層および取り出し配線の電気的損傷が防止されたカラーフィルタ付タッチパネルセンサを提供することが可能である。しかも、カラーフィルタとタッチパネルセンサとが一体的に形成されているため、用いる基材の数を減らすことができ、薄膜化、および軽量化が図られる。
【0025】
また、本発明の液晶表示装置および座標検出装置は、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサを用いているため、装置の薄膜化、および軽量化が図られる。その上、カラーフィルタ付タッチパネルセンサの製造時におけるカラーフィルタ面の物理的損傷が防止可能である。また製造時の搬送工程において危惧されていた、基材を介してカラーフィルタと反対の面に設けられる電極層および取り出し配線の電気的損傷が防止可能であるため、タッチパネルセンサの良好な検知感度が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施態様であるカラーフィルタ付タッチパネルセンサを備える液晶表示装置を側面側からみた模式図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置に組み込まれたカラーフィルタ付タッチパネルセンサの第一電極層および第二電極層の形成パターンの一実施態様を示す説明図である。
【図3】第一電極層および第二電極層の形成パターンの異なる態様を示す説明図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の駆動の一実施態様を説明するための説明図である
【図5】本発明の座標検出装置の一実施態様を説明するための説明図である。
【図6】従来のカラーフィルタ付タッチパネルセンサを側面側からみた模式図である。
【図7】実施例の電極層のパターンの一部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を用いて、本発明を実施するための形態について説明する。まず、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ、およびこれを用いた液晶表示装置について説明する。図1は、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ1を用いる液晶表示装置2を側面側からみた説明図である。本出願において示す図面は、説明を容易にするために、適宜、便宜的な寸法、あるいは寸法比で示す場合があるが、本発明を何ら限定するものではない。尚、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサは、静電容量式タッチパネルセンサを含む、種々の形式のタッチパネルセンサとして有利に使用することができる。
【0028】
[タッチパネル感知部12]
まず、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1を製造するために、基材3に対して形成されるタッチパネル感知部12について説明する。
図1に示すカラーフィルタ付タッチパネルセンサ1は、透明な部材からなるタッチパネルセンサ用の基材3の一方の面上に直接または間接に形成される許容電流が0.05A以上である第一電極部4が所定のパターンで形成されてなる第一電極層5と、許容電流が0.05A以上である第二電極部7が所定のパターンで形成されてなる第二電極層8とを備えるタッチパネル感知部12およびタッチパネル感知部12を覆って形成される誘電体層9を備える。第一電極層5と第二電極層8とは、誘電体部6により絶縁されている。図1では誘電体部6は、第一電極層5と第二電極層8との間に層状に形成されているが、誘電体部6はこれに限定されず、第一電極層5と第二電極層8とを絶縁可能である範囲において、島状などの所望のパターンで形成されてよい。
【0029】
また、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1は、複数の第一電極部4の端部それぞれにおいて電気的に接続される取り出し配線部10が基材3上に設けられており、図示省略するが、複数の第一電極部7の端部それぞれにおいて電気的に接続される第二取り出し配線部11が基材3上に設けられる。
図1においては、第一電極層5の形成前に、所定の位置に第一取出し配線部10を形成し、第一取出し配線部10の端部に第一電極部4の端部を乗り上げるよう形成することによって、両者を電気的に接続する態様を示した。しかし、本発明において取り出し配線部は、これと電気的に接続される電極部の形成前、あるいは、形成時、あるいは、形成後のいずれかの形成工程で形成されてよい。また、第一取出し配線部、第二取出し配線部を同じ形成工程において形成し、その後、第一電極部、および第二電極部を、それぞれの取り出し配線部に電気的に接続可能に形成してもよい。上記取り出し配線は、電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備え、一般的に電極部を備えるタッチパネル感知部の周辺部に設けられる。
【0030】
図2に、第一電極層5および第二電極層8の形成パターンの一例を示す。第一電極層5は、ひし形電極部4aが整列し、x方向に隣り合うひし形電極部4aが、細状電極部4bにより繋がれてなるパターンにより形成される第一電極部4がy方向に並列して構成されている。一方、第二電極層8は、ひし形電極部7aが整列し、y方向に隣り合うひし形電極部7aが、細状電極部7bにより繋がれてなるパターンにより形成される第二電極部7により構成されている。平面視上、第一電極層5および第二電極層8のパターンは、略直交している。また、第一電極部4の一方側の端部には取出し配線部10が、第二電極部7の一方側の端部には取出し配線11が、設けられている。尚、本発明において取り出し配線は、少なくとも電極部の一方側の端部に電気的に接続して設けられ、必要に応じて、電極部の両端それぞれに取り出し配線が設けられても良い。
【0031】
図2中、点線で示す領域内は、基材3において、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1を表示装置に組み込んだ際に、画像表示可能なアクティブエリアに該当する。尚、図2は、本発明における第一電極層および第二電極層の形成パターンを限定するものではない。例えば、第一電極部4および第二電極部7をそれぞれ略直交する帯状のパターンで形成してもよいし、あるいは、図3に示すように、基板3のアクティブエリア内において、x方向に配列される複数のひし形状の電極部間が細状電極部によって接続されてなる第一電極部20を有する第一電極層21と、第一電極層21を構成するひし形状の電極部間に配置される、独立のひし形電極部22とひし形電極部22をy方向に接続するブリッジ電極部22’とからなる第二電極部23を有する第二電極層24なるパターンにより形成してもよい。尚、第一電極部20と第二電極層24とは図示省略する絶縁部により絶縁性されるが、このとき、該絶縁部は、少なくとも上面視上、第一電極部20と第二電極層24とが重なる領域に設けられる。
【0032】
また、図3とは反対に、ブリッジ電極部を先に基材上に形成し、絶縁部を設けた上、該ブリッジ電極部に接続されてなる第一電極層と、第一電極層とは絶縁される第二電極層を設けてなるパターンであってもよい。また上記図2あるいは図3に示すひし形形状を、丸形状などの他の形状に変更してもよい。
【0033】
尚、タッチパネル感知部12は、これに備えられる第一電極部4および第二電極部7の許容電流が0.05A以上である限り、その形成方法は限定されない。例えば、基材3上に直接または間接に第一電極部4を形成する方法、あるいは誘電体部6により第一電極部4と絶縁される第二電極部7を形成する方法としては、フォトリソグラフィ方法、あるいは印刷方法などを選択してよく、またこれに限定されない。このとき、第一電極部4と第二電極部7の形成方法は同じであっても異なっていてもよい。
【0034】
また、第一電極部4および/または第二電極部7は、全て透明導電膜で形成されてもよいし、あるいは、透明導電膜とこれ以外の部材、例えば金属などとの組み合わせで形成されてもよい。例えば、図3に示す電極層の積層パターンにおいて、第一電極部20は全て透明導電膜で形成し、第二電極部23はブリッジ電極部を金属材料で構成し、その他の部分を透明導電膜で形成することもできる。
【0035】
また、異なるタッチパネル感知部12の形成方法として電極層を備えるフィルムを貼り付ける方法を採用することもできる。たとえば、まず基材3、第一の透明フィルム上に第一電極層5を形成した第一電極層フィルム、および、第二の透明フィルム上に第二電極層8を形成した第二電極層フィルムを準備する。そして、基材3と第一電極層フィルムとを、第一電極層5が基材3面に対向する向きで貼り合わせ、第一の透明フィルムを誘電体部6とし、さらに、第二電極層フィルムを、第二電極層8が第一の透明フィルムに対向する向きで貼り合わせ、第二の透明フィルムを誘電体層9として、タッチパネル感知部12を構成してもよい。ただし、タッチパネル感知部12を基材の一方の面に形成し、これを下面側として、基材の他方の面に、後工程としてカラーフィルタなどを形成する場合の形成条件によっては、フィルムを傷める可能性がある。したがって、後工程であるカラーフィルタ形成工程の影響を受け難いとうい観点では、電極層を備えるフィルムを貼り重ねて積層電極をなすよりも、基材、特にはガラスなどの耐溶剤性のある基材上に、第一電極層、第二電極層を作りこむ態様が望ましい。
【0036】
基材3:
基材3としては、光透過性のシート、フィルム、板、膜などの部材であって、タッチパネルセンサの基材となり得るものであれば、適宜選択して使用してよい。部材を構成する材料は、ガラス、光透過性の樹脂などであってよい。本発明のタッチパネルセンサは、カラーフィルタも作り込むため、該カラーフィルタの形成工程における加熱温度や使用される溶剤などを勘案し、基材を選択することが望ましく、ガラス基板の使用が好適であるがこれに限定されない。基材3の厚みは、特に限定されないが、一般的には、100μmから1500μm程度である。
【0037】
第一電極層5、第二電極層8:
第一電極層5を構成する第一電極部4および、第二電極層8を構成する第二電極部7は、表示装置と組み合わせた際に、画像表示可能なアクティブエリア内に主として設けられる。したがって、いずれも光透過性の導電材料で形成されることが一般的である。ただし、第一電極層および第二電極層の形成パターンによって、表示装置の画面で視認されない程度の小さい領域については、光透過性のない材料から形成されてもよい。例えば、図3に示すブリッジ電極22’は、パターンの設計にもよるが、非常に小さくパターニングされる場合が多く、明確に視認されない程度の大きさの場合には、光透過性でない材料で形成してもよい。あるいは、タッチパネルセンサの使用により、若干の目視を前提として実質的に光透過性のない材料で電極部を形成する態様であってもよく、例えば、ワイヤーを電極部としてこれを所望のパターンで基材上に設置して電極層を構成してもよい。第一電極部4、第二電極部7は、互いに同種の導電性材料から形成してもよいし、異種の導電性材料を用いて形成してもよい。
第一電極部4および第二電極部7を形成するための光透過性の導電材料としては、インジウム錫オキサイド(ITO)、酸化インジウム、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)などの酸化インジウム系透明電極材料、あるいは、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性酸化物等を用いることができるが、材料はこれに限定されない。本発明において、実質的に電極部の全てが透明導電膜で形成される場合、あるいは電極部の一部が透明導電膜で形成される場合など、電極部に透明導電膜で形成される部分が含まれる態様を採用する場合に、特に、電極部の許容電流を0.05A以上とすることによる本発明の課題解決への貢献度が大きい。
【0038】
本発明における電極部は、タッチパネル感知部に備えられる構成であって、複数の電極部が、所望のパターンで配列されて形成されることによって電極層を構成する。多くの電極層の態様において、電極部は、タッチパネル感知部において、電流が流れ得るよう設計された最少単位の構成部分であると理解することができる。
本発明におけるタッチパネル感知部は、複数の電極部より構成された一層の電極層自体である態様、および、複数の電極部により構成された電極層を2以上備える態様を含む。また、電極層を2以上備えるタッチパネル感知部が設けられる本発明のタッチパネルセンサは、例えば図3に示すように電極層が基材面に対して法線方向に積層されている態様、および、二等辺三角形状の電極部が噛み合う向きで配列される電極のように、実質的に同一面上に2以上の電極層が設けられる態様を含む。上記の電極は、同方向に頂点を向けて一列に配列されてなる複数の二等辺三角形状の第一電極部と、隣合う第一電極部間に噛み合うようにして一列に配列されてなる同二等辺三角形状の複数の第二電極部とを有し、第一電極部と第二電極部とが絶縁されて構成される。
【0039】
本発明におけるタッチパネル感知部が2層以上の電極層を含む態様では、互いの電極層は誘電体部により絶縁されることが一般的であるが、互いの電極層を絶縁しなくてはならないという設計上の制限があるため、特に本発明の課題である電気的損傷に関する問題が深刻である。したがって、2層以上の電極層を含む態様のカラーフィルタ付タッチパネルセンサにおいて、本発明を実施することは、該電気的損傷という課題に対する貢献が大きく望ましい。
【0040】
第一電極層5および第二電極層8の厚みは、特に限定されないが、例えば第一電極部4、第二電極部7をフォトリソグラフィ手法により形成する場合には、一般的には、10nm〜500nm程度に形成することができる。尚、第一電極層5および第二電極層8の厚みは、実質的に、基材面に対して法線方向における第一電極部4、第二電極部7の厚みに相当する。
【0041】
第一電極部4および第二電極部7は、それぞれ許容電流が0.05A以上であるという特徴を有する。本発明における許容電流とは、タッチパネル感知部に備えられる電極部において、もっとも許容電流の小さい領域を選択して測定された許容電流であって、電流を連続して流すことのできる常時許容電流を意味する。
本発明において、複数の電極部の各々の許容電流を一定以上に特定する趣旨は、上述する本発明の課題のうち、特に電気的損傷を防止することにある。即ち、カラーフィルタ形成面の物理的損傷を防止するために、カラーフィルタ付タッチパネルセンサを製造する際に、先に基板の一方の面にタッチパネル感知部を形成し、該タッチパネル感知部を覆う誘電体層を形成し、該誘電体層を最下面として、他方の面にカラーフィルタを形成する工程順を採用することが望ましい。このとき、搬送用ローラーコンベアと上記誘電体層との間、あるいは形成ステージと上記誘電体層との間で接触帯電が生じることに起因して、電極層がジュール熱により損傷する虞があることを本発明者らが見出したことは上述のとおりである。
【0042】
そして、本発明者らは、鋭意検討により、電極層を構成する電極部の許容電流値を一定以上とすることにより、上記電気的損傷という課題を解決することを見出した。即ち本発明者らは鋭意検討の末、搬送用ローラーコンベアと誘電体層との間、あるいはステージと誘電体層との間などで接触帯電が生じ、該誘電体層が帯電して放電が生じた場合にも、電極部の許容電流を0.05A以上とすることにより、上記電極部により構成される電極層における電気の流れをスムーズにし、該電極層がジュール熱により損傷することを防止することができるとの知見を得るに至った。本発明におけるタッチパネル感知部が2以上の電極層を備える場合には、各電極層を構成するそれぞれの電極部において許容電流が0.05A以上とすればよい。以上の観点からは、電極部の許容電流は、0.05A以上であれば特に上限は限定されない。したがって電極部の許容電流は、0.05A以上の範囲において、該電極部を含むタッチパネルセンサの設計上、実質的な範囲において、適宜決定してよい。
【0043】
本発明において許容電流の測定は、電極部において、最も許容電流の小さいと思われる領域を選択して、23℃の温度環境において、四端子測定装置を用いて電流電圧特性測定を実施することにより行なわれる。許容電流の大小は、電極部の断面積や、電極層を構成する材料の抵抗値などによって決定される。即ち、電極部の形状の観点からは、断面積の小さい部分ほど許容電流が小さくなる傾向にある。また電極部の構成材料の観点からは電極材料の電気抵抗の大きいものを選択するにつれ許容電流が小さくなる傾向にある。また電極材料の電気抵抗を作用する要因の1つは電極部をなす材料の結晶性にあるため、結晶性の低いものを選択することにより許容電流が小さくなる傾向にある。さらに、電極部に接する誘電体部の放熱が悪い場合には許容電流が小さくなる傾向にある。したがって、電極部の形状、構成材料などを勘案し、電極部の最も許容電流が小さい箇所を選択し、当該箇所の許容電流を測定することにより、当該電極部の許容電流を知ることができる。また、電極部の許容電流を0.05A以上にする手段としては、充分な許容電流の獲得が可能な、電極部の断面積を勘案した形状の設計、電極部の構成材料の種類や結晶性を勘案した選択などが挙げられる。
【0044】
より具体的には、許容電流は、例えば、1つの電極部において厚みおよび構成材料が1種の場合であれば、電極部(即ち、電気の通り道)のパターンによって異なる。一般的に、電気の流れる方向に対する幅方向のサイズが大きいほど断面積が大きくなり、許容電流は大きくなる。したがって、断面積が略均一な帯状の電極部であれば、基本的に距離を同じくする任意の2点間の領域を選択して許容電流を測定しても同じ値が得られる可能性がある。ところが、例えば図2に示すひし形電極部7aおよび細状電極部7bの組み合わせのパターンで形成された第二電極部7では、電極部の厚みおよび構成材料が1種の場合であっても、測定に選択された領域によって許容電流が異なる。したがって、このような場合には、細状電極部7bの端部間(即ち、細状電極部7bによって繋がれる、隣り合う細状電極部7bの端部間)において上記条件で許容電流を測定すればよい。
【0045】
誘電体部6、誘電体層9:
カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1において、タッチパネル感知部12を覆って誘電体層9が設けられている。また、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1は、2つの電極層、即ち第一電極層5と第二電極層8とを有し、これらを絶縁するためのつ誘電体部6が設けられている。誘電体層9および必要に応じて設けられる誘電体部6を構成するための材料としては、透明性、且つ、絶縁性を示す材料あるいは部材を適宜選択することができる。例えば上記材料としては、透明性の紫外線硬化性樹脂、あるいは透明性の熱硬化性樹脂などを適宜使用することができるがこれに限定されない。また誘電体層9および誘電体部6の形成方法は、その厚みにもよるが、スピンコート法などの任意の塗布方法により形成材料を基材面に塗布し、その後、フォトリソグラフィ方法により形成する方法、あるいは、スクリーン印刷などの印刷方法等により形成する方法を挙げることができるが、これに限定されない。また、誘電体層あるいは層状に形成される誘電体部を構成可能な部材としては、透明性、且つ、光学等方性のフィルムやシートなどを用いてもよい。
【0046】
取出し配線部10、11:
取出し配線部10、11は、一般的にアクティブエリア外に形成される。したがって、これらを構成する導電材料は、光透過性の有無を問わない。一般的には、高い導電性を有した銀や銅などの金属材料を含んで形成される。あるいは、電極部の構成材料と同じ材料を用いて形成されてもよい。より具体的には、取出し配線部を構成する金属物質としては、金属単体や、金属の複合体や、金属と金属化合物の複合体のほか、金属合金を挙げることができる。金属単体としては、銀、銅、金、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体などを例示することができる。金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)などを挙げることができ、金属と金属化合物の複合体としては、酸化クロム/クロム積層体などを例示することができる。金属合金としては、銀合金や銅合金が汎用される。また、金属合金としては、APC(Au・Pd・Cu、すなわち銀・パラジウム・銅)などを例示することができる。なお、金属配線には、上記したような金属物質に適宜樹脂組成物が混在してもよい。例えば、フォトリソグラフィ手法で取出し配線部10、11を形成する場合には、形成材料として、銀とパラジウムと銅からなるAPC材料が汎用されるが、これに限定されない。また、スクリーン印刷などの印刷方法により取出し配線部10、11を形成する場合には、形成材料として、溶媒中に数十nm〜数μmの粒径の銀や銅などの金属粒子と樹脂バインダ(たとえば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどの単体あるいは混合物からなる樹脂バインダ)が含有され、溶媒を用い適度に調整された金属粒子含有ペーストが汎用されるがこれに限定されない。尚、図示省略するが、取出し配線部10、11の端部であって基材1の縁部においては、それぞれ端子が設けられてよく、取出し配線部10、11を形成する工程とは異なる工程においてこれらを形成してもよいが、端子を、取出し配線部10、11を形成する際に同工程において、同材料で形成してもよい。尚、取出し配線部10、11の厚み、および幅寸法は、特に限定されないが、例えば取出し配線部10、11をフォトリソグラフィ手法により形成する場合には、厚みは、一般的には、10nm〜500nm程度、幅寸法は、一般的には、5μm〜200μm程度に形成することができ、スクリーン印刷などの印刷により形成する場合には、厚みは、一般的には、5μm〜20μm程度、幅寸法は、一般的には、20μm〜300μm程度に形成することができる。
【0047】
本発明における取出し配線部は、電極部と同様に許容電流が0.05A以上である。これは、電極部と同様に、該電極部に電気的に接続される取出し配線部においても上述する電気的損傷が生じる場合があることに鑑み、電極部だけでなく、取出し配線部においても望ましい許容電流を確保し、タッチパネルセンサの優れた電気的特性を確保するためである。取出し配線部における許容電流の大小に関する説明、許容電流の測定方法は、電極部において説明した内容が適応され得るため、ここでは説明を割愛する。尚、本発明における取出し配線部は、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備えるため、取出し配線の許容電流の測定においては、端子部を含めた全体において、適切な測定箇所を選択すればよい。
【0048】
[カラーフィルタ15]
次に、以上のとおり形成したタッチパネル感知部12を備える基材3に、さらに設けられるカラーフィルタ15について説明する。図1に示すとおり、カラーフィルタ15は、着色部を区画する遮光領域であるブラックマトリクス13と、赤色着色部14R、緑色着色部14G、青色着色部14Bから構成される。本発明におけるカラーフィルタにおいてブラックマトリクスは任意であり、図示しない異なる態様として、ブラックマトリクスが設けられずに着色部のみからなるものも含まれる。即ち、本発明にカラーフィルタ付タッチパネルを、表示装置に搭載した際に、カラー表示を可能とするカラーフィルタであればよい。上記カラー表示は、白色、黒色および有色且つ単色の一色以上の表示が可能なものであってもよいし、あるいは、フルカラー表示が可能なものであってもよい。フルカラー表示を可能とする場合には、図1に示す赤、緑、青の3色の着色部からなる組み合わせに限定されず、例えば赤、緑、青、白の4色の着色部(ただし、白は単なる透過部であってよい)からなる組み合わせ、あるいは、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色の着色部からなる組み合わせによって、カラーフィルタを構成することができる。
【0049】
カラーフィルタ15は、基材3の一方の面にタッチパネル感知部12、誘電体層9等を形成した後に、他方の面に形成されることによって、カラーフィルタ15側の物理的損傷を防止することができる。一方、カラーフィルタ15形成面を上側にして、搬送用ローラーコンベアまたはカラーフィルタ形成ステージに設置した場合であっても、基材3下面側には、硬度の充分な誘電体層9が既に設けられているため、タッチパネル感知部12側の物理的損傷の虞もない。
【0050】
ブラックマトリクス13:
ブラックマトリクス13は、遮光性または光吸収性を有する材料から構成され、具体的には、金属クロムや、タングステンからなる薄膜が公知であるが、これに限定されない。ブラックマトリクス13は、上記材料を用いて、印刷方法、転写方式あるいはフォトリソグラフィ方法などによって形成してよく、またこれに限定されない。例えば、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルを液晶表示装置の一方側の基板とする場合の一実施態様としては、該液晶表示装置における画素電極と、格子状のパターンで形成されるブラックマトリクスで区画される開口部とを対応させることによってカラー表示を可能としてよい。
【0051】
赤色着色部14R、緑色着色部14G、青色着色部14B:
ブラックマトリクス13の形成後に、赤色着色部14R、緑色着色部14G、青色着色部14Bを形成する。2色以上の着色部を備える場合に、色毎に所望のパターンで形成することが一般的である。形成方法は、ブラックマトリクスと同様に、印刷方法、転写方式あるいはフォトリソグラフィ方法などによって形成してよく、またこれに限定されない。また着色部を構成する材料としては、特に限定されず、搭載が予定される表示装置に適したカラー表示を可能とするための材料を適宜選択してよい。尚、ブラックマトリクスおよび着色部を含むカラーフィルタの構成、形成方法などの詳細は、従来公知の技術(たとえば、特開2008−26587や特開2005−331937)に倣ってよく、本明細書においてはこれ以上の説明を省略する。
【0052】
保護層16:
続いて、カラーフィルタ15の表面を覆って保護層16を形成する。保護層16は、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサにおいて任意の構成であるが、保護層16を設けることによって、カラーフィルタ面の傷つきを防止するとともにカラーフィルタ面の段差を解消し表面平滑性を付与することができる。保護層16は、適度の硬度を示すことが可能な透明性の樹脂から形成することができ、誘電体層を兼ねてもよい。上記透明性樹脂としては、透明性のアクリル樹脂などが挙げられるが、これに限定されない。
【0053】
表示用透明電極層17:
保護層16上に直接または間接に設けられる表示用透明電極層17は、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1を表示装置に搭載した際に、表示装置における電極部として作用する機能を備えるものである。表示用透明電極層17は、図6に示す透明導電膜113に相当する。例えば、表示装置として、液晶表示装置が選択される場合には、本発明カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1を一方側の基板として、これに組み合わされる対向基板に設けられる画素電極と表示装置用透明電極17とによって、駆動用液晶材料を駆動させる。表示用透明電極層17の構成材料は、第一電極層5、第二電極層8の構成材料であって透明性の有するものと同様である。ただし、第一電極層5、第二電極層8と同じ材料を用いるかどうかは任意である。表示用透明電極層17は、カラーフィルタ15上に直接又は間接に(図1では保護層16を介している)、略全面に、略均一の厚みの層として形成されてもよいし、あるいは、予定される表示装置の構成、機能に合わせて、所望のパターン形状にて形成されてもよい。
【0054】
本発明におけるカラーフィルタ付タッチパネルセンサにおいて、表示用透明電極層は、任意の構成である。本発明が用いられることが予定される液晶表示装置の表示形式によっては、カラーフィルタ側の基板における表示用透明電極層を有しない場合もある。
【0055】
配向膜18:
本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサには、任意で、駆動用液晶の配向方向を規制するための配向膜を設けてもよい。これは、主として、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサが、液晶表示装置の一方側の基板として使用が予定される場合の任意の態様である。即ち、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサを一方側の基板とし、これに対向する電極基板を、一定の距離を維持してセル組みし、基板間に駆動用液晶層を形成する際に、駆動用液晶材料を所望の方向に配向するよう規制するための膜を、カラーフィルタ付タッチパネルの一方側の表面に設ける趣旨である。ただし、上記配向膜は、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサを液晶表示装置の一方側の基板としての使用が予定される場合において、必須の構成要件ではない。
【0056】
配向膜18は、例えば、適切な配向膜形成材料を準備し、フレキソ印刷法等を用いて表示用透明電極層17の表面を被覆するように塗布して塗布膜を得て、この塗布膜を焼成し、さらにその塗布膜の表面にラビング処理を施して、水平配向膜を形成することができる。ただし、本発明における配向膜は、上述に限定されず、駆動用液晶材料の配向を所望の方向に配向させるよう規制可能な膜であれば、材料および形成方法は限定されない。
【0057】
柱状スペーサ部30:
カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1には、カラーフィルタ15側の最表面に突出する複数の柱状スペーサ部30が設けられる。柱状スペーサ部30は、対向基板31と本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ1をセル組みする際に、両基板間に所望のセルギャップを確保するための構成である。本発明において柱状スペーサ部は任意の構成であり、柱状スペーサ部の立設を省略し、ガラスビーズよりなるスペーサを両基板間に設置する代替手段もある。しかし、ガラスビーズは、基板との接触が点接触となり、パネル厚み方向にかかる荷重が接触点に集中してしまう虞があり、また、所望の位置にガラスビーズを設置できないという問題があるところ、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1において柱状スペーサ部を立設する態様を採用することにより、上記問題点は解消され、望ましいセルギャップを得ることが可能である。しかも、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサは、タッチパネル感知部を覆って誘電体層が設けられている上、タッチパネル感知部に備えられる電極部の許容電流、および該電極部に電気的に接続される取出し配線部の許容電流のいずれもが0.05A以上であるため、先に基材の一方の面にタッチパネル感知部側を形成し、これを下面側として、カラーフィルタ側を作り込むことができるので、下面側にすると特に物理的損傷を受けやすい柱状スペーサ部を後工程において形成することができ、物理的損傷のない柱状スペーサ部を備えるカラーフィルタ付タッチパネルセンサを提供することが可能である。
【0058】
柱状スペーサ部30は、これを構成するフォトレジストを形成予定面にベタ塗工し、所望のパターンのフォトマスクを介して露光、現像することにより、形成することができる。
柱状スペーサ部30の構成材料としては、多官能アクリレートを含有するアクリル系、及びアミド系又はエステル系ポリマー等の光硬化可能な感光性を有する、光透過性かつ光学的等方性の樹脂材料から好ましく選択されるが、これに限定されない。柱状スペーサ部30は、公知の液晶表示パネルにおいて適用されている各種の柱状スペーサ部に倣って適宜形成することができる。
【0059】
次に、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1を一方側の基板とする、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置の一実施態様として、図1に液晶表示装置2を示す。液晶表示装置2は、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1と、対向基板31とを対向させてシール部材32で両基板間に一定の距離を設けてセル組みし、且つ、両基板間に駆動用液晶材料を付与して駆動用液晶層33を設けて構成される。
【0060】
[対向基板31]
対向基板31は、基材34上に直接又は間接に画素電極35およびスイッチング素子36を含む画素電極部37が所望のパターンで設けられ、次いで、画素電極部37を覆って基材34上に駆動用液晶材料の配向を規制するための配向膜38が形成されてなる。各画素電極部37と、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1における赤色着色部14R、緑色着色部14G、青色着色部14Bがそれぞれ対応するよう、対向基板31と、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1とがセル組みされる。
【0061】
対向基板31は、本発明の液晶表示装置において、一方側の基板の一実施態様であり、本発明において対向基板は、これに限定されず、一般的に液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(TFT)基板、あるいはアレイ基板などと呼ばれる液晶表示装置用基板であればよい。画素電極35は、例えばITOなどの透明且つ導電性のある材料で形成することができる。またスイッチング素子36は、例えば低温ポリシリコン技術によりTFT、あるいは薄膜ダイオード(TFD)などであっておい。上記TFTには、アモルファス・シリコンや、ポリ(多結晶)シリコンなどが好適に用いられる。
【0062】
画素電極部37を覆って設けられる配向膜38は、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1に設けられる配向膜18と同様に設けることができるためここでは説明を割愛する。尚、配向膜38を形成する前に、任意で、画素電極部37を覆って保護層などの任意の層を形成し、次いで配向膜38を形成してもよい。
【0063】
[駆動用液晶層33]
駆動用液晶層33は、液晶表示装置において駆動用液晶材料として用いられうる材料をカラーフィルタ付タッチパネルセンサ1と対向基板31との間に付与して形成される。駆動用液晶材料の付与方法は、予め両基板間をセル組みして、そのあと、両基板間に形成された空間に、注入してもよいし、あるいは、一方側の基板上に、駆動用液晶層33の枠体を設け、枠体内に駆動用液晶材料を充填し、その後、他方の基板を用いて、セル組みしてもよく、また上述以外の異なる手段によって駆動用液晶材料を付与してもよい。
【0064】
図4は、カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1が静電容量式タッチパネルセンサである場合の、本発明の液晶表示装置2の駆動の一態様を説明するための説明図である。液晶表示装置2を駆動させるために、一方側の基板であるカラーフィルタ付タッチパネルセンサ1と、対向基板31との間の適切な位置に、フレキシブルプリント回路(FPC)などの回路73、83が設置される。カラーフィルタ付タッチパネルセンサ1の露出面側は、表示面60を構成し、表示面60は、外周における一定領域が非表示領域62と、非表示領域62で囲まれる領域である表示領域61とから構成されてよい。ここで、回路73は、直接または間接に映像情報処理部70に接続され、また回路83は、直接または間接に入力情報処理部80に接続される。尚、液晶表示装置2が、透過型液晶表示装置の場合には、対向基板31の背面側に面光源装置(バックライト)が設置されることが一般的である(図示せず)。あるいは、液晶表示装置2が反射型液晶表示装置である場合には、面光源装置は用いずに、画素電極にアルミニウムなどの反射板を用いるなど、従来公知の反射型液晶表示装置の態様を適宜採用してもよい。映像情報処理部70および入力情報処理部80は、液晶表示装置1の駆動を制御する制御部と理解することができる。
【0065】
表示面60は、液晶表示による映像を表示するとともに、タッチパネルの入力面として機能する。一般的には、タッチパネル感知部12が指などの導体が接触または接触に近い状態にあることを感知する領域は、表示領域61と略同等である。
【0066】
映像情報処理部70は、映像情報に基づき液晶表示(画素表示)を制御するための液晶駆動回路72を含む液晶表示用プリント基板71を備え、該映像情報に基づく映像を表示領域61に表示するよう駆動する。一方、入力情報処理部80は、タッチパネルセンサ駆動回路82を含むタッチパネルセンサ用プリント基板81を備え、指などの導体が表示領域61に接触あるいは接触に近い状態にある場合に、その位置を特定(検出)し得るよう構成されている。また、入力情報処理部80と映像情報処理部70とは、接続されており、入力情報処理部80において得られた入力情報を映像情報処理部70に送信し、入力情報に基づいた映像情報を作成し、当該映像情報に基づいた映像を、表示領域に表示することもできる。
【0067】
次に、本発明の座標検出装置について説明する。本発明の座標検出装置は、上述する本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサと、該カラーフィルタ付タッチパネルセンサにおけるタッチパネル感知部において、接触動作の行われることによって出力される電気信号を検出する検出回路と、上記検出回路において検出された電気信号から上記接触動作の行われた接触位置の座標を算出する座標算出用演算回路を備えることを基本構成とする。
【0068】
本発明の座標検出装置は、上述のとおり、物理的損傷および電気的損傷の発生が防止された本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサを備えるため、優れた座標検出機能が示される。また、本発明の座標検出装置を表示装置に備えることにより、装置の薄膜化、および軽量化が図られる。
【0069】
以上の効果は主として、本発明のカラーフィルタ付タッチパネルセンサが、タッチパネルセンサ用基材の一方面上に直接または間接にカラーフィルタが設けられ、且つ、上記タッチパネルセンサ用基材の他方面上に直接または間接にタッチパネル感知部およびこれを被覆する誘電体層が設けられており、上記タッチパネル感知部に備えられる電極部の許容電流が0.05A以上であるという特徴を備えることによる。かかる特徴によって、カラーフィルタ付タッチパネルセンサの製造時における、カラーフィルタ側面の物理的損傷を防止し、一方、第一電極層および第二電極層の電気的損傷を防止することができるからである。尚、本発明の座標検出装置におけるカラーフィルタ付タッチパネルセンサの構造、製造方法、製造材料、効果の詳細については、上述と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0070】
本発明における検出回路は、カラーフィルタ付タッチパネルセンサにおける電気信号を検出するための回路であって、該タッチパネルセンサのタッチ面に、指などが接触するか、または接触に近い状態で接近した際に、その接触動作の行われた座標が検出可能な回路である。例えば、静電容量式のタッチパネルセンサでは、静電容量の変化を検出する検出回路と、上記検出回路より出力される静電容量の変化量より、所定の演算式に基づき、接触動作の行われた座標位置を計算する座標算出用演算回路とを備える。カラーフィルタ付タッチパネルセンサと検出回路とは、該タッチパネルセンサにおける接触動作を電気信号として検知可能に接続されていればよく、一般的には、電極層を構成する複数の電極部、あるいは上記電極部の端部に設けられた取出し配線部と、検出回路とが、フレキシブルプリント回路などの配線部材などによって電気的に接続される。
【0071】
図5に、本発明の座標検出装置の動作の流れの一実施態様を説明するために静電容量式を例にした説明図を示す。図面左側に示すカラーフィルタ付タッチパネルセンサは、特にタッチパネル感知部について示す。x方向に電流が流れる複数の第一電極部X1、X2、X3・・・より構成される第一電極層と、y方向に電流が流れる複数の第二電極部Y1、Y2、Y3・・・より構成される第二電極層とを備える。図面中央に示す検出回路における定電流源から、電流が、第一電極部X1、X2、X3・・・および第二電極部Y1、Y2、Y3・・・に供給される。このとき電流は、基準クロックによって指示される規定時間に基づき、高速スイッチ部におけるスイッチングの指示を受け各電極部へ接続を切り替える切り替え部によって、絶えず定電流源から各電極部へと流れる電流の接続のオン、オフが行われる。
【0072】
タッチパネルセンサにおいて接触動作が行われると、第一電極部X1、X2、X3・・・および第二電極部Y1、Y2、Y3の容量の変化により、定電流源より供給される電荷のうち積分用コンデンサコンデンサに蓄えられる割合が変化し、即ち電圧変化をもたらす。
さらにインパルスノイズを取り除くための低域通過フィルタを通過し、比較器において、基準電圧と積分用コンデンサで増幅された電圧を比較することで積分用コンデンサが基準電圧に達するまでの時間を認識する。検出回路により検出された電極部の容量変化に基づく信号は、タッチ検出演算回路に送られ、所定の計算式により接触動作の行われた座標が算出される。尚、上述は、本発明の座標検出装置の一実施態様を説明するものであって、本発明を限定するものではなく、本発明の座標検出装置の検出動作を実行する構成および動作の流れとしては、公知のタッチパネルセンサにおける接触動作を検出可能な回路を適宜選択して実施してよく、特に、静電容量式のタッチパネルセンサの検知装置一般を好適に採用可能であるが、検出の形式はこれに限定されず、種々の形式に対応することができる。
【実施例】
【0073】
(実施例1)
(カラーフィルタ付タッチパネルセンサの作製)
基材として、370mm×470mm、厚み0.5mmの透明ガラス基材(無アルカリガラス、NHテクノグラス社製、NA35)を準備し、超純水を用いて界面活性剤処理し、引き続き超音波洗浄処理により洗浄した。尚、本実施例では、上記ガラス基材を用い、静電容量式タッチパネルセンサ付き液晶表示装置が27面取りできるよう設計した。また、以下の第一電極層および第二電極層の形成パターン、およびこれに付随する取出し配線部のパターンは、図2に示すひし形電極部と細状電極部とからなる電極パターンに倣って設計した。またパターンの細部の寸法は、図7に即して以下に示す。
【0074】
(取出し配線部の製版)
上述のとおり準備した基材の一方の面に、外周配線部の抵抗を補助する取出し配線部として、銀パラジウム銅合金を上記ガラス基材全面にスパッタにより200nmの厚さで製膜した。引き続き、ポジ感光性材料(AZマテリアルズ社製)を用い、フォトリソグラフィ手法により、非表示領域に取出し配線のパターンを焼き付けた。さらにエッチャントとして関東化学製の混酸SEA−5を用い、不要部分を除去し、引き続いて不要となったポジ感光性材料を水酸化カリウム水溶液で剥離して取出し配線部を形成した。上記取出し配線部は、形成が予定される電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および該電極部と該端子部(50μm×100μmの四辺形)とを接続する配線部(線幅50μm)とから構成し、後工程において形成が予定される、複数の第一電極部および第二電極部それぞれに電気的に接続可能なようにパターニングした。
【0075】
(第一電極層の形成)
次に製版された取出し配線部を備える基材面に、第一電極層を形成するために、スパッタにより全面に25nmの厚さでITOを製膜した。そして、取出し配線部と同様のポジ感光性材料を用いてフォトリソグラフィの手法により、ひし形電極部および、x方向に隣り合うひし形電極部を繋ぐ細状電極部から形成される第一電極部をy方向に配列してなるパターンで第一電極層を形成した。上記ひし形電極部の寸法は、図7に示す電極層の拡大図において、ひし形電極部の両端矢印sおよびtの長さを4.5mm、細状電極部の幅方向である両端矢印uの長さを40μm、両端矢印uと直行する細状電極部の長さvを180μmとした。このとき、第一電極層を表示領域内に形成し、第一電極層に備わる複数の第一電極部の端部が、非表示領域内に形成される上記取出し配線部と電気的に接続するようパターニングした。尚、ITOのエッチャントとしては塩化第二鉄水溶液を用いた。また、第一、第二電極層のITOのシート抵抗は120Ω/cm、第一、第二電極層の基材面に対し法線方向における厚みを25nmと設計した。
【0076】
(誘電体部の製膜)
上述で形成した第一電極層を覆って、基材面略全面に透明性硬化性樹脂含有塗工材料(KOLON社製、カタログ番号A−13)を用いて、スピンコート法で塗布し、続いて、フォトリソグラフィ手法により、層状の誘電体部を形成した。
【0077】
(第二電極層の形成)
さらに上述のとおり形成した誘電体部上に、第二電極層を形成した。第二電極層は、第一電極層における電極部の連結方向と直行する方向において隣り合うひし形電極部を細状電極部によって繋いでなる第二電極部を、配列してなるパターンで形成したこと以外は、第一電極層と同様に形成した。また、第二電極層に備わる複数の第二電極部を、先に形成した取り出し配線部と電気的に接続させた。
【0078】
(誘電体層の製膜)
誘電体層は、上記誘電体部と同じく、基材面略全面に透明性硬化性樹脂含有塗工材料(KOLON社製、カタログ番号A−13)を用いて、スピンコート法で塗布し、続いて、フォトリソグラフィ手法により、形成した。上述のとおり基材面側から第一電極層および第二電極層を有するタッチパネル感知部を設け、第一電極層と第二電極層とを絶縁する誘電体部、および第二電極層を覆う誘電体層を設けた基材を、誘電体層面を最下面として搬送用ローラーコンベア上に設置した。
【0079】
(ブラックマトリクスおよび着色層の製膜)
上記基材の、タッチパネル感知部が設けられた面とは反対の面においてブラックマトリクスを以下のとおり形成した。まず、基材面上に直接に、一般的な液晶表示装置におけるブラックマトリクス(BM)形成手法に倣い、下記BM形成用レジストを用いてBMを形成した。より具体的には、基材面上に、下記BM形成用レジストをスピンコート法により塗工し、次いで、乾燥、露光、現像、加熱の一連のプロセスからなるフォトリソグラフィの手法により、格子状のパターンで構成されるBMを形成した。尚、BMは、後述で記載する第二基板に設けられる画素電極とBMで区画される着色部が対応するようパターン設計した。BM層の膜厚みは、1.2μmとした。
【0080】
(BM形成用レジスト)
下記に示すとおり、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤及び溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液とクリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤及び溶剤を含有する)とを混合して、BM形成用レジストを調製した。尚、分散機としては、ペイントシェーカーを用いた。
・黒顔料・・・・・14.0重量部 (大日精化工業(株)製TMブラック♯9550)
・分散剤・・・・・1.2重量部 (ビックケミー(株)製Disperbyk111)
・ポリマー・・・・・2.8重量部 (昭和高分子(株)製VR60)
・モノマー・・・・・3.5重量部 (サートマー(株)製SR399)
・添加剤・・・・・0.7重量部 (綜研化学(株)製L−20)
・開始剤・・・・・1.6重量部 (2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・開始剤・・・・・0.3重量部 (4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン)
・開始剤・・・・・0.1重量部 (2,4−ジエチルチオキサントン)
・溶剤・・・・・75.8重量部 (エチレングリコールモノブチルエーテル)
【0081】
続いて、一般的な液晶表示装置における着色層形成手法に倣い、赤色着色部、緑色着色部、青色着色部が帯状のパターンで順に繰り返される配列となるよう構成される着色層を形成し、BMと該着色層とからなるカラーフィルタを作成した。尚、各着色部の1本の帯の幅方向は、BMの格子1つ分を覆う幅で形成し、着色層の膜厚みは、2.0μmとした。
【0082】
(保護層および表示用透明電極層の形成)
その後、保護層材料として、透明性硬化性樹脂含有塗工材料(KOLON社製、カタログ番号A−13)を用い、カラーフィルタ面略全面に、スピンコート法により塗布して乾燥させて膜厚み1.5μmの保護層を形成した。さらに、保護層上に、ITOをスパッタリングして表示用透明電極層を形成し、該表示用透明電極層上に配向性樹脂としてポリイミド樹脂を塗布し、乾燥させた後、ラビング処理して配向膜を形成した。
【0083】
(柱状スペーサ部の形成)
さらに、上記配向膜面に、所望の間隔で、対向基板とのセルギャップを確保するための柱状スペーサを下記のとおり形成した。
まずスピンコーター(ミカサ社製、1H−360S)を用い、上記配向膜形成面に下記で得られた柱状スペーサ部形成用レジストをスピンコーティングして柱状スペーサ部形成用の塗布膜を製膜し、これを減圧乾燥した。次いで、柱層塗布膜を形成した基板に対して、所望のパターンを有する露光マスクを用い、紫外線照射して露光した。次いで0.05%KOH溶液を用いて現像し、更に純水で洗浄した。その後オーブンを用いて230℃で30分間焼成し、配向膜面上に所望のパターンで分散形成された柱状スペーサ部を得て、カラーフィルタ面側を完成し、基材の一方の面にタッチパネル感知部を備え、他方の面にカラーフィルタを備える実施例1を得た。また、実施例1を所定の寸法の27面に裁断し、その1つを第一基板とした。
実施例1における第一電極層および第二電極層の抵抗値、第一電極層および第二電極層の厚みについて表1に示す。
【0084】
(柱状スペーサ部形成用レジスト)
・ポリマー ・・・・・・・・・・・ 13.5重量部
(メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体[メタクリル酸:ベンジルメタクリレート=30:70(モル比)、酸価=113mgKOH/g、ポリスチレン換算重量平均分子量=30000])
・多官能モノマー ・・・・・・・・ 12.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・光重合開始剤1 ・・・・・・・・・ 1.5重量部
(チバガイギー社製、イルガキュアー907)
・溶媒 ・・・・・・・・・・・・・ 70.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・エポキシ樹脂 ・・・・・・・・・・ 3.0重量部
(ダイセル化学工業社製、エポリードGT401)
【0085】
(第二基板の作製)
第二基板の基材として、370mm×470mm、厚み0.5μmの透明ガラス基材(無アルカリガラス、NHテクノグラス社製、NA35)を準備し、超純水を用いて界面活性剤処理し、引き続き超音波洗浄処理により洗浄した。
【0086】
上記ガラス基材上に、ITOよりなる副色画素電極部と、副色画素電極部ごとに設けられる副スイッチング素子部を、従来公知のアレイ基板プロセスに従い形成した。上記副色画素電極部および副スイッチング素子部全体を覆うようにポリイミド樹脂を塗布し、乾燥させた後、ラビング処理を施して配向膜を形成し、第二基板を作製した。
【0087】
(実施例2)
(セル組工程)
上述のとおり作製した第一基板におけるBMで格子状に区画される領域と、第二基板における各画素電極とが、互いに対向するよう位置合わせし、基板間に液晶層を形成するための一定の間隔の隙間を柱状スペーサ部により確保した状態で、シール部材により貼り合わせ、上記隙間に駆動用液晶材料を注入して駆動用液晶層を形成し、本発明の静電容量式タッチパネル付き液晶表示パネルを得て、これを実施例2とした。
【0088】
(許容電流の測定)
実施例1と同様に製造したカラーフィルタ付タッチパネルセンサを用い、第一電極層に備わる第一電極部、および第二電極層に備わる第二電極部の許容電量を以下の通り測定した。
測定装置は、四端子測定装置(雄山株式会社製)を準備し、四つの端子をそれぞれ、図7に示すとおり、細状電極部を挟んで隣り合うひし形電極部の端部にコンタクト位置を115決定し、測定環境を23℃に調整した上で、許容電流を測定した。測定位置における端子(探針)は、誘電体層面にこすりつけ、表面をえぐって測定対象である、第一電極部あるいは第二電極部に接触させた。
そして、徐々に電流を増加させ、電気的損傷が発生し、電流が流れなくなった時点における電流値を許容電流値とした。
尚、測定は、第一電極部、第二電極部を任意に5つ選択し、各電極部における1箇所の細状電極部を選択してそれぞれ許容電流を測定し、その最大値を採用した。結果は、表1に示す。
【0089】
また上記許容電流の測定において、測定装置における四つの端子のうち、二つを、取り出し配線部の端子部の略中央にコンタクト位置を決定し、残りの二つを、取り出し配線部の上記端子部の設けられていない端部側にコンタクト位置を決定したこと以外は、電極部と同様の方法で、第一電極部に電気的に接続される取り出し配線部、および第二電極部に電気的に接続される取り出し配線部の許容電流を測定した。
【0090】
(物理的損傷評価)
実施例1の最表面は、一方の面が柱状スペーサ部、他方の面が誘電体層であるところ、これら表面に傷があるかどうかを目視により確認した。目立った傷が確認されなかった場合には、良好、目視により傷が確認された場合を不良と評価した。
【0091】
(電気的損傷評価)
実施例1において、第一電極層および/または第二電極層における電極部がジュール熱によって損傷しているかどうかを評価した。
具体的には、27面取りしたタッチパネルセンサにおける全ての第一電極部および第二電極部について、それぞれLCRメーターに接続し、各電極部の寄生容量を含んだ電極容量と交流抵抗を測定した。これにより、電気的破損の虞のある箇所がないかどうか、評価した。電気的損傷の虞のある電極部が発見された場合には、電気的損傷の虞のある箇所を光学顕微鏡により観察し、ジュール熱による損傷を確認し、損傷箇所をカウントした。尚、ジュール熱による加熱が生じると、誘電体層との界面に気泡が発生し、誘電体層と電極部との界面で剥離が生じる。このような界面での剥離現象は、光学的な干渉効果により光学顕微鏡を用いて容易に検出できる。
【0092】
(実施例3)
第一電極部および第二電極部における細状電極部uの寸法を25μmに変更し、且つ、第一、第二電極層のITOのシート抵抗を70Ω/cmに変更したこと以外は、実施例1と同様にカラーフィルタ付タッチパネルセンサを作製し、これを実施例3とした。
【0093】
(実施例4)
第一電極部および第二電極部における細状電極部uの寸法を25μmに変更し、且つ、第一、第二電極層の膜厚を50nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にカラーフィルタ付タッチパネルセンサを作製し、これを実施例4とした。
【0094】
(実施例5)
第一電極部の形成および誘電体部の製膜までは実施例1と同様に形成し、その後、誘電体上に、第二電極部におけるひし形電極部を整然配列するよう形成するとともに、第一電極部と直行する方向に上記ひし形電極部が連結されるよう、銀パラジウム銅合金により細状電極部を形成し、第二電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様にカラーフィルタ付タッチパネルセンサを作製し、これを実施例5とした。上記銀パラジウム銅合金により形成された細状電極部uの寸法は12μm、vの寸法は215μmとし、銀パラジウム銅合金のシート抵抗を0.2Ω/cm、基材面に対して法線方向の銀パラジウム銅合金の厚みを200nmとするよう設計した。
【0095】
(比較例1)
第一電極部および第二電極部における細状電極部uの寸法を30μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にカラーフィルタ付タッチパネルセンサを作製し、これを比較例1とした。
【0096】
(比較例2)
第一電極部および第二電極部における細状電極部uの寸法を25μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にカラーフィルタ付タッチパネルセンサを作製し、これを比較例2とした。
【0097】
上述する実施例3〜5および比較例1、2についても、実施例1と同様に、第一電極層および第二電極層の抵抗値、第一電極層および第二電極層の厚みについて表1に示し、また、電極部の許容電流の測定、物理的損傷評価、電気的損傷評価を行った。実施例および比較例の評価結果は、いずれも表1に示す。
【0098】
【表1】

【符号の説明】
【0099】
1 カラーフィルタ付タッチパネルセンサ
2 液晶表示装置
3 基材
4 第一電極部
4a ひし形電極部
4b 細状電極部
5 第一電極層
6 誘電体部
7 第二電極部
7a ひし形電極部
7b 細状電極部
8 第二電極層
9 誘電体層
10 第一取出し配線部
(11 第二取出し配線部)
12 タッチパネル感知部
13 ブラックマトリクス
14R 赤色着色部
14G 緑色着色部
14B 青色着色部
15 カラーフィルタ
16 保護層
17 表示用透明電極層
18 配向膜
20 第一電極部
21 第一電極層
22 ひし形電極部
22’ ブリッジ電極
23 第二電極部
24 第二電極層
31 対向基板
32 シール部材
33 駆動用液晶層
34 基材
35 画素電極
36 スイッチング素子
37 画素電極部
38 配向膜
60 表示面
61 表示領域
62 非表示領域
70 映像情報処理部
71 液晶表示用プリント基板
72 液晶駆動回路
73 回路
80 入力情報処理部
81 タッチパネルセンサ用プリント基板
82 タッチパネルセンサ駆動回路
83 回路
100 従来のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ
101 基材
102 第一電極部
103 第一電極層
104 誘電体部
105 第二電極部
106 第ニ電極層
107 誘電体層
108 タッチパネル感知部
109 ブラックマトリクス
110 カラーフィルタ
111 搬送用ローラーコンベア
112 誘電体層
113 透明導電膜
114 柱状スペーサ部
115 コンタクト位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルセンサ用基材と、上記タッチパネルセンサ用基材の面上に直接または間接にカラーフィルタおよびタッチパネル感知部を備えるカラーフィルタ付タッチパネルセンサであって、
上記タッチパネルセンサ用基材の第一の面上に直接または間接にカラーフィルタが設けられており、
上記タッチパネルセンサ用基材の第二の面上に直接または間接に電極部を備えるタッチパネル感知部と、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部と、上記タッチパネル感知部を被覆する誘電体層と、が設けられており、
上記電極部および上記取り出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とするカラーフィルタ付タッチパネルセンサ。
【請求項2】
上記電極部が、透明導電膜で形成されている部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ。
【請求項3】
上記タッチパネル感知部は、
複数の第一電極部を有する第一電極層と、複数の第二電極部を有する第二電極層を備え、
上記第一電極層および上記第二電極層を覆って上記誘電体層が設けられており、
上記第一電極部には、第一取出し配線部が電気的に接続されており、
上記第二電極部には、第二取出し配線部が電気的に接続されており、
上記第一電極部、上記第二電極部、上記第一取出し配線部、および上記第二取出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ付タッチパネルセンサ。
【請求項4】
対向する二枚の基材と、上記二枚の基材間に設けられる駆動用液晶層とを備える液晶表示装置であって、
タッチパネルセンサ用基材と、上記タッチパネルセンサ用基材の面上に直接または間接にカラーフィルタおよびタッチパネル感知部とを備えるカラーフィルタ付タッチパネルセンサが設けられており、
上記タッチパネルセンサ用基材は、タッチパネル感知部が上記二枚の基材間の外側に位置する向きで、上記対向する二枚の基材のうちの一方の基材として兼用されており、
上記タッチパネルセンサは、上記タッチパネルセンサ用基材の第一の面上に直接または間接にカラーフィルタを備え、且つ、上記タッチパネルセンサ用基材の第二の面上に直接または間接に電極部を備えるタッチパネル感知部と、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部と、上記タッチパネル感知部を被覆する誘電体層と、が設けられており、
上記電極部および上記取り出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
タッチパネルセンサ用基材と、上記タッチパネルセンサ用基材の面上に直接または間接にカラーフィルタおよびタッチパネル感知部を備えるカラーフィルタ付タッチパネルセンサと、
上記タッチパネル感知部の接触面において接触動作の行われることによって出力される電気信号を検出する検出回路と、
上記検出回路において検出された電気信号から上記接触動作の行われた接触位置の座標を算出する座標算出用演算回路とが設けられており、
上記カラーフィルタ付タッチパネルセンサは、上記タッチパネルセンサ用基材の第一の面上に直接または間接にカラーフィルタが設けられており、且つ、上記タッチパネルセンサ用基材の第二の面上に直接または間接に電極部を備えるタッチパネル感知部と、上記電極部における電気信号を外部回路へと接続するための端子部および上記電極部と上記端子部とを接続する配線部を備える取り出し配線部と、上記タッチパネル感知部を被覆する誘電体層と、が設けられており、
上記電極部および上記取り出し配線部の許容電流が、それぞれ0.05A以上であることを特徴とする座標検出装置。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−45261(P2013−45261A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182049(P2011−182049)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】