説明

カラーフィルタ基板のムラ検査装置

【課題】RGB画素部のフォトレジストの膜厚ムラや素ガラス部のBMパターン、RGBパターン、PS/VAパターンやマークや品種番号のパターン欠けや高さ不良の発生を防止するムラ検査装置を提供する。
【解決手段】カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板を製造する工程において、ガラス基板に塗布されたフォトレジストの膜厚ムラを検査する装置であって、ガラス基板を搬送する搬送手段と、前記搬送されるガラス基板を照明する照明手段と、前記照明されたガラス基板を撮像する手段と、撮像された画像を処理する画像処理手段と、前記画像処理された画像に基づいて、ガラス基板の着色画素部のフォトレジストの膜厚ムラを判定する判定処理手段と、着色画素部外の素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラを判定する判定処理手段と、を備えたことを特徴とするカラーフィルタ基板のムラ検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ製造工程で発生する品質基準に満たないカラーフィルタ用ガラス基板を検査する装置に関するもので、更に詳細には、着色画素を形成する工程で行われる着色レジストを塗布する際に発生する膜厚ムラを検査する検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1はカラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図である。カラーフィルタ1は、ガラス基板2上にブラックマトリックス(以下、BM)3、レッドRの着色画素(以下、R画素)4−1、グリーンGの着色画素(以下、G画素)4−2、ブルーBの着色画素(以下、B画素)4−3、透明電極5、及びフォトスペーサー(Photo Spacer)(以下、PS)6、バーテイカルアライメント(Vertical Alignment)(以下、VA)7が順次形成されたものである。
【0003】
上記構造のカラーフィルタの製造方法は、フォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法が知られているが、図2は一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程の一例を示すフロー図である。カラーフィルタは、先ず、ガラス基板上にBMを形成処理する工程(C1)、ガラス基板を洗浄処理する工程(C2)、着色フォトレジストを塗布および予備乾燥処理する工程(C3)、着色フォトレジストを乾燥、硬化処理するプリベーク工程(C4)、露光処理する工程(C5)、現像処理する工程(C6)、着色フォトレジストを硬化処理する工程(C7)、透明電極を成膜処理する工程(C8)、PS、VAを形成処理する工程(C9)がこの順に行われ製造される。
【0004】
例えば、R画素、G画素、B画素の順に着色画素が形成される場合には、カラーフィルタ用ガラス基板を洗浄処理する工程(C2)から、着色フォトレジストを硬化処理する工程間(C7)ではレッドR、グリーンG、ブルーBの順に着色レジストを変更して3回繰り返されてR画素、G画素、B画素が形成される。なお、ステップ(C7)と(C8)の間で研磨処理する工程を経る場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−199745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図3はカラーフィルタ基板の一例を示す概略平面図である。図3に示されるカラーフィルタ基板10は、基板内にRGB画素部11が4面付け(4個のセルと呼ばれる)に配置されたものである。RGB画素部11の外周部は額縁12と呼ばれる黒枠が形成されている。
【0007】
一般的に着色レジストは、図4に示すように図3に示す各RGB画素部が配置される領域を含むガラス基板のほぼ全面に塗布される。13は着色レジストが塗布される領域を示す。
【0008】
上記着色フォトレジストを塗布および予備乾燥処理する工程(C3)や、PS/VA形成処理工程では、図4に示すようにガラス基板全面にフォトレジストを塗布する。この場合、均一な膜厚でフォトレジストを塗布することが望まれているが、様々な原因によって
膜厚が不均一(以下、ムラ)になる場合がある。膜厚ムラが発生しているカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合、色ムラとなって表示画像の質が低下してしまう。
【0009】
図5はカラーフィルタ基板10の4個のRGB画素部11とRGB画素部11の外側の部分Aを示す図である。
【0010】
図6(a)は図3に示すカラーフィルタ基板10であって、図6(b)は図6(a)のRGB画素部11の外側の部分Aを拡大した図である。図6(b)に示されるRGB画素部11の外側の部分Aの素ガラス部Bには、一般的に(BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターン)14やマーク15や品種番号16が、RGB画素部のパターンを形成する工程で同時に形成される。上記(BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターン)14やマーク15や品種番号16のパターンの欠け形状不良やパターンの高さ不良は、品質規格外となって、結果的にカラーフィルタ基板10は不良品となってしまう。
【0011】
しかしながら、図6(b)に示されるRGB画素部11の外側の素ガラス部Bにパターニングされる(BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターン)14やマーク15や品種番号16のパターン検査は、RGB画素部11の検査に比べて、パターンが品種毎に場所が変わったり、ノウハウを必要とする理由からRGB画素部11の検査に比べて、多くの検査時間を必要としたり、また、一般的に使用されているパターン検査機では検査ができないという問題がある。
【0012】
上記素ガラス部Bの(BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターン)14やマーク15や品種番号16のパターン欠け形状不良や高さ不良は、素ガラス部Bに塗布されたフォトレジストの膜厚のムラに起因するものであり、膜厚が基準より薄い場合には、パターンの一部が欠けてしまったり全くパターンが形成されなかったり、パターンの高さが基準より低い不良となってしまう。逆に、膜厚が基準より厚い場合には、高さが基準より高い不良となってしまう。前記いずれの場合でもカラーフィルタ基板10は品質規格外の不良基板となってしまう。
【0013】
そこで本発明は上記の問題に鑑みて、RGB画素部11の膜厚ムラの検査に加えて、上記素ガラス部Bの(BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターン)14やマーク15や品種番号16のパターン欠けや高さ不良の発生を防止するムラ検査装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る発明は、カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板を製造する工程において、ガラス基板に塗布されたフォトレジストの膜厚ムラを検査する装置であって、
ガラス基板を搬送する搬送手段と、
前記搬送されるガラス基板を照明する照明手段と、
前記照明されたガラス基板を撮像する手段と、
撮像された画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理された画像に基づいて、ガラス基板の着色画素部のフォトレジストの膜厚ムラを判定する判定処理手段と
着色画素部外の素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラを判定する判定処理手段と、を備えたことを特徴とするカラーフィルタ基板のムラ検査装置である。
【0015】
本発明の請求項2に係る発明は、前記ガラス基板の着色画素部のフォトレジストの膜厚ムラの判定処理手段は、検査対象のガラス基板の着色画素部内に検査エリアを設定し、該検査エリアの輝度値のデータを取得し、前記輝度値のデータの移動平均データを求め、前
記輝度値のデータと移動平均データの差が予め設定した閾値を超えた場合には膜厚ムラと判定することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置である。
【0016】
本発明の請求項3に係る発明は、前記ガラス基板の着色画素部外の素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラの判定処理手段は、判定の基準とするリファレンス基板の素ガラス部の所定の領域における撮像画像の輝度値のデータの移動平均データを求め、
検査対象のガラス基板の素ガラス部の所定の領域における輝度値のデータを取得し、前記輝度値のデータの移動平均を求め、
前記リファレンス基板の移動平均データと、前記検査対象のガラス基板の移動平均データの差が予め設定した閾値を超えた場合には膜厚ムラと判定することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置である。
【0017】
本発明の請求項4に係る発明は、前記リファレンス基板は、検査対象のガラス基板がパターン形成処理される工程における1枚目のガラス基板とすることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置である。
【0018】
本発明の請求項5に係る発明は、前記リファレンス基板は、検査対象のガラス基板がパターン形成処理される工程における検査対象のガラス基板の直前に処理されたガラス基板とすることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のカラーフィルタ基板のムラ検査機によれば、BM、R、G、B、PS/VAパターンの各パターン形成処理工程において、コーターによってガラス基板へフォトレジストを全面に塗布した後に、RGB画素部及び素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理することにより、RGB画素部の色ムラ不良や、素ガラス部に配置される各パターンの形状不良や高さ不良の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの一例を断面で示した図。
【図2】一般的に用いられているフォトリソグラフィー法の工程のフロー図。
【図3】カラーフィルタ基板の一例を示す概略平面図。
【図4】フォトレジスタがガラス基板のほぼ全面に塗布されることを示す図。
【図5】カラーフィルタ基板の4個のRGB画素部とRGB画素部の外側の部分Aを示す図。
【図6】(a)は図3に示すカラーフィルタ基板を示す図。(b)は(a)のRGB画素部の外側の部分Aを拡大した図。
【図7】本発明に係るカラーフィルタ基板のムラ検査装置の一例を示す概略構成図。
【図8】本発明に係るムラ検査装置に適用されるカラーフィルタ基板の一例を示す図。
【図9】ガラス基板のRGB画素部のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理するフロー図
【図10】本発明に係るガラス基板のRGB画素部のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理する場合に予め設定される検査エリアの例を示す図。
【図11】本発明に係る図10に示された検査エリア4個のうちの1個を示す図。
【図12】本発明に係る撮像して得られた輝度データを示す図。
【図13】本発明に係る輝度データを移動平均することによって得られた移動平均データを示す図。
【図14】本発明に係る輝度データと移動平均データの差の絶対値を示す図。
【図15】本発明に係る検査エリアのY方向の上下の部分に比べて中央の部分のフォトレジストの膜厚が薄いことを模擬的に示した図。
【図16】本発明に係る1枚目のガラス基板の撮像画像と検査対象のガラス基板の撮像画像を比較して膜厚ムラを判定処理する場合のフロー図。
【図17】本発明に係る検査対象のガラス基板の撮像画像と直前のガラス基板の撮像画像とを比較して膜厚ムラを判定処理する場合のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明に係るカラーフィルタ基板のムラ検査装置を実施するための形態を説明する。
【0022】
図7は本発明に係るカラーフィルタ基板のムラ検査装置の一例を示す概略構成図である。カラーフィルタ基板のムラ検査装置は、ガラス基板20を矢印27の方向に搬送する複数のローラ21からなる搬送手段である搬送装置22と、ガラス基板20を照明する手段である照明装置23と、照明されたガラス基板を撮像する手段である撮像装置24と、撮像された画像を処理する画像処理手段である画像処理装置25と、前記画像処理された画像に基づいてガラス基板の着色画素部のフォトレジストの膜厚と着色画素部外の素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理する手段である判定処理装置26と、を備えている。
【0023】
搬送装置22は、ローラ21によるローラ搬送方式に限定されずベルト搬送式やエアー浮上搬送式でも良い。照明装置23はハロゲンランプや直流点灯される蛍光灯を用いることが出来る。撮像装置24はガラス基板20を搬送しながら撮像するラインセンサカメラや、あるいはガラス基板を間欠して移動させ、停止させた時点で撮像するエリアセンサカメラを用いることが出来る。また照明装置23は、撮像装置24と同じくガラス基板20に対して同じ側に配置しても良い。
【0024】
図8は、本発明に係るムラ検査装置に適用されるカラーフィルタ基板の一例を示す図である。カラーフィルタ基板30は、4面付けに配置されたRGB画素部31を有している。更にRGB画素部31の外の素ガラス部には図示しないパターン、即ち(BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターン)やマークや品種番号がパターニングされている。
【0025】
本発明に係るムラの検査装置によるフォトレジストの膜厚ムラを判定するフロー説明する。先ず、ガラス基板のRGB画素部31のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理するフローを図9のフロー図と図10から図14のフローを説明するための図を用いて説明する。
【0026】
図10はガラス基板のRGB画素部31のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理する場合に予め設定される検査エリア40−1〜40−4の例を示したものである。検査エリアはRGB画素部31内に1個とは限らず、適宜、膜厚ムラが発生しやすいと思われる部分を考慮して設定すれば良い。
【0027】
図11は図10に示された検査エリア4個のうちの1個、例えば検査エリア40−1を示したものである。図11に示されたRGB画素部の検査エリア40−1は、X方向の左右の部分41−1と41−2に比べて中央の部分42のフォトレジストの膜厚が薄いことを模擬的に示している。
【0028】
ガラス基板のRGB画素部31のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理するフローは、判定処理開始後(S1)、図11に示されるRGB画素部31の検査エリア40−1を撮像装置24によって撮像する。この場合の撮像装置24の1画素によって撮像される解像度を例えば(0.8mm/画素)程度として撮像することによって、前工程までに形成されたパターンに影響されることなく、膜厚ムラは容易に検出することができる。例えば矢印43の方向を撮像して得られた輝度データ44を図12に示す(S2)。更に図12に
示される輝度データ44を移動平均することによって移動平均データ45(図13に示す)を得る(S3)。
【0029】
更に、図14に示すように前記輝度データ44と前記移動平均データ45の差の絶対値46を求め(S4)、該差データの絶対値46を予め設定された閾値47と比較して(S5)、閾値を超えた場合(S5のYES)は、超えた部分をフォトレジストの膜厚ムラと判定し(S7)、その後、次のガラス基板の膜厚ムラを検査するためにステップ(S2)へ移行する。ステップ(S5)において閾値を超えない場合(S5のNO)は、膜厚ムラなしと判定して(S7)、その後、次のガラス基板の膜厚ムラを検査するためにステップ(S2)へ移行する。
【0030】
前記輝度データはRGB画素部31の検査エリア40−1の全体にわたって撮像され、ステップ(S3)以降のフローに従って膜厚ムラの判定処理が行われる。
【0031】
差の絶対値を求めることによって図11の左右の部分41−1または41−2と、中央の部分42の位置が入れ替わった場合でも1つの閾値で膜厚ムラを判定することが出来るが、これに限定されず、予め設定された正負の2つの閾値との差を求めても良い。
【0032】
上記はフォトレジストの膜厚がX方向に存在する膜厚ムラを判定する場合について述べたが、Y方向に存在する膜厚ムラを判定する場合について次に説明する。図15はY方向の上下の部分49−1と49−2に比べて中央の部分50のフォトレジストの膜厚が薄いことを模擬的に示した図である。Y方向に存在する膜厚ムラの判定には、先ず、輝度データを矢印48で示したに示される輝度データを得て、上記と同じように輝度データを移動平均することによって移動平均データを得た後、前記輝度データと前記移動平均データの差の絶対値を求め、該差の絶対値を予め設定された閾値と比較して、閾値を超えた場合は、超えた部分をフォトレジストの膜厚ムラと判定する。
【0033】
このようにして、撮像装置によって得られた輝度データを移動平均し、該輝度データと移動平均したデータの差の絶対値が閾値を越えた場合には、膜厚ムラと判断することによって、微妙に少しずつ変化する膜厚ムラは膜厚ムラと判定せずに、色ムラと目視されるレベルの膜厚ムラを真の膜厚ムラと判定することが出来る。
【0034】
次に、素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理する場合のフローを説明する。素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理する場合は、各工程、即ち、BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターンの各形成工程における1枚目のガラス基板の撮像画像、または検査対象のガラス基板の直前の基板の撮像画像をリファレンス画像(即ち、比較画像)とし、該比較画像と検査対象のガラス基板の撮像画像を比較して膜厚ムラの判定処理を行う。この場合、上記RGB画素部31のフォトレジストの膜厚ムラを判定処理する場合と同様に、撮像装置の1画素によって撮像される解像度を例えば0.8mm/画素程度として撮像することによって、前工程までに形成されたパターンに影響されることなく、膜厚ムラは容易に検出することができる。
【0035】
先ず、1枚目のガラス基板の撮像画像との比較によって膜厚ムラを判定処理するフローを図16を用いて説明する。
【0036】
1枚目のガラス基板との撮像画像の比較の場合は、開始後(K1)、1枚目のガラス基板は、例えば各工程、即ち、BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターンの形成工程における1枚目のガラス基板とし、該ガラス基板の撮像画像を比較画像として登録する(K2)。
【0037】
前記比較画像と検査対象のガラス基板の画像を比較処理する前に、ガラス基板における特定のマーク位置を登録し、比較画像と検査対象のガラス基板の画像のアライメント処理を行う(K3)。マークは、十字マークの中心、○マークの中心など、基板上に配置されたマークならば用いることが出来、従来から行われている当該マークを画像処理する画像処理技術によって所定の位置を検出することが出来る。
【0038】
所定の位置が検出された後に、所定位置の撮像画像の輝度データを取得する(K4)。前記比較画像と検査対象の画像の輝度データの各々の移動平均データを求める(K5)。前記比較画像と検査対象の画像の輝度データの各々の移動平均データの差を求める(K6)。前記移動平均の差の絶対値が、予め設定された閾値を超えた場合(K7のYES)には、膜厚ムラとして判定し(K8)、その後、次のガラス基板の検査のためにステップ(K3)へ移行する。
【0039】
上述した素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラの判定処理する場合に行われる検査対象のガラス基板の画像と、BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターンの形成工程における1枚目のガラス基板の撮像画像を比較画像として比較することによってガラス基板毎のフォトレジストの膜厚ムラと同時に、フォトレジストの厚み不良を判定処理することが出来る(K8)。
【0040】
ステップ(K7)において、前記移動平均の差の絶対値が、予め設定された閾値を超えない場合(K7のNO)には、膜厚ムラ、厚み不良なしと判定し(K9)、その後、次のガラス基板の検査のためにステップ(K3)へ移行する。
【0041】
次に、検査対象のガラス基板の撮像画像と検査対象のガラス基板の直前のガラス基板の撮像画像とを比較して膜厚ムラを判定処理する場合のフローを、図17を用いて説明する。
【0042】
直前のガラス基板の撮像画像との比較の場合は、開始後(G1)、リファレンス基板は、例えば各工程、即ち、BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターンの形成工程における検査対象のガラス基板の直前に処理された基板とする。このため、前記検査対象のガラス基板の前に処理された基板の撮像画像は、比較画像としてガラス基板が検査される毎に更新される。
【0043】
検査開始後(G1)、検査対象のガラス基板の直前に処理された基板の撮像画像を比較画像として登録する(G2)。
【0044】
前記比較画像と検査対象のガラス基板の画像を比較処理する前に、ガラス基板における特定のマーク位置を登録し、比較画像と検査対象のガラス基板の画像のアライメント処理を行う(G3)。マークは、十字マークの中心、○マークの中心など、基板上に配置されたマークならば用いることが出来、当該マークを個別に撮像、画像処理する従来から行われている画像処理技術によって所定の位置を検出することが出来る。
【0045】
所定の位置が検出された後に、所定位置の撮像画像の各撮像画像の輝度データを取得する(G4)。前記比較画像と検査対象の画像の輝度データの各々の移動平均データを取得する(G5)。次に前記比較画像と検査対象の画像の輝度データの各々の移動平均データの差を求める(G6)。前記移動平均の差の絶対値が、予め設定された閾値を超えた場合(G7のYES)には膜厚ムラとして判定し(G8)、その後、次のガラス基板の検査のために、ステップ(G3)へ移行する。
【0046】
前記ステップ(G8)においては、検査対象のガラス基板の直前の基板の撮像画像を比
較画像として検査対象のガラス基板の撮像画像と比較するため、ガラス基板毎のフォトレジストの膜厚ムラと同時に、フォトレジストの厚み不良を判定処理することが出来る(G8)。
【0047】
ステップ(G7)において、前記移動平均の差の絶対値が、別途設定された閾値を超えない場合(G7のNO)には、膜厚ムラ、厚み不良なしと判定し(G9)、その後、ステップ(G2)に移行して検査対象のガラス基板の撮像画像を比較画像として登録し、次のガラス基板の検査を行う。
【0048】
検査対象のガラス基板の画像と、該ガラス基板の直前のガラス基板の撮像画像を比較画像として比較することによってガラス基板毎のフォトレジストの膜厚ムラと同時に、フォトレジストの厚み不良を判定処理することが出来る。
【0049】
上述では、移動平均の差の絶対値と別途設定された閾値を比較した場合を例示したが、正負に設定した閾値と移動平均の差と比較しても良い。
【0050】
以上のように、本発明によるカラーフィルタ基板のムラ検査機によれば、RGB画素部と素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラ及び膜厚不良を判定処理することが出来、その結果、RGB画素部の色ムラ不良や、素ガラス部に配置される各パターンの形状不良や高さ不良の発生を防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
1・・・カラーフィルタ
2・・・ガラス基板
3・・・ブラックマトリックス(BM)
4−1・・・レッドRの着色画素(R画素)
4−2・・・グリーンGの着色画素(G画素)
4−3・・・ブルーBの着色画素(B画素)
5・・・透明電極
6・・・フォトスペーサー(PS)
7・・・バーテイカルアライメント(VA)
10・・・カラーフィルタ基板
11・・・RGB画素部
12・・・額縁
13・・・着色レジストが塗布される領域
14・・・BMパターン、RGBパターン、PS/VAパターン
15・・・マーク
16・・・品種番号
20・・・ガラス基板
21・・・ローラ
22・・・搬送装置
23・・・照明装置
24・・・撮像装置
25・・・画像処理装置
26・・・判定処理装置
27・・・ガラス基板を搬送する方向を示す矢印
30・・・カラーフィルタ基板
31・・・RGB画素部
40−1〜40−4・・・検査エリア
41−1、40−2・・・検査エリアのX方向の左右の部分
42・・・検査エリアのX方向の中央の部分
43・・・撮像した方向を示す矢印
44・・・輝度データ
45・・・移動平均データ
46・・・輝度データと移動平均データの差の絶対値
47・・・予め設定された閾値
48・・・撮像した方向を示す矢印
49−1、49−2・・・検査エリアのY方向の上下の部分
50・・・検査エリアのY方向の中央の部分
A・・・RGB画素部の外側の部分
B・・・RGB画素部の外側の部分の素ガラス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板を製造する工程において、ガラス基板に塗布されたフォトレジストの膜厚ムラを検査する装置であって、
ガラス基板を搬送する搬送手段と、
前記搬送されるガラス基板を照明する照明手段と、
前記照明されたガラス基板を撮像する手段と、
撮像された画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理された画像に基づいて、ガラス基板の着色画素部のフォトレジストの膜厚ムラを判定する判定処理手段と
着色画素部外の素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラを判定する判定処理手段と、を備えたことを特徴とするカラーフィルタ基板のムラ検査装置。
【請求項2】
前記ガラス基板の着色画素部のフォトレジストの膜厚ムラの判定処理手段は、検査対象のガラス基板の着色画素部内に検査エリアを設定し、該検査エリアの輝度値のデータを取得し、前記輝度値のデータの移動平均データを求め、前記輝度値のデータと移動平均データの差が予め設定した閾値を超えた場合には膜厚ムラと判定することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置。
【請求項3】
前記ガラス基板の着色画素部外の素ガラス部のフォトレジストの膜厚ムラの判定処理手段は、判定の基準とするリファレンス基板の素ガラス部の所定の領域における撮像画像の輝度値のデータの移動平均データを求め、
検査対象のガラス基板の素ガラス部の所定の領域における輝度値のデータを取得し、前記輝度値のデータの移動平均を求め、
前記リファレンス基板の移動平均データと、前記検査対象のガラス基板の移動平均データの差が予め設定した閾値を超えた場合には膜厚ムラと判定することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置。
【請求項4】
前記リファレンス基板は、検査対象のガラス基板がパターン形成処理される工程における1枚目のガラス基板とすることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置。
【請求項5】
前記リファレンス基板は、検査対象のガラス基板がパターン形成処理される工程における検査対象のガラス基板の直前に処理されたガラス基板とすることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ基板のムラ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−257262(P2011−257262A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131825(P2010−131825)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】