説明

カルシウムHMBおよび可溶性タンパク質を含む栄養エマルション

脂肪、炭水化物、タンパク質およびカルシウムHMBを含む栄養エマルションであって、可溶性タンパク質が全タンパク質の約50重量%〜100重量%を構成する、栄養エマルションを開示する。脂肪、炭水化物、タンパク質およびカルシウムHMBを含む栄養エマルションであって、可溶性タンパク質が全タンパク質の約50重量%〜100重量%を構成し、該エマルションが少なくとも約5:1〜約12:1の可溶性タンパク質:カルシウムHMBの重量比を有する、栄養エマルションも開示する。該栄養エマルションは、驚くほどに安定であり、苦い風味または後味を最低限度しか又は全く経時的に生成しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カルシウム ベータ−ヒドロキシ−ベータ−メチルブチラート(カルシウムHMB)および可溶性タンパク質を含む栄養エマルションに関する。
【背景技術】
【0002】
ベータ−ヒドロキシ−ベータ−メチルブチラート(HMB)は、種々の栄養製品およびサプリメントにしばしば配合される天然に存在するアミノ酸代謝産物である。HMBは、選択された個体における健康な筋肉の量および強度を形成または維持するのを補助するために、そのような製品において一般に使用される。
【0003】
HMBは、必須アミノ酸であるロイシンの代謝産物であり、タンパク質の代謝回転を調節しタンパク質分解を抑制することが示されている。ほとんどの個体において、筋肉は、利用可能なロイシンの約5%をHMBに変換して、70kgの男性では1日当たり約0.2〜0.4グラムのHMBを産生する。様々な種類のストレスが動物において誘発された研究において、HMBの補足は除脂肪体重を増加させた。また、臨床研究は、疾患または損傷からの回復においてHMBが少なくとも2つの機能(ストレス関連損傷からの除脂肪体重の保護およびタンパク質合成の増進を含む)を有することを示唆している。HMBは免疫機能の増強、アレルギーまたは喘息の発生率または重症度の軽減、総血清コレステロールおよび低密度リポタンパク質コレステロールの減少、筋肉の有酸素能力の増加ならびに他の用途にも有用でありうることが示唆されている。
【0004】
HMBは、健康な筋肉の量および強度の発達および維持を補助するために個体において最もよく使用されるため、多数のHMB製品は、同様に健康な筋肉の促進に有用でありうる追加的栄養素と共に配合されている。これらのHMB製品の幾つかは脂肪、炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどのような追加的栄養素を含有する。カルシウムHMBは、錠剤、カプセル剤、還元可能粉末ならびに栄養液およびエマルションを含む経口栄養製品に配合される場合のHMBの最も一般的に使用される形態である。栄養エマルションはこの点に関して特に有用である。なぜなら、そのようなエマルションは、健康な筋肉の維持を助けるのに有用な、脂肪、タンパク質、炭水化物、ビタミンおよびミネラルのバランスを含みうるからである。
【0005】
しかし、カルシウムHMBを含有する栄養エマルションがしばしば経時的に物理的に安定でないこと、そのようなエマルションが多数のタンパク質系で容易には安定にならないこと、ならびに特に包装され長期貯蔵された場合に、製剤化の途中または後で該エマルションにおいてタンパク質含有および/もしくは他の沈降物が生じることは見出されていない。
【0006】
カルシウムHMBを含有するこれらの栄養エマルションは、該エマルションが包装され少なくとも1〜3か月間の長期にわたって貯蔵された後、望ましくない苦い風味または後味を発生することも見出されている。
【0007】
したがって、貯蔵寿命中に物理的に安定なままであり、および/または苦い風味もしくは後味を経時的に発生しないカルシウムHMBを含む栄養エマルションが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
開示の概要
本開示の1つの実施形態は、脂肪、炭水化物、タンパク質およびカルシウムHMBを含む栄養エマルションであって、該タンパク質が約50重量%〜100重量%の可溶性タンパク質を含む、栄養エマルションに関する。該可溶性タンパク質は、好ましくは、カゼイン酸ナトリウム、ホエータンパク質濃縮物およびそれらの組合せから選択される。カゼイン酸ナトリウムが最も好ましい。
【0009】
本開示のもう1つの実施形態は、脂肪、炭水化物、タンパク質およびカルシウムHMBを含む栄養エマルションであって、該タンパク質が約50重量%〜100重量%の可溶性タンパク質を含み、該栄養エマルションが、約5:1〜約12:1の可溶性タンパク質:カルシウムHMBの重量比を有する、栄養エマルションに関する。
【0010】
本開示のもう1つの実施形態は、密閉容器およびその中に含有された栄養エマルションを含む包装(packaged)栄養組成物であって、該栄養エマルションが脂肪、炭水化物、タンパク質およびカルシウムHMBを含み、該タンパク質が約50重量%〜約100重量%の可溶性タンパク質を含み、該包装組成物が、該包装組成物の製剤化および包装の後で3〜24か月にわたって18℃〜24℃で貯蔵されている、包装栄養組成物に関する。
【0011】
栄養エマルションへのカルシウムHMBの添加は苦い風味または後味の発生を引き起こしうることが本発明において見出された。その苦い風味または後味は、典型的には、該製品が製造され、包装され、および少なくとも約1〜約3か月間貯蔵されて初めて生じるものである。実際、カルシウムHMBを含む栄養エマルションは、約1カ月以内(製剤化後約1〜約3か月を含む)に消費された場合には、しばしば、苦い風味または後味をほとんど又は全く引き起こさないが、驚くべきことに、そのような苦い風味または後味は該包装製品において経時的に生じることが本発明において見出された。
【0012】
また、カルシウムHMBを含む多数の栄養エマルションは物理的に不安定であり、しばしば、エマルション容器の底に過剰なタンパク質含有および/または他の沈降物の蓄積を引き起こして、栄養の利用可能性および該製品の有効貯蔵寿命を減少させる。
【0013】
また、これらの不安定性および/または風味の問題は、該栄養エマルション中の全タンパク質の約50重量%〜100重量%に相当する可溶性タンパク質を配合することにより(特に、該栄養エマルションが約5:1〜約12:1の該可溶性タンパク質:カルシウムHMBの重量比を含有する場合に)最小化または排除されうることが本発明において見出された。この点における個々の用途の可溶性タンパク質には、カゼイン酸ナトリウムおよび/またはホエータンパク質濃縮物、特にカゼイン酸ナトリウムが含まれる。
【0014】
開示の詳細な説明
本開示の栄養エマルションは、苦い風味もしくは後味の発生を抑制するための及び/又は貯蔵寿命にわたる製品安定性を改善するための少なくとも1つの成分、特徴または要素と、カルシウムHMBとを含む。該栄養エマルションの必須の特徴、ならびに多数の随意的変形および付加の幾つかを、以下に詳細に説明する。
【0015】
特に示されていない限り、本明細書中で用いる「カルシウムHMB」なる語は、ベータ−ヒドロキシ−ベータ−メチルブチラート(ベータ−ヒドロキシル−3−メチル酪酸、ベータ−ヒドロキシイソ吉草酸またはHMBとも称される)のカルシウム塩を意味し、これは最も典型的には一水和物形態で存在する。カルシウムHMBを特徴づけるために本明細書において用いられている全ての重量、比率および濃度は、特に示されていない限り、カルシウムHMB一水和物の重量に基づく。
【0016】
本明細書中で用いる「栄養エマルション」なる語は、特に示されていない限り、ヒトへの経口投与に適した、脂肪、タンパク質および炭水化物を含む液体エマルションを意味する。
【0017】
本明細書中で用いる「脂肪」および「油」なる語は、特に示されていない限り、植物または動物から誘導または加工された脂質物質を示すために互換的に用いられる。これらの用語は、合成脂質物質がヒトへの経口投与に適している限り、そのような合成脂質物質をも含む。
【0018】
本明細書中で用いる「貯蔵安定」なる語は、特に示されていない限り、包装され次いで18〜24℃で少なくとも3カ月間、例えば約6か月〜約24か月間、そしてまた、例えば約12か月〜約18か月間貯蔵された後で商業的に安定なままである栄養エマルションを意味する。
【0019】
本明細書中で用いる「pH安定」なる語は、特に示されていない限り、HMBの緩衝作用により、pHがpH減少に対して抵抗性である、または少なくとも、より抵抗性であることを意味する。
【0020】
本明細書中で用いる「プラスチック」なる語は、特に示されていない限り、米国食品医薬品局または他の適切な規制機関により承認されている食品等級のプラスチックを意味し、それらの非限定的な例には、塩化ポリビニル、ポリエチレンテレフタラート、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカルボナートなどが含まれる。
【0021】
本明細書中で用いる「無菌」、「滅菌化」および「滅菌」なる語は、特に示されていない限り、食品中または食品等級表面上の真菌、細菌、ウイルス、胞子形態などのような伝染性因子が、そのような食品をヒトによる消費に適したものにするのに必要な程度にまで減少していることを意味する。滅菌方法には、熱、過酸化物または他の化学物質、照射、高圧、濾過またはそれらの組合せ若しくは変形の適用を含む種々の技術が含まれうる。
【0022】
本明細書中で用いる全ての百分率、部および比は、特に示されていない限り、全組成物に対する重量に基づくものである。特に示されていない限り、挙げられている成分に関する全てのそのような重量は活性レベルに基づくものであり、したがって、商業的に入手可能な物質に含まれうる溶媒または副産物を含まない。
【0023】
本開示の単数の特徴または限定に対する全ての言及は、特に示されていない限り、あるいは該言及が行われている文脈に明らかに矛盾しない限り、対応する複数の特徴または限定を含むものとし、その逆も成立するものとする。
【0024】
本明細書中で用いる方法またはプロセス工程の全ての組合せは、特に示されていない限り、あるいはその言及されている組合せが示されている文脈に明らかに矛盾しない限り、任意の順序で行われうる。
【0025】
本開示の栄養エマルションの種々の実施形態はまた、本明細書に記載されているいずれかの随意的な又は選択される必須の成分または特徴を実質的に含有しないことが可能である。ただし、残りの栄養エマルションは、本明細書に記載されている要求される成分または特徴の全てを尚も含有する必要がある。この場合、特に示されていない限り、「実質的に含有しない」なる語は、選択された栄養エマルションが、機能的量未満の随意的成分、典型的には、約0.5重量%未満、例えば約0.1重量%未満、そしてまた、例えば0重量%のそのような随意的な又は選択される必須の成分を含有することを意味する。
【0026】
本開示の栄養エマルションおよび対応製造方法は、本明細書に記載されている本開示の必須要素、および本明細書に記載されている又は栄養エマルション製剤の用途に有用ないずれかの追加的または随意的要素を含み、それらからなり、またはそれらから実質的になることが可能である。
【0027】
製品形態
本開示の栄養エマルションは、脂肪、タンパク質および炭水化物を含む水性エマルションである。これらのエマルションは約1〜約25℃で流動可能な又は飲料用の液体であり、典型的には、水中油型、油中水型または複合水性エマルションの形態であるが、そのようなエマルションは、最も典型的には、連続的水相および不連続的油相を有する水中油型エマルションの形態である。
【0028】
該栄養エマルションは貯蔵安定であることが可能であり、典型的には貯蔵安定である。該栄養エマルションは、典型的には、該栄養エマルションの重量の約95%までの水、例えば約50%〜約95%、そしてまた、例えば約60%〜約90%、そしてまた、例えば約70%〜約85%の水を含有する。
【0029】
該栄養エマルションは、唯一の、主要な若しくは補助的な栄養源を提供するための又は特別な疾患もしくは状態に罹患した個体で使用する特製栄養エマルションを提供するための十分な種類および量の栄養素と共に製剤化されうる。したがって、これらの栄養エマルションは種々の産物密度を有しうるが、典型的には、約1.055g/mLを超える、例えば1.06g/ml〜1.12g/ml、そしてまた、例えば約1.085g/ml〜約1.10g/mlの産物密度を有しうる。
【0030】
該栄養エマルションは、最終的な使用者の栄養要求性に適合化されたカロリー密度を有しうるが、ほとんどの場合、該エマルションは、約100〜約500kcal/240ml、例えば約150〜約350kcal/240ml、そしてまた、例えば約200〜約320kcal/240mlを含む。これらの栄養エマルションはまた、後記のとおりのカルシウムHMBを含み、その量は、最も典型的には、約0.4〜約3.0/240mlの範囲、例えば約0.75〜約2.0/240mlの範囲、例えば約1.5g/240mlである。
【0031】
該栄養エマルションは約3.5〜約8の範囲のpHを有しうるが、最も有利には、約4.5〜約7.5、例えば約5.5〜約7.3、例えば約6.2〜約7.2の範囲のpHを有する。
【0032】
該栄養エマルションの供与量(serving size)は幾つかの変数に応じて変動しうるが、典型的な供与量は約100〜約300ml、例えば約150〜約250ml、例えば約190ml〜約240mlの範囲である。
【0033】
多量栄養素
該栄養エマルションは脂肪、タンパク質および炭水化物を含む。一般に、公知である又は栄養製品における使用に適している、脂肪、タンパク質および炭水化物のあらゆる起源が、本発明における使用にも好適でありうる。ただし、そのような多量栄養素は、本明細書中に定められている該栄養エマルションの必須元素(必須要素)に適合性でなければならない。
【0034】
該脂肪、タンパク質および炭水化物の全濃度または量は、意図される使用者の栄養要求性に応じて変動しうるが、本明細書に記載されているいずれかの他の必須脂肪、タンパク質および/または炭水化物成分を含めて、そのような濃度または量は、最も典型的には、以下の例示範囲の1つに含まれる。
【0035】
炭水化物濃度は、最も典型的には、該栄養エマルションの重量の約5%〜約40%、例えば約7%〜約30%、例えば約10%〜約25%の範囲であり、脂肪濃度は、最も典型的には、該栄養エマルションの重量の約1%〜約30%、例えば約2%〜約15%、そしてまた、例えば約4%〜約10%の範囲であり、タンパク質濃度は、最も典型的には、該栄養エマルションの約0.5%〜約30%、例えば約1%〜約15%、そしてまた、例えば約2%〜約10%の範囲である。
【0036】
該栄養エマルション中の炭水化物、脂肪および/またはタンパク質のレベルまたは量は、付加的または代替的に、以下の表に記載されているとおり、該栄養組成物における総カロリーに対する百分率として特徴づけられうる。
【0037】
【表1】

【0038】
本明細書に記載されている栄養エマルションに使用される適切な脂肪またはその起源の非限定的な例には、ヤシ油、分別化ヤシ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、サフラワー油、高オレイン酸サフラワー油、MCT油(中鎖トリグリセリド)、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、パーム油およびパーム核油、パームオレイン、キャノーラ油、海産油、綿実油およびそれらの組合せが含まれる。
【0039】
本明細書に記載されている栄養エマルションに使用される適切な炭水化物またはその起源の非限定的な例には、マルトデキストリン、加水分解または修飾デンプンまたはコーンスターチ、グルコース重合体、コーンシロップ、コーンシロップ固体、コメ由来炭水化物、グルコース、フルクトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ、蜂蜜、糖アルコール(例えば、マルチトール、エリトリトール、ソルビトール)およびそれらの組合せが含まれうる。
【0040】
本明細書に記載されている栄養エマルションに使用される適切なタンパク質またはその起源の非限定的な例には、加水分解、部分加水分解または非加水分解タンパク質またはタンパク質源が含まれ、これらは、いずれかの公知の又は適切な起源、例えば乳(例えば、カゼイン、ホエー)、動物(例えば、肉、魚)、穀類(例えば、コメ、トウモロコシ)、野菜(例えば、ダイズ)またはそれらの組合せから誘導されうる。そのようなタンパク質の非限定的な例には、乳タンパク質単離物、乳タンパク質濃縮物(本明細書に記載されているもの)、カゼインタンパク質単離物、ホエータンパク質、カゼイン酸ナトリウムまたはカルシウム、完全牛乳、部分的または完全脱脂乳、ダイズタンパク質単離物、ダイズタンパク質濃縮物などが含まれる。
【0041】
カルシウムHMB
該栄養エマルションはカルシウムHMBを含み、これは、該エマルションが、カルシウムHMB(最も典型的には一水和物として)の添加により製剤化される、または最終製品中にカルシウムとHMBとを含有するように製造されることを意味する。該最終製品がカルシウムとHMBとを含有する限り、HMBの任意の起源が本発明における使用に適しているが、そのような起源は、好ましくは、カルシウムHMBであり、最も典型的には、そのようなものとして、製剤化中に該栄養エマルションに加えられる。
【0042】
本明細書中で用いる「添加(加えられた)カルシウムHMB」なる語は、該栄養エマルションに添加されたHMB源としての、HMBのカルシウム塩、最も典型的には、HMBの一水和物カルシウム塩を意味する。
【0043】
カルシウムHMB一水和物が、本発明で使用される好ましいHMB源であるが、他の適切な起源には、遊離酸、塩、無水塩、エステル、ラクトンとしてのHMB、または該栄養エマルションからのHMBの生物利用可能形態を別様態で与える他の産物形態としてのHMBが含まれうる。本発明で使用される適切なHMB塩の非限定的な例には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、クロム、カルシウムまたは他の無毒性塩形態のHMB塩水和物または無水物が含まれる。カルシウムHMB一水和物が好ましく、Technical Sourcing International(TSI)(Salt Lake City,Utah)から商業的に入手可能である。
【0044】
該栄養エマルション中のカルシウムHMBの濃度は、該栄養エマルションの重量の約10%まで、例えば約0.1%〜約8%、そしてまた、例えば約0.2%〜約5.0%、そしてまた、例えば約0.3%〜約3%、そしてまた、例えば約0.4%〜約1.5%の範囲でありうる。
【0045】
可溶性タンパク質
本開示の栄養エマルションは、製品安定性を改善し貯蔵寿命中の苦い風味および後味の発生を最小にするための、選択された量または比率の可溶性タンパク質を含みうる。
【0046】
該可溶性タンパク質は、該栄養エマルション中の全タンパク質の重量の約50%〜100%、例えば55%〜100%、例えば約60%〜約100%、例えば約60%〜約85%、例えば約60%〜約80%、そしてまた、例えば約65%〜約75%に相当しうる。可溶性タンパク質の濃度は、該栄養エマルションの重量の少なくとも約0.5%、例えば約1%〜約26%、そしてまた、例えば約2%〜約15%、また、例えば約3%〜約10%、そしてまた、例えば約4%〜約8%の範囲でありうる。
【0047】
該栄養エマルション中に含まれる可溶性タンパク質の量は可溶性タンパク質:カルシウムHMBの重量比としても特徴づけられることが可能であり、ここで、該栄養エマルションは、少なくとも約3.0、例えば約4.0〜約12.0、また、例えば6.1〜約12、また、例えば約7.0〜約11.0、そしてまた、例えば約8.0〜約10.0の、可溶性タンパク質:カルシウムHMBの重量比を含む。
【0048】
本明細書中で用いる「可溶性タンパク質」なる語は、特に示されていない限り、以下の工程を含むタンパク質溶解度測定試験(Protein Solubility Measurement Test)により測定された場合に少なくとも約90%の溶解度を有するタンパク質を意味する:(1)該タンパク質を2.00%(w/w)で水に懸濁させ、(2)20℃で1時間激しく撹拌して懸濁液を形成させ、(3)該懸濁液のアリコートを取り出し、全タンパク質としてのタンパク質濃度を決定し、(4)該懸濁液を31,000×gおよび20℃で1時間遠心分離し、(5)上清中のタンパク質濃度(可溶性タンパク質)を決定し、(6)全タンパク質に対する比率として該可溶性タンパク質を表す。
【0049】
あらゆる可溶性タンパク質源が、本明細書中に定められている溶解度要件をそれを満たしている限り、本発明における使用に適している。それらの幾つかの非限定的な例には、カゼイン酸ナトリウム(タンパク質溶解度測定試験により測定された場合に>95%の溶解度)、ホエータンパク質濃縮物(タンパク質溶解度測定試験により測定された場合に>90%の溶解度)およびそれらの組合せが含まれる。非可溶性タンパク質も、勿論、該栄養エマルション中に含まれうる。ただし、残りの可溶性タンパク質成分は、本明細書に記載されている要件に合致して表される必要がある。
【0050】
本発明における使用に適した可溶性タンパク質は該タンパク質中のホスホセリンの含量によっても特徴づけられることが可能であり、ここで、この場合の可溶性タンパク質は、タンパク質1キログラム当たり少なくとも約100mmol、例えば約150〜400mmol、例えば約200〜約350mmol、そしてまた、例えば約250〜約350mmolのホスホセリンを有するタンパク質と定義される。
【0051】
可溶性タンパク質がホスホセリン含量に関して定義されている場合、可溶性タンパク質(定義されたホスホセリン含量を有するもの):カルシウムHMBの重量比は少なくとも約3:1、例えば少なくとも約5:1、そしてまた、例えば少なくとも約7:1、そしてまた、例えば約9:1〜約30:1でありうることが判明している。この場合、ホスホセリンの必要含量を有するタンパク質は、最も典型的には、1価カゼイン酸塩、例えばカゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウムおよびそれらの組合せの形態である。
【0052】
1つの実施形態においては、可溶性タンパク質は、少なくとも約0.2、例えば約0.2〜約2.0、そしてまた、例えば約0.25〜1.7の、1価カゼイナートホスホセリン:カルシウムHMB一水和物のモル比によっても特徴づけられうる。
【0053】
しかし、任意のホスホセリン含有タンパク質が本発明における使用に適していると理解されるべきである。ただし、それは、要求されるホスホセリン含量を有すること、および該比の計算に用いたホスホセリンがカルシウムまたはマグネシウムのような多価カチオンに結合、複合体化または付着していないことが必要とされる。
【0054】
また、該組成物の可溶性タンパク質画分が、ホスホセリンを含有する及び/又は含有しない可溶性タンパク質を含みうるように、可溶性タンパク質に関して本明細書に記載されている代替的定義は、ホスホセリン含量をほとんど又は全く有さないタンパク質を含みうることが注目されるべきである。したがって、本発明で使用される可溶性タンパク質は、単独で又は組合せて用いられる可溶性タンパク質の特徴づけのいずれかの1以上により定義されうる。
【0055】
したがって、該タンパク質中のホスホセリン部分は、カルシウムHMBから遊離したカルシウムとの結合に利用可能でありうる。したがって、可溶性タンパク質:カルシウムHMBの前記比は、結合していない又は付着していない又は製剤化中にカルシウムHMBからの可溶性カルシウムへの結合に利用可能なホスホセリン部分を含有するタンパク質の比である。例えば、カゼイン酸カルシウムとカゼイン酸ナトリウムとの混合物が該組成物において使用されるが、カルシウムHMBに対する、ホスホセリン含量により定義されるタンパク質の比は、カゼイン酸ナトリウムからのタンパク質画分および更にはカルシウムに結合していないカゼイン酸カルシウム画分からのいずれかのタンパク質に基づいて計算される。
【0056】
可溶性カルシウム結合能
該栄養エマルションは、製品安定性を改善し苦い風味および後味の経時的発生を最小にするために、該エマルション中の全可溶性カルシウムに対する可溶性カルシウム結合能(SCBC)の、選択された重量比を含みうる。
【0057】
該栄養エマルションの全可溶性カルシウムに対する可溶性カルシウム結合能(本明細書中に定義されている)の比は、少なくとも約2.3、例えば約2.3〜約12.0、また、例えば約3.0〜約8.0、そしてまた、例えば約4.0〜約6.5の重量比であり、ここで、該比は以下の式により決定される。
比=SCBC/[可溶性カルシウム]
SCBC=(0.32×[可溶性シトラート]+0.63[可溶性ホスファート]+0.013×[可溶性タンパク質])
【0058】
全可溶性カルシウムの濃度に対するSCBCの重量比は、製品安定性を改善し苦い風味および後味の経時的発生を軽減にするために、該栄養エマルション中の未結合カルシウムの濃度を最小にするように又は該栄養エマルション中のHMBに対するそのような未結合カルシウムの重量比を最小にするように調節されうる。
【0059】
本開示の栄養エマルションは、意図される個体における健康な筋肉の発達または維持における使用に適した該栄養エマルション中の望ましい成分として、カルシウムを含む。該カルシウムの一部または全部は、本明細書に記載されているカルシウムHMBの添加により提供されうる。しかし、いずれかの他のカルシウム源も、そのような他の源が該栄養エマルションの必須要素(必須元素)に適合性である限り、使用可能である。
【0060】
該栄養エマルション中のカルシウムの濃度は典型的には約10mg/Lを超え、また、約25mg/L〜約3000mg/L、また、例えば約50mg/L〜約500mg/L、そしてまた、例えば約100mg/L〜約300mg/Lの濃度を含みうる。
【0061】
該栄養エマルションにおける味および安定性の問題を最小にするために、カルシウムは、該カルシウムが該エマルション中で可溶化される度合を最小にするように配合される。したがって、該栄養エマルションにおける可溶化カルシウム濃度は約900mg/L未満、例えば約700mg/L未満、また、例えば約500mg/L〜約700mg/L、そしてまた、例えば約400mg/L〜約600mg/Lでありうる。この場合、「可溶化カルシウム」なる語は、20℃で測定された場合の該栄養エマルションにおける遊離、イオン化または上清カルシウムを意味する。
【0062】
該栄養エマルション中のカルシウムは、5.0以下、例えば4.0以下、また、例えば3.0以下、そしてまた、約0.8〜約3.0の、可溶化シトラート:可溶化カルシウムの比(当量に基づく)によっても特徴づけられうる。この場合、「可溶化シトラート」および「可溶化カルシウム」なる語は、20℃で測定された場合に該栄養エマルションの上清中に存在する、それぞれ、シトラートおよびカルシウムカチオンの当量を意味する。
【0063】
該栄養エマルションのカルシウム成分は、900mg/L、例えば700mg/L未満、そしてまた、例えば600mg/L未満、そしてまた、例えば400mg/L〜700mg/L(該栄養エマルションの1リットル当たり)に相当する可溶化カルシウムレベルによっても特徴づけられうる。この場合、カルシウムHMB:可溶化カルシウムの重量比は、約6〜約15、例えば約6〜約12、また、例えば約6〜約10、そしてまた、例えば約6〜約8の範囲である。
【0064】
ビタミンD
本開示の栄養エマルションは更に、意図される使用者における健康な筋肉の維持を助けるためにビタミンDを含みうる。ビタミンD形態には、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)およびビタミンD3(コレカルシフェロール)、または栄養製品における使用に適した他の形態が含まれる。
【0065】
該栄養エマルション中のビタミンDの量は、最も典型的には、該栄養エマルションの供与当たり約1000 IUまで、より典型的には約10〜約600 IU、より典型的には約50〜400 IUの範囲である。
【0066】
随意的成分
本明細書に記載されている栄養エマルションは更に、物理的、化学的、快楽的もしくは加工上の特性を改変しうる、または意図される集団において使用された場合に医薬もしくは追加的栄養成分として役立ちうる他の随意的成分を含みうる。多数のそのような随意的成分が公知であり、あるいは他の栄養産物における使用に適しており、本明細書に記載されている栄養エマルションにおいても使用されうる。ただし、そのような随意的成分は経口投与の場合に安全かつ有効であり、選択される製品形態における必須成分および他の成分に適合性でなければならない。
【0067】
そのような随意的成分の非限定的な例には、保存剤、抗酸化剤、乳化剤、緩衝剤、医薬活性物質、追加的栄養素(本明細書に記載されているもの)、着色剤、香味剤、増粘剤および安定剤などが含まれる。
【0068】
該栄養エマルションは更に、ビタミンまたは関連栄養素を含むことが可能であり、その非限定的な例には、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、カロテノイド、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、イノシトール、それらの塩および誘導体ならびにそれらの組合せが含まれうる。
【0069】
該栄養エマルションは更に、ミネラルを含むことが可能であり、その非限定的な例には、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ナトリウム、カリウム、モリブデン、クロム、セレン、クロリドおよびそれらの組合せが含まれうる。
【0070】
該栄養エマルションはまた、該エマルションにおけるいずれかの残留する苦い風味および後味の経時的発生を軽減または低減する1以上の矯味剤を含みうる。適切な矯味剤には、天然および人工甘味料、ナトリウム源、例えば塩化ナトリウム、および親水コロイド、例えばグアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ゲランガムおよびそれらの組合せが含まれる。該栄養エマルション中の矯味剤の量は、選択された個々の矯味剤、該製剤中の他の成分および他の製剤化または製品対象変数によって異なりうる。しかし、そのような量は、最も典型的には、該栄養エマルションの重量の少なくとも約0.1%、例えば約0.15%〜約3.0%、そしてまた、例えば約0.18%〜約2.5の範囲である。
【0071】
製造方法
本発明において使用される栄養エマルションは、栄養エマルション、例えば乳系栄養エマルションを製造するためのいずれかの公知の又は適した方法により製造されうる。
【0072】
1つの適切な製造方法においては、脂肪中タンパク質(PIF)スラリー、炭水化物−ミネラル(CHO−MIN)スラリーおよび水中タンパク質(PIW)スラリーを含む少なくとも3つの別々のスラリーを調製する。PIFスラリーは、選択された油(例えば、キャノーラ油、トウモロコシ油など)を加熱し、混合し、ついで乳化剤(例えば、レシチン)、脂溶性ビタミンおよび全タンパク質の一部(例えば、乳タンパク質濃縮物など)を連続的な加熱および撹拌下で加えることにより形成される。CHO−MINスラリーは、微量および超微量ミネラル(TM/UTM予混物)、増粘または懸濁化剤(例えば、Avicel、ゲラン、カラギーナン)およびカルシウムHMBまたは他のHMB源を水:ミネラル(例えば、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、クエン酸ナトリウムなど)に加熱撹拌下で加えることにより形成される。生じたCHO−MINスラリーを連続的な加熱および撹拌下で10分間維持した後、追加的ミネラル(例えば、塩化カリウム、炭酸マグネシウム、ヨウ化カリウムなど)、炭水化物(例えば、フルコトオリゴ糖、スクロース、コーンシロップなど)を加える。そしてPIWスラリーは、残りのタンパク質(例えば、カゼイン酸ナトリウム、ダイズタンパク質濃縮物など)を、加熱および撹拌下で水中に混合することにより形成される。
【0073】
ついで、得られたスラリーを加熱撹拌下で混合し、pHを所望の範囲、典型的には6.6〜7.0に調節し、ついで該組成物を高温短時間(HTST)加工に付し、その間に該組成物を加熱処理し、乳化し、均一化し、ついで冷却する。水溶性ビタミンおよびアスコルビン酸を加え、必要に応じて、pHを再び所望の範囲に調節し、香味剤を加え、水を加えて所望の全固体レベルを得る。ついで該組成物を無菌包装して無菌包装栄養エマルションを得、あるいは該組成物をレトルト安定容器に加え、ついでレトルト滅菌に付してレトルト滅菌化栄養エマルションを得る。
【0074】
該栄養エマルションの製造方法は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている方法以外の方法によっても行われうる。したがって、本実施形態は全ての点において例示的であり限定的ではなく、全ての変更および均等物も本開示の記載に含まれるとみなされるべきである。
【0075】
使用方法
本明細書に記載されている栄養エマルションは、補助的な、主要な若しくは唯一の栄養源を提供するのに、および/または本明細書に記載されている1以上の利益を個体に提供するのに有用である。そのような方法により、該エマルションは、所望のレベルの栄養を提供するために必要に応じて、最も典型的には、1または2またはそれ以上の分割量で、1日1回または2回の供与(serving)の形態で、経口投与されうる。例えば、供与量は、典型的には、約100〜約300ml、例えば約150〜約250ml、例えば約190ml〜約240mlの範囲であり、ここで、各供与は、供与当たりに約0.4〜約3.0g、例えば約0.75〜約2.0g、例えば約1.5gのカルシウムHMBを含有する。
【0076】
そのような方法は更に、そのような製品の投与に際して、最も典型的には、約1〜約6か月間、例えば約1〜約3か月間の長期間にわたる毎日の使用の後で、1)除脂肪体重の維持を補助すること、2)強度および/または筋肉の強度を補助すること、3)タンパク質分解および筋細胞の損傷を低下させること、ならびに4)運動または他の外傷の後の筋肉の回復を助けること、ならびに5)運動後の筋タンパク質分解を低下させることの1以上を個体にもたらすように仕向けられる。
【0077】
そのような方法はまた、1)筋肉減少症(sarcopenia)を有する高齢者における除脂肪体重を維持し支持すること、2)個体、特に高齢者における活動的で自立的なライフスタイルを支えるための栄養を提供すること、3)筋強度の回復を補助すること、4)筋肉を再構築し強度を回復させるのを助けること、および5)強度、例えば筋強度および可動性を改善することの1以上を達成するのに有用である。
【0078】
データ
以下に示す栄養エマルションA、BおよびCを製剤化し、無菌包装し、風味に関して評価する。該栄養エマルションは組成において類似しており、類似方法により製造される。各サンプルは、脂肪、タンパク質、炭水化物、ビタミンおよびミネラルを含む水中油型エマルションであり、各240mlのエマルション当たり1.5gのカルシウムHMBを含む。しかし、該サンプルは、それぞれが全タンパク質の重量に対する異なる比率の可溶性タンパク質を含有する点で異なっている。該サンプルを、標準的な感覚的方法(5点の評価尺度)を用いて、製剤化および包装の6か月後に評価する。その結果を以下に要約する。
【0079】
【表2】

【0080】
該データは、可溶性タンパク質画分(例えば、カゼイン酸Na)と苦み及び石鹸様感覚的特性の経時的発生との間の驚くべき相関性を示している。該データはまた、驚くべきことに、そのような望ましくない感覚的特性の発生が、全タンパク質の大部分を可溶性タンパク質として製剤化することにより最小化または軽減されうることを示唆している。
【実施例】
【0081】
以下の実施例は本開示の栄養エマルションの特定の実施形態および/または特徴を例示するものである。該実施例は専ら例示目的で記載されており、本開示を限定するものと解釈されるべきではなく、該開示の精神および範囲から逸脱することなくその多数の変更が可能である。全ての例示されている量は、特に示されていない限り、該組成物の総重量に対する重量比率である。
【0082】
例示されている組成物は、本明細書に記載されている製造方法により製造された貯蔵安定栄養エマルションであり、それぞれの例示されている組成物は、特に示されていない限り、無菌加工実施形態およびレトルト包装実施形態を含む。これらの組成物は、240mlプラスチック容器内に包装(パッケージ)された水性水中油型エマルションであり、1〜25℃の範囲の貯蔵温度で、製剤化/包装後12〜18か月間、物理的に安定なままである。同様に、該包装エマルションは経時的にpHにおいて安定なままであり、貯蔵中に過剰に苦い風味または後味を発生しない。
【0083】
[実施例1〜4]
実施例1〜4は本開示の栄養エマルションを例示し、その成分を以下の表に示す。特に示されていない限り、全ての成分量は1000キログラムの製品バッチ当たりのキログラムとして示されている。
【0084】
【表3】

【0085】
[実施例5〜8]
実施例5〜8は本開示の栄養エマルションを例示し、その成分を以下の表に示す。特に示されていない限り、全ての成分量は1000キログラムの製品バッチ当たりのキログラムとして示されている。
【0086】
【表4】

【0087】
[実施例9〜12]
実施例9〜12は本開示の栄養エマルションを例示し、その成分を以下の表に示す。特に示されていない限り、全ての成分量は1000キログラムの製品バッチ当たりのキログラムとして示されている。
【0088】
【表5】

【0089】
[実施例13〜16]
実施例13〜16は本開示の栄養エマルションを例示し、その成分を以下の表に示す。特に示されていない限り、全ての成分量は1000キログラムの製品バッチ当たりのキログラムとして示されている。
【0090】
【表6】

【0091】
[実施例17〜20]
実施例17〜20は本開示の栄養エマルションを例示し、その成分を以下の表に示す。特に示されていない限り、全ての成分量は1000キログラムの製品バッチ当たりのキログラムとして示されている。
【0092】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪、炭水化物、タンパク質およびカルシウムHMBを含む栄養エマルションであって、可溶性タンパク質が該エマルション中の全タンパク質の約50重量%〜100重量%に相当する、栄養エマルション。
【請求項2】
該可溶性タンパク質が約55重量%〜100重量%の可溶性タンパク質に相当し、ホスホセリン含有タンパク質1キログラム当たり少なくとも約100mmolのホスホセリンを有するホスホセリン含有タンパク質を含む、請求項1記載の栄養エマルション。
【請求項3】
該可溶性タンパク質が約60重量%〜85重量%の可溶性タンパク質に相当する、請求項2記載の栄養エマルション。
【請求項4】
該可溶性タンパク質が、カゼイン酸ナトリウム、ホエータンパク質濃縮物およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質を含む、請求項1記載の栄養エマルション。
【請求項5】
該エマルションが約0.3重量%〜約1.5重量%のカルシウムHMBを含む、請求項1記載の栄養エマルション。
【請求項6】
該エマルションが密閉容器内に包装されており、18℃〜24℃の温度で少なくとも約3カ月間、貯蔵安定である、請求項1記載の栄養エマルション。
【請求項7】
脂肪、炭水化物、タンパク質およびカルシウムHMBを含む栄養エマルションであって、可溶性タンパク質が全タンパク質の約50重量%〜100重量%を構成し、該エマルションが少なくとも約5.0の可溶性タンパク質:カルシウムHMBの重量比を有する、栄養エマルション。
【請求項8】
該可溶性タンパク質が約55重量%〜100重量%の可溶性タンパク質に相当し、ホスホセリン含有タンパク質1キログラム当たり少なくとも約100mmolのホスホセリンを有するホスホセリン含有タンパク質を含む、請求項7記載の栄養エマルション。
【請求項9】
該可溶性タンパク質が約60重量%〜85重量%の可溶性タンパク質に相当する、請求項7記載の栄養エマルション。
【請求項10】
該可溶性タンパク質が、カゼイン酸ナトリウム、ホエータンパク質濃縮物およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質を含む、請求項7記載の栄養エマルション。
【請求項11】
該可溶性タンパク質がカゼイン酸ナトリウムを含む、請求項7記載の栄養エマルション。
【請求項12】
可溶性タンパク質の濃度が該栄養エマルションの約1重量%〜約26重量%である、請求項7記載の栄養エマルション。
【請求項13】
該エマルションが約0.3重量%〜約1.5重量%のカルシウムHMBを含む、請求項7記載の栄養エマルション。
【請求項14】
可溶性タンパク質:カルシウムHMBの重量比が約7:1〜約10:1である、請求項7記載の栄養エマルション。
【請求項15】
該エマルションが密閉容器内に包装されており、18℃〜24℃の温度で少なくとも約3カ月間、貯蔵安定である、請求項7記載の栄養エマルション。

【公表番号】特表2013−517804(P2013−517804A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551322(P2012−551322)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/022928
【国際公開番号】WO2011/094544
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】