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カルシポトリオール一水和物ナノクリスタル
説明

カルシポトリオール一水和物ナノクリスタル

ここに開示される方法により製造されるカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルは、皮膚疾患および状態の予防または処置用医薬組成物に包含させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物および皮膚疾患および状態の予防または治療における使用が意図される医薬組成物での該ナノクリスタルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
乾癬は、過角化症に起因する紅斑状の乾燥した鱗屑斑として顕在化する慢性の炎症性の皮膚疾患である。鱗屑斑は肘、膝および頭皮に多発するが、より広範囲な病変は他の身体の他の部位、特に腰仙部に現われ得る。軽度から中程度の乾癬の最も一般的な治療は、活性成分としてコルチコステロイドを含む組成物の局所適用を含む。有効ではあるが、コルチコステロイドには皮膚萎縮、皮膚線条、ざ瘡様発疹、口囲皮膚炎、皮膚真菌および細菌の過成長、有色皮膚の色素脱落および酒さのような多くの副作用による不利益がある。
【0003】
しかしながら、長年、乾癬の有利な非ステロイド性処置には、カルシポトリオールが溶液として含まれる軟膏組成物(LEO PharmaのDaivonex(登録商標)またはドボネックス(登録商標)軟膏として販売)またはカルシポトリオールが懸濁液として含まれるクリーム組成物(LEO PharmaのDaivonex(登録商標)またはドボネックス(登録商標)クリームとして販売)として製剤されたビタミンD類似体化合物であるカルシポトリオールでの局所処置がある。軟膏組成物の溶媒は、皮膚への活性成分の浸透性を高め、効果の増強をもたらすとの利点を有するが、また皮膚刺激物としても作用することが知られているプロピレングリコールである。それ故に、局所製剤において、プロピレングリコールの含有が頻繁に患者に接触性皮膚炎を起こし(12.5%のプロピレングリコールに対する多くの刺激応答を発表する一つの研究、M. Hannuksela et al., Contact Dermatitis 1, 1975, pp. 112-116参照)、プロピレングリコールを高濃度で使用すると刺激反応物の数が増加する(J. Catanzaro and J. Graham Smith, J. Am. Acad. Dermatol. 24, 1991, pp. 90-95によりレビュー)ことが報告されている。とりわけプロピレングリコールの存在により生じる皮膚へのカルシポトリオールの増加された浸透のために、Daivonex(登録商標)軟膏は、Daivonex(登録商標)クリームよりも乾癬病変の処置に有効であるが、また相当な割合の乾癬患者に皮膚刺激をもたらすことが判明している。
【発明の概要】
【0004】
発明の要約
ヒトの皮膚、特に外層である角質層は、微生物の病原体および有毒化学物質の浸透に対する有効なバリアを提供する。皮膚のこの特性は一般に有益であるが、皮膚疾患を有する患者の皮膚上で適用された、大部分ではないにしても、相当量の活性成分が、活性を発揮する皮膚の生存層に浸透し得ない点で、医薬の経皮投与を複雑にする。真皮および表皮への活性成分の適切な浸透を保証するために、典型的にアルコール、例えばエタノールまたはジオール、例えばプロピレングリコールの形の溶媒存在下に、溶解された状態で活性成分を含むことが一般的には好ましい。プロピレングリコールはよく知られた浸透促進剤、すなわち、角質層に浸透することができ、媒体中の治療活性成分である低分子成分を表皮中へ「引き込む」物質である。プロピレングリコールは、それ自体が顕著な皮膚刺激を起す可能性があり、媒体中の低分子で刺激物である可能性のある成分を表皮に「引き込む」ことができ、プロピレングリコールを含めて慣用の媒体の全体的刺激作用を誘発する。このため、炎症性皮膚疾患を処置しようとする組成物中に溶媒として含まれるプロピレングリコールが、炎症反応を悪化させることがある。
【0005】
本発明に至る研究において、Daivonex(登録商標)軟膏に匹敵する皮膚浸透性および生物学的活性を有する一方で、溶媒としてプロピレングリコールを含まず、活性成分としてカルシポトリオールを含む局所組成物を提供することが目的であった。
【0006】
驚くべきことに、化学的に安定である(すなわち24−エピカルシポトリオールまたは他の分解生成物に分解しない)ナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物を製造することが、予想外なことにナノサイジング工程における高応力、衝撃力または高温によって実質的な量の非晶形カルシポトリオールが形成されないために、可能であることが判明した。さらにまた、ナノクリスタル懸濁液の製造後に、凝集、結晶成長または結晶形態の変化(多形)が起らないために、ナノクリスタルは物理的に安定である。ナノクリスタルは局所用クリームおよび軟膏組成物に容易に製剤可能であり、カルシポトリオール(一水和物)がDaivonex(登録商標)軟膏によるカルシポトリオールの浸透と同等の量で皮膚生存層(すなわち真皮および表皮)に浸透し、浸透促進剤、例えば皮膚刺激剤であるプロピレングリコールの使用に依存することなく、同等もしくはそれ以上の生物学的活性(標的遺伝子のインビトロ活性化により測定)をもたらす。
【0007】
したがって、一つの態様では、本発明は動的光散乱で測定して200〜600nmの範囲の粒径分布のナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物の懸濁液に関し、該懸濁液は、さらに、カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの凝集体の形成および/または結晶成長を阻止するのに十分な量の非イオン性重合体界面活性剤を含む水相を含む。
【0008】
別の態様においては、本発明は動的光散乱で測定して200〜600nmの範囲の粒径分布のナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物に関し、該ナノクリスタルは、
(a)結晶性カルシポトリオール一水和物を非イオン性重合体界面活性剤を水相の約1重量%〜約5重量%の範囲の量で含む水相中で微細化し(diminuting)、約5〜20μmの範囲の粒径分布を有し、約10μmの平均粒径を有する微小粒子を形成させ;
(b)カルシポトリオール一水和物結晶の約15〜40%が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な時間、約300〜800barの圧力で工程(a)の懸濁液を高圧均質化の第1のサイクルに付し;
(c)カルシポトリオール一水和物結晶の約40〜80%が200〜600nmの範囲の粒径分布とするのに十分な期間、約800〜1200barの圧力で工程(b)の懸濁液を高圧均質化の第2サイクルに付し;
(d)カルシポトリオール一水和物結晶の約90%以上が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な期間、約1200〜1700barの圧力で工程(c)の懸濁液を高圧均質化の第3のサイクルに付し;そして
(e)場合により得られたカルシポトリオール一水和物のナノクリスタルを水相から分離する
工程を含む方法により製造することができる。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、上記のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルおよび薬理学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0010】
なお、さらなる態様において、本発明は、皮膚疾患または状態、例えば乾癬、脂漏性乾癬、手掌足底膿疱症、皮膚炎、魚鱗癬、酒さまたはざ瘡の処理のためのカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルまたはナノ懸濁液を含む組成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の方法により製造されるカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの動的光散乱で測定した粒径分布を示すグラフである。
【図2】図2aは、2%のポロキサマー188中のカルシポトリオール一水和物ナノ懸濁液のラマンスペクトルとナノサイジングに付していないカルシポトリオール一水和物のラマンスペクトルを比較するグラフである。本図は本発明によるナノサイジング工程がカルシポトリオール一水和物の結晶形に如何なる変化も起さないことを示す。図2bおよび2cは、本発明の方法により製造されるカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの2つのバッチの示差走査熱量測定(DSC)分析の結果を示すグラフである。DSCは、100℃/分(図2b)で、および100℃/分(実線)、300℃/分(点線)および500℃/分(破線)(図2c)で行われた。グラフのわずかに太い線は、約8℃で起こり、非晶形カルシポトリオールの結晶化に起因すると考えられている放熱事象を反映する。
【図3】図3は、本発明のナノ懸濁液からのカルシポトリオールの放出速度を、Daivonex(登録商標)軟膏からの放出速度と比較したグラフである。図から、放出速度がDaivonex(登録商標)軟膏よりもナノ懸濁液製剤で顕著に高いことが明らかである。「ナノ懸濁液クリーム」は、実施例3のクリームである。「ナノ懸濁軟膏水」はグリセリンのない実施例2の組成物Aに対応し、「ナノ懸濁軟膏グリ」は実施例2の組成物Aである。
【図4】図4aは、2つのナノ懸濁液軟膏、実施例2の組成物AおよびCからの皮膚への浸透および皮膚への流動を示すグラフである。「WSP軟膏」は組成物Aであり、「Sonnecone軟膏」は組成物Cである。図4bは、Daivonex(登録商標)軟膏と比較した、本発明のナノ懸濁液軟膏、組成物A、CおよびDと比較したカルシポトリオールの皮膚浸透および経皮流入を示すグラフである。図から、ナノ懸濁液軟膏から皮膚生存層への浸透がDaivonex(登録商標)軟膏と同等であるが、流入は顕著に低く、カルシポトリオールへの全身暴露が低いことが明らかである。
【図5】図5は、Daivonex(登録商標)クリームと比較した本発明のナノ懸濁液クリームからのカルシポトリオールの皮膚浸透および経皮流入を示すグラフである。図から、皮膚生存層へのナノ懸濁液クリームからのカルシポトリオールの浸透がDaivonex(登録商標)クリームからよりナノ懸濁液クリームからのほうが著しく高いことが明らかである。
【図6】図6は、ヒト角化細胞のビタミンD3によるカテリシジンをコード化する遺伝子の活性化の模式図である。カテリシジン遺伝子活性化の機構は、下の実施例8に詳細に記載するカテリシジンを活性化するために、本発明のカルシポトリオール含有組成物が適用される再構築されたヒト表皮(ヒトの皮膚に特有の表皮の層を形成するように培養されたヒトの角化細胞)を用いる、生物アッセイで用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
定義
この文脈において、用語「ナノクリスタル」は、ナノサイズの範囲、すなわち直径1〜1000nmであるカルシポトリオール一水和物の結晶粒子を意味することを意図する。ナノクリスタルは、好ましくは、ナノクリスタルの≧90%の結晶が100〜900nmの粒径、特に200〜600nmの粒径であるような粒径分布を有する。
【0013】
用語「ナノ懸濁液」は、水相中に懸濁された上記のナノクリスタルを意味する。
【0014】
用語「粒径分布」は、製造者の指示(Malvern Instruments, UKから入手可能)に従ってZetasizer Nano ZSまたはZS90を用いた動的光散乱(別名光子相関スペクトロスコピー)により測定する最小および最大のカルシポトリオール一水和物結晶の幅を意味する。動的光散乱は、粒子をレーザーで照射し、液体の粒子のブラウン運動から生じる散乱光の強度の変動を分析することにより、液体中に懸濁される固体粒子群のサイズを決定する。小さい粒子より大きな粒子の運動が遅い、すなわち、強度変動が遅いという点で、強度変動は粒径と相関する。
【0015】
用語「非晶形」という用語は、その分子中に順序づけられた配置のない固体物質、すなわち結晶の逆を意味する。
【0016】
「カルシポトリオール」は式
【化1】

のビタミンD類似体である。
【0017】
カルシポトリオールは、2つの結晶性形態、無水物および一水和物で存在することが判明している。カルシポトリオール一水和物およびその製造法はWO94/15912に開示される。
【0018】
用語「化学的安定性」または「化学的に安定している」は、懸濁液または最終医薬製品においてカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルが24−エピカルシポトリオールまたはカルシポトリオールの他の分解生成物に経時的に有意に分解しないことを意味する。後者の場合には、「化学的安定性」は、製品の貯蔵寿命、典型的に2年間にわたり、室温で、カルシポトリオール一水和物の10%を超えない、好ましくは6%を超えない分解を示す。室温における化学安定性の近似値は、ナノクリスタルまたはそれらを含む組成物を40℃で加速安定性試験に付することによって得られる。40℃で3ヶ月後の分解が被験物質の約10%未満であるとき、通常、これは室温で2年の貯蔵寿命に対応するとされる。
【0019】
用語「物理的安定性」または「物理的に安定している」は、ラマン分光法で測定して、ナノサイジングに付していない参照カルシポトリオール一水和物と比較して、カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルが基本的に同一の結晶形を有する、すなわち、ナノサイジングの結果として多型変換を起さないことを意味する。さらに「物理的安定性」は、ナノクリスタルが、それらが含まれる本発明の懸濁液または医薬組成物においてナノクリスタルが凝集または結晶成長を示さないことを意味する。
【0020】
用語「実質的に非水性」は、凍結乾燥またはスプレー乾燥されたカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの自由水(結晶結合水の対極)が、ナノクリスタルの約2重量%未満、好ましくは約1重量%未満、例えば約0.5重量%未満であることを意味する。同様に、「実質的に無水」の軟膏組成物における自由水の含量は、組成物の約3重量%未満、好ましくは約2重量%、例えば約1%未満または0.5重量%である。
【0021】
用語「可溶化能」は、溶媒混合物が、ある物質を溶解する能力(物質の完全な可溶化を行うのに必要な量として示す)を意味する。
【0022】
用語「皮膚浸透」は、種々の皮膚の層、すなわち角質層、表皮、真皮への活性成分の拡散を意味する。
【0023】
用語「皮膚透過」は、皮膚を介する体循環へのまたは下の実施例7に記載するインビトロ実験の場合には、実験で用いられるFranzセル装置のレセプター液への活性成分の流入を意味する。
【0024】
用語「生物学的活性」は、本発明の組成物中の皮膚に適用したときのビタミンD誘導体または類似体の活性を意味する。組成物の生物学的活性は、下の実施例8に詳細に記載する、培養されたヒト角化細胞に関する、再構築されたヒト表皮モデルにおいてバイオマーカーであるカテリシジンを発現する標的遺伝子の活性化を測定するインビトロアッセイで決定される。
【0025】
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの製造
近年、難溶性薬物の溶解速度を改善する方法として治療的活性成分の、ナノクリスタルまたはナノ懸濁液の製造研究が増加している。薬物が投与されるときに、ナノクリスタルの大きい表面積はより高い溶解速度を確実にする。この技術が、これまで大部分は経口投与または静脈内投与のための活性成分の製剤に用いられている。
【0026】
薬物ナノクリスタルを製造するいくつかの方法が文献に記載されている。一般に、方法は、2つのカテゴリー、すなわち粉砕および高圧均質化に分けることが可能である。
【0027】
US5,145,684は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、レシチンまたは他の界面活性剤のような表面修飾剤の存在下、4〜5日間のボールミル粉砕により結晶性ナノ粒子を製造する方法を開示する。これらの条件下のカルシポトリオール一水和物のボールミル粉砕は、直接カルシポトリオール一水和物の化学分解に至るか、または、大量の非晶形カルシポトリオールの形成をもたらし易く、非晶形物質が化学分解に対して結晶性物質よりも相対的に不安定であるために、それを含む医薬組成物の充分な貯蔵安定性/貯蔵寿命に好ましくない。
【0028】
CA2375992は、20℃以下の、特に0℃以下の温度の無水媒体のピストン・ギャップホモジナイザの高圧均質化により、5μm未満、好ましくは1μm未満の粒径を有する薬物粒子を製造する方法を開示する。微粉化薬物粒子を10〜20サイクルの1500barでの高圧均質化に付すことにより、ナノサイジングを行う。本方法において、無水媒体(流動パラフィンフィン)の使用が、カルシポトリオール一水和物結晶の何ら有意なサイズ低下をもたらさなかったため、我々はカルシポトリオールの微細化のために水性媒質を使用する。
【0029】
WO2004/054549には、モノグリセリド水溶液を含むクリーム基材中のスピロノラクトンナノ粒子の局所製剤が開示されている。ナノ粒子は、ピストン・ギャップ高圧均質化を使用して製造される。
【0030】
適切な界面活性剤の存在下においても、この方法がカルシポトリオール一水和物結晶の凝集を招くため、数サイクルの1500barでの高圧均質化がカルシポトリオール一水和物の微細化に不適当であるとわかった。
【0031】
WO2008/058755には、パールまたはボールミル粉砕と、その後の高圧均質化による美容的活性物質のナノクリスタルの製造が開示されている。この2方法の組合せは、後者が高圧(1500bar)での多サイクルの均質化を必要とするために、高圧均質化自体を超える利点であるとされる。この組合せ方法は、ナノサイズの粒子を得るために低圧力領域で1サイクルのみの均質化を使用することを可能にする。
【0032】
好ましい態様において、本発明は動的光散乱で測定して200〜600nmの範囲の粒径分布のナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物に関し、該ナノクリスタルは
(a)結晶性カルシポトリオール一水和物を非イオン性重合体界面活性剤を水相の約1%〜約5重量%の範囲の量で含む水相で微細化し、約5〜20μmの範囲の粒径分布を有し、約10μmの平均粒径を有する微小粒子を形成させ;
(b)カルシポトリオール一水和物の結晶の約15〜40%が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な時間、約300〜800barの圧力で工程(a)の懸濁液を高圧均質化の第1のサイクルに付し;
(c)カルシポトリオール一水和物の結晶の約40〜80%が200〜600nmの範囲の粒径分布とするのに十分な期間、約800〜1200barの圧力で工程(b)の懸濁液を高圧均質化の第2サイクルに付し;
(d)カルシポトリオール一水和物の結晶の約90%以上が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な期間、約1200〜1700barの圧力で工程(c)の懸濁液を高圧均質化の第3のサイクルに付し;そして
(e)場合により得られたカルシポトリオール一水和物のナノクリスタルを水相から分離する
工程に関する。
【0033】
最終的な懸濁液(工程(d)後)において、200〜600nmの範囲の粒径分布を有するカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの量は、好ましくは約95%以上である。
【0034】
本方法は、第一の微細化工程(a)を高圧均質化の3連続サイクルと合わせ、各サイクルが高圧下で行うWO2008/058755に開示されたものと異なる。活性成分のボールミル粉砕の後に低圧(例えば100bar、参照実施例8および9)での高圧均質化の1つのサイクルが続くWO2008/058755での好ましい方法と異なり、所望の微細化をもたらす。かかる方法は、カルシポトリオール一水和物結晶の満足な粒径を提供するには不十分である、すなわち結晶のわずか約15〜40%しか所望の粒径分布の範囲内にないことが判明した。
【0035】
さらにまた、三活性成分中の二活性成分のために、温度が20℃未満、理想的に0℃〜5℃に維持されなければならないWO2008/058755に開示される方法と異なり、本方法で温度調節は不必要であることが判明した。温度調節を適用する必要がないことは、方法簡略化の利点を提供する。しかしながら、カルシポトリオールが温度増加に感受性であり、縮小工程中の温度調節なしでは化学分解すると考えられていたため、温度調節が必要とされないことは驚くべきことである。本発明の方法で
【0036】
発明の態様
本発明の懸濁液は、カルシポトリオールのナノクリスタルの凝集を防止しおよび/または結晶成長を防止するために添加される非イオン性重合体界面活性剤を含んでよい。界面活性剤は、好ましくはカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの如何なる有意な可溶化も生じないものでなければならず、すなわち、低い可溶化能を有しなければならず、好ましくはポロキサマーまたはポリソルベート界面活性剤およびポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルからなる群から選択し得る。ポロキサマーは、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338およびポロキサマー407からなる群から選択することができる。特に、ポロキサマー188が、カルシポトリオールの可溶化に関して低い可溶化能を有することが判明し、従って、本発明のナノ懸濁液に用いられる現在望ましい界面活性剤である。界面活性剤としてポリソルベートを使用するときに、それはポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート80およびポリソルベート81からなる群から選択することができる。現在好適なポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルは、セトマクロゴール1000である。
【0037】
水相中の界面活性剤の量は、懸濁液の約0.01%〜約5重量%からの範囲であり得る。通常、該水相の界面活性剤の量が懸濁液の約0.6〜1.2重量%の範囲であるのが好ましい。
【0038】
微細化および高圧均質化の間、適用される条件によって、得られた懸濁物に存在するカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルは、動的光散乱により測定して200〜350nm、350〜400nmまたは400〜500nmの平均粒径を有し得る。
【0039】
ナノ懸濁液を凍結乾燥またはスプレー乾燥させると、表面上に界面活性剤を含むナノクリスタルが得られる。この凍結乾燥またはスプレー乾燥ナノクリスタルは次いで非水性組成物中に添加するために使用し得る。
【0040】
驚くべきことに、本発明のナノサイジング方法が非晶形カルシポトリオールを非有意量でのみ生成することが判明した。非晶形化合物の存在が、結晶格子への分子の配置を欠くために物質を不安定にし、物質を化学分解や異なる結晶多形への結晶構造の再構築に曝すことになることは当業者に周知である(Chow et al., J. Pharm. Sci. 97(8), 2008, pp. 2855-2877参照)。製造者の指示に従いPerkin-Elmer DSC 8500装置を用いた示差走査熱量測定で測定して、装置の検出限界(約5%)に対して有意な量の非晶形カルシポトリオールを検出することはできなかった(図2b参照)。
【0041】
本発明の方法において、カルシポトリオールの結晶は、最初に水相で1〜4mm、例えば2〜3mmの範囲の直径のボールまたはビーズを使用して粉砕または予備粉砕に付す。ボールまたはビーズは、ガラスまたは類似の硬度の材料、例えば酸化ジルコニウムから成るものでよい。粉砕は、約500〜4000rpm、例えば1000〜3000rpm、例えば約2000rpmで、2〜5時間、例えば3時間行うのが適切であり得る。
【0042】
粉砕のために使用する界面活性剤は非イオン性重合体界面活性剤であってよく、それを水相に懸濁液の約1.5〜約3重量%の範囲、特に懸濁液の2重量%の量で添加する。界面活性剤は、上記の通りにポロキサマーまたはポリソルベート界面活性剤の群から、好ましくは選択できる。その後懸濁液を高圧均質化工程に直接使用し、高圧均質化後の粒径分布に関する特に良好な結果はポロキサマー188を使用して得られている。工程(a)で使用する粉砕器が水で濯がれ、工程(d)の高圧均質化装置が水で濯がれる本製造方法の構成上、最終懸濁液中の界面活性剤の濃度は0.6〜1.2重量%となる点に注意すべきでる。
【0043】
高圧均質化工程(b)−(d)は、ピストン・ギャップホモジナイザ、例えばEmulsiflex C3(Avestinから入手可能)を、製造者の指示に従い使用して行う。
【0044】
カルシポトリオール一水和物のナノサイジングのために、工程(b)の高圧均質化の第1のサイクルが約500〜650barの圧力で実施されることは、有利であることが判明した。15〜40%のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルが所望の粒径分布を有するために必要とする時間は、7〜15分間、例えば8〜12分間の範囲、例えば約10分間である。
【0045】
工程(c)の高圧均質化の第2サイクルは、好適には約1000〜1100barの圧力で実施され得る。40−80%のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルが所望の粒径分布を有するために必要とする時間は、7〜15分間、例えば8〜12分間の範囲、例えば約10分間である。
【0046】
工程(d)の高圧均質化の第3のサイクルは、好適には約1400〜1500barの圧力で実施され得る。90%以上のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルが所望の粒径分布を有するために必要とする時間は、7〜15分間、例えば8〜12分間の範囲、例えば約10分間である。
【0047】
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルが非水性製剤に使用することを意図されるならば、好適には水含量(自由水)がナノクリスタルの2重量%未満、例えば約1%未満または約0.5重量%未満となるまで凍結乾燥またはスプレー乾燥に付し得る。
【0048】
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルまたはナノクリスタルを含む懸濁液は、活性成分と適合し、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に加え得る。
【0049】
下に記載する組成物を得るために薬学的に許容される添加物と混合するとき、非イオン性重合体界面活性剤の量は好ましくは組成物の約0.03〜0.06重量%の範囲である。
【0050】
一つの態様において、本発明の組成物は軟膏である。現在のFDA分類によれば、軟膏は、水および20重量%までの揮発性物質を含むことができ、さらに媒体中に50重量%以上の炭化水素、蝋またはポリオールを含む半固体の投与形態である。従って、本発明の軟膏は油中水形組成物であってよく、この場合、ナノ懸濁液が、そのまま、組成物の親油性の成分に、組成物が水相の10重量%までまたは、好ましくは、5重量%までを構成するように添加してよい。あるいは、組成物は、組成物の重量で、約2%未満、好ましくは1%未満の自由水を含む非水性軟膏でもよい。
【0051】
軟膏基剤は、C5−60の範囲の鎖長を有する炭化水素またはその混合物から成るパラフィンから選択されるパラフィンであり得る。頻繁に用いられている軟膏担体は、約C40−44がピークの種々の鎖長の炭化水素から成るペトロラタムまたは白色軟パラフィンまたはペトロラタムと流動パラフィン(C28−40がピークの種々の鎖長の炭化水素から成る)の混合物であり得る。ペトロラタムは処置された皮膚表面を閉塞させ、水の経皮的な損失を減少させ、組成物中の活性成分の治療効果を強めるが、適用後にかなり長い間持続する、脂っぽいおよび/またはべとつく感触を有する傾向があり、延展が容易ではない。従って、いくぶん短い鎖長の炭化水素から成るパラフィン類、例えば、C14−16、C18−22、C20−22、C20−26がピークの鎖長を有する炭化水素またはその混合物から成るパラフィン類を使用することが好ましいことがある。かかるパラフィン類が、適用時にそれほどべとつかずおよび/または脂っぽくなく、より容易に延展可能であるために、美容上許容可能であることが判明した。従って、それらは患者コンプライアンスを改善すると予測される。このタイプの適当なパラフィン類は、Sonnebornによって製造され、商品名Sonnecone、例えばSonnecone CM、Sonnecone DM1、Sonnecone DM2およびSonnecone HVの下に販売されている。これらのパラフィン類は、引用によって本願明細書に組込まれるWO2008/141078にさらに開示され、特徴づけられる(パラフィン類の炭化水素組成物はガスクロマトグラフィーにより決定)。
【0052】
本発明の組成物に所望の粘性を与えるために、好適には蝋のような親油性増粘成分を加え得る。蝋は、高分子量炭化水素、例えば飽和C35−70アルカン、例えば微結晶蝋の混合物からできている鉱蝋であり得る。あるいは、蝋は、植物または動物蝋、例えばC14−32脂肪酸のエステルおよびC14−32脂肪族アルコール、例えば蜜蝋であり得る。増粘成分の量は成分の粘性化する(viscosifying)力により変わり得るが、典型的には組成物の約1〜20%の範囲内であり得る。増粘成分が微結晶蝋であるときに、それは典型的に組成物の約5〜15重量%の範囲、例えば約10%の量で存在する。
【0053】
組成物の良好な物理的安定性を維持するために、特にその中の水性のおよび脂質相の分離を回避するために、3〜8のHLB値を有する油中水形乳化剤を加えることは、有利であり得る。この種の乳化剤の例は、ポリオキシエチレンC8−22アルキルエーテル(例えばポリオキシエチレン・ステアリル・エーテル、ポリオキシエチレン・セチル・エーテル、ポリオキシエチレン・オレイル・エーテルまたはポリオキシエチレンラウリルエーテル)である。乳化剤の量は、典型的に組成物の2〜10%w/w範囲である。
【0054】
本組成物は、乾癬斑の厚くなった表皮を柔らかくするために作用し得る皮膚軟化剤をさらに含んでよい。本組成物への添加に適している皮膚軟化剤は、シリコンの存在が皮膚へのカルシポトリオールの浸透を助けることがさらに判明したため、シリコン蝋または揮発性シリコン油であり得る。シリコン含有組成物は、皮膚刺激が少ないことも判明した。本組成物への添加に適しているシリコン油はシクロメチコン、ジメチコンから選択され得る。本組成物に添加されるシリコン油の量は、典型的に組成物の約1〜約10重量%の範囲、例えば約5重量%である。
【0055】
Daivonex(登録商標)軟膏において、プロピレングリコールの存在は、多くの患者が経験する皮膚刺激の主な原因物質であると考えられる。しかしながら、カルシポトリオール自体が一部の患者において、僅かに刺激性であり得ることが判明している(A. Fullerton and J. Serup, Br. J. Dermatol. 137, 1997, pp. 234-240 and A. Fullerton et al., Br. J. Dermatol. 138, 1998, pp. 259-265)。従って、抗刺激性化合物、例えばグリセリン、ソルビトール、蔗糖、サッカリン、メントール、オイカリプトールまたはニコチンアミドを本発明の組成物に含ませることは有利であり得る。グリセリンは、刺激性の物質から皮膚を防御できる物質であると記載され(J. Bettinger et al., Dermatology 197, 1998, pp. 18-24)、我々は、IL−1αの放出を用量依存的態様で低下させることを見出した:このように、カルシポトリオール軟膏への15重量%のグリセリンの添加が、10重量%のグリセリンを含むものよりIL−1α放出レベルを著しく減少させ、そして、それはまた、5重量%のグリセリンを含むものよりIL−1α放出レベルを著しく減少させることが判明した。
【0056】
しかしながら、抗刺激性効果に加えて、カテリシジンの発現(下の実施例4に記載のアッセイ)が、組成物中の少量のグリセリンによって増強される (すなわち、グリセリンの量が、それぞれ10重量%または15重量%あるときと比較して、5重量%であるとき、より多くのカテリシジンが発現される)点で、グリセリンはカルシポトリオールの生物学的活性を強めることができることが驚くことに判明した。これは、グリセリンの包含に関して、好ましい抗刺激性効果と好ましい生物活性亢進効果の間でバランスをとらなければならないことを示唆する。我々は、本組成物への約5〜10重量%のグリセリンの添加が、顕著な抗刺激性効果とカルシポトリオールの生物学的活性の顕著な亢進をもたらすことを発見した。
【0057】
カルシポトリオールは、カルシポトリオールの急速分解に関与する酸性条件(水性組成物において、約7.0より下のpHまたは非水性の組成物において、酸性の活性物質)に極めて感受性であることが知られている物質である。組成物の貯蔵寿命を通して物質の適切な化学的安定性を保証するために、組成物の添加物の1種以上に存在し得、カルシポトリオールの化学的安定性に有害な酸性不純物を中和できる化合物を加えておくことが望ましい可能性がある。組成物が水性である場合、酸を中和する化合物をリン酸緩衝液のような緩衝液から選択でき、例えば組成物に、組成物の0.025〜0.065重量%の量で含まれる。他方で、組成物が非水性であるとき、酸を中和する化合物は好都合にはトリエタノールアミン、トロメタモール、モノエタノールアミンまたはジエタノールアミンのようなアミンであってよく、組成物に、組成物の0.1〜2重量%の量で含まれる。
【0058】
他の態様においては、本発明の組成物は、軟膏に類似する成分を含むが、典型的に相当量の水を含む水中油エマルジョンであるクリームである。
【0059】
特定の態様において、本発明の組成物は
0.003〜0.008%w/w カルシポトリオール一水和物
2〜8%w/w ポリオキシエチレンステアリルエーテル
2〜10%w/w 水
0.001〜0.005%w/w ポロキサマー188
70〜90%w/w パラフィン担体
を含む。
【0060】
本組成物は、また皮膚製剤に一般的に使用される他の成分、例えば酸化防止剤(例えばα−トコフェロール)、防腐剤、エデト酸ナトリウム、顔料、皮膚無痛化剤、皮膚治癒剤および尿素、アラントインまたはビサボロールのような皮膚コンディショニング剤も含んでよい(CTFA Cosmetic Ingredients Handbook, 2nd Ed., 1992参照)。
【0061】
本発明の組成物は、治療を必要とする患者に、本発明の組成物の有効量を局所投与することにより、乾癬、脂漏性乾癬、手掌足底膿疱症、皮膚炎、魚鱗癬、酒さおよびざ瘡ならびに関連する皮膚疾患の治療に使用し得る。該方法は、好ましくは該組成物の1日1〜2回の治療上十分な量の局所投与を含む。そのためには、本発明の組成物は、カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの約0.001〜0.5mg/g、好ましくは約0.002〜0.25mg/g、特に0.005〜0.05mg/gを好ましくは含む。本組成物がこれらの皮膚疾患の維持処置、すなわち、目に見える症状の消失後の症状の再発を遅らせるための継続的処置に有利に使用し得ることが意図されている。
【0062】
急性期の乾癬および他の皮膚状態の有効な処置を提供するために、本組成物に1種以上のさらなる治療上活性な成分を包含させることは望ましいことがある。かかるさらなる活性成分の例はコルチコステロイドのような抗炎症剤、例えば、ベタメタゾンおよびそのエステル、例えば吉草酸またはジプロピオン酸エステル、クロベタゾールまたはそのエステル、例えばプロピオン酸エステル、ヒドロコルチゾンまたはそのエステル、例えば酢酸エステル;ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナク、イブプロフェン、デクスイブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカムまたはナブメトンのような非ステロイド性抗炎症剤、ホスホジエステラーゼ4阻害剤(例えばWO2008/077404、WO2008/104175、WO2008/128538またはWO2010/069322に示された化合物)またはp38MAPキナーゼ阻害剤(例えばWO2005/009940またはWO2006/063585に示された化合物)を含むが、これらに限定されない。
【0063】
本発明は、次の実施例によってさらに説明するが、それらは如何なる意味においても、特許請求されている本発明の範囲を限定することを意図しない。
【実施例】
【0064】
実施例1
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの製造
4gのポロキサマー188を撹拌しながら196mlの研究室用の水に溶解し、pHを適当量のNaOH添加により8.5に調整した。
3.5gの2mmのガラス・ボールをスクリューキャップを備えた2個のバイアルに量り入れた。0.035gのカルシポトリオール一水和物を各バイアルに入れ、その後1.05gの2%のポロキサマー188溶液を各バイアルに入れた。カルシポトリオール一水和物を、2000rpmでオービタル振盪機(VXR Basic IKA Vibrax)で振盪して粉砕した。
粉砕後、粉砕に使用したバイアルおよびガラス・ボールを24.0gの研究室用水、pH8.5で濯ぎ、カルシポトリオール一水和物懸濁液をBlue Cap瓶に入れた。懸濁液をEmulsiflex C3(Avestin)高圧ホモジナイザに移し、Blue Cap瓶を4.9gの研究室用水(pH8.5)で濯いだ。高圧均質化を10分間、500barで、10分間、1000barで、そして、10分間、1400barで行った。高圧均質化後、Emulsiflex装置のシリンダーを4.9gの研究室用水(pH8.5)で濯ぎ、その後、粒径分布をZetasizer Nano ZS90を使用して200〜600nmの範囲にあることおよび平均粒径が350〜400nmの範囲にあることを確認した。
【0065】
得られたナノクリスタルは、ラマン分光法で、ナノサイジングに付していないカルシポトリオール一水和物とラマンスペクトルを比較して、カルシポトリオール一水和物であると決定された。
この方法で製造される非晶形カルシポトリオールの量を、この方法で製造した2バッチのカルシポトリオール・ナノクリスタルで、100℃、300℃および500℃/分の加熱速度でN雰囲気下のDSC分析を使用して測定した。この分析に使用した装置はPerkin Elmer DSC 8500であった。
結果を図2bおよび2cに示し、約8℃で開始する放熱事象を示す。放熱事象が非晶形カルシポトリオールの結晶化に起因する可能性が高い。結晶化工程中に発生する熱量は非常に少ないように見え、事実、検出限界に極めて近い。結晶化工程中に発生する熱量がサンプルに存在する非晶形化合物の量に比例するので、我々は2つのバッチに存在する非晶形カルシポトリオールは極微量であると結論した。
【0066】
実施例2
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルを含む軟膏
下記の表1に示される組成物の軟膏は、80〜85℃への加熱およびゆっくりした撹拌により、脂質相の成分を混合することにより製造された(炭化水素+ポリオキシエチレン−2−ステアリル・エーテル+α−トコフェロール)。水相を、50μg/gカルシポトリオール一水和物を含むように調節した適切な量の水性のカルシポトリオール一水和物ナノ懸濁液(実施例1に記載した通り製造)にエデト酸二ナトリウムおよびリン酸二ナトリウム二水和物を溶解することにより製造した。グリセリンを混合し、35〜40℃に加熱しながら懸濁液に添加し、混合物のpHを適宜1N HClまたはNaOHで8.5に調整した。
水相を脂質相に撹拌しながら30分間添加し、その後得られた軟膏を32℃以下までゆっくり冷却し、アルミニウム・チューブに充填し、室温で貯蔵した。
【0067】
【表1】

組成物は、40℃/75%のRHで、3ヵ月間の化学安定性について試験した。結果は、試験条件の下でカルシポトリオールの満足な安定性を示す。
【0068】
実施例3
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルを含むクリーム
下の表2に示す組成物のクリームを、セトマクロゴール1000、セトステアリルアルコール、流動パラフィンおよび白色軟パラフィンを80℃で融解することにより製造した。水相を80℃でリン酸二ナトリウム二水和物およびクロロアリルヘキサミニウム塩化物を精製水に溶解することによって製造した。グリセリンを混合しながら添加し、混合物のpHを適宜1N HClまたはNaOHで8.5に合わせた。
水相を均質化しながら脂質相と混合し、55℃に冷却した。残りの水を激しく撹拌しながら添加し、得られたクリームを遅い速度で撹拌しながら25℃まで冷却した。
50μg/gカルシポトリオール一水和物を含むように調節した適切な量のカルシポトリオール一水和物ナノ懸濁液(実施例1に記載した通り、製造)をクリームに撹拌しながら加え、<30℃で30分間撹拌した。得られたクリームをチューブに充填し、さらに使用するまで貯蔵した。
【0069】
【表2】

クリーム組成物は、40℃/75%のRHで、3ヵ月間の化学安定性について試験した。結果は、試験条件の下でカルシポトリオールの満足な安定性を示す。
【0070】
実施例4
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタル含有非水性軟膏
実施例1に記載した通りに製造した製造したカルシポトリオール一水和物ナノ懸濁液を一夜凍結乾燥に付した。凍結乾燥させた、実質的に無水のナノクリスタルを、該ナノクリスタルを流動パラフィンに分散させ、白色軟パラフィンを分散体に添加することにより軟膏を製造するために使用した。
非水性軟膏の組成は、下記の表3から明らかである。
【表3】

非水性軟膏は、40℃/75%のRHで、3ヵ月間の安定性について試験した。結果は、試験条件の下でカルシポトリオールの満足な安定性を示す。
【0071】
実施例6
Daivonex(登録商標)軟膏と比較したナノ懸濁液組成物からの遊離
実施例1および2に記載した組成物からのカルシポトリオールのインビトロ遊離を、レセプターおよびドナーチャンバーを分離させるためのSpectra/Porv 6膜を用いたプレキシグラスの拡散セルで決定した(バッチ当たりn=6セル)。0.04Mの等張リン酸緩衝液、pH7.4およびイソプロパノール(70:30のv/v)を含むレシピエント相へのカルシポトリオールの遊離を決定した。サンプルをHPLC/UVで分析した。
添付する図3から明らかな結果は、本発明のナノ懸濁液軟膏およびクリームからのカルシポトリオールの放出速度がDaivonex(登録商標)軟膏からの放出速度より顕著に早いことを示す。
図3に示す結果は、放出速度がDaivonex(登録商標)軟膏よりナノ懸濁液製剤からの方が顕著に速いことを示す。
【0072】
実施例7
インビビトロ皮膚浸透試験
本発明の組成物からのカルシポトリオールの皮膚浸透および透過を試験するために、皮膚拡散実験を行なった。豚耳からの十分な厚さの皮膚を本実験で用いた。耳を使用前は−18℃に凍結した。実験の前日、耳を緩速解凍のために冷蔵庫(5±3℃)に入れた。実験日に、獣医用ヘア・トリマーを用いて毛を除去した。メスを用いて皮膚から皮下脂肪を除去し、2片の皮膚を各耳から切徐し、平衡の順でFranz拡散セルにマウントした。
実質的にT. J. Franz, “The finite dose technique as a valid in vitro model for the study of percutaneous absorption in man”, in Current Problems in Dermatology, 1978, J.W.H. Mall (Ed.), Karger, Basel, pp. 58-68に記載の方法で、3.14cmの利用可能な拡散面積と8.6〜11.1mlの範囲のレセプター体積を用いる静的Franzタイプ拡散セルを使用した。各セルについて特定の容積を測定し、登録した。磁気棒を各セルのレセプター・コンパートメントに設けた。皮膚を取り付けた後に、生理食塩水(35℃)を皮膚の水和のために各レセプターチャンバーに充填した。セルを、400rpmにセットされた磁気撹拌機に上に置かれた、熱的に制御された水浴に入れた。水浴の循環水を35±1℃に維持し、皮膚表面の温度を約32℃にした。1時間後、食塩水をレセプター媒体、4%のウシ血清アルブミン含有0.04Mの等張リン酸緩衝液、pH7.4(35℃)に変えた。沈降条件を、試験期間中常に維持し、すなわち、レセプター媒体中の活性化合物の濃度は、媒体中の化合物の溶解度の10%未満であった。
各試験組成物のインビトロの皮膚透過を6複製(すなわちn=6)で試験した。各試験組成物を意図した4mg/cm用量で0時間に皮膚膜に適用した。ガラス・スパチュラを適用に用い、組成物の残量を皮膚に実際に適用された組成物の量を得るために決定した。
【0073】
皮膚浸透試験を21時間進行させた。その後、次のコンパートメントからサンプルを集めた:
角質層を、D-Squame(登録商標)テープ(直径22mm、CuDerm Corp., Dallas, Texas, USA)を用いて、10回のテープ剥離で集めた。各テープ片を、試験領域に標準圧力を5秒間適用し、1回の穏やかな連続的動作で試験領域から剥がした。繰り返しの皮剥離について、剥がす方向を変えた。その後、表皮生存層および真皮を同様の方法で皮膚からサンプリングした。
拡散セルにあるレセプター流体のサンプル(1ml)を回収し、分析した。
サンプルのカルシポトリオール濃度をLC質量分析法で決定した。
図4aから2種の異なるパラフィン担体を使用した組成物AおよびCから、皮膚生存層への浸透を示す結果が明らかであり、図4bから、ナノ懸濁液軟膏からの皮膚生存層への浸透はDaivonex(登録商標)軟膏と同等であるが、流入は著しく低く、カルシポトリオールへの全身曝露が低くなることを示す結果が分かる。
皮膚生存層への組成物Gからのカルシポトリオールの浸透がDaivonex(登録商標)クリームよりナノ懸濁液クリームからのほうが顕著に高いことを示すグラフである図5から、さらなる結果が分かる。
【0074】
実施例8
組成物の生物学的活性
添付する図6に示す通り、カテリシジンはヒトの角化細胞で発現される抗菌ペプチドである。カテリシジンの発現は、皮膚の感染または皮膚バリアの崩壊で強く誘発される。乾癬において、カテリシジンのレベルは乾癬患者の皮膚病変で増加する。ビタミンDレセプターへの結合を介して、カテリシジンをコードする遺伝子の発現が、ビタミンD3またはカルシポトリオールのようなビタミンDの類似体によって誘発され得ることが判明した(TT Wang et al, J. Immunol. 173(5), 2004, pp. 2909-2912; J Schauber et al., Immunology 118(4), 2006, pp. 509-519; Schauber and Gallo, J. Allergy Clin Immunol 122, 2008, pp. 261-266; M. Peric et al., PloS One 4(7), July 22, 2009, e6340)。この発見は、ヒト角化細胞における試験組成物からのカルシポトリオールの取り込みおよび生物学的活性が、カテリシジンをコードする遺伝子の誘発レベルの測定により決定されるアッセイの開発に利用されている。
本アッセイにおいて、上記の実施例3に記載の通り製造したカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルクリーム(組成物G)を、10μlの量で、0.5cmポリカーボネート・フィルター(SkinEthic(登録商標) Laboratories, Nice, Franceから入手可能)上に12日間培養された正常なヒトの角化細胞から成る、再構築されたヒト表皮に局所的に3回適用した。組織を1日間または2日間、サイトカインIL−17A(20mg/ml)、IL−22(20ng/ml)およびTNF−α(5ng/ml)で処置し、ポリカーボネート・フィルターからの表皮の分離のために、液体窒素で急速冷凍した。RNAを細胞から抽出し、cDNAを慣用の手順によって合成した。その後定量的リアルタイムPCR(qPCR)をApplied Biosystemsからの次のアッセイを用いて行なった:cAMP Hs0018038_m1およびGAPDH Hs99999905_m1。カテリシジンの発現レベルをGAPDHに対して標準化し、相対的な定量化をDaivonex(登録商標)軟膏およびクリームとの比較により行った。
結果は、下記の表4から明らかである。
【表4】

Daivonex(登録商標)クリーム、1日目と比較した活性化倍率
【0075】
表4に示される結果は、組成物Gの適用がDaivonex(登録商標)軟膏によって得られるのと同程度の標的遺伝子の活性化をもたらし、標的遺伝子の活性化がDaivonex(登録商標)クリームの約2倍であることを示す。このように、この結果は、Daivonex(登録商標)軟膏で得られたのと同程度の良好な効果が、プロピレングリコールを含まず、より好ましい美容特性を有する製剤によって得られることを示す。
【0076】
上記の実施例2に記載の通り製造した組成物A、CおよびDを、10μlの量で、0.5cmポリカーボネート・フィルター(SkinEthic(登録商標) Laboratories, Nice, Franceから入手可能)上に12日間培養された正常なヒトの角化細胞から成る、再構築されたヒト表皮に局所的に3回適用した。組織を2日間処理し、ポリカーボネート・フィルターから表皮を分離し、液体窒素で急速冷凍した。RNAを細胞から抽出し、cDNAを慣用の手順によって合成した。その後qPCRをApplied Biosystemsからの次のアッセイを用いて行なった:CAMP Hs0018038_m1およびGAPDH Hs99999905_m1。カテリシジンの発現レベルをGAPDHに対して標準化し、相対的な定量化をDaivonex(登録商標)軟膏との比較により行った。
結果は下の表5から明らかである。
【表5】

表5に示す結果は、本発明の組成物が標的遺伝子の高い活性化をもたらす、すなわち、それらは、市販の軟膏より高い生物学的活性を有することを示す。
【0077】
実施例5
ミニブタにおける局所刺激性試験
実施例2の組成物A、CおよびDの局所耐容性を、4週間、毎日ミニブタに経皮投与して評価した。Daivonex(登録商標)軟膏を比較のために使用した。毎日、動物を8時間試験物質に暴露させた。
実験は10匹のメスGoettingen SPFミニブタで行なわれた。各動物に6個所適用し、1つの個所当たり250mgの試験製剤を適用した。臨床的症状を毎日記録し、適用部位の皮膚反応を、紅斑および浮腫に関して投与開始前に1日1回およびさらに剖検日に評価した。餌消費量を毎日記録し、体重を毎週記録した。治療期間の終わりに、一般的剖検を全ての動物で行ない、皮膚サンプルを病理組織試験により集めた。
結果は、等級1−2の皮膚応答(紅斑)が観察されたが、有害な処置関連臨床徴候が実験中に観察されなかったことを示す。組成物A以外、紅斑は、Daivonex(登録商標)軟膏で観察されるものより顕著ではなかった。この結果は、本発明の組成物がDaivonex(登録商標)軟膏よりヒト患者において耐容性であり得ることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的光散乱で測定して200〜600nmの範囲の粒径分布のナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物の懸濁液であって、さらに、カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの凝集体の形成および/または結晶成長を阻止するのに十分な量で非イオン性重合体界面活性剤を含む水相を含む、懸濁液。
【請求項2】
界面活性剤がポロキサマーまたはポリソルベート界面活性剤およびポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルからなる群から選択される、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項3】
ポロキサマーがポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338およびポロキサマー407からなる群から選択される、請求項2に記載の懸濁液。
【請求項4】
界面活性剤がポロキサマー188である、請求項3に記載の懸濁液。
【請求項5】
ポリソルベートがポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート80およびポリソルベート81からなる群から選択される、請求項2に記載の懸濁液。
【請求項6】
ポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルがセトマクロゴール1000である、請求項2に記載の懸濁液。
【請求項7】
水相の界面活性剤の量が懸濁液の約0.6%〜約1.2重量%の範囲である、請求項2〜6の何れか1項に記載の懸濁液。
【請求項8】
カルシポトリオール一水和物ナノクリスタルが動的光散乱で測定して200〜350nm、350〜400nmまたは400〜500nmの平均粒径を有する、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項9】
動的光散乱で測定して200〜600nmの範囲の粒径分布のナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物であって、該ナノクリスタルが
(a)結晶性カルシポトリオール一水和物を非イオン性重合体界面活性剤を水相の約1重量%〜約5重量%の範囲の量で含む水相中で微細化(diminuting)、約5〜20μmの範囲の粒径分布を有し、約10μmの平均粒径を有する微小粒子を形成させ;
(b)カルシポトリオール一水和物の結晶の約15〜40%が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な時間、約300〜800barの圧力で工程(a)の懸濁液を高圧均質化の第1のサイクルに付し;
(c)カルシポトリオール一水和物の結晶の約40〜80%が200〜600nmの範囲の粒径分布とするのに十分な期間、約800〜1200barの圧力で工程(b)の懸濁液を高圧均質化の第2サイクルに付し;
(d)カルシポトリオール一水和物の結晶の約90%以上が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な期間、約1200〜1700barの圧力で工程(c)の懸濁液を高圧均質化の第3のサイクルに付し;そして
(e)場合により得られたカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルを水相から分離する
工程を含む方法により得ることができる、ナノクリスタル形態のカルシポトリオール一水和物。
【請求項10】
界面活性剤がポロキサマーまたはポリソルベート界面活性剤およびポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルからなる群から選択される、請求項9に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタル。
【請求項11】
ポロキサマーがポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338およびポロキサマー407からなる群から選択される、請求項10に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタル。
【請求項12】
界面活性剤がポロキサマー188である、請求項11に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタル。
【請求項13】
ポリソルベートがポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート80およびポリソルベート81からなる群から選択される、請求項10に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタル。
【請求項14】
ポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルがセトマクロゴール1000である、請求項10に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタル。
【請求項15】
動的光散乱で測定して200〜350nm、350〜400nmまたは400〜500nmの平均粒径を有する請求項9〜14のいずれか1項に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタル。
【請求項16】
冷凍乾燥または噴霧乾燥形の請求項9〜15のいずれか1項に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタル。
【請求項17】
動的光散乱で測定して200〜600nmの範囲の粒径分布のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの製造方法であって、
(a)結晶性カルシポトリオール一水和物を非イオン性重合体界面活性剤を水相の約1%〜約5重量%の範囲の量で含む水相中で微細化し(diminuting)、約5〜20μmの範囲の粒径分布を有し、約10μmの平均粒径を有する微小粒子を形成させ;
(b)カルシポトリオール一水和物の結晶の約15〜40%が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な時間、約300〜800barの圧力で工程(a)の懸濁液を高圧均質化の第1のサイクルに付し;
(c)カルシポトリオール一水和物の結晶の約40〜80%が200〜600nmの範囲の粒径分布とするのに十分な期間、約800〜1200barの圧力で工程(b)の懸濁液を高圧均質化の第2サイクルに付し;
(d)カルシポトリオール一水和物の結晶の約90%以上が200〜600nmの範囲の粒径分布となるのに十分な期間、約1200〜1700barの圧力で工程(c)の懸濁液を高圧均質化の第3のサイクルに付し;そして
(e)場合により得られたカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルを水相から分離する
工程を含む方法。
【請求項18】
工程(a)の縮小が1〜4mm、例えば1.5〜2.5mmまたは2〜3mmの範囲の直径のボールまたはビーズを使用する湿式ボールミル粉砕により行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(a)で使用する界面活性剤がポロキサマーまたはポリソルベート界面活性剤およびポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ポロキサマーがポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338およびポロキサマー407からなる群から選択される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
界面活性剤がポロキサマー188である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ポリソルベートがポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート80およびポリソルベート81からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
ポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテルがセトマクロゴール1000である、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
工程(a)で界面活性剤が懸濁液の約1.5〜約3重量%の範囲、特に懸濁液の2重量%の量で添加される、請求項17〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
工程(b)の高圧均質化の第1のサイクルが約500〜650barの圧力で実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
工程(c)の高圧均質化の第2サイクルが約1000〜1100barの圧力で実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
工程(d)の高圧均質化の第3のサイクルが約1400〜1500barの圧力で実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
高圧均質化工程(b)−(d)がピストン・ギャップホモジナイザを使用して実施される、請求項17〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
さらにカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルの凍結乾燥またはスプレー乾燥を含む、請求項17〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
請求項9〜16のいずれか1項に記載のカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルおよび薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項31】
非イオン性重合界面活性剤の量が組成物の約0.03〜0.06重量%の範囲である、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
担体がC5−60の鎖長であって、C14−16、C18−22、C20−22、C20−26がピークの鎖長を有する炭化水素からまたはその混合物から成るパラフィンから選択される少なくとも一つのパラフィンを含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
さらにC8−22アルキルエーテル、例えばポリオキシエチレン・ステアリル・エーテル、ポリオキシエチレン・セチル・エーテル、ポリオキシエチレン・オレイル・エーテルまたはポリオキシエチレンラウリルエーテルから選択される油中水形乳化剤を含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
さらに増粘成分を含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
増粘成分が蝋である、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
さらにシリコン蝋または揮発性シリコン油を含む、請求項30〜35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
揮発性シリコン油がシクロメチコンまたはジメチコンである、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
さらに抗刺激性化合物を含む、請求項30〜37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
抗刺激性化合物がグリセリン、ソルビトール、蔗糖、サッカリン、ニコチンアミド、メントールまたはオイカリプトールである、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
さらに組成物中のカルシポトリオール一水和物の化学安定性に有害な酸性不純物を中和できる化合物を含む、請求項30〜39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
該化合物がトリエタノールアミン、トロメタモール、モノエタノールアミンまたはジメタノールアミンのようなアミンである、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
軟膏である、請求項30〜41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
実質的に無水の軟膏である、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
クリームである、請求項30〜41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
約0.001〜0.5mg/g、好ましくは約0.002〜0.25mg/g、特に0.005〜0.05mg/gのカルシポトリオール一水和物ナノクリスタルを含む、請求項30〜44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
さらに一種以上のさらなる治療的活性成分を含む、請求項30〜45のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
さらなる活性成分がコルチコステロイドのような抗炎症剤、例えば、ベタメタゾンおよびそのエステル、例えば吉草酸またはジプロピオン酸エステル、クロベタゾールまたはそのエステル、例えばプロピオン酸エステル、ヒドロコルチゾンまたはそのエステル、例えば酢酸エステル;ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナク、イブプロフェン、デクスイブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカムまたはナブメトンのような非ステロイド性抗炎症剤、ホスホジエステラーゼ4阻害剤またはp38MAPキナーゼ阻害剤から選択される、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
皮膚疾患または状態の処置に使用する、請求項30〜47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
皮膚疾患または状態が乾癬、脂漏性乾癬、手掌足底膿疱症、皮膚炎、魚鱗癬、酒さまたはざ瘡である、請求項48に記載の組成物。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−515019(P2013−515019A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545091(P2012−545091)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/DK2010/000183
【国際公開番号】WO2011/076208
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(508069752)レオ ファーマ アクティーゼルスカブ (22)
【Fターム(参考)】