説明

カルバゾール含有伝導性高分子およびこれを用いた有機光起電力装置

【課題】 カルバゾール含有伝導性高分子およびこれを用いた有機光起電力装置の提供。
【解決手段】 本発明は、下記の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子およびこれを光電変換材料として用いた有機光起電力装置に関する。本発明は、様々な種類の芳香族単量体が1種以上含まれているドナー官能基のみからなる高分子またはドナー官能基に繰り返し的なアクセプター基を導入したドナー−アクセプタータイプの高分子にカルバゾール化合物を特定量導入することにより、高い光子吸収能を有するだけではなく、正孔移動度を向上させた伝導性高分子を提供することにより、有機薄膜トランジスター(OTFT)、有機発光ダイオード(OLED)用の光電変換材料として活用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子およびこれを光電変換材料として用いた有機光起電力装置に係り、さらに詳しくは、本発明は、様々な種類の芳香族単量体が1種以上含まれている高分子に少量のカルバゾールを導入することにより、正孔移動度を向上させた伝導性高分子を製造し、これを光電変換材料として用いてエネルギー変換効率を改善させた有機光起電力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機薄膜太陽電池は、有機物を光活性層として用いるものであり、数百nm以内の薄い厚さと相対的に安価な光活性層の材料、特に、自由に曲げられるフレキシブルな素子を製作することができるというメリットを有することから、多くの研究が盛んになされている。
【0003】
光活性層は、一般に、電子親和度が異なる2種類の物質を混合して使用するが、光活性物質の一方が光を吸収して励起されて励起子を形成し、励起子は、電子親和度が低い物質(ドナー)と、電子親和度が高い物質(アクセプター)との間の境界面において電子親和度が低い物質にある電子が電子親和度が高い物質に移動してそれぞれ正孔と電子とに分離される。このとき、励起子が移動可能な距離が物質によって異なるが、〜10nm程度であるため、光が吸収された位置と、電子親和度が異なる両物質の境界面との間の距離が〜10nm以内と成らない限り、最も高い効率の電子と正孔との分離が得られなくなるため、ドナーとアクセプター物質とを混合して用いるバルク異種接合方法を主として用いる。
【0004】
有機太陽電池は、大きく、ドナーおよびアクセプター物質を熱蒸着して薄膜を製造する方法と、溶液工程を用いて薄膜を製造する方法とに大別できる。
【0005】
具体的には、前者はドナーおよびアクセプター物質として単分子を用いるのに対し、後者は、一般に、ドナー物質として高分子を用い、アクセプターとしては、高分子、フラーレン誘導体、ペリレン誘導体、量子点無機ナノ粒子などを用いる。このため、単分子を熱蒸着して用いる場合に比べて、高分子を用いた溶液工程を用いる場合には、大面積の素子を安価に製作することができるので、最近には、高分子を用いた溶液工程の方の研究がより一層盛んに行われているのが現状である。
【0006】
これまで、フラーレン誘導体をアクセプターとして用いることが最も高い効率を示しており(例えば、下記の非特許文献1参照)、より一層高い光電変換効率を図るために、異なる領域の光を吸収する2種類の高分子を、中間電極を挟んで、この順に導入したタンデム型素子の開発もなされている(例えば、下記の非特許文献2参照)。
【0007】
有機太陽電池は、高い光電変換効率を充足する必要があるが、高い光電変換効率を得るためには、まず第一に、多量の光子を光吸収層で吸収することと、第二に、吸収されて励起された励起子がドナーとアクセプターとの間の界面に移動して正孔と電子とに効率よく分離されることと、第三に、分離された正孔と電子が陽極と陰極に損失なしに移動することと、が求められる。
【0008】
バルク異種接合の構造を用い、且つ、アクセプターとしてフラーレン誘導体を用いる場合、上述した第二の項目に挙げられた励起子の分離は定量的に起こるといえるため、有機薄膜太陽電池の高い光電変換効率を得るためには、ドナーとして用いられる高分子が多量の光子を吸収しなければならないという性質と、正孔をよく移動させなければならないとう性質を両立する必要がある。
【0009】
そこで、本発明者らは、有機薄膜太陽電池の高い光電変換効率を得るために鋭意努力した結果、有機発光ダイオード(OLED)と有機薄膜トランジスター(OTFT)に高い正孔移動度が得られることを理由に盛んに適用されているカルバゾール基を用いた電子供与体の分子設計を創出することにより、本発明を完成するに至った。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.,2008,130(48),16144
【非特許文献2】Science,2007,317,222
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、光子吸収能および正孔移動度が向上した新規な伝導性高分子およびこれを用いた光電変換材料としての用途を提供するところにある。
【0012】
本発明の他の目的は、前記伝導性高分子が有機光起電力装置に電子供与体として用いられた有機光起電力装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は、下記の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子を提供する。
【0014】
【化1】

【0015】
前記全体の伝導性高分子中へのカルバゾール化合物の含量は、0<n/(l+m+n)≦0.10であることが好ましく、さらに好ましくは、0<n/(l+m+n)≦0.05である。
【0016】
また、前記XまたはYのうちのいずれか一方がドナー単量体の構造であるとき、他方がアクセプター単量体の構造である。
【0017】
さらに、本発明は、前記一般式1で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子を用いた有機光起電力装置、有機発光ダイオードまたは有機薄膜トランジスター用光電変換材料を提供する。
【0018】
このとき、全体の伝導性高分子中へのカルバゾール化合物の含量は、0<n/(l+m+n)≦0.10であることが好ましく、さらに好ましくは、0<n/(l+m+n)≦0.05である。
【0019】
さらに、本発明は、基板、第1の電極、バッファ層、光電変換層および第2の電極からなる有機光起電力装置において、前記光電変換層が、本発明の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子を電子供与体として用い、C60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体を電子受容体として配合した光電変換物質からなる有機光起電力装置を提供する。
【0020】
このとき、全体の伝導性高分子中へのカルバゾール化合物の含量は、0<n/(l+m+n)≦0.10であることが好ましく、さらに好ましくは、0<n/(l+m+n)≦0.05である。
【0021】
本発明に係る有機光起電力装置において、光電変換層は、一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子を電子供与体として用い、C60フラーレン誘導体またはC70フラーレン誘導体を電子受容体として用いるが、これらが1:0.5〜1:4の重量比で配合された光電変換物質からなるものである。
【0022】
また、前記光電変換物質は、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンおよびクロロホルムよりなる群から選ばれるいずれか1種の溶媒に固形分の含量1.0〜3.0重量%にて含有されるように製造されるものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、様々な種類の芳香族単量体が1種以上含まれている高分子に特定の少量のカルバゾールを導入することにより、高い光子吸収能を有するだけではなく、正孔移動度を向上させた伝導性高分子を提供することができる。
【0024】
したがって、前記カルバゾール含有伝導性高分子は、高い光子吸収能および正孔移動度を有することから、有機光起電力装置に電子供与体として採用することができる。なお、前記カルバゾール含有伝導性高分子は、有機薄膜トランジスター(OTFT)、有機発光ダイオード(OLED)などの有機電子材料の様々な分野に有効に活用することができる。
【0025】
さらに、本発明は、カルバゾール含有伝導性高分子を電子供与体として用い、C60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体を電子受容体として用いることにより、光電変換層を構成する有機光起電力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に従い製造された有機光起電力装置の模式図である。
【図2】本発明の好適な実施形態に従い製造された有機光起電力装置の電流密度−電圧の測定結果を示す図である。
【図3】本発明の他の好適な実施形態に従い製造された有機光起電力装置の電流密度−電圧の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を詳述する。
【0028】
本発明は、下記の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子を提供する。
【0029】
【化1】

【0030】
前記一般式1で表される伝導性高分子は、様々な種類の芳香族単量体が1種以上含まれているドナー官能基のみよりなる高分子またはドナー官能基に繰り返し的なアクセプター基を導入したドナー−アクセプタータイプの高分子に正孔移動度が高いカルバゾールを導入したものであり、このとき、2,7−カルバゾール基の含量があまりにも高過ぎる場合に、相対的に吸光度が高くないといったカルバゾール基の特性によって、目的化合物である伝導性高分子の高い光吸収を期待することが困難になる。
【0031】
このため、本発明の一般式1(化1)の伝導性高分子において、カルバゾールを導入することにより、正孔移動度を向上させることができるとともに、高い光吸収度を実現し得る伝導性高分子が得られる。
【0032】
このため、本発明に係る一般式1(化1)で表される伝導性高分子において、カルバゾール化合物の含量は、0<n/(l+m+n)≦0.10であることが好ましく、さらに好ましくは、0<n/(l+m+n)≦0.05を充足する必要がある。このとき、カルバゾールの含量が0.1を超えると、伝導性高分子が光電変換材料として使われ得る程度の光吸収量が得られない結果、エネルギー変換効率が低下する。
【0033】
また、本発明に係る一般式1(化1)で表される伝導性高分子において、光吸収度を高めるための機能と、高分子の自己組立可能な機能を両立させるために、X、YまたはXおよびYの組み合わせが重要である。このとき、XまたはYのうちのいずれか一方がドナー単量体の構造であるとき、他方はアクセプター単量体の構造を有する必要がある。
【0034】
好適なドナー単量体は、一般式2(化2)乃至一般式10(化10)で表される化合物の中から選ばれるいずれか1種を用いるものである。
【0035】
【化2】

【0036】
【化3】

【0037】
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

【0040】
【化7】

【0041】
【化8】

【0042】
【化9】

【0043】
【化10】

【0044】
(式中、R2またはR3は、C1〜C20のアルキル、C1〜C20のヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールである。)
また、好適なアクセプター単量体は、下記の一般式11(化11)乃至一般式16(化16)で表される化合物の中から選ばれるいずれか1種を用いるものである。
【0045】
【化11】

【0046】
【化12】

【0047】
【化13】

【0048】
【化14】

【0049】
【化15】

【0050】
【化16】

【0051】
(式中、R4またはR5は、C1〜C20のアルキル、C1〜C20のヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールである。)
本発明に係る一般式1(化1)で表される伝導性高分子において、XおよびYは、前記ドナー単量体またはアクセプター単量体の他にも、公知の様々な伝導性官能基または光吸収機能を有するいずれか1種の単量体構造であってもよい。好ましくは、XおよびYが両方とも結晶性を有するチオフェン誘導体であってもよい。さらに好ましくは、Xは、ドナー官能基を有し、且つ、Yは、アクセプター官能基を有していて、ドナー−アクセプタータイプの低いバンドギャップの高分子を構成してもよい。
【0052】
本発明は、下記の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子が有機光起電力装置に電子供与体として用いられる光電変換材料としての用途を提供する。
【0053】
【化1】

【0054】
式中、好適なカルバゾール化合物の含量は、0<n/(l+m+n)≦0.10であることが好ましく、さらに好ましくは、0<n/(l+m+n)≦0.05である。
【0055】
本発明の実施形態においては、好適な伝導性高分子の実施例として、フルオレンおよびジチエニルベンゾチアジアゾールの共重合体にカルバゾール化合物が含有されて製造された伝導性高分子を下記の反応式1(化17)によって提供する。
【0056】
【化17】

【0057】
他の実施例として、ジチオフェンシロールおよびベンゾチアジアゾールの共重合体にカルバゾール化合物が含有されて製造された伝導性高分子を下記の反応式2(化18)によって提供する。
【0058】
【化18】

【0059】
このとき、本発明は、伝導性高分子の主鎖に20モル%以下、さらに好ましくは、10モル%以下で少量の2,7−カルバゾール基を導入することにより、正孔伝達能が向上した伝導性高分子を提供することができる。
【0060】
本発明のカルバゾール含有伝導性高分子を電子供与体として用い、フラーレン誘導体をアクセプターとして用いる場合、有機薄膜太陽電池の高い光電変換効率を確認することにより[表1および表2]、高い光子吸収能及び正孔移動度を両立させることができる。
【0061】
そこで、本発明は、一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子が有機光起電力装置、有機発光ダイオード(OLED)または有機薄膜トランジスター(OTFT)に非線形光学材料として用いて好適な光電変換材料としての用途を提供する。
【0062】
また、本発明は、基板、第1の電極、バッファ層、光電変換層および第2の電極からなる有機光起電力装置において、前記光電変換層が、一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子が電子供与体として用いられ、C60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体が電子受容体として配合された光電変換物質からなる有機光起電力装置を提供する。
【0063】
本発明の好適な実施例に従い製造された有機光起電力装置の模式図は、図1に示す通りであり、本発明の有機光起電力装置は、下から、基板110、第1の電極120、バッファ層130、光電変換層140および第2の電極150がこの順に積層された構造において、前記光電変換層140が、一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子が電子供与体として用いられ、C60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体が電子受容体として配合された光電変換物質から形成されたものであることを特徴とする。
【0064】
また、本発明の有機光起電力装置は、前記光電変換層140と第2の電極150との間に電子輸送層、正孔阻止層またはオプティカルスペース層を導入してもよい。
【0065】
本発明の有機光起電力装置は、電子供与体として用いられる伝導性高分子がカルバゾールを導入することにより、高い光子吸収能と高い正孔移動度が得られる結果、有機薄膜太陽電池の高い光電変換効率を実現することができる[図2および図3]。
【0066】
このとき、本発明の有機光起電力装置に電子供与体として用いられる伝導性高分子中へのカルバゾール含量が0<n/(l+m+n)≦0.10であることが好ましく、さらに好ましくは、0<n/(l+m+n)≦0.05である。
【0067】
本発明の有機光起電力装置に用いられる基板110の素材としては、透明物質が好ましく、その一例としては、ガラスまたはポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:(polyethylene naphthalate)、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリアミド(PI:polyamide)、トリアセチルセルロース(TAC:triacetylcellulose)などのプラスチックであり、さらに好ましくは、ガラスである。
【0068】
さらに、第1の電極120は、前記基板110の片面に、スパッターリング、スピンコーティングなどの方法を用いて透明物質を塗布したり、フィルム状にコーティングして形成することができる。第1の電極120は、アノードとして働く部分であり、後述する第2の電極150に比べてワーク(work)関数が小さな物質であり、透明性および導電性を有するものであれば、特に制限なしに使用可能であるが、その好適な一例としては、ITO(indium−tin oxide)、FTO(Fluorine doped tin oxide)、ZnO−(Ga23またはAl23)、SnO2−Sb23などが使用可能であり、さらに好ましくは、ITOを用いる。
【0069】
前記第1の電極120の上部に形成されるバッファ層130は、ポリスチレンスルホネートでドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)[PEDOT:PSS]を用いて正孔移動度を向上させることができる。このとき、バッファ層130の形成方法としては、スピンコーティングなどの方法が用いられる。
【0070】
一方、前記バッファ層130の上部には、光電変換層140が積層される。前記光電変換層140は、電子供与体と電子受容体との接合構造を有し、且つ、電子供与体と電子受容体との間の極めて高速な電荷移動現象により光起電力効果を提供する。
【0071】
このとき、本発明は、光電変換層140の材料として、電子供与体として本発明の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子を用い、電子受容体としてはC60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体を用いる。
【0072】
また、本発明の光電変換層140の光電変換物質は、一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子と、C60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体との混合比が1:0.5〜1:4の重量比で配合されることが好ましい。このとき、本発明のカルバゾール含有伝導性高分子に比べて、フラーレン誘導体が0.5重量比未満で配合されれば、結晶化したフラーレン誘導体の含量が不足して生成された電子の移動に障害が発生し、4重量比を超えると、光を吸収する伝導性高分子の量が相対的に減って光の効率よい吸収が行われないため、好ましくない。
【0073】
本発明のカルバゾール含有伝導性高分子と、C60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体が配合される光電変換物質は、単一の有機溶媒または沸点が異なる2種以上の有機溶媒に溶解させて溶液を製造するが、このときに用いられる有機溶媒としては、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンおよびクロロホルムよりなる群から選ばれるいずれか1種の溶媒に固形分含量1.0〜3.0重量%にて含有されるように製造される。このとき、固形分含量が1.0重量%未満であれば、導入された薄膜の厚さを70nm以上に維持するのに問題があり、3.0重量%を超えて含有されれば、伝導性高分子とC70のフラーレン誘導体が溶けない部分が大きくて好ましくない。
【0074】
この後、前記光電変換物質が溶解された溶液は、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、インキジェットプリント法およびドクターブレード法の中から選ばれるいずれか1種の方法により塗布またはコーティングされて、約70nm以上、好ましくは、80〜200nmの厚さの光電変換層140として形成される。
【0075】
第2の電極150は、光電変換層140が導入された状態で、約10-7torr以下の真空度でアルミニウムなどの金属物質を100〜200nmに真空熱蒸着して光電変換層140の上部に積層されてもよい。
【0076】
前記第2の電極150として使用可能な物質としては、金、アルミニウム、銅、銀またはこれらの合金、カルシウム/アルミニウム合金、マグネシウム/銀合金、アルミニウム/リチウム合金などが挙げられ、好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム/カルシウム合金である。
【実施例】
【0077】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳述するが、これらの実施例は本発明をより具体的に説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されることはない。
【0078】
<実施例1>高分子−2の合成
反応フラスコに、2,7−ビス(4´,4´,5´,5´−テトラメチル−1´,3´,2´−ジオキサボロラン−2´−イル)−9,9−ジデシルフルオレン0.300g(0.429mmol)、4,7−ジ−2´−(5´−ブロモ)−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.187g(0.409mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.0106g(0.0215mmol)を入れ、1時間真空引きした後、トルエン7mlを入れた後、30分間攪拌した。エタノール1.5mlと20重量%のEt4NOH1.5mlを入れた後、窒素でバブリングして、溶媒中に溶けている溶存酸素を除去した。
【0079】
この後、Pd(OAc)22.9mg(0.0129mmol)とトリシクロヘキシホスフィン10.8mg(0.0386mmol)を入れ、窒素雰囲気下で外部油浴の温度を120℃に維持しつつ2日間還流した。
【0080】
フェニルボロン酸(phenyl boronicacid)0.05gを入れて3時間反応させた後、ブロモベンゼン0.12gを入れて、4時間さらに反応させた。
【0081】
反応溶液を300mlのメタノールに滴下して得られた未精製固体高分子をメタノール中で24時間ソックスレーを用いて洗浄した。溶媒をクロロホルムに変えて高分子を溶かし出し、最少量の溶媒を残して蒸発させた後、300mlのメタノールに沈殿させた。個体をろ過した後、溶媒を除去し、さらに最少量のクロロホルムに溶かした後、300mlのメタノールに再沈殿させた後にろ過し、真空中で乾燥して高分子200mgを得た[Mw=5、448g/mol(PDI=2.0)]。
【0082】
<実施例2>高分子−3の合成
反応フラスコに、2,7−ビス(4´,4´,5´,5´−テトラメチル−1´,3´,2´−ジオキサボロラン−2´−イル)−9,9−ジデシルフルオレン0.300g(0.429mmol)、4,7−ジ−2´−(5´−ブロモ)−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.177g(0.386mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.0212g(0.0429mmol)を入れて1時間真空引きした後、トルエン7mlを入れた後、30分間攪拌することを除いては、前記実施例1の方法と同様にして、高分子200mgを得た[Mw=6,796g/mol(PDI=2.0)]。
【0083】
<実施例3>高分子−4の合成
反応フラスコに、2,7−ビス(4´,4´,5´,5´−テトラメチル−1´,3´,2´−ジオキサボロラン−2´−イル)−9,9−ジデシルフルオレン0.400g(0.573mmol)、4,7−ジ−2´−(5´−ブロモ)−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.210g(0.458mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.0106g(0.0215mmol)を入れて1時間真空引きした後、トルエン8mlを入れた後、30分間攪拌することを除いては、前記実施例1の方法と同様にして、高分子200mgを得た[Mw=5,125g/mol(PDI=2.0)]。
【0084】
<比較例1>高分子−1の合成
反応フラスコに、2,7−ビス(4´,4´,5´,5´−テトラメチル−1´,3´,2´−ジオキサボロラン−2´−イル)−9,9−ジデシルフルオレン0.300g(0.429mmol)、4,7−ジ−2´−(5´−ブロモ)−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.197g(0.429mmol)を入れて、1時間真空引きした後、トルエン7mlを入れた後、30分間攪拌することを除いては、前記実施例1の方法と同様にして、高分子120mgを得た[Mw=5,015g/mol(PDI=1.8)]。
【0085】
<比較例2>高分子−5の合成
反応フラスコに、2,7−ビス(4´,4´,5´,5´−テトラメチル−1´,3´,2´−ジオキサボロラン−2´−イル)−9,9−ジデシルフルオレン0.3g(0.429mmol)、4,7−ジ−2´−(5´−ブロモ)−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.137g(0.300mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.064g(0.129mmol)を入れて1時間真空引きした後、トルエン7mlを入れた後、30分間攪拌することを除いては、前記実施例1の方法と同様にして、高分子260mgを得た[Mw=8,521g/mol(PDI=2.4)]。
【0086】
<比較例3>高分子−6の合成
反応フラスコに、2,7−ビス(4´,4´,5´,5´−テトラメチル−1´,3´,2´−ジオキサボロラン−2´−イル)−9,9−ジデシルフルオレン0.3g(0.429mmol)、4,7−ジ−2´−(5´−ブロモ)−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.118g(0.258mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.084g(0.172mmol)を入れて1時間真空引きした後、トルエン7mlを入れた後、30分間攪拌することを除いては、前記実施例1の方法と同様にして、高分子220mgを得た[Mw=12,233g/mol(PDI=2.6)]。
【0087】
<比較例4>高分子−7の合成
反応フラスコに、2,7−ビス(4´,4´,5´,5´−テトラメチル−1´,3´,2´−ジオキサボロラン−2´−イル)−9,9−ジデシルフルオレン0.3g(0.429mmol)、4,7−ジ−2´−(5´−ブロモ)−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.098g(0.215mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.106g(0.215mmol)を入れて1時間真空引きした後、トルエン7mlを入れた後、30分間攪拌することを除いては、前記実施例1の方法と同様にして、高分子270mgを得た[Mw=9,342g/mol(PDI=2.4)]。
【0088】
<実施例4>有機光起電力装置の製造1
前記スズキ方法を通じて合成された実施例1〜3および比較例1〜4のカルバゾール基を含む伝導性高分子を電子供与体として用い、C70−PCBMを電子受容体として用いるが、その配合比を1:3重量比で混合して製造された光電変換層材料をクロロベンゼン溶媒に1.5%の重量比で含有されるように溶解させた後、アルゴン雰囲気下でPEDOT層が導入されたITOガラス基板にスピンコーティングして70〜120nmの厚さの光電変換層を導入し、120℃の熱板で5分間熱処理した。
【0089】
次いで、10-7torr以下の真空度を有する真空チャンバーでLiF0.6nmとアルミニウム100〜200nmをこの順に熱蒸着して有機光起電力装置を製造した。
【0090】
<実験例1>有機光起電力装置の電気光学的特性
下記の反応式1(化17)に示す方法に従い製造された実施例1〜3および比較例1〜4の高分子と、C70−PCBMを1:3重量比で混合して光電変換層材料を製造し、これを用いた有機光起電力装置に対して測定した電気光学的特性結果を下記表1に示す。
【0091】
また、図2は、前記実施例1〜3および比較例1〜4に従い製造された伝導性高分子とC70−PCBMを1:3重量比で混合して製造された光電変換層材料を用いた有機光起電力装置の電流密度−電圧(J−V)の測定結果を示すグラフである。
【0092】
電気光学的特性のうち、充填率(フィルファクター、fill factor)およびエネルギー変換効率は、下記の数式1および数式2によって算出された。
【0093】
【数1】

【0094】
(式中、Vmpは最大電力点における電圧値であり、Impは電流密度であり、Vocは光開放電圧であり、Iscは光短絡電流である。)
【0095】
【数2】

【0096】
(式中、Jscは光短絡電流密度であり、Vocは光開放電圧である。)
【0097】
【化17】

【0098】
【表1】

【0099】
前記表1および図2の結果から、フルオレンおよびジチエニルベンゾチアジアゾールの共重合体に少量のカルバゾールが含有されて製造された実施例1〜3の高分子(高分子−2〜高分子−4)の方が、カルバゾール未含有の比較例1の高分子(高分子−1)に比べて、それぞれ31%、23%、19%が向上していることが分かる。
【0100】
また、フルオレンに対し、30%以上の単量体を添加した比較例2〜4の高分子(高分子−5〜高分子−7)の場合に、エネルギー変換効率がむしろ50%程度減少される結果を確認した。
【0101】
<実施例5>高分子−9の合成
反応フラスコに、2,6−ビス(トリブチルスタンナニル)−4,4´−ジヘキシルジチエノシロール0.300g(0.436mmol)、4,7−ブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.122g(0.414mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.0107g(0.0218mmol)とトルエン2mlを入れた後、10分間窒素でバブリングして、溶媒中に溶けている溶存酸素を除去した。窒素を流しつつ、Pd(OAc)22.9mg(0.0129mmol)とトリシクロヘキシホスフィン10.8mg(0.0386mmol)を入れてさらに5分間窒素で泡立てした。窒素雰囲気下で外部油浴の温度を120℃に維持しつつ2日間還流した。
【0102】
トリブチルフェニル錫0.05gを入れて3時間反応させた後、ブロモベンゼン0.12gを入れて、4時間さらに反応させた。反応溶液を300mlのメタノールに滴下して得られた未精製の個体高分子をメタノール中で24時間ソックスレーを用いて洗浄した。溶媒をクロロホルムに変えて高分子を溶かし出し、最少量の溶媒を残して蒸発させた後、300mlのメタノールに沈殿させた。個体をろ過した後、溶媒を除去し、さらに最少量のクロロホルムに溶かした後、300mlのメタノールに再沈殿させた後、ろ過し、真空下で乾燥して高分子130mgを得た[Mw=9,764g/mol(PDI=3.7)]。
【0103】
<実施例6>高分子−10の合成
反応フラスコに、2,6−ビス(トリブチルスタンナニル)−4,4´−ジヘキシルジチエノシロール0.300g(0.436mmol)、4,7−ブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.102g(0.349mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.043g(0.087mmol)とトルエン1.5mlを入れた後、10分間窒素のバブリングをして、溶媒中に溶けている溶存酸素を除去した。
【0104】
窒素を流しつつ、Pd(OAc)24.3mg(0.0190mmol)とトリシクロヘキシホスフィン15.8mg(0.0563mmol)を入れてさらに5分間窒素で泡立てした。窒素雰囲気下で外部油浴の温度を120℃に維持しつつ2日間還流させ、以降の実験は実施例5の方法に従い実施して、高分子180mgを得た[Mw=6,583g/mol(PDI=3.8)]。
【0105】
<比較例5>高分子−8の合成
反応フラスコに、2,6−ビス(トリブチルスタンナニル)−4,4´−ジヘキシルジチエノシロール0.40g(0.58mmol)、4,7−ブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.17g(0.58mmol)とトルエン2mlを入れた後、10分間窒素でバブリングして、溶媒中に溶けている溶存酸素を除去した。
【0106】
窒素を流しつつ、Pd(OAc)24.0mg(0.017mmol)とトリシクロヘキシホスフィン15.0mg(0.052mmol)を入れてさらに5分間窒素でバブリングした。窒素雰囲気下で外部油浴の温度を120℃に維持しつつ2日間還流させ、以降の実験は実施例5の方法に従い実施して、高分子200mg[Mw=8,452g/mol(PDI=3.1)]を得た。
【0107】
<比較例6>高分子−11の合成
反応フラスコに、2,6−ビス(トリブチルスタンナニル)−4,4´−ジヘキシルジチエノシロール0.300g(0.436mmol)、4,7−ブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール0.064g(0.218mmol)、N−ドデシル−2,7−ジブロモカルバゾール0.107g(0.218mmol)とトルエン1.5mlを入れた後、10分間窒素でバブリングして、溶媒中に溶けている溶存酸素を除去した。
【0108】
窒素を流しつつ、Pd(OAc)22.0mg(0.013mmol)とトリシクロヘキシホスフィン11.0mg(0.039mmol)を入れてさらに5分間窒素でバブリングした。窒素雰囲気下で外部油浴の温度を120℃に維持しつつ2日間還流させ、以降の実験は実施例5の方法に従い実施して、高分子150mg[Mw=11,154g/mol(PDI=3.8)]を得た。
【0109】
<実施例7>有機光起電力装置の製造2
前記スチーリー方法を通じて合成された実施例5〜6および比較例5〜6のカルバゾール基を含む伝導性高分子を電子供与体として用い、C70−PCBMを電子受容体として用いるが、その配合比を1:3重量比で混合して製造された光電変換層材料をクロロベンゼン溶媒に1.5%の重量比で含有されるように溶解させた後、前記実施例4の方法と同様にして有機光起電力装置を製造した。
【0110】
<実験例2>有機光起電力装置の電気光学的特性
下記の反応式2(化18)に示す方法に従い製造された実施例5〜6および比較例5〜6の高分子とC70−PCBMを1:3重量比で混合して光電変換層材料を製造し、これを用いた有機光起電力装置に対して行った電気光学的特性結果を下記表2に示す。
【0111】
また、図3は、前記実施例5〜6および比較例5〜6に従い製造された伝導性高分子とC70−PCBMを1:3重量比で混合して製造された光電変換層材料を用いた有機光起電力装置の電流密度−電圧(J−V)の測定結果を示すグラフである。
【0112】
【化18】

【0113】
【表2】

【0114】
前記表2および図3の結果から、ジチオフェンシロールおよびベンゾチアジアゾールの共重合体に少量のカルバゾールが含有されて製造された実施例5〜6の高分子(高分子−9〜高分子−10)の方が、カルバゾール未含有の比較例5の高分子(高分子−8)に比べて、それぞれ46%、258%が向上していることが分かる。
【0115】
また、カルバゾールの割合が一層増加した比較例6の高分子(高分子−11)の場合に、エネルギー変換効率がむしろ減少されることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上述べたように、本発明は、下記の効果を奏する。
【0117】
第一に、本発明は、様々な種類の芳香族単量体が1種以上含まれているドナー官能基のみからなる高分子またはドナー官能基に繰り返し的なアクセプター基を導入したドナー−アクセプタータイプの高分子に特定量のカルバゾールを導入した伝導性高分子を提供することにより、電荷移動速度が向上して有機薄膜太陽電池の電子供与体として用いた場合にエネルギー変換効率を向上させる効果がある。
【0118】
第二に、本発明のカルバゾール化合物が導入された伝導性高分子を有機光起電力装置に電子供与体として用いることができるだけではなく、有機薄膜トランジスター(OTFT)、有機発光ダイオード(OLED)などの有機電子材料の様々な分野に有効に活用することができる。
【0119】
第三に、本発明は、カルバゾール化合物が導入された伝導性高分子を電子供与体として活用した有機光起電力装置を提供することにより、有機薄膜太陽電池の高い光電変換効率を実現することができる。
【0120】
以上、本発明は、記載された具体例についてのみ詳細に説明されたが、本発明の技術的な思想の範囲内において様々な変形および修正が可能であるということは当業者にとって自明であり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属するものであるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0121】
100…有機光起電力装置
110…基板
120…第1の電極
130…バッファ層
140…光電変換層
150…第2の電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子:
【化1】

【請求項2】
前記式中、0<n/(l+m+n)≦0.05であることを特徴とする請求項1に記載のカルバゾール含有伝導性高分子。
【請求項3】
前記XまたはYのうちのいずれか一方がドナー単量体の構造であり、他方がアクセプター単量体構造であることを特徴とする請求項1に記載のカルバゾール含有伝導性高分子。
【請求項4】
前記ドナー単量体が、下記の一般式2(化2)乃至一般式10(化10)で表される化合物から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項3に記載のカルバゾール含有伝導性高分子:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

但し、式中、R2またはR3は、C1〜C20のアルキル、C1〜C20のヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールである。
【請求項5】
前記アクセプター単量体が、下記の一般式11(化11)乃至一般式16(化16)で表される化合物から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項3に記載のカルバゾール含有伝導性高分子:
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

但し、式中、R4またはR5は、C1〜C20のアルキル、C1〜C20のヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールである。
【請求項6】
請求項1に記載の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子を用いた有機光起電力装置、有機発光ダイオードまたは有機薄膜トランジスター用光電変換材料。
【化1】

【請求項7】
前記式中、0<n/(l+m+n)≦0.05であることを特徴とする請求項6に記載の光電変換材料。
【請求項8】
基板、第1の電極、バッファ層、光電変換層および第2の電極からなる有機光起電力装置において、
前記光電変換層が、請求項1に記載の一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子が電子供与体として用いられ、C60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体が電子受容体として配合された光電変換物質からなる有機光起電力装置。
【化1】

【請求項9】
前記式中、0<n/(l+m+n)≦0.05であることを特徴とする請求項8に記載の有機光起電力装置。
【請求項10】
前記光電変換層が、一般式1(化1)で表される2,7−カルバゾール基含有伝導性高分子の電子供与体およびC60のフラーレン誘導体またはC70のフラーレン誘導体の電子受容体が1:0.5〜1:4の重量比で配合された光電変換物質からなることを特徴とする請求項8に記載の有機光起電力装置。
【請求項11】
前記光電変換物質が、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンおよびクロロホルムよりなる群から選ばれるいずれか1種の溶媒に固形分含量1.0〜3.0の重量%で含有されるように製造されることを特徴とする請求項8に記載の有機光起電力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−522067(P2012−522067A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501945(P2012−501945)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001957
【国際公開番号】WO2010/117158
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(591199338)コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジー (16)
【氏名又は名称原語表記】KOREA RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL TECHNOLOGY
【Fターム(参考)】