説明

カルバ糖アミン誘導体の酸付加塩

下記一般式(1)で表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。


式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、1又は2以上の下記置換基(I)もしくは(II)を有することもあるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はアラルキル基を示すか、あるいは、R及びRとが併さって(III)の置換基を示し


(R〜R12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)、ただし、R及びRは双方が同時に水素原子であることはなく、R、R及びRはそれぞれ独立にヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基もしくは置換基を有するヒドロキシル基を示し、ただし、R及びRは、一方が水素原子であるとき、他方はヒドロキシル基、又は置換基を有するヒドロキシル基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は新規カルバ糖アミン誘導体の酸付加塩に関する。
【背景技術】
糖脂質代謝異常症としては、従来GM1ガングリオシドーシス、セラミドラクトシドリピドーシス、モルキオB病、Krabbe病、Fabry病、Gaucher病、Tay−Sachs病、Sandhoff病、フコシドーシスなどが知られている。これらの疾病は各種の糖分解酵素が変異を起こした結果生じる疾病である。その中でもGM1ガングリオシドーシス、モルキオB病、セラミドラクトシドリピドーシス、Krabbe病はβ−ガラクトシダーゼが、また、Gaucher病はβ−グルコシダーゼが変異して酵素活性を失った結果生ずる疾病である。これらの疾病に対する医薬となりうる可能性を有する物質としてカルバ糖アミンの誘導体が知られている(国際公開WO 03/022797号)。
国際公開WO 03/022797号に記載されたカルバ糖アミンの誘導体は、変異酵素の低下又は失われた活性を回復させる働きを有しているが、その水溶解性が極めて低く、医薬として使用するためには十分とは言えなかった。
【発明の開示】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、強いβ−ガラクトシダーゼ阻害活性又はβ−グルコシダーゼ阻害活性を示す特定のカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩を発見し、これが優れた水性溶媒への溶解性を有していることを見い出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(1)で表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。

式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、1または2以上の下記置換基(I)もしくは(II)を有することもあるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はアラルキル基を示すか、あるいは、R及びRとが併さって置換基(III)を示し

(R〜R12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)ただし、R及びRは双方が同時に水素原子であることはなく、R、R及びRはそれぞれ独立にヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、またはヒドロキシル基もしくは置換基を有するヒドロキシル基を示し、ただし、R及びRは、一方が水素原子であるとき、他方はヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基である。
(2)下記一般式(1)−A−2で表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。

式中、R及びRは上記(1)と同義である。
(3)下記一般式(1)−B−2で表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。

式中、R及びRは上記(1)と同義である。
(4)塩酸塩又は硫酸塩であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩を有効成分として含有する医薬。
(6)糖脂質代謝異常症の予防剤または治療剤である、(5)記載の医薬。
(7)下記一般式(1)で表されるカルバ糖アミン誘導体を水性溶媒中で酸と接触させて酸付加塩とすることを特徴とするカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩の製造方法。

式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、1または2以上の下記置換基(I)もしくは(II)を有することもあるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はアラルキル基を示すか、あるいは、R及びRとが併さって(III)の置換基を示し、

(R〜R12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)ただし、R及びRは双方が同時に水素原子であることはなく、R、R及びRはそれぞれ独立にヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロキシル基もしくは置換基を有するヒドロキシル基を示し、ただし、R及びRは、一方が水素原子であるとき、他方はヒドロキシル、または置換基を有するヒドロキシル基である。
以下、発明の実施の形態により、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、上記一般式(1)により表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩(以下、「本発明物質」という。)である。
ここで、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、1又は2以上の下記置換基(I)もしくは(II)を有することもあるアルキル基、アリール基、又はアラルキル基等の、有機化学分野において官能基の修飾や側鎖の保護に通常用いられる残基、あるいはR及びRとが併さって置換基(III)を示す。

(R〜R12はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)、R及びRが同時に水素原子であることはない。
上記アルキル基としては例えば炭素数1〜30、好ましくは2〜23の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。特に本発明物質を有効成分として含有する医薬(以下、「本発明医薬」という。)をスフィンゴ糖脂質の代謝系の異常によって生じる疾病へ適用する場合には、その有効成分の構造はスフィンゴ糖脂質のアナログとなりうる方が好ましい。すなわち生体内に主に存在するスフィンゴ糖脂質のアナログ(スフィンゴ糖脂質と類似した構造を有しスフィンゴ糖脂質と類似又は拮抗な働きをする物質)としては、上記一般式中Rは特に炭素数8〜23の直鎖のアルキル基を有することが最も好ましい。
上記アルキル基のうち、分枝を有するものとしては、アルキル基に置換基が導入されていてもよく、この置換基としては、例えばアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、水酸基又はシリル基などが挙げられる。一般にアルキルグリセロールのようなアルキル基の炭素に結合した水素がヒドロキシル基で置換した骨格に、更に例えば直鎖を有するアルキル基(分枝を有するアルキル基であってもかまわない)がエーテル結合で結合した構造(下記式(2)参照)等を有していても良い(下記構造式中mはそれぞれ独立に0〜30の整数を示す)。

上記アルケニル基及びアルキニル基は、炭素数1〜30、好ましくは2〜23であることが好ましく、炭素原子同士の二重結合、三重結合を複数有していてもよい。上記アシル基とは、一般に−CO−Rで表される基であればいずれでもよいが、アシル基全体で炭素数は1〜30、好ましくは2〜23である。尚、上記一般式においてRは上述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、後述のアリール基、アラルキル基から選択されるいずれかの基である。
また、上記アリール基としては、炭素数6〜22、好ましくは6〜14のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素残基又は、更にアルキル基やアシル基等の置換基が芳香環の水素原子に置換している芳香族炭化水素残基(例えばトリル基等)が例示される。
上記アラルキル基とはアルキル基の水素原子がアリール基で置換したAr−(CH−を一般構造とする基であり、前記nは1〜30が好ましく、2〜23がより好ましい。このようなアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基等が例示される。
上記置換基を有する(I)又は(II)を有することもあるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基もしくはアラルキル基としては下記(A)〜(D)の化合物が挙げられ、R及びRとが併さった置換基(III)を有する化合物としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。

(式中、R13〜R15は、水素原子、炭素数0〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)
、R及びRがヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基である場合、特にヒドロキシル基が好ましい。
ただし、R及びRは、一方がヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基であるとき、他方は水素原子を示す。双方が同時にヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基であることはない。また、R及びRがそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基である場合、特にヒドロキシル基が好ましい。
ここで、ヒドロキシル基の置換基とは、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基等)、シリル基(トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル(TIPS)基、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基等)、アルカノイル基(アセチル基、ブチリル基等)、アロイル基(ベンゾイル基、トルオイル基、ナフトイル基等)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル(MOM)基等)、アラルキルオキシアルキル基(ベンジルオキシメチル(BOM)基等)等単独の置換基又はR〜Rのうちの2個が一緒になって置換基を形成するアルキリデン基(メチリデン基、エチリデン基)、イソプロピリデン基、アラルキリデン基(ベンジリデン基等)等が例示されるが、その中では特にMOM基が、安定性、取り扱い及び脱離の容易性の観点から好ましい。
上記一般式(1)により表されるカルバ糖アミン誘導体において、R、R、R及びRがそれぞれヒドロキシル基でRが水素原子の場合、下記一般式(1)−A−2で表すことができる(図1中、化合物25−1〜25−7に相当)。

また、上記一般式(1)により表されるカルバ糖アミン誘導体において、R、R、R及びRがそれぞれヒドロキシル基で、Rが水素原子である場合、下記一般式(1)−B−2で表すことができる(図1中、化合物30−1〜30−7に相当)。

本発明物質は上記一般式(1)で示される化合物の酸付加塩であるが、かかる酸付加塩の例としては、例えば無機酸(硫酸、硝酸、燐酸、ハロゲン化水素酸(塩酸、次亜塩素酸、臭化水素酸など))及び有機酸(酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、エタンジオン酸、プロパンジオン酸、ブタンジオン酸、(Z)−ブタンジオン酸、(E)−2−ブタンジオン酸、2−ヒドロキシブタンジオン酸、2,3−ジヒドロキシブタンジオン酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、蓚酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マンデル酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、クエン酸、乳酸、酪酸、サリチル酸、ニコチン酸など)等の酸との塩が例示される。これらの中でも無機酸塩が好ましく、特に塩酸塩又は硫酸塩が好ましい。
なお、本発明物質は擬似糖の1種である一般式(1)で示される化合物の酸付加塩であるため、本明細書中における該化合物の炭素番号は、ヘキソースの例に従って下記一般式(3)に示す方法によって記載する。

また、一般式(1)中、NRで示される置換アミノ基は擬似糖である本発明物質をヘキソースと仮定した場合(上記一般式(3)中、1位と5位の炭素に結合した5aで示される炭素をヘキソースの六員環の酸素と仮定した場合)に1位に結合した置換アミノ基(NR)が六員環に対して上側にあるものをβ型、反対側にあるものをα型とし、本発明物質はβ型であることが好ましい。
本発明物質は、哺乳動物、特にヒト由来のβ−ガラクトシダーゼ又はβ−グルコシダーゼに対する阻害活性が高い物質の塩であるため、特にin vitro又はin vivo(細胞、組織など)においてこれらの酵素を阻害するための試薬及びこのような酵素阻害作用に基づく医薬又は糖脂質代謝異常症を処置(治療又は予防)するための医薬として使用することが可能である。特に医薬として使用する際には、本発明物質は公知の遊離型の物質よりも極めて水等の水溶性溶媒に対する溶解性が高いため、血中濃度を高めることができ、投与量の低減につなげることができると考えられ、また様々な製剤化が容易となる。さらに、本発明物質はβ−ガラクトシダーゼ又はβ−グルコシダーゼの変異によって惹起される疾病の病態研究などにも使用することができる。
なお、β−ガラクトシダーゼに対する阻害活性は、β−ガラクトシダーゼと基質が存在する溶液中に、β−グルコシダーゼに対する阻害活性は、β−グルコシダーゼと基質が存在する溶液中に、それぞれ本発明物質を添加し、酵素活性を本発明物質無添加の場合と比較することで、その阻害活性を算出することが可能である。
本発明物質は、哺乳動物のβ−ガラクトシダーゼ又はβ−グルコシダーゼの活性に対し、1μmol/l未満の50%阻害濃度(IC50)を有している物質の塩であることが好ましく、特にIC50は0.5μmol/l未満であることが好ましい。
また、本発明物質は、国際公開WO 03/022797号に記載の方法または図1の合成ルートにより得られる一般式(1)で示される化合物(例えば一般式(1)−A−2又は(1)−B−2)を、水性溶媒中で、例えば1〜6mol/lの前記例示の酸(例えば塩酸、酢酸など)と反応させることによって合成することができる。上記反応後、好ましくは有機溶媒(例えば、エタノール及びトルエン)と共沸し、残渣を水に溶解して凍結乾燥する方法により得ることができる。
本発明医薬は、本発明物質を有効量含むものであれば、他の成分を含んでいてもよい。本発明医薬は、例えば、本発明物質を製剤学的に許容される担体と組み合わせて製造することができる。担体としては特に制限されないが、例えば、医薬に通常使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、注射剤用溶剤等の担体が挙げられる。
本発明医薬の剤型は特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択でき、具体的には、錠剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、顆粒剤、散剤、リポ化剤、吸入散剤等を例示できる。
本発明医薬は、経口的又は非経口的にヒトを含む哺乳動物に投与することができる。投与時期は特に限定されず、対象となる疾患の治療方法に従って、適宜投与時期を選択することが可能である。また、投与形態は製剤形態、患者の年齢、性別、その他の条件、患者の症状の程度等に応じて決定されることが好ましい。本発明医薬の投与量は、有効成分の種類、比活性、投与される動物の種類や症状等、投与対象となる生体組織の種類やその状態等によって個別的に設定されるべきものであり、特に限定されないが、一般的には一日あたり一般式(1)で示される化合物の酸付加塩として、0.1μg〜1000mg程度を投与することができる。
本発明医薬中における有効成分の濃度は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件等により適宜選択される。通常有効成分としての本発明医薬の濃度は、0.001〜5%(W/V)とするのが好ましい。例えば、本発明医薬を経口投与用の液剤とする場合には、0.01%(W/V)以上とするのが好ましく、0.03%〜0.2%(W/V)とするのが最も好ましい。また、筋注又は静注用の注射剤とする場合には0.01%(W/V)以上とするのが好ましく、0.03%(W/V)以上とするのが最も好ましい。
本発明物質は、哺乳動物由来の正常なβ−ガラクトシダーゼ又はβ−グルコシダーゼに対して特異的、かつ、強い阻害活性を有するとともに、生体内で低下もしくは失われたこれらの酵素の活性を回復する作用を有するため、β−ガラクトシダーゼ又はβ−グルコシダーゼ遺伝子変異に基づく糖脂質代謝異常症の優れた治療または予防に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明物質を合成するスキームを示す図である。図中、MOMはメトキシメチル基、BOCはt−ブトキシカルボニル基、Acはアセチル基、Phはフェニル基、MSはメタンスルホン酸を表す。
図2は、本発明物質A−2〜7の中性β−ガラクトシダーゼ阻害活性を示す図である。
図3は、本発明物質B−2〜7の中性β−ガラクトシダーゼ阻害活性を示す図である。
図4は、本発明物質A−2〜7の酸性β−ガラクトシダーゼ阻害活性を示す図である。
図5は、本発明物質A−2〜7の中性β−グルコシダーゼ阻害活性を示す図である。
図6は、本発明物質B−2〜7の中性β−グルコシダーゼ阻害活性を示す図である。
図7は、25−2及び本発明物質A−2のH−NMRのチャートを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
<1>化合物の合成
(1)化合物1の合成
出発原料(Methyl−α−D−glucopyranoside、シグマ社製)(10g,51.493mmol)をジメチルホルムアミド(150mL)に溶解し、次にイミダゾール(3.856g,56.642mmol)を加えた。その後0℃に冷却し、t−ブチルジメチルシリルクロリド(8.536g,56.642mmol)を加えアルゴン雰囲気下で1.5時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、化合物1を定量的に得た。
TLC:Rf=0.46(クロロホルム:メタノール=4:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=3.778(dd,1H),3.730(dd,1H),3.647(t,1H),3.512−3.481(m,1H),3.438−3.402(m,2H),3.324(s,3H)
(2)化合物2の合成
化合物1(51.493mmol)を1,2−ジクロロエタン(50mL)に溶解しN−ジイソプロピルエチルアミン(53.824mL,308.994mmol)を加えた。次に60℃、アルゴン雰囲気下でクロロメチルメチルエーテル(14.08mL,185.396mmol)を滴下し、1.5時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し酢酸エチルで希釈して、水・飽和食塩水で順次洗浄した。溶媒留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:0〜7:3)にて精製し、化合物2を19.971g(88%)得た。
TLC:Rf=0.43(トルエン:酢酸エチル=1:1)
δ=4.822−4.682(m,7H),3.882(t,1H),3.854(dd,1H),3.751(dd,1H),3.582−3.549(m,1H),3.480−3.433(m,2H),3.396(s,3H),3.391(s,3H),3.380(s,3H),3.376(s,3H)
(3)化合物3の合成
化合物2(19.971g,45.327mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(30mL)に溶解し、次に1M−テトラブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン(58.925mL,58.925mmol)を滴下した。室温、アルゴン雰囲気下にて40分撹拌した。反応終了後、溶媒を留去した後に酢酸エチルで希釈して、水・飽和食塩水で順次洗浄した。溶媒留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=1:1〜3:7)にて精製し、化合物3を13.298g(90%)得た。
TLC:Rf=0.45(トルエン:酢酸エチル=2:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=4.930(d,1H,Jgem=6.4,CHOC−),4.843(d,1H,Jgem=6.4,CHOC−),4.833(d,1H,J1−2=3.4,H−1),4.782(d,1H,Jgem=6.4,CHOC−),4.774(d,1H,Jgem=6.8,CHOC−),4.714(d,1H,Jgem=6.8,CHOC−),4.706(d,1H,Jgem=6.4,CHOC−),3.942(t,1H,J=9.3,H−4 or3),3.897(ddd,1H,J6B−=3.5,J6B−OH=6.1,Jgem=12.6,H−6B),3.789(ddd,1H,J6A−5=2.2,J6A−OH=8.3,Jgem=12.7,H−6A),3.640(ddd,1H,J5−6A=2.2,J5−6B=3.3,J5−4=10.1,H−5),3.581(dd,1H,J=8.9,J=9.9,H−3 or4),3.524(dd,1H,J2−1=3.8,J2−3=9.6,H−2),3.446,3.415,3.412,3.400(s,3H,COCH−)×4,2.646(dd,1H,JOH−6A=8.2,JOH−6A=6.2,OH)
(4)化合物4の合成
化合物3(13.298g,40.746mmol)をピリジン(45mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(17.101g,65.198mmol)を加えた。次にN−ヨードスクシイミド(14.608g,65.198mmol)を徐々に加え、室温・アルゴン雰囲気下で4時間撹拌した。反応終了後、メタノール(30mL)を加えて反応を止め、溶媒を留去した。この残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水・飽和食塩水で順次洗浄した。溶媒を留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、化合物4を14.650g(82%)得た。
TLC:Rf=0.37(トルエン:酢酸エチル=3:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=4.922(d,1H,Jgem=6.6,CHOC−),4.842(d,1H,J1−2=3.7,H−1),4.824(d,1H,Jgem=6.1,CHOC−),4.776(d,1H,Jgem=6.8,CHOC−),4.775(d,1H,Jgem=5.9,CHOC−),4.742(d,1H,Jgem=6.6,CHOC−),4.710(d,1H,Jgem=6.8,CHOC−),3.930(dd,1H,J=9.0,J=9.8,H−3),3.621(dd,1H,J6B−5=2.6,Jgem=10.6,H−6B),3.516(dd,1H,J2−1=3.5,J2−3=9.9,H−2),3.506(m,1H,H−5),3.485,3.428,3.407,3.398(s,3H,COCH−)×4,3.311−3.355(dd×2,2H,H−4,H−6A)
(5)化合物5の合成
化合物4(3.998g,9.165mmol)をトルエン(12mL)に溶解し、DBU(6.853mL,45.825mmol)を加え、50℃・アルゴン雰囲気下で17時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=7:3)にて精製し、化合物5を1.638g(58%)得た。
TLC:Rf=0.54(トルエン:メタノール=20:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=4.885(d,1H,J1−2=3.4,H−1),4.840(m,5H),4.780(d,1H,J=6.6),4.734(d×2,2H),4.030(dt,1H,J=2.0,J=9.3),3.930(t,1H,J=9.40),3.649(dd,1H,J=3.4,9.6,H−2),3.469,3.466,3.427,3.413(s,3H,CO−)×4
(6)化合物7の合成
化合物5(180.8mg,0.5864mmol)をジオキサン(6mL)、水(4mL)の混合液に溶解し、塩化パラジウム(13.8mg,0.07782mmol)を加え、60℃で4時間撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮し、飽和食塩水50mLで希釈し、酢酸エチル50mLで5回抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去し化合物6(141mg)を得た。化合物6をピリジン(3mL)に溶解し、無水酢酸(3mL)を加えて60℃で3.5時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物7を127.4mg(78.6%)得た。
TLC:Rf=0.42(トルエン:酢酸エチル=2:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=6.880(dd,1H,J=2.1,J=10.4),6.055(dd,1H,J=2.4,J=10.5),4.942(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.929(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.903(d,1H,J=6.3,CHOC−),4.854(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.838(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.816(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.457(dt,1H,J=2.2,J=8.3),4.229(d,1H,J=11.0),3.993(dd,1H,J=8.3,J=11.0),3.489,3.469,3.443(s,3H,COCH−)×3
(7)化合物8の合成
化合物7(127.4mg,0.4132mmol)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、0.5M−Tebbe Reagent/トルエン(1.65mL,0.825mmol)を加えて氷冷下1.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水・飽和食塩水で順次洗浄した。溶媒を減圧下で留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=6:1,0.2%トリエチルアミン)にて精製し、化合物8を54.5mg(化合物5より3工程で37.5%)得た。
TLC:Rf=0.53(トルエン:酢酸エチル=2:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=6.186(dd,1H,J=1.8,J=10.1),5.723(br.d,1H,J=10.0),5.290(br.s 1H),5.123(br.s,1H),4.919(d,1H,J=6.6),4.847(m,3H),4.795(d,1H,J=6.6),4.769(d,1H,J=6.8),4.263(m,2H),3.782(dd,1H,J=7.0,J=9.4),3.464,3.435,3.429(s,3H,COCH−)×3
(8)化合物10の合成
化合物8(38.4mg,0.140mmol)をメタノール(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え70℃で5時間加熱攪拌した。更に、トリフルオロ酢酸(0.5mL×3)を加え、4.5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下で留去し、化合物9を得た。続いて、得られた化合物9をピリジン(1.5mL)に溶解し、無水酢酸(1.5mL)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下で留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、化合物10を29.4mg(75%)得た。
TLC:Rf=0.50(トルエン:酢酸エチル=3:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=6.280(m,1H),5.703(m,1H),5.628(m,2H),5.293(dd,1H,J=7.8,J=10.5),5,187(m,1H),5.055(m,1H),2.141,2.068,2.052(s,3H,CC=O)×3
(9)化合物11の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物10(20.11g,75.0mmol)の四塩化炭素溶液(1670mL)を撹拌し、臭素(0.3128mmol/mL四塩化炭素溶液,237.3mL,74.3mmol)を6時間にて滴下した。さらに30分間撹拌後、反応液を四塩化炭素にて希釈し、飽和重曹水、水にて順次洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去し、得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製し、化合物11(30.11g,94%)を得た。
TLC:Rf=0.47,0.52(トルエン:酢酸エチル=4:1)
化合物11α
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=6.196(d,1H,J=5.6),6.016(d,1H,J=7.8),5.655(dd,1H,J=7.8,J=10.7),4.948(m,2H),4.001(d,1H,J=10.7),3.855(d,1H,J=10.7),2.131,2.110,2.065(s,3H,CC=O)×3
化合物11β
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=6.125(br.s,1H),5.962(m,1H),5.532(dd,1H,J=8.3,J=10.5),5.228(dd,1H,J=7.8,J=10.5),4.671(m,1H),4.016(m,1H),3.834(dd,1H,J=0.5,J=10.7),2.101,2.088,2.031(s,3H,CC=O)×3
(10)化合物13の合成
化合物11(19.85g,46.4mmol)のジメチルホルムアミド溶液(DMF)(2610mL)に、酢酸カリウム(3.97g,40.5mmol)を加えて2時間撹拌、さらに酢酸カリウム(579mg,5.90mmol)を加えて2時間撹拌、さらにアジ化ナトリウム(6.05g,93.1mmol)を加えて4時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて順次洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、化合物13(8.74g,48%)を得た。
化合物13αβ
TLC:Rf=0.23,0.30(トルエン:酢酸エチル=5:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=5.929(m,1H,β),5.771(m,2H,α),5.659(m,1H,β),5.499(dd,1H,J=7.2,J=10.6,β),5.292(m,2H,α),5.177(dd,1H,J=4.4,J=10.5,β),4.693(m,1H,α,1H,β),4.410(m,1H,α,2H,β),4.244(m,1H,α),2.105,2.071,2.046,2.028(s,3H,CC=O,α)×4,2.128,2.064,2.046,(s,3H,CC=O,β)×4
(11)化合物14の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物13(85.83g,232.4mmol)のメタノール溶液(1000mL)にナトリウムメトキシド(1.26g,23.3mmol)を加え、室温にて90分間撹拌した。反応液をアンバーリスト15DRY(商品名、オルガノ株式会社製)にて中和し、セライト濾過した。樹脂を洗浄(テトラヒドロフラン:MeOH=1:1)したものとあわせて減圧下溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=5:1)にて精製し、化合物14αβ(37.48g,93%)を得た。
TLC:Rf=0.24(クロロホルム:メタノール=5:1)
H−NMR(500MHz,CDOD)
δ=5.771(m,0.4H),5.526(m,1H),4.154(m,2.8H),4.093(m,1H),3.970(m,1.4H),3.680(m,0.4H),3.464(m,2H),3.306(m,1H)
(12)化合物15の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物14(37.48g,186mmol)のジメチルホルムアミド溶液(700mL)に、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(36.3mL,0.242mmol)、p−トルエンスルホン酸(3.54g,18.6mmol)を加えて室温にて1.5時間撹拌、その後45℃にて3.5時間撹拌した。さらにp−トルエンスルホン酸(1.06g,5.57mmol)を加えて3時間半撹拌した。反応液を減圧下にて7mL程度溶媒留去し、その後45℃にて1時間撹拌した。反応液を氷冷し、トリエチルアミン(34.0mL,0.244mmol)を加えて撹拌した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=2:1,0.5%トリエチルアミン)にて精製、さらにジクロロメタン、ジイソプロピルエーテルにて再結晶化し、化合物15(26.01g,72%)を得た。
TLC:Rf=0.44(トルエン:酢酸エチル=1:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=7.483(m,2H,Ph),7.382(m,3H,Ph),5.663(s,1H,C−Ph),5.471(br.s,1H.H−5a),4.495(m,2H,H−6A,H−6B),4.451(m,1H,H−4),4.184(m,1H,H−1),3.894(dq,1H,J=2.9,J=10.5,J=2.7,J=10.5,H−3),3.730(dq,1H,J=2.2,J=10.5,J=2.2,J=10.5,H−2),2.887(d,1H,J=2.2,OH),2.850(d,1H.J=2.9,OH)
(13)化合物16の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物15(14.36g,49.6mmol)のジクロロエタン溶液(450mL)にN−エチルジイソプロピルアミン(173mL,993mmol)を加え、クロロメチルメチルエーテル(37.7mL,496mmol)を滴下し、室温にて15分間撹拌の後、60℃にて6.5時間撹拌した。反応液を氷冷し、トリエチルアミン(138mL,993mmol)を加え、次いでエタノール(77.7mL,1.34mol)を滴下し、室温にて35分間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=20:1,0.5% トリエチルアミン)にて精製し、化合物16(18.18g,97%)を得た。
TLC:Rf=0.52(トルエン:酢酸エチル=4:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=7.469(m,2H,Ph),7.355(m,3H,Ph),5.650(s,1H,C−Ph),5.503(br.s,1H.H−5a),4.989(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.892(d,1H,J=6.4,CHOC−),4.838(d,1H,J=6.4,CHOC−),4.817(d,1H,J=6.4,CHOC−),4.528(m,1H),4.472(m,2H),4.079(m,1H),3.980(dd,1H,J=7.7,J=10.6),3.674(dd,1H,J=8.7,J=10.6),3.508,3.363(s,3H,COCH−)×2
(14)化合物17の合成
化合物16(14.0g,37.1mmol)のメタノール溶液(210mL)に、p−トルエンスルホン酸(3.53g,18.6mmol)を加え、室温にて20分間撹拌した。反応液を氷冷し、トリエチルアミン(25.8mL,185mmol)を加えた後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=40:1,0.5% トリエチルアミン)にて精製し、化合物17(8.67g,81%)を得た。
TLC:Rf=0.39(クロロホルム:メタノール=20:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=5.598(br.s,1H,H−5a),4.905(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.826(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.781(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.767(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.569(d,1H,J=2.4),4.294(m,1H),4.259(br.d,1H,J=3.7).4.184(br.dd,1H,J=7.2,J=13.1),4.021(m,1H),3.686(dd,1H,J=8.3,J=10.0),3.531(dd.1H,J=7.3,J=10.0),3.492,3.480(s,3H,COCH−)×2,2.572(br.dd,1H,J=4.6,J=7.8)
(15)化合物19の合成
化合物17(12.49g,43.2mmol)のジクロロメタン溶液(600mL)に、トリエチルアミン(120mL,861.0mmol)、メタンスルホン酸クロリド(67mL,865.7mmol)、を加え、0℃で45分間攪拌した。反応終了後、トリエチルアミン(150mL)とメタノール(300mL)を加え、減圧下溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去して化合物18を得た。
続いて、化合物18をトルエン(600mL)に溶解し、酢酸セシウム(24.92g,129.8mmol)、18−6クラウンエーテル(68.50g,259.2mmol)を加え90℃で80分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物19(12.01g,74.5%)を得た。
TLC:Rf=0.41(トルエン:酢酸エチル=2:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=5.845(m,1H),5.671(d,1H,J=3.7),4.948(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.770(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.744(d,1H,J=7.1,CHOC−),4.637(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.525(m,2H),3.936(m,2H),3.834(dd,1H,J=3.8,J=9.9),3.500,3.397(s,3H,COCH−)×2,2.105,2.090(s,3H,CC=O)×2
(16)化合物20の合成
化合物19(8.96g,24.0mmol)をメタノール(300mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(262.7mg,4.863mmol)を加え、室温で80分間攪拌した。反応終了後、反応液をアンバーリスト15DRY(商品名、オルガノ株式会社製)で中和し、セライト濾過した。溶媒を減圧下留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=40:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物20(5.11g,73.6%)を得た。
TLC:Rf=0.33(トルエン:アセトン=1:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=5.727(m,1H,H−5a),4.889(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.845(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.790(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.786(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.358(br.t,J=3.1),4.245(br.m,2H),3.970(dd,1H,J=7.5,J=9.6),3.874(m,1H),3.700(dd,1H,J=3.9,J=9.8),3.477,3.444(s,3H,COCH−)×2,3.099(br,1H),2.527(br,1H)
(17)化合物21の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物20(5.11g,17.7mmol)のジクロロエタン溶液(300mL)にN−エチルジイソプロピルアミン(61.5mL,353.06mmol)を加え、クロロメチルメチルエーテル(13.4mL,176.4mmol)を滴下し、室温にて15分間撹拌の後、60℃にて5.5時間撹拌した。反応液を氷冷し、トリエチルアミン(60mL)を加え、次いでエタノール(60mL)を滴下し、室温にて35分間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物21(6.65g,99.8%)を得た。
TLC:Rf=0.44(トルエン:酢酸エチル=1:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=5.740(m,1H,H−5a),4.926(d,1H,J=6.4,CHOC−),4.874(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.776(m,3H,CHOC−×3),4.684(d,1H,J=7.1,CHOC−),4.651(d,2H,J=6.6,CHOC−×2),4.218(d,1H,J=3.2,H−4),4.118(m,2H),4.079(dd,1h,J=7.7,J=10.1,H−2),3.846(br.d,1H),3.721(dd,1H,J=3.3,J=10.1,H−3),3.485,3.422,3.398,3.385(s,3H,COCH−)×4
(18)化合物22の合成
化合物21(290.4mg,0.769mmol)のトルエン溶液(10mL)に水(2.5mL)、トリフェニルホスフィン(404.1mg,1.54mmol)を加え、105℃にて105分間撹拌した。反応液にトルエン、エタノールを加え、減圧下溶媒留去を3回繰り返した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1,0.5% トリエチルアミン)にて精製し、化合物22(267.3mg,99%)を得た。
TLC:Rf=0.47(クロロホルム:メタノール=10:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=5.754(m,1H),4.903(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.898(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.767(m,3H,CHOC−×3),4.695(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.658(d,1H,J=6.6,CHOC−)4.638(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.252(d,1H,J=2.7,H−4),4.124(dt,1H,J=1.7,J=12.2),4.039(dtm 1H,J=1.0,J=12.2),3.704(m,2H),3.455,3.420,3.410,3.385(s,3H,COCH−)×4
(19)化合物23の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物22(2.60g,7.40mmol)のジクロロメタン溶液(50mL)にトリエチルアミン(4.13mL,29.6mmol)を加えて氷冷し、二炭酸ジ−t−ブチル(3.40mL,14.8mmol)を加えて徐々に室温としながら80分間撹拌した。反応液を氷冷し、酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:2,0.5%トリエチルアミン)にて精製し、化合物23(3.31g,99%)を得た。
TLC:Rf=0.25(トルエン:酢酸エチル=1:1)
H−NMR(500MHz,CDCl
δ=5.752(br.s,1H),4.911(br.d,1H,J=8.6),4.862(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.833(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.780(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.749(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.693‘d,1H,J=6.8,CHOC−),4.690(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.645(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.623(d,1H,J=6.6,CHOC−),4.295(d,1H,J=2.0,H−4),4.241(br,1H),4.119(br.d,1H,J=12.7),4.035(br.d,1H,J=12.5),3.854(m,2H),3.413,3.405,3.400,3.371(s,3H,COCH−)×4
(20)化合物24−1の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物23(100mg,0.221mmol)のDMF溶液(1.5mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,31.8mg,0.795mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、ブロモブタン(31.6μL,0.831mmol)を加え、反応液を徐々に室温としながら4時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=2:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物24−1(102.3mg,91.0%)を得た。
化合物24−1展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=2:1)Rf:0.32
2445NO10 MW:507.61
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.574(br.d,1H,H−5a),4.910,4.871(2d,2H,J=6.8Hz,6.8Hz OCH),4.801−4.618(m,6H,3 OCH),4.188(br.d,1H),4.112−4.039(m,3H),3.737(br.d,1H),3.406,3.387,3.368,3.348(4s,12H,4 OCH),3.135(m,1H,NCH),2.907(m,1H,NCH),1.66−1.22(m,4H,2CH),1.464(s,9H,CC(CH),0.892(t,3H,J=7.3Hz,CH
(21)化合物25−1の合成
化合物24−1(102mg,0.201mmol)のTHF溶液(4.0mL)に塩酸(4N,6.5mL)を加えて45℃にて5時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール=1:2)にて精製した。次いで、水(1mL)に溶解し、25%アンモニア水(1mL)を加え、反応液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製し、化合物25−1(15mg,32.3%)を得た。
化合物25−1展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.15
1121NO MW:231.29
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.723(d,1H,J=2.0Hz,H−5a),4.155(d,1H,J=4.2Hz,H−4),4.128(br.s,2H,H−6),3.726(dd,1H,J=8.3Hz,10.0Hz,H−2),3.447(dd,1H,J=J=4.2Hz,10.1Hz,H−3),3.169(br.d,1H,H−1),2.756(br.ddd,1H,NCH),2.621(br.ddd,1H,NCH),1.56−1.28(m,4H,2CH),0.953(t,3H,J=7.3Hz,CH
(22)化合物24−2の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物23(3.31g,7.33mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,1051.0mg,26.3mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、臭化−n−オクチル(1.90mL,10.99mmol)を滴下し、反応液を徐々に室温としながら140分間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1.78mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテル(200mL)にて希釈し、飽和重曹水(100mL)を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1,0.5% トリエチルアミン)にて精製し、化合物24−2(3.62g,88%)を得た。
化合物24−2展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.40
H−NMR(500MHz,CDCl
2853NO10 MW:563.72
δ=5.573(br.s,1H),4.909(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.873(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.794(br.d,1H,J=6.6,CHOC−),4.740(d,1H,J=6.4,CHOC−),4.699(d,1H,J=6.8,CHOC−),4.633(m,3H,CHOC−×3),4.190(br.s,1H),4.089(m,3H),3.736(br.d,1H,J=10.3),3.406,3.390,3.366,3.345(s,3H,COCH−)×4,3.121(br,1H),2.894(br,1H),1.462(br×2,9H,t−butyl),1.261(br.m,12H,H−2’〜7’),0.878(t,3H,H−8’)
(23)化合物25−2の合成
化合物24−2(3.85g,6.83mmol)のTHF溶液(123mL)に塩酸(4N,187mL)を加えて45℃にて3時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣を300mLのエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール=1:1)にて精製した。次いで、水(200mL)に溶解し、25%アンモニア水(10mL)を加えた。10分後析出した結晶を濾取し、化合物25−2(1.35g,72.1%)を得た。
融点:80.9〜82.3℃
[α]20=+9.83°(c=1.0 メタノール)
H−NMR(500MHz、1:2=CDOD:CDCl
δ=5.734(br.d,1H,H−5a),4.268(br.d,1H,H−6a),4.153(d,1H,J=4.1Hz,H−1),4.133(br.d,1H,H−6b),3.953(dd,1H,J=8.1,9.8Hz,H−3),3.638(br.d,1H,H−4),3.549(dd,1H,J=4.1,9.8Hz,H−2),3.063(m,2H,H−1’x2),1.75 1.26(m,12H,6CH,H−2’−7’),0.894(t,3H,J=7.1Hz,CH,H−8’)
(24)化合物24−3の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物23(85mg,0.188mmol)のDMF溶液(2ml)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,26.7mg,0.668mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、1−ブロモデカン(58.6μL,0.283mmol)を滴下し、反応液を徐々に室温としながら3時間撹拌した。反応液を氷冷し、エタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=4:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物24−3(91.5mg,82.1%)を得た。
化合物24−3展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=4:1)Rf:0.27
3057NO10 MW:591.78
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.574(br.d,1H,H−5a),4.907,4.873(2d,2H,J=6.6Hz,6.7Hz OCH),4.800−4.617(m,6H,3 OCH),4.191(br.d,1H),4.113−4.035(m,3H),3.736(br.d,1H),3.406,3.389,3.366,3.345(4s,12H,4 OCH),3.121(m,1H,NCH),2.895(m,1H,NCH),1.67−1.25(m,16H,8CH),1.251(s,9H,CC(CH),0.880(t,3H,J=7.1Hz,CH
(25)化合物25−3の合成
化合物24−3(91.5mg,0.155mmol)のTHF溶液(4mL)に塩酸(4N,6.5mL)を加えて45℃にて5時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール:水=1:2)にて精製した。次いで、水(1mL)に溶解し、25%アンモニア水(1mL)を加え、10分後析出した結晶を濾取し、化合物25−3(41mg,83.9%)を得た。
化合物25−3展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.31C1733NO MW:315.45
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.727(d,1H,J=2.2Hz,H−5a),4.167(d,1H,J=4.2Hz,H−4),4.143(br.s,2H,H−6),3.684(dd,1H,J=8.3Hz,10.0Hz,H−2),3.463(dd,1H,J=4.2Hz,10.3Hz,H−3),3.124(br.d,1H,H−1),2.762(br.ddd,1H,NCH),2.571(br.ddd,1H,NCH),1.55−1.29(m,16H,8CH),0.893(t,3H,J=7.0Hz,CH),
(26)化合物24−4の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物23(84mg,0.1860mmol)のDMF溶液(2mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,26.7mg,0.925mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、ラウリルブロミド(47.8μL,0.279mmol)を滴下し、反応液を徐々に室温としながら3.5時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物24−4(86.9mg,75.4%)を得た。
化合物24−4展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=2:1)Rf:0.33
3261NO10 MW:619.83
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.573(br.d,1H,H−5a),4.909,4.873(2d,2H,J=6.8Hz,6.7Hz OCH),4.801−4.616(m,6H,3 OCH),4.190(br.d,1H),4.112−4.035(m,3H),3.736(br.d,1H),3.406,3.389,3.365,3.345(4s,12H,4 OCH),3.121(m,1H,NCH),2.891(m,1H,NCH),1.65−1.25(m,20H,10CH),1.250(s,9H,CC(CH),0.881(t,3H,J=7.1Hz,CH
(27)化合物25−4の合成
化合物24−4(86.9mg,0.140mmol)のTHF溶液(3mL)に塩酸(4N,4.6mL)を加えて45℃にて5時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール=1:2)にて精製した。次いで、水(1mL)に溶解し、25%アンモニア水(1mL)を加え、10分後析出した結晶を濾取し、化合物25−4(41.1mg,85.5%)を得た。
化合物25−4展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.31
1937NO MW:343.50
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.726(d,1H,J=2.2Hz,H−5a),4.165(d,1H,J=4.4Hz,H−4),4.138(br.s,2H,H−6),3.682(dd,1H,J=8.1Hz,10.3Hz,H−2),3.457(dd,1H,J=4.2Hz,10.3Hz,H−3),3.110(br.d,1H,H−1),2.752(br.ddd,1H,NCH),2.558(br.ddd,1H,NCH),1.55−1.28(m,20H,10CH),0.893(t,3H,J=7.1Hz,CH
(28)化合物24−5の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物23(70mg,0.155mmol)のDMF溶液(1.5ml)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,22.2mg,0.555mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、臭化ミリスチル(63μl,0.233mmol)を滴下し、反応液を徐々に室温としながら2.5時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物24−5(85.6mg,85.2%)を得た。
化合物24−5展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=3:1)Rf:0.34
3465NO10 MW:647.88
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.571(br.d,1H,H−5a),4.907,4.873(2d,2H,J=6.6Hz,6.8Hz OCH),4.800−4.616(m,6H,3 OCH),4.189(br.d,1H),4.112−4.034(m,3H),3.735(br.d,1H),3.405,3.388,3.364,3.344(4s,12H,4 OCH),3.119(m,1H,NCH),2.892(m,1H,NCH),1.67−1.25(m,24H,12CH),1.251(s,9H,CC(CH),0.880(t,3H,J=7.1Hz,CH
(29)化合物25−5の合成
化合物24−5(85.6mg,0.132mmol)のTHF溶液(3mL)に塩酸(4N,4mL)を加えて45℃にて5時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール=1:2)にて精製した。次いで、水(1mL)に溶解し、25%アンモニア水(1mL)を加え、10分後析出した結晶を濾取し、化合物25−5(48.1mg,98.1%)を得た。
化合物25−5展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.38
2141NO MW:371.55
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.726(d,1H,J=2.0Hz,H−5a),4.165(d,1H,J=4.2Hz,H−4),4.138(br.s,2H,H−6),3.683(dd,1H,J=8.1Hz,10.3Hz,H−2),3.457(dd,1H,J=4.2Hz,10.3Hz,H−3),3.110(br.d,1H,H−1),2.752(br.ddd,1H,NCH),2.559(br.ddd,1H,NCH),1.56−1.28(m,24H,12CH),0.894(t,3H,J=7.1Hz,CH
(30)化合物24−6の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物23(70mg,0.155mmol)のDMF溶液(1.5mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,22.2mg,0.555mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、1−ブロモオクタデカン(77.5mg,0.232mmol)を加え、反応液を徐々に室温としながら4時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物24−6(57.5mg,52.7%)を得た。
化合物24−6展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=2:1)Rf:0.36
3873NO10 MW:703.99
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.572(br.d,1H,H−5a),4.909,4.873(2d,2H,J=6.8Hz,6.8Hz OCH),4.801−4.616(m,6H,3 OCH),4.190(br.d,1H),4.113−4.035(m,3H),3.739(br.d,1H),3.406,3.389,3.365,3.345(4s,12H,4 OCH),3.121(m,1H,NCH),2.887(m,1H,NCH),1.67−1.25(m,32H,16CH),1.255(s,9H,CC(CH),0.880(t,3H,J=7.1Hz,CH
(31)化合物25−6の合成
化合物24−6(57.5mg,0.082mmol)のTHF溶液(2.0mL)に塩酸(4N,2.5mL)を加えて45℃にて5時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール=1:2)にて精製した。次いで、水(1mL)に溶解し、25%アンモニア水(1mL)を加え、10分後析出した結晶を濾取し、化合物25−6(26.9mg,76.7%)を得た。
化合物25−6展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.43
2549NO MW:427.66
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.729(d,1H,J=1.8Hz,H−5a),4.168(d,1H,J=4.0Hz,H−4),4.145(br.s,2H,H−6),3.675(dd,1H,J=8.3Hz,10.3Hz,H−2),3.463(dd,1H,J=4.1Hz,10.3Hz,H−3),3.109(br.d,1H,H−1),2.754(br.ddd,1H,NCH),2.557(br.ddd,1H,NCH),1.53−1.27(m,32H,16CH),0.893(t,3H,J=7.0Hz,CH
(32)化合物24−7の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物23(85mg,0.188mmol)のDMF溶液(2.0mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,27.0mg,0.675mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、ブロモドコサン(110mg,0.282mmol)を加え、反応液を徐々に室温としながら2時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物24−7(70.2mg,49.1%)を得た。
化合物24−7展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=2:1)Rf:0.38
4281NO10 MW:760.10
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.572(br.d,1H,H−5a),4.909,4.873(2d,2H,J=6.6Hz,6.8Hz OCH),4.801−4.616(m,6H,3 OCH),4.190(br.d,1H),4.112−4.035(m,3H),3.736(br.d,1H),3.406,3.389,3.365,3.345(4s,12H,4 OCH),3.119(m,1H,NCH),2.887(m,1H,NCH),1.67−1.25(m,40H,20CH),1.254(s,9H,CC(CH),0.880(t,3H,J=7.1Hz,CH
(33)化合物25−7の合成
化合物24−7(70.2mg,0.092mmol)のTHF溶液(2.0mL)に塩酸(4N,3.0mL)を加えて45℃にて5時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール=1:2)にて精製した。次いで、水(1mL)に溶解し、25%アンモニア水(1mL)を加え、10分後析出した結晶を濾取し、化合物25−7(27.1mg,60.9%)を得た。
化合物25−7展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.48
2957NO MW:483.77
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.727(d,1H,J=1.8Hz,H−5a),4.166(d,1H,J=4.2Hz,H−4),4.140(br.s,2H,H−6),3.683(dd,1H,J=8.4Hz,10.3Hz,H−2),3.460(dd,1H,J=J=4.1Hz,10.2Hz,H−3),3.113(br.d,1H,H−1),2.756(br.ddd,1H,NCH),2.563(br.ddd,1H,NCH),1.53−1.24(m,40H,20CH),0.893(t,3H,J=7.1Hz,CH
(34)化合物26の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物17(26.7mg,0.0922mmol)のジクロロエタン溶液(3mL)にN−エチルジイソプロピルアミン(322μL,20eq)を加え、クロロメチルメチルエーテル(70.1μL,10eq)を滴下し、室温にて15分間撹拌の後、60℃にて1日間撹拌した。反応液を氷冷し、トリエチルアミン(1mL)を加え、次いでエタノール(1mL)を滴下し、室温にて35分間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=1:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物26(34mg,97.6%)を得た。
化合物26展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.44
1527 MW:377.39
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.755(br.s,1H,H−5a),4.899,4.894,4.854,4.812,4.781,4.729,4.668,4.650(8d,8H,J=6.6Hz,6.6Hz,6.6Hz,6.4Hz,6.6Hz,6.6Hz,6.4Hz,6.6Hz,4 OCH),4.203(br.d,1H),4.152(br.s,2H),3.964(m,1H),3.833(dd,1H,J=7.1Hz,9.0Hz),3.701(dd,1H,J=7.3Hz,9.0Hz),3.476,3.440,3.380(3s,12H,4 OCH
(35)化合物27の合成
化合物26(4.34g,11.5mmol)のトルエン溶液(150ml)に水(30mL)、トリフェニルホスフィン(6.03g,2.0eq)を加え、105℃にて105分間撹拌した。反応液にトルエン、エタノールを加え、減圧下溶媒留去を3回繰り返した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物27(3.86g,95.5%)を得た。
化合物27展開溶媒(クロロホルム:メタノール=10:1)Rf:0.35
1529NO MW:351.39
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.743(br.s,1H,H−5a),4.896,4.854,4.833,4.811,4.765,4.744,4.663,4.644(8d,8H,J=6.6Hz,6.8Hz,6.3Hz,6.6Hz,6.8Hz,6.6Hz,6.6Hz,6.6Hz,4 OCH),4.212(br.d,1H),4.148,4.078(2br.d,2H,H−6a,H−6b),3.837(m,1H),3.443,3.439,3.378(3s,12H,4 OCH
(36)化合物28の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物27(131.1mg,0.379mmol)のジクロロメタン溶液(3ml)にトリエチルアミン(211μL,1.515mmol)を加えて氷冷し、二炭酸ジ−t−ブチル(174μL 0.758mmol)を加えて徐々に室温としながら50分間撹拌した。反応液を氷冷し、酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:2,0.2%トリエチルアミン)にて精製し、化合物28(168.6mg,98.6%)を得た。
化合物28展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.30
2037NO10 MW:451.51
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.843(br.s,1H,H−5a),4.982(d,1H,J=9.2Hz,NH),4.868,4.790,4.785,4.769,4.736,4.723,4.655,4.633(8d,8H,J=6.8Hz,6.6Hz,7.1Hz,6.6Hz,6.6Hz,6.1Hz,6.6Hz,6.6Hz,4 OCH),4.291(br.d,1H),4.177−4.145(m,2H),4.077(br.d,1H),3.990(br.dd,1H),3.693(m,1H),3.443,3.422,3.410,3.375(4s,12H,4 OCH),1.436(s,9H,CC(CH
(37)化合物29−1の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物28(88.2mg,0.195mmol)のDMF溶液(1.5mLを氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,28.1mg,0.703mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、ブロモブタン(31.5μL 0.293mmol)を加え、反応液を徐々に室温としながら4時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mLを滴下して30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物29−1(94.4mg,95.2%)を得た。
化合物29−1展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.63
2445NO10 MW:507.61
(38)化合物30−1の合成
化合物29−1(94.4mg,0.186mmol)のTHF溶液(3.0mLに塩酸(4N,5.0mLを加えて室温にて1日間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製した。次いで、メタノール(0.5mL−水(0.5mL)に溶解し、25%アンモニア水(0.5mL)を加えた。反応液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製し、化合物30−1(37.2mg,86.5%)を得た。
化合物30−1展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.18
1121NO MW:231.29
H−NMR(500MHz、CDCl:CDOD=2:1)
δ=5.615(br.s,1H,H−5a),4.194,4.114(br.2d,2H,H−6a,H−6b),4.156(m,1H),3.553(dd,1H,J=7.6Hz,10.0Hz),3.445(dd,1H,J=8.3Hz,10.0Hz),3.260(br.d,1H),2.781(br.ddd,1H,NCH),2.590(br.ddd,1H,NCH),1.55−1.26(m,4H,2CH),0.950(t,3H,J=7.3Hz,CH
(39)化合物29−2の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物28(168.6mg,0.373mmol)のDMF溶液(3mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,53.8mg,1.344mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、臭化−n−オクチル(96.8μL,0.560mmol)を滴下し、反応液を徐々に室温としながら3時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテル(200mL)にて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物29−2(155.1mg,73.7%)を得た。
化合物29−2展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.57
2853NO10 MW:563.72
H−NMR(500MHz、MeSO−d,60℃)
δ=5.460(br.s,1H,H−5a),4.794−4.756(m,3H,OCH),4.728,4.688(2d,2H,J=6.6Hz,6.1Hz,OCH),4.601−4.565(m,3H,OCH),4.155(br.d,1H),4.056−3.981(m,2H),3.687(d,1H,J=7.8Hz,9.5Hz),3.343,3.336,3.269,3.251(4s,12H,4 OCH),2.985(m,1H,NCH),1.53−1.20(m,12H,6CH),1.251(s,9H,CC(CH),0.857(t,3H,J=7.1Hz,CH
(40)化合物30−2の合成
化合物29−2(121mg,0.215mmol)のTHF溶液(4mL)に塩酸(4N,6mL)を加えて室温にて1日間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をセファデックスLH−20(商品名、ファルマシアバイオテック社製)(クロロホルム:メタノール=1:1)にて精製した。次いで、水(0.5mL)に溶解し、25%アンモニア水(0.5mL)を加えた。反応液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製し、化合物30−2(31mg,50.2%)を得た。
化合物30−2展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.25
1529NO MW:287.40
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.639(br.s,1H,H−5a),4.178−4.084(m,3H),3.478(dd,1H,J=7.6Hz,10.0Hz),3.407(dd,1H,J=8.5Hz,10.0Hz),3.206(br.d,1H),2.742(br.ddd,1H,NCH),2.555(br.ddd,1H,NCH),1.55−1.27(m,12H,6CH),0.900(t,3H,J=7.1Hz,CH
(41)化合物29−4の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物28(116.0mg,0.257mmol)のDMF溶液(2mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,37mg,0.925mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、ラウリルブロミド(92.5μL,0.385mmol)を滴下し、反応液を徐々に室温としながら4時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物29−4(149.8mg,94.1%)を得た。
化合物29−4展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.66
3261NO10 MW:619.83
(42)化合物30−4の合成
化合物29−4(149.8mg,0.240mmol)のTHF溶液(5mL)に塩酸(4N,8mL)を加えて室温にて1日間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製した。次いで、水(0.1mL)−MeOH(0.5mL)に溶解し、25%アンモニア水(0.5mL)を加えた。10分後析出した結晶を濾取し、化合物30−4(72mg,87.3%)を得た。
化合物30−4展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.37
1937NO MW:343.5
H−NMR(500MHz、CDCl:CDOD=2:1)
δ=5.612(br.s,1H,H−5a),4.193,4.103(br.2d,2H,H−6a,H−6b),4.167(m,1H),3.551(dd,1H,J=7.8Hz,10.0Hz),3.417(dd,1H,J=8.6Hz,10.0Hz),3.214(br.d,1H),2.745(br.ddd,1H,NCH),2.539(br.ddd,1H,NCH),1.53−1.27(m,20H,10CH),0.886(t,3H,J=7.1Hz,CH
(43)化合物29−5の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物28(134.7mg,0.298mmol)のDMF溶液(2mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,42.9mg,1.073mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、臭化ミリスチル(133.1μL,0.447mmol)を滴下し、反応液を徐々に室温としながら6時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物29−5(172.9mg,89.5%)を得た。
化合物29−5展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.59
3465NO10 MW:647.88
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.566(br.s,1H,H−5a),4.921(br.d,1H,OCH),4.882−4.807(m,3H,OCH),4.743(d,1H,J=6.3Hz,OCH),4.691−4.619(m,3H,OCH),3.779(m,1H),3.443,3.433,3.371,3.356(4s,12H,4 OCH),3.064(m,1H,NCH),1.58−1.25(m,24H,12CH),1.256(s,9H,CC(CH),0.881(t,3H,J=7.1Hz,CH
(44)化合物30−5の合成
化合物29−5(172.9mg,0.267mmol)のTHF溶液(5mL)に塩酸(4N,8.5mL)を加えて室温にて1日間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製した。次いで、水(0.2mL)溶解し、25%アンモニア水(0.2mL)を加えた。10分後析出した結晶を濾取し、化合物30−5(32.2mg,32.5%)を得た。
化合物30−5展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:88)Rf:0.38
2141NO MW:371.55
H−NMR(500MHz、CDCl:CDOD=2:1)
δ=5.609(br.s,1H,H−5a),4.192,4.103(br.2d,2H,H−6a,H−6b),4.167(m,1H),3.551(dd,1H,J=7.6Hz,10.0Hz),3.424(t,1H,J=9.2Hz),3.225(br.d,1H),2.753(br.ddd,1H,NCH),2.550(br.ddd,1H,NCH),1.53−1.26(m,24H,12CH),0.885(t,3H,J=7.1Hz,CH
(45)化合物29−6の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物28(100.1mg,0.222mmol)のDMF溶液(1.5mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,32mg,0.798mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、1−ブロモオクタデカン(110.9mg,0.333mmol)を加え、反応液を徐々に室温としながら4時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=8:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物29−6(111.6mg,71.5%)を得た。
化合物29−6展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.60
3873NO10 MW:703.99
H−NMR(500MHz、CDCl
δ=5.566(br.s,1H,H−5a),4.923(br.d,1H,OCH),4.883−4.806(m,3H,OCH),4.743(d,1H,J=6.6Hz,OCH),4.658−4.618(m,3H,OCH),3.762(m,1H),3.443,3.356(2s,12H,4 OCH),3.064(m,1H,NCH),1.61−1.26(m,32H,16CH),1.255(s,9H,CC(CH),0.880(t,3H,J=7.1Hz,CH
(46)化合物30−6の合成
化合物29−6(81.9mg,0.116mmol)のTHF溶液(2.5mL)に塩酸(4N,4mL)を加えて室温にて1日間撹拌した。更に、35℃で2時間攪拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製した。次いで、メタノール(0.5mL)−水(0.5mL)に溶解し、25%アンモニア水(0.5mL)を加えた。10分後析出した結晶を濾取し、化合物30−6(54mg,79.8%)を得た。
化合物30−6展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.30
2549NO MW:427.66
H−NMR(500MHz、CDCl:CDOD=2:1)
δ=5.609(br.s,1H,H−5a),4.192,4.101(br.2d,2H,H−6a,H−6b),4.170(m,1H),3.553(dd,1H,J=7.6Hz,10.0Hz),3.415(dd,1H,J=8.5Hz,10.0Hz),3.211(br.d,1H),2.743(br.ddd,1H,NCH),2.536(br.ddd,1H,NCH),1.53−1.23(m,32H,16CH),0.885(t,3H,J=7.0Hz,CH
(47)化合物29−7の合成
アルゴンガス雰囲気下、化合物28(80mg,0.177mmol)のDMF溶液(1.5mL)を氷冷し、水素化ナトリウム(60% in oil,25.5mg,0.638mmol)を加えて氷冷にて10分間撹拌した後、ブロモドコサン(103.5mg,0.266mmol)を加え、反応液を徐々に室温としながら2時間撹拌した。反応液を氷冷し、メタノール(1mL)を滴下して30分間撹拌した。反応液をジエチルエーテルにて希釈し、飽和重曹水を加えて撹拌した後、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=10:1,0.2% トリエチルアミン)にて精製し、化合物29−7(39.5mg,29.4%)を得た。
化合物29−7展開溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1)Rf:0.56
4281NO10 MW:760.10
(48)化合物30−7の合成
化合物29−7(39.5mg,0.052mmol)のTHF溶液(1.0mL)に塩酸(4N,1.5mL)を加えて40℃で1日間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をエタノールで3回共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)にて精製した。次いで、メタノール(0.5mL)−水(0.5mL)に溶解し、25%アンモニア水(0.5mL)を加えた。10分後析出した結晶を濾取し、化合物30−7(25mg,99%)を得た。
化合物30−7展開溶媒(クロロホルム:メタノール:水=60:35:8)Rf:0.30
2957NO MW:483.77
H−NMR(500MHz、CDCl:CDOD=2:1)
δ=5.609(br.s,1H,H−5a),4.192,4.102(br.2d,2H,H−6a,H−6b),4.167(m,1H),3.553(dd,1H,J=7.8Hz,10.0Hz),3.416(dd,1H,J=8.3Hz,10.0Hz),3.212(br.d,1H),2.744(br.ddd,1H,NCH),2.537(br.ddd,1H,NCH),1.53−1.26(m,40H,20CH),0.886(t,3H,J=7.1Hz,CH
<2>本発明物質の合成
(1)本発明物質A−1の合成
化合物25−1(16.5mg,0.0713mmol)を3mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃で減圧乾固(evaporation)し、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して、凍結乾燥し、本発明物質A−1(14.7mg,77%)を無色固体として得た。
1H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.731(br.d,1H,H−5a),4.259(br.d,1H,H−6a),4.165(d,1H,J=4.0Hz,H−1),4.146(br.d,1H,H−6b),3.947(dd,1H,J=8.1,9.8Hz,H−3),3.691(br.d,1H,H−4),3.543(dd,1H,J=4.21,9.8Hz,H−2),3.094(br.ddd,2H,H−1’),1.74−1.28(m,4H,2CH),1.008(t,3H,J=7.3Hz,CH
(2)本発明物質A−2の合成
化合物25−2(51.3mg)を12mLの水に懸濁した後、0.2mLの濃塩酸と混合し、5分間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質A−2(51.7mg)を無色固体として得た。
融点:80.9〜82.3℃
[α]20=+9.83°(c=1.0 メタノール)
H−NMR(500MHz、1:2=CDOD:CDCl
δ=5.734(br.d,1H,H−5a),4.268(br.d,1H,H−6a),4.153(d,1H,J=4.1Hz,H−1),4.133(br.d,1H,H−6b),3.953(dd,1H,J=8.1,9.8Hz,H−3),3.638(br.d,1H,H−4),3.549(dd,1H,J=4.1,9.8Hz,H−2),3.063(m,2H,H−1’x2),1.75 1.26(m,12H,6CH,H−2’−7’),0.894(t,3H,J=7.1Hz,CH,H−8’)
(3)本発明物質A−3の合成
化合物25−3(15.0mg,0.0476mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質A−3(16.7mg,99%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.737(br.d,1H,H−5a),4.255(br.d,1H,H−6a),4.165(d,1H,J=4.2Hz,H−1)、4.145(br.d,1H,H−6b),3.950(dd,1H,J=8.3,9.8Hz,H−3),3.696(br.d,1H,H−4),3.543(dd,1H,J=4.0,9.8Hz,H−2),3.088(br.ddd,2H,H−1’),1.76−1.29(m,16H,8CH),0.894(t,3H,J=7.1Hz,CH
(4)本発明物質A−4の合成
化合物25−4(15.0mg,0.0437mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質A−4(16.6mg,100%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.730(br.d,1H,H−5a),4.255(br.d,1H,H−6a),4.163(d,1H,J=3.9Hz,H−1),4.144(br.d,1H,H−6b),3.942(dd,1H,J=8.3,9.8Hz,H−3),3.690(br.d,1H,H−4),3.540(dd,1H,J=3.9,9.8Hz,H−2),3.086(br.ddd,2H,H−1’),1.75−1.29(m,20H,10CH),0.893(t,3H,J=7.1Hz,CH
(5)本発明物質A−5の合成
化合物25−5(15.0mg,0.0404mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質A−5(7.2mg,44%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.723(br.d,1H,H−5a),4.252(br.d,1H,H−6a),4.159(d,1H,J=4.7Hz,H−1),4.141(br.d,1H,H−6b),3.933(dd,1H,J=8.1,9.8Hz,H−3),3.683(br.d,1H,H−4),3.532(dd,1H,J=4.0,9.8Hz,H−2),3.082(br.ddd,2H,H−1’),1.74−1.28(m,24H,12CH),0.893(t,3H,J=7.1Hz,CH
(6)本発明物質A−6の合成
化合物25−6(13.2mg,0.0309mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質A−6(14.3mg,99%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.708(br.d,1H,H−5a),4.259(br.d,1H,H−6a),4.159(d,1H,J=4.2Hz,H−1),4.142(br.d,1H,H−6b),3.925(dd,1H,J=8.3,9.8Hz,H−3),3.670(br.d,1H,H−4),3.533(dd,1H,J=3.9,9.8Hz,H−2),3.080(br.ddd,2H,H−1’),1.74−1.28(m,32H,16CH),0.892(t,3H,J=7.1Hz,CH
(7)本発明物質A−7の合成
化合物25−7(13.5mg,0.0279mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質A−7(14.5mg,100%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.710(br.d,1H,H−5a),4.255(br.d,1H,H−6a),4.157(d,1H,J=4.2Hz,H−1),4.140(br.d,1H,H−6b),3.924(dd,1H,J=8.3,9.8Hz,H−3),3.675(br.d,1H,H−4),3.529(dd,1H,J=4.2,9.8Hz,H−2),3.081(br.ddd,2H,H−1’),1.74−1.25(m,40H,20CH),0.893(t,3H,J=7.1Hz,CH
(8)本発明物質B−1の合成
化合物30−1(15mg,0.0649mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して、凍結乾燥し、本発明物質B−1(16mg,92%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.672(br.s,1H,H−5a),4.250,4.190(2br.d,2H,H−6a,H−6b),4.124(m,1H,H−1),3.814(m,1H,H−4),3.691(dd,1H,J=8.8,9.9Hz,H−3),3.533(dd,1H,J=8.1,9.8Hz,H−2),3.106(t,2H,J=8.1Hz,H−1’a,H−1’b),1.75−1.27(m,4H,2CH),1.005(t,3H,J=7.3Hz,CH
(9)本発明物質B−2の合成
化合物30−2(22.4mg,0.0780mmol)を8mLの水に懸濁した後、1.0mlの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質B−2(18.3mg,72%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.659(br.s,1H,H−5a),4.250,4.138(2br.d,2H,H−6a,H−6b),4.105(m,1H,H−1),3.802(m,1H,H−4),3.656(dd,1H,J=8.8,9.8Hz,H−3),3.515(dd,1H,J=7.9,9.9Hz,H−2),3.089(t,2H,J=8.1Hz,H−1’a,H−1’b),1.73−1.31(m,12H,6CH),0.905(t,3H,J=7.0Hz,CH3
(10)本発明物質B−4の合成
化合物30−4(15mg,0.0437mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質B−4(15mg,90%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.658(br.s,1H,H−5a),4.251,4.188(2br.d,2H,H−6a,H−6b),4.117(m,1H,H−1),3.800(m,1H,H−4),3.676(dd,1H,J=8.8,9.8Hz,H−3),3.528(dd,1H,J=7.8,9.8Hz,H−2),3.090(t,2H,J=8.1Hz,H−1’a,H−1’b),1.76−1.28(m,20H,10CH),0.892(t,3H,J=7.1Hz,CH
(11)本発明物質B−5の合成
化合物30−5(15mg,0.0404mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質B−5(16mg,97%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.652(br.s,1H,H−5a),4.253,4.192(2br.d,2H,H−6a,H−6b),4.121(m,1H,H−1),3.794(m,1H,H−4),3.679(t,1H,J=9.8Hz,H−3),3.533(dd,1H,J=8.1,9.8Hz,H−2),3.087(t,2H,J=8.1Hz,H−1’a,H−1’b),1.74−1.27(m,24H,12CH),0.891(t,3H,J=7.1Hz,CH
(12)本発明物質B−6の合成
化合物30−6(15mg,0.0351mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質B−6(14mg,86%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.647(br.s,1H,H−5a),4.254,4.186(2br.d,2H,H−6a,H−6b),4.110(m,1H,H−1),3.793(m,1H,H−4),3.661(t,1H,J=9.8Hz,H−3),3.524(dd,1H,J=7.8,9.8Hz,H−2),3.085(t,2H,J=8.1Hz,H−1’a,H−1’b),1.74−1.27(m,32H,16CH),0.892(t,3H,J=7.1Hz,CH
(13)本発明物質B−7の合成
化合物30−7(15mg,0.0310mmol)を10mLの水に懸濁した後、0.5mLの濃塩酸と混合し、1時間攪拌した。その後50℃でevaporationし、エタノール、トルエンを加え3回共沸させた。残渣を水に溶解して凍結乾燥し、本発明物質B−7(16mg,99%)を無色固体として得た。
H−NMR(500MHz、CDOD)
δ=5.643(br.s,1H,H−5a),4.257,4.185(2br.d,2H,H−6a,H−6b),4.108(m,1H,H−1),3.792(m,1H,H−4),3.651(t,1H,J=9.8Hz,H−3),3.521(dd,1H,J=7.8,10.0Hz,H−2),3.084(t,2H,J=8.1Hz,H−1’a,H−1’b),1.73−1.27(m,40H,20CH),0.893(t,3H,J=7.1Hz,CH
<3>中性β−ガラクトシダーゼ阻害活性の測定
必要によりDMSOを添加し溶解させた注射用水で溶解した本発明物質A−2〜7及びB−2〜7を0.02Mヘペス(Hepes)緩衝液(pH7.3)で0.05,0.125,0.25,0.5,1.0,2.5,5.0μM濃度に希釈し、96ウエルマイクロプレートに25μLずつ添加した。続いて、牛肝臓由来β−D−ガラクトシダーゼ(シグマ社製)の0.02MHepes緩衝液(pH7.3)を25μLずつ添加、更に、蛍光基質として4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド(10μM)を50μLずつ添加し、37℃で30分間インキュベートした。その後、2M−NaCOを100μL添加する事により反応を停止させ、添加し、反応を停止した。酵素反応によって遊離された4−メチルウンベリフェロンの量を(蛍光強度)を蛍光リーダー(製品名:ARVOSX,WALLAC社製)にて測定した(励起波長355nm、測定波長460nm)。阻害剤無添加時に遊離された4−メチルウンベリフェロンの量を100%とし、評価物質添加によって生じる4−メチルウンベリフェロンの量的変化を相対的に評価した。本発明物質A−2〜7の結果を図2に、B−2〜7の結果を図3に示す。また、50%阻害濃度(IC50値)は、各発明物質未添加時の4−メチルウンベリフェロン濃度が50%減少する発明物質濃度を、阻害曲線より算出した。
尚、本発明物質のうち阻害活性の高いものに関しては、0.0025,0.005,0.01,0.025μM濃度まで希釈し、酵素阻害測定を行い、IC50値を算出した。結果を表3に示す。

<4>酸性β−ガラクトシダーゼ阻害活性の測定
必要によりDMSOを添加し溶解させた注射用水で溶解した本発明物質A−2〜7を0.2M酢酸緩衝液(pH4.4)で0.05,0.125,0.25,0.5,1.0,2.5,5.0μM濃度に希釈し、96ウエルマイクロプレートに25μLずつ添加した。続いて、牛精巣由来β−D−ガラクトシダーゼ(シグマ社製)の0.2M酢酸緩衝液(pH4.4)を25μLずつ添加、更に、蛍光基質として4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド(10μM)を50μLずつ添加し、25℃で30分間インキュベートした。その後、2M−NaCOを100μL添加する事により反応を停止させ、酵素反応によって遊離された4−メチルウンベリフェロンの量を(蛍光強度)を蛍光リーダー(製品名:ARVOSX,WALLAC社製)にて測定した(励起波長355nm、測定波長460nm)。阻害剤無添加時に遊離された4−メチルウンベリフェロンの量を100%とし、評価物質添加によって生じる4−メチルウンベリフェロンの量的変化を相対的に評価した。結果を図4に示す。また、50%阻害濃度(IC50値)は、各発明物質未添加時の4−メチルウンベリフェロン濃度が50%減少する発明物質濃度を、阻害曲線より算出した。結果を表4に示す。

<5>中性β−グルコシダーゼ阻害活性の測定
必要によりDMSOを添加し溶解させた注射用水で溶解した本発明物質A−2〜7及びB−2〜7を0.02MHepes緩衝液(pH7.3)で0.0025,0.005,0.01,0.025,0.05,0.125,0.25,0.5,1.0,2.5,5.0μM濃度に希釈し、96ウエルマイクロプレートに25μLずつ添加した。続いて、牛肝臓由来β−D−ガラクトシダーゼ(シグマ社製)の0.02MHepes緩衝液(pH7.3)を25μLずつ添加、更に、蛍光基質として4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルコピラノシド(10μM)を50μLずつ添加し、37℃で30分間インキュベートした。その後、2M−NaCOを100μL添加する事により反応を停止させ、酵素反応によって遊離された4−メチルウンベリフェロンの量を(蛍光強度)を蛍光リーダー(製品名:ARVOSX,WALLAC社製)にて測定した(励起波長355nm、測定波長460nm)。阻害剤無添加時に遊離された4−メチルウンベリフェロンの量を100%とし、評価物質添加によって生じる4−メチルウンベリフェロンの量的変化を相対的に評価した。本発明物質A−2〜7の結果を図5に、B−2〜7の結果を図6に示す。また、50%阻害濃度(IC50値)は、各発明物質未添加時の4−メチルウンベリフェロン濃度が50%減少する発明物質濃度を、阻害曲線より算出した。結果を表5に示す。

<6>溶解性試験
本発明物質A−2の溶解性を確認したところ、24℃条件下で蒸留水に300mg/mlの濃度で溶解した。一方、化合物25−2は24℃条件下では2mg/mlで水に溶解せず、40℃において溶解したが、再度24℃に戻すと化合物25−2が析出した。
また、19℃条件下で化合物30−2及び本発明物質B−2を各々5.4mgに蒸留水を50μLずつ加え溶解性を確認した。本発明物質B−2は、蒸留水50μL加えると全て溶解した(>108mg/ml)。一方、化合物30−2は、蒸留水50μL加えることでは溶解せず、1.95mL加えた時点で全て溶解した(2.8mg/ml)。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2003年5月19日出願の日本特許出願(特願2003−140868)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
本発明によりβ−ガラクトシダーゼ又はβ−グルコシダーゼに対する阻害活性を有し、かつ、溶解性の改善された新規なカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩が提供される。また、前記新規なカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩は、β−ガラクトシダーゼ又はβ−グルコシダーゼ遺伝子に基づく糖脂質代謝異常症の優れた治療又は予防に使用することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。

式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、1又は2以上の下記置換基(I)もしくは(II)を有することもあるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示すか、あるいは、R及びRとが併さって置換基(III)を示し、

(R〜R12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)、ただし、R及びRは双方が同時に水素原子であることはなく、R、R及びRはそれぞれ独立にヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロキシル基もしくは置換基を有するヒドロキシル基を示し、ただし、R及びRは、一方が水素原子であるとき、他方はヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基である。
【請求項2】
下記一般式(1)−A−2で表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。

式中、R及びRは上記請求の範囲1と同義である。
【請求項3】
下記一般式(1)−B−2で表されるカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。

式中、R及びRは上記請求の範囲1と同義である。
【請求項4】
塩酸塩又は硫酸塩であることを特徴とする請求の範囲1〜3のいずれかに記載のカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩。
【請求項5】
請求の範囲1〜4のいずれか1項に記載のカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項6】
糖脂質代謝異常症の予防剤または治療剤である、請求の範囲5記載の医薬。
【請求項7】
下記一般式(1)で表されるカルバ糖アミン誘導体を水性溶媒中で酸と接触させて酸付加塩とすることを特徴とするカルバ糖アミン誘導体の酸付加塩の製造方法。

式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、1又は2以上の下記置換基(I)もしくは(II)を有することもあるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はアラルキル基を示すか、あるいは、R及びRとが併さって置換基(III)を示し、

(R〜R12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を示す)、ただし、R及びRは双方が同時に水素原子であることはなく、R、R及びRはそれぞれ独立にヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロキシル基もしくは置換基を有するヒドロキシル基を示し、ただし、R及びRは、一方が水素原子であるとき、他方はヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基である。

【国際公開番号】WO2004/101493
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506298(P2005−506298)
【国際出願番号】PCT/JP2004/007138
【国際出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【出願人】(000195524)生化学工業株式会社 (143)
【Fターム(参考)】