説明

カルボキサニリドの製造方法

本発明は、一般式(I):(式中、R1はH又はC1-4アルキルであり、そしてR2はジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである)の化合物を調製するための新規な方法であって、塩基、パラジウム触媒及びJosiphos型のフェロセニルビホスフィンリガンドの存在下において、一般式(II):(式中、R1は上に与えられた意味を有し、そしてXはクロロ又はブロモである)の化合物と、一般式(III):(式中、R2は上に与えられた意味を有する)の化合物とを反応させることを含んで成り、該反応が少なくとも100℃の還流温度において、エーテル溶媒中で行われることを特徴とする、方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺微生物剤として、特には殺真菌剤として有用である、特定のO−シクロプロピル−カルボキサニリドの新規な調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多様なO−シクロプロピル−カルボキサニリド、これらの調製方法、及びこれらの殺微生物剤としての使用は、WO03/074491に記載されている。式(C)のO−シクロプロピル−アニリンの1つの調製方法において、以下のスキーム1に示されるとおり、式中R3、特に置換されたシクロプロピル基は、式Het−COCl(式中Hetは、例えば、置換されたピラゾリル基である)の酸塩化物と反応させ、式(D)のO−シクロプロピル−カルボキサニリドを形成することができる:
【化1】

【0003】
O−シクロプロピル−アニリン(C)は、スキーム1に示される2段階において達成される多段階方法により作成される:
【化2】

【0004】
スキーム1から解るとおり、この方法は、式(A)の2−(2−ハロフェニル)−シクロプロパン(式中Halはブロモ又はヨードであり、そしてR3は、上述のとおり、置換されたシクロプロピル基である)のイミン(B)を介するO−シクロプロピル−アニリン(C)への変換に関する。該イミン(B)は、該シクロプロパン(A)とベンゾフェノンイミンを、溶媒、例えば、ベンゼン又はトルエン中、その還流温度において、ナトリウムtert−ブトキシド、トリス−ジベンジリデンアセトン−ジパラジウム(pd2dba3)及びラセミ体2,2’−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)の存在下で数時間反応させることにより形成され、その後、(通常粗い単離生成物を)ヒドロキシルアミン塩酸塩、酢酸ナトリウム及び溶媒、例えば、メタノールの混合物に添加され、アニリン(C)のcis/trans−混合物を形成する。
【0005】
式(A)の2−(2−ハロ−フェニル)−シクロプロパンから出発するO−シクロプロピル−カルボキサニリドの調製方法は高価であり、かつ大量生産にはあまり適さない。ほかの不利益の中でもとりわけ、これは3回の分離段階を含み、そして高価なベンゾフェノンイミンの使用及び中間体イミン(B)の単離を必要とする。さらに、WO03/074491に従えば、シクロプロパン(A)はブロモ−又はヨード−フェニルシクロプロパンでなければならず、さらにより安価であるが反応性の低いクロロフェニルシクロプロパンには対応しない。
【0006】
このたび、特定のO−シクロプロピル−カルボキサニリドが、商業規模における使用のためにより適当であり、かつより安価である、1段階方法において2−(2−ブロモ又は2−クロロフェニル)−シクロプロパンから直接調製できることが発見された。
【0007】
従って、本発明に従い、一般式(I):
【化3】

(式中、R1はH又はC1-4アルキルであり、そしてR2はジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである)の化合物を調製するための方法であって、ここで塩基、パラジウム触媒及びJosiphos型のフェロセニルビホスフィンリガンドの存在下において、一般式(II):
【化4】

(式中、R1は上に与えられた意味を有し、そしてXはクロロ又はブロモである)の化合物と、一般式(III):
【化5】

(式中、R2は上に与えられた意味を有する)の化合物とを反応させることを含んで成り、該反応が少なくとも100℃の還流温度において、エーテル溶媒中で行われることを特徴とする、方法が供される。
【0008】
本願明細書において言及される「アルキル」の用語は、1〜4個の炭素原子を含有する分岐した又は分岐していないアルキル基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル又はtert−ブチルである。
【0009】
本発明の方法において使用される塩基は、好ましくは強塩基であり、典型的にはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又はアルコキシド、あるいはアルカリ金属のリン酸塩又は炭酸水素塩、あるいはこれらの混合物である。特に好適なものは、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、カルシウム及びバリウムの水酸化物又は炭酸塩、ナトリウム及びカリウムのリン酸塩、並びにナトリウム及びカリウムのC1−C4アルコキシドである。特に注目のものは、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム及びリン酸カリウムである。
【0010】
使用される塩基の量は、選択された特定の塩基に依存するが、通常、化合物(II)1molあたり1〜3、慣習的には1〜2、そして典型的には1.2〜1.6molである。
【0011】
本発明の方法において使用されるパラジウム触媒は、好適には、二塩化パラジウム、酢酸パラジウム(II)、トリス−ジベンジリデン−アセトン−ジパラジウム(Pd2dba3)又はビス−ジベンジリデンアセトンパラジウム(Pd(dba)2)である。酢酸パラジウム(II)は使用に特に好都合であることが発見された。
【0012】
使用されるフェロセニルビホスフィンリガンドは、Josiphos型のものである。このようなリガンドは商業的に入手可能であり、以下を含む:
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]エチル−ジ−tert−ブチル−ホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジ(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシル−ホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジ(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]エチルジ(3,5−ジメチル−フェニル)ホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン;
(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン;
(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシル−ホスフィン;
(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジ−フリルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−3,5−キシリルホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン;
(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン;
(R)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン;
(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン;
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]エチルジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン;
及びこれらのラセミ混合物、特に2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィンのラセミ混合物。
【0013】
使用できる他のJosiphosリガンドは以下を含む:
(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジ−tert−ブチル−ホスフィノ)フェロセニル]エチル−ジ−O−トリルホスフィン
【化6】

(R)−(−)−1−[(S)−2−(ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ)フェロセニル]−エチル−ジ−tert−ブチルホスフィン
【化7】

(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジエチルホスフィノ)フェロセニル]−エチル−ジ−tert−ブチルホスフィン
【化8】

(R)−(−)−1−[(S)−2−(P−メチル−P−イソプロピル−ホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン
【化9】

(R)−(−)−1−[(S)−2−(P−メチル−P−フェニル−ホスフィノ)フェロセニル]エチル−ジ−tert−ブチルホスフィン
【化10】

及びこれらのラセミ混合物、特に2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセニル]エチル−ジ−O−トリルホスフィンのラセミ混合物。
【0014】
特に有用であることが発見されたJosiphosリガンドは、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシル−ホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィンであり、これは以下の構造式:
【化11】

を有する。
【0015】
本発明の方法において、該パラジウム触媒は、化合物(II)に基づき、通常、0.001〜10mol%、好ましくは0.01〜1mol%、そして典型的には約0.02%の割合において利用される。
【0016】
Josiphosリガンドは、1当量又はおよそそのぐらいの該パラジウム触媒を伴い使用される。
【0017】
該方法を行うために使用される溶媒は、該反応混合物が大気圧において少なくとも100℃の温度で還流できるような沸点を有し、該方法の反応条件下で不活性であるエーテル溶媒である。このような溶媒は、アルキレン−及びポリアルキレングリコールのジアルキルエーテル、そして特に一般式:
ROCH2CH2OCH2CH2OR(式中、RはC1-4アルキルである)
を有するジエチレングリコールジアルキルエーテルを含む。最も好適には、該溶媒は約162℃の沸点を有するジ(エチレングリコ−ル)ジメチルエーテル(ジグリム)である。
【0018】
本発明の方法は、用いられる溶媒の還流温度で行われ、これは少なくとも100℃、普通は少なくとも130℃、通常は130〜200℃、そして典型的には140〜180℃である。
【0019】
該方法は、大気圧下で行うことができる。該方法において使用される容器は、反応物が導入される前に窒素でパージすることができるが、但しこれは必須ではない。
【0020】
本発明の方法において使用される2−クロロ−又はブロモフェニルビシクロプロピル化合物(II)は、cis−又はtrans−異性体、あるいはこれら両方の混合物として存在してよい。該方法は、どちらかの異性体又はいずれかの割合におけるいかなる混合物の使用も含み、従って、化合物(I)は、一方又は他方の異性体、あるいはこれら両方の混合物として得ることができる。
【0021】
該方法において使用されるピラゾールカルボン酸アミド(III)の量は、使用されるビシクロプロピル化合物(II)のそれぞれのmolについて、簡便には1〜5mol、例えば、1〜1.5molであり、そして典型的には1〜1.2molである。
【0022】
反応時間は、該方法の規模及び温度に特に依存するが、通常1〜48時間、例えば、6〜24時間であり、そして典型的には10〜20時間である。
【0023】
該方法は、化合物(II)及び(III)を、塩基、触媒及びリガンドと共に、適当な反応容器中の溶媒に添加することにより簡便に行われる。添加の順番は重要ではない。例えば、反応混合物の試料のガスクロマトグラフィー分析により、該反応が完了したものと判断したら、酢酸エチルを該反応混合物に添加し、該有機相を水で洗浄し、これを乾燥させ、そして該溶媒を蒸留することにより、粗生成物を単離することができる。その後、標準的な実験技術により、例えば、カラムクロマトグラフィーによりこれを精製することができる。
【0024】
生成物(I)は、殺微生物剤として有用であり、例えば、WO2003/074491に記載されるとおり、特に良好な殺真菌特性を有する。
【0025】
以下の制限のない実施例は、本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0026】
例1
塩基としてナトリウムtert−ブトキシドを使用する2−(2−クロロフェニル)ビシクロプロピルからの3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロプ−2−イル−フェニル)アミドの調製
スルホン化フラスコ中、2−(2−クロロフェニル)ビシクロプロピル(0.58g;0.0028mol;trans/cis混合物 約2:1)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(0.5g;0.003mol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.38g;0.004mol)、酢酸パラジウム(II)(13mg;0.057mmol)及び(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(31mg;0.057mmol)を、ジ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(15m1)に添加した。該混合物を加熱し、そしてその還流温度で16時間撹拌した。冷却後、酢酸エチルを添加し、そして該有機相を水で3回洗浄した。水流真空において該溶媒を乾燥及び蒸留後、褐色の残渣が残った。この粗生成物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘキサン 1:1)により精製した。収量:褐色の固体として、0.64gの3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロプ−2−イル−フェニル)アミド(68%理論値)(trans/cis比:約2.7:1)。
【0027】
例2
塩基としてナトリウムtert−ブトキシドを使用する2−(2−ブロモフェニル)ビシクロプロピルからの3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロプ−2−イル−フェニル)アミドの調製
スルホン化フラスコ中、2−(2−ブロモフェニル)ビシクロプロピル(0.71g;0.0028mol;trans/cis混合物 約2:1)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(0.5g;0.003mol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.38g;0.004mol)、酢酸パラジウム(II)(13mg;0.057mmol)及び(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(31mg;0.057mmol)を、ジ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(15m1)に添加した。該混合物を加熱し、そしてその還流温度で16時間撹拌した。冷却後、酢酸エチルを添加し、そして該有機相を水で3回洗浄した。水流真空において該溶媒を乾燥及び蒸留後、褐色の残渣が残った。この粗生成物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘキサン 1:1)により精製した。収量:褐色の固体として、0.62gの3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロプ−2−イル−フェニル)アミド(67%理論値)(trans/cis比:約2.7:1)。
【0028】
例3
塩基として炭酸セシウムを使用する2−(2−クロロフェニル)ビシクロプロピルからの3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロプ−2−イル−フェニル)アミドの調製
スルホン化フラスコ中、2−(2−クロロフェニル)ビシクロプロピル(0.3g;0.0016mol;trans/cis混合物 約2:1)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(0.37g;0.0016mol)、炭酸セシウム(0.71g;0.0022mol)、酢酸パラジウム(II)(7mg;0.031mmol)及び(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン(18mg;0.031mmol)を、ジ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(15m1)に添加した。該混合物を加熱し、そしてその還流温度で16時間撹拌した。冷却後、酢酸エチルを添加し、そして該有機相を水で3回洗浄した。水流真空において該溶媒を乾燥及び蒸留後、褐色の残渣が残った。この粗生成物をシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル/ヘキサン 1:1)により精製した。
収量:褐色の固体として、0.27gの3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロプ−2−イル−フェニル)アミド(52%理論値)(trans/cis比:約2:1)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

(式中、R1はH又はC1-4アルキルであり、そしてR2はジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである)の化合物を調製するための方法であって、ここで塩基、パラジウム触媒及びJosiphos型のフェロセニルビホスフィンリガンドの存在下において、一般式(II):
【化2】

(式中、R1は上に与えられた意味を有し、そしてXはクロロ又はブロモである)の化合物と、一般式(III):
【化3】

(式中、R2は上に与えられた意味を有する)の化合物とを反応させることを含んで成り、該反応が少なくとも100℃の還流温度において、エーテル溶媒中で行われることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記式中、Xがクロロである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩基が、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、カルシウム又はバリウムの水酸化物又は炭酸塩、ナトリウム又はカリウムのリン酸塩、あるいはナトリウム又はカリウムのC1−C4アルコキシドである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パラジウム触媒が、二塩化パラジウム、酢酸パラジウム(II)、トリス−ジベンジリデン−アセトン−ジパラジウム又はビス−ジベンジリデンアセトンパラジウムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記リガンドが、以下の構造式:
【化4】

を有する(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチル−ホスフィンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、一般式:
ROCH2CH2OCH2CH2OR(式中、RはC1-4アルキルである)
を有するジエチレングリコールジアルキルエーテルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒が、ジ(エチレングリコ−ル)ジメチルエーテル(すなわちジグリム)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が130〜200℃の温度において行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−515843(P2009−515843A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539357(P2008−539357)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010866
【国際公開番号】WO2007/057140
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】