説明

カルボン酸誘導体の接触水素化によるアミンの生成

カルボン酸および/または誘導体の、特にアミドの水素化プロセスを説明する。このプロセスは、酸、またはアミドのような誘導体を、触媒系の存在下で水素源に反応させるステップを含む。かかる触媒系は、(a)ルテニウム源と(b)一般式Iのホスフィン化合物とを組み合わせることにより得られる:(式I)。水素化反応は、低濃度の水の存在下、低圧、もしくはアンモニア源の存在下で実行されるか、水の不在下で実行されるか、またはこれらの要因の組み合わせが利用される。また、本発明は、カルボン酸および/またはその誘導体の水素化による第1級アミンの生成でのアンモニアの使用、または第1級アミンの生成プロセス全般にも関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸、並びに/またはエステルおよびアミドのような誘導体の、アミンへの水素化に関するものであり、より具体的には、かかる酸、エステルおよび/またはアミドからアミンへの均一系接触水素化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術文献には、水素化反応を触媒する不均一系触媒の使用が開示されている。例えば特許文献1には、脂肪族ニトリルからアミンへの、ニッケル触媒を用いる水素化が開示されている。特許文献2には、任意に金属で促進される亜クロム酸銅触媒を用いる、脂肪酸アミドからのアミンの調製が開示されている。
【0003】
特許文献3には、第2級アミンを低収率で得るための、カルボン酸およびその誘導体の、ルテニウムおよび有機ホスフィンを含む触媒の存在下での水素化の均一プロセスを開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−226327号公報
【特許文献2】国際公開第98/03262号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/093208号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カルボン酸、および/またはエステルおよびアミドなどの誘導体の水素化を、特定の触媒系で触媒すると、選択性の高い転換が生じ、所望のアミン生成物が高収率で得られることが判明した。
【0006】
さらに、アンモニアの存在下の上記の水素化系から、第1級アミンが選択的に高収率で生成される可能性があることも判明した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、カルボン酸および/またはその誘導体の水素化方法が提供され、かかる方法は、
前記カルボン酸および/またはその誘導体を、触媒系の存在下で水素源と反応させるステップを含み、前記触媒系が、
(a)ルテニウム源と、
(b)一般式I
【0008】
【化1】

のホスフォン化合物とを組み合わせることにより得られ、
式中、X〜XおよびR〜Rが各々別個に、低アルキルまたはアリールを表し、Rが水素、低アルキルまたはアリールを表し、
水素化反応が、低濃度の水の存在下、または水の不在下で実行される。
【0009】
本発明の第2の態様によると、カルボン酸および/またはその誘導体の水素化方法が提供され、かかる方法は、
前記カルボン酸および/またはその誘導体を、触媒系の存在下で水素源と反応させるステップを含み、前記触媒系が、
(a)ルテニウム源と、
(b)次のような一般式Iのホスフォン化合物とを組み合わせることにより得られ、
【0010】
【化2】

式中、X〜XおよびR〜Rが各々別個に、低アルキルまたはアリールを表し、Rが水素、低アルキルまたはアリールを表し、
反応が低圧で実行される。
【0011】
好適には、触媒系は均一系である。
「均一系」という用語は、触媒が反応物と同相の触媒系を意味する。例えば、触媒が、水素化反応の反応物により支持されず、好適には本明細書に記載の適切な溶媒中で、単にかかる反応物とともに原位置で混合または形成される。
【0012】
前記カルボン酸および/またはその誘導体を均一系触媒系の存在下で水素源と反応させるステップは、好適には、少なくとも1つの溶媒の存在下で実行される。適切ないずれの溶媒を使用してもよい。かかる適切な溶媒は、触媒系を溶解してアミドと同相に保持する
ことができる。適切な溶媒の実施例には、ジエチルエーテルおよびジオキサンのようなエーテルを含むエーテル溶媒と、トルエン、ベンゼンおよびキシレンのような有機溶媒と、テトラヒドロフランのような複素環式有機溶媒とが含まれる。
【0013】
本発明で使用する特に好適な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)である。
本発明の方法を低濃度の水の存在下で用いると、カルボン酸および/またはその誘導体から所望の水素化生成物への非常に高い転換が得られることが判明した。
【0014】
従って、水素化反応は好適には低濃度の水の下で起こる。反応混合物中に低濃度の水があると、水素化反応においてカルボン酸および/またはその誘導体から所望の生成物への転換が増大する。
【0015】
バッチ反応開始時または連続反応中に存在する水とルテニウムとのモル比は、約2500:1まで、好適には約2000:1まで、より好適には約1500:1までである。
バッチ反応開始時または連続反応中に存在する水とルテニウムとのモル比は、少なくとも約50:1、好適には少なくとも約100:1、より好適には少なくとも約200:1である。
【0016】
反応に存在する水と溶媒との容積比は、約4:10まで、好適には約2:10まで、最適には約1:10までである。反応は、水の不在下で進行してもよい。この場合、アルコールの痕跡だけが生成されてアミドからアミンへの完全な転換が得られることもある。しかしながら、これらの条件下では触媒が常には安定していないこともある。従って、溶媒の安定性を高めつつ、カルボン酸および/またはその誘導体の良好な転換を可能にするために、最小限の量の水を提供することが有益なこともある。
【0017】
反応に存在するとは、反応中いつでも存在すること、好適には、バッチプロセス開始時または連続プロセス中の反応に存在することを意味する。
バッチプロセスで、または連続プロセス中に、水素化反応の前に反応混合物に所望の量の水を加えてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1つの実施形態では、反応混合物中に存在する水は、水性アンモニアの形態で加えてもよい。
さらに、本発明のプロセスを低圧下で実行すると、カルボン酸および/またはその誘導体から所望の生成物への非常に高い転換が得られることも判明した。従って、水素化反応が低圧下で起こることは有利である。
【0019】
反応は、約6.5×10Paまで、好適には約5.0×10Paまで、最適には約4.0×10Paまでの圧力で実行され得る。
水素源は好適には水素ガスである。水素ガスは、純粋な形態で使用しても、または窒素、二酸化炭素などの1つ以上の不活性ガスおよび/もしくはアルゴンのような希ガスで希釈して使用してもよい。
【0020】
反応が実行される際の圧力は好適には、水素源と、水素ガス内に存在するその他のガスとの圧力により提供される。従って、水素源と、存在するその他のガスとの全ガス圧は、約6.5×10Paまで、好適には約5.0×10Paまで、最適には約4.0×10Paまででもよい。
【0021】
本発明の触媒系で使用されるルテニウム源は、ルテニウム塩の形態であってもよい。本発明で有用なルテニウムの塩には、水素化反応条件下で活性種に転換される塩が含まれる
。かかる塩には、硝酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩、βジケトン、カルボニル基およびハロゲン化物が含まれる。
【0022】
適切なルテニウム源の具体例は、次のいずれかを含むがそれらに限らない。すなわち、硝酸ルテニウム、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、二水酸化ルテニウム、ルテニウムアセチルアセトナート、酢酸ルテニウム、マレイン酸ルテニウム、琥珀酸ルテニウム、トリス−(アセチルアセトン)ルテニウム、ペンタカルボニルルテニウム、テトラカルボニルルテニウム二カリウム、シクロペンタジエニルジカルボニルトリテニウム、テトラヒドリドデカカルボニルテトラルテニウム、テトラフェニルホスホニウム、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、二水酸化ルテニウム、ビス(トリ−n−ブチルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニルテトラルテニウム、テトラフェニルホスホニウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリルテナート。
【0023】
本発明での使用に特に好適なルテニウム源は、トリス−(アセチルアセトン)ルテニウム(Ru(acac))である。
一般式Iの適切ないずれのホスフィンを使用してもよい。式IのX〜Xは好適には各々別個に、2価の架橋基を表す。式IのX〜Xは好適には各々別個に、低アルキレンまたはアリーレンを表す。より好適には、X〜Xは各々別個に、C〜Cアルキレンを表し、本明細書に規定された通りに任意に置換したものでも、またはフェニレン(かかるフェニレン基は、本明細書に規定された通りに任意に置換してもよい)であってもよい。よりいっそう好適には、X〜Xは各々別個に、C〜Cアルキレンを表し、本明細書に規定された通りに任意に置換したものでもよい。最適には、X〜Xは各々別個に、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソ−プロピレン、n−ブチレン、イソ−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンまたはシクロヘキシレンのような非置換のC〜Cアルキレンを表す。特に好適な非置換のC〜Cアルキレンはメチレンである。
【0024】
本発明の特に好適な実施形態では、各X〜X基は、本明細書に規定されたのと同じ低アルキレンまたはアリーレン基を表す。アルキレン基の場合、X〜Xは好適には、かかる同じC〜Cアルキレン基、特に、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソ−プロピレン、n−ブチレン、イソ−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンまたはシクロヘキシレンのような非置換のC〜Cアルキレンを表す。より好適には、各X〜Xはメチレンを表す。
【0025】
式IのR〜Rは好適には各々別個に低アルキルまたはアリール基を表す。より好適には、R〜Rは各々別個に、C〜Cアルキルを表し、本明細書に規定された通りに任意に置換したものでも、またはフェニル(かかるフェニル基は、本明細書に規定された通りに任意に置換してもよい)であってもよい。最適には、R〜Rは各々別個に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、第3ブチル、ペンチル、ヘキシルもしくはシクロヘキルまたはフェニルのような非置換のC〜Cアルキルを表す。特に好適な基はフェニルである。
【0026】
本発明の特に好適な実施形態では、各R〜R基は、本明細書に規定されたのと同じ低アルキルまたはアリール基を表す。より好適には、各R〜Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、第3ブチル、ペンチル、ヘキシルもしくはシクロヘキシルまたはフェニルのような非置換のC〜Cアルキルを表す。最適には、各R〜Rはフェニルを表す。
【0027】
式IのRは好適には、水素、低アルキルまたはアリールを表す。より好適にはRは、HまたはC〜Cアルキルを表し、本明細書に規定された通りに任意に置換してもよ
い。最適にはRは、H、またはメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、第3ブチル、フェニルもしくはヘキシルのような非置換のC〜Cアルキルを表す。特に好適な基はHまたはメチルである。
【0028】
一般式Iのホスフィン化合物の具体例は、
トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)メタン、
トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)−エタン、
トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)プロパン、
トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)ブタン、
トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)2−エタン−ブタン、
トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)2,2ジメチルプロパン、
トリス−1,1,1−(ジシクロヘキシルホスフィノメチル)エタン、
トリス−1,1,1−(ジメチルホスフィノメチル)エタン、および、
トリス−1,1,1−(ジエチルホスフィノメチル)エタンを含むが、それらに限らない。
【0029】
特に好適なホスフィン化合物は、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(別名トリフォス)である。
「低アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、C〜C10アルキルを意味し、メチル、エチル、エテニル、プロピル、プロペニル、ブチル、ブテニル、ペンチル、ペンテニル、ヘキシル、ヘキセニルおよびペンチル基を含む。別段の指定のない限り、低アルキル基を含むアルキルは、十分な数の炭素原子がある場合、直鎖または分岐鎖で、飽和または不飽和で、環式、非環式または部分的に環式/非環式で、本明細書に規定された通りの非置換、置換または終端処理であっても、および/または1つ以上(好適には4つ未満)の酸素、硫黄もしくは珪素原子、シラノもしくはジアルキル珪素基またはそれらの混合物により断絶されてもよい。
【0030】
本明細書の「置換」という用語は、別段の規定のない限り、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR29、C(O)SR30、C(S)NR2728、非置換もしくは置換のアリール、低アルキル(かかる基自体が、本明細書に規定された通りの非置換または置換もしくは終端処理であってもよい)または非置換もしくは置換のHetから選択された1つ以上の置換基による、置換または終端処理を意味し、R19〜R30は各々別個に、水素、非置換もしくは置換のアリール、または非置換もしくは置換の低アルキルを表す。置換基自体が置換されている場合、好適にはかかる置換基は、さらなる置換基により終端処理される。
【0031】
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、その他の点は上記の低アルキルの通りの、2価のラジカルなアルキル基に関するものである。例えば、−CHと表されるメチルのようなアルキル基は、アルキレンとして表される場合、メチレン、−CH−となる。その他のアルキレン基も、これに応じて理解されるべきである。
【0032】
「アルール」という用語は、本明細書で使用する場合、フェニル、フェロセニルおよびナフチルのような、5〜10員、好適には6〜10員の炭素環式芳香族または疑似芳香族の基を含み、かかる基は、非置換もしくは置換のアリール、低アルキル(かかる基自体が、本明細書に規定された通りの非置換または置換もしくは終端処理であってもよい)、Het(かかる基自体が、本明細書に規定された通りの非置換または置換もしくは終端処理であってもよい)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR29、C(O)SR30またはC(S)NR2728から選択された1つ以上の置換基で置換されても
されなくてもよく、R19〜R30が各々別個に、水素、非置換もしくは置換のアリールまたは低アルキル(かかる基自体が、本明細書に規定された通りの非置換または置換もしくは終端処理であってもよい)を表す。
【0033】
本明細書で使用される「アリーレン」という用語は、上記に規定した以外では、2価のラジカルなアリール基に関するものである。例えば、−PHと表されるフェニルのようなアリール基は、アリーレンとして表される場合、フェニレン、−PH−となる。その他のアリーレン基も、これに応じて理解されるべきである。
【0034】
上記の基の置換または終端処理に用いてもよいハロ基には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
上記の基の置換または終端処理に用いてもよい「Het」という用語には、4〜12員、好適には4〜10員の環系が含まれ、かかる環は、窒素、酸素、硫黄およびそれらの混合物から選択された1つ以上のヘテロ原子を含有し、かかる環は、0個もしくは1個以上の二重結合を含有するか、または非芳香族、部分的に芳香族もしくは完全に芳香族の特徴を有してもよい。環系は単環式、2環式または縮合であってもよい。本明細書で特定された各「Het」基は、ハロ、シアノ、ニトロ、オクソ、低アルキル(かかるアルキル基自体が、本明細書に規定された通りの非置換または置換もしくは終端処理であってもよい)、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30または−C(S)N(R27)R28から選択された1つ以上の置換で置換されてもされなくてもよく、R19〜R30が各々別個に、水素、非置換もしくは置換のアリールまたは低アルキル(かかるアルキル基自体が、本明細書に規定された通りの非置換または置換もしくは終端処理であってもよい)を表す。よって、「Het」という用語には、任意に置換されたアゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニル、オキサゾニル、イソオキサゾニル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリダジニル、モルホリニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピペリジニル、ピラゾリルおよびピペラジニルのような基が含まれる。Hetでの置換は、Het環の炭素原子で行っても、または該当する場合、1つ以上のヘテロ原子で行ってもよい。また、「Het」基は、N酸化物の形態であってもよい。
【0035】
ルテニウム源は、適切な任意の量で存在してもよい。また、ホスフィン化合物も、適切な任意の量で存在してもよい。ルテニウムと燐とのモル比は約1:50〜約2:1、好適には約1:6〜約1:1、最適には約1:2である。
【0036】
ルテニウムと燐とのモル比は、単座ホスフィンについては、ルテニウムとホスフィン化合物とのモル比に等しく、2座ホスフィンについては、ルテニウムとホスフィン化合物とのモル比の半分、3価のホスフィンについては、ルテニウムとホスフィン化合物とのモル比の3分の1、4価のホスフィンについては、ルテニウムとホスフィン化合物とのモル比の4分の1になる。
【0037】
適切ないずれの反応温度を用いてもよい。しかしながら、本発明の反応は好適には比較的低温で実行される。反応を実行してもよい適切な温度範囲は、約120℃〜約250℃、好適には約130℃〜約200℃、より好適には約140℃〜約180℃である。
【0038】
「カルボン酸および/またはその誘導体」という用語は、次のような一般式IIの基を含有する化合物を意味し、
【0039】
【化3】

式中、Yは、O、NまたはSのようなヘテロ原子であってもよい。一般式IIの基を含有する化合物の具体例は、カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、無水物、エステル、アミドおよびそれらの混合物を含むが、それらに限らない。本発明のカルボン酸および/またはその誘導体は好適には、カルボン酸、エステルおよび/またはアミドから選択され、より好適にはアミドが選択される。
【0040】
適切なカルボン酸は、好適には、少なくとも1つのカルボン酸基を有するC〜C30有機化合物であり、より好適には、少なくとも1つのカルボン酸基を有するC〜C16有機化合物である。かかる有機化合物は、本明細書に規定された通りに任意に置換してもよい。かかる有機化合物は、次のものの1つ以上で置換してもよい。すなわち、水酸基、例えばメトキシのようなC〜Cアルコキシ基、アミン、または例えばCl、IおよびBrのようなハロゲン基。適切なカルボン酸の具体例は、置換または非置換の安息香酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、ブタン酸、シクロヘキシルプロピオン酸またはノナン酸を含むが、それらに限らない。
【0041】
適切なエステルは、好適には、少なくとも1つのエステル基を有するC〜C30有機化合物であり、より好適には、少なくとも1つのエステル基を有するC〜C16有機化合物である。かかる有機化合物は、本明細書に規定された通りに任意に置換してもよい。かかる有機化合物は、次のものの1つ以上で置換してもよい。すなわち、水酸基、例えばメトキシのようなC〜Cアルコキシ基、アミン、または例えばCl、IおよびBrのようなハロゲン基。適切なエステルの具体例は、置換または非置換のベンゾアート、メタノアート、プロパノアート、ペンタノアート、ブタノアート、シクロヘキシルプロパノアートまたはノナノアートを含むが、それらに限らない。
【0042】
適切なアミドは、好適には、少なくとも1つのアミド基を有するC〜C30有機化合物であり、より好適には、少なくとも1つのアミド基を有するC〜C16有機化合物である。かかる有機化合物は、本明細書に規定された通りに任意に置換してもよい。かかる有機化合物は、次のものの1つ以上で置換してもよい。すなわち、水酸基、例えばメトキシのようなC〜Cアルコキシ基、アミン、または例えばCl、IおよびBrのようなハロゲン基。適切なアミドの具体例は、置換または非置換のベンズアミド、アセトアミド、プロパンアミド、ペンタンアミド、ブタンアミド、シクロヘキシルプロパンアミドまたはノナミドを含むが、それらに限らない。好適なアミドには、ブタンアミドおよびノナミド、例えばN−フェニルノナミドが含まれる。
【0043】
別段の指定のない限り、有機化合物とは、十分な数の炭素原子がある場合、直鎖または分岐鎖で、飽和または不飽和で、環式、多環式、非環式または部分的に環式/非環式で、本明細書に規定された通りの非置換または置換もしくは終端処理であっても、および/または1つ以上(好適には4つ未満)の酸素、硫黄もしくは珪素原子、シラノもしくはジアリキル珪素基またはそれらの混合物により断絶されてもよい化合物を意味する。
【0044】
有利なことに、上記の通りの水素化反応をアンモニア源の存在下で行うと、選択性の高い反応となり、第1級アミンの生成に好都合であることが判明した。
よって、本発明の第3の態様によると、カルボン酸および/またはその誘導体の水素化プロセスが提供され、かかるプロセスは、
前記カルボン酸および/またはその誘導体を、アンモニア源および触媒系の存在下で水素源と反応させるステップを含み、前記触媒系が、
a) ルテニウム源と、
b) 一般式I
【0045】
【化4】

のホスフィン化合物とを組み合わせることにより得られ、
式中、X〜XおよびR〜Rが各々別個に、低アルキルまたはアリールを表し、Rが水素、低アルキルまたはアリールを表す。
【0046】
好適には、触媒系は均一系である。
本発明のさらなる態様によると、カルボン酸および/またはその誘導体の水素化による第1級アミンの生成での、アンモニアの使用が提供される。
【0047】
本発明のなお更なる態様によると、第1級アミンの生成プロセスが提供され、かかるプロセスは、カルボン酸および/またはその誘導体を、上記の通りの触媒系の存在下で水素源およびアンモニア源と反応させるステップを含む。
【0048】
驚いたことに、アンモニア源が存在すると、第1級アミン生成物が優勢になることが判明した。これは、さらなる合成用に第1級アミン中間体を生成する際、有利である。
使用されるアンモニアは、液体、ガス状もしくは水性形態、またはそれらの組み合わせで存在してもよい。好適にはアンモニアは、液体または水性の形態で存在する。
【0049】
ガス状アンモニアが使用される場合、好適にはガス状アンモニアは、約0.1バール〜約25バール、好適には約1バール〜約15バール、最適には約2バール〜約10バールの分圧で反応混合物の気相に存在する。
【0050】
液体アンモニアが反応混合物に加えられる場合、好適には液体アンモニアは、アンモニアと溶媒との容積比が約1:100〜約10:1、好適には約1:20〜約5:1、最適には約1:10〜約2:1になるような量、存在する。
【0051】
水性アンモニアが反応混合物に加えられる場合、好適には水性アンモニアは、アンモニアと溶媒との容積比が液体アンモニアについて規定された通りになるような量、加えられ
る。
【0052】
「水性アンモニア」とは、水に溶解されたアンモニアの溶液を意味する。水溶液中のアンモニアの濃度は、1%〜99%w/v、好適には約10%〜約70%w/v、より好適には約20%〜約50%w/vの範囲であってもよい。好適な水性アンモニア溶液は、約34%w/vのアンモニア濃度を有するアルドリッチ製品から得てもよい。
【0053】
水性アンモニアが使用される場合、好適には水性アンモニアは、反応混合物にさらなる水源を加える必要がないような適切な濃度および量で使用してもよい。しかしながら、水性アンモニア中のアンモニア濃度はまた、反応混合物中に所望の濃度のアンモニアが存在しその結果としての水の濃度が必要通りであるような濃度でもある。全反応混合物中のアンモニアの好適な濃度は、約1%〜約30%w/v、好適には約2%〜約30%w/v、より好適には約5%〜約25%w/vである。
【0054】
疑義を避けるために付記すると、w/vは、本明細書では100ml当たりのグラム数を指す。
あるいはアンモニア源は、異なる溶媒の溶液で提供されてもよい。例えばアンモニアは、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールのようなアルコール溶液、またはジオキサンのようなエーテル溶液で提供されてもよい。
【0055】
以下、本発明を、次のような非制限的な具体例および比較例を用いて説明し例示する。(実施例)
実施例1〜13および比較例A〜C:N−フェニルノナミドの水素化
実施例1〜13および比較例A〜Cには、ルテニウム/ホスフィン触媒の存在下でのN−フェニルノナミドの水素化を示す。
【0056】
実施例1:1g(4.28mモル)のN−フェニルノナミドを、Ru(acac)(N−フェニルノナミドに対して1モル%)および1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(以下「トリフォス」という)(N−フェニルノナミドに対して2モル%)の組み合わせを含む触媒系と、10mlのテトラヒドロフラン溶媒とに接触させた。反応混合物に水を加え、反応混合物中での水と溶媒との容積比が1:10になるようにした。触媒系の存在下でN−フェニルノナミドを水素ガス下、圧力40バール、温度164℃で14時間の期間、水素化させた。反応期間の終わりに反応生成物を、ガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表1に要約する。
【0057】
反応によりアミドは完全に転換され、アミン生成物への高い選択性(93%)が得られた。対応するアルコール(7%)が副産物として得られた。
実施例2:追加の水の不在下で、実施例1の方法を行った。結果を表1に要約する。
【0058】
完全な転換が得られ、アルコールの痕跡(1%)だけが得られたことを、結果は示す。しかしながら、これらの条件下では触媒が安定せず、そのため、その後の反応には最小限の量の水を入れた。
【0059】
実施例3〜6:Ru(acac)を様々なルテニウム触媒前駆物質に置き換えた点を除き、実施例1の方法を実行した。結果を表1に要約する。
実施例7〜9:100℃〜140℃の範囲の様々な温度で、実施例1の方法を実行した。結果を表1に要約する。
【0060】
アミドの水素化を140℃で実行してもよく、164℃での作用と明白な差はないが、温度を120℃に下げると選択性が低下し、アミドから得られるアルコールが増え、ます
ます温度が下がり易くなることを、結果は示している。100℃では、アルコールだけが生成された(アミンは無し)。
【0061】
実施例10〜13:テトラヒドロフラン溶媒を様々な代替溶媒に置き換えた点を除き、実施例1の方法を実行した。結果を表1に要約する。
トルエンおよびエーテル溶媒(ジエチルエーテルおよびジオキサン)により、テトラヒドロフランを用いて得られたのと同様の優れた転換および選択性が得られたことを、結果は示している。アニリンを加えると触媒が不安定になり、収率と選択性との両方が低下した。
【0062】
比較例A:ルテニウムトリフォス触媒系を使用しなかった点を除き、実施例1の方法を実行した。結果を表1に要約する。
比較例B:ルテニウムトリフォス触媒系をRu(acac)だけに置き換えた点を除き、実施例1の方法を実行した。結果を表1に要約する。
【0063】
比較例C:ルテニウムトリフォス触媒系をトリフォスだけに置き換えた点を除き、実施例1の方法を実行した。結果を表1に要約する。
比較例の結果は、ルテニウム前触媒の不在下では転換が得られないことを示す。Ru(acac)だけを使用すると、61%という穏当な収率しか得られない。
【0064】

【表1】


実施例14〜21、および比較例D〜E:第1級アミンを生成するためのブタンアミドの水素化
実施例14〜21は、第1級アミンを選択的に生成するための、アンモニアの存在下でのブタンアミドの水素化を示す。
【0065】
実施例14:1gのブタンアミドを、10mlのテトラヒドロフラン溶媒と、Ru(acac)(ブタンアミドに対して1モル%)およびトリフォス(ブタンアミドに対して2モル%)の組み合わせを含む触媒系とに接触させた。反応混合物に水を加え、反応混合物中での水と溶媒との容積比が1:10になるようにした。その後、水素ガスおよびガス状アンモニアの雰囲気下でブタンアミドを水素化させた。アンモニアは4バールの分圧で存在した。水素およびアンモニアガスの全圧は40バールであった。温度164℃で14時間、反応を実行した。反応期間の終わりに反応生成物を、ガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表2に要約する。
【0066】
実施例15:Ru(acac)およびトリフォス触媒系を91.5mg(ブタンアミドに対して0.5モル%)の[Ru(トリフォス)Cl]Clに置き換え、ガス状アンモニア雰囲気を除去して、液体アンモニアと溶媒との容積比1:2で液体アンモニアに置き換えた点を除き、実施例14の方法を実行した。結果を表2に要約する。
【0067】
実施例16:液体アンモニアと溶媒との容積比を1:1に上げた点を除き、実施例15の方法を実行した。結果を表2に要約する。
実施例17〜20:液体アンモニアを、溶媒に対して様々な容積比で、34%w/vの濃度を有する水性アンモニアに置き換えた点を除き、実施例15の方法を実行した。別個の水源は除去した。結果を表2に要約する。
【0068】
水性アンモニアにより反応の選択性が高まったことを、結果は示す。しかしながら、水性アンモニアの超過により水の濃度も増大し、アミドの加水分解速度が増して選択性の低下を招いた。
【0069】
実施例21:水性アンモニアが溶媒に対して1:1の容積比で存在する状態で、実施例17〜20の方法を実行した。また、4バールの分圧のガス状アンモニアの雰囲気下でも、反応を実行した。結果を表2に要約する。
【0070】
比較例D:アンモニア源の不在下で、実施例14の方法を実行した。結果を表2に要約する。
比較例E:1:100の水と溶媒との容積比の存在下で、比較例Dの方法を実行した。結果を表2に要約する。
【0071】
比較例DおよびEは、アンモニアの不在下で水素化を行うと低い選択性が得られたことを示す。しかしながら、第1級アミンは得られなかった。
【0072】
【表2】

実施例22〜25:ノナン酸の水素化
実施例22〜25には、ノナン酸から所望の第1級アミンへの直接的な合成経路が示される。かかる合成には、かかる酸およびアンモニアからの原位置での第1級アミドの生成が伴い、次いでその後、第1級アミドが第1級アミンに水素化される。
【0073】
実施例22:1mlのノナン酸を、10mlのテトラヒドロフラン溶媒と、ノナン酸に対して0.5モル%の[Ru(トリフォス)Cl]Clとの存在下で、液体アンモニアに接触させた。液体アンモニアは、溶媒に対して1:2の容積比で存在した。反応混合物に水を加え、溶媒に対して1:10の容積比にした。水素ガス雰囲気下でかかる酸を、圧力40バール、温度164℃で14時間、水素化した。反応期間の終わりに反応生成物を、ガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表3に要約する。
【0074】
実施例23:液体アンモニアと溶媒との容積比を1:1に上げた点を除き、実施例22の方法を実行した。
実施例24:水源を除去し液体アンモニアを、34%w/vの濃度を有する水性アンモニアに置き換えた点を除き、実施例22の方法を実行した。
【0075】
実施例25:水性アンモニアと溶媒との容積比を1:1に上げた点を除き、実施例24の方法を実行した。
【0076】
【表3】

本発明のプロセスを用いると、驚いたことに、特定の均一系触媒系を用いる水素化反応
により、アミドから所望のアミン生成物への選択性の高い転換が得られることが判明した。
【0077】
さらにまた、均一系触媒系およびアンモニアの存在下でのアミドの水素化により、第1級アミンが選択的に高収率で生成される可能性があることも判明した。
さらに、低レベルの水の使用により、および/または反応を低圧下で行うことにより、アミドの水素化の転換および選択性が増大する可能性もある。
【0078】
本出願に関連して本明細書と同時にまたは本明細書より前に申請され、本明細書とともに公衆の閲覧に付される全ての論文および文書に、注意が向けられ、かかる全ての論文および文書の内容を、参照により本明細書に組み込む。
【0079】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された全ての特徴、および/または、そのように開示された方法もしくはプロセスの全てのステップは、いずれの組み合わせで組み合わせてもよい。ただし、かかる特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に相容れない組み合わせは、この限りではない。
【0080】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された各特徴は、同一、同等または類似の目的に役立つ代替的な特徴と置き換えてもよい。ただし、別途、明記されている場合にはこの限りではない。よって、別途、明記されていない限り、開示された各特徴は、同等または類似の一連の一般的特徴の1つの実施例にすぎない。
【0081】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示された諸特徴の、いずれでも新奇なものもしくは新奇な組み合わせ、または、そのように開示された方法もしくはプロセスの諸ステップの、いずれでも新奇なものもしくは新奇な組み合わせに及ぶ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミドの水素化方法であって、前記方法は前記アミドを触媒系の存在下で水素源と反応させるステップを備え、前記触媒系が、
(a) ルテニウム源と、
(b) 一般式I
【化1】

のホスフォン化合物とを組み合わせることにより得られ、X〜XおよびR〜Rが各々別個に、低アルキルまたはアリールを表し、Rが水素、低アルキルまたはアリールを表し、
水素化反応が低濃度の水の存在下で実行され、バッチ反応開始時もしくは連続反応中に存在する水とルテニウムとのモル比が2000:1までであるか、または水素化反応が水の不在下で実行される、アミドの水素化方法。
【請求項2】
カルボン酸およびその誘導体のうちの少なくとも一方を水素化するための方法であって、前記プロセスは前記カルボン酸およびその誘導体のうちの少なくとも一方を触媒系の存在下で水素源と反応させるステップを備え、前記触媒系が、
(a)ルテニウム源と、
(b)一般式I
【化2】

のホスフォン化合物とを組み合わせることにより得られ、X〜XおよびR〜Rが各々別個に、低アルキルまたはアリールを表し、Rが水素、低アルキルまたはアリールを表し、
反応が低圧で実行される、方法。
【請求項3】
カルボン酸およびその誘導体のうちの少なくとも一方を水素化するための方法であって、
前記方法は前記カルボン酸およびその誘導体のうちの少なくとも一方をアンモニア源および触媒系の存在下で水素源と反応させるステップを備え、前記触媒系が、
(a)ルテニウム源と、
(b)一般式I
【化3】

のホスフォン化合物とを組み合わせることにより得られ、
〜XおよびR〜Rが各々別個に、低アルキルまたはアリールを表し、Rが水素、低アルキルまたはアリールを表す、方法。
【請求項4】
前記触媒系が均一系である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記アミドまたはカルボン酸およびその誘導体のうちの少なくとも一方を均一系触媒系の存在下で水素源に反応させるステップが、少なくとも1つの溶媒の存在下で実行される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
バッチ反応開始時または連続反応中に存在する水とルテニウムとのモル比が、約2500:1までである、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
バッチ反応開始時または連続反応中に存在する水とルテニウムとのモル比が、少なくとも約50:1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が、約6.5×10Paまでの圧力下で実行される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
式IのX〜Xが各々別個に、2価の架橋基を表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
一般式Iのホスフィン化合物が、トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)メタン、トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)−エタン、トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)プロパン、トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)ブタン、トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)2−エタン−ブタン、トリス−1,1,1−(ジフェニルホスフィノメチル)2,2ジメチルプロパン、トリス−1,1,1−(ジシクロヘキシルホスフィノメチル)エタン、トリス−1,1,1−(ジメチルホスフィノメチル)エタン、およびトリス−1,1,1−(ジエチルホスフィノメチル)エタンであるが、それらに限らない、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ルテニウムと燐とのモル比が約1:50〜約2:1である、請求項1〜10のいずれか1
項に記載の方法。
【請求項12】
使用されるアンモニアが、液体、ガス状もしくは水性形態またはそれらの組み合わせで存在する、請求項3〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ガス状アンモニアが、使用される場合、前記反応混合物の気相に約0.1バール〜約25バールの分圧で存在する、請求項3〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
液体アンモニアが、前記反応混合物に加えられる場合、アンモニアと溶媒との容積比が約1:100〜約10:1になるような量存在する、請求項3〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
水性アンモニアが前記反応混合物に加えられる場合、アンモニアと溶媒との容積比が液体アンモニアについて規定された通りになるような量加えられる、請求項3〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
カルボン酸および/またはその誘導体の水素化による第1級アミンの生成での、アンモニアの使用方法。
【請求項17】
第1級アミンの生成方法であって、カルボン酸および/またはその誘導体を、前記いずれかの請求項に記載の触媒系の存在下で、水素源およびアンモニア源と反応させるステップを備える、方法。
【請求項18】
添付の実施例を参照し上記の通りの、カルボン酸および/またはその誘導体の水素化方法。
【請求項19】
添付の実施例を参照し上記の通りの、第1級アミンの生成でのアンモニアの使用。
【請求項20】
添付の実施例を参照し上記の通りの、第1級アミンの生成方法。

【公表番号】特表2010−504315(P2010−504315A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528798(P2009−528798)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050571
【国際公開番号】WO2008/035123
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(500460209)ルーサイト インターナショナル ユーケー リミテッド (30)
【Fターム(参考)】