説明

カロチノイド色素、スフィンゴ糖脂質、ユビキノンQ−10の生産方法

【課題】 本発明は、カロチノイド色素及びスフィンゴ糖脂質を同時に産生し、更にユビキノンQ−10を産生する新規の微生物、及びこの微生物を用いた当該色素、当該糖脂質、ユビキノンQ−10の産生方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 新規のスフィンゴモナス属細菌株JPCCMB0017は、カロチノイド色素産生能、及びスフィンゴ糖脂質産生能の両方を有し、更にユビキノンQ−10の産生能を有する。この菌株を培養することにより、カロチノイド色素、スフィンゴ糖脂質、ユビキノンQ−10を産生することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カロチノイド色素及びスフィンゴ糖脂質を同時に産生する新規の微生物、ユビキノンQ−10(別名:コエンザイムQ−10)を産生する新規の微生物、並びにこれらの微生物を用いた当該色素、当該糖脂質、及び当該ユビキノンQ−10の産生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カロチノイド色素であるアスタキサンチンは、マダイ、サケなどの魚類、カニやエビなどの甲殻類に広く分布している。また、微生物が生産する例として、緑藻Heamatococcus pluvialisが最も有名である。その他にも、赤色酵母Xanthophyllomyces dendrohous (旧Phaffia rhodozyma)が挙げられる。Heamatococcus pluvialisが生産するアスタキサンチン量は43mg/g dry weight程度であることが知られている(非特許文献1)。また、赤色酵母Xanthophyllomyces dendrohous (旧Phaffia rhodozyma)においては、0.4mg/g dry weightの産生量が報告されている(非特許文献2)。
【0003】
原核細胞である細菌は、広い基質利用能力を有し、簡単な培養で高い生育速度を示し、上記酵母のような厚い細胞壁を有しないことから、有用物質生産において最も期待される微生物の1つである。細菌におけるアスタキサンチン生産では、Escherichia coliの遺伝子組換え体により、1.4mg/g dry weightが達成されている(非特許文献3)。また、Bacillus firmusを用いた方法では、0.05mg/g dry weightが達成されている(非特許文献4)。更に海洋細菌Paracoccus sp. MBIC1143において、0.14mg/g dry weightが報告されている(非特許文献5)。しかしながらこれらの遺伝子組替え体によるアスタキサンチンの生産は、現在のところ発現量の点などにおいて問題がある。
【0004】
一方で、天然物からの分離によるアスタキサンチン製造では、オキアミや甲殻類から抽出するため、抽出効率が低い為に抽出量が低く、コストが高くなるという問題がある。また、天然資源の減少から資源の確保の点でも商業的に問題がある。
【0005】
アスタキサンチンは、多くの生理活性を有しておりサプリメント食品などで販売されている。また、タイやサケなどの養殖魚では、その色調をより天然のものに近づけるために、アスタキサンチンを配合した飼料(色揚げ飼料)が用いられている。
【0006】
近年の天然資源の減少により養殖による天然資源の生産が期待されている。魚介類の人口種苗生産において対象魚種に対して高い餌料効果や付加価値を添加する飼料が求められている。タイやニジマスなどの体色の鮮やかさが必要となる魚種には、アスタキサンチンなどの色素を配合した飼料が使用されている。
【0007】
色揚げ用飼料添加物としてのアスタキサンチンは、カロリーピンク(合成アスタキサンチン)としてロッシュ社から販売されているが、トレーサビリティーの問題や天然物志向の中で、天然物アスタキサンチンが注目を受けている。これまで、色揚げ用天然物アスタキサンチンは、緑藻Heamatococcus pluvialisや赤色酵母Xanthophyllomyces dendrohousが利用されているが、着色が十分でないなどの問題があった。緑藻Heamatococcus pluvialisや赤色酵母Xanthophyllomyces dendrohousは、自身の細胞壁が厚く対象魚種の消化・吸収率が低い。このため、吸収率が高い新たな微生物が求められている。
【0008】
細菌は、細胞壁が薄く増殖が速い特徴を持っている。そこで、アスタキサンチンを産生する細菌が検索され、フラボバクテリウム属、アルカリゲネス属、シュードモナス属、アルテロモナス属、ピポモナス属、カリオファノン属、エリスロバクター属、パラコッカス属がすでに知られている。
【0009】
微生物が産生する保湿剤用物質としては、多糖類、グリセロール、ヒアルロン酸、セラミドなど様々なものが挙げられる。スフィンゴモナス属の細菌は、保湿性の高いスフィンゴ糖脂質を産生することが知られている。スフィンゴ糖脂質は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4において、水分保湿性効果があることが示されている。さらに、特許文献4では、スフィンゴ糖脂質を構成成分とする化粧品が開示されている。
【0010】
スフィンゴ糖脂質はスフィンゴモナス科全般に存在しており、スフィンゴモナス属、ブラストモナス属、エリスロバクター属、エリスロマイクビウム属、エリスロモナス属、ポルフィロバクター属、リゾモナス属、ザイノモナス属などが含まれる。
【0011】
スフィンゴ糖脂質は、一般的にスフィンゴモナス科の細菌を培養し特定の溶媒で抽出しえられる方法が一般的である。スフィンゴモナス科には色素を含むものが多いが、産生する色素が抗酸化作用を有するアスタキサンチンなどの機能性の高いものであれば、抗酸化作用を有する保湿剤などを提供することが単独の微生物で提供することが可能となる。
【0012】
ユビキノンQ−10(CoQ−10)は、正式名2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-プオリプレニル-1,4ベンゾキノンであるが、この物質は動物、植物、微生物に広く分布している(非特許文献7)。ユビキノンQ−10は、うっ血性心不全、虚血性心疾患、本態性高血圧に対する薬理効果があり臨床に使用されている。更には抗酸化作用、脂肪燃焼作用が知られており、近年、健康食品やサプリメント、医薬部外品への利用が進んでいる。ユビキノンQ−10の産生は、ユビキノンQ−10を多量に含む酵母や光合成細菌などの微生物により発酵法で生産されている。また、真菌、担子菌を利用する方法もある。
【0013】
発酵法によりユビキノンQ−10を産生する場合、利用する微生物がユビキノン生産に必要な栄養素(グルコースやアルカン、メタノールなど)を培地中に添加し、当該微生物を増殖させ、当該微生物内に生産したユビキノンQ−10を有機溶媒などで抽出している。発酵用に利用可能な微生物としては、酵母:Aureobasidium、 Brettanomyces、 Bullera、 Candida、 Cryptococcus、 Leucosporidium、 Oosporidium、 Rhodotorula、 Rhodosporidium、 Schizosaccharomyces、 Sporobolomyces、 Torulopsis、 Tremella、 Tricosporon、 Sporidiolus、真菌:Aspergillus、 Brettanomyces、 Exobasidium、 Geotrichum、 Monascus、 Paecilomyces、 Sporotrichum、 Tilletiopsis、担子菌:Ustilago、細菌:Escherichia、 Acetobacter、 Agrobacterium、 Corynebacterium、 Erytrobacter、 Flavobacterium、 Methylobacter、 Microcyslus、 Phyllobacterium、 Protaminobacter、 Psudomonas、 Rhizobium、 Rhodobacter、 Xanthomonasなどが挙げられる。
【特許文献1】特開平1-242690号公報
【特許文献2】特開平2-48520号公報
【特許文献3】特開平4-159203号公報
【特許文献4】特開平6-157283号公報
【特許文献5】特開平5-333101号公報
【特許文献6】特開平5-70334号公報
【特許文献7】特開平6-152078号公報
【特許文献8】特開平6-152240号公報
【特許文献9】特開平11-279337号公報
【特許文献10】特開平11-42082号公報
【非特許文献1】リー及びソー(Lee, Y.-K. and Soh, C.-W.)、「ジャーナル・オブ・ファイコロジー(J. Phycol.)」、米国、1991年、第27巻、第3号、p.575-577
【非特許文献2】フローレス-コテラら(Flores-Cotera, L.B. et al.)、アプライド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー(Appl. Microbiol. Biotechnol.)、米国、2001年、第55巻、第2号、p.341-347
【非特許文献3】ワンら(Wang, C.-W. et al.)、バイオテクノロジー・アンド・バイオエンジニアリング(Biotechnol. Bioeng.)、米国、1999年、第62巻、第3号、p.235-241
【非特許文献4】ヨコヤマら(Yokoyama et al.)、バイオサイエンス・バイオテクノロジー・アンド・バイオケミストリー(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry)、米国、1994年、第58巻、第10号、p.1842-1844
【非特許文献5】ペインら(Pane, L. et al.)、ジャーナル・オブ・バイオロジー・リサーチ(J. Biol. Res.)、米国、1996年、第22巻、p.303-308
【非特許文献6】カワハラら(Kawahara et. al.)、FEBSレター(FEBS letter)、オランダ、1991年、第292巻、第107号、p.107-110
【非特許文献7】エルンスター及びダルナー(Ernster, L and Dallner, G)、「バイオケミストリー・バイオフィジオロジー・アクタ」(Biochem. Biophys. Acta)、米国、1995年、第1271巻、p.195-204
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、酵母や藻類のような厚い細胞壁を有さず、アスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質の両物質を産生することができる微生物、並びにユビキノンQ−10を産生することができる微生物により、これらの物質を産生することを課題としている。
【0015】
本発明はさらに、これらの微生物の培養により上記物質を簡便且つ効率よく産生する方法、ならびにこれらの方法により産生された上記物質を提供することを課題としている。本発明によれば、従来のカロチノイド含有飼料などと比較して、当該カロチノイドがより濃縮されたものを提供することが可能になることが期待され、効率のよい色揚げ用飼料添加物を提供することが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決する為に、本発明は以下の構成をとる。即ち本発明は第1の発明において、新規の微生物であって、カロチノイド色素産生能、及びスフィンゴ糖脂質産生能を有し、16SrDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列である、スフィンゴモナス属細菌株JPCCMB0017を提供する。
【0017】
本発明はその第2の発明において、16SrDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列と少なくとも96%の相同性を有し、カロチノイド色素産生能及びスフィンゴ糖脂質産性能を有する、スフィンゴモナス属の細菌株をも提供する。
本発明の第2の発明においては、その発明の性質を満たす限り、遺伝子組換体である菌株とすることも可能である。
【0018】
本発明はその第3の発明において、前記カロチノイド色素がアスタキサンチンである、第1の発明又は第2の発明に記載の細菌株を提供する。
【0019】
本発明はその第4の発明において、上記第1乃至第3の発明の何れか一つに記載の細菌株を培養した細菌培養物を提供する。
【0020】
本発明はその第5の発明において、上記第1乃至第3の発明の何れか一つに記載の細菌株を培養する培養工程を含む、カロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の産生方法を提供する。
また本発明はその第6の発明において、上記第5の発明における培養工程の後、更に当該培養工程で得られる培養物からカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質を分離する工程を含むことができる。
本発明はその第7の発明において、第5又は第6の発明の産生方法により産生される、カロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質を含有する組成物を提供する。
【0021】
本発明はその第8の発明において、カロチノイド産生細菌株、スフィンゴ糖脂質産生細菌株、若しくは第1乃至第3の発明の何れか一つに記載の細菌株の培養物、又はこれらの細菌株の乾燥菌体、凍結菌体、溶媒抽出物、若しくは粉砕・破砕処理物を、動物プランクトンの培養液に添加する工程;及び、適宜、当該溶液より当該動物プランクトンを回収する工程;を含む、カロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の生産方法を提供する。
【0022】
本発明はその第9の発明において、カロチノイド産生細菌株、スフィンゴ糖脂質産生細菌株、若しくは第1乃至第3の発明の何れか一つに記載の細菌株の培養物、又はこれらの細菌株の乾燥菌体、凍結菌体、溶媒抽出物、若しくは粉砕・破砕処理物を動物プランクトンに捕食させたものである、飼料を提供する。
【0023】
本発明はその第10の発明において、ユビキノンQ−10産生能を有する、16S rDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列であるスフィンゴモナス属細菌株JPCCMB0017を提供する。
【0024】
本発明はその第11の発明において、16S rDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列と少なくとも96%の相同性を有し、ユビキノンQ−10の産生能を有する、スフィンゴモナス属の細菌株を提供する。
【0025】
本発明はその第12の発明において、第10又は第11に記載の細菌株を培養した細菌培養物を提供する。
【0026】
本発明はその第13の発明において、第10又は第11に記載の細菌株を培養する培養工程を含む、ユビキノンQ−10の産生方法を提供する。
【0027】
本発明はその第14の発明において、前記第13の発明における前記培養工程の後に、更に当該培養工程で得られる培養物からユビキノンQ−10を分離する工程を含むことができる。
【0028】
本発明はその第15の発明において、前記第13の発明の方法により産生されるカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質、並びにユビキノンQ−10を含む組成物を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明の新規の細菌及びその培養物を使用すれば、有用色素であるアスタキサンチン等のカロチノイド色素や、保湿効果のあるスフィンゴ糖脂質の生産を同時に行うこと、更には、ユビキノンQ−10の産生を行うことが可能である。更に本発明のカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の産生方法によれば、有用色素であるアスタキサンチン等のカロチノイド系色素を効率的に産生することが可能になり、アスタキサンチン等の色素を含有する色揚げ用餌料等の飼料を効率よく調製することができる。また、本発明のユビキノンQ−10の産生方法によれば、ユビキノンQ−10、ユビキノンQ−10を含む組成物を効率的に産生することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の最適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の実施においては、カロチノイド色素産生能、スフィンゴ糖脂質産生能、及びユビキノンQ−10産生能を有し、16SrDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列である、スフィンゴモナス属細菌株JPCCMB0017を用いることができる。この菌株は、平成16年12月3日付けで出願人が独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに対して寄託申請を行い、同特許微生物寄託センターが、平成16年12月9日に受領したものである(受領番号NITE AP-48)。
【0031】
この菌株の性質は、下記の通りであった。
・形態学的性質
細胞の形状:桿菌
細胞の大きさ:0.6-0.7 × 2.0-3.0 μm (伸長型有り)
胞子の有無:‐
運動性(鞭毛の着生状態):‐
多形性:‐
【0032】
・培養的性質:
培地:マリーン・アガー(マリーン・ブロス2216(Becton Dickinson)+1.5%寒天)
温度:25℃
色素産生:+
色調:オレンジ色
光沢:+
培地:マリーン・ブロス2216
温度:25℃
表面発育:‐
培地の混濁:+
ゼラチン穿刺培養
温度:25℃
生育:‐
ゼラチン液化:‐
リトマス・ミルク
温度:25℃
凝固:‐
液化:‐
【0033】
・生理学的性質
グラム染色性:‐
硫酸塩の還元:+
脱窒反応:‐
MRテスト:‐
VPテスト:+
インドール産生:‐
硫化水素の生成:‐
デンプンの加水分解:‐
クエン酸の利用(Koser):‐
クエン酸の利用(Christensen):‐
無機窒素源の利用(硝酸塩):‐
無機窒素源の利用(アンモニウム塩):‐
ウレアーゼ:‐
カタラーゼ:+
オキシダーゼ:+
生育(pH 5):‐
生育(pH 8):+
生育(pH 9):+
生育(20℃):+(弱)
生育(25℃):+
生育(30℃):+
生育(37℃):+(弱)
生育(塩濃度0%):‐
生育(塩濃度1%):+(弱)
生育(塩濃度2%):+
生育(塩濃度3%):+
生育(塩濃度7%):+(弱)
生育(塩濃度10%):‐
嫌気的生育性:‐
O/Fテスト(酸化/発酵):‐/‐
糖類からの酸産生/ガス産生:
L-アラビノース:‐/‐
D-グルコース:‐/‐
D-フラクトース:‐/‐
マルトース:‐/‐
ラクトース:‐/‐
D-ソルビトール:‐/‐
イノシトール:‐/‐
D-キシロース:‐/‐
D-マンノース:‐/‐
D-ガラクトース:‐/‐
サークロース:‐/‐
トレハロース:‐/‐
D-マンニトール:‐/‐
グリセリン:‐/‐
【0034】
・その他の生理学的性質
β-ガラクトシダーゼ活性:+
アルキニンジヒドラーゼ活性:‐
リジンデカルボキシラーゼ活性:‐
トリプトファンデアミナーーゼ活性:‐
ゼラチナーゼ活性:‐
エスクリン分解活性:+(弱)
馬尿酸の分解活性:‐
マロン酸利用性:‐
オルニチン脱炭酸反応:‐
フェニルアラニン脱アミノ反応:‐
コアグラーゼ活性:‐
溶血性:‐
フォスファターゼ活性:+
リパーゼ活性:+
レシチナーゼ活性:‐
チトクロームオキシダーゼ活性:+
【0035】
・資化性試験
ブドウ糖:陰性
L-アラビノース:陰性
D-マンノース:陰性
D-マンニトール:陰性
N-アセチル-D-グルコサミン:陰性
マルトース:陰性
グルコン酸カリウム:陰性
n-カプリン酸:陰性
アジピン酸:陰性
d1-リンゴ酸:陰性
クエン酸ナトリウム:陰性
酢酸フェニル:陰性
【0036】
・化学分類学的性質
DNA塩基組成(GC含量):59.1モル%
菌体脂質分析
主要キノン:ユビキノンQ-10
脂肪酸:
10:0 3OH 0.26%
12:0 2OH 0.13%
12:0 3OH 0.30%
14:0 0.17%
13:0 2OH 0.24%
15:0 1.32%
14:0 2OH 3.05%
16:0 5.82%
15:0 2OH 2.58%
17:0 ISO 0.08%
17:1 w8c 2.83%
17:1 w6c 2.95%
17:0 1.39%
16:1 2OH 0.09%
16:0 2OH 1.40%
18:1 w7c 71.90%
18:1 w5c 0.39%
18:0 0.20%
17:0 ISO 3OH 1.61%
18:1 2OH 0.24%
19:0 10 methyl 0.42%
類似脂肪酸をもつ菌種:Sphingomonas paucimobilis
類似度(S.I.):0.267
バクテリオクロロフィル産生(嫌気下):生育せず
バクテリオクロロフィル産生(好気下):陰性
スフィンゴ脂質の存在:+
生育における塩(NaCl)要求性:+
【0037】
本発明においては、前記の16SrDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列と少なくとも96%の相同性を有する、スフィンゴモナス属の細菌株を使用することができる。16SrDNAが、配列番号1に記載の配列と、少なくとも96%の相同性を示す場合には、16SrDNAが配列番号1に記載の配列を有するものと同様に同属、同種の菌株であると考えられ、JPCCMB0017株と同様にカロチノイド色素及びスフィンゴ糖脂質の同時産生能、及びユビキノンQ−10産生能を有すると考えられる。
【0038】
これらの菌株を用いてアスタキサンチンを製造する場合について、以下に例として示す。本発明の菌株を培養するための培地は、生産菌が生育に必要な炭素及び窒素源、無機塩及び微量元素(ビタミン、微量金属)を含むものであれば特に限定されない。より具体的には炭素源として、グルコース、シュークロース等の糖類、エタノールやグリセロールなのどのアルコール類を挙げることができる。添加割合は、添加する炭素源にもよるが、概ね0.5〜3.0%程度とすることができる。
【0039】
窒素源としては、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、尿素などの硝酸体窒素、アンモニア窒素体のいずれかとすることができる。添加割合は添加する窒素源にもよるが、0.01%〜0.1%程度とすることができる。
【0040】
無機塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ素化カリウム、塩化ストロンチウム、ホウ酸、ケイ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、リン酸1及び2カリウム、リン酸1及び2ナトリウム、塩化鉄、塩化マンガン、硫酸マンガン、塩化マグネシウム、硫酸銅、などの微量金属元素を用いることができる。添加割合は、添加する無機塩の種類にもよるが、0.001%〜0.01%程度とすることができる。
【0041】
特殊な必要物質として、酵母エキス、ペプトン、トリプトンなどを用いることができる。添加割合は添加する物質にもよるが、0.01%〜0.5%程度とすることができる。培地のpHは、6.0〜8.0に調整することが望ましい。培養条件は25〜30℃の温度範囲とすることができ、通常は2日から3日間震とう培養及び通気培養を行う。
【0042】
最後に、培養された菌株からアスタキサンチンを得る。すなわち、菌株培養物から直接または、遠心回収された沈殿物より、有機溶媒で抽出する。ここで用いる溶媒は、アスタキサンチンが十分に溶解する溶媒、または溶媒の混合溶液であればいずれの溶媒を用いることができる。
【0043】
使用する溶媒としては、極性の高いアセトン、メタノール、酢酸エチルからヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルムなどの非極性溶媒の単独、又は混合物を使用することができる。精製にはこれらの溶媒を組み合わせて、溶出、溶解を繰り返すことも可能である。
【0044】
次に、本発明の菌株を用いて、スフィンゴ糖脂質を製造するための具体例を以下に示す。培地としては、アスタキサンチン産生の場合と同様に、生産菌の生育に必要な炭素及び窒素源、無機塩及び微量元素(ビタミン、微量金属)を含むものであれば特に限定されない。
【0045】
培養条件も、アスタキサンチン産生の場合と本質的に同様のものとすることができる。
【0046】
最後に、培養された微生物からスフィンゴ糖脂質を得る。培養微生物から直接または、遠心回収された沈殿物より、有機溶媒で抽出する。ここで用いる溶媒は、スフィンゴ糖脂質が十分に溶解する溶媒、または溶媒の混合溶液であればいずれの溶媒を用いることができる。
【0047】
使用する溶媒は、極性の高いアセトン、アルコール、クロロホルムなどの非極性溶媒の単独、又は水との混合物が使用できる。精製にはこれらの溶媒を組み合わせて、溶出、溶解を繰り返すことで行う。また、非特許文献6に記載の方法を用いることも可能である。
【0048】
本発明においては、上記のように、カロチノイド色素とスフィンゴ糖脂質とをそれぞれ別個に抽出して利用することも可能であるが、これらが混合された組成物として分離することも可能である。このような組成物は、適宜、他の成分と混合して、皮膚に適用する皮膚用組成物や化粧石けんや洗顔料、UV吸収剤、保湿クリームなどの化粧品、抗アトピー薬などの医薬品などに利用できる皮膚外用組成物等とすることも可能である。
【0049】
次に、本発明の菌株を用いて、ユビキノンQ−10を製造するための具体例を以下に示す。培地としては、アスタキサンチン産生及びカロチノイド色素産生の場合と同様に、生産菌の生育に必要な炭素及び窒素源、無機塩及び微量元素(ビタミン、微量金属)を含むものであれば特に限定されない。
【0050】
培養条件も、アスタキサンチン産生及びカロチノイド色素産生の場合と本質的に同様のものとすることができる。
【0051】
最後に、培養された微生物からユビキノンQ−10を得る。培養微生物から直接または、遠心回収された沈殿物より、有機溶媒で抽出する。ここで用いる溶媒は、ユビキノンQ−10が十分に溶解する溶媒、または溶媒の混合溶液であればいずれの溶媒を用いることができる。
【0052】
使用する溶媒は、極性の高いアセトン、アルコール、クロロホルムなどの非極性溶媒の単独、又は水との混合物が使用できる。精製にはこれらの溶媒を組み合わせて、溶出、溶解を繰り返すことで行う。
【0053】
本発明においては、上記の新規の細菌株の培養物のみならず、その他のカロチノイド産生細菌株や、スフィンゴ糖脂質産生細菌株の培養物、又はこれらの細菌株の乾燥菌体、凍結菌体、溶媒抽出物、若しくは粉砕・破砕処理物を、動物プランクトンの培養物へ添加して捕食させ、これを回収することによりカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質を生産することが可能である。この生産方法によれば、カロチノイド色素等が濃縮された飼料を提供することも可能になる。
【0054】
本発明の飼料、及び本発明のカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の産生方法において利用する動物プランクトンとしては、ワムシ、アルテミア、ミジンコなどを挙げることができる。これらの動物プランクトンに、カロチノイド産生細菌株、スフィンゴ糖脂質産生細菌株を捕食させることにより生物学的濃縮が行われ、その結果得られる動物プランクトンの培養物は、従来の細菌株の培養によって産生されるカロチノイド色素やスフィンゴ糖脂質に比較して、格段に濃縮されたものであり、その利用価値は高い。
【0055】
動物プランクトンによる濃縮を利用した本発明のカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の生産方法により生産される飼料は、養殖魚において好適に用いることができる。稚魚の中にはカロチノイド色素を含有する甲殻類プランクトンを摂餌しているものがあり、この摂餌により魚の色が影響されることが知られている。従って、これらの稚魚類を養殖する際に、本発明の飼料を色揚げ用飼料として給餌すると、動物プランクトンにより濃縮されたカロチノイド色素等を給餌することが可能になることにより、従来よりも効率的に魚の色揚げを行うことができる。
【実施例1】
【0056】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
アスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質同時産生微生物の獲得
海洋環境やマングローブ林より採取した海砂、泥、水などからアスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質を産生する微生物の獲得を試みた。酵母エキス5.0g/l、ペプトン1.0g/l、グルコース5.0g/lを人工海水(千寿製薬)に添加して作製した寒天プレートに、100μlのサンプルを塗布した。
【0058】
25℃の条件下で7〜10日間整地培養を行い、オレンジ、赤色のコロニーを形成する海洋微生物を獲得した。これらの微生物を単菌にするため、5mlの上記成分を含む液体培地中に植菌し、震とう培養(150rpm)を行い生育させ、寒天プレートに塗布しコロニーを形成させる操作を繰り返すことで単菌化した。
【0059】
約50株の海洋細菌からなる菌体粉末0.3mgをクロロホルム−メタノール(1:1)の溶液で色素及び脂質を抽出し、アスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質のスクリーニングを行った。
【0060】
アスタキサンチン及びスフィンゴ糖脂質の有無については、TLC(薄層クロマトグラフィー) を用いて評価した。その結果、唯一アスタキサンチンとスフィンゴ糖脂質を産生する菌株を同定し、これを寄託した(JPCCMB0017)。
【0061】
菌株JPCCMB0017は、絶対好気性グラム陰性の桿菌であった。16SrDNAの系統解析より、この菌株はα-Proteobacteriaに属し、Sphingomonas属とクラスターを形成することが判明した。また、Sphingomonas属の特徴であるスフィンゴ脂質も含むことからJPCCMB0017は、Sphingomonas属の新種の細菌であることが確認された。
【実施例2】
【0062】
JPCCMB0017菌株の培養物からのアスタキサンチンの分離
菌株JPCCMB0017の生育に必要なすべての栄養塩を含むマリンブロス(Difco社製)培地を調整し、121℃、15分間滅菌処理した。500ml三角フラスコに培地を250ml分取したのち、この菌株を植菌し、25℃で3日間、150rpmの条件化で培養を行った。この培養液を遠心分離し、凍結乾燥を行い、0.6gの乾燥菌体を得た。この菌体にジクロロメタン:メタノール(3:1)溶液で色素を抽出後、シリカゲルをクロロホルム:メタノール15:1の移動層に懸濁させ、充填したオープンカラム(口径30mm、全長600mm)を用いて色素の分離を行った。
【0063】
この菌株から抽出された色素は、8つの画分に分けられた(図1)。各フラクションを分取し、HPLCにより分析した結果、フラクション2について公知のアスタキサンチンと同じスペクトルを示す、物質の存在が確認された。さらに、LC/MSを用いた分析においても公知のものと一致した。
【実施例3】
【0064】
スフィンゴ糖脂質の獲得
マリンブロス培地250mlに菌株JPCCMB0017を植菌し、25℃、150rpm、3日間培養した。遠心回収後、凍結乾燥により0.5gの乾燥菌体を得た。この乾燥菌体凍結乾燥菌体にクロロホルム‐メタノール(2:1,v/v,C-M)を加えて攪拌し、スフィンゴ糖脂質を抽出した。本操作を2回繰り返した。さらに抽出残渣に、クロロホルム‐メタノール(1:3)を加えて80 ℃、1時間還流してさらに抽出した。本操作を2回繰り返した。
得られた抽出液を全て混合し、ロータリーエバポレーターにより乾固した。得られた固形分に0.1 M Na OHを加え、ウォーターバス中で100 ℃、30 分間加水分解を行った。さらに、1 M HClを用いて中和し、透析したのち凍結乾燥を行った。析出物をクロロホルム‐メタノール(2:1)に再懸濁し、クロロホルムで充填したシリカゲルカラムを用いてスフィンゴ糖脂質を精製した。JPCCMB0017株より1.6mgのスフィンゴ糖脂質が得られた。
精製されたJPCCMB0017株のスフィンゴ糖脂質はシリカゲルプレートを用いスフィンゴ糖脂質の確認を行った。展開溶媒クロロホルム:メタノール:水(65:16:2)を用いて分析を行った。検出には、アニスアルデヒドを含む発色試薬(アニスアルデヒド:硫酸:エタノール(1:1:18)を用いて視覚的に検出した。その結果、グルコースを糖鎖にもつスフィンゴ糖脂質が検出された。
【実施例4】
【0065】
動物プランクトンによるアスタキサンチンの濃縮
マリンブロス培地250mlにJPCCMB0017株を植菌し、25℃、150rpm、3日間培養した。菌体を含む培養液1L用意した。動物プランクトンであるワムシ、アルテミアは、27℃、通気することで増殖させた。増殖したワムシ、アルテミアを菌株JPCCMB0017の培養液に添加し、150rpmの震とう培養下で当該菌株をワムシ、アルテミアに捕食させた。
【0066】
5時間後、菌株を十分に取り込んだワムシ、アルテミアの動物プランクトンを荒いメッシュで漉し取り、人工海水で洗浄した。洗浄したワムシ、アルテミアを遠心回収し、凍結乾燥を行った。約0.1mgの乾燥菌体を用いてワムシ、アルテミアに含まれるアスタキサンチンを定量した。
【0067】
その結果、ワムシ、アルテミアの両動物プランクトンにアスタキサンチンが乾燥菌体当たり約1重量%含まれることが判った。この比率は、細菌自身に通常含まれるアスタキサンチンの比率の約10倍である。従って本発明の方法において、動物プランクトンによる濃縮を利用することにより、従来のカロチノイド色素等の産生菌を直接利用する場合に比較して、高濃度の産物を得ることができることが判った。
【実施例5】
【0068】
JPCCMB0017を用いたユビキノンQ−10の産生
人工海水を簡単に作成可能な市販試薬(千寿製薬ほか)を用いて、酵母エキス1.0g/l、ペプトン5.0g/l、グルコース5g/lを含む微生物培養培地を作製した。オートクレーブ滅菌処理後、250mlの本培地にJPCCMB0017株を植菌し、150rpm、25℃の条件で3日間培養した。
3日後、遠心回収により菌体を回収し、凍結乾燥により0.5gの菌体粉末を得た。
培養から得られた微生物粉末0.5gをメタノール:クロロフォルム(1:2)の溶液30mlでユビキノンQ−10を菌体から抽出した。この操作を3回繰り返し、抽出溶媒全体をロータリーエバポレーターにより乾固し、50mg粉体を得た。この粉体にアセトンを加え、ユビキノンQ−10を精製した。フィルターろ過後、アセトン溶解物をHPLC(カラム:Inartsil ODS-3)を用いてユビキノンQ−10の定量を行った。
その結果、標準品の検量線よりJPCCMB0017は、g菌体あたり0.3mgのユビキノンQ−10を生産していることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の新規の細菌株は、アスタキサンチン等の有用色素及び/又は保水性のあるスフィンゴ糖脂質を同時に産生することができ、更にはユビキノンQ−10を産生することができるものである。また本発明のカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の産生方法においては、従来より知られる色素等産生微生におけるような厚い細胞壁を有しない細菌を用いていること、動物プランクトンによる菌体の捕食による生物学的濃縮が行っていることにより、より濃縮された色素やスフィンゴ糖脂質を得ることができ、これらは養殖魚の飼料添加物として利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】菌株JPCCMB0017の培養物より、オープンカラムを利用してアスタキサンチンの分離を行った際の、画分(1〜8)を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1〜8・・・オープンカラムから溶出した色素画分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カロチノイド色素産生能、及びスフィンゴ糖脂質産生能を有し、16SrDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列である、スフィンゴモナス属細菌株JPCCMB0017。
【請求項2】
16SrDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列と少なくとも96%の相同性を有し、カロチノイド色素産生能及びスフィンゴ糖脂質産性能を有する、スフィンゴモナス属の細菌株。
【請求項3】
前記カロチノイド色素がアスタキサンチンである、請求項1又は2に記載の細菌株。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の細菌株を培養した細菌培養物。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の細菌株を培養する培養工程を含む、カロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の産生方法。
【請求項6】
前記培養工程の後に、更に当該培養工程で得られる培養物からカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質を分離する工程を含む、請求項5に記載のカロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の産生方法。
【請求項7】
請求項5又は6の産生方法により産生される、カロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質を含有する組成物。
【請求項8】
カロチノイド産生細菌株、スフィンゴ糖脂質産生細菌株、若しくは請求項1乃至3の何れか一項に記載の細菌株の培養物、又はこれらの細菌株の乾燥菌体、凍結菌体、溶媒抽出物、若しくは粉砕・破砕処理物を、動物プランクトンの培養液に添加する工程;
当該動物プランクトンに、当該細菌株の培養物、菌体、抽出物、又は粉砕・破砕処理物を捕食させる工程;及び
適宜、当該溶液より当該動物プランクトンを回収する工程;
を含む、カロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質の生産方法。
【請求項9】
カロチノイド産生細菌株、スフィンゴ糖脂質産生細菌株、若しくは請求項1乃至3の何れか一項に記載の細菌株の培養物、又はこれらの細菌株の乾燥菌体、凍結菌体、溶媒抽出物、若しくは粉砕・破砕処理物を動物プランクトンに捕食させたものである、飼料。
【請求項10】
ユビキノンQ−10産生能を有する、16S rDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列であるスフィンゴモナス属細菌株JPCCMB0017。
【請求項11】
16S rDNAの塩基配列が配列番号1に記載の配列と少なくとも96%の相同性を有し、ユビキノンQ−10の産生能を有する、スフィンゴモナス属の細菌株。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の細菌株を培養した細菌培養物。
【請求項13】
請求項10又は11に記載の細菌株を培養する培養工程を含む、ユビキノンQ−10の産生方法。
【請求項14】
前記培養工程の後に、更に当該培養工程で得られる培養物からユビキノンQ−10を分離する工程を含む、請求項13に記載のユビキノンQ−10の産生方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法により産生される、カロチノイド色素及び/又はスフィンゴ糖脂質、並びにユビキノンQ−10を含む組成物。


【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−191919(P2006−191919A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112481(P2005−112481)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年6月17日 第7回マリンバイオテクノロジー学会大会大会実行委員会発行の「第7回 マリンバイオテクノロジー学会大会講演要旨集」に発表
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】