説明

カーソル制御装置、カーソル制御方法及びカーソル制御プログラム

【課題】ディスプレイに搭載されたタッチパネルにより、該ディスプレイとは異なるディスプレイに於けるカーソル操作を実現すること。
【解決手段】第1、2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させる表示制御部、仮想座標空間における、カーソルの表示座標を記憶する記憶部、第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を取得する取得部、タッチパネルの検出座標に基づき、検出座標の変位ベクトルを算出する算出部、第1、2のディスプレイのうち、カーソルを表示しているディスプレイを識別する識別部、第1のディスプレイにカーソルが表示されている場合、仮想座標空間における、タッチパネルの検出座標に対応する座標を、カーソルの表示座標とし、第2のディスプレイにカーソルが表示されている場合、記憶部に記憶されているカーソルの表示座標を変位ベクトルで変位させた座標を、カーソルの表示座標とする決定部、を備えるカーソル制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、カーソル制御装置、カーソル制御方法及びカーソル制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピュータに複数のディスプレイを接続して、該パーソナルコンピュータの表示領域を、それぞれのディスプレイに分割する、所謂マルチディスプレイシステムが知られている。
【0003】
マルチディスプレイシステムに於いて、パーソナルコンピュータは、例えばマウスやタッチパッド等からの入力情報に基づき、内蔵ディスプレイ及び外付けディスプレイの何れかにカーソル(ポインタ、マウスカーソルでも良い)を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−156156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、例えばパーソナルコンピュータの内蔵ディスプレイにタッチパネルを搭載して、該タッチパネルの検出座標に基づき、内蔵ディスプレイにカーソルを表示させることがある。
【0006】
しかし、現在のパーソナルコンピュータは、タッチパネルに接触させた指先の直下にカーソルを表示させるため、タッチパッドが搭載されていない外付けディスプレイの表示領域には、カーソルを表示させることが出来ない。即ち、マルチディスプレイシステムの場合、タッチパネルでは、外付けディスプレイの表示領域でカーソル操作をすることが出来ない。従って、外付けディスプレイの表示領域でカーソル操作をするためには、例えば外付けマウスなどを接続しなければならない。
【0007】
開示の技術は、ディスプレイに搭載されたタッチパネルにより、該ディスプレイとは異なるディスプレイに於けるカーソル操作を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術の一観点によれば、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させる表示制御部と、前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を記憶する記憶部と、前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を取得する取得部と、前記タッチパネルの検出座標に基づき、前記検出座標の変位ベクトルを算出する算出部と、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示しているディスプレイを識別する識別部と、前記第1のディスプレイに前記カーソルが表示されている場合、前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの検出座標に対応する座標を、前記カーソルの表示座標とし、前記第2のディスプレイに前記カーソルが表示されている場合、前記記憶部に記憶されている前記カーソルの表示座標を前記変位ベクトルで変位させた座標を、前記カーソルの表示座標とする決定部と、を備えるカーソル制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、ディスプレイに搭載されたタッチパネルにより、該ディスプレイとは異なるディスプレイに於けるカーソル操作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態にかかるパーソナルコンピュータ及び外付けディスプレイのハードウェア構成図である。
【図2】第1の実施形態にかかるメインメモリにロードされたOS、タッチパネルのデバイスドライバ、内蔵ディスプレイのデバイスドライバ、及び外付けディスプレイのデバイスドライバの概略図である。
【図3】第1の実施形態にかかるカーソルの表示座標を決定する第1、第2の決定プロセスの模式図である。
【図4】第1の実施形態にかかるカーソル制御の機能ブロック図である(その1)。
【図5】第1の実施形態にかかる内部座標を決定する第1の決定プロセスのフローチャートである。
【図6】第1の実施形態にかかるカーソル制御の機能ブロック図である(その2)。
【図7】第1の実施形態にかかる内蔵ディスプレイ及び外付けディスプレイの模式図。
【図8】第1の実施形態にかかるカーソルの表示座標を決定する第2の決定プロセスのフローチャートである(その1)。
【図9】第1の実施形態にかかるカーソルの表示座標を決定する第2の決定プロセスのフローチャートである(その2)。
【図10】第1の実施形態にかかるカーソルの表示動作を説明する説明図である。
【図11】第1の実施形態にかかるカーソルの遷移動作を説明する説明図である。
【図12】第2の実施形態にかかるカーソル制御の機能ブロック図である。
【図13】第2の実施形態にかかる内部座標を決定する第1の決定プロセスのフローチャートである。
【図14】第2の実施形態にかかるカーソルの表示動作を説明する説明図である。
【図15】第2の実施形態にかかるカーソルの遷移動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
図1−図11を参照して、第1の実施形態を説明する。
(ハードウェア構成)
図1、図2を参照しながら、第1の実施形態にかかるパーソナルコンピュータ10及び外付けディスプレイ17のハードウェア構成を説明する。
【0012】
図1は、第1の実施形態にかかるパーソナルコンピュータ10及び外付けディスプレイ17のハードウェア構成図である。図2は、第1の実施形態にかかるメインメモリ12にロードされたオペレーティングシステム20(以下OS20)、タッチパネル15のデバイスドライバ21、内蔵ディスプレイ14のデバイスドライバ22、及び外付けディスプレイ17のデバイスドライバ23の概略図である。
【0013】
図1に示すように、パーソナルコンピュータ10は、主として、中央処理装置11(以下CPU11とする)と、メインメモリ12と、グラフィックスコントローラ13a、13bと、内蔵ディスプレイ14と、タッチパネル15と、ハードディスクドライブ16(以下HDD16とする)と、を備える。
【0014】
CPU11、メインメモリ12、グラフィックスコントローラ13a、13b、タッチパネル15、HDD16は、バス18により接続されている。内蔵ディスプレイ14は、グラフィックスコントローラ13aに接続され、外付けディスプレイ17は、グラフィックスコントローラ13bに接続されている。
【0015】
CPU11は、本パーソナルコンピュータ10の動作を制御するものであり、図2に示すように、HDD16からメインメモリ12にロードされた、OS20、タッチパネル15のデバイスドライバ21、内蔵ディスプレイ14のデバイスドライバ22、及び外付けディスプレイ17のデバイスドライバ23などの各種プログラムに基づき、本実施形態にかかる各種プロセスを実行する。
【0016】
メインメモリ11は、OS20、デバイスドライバ21、22、23などの各種プログラムを格納する。メインメモリ11は、後述するように、第1、第2、第3及び第4の記憶部107、108、109及び115として機能する。それぞれの記憶部107、108、109及び115の詳細は、後述することとする。
【0017】
グラフィックスコントローラ13aは、CPU11からの指示に基づき、内蔵ディスプレイ14に画像データを出力する。グラフィックスコントローラ13bは、CPU11からの指示に基づき、外付けディスプレイ17に画像データを出力する。なお、グラフィックスこのトローラ13a、13bは、CPU11に内蔵されたものでも良い。又、グラフィックスコントローラ13bは、例えばパーソナルコンピュータ10にUSBなどにより外付けされるものでも良い。
【0018】
内蔵ディスプレイ14は、パーソナルコンピュータ10に搭載されている。外付けディスプレイ17は、パーソナルコンピュータ10に着脱可能に接続される。なお、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の画面サイズ及び解像度は、特に限定されるものではない。
【0019】
タッチパネル15は、内蔵ディスプレイ14の表示画面に貼り付けられている。タッチパネル15は、例えば使用者の指先の接触位置を、検出座標(Xp、Yp)として取得する。タッチパネル15による検出動作は、デバイスドライバ21に基づき、所定時間ごとに実行される。従って、例えばタッチパネル15に接触させた指先を移動させると、指先の軌跡上に位置する複数の検出座標(Xp、Yp)が連続的に取得される。
【0020】
HDD16は、例えばOS20、デバイスドライバ21、22、23などの各種プログラムを記憶している。さらに、HDD16は、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17それぞれの最小座標Xmin、Ymin及び最大座標Xmax、Ymaxを記憶している。最小座標及び最大座標の詳細は、後述することとする。
(座標決定プロセス)
図3を参照しながら、第1の実施形態にかかるカーソルCの座標決定プロセスを説明する。
【0021】
図3は、第1の実施形態にかかるカーソルCの表示座標(Xd、Yd)を決定する第1、第2の決定プロセスP1、P2の模式図である。
【0022】
図3に示すように、第1の実施形態にかかるカーソルCの座標決定プロセスでは、先ず、タッチパネル15により取得される検出座標(Xp、Yp)に基づき、パーソナルコンピュータ10の内部処理に使用する内部座標(Xi、Yi)を決定する(第1の決定プロセスP1)。続いて、第1の決定プロセスP1により決定された内部座標(Xi、Yi)に基づき、実際にカーソルCを表示させる表示座標(Xd、Yd)を決定する(第2の決定プロセスP2)。第1、第2の決定プロセスP1、P2の詳細は、後述することとする。
【0023】
なお、以下の説明では、タッチパネル15により取得される検出座標(Xp、Yp)の集合を検出座標空間とし、検出座標空間に規定されるX軸の正方向を右、Y軸の正方向を下、原点をタッチパネル15の左上角とする。
【0024】
第1の決定プロセスP1により決定される内部座標(Xi、Yi)の集合を、OS20により管理される内部座標空間(仮想座標空間)とし、内部座標空間に規定されるX軸の正方向を右、Y軸の正方向を下、原点を内部座標空間の左上角とする。
【0025】
第2の決定プロセスP2により決定される表示座標(Xd、Yd)の集合を、OS20により管理される表示座標空間(仮想座標空間)とし、表示座標空間に規定されるX軸の正方向を右、Y軸の正方向を下、原点を表示座標空間の左上角とする。
(カーソル制御の機能ブロック1)
図4を参照しながら、タッチパネル15により取得された検出座標(Xp、Yp)に基づき、内部座標(Xi、Yi)を決定する機能ブロック1を説明する。
【0026】
図4は、第1の実施形態にかかるカーソル制御の機能ブロック図である。
【0027】
図4に示すように、パーソナルコンピュータ10は、表示制御部101と、検出座標取得部102と、変位ベクトル算出部104と、内部座標決定部105と、表示座標決定部106と、第1の記憶部107と、第2の記憶部108と、第3の記憶部109と、を含む。
【0028】
表示制御部101は、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の表示領域を、連続する仮想座標空間として管理している。仮想座標空間は、相互に直交するX軸及びY軸により定義されている。従って、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の表示領域の各点は、それぞれ仮想座標空間の内部座標(Xi、Yi)の何れかに対応づけられている。
【0029】
さらに、表示制御部101は、表示座標決定部106により決定された表示座標(Xd、Yd)をグラフィックスコントローラ13a又は13bに通知して、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の何れかにカーソルCを表示させる。例えば、表示座標(Xd、Yd)が内蔵ディスプレイ14の座標範囲であれば、表示制御部101は、表示座標(Xd、Yd)をグラフィックスコントローラ13aに通知して、内蔵ディスプレイ14にカーソルCを表示させる。一方、表示座標(Xd、Yd)が外付けディスプレイ17の座標範囲であれば、表示制御部101は、表示座標(Xd、Yd)をグラフィックスコントローラ13bに通知して、外付けディスプレイ17にカーソルCを表示させる。
【0030】
入力座標取得部102は、タッチパネル15により所定時間ごとに検出される検出座標(Xp、Yp)を取得して、該検出座標(Xp、Yp)を、それぞれの検出時間と対応づけて、第3の記憶部109に記憶させる。
【0031】
変位ベクトル算出部104は、第3の記憶部109に記憶されている検出座標(Xp、Yp)に基づき、該検出座標(Xp、Yp)の変位ベクトルVを算出する。変位ベクトルVは、タッチパネル15の表面に接触した、例えば使用者の指先の移動ベクトルに相当する。
【0032】
なお、本実施形態にかかる変位ベクトル算出部104は、検出座標(Xp、Yp)に基づき、変位ベクトルVを算出しているが、例えば内部座標(Xi、Yi)に基づき、変位ベクトルVを算出しても良い。
【0033】
又、本実施形態にかかる変位ベクトル算出部104は、第1の記憶部107に記憶されている、識別情報としてのCD値が「1」である場合のみ、即ち外付けディスプレイ17にカーソルCが表示されている場合のみ、変位ベクトルVを算出しているが、例えばCD値が「0」である場合、即ち内蔵ディスプレイ14にカーソルCが表示されている場合も同様に、変位ベクトルVを算出しても良い。
【0034】
内部座標決定部105は、第1の記憶部107に記憶されているCD値に基づき、第3の記憶部109に記憶されている最新の検出座標(Xp、Yp)と、第2の記憶部108に記憶されている表示座標(Xd、Yd)及び変位ベクトル算出部104により算出された変位ベクトルVと、の何れか参照して、内部座標(Xi、Yi)を決定する。
【0035】
詳細は後述するが、例えばCD=0であれば、第3の記憶部109に記憶されている最新の検出座標(Xp、Yp)が参照される。CD=1であれば、第2の記憶部107に記憶されている表示座標(Xd、Yd)及び変位ベクトル算出部104により算出された変位ベクトルVが参照される。
【0036】
表示座標決定部106は、第1の記憶部107に記憶されているCD値と、内部座標決定部105により決定された内部座標(Xi、Yi)と、に基づき、カーソルCの表示座標(Xd、Yd)を決定する。表示座標決定部106の詳細は、後述することとする。なお、表示座標決定部106は、内部座標決定部105と共に、タッチパネル15の入力情報と、識別情報と、に基づき、カーソルCの表示座標(Xd、Yd)を決定する決定部を構成している。
【0037】
第1の記憶部107は、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17のうち、カーソルCが表示されているディスプレイを識別するCD値を記憶する。CD値(=Current Disp.)は、「0」もしくは「1」であり、それぞれの数値は、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の何れかに割り当てられている。本実施形態では、内蔵ディスプレイ14に「0」を割り当て、外付けディスプレイ17に「1」を割り当てる。従って、内蔵ディスプレイ14から外付けディスプレイ17にカーソルCが移動したとき、及び外付けディスプレイ17から内蔵ディスプレイ14にカーソルCが移動したときには、CD値が書き換えられる。
【0038】
第2の記憶部108は、表示座標決定部106により決定された最新のカーソルCの表示座標(Xd、Yd)を記憶する。但し、第2の記憶部108は、最新のカーソルCの表示座標(Xd、Yd)だけでなく、表示座標決定部106により決定された複数の表示座標(Xd、Yd)を、それぞれの決定時刻と対応づけて記憶しても良い。
【0039】
第3の記憶部109は、検出座標取得部102により取得された検出座標(Xp、Yp)を、それぞれの検出時刻と対応づけて記憶している。
【0040】
表示制御部101、検出座標取得部102、変位ベクトル算出部104、内部座標決定部105、及び表示座標決定部106は、それぞれメインメモリ12にロードされたOS20及びデバイスドライバ21、22、23に基づき、CPU11により実現される。又、第1の記憶部107、第2の記憶部108及び第3の記憶部109は、メインメモリ12に構築される。
(第1の決定プロセスP1)
図5を参照しながら、タッチパネル15により取得された検出座標(Xp、Yp)に基づき、内部座標(Xi、Yi)を決定する第1の決定プロセスP1を説明する。
【0041】
図5は、第1の実施形態にかかる内部座標(Xi、Yi)を決定する第1の決定プロセスP1のフローチャートである。
【0042】
例えばカーソルCが操作されて、割り込み等が発生すると、図5に示すように、内部座標(Xi、Yi)の決定プロセスが開始する。
【0043】
決定プロセスが開始したら、検出座標取得部102は、タッチパネル15により検出された検出座標(Xp、Yp)の取得を開始する(ステップS201)。検出座標取得部102により取得された検出座標(Xi、Yi)は、逐次、第3の記憶部109に記憶される。
【0044】
次に、内部座標決定部105は、第1の記憶部107に記憶されているCD値が「0」であるか「1」であるかを判定する(ステップS202)。
【0045】
CD値が「0」であれば(ステップS202のYes)、内部座標決定部105は、第3の記憶部109に記憶されている最新の検出座標(Xp、Yp)を内部座標(Xi、Yi)とする(ステップS203)。以上で、決定プロセスP1が終了する。
【0046】
一方、CD値が「1」であれば(ステップS202のNo)、変位ベクトル算出部104は、第3の記憶部109に記憶されている最新の検出座標(Xp、Yp)及びそれ以前に記憶された検出座標(Xp´、Yp´)に基づき、検出座標(Xp、Yp)の変位ベクトルVを算出する。
【0047】
次に、内部座標決定部105は、第2の記憶部108に記憶されているカーソルCの表示座標(Xd、Yd)を変位ベクトルVにより変位させ、カーソルCの内部座標(Xi、Yi)とする。以上で、決定プロセスP1が終了する。
【0048】
なお、本実施形態にかかる変位ベクトル算出部104は、CD値が「1」である場合のみ、変位ベクトルVを算出しているが、CD値が「0」である場合も同様に、変位ベクトルVを算出しても良い。
(カーソル制御の機能ブロック2)
図6、図7を参照しながら、第1の決定プロセスP1により決定された内部座標(Xi、Yi)に基づき、カーソルCの表示座標(Xd、Yd)を決定する機能ブロック1を説明する。
【0049】
図6は、第1の実施形態にかかるカーソル制御の機能ブロック図である。図7は、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の模式図である。
【0050】
図6に示すように、パーソナルコンピュータ10は、さらに、入力部110と、第1の判断部111と、第2の判断部112と、座標置換部113と、識別情報変更部114と、を含む。
【0051】
入力部110は、第1の記憶部107に記憶されているCD値に基づき、カーソルCを表示しているディスプレイ、即ち内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の何れかの最小座標Xmin、Ymin及び最大座標Xmax、Ymaxを入力する。
【0052】
最小座標Xmin、Ymin及び最大座標Xmax、Ymaxは、OS20により管理されている表示座標空間に定義されるものであって、例えばHDD16などに記憶されている。
【0053】
図7に示すように、本実施形態では、内蔵ディスプレイ14の最小座標Xmin、Yminをそれぞれ「0」、「0」とし、最大座標Xmax、Ymaxをそれぞれ「Xe」、「Ye」としている。従って、CD=0であれば、最小座標Xmin、Yminとして、それぞれ「0」、「0」が入力され、最大座標Xmax、Ymaxとして、それぞれ「Xe」、「Ye」が入力される。一方、CD=1であれば、最小座標Xmin、Yminとして、それぞれ「Xe+1」、「0」が入力され、最大座標Xmax、Ymaxとして、それぞれ「Xe+Xf」、「Ye」が入力される。
【0054】
第1の判断部111は、最小座標及び最大座標間に規定される非遷移領域Riから内部座標(Xi、Yi)が逸脱したかどうか判断する。図7に示すように、非遷移領域Riは、[Xmin+α〜Xmax−α]∩[Ymin+α〜Ymax−α]で定義される。
【0055】
「α」は、内部座標(Xi、Yi)が内蔵ディスプレイ14もしくは外付けディスプレイ17の表示領域の端部に該当するかどうかの閾値である。即ち、内部座標(Xi、Yi)は、非遷移領域Riから逸脱していない場合、内蔵ディスプレイ14もしくは外付けディスプレイ17の表示領域の端部に位置しないものとし、非遷移領域Riから逸脱している場合、内蔵ディスプレイ14もしくは外付けディスプレイ17の表示領域の端部に位置するものとする。「α」としては、例えば0もしくは任意の自然数を採用すれば良い。
【0056】
第2の判断部112は、内部座標Xiが非遷移領域Riから最小座標Xmin側に逸脱した場合、最小座標Xminより小さい第1の座標Xmin−αが、OS20により管理される内部座標空間に含まれるかどうか判断する。同様に、第2の判断部112は、内部座標Yiが非遷移領域Riから最小座標Ymin側に逸脱した場合、最小座標Yminより小さい第1の座標Ymin−αが、OS20により管理される内部座標空間に含まれるかどうか判断する。さらに、第2の判断部112は、内部座標Xiが座標範囲Riから最大座標Xmax側に逸脱した場合、最大座標Xmaxより大きい第2の座標Xmax+αが、OS20が管理する内部座標空間に含まれるかどうか判断する。同様に、第2の判断部112は、内部座標Yiが座標範囲Riから最大座標Ymax側に逸脱した場合、最大座標Ymaxより大きい第2の座標Ymax+αが、OS20が管理する内部座標空間に含まれるかどうか判断する。
【0057】
なお、最小座標Xminより小さい第1の座標Xmin−αが内部座標空間に含まれることは、対象のディスプレイの左側にも内部座標空間が存在していること、即ち対象のディスプレイの左側に他のディスプレイが存在することを意味する。
【0058】
最小座標Yminより小さい第1の座標Ymin−αが内部座標空間に含まれることは、対象のディスプレイの上側にも内部座標空間が存在していること、即ち対象のディスプレイの上側に他のディスプレイが存在することを意味する。
【0059】
最大座標Xmaxより大きい第2の座標Xmax+αが内部座標空間に含まれることは、対象のディスプレイの右側にも内部座標空間が存在していること、即ち対象のディスプレイの右側に他のディスプレイが存在することを意味する。
【0060】
最大座標Ymaxより大きい第2の座標Ymax+αが内部座標空間に含まれることは、対象のディスプレイの下側にも内部座標空間が存在していること、即ち対象のディスプレイの下側に他のディスプレイが存在することを意味する。
【0061】
座標置換部113は、第1の座標Xmin−αが、OS20により管理されている座標である場合、第1の座標Xmin−αをカーソルCの表示座標Xdをとする。同様に、座標置換部113は、第1の座標Ymin−αが、OS20により管理される座標である場合、第1の座標Ymin−αをカーソルCの表示座標Ydとする。さらに、座標置換部113は、第2の座標Xmax+αが、OS20により管理される座標である場合、第2の座標Xmax+αをカーソルCの表示座標Xdとする。同様に、座標置換部113は、第2の座標Ymax+αが、OS20により管理される座標である場合、第2の座標Ymax+αを表示座標Ydとする。
【0062】
識別情報変更部114は、座標置換部113により第1の座標又は第2の座標が表示座標とされた場合、第1の記憶部107に記憶されているCD値を逆転させる。
【0063】
第4の記憶部115は、HDD16に記憶されている内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の少なくとも何れかの最小座標Xmin、Ymin及び最大座標Xmax、Ymaxを記憶する。
【0064】
入力部110、第1の判断部111、第2の判断部112、座標置換部113、識別情報更新部114は、それぞれメインメモリ12にロードされたOS20及びデバイスドライバ21、22、23に基づき、CPU11により実現される。又、第4の記憶部115は、メインメモリ12に構築される。
(第2の決定プロセスP2)
図8、図9を参照しながら、第1の決定プロセスP1により決定された内部座標(Xi、Yi)に基づき、カーソルCの表示座標(Xd、Yd)を決定する第2の決定プロセスP2を説明する。
【0065】
図8、図9は、第1の実施形態にかかるカーソルCの表示座標(Xd、Yd)を決定する第2の決定プロセスP2のフローチャートである。
【0066】
第1の決定プロセスP1により内部座標(Xi、Yi)が決定されたら、図8に示すように、カーソルCの表示座標(Xd、Yd)の決定プロセスが開始する。
【0067】
決定プロセスが開始したら、入力部110は、第1の記憶部107に記憶されているCD値が「0」であるか「1」であるかを判断する(ステップS301)。
【0068】
CD値が「0」であれば、入力部110は、内蔵ディスプレイ14のX軸の最小座標「0」を、Xminとして第4の記憶部115に記憶させる(ステップS302)。
【0069】
同様に、入力部110は、内蔵ディスプレイ14のY軸の最小座標「0」、X軸の最大座標「Xe」、Y軸の最大座標「Ye」を、それぞれYmin、Xmax、Ymaxとして、第4の記憶部115に記憶させる(ステップS303、S304、S305)。
【0070】
一方、CD値が「1」であれば、入力部110は、外付けディスプレイ17のX軸の最小座標「Xe+1」を、Xminとして第4の記憶部115に記憶させる(ステップS306)。
【0071】
同様に、入力部110は、外付けディスプレイ17のY軸の最小座標「0」、X軸の最大座標「Xe+Xf」、Y軸の最大座標「Ye」を、それぞれYmin、Xmax、Ymaxとして、第4の記憶部115に記憶させる(ステップS307、S308、S309)。
【0072】
次に、図9に示すように、第1の判断部111は、内部座標(Xi、Yi)が非遷移領域Ri([Xmin+α〜Xmax−α]∩[Ymin+α〜Ymax−α])に含まれるかどうか判断する(ステップS310)。
【0073】
内部座標(Xi、Yi)が非遷移領域Riに含まれていれば(ステップS310のYes)、座標置換部113は、内部座標(Xi、Yi)を表示座標(Xd、Yd)とする。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0074】
内部座標(Xi、Yi)が非遷移領域Riに含まれていなければ(ステップS310のNo)、第2の判断部112は、内部座標XiがXmin+αより小さいかどうか判断する(ステップS311)。
【0075】
内部座標XiがXmin+αより小さければ(ステップS311のYes)、第2の判断部112は、第1の座標Xmin−αが、OS20により管理されている座標空間に含まれるかどうか判断する(ステップS319)。
【0076】
第1の座標Xmin−αが、OS20により管理されている座標であれば(ステップS319のYes)、座標置換部113は、第1の座標Xmin−αを表示座標Xdとし(ステップS322)、内部座標Yiを表示座標Ydとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xmin−α、Yi)となる。続いて、識別情報更新部114は、第1の記憶部117に記憶されているCD値を反転させる(ステップS316)。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0077】
第1の座標Xmin−αが、OS20により管理されている座標でなければ(ステップS319のNo)、座標置換部113は、内部座標Xiを表示座標Xdとし、内部座標Yiを表示座標Ydとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xi、Yi)(=内部座標そのまま)となる。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0078】
内部座標XiがXmin+αと同じ、もしくは、Xmin+αより大きければ(ステップS311のNo)、第2の判断部112は、内部座標YiがYmin+αより小さいかどうか判断する(ステップS312)。
【0079】
内部座標YiがYmin+αより小さければ(ステップS312のYes)、第2の判断部112は、第1の座標Ymin−αが、OS20により管理されている座標空間に含まれるかどうか判断する(ステップS318)。
【0080】
第1の座標Ymin−αが、OS20により管理されている座標であれば(ステップS318のYes)、座標置換部113は、第1の座標Ymin−αを表示座標Ydとし(ステップS321)、内部座標Xiを表示座標Xdとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xd、Ymin−α)となる。続いて、識別情報更新部114は、第1の記憶部117に記憶されているCD値を反転させる(ステップS316)。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0081】
第1の座標Ymin−αが、OS20により管理される座標でなければ(ステップS318のNo)、内部座標Yiを表示座標Ydとし、内部座標Xiを表示座標Xdとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xi、Yi)(=内部座標そのまま)となる。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0082】
内部座標YiがYmin+αと同じ、もしくは、Ymin+αより大きければ(ステップS312のNo)、第2の判断部112は、内部座標XiがXmax−αより小さいかどうか判断する(ステップS313)。
【0083】
内部座標XiがXmax−αより小さければ(ステップS313のYes)、第2の判断部112は、第2の座標Xmax+αが、OS20により管理されている座標空間に含まれるかどうか判断する(ステップS317)。
【0084】
第2の座標Xmax+αが、OS20により管理されている座標であれば(ステップS317のYes)、座標置換部113は、第2の座標Xmax+αを表示座標Xdとし(ステップS320)、内部座標Yiを表示座標Ydとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xmax+α、Yi)となる。続いて、識別情報更新部114は、第1の記憶部117に記憶されているCD値を反転させる(ステップS316)。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0085】
第2の座標Xmax+αが、OS20により管理されている座標でなければ(ステップS317のNo)、座標置換部113は、内部座標Xiを表示座標Xdとし、内部座標Yiを表示座標Ydとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xi、Yi)(=内部座標そのまま)となる。以上にで、決定プロセスP2が終了する。
【0086】
内部座標XiがXmax−αと同じ、もしくは、Xmax−αより小さければ、第2の座標Ymax+αが、OS20により管理されている座標空間に含まれるかどうか判断する(ステップS314)。
【0087】
第2の座標Ymax+αが、OS20により管理されている座標であれば(ステップS314のYes)、座標置換部113は、内部座標Yiを第2の座標Ymax+αとし(ステップS315)、内部座標Xiを表示座標Xdとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xi、Ymax+α)となる。続いて、識別情報更新部114は、第1の記憶部117に記憶されているCD値を反転させる(ステップS316)。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0088】
第2の座標Ymax+αが、OS20により管理されている座標でなければ(ステップS314のNo)、内部座標Yiを表示座標Ydとし、内部座標Xiを表示座標Xdとする。これにより、表示座標(Xd、Yd)=(Xi、Yi)(=内部座標そのまま)となる。以上で、決定プロセスP2が終了する。
【0089】
第2の決定プロセス2は、例えば使用者によりカーソルCが操作され、内部座標(Xi、Yi)が変化するたびに実行され、逐次カーソルCの表示座標(Xd、Yd)が決定される。表示座標(Xd、Yd)が決定すると、表示制御部101は、グラフィックスコントローラ13a、13bの何れかに画像表示の指示を出力する。これにより、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の何れかにカーソルCが表示される。
(カーソル表示動作)
図10を参照しながら、第1の決定プロセスP1によるカーソルCの表示動作を説明する。
【0090】
図10は、第1の実施形態にかかるカーソルCの表示動作を説明する説明図である。
【0091】
以下の説明では、内部座標(Xi、Yi)が非遷移領域Riに含まれていることを前提とする。図中の点線の矢印マークは、移動前のカーソルCであり、黒塗の矢印マークは、移動後のカーソルCである。
【0092】
図10(a)に示すように、内蔵ディスプレイ14にカーソルCが表示されているときに、タッチパネル15に接触させた指先を移動させると(矢印A1参照)、カーソルCは、内蔵ディスプレイ14の表示領域を、指先の位置に追従するように移動する。即ち、カーソルCは、常に指先の真下に表示されるように、内蔵ディスプレイ14の表示領域を移動する。
【0093】
一方、図10(b)に示すように、外付けディスプレイ17にカーソルCが表示されているときに、タッチパネル15に接触させた指先を移動させると(矢印A2参照)、カーソルCは、外付けディスプレイ17の表示領域を、当初の表示位置(点線の矢印マーク参照)を始点として、指先の動きに倣うように移動する。即ち、カーソルCは、変位ベクトルV(=指先の移動ベクトル)に追従するように移動する。
(カーソル遷移動作)
図11を参照しながら、第2の決定プロセスP2によるカーソルCの遷移動作を説明する。
【0094】
以下の説明では、デフォルトとして、内部座標(Xi、Yi)が非遷移領域Riに含まれていることを前提とする。図中の点線の矢印マークは、移動前のカーソルCであり、黒塗の矢印マークは、移動後のカーソルCである。
【0095】
図11は、第1の実施形態にかかるカーソルCの遷移動作を説明する説明図である。
【0096】
図11(a)に示すように、例えば使用者が指先を動かすことで(矢印A3参照)、内部座標Xiが内蔵ディスプレイ14の非遷移領域Riから最大座標「Xe」側に逸脱すると、即ち内部座標Xiが「Xe−α」より大きくなると、カーソルCは、内蔵ディスプレイ14から外付けディスプレイ17に移動する(矢印A4)。このとき、カーソルCの表示座標Xdは、「Xe+1+α」となり、カーソルCの表示座標Ydは、外付けディスプレイ17にジャンプする直前のカーソルCの座標「Yn」となる。
【0097】
一方、図11(b)に示すように、例えば使用者が指先を動かすことで(矢印A5)、内部座標Xiが外付けディスプレイ17の非遷移領域Riから最小値「Xe+1」側に逸脱すると、即ち内部座標Xiが「Xe+1+α」より小さくなると、カーソルCは、外付けディスプレイ17から内蔵ディスプレイ14に移動する(矢印A6)。このとき、カーソルCの表示座標Xdは、「Xe−α」となり、カーソルCの表示座標Ydは、内蔵ディスプレイ14にジャンプする直前のカーソルCの座標Ynとなる。但し、カーソルCを操作するときに、第1の決定プロセスP1が呼び出されるので、カーソルCは、内蔵ディスプレイ14に移動した直後に、指先の真下に移動する。このため、カーソルCは、目視上では、矢印A7で示すように遷移する。
【0098】
ここでは、内蔵ディスプレイ14の右側に外付けディスプレイ17を配置することを前提としているが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、内蔵ディスプレイ14の左側、上側、下側の何れに外付けディスプレイ17を配置しても良い。何れの配置形態でも、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17間に於けるカーソルCの移動方式は同様である。
(第1の実施形態の作用効果)
以上のように、第1の実施形態によれば、カーソルCが表示されているディスプレイ(内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17の何れか)に応じて、カーソルCの表示座標(Xd、Yd)を決定する仕組みを切り替えている。
【0099】
即ち、外付けディスプレイ17にカーソルCを表示させる場合、タッチパネル15の検出座標(Xp、Yp)の変位ベクトルVを使用して、指先の移動に追従するように、カーソルCを制御している。
【0100】
このため、外付けディスプレイ17の表示領域に於けるカーソル操作を、内蔵ディスプレイ14に貼り付けられたタッチパネル15により、実現することが出来る。よって、タッチパッドだけを入力装置とするパーソナルコンピュータなどに外付けディスプレイを接続して、所謂マルチディスプレイシステムを実現する場合も、外付けマウスなどを接続する必要がない。
【0101】
しかも、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17のサイズの相違によらず、外付けディスプレイ17の表示領域に於けるカーソル制御を実現することが出来る。
【0102】
又、第1の実施形態によれば、内蔵ディスプレイ14の端部にカーソルCを近づけると、該カーソルCを外付けディスプレイ17に移動させる意図があると判断して、内部ディスプレイ14から外付けディスプレイ17にカーソルCを遷移させる。同様に、外付けディスプレイ17の端部にカーソルCを近づけると、該カーソルCを内蔵ディスプレイ14に移動させる意図があると判断して、外付けディスプレイ17から内蔵ディスプレイ14にカーソルCを遷移させる。
【0103】
このため、使用者は、直観的に指先を動かして、カーソルCを移動させるだけで、該カーソルCを内蔵ディスプレイ14もしくは外付けディスプレイ17にシームレスに移動させることが出来る。
[第2の実施形態]
図12−図15を参照して、第2の実施形態を説明する。但し、第1の実施形態と同等の構成、作用、及び効果については、説明を省略することとする。
【0104】
第1の実施形態では、外付けディスプレイ17にカーソルCが表示されている場合、タッチパネル15の検出座標(Xp、Yp)の変位ベクトルVを使用して、内部座標(Xi、Yi)を決定している。これに対し、第2の実施形態では、外付けディスプレイ17にカーソルCが表示されている場合、タッチパネル15の検出座標(Xp、Yp)だけを利用して、内部座標(Xi、Yi)を決定している。即ち、第2の実施形態では、変位ベクトルVを使用しない。
(カーソル制御の機能ブロック)
図12を参照しながら、タッチパネル15により取得された検出座標(Xp、Yp)に基づき、内部座標(Xi、Yi)を決定する機能ブロックを説明する。
【0105】
図12は、第2の実施形態にかかるカーソル制御の機能ブロック図である。
【0106】
図12に示すように、第2の実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20は、第1の実施形態にかかる変位ベクトル算出部104を備えていない。
【0107】
内部座標決定部105は、第1の記憶部107に記憶されているCD値と、第3の記憶部109に記憶されている最新の検出座標(Xp、Yp)と、に基づき、内部座標(Xi、Yi)を決定する。
(第1の決定プロセスP1´)
図13を参照しながら、タッチパネル15により取得された検出座標(Xp、Yp)に基づき、内部座標(Xi、Yi)を決定する第1の決定プロセスP1´を説明する。
【0108】
図13は、第2の実施形態にかかる内部座標(Xi、Yi)を決定する第1の決定プロセスP1´のフローチャートである。
【0109】
例えば使用者の指先によりカーソルCが操作され、割り込み等が発生すると、図13に示すように、内部座標(Xi、Yi)の決定プロセスP1´が開始する。
【0110】
決定プロセスが開始したら、入力座標取得部102は、タッチパネル15により検出された検出座標(Xp、Yp)の取得を開始する(ステップS401)。入力座標取得部102により取得された検出座標(Xp、Yp)は、逐次、第3の記憶部109に記憶される。
【0111】
次に、内部座標決定部105は、第3の記憶部109に記憶されている最新の検出座標(Xp、Yp)を仮の内部座標(Xi´、Yi´)とする(ステップS402)。
【0112】
次に、内部座標決定部105は、第1の記憶部107に記憶されているCD値が「0」であるか「1」であるか判断する(ステップS403)。即ち、内部座標決定部105は、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17のうち、どちらにカーソルCが表示されているか識別する。
【0113】
CD値が「0」であると判断したら(ステップS403のYes)、内部座標決定部105は、仮の内部座標(Xi´、Yi´)を内部座標(Xi、Yi)として確定する。即ち、内部座標(Xi、Yi)=(Xi´、Yi´)となる。以上で、決定プロセスP1´が終了する。
【0114】
一方、CD値が「1」であると判断したら(ステップS403のNo)、内部座標決定部105は、仮の内部座標(Xi´、Yi´)に、外付けディスプレイ17の最小座標(Xe+1、0)を加算して、内部座標(Xi、Yi)とする(ステップS404)。即ち、内部座標(Xi、Yi)=(Xi´+Xe+1、Yi´)となる。以上で、決定プロセスP1が終了する。
(カーソル表示動作)
図14を参照しながら、第1の決定プロセスP1´によるカーソルCの表示動作を説明する。
【0115】
図14は、第2の実施形態にかかるカーソルCの表示動作を説明する説明図である。
【0116】
以下の説明では、内部座標(Xi、Yi)が非遷移領域Riに含まれていることを前提とする。図中の点線の矢印マークは、移動前のカーソルCであり、黒塗の矢印マークは、移動後のカーソルCである。
【0117】
図14(a)に示すように、内蔵ディスプレイ14にカーソルCが表示されているときに、タッチパネル15に接触させた指先を移動させると(矢印B1参照)、カーソルCは、内蔵ディスプレイ14の表示領域を、指先の位置に追従するように移動する。即ち、カーソルCは、常に指先の真下に表示されるように、内蔵ディスプレイ14の表示領域を移動する。
【0118】
一方、図14(b)に示すように、外付けディスプレイ17にカーソルCが表示されているときに、タッチパネル15に接触させた指先を移動させると(矢印B2参照)、カーソルCは、外付けディスプレイ17の表示領域を、指先の動きに倣うように移動する。即ち、カーソルCは、指先の直下ではなく、指先の動きに倣うように、外付けディスプレイ17の表示領域を移動する。
(カーソル遷移状態)
図15を参照しながら、第2の決定プロセスP2によるカーソルCの遷移動作を説明する。
【0119】
図15は、第2の実施形態にかかるカーソルCの遷移動作を説明する説明図である。
【0120】
なお、第2の実施形態にかかる第2の決定プロセスP2は、第1の実施形態と同等であるが、第2の実施形態にかかる第1の決定プロセスP1´が第1の実施形態と相違するため、第1、第2の実施形態にかかるカーソルCの遷移動作が異なることになる。
【0121】
図15(a)に示すように、例えば使用者が指先を動かすことで(矢印B3参照)、内部座標Xiが内蔵ディスプレイ14の非遷移領域Riから最大座標「Xe」側に逸脱すると、即ち内部座標Xiが「Xe−α」より大きくなると、カーソルCは、内蔵ディスプレイ14から外付けディスプレイ17に移動する(矢印B4参照)。このとき、カーソルCの表示座標Xdは、「Xe+Xf」となり、カーソルCの表示座標Ydは、外付けディスプレイ17にジャンプする直前の座標「Yn」となる。即ち、外付けディスプレイ17に移動したカーソルCは、外付けディスプレイの右端に表示される。このため、内蔵ディスプレイ14に於ける指先の相対位置が、外付けディスプレイ17に於けるカーソルCの相対位置に対応することになる。これにより、内蔵ディスプレイ14から外付けディスプレイ17にカーソルCを移動させた直後に於ける、カーソルCの見失い等を防止することが出来る。
【0122】
一方、図15(b)に示すように、例えば使用者が指先を動かすことで(矢印B5)、内部座標Xiが外付けディスプレイ17の非遷移領域Riから最小座標「Xe+1」側に逸脱すると、即ち内部座標Xiが「Xe+1+α」より小さくなると、カーソルCは、外付けディスプレイ17から内蔵ディスプレイ14に移動する(矢印B6)。このとき、カーソルCの表示座標Xdは、「Xe−α」となり、カーソルCの表示座標Ydは、指先の座標Ynとなる。但し、第1の実施形態と同様に、カーソルCを操作するときに、第1の決定プロセスP1´が呼び出されるので、カーソルCは、内蔵ディスプレイ14に移動した直後に、指先の真下に移動する。このため、カーソルCは、目視上では、矢印B7で示すように遷移する。
(第2の実施形態の作用効果)
第2の実施形態によれば、外付けディスプレイ17にカーソルCを表示させる場合、先ず、タッチパネル15の検出座標(Xp、Yp)に基づき、仮の内部座標(Xi´、Yi´)を決定したのち、仮の内部座標(Xi´、Yi´)に、外付けディスプレイ17の最小座標(Xe+1、0)を加算することで、外付けディスプレイ17にカーソルCが表示されるよう、最終的な内部座標(Xi、Yi)を決定している。
【0123】
このため、外付けディスプレイ17の表示領域に於けるカーソル操作を、内蔵ディスプレイ14に貼り付けられたタッチパネル15により、実現することが出来る。よって、タッチパッドだけを入力装置とするパーソナルコンピュータなどに外付けディスプレイを接続して、所謂マルチディスプレイシステムを実現する場合も、外付けマウスなどを接続する必要がない。
【0124】
しかも、内蔵ディスプレイ14から外付けディスプレイ17に遷移したカーソルCは、外付けディスプレイの右端に表示されるので、内蔵ディスプレイ14に於ける指先の相対位置が、外付けディスプレイ17に於けるカーソルCの相対位置に対応する。これにより、内蔵ディスプレイ14から外付けディスプレイ17にカーソルCを移動させた直後に於ける、カーソルCの見失い等を防止することが出来る。
【0125】
ここでは、内蔵ディスプレイ14の右側に外付けディスプレイ17を配置することを前提としているが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、内蔵ディスプレイ14の左側、上側、下側の何れに外付けディスプレイ17を配置しても良い。何れの配置形態でも、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17間に於けるカーソルCの移動方式は、同様である。
【0126】
なお、第1、第2の実施形態で使用される各種プログラムは、市販され、流通している可搬型記憶媒体に格納されていても良い。この場合、可搬型記憶媒体としては、読み取り装置にセットされて、CPUによりそのプログラムが読み出されて、実行されてもよい。可搬型記憶媒体としては、例えばCD−ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、USBメモリ装置など様々な形式の記憶媒体を使用することができる。
【0127】
又、第1、第2の実施形態では、CPU11を用いているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、CPU11の代わりに、MPU(Micro Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの処理回路を用いても良い。
【0128】
又、第1、第2の実施形態にかかる、それぞれの座標系は、相互に直交するX軸及びY軸に限定されるものではなく、左上角を原点とする必要もない。第1、第2の実施形態は、あくまでも一例を開示するに過ぎない。
【0129】
又、第1、第2の実施形態では、内蔵ディスプレイ14及び外付けディスプレイ17間のカーソル移動を説明してきたが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば3つ以上のディスプレイ間のカーソル移動に適用しても良い。3以上のディスプレイ間のカーソル移動の場合、CD値として、「0」及び「1」以外の数値を準備すれば良い。
【0130】
第1、第2の実施形態に於いて、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させる表示制御部と、
前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を記憶する記憶部と、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を取得する取得部と、
前記タッチパネルの検出座標に基づき、前記検出座標の変位ベクトルを算出する算出部と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイを識別する識別部と、
前記第1のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの検出座標に対応する座標を、前記カーソルの表示座標とし、前記第2のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記記憶部に記憶されている前記カーソルの表示座標を前記変位ベクトルで変位させた座標を、前記カーソルの表示座標とする決定部と、
を備えるカーソル制御装置。
(付記2)
付記1に記載のカーソル制御装置に於いて、さらに、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイの識別情報を記憶する記憶部を備え、
前記決定部は、
前記識別情報に基づき、前記仮想座標空間における、前記カーソルを表示させるディスプレイの最小座標及び最大座標を入力する入力部と、
前記最小座標及び前記最大座標間に規定される座標範囲から前記カーソルの表示座標が逸脱するかどうか判断する第1の判断部と、
前記カーソルの表示座標が前記座標範囲から前記最小座標側に逸脱する場合、前記最小座標より小さい第1の座標が前記仮想座標空間に含まれるかどうか判断し、前記カーソルの表示座標が前記座標範囲から前記最大座標側に逸脱する場合、前記最大座標より大きい第2の座標が前記仮想座標空間に含まれるかどうか判断する第2の判断部と、
前記第1の座標が前記仮想座標空間に含まれる場合、前記第1の座標を前記カーソルの表示座標とし、前記第2の座標が前記仮想座標空間に含まれる場合、前記第2の座標を前記カーソルの表示座標とする置換部と、
前記第1の座標又は前記第2の座標を前記カーソルの表示座標とする場合、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイが逆転するように前記識別情報を変更する変更部と、
を備えるカーソル制御装置。
(付記3)
第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させる表示制御部と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイの識別情報を記憶する記憶部と、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの入力情報と、前記識別情報とに基づき、前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を決定する決定部と、
を備えるカーソル制御装置。
(付記4)
付記3に記載のカーソル制御装置に於いて、さらに、
前記タッチパネルの入力座標に基づき、前記入力座標の変位ベクトルを算出する算出部と、
前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を記憶する記憶部と、
を備え、
前記決定部は、
前記第1のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの入力座標に対応する座標を、前記カーソルの表示座標とし、前記2のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記記憶部に記憶されている前記カーソルの表示座標を前記変位ベクトルで変位させた座標を、前記カーソルの表示座標とするカーソル制御装置。
(付記5)
付記3に記載のカーソル制御装置に於いて、
前記決定部は、
前記第1のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの入力座標に対応する座標を、前記カーソルの表示座標とし、前記2のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記仮想座標空間における、前記第2のディスプレイに規定された基準位置に対応する座標に、前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの入力座標に対応する座標を加算した座標を、前記カーソルの表示座標とするカーソル制御装置。
(付記6)
第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させる表示制御部と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイの識別情報を記憶する記憶部と、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの入力情報を取得する取得部と、
前記タッチパネルの入力情報と、前記識別情報とに基づき、前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を決定する決定部と、
を備え、前記決定部は、
前記識別情報に基づき、前記仮想座標空間に於ける、前記カーソルを表示させるディスプレイの最小座標及び最大座標を入力する入力部と、
前記最小座標及び前記最大座標間に規定される座標範囲から前記カーソルの表示座標が逸脱するかどうか判断する第1の判断部と、
前記カーソルの表示座標が前記座標範囲から前記最小座標側に逸脱する場合、前記最小座標より小さい第1の座標が前記仮想座標空間に含まれるかどうか判断し、前記カーソルの表示座標が前記座標範囲から前記最大座標側に逸脱する場合、前記最大座標より大きい第2の座標が前記仮想座標空間に含まれるかどうか判断する第2の判断部と、
前記第1の座標が前記仮想座標空間に含まれる場合、前記第1の座標を前記カーソルの表示座標とし、前記第2の座標が前記仮想表示領域に含まれる場合、前記第2の座標を前記カーソルの表示座標とする置換部と、
前記第1の座標又は前記第2の座標を前記カーソルの表示座標とする場合、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイが逆転するように前記識別情報を変更する変更部と、
を備えるカーソル制御装置。
(付記7)
第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させるカーソル制御方法に於いて、
前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標をメモリに記憶させる工程と、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を処理回路により取得する工程と、
前記タッチパネルの検出座標に基づき、前記検出座標の変位ベクトルを処理回路により算出する工程と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイを処理回路により識別する工程と、
前記第1のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの検出座標に対応する座標を、処理回路により前記カーソルの表示座標とし、前記第2のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記メモリに記憶されている前記カーソルの表示座標を前記変位ベクトルで変位させた座標を、処理回路により前記カーソルの表示座標とする工程と、
を備えるカーソル制御方法。
(付記8)
第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させるカーソル制御プログラムに於いて、
コンピュータを、少なくとも、
前記仮想座標空間に於ける前記カーソルの表示座標をメモリに記憶させる記憶手段、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を取得する取得手段、
前記タッチパネルの検出座標に基づき、前記検出座標の変位ベクトルを算出する算出手段、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、前記カーソルを表示させるディスプレイを識別する識別手段、及び
前記第1のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの検出座標に対応する座標を、前記カーソルの表示座標とし、前記第2のディスプレイに前記カーソルを表示させる場合、前記メモリに記憶されている前記カーソルの表示座標を前記変位ベクトルで変位させた座標を、前記カーソルの表示座標とする決定手段、として機能させるカーソル制御プログラム。
【符号の説明】
【0131】
10:パーソナルコンピュータ
14:内蔵ディスプレイ
15:タッチパネル
17:外付けディスプレイ
101:表示制御部
102:検出座標取得部
104:変位ベクトル算出部
105:内部座標決定部
106:表示座標決定部
107:第1の記憶部
108:第2の記憶部
109:第3の記憶部
110:入力部
111:第1の判断部
112:第2の判断部
113:座標置換部
114:識別情報変更部
115:第4の記憶部
C:カーソル
Ri:非遷移領域
V:変位ベクトル
Xmin:最小座標
Xmax:最大座標
Ymin:最小座標
Ymax:最大座標
Xmin−α:第1の座標
Xmax+α:第2の座標
Ymin−α:第1の座標
Ymax+α:第2の座標
Xd:表示座標
Yd:表示座標
Xi:内部座標
Yi:内部座標
Xp:検出座標
Yp:検出座標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させるカーソル制御装置であって、
前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を記憶する第1の記憶部と、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を取得する取得部と、
前記タッチパネルの検出座標に基づき、前記検出座標の変位ベクトルを算出する算出部と、
前記第1のディスプレイの表示領域と前記第2のディスプレイの表示領域のいずれに前記カーソルを表示させているかを識別する識別部と、
前記識別部により、前記第1のディスプレイの表示領域に前記カーソルを表示させていると識別した場合は前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの検出座標に対応する座標を前記カーソルの表示座標とし、前記第2のディスプレイに前記カーソルが表示させていると識別した場合は前記記憶部に記憶されている前記カーソルの表示座標から前記変位ベクトルで変位させた座標を、前記カーソルの表示座標とする決定部と、
を備えるカーソル制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカーソル制御装置に於いて、さらに、
カーソルの表示座標が、前記第1のディスプレイの表示領域及び前記第2のディスプレイ表示領域のうち、いずれかを識別する識別情報を記憶する第2の記憶部、及び、
前記第1のディスプレイの表示領域の最小座標及び最大座標と、前記第2のディスプレイの表示領域の最小座標及び最大座標とを記憶する第3の記憶部と、
前記識別部は、前記第2の記憶部に記憶されている識別情報に基づき、記第1のディスプレイの表示領域と前記第2のディスプレイの表示領域の何れに前記カーソルを表示させているかを識別し、
前記決定部は、
前記第3の記憶部を参照し、前記第1のディスプレイの表示領域の所定領域にカーソルの表示座標が有るかを判定すると共に、前記第2のディスプレイの表示領域の所定領域にカーソルの表示座標が有るかを判定する判定部と、
前記判定部の判定の結果、前記第1のディスプレイの表示領域の所定領域にカーソルの表示座標が有る場合、前記カーソルの表示座標を前記第2のディスプレイの所定領域内の所定座標に更新し、前記第2のディスプレイの表示領域の所定領域にカーソルの表示座標が有る場合、前記カーソルの表示座標を前記第1のディスプレイの所定領域内の所定座標に更新するとともに、前記第2の記憶部の識別情報を、カーソルの表示座標に対応する表示領域に対応する識別情報に更新する更新部と、
を備えるカーソル制御装置。
【請求項3】
第1のディスプレイの表示領域及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させる表示制御部と、
前記第1のディスプレイの表示領域及び前記第2のディスプレイの表示領域のうち、前記カーソルの表示座標が何れかを識別する識別情報を記憶する第1の記憶部と、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの入力情報と、前記識別情報とに基づき、前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を決定する決定部と、
を備えるカーソル制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカーソル制御装置に於いて、さらに、
前記タッチパネルの入力座標に基づき、前記入力座標の変位ベクトルを算出する算出部と、
前記仮想座標空間における、前記カーソルの表示座標を記憶する第2の記憶部と、
を備え、
前記決定部は、
前記第1のディスプレイ表示領域内に前記カーソルの表示座標がある場合は前記仮想座標空間における、前記タッチパネルの入力座標に対応する座標を前記カーソルの表示座標とし、前記2のディスプレイの表示領域内に前記カーソルの表示座標がある場合は前記記憶部に記憶されている前記カーソルの表示座標を前記変位ベクトルで変位させた座標を前記カーソルの表示座標とする
カーソル制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載のカーソル制御装置に於いて、
前記決定部は、
前記第1のディスプレイの表示領域内に前記カーソルの表示座標がある場合、前記仮想座標空間における前記タッチパネルの入力座標に対応する座標を前記カーソルの表示座標とし、前記2のディスプレイの表示領域内に前記カーソルの表示座標がある場合、前記仮想座標空間における前記第2のディスプレイに規定された基準位置に対応する座標に前記仮想座標空間における前記タッチパネルの入力座標に対応する座標を加算した座標を前記カーソルの表示座標とするカーソル制御装置。
【請求項6】
仮想座標空間におけるカーソルの表示座標を記憶する記憶部を有すると共に、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させる制御装置が行うカーソル表示制御方法であって、
前記制御装置が、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を取得し、
前記タッチパネルの検出座標に基づき、前記検出座標の変位ベクトルを算出し、
前記第1のディスプレイの表示領域に前記カーソルを表示させていると識別した場合は、前記仮想座標空間における前記タッチパネルの検出座標に対応する座標を前記カーソルの表示座標とし、前記第2のディスプレイに前記カーソルが表示させていると識別した場合は前記記憶部に記憶されている前記カーソルの表示座標から前記変位ベクトルで変位させた座標を、前記カーソルの表示座標とする
処理を実行するカーソル制御方法。
【請求項7】
仮想座標空間におけるカーソルの表示座標を記憶する記憶部を有する制御装置に、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの表示領域を、連続する仮想座標空間として管理すると共に、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの何れかにカーソルを表示させるカーソル表示制御プログラムであって、
前記制御装置に、
前記第1のディスプレイに搭載されたタッチパネルの検出座標を取得させ、
前記タッチパネルの検出座標に基づき、前記検出座標の変位ベクトルを算出させ、
前記第1のディスプレイの表示領域に前記カーソルを表示させていると識別した場合、前記仮想座標空間における前記タッチパネルの検出座標に対応する座標を前記カーソルの表示座標とし、前記第2のディスプレイに前記カーソルが表示させていると識別した場合、前記記憶部に記憶されている前記カーソルの表示座標から前記変位ベクトルで変位させた座標を、前記カーソルの表示座標とする
処理を実行させるカーソル制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−8250(P2013−8250A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141239(P2011−141239)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】