説明

カードライタ

【課題】カード発行までに相当の時間を要することなく、写真データを表示した感熱カードを発行することができるカードライタを提供する。
【解決手段】カードライタ1は、主として、制御部10と、サーマルヘッド24aと、消去ヘッド25aと、CCDカメラ40とを備える。CCDカメラ40によって撮像することにより、カードライタ1に写真データを入力する。サーマルヘッド24aを動作させることにより、写真データに基づいて形成される画像データをカード80の表示部に記録する。これにより、写真データを含むカード80を即時発行できる。また同様に、写真データを含む画像データの書き換え処理も即時に実行できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
書き換え自在な表示部を有する感熱カードに、所定の画像データを発色させるカードライタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、書換え表示の可能な表示部を有するカードを利用したカードシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平08−007060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のカードシステムでは、例えば利用者の顔写真等の写真データを表示したカードを即時発行することができない。そのため、カード発行まで相当の時間を要し、その結果、カード発行者およびカード利用者の要望に応えることができない。
【0005】
そこで、本発明では、カード発行までに相当の時間を要することなく、写真データを表示した感熱カードを発行することができるカードライタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、書き換え自在な表示部を有する感熱カードに、所定の画像データを発色させるカードライタであって、前記表示部に画像データを発色させる発色手段と、前記表示部の画像データを消去する消去手段と、写真データの入力を可能とする撮像手段と、前記発色手段を制御して、前記撮像手段によって撮像された写真データに基づいて形成される画像データを前記表示部に記録する制御手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のカードライタにおいて、前記感熱カードに設けられた記憶部に対して不可視データの読み書きを可能とする不可視データ記録部、をさらに備える。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のカードライタにおいて、前記撮像手段によって撮像された写真データを前記情報処理装置に送信する送信手段と、前記情報処理装置において前記送信手段によって送信された写真データに基づいて形成されるとともに、前記情報処理装置から送信される画像データを受信する受信手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記受信手段によって受信された画像データを前記表示部に記録させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカードライタにおいて、前記発色手段と、前記消去手段と、前記撮像手段と、前記制御手段とは1つの筐体に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカードライタにおいて、前記記憶部は、磁気ストライプであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカードライタにおいて、前記記憶部は、RF−IDタグであることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のカードライタにおいて、前記表示部は、ロイコ染料を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1から請求項7に記載の発明によれば、撮像手段によって撮像された写真データに基づき形成される画像データ(すなわち、写真データを含む画像データ)を感熱カードの表示部に記録することができる。そのため、写真データの記録された感熱カードを即時発行できる。また、表示部に記録された画像データを消去し、再度画像データを発色させることができる。そのため、使用済み、または、使用しなくなった感熱カードを再利用することができる。
【0014】
特に、請求項2に記載の発明によれば、感熱カードの使用目的に応じた不可視データを感熱カードの記憶部に記録することができ、また、記憶部に記録された不可視データを読み取ることができる。そのため、使用目的に応じた感熱カードの利用(例えば、社員証、およびプリペイドカード等)が可能となる。
【0015】
特に、請求項3に記載の発明によれば、情報処理装置にて形成された画像データを感熱カードの表示部に記録することができる。
【0016】
特に、請求項4に記載の発明によれば、発色手段と、消去手段と、撮像手段と、制御手段とが1つの筐体に設けられている。そのため、他の装置を使用することなく、写真データの記録された感熱カードを即時発行できる。また写真データの書き換え処理も即時に実行できる。
【0017】
特に、請求項5に記載の発明によれば、磁気ストライプに記録された不可視データにより、使用目的に応じた感熱カードの利用が可能となる。
【0018】
特に、請求項6に記載の発明によれば、RF−IDタグに記録された不可視データにより、使用目的に応じた感熱カードの利用が可能となる。
【0019】
特に、請求項7に記載の発明によれば、表示部はロイコ染料を含んでおり、見やすい画像データを容易に表示部に記録できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
<1.カードライタおよび情報処理装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態におけるカードライタ1および情報処理装置100の全体構成の一例を示す図である。図2は、カードライタ1の機能構成を説明するための図である。また、図3は、情報処理装置100の機能構成を説明するための図である。図1および図2に示すように、カードライタ1は、主として、サーマルヘッド24aと、消去ヘッド25aと、CCDカメラ40と、制御部10とを備えており、これらサーマルヘッド24a、消去ヘッド25a、CCDカメラ40、および制御部10は、1つの筐体に設けられる。
【0022】
CCDカメラ40は、カード利用者の顔写真等の写真データをカードライタ1に入力するために使用される撮像部である。図1に示すように、CCDカメラ40は、主として、レンズ42が取り付けられた可動部41を有する。
【0023】
可動部41は、矢印AR1方向に回動可能に設けられている。これにより、可動部41の位置を、本体部60に収納された位置(図1の点線位置)から起立姿勢となる位置(図1の実線位置)の間で可変とすることができる。そのため、可動部41を回動させることにより、(1)写真撮影を行う際には、CCDカメラ40の姿勢を撮像対象物(例えば、人物)に応じた姿勢とすることができ、また、(2)カード発行処理を行う際には、CCDカメラ40を本体部60に収納することができる。
【0024】
LCDタッチパネル50は、図1に示すように、本体部60に取り付けられており、カードライタ1のオペレータ(以下、単に「オペレータ」と呼ぶ)の操作入力部および表示部として兼用して使用される。したがって、オペレータは、LCDタッチパネル50の表示にしたがい、カードライタ1に対して所定の指示(例えば、写真撮影を実行させる旨の指示)をすることができる。
【0025】
ここで、感熱カード80について説明する。図4および図5は、本実施の形態で使用される感熱カード(以下、単に、「カード」と呼ぶ)80の表面および裏面の一例を示す図である。カード80は、主として、(1)表面に設けられており、書き換え自在な表示部81(図4参照)と、(2)裏面に設けられた磁気ストライプ85(図5参照)とを備える。
【0026】
表示部81は、ロイコ染料を含むロイコ型材料によって構成される。表示部81では、ロイコ染料と顕色剤との相互作用によって画像の発色処理および消去処理を実現している。すなわち、印字層中に存在するロイコ染料と顕色剤は、発色(印字)に必要な温度(170度以上)まで昇温させると、溶けあった状態となる。そして、この状態で急激に冷却すると混ざり合ったまま結晶化して発色状態を保つことができる。このように、昇温後急冷することにより、表示部81に画像を描画することができる。
【0027】
これに対して、徐々に冷却すると、ロイコ染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するため、発色状態を保つことができない。すなわち、昇温後徐冷することにより、表示部81の画像を消去(消色)することができる。
【0028】
したがって、上述の発色/消去原理を利用することにより、表示部81には、文字データ(例えば、図4の文字データ部82)、または/および、CCDカメラ40によって撮像された写真データ(例えば、図4の写真データ部83)から構成される画像データが記録される。
【0029】
磁気ストライプ85は、データを記録するデータ記録媒体として使用される。すなわち、本実施の形態において磁気ストライプ85は、不可視データを記録する記憶部として使用される。この不可視データを使用することにより、使用目的に応じたカード80の利用が可能となる。
【0030】
例えば、図4および図5に示す社員証の場合、磁気ストライプ85には、社員を一意に識別できる識別IDを不可視データとして記録し、表示部81には、その社員の顔写真、社員番号、および直近の勤務時間等を表示してもよい。これにより、表示部81に表示された写真データ部83と、カード利用者とを比較して本人確認することができる。また、磁気ストライプ85に記録された識別IDを所定の装置で読み取ることにより、各社員の勤怠管理や入室制限を行うことができる。
【0031】
また、所定日において遊園地内の乗り物が乗り放題となる乗り物券(フリーパス)の場合、磁気ストライプ85には、識別IDの他に、パス利用者の年齢データ、および利用された乗り物を一意に識別するデータ(以下、「乗り物ID」と呼ぶ)等を記録し、表示部81には、フリーパスを使用できる日等を表示してもよい。この場合、使用後にフリーパス(カード80)を回収して磁気ストライプ85に記録された乗り物IDや年齢データを解析することにより、さまざまな統計データを取得することができる。また、使用後に、磁気ストライプ85の不可視データおよび表示部81の画像データを消去し、新たな画像データを表示部81に記録することにより、カード80をフリーパスとして再利用できる。
【0032】
また、電車等の定期乗車券の場合、磁気ストライプ85には、カードを一意に識別する識別IDと、乗車駅および降車駅情報とを記録し、表示部81には、有効期限、乗車駅名、および降車駅名等を表示してもよい。さらに、プリペイドカードの場合、磁気ストライプ85には、カードの識別ID、および金額残高を記録し、表示部81には、利用履歴および金額残高を表示してもよい。このように、カード80を定期乗車券やプリペイドカードとして使用する場合、使用後に回収して表示部81、磁気ストライプ85の情報を書き換えることにより、カード80をそれぞれの用途で再利用できる。
【0033】
図2に戻って、カード位置検出センサ21は、本体部60の開口部70から挿入されたカード80の位置を検出する。この検出結果に基づき、後述するモータ22a、R/Wヘッド23a、サーマルヘッド24a、および消去ヘッド25aの動作状況が制御される。
【0034】
モータ駆動部22は、制御部10から送信させる駆動信号に従って、モータ22aの駆動させる。磁気ストライプR/W部23は、R/Wヘッド23aを動作させることにより、磁気ストライプ85から不可視データを読み出したり、磁気ストライプ85に不可視データを書き込む。
【0035】
印字ヘッド駆動部24は、サーマルヘッド24aを動作させることにより、RAM28に格納される画像データをカード80の表示部81に印字する処理を実行する。消去ヘッド駆動部25は、消去ヘッド25aを動作させることにより、表示部81に記録された画像データを消去する処理を実行する。
【0036】
このように本実施の形態において、サーマルヘッド24aは、表示部81に画像データを発色させる発色部として、また、消去ヘッド25aは、発色部81に記録された画像データを消去する消去部として、それぞれ使用される。
【0037】
USB(Universal Serial Bus)インタフェース26は、情報処理装置100との間でデータの授受等を行う際に用いられる通信部である。図1および図2に示すように、カードライタ1と情報処理装置100とは、信号線5を介して電気的に接続される。文字フォントROM27は、フォントデータが格納された読み出し専用メモリである。RAM28は、情報処理装置100から送信される画像データを格納するメモリである。
【0038】
ブザー31は、カードライタ1において、例えば印字処理が正しく実行されなかった等の問題が発生した場合に、警報音を発することによってオペレータに問題発生を知らせる警報部である。RTC(Real Time Clock)32は、現在日時の取得に使用される計時専用のチップである。
【0039】
制御部10は、図1および図2に示すように、本体部60に格納されており、主として、フラッシュROM12と、フラッシュROM12に格納されるプログラムに従った制御を実行するCPU11とを備える。また、CPU11およびフラッシュROM12は、バス15を介して、モータ駆動部22、磁気ストライプR/W部23、印字ヘッド駆動部24、消去ヘッド駆動部25、CCDカメラ40、およびLCDタッチパネル50等と電気的に接続される。
【0040】
フラッシュROM12は、電気的に書き換え可能なメモリであり、カードライタ1の電源を切ってもデータは保持され続ける。フラッシュROM12には、(1)カードライタ1の基本的な制御を行うためのソフトウェアとして使用されるファームウェア12aと、印字処理や消去処理等の特定の処理を実行させるソフトウェアとして使用されるアプリケーション12bと、が格納される。
【0041】
CPU11は、フラッシュROM12に格納されるファームウェア12aやアプリケーション12bなどのプログラムに従って、例えば、モータ22aの回転処理、R/Wヘッド23aによる磁気ストライプ85(図5参照)の読み書き処理、サーマルヘッド24aによる印字処理、および消去ヘッド25aによる消去処理等を所定のタイミングで実行できる。また、CPU11は、CCDカメラ40によって撮像された写真データに基づき形成された画像データをカード80の表示部81に記録する処理も、所定のタイミングで実行できる。
【0042】
次に、情報処理装置100について説明する。情報処理装置100は、いわゆるパーソナルコンピュータやワークステーションによって構成される。図1および図3に示すように、情報処理装置100は、主として、制御部110と、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイによって構成される表示部120と、キーボードやマウスから構成される入力部130と、大容量記憶部140とを備える。
【0043】
大容量記憶部140は、シリコンディスクドライブやハードディスクドライブ等のように、メモリ111と比較して記憶容量の大きな素子によって構成される記憶部である。したがって、大容量記憶部140は、カード80に関するデータベース141やCPU112で実行されるプログラム等を保存することができる。そして、必要に応じてメモリ111との間でデータやプログラムの授受を行う。
【0044】
制御部110は、図1および図3に示すように、本体部150に格納されており、主として、プログラムや変数等を格納するメモリ111と、メモリ111に格納されるプログラムに従った制御を実行するCPU112と、外部インタフェース113とを備える。
【0045】
外部インタフェース113は、カードライタ1との間でデータの授受等を行う際に用いられる通信部である。CPU112は、メモリ111に格納されるプログラムに従って、例えば、表示部120の表示処理、カードライタ1との通信処理等を所定のタイミングで実行できる。また、CPU112は、カードライタ1から送信される写真データと、文字データとから画像データを形成する処理を所定のタイミング実行できる。
【0046】
<2.カードライタによる書み込み処理手順>
図6は、カード80に対して可視データ(画像データ)および不可視データを書込む処理の手順を示すフローチャートである。図7は、新規のカード80に対して可視データ(画像データ)および不可視データを書込む処理の手順を示すフローチャートである。また、図8は、データ更新が必要なカード80に対して可視データおよび不可視データを書込む処理の手順を示すフローチャートである。
【0047】
カード80の書込み処理では、まず、カードライタ1に挿入されたカード80の磁気ストライプ85から磁気情報(不可視データ)が読み出される(S101)。この時、磁気ストライプ85から磁気情報が読み出せない場合には(S102)、挿入されたカード80が新規カードであるか否かの判断が行われる(S103)。
【0048】
挿入されたカード80が、磁気情報も画像データも記録されていない新規カードであると判断された場合には、後述する新規カードに関する処理(図7参照)が実行される(S104)。これに対して、挿入されたカードが新規カードでないと判断された場合には、ブザー31(図2参照)から警報音を鳴らさせるとともに、LCDタッチパネル50に警告表示をする警告処理がなされる(S105)。そして、新規カードに関する処理、または、警告処理が完了すると、カード80はカードライタ1から排出されて書込み処理が終了する(S109)。
【0049】
ここで、ステップS104の「新規カードに関する処理」は、以下のようにして実行される。すなわち、図7に示すように、本処理では、まず、情報処理装置(ホスト)100からの不可視データを受信し(S201)、この不可視データを新規情報として磁気ストライプ85に書き込む(S202)。例えば、図4および図5に示す社員証の場合、カードを利用する社員に対応する識別IDを磁気ストライプ85に書き込む。
【0050】
次に、写真データをカードライタ1に入力するため、オペレータはCCDカメラ40による写真撮影を実行する(S203)。LCDタッチパネル50に表示された撮影結果が不適切な場合(例えば、撮像対象物が撮影範囲外にはみ出している場合)には、ステップS203による写真撮影を再度実行する。
【0051】
これに対して、撮影結果が適切な場合には、CCDカメラ40によって撮像された写真データが情報処理装置(ホスト)100に送信される(S205)。カードライタ1からの写真データを受信した情報処理装置100は、必要な場合、写真データと文字データとを合成した画像データを作成する。例えば、図4および図5に示す社員証の場合、情報処理装置100は、カード利用者の写真データと、カード利用者の氏名、社員番号、および直近の勤務時間に関する文字データとを合成した画像データを作成する。また、情報処理装置100は、大容量記憶部140に格納されたデータベース141に受信した写真データを登録する。
【0052】
情報処理装置100で合成された画像データをカードライタ1が受信すると(S206)、カードライタ1は、モータ22aおよびサーマルヘッド24aの動作を制御することにより、この受信した画像データをカード80の表示部81に記録する(S207)。そして、画像データの発色処理が完了すると、新規カードに関する処理(図6のS104)が終了し、図6のフローチャートに戻る。
【0053】
一方、磁気ストライプ85から磁気情報が読み出せた場合、磁気ストライプ85に記録された磁気情報、および/または、表示部81の画像データを更新すべきか否かを問い合わせるため、読み出した磁気情報のうちカード80の識別IDを情報処理装置(ホスト)100に送信する(S106)。カードライタ1からの識別IDを受信した情報処理装置100は、この識別IDに基づいてデータベース141(図3参照)を検索する。
【0054】
磁気情報、および/または、画像データに更新すべき情報が存在する場合(S107)、カードライタ1では、後述する更新処理(図8参照)が実行される(S108)。そして更新処理が完了すると、カード80がカードライタ1から排出され、書込み処理が終了する(S109)。
【0055】
これに対して、更新すべき情報がない場合には、更新処理を実行することなくカード80がカードライタ1から排出され、書込み処理が終了する(S109)。
【0056】
ここで、ステップS108の「更新処理」は、以下のようにして実行される。すなわち、図8に示すように、本処理では、まず、情報処理装置(ホスト)100から送信される更新情報(不可視データ)を受信する(S301)。次に、磁気ストライプ85の磁気情報(不可視データ)のうち更新すべきデータを消去するとともに(S302)、情報処理装置100からの更新情報を磁気ストライプ85に書き込む(S303)。
【0057】
続いて、写真データをカードライタ1に入力するため、オペレータはCCDカメラ40による写真撮影を実行する(S305)。LCDタッチパネル50に表示された撮影結果が不適切な場合には、ステップS305による写真撮影を再度実行する。
【0058】
これに対して、撮影結果が適切な場合には、CCDカメラ40によって撮像された写真データが情報処理装置(ホスト)100に送信される(S307)。カードライタ1からの写真データを受信した情報処理装置100は、必要な場合、写真データと文字データとを合成した画像データを作成する。また、情報処理装置100は、大容量記憶部140に格納されたデータベース141に受信した写真データを登録する。
【0059】
情報処理装置100で合成された画像データをカードライタ1が受信すると(S308)、カードライタ1は、モータ22a、サーマルヘッド24a、および消去ヘッド25aの動作を制御することにより、表示部81に既に記録された画像データを消去し、続いて、この受信した画像データをカード80の表示部81に記録する(S309)。そして、画像データの発色処理が完了すると、更新処理(図6のS108)が終了し、図6のフローチャートに戻る。
【0060】
<3.本実施の形態のカードライタの利点>
以上のように、本実施の形態のカードライタ1は、表示部81に画像データを記録するサーマルヘッド24aと、表示部81に記録された画像データを消去する消去ヘッド25aと、CCDカメラ40と、制御部10とが一体的に構成される。そのため、他の装置を使用することなく、写真データの記録されたカード80を即時発行できる。また同様に、写真データを含む画像データの書き換え処理も即時に実行できる。
【0061】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0062】
(1)本実施の形態のCCDカメラ40は、本体部60に回動可能に取り付けられるが、これに限定されるものでなく、例えば、本体部60から着脱自在としてもよい。すなわち、撮影時には、本体部60から取り外して撮像対象を撮影できるようにしてもよい。
【0063】
(2)本実施の形態のカード80において、不可視データは磁気データとして記録されるが、これに限定されるものでなく、例えば、記憶部としてRF−ID(Radio Frequency IDentification)タグを使用し、不可視データを電子データとして記録してもよい。
【0064】
(3)また、本実施の形態の表示部81は、カード80の表面に設けられているが、これに限定されるものでなく、裏面に設けてもよいし、表裏の両面に設けてもよい。
【0065】
(4)本実施の形態の更新処理(図8参照)では、磁気ストライプ85の不可視データおよび表示部81画像データの両者を更新する場合について説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、画像データだけを更新してもよいし、不可視データだけを更新してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態におけるカードライタおよび情報処理装置の全体構成の一例を示す図である。
【図2】カードライタの機能構成を説明するための図である。
【図3】情報処理装置の機能構成を説明するための図である。
【図4】感熱カードの一例を示す図である。
【図5】感熱カードの一例を示す図である。
【図6】感熱カードに対して可視データおよび不可視データを書き込む処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】新規の感熱カードに対して可視データおよび不可視データを書き込む処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】データ更新が必要な感熱カードに対して可視データおよび不可視データを書き込む処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 カードライタ
5、180 信号線
10 制御部
40 CCDカメラ
41 可動部
42 レンズ
50 LCDタッチパネル
60 本体部
70 開口部
80 カード
81 表示部
82 文字データ部
83 写真データ部
85 磁気ストライプ
100 情報処理装置
110 制御部
120 表示部
130 入力部
140 大容量記憶部
160 本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き換え自在な表示部を有する感熱カードに、所定の画像データを発色させるカードライタであって、
(a) 前記表示部に画像データを発色させる発色手段と、
(b) 前記表示部の画像データを消去する消去手段と、
(c) 写真データの入力を可能とする撮像手段と、
(d) 前記発色手段を制御して、前記撮像手段によって撮像された写真データに基づいて形成される画像データを前記表示部に記録する制御手段と、
を備えることを特徴とするカードライタ。
【請求項2】
請求項1に記載のカードライタにおいて、
(e) 前記感熱カードに設けられた記憶部に対して不可視データの読み書きを可能とする不可視データ記録部、
をさらに備えることを特徴とするカードライタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカードライタにおいて、
(f) 前記撮像手段によって撮像された写真データを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
(g) 前記情報処理装置において前記送信手段によって送信された写真データに基づいて形成されるとともに、前記情報処理装置から送信される画像データを受信する受信手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記受信手段によって受信された画像データを前記表示部に記録させることを特徴とするカードライタ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカードライタにおいて、
前記発色手段と、前記消去手段と、前記撮像手段と、前記制御手段とは1つの筐体に設けられていることを特徴とするカードライタ。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカードライタにおいて、
前記記憶部は、磁気ストライプであることを特徴とするカードライタ。
【請求項6】
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカードライタにおいて、
前記記憶部は、RF−IDタグであることを特徴とするカードライタ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のカードライタにおいて、
前記表示部は、ロイコ染料を含むことを特徴とするカードライタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−212906(P2006−212906A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27266(P2005−27266)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】