説明

カード管理方法およびカード管理システム

【課題】遊技設備機器で使用される複数種類のカードの管理に係わる遊技者の負担を軽減することのできるカード管理方法およびカード管理システムを提供する。
【解決手段】1台の遊技設備機器にビジターカードと会員カードの双方がセットされたとき、これらのカードに対応付けられている残高を合計し、この合計残高を会員カードに対応付けて登録し、ビジターカードのカードに対応付けられている残高をゼロにし、このビジターカードを回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ球を貸し出す台間玉貸機などの遊技設備機器で利用可能な所定の価値の残高を、この遊技設備機器にセットして使用されるカード毎に管理するカード管理方法およびカード管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコホールなどの遊技店では、会員登録を申し込んだ遊技者に会員カードを発行し、この会員カードを顧客管理や会員サービスの向上に利用している。会員カードの利用形態には、来店時に提示を求める形態と、遊技機で遊技をする際にその遊技機に並設されている台間玉貸機などの遊技設備機器に会員カードを挿入してもらう形態とがある。
【0003】
いずれの形態においても、遊技媒体の貸し出し料金の支払いは基本的に現金もしくはプリペイドカードを利用して行なわれる。従って、後者の形態の場合には、会員の遊技者は、会員カードとプリペイドカードの2種類のカードを台間玉貸機などの遊技設備機器に挿入して遊技を行なっていた。また、他の遊技機に移動するときは、会員カードとプリペイドカードの双方を抜き取り、移動先の装置に改めてセットして遊技を行なっていた。
【0004】
このような2種類のカードの管理に係わる会員遊技者の負担を軽減するべく、プリペイドカードの購入時に会員カードを提示し、この会員カードから読み取った会員コードを、今回発行するプリペイドカードのカードIDに対応付けて登録し、以後はプリペイドカードをセットするだけで遊技者の会員を特定し得るようにした遊技システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−54668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の遊技システムでは、会員カードを併用することなくプリペイドカードを使用するだけで会員として遊技を楽しむことができるものの、プリペイドカードを購入する際には、会員カード、購入代金、発行されたプリペイドカード、つり銭など多くのものを管理しなければならない。このため、会員に多くの負担が掛かり、つり銭や会員カード、プリペイドカードの取り忘れが生じ易かった。
【0007】
また、購入したプリペイドカードには、会員カードの情報が記憶されているので、情報漏れを防ぐために、使用済みのプリペイドカードを簡単に処分することができなかった。このため、会員は、使用済みのプリペイドカードも管理しなければならず、カードの管理に係わる会員遊技者の負担が増大してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとする課題にするものであり、遊技設備機器で使用される複数種類のカードの管理に係わる遊技者の負担を軽減することのできるカード管理方法およびカード管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係わる発明は、遊技設備機器(10)で利用可能な所定の価値の残高を、前記遊技設備機器(10)にセットして使用されるカード(81、85)毎に管理するカード管理方法であって、
1台の遊技設備機器(10)に複数枚のカード(81、85)がセットされたとき、これらのカード(81、85)に対応付けられている残高を合計し、この合計残高を前記複数枚の中の1枚のカード(85)に対応付けて登録し、残りのカード(81)に対応付けられている残高をゼロにする
ことを特徴とするカード管理方法である。
【0010】
上記発明によれば、1台の遊技設備機器(10)に複数枚のカード(81、85)がセットされたとき、これらのカード(81、85)に対応付けられている残高がいずれか1枚のカード(85)に集約される。残高は、カード自身に記録して管理してもよいし、データベースなどの記憶装置で管理してもよい。後者の場合、カードにはカード番号などの識別情報を登録しておき、データベースにカードの識別情報とそのカードの残高情報とを対応付けて記憶すればよい。
【0011】
複数枚のカード(81、85)は、遊技設備機器(10)にセットして使用されるカードであれば同一種類のカードでも異なる種類のカードでもよい。
【0012】
また、1台の遊技設備機器(10)に複数枚のカード(81、85)をセットする際のセット方法は問わない。たとえば、異なるカード挿入口(19、21)に個別に挿入するほか、共通のカード挿入口を設け、1枚目のカードの内容を読み取って排出または回収した後、同じ挿入口に2枚目のカードを挿入することで、これら2枚のカードがセットされたものとして扱うように構成してもよい。後者の場合、各カードの残高情報はデータベースなどカード以外の記憶装置で管理される。
【0013】
請求項2に係わる発明は、前記カードには、カードの持ち主が登録された会員カード(85)と、カードの使用者が不特定なビジターカード(81)とがあり、
1台の遊技設備機器(10)に会員カード(85)とビジターカード(81)とがセットされたとき、ビジターカード(81)の残高を会員カード(85)に集約する
ことを特徴とする請求項1に記載のカード管理方法である。
【0014】
上記発明によれば、ビジターカード(81)の残高が会員カード(85)に集約される。会員カード(85)はその会員専用のカードであり、会員カードにはその持ち主の会員に係わる各種の情報が対応付けて登録される。会員カード(85)に残高を集約することで、会員は会員カード(85)のみを管理すればよく、カードの管理負担が軽減される。
【0015】
請求項3に係わる発明は、遊技設備機器(10)に会員カード(85)がセットされたとき、その会員カード(85)の持ち主を認証し、
この認証に成功したときは、その会員カード(85)に対応付けて登録されている残高の使用を許可し、
認証に失敗したときは、その会員カード(85)に対応付けて登録されている残高の使用を禁止する
ことを特徴とする請求項2に記載のカード管理方法である。
【0016】
上記発明によれば、会員カード(85)は、その使用に際して持ち主の認証を要する。認証に失敗したときは、会員カード(85)の残高を使用することが禁止される。認証を要する会員カード(85)に残高を集約すれば、カードを紛失した場合でも他人はその残高を使用できないので、セキュリティ性が向上する。
【0017】
請求項4に係わる発明は、遊技設備機器(10)と、前記遊技設備機器(10)で利用可能な所定の価値の残高を、前記遊技設備機器(10)にセットして使用されるカード毎に管理する管理装置(100)とを有し、
前記管理装置(100)は、1台の遊技設備機器(10)に複数枚のカード(81、85)がセットされたとき、これらのカードに対応付けられている残高を合計し、この合計残高を前記複数枚の中の1枚のカード(85)に対応付けて登録し、残りのカード(81)に対応付けられている残高をゼロにする
ことを特徴とするカード管理システムである。
【0018】
上記発明によれば、1台の遊技設備機器(10)に複数枚のカード(81、85)がセットされたとき、これらのカードに対応付けられている残高がいずれか1枚のカード(85)に集約される。カードにはカード番号などの識別情報が登録される。管理装置(100)は、カードの識別情報とそのカードの残高情報とを対応付けて記憶し管理する。たとえば、複数台の遊技設備機器(10)を管理装置(100)に接続し、カードに係わる情報を1台の管理装置(100)で集中管理するとよい。なお、各カードにも残高情報を記録しておき、管理装置(100)が障害等で使用できないとき、カードに記録された情報に基づいて残高を利用可能に構成してもよい。
【0019】
請求項5に係わる発明は、前記カードには、持ち主が登録された会員カード(85)と、使用者が不特定なビジターカード(81)とがあり、
前記管理装置(100)は、1台の遊技設備機器(10)に会員カード(85)とビジターカード(81)とがセットされたとき、ビジターカード(81)の残高を会員カード(85)に集約する
ことを特徴とする請求項4に記載のカード管理システムである。
【0020】
上記発明によれば、ビジターカード(81)の残高が会員カード(85)に集約される。
【0021】
請求項6に係わる発明は、前記遊技設備機器(10)は、会員カード(85)がセットされたとき、会員カード(85)の持ち主を認証するための認証情報の入力を受け付け、前記会員カード(85)から読み取った会員カード(85)の識別情報と前記受け付けた認証情報とを前記管理装置(100)に送信し、
前記管理装置(100)は、遊技設備機器(10)から送られてきた識別情報と認証情報とに基づいて会員カード(85)の持ち主の認証を行ない、認証に成功したときは、その会員カード(85)に対応付けて登録されている残高の使用を許可し、認証に失敗したときは、その会員カード(85)に対応付けて登録されている残高の使用を禁止する
ことを特徴とする請求項5に記載のカード管理システムである。
【0022】
上記発明によれば、遊技設備機器(10)は会員カード(85)の使用に際して持ち主の認証情報の入力を求め、入力された認証情報に基づいて管理装置(100)で持ち主の認証を行なう。認証に失敗したときは、会員カード(85)に対応付けて登録されている残高の使用が禁止される。真正な持ち主か否かを遊技設備機器(10)から管理装置(100)に問い合わせるので、認証用の情報を管理装置(100)で一元管理することが可能になる。
【0023】
請求項7に係わる発明は、前記遊技設備機器(10)は、ビジターカード(81)を複数枚収容可能なカード収容部(41)を備え、セットされているビジターカード(81)の残高がゼロになったとき、このビジターカード(81)を前記カード収容部(41)に回収する
ことを特徴とする請求項5または6に記載のカード管理システムである。
【0024】
上記発明によれば、残高がゼロになったビジターカード(81)は遊技設備機器(10)が有するカード収容部(41)に回収される。
【0025】
請求項8に係わる発明は、前記遊技設備機器(10)は、ビジターカード(81)を複数枚収容可能なカード収容部(41)を備え、このカード収容部(41)から繰り出してビジターカード(81)を発行する
ことを特徴とする請求項7に記載のカード管理システムである。
【0026】
上記発明によれば、遊技設備機器(10)が有するカード収容部(41)から新たなビジターカード(81)が発行される。回収機能と発行機能の双方を備えることで、回収したビジターカード(81)を新たに発行するビジターカード(81)としてリサイクルすることができる。
【0027】
請求項9に係わる発明は、前記カード収容部(41)は、ビジターカード(81)を水平な状態で垂直方向に積層して収容する
ことを特徴とする請求項7または8に記載のカード管理システムである。
【0028】
上記発明によれば、ビジターカード(81)は水平な状態で垂直方向に積層されてカード収容部(41)に収容される。遊技機と遊技機との間の隙間に設置される台間玉貸機のように横幅に厳しい制限のある遊技設備機器(10)においても、カード収容部(41)を垂直方向に延ばすことでビジターカード(81)の収容枚数の増加が可能になる。
【0029】
請求項10に係わる発明は、当該遊技設備機器(10)の前面が長方形を成し、
前記カード収容部(41)は、ビジターカード(81)をその面が前記長方形を成す前面の長辺方向と垂直になる状態で積層して収容する
ことを特徴とする請求項7または8に記載のカード管理システムである。
【0030】
上記発明によれば、ビジターカード(81)は、その面が遊技設備機器(10)の前面の長辺方向と垂直な状態で積層されてカード収容部(41)に収容される。前面の短辺方向の長さに厳しい制限のある遊技設備機器(10)においても、収容可能枚数の増大が可能になる。
【0031】
請求項11に係わる発明は、前記遊技設備機器(10)は、カードの種類毎に、カード挿入口(19、21)およびカードのリードライト装置(40、60)を有する
ことを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9または10に記載のカード管理システムである。
【0032】
上記発明によれば、たとえば、カードとして、ビジターカード(81)と会員カード(85)がある場合に、それぞれのカードについてカード挿入口(19、21)とリードライト装置(40、60)とが設けられる。カードの種類毎にカードおよびカード挿入口(19、21)の形状を相違させれば、間違ったカード挿入口へのカードの誤投入が防止される。
【0033】
請求項12に係わる発明は、前記遊技設備機器(10)は、隣り合うカード挿入口(19、21)を、これらのカード挿入口(19、21)に挿入されたカード(81、85)の面が相互に垂直になる向きに設定した
ことを特徴とする請求項11に記載のカード管理システムである。
【0034】
上記発明によれば、たとえば、遊技設備機器(10)の前面に、縦に細長く開口したカード挿入口(19)と、横に細長く開口したカード挿入口(21)とが交互に配置される。
【0035】
請求項13に係わる発明は、前記カードは、電磁界を利用した非接触型無線カードであり、
前記遊技設備機器(10)は、前記カードのリードライト装置(40、60)を複数備え、
隣り合う前記リードライト装置(40、60)のアンテナ部(43、62)の指向性を相互に異なる向きに設定した
ことを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9、10、11または12に記載のカード管理システムである。
【0036】
上記発明によれば、隣り合うリードライト装置(40、60)のアンテナ部(43、62)の指向性が相互に異なる向きに設定される。通常、リードライト装置(40、60)のアンテナ部(43、62)は、定位置にセットされた非接触型無線カードへ電力や信号を効率よく伝送するために、その指向性は、セットされた非接触型無線カードの方向に設定される。
【0037】
したがって、隣り合うリードライト装置(40、60)のアンテナ部(43、62)の指向性を相互に異なる向きに設定することで、各リードライト装置(40、60)のアンテナ部(43、62)の生成する電磁界が、隣りのリードライト装置(40、60)にセットされた非接触型無線カードや隣りのリードライト装置(40、60)における信号受信に与える影響が低減され、隣り合うリードライト装置(40、60)の配置間隔を狭くすることが可能になる。
【0038】
請求項14に係わる発明は、隣り合う前記リードライト装置(40、60)のアンテナ部(43、62)の指向性を相互に90度相違させた
ことを特徴とする請求項13に記載のカード管理システムである。
【0039】
上記発明によれば、隣り合う前記リードライト装置(40、60)のアンテナ部(43、62)の指向性が、互いの影響を最も受け難い向きに設定される。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係わるカード管理およびカード管理システムによれば、1台の遊技設備機器に複数枚のカードがセットされたとき、これらのカードに対応付けられている残高をいずれか1枚のカードに集約するので、複数種類のカードの管理に係わる遊技者の負担を軽減することができる。
【0041】
会員カードとビジターカードとがセットされたとき、ビジターカードの残高を会員カードに集約するものでは、会員にとって不可欠な会員カードに残高が集約されるので、会員は、自分の会員カード1枚だけを管理すればよくなり、カードの管理に係わる会員遊技者の負担を最小限にすることができる。
【0042】
会員カードを使用するにあたって持ち主の認証を要するものでは、会員カードを紛失した場合でも他人がその残高を使用できないので、セキュリティ性が向上する。また、紛失時点の登録情報を再現して会員カードを再発行することが可能になる。特に、ビジターカードの残高を会員カードに集約すれば、残高に係わるセキュリティ性が向上する。
【0043】
ビジターカードを水平な状態で垂直方向に積層してカード収容部に収容するものでは、遊技機と遊技機との間の隙間に設置される台間機のように横幅に厳しい制限のある遊技設備機器においても、カード収容部を垂直方向に延ばすことでビジターカードの収容枚数の増加が可能になる。同様に、ビジターカードをその面が遊技機設備機器の前面の長辺方向と垂直な状態で積層してカード収容部に収容するものでは、前面の短辺方向の長さに厳しい制限のある遊技設備機器においても、前面の長辺方向に非接触型無線カードを積層して収容することで収容可能枚数の増大が可能になる。
【0044】
カードが電磁界を利用した非接触型無線カードである場合に、隣り合うリードライト装置のアンテナ部の指向性を相互に異なる向きに設定したものでは、各リードライト装置は隣りのリードライト装置が生成する電磁界の影響を受け難くなり、隣り合うリードライト装置を近接配置することが可能になる。特に、隣り合うリードライト装置のアンテナ部の指向性を相互に90度相違させるものでは、各リードライト装置の生成する電磁界が隣りのリードライト装置に与える影響が最も低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0046】
図2は、本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器10の遊技場における設置状態の一例を示している。遊技場内には、遊技機としてのパチンコ機3と、このパチンコ機3で使用するパチンコ球(遊技媒体)を遊技者に貸し出す遊技設備機器10とを一組にしたものを多数並設して表裏両面に収容した遊技機島4が設けてある。また、遊技場の管理室には後述する管理装置100が設置されている。遊技機島4に収容された遊技機3や遊技設備機器10は、図示省略のネットワークを通じて管理装置100に接続されている。
【0047】
各遊技機島4において、隣り合うパチンコ機3同士の間隔は40ミリであり、この狭い空間に遊技設備機器10は収められる。なお、遊技設備機器10は、組み合わされているパチンコ機3にパチンコ球の払出信号を送出し、これを受けたパチンコ機3が自機の上皿5にパチンコ球を排出する、いわゆるCRサンド機として構成されている。
【0048】
遊技設備機器10は、パチンコ球の貸し出し用の代金や金銭価値などを遊技者が管理するためのカードとして、ビジターカードと、会員カードの2種類を取り扱うことができる。これらのカードはいずれも非接触型無線カードであり、情報を書き換え可能に記憶する機能を備えている。
【0049】
ビジターカードは、使用者を特定しないプリペイド方式のカードであり、カードに対応付けて登録されている残高分だけ、パチンコ球の貸し出しを受けることができる。また、ビジターカードは、データを書き換えて何度も使用可能な、いわゆるリサイクルカードであり、残高がなくなると回収され、新規に発行するビジターカードとして再利用されるようになっている。
【0050】
会員カードは、持ち主の会員と1対1に対応付けされたカードであり、遊技設備機器10へ挿入することで遊技者の会員が特定される。会員カードを投入することにより、その会員が保有している残高や貯玉の利用等が可能になる。会員カードの使用には、暗証番号による持ち主の認証を必要とする。また、会員カードには、カード番号が刻印されている。
【0051】
図3は、遊技設備機器10の前面(正面)を示している。遊技設備機器10はその前面が長方形を成しており、長方形の短辺が水平になるようにして設置される。遊技設備機器10の前面には、上から下に向けて順に、状態表示ランプ11と、紙幣挿排口12と、度数表示部13と、表示部14と、操作部15と、受光部16と、キー穴17と、ビジターカード確認LED18と、ビジターカード挿入口19と、会員カード確認LED20と、会員カード挿入口21とが設けられている。
【0052】
状態表示ランプ11は、遊技設備機器10の運用状態を表示するランプである。紙幣挿排口12は、パチンコ球の貸し出し代金となる紙幣の投入および投入された紙幣の返却を行なうための開口である。度数表示部13は、使用中のカードの残高を表示するための表示部である。表示部14は、貯玉による再プレイ利用可能度数や会員情報など各種の情報が表示される表示部である。
【0053】
操作部15は、カードの残高から貸し出しに使用する金額や暗証番号などを入力するためのテンキーやその他の入力キーで構成される。受光部16は、遊技場の係員が操作するリモコンが送出する光信号を受光するための受光窓である。キー穴17は、遊技設備機器10を手前に引き出し不能に遊技機島4に固定するロック機構を解除する鍵を挿入するための鍵穴である。
【0054】
ビジターカード確認LED18は、ビジターカードの状態を表示するためのランプである。ビジターカード挿入口19はビジターカードの挿入および排出が行なわれる開口部である。ビジターカード挿入口19は、ビジターカードを水平な状態で挿入するように、水平方向に細長い矩形状に開口している。すなわち、ビジターカード挿入口19は、遊技設備機器10の長方形を成す前面の短辺方向に細長い矩形状に開口している。
【0055】
会員カード確認LED20は、会員カードの状態表示を行なうランプである。会員カード挿入口21は、会員カードの挿入および排出が行なわれる開口部である。会員カード挿入口21は会員カードを垂直にして挿入するように、垂直方向に細長い矩形状に開口している。
【0056】
図4は、遊技設備機器10の左側面を示している。遊技設備機器10の内部には、投入された紙幣の真偽や金額を判定する紙幣識別機31や払い出しに係わる各種の制御を行なう制御基板32、33などが収容されている。また、遊技設備機器10の背面には、パチンコ機3に払出信号を送出したり、管理装置100との間で売上げに係わるデータや会員情報などを送受信したりするための外部出力端子板34が設けてある。
【0057】
ビジターカード挿入口19に対応する位置には、ビジターカードに対するリード/ライト機能やビジターカードをストックする機能を果たす第1のリードライト装置40が取り付けてある。会員カード挿入口21に対応する位置には、会員カードに対する情報の読み出しおよび書き込み書き換えを行なう第2のリードライト装置60が設けてある。第1のリードライト装置40の下方で第2のリードライト装置60の奥手にはこれらの動作を制御するカード制御基板37が設けてある。
【0058】
図5は、ビジターカードの外観を示している。ビジターカード81は、厚さ数ミリの扁平な長方形を成しており、その平面形状は、たとえば、長方形の短辺(幅)が約25mm、長辺(長さ)が約60mmになっている。ビジターカード81には、外部から電磁的に電力の供給を受けて動作するICタグ82とアンテナ83が内蔵されている。ICタグ82は、RFID(Radio Frequency IDentification、電波方式非接触識別)方式を使用した無線ICタグである。アンテナ83は、アンテナ線を周回させたループアンテナになっている。
【0059】
ICタグ82は、図示省略の電力生成部と、通信部と、書き換え可能な不揮発性メモリと、CPU(中央処理装置)とを有している。ICタグは、受信したデータを不揮発性メモリに書き込んだり、不揮発性メモリに記憶されているデータを読み出して無線送信したりする機能を備えている。
【0060】
ビジターカード81のICタグ82には、カードIDと、残高と、書換回数と、発券番号と、機械番号とが記録される。カードIDは、ICタグのメーカがそのICタグに割り当てた固有の識別情報であり、製造時のシリアル番号などが使用される。カードIDの書き換えはできない。書換回数は、このビジターカードでデータが書き換えられた合計回数を示している。ビジターカードは、書き換えの上限回数が決まっているため、書き換えの合計回数を把握して、ビジターカードの交換時期を管理するようになっている。
【0061】
発券番号は、当日この遊技場で発券されたビジターカードのそれぞれに管理装置100が付与する固有の識別番号であり、たとえば、発券順を表わしたシリアル番号が用いられる。機械番号は、遊技設備機器10に割り当てられている固有の識別番号である。ビジターカードには、当該ビジターカードがセットされている遊技設備機器10の機械番号が記録される。ビジターカードに記録される機械番号は、遊技媒体の貸し出しを行なうたびに書き換えられる。
【0062】
図6は、会員カードの外観を示している。会員カード85は、厚さ数ミリの扁平な長方形を成しており、その平面形状は、たとえば、長方形の短辺(幅)が約40mm、長辺(長さ)が約60mmになっている。会員カード85はビジターカード81と同様に、アンテナ87と、RFID方式のICタグ86とを内蔵している。アンテナ87は、アンテナ線を周回させたループアンテナになっている。会員カード85のICタグ86には、会員番号のほか残高や貯玉その他の会員情報が記録される。
【0063】
図7は、第1のリードライト装置40および第2のリードライト装置60の概略構成を示している。第1のリードライト装置40は、ビジターカード81をその面が遊技機設備機器10の長方形を成す前面の長辺方向と垂直になる状態で積層して収容するカード収容部41を備えている。また第1のリードライト装置40は、ビジターカード挿入口19とカード収容部41との間でビジターカード81を水平な状態で真っ直ぐに搬送する搬送部42と、その搬送経路の途中に設けられたアンテナ43とを備えている。
【0064】
カード収容部41は、ビジターカード81をその面が遊技設備機器10の長方形を成す前面の長辺方向と垂直になる状態(ここでは、水平な状態)で積層して収容するための空間を構成する側壁部と天井部とを有し、下部は開放されている。
【0065】
搬送部42の搬送経路は、カード収容部41の開放された下部に配置されて実質的にカード収容部41の底部を成すアイドリングローラ44および繰り出しローラ45と、カード収容部41とビジターカード挿入口19と間に所定間隔を空けて配置された一対の搬送ローラ46、47とで構成される。各搬送ローラ46、47の上方には、これらの上面をバネで付勢されて押圧するピンチローラ46a、47aがそれぞれ設けてある。
【0066】
搬送ローラ46、47および繰り出しローラ45は、モータ48によりギア、プーリ、タイミングベルトを通じて回転駆動される。モータ48を正転駆動するとビジターカード挿入口19からカード収容部41に向けてビジターカード81が搬送され、逆転駆動するとカード収容部41からビジターカード挿入口19に向けてビジターカード81が搬送される。
【0067】
搬送経路の途中には、搬送されるビジターカード81の有無および位置を検知するための第1から第3のカードセンサ51〜53が設けて有る。これらは、発光部と受光部とを対向配置した透過型の光センサである。
【0068】
カード収容部41の下部には、カード収容部41に収容されているビジターカード81を上方に押し上げるカード上げ機構54が設けてある。カード上げ機構54は、ソレノイド55によって駆動され、このソレノイド55がオンの間、カード収容部41に収容されているビジターカード81を上方に押し上げ、繰り出しローラ45と接触しない状態を形成するようになっている。カード収容部41に収容されているビジターカード81をカード上げ機構54で上方に押し上げることで、モータ48の駆動中にカード収容部41からビジターカード81が不必要に繰り出されたり、繰り出しローラ45がビジターカード81を不要に擦って痛めたりすることを防止するようになっている。
【0069】
搬送ローラ46と搬送ローラ47との間の搬送経路の上方には、アンテナ43が設置されている。アンテナ43の直下の位置が、ビジターカード81に第1のリードライト装置40が情報を読み書きするためのアクセス位置になっている。
【0070】
図8は、アンテナ43を上方から見た平面図である。アンテナ43は、同図に示すようにアンテナ線56を周回させたコイル状のループアンテナであり、ループの面が水平になる(アクセス位置に停止したビジターカード81と対向する)ように設置されている。
【0071】
このアンテナ43に、電流を図8の矢印Aで示す向き(右回り)に流すと、右ねじの法則に従って磁場(磁界、電磁波)Bが発生する。
【0072】
図9は、図8に示すアンテナ43のC−C断面である。磁場Bはアンテナ43の中央付近ではループの面とほぼ垂直な方向に向かっている。すなわち、アンテナ43が生成する磁場Bは、アンテナ43の中央付近ではループの面とほぼ垂直方向に指向性を持っている。アンテナ43はループの面が水平になるように設置されているので、アンテナ43が生成する磁場Bは垂直方向(鉛直方向)に指向性を持っている。
【0073】
図7に示すように、第2のリードライト装置60は、会員カード85が定位置まで挿入されたことを検知するカード検知スイッチ61と、アンテナ62と、挿入された会員カード85を定位置で固定する板ばね63とを備えている。
【0074】
アンテナ62は、第1のリードライト装置40のアンテナ43と同様にアンテナ線を周回させたコイル状のループアンテナである。アンテナ62は、ループの面が垂直になるように配置されており、発生する磁場はアンテナ62の中心付近で水平方向に指向性を持っており、第1のリードライト装置40のアンテナ43と指向性が90度相違するように設定されている。
【0075】
このようにカードの種類毎にリードライト装置を設けることで、会員カード専用、ビジターカード専用、および両機能を併せ持つ3種類のカード式遊技設備機器を大幅な仕様変更すること無く実現し、どのタイプからでも他のタイプに仕様を変更させることが可能になる。これにより、一度、遊技場に設置された場合でも仕様変更または追加仕様変更を行なう場合には、リードライト装置の交換ユニットまたは追加ユニットを用意することで簡単に仕様変更に対応することができる。また会員カードとビジターカードの挿入口がそれぞれに用意され、しかもそれらの形状や向きが相違しているので、カードの誤挿入が防止される。
【0076】
図10は、第1のリードライト装置40のアクセス位置にセットされたビジターカード81とアンテナ83との位置関係および磁場の様子を示す原理図である。図10に示す各アンテナの形状や大きさは原理を説明するために適宜調整してある。
【0077】
第1のリードライト装置40のアンテナ43で発生した磁場Bの変化により、カード側のアンテナには、図9に示した右ねじの法則と逆の現象(電磁誘導)がレンツの法則に従って生じ、誘導起電力が発生して電流が流れる。ある回路に発生する誘導起電力の大きさは、その回路を通る磁束数が単位時間に変化する割合に比例する。また、磁束数は、回路のなす面を通る磁束の垂直成分である。したがって、第1のリードライト装置40のアンテナ43で発生した磁場Bとカード側のアンテナのループの面とが直交する位置関係のとき電磁誘導の効率が最も良くなり、磁場Bとカード側のアンテナのループの面とが平行になる位置関係のとき電磁誘導の効率が最も悪くなる。
【0078】
第1のリードライト装置40のアンテナ43とビジターカード81のアンテナ83とは、アクセス位置においてアンテナのループの面が互いに平行に対向しており、第1のリードライト装置40のアンテナ43が生成した磁場Bは、ビジターカード81のアンテナ83のループの中をそのループの面と直交するように横切っている。上記したように、このような位置関係では、第1のリードライト装置40のアンテナ43で生成した磁場Bの変化に基づく電磁誘導(相互誘導作用)によってビジターカード81のアンテナ83に比較的効率良く誘導起電力が生じて電流が流れる。すなわち、第1のリードライト装置40から送られた電力および信号は磁場Bを通じてビジターカード81へ効率良く伝達される。
【0079】
一方、第2のリードライト装置60にセットされた会員カード85およびそのアンテナ87は、第1のリードライト装置40のアンテナ43に対して図10の破線で示す位置関係にある。すなわち、第1のリードライト装置40のアンテナ43のループの面と会員カード85のアンテナ87のループの面とは直交する位置関係にあり、第1のリードライト装置40のアンテナ43で生成した磁場Bは、会員カード85のアンテナ87のループの中をほとんど横切らない。このような位置関係では、第1のリードライト装置40のアンテナ43で生成した磁場Bによる電磁誘導(相互誘導作用)によって会員カード85のアンテナ87に誘導起電力がほとんど発生せず、電流が流れない。
【0080】
すなわち、ビジターカード81のアンテナ83の向きは、第1のリードライト装置40のアンテナ43が生成した磁場Bに基づく電磁誘導にとって最も効率の良い(相互インダクタンスが最も大きくなる)向きであり、会員カード85のアンテナ87は最も効率の悪い(相互インダクタンスが最も小さくなる)向きになっている。
【0081】
同様に第2のリードライト装置60のアンテナ62と第2のリードライト装置60にセットされた会員カード85のアンテナ87とは、互いのループの面が平行に対向して電磁誘導(相互誘導作用)にとって最も効率の良い位置関係にある。一方、第2のリードライト装置60のアンテナ62と第1のリードライト装置40にセットされたビジターカード81のアンテナ83とはループの面が直交し、電磁誘導(相互誘導作用)にとって最も効率の悪い位置関係にある。
【0082】
このように、第1のリードライト装置40のアンテナ43と第2のリードライト装置60のアンテナ62とは指向性が90度相違しており、電磁界の影響(相互誘導作用)を相互に最も受け難い位置関係になっている。その結果、他方の生成した電磁界の影響を相互に受け難く、第1のリードライト装置40と第2のリードライト装置60とを近接配置することができる。
【0083】
また、第1のリードライト装置40を、そのカード収容部41に収容されるビジターカード81が水平な状態で垂直方向に積層される向きにして配置したので、横幅に厳しい制限のある遊技設備機器10においても、カード収容部41を垂直方向に延ばすことで多数のビジターカード81を収容可能になっている。
【0084】
図11は、遊技設備機器10の電気的構成を示している。制御基板32、33は、CPU(中央処理装置)とROM(リード・オンリ・メモリ)とRAM(ランダム・アクセス・メモリ)とを主要部として構成されている。また、制御基板32、33は、組み合わされているパチンコ機3や管理装置100と通信するための通信部35の機能を備えている。
【0085】
制御基板32、33には、紙幣識別機31および表示操作部36、受光部16、カード制御基板37が接続されている。この図の表示操作部36は、状態表示ランプ11、度数表示部13、表示部14、操作部15、ビジターカード確認LED18、会員カード確認LED20をまとめて簡略に表わしたものである。カード制御基板37の配下には、第1のリードライト装置40と第2のリードライト装置60とが接続されている。
【0086】
カード制御基板37は、第1のリードライト装置40および第2のリードライト装置60の動作を統括制御する図示省略のCPU(中央処理装置)とROM、RAMのほか、モータドライバ、ソレノイドドライバ、センサアンプ、通信ユニットなどを備えている。カード制御基板37は、ビジターカード81や会員カード85の挿入・排出の状態変化を制御基板32、33に通知するとともに、制御基板32、33からの指示に基づいて各カードに対するデータの書き込みや読み出しを行なうようになっている。
【0087】
図12は、管理装置100の電気的構成を示している。管理装置100は、種々のデータ処理を行なう手段としてのCPU101を有しており、このCPU101にROM102およびRAM110が接続されている。
【0088】
さらに管理装置100にはその周辺装置として、各種データを文字・図形等で表示する表示手段103や各種の指示を操作者から受け付ける操作手段104、帳票などを印刷出力するプリンタ105などが接続されている。また、CPU101には通信インターフェイスを介してパチンコ機3や遊技設備機器10、会員登録機8などが接続される。
【0089】
CPU101は、ROM102に記憶されているシステムプログラムおよびデータと、RAM110にロードされたプログラムおよびデータに従って動作する。CPU101にはバスを介して固定ディスク装置120が接続され、CPU101によって実行される種々のプログラムが固定ディスク装置120からRAM110にロードされる。
【0090】
RAM110にリード/ライトされるプログラムやデータには、カード処理プログラム111、会員情報管理プログラム112、認証処理プログラム113などがある。このほか、表示制御や操作制御、通信制御、印刷制御、売上管理などを行なう図示省略のプログラムを備えている。
【0091】
会員情報管理プログラム112は、会員登録機8から入力された登録情報に基づいて会員情報データベース121への会員登録処理や登録内容の変更処理を制御するプログラムである。会員情報データベース121には、会員毎に、氏名、性別、生年月日、会員番号、暗証番号、電話番号、住所、電子メールアドレス、趣味、職業などが登録される。これらの情報は、入会時に会員に記入してもらった会員登録申し込み用紙の内容を店員が管理装置100へ入力することで登録される。また、会員情報データベース121には、その会員の貯玉数や遊技設備機器10で遊技媒体の貸し出しに利用可能な価値の残高が会員番号に対応付けて登録される。会員は、この価値を利用して遊技媒体の貸し出しを受けることができる。
【0092】
ビジターカードデータベース122には、発行(発券)されたビジターカードのカードID毎に、遊技設備機器10で利用可能な価値の残高や発券番号などが対応付けて記憶される。カード処理プログラム111は、会員情報データベース121に登録されている会員カードの残高とビジターカードデータベース122に登録されているビジターカードの残高とを管理する機能を果たし、残高の更新などを行なうプログラムである。認証処理プログラム113は、会員カードの使用に際して入力された暗証番号と会員情報データベース121に登録されているその会員の暗証番号とを照合して会員カードの持ち主を認証する機能を果たすプログラムである。
【0093】
なお、会員カードやビジターカードに対応付けられている残高は、会員情報データベース121またはビジターカードデータベース122に登録されるほか、会員カードやビジターカード自体にも記録されるようになっている。
【0094】
このほか、固定ディスク装置120には売上げを管理するための売上データベースなどが作成される。
【0095】
図13は、紙幣が投入されたときの遊技設備機器10の動作の流れを示している。紙幣が紙幣挿排口12に投入されると(ステップS201;Y)、紙幣識別機31はその真偽および額面を判定する(ステップS202)。投入された紙幣が真正なものでない場合は(ステップS203;N)、その紙幣を紙幣挿排口12から返却して(ステップS204)処理を終了する(エンド)。
【0096】
真正な紙幣と判定した場合は(ステップS203;Y)、第2のリードライト装置60に会員カード85がセットされているか否かを調べ、セットされていないときは(ステップS205;N)、規定金額分(ここでは500円分)の遊技媒体の貸し出し(玉貸処理)を行なう(ステップS206)。紙幣の投入によって遊技媒体を貸し出した場合には、必ずつり銭が発生し、会員カード85がセットされていない場合は、ビジターカードを新規に発行し、このビジターカード81に対応付けてつり銭を登録するようになっている。
【0097】
すなわち、第1のリードライト装置40のカード収容部41から1枚のビジターカードを繰り出し第1のリードライト装置40内のアクセス位置まで搬送して停止させ(ステップS207)、つり銭に相当する残高をこのビジターカードに対応付けて登録する(ステップS208)。登録は、ビジターカードそのものへの登録と管理装置100のビジターカードデータベース122への登録の双方が行なわれる。
【0098】
会員カードがセットされているときは(ステップS205;Y)、規定金額分の遊技媒体の貸し出し(玉貸処理)を行ない(ステップS209)、この会員カードに対応付けて登録されている残高を、これにつり銭分を加算して更新する(ステップS210)。
【0099】
図14は、会員カードがセットされていない状態で遊技設備機器10に紙幣が投入された場合の動作を、遊技設備機器10と管理装置100との間の情報の授受を含めてより詳細に示したものである。遊技設備機器10は、紙幣が投入されると(P1)、規定金額分の遊技媒体を貸し出した後、第1のリードライト装置40のカード収容部41から1枚のビジターカードをアクセス位置まで繰り出す。このビジターカードからカードIDと書換回数とを読み出し、つり銭に相当する残高と、先に読み出した書換回数に+1した書換回数とをビジターカードに書き込む(P2)。
【0100】
その後、遊技設備機器10は、ビジターカードから取得したデータ(カードID、またはこれと更新後の書換回数の双方)と、投入金額と、残高と、当該遊技設備機器10の機械番号と、売上(遊技媒体の貸し出しに使用した金額)とを管理装置100に送信する(P3)。
【0101】
管理装置100は、遊技設備機器10から上記のデータを受信すると、発券番号を生成し、ビジターカードデータベース122を更新する。すなわち、残高や発券番号などを、受信したカードIDに対応つけてビジターカードデータベース122に記憶する(P4)。管理装置100は、この発券番号と残高とを先のデータの送信元の遊技設備機器10に送信する(P5)。送信元の遊技設備機器は、たとえば、先に受信した機械番号やネットワーク上のアドレスで特定する。
【0102】
遊技設備機器10は、管理装置100から受信した発券番号と機械番号とをビジターカードに書き込むとともに、書換回数を更新する(P6)。
【0103】
なお、会員カードがセットされた状態で紙幣が投入された場合にも、遊技設備機器10は、この会員カードから取得した会員番号などのデータと、投入金額と、残高と、当該遊技設備機器10の機械番号と、売上とを管理装置100に送信する。
【0104】
これを受けた管理装置100は、受信したデータに基づき会員情報データベース121を更新する。すなわち、該当する会員番号に対応付けて会員情報データベース121に登録されている残高を、この残高に受信したデータが示すつり銭に相当する金額(投入金額−売上)を加算した値に書き換える。管理装置100は、受信したデータの送信元の遊技設備機器10に更新後の残高を送信する。これを受信した遊技設備機器10は、セットされている会員カードにその残高を書き込む。
【0105】
図15は、残高を利用した遊技媒体の貸し出し処理の流れを示している。遊技者が遊技設備機器10の操作部15を操作して遊技媒体の貸し出しを要求すると(ステップS301;Y)、遊技設備機器10は、会員カードが第2のリードライト装置60にセットされているか否かを調べる(ステップS302)。会員カードがセットされているときは(ステップS302;Y)、管理装置100にその残高を問い合わせ、残高がなければ(ステップS303;N)、残高がゼロであることを表示して処理を終了する(エンド)。
【0106】
会員カードに残高があるときは(ステップS303;Y)、規定金額分の遊技媒体の貸し出し(玉貸処理)を行ない(ステップS304)、この会員カードに係わる残高を更新する(ステップS305)。残高の更新は、会員カード自体と会員情報データベース121の双方で行なわれる。会員情報データベース121の更新は、遊技設備機器10から今回の売上高と会員番号(または機械番号)とを管理装置100に送信して行なわれる。
【0107】
会員カードがセットされていないときは(ステップS302;N)、ビジターカードがセットされているか否かを調べ(ステップS306)、セットされていないときは(ステップS306;N)、処理を終了する(エンド)。ビジターカードがセットされているときは(ステップS306;Y)、管理装置100にこのビジターカードの残高を問い合わせ、残高がなければ(ステップS307;N)、残高がゼロであることを表示して処理を終了する(エンド)。
【0108】
ビジターカードに残高があるときは(ステップS307;Y)、規定金額分の遊技媒体の貸し出し(玉貸処理)を行ない(ステップS308)、このビジターカードに係わる残高の更新処理を行なう(ステップS309)。残高の更新は、遊技設備機器10から今回の売上高とカードID(または機械番号)とを管理装置100に送信することで、管理装置100のビジターカードデータベース122とビジターカードの双方で行なわれる。
【0109】
更新後も残高が残っているときは(ステップS310;N)、処理を終了し(エンド)、更新後の残高がゼロのときは(ステップS310;Y)、このビジターカードをカード収容部41に回収して(ステップS311)処理を終了する(エンド)。
【0110】
上記のように各ビジターカードに係わる残高および各会員カードに係わる残高は基本的に管理装置100で管理される。障害が発生して管理装置100のデータを使用できない場合にビジターカードや会員カードに記録されている残高情報を応急的に利用して貸し出しや精算が行なわれる。
【0111】
図14の後半(P7以降)は、ビジターカードの残高を利用して遊技媒体の貸し出しを受ける場合の動作を、遊技設備機器10と管理装置100との間の情報の授受を含めて詳細に示している。この動作は、紙幣の投入により新規に発行されたビジターカードの残高を、そのまま同じ遊技設備機器10で利用する場合のほか、残高のあるビジターカードを異なる遊技設備機器10に移って利用する場合に生じる。
【0112】
ビジターカードがセットされている状態で遊技設備機器10の操作部15から遊技媒体の貸出要求操作があると(P7)、遊技設備機器10は、現在セットされているビジターカードからカードID、発券番号、残高を読み出し(P8)、これらと当該遊技設備機器10の機械番号とを管理装置100に送信する(P9)。なお、管理装置100に送信するデータは発券番号とカードIDのいずれか一方でもかまわない。
【0113】
管理装置100は、送られてきたデータを元にビジターカードデータベース122を検索し、遊技設備機器10にセットされているビジターカードが真正なもので、このビジターカードに対応付けられている残高が確かに存在することをカードIDの照合等により確認する(P10)。真正なビジターカードであることの確認に成功し、かつ残高があるときは、この残高から規定金額分または残高が規定金額に満たない場合は残高の範囲内で貸し出し可能な金額分を減算し、ビジターカードデータベース122に登録されているこのビジターカードの残高を減算後の残高に更新する(P11)。さらに、先のデータの送信元の遊技設備機器10に更新後の残高と貸出許可とを送信する(P12)。
【0114】
遊技設備機器10は、管理装置100から貸出許可を受けると、遊技媒体の貸し出しを行なう(P13)。また管理装置100から受信した残高と、当該遊技設備機器10の機械番号と、更新後の書換回数とをビジターカードに書き込む(P14)。また、今回の売上額と機械番号とを管理装置100に送信し(P15)、これを受けた管理装置100は、図示省略の売上げデータベースを更新する(P16)。
【0115】
なお、遊技設備機器10は、ビジターカードに書き込んだ残高がゼロの場合は、このビジターカードをカード収容部41に回収する(P17)。残高が残っているときはこのビジターカードを第1のリードライト装置40のアクセス位置にそのまま保持し、その残高の利用に備える。
【0116】
図1は、遊技設備機器10に会員カードまたはビジターカードが新たに挿入されたときの動作を示している。会員カードが挿入されたときは(ステップS401;Y)、暗証番号の入力を求める(ステップS402)。操作部15から入力された暗証番号と、挿入された会員カードから読み取った会員番号とを管理装置100に送信し、この会員カードの持ち主の認証処理を管理装置100に要求する(ステップS403)。
【0117】
管理装置100は、遊技設備機器10から受信した会員番号で会員情報データベース121を検索し、この会員番号に対応付けて会員情報データベース121に登録されている暗証番号と遊技設備機器10から受信した暗証番号とを照合し、一致する場合は認証成功を、不一致の場合は認証失敗を、認証結果として遊技設備機器10に返信する。
【0118】
遊技設備機器10は、認証失敗の場合には(ステップS404;N)会員カードを返却して(ステップS405)処理を終了する(エンド)。認証成功の場合は(ステップS404;Y)、現時点で当該遊技設備機器10の第1のリードライト装置40にビジターカードがセットされているか否かを調べ、セットされていなければ(ステップS406;N)処理を終了する(エンド)。以後は、会員カードの残高等を利用することができる。
【0119】
ビジターカードがセットされている場合は(ステップS406;Y)、このビジターカードに対応付けられている残高を会員カードに集約する(ステップS410)。その後、ビジターカードの残高をゼロにし、このビジターカードをカード収容部41に回収して(ステップS411)処理を終了する(エンド)。
【0120】
詳細には、遊技設備機器10は、ビジターカードから読み出したカードIDと、発券番号と、残高と、会員カードから読み出した会員番号と、当該遊技設備機器10の機械番号と、集約要求とを管理装置100に送信する。これを受けた管理装置100は、ビジターカードデータベース122を検索して該当するカードIDのビジターカードの存在および残高を照合・確認し、この照合・確認された残高と、先の会員番号に対応付けて会員情報データベース121に登録されている残高とを合計する。そして、この会員番号に対応付けて会員情報データベース121に登録されている残高をこの合計残高に書き換える。また、先のカードIDに対応付けてビジターカードデータベース122に登録されている残高をゼロに書き換える。その後、管理装置100は、先の合計残高を、集約要求の送信元の遊技設備機器10に送信し、これを受けた遊技設備機器10は会員カードの残高を受信した合計残高に書き換える。また、ビジターカードの残高をゼロに書き換え、このビジターカードをカード収容部41に回収する。
【0121】
新たに挿入されたカードがビジターカードの場合は(ステップS4001;N、ステップS407;Y)、このビジターカードの残高の存在を管理装置100に問い合わせて照合・確認し、残高がない場合は(ステップS408;N)、このビジターカードをカード収容部41に回収して(ステップS411)処理を終了する(エンド)。
【0122】
挿入されたビジターカードに残高がある場合は(ステップS408;Y)、現時点で当該遊技設備機器10の第2のリードライト装置60に会員カードがセットされているか否かを調べ、セットされていなければ(ステップS409;N)処理を終了する(エンド)。
【0123】
会員カードがセットされているときは、挿入されたビジターカードに対応付けられている残高を会員カードに集約する(ステップS410)。その後、ビジターカードの残高をゼロにし、このビジターカードをカード収容部41に回収して(ステップS411)処理を終了する(エンド)。
【0124】
このように、1台の遊技設備機器10にビジターカードと会員カードの両方がセットされたとき、ビジターカードの残高を会員カードに集約するので、その後は、会員カードだけで残高を管理することができ、カードの管理に係わる会員遊技者の負担が軽減される。また、会員カードはその使用に際して持ち主の認証が行なわれるので、会員カードを紛失してもその残高を他人が利用することはできない。したがって、残高を会員カードに集約することでセキュリティが向上する。また、会員カードを紛失した場合でも、暗証番号により持ち主が認証され、かつその会員に係わる会員情報が会員情報データベース121に登録されているので、これに基づいて紛失時の状態で会員カードを再発行することができる。
【0125】
図16は、遊技設備機器10の精算ボタンが操作された場合の動作を示している。精算ボタンが操作されると(ステップS501;Y)、ビジターカードが第1のリードライト装置40のアクセス位置にセットされているか否かを調べ、セットされている場合は(ステップS502;Y)、そのビジターカードをビジターカード挿入口19から排出して(ステップS503)処理を終了する(エンド)。ビジターカードがセットされていないときは(ステップS502;N)そのまま処理を終了する(エンド)。なお、会員カードは、精算時に遊技者によって引き抜かれるので、自動の排出処理は行なわない。なお、第2のリードライド装置60に会員カードの自動排出機構を設け、精算ボタンの操作に応じて会員カードを自動排出するように構成してもよい。
【0126】
規定金額分の遊技媒体の貸し出しは、実際には単位金額分の貸出処理を複数回繰り返すことで行なわれる。たとえば、規定金額が500円で単位金額が100円ならば、単位金額分の貸出処理が5回繰り返される。
【0127】
図17に示すように、単位金額分の貸出処理を実行し(ステップS601)、該当するカードの残高をこの単位金額分だけ減算して更新する(ステップS602)。単位金額分の残高更新は、遊技設備機器10と管理装置100との間で通信を行ない、管理装置100のデータベース121、122の更新とカード自体のデータの書き換えの双方が行なわれる。上記の処理は(ステップS601、S602)規定金額分に達するまで繰り返し行なわれる(ステップS603)。
【0128】
図18は、単位金額分の貸出処理が繰り返し行なわれたときの各部の動作タイミングを示している。規定金額分の貸出要求信号701が1度入力されると、遊技設備機器10は、組み合わされているパチンコ機3に対して単位金額分(たとえば、100円分の25個)の貸出信号702を所定の間隔で複数回出力する。また、貸出信号702を出力する毎に、残高の更新処理703を行なう。
【0129】
貸出信号702を受けたパチンコ機3は遊技媒体の貸出動作を実行する。このとき貸出動作信号704がパチンコ機3から遊技設備機器10に入力される。また、単位金額分の貸出動作が完了するとパチンコ機3から遊技設備機器10に貸出完了信号705が入力される。なお遊技設備機器10は、貸出完了信号705が入力されてから次の貸出信号702を出力するようになっている。
【0130】
このように規定金額分の貸し出しを単位金額に分けて行なうことで、貸出中に遊技媒体の詰まりや玉切れなどが生じた場合でも、残高が単位金額毎に行なわれるので、実際に貸し出された遊技媒体の数と残高の減少額(売上)との誤差が少なくなる。
【0131】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0132】
たとえば、実施の形態では、隣接するパチンコ機に払出信号を送出し、そのパチンコ機からパチンコ球の払い出しを行なわせる、いわゆるCRサンド機を例に遊技設備機器10を説明したが、パチンコ球の払出機構を遊技設備機器自身が有する、いわゆる現金機として構成してもよい。この場合、隣接するパチンコ機の上皿にパチンコ球を案内する排出ノズルなどが遊技設備機器の前面に設けられる。
【0133】
また、ビジターカード挿入口19と会員カード挿入口21とを一目で識別可能にするために、ビジターカード確認LED18と会員カード確認LED20のランプ色を相違させるほか、会員カード確認LED20のみを発光させてもよい。
【0134】
また、実施の形態では、遊技媒体の貸し出しを行なうごとに管理装置とビジターカードや会員カードの双方で残高を更新するようにしたが、これらに加えて、またはこれらの双方もしくは一方に代えて、遊技設備機器10の内部メモリに各カードに係わる残高情報等を遊技媒体の貸し出し毎に記憶し更新するように構成してもよい。この場合、遊技設備機器10からビジターカードや会員カードが排出したとき、および残高がゼロになってビジターカードを回収したとき、それらのカードの係わる情報を遊技設備機器10の内部メモリから削除するように構成するとよい。遊技設備機器10の内部メモリに記憶した情報は、たとえば、管理装置100が途中で使用できなくなった場合に利用するとよい。
【0135】
このほか、カード収容部41に収容されているビジターカードのストック量を報知するとよい。たとえば、遊技設備機器10に設けたレベルメータなどでストック量を表示したり、ストック量の上限や下限を設定し、その値になると警告信号を出力して他の表示装置でストック量の警告表示を行なったりするとよい。ストック量の表示は、管理装置やホールコンピュータ、島端サンドモニタなど店員が確認可能な装置で行なうとよい。
【0136】
また、実施の形態では、ビジターカードと会員カードの2種類のカードを挿入可能な遊技設備機器10を例に説明したが、カードの種類の数は問わない。また同一種類のカードを複数枚セット可能な機器であってもよい。すなわち、同一種類のカードが複数枚セットされたとき、それらの残高をいずれか1枚のカードに集約するように構成される。
【0137】
第1のリードライト装置40のアンテナ43の指向性と第2のリードライト装置60のアンテナ62の指向性とはその向きが相違していればよく、相違が90度に近いほど好ましい。なお、実施の形態では第1のリードライト装置40を第2のリードライト装置60の上方に近接配置したが、上下を逆に配置しても良い。また、遊技設備機器の本体ケースの形状によっては、隣り合うリードライト装置を左右や斜めに並べて配置してもよい。
【0138】
また、実施の形態では、2台のリードライト装置を設ける場合を例示したが、隣り合うリードライト装置のアンテナの指向性を相互に異なる向きすれば、3台以上であってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器に会員カードまたはビジターカードが新たに挿入されたときの動作を示す流れ図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器の遊技場における設置状態の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器を示す左側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器で使用されるビジターカードの一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器で使用される会員カードの一例を示す説明図である。
【図7】第1のリードライト装置およびカード制御基板の概略構成および位置関係を示す説明図である。
【図8】第1のリードライト装置のアンテナを示す平面図である。
【図9】図8に示すアンテナのC−C断面図である。
【図10】磁場Bとアンテナの向きとの関係を示す原理図である。
【図11】本発明の実施の形態に係わる遊技設備機器の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】紙幣が投入されたときの遊技設備機器の動作を示す流れ図である。
【図14】会員カードがセットされていない状態で遊技設備機器に紙幣が投入された場合の動作を、遊技設備機器と管理装置との間の情報の授受を含めてより詳細に表わした説明図である。
【図15】残高を利用した遊技媒体の貸し出し処理を示す流れ図である。
【図16】遊技設備機器の精算ボタンが操作された場合の動作を示す流れ図である。
【図17】規定金額分の遊技媒体の貸出処理を示す流れ図である。
【図18】単位金額分の貸出処理が繰り返し行なわれたときの各部の動作タイミングを示す説明図である。
【符号の説明】
【0140】
A…電流の方向を示す矢印
B…磁場
3…パチンコ機
5…上皿
8…会員登録機
10…遊技設備機器
11…状態表示ランプ
12…紙幣挿排口
13…度数表示部
14…表示部
15…操作部
16…受光部
17…キー穴
18…ビジターカード確認LED
19…ビジターカード挿入口
20…会員カード確認LED
21…会員カード挿入口
31…紙幣識別機
32、33…制御基板
34…外部出力端子板
35…通信部
36…表示操作部
37…カード制御基板
40…第1のリードライト装置
41…カード収容部
42…搬送部
43…第1のリードライト装置のアンテナ
44…アイドリングローラ
45…繰り出しローラ
46、47…一対の搬送ローラ
46a、47a…ピンチローラ
48…モータ
51…第1のカードセンサ
52…第2のカードセンサ
53…第3のカードセンサ
54…カード上げ機構
55…ソレノイド
56…アンテナ線
60…第2のリードライト装置
61…カード検知スイッチ
62…第2のリードライト装置のアンテナ
63…板ばね
81…ビジターカード
82…ICタグ
83…ビジターカードのアンテナ
85…会員カード
86…ICタグ
87…会員カードのアンテナ
100…管理装置
101…CPU
102…ROM
103…表示手段
104…操作手段
105…プリンタ
110…RAM
111…カード処理プログラム
112…会員情報管理プログラム
113…認証処理プログラム
120…固定ディスク装置
121…会員情報データベース
122…ビジターカードデータベース
701…貸出要求信号
702…貸出信号
703…残高の更新処理
704…貸出動作信号
705…貸出完了信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技設備機器で利用可能な所定の価値の残高を、前記遊技設備機器にセットして使用されるカード毎に管理するカード管理方法であって、
1台の遊技設備機器に複数枚のカードがセットされたとき、これらのカードに対応付けられている残高を合計し、この合計残高を前記複数枚の中の1枚のカードに対応付けて登録し、残りのカードに対応付けられている残高をゼロにする
ことを特徴とするカード管理方法。
【請求項2】
前記カードには、カードの持ち主が登録された会員カードと、カードの使用者が不特定なビジターカードとがあり、
1台の遊技設備機器に会員カードとビジターカードとがセットされたとき、ビジターカードの残高を会員カードに集約する
ことを特徴とする請求項1に記載のカード管理方法。
【請求項3】
遊技設備機器に会員カードがセットされたとき、その会員カードの持ち主を認証し、
この認証に成功したときは、その会員カードに対応付けて登録されている残高の使用を許可し、
認証に失敗したときは、その会員カードに対応付けて登録されている残高の使用を禁止する
ことを特徴とする請求項2に記載のカード管理方法。
【請求項4】
遊技設備機器と、前記遊技設備機器で利用可能な所定の価値の残高を、前記遊技設備機器にセットして使用されるカード毎に管理する管理装置とを有し、
前記管理装置は、1台の遊技設備機器に複数枚のカードがセットされたとき、これらのカードに対応付けられている残高を合計し、この合計残高を前記複数枚の中の1枚のカードに対応付けて登録し、残りのカードに対応付けられている残高をゼロにする
ことを特徴とするカード管理システム。
【請求項5】
前記カードには、持ち主が登録された会員カードと、使用者が不特定なビジターカードとがあり、
前記管理装置は、1台の遊技設備機器に会員カードとビジターカードとがセットされたとき、ビジターカードの残高を会員カードに集約する
ことを特徴とする請求項4に記載のカード管理システム。
【請求項6】
前記遊技設備機器は、会員カードがセットされたとき、会員カードの持ち主を認証するための認証情報の入力を受け付け、前記会員カードから読み取った会員カードの識別情報と前記受け付けた認証情報とを前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、遊技設備機器から送られてきた識別情報と認証情報とに基づいて会員カードの持ち主の認証を行ない、認証に成功したときは、その会員カードに対応付けて登録されている残高の使用を許可し、認証に失敗したときは、その会員カードに対応付けて登録されている残高の使用を禁止する
ことを特徴とする請求項5に記載のカード管理システム。
【請求項7】
前記遊技設備機器は、ビジターカードを複数枚収容可能なカード収容部を備え、セットされているビジターカードの残高がゼロになったとき、このビジターカードを前記カード収容部に回収する
ことを特徴とする請求項5または6に記載のカード管理システム。
【請求項8】
前記遊技設備機器は、ビジターカードを複数枚収容可能なカード収容部を備え、このカード収容部から繰り出してビジターカードを発行する
ことを特徴とする請求項7に記載のカード管理システム。
【請求項9】
前記カード収容部は、ビジターカードを水平な状態で垂直方向に積層して収容する
ことを特徴とする請求項7または8に記載のカード管理システム。
【請求項10】
当該遊技設備機器の前面が長方形を成し、
前記カード収容部は、ビジターカードをその面が前記長方形を成す前面の長辺方向と垂直になる状態で積層して収容する
ことを特徴とする請求項7または8に記載のカード管理システム。
【請求項11】
前記遊技設備機器は、カードの種類毎に、カード挿入口およびカードのリードライト装置を有する
ことを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9または10に記載のカード管理システム。
【請求項12】
前記遊技設備機器は、隣り合うカード挿入口を、これらのカード挿入口に挿入されたカード面が相互に垂直になる向きに設定した
ことを特徴とする請求項11に記載のカード管理システム。
【請求項13】
前記カードは、電磁界を利用した非接触型無線カードであり、
前記遊技設備機器は、前記カードのリードライト装置を複数備え、
隣り合う前記リードライト装置のアンテナ部の指向性を相互に異なる向きに設定した
ことを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9、10、11または12に記載のカード管理システム。
【請求項14】
隣り合う前記リードライト装置のアンテナ部の指向性を相互に90度相違させた
ことを特徴とする請求項13に記載のカード管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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