カード面の読取・命令実行方法
【課題】 タッチパネルを有する情報出力装置(ステージ筐体)と、他のドットパターン読取装置の両者でカードを使用することが可能であり、更に、1枚のカードで2種類の情報を提供することが可能である、そのような利便性と柔軟性に富んだカードを提供するための、カード面を読み取る技術、および読み取られたカード面に対応する命令を実行する技術を実現する。
【解決手段】 カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、該ドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標とをパターン化しており、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法とした。
【解決手段】 カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、該ドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標とをパターン化しており、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標認識手段を有する情報出力装置およびペン型スキャナーの両者に使用可能なカードの、カード面を読み取る技術、および読み取られたカード面に対応する命令を実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者により、座標認識手段(タッチパネル)を有する情報出力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この情報出力装置は、タッチパネル上に載置されたカードに触れた、指やペンのカード上の位置を認識して画像、動画等の情報を表示したり、プログラムを実行したりすることを特徴とする、まったく新しいインターフェースである。
【0003】
特許文献1には、裏面にドットパターンが印刷され、表面にアイコン等の図柄が印刷されたカードが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特願2006−239593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このカードは、上記発明に係る情報出力装置に対してのみ使用可能であるため、当該情報出力装置が設置されていない場所で、他のドットパターン読取装置でカードを使用することが不可能であり、利便性に欠けるという問題があった。また、原則として1枚のカードで1種類の用途にしか用いられないため、柔軟性に欠けるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、タッチパネルを有する情報出力装置(タッチパネル筐体)と、他のドットパターン読取装置の両者でカードを使用することが可能であり、更に、1枚のカードで2種類の情報を提供することが可能である、そのような利便性と柔軟性に富んだカードを提供するための、カード面を読み取る技術、および読み取られたカード面に対応する命令を実行する技術を実現することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明では、以下の手段を採用した。
【0008】
すなわち、本発明の請求項1は、カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標:たとえばカード左下隅を原点とするカード座標)とをパターン化しており、ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の筐体内光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標:カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0009】
本発明の請求項2は、前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項1記載のカード面の読取・命令実行方法である。
【0010】
本発明の請求項3は、カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられ少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カードを特定するカード番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とをパターン化しており、ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、アプリケーションIDのカード番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標=カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDの少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標=カード座標)に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたXY座標(ドット座標=カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、第2の光学読取装置は、光学読取部と、内部または外部に、カード表面のアプリケーションID毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0011】
本発明の請求項4は、前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カードを特定するカード番号もしくはカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項3記載のカード面の読取・命令実行方法である。
【0012】
本発明の請求項5は、カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、カード表裏面のそれぞれのXY座標の最小値と最大値と、表裏面のアプリケーションIDと、表裏面のカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のXY座標に基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標)から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたX’Y’座標(カード左隅下を原点とするカード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のXY座標の最小値と最大値と、アプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0013】
本発明の請求項6は、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置または前記第2の光学読取装置が、前記カード裏面または表面のドットパターンから得られたアプリケーションIDまたはカード面番号について、当該アプリケーションIDに対応するアプリケーションプログラムまたは前記アプリケーションプログラムを実行するために必要な各テーブルが前記制御装置または前記第2の光学読取装置本体内部または外部に存在しないことを検出した時には、前記制御装置または第2の光学読取装置は、ネットワークを介して接続されたサーバからアプリケーションプログラムまたは前記各テーブルをダウンロードすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカード面の読取・命令実行方法である。
【0014】
本発明の請求項7は、表裏面にそれぞれ2系統のドットパターンが印刷されたカード媒体であって、前記カード媒体の裏面には筐体内から第1の光学読取装置でカード裏面を撮像することによって関連付けられたカード表面の絵柄に対応した処理を実行するための第1のドットパターン(大きなドットパターン)と、そのカード裏面を表面側にしたときに第2の光学読取装置で読み取るための第2のドットパターン(小さなドットパターン)が重ねて印刷されているカード媒体である。
【0015】
本発明の請求項8は、前記カード媒体の裏面を撮像するための第1の光学読取装置を備えたステージ筐体であって、ステージ面上の指先などのタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号ごとにXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記ステージ面の撮像画像からカードの位置および向きを算出するステップと、前記カード裏面の第1のドットパターン(大きなドットパターン)から得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行するステージ筐体である。
【0016】
本発明の請求項9は、前記第1の光学読取装置は、ステージの略裏面全面を撮像するとともに、第1のドットパターン(大きなドットパターン)のみを認識する請求項8記載のステージ筐体である。
【0017】
本発明の請求項10は、前記制御装置は、前記第1の光学読取装置から得られた撮像画像から、前記大きな第1のドットパターンのみを抽出して、当該ドットパターンに対応したコード値に変換する請求項8記載のステージ筐体である。
【0018】
本発明の請求項11は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、マスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0019】
本発明の請求項12は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0020】
本発明の請求項13は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記マスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0021】
本発明の請求項14は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、タッチパネル筐体と、他のドットパターン読取装置の両者で使用することが可能であり、更に、1枚のカードで2種類の情報を提供することが可能である、そのような利便性と柔軟性に富んだカードを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明に係るカードについて説明した図である。本カードは、種々のアプリケーションを起動・実行するためのカードである。本カードには、絵や操作指示が描かれたマスク領域がカード両面に印刷されている。また、両面には、全域にドットパターンが印刷されている。カードに記載されたアプリケーション内容は表面と裏面で異なっており、それぞれの内容に対応したドットパターンが印刷されている。たとえば同図(a)に示すように、カード表面は商品説明Webカードであり、同図(b)に示すように、カード裏面は商品購入カードとなっている。
【0025】
本カードは、第1の光学読取装置を有するタッチパネル筐体(ステージ筐体)と、第2の光学読取装置であるペン型スキャナーの両方に使用することが可能である。すなわち、店舗等、タッチパネル筐体が設置されている場所では、ユーザは、起動させたいアプリケーションが記載されている面を上面に向けて、タッチパネル上にカードを載置する。そして、指先でマスク領域をタッチすることにより、各種操作を行う。自宅等、タッチパネル筐体が設置されていない場所では、ペン型スキャナーでマスク領域をクリックすることにより、各種操作を行う。
【0026】
図2は、汎用的なコンピュータシステムに上述したタッチパネル筐体を接続したものである。
【0027】
本システムは、コンピュータ本体とディスプレイ装置とタッチパネル筐体とで構成される。本実施形態のタッチパネル筐体の上面は、タッチパネルとして構成されている。タッチパネルの上面中央には、撮像口が開口されており、筐体内に設けられたカメラ(光学読取装置)により、撮像口上面に配置されたカードの裏面に印刷されたドットパターンが撮像可能となっている。
【0028】
なお、タッチパネルは、赤外線撮像装置を使用する等の他の構造でも構わない。
【0029】
タッチパネル筐体内のカメラの周囲には、照明手段としてのIRLEDが配置されており、撮像口を照射するようになっている。すなわち、IRLEDから照射された赤外線光が撮像口に配置されたカード裏面の反射光をカメラで撮像することによってカード裏面のドットパターンの撮像が可能となっている。
【0030】
カード裏面のドットパターンについては、後述するが、赤外線を吸収するインクでドットパターンが印刷されているため、通常の印刷とドットパターンとが重畳印刷されていてもカメラによるドットパターンの撮影には影響されない。
【0031】
図3は、タッチパネルの詳細について説明した図である。タッチパネルのそれぞれの側壁には、発光素子群と、受光素子群とが、対になって配置されており、発光素子群からの光を指先、タッチペン、またはフィギアなどの媒体が遮ることによって受光素子が受光すべき光を受光できなくなり、当該位置にこれらの光遮断物があることを認識することによって、座標入力が可能となっている。
【0032】
図4(a)は、タッチパネル(座標認識手段)の別の実施形態を示すものである。
【0033】
すなわち、前記タッチパネルの周縁壁を構成する一辺の両内端には、ステージを座標認識手段として機能させるための一対の赤外線撮像装置(カメラAおよびカメラB)が設けられている。
【0034】
これらの赤外線撮像装置で撮像された画像を制御手段が解析することによってタッチパネルまたはステージ上でのプレイヤ・オペレータの指先、ペンまたは立体物のXY座標を認識可能にしている。
【0035】
また、前記周縁壁の一辺は、切欠部を有しており、この切欠部より媒体としてのカードをステージまたはタッチパネル上から退出させることが容易となっている。
【0036】
カメラA,Bの両側方には、赤外線照射素子が設けられており、赤外線照射素子により、照射された赤外線の反射光をカメラが撮像するようになっている。カメラには、図示は省略するが、この反射光を撮像可能とするため、それぞれのカメラA、BにはIRフィルタが設けられている。
【0037】
前記周縁壁の内面には、再帰反射面として構成されており、赤外線が入射した角度と同じ方向に赤外線を反射する特性を有している。
【0038】
同図(b)は、カメラAおよびカメラBの撮像画像を示したものであり、タッチパネルまたはステージ面上にプレイヤの指先が位置されていると、その部分F1,F2(指先)の画像が他の部分と異なる反射光で撮像される。そこで、両カメラA,Bの画像を解析することでタッチパネルまたはステージ面の指先のXY座標が計算可能である。
【0039】
すなわち、カメラAの撮像画像により、F1の位置を認識して角度αが算出でき、カメラBの撮像画像からF2の位置を認識して角度βが算出できるため、座標値(X,Y)が算出できるようになっている。
【0040】
なお、タッチパネルまたはステージ面上にこのような指先が存在しない場合の画像と、指先でタッチされた画像との差分を検出して位置認識を行ってもよい。
【0041】
図5は、タッチパネルシステムについて説明するブロック図である。
【0042】
同図に示すように、パーソナルコンピュータは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バス(BUS)で接続されたハードディスク装置(HD)、出力手段としての表示装置(DISP)、入力手段としてのキーボード(KBD)を有している。
【0043】
そして、USBインターフェース(USB I/F)を介して、上述したタッチパネル筐体が接続されている。
【0044】
なお図示を省略してあるが、ディスプレイ装置(DISP)の他に、出力装置として、プリンタ、スピーカ等が接続されていてもよい。
【0045】
また、バス(BUS)は、ネットワークインターフェース(NW I/F)を介してインターネット等の汎用ネットワーク(NW)に接続されており、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報、プログラム等が図示しないサーバよりダウンロード可能となっている。
【0046】
ハードディスク(HD)内には、オペレーティングシステム(OS)とともに、本実施形態で用いられるドットパターンの解析プログラム等のアプリケーションプログラム、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報や各種テーブル等のデータが登録されている。
【0047】
中央処理装置(CPU)は、タッチパネル筐体内の撮像手段からの媒体面のドットパターンの撮影データを読み取りコードまたは座標値に変換した入力信号をUSBインターフェースを介して受信すると、当該入力信号に対応した電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報、プログラム等をハードディスク(HD)から読み出してディスプレイ装置(DISP)または図示しないスピーカ等の出力装置から出力させるようになっている。
【0048】
図6は、ペン型スキャナーを使用して本発明に係るカードを用いた場合の使用状態を示した説明図である。ペン型スキャナーを使用する場合は、ユーザは、マスク領域をペン型スキャナーでクリックすることにより、マスク領域に印刷されたドットパターンを読み取り、ディスプレイ装置上に商品説明画像やWebページを表示させたり、表示された画像の拡大・縮小等の操作指示を行ったりする。
【0049】
ペン型スキャナーは、詳細な図示は省略するが、赤外線照射手段(赤色LED)とIRフィルタと、CMOSセンサ、CCDセンサ等の光学撮像素子を備えており、媒体面に照射した照射光の反射光を撮影する機能を有している。ここで媒体面上のドットパターンはカーボンインクで印刷されており、ドットパターン以外の画像や文字部分はノンカーボンインクで印刷されている。
【0050】
このカーボンインクは赤外光を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることになる。
【0051】
このように、ドットパターンのみがカーボンインクで印刷されているため、他のカーボンインクで印刷された画像や文字に可視的に影響を与えることなく、ドットパターンを通常の印刷と重畳印刷することができる。
【0052】
なお、赤外光を吸収する特性を有するインクとしてカーボンインクを例示したが、ドットパターンの印刷は、特定波長に反応するインクであれば、カーボンインクに限定されない。
【0053】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、ペン型スキャナー内の中央処理装置(CPU)によって解析されて座標値またはコード値に変換されて、USBケーブルおよびUSBインターフェース(USB I/O)を介してパーソナルコンピュータに送信される。
【0054】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、受信した座標値またはコード値を示すテーブルを参照して、これらに対応した電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報がディスプレイ装置(DISP)やスピーカから出力されるようになっている。
【0055】
図7から図13は、このようなドットパターンについて説明したものである。
【0056】
<ドットパターンの説明 GRID1>
図7〜図12は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0057】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0058】
図7はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図8(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0059】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0060】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図6に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図6の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0061】
1つのブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させ、または、複数のブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させることができる。
【0062】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0063】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0064】
キードット2は、図7に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。情報ドット3がX,Y座標値を表す場合に、キードット2を下方に0.1mmずらした位置が座標点となる。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0065】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図8(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0066】
図8(b)は、図7のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0067】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0068】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0069】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0070】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0071】
たとえば,情報ドット3は、図9(a)に示すように、ブロック中心から時計回りでI1からI16を配置する格子間隔は0.5mmであり、2mm×2mmで2ビット×16=32ビットを表現する。
【0072】
なお、ブロック内に個々に独立した情報内容を有し、かつ他の情報内容に影響されないサブブロックをさらに設けることができる。図9(b)はこれを図示したものであり、4つの情報ドット3で構成されるサブブロック[I1、I2、I3、I4]、[I5、I6、I7、I8]、[I9、I10、I11、I12]、[I13、I14、I15、I16]は各々独立したデータ(3ビット×4=12ビット)が情報ドット3に展開されるようになっている。このようにサブブロックを設けることにより、エラーチェックをサブブロック単位で容易に行うことができる。
【0073】
情報ドット3のベクトル方向(回転方向)は、30度〜90度毎に均等に定めるのが望ましい。
【0074】
図10は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0075】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0076】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で28の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0077】
図11は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0078】
図12はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0079】
図7と図9に示すドットパターン1は、1ブロックに16(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0080】
<ドットパターンの説明 ディレクションドット>
次に、ドットパターンの他の形態であるディレクションドットについて図13を用いて説明する。
【0081】
本ドットパターンは、ブロックの形状によって、ドットパターンの方向を定義したものである。図13(a)において、まず基準点48a〜48eが配置されている。この基準点48a〜48eを結ぶ線によってブロックの向きを示す形状(ここでは上方を向いた5角形)が定義されている。そして、この基準点に基づいて仮想基準点48f、48g、48hが配置され、この仮想基準点を始点として方向と長さを有するベクトル終点に情報ドット3が配置されている。このように、同図では、ブロックの向きを基準点の配置の仕方によって定義することができる。そしてブロックの向きが定義されることによって、ブロック全体の大きさも定義されることになる。
【0082】
なお、図13(a)においては、基準点48a〜48eと情報ドット3は全て同一形状のもので説明したが、基準点48a〜48eを情報ドット3よりも大きな形状としてもよい。また、この基準点48a〜48eと情報ドット3とは識別可能であればいかなる形状としてもよく、三角形、四角形それ以上の多角形であってもよい。
【0083】
なお、図13(b)は、図13(a)に示したブロックを縦横方向に2個ずつ連結したものである。
【0084】
<第1の実施形態>
図14は、本発明の第1の実施形態におけるドットコードフォーマットを示した図である。
【0085】
なお、以下の各実施形態においては、ドットパターンは、上述したGRID1を用いているが、本発明ではこれに限らず、上述したディレクションドット、あるいは、他のドットパターンを用いてもよい。
【0086】
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標:たとえばカード左下隅を原点とするカード座標)とをパターン化している。
【0087】
同図(b)に示す如く、このドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、このブロック内でC1−0〜C31−30に区画されている。
【0088】
同図(a)は、各領域のドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C23にはカード面番号、C24〜C29にはアプリケーションID、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0089】
このように、本ドットパターンでは、4×4個の格子領域中に、X座標、Y座標とともに、それに対応するコード情報を登録しておくことができる。
【0090】
図15は、本実施形態に用いられる表裏面対応テーブルについて説明する図である。
【0091】
当該テーブルは、ハードディスク装置内に格納されている。同図に示すように、当該テーブルは、カードの表裏面と、タッチパネル筐体用(入力用)およびペン型スキャナー用(実行用)のそれぞれのアプリケーションIDおよびカード面番号が対応付けられている。
【0092】
ユーザがタッチパネルの撮像口上にカードを載置すると、タッチパネル筐体内のカメラは、カードに重畳印刷されたドットパターンを読み取る。すると、カメラの中央処理装置(CPU)は当該ドットパターンを解析ソフトによって解析し、ドットコードに変換する。このドットコードはコンピュータの中央処理装置に送信される。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションIDおよびカード面番号を読み込み、当該テーブルを参照し、タッチパネル筐体用のアプリケーションIDとカード面番号を検索する。次に、当該テーブルから、タッチパネル筐体用(入力用)のアプリケーションIDとカード面番号に対応する、ペン型スキャナー用(実行用)のアプリケーションID、カード面番号を求め、対応したアプリケーションを起動する。
【0093】
タッチパネル筐体を使用する場合、ユーザが実行するアプリケーションは、カメラが読み込んだドットパターンが意味するアプリケーションとは逆面のアプリケーションである。そのため、上記処理が必要となる。
【0094】
一方、ユーザがペン型スキャナーを使用する場合は、コンピュータの中央処理装置は、ペン型スキャナー内部のカメラによって読み取られたドットパターンから、アプリケーションIDおよびカード面番号を読み込む。そして、それらに対応するアプリケーションを起動する。
【0095】
図16は、アプリケーションID−カード面番号−マスクパターン番号対応テーブルについて説明した図であり、図15−2は、マスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルについて説明した図である。
【0096】
図16に示すように、アプリケーションIDには、1または複数のカード面番号が対応しており、各カード面番号には、マスクパターン番号が対応付けられている。マスクパターン番号とは、カード面におけるマスク番号およびマスクの配置のパターンを示した番号である。異なるカード面番号に同一のマスクパターンが対応していてもよい。
【0097】
中央処理装置は、アプリケーションID−カード面番号−マスクパターン番号対応テーブルを参照し、取得したアプリケーションIDおよびカード面番号に対応するマスクパターン番号を取得する。これらの各マスクパターン番号には、図17に示すように、マスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルが対応付けられている。
【0098】
図18は、座標値−マスク番号対応テーブルの一例である。当該テーブルには、カード上のアイコンの位置に対応したXY座標値に、マスク番号が設定されている。
【0099】
図19は、マスク番号−アドレス−命令対応テーブルについて説明した図である。当該テーブルには、マスク番号に対応してアドレスおよび命令が登録されるようになっている。たとえばマスク番号1にはインターネットアドレス(URL)が登録されており、このアドレスは、Webに接続するという命令を意味している。マスク番号12にはローカルのドライブと実行ファイルが登録されており、Webを切断するという命令を意味している。
【0100】
これらの図15〜図19までのテーブルにより、ユーザが、タッチパネル筐体上にカードを載置した場合、または、ペン型スキャナーでマスク領域をクリックした場合に、ユーザが所望する処理を行うことが可能となる。
【0101】
なお、ペン型スキャナーによりカード面のマスク領域がクリックされた場合には、読み取ったドットパターンに登録されたX座標値およびY座標値を読み取り、図18に示した座標値−マスク番号対応テーブルによって、対応するマスク番号を取得する。そして、図19に示したテーブルを参照し、マスク番号に登録された命令を実行する。
【0102】
一方、タッチパネル筐体上にカードが載置され、ユーザの指先によりマスク領域がタッチされた場合には、図20に示す方法により、タッチ位置のカード座標系における座標値を求める。
【0103】
タッチパネル(座標認識手段)座標系において、カメラ(撮像手段)中心位置の座標を(Xc,Yc)とする。
【0104】
また、そのカメラで撮影したカードの撮影中心位置を、カード座標系で表現した位置を(xc,yc)とする。
【0105】
一方、タッチパネルの座標系におけるY方向と、カードの座標系におけるy方向とのなす角度(カードの回転角)をθとする。
【0106】
この場合において、ユーザの指先でのタッチ位置が、タッチパネル座標系で表示すると(Xt、Yt)であるとする。
【0107】
この場合、カード座標系におけるタッチ位置(xt、yt)は、以下の式で表される。
【0108】
【数1】
【0109】
このような演算処理を行うことにより、タッチパネル面上にカードがどのような向きで配置されたとしても、そのカード表面に印刷されたどの部位に指先でのタッチが行われたかを認識することが可能となる。
【0110】
タッチ位置を算出したら、中央処理装置は、図18に示した座標値−マスク番号対応テーブルによって、タッチ位置に対応するマスク番号を取得する。そして、図19に示したテーブルを参照し、マスク番号に登録された命令を実行する。
【0111】
(具体例)
次に、図21〜図23を用いて、ユーザがマスク領域をタッチまたはクリックしてから、マスク領域に対応した命令が実行されるまでの具体例について説明する。
【0112】
図21は、カードについて示したものであり、(a)はカード表面、(b)はカード裏面である。本カードは、表面は社員証、裏面はタイムカードとして構成されている。
【0113】
図22および図23は、本実施例に用いられるテーブルについて説明した図である。図22に示すテーブルは、アプリケーションID、カード面番号(またはカード番号)、マスクパターン番号およびアドレスもしくは命令との対応を示すテーブルである。図23に示すテーブルは、マスクパターン番号と座標値とマスク番号との対応を示すテーブルである。
【0114】
本実施例においては、アプリケーションID=1は、個人情報管理アプリケーションを意味している。また、カード面番号=10はユーザAの表面、20はユーザBの表面、11はユーザAの裏面を意味している。
【0115】
まず、タッチパネル筐体を使用した場合について説明する。
【0116】
ユーザAが表面を上にしてタッチパネルの撮像口上にカードを載置すると、タッチパネル筐体内のカメラは、カード裏面に重畳印刷されたドットパターンを読み取る。すると、カメラの中央処理装置(CPU)は当該ドットパターンを解析ソフトによって解析し、ドットコードに変換する。このドットコードはコンピュータの中央処理装置に送信される。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションIDおよびカード面番号を読み込み、図15で説明した表裏面対応テーブルにおける、タッチパネル筐体用(入力用)のアプリケーションIDおよびカード面番号を検索する。そして、当該テーブルから、タッチパネル筐体用のアプリケーションIDとカード面番号に対応する、ペン型スキャナー用のアプリケーションID、カード番号を求め、対応したアプリケーションを起動する。次に、図22のテーブルを参照し、アプリケーションIDとカード面番号を検索する。すなわち、アプリケーションID=1、カード面番号=10を検索する。そして、対応するマスクパターン番号を検索し、マスクパターン番号=1を取得する。そして、図23のマスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルを参照し、座標値−マスク番号対応テーブルを取得する。カード表面におけるユーザの顔写真の位置には、マスク番号1が登録されている。顔写真がユーザの指でタッチされると、図20で説明した方法によって、タッチ位置の座標値を求め、取得した座標値−マスク番号対応テーブルからタッチ位置の座標値に対応するマスク番号=1を取得する。そして、図22のテーブルの、アドレスもしくは命令を参照し、対応する処理を実行する。マスク番号1にはインターネットアドレス(URL)が登録されているため、ブラウザプログラムが起動し、登録されたインターネットアドレスにアクセスする。
【0117】
次に、ペン型スキャナーを使用した場合について説明する。
【0118】
ユーザAがペン型スキャナーによって表面の顔写真をクリックすると、コンピュータの中央処理装置は、ペン型スキャナー内部のカメラによって読み取られたドットパターンから、アプリケーションID=1およびカード面番号=10を読み込む。そして、それらに対応したアプリケーションを起動する。次に、図22のテーブルを参照し、アプリケーションIDとカード面番号を検索する。すなわち、アプリケーションID=1、カード面番号=10を検索する。そして、対応するマスクパターン番号を検索し、マスクパターン番号=1を取得する。そして、図23のマスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルを参照し、座標値−マスク番号対応テーブルを取得する。中央処理装置は、ペン型スキャナーから読み取ったXY座標値に対応するマスク番号を、座標値−マスク番号対応テーブルから取得する。すなわち、マスク番号=1を取得する。そして、図22のテーブルの、アドレスもしくは命令を参照し、対応する処理を実行する。マスク番号1にはインターネットアドレス(URL)が登録されているため、ブラウザプログラムが起動し、登録されたインターネットアドレスにアクセスする。
【0119】
<第2の実施形態>
図24〜図25は、第2の実施形態について説明したものである。本実施形態は、ドットパターン中にマスク番号を含んでいることを特徴とする。
【0120】
図24は、本発明の第1の実施形態におけるドットコードフォーマットを示した図である。
【0121】
同図(a)は、マスク領域におけるドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C19にはマスク番号(CODE3)、C20〜C23にはカード面番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0122】
同図(b)は、マスク領域以外の領域におけるドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C23にはカード面番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0123】
ユーザがタッチパネル筐体上にカードを載置して使用する場合は、カード面の読取方法および命令実行方法は第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0124】
ユーザがペン型スキャナーでマスク領域をクリックする場合は、コンピュータの中央処理装置は、ペン型スキャナー内部のカメラによって読み取られたドットパターンから、アプリケーションID、カード面番号、マスク番号およびXY座標を読み込む。そして、アプリケーションIDおよびカード面番号に対応するアプリケーションを起動する。
【0125】
次に、図25に示すマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、取得したマスク番号に対応するアドレスにアクセスし、命令を実行する。なお、図25に示すテーブルは、指定されたアプリケーションの、指定されたカード面におけるマスク番号に対応するテーブルである。
【0126】
タッチパネル筐体とペン型スキャナーとで同じシステムを使用する場合には、図16〜図19に示したテーブルをそのまま使用することができるので、第1の実施形態に示したパターンが有効である。
【0127】
しかし、タッチパネル筐体とペン型スキャナーとで異なるシステムを使用する場合には、第1の実施形態に示したパターンでは、ペン型スキャナー用のシステムにおいても、上記テーブルを持つことが必要となり、システムが煩雑となる。ドットパターン中にマスク番号を含める場合は、マスク番号領域を余分にドットコードとして定義する必要はあるものの、上記テーブルが不要となるため、マスク番号を印刷した方がより簡便であるといえる。
【0128】
<第3の実施形態>
図26〜図28は、第3の実施形態について説明したものである。本実施形態は、アプリケーションIDの末ビットが異なることを特徴とする。
【0129】
図26(a)は、マスク番号を含める場合におけるドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C19にはマスク番号(CODE3)、C20〜C23にはカード番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0130】
同図(b)は、マスク番号を含めない場合のドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C23にはカード番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0131】
カードの裏表は、アプリケーションIDの末ビットによって判断される。すなわち、アプリケーションID(CODE1)は、CODE0+0またはCODE0+1で構成されている。末ビットが0の場合は表面に印刷されたアプリケーションIDであり、1の場合は裏面に印刷されたアプリケーションIDである。
【0132】
本実施形態においては、アプリケーションIDの末ビットでカード面を判断できるため、カード面を特定するためのカード面番号は不要である。そのため、カード両面に、同じ値のカード番号が登録されている。
【0133】
図27は、図26(a)に示すドットコードにおいて、カードの各領域におけるコード値の具体例を示した説明図である。
【0134】
同図に示す如く、表面のアプリケーションIDは1010、裏面のアプリケーションIDは1011である。カード番号は、表面・裏面ともに0001である。マスク領域においては、0001、0010等のマスク番号が登録されている。マスク領域以外の領域では、マスク番号に相当する領域に0000が登録されており、これにより、マスクの割当がないことを意味している。
【0135】
例えば、タッチパネル筐体上にカードが載置され、CODE1(アプリケーションID)=1011が読み取られた場合、CODE1の末ビットを逆転させる。これにより、実際に起動させるアプリケーションを示す、真のアプリケーションIDを求める。この場合、真のアプリケーションIDは1010となる。したがって、コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションID1010に対応するアプリケーションを起動する。次に、図20で説明した方法により、ユーザが指でタッチしたカード座標系のXY座標値を求め、実行しているアプリケーションIDおよびカード番号に対応する座標値−マスク対応テーブルを参照してマスク番号を取得する。そして、図19に示したマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、マスク番号に対応した処理を行う。
【0136】
ペン型スキャナーでカードのマスク領域がクリックされた場合には、読み取られたアプリケーションIDが、そのまま真のアプリケーションIDとなる。例えば、CODE1=1010が読み取られた場合は、真のアプリケーションIDも1010である。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションID、カード番号およびマスク番号を読み取り、図19に示したマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、マスク番号に対応した処理を行う。
【0137】
次に、図示は省略するが、図26(b)に示すドットコードを使用したカードを用いた場合の、命令実行処理方法について説明する。
【0138】
タッチパネル筐体上にカードが載置された場合については、図26(a)に示すドットコードを使用した場合と同様であるので、説明は省略する。
【0139】
ペン型スキャナーでカードのマスク領域がクリックされた場合には、読み取られたアプリケーションIDが、そのまま真のアプリケーションIDとなる。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションID、カード番号およびXY座標を読み取り、図18のテーブルによってマスク番号を取得し、図19に示したマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、マスク番号に対応した処理を行う。
【0140】
このように、アプリケーションの末ビットによってカードの裏表を判断することにより、システム中に図15に示すテーブルを格納する必要がなくなるため、プログラムを簡素化することが可能となる。
【0141】
図28は、本実施形態において、タッチパネル筐体を使用した場合のコード読取の、他の方法について説明した図である。この方法では、裏表で読取コードの0か1かを異ならせる場合においても、カード番号ではなく、カード面番号を定義することを特徴とする。
【0142】
同図(a)は、裏表必ず同じアプリケーションであるカードを、タッチパネル筐体の撮像手段で読み取った場合について示したものである。裏面を読み取った場合に、読取コードが10110001であり、表面を読み取った場合に、読取コードが10100001であったとする。裏表は同じアプリケーションであるので、アプリケーションIDは、裏表共に、101となる。そして、実際に実行されるカード面は、読み取られた面と逆の面であるため、0と1が逆転する。すなわち、読取面が裏であった場合は、実行用カード面番号は00001となり、読取面が表であった場合は、実行用カード面番号が10001となる。
【0143】
同図(b)は、裏表必ず異なるアプリケーションであるカードを、タッチパネル筐体の撮像手段で読み取った場合について示したものである。裏面を読み取った場合に、読取コードが10110001であり、表面を読み取った場合に、読取コードが10100001であったとする。裏表は異なるアプリケーションであるので、両者のアプリケーションIDは異なる。また、実際に実行されるカード面は、読み取られた面と逆の面であるため、0と1が逆転する。すなわち、裏面の実行用アプリケーションIDは1010であり、表面の実行用アプリケーションIDは1011となる。そして、カード面は、裏表共に0001となる。
【0144】
このように、裏表で読取コードの0か1かを異ならせる場合においても、カード番号ではなく、カード面番号を定義してもよい。
【0145】
<第4の実施形態>
図29〜図32は、第4の実施形態について説明したものである。本実施形態は、ドットパターンにXY座標値のみが登録されていることを特徴とする。
【0146】
図29は、各領域のドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C14にはX座標、C15〜C29にはY座標、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0147】
図30は、座標値の具体例について説明する図である。本実施形態では、カードおよびカード面により異なる座標値を有している。すなわち、全体座標系(x、y)の一部を切り取った形となっている。カード座標系(x’、y’)における座標値を求める場合には、全体座標系における座標値から、各カード面の起点の座標値(同図では、カード表面は(600,500)、カード裏面は(800,750))を除して求める。
【0148】
図31は、表裏面対応テーブルを示している。当該テーブルは、x座標の最小値と最大値、y座標の最小値と最大値、カードの表裏面と、タッチパネル筐体用(入力用)およびペン型スキャナー用(実行用)のそれぞれのアプリケーションIDおよびカード面番号が対応付けられている。
【0149】
タッチパネル筐体上にカードが載置された場合には、ドットパターンに登録されたx座標値およびy座標値が読み取られる。ドットパターンには、全体座標系における座標値が登録されている。コンピュータの中央処理装置は、当該テーブルのx座標の最小値および最大値、y座標の最小値および最大値を参照し、タッチパネル筐体用(入力用)アプリケーションIDおよびカード面番号を検索する。そして、対応するペン型スキャナー用(実行用)アプリケーションIDおよびカード面番号を求め、対応するアプリケーションを起動する。
【0150】
次に中央処理装置は、図32に示す方法により、ユーザによりタッチされた位置を算出する。
【0151】
中央処理装置は、読み取ったx座標およびy座標の値(カメラの撮影中心の値)から、表裏面対応テーブルに記載された最小値を除して、カード左隅を原点とするカード座標系の座標値(x’c,y’c)を求める。
【0152】
タッチパネルの座標系におけるY方向と、カードの座標系におけるy’方向とのなす角度(カードの回転角)をθとする。
【0153】
この場合において、ユーザの指先でのタッチ位置が、タッチパネル座標系で表示すると(Xt、Yt)であるとする。
【0154】
この場合、カード座標系におけるタッチ位置(x’t、y’t)は、以下の式で表される。
次に、この(x’t、y’t)座標値を、アプリケーションの制御手段としてのカード面番号に対応する図16の座標値−マスク番号対応テーブルに照合し、マスク番号を取得して、アプリケーションのカード面固有に設定された処理を行う。
【0155】
ペン型スキャナーによりマスク領域がクリックされた場合には、ドットパターンに登録されたx座標値およびy座標値が読み取られる。コンピュータの中央処理装置は、当該テーブルから、ペン型スキャナー用(実行用)アプリケーションIDおよびカード面番号を検索し、対応するアプリケーションを起動する。次に、読み取ったxy座標値から、当該テーブルに記載された最小値を除して、カード座標系の座標値(x’,y’)を取得する。このx’,y’座標値を、アプリケーションの制御手段としてのカード面番号に対応する図18の座標値−マスク番号対応テーブルに照合し、マスク番号を取得して、対応するアプリケーションのカード面固有に設定された処理を実行する。
【0156】
<第5の実施形態>
以上に説明した実施形態においては、上述した各種テーブルが、コンピュータの中央処理装置ではなく、ネットワークを介したサーバに格納されていてもよい。
【0157】
コンピュータの中央処理装置(制御装置)またはペン型スキャナー(第2の光学読取装置)が、カード裏面または表面のドットパターンから得られたアプリケーションIDまたはカード面番号について、当該アプリケーションIDに対応するアプリケーションプログラムまたはアプリケーションプログラムを実行するために必要な各テーブルが、中央処理装置またはペン型スキャナー本体内部または外部に存在しないことを検出した時には、中央処理装置またはペン型スキャナーは、ネットワークを介して接続されたサーバからアプリケーションプログラムまたは各テーブルをダウンロードする。
【0158】
この技術はGAM(Grid Application Manager)と呼ばれるものであり、コンピュータのハードディスク装置内にインストールされたアプリケーションプログラムの名称である。
【0159】
このGAMについて、図33を用いて具体的に説明する。
【0160】
ユーザはCD−ROM、もしくはインターネットの配信サーバにアクセスしてダウンロードしたインストールプログラムをパーソナルコンピュータ(PC)上で実行し、OS(オペレーティングシステム)上にGAMとドライバプログラムを常駐プログラムとして登録する。また、そのときにGAMにバンドルされたアプリケーションプログラムや画像、動画等のコンテンツデータもハードディスク装置(HD)内にインストールする。
【0161】
次に、USB端子にタッチパネル筐体またはペン型スキャナーが接続されると、前記常駐状態のドライバプログラムがこれを認識する。
【0162】
次に、ドットパターンが印刷された紙媒体やカードが、タッチパネル面上に載置されるか、またはペン型スキャナーで走査される(読み取られる)ことにより、ドットパターンが撮影され撮影画像データがパーソナルコンピュータに入力されて32ビットの数字列からなるドットコード(コード番号)が復号される。
【0163】
このドットコード(コード番号)に基づいて、図33(a)に示すGAMのドットコード管理テーブル(インデックステーブル)が参照される。
【0164】
ここで、インデックステーブルに既に当該ドットコード(コード番号)が登録されていれば、そのパーソナルコンピュータ(PC)内に既にインストールされたコンテンツデータであるということが認識され、そのコンテンツデータが読み出されて再生される。このコンテンツデータが動画や画像であれば、それに対応した動画再生アプリケーションプログラムや画像表示プログラムによって、ムービーや画像がディスプレイ装置(DISP)に表示される。
【0165】
また、インデックステーブルのドットコード(コード番号)にインターネット上のアドレス(URL)が登録されている場合には、閲覧プログラム(マイクロソフト社のインターネットエクスプローラ等)が起動して当該アドレスへのアクセスが行われる。
【0166】
ところで、図33の(b)に示すように、ドットパターンを読み取った結果のドットコード(コード番号)がローカル(パーソナルコンピュータ内)のドットコード管理テーブルに登録されていないときには、インターネット上のドットコード管理サーバを参照するようになっている。ここで、ドットコード管理サーバの管理サーバテーブルにドットコード(コード番号)が登録されていればそのドットコード(コード番号)に対してのインストラクション(命令)にしたがって、指定されたWebサーバから(1)コンテンツのダウンロード、具体的にはサーバAからのコンテンツのダウンロード、(2)動画のストリーミング配信、具体的にはストリーミング配信サーバとしてのサーバBからのデータ配信、(3)Webの閲覧、具体的にはサーバCのアドレス(URL)で指定されたWebファイルのダウンロードが自動的に開始されるようになっている。
【0167】
次にコンテンツデータがパーソナルコンピュータ(PC)にダウンロードされたときには、そのコンテンツデータとともに、そのコンテンツデータを起動するためのドットコード管理テーブル(インデックステーブル)の追加データ(コード番号とアドレスとが対になったデータ)もダウンロードされ、以後はパーソナルコンピュータ内のドットコード管理テーブル(インデックステーブル)で管理されるようになっている。
【0168】
したがって、その後は前記と同一のコード番号が読み取られた場合、再度インターネット上のサーバA,BまたはCにアクセスすることはなく、新たに追加されたデータを含むドットコード管理テーブル(インデックステーブル)に基づいて、パーソナルコンピュータのハードディスク装置(HD)内にダウンロードされたコンテンツデータが再生されることになる。
【0169】
<第6の実施形態>
図34〜図44は、本発明の第6の実施形態について説明したものである。
【0170】
図34は、本実施形態に係るタッチパネル筐体(タッチパネル筐体)について示した斜視図である。このタッチパネル筐体は、ステージタイプであることを特徴とする。
【0171】
同図に示すように、タッチパネル筐体は、タッチパネル(ステージ面)の前方にディスプレイが設けられており、カードの配置位置またはタッチパネル(ステージ面)上へのプレイヤの指先のタッチまたはタッチパネル(ステージ面)上のカード表面に対する指先のタッチによってゲーム進行が変化していく。それにあわせて、ディスプレイに表示される画像、動画像も変化するようになっている。
【0172】
このステージ筐体の内部構造は、図35に示す構造となっている。この実施形態では、たとえばタッチパネル(ステージ面)上にドットパターンの印刷されたカードが載置されると、IRLEDから照射された赤外線照射光が枠上の反射板を介してタッチパネルの下面全面に照射される。カード裏面で反射された赤外線照射光は、カメラによって撮像される。
【0173】
そして、センサユニットおよび中央処理装置(MPU)がカードに印刷されたドットパターンを読み込むと、当該ドットパターンをコード値に変換して、当該コード値に対応した画像・動画像をディスプレイ装置に表示する。
【0174】
図36(a)は、本実施形態に用いられるカードについて説明した図である。本カードの両面には、図柄とともに、2種類のドットパターンが重畳印刷されている。2種類のドットパターンは、それぞれドットの大きさが異なる。大きいドットによるドットパターンは、タッチパネル筐体の撮像手段によって読み取られ、小さいドットによるドットパターンは、ペン型スキャナーの撮像手段によって読み取られる。同図(b)は、大きいドットと小さいドットが重畳印刷されている状態を示した拡大図である。
【0175】
小さいドットによるドットパターンは、図7〜図12で説明したものと同様であるが、大きいドットによるドットパターンは、小さいドットによるドットパターンとは異なるドットパターンを使用する。
【0176】
なお、小さいドットパターンは、図36(a)に示す如く、カード全面に小さいドットが印刷されている場合と、図37に示す如く、マスク領域にのみ小さいドットが印刷されている場合がある。
【0177】
カード全面に小さいドットが印刷されている場合は、ドットパターンには、XY座標とアプリケーションIDと、カード面番号とが登録されている。または、XY座標のみが登録されている。
【0178】
一方、マスク領域にのみ小さいドットが印刷されている場合には、ドットパターンには、アプリケーションIDと、カード面番号と、マスク番号とが登録されている。
【0179】
なお、ドットパターン中にマスク番号が登録されている場合であっても、XY座標をドットパターン中に含めてもよい。この場合、XY座標値をパラメータとして用いることが可能である。例えば、カード上でペン型スキャナーを移動させ、座標値の変化によってパラメータを変化させる、ということが可能となる。
【0180】
図38〜41は、大きいドットによるドットパターンについて説明するための図である。
【0181】
なお、このドットパターンの基本アルゴリズムについては、図7〜図12に説明したものとほぼ同様であるが、1つのコードを表現するドットパターンが1個だけ印刷され、かつ、ドットパターンの方向を示すディレクションドットを有している点が異なる。
【0182】
図38〜図39は、ドットパターンとコード値と識別子との関係を示した説明図である。
【0183】
図38に示す如く、ドットパターンは、3×3個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、このブロック内でC1−0〜C17−16に区画されている。各領域のドットコードフォーマットを示したものが図39である。
【0184】
図39に示す如く、C0〜C5がカード面番号、C6〜C15がアプリケーションID、C16〜C17がパリティをそれぞれ意味している。
【0185】
図40は、図7〜図12で説明したドットパターンにおいて、3×3=9個の格子領域で構成されるブロックのドットパターンにおいて、特定の格子領域(ディレクション領域)だけ情報ドット3の配置方向を他の格子領域(ディレクション領域)と変えることによって、ブロックの方向を定義したものである。
【0186】
すなわち、図40において、左下の格子領域34a、中央の格子領域34b、左下の格子領域34cは中心から縦横方向に情報ドット3が配置され、その他の格子領域では中心から斜め方向に情報ドット3が配置されている。このように格子領域34a,34b,34cを配置することでこの格子領域を結ぶ三角形の形状、すなわち、底辺34a,34cに対する頂点34bの関係から、当該ブロックが上向きであることが認識できる。
【0187】
このように、ブロック中の情報ドット3の配置方向を変更した(中心から縦横方向に情報ドットを配置した)格子領域34a,34b,34cの配置関係(ここでは三角形)によってブロックの方向を定義することができる。これによって、ブロック中の全ての格子領域に情報ドット3を配置することができるため、キードットのために格子領域を犠牲にすることがなく、全ての格子領域に情報ドット3を配置することができる。
【0188】
図41は、図40に対応した情報ドット3の配置状態を示す図である。
【0189】
なお、ドットパターンをカードの裏面に印刷する場合については、格子間の距離が約15mm、ドットの大きさがドット間距離の約15%程度が望ましい。したがって、2mmないし2.5mmが望ましいが、これに限定されるものではない。撮像した際のドット間距離の解像度は14ピクセル以上あることが望ましい。
【0190】
図42は、タッチパネル筐体でカードを使用する場合において、ユーザの指先でタッチされた位置(タッチ位置)を算出する方法について説明した図である。
【0191】
カードの幅をW、高さをH,タッチパネル座標系におけるカード中心位置の座標を(Xc,Yc)とする。また、カードの回転角、すなわち、タッチパネル座標系のY方向と、カード座標系のy方向とのなす角度をθとする。
【0192】
この場合に、ユーザの指先でのタッチ位置が、タッチパネル座標系で表示すると(Xt,Yt)であるとする。
この場合、カード座標系におけるタッチ位置(xt,yt)は、以下の式により表される。
【0193】
【数2】
【0194】
このような演算処理を行うことにより、タッチパネル(ステージ)上にカードがどのような向きで配置されたとしても、そのカード表面に印刷されたどの部位に指先でのタッチが行われたかを認識することが可能となる。
【0195】
なお、図42(a)では、カード表面へのタッチは、プレイヤ・オペレータの指先で行った場合について説明したが、タッチペン等で行ってもよいことは勿論である。
【0196】
なお、タッチパネル筐体を使用した場合のドットコードの読取方法および命令の実行方法については、上述した実施例と同様であるので説明は省略する。
【0197】
また、ペン型スキャナーを使用した場合に読み取られるドットパターン(小さいドットによるドットパターン)、ドットコードの読取方法および命令の実行方法については、上述した実施例と同様であるので説明は省略する。
【0198】
図43は、2種類のドットの特性について説明する図である。
【0199】
大きいドットは、小さいドットよりも、ピーク波長の低いインクで印刷されている。また、赤外線照射手段としてのLEDは、タッチパネル筐体内LEDの波長特性は、ペン型スキャナー内LEDの波長特性よりも低い波長特性を有する。さらに、タッチパネル筐体内のカメラレンズの表面に貼付された赤外線カットフィルタは、可視光に近い領域以下の波長のみをカットするのに対し、ペン型スキャナー内の赤外線カットフィルタは、比較的高い波長領域からカットする。
【0200】
このような構造とすることにより、タッチパネル筐体内のカメラでドットパターンを撮像した場合には、大きいドットを明確に撮像することが可能となる。小さいドットが撮像されても、認識が困難であるため、大きいドットによるドットパターンを認識するのに支障とならないためである。また、ペン型スキャナーによりドットパターンが撮像された場合には、小さいドットのみを撮像することが可能となる。赤外線カットフィルタにより、大きいドットの赤外線吸収率がピークとなる波長をカットするためである。
【0201】
また、本実施形態に係るカードは、図44に示す携帯ゲーム機に用いることも可能である。この場合、マスクテーブルが、ゲームセンター等のサーバに格納されている。ユーザは、ネットワークを用いて、サーバのマスクテーブルを、ゲームセンターのステージ筐体から携帯ゲーム機にダウンロードする。
【0202】
これにより、ユーザは、ゲームセンターのみでなく、家庭等においても、カードを使ったゲームを楽しむことができるため、より高い利便性、エンターテイメント性を提供することが可能となる。
【0203】
なお、本発明において、第1の光学読取装置を有するステージ筐体および第2の光学読取装置は、上述した形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、他の形態であってもよいことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明は、カードに様々な機能を持たせることにより、ステージ面にカードを配置して行なうアーケードゲームや、通信販売、職場における従業員の時間管理等、様々な分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】本発明で用いるカードの一例について説明した図である。
【図2】本発明の一実施形態であるタッチパネル筐体の使用状態を示す説明図である。
【図3】タッチパネルの構成について説明するための図(1)である。
【図4】タッチパネルの構成について説明するための図(2)である。
【図5】タッチパネルシステムを示すハードウェアブロック図である。
【図6】ペン型スキャナーを使用して本発明に係るカードを用いた場合の使用状態を示す説明図である。
【図7】GRID1のドットパターンの一例を示す説明図である。
【図8】GRID1におけるドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図9】GRID1における情報ドットの配置を示す説明図である。
【図10】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【図11】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり。(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図12】GRID1におけるドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図13】ディレクションドットのドットパターンを示す説明図である。
【図14】第1の実施形態におけるドットパターンのフォーマットおよび各情報ドットの配置を示す説明図である。
【図15】表裏面対応テーブルについて示す図である。
【図16】アプリケーションID−カード面番号−マスクパターン番号対応テーブルについて示す図である。
【図17】マスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルについて示す図である。
【図18】座標値−マスク番号対応テーブルについて示す図である。
【図19】マスク番号−アドレス−命令対応テーブルについて示す図である。
【図20】ユーザがタッチした指先の位置を算出する方法を示した説明図である。
【図21】第1の実施形態の具体例におけるカードである。
【図22】第1の実施形態の具体例におけるテーブルについて示した図である。
【図23】第1の実施形態の具体例におけるマスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルについて示す図である。
【図24】第2の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図25】マスク番号−アドレス−命令対応テーブルについて示す図である。
【図26】第3の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図27】図26(a)に示すドットコードにおいて、カードの各領域におけるコード値の具体例を示した説明図である。
【図28】タッチパネル筐体でカードの裏側を読んだ場合のコード読取方法について説明するための図である。
【図29】第4の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図30】座標値の具体例について説明するための図である。
【図31】表裏面対応テーブルについて示す図である。
【図32】ユーザがタッチした指先の位置を算出する方法を示した説明図である。
【図33】第5の実施形態であるGAMについて説明するための図である。
【図34】第6の実施形態に係るタッチパネル筐体について示した斜視図である。
【図35】カード、IRLED、タッチパネルの配置について説明した斜視図である。
【図36】第6の実施形態に係るカードと、カードに印刷されているドットについて示した説明図である。
【図37】第6の実施形態に係るカードの他の例について示した説明図である。
【図38】第6の実施形態におけるドットパターンの情報ドットの配置を示す説明図である。
【図39】第6の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図40】図7から図12に示したドットパターンにおいて、情報ドットの配置の仕方を変更してブロックの方向を定義するドットパターンの説明図である。
【図41】図7から図12に示したドットパターンにおいて、情報ドットの配置の仕方を変更してブロックの方向を定義するドットパターンの説明図であり、情報ドットの配置を示したものである。
【図42】ユーザがタッチした指先の位置を算出する方法を示した説明図である。
【図43】2種類のドットの特性について説明するための図である。
【図44】携帯ゲーム機に本発明に係るカードを用いた場合の使用状態について示した説明図である。
【符号の説明】
【0206】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準格子点ドット
5 仮想格子点
34a,34b,34c 格子領域
48a,48b,48c,48d,48e 基準ドット
48f,48g,48h 仮想基準点
CPU 中央処理装置
MM メインメモリ
USB I/F USBインターフェース
HD ハードディスク装置
DISP ディスプレイ装置(表示手段)
KBD キーボード
NW I/F ネットワークインターフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標認識手段を有する情報出力装置およびペン型スキャナーの両者に使用可能なカードの、カード面を読み取る技術、および読み取られたカード面に対応する命令を実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者により、座標認識手段(タッチパネル)を有する情報出力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この情報出力装置は、タッチパネル上に載置されたカードに触れた、指やペンのカード上の位置を認識して画像、動画等の情報を表示したり、プログラムを実行したりすることを特徴とする、まったく新しいインターフェースである。
【0003】
特許文献1には、裏面にドットパターンが印刷され、表面にアイコン等の図柄が印刷されたカードが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特願2006−239593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このカードは、上記発明に係る情報出力装置に対してのみ使用可能であるため、当該情報出力装置が設置されていない場所で、他のドットパターン読取装置でカードを使用することが不可能であり、利便性に欠けるという問題があった。また、原則として1枚のカードで1種類の用途にしか用いられないため、柔軟性に欠けるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、タッチパネルを有する情報出力装置(タッチパネル筐体)と、他のドットパターン読取装置の両者でカードを使用することが可能であり、更に、1枚のカードで2種類の情報を提供することが可能である、そのような利便性と柔軟性に富んだカードを提供するための、カード面を読み取る技術、および読み取られたカード面に対応する命令を実行する技術を実現することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明では、以下の手段を採用した。
【0008】
すなわち、本発明の請求項1は、カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標:たとえばカード左下隅を原点とするカード座標)とをパターン化しており、ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の筐体内光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標:カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0009】
本発明の請求項2は、前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項1記載のカード面の読取・命令実行方法である。
【0010】
本発明の請求項3は、カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられ少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カードを特定するカード番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とをパターン化しており、ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、アプリケーションIDのカード番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標=カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDの少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標=カード座標)に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたXY座標(ドット座標=カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、第2の光学読取装置は、光学読取部と、内部または外部に、カード表面のアプリケーションID毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0011】
本発明の請求項4は、前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カードを特定するカード番号もしくはカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項3記載のカード面の読取・命令実行方法である。
【0012】
本発明の請求項5は、カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、カード表裏面のそれぞれのXY座標の最小値と最大値と、表裏面のアプリケーションIDと、表裏面のカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のXY座標に基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標)から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたX’Y’座標(カード左隅下を原点とするカード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のXY座標の最小値と最大値と、アプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0013】
本発明の請求項6は、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置または前記第2の光学読取装置が、前記カード裏面または表面のドットパターンから得られたアプリケーションIDまたはカード面番号について、当該アプリケーションIDに対応するアプリケーションプログラムまたは前記アプリケーションプログラムを実行するために必要な各テーブルが前記制御装置または前記第2の光学読取装置本体内部または外部に存在しないことを検出した時には、前記制御装置または第2の光学読取装置は、ネットワークを介して接続されたサーバからアプリケーションプログラムまたは前記各テーブルをダウンロードすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカード面の読取・命令実行方法である。
【0014】
本発明の請求項7は、表裏面にそれぞれ2系統のドットパターンが印刷されたカード媒体であって、前記カード媒体の裏面には筐体内から第1の光学読取装置でカード裏面を撮像することによって関連付けられたカード表面の絵柄に対応した処理を実行するための第1のドットパターン(大きなドットパターン)と、そのカード裏面を表面側にしたときに第2の光学読取装置で読み取るための第2のドットパターン(小さなドットパターン)が重ねて印刷されているカード媒体である。
【0015】
本発明の請求項8は、前記カード媒体の裏面を撮像するための第1の光学読取装置を備えたステージ筐体であって、ステージ面上の指先などのタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号ごとにXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記ステージ面の撮像画像からカードの位置および向きを算出するステップと、前記カード裏面の第1のドットパターン(大きなドットパターン)から得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行するステージ筐体である。
【0016】
本発明の請求項9は、前記第1の光学読取装置は、ステージの略裏面全面を撮像するとともに、第1のドットパターン(大きなドットパターン)のみを認識する請求項8記載のステージ筐体である。
【0017】
本発明の請求項10は、前記制御装置は、前記第1の光学読取装置から得られた撮像画像から、前記大きな第1のドットパターンのみを抽出して、当該ドットパターンに対応したコード値に変換する請求項8記載のステージ筐体である。
【0018】
本発明の請求項11は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、マスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0019】
本発明の請求項12は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0020】
本発明の請求項13は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とがパターン化されており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、前記マスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【0021】
本発明の請求項14は、請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、タッチパネル筐体と、他のドットパターン読取装置の両者で使用することが可能であり、更に、1枚のカードで2種類の情報を提供することが可能である、そのような利便性と柔軟性に富んだカードを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明に係るカードについて説明した図である。本カードは、種々のアプリケーションを起動・実行するためのカードである。本カードには、絵や操作指示が描かれたマスク領域がカード両面に印刷されている。また、両面には、全域にドットパターンが印刷されている。カードに記載されたアプリケーション内容は表面と裏面で異なっており、それぞれの内容に対応したドットパターンが印刷されている。たとえば同図(a)に示すように、カード表面は商品説明Webカードであり、同図(b)に示すように、カード裏面は商品購入カードとなっている。
【0025】
本カードは、第1の光学読取装置を有するタッチパネル筐体(ステージ筐体)と、第2の光学読取装置であるペン型スキャナーの両方に使用することが可能である。すなわち、店舗等、タッチパネル筐体が設置されている場所では、ユーザは、起動させたいアプリケーションが記載されている面を上面に向けて、タッチパネル上にカードを載置する。そして、指先でマスク領域をタッチすることにより、各種操作を行う。自宅等、タッチパネル筐体が設置されていない場所では、ペン型スキャナーでマスク領域をクリックすることにより、各種操作を行う。
【0026】
図2は、汎用的なコンピュータシステムに上述したタッチパネル筐体を接続したものである。
【0027】
本システムは、コンピュータ本体とディスプレイ装置とタッチパネル筐体とで構成される。本実施形態のタッチパネル筐体の上面は、タッチパネルとして構成されている。タッチパネルの上面中央には、撮像口が開口されており、筐体内に設けられたカメラ(光学読取装置)により、撮像口上面に配置されたカードの裏面に印刷されたドットパターンが撮像可能となっている。
【0028】
なお、タッチパネルは、赤外線撮像装置を使用する等の他の構造でも構わない。
【0029】
タッチパネル筐体内のカメラの周囲には、照明手段としてのIRLEDが配置されており、撮像口を照射するようになっている。すなわち、IRLEDから照射された赤外線光が撮像口に配置されたカード裏面の反射光をカメラで撮像することによってカード裏面のドットパターンの撮像が可能となっている。
【0030】
カード裏面のドットパターンについては、後述するが、赤外線を吸収するインクでドットパターンが印刷されているため、通常の印刷とドットパターンとが重畳印刷されていてもカメラによるドットパターンの撮影には影響されない。
【0031】
図3は、タッチパネルの詳細について説明した図である。タッチパネルのそれぞれの側壁には、発光素子群と、受光素子群とが、対になって配置されており、発光素子群からの光を指先、タッチペン、またはフィギアなどの媒体が遮ることによって受光素子が受光すべき光を受光できなくなり、当該位置にこれらの光遮断物があることを認識することによって、座標入力が可能となっている。
【0032】
図4(a)は、タッチパネル(座標認識手段)の別の実施形態を示すものである。
【0033】
すなわち、前記タッチパネルの周縁壁を構成する一辺の両内端には、ステージを座標認識手段として機能させるための一対の赤外線撮像装置(カメラAおよびカメラB)が設けられている。
【0034】
これらの赤外線撮像装置で撮像された画像を制御手段が解析することによってタッチパネルまたはステージ上でのプレイヤ・オペレータの指先、ペンまたは立体物のXY座標を認識可能にしている。
【0035】
また、前記周縁壁の一辺は、切欠部を有しており、この切欠部より媒体としてのカードをステージまたはタッチパネル上から退出させることが容易となっている。
【0036】
カメラA,Bの両側方には、赤外線照射素子が設けられており、赤外線照射素子により、照射された赤外線の反射光をカメラが撮像するようになっている。カメラには、図示は省略するが、この反射光を撮像可能とするため、それぞれのカメラA、BにはIRフィルタが設けられている。
【0037】
前記周縁壁の内面には、再帰反射面として構成されており、赤外線が入射した角度と同じ方向に赤外線を反射する特性を有している。
【0038】
同図(b)は、カメラAおよびカメラBの撮像画像を示したものであり、タッチパネルまたはステージ面上にプレイヤの指先が位置されていると、その部分F1,F2(指先)の画像が他の部分と異なる反射光で撮像される。そこで、両カメラA,Bの画像を解析することでタッチパネルまたはステージ面の指先のXY座標が計算可能である。
【0039】
すなわち、カメラAの撮像画像により、F1の位置を認識して角度αが算出でき、カメラBの撮像画像からF2の位置を認識して角度βが算出できるため、座標値(X,Y)が算出できるようになっている。
【0040】
なお、タッチパネルまたはステージ面上にこのような指先が存在しない場合の画像と、指先でタッチされた画像との差分を検出して位置認識を行ってもよい。
【0041】
図5は、タッチパネルシステムについて説明するブロック図である。
【0042】
同図に示すように、パーソナルコンピュータは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バス(BUS)で接続されたハードディスク装置(HD)、出力手段としての表示装置(DISP)、入力手段としてのキーボード(KBD)を有している。
【0043】
そして、USBインターフェース(USB I/F)を介して、上述したタッチパネル筐体が接続されている。
【0044】
なお図示を省略してあるが、ディスプレイ装置(DISP)の他に、出力装置として、プリンタ、スピーカ等が接続されていてもよい。
【0045】
また、バス(BUS)は、ネットワークインターフェース(NW I/F)を介してインターネット等の汎用ネットワーク(NW)に接続されており、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報、プログラム等が図示しないサーバよりダウンロード可能となっている。
【0046】
ハードディスク(HD)内には、オペレーティングシステム(OS)とともに、本実施形態で用いられるドットパターンの解析プログラム等のアプリケーションプログラム、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報や各種テーブル等のデータが登録されている。
【0047】
中央処理装置(CPU)は、タッチパネル筐体内の撮像手段からの媒体面のドットパターンの撮影データを読み取りコードまたは座標値に変換した入力信号をUSBインターフェースを介して受信すると、当該入力信号に対応した電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報、プログラム等をハードディスク(HD)から読み出してディスプレイ装置(DISP)または図示しないスピーカ等の出力装置から出力させるようになっている。
【0048】
図6は、ペン型スキャナーを使用して本発明に係るカードを用いた場合の使用状態を示した説明図である。ペン型スキャナーを使用する場合は、ユーザは、マスク領域をペン型スキャナーでクリックすることにより、マスク領域に印刷されたドットパターンを読み取り、ディスプレイ装置上に商品説明画像やWebページを表示させたり、表示された画像の拡大・縮小等の操作指示を行ったりする。
【0049】
ペン型スキャナーは、詳細な図示は省略するが、赤外線照射手段(赤色LED)とIRフィルタと、CMOSセンサ、CCDセンサ等の光学撮像素子を備えており、媒体面に照射した照射光の反射光を撮影する機能を有している。ここで媒体面上のドットパターンはカーボンインクで印刷されており、ドットパターン以外の画像や文字部分はノンカーボンインクで印刷されている。
【0050】
このカーボンインクは赤外光を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることになる。
【0051】
このように、ドットパターンのみがカーボンインクで印刷されているため、他のカーボンインクで印刷された画像や文字に可視的に影響を与えることなく、ドットパターンを通常の印刷と重畳印刷することができる。
【0052】
なお、赤外光を吸収する特性を有するインクとしてカーボンインクを例示したが、ドットパターンの印刷は、特定波長に反応するインクであれば、カーボンインクに限定されない。
【0053】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、ペン型スキャナー内の中央処理装置(CPU)によって解析されて座標値またはコード値に変換されて、USBケーブルおよびUSBインターフェース(USB I/O)を介してパーソナルコンピュータに送信される。
【0054】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、受信した座標値またはコード値を示すテーブルを参照して、これらに対応した電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報がディスプレイ装置(DISP)やスピーカから出力されるようになっている。
【0055】
図7から図13は、このようなドットパターンについて説明したものである。
【0056】
<ドットパターンの説明 GRID1>
図7〜図12は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0057】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0058】
図7はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図8(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0059】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0060】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図6に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図6の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0061】
1つのブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させ、または、複数のブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させることができる。
【0062】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0063】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0064】
キードット2は、図7に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。情報ドット3がX,Y座標値を表す場合に、キードット2を下方に0.1mmずらした位置が座標点となる。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0065】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図8(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0066】
図8(b)は、図7のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0067】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0068】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0069】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0070】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0071】
たとえば,情報ドット3は、図9(a)に示すように、ブロック中心から時計回りでI1からI16を配置する格子間隔は0.5mmであり、2mm×2mmで2ビット×16=32ビットを表現する。
【0072】
なお、ブロック内に個々に独立した情報内容を有し、かつ他の情報内容に影響されないサブブロックをさらに設けることができる。図9(b)はこれを図示したものであり、4つの情報ドット3で構成されるサブブロック[I1、I2、I3、I4]、[I5、I6、I7、I8]、[I9、I10、I11、I12]、[I13、I14、I15、I16]は各々独立したデータ(3ビット×4=12ビット)が情報ドット3に展開されるようになっている。このようにサブブロックを設けることにより、エラーチェックをサブブロック単位で容易に行うことができる。
【0073】
情報ドット3のベクトル方向(回転方向)は、30度〜90度毎に均等に定めるのが望ましい。
【0074】
図10は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0075】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0076】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で28の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0077】
図11は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0078】
図12はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0079】
図7と図9に示すドットパターン1は、1ブロックに16(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0080】
<ドットパターンの説明 ディレクションドット>
次に、ドットパターンの他の形態であるディレクションドットについて図13を用いて説明する。
【0081】
本ドットパターンは、ブロックの形状によって、ドットパターンの方向を定義したものである。図13(a)において、まず基準点48a〜48eが配置されている。この基準点48a〜48eを結ぶ線によってブロックの向きを示す形状(ここでは上方を向いた5角形)が定義されている。そして、この基準点に基づいて仮想基準点48f、48g、48hが配置され、この仮想基準点を始点として方向と長さを有するベクトル終点に情報ドット3が配置されている。このように、同図では、ブロックの向きを基準点の配置の仕方によって定義することができる。そしてブロックの向きが定義されることによって、ブロック全体の大きさも定義されることになる。
【0082】
なお、図13(a)においては、基準点48a〜48eと情報ドット3は全て同一形状のもので説明したが、基準点48a〜48eを情報ドット3よりも大きな形状としてもよい。また、この基準点48a〜48eと情報ドット3とは識別可能であればいかなる形状としてもよく、三角形、四角形それ以上の多角形であってもよい。
【0083】
なお、図13(b)は、図13(a)に示したブロックを縦横方向に2個ずつ連結したものである。
【0084】
<第1の実施形態>
図14は、本発明の第1の実施形態におけるドットコードフォーマットを示した図である。
【0085】
なお、以下の各実施形態においては、ドットパターンは、上述したGRID1を用いているが、本発明ではこれに限らず、上述したディレクションドット、あるいは、他のドットパターンを用いてもよい。
【0086】
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標:たとえばカード左下隅を原点とするカード座標)とをパターン化している。
【0087】
同図(b)に示す如く、このドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、このブロック内でC1−0〜C31−30に区画されている。
【0088】
同図(a)は、各領域のドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C23にはカード面番号、C24〜C29にはアプリケーションID、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0089】
このように、本ドットパターンでは、4×4個の格子領域中に、X座標、Y座標とともに、それに対応するコード情報を登録しておくことができる。
【0090】
図15は、本実施形態に用いられる表裏面対応テーブルについて説明する図である。
【0091】
当該テーブルは、ハードディスク装置内に格納されている。同図に示すように、当該テーブルは、カードの表裏面と、タッチパネル筐体用(入力用)およびペン型スキャナー用(実行用)のそれぞれのアプリケーションIDおよびカード面番号が対応付けられている。
【0092】
ユーザがタッチパネルの撮像口上にカードを載置すると、タッチパネル筐体内のカメラは、カードに重畳印刷されたドットパターンを読み取る。すると、カメラの中央処理装置(CPU)は当該ドットパターンを解析ソフトによって解析し、ドットコードに変換する。このドットコードはコンピュータの中央処理装置に送信される。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションIDおよびカード面番号を読み込み、当該テーブルを参照し、タッチパネル筐体用のアプリケーションIDとカード面番号を検索する。次に、当該テーブルから、タッチパネル筐体用(入力用)のアプリケーションIDとカード面番号に対応する、ペン型スキャナー用(実行用)のアプリケーションID、カード面番号を求め、対応したアプリケーションを起動する。
【0093】
タッチパネル筐体を使用する場合、ユーザが実行するアプリケーションは、カメラが読み込んだドットパターンが意味するアプリケーションとは逆面のアプリケーションである。そのため、上記処理が必要となる。
【0094】
一方、ユーザがペン型スキャナーを使用する場合は、コンピュータの中央処理装置は、ペン型スキャナー内部のカメラによって読み取られたドットパターンから、アプリケーションIDおよびカード面番号を読み込む。そして、それらに対応するアプリケーションを起動する。
【0095】
図16は、アプリケーションID−カード面番号−マスクパターン番号対応テーブルについて説明した図であり、図15−2は、マスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルについて説明した図である。
【0096】
図16に示すように、アプリケーションIDには、1または複数のカード面番号が対応しており、各カード面番号には、マスクパターン番号が対応付けられている。マスクパターン番号とは、カード面におけるマスク番号およびマスクの配置のパターンを示した番号である。異なるカード面番号に同一のマスクパターンが対応していてもよい。
【0097】
中央処理装置は、アプリケーションID−カード面番号−マスクパターン番号対応テーブルを参照し、取得したアプリケーションIDおよびカード面番号に対応するマスクパターン番号を取得する。これらの各マスクパターン番号には、図17に示すように、マスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルが対応付けられている。
【0098】
図18は、座標値−マスク番号対応テーブルの一例である。当該テーブルには、カード上のアイコンの位置に対応したXY座標値に、マスク番号が設定されている。
【0099】
図19は、マスク番号−アドレス−命令対応テーブルについて説明した図である。当該テーブルには、マスク番号に対応してアドレスおよび命令が登録されるようになっている。たとえばマスク番号1にはインターネットアドレス(URL)が登録されており、このアドレスは、Webに接続するという命令を意味している。マスク番号12にはローカルのドライブと実行ファイルが登録されており、Webを切断するという命令を意味している。
【0100】
これらの図15〜図19までのテーブルにより、ユーザが、タッチパネル筐体上にカードを載置した場合、または、ペン型スキャナーでマスク領域をクリックした場合に、ユーザが所望する処理を行うことが可能となる。
【0101】
なお、ペン型スキャナーによりカード面のマスク領域がクリックされた場合には、読み取ったドットパターンに登録されたX座標値およびY座標値を読み取り、図18に示した座標値−マスク番号対応テーブルによって、対応するマスク番号を取得する。そして、図19に示したテーブルを参照し、マスク番号に登録された命令を実行する。
【0102】
一方、タッチパネル筐体上にカードが載置され、ユーザの指先によりマスク領域がタッチされた場合には、図20に示す方法により、タッチ位置のカード座標系における座標値を求める。
【0103】
タッチパネル(座標認識手段)座標系において、カメラ(撮像手段)中心位置の座標を(Xc,Yc)とする。
【0104】
また、そのカメラで撮影したカードの撮影中心位置を、カード座標系で表現した位置を(xc,yc)とする。
【0105】
一方、タッチパネルの座標系におけるY方向と、カードの座標系におけるy方向とのなす角度(カードの回転角)をθとする。
【0106】
この場合において、ユーザの指先でのタッチ位置が、タッチパネル座標系で表示すると(Xt、Yt)であるとする。
【0107】
この場合、カード座標系におけるタッチ位置(xt、yt)は、以下の式で表される。
【0108】
【数1】
【0109】
このような演算処理を行うことにより、タッチパネル面上にカードがどのような向きで配置されたとしても、そのカード表面に印刷されたどの部位に指先でのタッチが行われたかを認識することが可能となる。
【0110】
タッチ位置を算出したら、中央処理装置は、図18に示した座標値−マスク番号対応テーブルによって、タッチ位置に対応するマスク番号を取得する。そして、図19に示したテーブルを参照し、マスク番号に登録された命令を実行する。
【0111】
(具体例)
次に、図21〜図23を用いて、ユーザがマスク領域をタッチまたはクリックしてから、マスク領域に対応した命令が実行されるまでの具体例について説明する。
【0112】
図21は、カードについて示したものであり、(a)はカード表面、(b)はカード裏面である。本カードは、表面は社員証、裏面はタイムカードとして構成されている。
【0113】
図22および図23は、本実施例に用いられるテーブルについて説明した図である。図22に示すテーブルは、アプリケーションID、カード面番号(またはカード番号)、マスクパターン番号およびアドレスもしくは命令との対応を示すテーブルである。図23に示すテーブルは、マスクパターン番号と座標値とマスク番号との対応を示すテーブルである。
【0114】
本実施例においては、アプリケーションID=1は、個人情報管理アプリケーションを意味している。また、カード面番号=10はユーザAの表面、20はユーザBの表面、11はユーザAの裏面を意味している。
【0115】
まず、タッチパネル筐体を使用した場合について説明する。
【0116】
ユーザAが表面を上にしてタッチパネルの撮像口上にカードを載置すると、タッチパネル筐体内のカメラは、カード裏面に重畳印刷されたドットパターンを読み取る。すると、カメラの中央処理装置(CPU)は当該ドットパターンを解析ソフトによって解析し、ドットコードに変換する。このドットコードはコンピュータの中央処理装置に送信される。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションIDおよびカード面番号を読み込み、図15で説明した表裏面対応テーブルにおける、タッチパネル筐体用(入力用)のアプリケーションIDおよびカード面番号を検索する。そして、当該テーブルから、タッチパネル筐体用のアプリケーションIDとカード面番号に対応する、ペン型スキャナー用のアプリケーションID、カード番号を求め、対応したアプリケーションを起動する。次に、図22のテーブルを参照し、アプリケーションIDとカード面番号を検索する。すなわち、アプリケーションID=1、カード面番号=10を検索する。そして、対応するマスクパターン番号を検索し、マスクパターン番号=1を取得する。そして、図23のマスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルを参照し、座標値−マスク番号対応テーブルを取得する。カード表面におけるユーザの顔写真の位置には、マスク番号1が登録されている。顔写真がユーザの指でタッチされると、図20で説明した方法によって、タッチ位置の座標値を求め、取得した座標値−マスク番号対応テーブルからタッチ位置の座標値に対応するマスク番号=1を取得する。そして、図22のテーブルの、アドレスもしくは命令を参照し、対応する処理を実行する。マスク番号1にはインターネットアドレス(URL)が登録されているため、ブラウザプログラムが起動し、登録されたインターネットアドレスにアクセスする。
【0117】
次に、ペン型スキャナーを使用した場合について説明する。
【0118】
ユーザAがペン型スキャナーによって表面の顔写真をクリックすると、コンピュータの中央処理装置は、ペン型スキャナー内部のカメラによって読み取られたドットパターンから、アプリケーションID=1およびカード面番号=10を読み込む。そして、それらに対応したアプリケーションを起動する。次に、図22のテーブルを参照し、アプリケーションIDとカード面番号を検索する。すなわち、アプリケーションID=1、カード面番号=10を検索する。そして、対応するマスクパターン番号を検索し、マスクパターン番号=1を取得する。そして、図23のマスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルを参照し、座標値−マスク番号対応テーブルを取得する。中央処理装置は、ペン型スキャナーから読み取ったXY座標値に対応するマスク番号を、座標値−マスク番号対応テーブルから取得する。すなわち、マスク番号=1を取得する。そして、図22のテーブルの、アドレスもしくは命令を参照し、対応する処理を実行する。マスク番号1にはインターネットアドレス(URL)が登録されているため、ブラウザプログラムが起動し、登録されたインターネットアドレスにアクセスする。
【0119】
<第2の実施形態>
図24〜図25は、第2の実施形態について説明したものである。本実施形態は、ドットパターン中にマスク番号を含んでいることを特徴とする。
【0120】
図24は、本発明の第1の実施形態におけるドットコードフォーマットを示した図である。
【0121】
同図(a)は、マスク領域におけるドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C19にはマスク番号(CODE3)、C20〜C23にはカード面番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0122】
同図(b)は、マスク領域以外の領域におけるドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C23にはカード面番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0123】
ユーザがタッチパネル筐体上にカードを載置して使用する場合は、カード面の読取方法および命令実行方法は第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0124】
ユーザがペン型スキャナーでマスク領域をクリックする場合は、コンピュータの中央処理装置は、ペン型スキャナー内部のカメラによって読み取られたドットパターンから、アプリケーションID、カード面番号、マスク番号およびXY座標を読み込む。そして、アプリケーションIDおよびカード面番号に対応するアプリケーションを起動する。
【0125】
次に、図25に示すマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、取得したマスク番号に対応するアドレスにアクセスし、命令を実行する。なお、図25に示すテーブルは、指定されたアプリケーションの、指定されたカード面におけるマスク番号に対応するテーブルである。
【0126】
タッチパネル筐体とペン型スキャナーとで同じシステムを使用する場合には、図16〜図19に示したテーブルをそのまま使用することができるので、第1の実施形態に示したパターンが有効である。
【0127】
しかし、タッチパネル筐体とペン型スキャナーとで異なるシステムを使用する場合には、第1の実施形態に示したパターンでは、ペン型スキャナー用のシステムにおいても、上記テーブルを持つことが必要となり、システムが煩雑となる。ドットパターン中にマスク番号を含める場合は、マスク番号領域を余分にドットコードとして定義する必要はあるものの、上記テーブルが不要となるため、マスク番号を印刷した方がより簡便であるといえる。
【0128】
<第3の実施形態>
図26〜図28は、第3の実施形態について説明したものである。本実施形態は、アプリケーションIDの末ビットが異なることを特徴とする。
【0129】
図26(a)は、マスク番号を含める場合におけるドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C19にはマスク番号(CODE3)、C20〜C23にはカード番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0130】
同図(b)は、マスク番号を含めない場合のドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C7にはX座標、C8〜C15にはY座標、C16〜C23にはカード番号(CODE2)、C24〜C29にはアプリケーションID(CODE1)、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0131】
カードの裏表は、アプリケーションIDの末ビットによって判断される。すなわち、アプリケーションID(CODE1)は、CODE0+0またはCODE0+1で構成されている。末ビットが0の場合は表面に印刷されたアプリケーションIDであり、1の場合は裏面に印刷されたアプリケーションIDである。
【0132】
本実施形態においては、アプリケーションIDの末ビットでカード面を判断できるため、カード面を特定するためのカード面番号は不要である。そのため、カード両面に、同じ値のカード番号が登録されている。
【0133】
図27は、図26(a)に示すドットコードにおいて、カードの各領域におけるコード値の具体例を示した説明図である。
【0134】
同図に示す如く、表面のアプリケーションIDは1010、裏面のアプリケーションIDは1011である。カード番号は、表面・裏面ともに0001である。マスク領域においては、0001、0010等のマスク番号が登録されている。マスク領域以外の領域では、マスク番号に相当する領域に0000が登録されており、これにより、マスクの割当がないことを意味している。
【0135】
例えば、タッチパネル筐体上にカードが載置され、CODE1(アプリケーションID)=1011が読み取られた場合、CODE1の末ビットを逆転させる。これにより、実際に起動させるアプリケーションを示す、真のアプリケーションIDを求める。この場合、真のアプリケーションIDは1010となる。したがって、コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションID1010に対応するアプリケーションを起動する。次に、図20で説明した方法により、ユーザが指でタッチしたカード座標系のXY座標値を求め、実行しているアプリケーションIDおよびカード番号に対応する座標値−マスク対応テーブルを参照してマスク番号を取得する。そして、図19に示したマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、マスク番号に対応した処理を行う。
【0136】
ペン型スキャナーでカードのマスク領域がクリックされた場合には、読み取られたアプリケーションIDが、そのまま真のアプリケーションIDとなる。例えば、CODE1=1010が読み取られた場合は、真のアプリケーションIDも1010である。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションID、カード番号およびマスク番号を読み取り、図19に示したマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、マスク番号に対応した処理を行う。
【0137】
次に、図示は省略するが、図26(b)に示すドットコードを使用したカードを用いた場合の、命令実行処理方法について説明する。
【0138】
タッチパネル筐体上にカードが載置された場合については、図26(a)に示すドットコードを使用した場合と同様であるので、説明は省略する。
【0139】
ペン型スキャナーでカードのマスク領域がクリックされた場合には、読み取られたアプリケーションIDが、そのまま真のアプリケーションIDとなる。コンピュータの中央処理装置は、アプリケーションID、カード番号およびXY座標を読み取り、図18のテーブルによってマスク番号を取得し、図19に示したマスク番号−アドレス−命令対応テーブルを参照し、マスク番号に対応した処理を行う。
【0140】
このように、アプリケーションの末ビットによってカードの裏表を判断することにより、システム中に図15に示すテーブルを格納する必要がなくなるため、プログラムを簡素化することが可能となる。
【0141】
図28は、本実施形態において、タッチパネル筐体を使用した場合のコード読取の、他の方法について説明した図である。この方法では、裏表で読取コードの0か1かを異ならせる場合においても、カード番号ではなく、カード面番号を定義することを特徴とする。
【0142】
同図(a)は、裏表必ず同じアプリケーションであるカードを、タッチパネル筐体の撮像手段で読み取った場合について示したものである。裏面を読み取った場合に、読取コードが10110001であり、表面を読み取った場合に、読取コードが10100001であったとする。裏表は同じアプリケーションであるので、アプリケーションIDは、裏表共に、101となる。そして、実際に実行されるカード面は、読み取られた面と逆の面であるため、0と1が逆転する。すなわち、読取面が裏であった場合は、実行用カード面番号は00001となり、読取面が表であった場合は、実行用カード面番号が10001となる。
【0143】
同図(b)は、裏表必ず異なるアプリケーションであるカードを、タッチパネル筐体の撮像手段で読み取った場合について示したものである。裏面を読み取った場合に、読取コードが10110001であり、表面を読み取った場合に、読取コードが10100001であったとする。裏表は異なるアプリケーションであるので、両者のアプリケーションIDは異なる。また、実際に実行されるカード面は、読み取られた面と逆の面であるため、0と1が逆転する。すなわち、裏面の実行用アプリケーションIDは1010であり、表面の実行用アプリケーションIDは1011となる。そして、カード面は、裏表共に0001となる。
【0144】
このように、裏表で読取コードの0か1かを異ならせる場合においても、カード番号ではなく、カード面番号を定義してもよい。
【0145】
<第4の実施形態>
図29〜図32は、第4の実施形態について説明したものである。本実施形態は、ドットパターンにXY座標値のみが登録されていることを特徴とする。
【0146】
図29は、各領域のドットコードフォーマットを示したものである。C0〜C14にはX座標、C15〜C29にはY座標、C30〜C31にはパリティがそれぞれ登録されるようになっている。
【0147】
図30は、座標値の具体例について説明する図である。本実施形態では、カードおよびカード面により異なる座標値を有している。すなわち、全体座標系(x、y)の一部を切り取った形となっている。カード座標系(x’、y’)における座標値を求める場合には、全体座標系における座標値から、各カード面の起点の座標値(同図では、カード表面は(600,500)、カード裏面は(800,750))を除して求める。
【0148】
図31は、表裏面対応テーブルを示している。当該テーブルは、x座標の最小値と最大値、y座標の最小値と最大値、カードの表裏面と、タッチパネル筐体用(入力用)およびペン型スキャナー用(実行用)のそれぞれのアプリケーションIDおよびカード面番号が対応付けられている。
【0149】
タッチパネル筐体上にカードが載置された場合には、ドットパターンに登録されたx座標値およびy座標値が読み取られる。ドットパターンには、全体座標系における座標値が登録されている。コンピュータの中央処理装置は、当該テーブルのx座標の最小値および最大値、y座標の最小値および最大値を参照し、タッチパネル筐体用(入力用)アプリケーションIDおよびカード面番号を検索する。そして、対応するペン型スキャナー用(実行用)アプリケーションIDおよびカード面番号を求め、対応するアプリケーションを起動する。
【0150】
次に中央処理装置は、図32に示す方法により、ユーザによりタッチされた位置を算出する。
【0151】
中央処理装置は、読み取ったx座標およびy座標の値(カメラの撮影中心の値)から、表裏面対応テーブルに記載された最小値を除して、カード左隅を原点とするカード座標系の座標値(x’c,y’c)を求める。
【0152】
タッチパネルの座標系におけるY方向と、カードの座標系におけるy’方向とのなす角度(カードの回転角)をθとする。
【0153】
この場合において、ユーザの指先でのタッチ位置が、タッチパネル座標系で表示すると(Xt、Yt)であるとする。
【0154】
この場合、カード座標系におけるタッチ位置(x’t、y’t)は、以下の式で表される。
次に、この(x’t、y’t)座標値を、アプリケーションの制御手段としてのカード面番号に対応する図16の座標値−マスク番号対応テーブルに照合し、マスク番号を取得して、アプリケーションのカード面固有に設定された処理を行う。
【0155】
ペン型スキャナーによりマスク領域がクリックされた場合には、ドットパターンに登録されたx座標値およびy座標値が読み取られる。コンピュータの中央処理装置は、当該テーブルから、ペン型スキャナー用(実行用)アプリケーションIDおよびカード面番号を検索し、対応するアプリケーションを起動する。次に、読み取ったxy座標値から、当該テーブルに記載された最小値を除して、カード座標系の座標値(x’,y’)を取得する。このx’,y’座標値を、アプリケーションの制御手段としてのカード面番号に対応する図18の座標値−マスク番号対応テーブルに照合し、マスク番号を取得して、対応するアプリケーションのカード面固有に設定された処理を実行する。
【0156】
<第5の実施形態>
以上に説明した実施形態においては、上述した各種テーブルが、コンピュータの中央処理装置ではなく、ネットワークを介したサーバに格納されていてもよい。
【0157】
コンピュータの中央処理装置(制御装置)またはペン型スキャナー(第2の光学読取装置)が、カード裏面または表面のドットパターンから得られたアプリケーションIDまたはカード面番号について、当該アプリケーションIDに対応するアプリケーションプログラムまたはアプリケーションプログラムを実行するために必要な各テーブルが、中央処理装置またはペン型スキャナー本体内部または外部に存在しないことを検出した時には、中央処理装置またはペン型スキャナーは、ネットワークを介して接続されたサーバからアプリケーションプログラムまたは各テーブルをダウンロードする。
【0158】
この技術はGAM(Grid Application Manager)と呼ばれるものであり、コンピュータのハードディスク装置内にインストールされたアプリケーションプログラムの名称である。
【0159】
このGAMについて、図33を用いて具体的に説明する。
【0160】
ユーザはCD−ROM、もしくはインターネットの配信サーバにアクセスしてダウンロードしたインストールプログラムをパーソナルコンピュータ(PC)上で実行し、OS(オペレーティングシステム)上にGAMとドライバプログラムを常駐プログラムとして登録する。また、そのときにGAMにバンドルされたアプリケーションプログラムや画像、動画等のコンテンツデータもハードディスク装置(HD)内にインストールする。
【0161】
次に、USB端子にタッチパネル筐体またはペン型スキャナーが接続されると、前記常駐状態のドライバプログラムがこれを認識する。
【0162】
次に、ドットパターンが印刷された紙媒体やカードが、タッチパネル面上に載置されるか、またはペン型スキャナーで走査される(読み取られる)ことにより、ドットパターンが撮影され撮影画像データがパーソナルコンピュータに入力されて32ビットの数字列からなるドットコード(コード番号)が復号される。
【0163】
このドットコード(コード番号)に基づいて、図33(a)に示すGAMのドットコード管理テーブル(インデックステーブル)が参照される。
【0164】
ここで、インデックステーブルに既に当該ドットコード(コード番号)が登録されていれば、そのパーソナルコンピュータ(PC)内に既にインストールされたコンテンツデータであるということが認識され、そのコンテンツデータが読み出されて再生される。このコンテンツデータが動画や画像であれば、それに対応した動画再生アプリケーションプログラムや画像表示プログラムによって、ムービーや画像がディスプレイ装置(DISP)に表示される。
【0165】
また、インデックステーブルのドットコード(コード番号)にインターネット上のアドレス(URL)が登録されている場合には、閲覧プログラム(マイクロソフト社のインターネットエクスプローラ等)が起動して当該アドレスへのアクセスが行われる。
【0166】
ところで、図33の(b)に示すように、ドットパターンを読み取った結果のドットコード(コード番号)がローカル(パーソナルコンピュータ内)のドットコード管理テーブルに登録されていないときには、インターネット上のドットコード管理サーバを参照するようになっている。ここで、ドットコード管理サーバの管理サーバテーブルにドットコード(コード番号)が登録されていればそのドットコード(コード番号)に対してのインストラクション(命令)にしたがって、指定されたWebサーバから(1)コンテンツのダウンロード、具体的にはサーバAからのコンテンツのダウンロード、(2)動画のストリーミング配信、具体的にはストリーミング配信サーバとしてのサーバBからのデータ配信、(3)Webの閲覧、具体的にはサーバCのアドレス(URL)で指定されたWebファイルのダウンロードが自動的に開始されるようになっている。
【0167】
次にコンテンツデータがパーソナルコンピュータ(PC)にダウンロードされたときには、そのコンテンツデータとともに、そのコンテンツデータを起動するためのドットコード管理テーブル(インデックステーブル)の追加データ(コード番号とアドレスとが対になったデータ)もダウンロードされ、以後はパーソナルコンピュータ内のドットコード管理テーブル(インデックステーブル)で管理されるようになっている。
【0168】
したがって、その後は前記と同一のコード番号が読み取られた場合、再度インターネット上のサーバA,BまたはCにアクセスすることはなく、新たに追加されたデータを含むドットコード管理テーブル(インデックステーブル)に基づいて、パーソナルコンピュータのハードディスク装置(HD)内にダウンロードされたコンテンツデータが再生されることになる。
【0169】
<第6の実施形態>
図34〜図44は、本発明の第6の実施形態について説明したものである。
【0170】
図34は、本実施形態に係るタッチパネル筐体(タッチパネル筐体)について示した斜視図である。このタッチパネル筐体は、ステージタイプであることを特徴とする。
【0171】
同図に示すように、タッチパネル筐体は、タッチパネル(ステージ面)の前方にディスプレイが設けられており、カードの配置位置またはタッチパネル(ステージ面)上へのプレイヤの指先のタッチまたはタッチパネル(ステージ面)上のカード表面に対する指先のタッチによってゲーム進行が変化していく。それにあわせて、ディスプレイに表示される画像、動画像も変化するようになっている。
【0172】
このステージ筐体の内部構造は、図35に示す構造となっている。この実施形態では、たとえばタッチパネル(ステージ面)上にドットパターンの印刷されたカードが載置されると、IRLEDから照射された赤外線照射光が枠上の反射板を介してタッチパネルの下面全面に照射される。カード裏面で反射された赤外線照射光は、カメラによって撮像される。
【0173】
そして、センサユニットおよび中央処理装置(MPU)がカードに印刷されたドットパターンを読み込むと、当該ドットパターンをコード値に変換して、当該コード値に対応した画像・動画像をディスプレイ装置に表示する。
【0174】
図36(a)は、本実施形態に用いられるカードについて説明した図である。本カードの両面には、図柄とともに、2種類のドットパターンが重畳印刷されている。2種類のドットパターンは、それぞれドットの大きさが異なる。大きいドットによるドットパターンは、タッチパネル筐体の撮像手段によって読み取られ、小さいドットによるドットパターンは、ペン型スキャナーの撮像手段によって読み取られる。同図(b)は、大きいドットと小さいドットが重畳印刷されている状態を示した拡大図である。
【0175】
小さいドットによるドットパターンは、図7〜図12で説明したものと同様であるが、大きいドットによるドットパターンは、小さいドットによるドットパターンとは異なるドットパターンを使用する。
【0176】
なお、小さいドットパターンは、図36(a)に示す如く、カード全面に小さいドットが印刷されている場合と、図37に示す如く、マスク領域にのみ小さいドットが印刷されている場合がある。
【0177】
カード全面に小さいドットが印刷されている場合は、ドットパターンには、XY座標とアプリケーションIDと、カード面番号とが登録されている。または、XY座標のみが登録されている。
【0178】
一方、マスク領域にのみ小さいドットが印刷されている場合には、ドットパターンには、アプリケーションIDと、カード面番号と、マスク番号とが登録されている。
【0179】
なお、ドットパターン中にマスク番号が登録されている場合であっても、XY座標をドットパターン中に含めてもよい。この場合、XY座標値をパラメータとして用いることが可能である。例えば、カード上でペン型スキャナーを移動させ、座標値の変化によってパラメータを変化させる、ということが可能となる。
【0180】
図38〜41は、大きいドットによるドットパターンについて説明するための図である。
【0181】
なお、このドットパターンの基本アルゴリズムについては、図7〜図12に説明したものとほぼ同様であるが、1つのコードを表現するドットパターンが1個だけ印刷され、かつ、ドットパターンの方向を示すディレクションドットを有している点が異なる。
【0182】
図38〜図39は、ドットパターンとコード値と識別子との関係を示した説明図である。
【0183】
図38に示す如く、ドットパターンは、3×3個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、このブロック内でC1−0〜C17−16に区画されている。各領域のドットコードフォーマットを示したものが図39である。
【0184】
図39に示す如く、C0〜C5がカード面番号、C6〜C15がアプリケーションID、C16〜C17がパリティをそれぞれ意味している。
【0185】
図40は、図7〜図12で説明したドットパターンにおいて、3×3=9個の格子領域で構成されるブロックのドットパターンにおいて、特定の格子領域(ディレクション領域)だけ情報ドット3の配置方向を他の格子領域(ディレクション領域)と変えることによって、ブロックの方向を定義したものである。
【0186】
すなわち、図40において、左下の格子領域34a、中央の格子領域34b、左下の格子領域34cは中心から縦横方向に情報ドット3が配置され、その他の格子領域では中心から斜め方向に情報ドット3が配置されている。このように格子領域34a,34b,34cを配置することでこの格子領域を結ぶ三角形の形状、すなわち、底辺34a,34cに対する頂点34bの関係から、当該ブロックが上向きであることが認識できる。
【0187】
このように、ブロック中の情報ドット3の配置方向を変更した(中心から縦横方向に情報ドットを配置した)格子領域34a,34b,34cの配置関係(ここでは三角形)によってブロックの方向を定義することができる。これによって、ブロック中の全ての格子領域に情報ドット3を配置することができるため、キードットのために格子領域を犠牲にすることがなく、全ての格子領域に情報ドット3を配置することができる。
【0188】
図41は、図40に対応した情報ドット3の配置状態を示す図である。
【0189】
なお、ドットパターンをカードの裏面に印刷する場合については、格子間の距離が約15mm、ドットの大きさがドット間距離の約15%程度が望ましい。したがって、2mmないし2.5mmが望ましいが、これに限定されるものではない。撮像した際のドット間距離の解像度は14ピクセル以上あることが望ましい。
【0190】
図42は、タッチパネル筐体でカードを使用する場合において、ユーザの指先でタッチされた位置(タッチ位置)を算出する方法について説明した図である。
【0191】
カードの幅をW、高さをH,タッチパネル座標系におけるカード中心位置の座標を(Xc,Yc)とする。また、カードの回転角、すなわち、タッチパネル座標系のY方向と、カード座標系のy方向とのなす角度をθとする。
【0192】
この場合に、ユーザの指先でのタッチ位置が、タッチパネル座標系で表示すると(Xt,Yt)であるとする。
この場合、カード座標系におけるタッチ位置(xt,yt)は、以下の式により表される。
【0193】
【数2】
【0194】
このような演算処理を行うことにより、タッチパネル(ステージ)上にカードがどのような向きで配置されたとしても、そのカード表面に印刷されたどの部位に指先でのタッチが行われたかを認識することが可能となる。
【0195】
なお、図42(a)では、カード表面へのタッチは、プレイヤ・オペレータの指先で行った場合について説明したが、タッチペン等で行ってもよいことは勿論である。
【0196】
なお、タッチパネル筐体を使用した場合のドットコードの読取方法および命令の実行方法については、上述した実施例と同様であるので説明は省略する。
【0197】
また、ペン型スキャナーを使用した場合に読み取られるドットパターン(小さいドットによるドットパターン)、ドットコードの読取方法および命令の実行方法については、上述した実施例と同様であるので説明は省略する。
【0198】
図43は、2種類のドットの特性について説明する図である。
【0199】
大きいドットは、小さいドットよりも、ピーク波長の低いインクで印刷されている。また、赤外線照射手段としてのLEDは、タッチパネル筐体内LEDの波長特性は、ペン型スキャナー内LEDの波長特性よりも低い波長特性を有する。さらに、タッチパネル筐体内のカメラレンズの表面に貼付された赤外線カットフィルタは、可視光に近い領域以下の波長のみをカットするのに対し、ペン型スキャナー内の赤外線カットフィルタは、比較的高い波長領域からカットする。
【0200】
このような構造とすることにより、タッチパネル筐体内のカメラでドットパターンを撮像した場合には、大きいドットを明確に撮像することが可能となる。小さいドットが撮像されても、認識が困難であるため、大きいドットによるドットパターンを認識するのに支障とならないためである。また、ペン型スキャナーによりドットパターンが撮像された場合には、小さいドットのみを撮像することが可能となる。赤外線カットフィルタにより、大きいドットの赤外線吸収率がピークとなる波長をカットするためである。
【0201】
また、本実施形態に係るカードは、図44に示す携帯ゲーム機に用いることも可能である。この場合、マスクテーブルが、ゲームセンター等のサーバに格納されている。ユーザは、ネットワークを用いて、サーバのマスクテーブルを、ゲームセンターのステージ筐体から携帯ゲーム機にダウンロードする。
【0202】
これにより、ユーザは、ゲームセンターのみでなく、家庭等においても、カードを使ったゲームを楽しむことができるため、より高い利便性、エンターテイメント性を提供することが可能となる。
【0203】
なお、本発明において、第1の光学読取装置を有するステージ筐体および第2の光学読取装置は、上述した形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、他の形態であってもよいことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明は、カードに様々な機能を持たせることにより、ステージ面にカードを配置して行なうアーケードゲームや、通信販売、職場における従業員の時間管理等、様々な分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】本発明で用いるカードの一例について説明した図である。
【図2】本発明の一実施形態であるタッチパネル筐体の使用状態を示す説明図である。
【図3】タッチパネルの構成について説明するための図(1)である。
【図4】タッチパネルの構成について説明するための図(2)である。
【図5】タッチパネルシステムを示すハードウェアブロック図である。
【図6】ペン型スキャナーを使用して本発明に係るカードを用いた場合の使用状態を示す説明図である。
【図7】GRID1のドットパターンの一例を示す説明図である。
【図8】GRID1におけるドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図9】GRID1における情報ドットの配置を示す説明図である。
【図10】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【図11】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり。(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図12】GRID1におけるドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図13】ディレクションドットのドットパターンを示す説明図である。
【図14】第1の実施形態におけるドットパターンのフォーマットおよび各情報ドットの配置を示す説明図である。
【図15】表裏面対応テーブルについて示す図である。
【図16】アプリケーションID−カード面番号−マスクパターン番号対応テーブルについて示す図である。
【図17】マスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルについて示す図である。
【図18】座標値−マスク番号対応テーブルについて示す図である。
【図19】マスク番号−アドレス−命令対応テーブルについて示す図である。
【図20】ユーザがタッチした指先の位置を算出する方法を示した説明図である。
【図21】第1の実施形態の具体例におけるカードである。
【図22】第1の実施形態の具体例におけるテーブルについて示した図である。
【図23】第1の実施形態の具体例におけるマスクパターン番号−座標値−マスク番号対応テーブルについて示す図である。
【図24】第2の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図25】マスク番号−アドレス−命令対応テーブルについて示す図である。
【図26】第3の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図27】図26(a)に示すドットコードにおいて、カードの各領域におけるコード値の具体例を示した説明図である。
【図28】タッチパネル筐体でカードの裏側を読んだ場合のコード読取方法について説明するための図である。
【図29】第4の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図30】座標値の具体例について説明するための図である。
【図31】表裏面対応テーブルについて示す図である。
【図32】ユーザがタッチした指先の位置を算出する方法を示した説明図である。
【図33】第5の実施形態であるGAMについて説明するための図である。
【図34】第6の実施形態に係るタッチパネル筐体について示した斜視図である。
【図35】カード、IRLED、タッチパネルの配置について説明した斜視図である。
【図36】第6の実施形態に係るカードと、カードに印刷されているドットについて示した説明図である。
【図37】第6の実施形態に係るカードの他の例について示した説明図である。
【図38】第6の実施形態におけるドットパターンの情報ドットの配置を示す説明図である。
【図39】第6の実施形態におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図40】図7から図12に示したドットパターンにおいて、情報ドットの配置の仕方を変更してブロックの方向を定義するドットパターンの説明図である。
【図41】図7から図12に示したドットパターンにおいて、情報ドットの配置の仕方を変更してブロックの方向を定義するドットパターンの説明図であり、情報ドットの配置を示したものである。
【図42】ユーザがタッチした指先の位置を算出する方法を示した説明図である。
【図43】2種類のドットの特性について説明するための図である。
【図44】携帯ゲーム機に本発明に係るカードを用いた場合の使用状態について示した説明図である。
【符号の説明】
【0206】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準格子点ドット
5 仮想格子点
34a,34b,34c 格子領域
48a,48b,48c,48d,48e 基準ドット
48f,48g,48h 仮想基準点
CPU 中央処理装置
MM メインメモリ
USB I/F USBインターフェース
HD ハードディスク装置
DISP ディスプレイ装置(表示手段)
KBD キーボード
NW I/F ネットワークインターフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標:たとえばカード左下隅を原点とするカード座標)とをパターン化しており、
ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、
ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の筐体内光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標:カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、
前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、
第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、
読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項2】
前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項1記載のカード面の読取・命令実行方法。
【請求項3】
カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられ少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とをパターン化しており、
ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、
ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
アプリケーションIDのカード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標=カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、
前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDの少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標=カード座標)に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたXY座標(ドット座標=カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、
第2の光学読取装置は、光学読取部と、内部または外部に、カード表面のアプリケーションID毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、
読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項4】
前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号もしくはカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項3記載のカード面の読取・命令実行方法。
【請求項5】
カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、
ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、
ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
カード表裏面のそれぞれのXY座標の最小値と最大値と、表裏面のアプリケーションIDと、表裏面のカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、
前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のXY座標に基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標)から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたX’Y’座標(カード左隅下を原点とするカード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、
第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のXY座標の最小値と最大値と、アプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、
読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項6】
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置または前記第2の光学読取装置が、前記カード裏面または表面のドットパターンから得られたアプリケーションIDまたはカード面番号について、当該アプリケーションIDに対応するアプリケーションプログラムまたは前記アプリケーションプログラムを実行するために必要な各テーブルが前記制御装置または前記第2の光学読取装置本体内部または外部に存在しないことを検出した時には、
前記制御装置または第2の光学読取装置は、ネットワークを介して接続されたサーバからアプリケーションプログラムまたは前記各テーブルをダウンロードすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカード面の読取・命令実行方法。
【請求項7】
表裏面にそれぞれ2系統のドットパターンが印刷されたカード媒体であって、
前記カード媒体の裏面には筐体内から第1の光学読取装置でカード裏面を撮像することによって関連付けられたカード表面の絵柄に対応した処理を実行するための第1のドットパターン(大きなドットパターン)と、そのカード裏面を表面側にしたときに第2の光学読取装置で読み取るための第2のドットパターン(小さなドットパターン)が重ねて印刷されているカード媒体。
【請求項8】
前記カード媒体の裏面を撮像するための第1の光学読取装置を備えたステージ筐体であって、
ステージ面上の指先などのタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号ごとにXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記ステージ面の撮像画像からカードの位置および向きを算出するステップと、
前記カード裏面の第1のドットパターン(大きなドットパターン)から得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行するステージ筐体。
【請求項9】
前記第1の光学読取装置は、ステージの略裏面全面を撮像するとともに、第1のドットパターン(大きなドットパターン)のみを認識する請求項8記載のステージ筐体。
【請求項10】
前記制御装置は、前記第1の光学読取装置から得られた撮像画像から、前記大きな第1のドットパターンのみを抽出して、当該ドットパターンに対応したコード値に変換する請求項8記載のステージ筐体。
【請求項11】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、マスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項12】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項13】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記マスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項14】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項1】
カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標:たとえばカード左下隅を原点とするカード座標)とをパターン化しており、
ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、
ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の筐体内光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標:カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、
前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、
第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、
読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項2】
前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項1記載のカード面の読取・命令実行方法。
【請求項3】
カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられ少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とをパターン化しており、
ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、
ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
アプリケーションIDのカード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標=カード座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、
前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のアプリケーションIDの少なくともいずれかのビットまたはフラグを反転させることによって反対面側のアプリケーションを特定するステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標=カード座標)に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたXY座標(ドット座標=カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、
第2の光学読取装置は、光学読取部と、内部または外部に、カード表面のアプリケーションID毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、
読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標に基づいてマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項4】
前記カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号もしくはカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行する請求項3記載のカード面の読取・命令実行方法。
【請求項5】
カードの表面と裏面にそれぞれドットパターンが形成され、当該カードの表裏面にそれぞれ関連付けられた異なるアプリケーションが実行可能なカード面の読取・命令実行方法であって、
カードの表面および裏面のそれぞれのドットパターンは、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、
ステージ筐体は、その上部に設けられたステージ面にカードを載置した状態で、そのステージ面の下方(ステージ筐体内)から前記カードの裏面のドットパターンを撮像する第1の光学読取装置としての筐体内光学読取装置と、
ステージ面上の指先等のタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
カード表裏面のそれぞれのXY座標の最小値と最大値と、表裏面のアプリケーションIDと、表裏面のカード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記カード裏面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたカード裏面のドットパターンのXY座標(ドット座標)から前記カードの前記ステージ面上の位置および向き(角度)を算出するステップと、
前記カード裏面のドットパターンから得られたカード裏面のXY座標に基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(ドット座標)から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたX’Y’座標(カード左隅下を原点とするカード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行し、
第2の光学読取装置は、光学読取部と、本体内部または外部に、カード表面のXY座標の最小値と最大値と、アプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号毎にXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第2の光学読取装置と、記憶装置とを制御する読取部制御装置と、を有しており、
読取部制御装置は、第2の光学読取装置がカード表面のドットパターンを撮像したときに、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項6】
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置または前記第2の光学読取装置が、前記カード裏面または表面のドットパターンから得られたアプリケーションIDまたはカード面番号について、当該アプリケーションIDに対応するアプリケーションプログラムまたは前記アプリケーションプログラムを実行するために必要な各テーブルが前記制御装置または前記第2の光学読取装置本体内部または外部に存在しないことを検出した時には、
前記制御装置または第2の光学読取装置は、ネットワークを介して接続されたサーバからアプリケーションプログラムまたは前記各テーブルをダウンロードすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカード面の読取・命令実行方法。
【請求項7】
表裏面にそれぞれ2系統のドットパターンが印刷されたカード媒体であって、
前記カード媒体の裏面には筐体内から第1の光学読取装置でカード裏面を撮像することによって関連付けられたカード表面の絵柄に対応した処理を実行するための第1のドットパターン(大きなドットパターン)と、そのカード裏面を表面側にしたときに第2の光学読取装置で読み取るための第2のドットパターン(小さなドットパターン)が重ねて印刷されているカード媒体。
【請求項8】
前記カード媒体の裏面を撮像するための第1の光学読取装置を備えたステージ筐体であって、
ステージ面上の指先などのタッチ位置を検出するタッチパネル装置と、
カード表裏面のそれぞれのアプリケーションIDと、カード面番号とを関連付けた対応テーブルと、カード面番号ごとにXY座標上のマスク番号を対応付けたマスクテーブルと、マスク番号と命令とを関連付けた命令テーブルと、アプリケーションプログラムとを記憶した記憶装置と、
前記第1の光学読取装置と、タッチパネル装置と、記憶装置とを制御する制御装置と、を有しており、
前記ステージ筐体の制御装置は、前記第1の光学読取装置が前記ステージ面の撮像画像からカードの位置および向きを算出するステップと、
前記カード裏面の第1のドットパターン(大きなドットパターン)から得られたカード裏面のアプリケーションIDとカード面番号とに基づいて前記対応テーブルを参照して、カード表面のアプリケーションIDとカード面番号を読み出すステップと、
前記タッチパネル装置から得られたタッチパネル座標における指先等のタッチ位置を検出し、当該タッチ位置のタッチパネル座標を前記で得られたXY座標(カード座標)に変換するステップと、
前記指先等のタッチで指定されたXY座標(カード座標)に対応するマスク番号をマスクテーブルから読み出すステップと、
前記マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して、命令を実行するステップとからなる処理を実行するステージ筐体。
【請求項9】
前記第1の光学読取装置は、ステージの略裏面全面を撮像するとともに、第1のドットパターン(大きなドットパターン)のみを認識する請求項8記載のステージ筐体。
【請求項10】
前記制御装置は、前記第1の光学読取装置から得られた撮像画像から、前記大きな第1のドットパターンのみを抽出して、当該ドットパターンに対応したコード値に変換する請求項8記載のステージ筐体。
【請求項11】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、マスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項12】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)と、さらにマスク番号とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項13】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、それぞれの面に関連付けられたアプリケーションを特定するアプリケーションIDと、カード面を特定するカード面番号と、XY座標(ドット座標=カード座標)とがパターン化されており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたアプリケーションIDによってアプリケーションプログラムを特定するステップと、
前記マスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
前記ドットパターンから読み出したマスク番号に基づいて、直接命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【請求項14】
請求項7記載のカード媒体の表面および裏面のそれぞれの第2のドットパターン(小さなドットパターン)は、XY座標(ドット座標)をパターン化しており、
前記第2の光学読取装置の読取部制御装置がカード表面のドットパターンを撮像したときには、当該撮像画像から得られたXY座標に基づいて、前記対応テーブルを参照してアプリケーションIDと、アプリケーションプログラムとを特定するステップと、
前記撮像画像のXY座標から前記XY座標の最小値を減じて、カードの左隅下を原点とするカード座標X’Y’座標に基づいて前記カード面番号によって特定されるマスクテーブルを参照してマスク番号を特定するステップと、
当該マスク番号に基づいて命令テーブルを参照して命令を実行するステップとからなる処理を実行するカード面の読取・命令実行方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【公開番号】特開2009−3702(P2009−3702A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163973(P2007−163973)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【特許番号】特許第4154700号(P4154700)
【特許公報発行日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【特許番号】特許第4154700号(P4154700)
【特許公報発行日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]