説明

ガスケットによるシール構造

【課題】接合面側の分岐した部分と分岐された部分との形状変化に伴い、ガスケット側でもその分岐した部分と分岐された部分とで断面形状が異なる場合に、当該形状変化部でのシールを確実に行えるようにする。
【解決手段】ガスケット3は、一般部接合面をシールするメインシール部3Aと、一般部接合面に対し分岐・合流したループ状接合面をシールするサブシール部3Bとを備える。メインシール部3Aでは、ガスケット溝に嵌合する基部9と二部材間に挟み込まれるリップ部10とを有している。サブシール部3Bのうちメインシール部3Aとの直近位置ではメインシール部3A側と同じ高さの徐変形状の基部14を有しているとともに、リップ部15の両側には壁部を両側から挟み込むサイドリップ部18を起立形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスケットによるシール構造に関し、例えば内燃機関のシリンダヘッドとヘッドカバーとの関係のように二部材間にガスケットを圧締保持して当該部位を密封するようにしたシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のように、二部材間の接合面に分岐部や合流部が存在する場合、その二部材間に圧締保持されるガスケットもまた分岐部や合流部を有していることになり、例えばガスケットのうち分岐した部分と分岐された部分とでは共に同一断面形状のものとなっているのが一般的である。
【特許文献1】特開2007−42510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その一方、シール面として機能する接合面の分岐した部分と分岐された部分とに着目した場合に双方の接合面の形状が異なることがあり、その接合面の形状の違いに応じてガスケットの断面形状も双方で異ならせると、当該形状変化部でのシール性が不安定となりやすい。特に分岐した部分のガスケットの断面形状が分岐された部分の断面形状よりも小さくなるような場合には、当該部分での圧縮代を分岐された部分より小さく設定せざるを得ないため、シール性の低下を招きやすい。
【0004】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、例えば接合面側の分岐した部分と分岐された部分との形状変化に伴いガスケット側でもその分岐した部分と分岐された部分とで断面形状が異なる場合であっても、当該形状変化部でのシールを確実に行えるようにしたシール構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、二部材間にガスケットを圧締保持して、一方の部材のうち溝部が形成された一般部接合面に対して分岐または合流する幅狭の枝状接合面を上記一般部接合面とともにシールするようにした構造を前提としている。その上で、上記枝状接合面では、一般部接合面側と連続した溝部が当該一般部接合面の近傍にてその溝深さが漸次浅くなるように徐変しながら消失している一方、上記ガスケットは、枝状接合面を含んだ一般部接合面の平面形状とほぼ同一形状であって、且つ一般部接合面のシールを司るメインシール部と上記枝状接合面のシールを司るサブシール部とを備えているとともに、上記メインシール部では、溝部に嵌合する基部と双方の部材の接合面間に挟み込まれるリップ部とを有している。そして、上記サブシール部のうちメインシール部との直近位置では当該メインシール部側と同じ高さの基部を有しているとともに、上記溝深さの徐変形状に対応してメインシール部から遠ざかるにしたがってその基部の高さ寸法が漸次小さくなるように徐変しつつ消失していて、さらにサブシール部におけるリップ部の両側には上記枝状接合面が形成された壁部を両側から挟み込むサイドリップ部が起立形成されていることを特徴とする。
【0006】
ここでは、例えば請求項6に記載のように、一方の部材が内燃機関における樹脂製のヘッドカバーであり、他方の部材がシリンダヘッドである場合を想定している。
【0007】
上記枝状接合面は、請求項2に記載のように、一方の部材のうち溝部が形成された一般部接合面から分岐した上で合流するループ状接合面として形成されていても良い。
【0008】
また、請求項3に記載のように、上記基部とリップ部とを有したメインシール部は、長手方向では略変形T字状の均一断面形状のものとして形成されている一方、上記サブシール部のうちメインシール部との直近位置では当該メインシール部と同一断面形状をなしているとともに、上記溝深さの徐変形状に対応してメインシール部から遠ざかるにしたがって基部の高さ寸法が漸次小さくなるように徐変しつつサブシール部側のリップ部における極小高さのシールビード部として収束していても良い。
【0009】
同様に、請求項4に記載のように、上記枝状接合面では、その幅寸法が一般部接合面の近傍では当該一般部接合面側とほぼ同じ幅寸法となっている一方で、それ以外の部分では一般部接合面側よりも小さな幅寸法となっていて、さらに上記枝状接合面のシールを司るサブシール部では、そのリップ部の幅寸法が枝状接合面の幅寸法とほぼ同等の大きさに設定されていても良い。
【0010】
さらに、請求項5に記載のように、上記ガスケットは、一方の部材の溝部に対する基部の嵌合をもってその一方の部材に予め嵌合保持されるようになっていても良い。
【0011】
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、ガスケット側のメインシール部とサブシール部との接続部に着目した場合に、上記サブシール部のうちメインシール部との直近位置では当該メインシール部側と同じ高さの基部を有しているとともに、相手側となる溝深さの徐変形状に対応してメインシール部から遠ざかるにしたがってその基部の高さ寸法が漸次小さくなるように徐変しつつ消失していることから、メインシール部とサブシール部との接続部での極端な形状変化がなくなり、当該部位を確実にシールすることができるようになる。
【0012】
その上、上記のように基部が消失するのに代えて、サブシール部におけるリップ部の両側には上記枝状接合面が形成された壁部を両側から挟み込むサイドリップ部が起立形成されているので、サブシール部の着座安定性も良好なものとなる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ガスケットのうちメインシール部に対するサブシール部の分岐部または合流部において極端な形状変化がないので、そのシール性が安定化し、当該部位を確実にシールすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1〜7は本発明に係るシール構造のより具体的な実施の形態を示す図であり、特に図1,2に示すように内燃機関におけるシリンダヘッド1と接合される樹脂製のヘッドカバー2側の接合面2aに予め閉ループ状に嵌合保持されるガスケット3をもって双方の接合面1a,2a間のシールを行う場合の例を示している。そして、図1のA−A断面が図2のa部に対応している。
【0015】
図1,2に示すように、ヘッドカバー2側の接合面2aの周縁部にはボルト穴4等を迂回するようにしてその全周に溝部たるガスケット溝5が形成されていて、このガスケット溝5に対してゴム製で且つ紐状のガスケット3が閉ループ状に嵌合保持される。ヘッドカバー2の一部にはブローバイガスの通路等として機能する筒状部6が一体に形成されている。この筒状部6の開口端面6aは接合面2aと同一平面をなしていて、開口端面6aについても接合面2aとともにガスケット3にてシールするようになっている。
【0016】
ここで、筒状部6以外の接合面2aを便宜上一般部接合面と称し、他方、筒状部6の開口端面6aにのみ着目した場合には、筒状部6の開口端面6aは一般部接合面2aから一旦枝状に分岐した上で再度一般部接合面2aに合流するループ状のものであることから、一般部接合面2aとの関係としてそれに対する分岐または合流の少なくともいずれか一方に着目した場合には筒状部6の開口端面6aを便宜上枝状接合面と称し、また分岐および合流の双方の併存を前提とした場合には筒状部6の開口端面6aを便宜上ループ状接合面と称するものとする。
【0017】
上記ループ状接合面6aの幅寸法E2は一般部接合面2aの幅寸法E1よりも小さくなっているものの、一般部接合面2aに対するループ状接合面6aの分岐部および合流部たる根元部7であって且つ一般部接合面2aとの直近位置ではその一般部接合面2aと同等の幅寸法を有していて、その一般部接合面2aから遠ざかるほど幅寸法が漸次小さくなるようにいわゆる徐変していて、最終的には上記幅寸法の変化は最小の幅寸法E2で収束している。
【0018】
また、上記ループ状接合面6aの根元部7には一般部接合面2a側のガスケット溝部5に連続する溝部8が形成されていて、この溝部8の幅寸法および深さは図1に示すように根元部7自体の幅寸法と同様にその一般部接合面2aから遠ざかるほど漸次小さくなるようにいわゆる徐変していて、最終的にはループ状接合面6aが最小幅寸法E2となる位置の直前で消失している。
【0019】
上記一般部接合面2aおよびループ状接合面6aのシールを司るガスケット3は、図3,4に示すように上記一般部接合面2aに対応したメインシール部3Aのほか、ループ状接合面6aに対応したサブシール部3Bとを備えていて、サブシール部3Bはループ状接合面6aと同様にメインシール部3Aから一旦枝状に分岐した上で再度メインシール部3Aに合流するループ状のものとなっている。
【0020】
メインシール部3Aでは、ガスケット溝5に嵌合する凸状の基部9と、その基部9と一体であって且つシリンダヘッド1とヘッドカバー2の双方の接合面1a,2a間に介在することになるフラットなリップ部10と、を備えていて、図5にも示すようにメインシール部3Aの長手方向全体を通して断面略変形T字状の均一断面形状のものとして形成されている。そして、リップ部10の裏面、すなわち相手側の接合面1aと接する部分には、長手方向に沿って二条のシールビード部11が形成されているとともに、基部9にはビード部12とともに所定のピッチでリブ13が形成されている。ビード部12は、ガスケット圧締時のガスケット溝5内での圧縮安定性を確保するものであり、リブ13は、図2に示すようにヘッドカバー2のガスケット溝5に予めガスケット3を嵌合保持させた際の脱落を防止する役目をする。
【0021】
メインシール部3Aと一体のサブシール部3Bは、上記溝部8を含むループ状接合面6aの形状を反転転写したような形状をなしていて、メインシール部3Aに対するサブシール部3Bの分岐部および合流部たる根元部にはメインシール部3A側の基部9に連続する徐変形状の基部14を有しているほか、ループ状接合面6aの幅寸法E2とほぼ同等幅のリップ部15を有している。そして、図6にも示すように、リップ部15には基部14と同方向に突出する単一且つ極小のシールビード部16が形成されているほか、リップ部15の裏面、すなわち相手側の接合面1aと接する部分には、メインシール部3A側と同様に長手方向に沿って二条のシールビード部17が形成されている。さらに、サブシール部3Bのうちループ状接合面6aの最小の幅寸法E2の部位に対応する位置には、その両側にサイドリップ部18が直立または起立形成されていて、後述するようにシールビード部16が相手側となるループ状接合面6aに着座したならば、同時にそのループ状接合面6aが形成されている筒状部6の周壁6bをサイドリップ部18にて両側から挟み込むようになっている。
【0022】
図3,5のほか図7に示すように、上記サブシール部3Bの基部14はメインシール部3A側の直近位置では当該メインシール部3A側の基部9と同じ断面形状を有してはいても、ループ状接合面6aの溝部8の変化と同様にして、メインシール部3Aの基部9から遠ざかるほどその幅寸法と高さ寸法が漸次小さくなるように断面形状がいわゆる徐変していて、最終的には上記基部14の断面形状の変化は単一のシールビード部16として収束している。
【0023】
したがって、このようなガスケット3によるシール構造によれば、図1,3に示すようにメインシール部3Aにおける凸状の基部9をヘッドカバー2側の一般部接合面2aのガスケット溝5に嵌合させて、予めガスケット3をヘッドカバー2側に付帯させておく。この場合、サブシール部3Bにおける徐変形状の基部14もまたループ状接合面6a側の溝部8に嵌合・合致するとともに、そのサブシール部3Bは双方のサイドリップ部18間にループ状接合面6aとともにそのループ状接合面6aが形成されている筒状部6の周壁6bを受容するかたちとなる。そして、基部9に形成されているリブ13がガスケット溝5との弾接によって適度に弾性変形することで、ガスケット3はヘッドカバー2から容易に脱落することがないように保持される。
【0024】
そして、図2のようにガスケット3が嵌合保持されたヘッドカバー2を相手側となるシリンダヘッド1と接合した上で、周知のようにボルト穴4に挿入される図示外のボルトをもって締め付けて、シリンダヘッド1とヘッドカバー2との間にガスケット3を圧締保持する。
【0025】
この場合、ガスケット3のメインシール部3Aでは、ガスケット溝5に嵌合している基部9が圧縮変形しながら、フラットなリップ部10がシリンダヘッド1とヘッドカバー2との間に介在される。また、サブシール部3Bでは、徐変形状の基部14がメインシール部3A側の基部9と同様に圧縮変形しながら、フラットなリップ部15がシリンダヘッド1とヘッドカバー2との間に圧締保持される。同時に、サブシール部3Bにおけるリップ部15の両側にはサイドリップ部18が起立形成されていることから、それらのサイドリップ部18はループ状接合面6aが形成された筒状部6の周壁6bを両側から挟み込むかたちとなる。これにより、シリンダヘッド1とヘッドカバー2の双方の接合面1a,2a間がガスケット3にてシールされることになる。
【0026】
その結果、一般部接合面2aとループ状接合面6aとの接続部に対応することになるガスケット3側のメインシール部3Aとサブシール部3Bとの接続部では、双方の形状が急変することなく、サブシール部3B側ではメインシール部3A側の基部9と同一断面形状の基部14が徐変しつつリップ部15側のシールビード部16に滑らかに連続するように収束しているので、基部9,14側でのシール線が不連続になることもなければ、当該部分でのシール性が不安定になることがなく、必要十分なシール性を確保することができるようになる。
【0027】
また、上記ループ状接合面6a側では、途中で溝部8が消失してはいても、代わって当該ループ状接合面6aでは両側にサイドリップ部18が形成されていて、これらのサイドリップ部18にてループ状接合面6aが形成された筒状部6側の周壁6bを挟み込んでいるので、当該サイドリップ部18でのリップ部15の着座安定性が悪化することもなく、これによってもまた必要十分なシール性を確保することができる。
【0028】
図8は本発明に係るシール構造の第2の実施の形態を示し、先の第1の実施の形態における図6と同じ位置の断面図を示している。
【0029】
この第2の実施の形態では、サブシール部3Bのリップ部15から直立形成したサイドリップ部18の内周に長手方向にそって複数の微細な突状部18aを形成したものである。
【0030】
この第2の実施の形態によれば、筒状部6の周壁6bからのサブシール部3Bの抜け方向に対して突状部18aが引っ掛かることになるので、例えばヘッドカバー2をシリンダヘッド1に組み付ける際や輸送時のサブシール部3Bの脱落をより確実に防止できる利点がある。
【0031】
図9,10は本発明に係るシール構造の第3,4の実施の形態を示し、先の第1の実施の形態における図7と同じ位置を示している。
【0032】
図7では、メインシール部3A側の基部9とサブシール部3B側のいわゆる徐変形状の基部14の断面形状がほぼ同一または相似形状であるのに対して、図9,10の第3,4の実施の形態では、メインシール部3A側の基部9の断面形状に対してサブシール部3B側の基部14Aまたは14Bの断面形状を異ならしめたものである。なお、当然ではあるが、ループ状接合面6a側の溝部8は上記各基部14Aまたは14Bの形状に対応した形状ものとして形成される。
【0033】
この第3,4の実施の形態においては、サブシール部3B側の基部14Aまたは14Bが徐変形状であることには変わりはないので、先の第1の実施の形態と同様の作用効果が得られることになる。
【0034】
図11,12は本発明に係るシール構造の第5の実施の形態を示し、図11は図3と同じ部位を、図12は図4と同じ部位をそれぞれ示している。
この第5の実施の形態では、ガスケット3でシールすべき筒状部6が図1のものと異なりいわゆる小判状のものであることを前提とした上で、ガスケット3のうち図11,12の半円状の上半部までもメインシール部30Aとし、同図の半円状の下半部をサブシール部30Bとしたものである。
【0035】
この第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の作用効果が得られることになる。
【0036】
なお、上記各実施の形態におけるヘッドカバー2はいずれも樹脂製のものを例示しているが、樹脂製のものの他に、金属製、例えばアルミニウム製のヘッドカバーにも本発明を適用することが可能であり、この場合にも各実施の形態と同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るシール構造が適用される内燃機関のヘッドカバーを内側から見た要部斜視図。
【図2】本発明に係るシール構造の第1の実施の形態を示す図で、予めガスケットが装着されたヘッドカバーの断面説明図。
【図3】図1,2のヘッドカバーに装着されるガスケットの要部斜視図。
【図4】図3に示したガスケットを裏面側から見た図。
【図5】図3のB−B線に沿う拡大断面図。
【図6】図3のC−C線に沿う拡大断面図。
【図7】図3の要部拡大斜視図。
【図8】本発明に係るシール構造の第2の実施の形態を示す図で、図6と同等部位の断面説明図。
【図9】本発明に係るシール構造の第3の実施の形態を示す図で、図7と同等部位の要部斜視図。
【図10】本発明に係るシール構造の第4の実施の形態を示す図で、図7と同等部位の要部斜視図。
【図11】本発明に係るシール構造の第5の実施の形態を示す図で、図3と同等部位の要部斜視図。
【図12】図11に示したガスケットを裏面側から見た図。
【符号の説明】
【0038】
1…シリンダヘッド
1a…接合面
2…ヘッドカバー
2a…一般部接合面
3…ガスケット
3A…メインシール部
3B…サブシール部
5…ガスケット溝(溝部)
6…筒状部
6a…ループ状接合面(枝状接合面)
6b…周壁(壁部)
8…溝部
9…基部
10…リップ部
11…シールビード部
14…基部
14A…基部
14B…基部
15…リップ部
16…シールビード部
17…シールビード部
18…サイドリップ部
30A…メインシール部
30B…サブシール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二部材間にガスケットを圧締保持して、一方の部材のうち溝部が形成された一般部接合面に対して分岐または合流する幅狭の枝状接合面を上記一般部接合面とともにシールするようにした構造であって、
上記枝状接合面では、一般部接合面側と連続した溝部が当該一般部接合面の近傍にてその溝深さが漸次浅くなるように徐変しながら消失している一方、
上記ガスケットは、枝状接合面を含んだ一般部接合面の平面形状とほぼ同一形状であって、且つ一般部接合面のシールを司るメインシール部と上記枝状接合面のシールを司るサブシール部とを備えているとともに、
上記メインシール部では、溝部に嵌合する基部と双方の部材の接合面間に挟み込まれるリップ部とを有していて、
上記サブシール部のうちメインシール部との直近位置では当該メインシール部側と同じ高さの基部を有しているとともに、上記溝深さの徐変形状に対応してメインシール部から遠ざかるにしたがってその基部の高さ寸法が漸次小さくなるように徐変しつつ消失していて、さらにサブシール部におけるリップ部の両側には上記枝状接合面が形成された壁部を両側から挟み込むサイドリップ部が起立形成されていることを特徴とするガスケットによるシール構造。
【請求項2】
上記枝状接合面は、一方の部材のうち溝部が形成された一般部接合面から分岐した上で合流するループ状接合面として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスケットによるシール構造。
【請求項3】
上記基部とリップ部とを有したメインシール部は、長手方向では略変形T字状の均一断面形状のものとして形成されている一方、
上記サブシール部のうちメインシール部との直近位置では当該メインシール部と同一断面形状をなしているとともに、上記溝深さの徐変形状に対応してメインシール部から遠ざかるにしたがって基部の高さ寸法が漸次小さくなるように徐変しつつサブシール部側のリップ部における極小高さのシールビード部として収束していることを特徴とする請求項2に記載のガスケットによるシール構造。
【請求項4】
上記枝状接合面では、その幅寸法が一般部接合面の近傍では当該一般部接合面側とほぼ同じ幅寸法となっている一方で、それ以外の部分では一般部接合面側よりも小さな幅寸法となっていて、
さらに上記枝状接合面のシールを司るサブシール部では、そのリップ部の幅寸法が枝状接合面の幅寸法とほぼ同等の大きさに設定されていることを特徴する請求項3に記載のガスケットによるシール構造。
【請求項5】
上記ガスケットは、一方の部材の溝部に対する基部の嵌合をもってその一方の部材に予め嵌合保持されるようになっていることを特徴とする請求項4に記載のガスケットによるシール構造。
【請求項6】
一方の部材が内燃機関における樹脂製のヘッドカバーであり、他方の部材がシリンダヘッドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスケットによるシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−261351(P2008−261351A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102301(P2007−102301)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000151209)株式会社マーレ フィルターシステムズ (159)
【Fターム(参考)】