説明

ガスサンプリングシステム

この発明は、呼気ガスを患者呼気ガス出力機構から呼気ガス監視装置へ導通させるガスサンプリングシステムに向けられている。呼気ガス監視装置は、モニタ入力コネクタを備えている。ガスサンプリングシステムは、ガスサンプリングシステムを患者呼気ガス出力機構に結合させるよう構成された入力コネクタを備えている。ガスサンプリングチューブは、入力コネクタに結合されている。ガスサンプリングチューブは、呼気ガスを患者からガス監視装置へ導通させるよう構成されている。出力コネクタは、ガスサンプリングチューブをモニタ入力コネクタへ結合させる。出力乾燥機チューブは、ガスサンプリングチューブと出力コネクタの間に結合されている。この出力乾燥機チューブは、チューブ長および相対湿度除去効率が特徴である。相対湿度除去効率は、チューブ長に依存する。チューブ長は、呼気ガスモニタに向けられる呼気ガスの含水率を所定レベルに制限するよう選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に呼気ガス分析の分野に関し、特に呼気ガスを患者から呼気ガス監視装置に導通させるためのガスサンプリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
呼気ガスの監視は、医療および臨床環境で広範囲にわたって用いられている。ガスモニタは、介護提供者に患者の代謝に関する情報を提供するという点で極めて貴重な用具である。医療スタッフは、患者の呼吸機能および酸素代謝を判断するために、呼気ガス中の酸素および二酸化炭素の相対および絶対量に関心を持つことが多い。呼気ガスの監視は、手術の際にも重要である。麻酔は、慎重に投与されなければならない。過量の麻酔または酸素の不足は、脳の損傷または死に至る恐れがある。一方、もし麻酔医が十分な麻酔を投与しなければ、患者は手術処置中に気が付いて、激しい痛みや不快感を覚えるであろう。
【0003】
呼気ガスは、ガスサンプリングシステムによって患者からガスモニタへ送られる。患者の呼気ガスは、口/鼻カニューレ、鼻カニューレ、気管内チューブ、気管切開チューブやマスクなどの呼気出力装置によってガスサンプリングシステム内に向けられる。このガスは、接続ガスサンプリングチューブによって、呼吸出力装置からモニタへ導通される。ガスモニタは、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、亜酸化窒素(N2O)、および/または麻酔薬の吸入および吐出濃度を表示することが多い。ガス濃度が所定の範囲の値から外れると、通常は警報が鳴らされる。
【特許文献1】米国特許第4,705,543号明細書
【特許文献2】米国特許第5,131,387号明細書
【特許文献3】米国特許第5,233,996号明細書
【特許文献4】米国特許第4,446,869号明細書
【特許文献5】米国特許第5,042,500号明細書
【特許文献6】米国特許第5,284,054号明細書
【特許文献7】米国特許第6,346,142号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したガスサンプリングシステムの一般的な問題点は、モニタのCO2検出器に関する。呼気ガスをモニタに導通させるのに加え、ガスサンプリングチューブは、損傷を与える湿気をもCO2検出器に導通させることができる。これまでに考えられてきたある方法では、ガスサンプリングシステムは、水溜めおよびガス流遮断機構を備えていた。通常、このバルブ機構は、ガスサンプリングチューブをガスモニタに結合させるコネクタに配置されている。バルブ機構は、水がCO2検出器を損傷するのを防止するが、バルブがあまりにも多くの湿気に晒されると、呼気ガス流量を実質的に制限するようにもなる。これが起きると、ガスサンプリングシステムを交換しなければならない。考えられてきた別の方法では、呼吸出力装置(例えば、マスク、カニューレなど)に隣接した、あるいはこれに直近のコネクタに乾燥機機構を配置することによって、湿気の問題に対処してきた。残念ながら、この方法にも幾つかの欠点がある。
【0005】
あるケースでは、患者は保育器内か酸素テント内に配置されるが、一方、ガスモニタはその川下の室温環境内に配置される。もちろん、酸素テント、あるいは保育器内の環境は、一般に室温環境よりも暖かく湿度も高い。呼気ガスが暖かい環境から室温環境に伝幡すると、室温環境内にあるガスサンプリングチューブの部分に凝縮液ができる。従って、患者の近くに設けられている乾燥機機構は効果がなく、ガスモニタに隣接して設けられた水溜め遮断バルブが早期に閉じられる。
【0006】
別のケースでは、患者は鼻排管を着けて、涼しい環境内に配置される。患者が息を吐くと、その呼気ガスは体温と同じ温度で、水を多く含んでいる。通常は、カニューレ内に凝縮液ができる。カニューレに隣接したガスサンプリングチューブ内に配置された乾燥機機構は、この湿気の一部を除去するであろう。しかしながら、呼気ガスが患者からガスモニタに伝幡すると、ガスサンプリングチューブで更なる凝縮液ができるであろう。当然、患者の近くに設けられた乾燥機機構は、この更なる凝縮液を除去することはできない。この場合もまた、ガスモニタに隣接して設けられた水溜め遮断バルブは、比較的短時間で閉じるであろう。
【0007】
必要とされるのは、ガスサンプリングチューブの全長に沿って生じる凝縮液をうまく除去するように備えられたガスサンプリングシステムである。さらに望ましいのは、水がバルブ機構内に向けられる前にこれを実質的に除去するガスサンプリングシステムである。
【0008】
本発明のガスサンプリングシステムは、上述した問題に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のガスサンプリングシステムは、ガスサンプリングチューブの全長に沿って生じる凝縮液を除去するよう備えられている。本発明は、呼気ガス中の水を、この水がバルブ機構内に向けられる前に除去するように構成される。このようにすることによって、本発明のガスサンプリングシステムは、上述した関連したシステムよりもはるかに優れた有効動作耐用年数を有する。
【0010】
本発明の1つの側面は、呼気ガスを患者呼気ガス出力機構から呼気ガス監視装置へ導通させるためのガスサンプリングシステムである。呼気ガス監視装置は、モニタ入力コネクタを備えている。ガスサンプリングシステムは、ガスサンプリングシステムを患者呼気ガス出力機構に結合するように構成された入力コネクタを備えている。ガスサンプリングチューブは、入力コネクタに結合されている。ガスサンプリングチューブは、呼気ガスを患者からガス監視装置に導通させるよう構成されている。出力コネクタは、ガスサンプリングチューブをモニタ入力コネクタに結合させる。出力乾燥機チューブは、ガスサンプリングチューブと出力コネクタの間に結合されている。この出力乾燥機チューブは、チューブ長と相対湿度除去効率により特徴づけられる。相対湿度除去効率は、チューブ長に依存する。チューブ長は、呼気ガスの湿った内溶物が呼気ガスモニタ内に向けられるように制限するように選択される。
【0011】
本発明の付加的な特徴および利点は以下の詳細な説明において示されるが、その一部は当業者にとって、この説明から容易に明らかであろう、あるいは以下の詳細な説明、請求項、ならびに添付の図面を含む、ここに述べるような発明を実施することによって認識されるであろう。
【0012】
上記の概略的な説明と以下の詳細な説明の両方は、本発明を例示するものに過ぎず、請求項に記載される本発明の本質および特徴を理解するための概要または骨格を提供することを意図していることを理解すべきである。添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために含まれていて、この明細書に組み込まれ、その一部を構成している。これらの図面は本発明の様々な実施例を図示し、記述とともに、本発明の原理および動作を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のこれらおよび他の目的を更に理解するために、本発明の以下の詳細な説明に対して参照がなされるが、これは添付の図面と共に読まれるべきである。
【0014】
ここで、本発明の代表的な実施例について詳細に参照がなされるが、これらの例は、添付の図面に図示されている。可能な限り、同一または同様の部分を指すのに、これらの図面を通して同じ参照番号が使用される。本発明のガスサンプリングシステムの代表的な実施形態が図1に示されており、全体として参照番号10で示されている。
【0015】
この発明によれば、本発明は、呼気ガスを患者呼気ガス出力機構から呼気ガス監視装置へ導通させるためのガスサンプリングシステムに向けられている。呼気ガス監視装置は、モニタ入力コネクタを備えている。ガスサンプリングシステムは、ガスサンプリングシステムを患者呼気ガス出力機構に結合させるよう構成された入力コネクタを備えている。ガスサンプリングチューブは、入力コネクタに結合されている。ガスサンプリングチューブは、患者からの呼気ガスをガス監視装置へ導通させるように構成されている。出力コネクタは、ガスサンプリングチューブをモニタ入力コネクタに結合させる。出力乾燥機チューブは、ガスサンプリングチューブと出力コネクタとの間に結合される。この出力乾燥機チューブは、チューブ長と相対湿度除去効率とにより特徴づけられる。相対湿度除去効率は、チューブ長に依存する。チューブ長は、呼気ガスモニタに向けられる呼気ガス内の湿った内容物を、実質的に所定レベルに制限するよう選択される。言い換えると、出力乾燥機チューブは、ガスサンプリングチューブの全長に沿って生じる凝縮液を除去し、チューブの長さに応じて、呼気ガス中の一定量の水分が、これがガスモニタCO2検出器内に、またはバルブ機構内に向けられる前に、除去される。バルブを使用するシステムでは、バルブ機構の有効動作耐用年数をいつまでも延長することができる。実際、出力乾燥機の長さは、バルブの必要をなくすように選択することができる。
【0016】
ここで具現化され、かつ図1に図示されるように、本発明の第1の実施形態によるガスサンプリングシステム10の分解組立図が示されている。システム10は、気管内チューブまたはマスクなどの患者呼気ガス出力機構に接続するT字管と嵌合するようになされた入力連結器12を備えている。ある実施例では、入力コネクタ12は、入力乾燥機チューブ14に結合されている。入力乾燥機チューブ14は、ガスサンプリングチューブ16に接続される。別の実施例では、乾燥機チューブ14は使用されず、コネクタ12は、サンプリングチューブ16に直接接続される。出力乾燥機チューブ18は、ガスサンプリングチューブ16と出力コネクタ20の間に配置される。出力コネクタ20は、通常、モニタ挿入連結器22に接続され、この連結器22は水溜めおよびガス流遮断バルブを備えることができる。シャットオフペレット24は、バルブ22の構成要素であり、通常は出力コネクタ20に隣接して配置される。シャットオフペレット24の機能は、所定量の湿気に晒されると閉じて、実質的に呼気ガス流量を制限することである。シャットオフペレット24は、親水性ペレットまたは疎水性ペレットとして実現することができる。出力乾燥機チューブ18の長さによっては、モニタ挿入連結器22は、水溜めやガス流遮断バルブを備える必要がない。幾つかの適用では、差し込み式装置22はアダプタ26に結合され、これによってガスサンプリングシステム10が、ある種のガスモニタと後方互換性を持つようになる。
【0017】
通常、関連技術のガスサンプリングシステムの有効耐用年数は、1日ないし2日の範囲内であろう。出力乾燥機チューブ18の交換は、重要な利益および利点をもたらす。以下でさらに詳細に議論するように、乾燥機チューブ18の長さによっては、ガスサンプリングチューブで生じた凝縮液の全てを乾燥機チューブ18によって除去することができ、ガスサンプリングシステム10の有効動作耐用年数をいつまでも延長できる。この特徴は、水溜めおよびガス流遮断バルブの除去も可能にする。
【0018】
図2を参照すると、本発明の第2の実施形態によるガスサンプリングシステム10の分解組立図が示されている。入力コネクタ14はカニューレ12に結合され、カニューレ12は経鼻プロング120を備えている。図示された実施例では、カニューレ12は、CO2をサンプリングすることと、酸素を患者に送ることの両方を行うように構成されている。酸素配達チューブ30は、カニューレ12とコネクタ32に結合される。コネクタ32は、酸素供給アダプタ34に結合される。別の実施例では、カニューレ12は、CO2をサンプリングするようにのみ構成される。ガスサンプリングシステム10に戻ると、入力コネクタ14は、ガスサンプリングチューブ16、この場合はCO2サンプリングラインに結合される。出力乾燥機18は、サンプリングチューブ16と出力コネクタ20の間に配置される。図1に図示された実施例と同様に、出力コネクタ20は、通常、モニタ挿入連結器22に接続される。モニタ挿入連結器22によって、人は、サンプリングシステム10をガスモニタ内にうまく挿入できるようになる。モニタ挿入連結器22は、水溜めおよびガス流遮断バルブを備えることができる。シャットオフペレット24はバルブの構成要素であり、通常は、出力コネクタ20に隣接して配置される。シャットオフペレット24の機能は、所定量の湿気に晒されると閉じて、呼気ガス流量を実質的に制限することである。シャットオフペレット24は、親水性ペレットまたは疎水性ペレットとして実現することができる。出力乾燥機チューブ18の長さによっては、モニタ挿入連結器22は、水溜めやガス流遮断バルブを備える必要がない。上で述べたように、モニタ挿入連結器22は、ある適用ではアダプタ26に結合させることができ、これによってガスサンプリングシステム10が、ある種のガスモニタと後方互換性を持つようになる。
【0019】
ガスサンプリングチューブ16は、任意の適切なタイプのものとすることができるが、例として押出し成型プラスチック管が図示されている。ある実施例では、ガスサンプリングチューブ16は、PVC材料である。
【0020】
コストおよび複雑さの問題によっては、本発明の出力乾燥機チューブ18に対して修正および変形をなしうることは、当業者にとって自明であろう。例えば、出力乾燥機チューブ18は、編み組みネットによって機械的に補強されたNafiona管で構成してもよい。Nafionaは、テトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))およびパーフルオロ‐3,6‐ジオキサ‐4‐メチル‐7‐オクテン−スルホン酸(perfluoro‐3,6‐dioxa‐4‐methyl‐7‐octene‐sulfonic acid)を含む共重合体である。約言すれば、Nafionaは、スルホン酸基を挿入したテフロン(登録商標)よりなる耐腐食性材料である。テフロン(登録商標)は、疎水性である。一方、Nafiona中のスルホン酸基は、周囲のテフロン(登録商標)基材中に延びる親水イオン鎖である。呼気ガスがNafiona管に伝わると、水分子がチューブの内部に配置されているスルホン基と結合する。水分子は、チューブの外壁に配列されているスルホン基に到達するまで、1つのスルホン基から別のスルホン基へとイオン鎖中を移動する。Nafionaは実際には物理的な孔を備えていないが、水は、チューブの内面からチューブの外面へとイオン鎖によって送られる。時には、イオン鎖は、イオン孔と呼ばれることもある。出力乾燥機の相対湿度除去効率がチューブ長に依存することを示すことも重要である。チューブ長は、水溜め・遮断バルブ22が、シャットオフ量を上回る水分量に晒されることが決してないようにするよう、選択することができる。ある実施例では、あるチューブ長が選択され、ほぼ100時間の動作耐用年数が得られた。別の実施例では、選択されたチューブ長はほぼ3インチ(7.62センチメートル)である。ガスによって運ばれた実質的に全ての湿気が出力乾燥機チューブによって除去されたので、ガスサンプリングシステムはいつまでも動作した。
【0021】
他の実施例では、出力乾燥機チューブ18は、微孔フィルタまたは分子ふるいを用いて実現することができる。微孔フィルタは、水分子を透過させるには十分だが、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、亜酸化窒素(N2O)、および/または麻酔薬を透過させるには十分でない大きさの微孔を備えた押し出し成型可能なプラスチックから形成される。一方、微孔フィルタは、疎水性材料を用いて実現してもよい。この場合、この材料は、全ての種類のガスを透過させるが、水をはじく。分子ふるいは、Nafiona管または微孔フィルタのいずれかとともに使用することができる。ふるいは、通常、管を囲み、水がチューブの外側に伝わるとこれを吸収するように構成されている。ひとたびふるいのデシカントが一定量の水を吸収すると、これは除去される。ふるいは、交換または再生利用することができる。別の実施例では、分子ふるいは連続的に機能する。この装置は、2つのデシカント室を備えている。1つの室は水を吸収するために用いられ、もう一方の室は再生されている。
【0022】
当業者であれば、省略可能な入力乾燥機14(図1参照)は、出力乾燥機18を実現するために使用したのと同じ材料およびデザインを使用して実現しうることが分かるであろう。
【実施例1】
【0023】
本発明は、以下の例によって更に明確にされるが、これらの例は、この発明を例示することを意図するものである。以下の例では、出力乾燥機チューブおよび入力乾燥機チューブを実現するために、パーマ・ピュアー社(Perma Pure Incorporated)によって製造されるME−050型Nafiona管が使用された。相対湿度除去効率の概念は、以下の例によって説明される。下に示される実験データによって明示されるように、モニタに近接した出力乾燥機の使用により、ガスサンプリングシステム10の有効動作耐用年数が劇的に延びる。
【0024】
例1
最初の試験の際、図1に描写されるガスサンプリングシステムは、CO2検出器を保護するために1インチの入力乾燥機チューブ14、1インチの出力乾燥機チューブ18、および水溜め・遮断バルブを備えていた。入力コネクタにおける周囲大気温度は、95%の相対湿度で約40℃であった。ガスは、毎分170mLの速度でガスサンプリングシステムにより吸引された。これらの条件下で、水溜め・遮断バルブは、ほぼ2時間の動作の後に閉じた。別の実験では、1インチの入力乾燥機チューブ14および1インチの出力乾燥機チューブ18が共に取り外された。水遮断バルブは、1時間の動作が終わらないうちに閉じた。このように、これらの実験で使用されたガスサンプリングシステムは、比較的低い湿度除去効率を有する。
【0025】
例2
次の実験では、図1に描写されるガスサンプリングシステムは、3インチの入力乾燥機チューブ14および3インチの出力乾燥機チューブ18を備えるように変更された。入力コネクタにおける周囲大気温度は、95%の相対湿度で約37℃に暖められた。ガスは、毎分171から178mLの流量でガスサンプリングシステムにより吸引された。この試験装置は、約102時間動作することができた。この期間、水遮断バルブは閉じなかった。別の実験では、入力乾燥機チューブは、2インチのNafiona管を備えるように変更された。この試験装置は、2週間以上にわたって動作した。水遮断バルブは閉じなかった。上述したガスサンプリングシステムは、高い湿度除去効率を有している。当業者であれば、出力乾燥機チューブの長さが、ガスモニタに最終的に向けられる湿気の量を決定することは分かるであろう。実際、上記のデータは、長さが3インチよりも長い出力乾燥機チューブを使用すれば、水遮断バルブの必要性を全くなくすことができることを示している。
【0026】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、この発明に対して様々な修正および変更をなしうることは当業者にとって自明であろう。つまり、本発明は、添付の請求項およびこれらと等価なものの範囲内に入るものであれば、この発明の修正および変形を含むことが意図される。
【0027】
本発明は、図面に示された好ましい態様を参照して特に示され説明されたが、請求項によって定義された発明の精神および範囲から逸脱することなく、詳細において様々な変更をなしうることは当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態によるガスサンプリングシステムの分解組立図である。
【図2】本発明の第2の実施形態によるガスサンプリングシステムの分解組立図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気ガスを患者呼気ガス出力機構から呼気ガスモニタへ導通させるガスサンプリングシステムであって、
前記ガスサンプリングシステムを前記患者呼気ガス出力機構に結合させるよう構成された入力コネクタと、
前記入力コネクタに結合され、患者からの呼気ガスを前記ガス監視装置へ導通させるように構成されたガスサンプリングチューブと、
前記ガスサンプリングチューブを呼気ガスモニタに結合させる出力コネクタと、
前記ガスサンプリングチューブと前記出力コネクタの間に結合され、チューブ長と相対湿度除去効率によって特徴づけられる出力乾燥機チューブとを備え、前記相対湿度除去効率は、前記チューブ長に依存し、前記チューブ長は、前記呼気ガスモニタに向けられる呼気ガスの含水率を実質的に所定のレベルに制限するよう選択される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記入力コネクタと前記ガスサンプリングチューブの間に結合された入力乾燥機チューブをさらに備え、前記入力乾燥機チューブは、チューブ長と相対湿度除去効率によって特徴づけられ、前記相対湿度除去効率は、前記チューブ長に依存する、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記出力コネクタは、所定量の湿気にさらされると閉じるバルブ機構を備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記チューブ長は、前記バルブ機構が前記所定量を下回る湿気量にさらされることを保証するように選択される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項5】
請求項3記載のシステムにおいて、
ガスサンプリングシステムの有効動作耐用年数は、前記バルブ機構の閉鎖時に終了する、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、
前記チューブ長は、ガスサンプリングシステムの有効動作耐用年数を少なくとも100時間に延長するよう選択される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項7】
請求項5記載のシステムにおいて、
前記チューブ長は、ガスサンプリングシステムの有効動作耐用年数を100時間よりも長く延長するように選択される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項8】
請求項3記載のシステムにおいて、
前記バルブ機構は、シャットオフペレットを備え、前記シャットオフペレットは、所定量の湿気にさらされると、呼気ガス流量を実質的に制限する、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項9】
請求項8記載のシステムにおいて、
前記シャットオフペレットは、親水性ペレットである、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項10】
請求項8記載のシステムにおいて、
前記シャットオフペレットは、疎水性ペレットである、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記出力乾燥機チューブは、イオン孔チューブ乾燥機からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムにおいて、
前記イオン孔チューブ乾燥機は、Nafionaチューブ乾燥機を備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記出力乾燥機チューブは、微孔チューブ乾燥機からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記出力乾燥機チューブは、分子ふるい乾燥機からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、気管内チューブを備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、カニューレを備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムにおいて、
前記カニューレは、CO2をサンプリングするよう構成される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項18】
請求項16記載のシステムにおいて、
前記カニューレは、CO2をサンプリングすることと、患者に酸素を送ることの両方を行うように構成される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項19】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、マスク装置を備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項20】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、気管切開チューブを備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項21】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記ガスサンプリングチューブは、プラスチック材料からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項22】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記ガスサンプリングチューブは、PVC材料からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記入力コネクタと前記ガスサンプリングチューブの間に結合され、チューブ長と相対湿度除去効率によって特徴づけられる入力乾燥機チューブをさらに備え、前記相対湿度除去効率は、前記チューブ長に依存する、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項2】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記出力コネクタは、所定量の湿気にさらされると閉じるバルブ機構を備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記チューブ長は、前記バルブ機構が前記所定量を下回る湿気量にさらされることを保証するように選択される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項4】
請求項2記載のシステムにおいて、
ガスサンプリングシステムの有効動作耐用年数は、前記バルブ機構の閉鎖時に終了する、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムにおいて、
前記チューブ長は、ガスサンプリングシステムの有効動作耐用年数を少なくとも100時間に延長するよう選択される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項6】
請求項4記載のシステムにおいて、
前記チューブ長は、ガスサンプリングシステムの有効動作耐用年数を100時間よりも長く延長するように選択される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項7】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記バルブ機構は、シャットオフペレットを備え、前記シャットオフペレットは、所定量の湿気にさらされると、呼気ガス流量を実質的に制限する、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムにおいて、
前記シャットオフペレットは、親水性ペレットである、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項9】
請求項7記載のシステムにおいて、
前記シャットオフペレットは、疎水性ペレットである、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項10】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記出力乾燥機チューブは、イオン孔チューブ乾燥機からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムにおいて、
前記イオンチューブ乾燥機は、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテン−スルホン酸を含む共重合体からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項12】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記出力乾燥機チューブは、微孔チューブ乾燥機からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項13】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記出力乾燥機チューブは、分子ふるい乾燥機からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項14】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、気管内チューブを備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項15】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、カニューレを備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項16】
請求項15記載のシステムにおいて、
前記カニューレは、CO2をサンプリングするよう構成される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項17】
請求項15記載のシステムにおいて、
前記カニューレは、CO2をサンプリングすることと、患者に酸素を送ることの両方を行うように構成される、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項18】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、マスク装置を備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項19】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記患者呼気ガス出力機構は、気管切開チューブを備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項20】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記ガスサンプリングチューブは、プラスチック材料からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項21】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記ガスサンプリングチューブは、PVC材料からなる、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項22】
呼気ガスを患者呼気ガス出力機構から呼気ガスモニタに導通させるためのガスサンプリングシステムであって、
前記ガスサンプリングシステムを前記患者呼気ガス出力機構に結合させるよう構成された入力コネクタと、
前記入力コネクタに結合され、前記呼気ガスを導通させるよう構成されたガスサンプリングチューブと、
前記ガスサンプリングチューブに結合され、チューブ長および相対湿度除去効率によって特徴づけられる出力乾燥機管とを備え、前記相対湿度除去効率は、前記チューブ長に依存し、前記チューブ長は、前記呼気ガスモニタに向けられる呼気ガスの含水率を実質的に所定のレベルに制限するよう選択されており、
前記出力乾燥機管に結合され、前記呼気ガスモニタに結合されるよう構成され、所定量の湿気にさらされると閉じるバルブ機構を備えた出力コネクタをさらに備える、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。
【請求項23】
呼気ガスを患者呼気ガス出力機構から呼気ガスモニタに導通させるためのガスサンプリングシステムであって、
前記ガスサンプリングシステムを前記患者呼気ガス出力機構に結合させるよう構成された入力コネタクと、
前記入力コネクタに結合され、前記呼気ガスを導通させるよう構成されたガスサンプリングチューブと、
前記ガスサンプリングチューブに接続され、非加熱および/または非蒸気化呼気ガスを前記ガスサンプリングチューブから受けとり、チューブ長および相対湿度除去効率によって特徴づけられる出力乾燥機管とを備え、前記相対湿度除去効率は、前記チューブ長に依存し、前記チューブ長は、前記呼気ガスモニタに向けられる呼気ガスの含水率を実質的に所定のレベルに制限するよう選択され、
前記出力乾燥機管に結合され、前記呼気ガスモニタに結合されるよう構成された出力コネクタをさらに備えるガスサンプリングシステムであり、
このガスサンプリングシステムは、電動式構成要素を備えていない、
ことを特徴とするガスサンプリングシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−500589(P2006−500589A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540065(P2004−540065)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/028409
【国際公開番号】WO2004/028641
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(502418619)ウェルチ アリン プロトコル インコーポレイティッド (1)
【Fターム(参考)】