説明

ガス・フロー制御のための方法及び装置

【課題】自己校正型のガス流量制御のための方法及び装置を提供する。
【解決手段】ガス流量は最初に、流量制限器の開口の量を高い精度に制御することによって設定される。なお、流量制限器を含む装置の設計は高い精度の達成に役立つ。その後、ガス流量は、流量制限器の上流における圧力降下率で測定され、必要なら、流量制限器の開口の量は、正確に所望の流量を得るように調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体フロー制御の分野のものである。より具体的には、例えば、半導体加工、フラットパネルディスプレー製造、太陽電池製造などに必要とされるような高精度フロー制御の分野のものである。
【背景技術】
【0002】
気体の質量流量率を測定することは、多くの工業プロセスにとって重要である。半導体産業の場合には、測定は特に正確でなければならない。その理由は、わずか数パーセントの流量のずれがプロセスの失敗を起こし得るからである。
【0003】
質量流は、システムの中に存在する圧力勾配の結果である。システムに外部からの仕事がなされない限り、質量は高圧の領域から低圧の領域へと流れる。これは、すべての流量制御装置の動作原理である。高圧領域から低圧領域への流量を制御するために、流量制限器が用いられる。流量制限器は、システムにおけるすべての流量が制限器を通らなければならないように配置される。制限器の特性に基づき、流量制御装置における質量流量は、以下のうちの一部あるいはすべてのものの関数となる。すなわち、流量制限器の寸法、流量制限器の上流及び下流の両方における圧力の大きさ、システムの温度、及び密度、動的粘度などといった気体の物性である。流量は、これらのパラメータの1つ以上を変化させることによって制御され得る。一般に、ガスの物性及びシステムの温度は変更又は制御が困難であるので、流量は、システムにおける圧力、流量制限器の寸法、または、それら両方を変化させることによって、制御される。
【0004】
業界で標準的な流量制御装置は、部分的に開くことによって流量を増加させることができ、又は、部分的に閉じることによって流量を減少させることができる弁の形をした流量制限器を含むマス・フロー・コントローラ(MFC)である。弁の開口部は、外部から提供される設定値と内部流量測定装置の測定値との差を最小化する閉ループフィードバック回路によって制御される。流量測定装置は、ガスが流れる管の外側に巻きつけられた2つの測温抵抗体素子を有する温度センサを使用する。この素子は、電流を与えることによって発熱する。ガスは、管を流れるうちに、第1の素子から熱を吸収して、その熱を第2の素子へと伝える。その結果生じる2つの素子の間の温度差は、ガスの質量流量の尺度となる。圧力の影響を受けない、より新しいMFCにおいては、変化する圧力が流量に及ぼす影響を計上するために、温度センサと制御弁との間に圧力変換器が含められる。
【0005】
MFCにおいて温度センサ流量測定が用いられる結果として、正確な流量制御のために装置の定期的な校正が必要とされる。定期的な校正なしでは、MFCにおける実際の流量は、流量測定装置におけるエラーのため、容認できない値まで変動することがあり得る。この校正は、しばしば、MFCを通して、ガスを既知の容量に流し、又は、既知の容量から流し、その容量における圧力上昇又は低下を測定することによって行われる。実際の流量は、圧力上昇又は低下の率を算出し、確立した気体の圧力―温度―体積の関係を用いることにより決定できる。この種の測定は、上昇率校正として公知である。
【0006】
上昇率流量校正は、一次流量測定に基づいているため、一次校正標準である。すなわち、流量は、質量、圧力、体積、及び時間の測定値のみによって計算される。一次流量測定としては、以下の3種類のものしか知られていない。すなわち、時間の経過に対する質量の変化を測定する重量測定、時間の経過に対する定圧での体積の変化を測定する体積測定、時間の経過に対する一定体積での圧力の変化を測定する上昇率測定である。その他のすべての種類の流量測定は、二次的な測定であり、一次測定に対して校正されなければならない。
【0007】
ガスの流量を測定する他の方法は、臨界オリフィスの上流で気体の圧力を変化させることである。一定温度での臨界オリフィスを通る気体の体積流量は、例えば、上流圧力が下流圧力の倍であることなど、ある一定の圧力要件が満たされれば、上流又は下流圧力に無関係である。圧力と比例する上流の気体の密度を制御することによって、臨界オリフィスにおける質量流量を制御することができる。
【0008】
この種の流量制御において、圧力は、制御弁と臨界オリフィスの間に位置する圧力変換器を有する閉ループ制御回路の制御弁を用いて制御される。制御弁は、臨界オリフィスの上流で特定の圧力を維持するために開閉される。質量流量は、臨界オリフィスの上流での圧力及び臨界オリフィスの確定した特性から計算される。従って、正確な流量測定は、圧力制御システムのパフォーマンスだけでなく、オリフィスの寸法の機械的完全性及び安定性にも依存する。オリフィスは、微粒子汚染によって制限されたり、オリフィスの中を流れるガスとの反応によって侵食されたりすることによる影響を受けやすいため、定期的に圧力−流量関係を校正することが望ましい。これは、MFCと同じような上昇率測定を用いて行われる。
【0009】
上述の方法の両方とも、閉ループ制御方式を用いて、最終的に流量制限器をまたいで作用している圧力勾配の結果である質量流量を制御する。制御システムとして見ると、これらの装置の出力変数は質量流量であり、入力変数は圧力及び流量制限器の特性である。
【0010】
MFCの場合、質量流量の二次的な測定に基づいて、流量制限器の寸法を制御する。流量制限器の実際の寸法特性は未知であるが、所望のように流量制限を増減することにより、比例的に調整することができる。プロセス変数、流量制限及び圧力に関して、圧力だけが装置によって観測可能であり(圧力の影響を受けないMFCの場合)、流量制限だけが制御可能である。
【0011】
臨界オリフィス装置は、ほぼ一定の流量制限器の特性を維持しながら、上流圧力を観測し制御することによって、流量を制御する。臨界オリフィス装置は、流量制限器の特性が一定であることを前提とし、それ以上流量制限器の特性を観測又は制御しない。プロセス変数に関して、圧力は装置によって観測可能かつ制御可能である一方、流量制限は制御も観測も不可能である。いかなる外部の影響もなければ、流量制限器の特性は時間とともに変化しないことは確かであるが、動作中には、流量制限器に化学的又は機械的な乱れが生じる可能性がある。この種の乱れは、システムによって測定することができないため、外部の校正の助けを借りずに修正することができない。
【0012】
これら両方の流量制御方式の欠点、特に、校正及び欠点の検出のために外部測定が必要であるという点は、改善された流量制御方式がなぜ望ましいのかを示している。
【0013】
不良を動作中に検出でき、且つ、自己校正によってそれらの不良を修復することができる流量制御装置の重要な要件は、観測可能かつ制御可能なプロセス変数の数が十分であることである。あわせて半導体産業において使用されている流量制御装置の大多数を占める上記の2種類の流量制御装置は両方とも、これらの課題を達成するためのプロセス変数が足りない。
【0014】
本発明において、その位置と流量制限器の特性との間に非常に正確かつ繰り返し可能な対応付けを提供するように設計され、且つ、その位置の非常に正確な測定及び制御を達成することができる制御弁を実施することにより、これらのプロセス変数が加えられる。
【0015】
もし流量制限を制御することができ、また測定することもできるなら、流量を制御するのに必要な唯一の追加の入力は、流量制限器に作用している圧力勾配を知ることである。なぜなら、コンダクタンスは、流量制限器の寸法の、知ることができる再現可能な関数だからである。この制御方式は、静的な流量制限器を可変且つ測定可能なものに置き換えた点以外には、臨界オリフィス装置の制御方式に類似している。
【0016】
この制御可能な弁を用いて得られる利点は、その弁が実施される流量制御装置のタイプに依存する。臨界オリフィス流量制御装置に関して、臨界オリフィスを制御可能な弁に置き換えることは、臨界オリフィスの寸法に対するいかなる変化の不確実性をも取り除く。温度センサMFCに関しては、圧力変換器及び制御可能な弁の組合せが既知の流量を提供するため、この流量を、温度センサで測定された流量と照合させることができ、いかなる不一致も欠点として記録される。
【0017】
しかしながら、これらの流量制御装置のいずれの種類においても、動作時に自己校正ができない。そうした能力のために、流量制御装置は、その動作の不可欠な要素として、一次流量測定を組み込まなければならない。この種の制御弁を図1に示される流量観測システムに組み込むことによって、非常に正確で自己校正をする流量制御装置が得られる。まず、流量制限器を決定する制御弁108の位置は、弁106が完全に閉じた状態で行われた流量低下率測定に基づいて、制御される。低下率測定の後、弁106が開かれ、流量は、圧力変換器112によって測定されるシステム内の圧力に基づいて制御弁の位置を調整することにより制御される。
【0018】
寸法が測定可能かつ制御可能な流量制限器は、自己校正をし、且つ二次流量測定に依存しない流量制御装置へと最終的につながる、大幅に改善された流量制御方式の重要な要素である。半導体産業にとって十分に正確なようにこの種の制御弁を製造する際の技術的な課題は、必要とされる精度の桁の概算から明らかになる。半導体加工装置に現在必要とされる質量流量精度は、+/−1%である。一般に、流量は、1〜10,000sccm(1秒あたりの標準立方センチメートル)の間に制御されなければならず、流量制限器の入口及び出口の間の圧力差は通常20〜150psi(ポンド/平方インチ)である。10mmの固定幅及び1mmの固定長さを有し、制限器をまたぐ圧力降下が60psiである矩形の流量制限器を一例として想像した場合、1sccmの流量を可能にするためには、高さを0.8μmに調整しなければならない。+/−1%の仕様の誤差伝播を達成する場合、高さは、+/−1.1nmの範囲内で制御しなければならない。
【0019】
実際のところ、精度は高いが半導体製造における費用、スペース、清浄度及び信頼性の要件にあまり適していない絞り弁を除いて、測定可能かつ制御可能な制限器を有する制御弁を実施するための研究はごくわずかしかされていない。「ダイヤフラム弁のための真位置センサ」と題する特許第6,761,063―B2号は、「ダイヤフラム膜とアクチュエータの間に配置される薄い導電部材」を使って、この導電部材と弁本体の間の静電容量を測定する。静電容量の値は、導電部材と弁本体の間の距離を示し、その距離はダイヤフラムと弁本体の間の距離を示し、また、そのダイヤフラムと弁本体の間の距離は、さらに、弁開口部の量を示す。これら別々の部品を全て有するこの種の組み立て品は、せいぜい、25,000nm位である0.001インチ位の精度までしか制御できない。また、発明者は、流体が弁の中を流れるときに、静電容量が変化する点も付言する。そのことによって、このアプローチは本発明が必要とする精度のレベルまで流量制限器の特性を測定するアプローチとして、さらに不適切なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第6761063号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
以下の発明の概要は、本発明のいくつかの態様及び特徴に対する基本的な理解を提供するために含められている。この概要は本発明を広範囲に概観したものではない。従って、この概要は特に本発明の鍵となる要素又は重要な要素を特定すること、又は、本発明の範囲を正確に説明することを意図したものではない。その唯一の目的は、以下に示されるより詳細な説明の前段階として、本発明のいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0022】
本発明の実施形態は、流量制限器の寸法を非常に高い精度で測定可能かつ制御可能である、制御可能な流量制限器を提供する。寸法の測定及び制御は、図1に示された半導体産業が必要とする流量精度を有する自己校正型ガス流量制御方式を実施するために使用され得るほど、正確である。
【0023】
本発明の実施形態は、流体の流量を制御する装置であって、流量制限面を有する第1のブロックと、補完的流量制限面を有し、前記流量制限面と前記補完的流量制限面とが協働して流量制限弁を形成する第2のブロックと、前記第1のブロック又は前記第2のブロックのうちの1つに形成され、流体通路を前記流量制限弁に提供する流体入口孔と、前記第1のブロック又は前記第2のブロックのうちの1つに形成され、流体通路を前記流量制限弁に提供する流体出口孔と、前記流量制限弁の周辺に設けられた封止部と、を備え、前記流量制限弁の開口の量の変化は、前記第1のブロック又は前記第2のブロックのうちの少なくとも1つに対する弾性屈曲によってもたらされることを特徴とする装置を提供する。
【0024】
また、本発明の実施形態は、正確なガス配送のためのシステムであって、流量制御弁と、前記流量制御弁の上流でガス圧力を測定する圧力変換器と、温度センサと、前記流量制御弁の上流に配置される流量調整器と、前記流量調整器を前記流量制御弁に連結する導管と、前記圧力変換器及び前記温度センサからの信号を受信し、流量計算に応じて、前記流量制御弁の動作を制御するコントローラと、を備え、前記流量制御弁は、前記流量制御弁の本体部を弾性力をもって屈曲させることによりガス流の量を変化させるアクチュエータを備えることを特徴とするシステムを提供する。
【0025】
さらに、本発明の実施形態は、流量制御弁と、流量調整器と、前記流量調整弁と前記流量制御器との間に結合される既知のガス格納容量とを有するガス配送システムにおける流量の制御方法であって、前記流量制御弁を作動させて、所望の流量を配送し、前記流量調整器におけるガス・フローを一時的に中断し、ガスの温度を測定し、前記既知の容量内のガスの圧力降下を測定し、測定された温度、圧力降下、及び前記既知の容量を使って、前記流量制御弁における流量を算出し、前記流量調整器における流れを再開し、前記流量制御弁の本体部に弾性屈曲をもたらすようにアクチュエータを起動させることにより前記流量制御弁における流量を調整するために、算出された流量を用いることを特徴とする方法を提供する。
【0026】
本明細書に組み込まれ、その明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、明細書の記載と共に、本発明の原則を説明し例示する役割を果たす。図面は、例示的な実施形態の主要な特徴を図式的に例示することを意図している。図面は、実際の実施形態の全ての特徴を表すことも、表された要素の相対的寸法を表すことも意図しないし、一定の縮尺で描かれてもいない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明に係る自己校正型ガス流量制御のための装置の実施形態の簡略化した概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る高精度に制御可能な流量制限器のための装置の実施形態の簡略化した概略図である。
【図2A】図2Aは、別の実施形態を示す。
【図2B】図2Bは、図2の実施形態の変形例を示す。
【図2C】図2Cは、図2の実施形態の変形例を示す。
【図2D】図2Dは、図2の実施形態の変形例を示す。
【図2E】図2Eは、図2Dの細部の拡大図を示す。
【図2F】図2Fは、本発明の他の実施形態を示す。
【図2G】図2Gは、本発明の他の実施形態を示す。
【図3】図3は、流量制限器の細部を示す簡略化した概略図である。
【図4】図4は、流量制限器が開かれた状態で、開口部の量が「h」で表された図2の実施形態を示す簡略化した概略図である。
【図5】図5は、特定の入口圧力及び流量制限器の半径寸法毎における、流量と流量制限器の開口量hとの関係を示すグラフである。
【図6】図6は、流量制限器の開口部の量を自動的に制御するプロセッサ及びコンピュータ読み出し可能な記憶媒体を含む、本発明に係る高精度の制御可能な流量制限器のための装置の実施形態の簡略化した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態は、流量制限器の寸法を非常に高い精度で測定可能かつ制御可能である、制御可能な流量制限器を提供する。寸法の測定及び制御は、図1に示された半導体産業が必要とする流量精度を有する自己校正型ガス流量制御方式を実施するために使用され得るほど、正確である。
【0029】
この精度のレベルは、本発明の各種の実施形態において、以下の特徴を組み込むことによって得られる。すなわち、
1.流量制限器の2つの対向する面の一軸の動作において、他の2つの軸における横方向及び/又は回転動作が約1nm未満に限られること、
2.その一軸次元の動作の測定は約1nmの精度であること、
3.動作の作動は約0.1ナノメートルの解像度をもつこと、
である。
【0030】
図2に示される本発明の説明的な実施形態は、流量制限弁211を形成する平面接触領域を有する2つの隣接するボディ201及び202から成る。すなわち、第1のブロック201は流量制限面213を有し、第2のブロック202は補完的流量制限面212を有する。第1のブロック201の流量制限面213が第2のブロック202の補完的流量制限面212と協働して流量制限弁211を形成する。図2の実施形態において、流量制限弁211はブロック201の流量制限面213の上に形成される環状延長部215によって形成されて、孔216を規定している(図3参照)。逆に言えば、補完的流量制限面212は、環状延長部215に対して押し付けられるときに完全な密封状態を形成するように、平坦に機械加工される。
【0031】
第1のボディ又はブロック201は空間において固定されており、第2のボディ又はブロック202はカンチレバー203で第1のボディ又はブロック201に連結される。カンチレバーは、平面接触領域での第1のボディに対する第2のボディの動作が基本的に一軸性で、極めて予測可能かつ再現可能であるように、配置される。ボディの平面は、2つの別々の空間204及び205を形成するように作られている。2つの別々の空間204及び205は、2つのボディが接触する場合には互いに分離しており、2つのボディが互いに離れた場合には流量制限弁211によって連結される。
【0032】
図2において、ボディ201及び202は、例えば、ステンレス鋼などの材料の単一片から機械加工される。もちろん、使用されているガスに適合性があり、信頼性の高い繰り返し可能なカンチレバーでの屈曲を可能にする材料なら、いかなる材料を使用してもよい。例えば、代わりの材料は、他のタイプの鋼鉄、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)などを含む。しかし、材料の1つの固体片から作成する場合、弁の表面を機械加工することが困難であることに注意する。従って、図2Aは、機械加工が非常に簡単になるように、ボディ201及び202が2つの部品から製造される別の実施形態を示す。もちろん、ボディ201及び202の一方又は両方は、1つより多い単一片から製造することができる。部品を互いに留める最も代表的な方法は、例えば、ボルトなどの留め具220であるが、それらの部品を接着又は溶接することもできる。この固定の主要な要件は、固定する位置において動きがあってはならないが、流量制限領域での一軸方向の動きは可能にしなければならないということである。図2及び図2Aの実施形態は両方とも同様に作動するため、いずれの実施形態にも適用可能なものとして、以下に説明を続ける。
【0033】
第1のボディ201には、第2のボディ202に変位をもたらし、流量制限寸法を変えるために第2のボディ202に作用するアクチュエータ206が取り付けられる。すなわち、アクチュエータは、それが伸びたり縮んだりするにつれて、カンチレバー203を中心にボディ202に弾性屈曲を生じさせる。これは、ときとして屈曲ベアリングと呼ばれるものと類似している。屈曲ベアリングにおいては、動作はその屈曲ベアリングを形成する材料の弾性屈曲又は変形によってもたらされる。動作が弾性変形であるため、非常に正確かつ制御可能である。また、力が緩められた場合、変形の弾性性質のため、装置は本質的にその自然の位置をとる。第1のボディには、この変位を測定するために、変位センサ207が取り付けられる。一実施形態において、1ナノメートル程度の直線変位を測定することができる容量測定装置又は変位センサを用いることにより実施される。
【0034】
流量制限器211の寸法の制御、結果として2つの空間を連結する流量コンダクタンスの制御を実現するために、センサ207の出力及びアクチュエータ206の動作によって閉ループ制御回路が形成される。全ての流量が2つのボディにより規定された流量制限弁211を通らなければならないように、配管208及び209はシステムに組み込まれ、ガス流量は孔218を介して一方の空間へと導かれ、また、孔219を介して他方の空間から配管209へと導かれる。
【0035】
流量制限器を形成する2つのボディを、機械的ヒンジ又は摺動機構ではなく、カンチレバーで連結させることにより、摩擦の原因が取り除かれるため、機械の遊び及びヒステリシスが取り除かれる。また、作動中において、2つのボディ内における弾性変形は無視することができる程度であり、弾性変形は2つのボディを連結させるカンチレバーに限られている。従って、流量制限器を規定する両平面は硬質である。
【0036】
図2及び図2Aに示されるように、ボディ202はボディ201にできるだけ近くに配置され、その結果、流量制限器211が閉じる。一実施形態によれば、2つのボディ201及び202は、2つのボディが留め具220によって連結された場合には互いに押し付けられ、流量制限器211を閉じるように構成される。大気へのガス流出を防止するように、柔軟性のある封止部210が流量制限器211の周りに設けられる。また、一実施形態によれば、封止部210は、張力のある状態であり、流量制限器211を閉じるように2つのボディ201及び202を引き合わせる機能を有するように構成される。この特定の図において、ボディ201において固定され、ボディ202を押すリニアアクチュエータ206は力が緩んだ状態にある。リニアアクチュエータ206が起動すると、そのリニアアクチュエータ206は柔軟性のある封止部210による張力に逆らって押し進み、ボディ202をボディ201から離れさせて、カンチレバー203を軸にボディ202を回転させ、よって、流量制限器211が開くことを可能にする。アクチュエータ206がボディ202に取り付けられ、ボディ201を押すこともできることを理解されたい。
【0037】
この流量制限器211は、図3に示されるように、上部から見て、流量制限211の内側寸法がrであり、外側寸法がrである円を形成する。ガスは、流量制限器211の内側から、流量制限器211をまたいで、流量制限器211の外側へと流れる。すなわち、図4を参照にして説明すると、ガスは、入口配管208から空間204へ、そして、(流量制限器211が開いているときに)空間205へと流れて、封止部210によって遮られるために出口配管209へと進む。従って、図2に示されるように、2つのボディ201及び202が互いに接近した状態にある場合、流量制限器211は閉じており、ガスは流れることができない。リニアアクチュエータ206が起動された場合、流量制限器211は開放され、ガスは、入口208から出口209へと流れる。一般に、流量制限器が開くにつれて、ガスの流れは増加する。
【0038】
ボディ201及びボディ202は両方とも硬質であり、装置において起こり得る唯一の運動はカンチレバー203におけるボディの屈曲であるため、ボディ201に対するボディ202の運動は非常によく規定される。流量制限器211の開口がマイクロメータ程度であり、流量制限器と屈曲部との間の距離よりはるかに小さいような小さな運動に関して言えば、流量制限器におけるボディ201に対するボディ202の運動は、流量制限器211の平面と直角をなす方向において基本的に一軸である。こうした十分に規定される運動は、装置の再現可能なガス流量特性のために、重要である。
【0039】
図2の実施形態は1つの具体例として設けられているに過ぎず、その実施例はその効果を損なわずに変更できることが明らかである。例えば、図2Bは、一方のボディ(ここではボディ201)がガス流入のための穴を有し、他方のボディ(ここではボディ202)がガス流出のための穴を有する実施形態を示す。もちろん、逆なことをしても、同様な効果が得られる。図2Cは、2つのボディが互いに接続されていない実施形態を示す。むしろ、ボディ201は固定されていて移動しないが、ボディ202は、流量制限器の開口を制御するために弾性力をもって屈曲されるように、カンチレバー機構を介して独立して固定される。
【0040】
また、図2D及び図2Eは、シールがどのように、弁を通る流量も制御するように実施されるかを示す。図2Dにおいて、そして、図2Eの詳細図において示されるように、シール210は空間204及び205の周りに設けられている。その周辺は、固定ボディ201に固定して取り付けられる一方、その中央部は屈曲ボディ202に固定して取り付けられる。このような状態で、アクチュエータ206が作動すると、そのアクチュエータ206はボディ202を引っ張って、そのボディ202は次にシール210を引っ張る。従って、シール210は、ガスが空間204から空間205へと流れることを可能にするための高さ「h」の開口を形成するように、弾性力をもって変形する。
【0041】
図2F及び図2Gは、本発明のさらにもう1つの実施形態を示し、図2Fは閉じた状態、すなわち流量無しの状態を示すものであり、図2Gは開放位置を示す。図示されるように、ボディ202は、屈曲部221を介してボディ201に連結される。一実施形態において、ボディ201及びボディ202は円筒状であり、屈曲部分221はボディ202から伸びる丸いディスクであって、ボディ202と同じ部材から機械加工されたものであってもよいし、例えば溶接によって単にボディ202に取り付けられるものであってもよい。他の形状も可能であるが、円形形状は均一かつバランスのよい動作を提供する。本実施形態において、下部屈曲部分221は、封止部210としても機能するが、他の実施形態と同様に、個別の封止部を提供することも明らかに可能である。リニアアクチュエータ206は、図2Gに示されるように、レバー240とボディ201の上部部分の間に設けられている。アクチュエータ206が伸びると、そのアクチュエータ206がボディ202を上げ、ボディ202の屈曲部分を弾力をもって屈曲させるようにレバー240が上がる。その上がった位置において、流量制限面をなすボディ202の底面は、ボディ201の補完的流量制限面から距離「h」だけ上げられ、それにより、制限された流量が流量制限弁211を通ることを可能にする。本実施形態において、2つの円筒状屈曲部は、ボディ201と202の間の相対運動を1つの自由度(垂直)に制限し、紙面の平面におけるボディの各々に対する回転を制限する。これは、流量制限器211を通る流量の高い精度の制御を可能にする。
【0042】
図4に示すように、流量制限器開口の量を「h」と定めたとすると、ガスの流量を開口hの関数として、以下の方程式で表すことができる。
[式1]
流量=2πPin/3RTμln(r/r
ただし、
inは入口208におけるガスの圧力であり、
Rは一般気体定数=1.986cal・K−1・mol−1であり、
TはKでの絶対温度であり、
μはガスの粘性であり、
h、r、及びrは図3及び図4に示される寸法である。
【0043】
大部分のガス流の適用にとって、流量制限器を通る層流を表す[式1]は、十分に正確な回答を提供する。しかし、下流圧力、すなわち、出口209におけるガスの圧力Poutが入口208における圧力Pinに比べて十分に高い場合、[式1]で決定された流量にcos(arcsin(Pout/Pin))を掛けなければならない。
【0044】
図5は、入力圧力が絶対値で0.2MPa(約30psi)である場合のガス流量を示す。制限器の構成の効果の1つは、流量が制限器開口hの3乗の関数であるということである。これは、流量制限器開口の量の1桁の変化で3桁の流量を制御することができ、それにより、装置に非常に広い範囲の流量制御を与えることを意味する。
【0045】
リニアアクチュエータ206は、例えば、ソレノイド又は圧電アクチュエータなど、さまざまなタイプであってもよい。代表的な例は、ドイツ、カールスルーエ/パルムバッハ(Karlsruhe/Palmbach,Germany)のPhysik Instrumente、GmbHの部品番号P830.30の圧電アクチュエータである。変位センサも、例えば、歪みゲージ又は静電容量位置センサなど、さまざまなタイプであってもよい。代表的な例は、同じくPhysik Instrumenteの部品番号D510.050の静電容量位置センサである。
【0046】
ガス・フロー・コントローラとして有効であるために、図2の装置は、流量制限器開口hの量を制御するなんらかの手段を有していなければならない。図6は、変位センサの出力を測定し、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体に格納された値を用いて流量制限器開口hの量を決定するコントローラ601を有するような実施例を示す。その後、コントローラは、リニアアクチュエータを制御して、変位センサが示す値が所望の開口、すなわち、位置設定点に一致するまで、ボディ202を移動させる。この制御は、標準的な制御ループ、例えば、PID(比例−積分−微分)コントローラなどによって行うことができる。
【0047】
[式1]によって示されるように、ガス流量の効果的な制御には、既知のh、r及びrの値に加えて、Pin及びTも知る必要がある。これらのパラメータの決定は、図1に示す装置によって行うことができる。本実施形態において、図6の装置600は、図1の制御弁108によって表される。図6のコントローラ601は、図1の制御弁108の一部であり、図1のコントローラ120の制御ループの中に組み込まれる制御ループを表す。
【0048】
図1のコントローラ120は、そのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体の中に、所定のガス圧力及び温度にとって望ましい流量を得るために必要な、所要の流量制限開口hの量を決定することを可能にする値を格納している。所要の開口の決定は、[式1]のような方程式を用いることにより、あるいは、広範囲にわたるPin、T及びhの値におけるガス流量を測定することによって事前に決定される参照テーブルを用いることにより、行うことができる。
【0049】
図1のガス・フロー・コントローラは、自己診断及び自己校正を実行することが可能な十分な数の観測可能かつ制御可能なパラメータを有する。さらに、これら自己診断及び自己校正は、ガス・フロー・コントローラが所望の流量で処理チャンバにガスを供給しているときに行うことができる。
【0050】
図1に示すように、装置は、流体が通過するようガス供給源104に連結された入口103を有するガス経路101と、流体が通過するよう処理チャンバ(図示せず)と連結された出口105とを備えている。標準的な処理条件の下で、弁106は開いており、ガスは、容量110を通り、制御弁108を通り、そして、最終的に処理チャンバへと流れる。
【0051】
容量110は、弁106と制御弁108の間の総固定容量を表す。圧力変換器112は、この容量V 110の圧力を測定するように構成されている。温度センサ114は、構成要素の温度を測定するために配置される。ある実施形態において、センサ114は、1つ以上の構成要素と直接的に温度関連性をもつ特殊なセンサであってもよい。環境が温度制御され、場所によって又は時によって温度が大きく変わると予測されない他の実施形態において、ガス供給システムの近くに配置される温度計は、関心のある温度について十分な情報を提供する。
【0052】
制御弁108を通るガス流量を検査するための手順は、以下の通りに要約できる。
1.制御弁108は所望の流量に設定され、ガスの流れが確立される。
2.弁106が、閉じられる。
3.弁106が閉じている間、定期的に、通常1から100ミリ秒にわたる範囲で、圧力変換器により圧力が測定される。
4.圧力がある量(通常、初期値の1―10%)だけ低下した後、弁106は開かれ、検査手順が終わる。
5.測定中のある時点において、温度センサ114の表示が記録される。
これらのステップの順番に関して、一定の融通が利く。例えば、ステップ1とステップ2は交換できる。また、ステップ5は、検査手順の任意の時点で行うことができる。
【0053】
弁106について、より詳細な説明が必要とされる。最も簡単な形態では、弁106は、オン/オフ型の遮断弁である。この種の弁の潜在的な不利益は、ステップ4において、弁が開かれると、容量V 110内で急速な圧力上昇が起こるということである。この急速な圧力上昇は、制御弁108が処理チャンバへと流れるガスの一定の流れを維持するのに十分な速さで流量制限器開口の量を変化させることを困難にするかもしれない。遮断弁の良好な代替物は、ある設定の範囲にわたってさまざまなガス流量を提供するように設計された弁である(図1に示すような)絞り弁である。測定期間終了の後、絞り弁106が開かれると、コントローラは、圧力変換器112によって決定される圧力上昇が制御弁108を通る流れを乱さない程度に十分に低い所定の量に維持されるように、弁開口の量を制御する。換言すれば、ガスの流れが乱されないように、絞り弁106の開放は急によりもむしろ徐々に行われる。あるいは、処理ステップの間に圧力を上げるよりは、むしろ、圧力を測定期間終了まで一定の状態に保った後、処理ステップが終了したら、圧力を上げることができる。この方法は、制御弁108を通る流量の乱れに与える影響を最小にする。
【0054】
理想気体の状態方程式によると、容量V 110のガスの量は、以下の方程式によって与えられる。
[式2]
n=PV/RT
ただし、
n=(モルで計算された)ガスの量
P=圧力変換器によって測定された圧力
V=ガスの体積
R=理想気体定数=1.987cal・K−1・mol−1
T=Kでの絶対温度。
【0055】
ある程度において、すべての実在気体は、非理想的である。これらの非理想気体に関して、[式2]は、以下次のように書き直すことができる。
[式3]
n=PV/ZRT
ただし、Z=圧縮係数。
【0056】
圧縮係数は、さまざまなハンドブックで見つけることができ、また、いかなる特定のガスの場合でも実験測定値から決定することができるもので、温度と圧力の関数である。
【0057】
ガスの流量は、単位時間当たりのガスの量の変化として書き表すことができる。すなわち、
[式4]
流量=Δn/Δt
ただし、t=時間。
[式3]を[式4]に代入すると、次の方程式が得られる。
[式5]
流量=(ΔP/Δt)V/ZRT
【0058】
最初の係数(ΔP/Δt)は、単に上記の手順のステップ3において得られる時間の関数としての圧力測定値の傾斜である。従って、これらの圧力測定値を、体積、温度及び圧縮係数とあわせて考えると、制御弁108を通るガスの実際の流量は、本発明の実施例に従って決定することができ、それによって、処理チャンバへのガス流量の2つの独立した測定値を提供することができる。
【0059】
本発明の各種の実施形態の1つ以上のステップは、手動又は自動操作によって実行することができる。例えば、弁を開閉して、圧力測定値を得るステップは、コンピュータ制御に従って自動的に行うことができる。あるいは、さまざまな弁の1つ以上を手動で作動させ、結果として生じる流量を、検出された圧力降下から自動的に算出することができる。1つ以上のステップの自動操作は、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体に格納される指示に基づき、図1に示すような制御ラインを介する通信を利用して、実行することができる。
【0060】
この測定システムのもう1つの利点は、所望の流量と測定された流量の間に不一致が見つかった場合、この不一致を修正して所望の流量を提供するために制御弁108の設定を変更させることができるということである。圧力の降下率測定値が一次校正基準を提供することを考えれば、この種の修正は特に適切である。この修正は、同じ処理ステップで行うことができるし、又は、次の処理ステップでも行うことができる。システムがコンピュータ制御の下にある場合、この種の修正は非常に単純化される。
【0061】
本明細書において記載されている処理及び技術は、いかなる特定の装置とも本質的な関連がなく、構成要素のいかなる適切な組合せによっても行うことができることが理解されるべきである。さらに、さまざまな種類の汎用装置が、本明細書において記載されている教示に従って用いられる。本明細書に記載されている方法のステップを実行するための特殊な装置を造ることも有益であると示され得る。
【0062】
本発明は特定の実施例に関連して説明されてきたが、それらの実施例は、あらゆる点で、限定的であるというよりはむしろ例示的であることを目的とする。当業者は、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのさまざまな異なる組み合わせが、本発明を実施することに適していることを理解するであろう。また、本発明の他の実施態様は、本明細書に記載されている本発明の仕様及び実施を考慮することにより当業者にとって明らかとなる。本明細書及び実施例は単に例示的なものとみなされることが意図されており、本発明の本当の範囲及び趣旨は以下の請求項によって示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流量を制御する装置であって、
流量制限面を有する第1のブロックと、
補完的流量制限面を有し、前記流量制限面と前記補完的流量制限面とが協働して流量制限弁を形成する第2のブロックと、
前記第1のブロック又は前記第2のブロックのうちの1つに形成され、流体通路を前記流量制限弁に提供する流体入口孔と、
前記第1のブロック又は前記第2のブロックのうちの1つに形成され、流体通路を前記流量制限弁に提供する流体出口孔と、
前記流量制限弁の周辺に設けられた封止部と、
を備え、
流量を制御するための前記流量制限弁の開口の量の変化は、前記第1のブロック又は前記第2のブロックのうちの少なくとも1つの弾性屈曲によってもたらされ、
変位センサは、前記第1のブロック又は前記第2のブロックの一方の変化を測定し、
再現可能なガス流特性により、前記弁を通る流れの量を制御することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記変位センサが流量制限開口の量を少なくとも100ナノメートルの精度をもって測定するように構成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記弾性屈曲をもたらすように動作可能なアクチュエータをさらに備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項4】
前記変位センサの出力を受信し、作動信号を前記アクチュエータに送信することにより前記流量制限弁の開口の量を制御するフィードバック部をさらに備えることを特徴とする請求項3の装置。
【請求項5】
前記アクチュエータが圧電アクチュエータを備えることを特徴とする請求項3の装置。
【請求項6】
前記フィードバック部が前記流量制限弁の開口の量を少なくとも100ナノメートルの精度をもって制御することを特徴とする請求項4の装置。
【請求項7】
前記変位センサの測定が少なくとも100ミリ秒毎に1回行われることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項8】
前記第1のブロック又は前記第2のブロックのうちの少なくとも1つがカンチレバー機構を備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項9】
正確なガス配送のためのシステムであって、
流量制御弁と、
前記流量制御弁の上流でガス圧力を測定する圧力変換器と、
温度センサと、
前記流量制御弁の上流に配置される流量調整器と、
前記流量調整器を前記流量制御弁に連結する導管と、
前記圧力変換器及び前記温度センサからの信号を受信し、流量計算に応じて、前記流量制御弁の動作を制御するコントローラと、
を備え、
前記流量制御弁は、前記流量制御弁の本体部を弾性力をもって屈曲させることによりガス流の量を変化させるアクチュエータを備え、
変位センサは、前記本体部の変位を測定し、
再現可能なガス流特性により、前記弁を通る流れの量を制御することを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記変位センサは、前記本体部の弾性屈曲を測定し、対応する信号を前記コントローラに送信することを特徴とする請求項9のシステム。
【請求項11】
前記コントローラが前記流量制御弁の流量制限開口の量を少なくとも100ナノメートルの精度をもって制御することを特徴とする請求項10のシステム。
【請求項12】
前記変位センサの信号が少なくとも100ミリ秒毎に1回送られることを特徴とする請求項10のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記流量調整器を作動させて、前記流量制御弁の上流でガス・フローを一時的に中断するとともに、前記圧力変換器を使って、前記導管における圧力降下の率を測定することにより、前記流量制御弁を通る流量を決定することを特徴とする請求項9のシステム。
【請求項14】
前記流量調整器が絞り弁を備えることを特徴とする請求項9のシステム。
【請求項15】
前記流量制御弁の本体部が流量制限面を備え、
前記流量制御弁が、
補完的流量制限面を有し、前記流量制限面と前記補完的流量制限面とが協働して流量制限弁を形成する第2の本体部と、
前記第1の本体部又は前記第2の本体部のうちの1つに形成され、流体通路を前記流量制限弁に提供する流体入口孔と、
前記第1の本体部又は前記第2の本体部のうちの1つに形成され、流体通路を前記流量制限弁に提供する流体出口孔と、
前記流量制限弁の周辺に設けられた封止部と、
をさらに備え、
前記流量制限弁の開口の量の変化は、前記第1の本体部又は前記第2の本体部のうちの少なくとも1つに対する弾性屈曲によってもたらされることを特徴とする請求項9のシステム。
【請求項16】
流量制御弁と、流量調整器と、前記流量調整器と前記流量制御弁との間に結合される既知のガス格納容量とを有するガス配送システムにおける流量の制御方法であって、
前記流量制御弁を作動させて、所望の流量を配送し、
前記流量調整器におけるガス・フローを一時的に中断し、
ガスの温度を測定し、
前記既知の容量内のガス圧力降下を測定し、
測定された温度、圧力降下、及び前記既知の容量を使って、前記流量制御弁における流量を算出し、
前記流量調整器における流れを再開し、
前記流量制御弁の本体部に弾性屈曲をもたらすようにアクチュエータを起動させることにより前記流量制御弁における流量を調整するために、算出された流量を用いることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記本体部の弾性屈曲変位を測定する工程をさらに備えることを特徴とする請求項16の方法。
【請求項18】
前記流量調整器が絞り弁を備え、前記流れを再開する工程は、前記絞り弁を徐々に開いて、前記既知の容量における圧力上昇を制御する工程を備えることを特徴とする請求項16の方法。
【請求項19】
前記流量制御弁における流量を調整する工程は、前記アクチュエータを起動させて、カンチレバー部分を中心に前記本体部の弾性屈曲をもたらす工程を備えることを特徴とする請求項16の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−508825(P2013−508825A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534432(P2012−534432)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/052974
【国際公開番号】WO2011/047361
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(510033424)ピヴォタル システムズ コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】