説明

ガス導入装置及びガス分析システム

【課題】ガス導入搬送路を構成する導入パイプや管路の内壁面やその他に付着したガスを短時間に取り除くことができるガス導入装置を提供する。
【解決手段】荷物3などに付着されていた気体分子を含む分析対象ガスを分析するガス分析システムに用いられるガス導入装置1であって、ガスを導入する入口部とガス分析装置2に接続する出口部とを有するガス導入搬送路4と、このガス導入搬送路4中に設けた分岐路8と、この分岐路8に接続した排気手段9と、前記ガス導入搬送路4の入口部側に設けた第1の真空弁6と、ガス導入搬送路4の出口部側に設けた第2の真空弁7と、前記分岐路8に設けた第3の真空弁10と、前記ガス導入搬送路4における前記第1の真空弁6と第2の真空弁7との間で前記ガス導入搬送路4内に位置して設けた加熱手段14とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス導入装置及びガス分析システムに係り、更に詳しくはガス導入装置を構成する導入パイプの内面に吸着されたガスや粒子等の吸着物を取り除くことができるガス導入装置及びガス分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、四重極質量分析計やガスクロマトグラフなどのガス分析装置(質量分析装置)を用いて、荷物などに付着されていた気体分子を含む分析対象ガスを分析するものとして、ガスを導入するガス導入搬送路と、このガス導入搬送路に連結したガス分析装置と、ガス導入搬送路に接続された排気手段と、ガス導入搬送路における検出対象側に設けた第1の真空弁と、ガス導入搬送路におけるガス分析装置側に設けた第2の真空弁と、前記排気手段の上流側に設けた第3の真空弁とを備え、前述した第1乃至第3の真空弁との切換え操作により、ガス分析に必要な量の分析対象ガスをガス導入搬送路に導入し、この導入した分析対象ガスを希釈させることなくガス分析装置に供給するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ガス分析装置において、サンプルガスを導入するセルに外周に発熱コイルを設け、この発熱コイルに通電してセルを高温でベーキング処理し、クリーニングするものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−344230号公報
【特許文献2】特開2002−357593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された質量分析装置は非常に高感度であり、少量のガスでも十分に検出する能力がある。しかしながら、実際の使用状況では調査対象物から発生するガスの量は一定ではなく、多量のガスを吸い込むことも多い。このような場合、吸い込んだ多量のガスや粒子等の一部が、ガス導入搬送路を構成する導入パイプや管路の内壁面に付着することがある。このようにガスや粒子が一度に導入パイプや管路の内壁面に吸着すると、その後、長時間にわたりそこから徐々にガスが放出される現象がおこる。
【0006】
質量分析装置は高感度であるので、これらのガス成分を検出してしまう。ある調査対象物から多量のガスが発生した後、次の調査対象物の調査をしても、前回の多量のガスが残留していると、その成分がノイズとなるため、探知能力が低下する可能性がある。
【0007】
そこで、吸着したガスや粒子を導入パイプや管路の内壁面から取り除くために、前述して特許文献2に記載されているように、導入パイプや管路の外部にヒータを取り付け、このヒータを加熱して、その熱を導入パイプや管路の外部からその内壁面に伝えて加熱し、壁面に吸着したガスを壁面から脱離させる方策が提示されている。
【0008】
この方策では、外部からの加熱のため、導入パイプや管路の内壁面を十分な温度に加熱するために要する時間が長くかかる難点があった。特に、真空装置が接続される場合、配管系の材質として、錆びを生じないステンレス材を使用することが多いが、この場合、ステンレスは熱伝導率が悪いため、導入パイプや管路の内壁面を十分な温度に加熱するために要する時間が更に長くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述の事柄に基づいてなされたもので、ガス導入搬送路を構成する導入パイプや管路の内壁面やその他に付着したガスを短時間に取り除くことができるガス導入装置とこの装置を用いたガス分析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の目的を達成するために、第1の発明は、荷物などに付着されていた気体分子を含む分析対象ガスを分析するガス分析システムに用いられるガス導入装置であって、ガスを導入する入口部とガス分析装置に接続する出口部とを有するガス導入搬送路と、このガス導入搬送路中に設けた分岐路と、この分岐路に接続した排気手段と、前記ガス導入搬送路の入口部側に設けた第1の真空弁と、ガス導入搬送路の出口部側に設けた第2の真空弁と、前記分岐路に設けた第3の真空弁と、前記ガス導入搬送路における前記第1の真空弁と第2の真空弁との間で前記ガス導入搬送路内に位置して設けた加熱手段とを備えたことを特徴とするガス導入装置にある。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記加熱手段は、その加熱によってガス導入搬送路の内壁面を加熱する輻射熱またはガス導入搬送路の内壁面をたたく熱電子を発生することを特徴とするガス導入装置にある。
【0012】
さらに、第3の発明は、荷物などに付着されていた気体分子を含む分析対象ガスを分析するガス分析システムであって、ガス分析装置と、ガスを導入する入口部と前記ガス分析装置に接続する出口部とを有するガス導入搬送路と、このガス導入搬送路中に設けた分岐路と、この分岐路に接続した排気手段と、前記ガス導入搬送路の入口部側に設けた第1の真空弁と、ガス導入搬送路の出口部側に設けた第2の真空弁と、前記分岐路に設けた第3の真空弁と、前記ガス導入搬送路における前記第1の真空弁と第2の真空弁との間で前記ガス導入搬送路内に位置して設けた加熱手段とを備えたことを特徴とするガス分析システムにある。
【0013】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記加熱手段は、その加熱によってガス導入搬送路の内壁面を加熱する輻射熱またはガス導入搬送路の内壁面をたたく熱電子を発生することを特徴とするガス分析システムにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明のガス導入装置によれば、ガス導入搬送路を構成する導入パイプや管路の内壁面やその他に付着した粒子及びガス等を短時間に取り除くことができ、そのための待機時間を短縮することができるので、その後続に接続するガス分析装置の分析作業効率を向上させることができるとともに、これに接続するガス分析装置での分析性能を向上させることができる。
【0015】
本発明のガス分析システムによれば、ガス導入搬送路を構成する導入パイプや管路の内壁面やその他に付着した粒子及びガス等を取り除くための待機時間を短縮することができるので、その復旧時間が短縮され、その分析作業効率を向上させることができるとともに、ガス分析装置での分析性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のガス導入装置及びこれを用いたガス分析システムの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明のガス導入装置及びこれを用いたガス分析システムの第1の実施の形態を示す構成図であり、この図1において、ガス分析システムは、概略的に、ガス導入装置1と、このガス導入装置1に連結するガス分析装置としての質量分析装置2とで構成されている。
【0017】
ガス導入装置1は、荷物3に付着されていた気体分子、例えば、ニトロ基を有するニトロ化合物などの気体分子を含む分析対象ガスを導入して質量分析装置2まで導くガス導入搬送路としての導入パイプ4を備えている。
【0018】
この導入パイプ4の入口部には、検知対象としての荷物3を受けるための荷物受け部5が設けられ、また装置内に粒子等が侵入するのを防ぐためのフィルタが取り付けられている。導入パイプ4の出口部側は質量分析装置2に接続されている。導入パイプ4の入口部側には、導入パイプ4の入口部側を開閉する第1の真空弁6が配置され、また、その出口部側には、導入パイプ4の出口側を開閉する第2の真空弁7が配置されている。
【0019】
導入パイプ4における第1の真空弁6と第2の真空弁7との間には、分岐路を構成する分岐パイプ8が設けられている。この分岐パイプ8の出口側には真空ポンプ9が接続されている。分岐パイプ8の管路途中には、分岐パイプ8の管路を開閉する第3の真空弁10が配置されている。
【0020】
さらに、導入パイプ4における第2の真空弁7と質量分析装置2との間には、バイパス路を構成するバイパスパイプ11が設けられている。このバイパスパイプ11の管路途中にはバイパスパイプ32の管路を開閉する補助真空弁12が配置されている。
【0021】
前述した真空ポンプ9は、導入パイプ4、分岐パイプ8に導入された分析対象ガスを真空排気して、導入パイプ4と分岐パイプ8との内部を大気よりも低圧にする排気手段として機能する。
【0022】
導入パイプ4における第1の真空弁6と第2の真空弁7との間の壁面には、2個の電流導入端子13,13が離間して設置されている。この電流導入端子13,13は、導入パイプ4との電気的な絶縁を維持しながら、導入パイプ4の内部の真空側とその大気側とを電気的に接続するためのものである。
【0023】
これら2個の電流導入端子13,13の真空側、即ち導入パイプ4の内部側には、加熱手段としてのフィラメント14の両端が接続されている。電流導入端子13,13の大気側には、フィラメント14の加熱電源15が接続されている。導入パイプ4内のフィラメント14は、その加熱電源15により電流が流されて加熱される。
【0024】
フィラメント14の通電回路には、電圧印加直流電源16のマイナス側が接続されている。電圧印加直流電源16のプラス側は、導入パイプ4に接続されている。この電圧印加直流電源16は、導入パイプ4の壁面に対して、負の電圧を印加して、この電位差により、フィラメント14から発した熱電子を導入パイプ4の壁面に向かって加速して衝突させるものである。
【0025】
前述した各真空弁6,7,10,12の開閉操作は、手動で行なうことも可能であり、また制御装置(図示省略)からの指令によって各真空弁を遠隔操作することも可能である。電源15,16の操作に関しても同様に、手動操作で行なうことも可能であり、また制御装置(図示省略)からの指令によって遠隔操作することも可能である。
【0026】
また、各真空弁6,7,10,12としては、電磁弁または空気操作弁を用いることができ、各真空弁の開閉動作を制御装置によって制御するに際しては、各真空弁に対する動作タイミングを、導入パイプ4内の圧力を検知する圧カスイッチの検知出力信号を取り込んで設定したり、あるいは、導入パイプ4内のガスの圧力が分析可能な値に達するまでの時間を計測または計算で求め、この求めた結果に基づいて動作タイミングを設定することができる。
【0027】
次に、上述した本発明のガス導入装置及びこれを用いたガス分析システムの第1の実施の形態の動作を図1を用いて説明するが、その動作をより良く理解するために、図2に示す本発明のガス分析システムにおける検知動作とクリーニング動作とのフローチャーチ図を、また、図3に示す探知対象物の非探知時における各真空弁の開閉動作にタイムチャ−ト図、及び図4に示す探知対象物の探知時における各真空弁の開閉動作にタイムチャ−ト図を参酌して説明する。
【0028】
まず、本発明のガス分析システムにおける通常時の検知動作を説明すると、荷物3に付着されていた気体分子を含む分析対象ガスに対するガス分析を開始するに先立って、導入パイプ4内に分析対象ガスを導入する前の待機期間中は、図3の左側の待機欄に示すように第1の真空弁6及び第2の真空弁7を閉じるとともに、第3の真空弁10、補助真空弁12を開いた後、真空ポンプ9を起動して、導入パイプ4と分岐パイプ8との内部を真空排気する。
【0029】
このとき、補助真空弁12は開となっているため、清浄な外気が質量分析装置2内に導入されている状態になっている。
【0030】
次に、荷物受け部5に荷物3をセットする(図2のステップS1)。このときには、図3の空気導入の欄に示すように、第3の真空弁10を閉じるとともに、第1の真空弁6を開き、荷物3に付着されていた気体分子を含む分析対象ガスを、導入パイプ4の入口部、第1の真空弁6を介して導入パイプ4及び分岐パイプ8の内部に一気に導入する(図2のステップS2)。この後、導入パイプ4と分岐パイプ8との内部の圧力が分析可能な値である所定値になったときには、補助真空弁12を閉じた後、第2の真空弁7を開き、導入パイプ4と分岐パイプ8との内部に貯留されていた分析対象ガスを質量分析装置2内に導入する(図2のステップS3)。
【0031】
分析対象ガスが導入された質量分析装置2は、分析対象ガスに対する質量分析を行い(図2のステップS4)、例えば、分析対象ガスに含まれている気体分子がニトロ化合物か否かを判定するための処理を行い(図2のステップS5)、分析対象ガスにニトロ化合物が含まれているときには、荷物3にニトロ化合物が付着されていたことを特定し、その旨を分析結果として出力する。
【0032】
質量分析装置2によるガス分析が終了し、分析対象ガスにニトロ化合物が含まれていない場合(非探知の場合)には、図3の右側の待機欄に示すように、第1の真空弁6と第2の真空弁7を閉じるとともに、第3の真空弁10と補助真空弁12を開き、真空ポンプ9の動作により、導入パイプ4と分岐パイプ8との内部を真空排気し、次の分析まで待機状態とする(図2のステップS6)。
【0033】
次に、ガス分析システムに高濃度のガスが導入された場合の動作について説明する。質量分析装置2が分析した結果、高濃度のガス(例えばニトロ化合物)が検知された場合(探知の場合)、このガスを取り除く動作を開始する(図2のステップS7)。前述したように、質量分析装置2によるガス分析が終了すると、図4の右側のクリーニング及び待機の欄に示すように、第1の真空弁6,第2の真空弁7を閉じるとともに、第3の真空弁10と補助真空弁12を開いた後、真空ポンプ9を起動して、導入パイプ4と分岐パイプ8との内部を真空緋気し、待機状態とする。
【0034】
この真空排気した状態にて、フィラメント14の加熱電源15をフィラメント14に通電してフィラメント14を加熱する(図2のステップS8)。フィラメント14の加熱により発せられた輻射熱Hは、図5に示すように導入パイプ4の内壁面を加熱する。これにより、導入パイプ4の内壁面に吸着されるガスの量は、その壁面の温度が上がるとともに少なくなる。このため、導入パイプ4の内壁面の温度を上げることにより、ガスを取り除くことができる。また、フィラメント14からの輻射熱Hが、直接的に導入パイプ4の内壁面を加熱するので、その加熱時間が短縮される。
【0035】
また、導入パイプ4には、電圧印加直流電源16によって負の電圧が印加されているので、図6に示すように、フィラメント14が発する熱電子17が、導入パイプ4の壁面に向かい加速され衝突する。これにより、熱電子17は、導入パイプ4の内壁面に付着したガス、またはその付近に浮遊している残留ガス分子18に当たり、探知に影響を与えない分解された分子19とすることができる。
【0036】
通常の分子間の結合エネルギーは、数eVである。一方、フィラメント14から発生する熱電子17の加速度電圧は、電圧印加直流電源16が発生する電圧で決まるので、例えば、この電圧印加直流電源16の電圧を70Vにすれば、残留ガス分子18に当たるときのエネルギーは、70eVとなる。このエネルギーは、分子間の結合エネルギーよりも充分高いので、残留ガス分子18を分解するためには充分である。
【0037】
次に、上述の動作により、ガスを取り除くためのクリーニングが終了すると(図2のステップS9)、バックグラウンドアラームチェックを行い(図2のステップS10)、その結果、異常がなければ、図2のステップ6に移行して待機する。異常がある場合には、図2のステップS7に戻り、再度クリーニングを開始する。
【0038】
上述した本発明のガス導入装置の第1の実施の形態によれば、ガス導入搬送路を構成する導入パイプや管路の内壁面やその他に付着した粒子及びガス等を短時間に取り除くことができ、そのための待機時間を短縮することができるので、その後続に接続するガス分析装置の分析作業効率を向上させることができるとともに、これに接続するガス分析装置での分析性能を向上させることができる。
【0039】
また、上述した本発明のガス分析システムの第1の実施の形態によれば、ガス導入搬送路を構成する導入パイプや管路の内壁面やその他に付着した粒子及びガス等を取り除くための待機時間を短縮することができるので、その復旧時間が短縮され、その分析作業効率を向上させることができるとともに、これに接続するガス分析装置での分析性能を向上させることができる。
【0040】
図7は、本発明のガス導入装置及びこれを用いたガス分析システムの第2の実施の形態を示すもので、この図7において、図1と同符号のものは同一部分である。この実施の形態は、フィラメント14の加熱電源を、交流電源20として構成したものである。
【0041】
この実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、商用の交流電源を用いることができるので、その電源供給が容易になり、またその設備の管理が簡単になる。
【0042】
図8は本発明のガス導入装置及びこれを用いたガス分析システムの第3の実施の形態を示すもので、この図4において、図1と同符号のものは同一部分である。この実施の形態は、フィラメント14から発生する熱電子17が残留ガス分子を分解するエネルギーを有していること、及び抵抗体であるフィラメント14に流れる電流により、このフィラメント14にマイナスの電位がかかり、フィラメント14から発生する熱電子17に加速エネルギーを与えることができることに起因して、図1及び図7の実施の形態で示した電圧印加直流電源16を省略し、フィラメント14の加熱電源におけるプラス側を、導入パイプ4に接続して構成したものである。
【0043】
この実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、フィラメント14の加熱電源回路系の構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のガス導入装置及びこれを用いるガス分析システムの第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す本発明のガス分析システムの第1の実施の形態の動作を説明するフローチャト図である。
【図3】図1に示す本発明のガス分析システムの第1の実施の形態に用いた各真空弁の非探知の場合の開閉動作を説明するタイムチャート図である。
【図4】図1に示す本発明のガス分析システムの第1の実施の形態に用いた各真空弁の探知の場倍の開閉動作を説明するタイムチャート図である。
【図5】図1に示す本発明のガス導入装置及びこれを用いるガス分析システムの第1の実施の形態におけるフィラメントから発生する輻射熱及び熱電子の動作を説明する説明図である。
【図6】図5に示すフィラメントから発生する熱電子の動作を説明する説明図である。
【図7】本発明のガス導入装置及びこれを用いるガス分析システムの第2の実施の形態を示す構成図である。
【図8】本発明のガス導入装置及びこれを用いるガス分析システムの第3の実施の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ガス導入装置
2 質量分析装置
3 荷物
4 導入パイプ
6 第1の真空弁
7 第2の真空弁
9 真空ポンプ
10 第3の真空弁
14 フィラメント
15 フィラメント14の加熱電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物などに付着されていた気体分子を含む分析対象ガスを分析するガス分析システムに用いられるガス導入装置であって、ガスを導入する入口部とガス分析装置に接続する出口部とを有するガス導入搬送路と、このガス導入搬送路中に設けた分岐路と、この分岐路に接続した排気手段と、前記ガス導入搬送路の入口部側に設けた第1の真空弁と、ガス導入搬送路の出口部側に設けた第2の真空弁と、前記分岐路に設けた第3の真空弁と、前記ガス導入搬送路における前記第1の真空弁と第2の真空弁との間で前記ガス導入搬送路内に位置して設けた加熱手段とを備えたことを特徴とするガス導入装置。
【請求項2】
前記加熱手段は、その加熱によってガス導入搬送路の内壁面を加熱する輻射熱またはガス導入搬送路の内壁面をたたく熱電子を発生することを特徴とする請求項1記載のガス導入装置。
【請求項3】
荷物などに付着されていた気体分子を含む分析対象ガスを分析するガス分析システムであって、ガス分析装置と、ガスを導入する入口部と前記ガス分析装置に接続する出口部とを有するガス導入搬送路と、このガス導入搬送路中に設けた分岐路と、この分岐路に接続した排気手段と、前記ガス導入搬送路の入口部側に設けた第1の真空弁と、ガス導入搬送路の出口部側に設けた第2の真空弁と、前記分岐路に設けた第3の真空弁と、前記ガス導入搬送路における前記第1の真空弁と第2の真空弁との間で前記ガス導入搬送路内に位置して設けた加熱手段とを備えたことを特徴とするガス分析システム。
【請求項4】
前記加熱手段は、その加熱によってガス導入搬送路の内壁面を加熱する輻射熱またはガス導入搬送路の内壁面をたたく熱電子を発生することを特徴とする請求項3記載のガス分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−90925(P2006−90925A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278878(P2004−278878)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】