説明

ガス濃度測定装置

【課題】装置内に液体としての水分が侵入し、或いは、装置内に気体としての水分が多量に侵入した場合、その侵入を既存の構成部品を用いて検知することができるガス濃度測定装置の提供。
【解決手段】光源と、光源の光路上に配置され試料ガスが導入される試料セルと、試料セルを透過した光源の光を受光して干渉成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出する干渉成分検出器と、試料セルを透過した光源の光を受光して測定対象成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出する主検出器と、主検出器が検出した強度と干渉成分検出器が検出した強度に基づき測定対象成分の濃度を算出する演算部と、干渉成分検出器が検出した強度に基づき性能低下物質が侵入した可能性があることを検知する侵入検知部と、性能低下物質が侵入した可能性があることが検知された場合に性能低下物質の更なる侵入の阻止を行う侵入防止部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス濃度測定装置に関し、より詳しくは、当該装置内に性能低下物質(例えば、液体としての水分、或いは、気体としての多量の水分)が侵入した場合、その侵入を既存の構成部品を用いて検知し、当該装置の性能低下や故障を防止することができるガス濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々のガスの濃度を測定する装置(ガス濃度測定装置)が開発されている。ガス濃度測定装置は、例えば、試料ガス中のSO2、CO、CO2、NOXなどの成分濃度を測定し、その測定結果を液晶画面に表示するものである。
【0003】
ガス濃度測定装置は、ユーザによって様々な場所に設置されて使用される。例えば、煙突から排出されるガスの成分を調べる場合には、煙突にガス濃度測定装置の試料ガス入口が接続されることがある。煙突からは水分を多量に含んだガスが排出される場合が多く、そのような場合には、気体としての水分の他、液体としての水分も試料ガス入口を介してガス濃度測定装置内に侵入する。液体としての水分がガス濃度測定装置内に侵入した場合、当該水分が電子冷却器を経由してガス分析器に侵入する可能性がある。液体としての水分がガス分析器に侵入すると、特に赤外線吸収法を用いたガス分析器において、試料セルの内壁面に水分が水滴として付着し、ガス分析性能を低下させる可能性がある。また、試料セルの内壁面に付着した水分にSO2が溶け込んだ場合、硫酸が生じて試料セルの内壁面が腐食する可能性がある。また、試料セルの内壁面に付着した水滴が乾燥すると、その内壁面に水アカのような模様が残り、ガス分析性能を低下させる可能性がある。
【0004】
また、ガス濃度測定装置内に、気体としての水分が高濃度で多量に侵入した場合、電子冷却器がその水分を十分に除去することができず、ガス濃度測定装置内で液化した水分がガス分析器に侵入する可能性がある。液化した水分は、上記したようにガス分析性能を低下させる可能性がある。
【0005】
特許文献1には、自動車に燃料ガスを供給するガス配管を開閉可能なガスメータと、ガス配管内のガス中水分を検知するセンサー部と、該センサー部の検出値が異常値か否かを判定する判定手段と、判定手段で異常値と判定された場合にガスメータにガス停止信号を出力してガスの供給を遮断させる停止信号出力手段とを備えたガス中水分監視装置が開示されている。
【0006】
特許文献1に記載の装置によれば、ガス中水分量が異常値レベルに達すると、自動車へのガスの供給を停止することができる。しかしながら、この装置においては、センサー部を別途設ける必要があり、コスト高になるという問題がある。また、この装置では、水分がセンサー部そのものに悪影響を及ぼす場合のことが全く想定されておらず、その対策もなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−221428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、ガス濃度測定装置内に性能低下物質(すなわち、ガス濃度測定装置の性能を低下させる物質。例えば、液体としての水分、或いは、気体としての多量の水分)が侵入した場合、その侵入を既存の構成部品を用いて検知し、当該装置の性能低下や故障を防止することができるガス濃度測定装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の発明は、
試料ガス中の測定対象成分の濃度を測定するガス濃度測定装置であって、
光源が配置された光源ユニットと、
前記光源の光路上に配置され、試料ガスが導入される試料セルユニットと、
前記試料セルユニットを透過した前記光源の光を受光して、前記測定対象成分に干渉する干渉成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出する干渉成分検出器と、
前記試料セルユニットを透過した前記光源の光を受光して、前記測定対象成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出する主検出器と、
前記主検出器が検出した強度と前記干渉成分検出器が検出した強度に基づき、前記測定対象成分の濃度を算出する演算部と、
前記干渉成分検出器が検出した強度に基づき、前記ガス濃度測定装置の性能を低下させる性能低下物質が当該ガス濃度測定装置に侵入した可能性があることを検知する侵入検知部と、
前記性能低下物質が前記ガス濃度測定装置に侵入した可能性があることが検知された場合に前記性能低下物質の更なる侵入の阻止を行う侵入阻止部、および、前記可能性があることが検知された場合に前記性能低下物質の侵入の報知を行う報知部の少なくともいずれか一方を有する侵入防止部とを備えた、ガス濃度測定装置である。
【0010】
第1の発明によれば、干渉成分検出器が検出した強度に基づき、ガス濃度測定装置の性能を低下させる性能低下物質の侵入が検知される。性能低下物質の侵入が検知された場合、性能低下物質の更なる侵入の阻止、および、性能低下物質の侵入の報知の少なくともいずれか一方が行われる。よって、ガス濃度測定装置内に性能低下物質(例えば、液体としての水分、気体としての高濃度で大量の水分、或いは、気体としての高濃度で大量のアンモニア)が侵入した場合、その侵入を既存の構成部品(干渉成分検出器など)を用いて検知し、当該装置の性能低下や故障を防止することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、
上記性能低下物質が水分であることを特徴とする。
【0012】
第2の発明によれば、ガス濃度測定装置内に性能低下物質としての水分が侵入した場合、その侵入を既存の構成部品(干渉成分検出器など)を用いて検知し、当該装置の性能低下や故障を防止することができる。
【0013】
第3の発明は、第1または第2の発明において、
上記侵入阻止部は、上記試料ガスが上記試料セルユニットに到達するまでの経路を遮断することにより、上記性能低下物質の侵入を阻止することを特徴とする。
【0014】
第3の発明によれば、ガス濃度測定装置内に性能低下物質が侵入した場合、試料ガスが試料セルユニットに到達するまでの経路を遮断することによって容易に性能低下物質の侵入を阻止し、当該装置の性能低下や故障を防止することができる。
【0015】
第4の発明は、第1乃至第3いずれかの発明において、
上記侵入阻止手段は、上記試料セルユニットに試料ガスを導入するポンプを停止させることにより、上記性能低下物質の侵入を阻止することを特徴とする。
【0016】
第4の発明によれば、ガス濃度測定装置内に性能低下物質が侵入した場合、ポンプの停止によって容易に性能低下物質の侵入を阻止し、当該装置の性能低下や故障を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ガス濃度測定装置内に性能低下物質(例えば、液体としての水分)が侵入した場合、その侵入を既存の構成部品を用いて検知し、当該装置の性能低下や故障を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るガス濃度測定装置の構成を示す図
【図2】図1に示されるガス濃度測定装置のCO−SO2分析器を示す図
【図3】図1に示されるガス濃度測定装置の外観の一例を示す図
【図4】図1に示されるガス濃度測定装置の動作の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態)
本発明の実施形態に係るガス濃度測定装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガス濃度測定装置の構成を示す図である。図2は、図1に示されるガス濃度測定装置のCO−SO2分析器を示す図である。
【0020】
本実施形態に係るガス濃度測定装置1は、試料ガス中の複数の測定対象成分の濃度を測定する装置である。試料ガスは、測定対象成分を含んでいるものであれば特に限定されない。測定対象成分は、種々に選択することができ、例えば、SO2、CO、CO2、NOXなどを選択することができる。図1に示される例では、SO2、CO、CO2、NOX、O2を測定対象としている。なお、上記した複数の測定対象成分には、測定対象成分に干渉する干渉成分が気体としての水分であるものが含まれていることが好ましい。そのような成分を測定対象成分とすれば、ガス濃度測定装置1内に液体としての水分が侵入し、或いは、当該装置1内に気体として高濃度の水分が多量に侵入した場合に、その侵入を既存の構成部品を用いて検知することができるからである。そのような測定対象成分としては、SO2(二酸化硫黄)が挙げられる。よって、ガス濃度測定装置1は、SO2のみを測定対象成分とする装置であってもよい。試料ガスは、ガス濃度測定装置1に設けられた試料ガス入口12から導入され、ガス濃度測定装置1で濃度が測定された後に所定の処理がなされて排気口41から排出される。
【0021】
図1に示されるように、ガス濃度測定装置1は、試料ガス入口12と、ミストキャッチャ23と、フィルタ24A〜24Cと、方向切替バルブ(3方電磁バルブ)10A〜10Gと、ポンプ20と、ゼロガス精製器25と、電子冷却器26と、ドレンポット27と、ドレン出口28と、2方電磁バルブ29と、校正ガス入口30と、圧力調整器31A〜31Bと、フローセンサ32と、キャピラリ33A〜33Gと、オゾン発生器34と、コンバータ50と、CO2分析器35と、CO−SO2分析器36と、O2分析器37と、NOX分析器38と、スクラバ39A〜39Bと、オゾン分解器40と、排気口41とを備えている。
【0022】
ガス濃度測定装置1においては、まず、ポンプ20が駆動され、試料ガス入口12から試料ガスが採取される。採取された試料ガスは、ミストキャッチャ23においてミスト除去処理がなされる。ミストが除去された試料ガスは、異物を除去するためのフィルタ24Aを透過した後、電子冷却器26で所定温度(例えば5°C)まで冷却され、冷却により結露した水分がドレンポット27、フィルタ24B、および2方電磁バルブ29を経由してドレン出口28から排出される。電子冷却器26において水分が或る程度除去(除湿)された試料ガスは、CO2分析器35、CO,SO2分析器36、O2分析器37、およびNOX分析器38に導入される。
【0023】
CO2分析器35は、赤外線吸収法を用いて試料ガス中のCO2濃度を測定する分析器である。CO−SO2分析器36は、赤外線吸収法を用いて試料ガス中のCO濃度およびSO2濃度を測定する分析器である。O2分析器37は、ジルコニア法を用いて試料ガス中のO2濃度を測定する分析器である。NOX分析器38は、オゾン発生器34が発生させたオゾンを用い、化学発光法によって試料ガス中のNOX濃度を測定する分析器である。なお、NOX分析器38に導入される試料ガスは、予めコンバータ50によってNO2がNOに変換されている。各分析器において測定を終えた試料ガスは、必要に応じてスクラバ39Bおよびオゾン分解器40等により後処理された後に排気口41から排出される。また、各分析器の測定値を校正する際には、方向切替バルブ10Aを切り替えることにより、試料ガス入口12を介して試料ガスが導入される状態から、校正ガス入口30から校正ガスが導入される状態に切り替わり、校正ガスが各分析器に導入される。校正ガスを導入する際には、校正ガス入口30に校正ガス封入ボンベが接続される。なお、必要に応じて校正ガス入口30を大気解放すれば、校正ガス入口30から外気を導入することができる。
【0024】
本実施形態においては、ガス濃度測定装置1内に液体としての水分が侵入し、或いは、当該装置1内に気体として高濃度の水分が多量に侵入した場合、その侵入を既存の構成部品を用いて検知し、必要な対処をして当該装置1の性能低下や故障を防止することを目的としている。この目的を達成するための手段は、主として、CO−SO2分析器36のSO2分析器36B(図2参照)に設けられる。
【0025】
その理由は以下の通りである。赤外線吸収法を用いてSO2の濃度測定を行う場合、気体としての水分(H2O)の濃度がSO2の濃度に干渉する。その干渉による影響を除去するために、SO2分析器において気体としての水分(H2O)の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を測定する。SO2分析器において試料ガス中の気体としての水分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度に基づく値(例えば、干渉成分検出器5から出力される電気信号のレベルまたはその電気信号の増幅値)が閾値以下である場合には、ガス濃度測定装置1内に液体としての水分が侵入し、或いは、当該装置1内に気体としての高濃度の水分が多量に侵入していることが予想される。そこで、本実施形態では、SO2分析器36Bにおいて検知された水分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度に基づいて、ガス濃度測定装置1内に液体としての水分が侵入している可能性があること、或いは、当該装置1内に気体としての高濃度の水分が多量に侵入している可能性があることを検知する。
以下、本発明の目的を達成するための手段が設けられるCO−SO2分析器36に焦点を当てて説明する。
【0026】
図2に示されるように、CO−SO2分析器36は、CO分析器36Aと、SO2分析器36Bを含んでいる。SO2分析器36Bは、主要な構成要素として、光源ユニット2と、試料セルユニット3と、主検出器4と、干渉成分検出器5と、演算部6と、侵入検知部7と、侵入阻止部9と、報知部11とを備えている。侵入阻止部9と報知部11により、侵入防止部51が構成されている。
【0027】
光源ユニット2は、光源8が配置されてなるものである。光源8の種類は、赤外線光源である。SO2分析器36Bは、非分散型赤外線分析法を用いた分析器である。
【0028】
試料セルユニット3は、光源8の光路上に配置され、試料ガスが導入されるものである。試料セルユニット3は、筒状の本体部3Aと、試料ガスを本体部3Aに導入する導入口3Bと、試料ガスを本体部3Aから排出する導出口3Cとを備える。また、本体部3Aの両端には、赤外線透過窓3Dが設けられる。試料セルユニット3の材質は特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス製、アルミニウム製、塩化ビニル製などの筒状体を本体部3Aとして使用することができる。また、本体部3Aの内面には、金などの金属でメッキを施してもよい。試料セルユニット3を透過した光源8の光52(図2に破線で示す)は、ビームスプリッタ42で2方向に分離される。分離後の一方の光53(図2に破線で示す)は、SO2分析器36Bの主検出器4および干渉成分検出器5に入射する。分離後の他方の光54(図2に破線で示す)は、CO分析器36Aの主検出器43および干渉成分検出器44に入射する。
【0029】
干渉成分検出器5は、試料セルユニット3を透過した光源8の光を受光して、測定対象成分に干渉する干渉成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出するものである。具体的には、干渉成分検出器5は、試料セルユニット3を透過した光源8の光を受光して、上記干渉成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度に対応したレベルの信号を出力する。図2に示される例では、干渉成分は、気体としての水分(H2O)である。図2に示される例では、干渉成分検出器5は、コンデンサマイクロホン(可動膜18)を用いたニューマティック型検出器とされている。
【0030】
主検出器4は、試料セルユニット3を透過した光源8の光を受光して、測定対象成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出するものである。主検出器4が検出した光の強度は、干渉成分の影響を含んでいる。主検出器4は、具体的には、試料セルユニット3を透過した光源8の光を受光して、測定対象成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度に対応したレベルの信号を出力する。図2に示される例では、主検出器4は、コンデンサマイクロホン(可動膜15)を用いたニューマティック型検出器とされている。
【0031】
演算部6は、主検出器4が検出した強度と干渉成分検出器5が検出した強度に基づき、測定対象成分の濃度を検出するものである。演算部6は、具体的には、主検出器4の出力の増幅信号から干渉成分検出器5の出力の増幅信号を減算することにより、測定対象成分の濃度を検出(測定対象成分の濃度に対応したレベルの信号を出力)する。
【0032】
ここで、CO−SO2分析器36におけるガス濃度測定原理について説明する。
異なった原子からなる分子はそれぞれ特定の波長域の赤外線を吸収し、圧力一定のガスでは濃度に対応した吸収を示すことが知られている。非分散型赤外線分析法を用いた測定装置1は、ガスのこのような性質に基づいて、ガスの成分濃度を測定することができる。図2に示されるCO−SO2分析器36においては、連続的に一定周期で切り替わる方向切替バルブ10F,10G(図1参照)の切替動作により試料ガスと比較ガス(いわゆるゼロガス)が交互に一定流量で試料セルユニット3に導入される。試料ガスが導入されたときと、比較ガスが導入されたときとでは、赤外線吸収量に差がある。
【0033】
光源8から放射された赤外線は、試料セルユニット3を透過して、測定対象成分(SO2)と同じガスが予め封入された主検出器4と、干渉成分(気体としての水分(H2O))と同じ吸収特性を示すガスが予め封入された干渉成分検出器5に入射する。図2において、主検出器4および干渉成分検出器5のガス封入領域をハッチング或いは着色して示している。試料セルユニット3に比較ガスが導入されたとき、赤外線は試料セルユニット3内の比較ガスにエネルギーが吸収されない。よって、エネルギーが吸収されることなく試料セルユニット3を透過した赤外線が、主検出器4および干渉成分検出器5に到達する。一方、試料セルユニット3に試料ガスが導入されたとき、赤外線は試料ガス中の測定対象成分にエネルギーが吸収される。よって、試料セルユニット3を透過する際に測定対象成分にエネルギーが吸収された赤外線が、主検出器4および干渉成分検出器5に到達する。つまり、試料ガス導入時において主検出器4および干渉成分検出器5に入射する赤外線量は、比較ガス導入時に比べ、試料ガス中の測定対象成分によって吸収されるエネルギー分だけ少ない。
【0034】
干渉成分検出器5は受光室17を有している。受光室17には、その内部の封入ガスの圧力変化を受けて変位する可動膜18が設けられている。試料セルユニット3への比較ガス導入時と試料ガス導入時とで吸収エネルギーに差があると、受光室17内に到達する赤外線の量が異なる。そうすると、比較ガス導入時と試料ガス導入時とで受光室17内のガスの膨張度合が異なり、その膨張度合の差に相当する分だけ受光室17内に圧力差が生じ、その圧力差によって可動膜18に変位が与えられる。その変位が変位センサ47によって電気信号(特許請求の範囲における「測定対象成分に干渉する干渉成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度」に相当)として出力され、増幅器19で増幅される。
【0035】
主検出器4は受光室14を有している。受光室14には、その内部の封入ガスの圧力変化を受けて変位する可動膜18が設けられている。試料セルユニット3への比較ガス導入時と試料ガス導入時とで吸収エネルギーに差があると、受光室14内に到達する赤外線の量が異なる。そうすると、比較ガス導入時と試料ガス導入時とで受光室14内のガスの膨張度合が異なり、その膨張度合の差に相当する分だけ受光室14内に圧力差が生じ、その圧力差によって可動膜15に変位が与えられる。その変位が変位センサ46によって電気信号(特許請求の範囲における「測定対象成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度」に相当)として出力され、増幅器16で増幅される。
【0036】
演算部6において、主検出器4から出力され増幅された信号から、干渉成分検出器5から出力され増幅された信号を減算する減算処理がなされる。この減算処理により、干渉成分の影響が除去された、測定対象成分(SO2)の濃度信号が生成される。演算部6で生成された信号は、図示しない表示部に入力される。表示部は、干渉成分の影響が除去された、測定対象成分の濃度を表示する。
【0037】
侵入検知部7は、干渉成分検出器5からの信号のレベルに基づき、ガス濃度測定装置1の性能を低下させる性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入した可能性があることを検知するものである。具体的には、侵入検知部7は、例えば、干渉成分検出器5からの信号のレベルが第1の閾値以下であるか否かを判断し、当該レベルが第1の閾値以下である場合、ガス濃度測定装置1の性能を低下させる性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入した可能性があると判断する。侵入検知部7は、制御部21に設けられたマイクロコンピュータに、制御部21に設けられたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、機能部として実現される。
【0038】
性能低下物質は特に限定されるものではないが、図2に示される例では、液体としての水分、或いは、高濃度で多量の気体としての水分である。ガス濃度測定装置1内に試料ガス入口12等から液体としての水分、或いは、高濃度で多量の気体としての水分が侵入すると、それらの水分が電子冷却器26で十分に除去されずに試料セルユニット3に侵入する場合がある。
【0039】
そこで、本実施形態では、上記したように、干渉成分検出器5からの信号のレベルが第1の閾値以下であるか否かを判断し、当該レベルが第1の閾値以下であると判断された場合、ガス濃度測定装置1内に試料ガス入口12等から液体としての水分、或いは、高濃度で多量の気体としての水分が侵入した可能性があると判断する。
【0040】
当該レベルが第1の閾値以下であると判断された場合には、後述するように、侵入防止部51により性能低下物質の更なる侵入を防止する措置が行われる。例えば、侵入阻止部9によって、性能低下物質の更なる侵入が阻止される。また、後述するように、報知部11によって性能低下物質の侵入がユーザに報知されてもよい。
【0041】
侵入阻止部9による侵入阻止と報知部11によるユーザへの侵入の報知は、同時に行われてもよいし、或いは、互いに異なるタイミングで行われてもよい。同時に行われる場合には、性能低下物質の更なる侵入が阻止されるとともに、性能低下物質の侵入がユーザに報知される。
【0042】
互いに異なるタイミングで行われる場合には、例えば、第1の閾値を低エマージェンシーレベル用の値と、高エマージェンシーレベル用の値に分けて設定してもよい。低エマージェンシーレベル用の値は、高エマージェンシーレベル用の値よりも高い値とされる。干渉成分検出器5からの信号のレベルが高エマージェンシーレベル用の値より大きく低エマージェンシー用の値以下である場合には、報知部11によるユーザへの侵入の報知が行われる。当該レベルが高エマージェンシー用の値以下である場合には、報知部11によるユーザへの侵入の報知とともに侵入阻止部9による性能低下物質の侵入阻止動作が行われる。
【0043】
侵入阻止部9は、侵入検知部7において性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入したと判断された場合に、性能低下物質の更なる侵入を阻止するものである。侵入阻止部9は、制御部21に設けられたマイクロコンピュータに、制御部21に設けられたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、機能部として実現される。侵入検知部7は、干渉成分検出器5からの信号(増幅前の信号または増幅後の信号のいずれでもよい)のレベルが第1の閾値以上となった場合、性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入したと判断し、侵入阻止部9に侵入検知信号を出力する。
【0044】
侵入阻止部9の具体的な機能は、特に限定されるものではないが、例えば、侵入阻止部9は、試料ガスが試料セルユニット3に到達するまでの経路を遮断することにより、性能低下物質の侵入を阻止することができる。より具体的には、侵入阻止部9は、例えば、試料セルユニット3に試料ガスを導入するポンプ20に停止指示を出し、ポンプ20を停止させる機能とすることができる(以下、ポンプ停止機能と称する)。ポンプ停止機能を持たせる場合には、干渉成分検出器5からの信号(増幅前の信号または増幅後の信号のいずれでもよい)のレベルが第1の閾値以下となったときに、侵入阻止部9の停止指示によってポンプ20を停止させればよい。
【0045】
また、侵入阻止部9は、試料セルユニット3へ試料ガスと外気のいずれか一方を選択的に導入する方向切替バルブ10Aに切替指示を出し、方向切替バルブ10を外気導入側に切り替えさせる機能を有していてもよい(以下、バルブ切替機能と称する)。方向切替バルブ10Aは、例えば3方電磁バルブとすることができる。この機能を持たせる場合には、干渉成分検出器5からの信号のレベルが第1の閾値以下となったときに、侵入阻止部9の切替指示によって方向切替バルブ10Aが外気導入側に切替えられる。これにより、試料ガス入口12から液体としての水分、或いは、高濃度で多量の気体としての水分が侵入するのが阻止され、校正ガス入口30から外気が導入される。なお、校正ガス入口30は、通常、各分析器の測定値を校正するための校正ガスが導入される部分であるが、当該入口30を大気解放しておくことにより、上記したように外気を導入することができる。
【0046】
なお、侵入阻止部9は、上記した2つの機能(ポンプ停止機能、バルブ切替機能)のいずれか一方のみを有していてもよいし、或いは、当該2つの機能の双方を有していてもよい。2つの機能の双方を有する場合には、例えば、以下の構成とすることができる。
【0047】
すなわち、侵入阻止部9が侵入検知部7から侵入検知信号を入力したとき、まず、バルブ切替機能を作動させて暫く外気を導入する。所定時間経過後に干渉成分検出器5からの信号が第1の閾値より大きい所定値まで大きくなったら、侵入検知部7はガス濃度測定装置1内に液体としての水分、或いは、高濃度で多量の気体としての水分が侵入していないと判断し(つまり、先にした侵入判断の訂正)、侵入非検知信号を侵入阻止部9に出力する。侵入阻止部9は、侵入非検知信号を入力したら、侵入阻止動作を解除して方向切替バルブ10Aに切替指示を出し、方向切替バルブ10Aを試料ガス導入側に切り替えさせる(試料ガス導入の復帰)。
【0048】
一方、所定時間経過後に干渉成分検出器5からの信号が第1の閾値より大きい所定値まで大きくならなかったら、侵入検知部7はガス濃度測定装置1内に液体としての水分、或いは、高濃度で多量の気体としての水分が侵入している可能性があると再度判断し、侵入検知信号を侵入阻止部9に出力する。侵入阻止部9は、侵入検知信号を入力すると、今度はポンプ停止機能を作動させて、ポンプ20を停止させる。
【0049】
このような2段階の制御を行うことで、先の侵入判断が妥当であったがどうかが検証され、先の侵入判断が間違いであった場合にはポンプ20の作動を停止させずに済む。つまり、侵入検知信号が入力されたとしてもポンプ20をいきなり停止させてしまうのではなく、侵入検知が正しかったかどうかが検証されてから、検証結果に応じてポンプ20が停止される。なお、侵入の誤検知をする原因としては、例えば、水分と同程度の赤外線吸収特性を有するガスが試料ガスに含まれていて(但し、SO2以外のガス)、その濃度が高い場合が考えられる。
【0050】
報知部11は、侵入検知部7において性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入したと判断された場合に、性能低下物質の侵入をユーザに報知するものである。報知部11は、制御部21に設けられたマイクロコンピュータに、制御部21に設けられたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、機能部として実現される。侵入検知部7は、干渉成分検出器5からの信号(増幅前の信号または増幅後の信号のいずれでもよい)のレベルが第1の閾値以下となった場合、性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入したと判断し、報知部11に侵入検知信号を出力する。
【0051】
報知部11の具体的機能は特に限定されるものではないが、例えば、以下の機能とすることができる。図3は、ガス濃度測定装置1の外観の一例を示す図である。
報知部11は、例えば、表示部に対して侵入報知指示を出し、表示部の表示画面55に侵入を示すメッセージを表示させ、或いは、表示部の警告灯(図示せず)を点灯させてもよい。また、報知部11は、音声出力部に対して侵入報知指示を出し、音声出力部のスピーカ(図示せず)から音声により侵入を示す警告音またはメッセージを出力してもよい。
【0052】
上記したように、侵入阻止部9による侵入阻止動作と報知部11によるユーザへの侵入の報知は、同時に行われてもよいし、或いは、互いに異なるタイミングで行われてもよい。同時に行われる場合には、侵入阻止部9の作動によって試料ガスの導入が中止されたときに、性能低下物質の侵入の可能性をユーザに報知することができる。これにより、ユーザは、性能低下物質が侵入したために試料ガスの導入が中止されたことを認識することができ、試料ガスの導入が中止されたことが装置の故障によるものではないことを認識することができる。この場合、例えば、「性能低下物質が装置内に侵入した可能性があるため、ポンプを停止しました」等のメッセージを表示画面55に表示させ、或いは、当該メッセージをスピーカから音声で出力してもよい。
【0053】
また、侵入阻止動作と報知が互いに異なるタイミングで行われる場合には、上記したように、エマージェンシーレベルが低いときと高いときとで侵入防止措置を異ならせることができる。
【0054】
次に、SO2分析器36Bに併設されたCO分析器36Aについて説明する。
CO分析器36Aは、主要な構成として、光源ユニット2と、試料セルユニット3と、主検出器43と、干渉成分検出器44と、演算部45とを備えている。しかしながら、CO分析器36AはSO2分析器36Bとは異なり、侵入検知部、侵入阻止部、報知部は備えていない。光源ユニット2と試料セルユニット3は、SO2分析器36Bと共有されている。主検出器43および干渉成分検出器44がSO2分析器36Bの主検出器4および干渉成分検出器5と異なる点は、主検出器43が有する受光室48にCOが予め封入され、干渉成分検出器44が有する受光室49にCO2が予め封入されている点であり、その他はSO2分析器36Bの場合と同様である。CO分析器36Aにおいても、SO2分析器36Bの場合と同様の原理で、干渉成分であるCO2の影響が除去されたCOの濃度測定が行われる。しかしながら、干渉成分であるCO2は、水分とは異なり、ガス濃度測定装置1に直接悪影響を及ぼす成分ではないので、特にその成分を性能低下物質として検出しなくてもよい。
【0055】
次に、ガス濃度測定装置1における性能低下物質(液体としての水分、或いは、高濃度で多量の気体としての水分)の侵入検知動作、性能低下物質の侵入阻止動作について、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。ここでは、侵入阻止部9による侵入阻止動作と報知部11によるユーザへの侵入の報知が同時に行われる場合を例にとって説明する。
【0056】
図4に示されるように、まず、ポンプ20が駆動され、試料ガス入口12から試料ガスが採取される(ステップS1)。次いで、採取された試料ガスは、電子冷却器26で所定温度(例えば5°C)まで冷却され、結露した水分がドレン出口28から排出される(ステップS2)。次いで、電子冷却器26において水分が或る程度除去された試料ガスは、CO2分析器35、CO,SO2分析器36、O2分析器37、およびNOX分析器38に導入され、各測定対象成分の濃度測定が行われる(ステップS3)。
【0057】
次いで、CO−SO2分析器36のSO2分析器36Bは、試料ガス中の気体としての水分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検知し、その光の強度に基づく値(例えば、干渉成分検出器5からの信号のレベル)が第1の閾値以下であるかどうかを判断する(ステップS4)。ステップS4において、光の強度に基づく値が第1の閾値以下であると判断された場合(ステップS4においてYES)、SO2分析器36Bは、ガス濃度測定装置1内に性能低下物質が侵入した可能性があると判断し、ポンプ20に対して停止指示信号を出力するとともに、表示部に対して「多量の水分が装置内に侵入した可能性があるため、ポンプを停止しました」等のメッセージを表示させる表示指示信号を出力する(ステップS5)。次いで、停止指示信号を入力したポンプ20は運転を停止し、表示部はメッセージを表示する(ステップS6)。一方、ステップS4において、光の強度に基づく値が第1の閾値より大きいと判断された場合(ステップS4においてNO)、ステップS1に戻る。
以上が、ガス濃度測定装置1における性能低下物質の侵入検知動作、性能低下物質の侵入阻止動作の一例である。
【0058】
以上説明したように、ガス濃度測定装置1によれば、干渉成分検出器5からの信号のレベルに基づき、ガス濃度測定装置1の性能を低下させる性能低下物質(例えば、液体としての水分)が侵入した可能性があることを検知し、その検知結果に基づいて性能低下物質の更なる侵入を阻止する。よって、ガス濃度測定装置1内に性能低下物質が侵入した場合、その侵入を既存の構成部品(干渉成分検出器5など)を用いて検知することができ、その検知結果に基づいて性能低下物質の更なる侵入を阻止し、ガス濃度測定装置1の性能低下や故障を確実に防止することができる。また、ガス濃度測定装置1によれば、性能低下物質が侵入した可能性があることが検知された場合、その侵入の可能性をユーザに報知する。よって、ユーザはポンプ20が停止した場合等にそれが故障によるものではないことを認識することができる。性能低下物質の侵入の可能性が報知されれば、ユーザ自らが手動でポンプ20を停止させることも可能となる。
【0059】
なお、上記実施形態においては、侵入検知部7は、干渉成分検出器5からの信号のレベルが第1の閾値以下である場合に、性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入した可能性があると判断しているが、これに代えて、以下のようにしてもよい。例えば、侵入検知部7は、干渉成分検出器5からの信号のレベルの減少率が第2の閾値以上である場合に、性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入したと判断してもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。また、侵入検知部7は、干渉成分検出器5からの信号のレベルに基づいて算出した干渉成分の濃度が第3の閾値以上である場合に、性能低下物質がガス濃度測定装置1内に侵入したと判断してもよい。
【0060】
また、SO2の濃度測定を行う場合、気体としてのアンモニア(NH3)の濃度もSO2の濃度測定に干渉する。その干渉による影響を除去するために、干渉成分検出器において気体としてのアンモニア(NH3)の濃度を測定してもよい。アンモニアは、高濃度になると、ガス濃度測定装置1にとって性能低下物質となる。このため、水分の場合と同様、アンモニアの濃度を検知し、水分の場合と同様の侵入防止措置を採ってもよい。
【0061】
また、上記実施形態においては、光源として赤外線光源を用いているが、本発明は、光源として紫外線光源等の他の光源を用いた場合にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、ガス濃度測定装置内に性能低下物質(例えば、液体としての水分、或いは、気体としての大量の水分)が侵入した場合でも、その侵入を検知して当該装置の性能低下や故障を防止することができるガス濃度測定装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 ガス濃度測定装置
2 光源ユニット
3 試料セルユニット
4,43 主検出器
5,44 干渉成分検出器
6,45 演算部
7 侵入検知部
8 光源
9 侵入阻止部
10 方向切替バルブ
11 報知部
12 試料ガス入口
13 測定ユニット
14,17,48,49 受光室
15,18 可動膜
16,19 増幅器
20 ポンプ
21 制御部
23 ミストキャッチャ
25 ゼロガス精製器
26 電子冷却器
27 ドレンポット
28 ドレン出口
29 2方電磁バルブ
30 校正ガス入口
31 圧力調整器
32 フローセンサ
33A〜33G キャピラリ
34 オゾン発生器
35 CO2分析器
36 CO−SO2分析器
37 O2分析器
38 NOX分析器
39〜39B スクラバ
40 オゾン分解器
41 排気口
42 ビームスプリッタ
46,47 変位センサ
50 コンバータ
51 侵入防止部
52,53,54 光源の光
55 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料ガス中の測定対象成分の濃度を測定するガス濃度測定装置であって、
光源が配置された光源ユニットと、
前記光源の光路上に配置され、試料ガスが導入される試料セルユニットと、
前記試料セルユニットを透過した前記光源の光を受光して、前記測定対象成分に干渉する干渉成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出する干渉成分検出器と、
前記試料セルユニットを透過した前記光源の光を受光して、前記測定対象成分の吸収スペクトルに合わせた波長域の光の強度を検出する主検出器と、
前記主検出器が検出した強度と前記干渉成分検出器が検出した強度に基づき、前記測定対象成分の濃度を算出する演算部と、
前記干渉成分検出器が検出した強度に基づき、前記ガス濃度測定装置の性能を低下させる性能低下物質が当該ガス濃度測定装置に侵入した可能性があることを検知する侵入検知部と、
前記性能低下物質が前記ガス濃度測定装置に侵入した可能性があることが検知された場合に前記性能低下物質の更なる侵入の阻止を行う侵入阻止部、および、前記可能性があることが検知された場合に前記性能低下物質の侵入の報知を行う報知部の少なくともいずれか一方を有する侵入防止部とを備えた、ガス濃度測定装置。
【請求項2】
前記性能低下物質が水分であることを特徴とする、請求項1に記載のガス濃度測定装置。
【請求項3】
前記侵入阻止部は、前記試料ガスが前記試料セルユニットに到達するまでの経路を遮断することにより、前記性能低下物質の侵入を阻止することを特徴とする、請求項1または2に記載のガス濃度測定装置。
【請求項4】
前記侵入阻止部は、前記試料セルユニットに試料ガスを導入するポンプを停止させることにより、前記性能低下物質の侵入を阻止することを特徴とする、請求項1乃至3いずれか1項に記載のガス濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−189550(P2012−189550A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55592(P2011−55592)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】