説明

ガス発生器

【課題】要求に応じて異なる容量及び長さのものが容易に製造できるガス発生器を提供する。
【解決手段】筒状ハウジング15Aは、筒状部材20と筒状部材30が溶接一体化されて形成されている。筒状ハウジング15Aの軸方向中央部には、筒状部材20が有する環状突起23が位置しており、この環状突起23が補強用の環状リブとして作用する。このため、細長い形状の筒状ハウジング15Aにしたときでも、高い強度が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員拘束装置等に使用されるガス発生器用の筒状ハウジングと、それを用いたガス発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグ装置等の車両の人員拘束装置に使用されるガス発生器は、ハウジング内部に固形ガス発生剤を収容し、そのガス発生剤を燃焼させることでガスを発生させるパイロ式ガス発生器や、加圧ガスをハウジング内に収容し、作動時に破裂板を開裂させるストアード式ガス発生器、およびその両方の機構を使用したハイブリッド式ガス発生器がある。これらのガス発生器は、正面衝突から乗員を保護する装置の他にも、側面衝突や車両の横転時に乗員を保護する装置や、歩行者保護装置に使用されるなど、幅広い活用がされている。
【0003】
特に、側面衝突や車両の横転などから乗員を保護する装置、あるいは歩行者保護の目的で車両前部にエアバッグを展開させる装置に使用されるガス発生器は、ハウジング形状が細長い筒形に形成する場合が多く、ハウジングの外径よりも軸方向の長さが長くなっている。
【0004】
このような細長い筒形状ハウジングは、板状部材を丸めたり、継ぎ目のないシームレス管を使用したりして形成されるが、ハウジング直径と比較して軸方向の長さを長くするときには、当該ハウジングの製造が技術的に困難となり、コストが高くなる。
【0005】
特許文献1には、ガス発生剤52を収容する燃焼室41がハウジング部材で形成されており、その第1端側43における開口部が点火器11で閉塞され、第2端44の側壁が複数の孔42を有している。その第2端44側には、さらにフィルターハウジング51が取り付けられ、全体として細長い筒状のハウジングを有するガス発生器が開示されている。フィルターハウジング51は、一端が開口し、他端が閉塞36され、開口側が燃焼室41の第2端側44に被せられている。
【0006】
特許文献1のガス発生器では、燃焼室41とフィルターハウジング51を形成するそれぞれの部材の形状、構造が微妙に異なっており、それぞれ別個に製造したものを接続することになる。したがって、コストダウンを目的とした部品の共通化という点で改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公報6,908,104 B2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、要求に応じて異なる容量及び長さのものが容易に製造できるガス発生器用の筒状ハウジングと、それを用いたエアバッグ装置等の人員拘束装置用ガス発生器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔請求項1〕
本願発明は、課題の解決手段として、
ガス発生器用の筒状ハウジングであって、
前記筒状ハウジングが、2以上の筒状部材が溶接一体化されたものであり、
1つの筒状部材が、
一端側が、全面が開口された全部開口部であり、
他端側が、開口部側の内周面から半径方向内側に形成された環状突起を有する一部開口部であり、
2つ以上の筒状部材が、1つの筒状部材の一部開口部側と、他の筒状部材の全部開口部側が溶接一体化されている、ガス発生器用の筒状ハウジングを提供する。
【0010】
ガス発生器用の筒状ハウジングを軸方向に細長い形状にしようとすると、プレスや鍛造では製造に困難性を伴うほか、内部から圧力がかかった場合、特に筒状ハウジングの軸方向の中央部付近が強度的に不利である。
【0011】
しかし、本発明のガス発生器用の筒状ハウジングは、複数の筒状部材を溶接一体化することで全体として細長い形状のものになっており、さらに、例えば2つの筒状部材を溶接一体化したときには、中央部に環状突起が存在することになるため、中央部に肉厚の環状リブが形成された状態になり、全体の強度が向上される。
【0012】
請求項1のガス発生器用の筒状ハウジングを構成する筒状部材は、公知の鍛造法やプレス法で製造することができ、必要に応じて切削加工をすることもできる。また、各筒状部材は同一の形状、寸法に形成すると、筒状部材は共通化ができるので、異なる長さ(容量)の筒状ハウジングを製造するときであっても、共通化された部品を組み合わせて製造でき、製造コストを低下させることができる。
【0013】
請求項1の発明のガス発生器用の筒状ハウジングは、パイロ式ガス発生器や、ストアード式ガス発生器、ハイブリッド式ガス発生器のいずれのガス発生器にも適用することができるが、特にストアード式ガス発生器とハイブリッド式ガス発生器が好ましい。
【0014】
〔請求項2〕
本願発明は、課題の解決手段として、
ガス発生器用の筒状ハウジングであって、
前記筒状ハウジングが、2以上の筒状部材が溶接一体化されたものであり、
1つ又は2つ以上の第1筒状部材が、
一端側が、全面が開口された全部開口部であり、
他端側が、開口部側の内周面から半径方向内側に形成された環状突起を有する一部開口部であり、
1つの第2筒状部材が、
一端側が、全面が開口された全部開口部であり、
他端側が、脆弱部を有する閉塞端面であり、
1つの第1筒状部材の一部開口部側と1つの第2筒状部材の全部開口部側が溶接一体化されているか、
又は1つの第1筒状部材の一部開口部側と他の第1筒状部材の全部開口部が溶接一体化され、さらに前記他の第1筒状部材の一部開口部側と1つの第2筒状部材の全部開口部側が溶接一体化されている、ガス発生器用の筒状ハウジングを提供する。
【0015】
請求項2の発明は、構造の異なる第1筒状部材と第2筒状部材を組み合わせることが、請求項1の発明と異なっている。
【0016】
請求項2のガス発生器用の筒状ハウジングでは、複数の第1筒状部材と1つの第2筒状部材を接続し、各接続部が溶接一体化されているものであるが、第2筒状部材は、必ず端部(例えば、ガス流の下流側に相当する端部)に位置しており、脆弱部を有する閉塞端面は、他の筒状部材とは溶接されていない。
【0017】
脆弱部を有する閉塞端面の脆弱部は、例えば特開昭50−35828号公報の図1において16や18で示される略V字のノッチ、米国特許第6,547,275号の図9(c)で示されるように、開口部となる部分の肉厚が薄くされたものにすることができる。
【0018】
本発明のガス発生器用の筒状ハウジングは、パイロ式ガス発生器や、ストアード式ガス発生器、ハイブリッド式ガス発生器のいずれのガス発生器にも適用することができるが、特にストアード式ガス発生器とハイブリッド式ガス発生器が好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のガス発生器用の筒状ハウジングは、所望長さの軸方向に細長い形状のものにすることが容易であり、充分な強度も確保することができ、ガス発生器の小型軽量化もできるようになる。また、複数の筒状部材を組み合わせて筒状ハウジングを得ることができるため、筒状部材を1つの部品として共通化して使用することで、製造コストの引き下げができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】筒状ハウジングの製造方法の説明図。
【図2】図1とは異なる筒状ハウジングの製造方法の説明図。
【図3】図1、図2とは異なる筒状ハウジングの製造方法の説明図。
【図4】図1に示す筒状ハウジングを用いたガス発生器の軸方向断面図。
【図5】図3に示す筒状ハウジングを用いたガス発生器の軸方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1)図1に示す筒状ハウジング
図1は、本発明のガス発生器用の筒状ハウジングの製造方法を説明するための図であり、軸方向の断面図で示している。
【0022】
まず、鍛造法やプレス法を適用し、ステンレス、鉄、アルミニウム等を加工して、図1(a)に示す筒状部材の前駆体1を製造する。前駆体1は、周面2、底面3、開口部4を有している。底面3は、他の部分よりも肉厚であることが好ましい。
【0023】
次に、底面3の中央部を穿孔して、図1(b)で示す穴5を形成する。この工程の終了後のものが、図1(c)に示す、筒状ハウジング製造用の筒状部材20、30となる。
【0024】
図1(c)に示す筒状部材20は、一端側が、全面が開口された全部開口部21であり、他端側が、周面22の内壁面22aから半径方向内側に形成された環状突起23を有する一部開口部24である。環状突起23は、図1(b)に示すように底面3に穴5を形成してなるものであるため、端部20bにおいて形成されている。
【0025】
図1(c)に示す筒状部材30は、一端側が、全面が開口された全部開口部31であり、他端側が、周面32の内壁面32aから半径方向内側に形成された環状突起33を有する一部開口部34である。環状突起33は、図1(b)に示すように底面3に穴5を形成してなるものであるため、端部30bにおいて形成されている。
【0026】
筒状部材20と筒状部材30は、内径、厚み、外径は同一のものであるが、長さは同一でもよいし、異なっていてもよい。さらに一部開口部24と一部開口部34の開口部の形状及び大きさは、同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0027】
筒状部材20と筒状部材30は、図1(c)に示すように、筒状部材20の一部開口部24と筒状部材30の全部開口部31を中心軸が一致するようにして合わせた後、接続部において溶接一体化する。このようにして筒状部材20と筒状部材30が溶接一体化されたものが、本願発明のガス発生器用筒状ハウジング(図4の15)となる。
【0028】
図1(c)と同様にして、筒状部材20の全部開口部21側にさらに他の筒状部材を溶接一体化してもよいし、又は筒状部材30の一部開口部34側にさらに他の筒状部材を溶接一体化してもよい。
【0029】
このようにして複数の筒状部材を組み合わせ、溶接一体化することで、所望容量の筒状ハウジングを得ることができる。
そして、図1(c)から理解できるとおり、隣接する筒状部材20、30の間には環状突起(図1(c)では環状突起23)が必ず存在し、前記環状突起23が補強用の環状リブと同様の作用をするため、筒状ハウジング全体の強度が高められる。また、図1(a)において、底面3を他の部分よりも肉厚にしておけば、環状突起23(又は環状突起33)の厚みを他の部分よりも大きくすることができ、より補強効果が高められるので好ましい。
【0030】
その他、図1(d)に示すように、図1(c)とは2つの筒状部材20、30の接続方向を逆にして、一部開口部24側と一部開口部34側を合わせた状態で溶接一体化してもよい。この実施形態では、環状突起23と環状突起33が一体になっているため、特に中央部の補強効果が高められる。
【0031】
筒状部材20と筒状部材30は、後方押し出しや前方押し出し等の公知の鍛造工法によって製造することができる。このため、切削等の精細な工程を最低限に抑えることができる。さらに、筒状部材20と筒状部材30は、1つの部品として共通化ができるので、筒状ハウジング及びそれを用いたガス発生器の製造コストの引き下げができるという効果もある。
【0032】
(2)図2に示す筒状ハウジング
図2は、図1に示すガス発生器用の筒状ハウジングとは異なる実施形態の製造方法を説明するための図であり、軸方向の断面図で示している。
【0033】
図2(a)に示す筒状部材(第1筒状部材)120Aは、一端側が、全面が開口された全部開口部121であり、他端側が、脆弱部90、91を有する閉塞端面123である。脆弱部90、91は、閉塞端面123の中央部の両面に形成された、連続(線状)又は不連続(点線状)の環状に形成されたノッチである。
【0034】
図2(b)に示す筒状部材(第2筒状部材)120Bは、一端側が、全面が開口された全部開口部121であり、他端側が、脆弱部92を有する閉塞端面123である。脆弱部92は、閉塞端面123の中央部に形成された、薄肉部である。
【0035】
図2(a)、(b)に示す筒状部材120A(又は筒状部材120B)は、図2(c)に示すように、図1(c)に示す筒状部材20と中心軸が一致するようにして合わせた後、接続部において溶接一体化して、筒状ハウジングを製造することができる。なお、筒状部材20の全部開口部21側にさらに他の筒状部材20を溶接一体化してもよいが、筒状部材(第2筒状部材)120Bの閉塞端面123側には他の筒状部材は接続しない。
【0036】
このようにして複数の筒状部材を組み合わせ、溶接一体化することで、所望容量の筒状ハウジングを得ることができる。
そして、図2(c)から理解できるとおり、隣接する筒状部材20、120Aの間には環状突起(図2(c)では環状突起23)が必ず存在するため、前記環状突起23が補強用の環状リブと同様の作用をするため、筒状ハウジング全体の強度が高められる。
【0037】
(3)図3に示す筒状ハウジング
図3は、図1、図2に示すガス発生器用の筒状ハウジングとは異なる実施形態の製造方法を説明するための図であり、軸方向の断面図で示している。
【0038】
図3(a)に示す筒状部材220は、一端側が、全面が開口された全部開口部221であり、他端側が、周面222の内壁面222aから半径方向内側に形成された環状突起223を有する一部開口部224である。環状突起223は、端部220bから少し内側に入った内壁面222aに形成されており、さらに環状突起223から軸方向に突き出された環状の接合部突起225が形成されている。
【0039】
図3(a)に示す筒状部材220は、図2(b)に示すように、図1(c)に示す筒状部材20と中心軸が一致するようにして合わせた後、接続部において溶接一体化して、筒状ハウジングを製造することができる。このとき、筒状部材220の環状の接合部突起225と筒状部材20の全部開口部21側の端部20aを合わせて溶接一体化する。なお、筒状部材20に代えて、図2(a)、(b)で示す筒状部材120A、120B、図3(a)に示す筒状部材220を用いることもできる。
【0040】
(4)図4に示すガス発生器
図4は、図1で示した筒状ハウジングを用いた本発明のガス発生器10Aの軸方向断面図である。
【0041】
筒状ハウジング15Aは、図1(c)で示した筒状部材20と筒状部材30が溶接一体化されたものである。筒状ハウジング15Aは、図1(c)に示す筒状部材20と図2(a)又は(b)に示す筒状部材120A、Bとの組み合わせにすることもできる。
【0042】
筒状ハウジング15Aには、筒状ハウジング15Aの両端側にガス発生部40とディフューザ部50をそれぞれ有しており、内部にはアルゴン、ヘリウムの混合物が加圧充填された加圧ガス室11が形成されている。
【0043】
筒状ハウジング15Aの端部20a側の開口部(図1(c)の全部開口部21)に、ガス発生部40が取り付けられている。
【0044】
ガス発生部40は、ガス発生部ハウジング42の一端側に電気式点火器44が取り付けられ、その作動部分が、ガス発生剤46が収容されたガス発生室45内に配置されている。そして、ガス発生部ハウジング42は、筒状ハウジング15Aに溶接によって接続されている。
【0045】
ガス発生剤46は、例えば、燃料であるニトログアニジン34質量%、酸化剤である硝酸ストロンチウム56質量%、結合剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム10重量%とからなるものを円柱状に成形したものである。
【0046】
ガス発生部40と加圧ガス室11の間の第1連通孔48は、第1破裂板49で閉塞されており、ガス発生室45内は常圧に保持されている。第1破裂板49は、周縁部がガス発生部ハウジング42に対して抵抗溶接されている。
【0047】
第1破裂板49には、底面64と、周壁面にガス通過孔60を有するキャップ62が加圧ガス室11側から被せられている。
【0048】
筒状ハウジング15Aの端部30b側の開口部(図1(c)の一部開口部34)に、ディフューザ部50が取り付けられている。
ディフューザ部50は、閉塞底面54を有しており、周壁部53にガス排出孔52が形成され、周壁部53の開口周縁から外側に伸びるフランジ55を有している。フランジ55は、筒状ハウジング15Aの環状突起33(図1(c)の筒状部材30の環状突起33)に対して溶接されている。
【0049】
加圧ガス室11とディフューザ50の間の第2連通孔56は、第2破裂板58で閉塞されている。第2破裂板58は、周縁部が環状突起33に溶接されている。筒状ハウジング15Aが、図1(c)に示す筒状部材20と図2(a)又は(b)に示す筒状部材120A、120Bとの組み合わせであるとき、図2(a)の脆弱部90、91を有する端面123又は図2(b)の脆弱部92を有する端面123が第2破裂板58となる。
【0050】
図4のガス発生器10Aでは、加圧ガス室11にガスを充填する作業は、例えば筒状部材20、30のいずれかに充填孔を形成し、ガス充填後にシールピンでシールする方法以外にも、特開2006−247637号公報のように、ガス発生部ハウジング42と筒状部材20との間から加圧ガスを充填することもできる。
【0051】
図4のガス発生器10Aでは、筒状ハウジング15Aが筒状部材20と筒状部材30が溶接一体化されたものであるため、軸方向の中央部分には、補強用リブとして作用する環状突起23が存在している。このため、筒状ハウジング15Aが細長い形状になった場合でも、充填ガス圧や作動時の圧力上昇に耐えることができる。そして、環状突起23の肉厚を大きくすることで強度を向上させれば、筒状ハウジング15A全体の肉厚を厚くして質量を増加させる必要がなくなり、ガス発生器10Aの小型軽量化ができるようになる。
【0052】
次に、図4に示すガス発生器10Aを自動車に搭載したエアバッグシステムに組み込んだ場合の動作を説明する。
【0053】
自動車が衝突して衝撃を受けたとき、作動信号出力手段により、点火器44が作動点火してガス発生剤46を燃焼させる。そして、ガス発生剤46から発生した高温の燃焼ガスによって、ガス発生室45内の圧力が上昇する。すると、第1破裂板49が開裂して、燃焼ガスは加圧ガス室11内に流入する。
【0054】
なお、第1連通孔48を通った燃焼ガスは、このキャップ62の底面64に当たり流れの向きを変える。キャップ62は、燃焼ガスがガス通過孔60から排出されるときに、燃焼ガス中に含まれる残渣をろ過するように機能する。またガス通過孔60は、筒状部材20の内壁面22aに対向しているため、ガス通過孔60から排出された燃焼ガスが周壁部の内壁面に当たってその向きを変えるときに、含まれている残渣をさらに周壁部の内壁面に付着させる。
【0055】
加圧ガス室11では、加圧ガスに加えて燃焼ガスが加わることで圧力が上昇し、第2破裂板58が開裂する。そして、加圧ガス及び燃焼ガスは、第2連通孔56を経てディフューザ部50のガス排出孔52から排出され、エアバッグを膨張させる。
【0056】
(5)図5に示すガス発生器
図5は、図3で示した筒状ハウジングを用いた本発明のガス発生器10Bの軸方向断面
図である。
【0057】
筒状ハウジング15Bは、図3(a)に示す筒状部材220を2つ使用し、溶接一体化されたものである。筒状ハウジング15Bは、図3(b)に示す筒状部材220と図2(a)又は(b)に示す筒状部材120との組み合わせにすることもできる。筒状ハウジング15Bが、図3(b)に示す筒状部材220と図2(a)又は(b)に示す筒状部材120との組み合わせであるとき、図2(a)の脆弱部90、91を有する底面123と、図2(b)の脆弱部92を有する底面123が第2破裂板58となる。
【0058】
図5に示すガス発生器10Bは、図4で示すガス発生器10Aとは、筒状筒状ハウジング15Bが異なるのみで、他は同じである。但し、ディフューザ部50が、図4では、筒状ハウジング15に溶接固定されているが、図5では、筒状ハウジング15Bの端部(環状の接合部突起225)をかしめて固定している点で異なる。
【符号の説明】
【0059】
10A ガス発生器
11 加圧ガス室
15A 筒状ハウジング
20、30 筒状部材
21、31 全部開口部
22、32 周面
23、33 環状突起
24、34 一部開口部
40 ガス発生部
44 点火器
46 ガス発生剤
49 第1破裂板
50 ディフューザ部
52 ガス排出孔
58 第2破裂板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス発生器用の筒状ハウジングであって、
前記筒状ハウジングが、2以上の筒状部材が溶接一体化されたものであり、
1つの筒状部材が、
一端側が、全面が開口された全部開口部であり、
他端側が、開口部側の内周面から半径方向内側に形成された環状突起を有する一部開口部であり、
2つ以上の筒状部材が、1つの筒状部材の一部開口部側と、他の筒状部材の全部開口部側が溶接一体化されている、ガス発生器用の筒状ハウジング。
【請求項2】
ガス発生器用の筒状ハウジングであって、
前記筒状ハウジングが、2以上の筒状部材が溶接一体化されたものであり、
1つ又は2つ以上の第1筒状部材が、
一端側が、全面が開口された全部開口部であり、
他端側が、開口部側の内周面から半径方向内側に形成された環状突起を有する一部開口部であり、
1つの第2筒状部材が、
一端側が、全面が開口された全部開口部であり、
他端側が、脆弱部を有する閉塞端面であり、
1つの第1筒状部材の一部開口部側と1つの第2筒状部材の全部開口部側が溶接一体化されているか、
又は1つの第1筒状部材の一部開口部側と他の第1筒状部材の全部開口部が溶接一体化され、さらに前記他の第1筒状部材の一部開口部側と1つの第2筒状部材の全部開口部側が溶接一体化されている、ガス発生器用の筒状ハウジング。
【請求項3】
請求項1記載の筒状ハウジングの一端側の全部開口部にガス発生部が取り付けられ、
他端側の一部開口部にディフューザ部が取り付けられており、
前記筒状ハウジングと前記ガス発生部の間が第1閉鎖部材で閉鎖され、前記筒状ハウジングと前記ディフューザ部の間が第2閉鎖部材で閉鎖されており、
前記筒状ハウジング内部にガスが加圧充填された、人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項4】
請求項2記載の筒状ハウジングの一端側の全部開口部にガス発生部が取り付けられ、
他端側の一部開口部にディフューザ部が取り付けられており、
前記筒状ハウジングと前記ガス発生部の間が第1閉鎖部材で閉鎖され、前記筒状ハウジングと前記ディフューザ部の間が第2筒状部材の脆弱部を有する閉塞端面で閉鎖されており、
前記筒状ハウジング内部にガスが加圧充填された、人員拘束装置用ガス発生器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−162149(P2011−162149A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29924(P2010−29924)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】