説明

ガス遮断器

【課題】熱パッファ室と機械パッファ室のガス吹付の効果を高めたガス遮断器を得る。
【解決手段】消弧性のガスが充填された密閉タンク内に、固定接触子部31と可動接触子部32とを備え、アークエネルギーを取り込み圧力を高める熱パッファ室8と可動接触子部31の開閉動作と連動してピストン10が作動し容積が変化する機械パッファ室9とを固定接触子部31に設けたガス遮断器において、固定アークコンタクト4と可動アークコンタクト16との開極時に発生するアーク領域に臨む固定接触子部31の面にガスの吹付口11を設け、吹付口11の近傍に吹付室12を形成し、吹付室12と熱パッファ室8、及び吹付室11と機械パッファ室9とを個別に設けた流路13,14で連通させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、変電所や開閉所などの電気所に設置されるガス遮断器に係わり、特に、消弧性ガスの吹き付けによって接触子間に生じるアークを消弧するパッファ形のガス遮断器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、大電流接点を投入及び遮断し、遮断動作時に接触子間に発生するアークに消弧性のガスを噴射して消弧する、パッファ形のガス遮断器が知られている。ガスの吹付方法として、機械的に空間を圧縮して圧力を高めてガス流を発生させる機械パッファ方式と、アークによるアークエネルギーを取込むことによって圧力を高める熱パッファ方式とがあり、近年ではこれらの併用方式が実用化されてきている。
熱パッファ室と機械パッファ室の配置については、可動接触子側に配置する場合と固定接触子側に配置する場合とがある。
【0003】
熱パッファ室と機械パッファ室を可動接触子側に配置した従来の技術として、例えば、消弧性ガスで満たされた容器中に、固定接触子,可動接触子,可動接触子支持部が同一軸線上に配置され、可動接触子の先端部の可動アークコンタクトの周囲に熱パッファ室が形成され、その熱パッファ室に隣接して、可動接触子の開閉動作に応じて容積が変化する機械パッファ室が設けられ、両パッファ室が逆止弁を介してシリーズに繋げられたガス遮断器が開示されている。
このガス遮断器では、熱パッファ室からのガス流は直接アーク領域に吹き付けられるが、機械パッファ室からのガス流は、機械パッファ室から一旦熱パッファ室に入り、その後アーク領域に吹付けられるように構成されている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、熱パッファ室と機械パッファ室を固定接触子側に配置した例として、例えば、熱パッファ室(貯蔵室17、なお、この括弧内の符号は特許文献2の図中の符号を示す)と機械パッファ室(第一圧縮室65)が、固定接触子(発火接触装置5,6)側に設けられ、両パッファ室は、それぞれ個別の通路によりアーク領域と連通して構成された電力遮断器が開示されている。機械パッファ室からの高圧ガスは、噴射通路により直接アークに吹付けられるようになっている。この機械パッファ室の圧縮は、可動アークコンタクト(切換接続ピン3)に設けられたラックと歯車により、圧縮ピストンを駆動することにより行われている。また、電流遮断時は、アークコンタクト部の開極に先立ち定格電流通路を切り離す必要があるが、この定格電流通路の切り離しは、通電コンタクト(接触フィンガ56)を可動アークコンタクト(切換接続ピン3)に連結されたレバーを介して駆動することにより行われている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−55162号公報(第7−8頁、図1)
【特許文献2】特開平10−31944号公報(第4−6頁、図4,図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来のガス遮断器では、以下のような課題がある。
(1)機械パッファ室と熱パッファ室がシリーズに繋がっている特許文献1のガス遮断器の場合、機械パッファ室の圧力が熱パッファ室の圧力より高いと、機械パッファ室からのガス流が発生し、このガス流は熱パッファ室を経由してアーク領域に達するようになっている。このため、機械パッファ室からの高圧・高速のガス流は熱パッファ室で弱められてアーク領域に吹き付けられることになり、吹き付け効果が低下する。
(2)機械パッファ室と熱パッファ室がそれぞれ個別の通路によりアーク領域に繋がっている特許文献2場合、機械パッファ室からの吹付口と熱パッファ室からの吹付口を個別に設けているが、吹付方向が若干異なっているため、それぞれの流れが互いに干渉して複雑な流れになり、流速を低下させる等により吹付の効果が低下する。
(3)また、熱パッファ室と機械パッファ室を固定接触子側に配置した特許文献2の電力遮断器の場合、可動部の質量は少なくなり駆動力を低減できるメリットはあるが、定格電流通路の開閉駆動機構と機械パッファ室の駆動機構が別々に設けられているため、構造が複雑になっている。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、熱パッファ室と機械パッファ室のガス吹付効果を高め、更に、簡単な構造の機構で可動通電コンタクトと機械パッファ室のピストンとを駆動できるガス遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係わるガス遮断器は、消弧性のガスが充填された密閉タンク内に、固定通電コンタクト及び固定アークコンタクトを有する固定接触子部と、固定通電コンタクトに接離する可動通電コンタクト及び固定アークコンタクトに接離する可動アークコンタクトを有する可動接触子部とを備え、アークエネルギーによるガス流を導入し蓄積して電流零点近傍でアークに吹付ける熱パッファ室と、可動接触子部の開閉動作に連動してピストンを作動させることにより容積が変化する機械パッファ室とを固定接触子部に設けたガス遮断器において、
固定アークコンタクトと可動アークコンタクトとの開極時に発生するアーク領域に臨む固定接触子部にガスの吹付口を設け、吹付口近傍に吹付室を形成し、吹付室と熱パッファ室、及び吹付室と機械パッファ室を個別に設けた流路で連通させ、各パッファ室からのガス流が吹付室を経由して吹付口から噴射されてアークに吹付けられるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明のガス遮断器によれば、熱パッファ室と機械パッファ室のそれぞれに連通する吹付口の近傍に吹付室を形成し、吹付室と熱パッファ室、及び吹付室と機械パッファ室を個別に設けた流路で連通させ、各パッファ室からのガス流が吹付室を経由して吹付口から噴射されてアークに吹付けられるようにしたので、熱パッファ室及び機械パッファ室へ出入りするガス流を効率よく制御でき、高い圧力のガスをアーク領域に吹付けることができるため、遮断性能の優れたガス遮断器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態1によるガス遮断器の開極途中の接触子部を模式的に示す部分断面図であり、図2は図1のアークコンタクト部分の拡大断面図である。
ガス遮断器の接触子部は、駆動機構部を除き、軸線の回りに中心対称に形成されており、概略の外観で言えば、全体が軸線を中心としてほぼ円筒形状となっている。
【0011】
図において、ガス遮断器の接触子部は、消弧性のガスで満たされた図示しない密閉容器内に、固定接触子部31と可動接触子部32とが同一軸線上に配置され、可動接触子部32が固定接触子部31に対して軸線上を接離自在に直線的に進退することにより、接点を開閉するように構成されている。
【0012】
まず固定接触子部31から説明する。
円板状をして中心部に貫通穴を有する2枚の通電部材1,2が間隔を空けて配置され、絶縁筒3によって支持されている。通電部材1の内径側には、円筒状の固定アークコンタクト4が設けられ、外径側には一対のコンタクトで構成される円筒状の固定通電コンタクト5のうちの一方5aが設けられている。また、固定アークコンタクト4を取り囲むように絶縁ノズル6aが設けられている。
通電部材2の内径側には、後述の可動アークコンタクト16を取り囲み、上記の絶縁ノズル6aと対をなす絶縁ノズル6bが設けられ、外径側には固定通電コンタクト5の他方5bが設けられている。両固定通電コンタクト5a,5bは所定の絶縁距離を保って対向配置されている。
【0013】
絶縁筒3の内径側の空間部には、後述のピストン10のシリンダを構成するシリンダ壁7が、空間部を左右に2分するように設けられている。
絶縁ノズル6aの外周面と通電部材1と絶縁筒3の内面とシリンダ壁7とに囲まれて熱パッファ室8が形成され、それに隣接して、通電部材2と絶縁筒3の内面とシリンダ壁7とに囲まれて機械パッファ室9が形成されている。熱パッファ室8の容積は変化しないが、機械パッファ室9は内部に摺動可能に設けたピストン10によってその容積は変化する。ピストン10は可動接触子部32の開閉動作に連動して作動する。
【0014】
固定アークコンタクト4と後述の可動アークコンタクト16との開極時にはアークが発生するが、このアーク領域に臨む固定接触子部31の面に、絶縁ノズル6aと絶縁ノズル6bの開口部すなわち吹付口11を配置して、この吹付口11から熱パッファ室8及び機械パッファ室9へガスが出入り可能としている。
更に、吹付口11の近傍に吹付室12を形成し、吹付室12と熱パッファ室8とは流路13で、また、吹付室12と機械パッファ室9とは流路14でそれぞれ個別に連通させている。
このような構成により、各パッファ室8,9からのガス流はそれぞれ吹付室12を経由して吹付口11から噴射されてアークに吹付けられるようになっている。
【0015】
吹付室12内には、吹付室12,熱パッファ室8,機械パッファ室9の各室の圧力差により駆動する切替弁15が設けられており、吹付室12と熱パッファ室8又は吹付室12と機械パッファ室9に連通する流路13,14を切替えるようになっている。すなわち、図2の拡大断面図に示すように、切替弁15はその両端面に流路13塞ぐ端板15aと流路14を塞ぐ端板15bが形成されており、切替弁15が矢印のように左右に移動することにより、流路13,14のいずれかを閉じることができるように構成している。なお、端板15a、15bの板面の面積は15bの方を15aよりも大きくしている。
【0016】
次に、可動接触子部32について説明する。
図1に示すように、可動接触子部32は、中心の軸線上を軸線方向に移動して固定アークコンタクト4と接離する可動アークコンタクト16と、可動アークコンタクト16に連動して軸線と平行方向に移動し、固定通電コンタクト5a,5b間を開閉して定格電流を通電又は遮断する可動通電コンタクト17とを有している。
固定通電コンタクト5bと可動アークコンタクト16とは常に同電位に保たれている必要があるため、可動アークコンタクト16は、通電部材2に固着された通電保持具18に保持されている通電コンタクト19を介し、固定通電コンタクト5bに電気的に接続されている。
【0017】
可動アークコンタクト16の動作と連動して、機械パッファ室9のピストン10と可動通電コンタクト17とを駆動するために、可動通電コンタクト17を駆動させる駆動軸20と、ピストン10を駆動させるピストンロッド21とを、動作方向が同一方向となるように配置して、それぞれリンク22、23を介して、片端を固定壁に回動可能に支持したレバー24に回動自在に連結し、レバー24の他端はリンク25を介して可動アークコンタクト16に連結している。
このような構成により、可動通電コンタクト17,機械パッファ室9のピストン10,及び可動アークコンタクト16は連動して移動する。通常、可動通電コンタクト17とピストン10の必要な移動距離は異なるが、リンク22,23とレバー24の連結位置を変更することにより移動距離を任意に調整することができる。
【0018】
次に動作について説明する。
図1ではガス遮断器の開極途中を示しているが、投入状態では可動アークコンタクト16は図で右方に移動して固定アークコンタクト4と接触しており、また、可動通電コンタクト17も固定通電コンタクト5a,5bの両方と接触して、その間に定格電流を流している。
【0019】
電流遮断時は、図示しない駆動装置に駆動されて、可動接触子部32が図の左方に移動し、まず可動通電コンタクト17と固定通電コンタクト5aとが開いて遮断電流をアークコンタクト接触部側に転流させ、次いで固定アークコンタクト4と可動アークコンタクト16とが開いて両アークコンタクト4,16間にアークが発生する(図2参照)。
また、同時にピストン10も図において左方に移動し、機械パッファ室9の容積を圧縮して内部の圧力を上昇させる。
【0020】
遮断電流が大きい場合、アーク領域周辺のガスはアークエネルギーにより加熱されて圧力が上昇し、その一部が絶縁ノズル6a、固定アークコンタクト4の中央部を通って外部ガス空間に流出すると同時に、吹付室12にも流入する。吹付室12内の切替弁15の両端の端板15a、15bは吹付室12内のガス圧力による力を受けるが、端板15bの面積の方が15aの面積より大きいため、切替弁15は図の左方に移動し、機械パッファ室9の流路14を閉じ、熱パッファ室8の流路13を開放状態にする。従って、吹付室12に流入した高圧のガスは熱パッファ室8に流入し熱パッファ室の圧力が上昇する。
電流が0点に近づいてくるとアーク周辺の加熱が減少して圧力が下がり、熱パッファ室8に蓄えられていた高圧のガスが流路13、吹付室12、吹付口11を経てアークに吹付けられ電流を遮断する。
【0021】
遮断電流が小さい場合、アーク周辺のガスはあまり加熱されず、吹付室12に流入するガスの圧力も充分に上昇しない。この場合でも、開極動作の初期においては機械パッファ室9の圧力はあまり上昇していないので、切替弁15は機械パッファ室9の流路14を閉じ、熱パッファ室8の流路13を開放状態にし、加熱されたガスは熱パッファ室8に流入するが熱パッファ室8の圧力は充分に上昇しない。
開極動作が進行すると、機械パッファ室9は圧縮されて圧力が上昇し、熱パッファ室8の圧力上昇を上回る。これにより切替弁15は図の右方に移動し、機械パッファ室9の流路14が開放され、熱パッファ室8の流路13が閉じられる。機械パッファ室9の高圧ガスが流路14、吹付室12、吹付口11を経てアークに吹付けられ電流を遮断する。
【0022】
遮断電流の大きさがこれらの中間の場合は、熱パッファ室8と機械パッファ室9の圧力がほぼ同等となり、両方からのガス流が電流を遮断する。
このように遮断電流の大きさに係わらず、高い圧力のガスを効率よく吹付けることができるため、高性能のガス遮断器を得ることができる。
【0023】
以上までは、吹付室12に切替弁15を設けたものについて説明したが、必ずしも切替弁15を設ける必要はない。
図3はアークコンタクト部周辺の他の例を示す部分断面図である。図2に対応する部分なので、同等部分は同一符号を付し説明は省略する。
図に示すように、この吹付室26には、切替弁の替わりに整流板27を設けている。整流板27は、熱パッファ室8の流路13と機械パッファ室9の流路14からのガスがそれぞれ整流板27に当って吹付口11の方向に流れる位置に設けられている。
このような構成にすることにより、簡単な構成で、熱パッファ室8からのガス流と機械パッファ室9からのガス流が直接衝突することなくなり、アークに効率よく吹付けられることになる。
なお、更に構造を簡略化して、整流板を省くことも可能である。この場合は、熱パッファ室と機械パッファ室の各流路の吹き出し方向と大きさを最適に設計する。
【0024】
また、上記説明では、可動通電コンタクト17と機械パッファ室9のピストン10とを共通の機構で駆動をする場合について説明したが、必ずしも共通の機構で駆動させる必要はなく、別駆動としても良い。
【0025】
以上のように、本実施の形態の発明によれば、熱パッファ室と機械パッファ室を固定接触子に配置し、熱パッファ室と機械パッファ室のそれぞれに連通する吹付口の近傍に吹付室を形成し、吹付室と熱パッファ室、及び吹付室と機械パッファ室を個別に設けた流路で連通させ、各パッファ室からのガス流が吹付室を経由して吹付口から噴射されてアークに吹付けられるようにしたので、熱パッファ室及び機械パッファ室へ出入りするガス流を効率よく制御でき、高い圧力のガスをアーク領域に吹付けることができるため、遮断性能の優れたガス遮断器を提供することができる。
また、パッファ室を固定接触子部側に配置したので、可動部の質量を軽減でき、駆動力を軽減することができる。
【0026】
また、吹付室内に切替弁を設け、熱パッファ室に連通する流路と機械パッファ室に連通する流路とを切替えるようにしたので、アーク領域から熱パッファ室と機械パッファ室へ向かうガス流、及び逆方向のガス流を効率よく制御でき、遮断電流の大きさに係わらず、高い圧力のガスを効率よく吹付けることができるため、高性能のガス遮断器を得ることができる。
【0027】
また、熱パッファ室からの流れと機械パッファ室からの流れをそれぞれアークの領域に向ける整流板を吹付室内に設けたので、簡単な構成で、熱パッファ室及び機械パッファ室からのガス流が干渉することなくアークに吹き付けることができるため、遮断性能の優れたガス遮断器を提供できる。
【0028】
更に、可動通電コンタクトを駆動させる駆動軸と機械パッファ室のピストンを駆動させるピストンロッドとを同一のレバーに回動自在に連結させ、可動アークコンタクトの駆動力を利用して駆動させるようにしたので、上記効果に加え、簡単な機構で可動通電コンタクトと機械パッファ室のピストンとを同時に駆動することができ、駆動部の簡素化と、小形,軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の実施の形態1におけるガス遮断器の接触子部を示す部分断面図である。
【図2】図1のアークコンタクト部周辺の拡大断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるガス遮断器のアークコンタクト部周辺の他の例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1,2 通電部材 3 絶縁筒
4 固定アークコンタクト 5,5a,5b 固定通電コンタクト
6a,6b 絶縁ノズル 7 シリンダ壁
8 熱パッファ室 9 機械パッファ室
10 ピストン 11 吹付口
12 吹付室 13,14 流路
15 切替弁 15a,15b 端板
16 可動アークコンタクト 17 可動通電コンタクト
18 通電保持具 19 通電コンタクト
20 駆動軸 21 ピストンロッド
22,23,25 リンク 24 レバー
26 吹付室 27 整流板
31 固定接触子部 32 可動接触子部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消弧性のガスが充填された密閉タンク内に、固定通電コンタクト及び固定アークコンタクトを有する固定接触子部と、上記固定通電コンタクトに接離する可動通電コンタクト及び上記固定アークコンタクトに接離する可動アークコンタクトを有する可動接触子部とを備え、アークエネルギーによるガス流を導入し蓄積して電流零点近傍でアークに吹付ける熱パッファ室と、上記可動接触子部の開閉動作に連動してピストンを作動させることにより容積が変化する機械パッファ室とを上記固定接触子部に設けたガス遮断器において、
上記固定アークコンタクトと上記可動アークコンタクトとの開極時に発生するアーク領域に臨む上記固定接触子部に上記ガスの吹付口を設け、上記吹付口近傍に吹付室を形成し、上記吹付室と上記熱パッファ室、及び上記吹付室と上記機械パッファ室を個別に設けた流路で連通させ、上記各パッファ室からのガス流が上記吹付室を経由して上記吹付口から噴射されて上記アークに吹付けられるようにしたことを特徴とするガス遮断器。
【請求項2】
請求項1記載のガス遮断器において、上記吹付室,上記熱パッファ室,上記機械パッファ室の各室内のガス圧の圧力差により駆動する切替弁を上記吹付室内に設け、上記切替弁によって上記熱パッファ室に連通する上記流路と上記機械パッファ室に連通する上記流路とを切替えるようにしたことを特徴とするガス遮断器。
【請求項3】
請求項1記載のガス遮断器において、上記熱パッファ室からのガス流と上記機械パッファ室からのガス流とを、それぞれ上記アーク領域に向ける整流板を上記吹付室内に設けたことを特徴とするガス遮断器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガス遮断器において、上記可動通電コンタクトを駆動させる駆動軸と上記機械パッファ室の上記ピストンを駆動させるピストンロッドとを、動作方向を同方向にして同一のレバーに回動自在に連結し、上記レバーの一端を上記可動アークコンタクトに連結し、上記可動アークコンタクトの駆動力を利用して駆動させるようにしたことを特徴とするガス遮断器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−112633(P2008−112633A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294495(P2006−294495)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】