説明

ガス配管検査用内視鏡装置

【課題】膨張したバルーンによって配管内のガスが外部に大量に流出することを防止し、配管内の内視鏡検査をスムーズ且つ良好に行えるガス配管検査用内視鏡装置を提供する。
【解決手段】ガス配管検査用内視鏡装置1は、観察光学部24a及び照明部24bを備える先端部24を有する可撓性の挿入部21と、挿入部21に連設する操作部22とを備える内視鏡2と、バルーン17を有するバルーン部11、バルーン17に流体を供給する流体供給チューブ12及び流体供給装置13を備えるバルーン装置3と、内視鏡2の挿入部およびバルーン部11及び流体供給チューブ12を配管9内の目的部位に導く案内用コイル4と、を具備している。内視鏡2の挿入部21の基端部は、操作部22から着脱自在で、且つ、流体供給チューブ12は、流体供給装置13から着脱自在であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーン装置と内視鏡とを備えたガス配管検査用内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、工業用、医療用に適用可能な内視鏡は、長尺の挿入部が備えられている。例えば、工業用の内視鏡では、配管の深部まで挿入部を挿入して、管の腐食、あるいは傷などの検査を行うことがある。配管内にガスが供給されている状態で、内視鏡を配管内に挿入して検査を行った場合、配管内のガスが外部に放出され続けるという不具合が生じる。
【0003】
例えば、特許文献1には、少量の不活性ガスで効果的に溶接部周囲の完全なシールド状態を得ることが出来る溶接に用いられるシールド治具及びシールド方法が示されている。このシールド治具においては、シールド治具を検査孔から挿入し、その先端方向をパイプの中心線に一致させた状態で、ガス供給口から圧縮ガスを送給すれば、風船状隔壁体が引き込み索を引っ張りながら膨れ、その外周部がパイプ内面に密着して、隔壁体を形成する。
【0004】
また、特許文献2には通常の内視鏡を使用しても管腔内を自走でき、また挿入部の外径を太くすることなく、十分なストロークと十分な推進力が得られるとともに、挿入部が湾曲した状態でもその機能が十分に発揮できる内視鏡の自動挿入装置が示されている。この内視鏡の自動挿入装置においては、内視鏡の挿入部にプローブを挿通可能なチャンネルを設けるとともに、プローブを進退させるプローブ進退装置を設ける一方、内視鏡挿入部の先端部に径方向に膨張・収縮可能な第1のバルーンを設け、プローブの先端部に径方向に膨張・収縮可能な第2のバルーンを設けた構成が示されている。
【0005】
そして、特許文献1のシールド治具と、特許文献2の内視鏡の自動挿入装置とを組み合わせることによって、配管内にガスが供給されている状態であっても配管内のガスが外部に放出されることを防止しつつ、配管内に内視鏡を挿入して検査を行える内視鏡装置を得られる。
【0006】
また、検査対象の配管の内径と、内視鏡の挿入部外径との寸法差が大きな場合、内視鏡の可撓管部が配管内で撓む、或いは蛇行して、挿入部を手際良く深部まで挿入することが難しくなる。このような場合、コイル部材を利用して、内視鏡を配管深部に挿入するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−024367号公報
【特許文献2】特開平07−008447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、コイル部材を用いて内視鏡挿入部及び内視鏡とは別体のバルーンを配管内に導入し、バルーンを膨張させて密閉状態を確保する。そして、この後、内視鏡挿入部を後退させながら配管の検査を行う。このとき、内視鏡挿入部をコイル部材に対して後退させると、コイル部材が内視鏡の視野を遮って検査に支障を来すおそれがある。また、内視鏡挿入部の先端部をコイル部材の先端から突出させた状態にし、コイル部材及び内視鏡挿入部を後退させて検査した場合、コイル部材によって内視鏡の視野が遮られる不具合は解消される。しかし、コイル部材内に挿通されているバルーンにエアーを供給するエアーチューブが視野の妨げになるおそれがある。そして、作業者が視野を遮るエアーチューブを視野外に移動させる手元操作を行ったとき、誤ってコイル部材に触れてコイル部材内の内視鏡が移動される或いは、エアーチューブの移動に伴って内視鏡の観察範囲が変更されるおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、膨張したバルーンによって配管内のガスが外部に大量に流出することを防止し、配管内の内視鏡検査をスムーズ且つ良好に行えるガス配管検査用内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様におけるガス配管検査用内視鏡装置は、観察光学部及び照明部を備える先端部を有する可撓性の挿入部と、挿入部に連設する操作部とを備える内視鏡と、
バルーンを有するバルーン部、バルーンに流体を供給する流体供給チューブ及び流体供給装置を備えるバルーン装置と、前記内視鏡の挿入部および前記バルーン部及び前記流体供給チューブを配管内の目的部位に導く案内用コイルと、を具備するガス配管検査用内視鏡装置において、
前記内視鏡の挿入部の基端部は、前記操作部から着脱自在で、且つ、前記流体供給チューブは、前記流体供給装置から着脱自在である。
【0011】
本発明の他態様におけるガス配管検査用内視鏡装置は、観察光学部及び照明部を備える先端部を有する可撓性の挿入部と、挿入部に連設する操作部とを備える内視鏡と、
バルーンを有するバルーン部、バルーンに流体を供給する流体供給チューブ及び流体供給装置を備えるバルーン装置と、前記内視鏡の挿入部および前記バルーン部及び前記流体供給チューブを配管内の目的部位に導く案内用コイルと、を具備するガス配管検査用内視鏡装置において、
前記内視鏡の挿入部の基端部は、前記操作部から着脱自在で、且つ、前記流体供給チューブの一端は少なくとも前記バルーン部から取り外し可能で、他端は前記流体供給装置から着脱自在である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、膨張したバルーンによって配管内のガスが外部に大量に流出することを防止し、配管内の内視鏡検査をスムーズ且つ良好に行えるガス配管検査用内視鏡装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1乃至図13はガス配管検査用内視鏡装置の第1実施形態に係り、図1は内視鏡と、内視鏡のチャンネルに挿通される流体供給チューブを備えるバルーン装置と、内視鏡が挿通される案内用コイルとを備えて構成されるガス配管検査用内視鏡装置を説明する図
【図2】バルーン装置のバルーン部の構成を説明する図
【図3A】ガス配管検査用内視鏡装置の作用を説明する図であって、配管開口からガスが充満されている配管内にバルーン部及び挿入部が配置された案内用コイルを挿入している状態を説明する図
【図3B】ガス配管検査用内視鏡装置の作用を説明する図であって、案内用コイル内のバルーン部を配管内に配置した状態を説明する図
【図3C】ガス配管検査用内視鏡装置の作用を説明する図であって、案内用コイル内のバルーン部のバルーン膨らませて密着させた状態、および案内用コイルを挿入部から取り外す状態を説明する図
【図3D】ガス配管検査用内視鏡装置の作用を説明する図であって、配管内を内視鏡で検査している状態を説明する図
【図4】案内用コイルを挿入部から取り外すための作業を説明する図
【図5】配管から流出するガス量を低減する、案内用コイル内に配置される内視鏡の挿入部を覆う内シースの構成を説明する図
【図6】内シースに設けた内シース用バルーン部の構成を説明する図
【図7】内シース用バルーン部によって配管からガスが流出することを防止した状態で、バルーン部及び挿入部を目的部位に送り込む手順を説明する図
【図8A】ガス配管検査用内視鏡装置による別の検査方法を説明する図であって、T字管路の開口から上流側配管内にバルーン部を配置した状態を説明する図
【図8B】ガス配管検査用内視鏡装置による別の検査方法を説明する図であって、T字管路の上流側配管をバルーンで塞いだ状態で、下流側配管内を内視鏡で検査している状態を説明する図
【図9】ガス配管検査用内視鏡装置の他の構成例を説明する図であって、内視鏡と、バルーン装置と、内視鏡の挿入部及びバルーン装置のバルーン部、流体供給チューブが並列に挿通される案内用コイルとを備えるガス配管検査用内視鏡装置を説明する図
【図10A】内視鏡を案内コイルに挿入する際、内視鏡を案内コイルから突出させる際、内視鏡の挿入、或いは突出が妨げられることを防止する案内用コイルの長さと流体供給チューブの長さとの関係を説明する図
【図10B】案内コイルから突出された内視鏡で管内の検査を行う際に求められる案内用コイルの長さと流体供給チューブの長さとの関係を説明する図
【図10C】先端に曲がりぐせを有する流体供給チューブが取りつけられたバルーン部を説明する図
【図11A】バルーン部の最大外径と、チューブ用コイルの最大外径と、内視鏡挿入部の最大外径とを別の関係にした設定例を説明する図
【図11B】バルーン部の変形例を説明する図
【図12】バルーン部の他の変形例を説明する図
【図13】内視鏡の挿入部及びバルーン装置のバルーン部、流体供給チューブが並列に挿通される案内部材の他の構成を説明する図
【図14A】図13の案内用コイルの作用を説明する図であって、案内用コイルをT字管路の開口から上流側配管内にバルーン部を配置した状態を説明する図
【図14B】図13の案内用コイルの作用を説明する図であって、案内用コイルを管路開口から配管内にバルーン部を配置した状態を説明する図
【図15】案内部材の別の構成であって、バルーン用案内部と内視鏡用案内部とを備える案内部材を説明する図
【図16A】図15の案内部材をT字管路の開口から挿入して、上流側配管内にバルーン用案内部が配置され、下流側配管内に内視鏡用案内部が配置された状態を説明する図
【図16B】バルーン用案内部から上流側配管にバルーン部を導出され、内視鏡用案内部から下流側配管に内視鏡を導出させた状態を説明する図
【図17】図17乃至図27は第2実施形態に係り、図17は内視鏡と、及びワイヤが延出されるバルーン部を有するバルーン装置とを備えるガス配管検査用内視鏡装置を説明する図
【図18】バルーン部から取り外し可能な流体供給チューブと、バルーン取出用ワイヤ及び栓体引抜用ワイヤとを備えるバルーン部の構成を説明する図
【図19A】ガス配管検査用内視鏡装置の作用を説明する図であって、配管開口からガスが充満されている配管内にバルーン部及びチューブ用コイルによって覆われた流体供給チューブを挿入し、バルーンを膨張させた状態を説明する図
【図19B】ガス配管検査用内視鏡装置の作用を説明する図であって、膨張しているバルーンから流体供給チューブの先端に設けられたニードルを栓から抜去した状態を説明する図
【図19C】ガス配管検査用内視鏡装置の作用を説明する図であって、膨張しているバルーンから2つのワイヤが延出された状態で配管内を内視鏡で検査している状態を説明する図
【図20】配管内に単独で留置されるバルーン部の構成を説明する図
【図21A】配管内に膨らんで留置されたバルーン部に取り付けられている第2栓体を排気用孔から抜去する状態を説明する図
【図21B】配管内に留置されたバルーン部を回収している状態を説明する図
【図22】配管内に単独で留置されるバルーン部の別の構成を説明する図
【図23】バルーン部と、内視鏡のチャンネルに挿通される流体供給チューブとの構成を説明する図
【図24】配管内に膨らんで留置されていたバルーン部の栓に流体供給チューブの先端に取り付けられているニードルを差し込む状態を説明する図
【図25】バルーン部の他の構成例を説明する図
【図26】位置決め突起を有するニードルを説明する図
【図27】別の構成のバルーン部と、内視鏡のチャンネルに挿通される別の構成の流体供給チューブとを説明する図
【図28】図28乃至図33は変形例にかかり、図28は膨張して配管に密着したバルーンより先端側の配管を内視鏡で検査するためのガス配管検査用内視鏡装置の内視鏡案内チューブの構成を主に説明する図
【図29】内視鏡案内チューブの先端部の構成を説明する図
【図30】内視鏡案内チューブの作用を説明する図
【図31】内視鏡案内チューブを構成するシースの外周に案内部材を設けた構成を説明する図
【図32】内視鏡案内チューブを構成するバルーン部の先端側に先端案内コイルを設けた構成を説明する図
【図33】バルーン部の先端側に先端案内コイルを設けた内視鏡案内チューブの作用を説明する図
【図34】図34乃至図36は、ガス配管検査用内視鏡装置を構成する内視鏡案内コイルを示す図
【図35】内視鏡案内コイルの構成を説明する図
【図36】内視鏡と内視鏡案内コイルとを備えるガス配管検査用内視鏡装置の他の構成例を説明する図
【図37A】バルーン部のバルーンが予め設定した膨張状態に到達したことを告知する告知部を備えるバルーン部の構成を説明する図
【図37B】告知状態のバルーン部を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図4を参照して第1実施形態のガス配管検査用内視鏡装置1の構成及び作用を説明する。
図1に示すようにガス配管検査用内視鏡装置1は、内視鏡2と、バルーン装置3と、案内部材4とを備えて構成されている。
【0015】
案内部材4は、配管深部までの押し込み性を優先して、予め設定した弾性力及び剛性を有する密着コイルバネである、このため、案内部材4を案内用コイル4と記載する。案内用コイル4の長さ寸法は、内視鏡2の後述する挿入部21の長さ寸法より予め定めた寸法短く設定されている。また、案内用コイル4の径寸法は、挿入部21の外径寸法より予め定めた寸法大きく設定されている。
【0016】
なお、案内用コイル4を、配管に設けられた曲がり管を通過させる必要がある場合には、曲がり管での通過性を良好とするため弾性力及び剛性に加えて柔軟性を有する密着コイルバネを使用する。ここで、柔軟性とは、曲がり管を通過する際の変形し易さを意味する。
【0017】
バルーン装置3は、バルーン部11と、流体供給チューブ12と、流体供給装置13とを備えて構成されている。
バルーン部11は、図2に示すように先端である第1端を構成する硬質な、例えば金属製の第1口金14と、基端である第2端を構成する金属製の第2口金15と、第1口金14と第2口金15の間隔を設定するコイル16と、ゴム製或いは樹脂製で膨縮可能なバルーン17とを備えて構成されている。コイル16は、曲がり管での通過性を良好とするため伸縮性及び剛性に加えて柔軟性を有している。
【0018】
なお、本実施形態においては、第1口金14の先端面にはC−MOS等によるカメラ部18(図1参照)および発光素子である複数の発光ダイオード等による照明部19(図1参照)が構成されている。符号20は信号ケーブルであり、信号ケーブル20内には、カメラ部18および照明部19に電力を供給する電線およびカメラ部18と接続されて電気信号の送受を行う信号線が挿通している。また、コイル16を設けることなく、バルーン17によって第1口金14と第2口金15の間隔を設定するようにしてもよい。
【0019】
バルーン17の両端部は、第1口金14に設けられたバルーン取付段部14a、および第2口金15のバルーン取付段部15aにそれぞれ図示しない糸巻き接着等によって固定されている。コイル16の両端部は、第1口金14に設けられた管取付凸部14b、および第2口金15の管取付凸部15bにそれぞれ接着、或いは半田付け等によって一体に固定されている。そして、コイル16内には信号ケーブル20が配置されている。
【0020】
本実施形態において、第2口金15には流体路15cと、接点部15dとが設けられている。流体路15cにはチューブ接続部15eが設けられている。接点部15dにはカメラ部18および照明部19に電力を供給するための各種端子が設けられている。接点部15dには後述する信号ケーブル5に設けられた第1電気コネクタ5aが接続され、チューブ接続部15eには流体供給チューブ12の第1流体コネクタ12aが着脱自在に接続されるようになっている。
【0021】
なお、本実施形態においては、第1口金15にカメラ部18および照明部19を設けるとしている。しかし、第1口金15は、カメラ部18および照明部19を有していない筒状の口金部材であってもよい。この場合、信号ケーブル20は不要である。また、コイル16の代わりに間隔板、間隔管等を用いるようにしてもよい。また、第1口金15と同様に第2口金15にカメラ部18および照明部19を設ける構成にしてもよい。
【0022】
図1に示すように流体供給チューブ12は、先端である第1端に第1流体コネクタ12aを備え、基端である第2端に第2流体コネクタ12bを備えている。第2流体コネクタ12bは、弁付コネクタであり、流体供給装置13の装置本体13aに備えられた流体給排口(図4符号13b参照)に着脱自在に接続されるようになっている。
【0023】
本実施形態において、第2流体コネクタ12bが備える図示しない弁部は、第2流体コネクタ12bを流体給排口13bに接続した状態において開放され、第2流体コネクタ12bを流体給排口13bから取り外した状態において閉塞される構成であり、例えば、コック、逆止弁等である。
【0024】
本実施形態の流体供給装置13は、装置本体13aに開閉自在な蓋体を兼ねるモニター部6を備えている。そして、流体供給装置13には流体給排口13bに加えてカメラコネクタ(図4の符号13c参照)が設けられている。カメラコネクタ13cには信号ケーブル5の第2電気コネクタ5bが着脱自在であり、カメラコネクタ13cに第2電気コネクタ5bを接続することにより、モニター部6には、カメラ部18から伝送される観察画像が表示されるようになっている。
【0025】
なお、本実施形態において、流体供給装置13の装置本体13aには図示しないコンプレッサーから延出するチューブが接続されるようになっている。そして、装置本体13a内にはコンプレッサー制御回路、映像処理回路、電源等が備えられている。
【0026】
内視鏡2は、挿入部21、操作部22、ユニバーサルコード23とを備えて構成されている。ユニバーサルコード23の基端部には内視鏡制御装置31に接続される内視鏡コネクタ23aが設けられている。内視鏡2と内視鏡制御装置31とで内視鏡装置が構成される。
【0027】
挿入部21は、先端部24、湾曲部25、及び可撓管部26を連設して構成されている。本実施の形態の内視鏡2において、先端部24には観察光学部24aと、照明部24bと、チャンネル開口24cとが備えられている。湾曲部25は、例えば上下左右方向に湾曲する構成になっている。挿入部21の可撓管部26の第2端である基端部側には、流体供給チューブ12の第1流体コネクタ12aおよび信号ケーブル5の第1電気コネクタ5aが挿通可能な挿入口26aが備えられている。挿入口26aとチャンネル開口24cとは図示しないチャンネルチューブによって接続されている。本実施形態において、可撓管部26の基端部は、操作部22に対して着脱自在な構成である。
なお、可撓管部の基端部が操作部に対して着脱自在な構成としては、例えば特開2004−198651号公報等に詳述されている。
【0028】
操作部22にはユーザが握持するためのハンドル部27が備えられ、ハンドル部27の上面には、湾曲部25の湾曲方向を動作させるための湾曲操作レバー28と、各種内視鏡機能を操作するための複数のスイッチ類29が設けられている。符号30は、フットスイッチであり、バルーン17内にエアーを供給する指示を行う第1スイッチ30a及びバルーン内のエアーを排出する指示を行う第2スイッチ30bを備える。
【0029】
ユニバーサルコード23は、操作部22と内視鏡制御装置31とを電気的に接続する。内視鏡制御装置31は、ユニバーサルコード23の内視鏡コネクタ23aが接続される制御ボックス32と、この制御ボックス32に開閉自在な蓋体を兼ねるモニター部33とを備えて構成されている。モニター部33には内視鏡2でとらえた内視鏡画像が表示されるようになっている。制御ボックス32内には、挿入部21の照明部24bから照射される白色光の光源、各種制御を行う制御回路等が内蔵されている。
尚、内視鏡2が照明手段として発光素子を備える構成の場合、制御ボックス32内の光源は不要である。また、符号34は電源スイッチ、キーボード等の各種入力部34であり、制御ボックス32の上面に備えられている。
【0030】
ガス配管検査用内視鏡装置1の作用を説明する。
ガス配管検査用内視鏡装置1でガス配管内の検査を行うにあたって、作業者は、内視鏡2と、バルーン装置3と、案内用コイル4と、流体供給装置13と、内視鏡制御装置31とを用意する。そして、作業者は、信号ケーブル5の第1電気コネクタ5aおよび流体供給チューブ12の第1流体コネクタ12aを順次挿入口26aからチャンネル管路内に挿入してチャンネル開口24cから導出させる。
【0031】
次に、作業者は、第1電気コネクタ5aを、バルーン部11の第2口金15に設けられている接点部15dに接続すると共に、第1流体コネクタ12aをチューブ接続部15eに接続する。また、作業者は、第2電気コネクタ5bを流体供給装置13のカメラコネクタ13cに接続し、第2流体コネクタ12bを流体供給装置13の流体給排口13bに接続し、フットスイッチ30を流体供給装置13の接続部(不図示)に接続する。さらに、作業者は、ユニバーサルコード23の内視鏡コネクタ23aを制御ボックス32に接続する。その後、作業者は、バルーン装置3および内視鏡2の挿入部21を覆うように案内用コイル4を挿入配置する。最後に、作業者は、バルーン部11の先端部24の先端面からの導出長の調整を行って、バルーン部11を最適な位置に配置する。
【0032】
次いで、作業者は、ガス配管内の検査に移る。まず、作業者は、バルーン部11を挿入配置するため検査するガス配管の蓋を開ける。すると、図3Aに示すように配管開口9aから配管9内のガスが矢印に示すように外部に漏出していく。ここで、作業者は、素早く、案内用コイル4によって覆われたバルーン部11および挿入部21を配管9の深部に向けて挿入していく。バルーン部11および挿入部21は、案内用コイル4によって覆われているので、案内用コイル4の進行に伴って、配管9の深部に送り込まれていく。このとき、作業者は、流体供給装置13のモニター部6に表示される映像から目的部位に到達したか否かを確認する。
【0033】
作業者は、案内用コイル4の先端が検査位置に挿入されたことを確認したなら、図3Bの矢印Y3Bに示すように案内用コイル4を引き戻す操作を行って、バルーン部11を配管9内に配置する。このとき、作業者は、内視鏡制御装置31のモニター部33に表示される映像からバルーン部11が案内用コイル4内から脱落されて配管9内に配置された否かを確認する。
【0034】
作業者は、バルーン部11の配管9内への配置を確認したなら、フットスイッチ30の第1スイッチ30aを操作してバルーン部11内へのエアーの供給を開始する。すると、流体供給チューブ12を介してバルーン17内にエアーが送り込まれて、バルーン17が徐々に膨張していく。そして、図3Cに示すようにバルーン17の外表面が配管9の内面に密着することによって、配管9が閉塞状態にされて配管開口9aからのガスの漏出が停止する。
【0035】
ここで、作業者は、図4に示すように第2流体コネクタ12bを流体給排口13bから取り外す。すると、第2流体コネクタ12bに設けられている弁部が閉塞状態になって、バルーン17の膨張状態が維持される。また、作業者は、第2電気コネクタ5bをカメラコネクタ13cから取り外す。すると、モニター部6に映像が表示されない状態になる。また、作業者は、可撓管部26の基端部を操作部22の接続口22aから取り外す。
そして、作業者は、矢印Y4に示すように案内用コイル4を挿入部21の長手軸に沿って基端部側に移動させて案内用コイル4の取り外しを開始する。すると、図3Cの矢印Y3Cに示すように案内用コイル4が挿入部21に対して後退して、挿入部21が配管9内に配置されていく。
【0036】
作業者は、案内用コイル4を挿入部21から取り外した後、可撓管部26の基端部を接続口22aに取り付ける作業、第2流体コネクタ12bを流体給排口13bに取り付ける作業、第2電気コネクタ5bをカメラコネクタ13cに取り付ける作業を行う。
【0037】
この後、作業者は、図3Dの矢印Y3Dに示すように内視鏡2の挿入部21を徐々に後退させて、配管9内の亀裂の有無、腐食の有無等を検査する。このとき、作業者は、適宜湾曲操作レバー28を操作して湾曲部25を湾曲する操作等を行う。
【0038】
そして、作業者は、挿入部21の先端部24を配管開口9aから抜去して検査を終了した後、バルーン部11を配管9から取り出す。即ち、作業者は、フットスイッチ30の第2スイッチ30bを操作してバルーン17内のエアーの排出を開始する。すると、バルーン17が収縮して、閉塞状態が解除される。ここで、作業者は、流体供給チューブ12および信号ケーブル5を引き戻しつつ、バルーン部11を配管9の深部から取り出し、配管開口9aを蓋で閉塞する。このことによって、配管検査が完了する。
【0039】
このように、案内用コイル4内に内視鏡2の挿入部21およびバルーン部11を配置させることによって、案内用コイル4の配管深部への導入に伴って挿入部21およびバルーン部11を配管深部に容易且つスムーズに挿入することができる。
【0040】
また、案内用コイル4を配管深部に導入した後、案内用コイル4を後退させて、バルーン部11を配管9内に配置し、その後、バルーン部11にエアーを供給してバルーン17を膨らませることによって、膨張したバルーン17によって配管9を閉塞して、配管開口9aからガスが流出することを防止することができる。
【0041】
また、膨張したバルーン17で配管9を閉塞した後、挿入部21から案内用コイル4を取り外すことによって、案内用コイル4によって視界を遮られることなく挿入部21をバルーン17で閉塞された配管9内を後退させて内視鏡検査を確実に行うことができる。
【0042】
なお、上述した実施形態においては、案内用コイル4内に内視鏡2の挿入部21を直接挿入するとしている。しかし、挿入部21を図5に示すように内シース7を介して案内用コイル4内に配置させる構成にするようにしてもよい。
【0043】
図5、図6に示すように内シース7は、チューブ体7aと、内シース用バルーン部7bとを備えている。チューブ体7aは、例えば2つの貫通孔を有するマルチルーメンチューブであって、流体供給孔7a1と、挿入部通過孔7a2とを備えている。挿入部通過孔7a2の内径は、挿入部21の外径より予め定めた寸法大きく形成されて、挿入部21が挿入部通過孔7a2をスムーズに進退する構成になっている。
【0044】
内シース用バルーン部7bは、先端部7cと基端部7dと、一対のバルーン7e、7fとを備えてダブルバルーンとして構成されている。先端部7cは、第1バルーン固定リング7gと、第1封止部材7hと、第2バルーン固定リング7jとを備えて構成されている。基端部7dは、第1バルーン固定リング7gと、第2封止部材7kと、第2バルーン固定リング7jとを備えて構成されている。封止部材7h、7kは、予め定めた弾性力を有する例えばゴム部材で構成されている。
【0045】
第1バルーン7eは、外側バルーンでありチューブ状である。第2バルーン7fは、内側バルーンでありチューブ状である。第1バルーン固定リング7gは、リング形状部材である。
第1バルーン固定リング7gの外径は、チューブ体7aの外径と略同寸法である。
【0046】
先端側に配置されて先端部7cを構成する第1バルーン固定リング7gの内周面側には第1封止部材7hが配置され、第1封止部材7hの外周面と第1バルーン固定リング7gの内周面との間には第1バルーン7eが密着配置されている。そして、基端側に配置されて基端部7dを構成する第1バルーン固定リング7gの内周面側には第2封止部材7kが配置され、第2封止部材7kの外周面と第1バルーン固定リング7gの内周面との間には第1バルーン7eが密着配置されている。
【0047】
一方、第2バルーン固定リング7jも、リング形状部材である。第2バルーン固定リング7jの内径は、挿入部21の外径より予め定めた寸法大きく形成され、挿入部21がスムーズに通過する構成になっている。
【0048】
先端側に配置されて先端部7cを構成する第2バルーン固定リング7jの外周面側には第1封止部材7hが配置され、第1封止部材7hの内周面と第2バルーン固定リング7jの外周面との間には第2バルーン7fが密着配置されている。そして、基端側に配置されて基端部7dを構成する第2バルーン固定リング7jの外周面側には第2封止部材7kが配置され、第2封止部材7kの内周面と第2バルーン固定リング7jの外周面との間には第2バルーン7fが密着配置されている。
【0049】
そして、第2封止部材7kには、接続凸部7k1と流体通過孔7k2とが備えられ。接続凸部7k1は、チューブ体7aの流体供給孔7a1に挿入配置される。流体通過孔7k2の開口は、第1バルーン7eと第2バルーン7fとの間に開口する。チューブ体7aの先端面は、内シース用バルーン部7bを構成する基端部7dの基端面に接着剤等によって一体固定されている。
【0050】
この構成によれば、図7に示すようにバルーン17を膨張させて配管9を閉塞状態にした後、図6の流体供給孔7a1を介して第1バルーン7eと第2バルーン7fとの間にエアーを供給する。すると、第1バルーン7eが破線に示すように内シース7の外周方向に膨張して図7に示すように配管9の内周面に密着する一方、第2バルーン7fが図6の破線に示すように内シース7の中心軸方向に膨張して二点鎖線で示す挿入部21の外周に密着する。この結果、膨張していたバルーン17を図7の破線に示すように収縮させた場合でも、内シース用バルーン部7bの第1バルーン7e、第2バルーン7fによってガスが配管開口9aから漏出することを防止することができる。
【0051】
したがって、上述した内シース7を介して内視鏡2の挿入部21を案内用コイル4内に配置する場合、まず、作業者は、案内用コイル4によって覆われたバルーン部11および挿入部21が配管9の深部の目的部位に到達する以前にバルーン部11を配管9内に配置した後、図7に示すようにバルーン17によって配管9を閉塞状態にする。
【0052】
次に、作業者は、内シース用バルーン部7bの第1バルーン7e、第2バルーン7fを膨張させてガスが配管開口9aから漏出することを防止した状態にする。次いで、作業者は、バルーン17を破線に示すように収縮させ、流体供給チューブ12を押し出してバルーン部11を二点鎖線に示すように配管9の深部の目的部位に送り込み、再びバルーン17を膨張させて配管9を閉塞状態にする。
【0053】
その後、流体供給チューブ12をガイドにして内視鏡2の挿入部21を目的部位近傍まで挿入し、上述した手順で検査を行う。このことにより、配管開口9aから流出されるガスの量を大幅に低減して、内視鏡による観察を行うことができる。
なお、内視鏡2がバルーンの内側に入れる時も加圧を加減することで密閉でき、内視鏡2がバルーンの内側に無い場合でも、バルーンの加圧を増すことで、内側を閉じて密閉できるものである。
【0054】
また、上述した実施形態においては、案内用コイル4内に配置した内視鏡2の挿入部21およびバルーン部11を配管開口9aから挿入し、バルーン17を膨張させて配管9を閉塞した後、挿入部21後退させて検査を行っている。しかし、ガス配管検査用内視鏡装置1による検査方法は、上述した検査に限定されるものではなく、図8A、図8Bに示すようにT字管開口9taを介して行う検査にも適用可能である。
【0055】
この検査を行う場合、作業者は、上述したように内視鏡2の挿入部21およびバルーン部11を配置した案内用コイル4を図8Aに示すようにT字管開口9taからガスが供給されている上流側配管9uの所定位置まで挿入する。その後、作業者は、上述したように案内用コイル4を引き戻す操作を行って、バルーン部11を上流側配管9u内に配置する。そして、作業者は、上述したようにバルーン部11内へのエアーの供給を行ってバルーン17を膨張させて上流側配管9uを閉塞状態にする。すると、T字管開口9taからのガスの漏出および下流側配管9dへのガスの供給が停止される。
【0056】
次に、作業者は、上述したように第2流体コネクタ12bを流体給排口13bから取り外す作業、第2電気コネクタ5bをカメラコネクタ13cから取り外す作業、および可撓管部26の基端部を操作部22の接続口22aから取り外す作業を行った後、案内用コイル4を挿入部21から取り外す。
【0057】
そして、作業者は、案内用コイル4を挿入部21から取り外した後、可撓管部26の基端部を接続口22aに取り付ける作業、第2流体コネクタ12bを流体給排口13bに取り付ける作業、第2電気コネクタ5bをカメラコネクタ13cに取り付ける作業を行う。
【0058】
この後、作業者は、適宜湾曲操作レバー28を操作して湾曲部25を湾曲する操作等を行いつつ、図8Bに示すように内視鏡2の挿入部21を下流側配管9dに挿入して配管9内の亀裂の有無、腐食の有無等を検査する。このとき、作業者は、内視鏡2の挿入部21を予め下流側配管9dの所定位置まで挿入した後、挿入部21を徐々に後退させて検査を行う。或いは、内視鏡2の挿入部21を下流側配管9dの所定位置まで挿入しつつ検査を行う。
【0059】
このように、バルーン17を膨張させて上流側配管9uを閉塞状態にすることによって、T字管開口9taからのガスの漏出および下流側配管9dへのガスの供給を停止させて、下流側配管9d内の内視鏡検査を行うことができる。その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
【0060】
また、上述した実施形態において、流体供給チューブ12および信号ケーブル5は、挿入口26aからチャンネルチューブに挿入されてチャンネル開口24cから導出する構成としている。しかし、バルーン部11から延出する流体供給チューブ12等を、チャンネル管路内に挿入することなく図9に示すように内視鏡2の挿入部21に沿わせるようにしてもよい。
【0061】
図9に示すように本実施形態のガス配管検査用内視鏡装置1Aは、案内用コイル4に比べて内径が大径な案内用コイル4Aを備えている。この結果、案内用コイル4A内には、内視鏡2Aの挿入部21およびバルーン装置3Aの流体供給チューブ12を並列にして挿入配置することが可能である。
バルーン17が収縮状態におけるバルーン部11Aの最大外径はd1、チューブ用コイル35の最大外径はd2、内視鏡挿入部21の最大外径はd3、案内用コイル4Aの内径はDであり、これの間には以下の関係が設定されている。
d2+d3<D<d1+d3
この関係は、できる限り、案内用コイル4Aの外径を細径にすると共に、内視鏡2Aとバルーン部11Aを案内用コイル4Aから押し出すとき、内視鏡2Aの先端をバルーン部11の第2口金15Aに押し当てて、容易に押し出すことができるようにするためである。
なお、チューブ用コイル35を設けずに流体供給チューブ12のみとする構造でもよい。この場合には、流体供給チューブ12の外径をd4とし、以下の関係を設定する。
d4+d3<D<d1+d3
一方、案内用コイル4Aの長さLと、流体供給チューブ12の長さl(バルーン部11Aの第2口金15Aの接続部に接続されるチューブ先端から第2流体コネクタ12bに接続されるチューブ基端までの距離)の関係は、L<lに設定する。
このことにより、内視鏡2Aを案内用コイル4Aに挿入する際、及び案内用コイル4Aの先端から突出させるときに、バルーン部11A、第2流体コネクタ12bによって挿入する作業或いは突出させる作業が妨げられることが防止される。
なお、具体的に、流体供給チューブ12の長さは、図10A、図10Bに示すように案内用コイル4Aの長さよりも長く設定される。
図10Aにおいて、流体供給チューブ12の長さl1は、案内用コイル4Aからバルーン部11Aを導出させた際に、隙間(d3+α1)を得られるように設定されている。隙間(d3+α1)を得ることによって、案内用コイル4Aから内視鏡2Aを突出しやすくする。α1は、バルーン部11Aの最大外径d1と案内用コイル4Aの内径Dから適宜設定される値である。
図10Bにおいて、流体供給チューブ12の長さl2は、案内コイル4Aから内視鏡2Aを突出させて管内の検査を行うことを考慮している。そのため、流体供給チューブ12の長さl2は、(L+α2)に設定される。α2は、内視鏡2Aの先端部24の先端面から湾曲部25の基端までの距離を考慮して適宜設定される値である。
そして、図10Cに示すようにバルーン部11A近傍である流体供給チューブ12の先端側に予め曲がりぐせ12kを付けておくことにより、バルーン部11Aが案内用コイル4Aから突出されたとき、スムーズに配管9に向かって延出される。即ち、曲がりぐせ12kは、内視鏡2Aを押し出し易くするためのものである。
また、図11Aに示すバルーン部11Aの最大外径d1と、チューブ用コイル35の最大外径d2と、内視鏡挿入部21の最大外径d3との関係を、
d1−d2/2<d3/2、またはd1−d4/2<d3/2
に設定してもよい。この関係に設定することで、内視鏡2Aの先端が第2口金15Aに当たった場合、第2口金15Aとチューブ用コイル35との段差に引っかかって内視鏡2Aがスムーズに配管9に向かって延出される。
【0062】
そして、図11Bに示すように、バルーン部11A1の第2口金15A1の端部にテーパー部15Acを設けるようにしてもよい。テーパー部15Acは、内視鏡2Aの先端が第2口金15A1に当たった場合に、上述と同様に内視鏡2Aをスムーズに配管9に向けて延出させるものである。また、第2口金15A1にテーパー部15Acを設けたことにより、バルーン部11Aを案内コイル4Aから出し入れするときに引っかかりにくくする効果がある。
本実施形態において、内視鏡2Aは、チャンネル管路を有していないタイプとしている。なお、ガス配管検査用内視鏡装置1Aで使用される内視鏡は、チャンネル管路を有する内視鏡2であってもよい。そして、内視鏡2を、内シース7を介して流体供給チューブ12と共に案内用コイル4A内に並列に挿入配置するようにしてもよい。
【0063】
本実施形態のバルーン装置3Aは、バルーン部11Aと、前記流体供給チューブ12と、チューブ用コイル35と、前記流体供給装置13とを備えて構成されている。本実施形態のバルーン部11Aは、第1口金14Aの先端面にカメラ部18および照明部19が備えられていないタイプである。したがって、第2口金15Aの基端側から流体供給チューブ12だけが延出されている。なお、ガス配管検査用内視鏡装置1Aで使用されるバルーン装置は、第1口金14Aの先端面にカメラ部18および照明部19を備えるバルーン装置3であってもよい。
チューブ用コイル35は、流体供給チューブ12を覆う密着コイルバネであり、押し込み性に優れ、予め設定した弾性力及び剛性を有している。
なお、バルーン部の変形例として、図12に示すように流体供給チューブ12に曲げRの曲がりぐせ12k1を付け、この流体供給チューブ12を継手15Acに連結するようにしてもよい。この構成によれば、第2口金15A2と流体供給チューブ12との段差に偏りが生じ、曲がりぐせ12k1の外周側の段差が広くなる。この結果、内視鏡2Aの先端が第2口金15Aに当たった場合、内視鏡2Aが曲がりぐせ12k1の内周側の段差に引っかかりにくくなる。
図12のバルーン部11A2は、第1口金14A1と、第2口金15A2と、バルーン17とを備えて構成されている。第1口金14A1は、金属製の第1筒部材14Aaと、金属製、或いはゴム等の弾性部材で構成された第1封止体14Abとを備えて構成されている。第2口金15A2は、金属製の第2筒部材15Aaと、金属製、或いはゴム等の弾性部材で構成された第2封止体15Abとを備えて構成されている。
第1筒部材14Aaは、封止体14Abにカシメ固定によって一体に構成されている。第2筒部材15Aaは、第2封止体15Abにカシメ固定によって一体に構成されている。第2封止体15Abには中心軸に対して寸法S位置ずれして、中心軸に対して平行な貫通孔が形成されている。貫通孔には、継手15Acが配置され、第2筒部材15Aaに一体に固定されている。継手15Acには流体供給チューブ12が連結される。
【0064】
本実施形態においては、チューブ用コイル35を押し込む操作を行う等、案内用コイル4Aとチューブ用コイル35とを相対的に移動させることによって、流体供給チューブ12が座屈されること等を防止しつつバルーン部11Aを案内用コイル4の先端側に移動させて配管9内に配置することができるようになっている。
その他の構成および作用、効果は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0065】
なお、図9に示したガス配管検査用内視鏡装置1Aにおいては、内視鏡2Aの挿入部21およびバルーン装置3Aの流体供給チューブ12を並列に挿入配置することが可能な案内部材を断面形状が円形の案内用コイルとしている。しかし、案内部材は、円形に限定されるものではなく、図13に示すように断面形状を例えば扁平な四角形形状にした可撓性を有する矩形な案内部材4Sであってもよい。
【0066】
このように、矩形の案内部材4Sを構成することによって、案内部材4Sの長辺側が曲がるように曲がり方向を規定することができる。したがって、作業者が案内部材4Sの曲がり方向を考慮しておくことにより、内視鏡2Aの挿入部21およびバルーン装置3の流体供給チューブ12を並列に挿入配置した案内部材4Sを容易に配管の深部に向けて挿入することができる。
【0067】
なお、本実施形態の案内部材4Sにおいては、図13に示すように案内部材4S内に細長な平板8fが配置されている。そして、平板8fの先端部は、平板8fの平面と案内部材4Sの長辺側平面とが対向する位置関係となるように、内シース用バルーン部7bの基端部7dを構成する第2バルーン固定リング7jの予め定めた位置に一体に固定されている。
【0068】
この構成によれば、平板8fを案内部材4Sの先端面から突出させていくことによって、図14A、図14Bに示すように内シース7内に挿通された内視鏡2の挿入部21を容易に配管9u、9内に導出させることができる。
【0069】
また、図13−図14Bに示す符号8dは拡径部材である。拡径部材8dは、案内部材4Sの挿入性の向上を図る目的で、案内部材4Sの先端より予め定めた距離離間した位置に一体に設けられている。拡径部材8dは、図13の破線に示すように案内部材4Sの外形よりも大きく、かつ、挿入される配管の内径の70〜80%の大きさで形成された部材である。拡径部材8dの形状としては、球状や円板状、単なる出っ張り等、案内部材4Sよりも大きな形状であればよい。
そして、拡径部材8dを、図14Aに示すように上流側配管9uの屈曲部9eを通過させることを考慮した場合、丸みを帯びた形状、或いは屈曲部9eに対して斜めに接触する傾斜面を備えた形状が好ましい。
【0070】
なお、案内部材4Sの代わりに、図15に示す案内部材4S1を構成するようにしてもよい。
案内部材4S1は、内視鏡2が挿入される断面形状を例えば扁平な四角形形状にした第1案内部である内視鏡用案内部41と、バルーン装置3が挿入される断面形状を例えば扁平な四角形形状にした第2案内部であるバルーン用案内部42とを組み合わせて構成されている。
【0071】
内視鏡用案内部41およびバルーン用案内部42は、角形挿入部43と角形湾曲部44とを備えて構成されている。角形挿入部43は、可撓性を有し、長辺側が曲がるように曲がり方向が規定されている。角形湾曲部44は、湾曲駒である例えば金属製の複数の角形パイプ44aをヒンジ44bで回動自在に連結して予め定めた一方向に受動的に湾曲する構成になっている。
なお、角形湾曲部44を構成する角形パイプ44aのうち、最先端に位置する先端角形パイプ44afの先端面には、角形湾曲部44を規定した方向に湾曲させるための傾斜面44ap、或いは曲面(不図示)が形成されている。
【0072】
本実施形態において、内視鏡用案内部41内には例えば内視鏡2の挿入部21及び平板8fAが配置され、バルーン用案内部42にはバルーン装置3及び平板8fBが配置されている。平板8fAの先端部は、挿入部21を構成する湾曲部25の基端側に固設されたリング状部材45に一体的に固定されている。一方、平板8fBの先端部は、バルーン部11を構成する第2口金15に一体的に固定されている。そして、平板8fA、8Bの平面は、角形湾曲部44を構成するヒンジ44bに対向するように、ヒンジ44bとは反対側の内面に配置される。
【0073】
この構成によれば、図16Aに示すT字管開口9taから案内部材4S1を挿入する際、作業者は、まず、案内部材4S1のバルーン用案内部42が上流側配管9u側に挿入され、内視鏡用案内部41が下流側配管9d側に挿入されるように案内部材4S1の向きを設定する。
【0074】
次に、作業者は、内視鏡2の挿入部21及び平板8fAが挿入配置された内視鏡用案内部41およびバルーン装置3及び平板8fBが挿入配置されたバルーン用案内部42を備える案内部材4S1をT字管開口9taからガスが供給されている上流側配管9uの所定位置まで挿入していく。そして、内視鏡用案内部41の先端及びバルーン用案内部42の先端をT字管開口対向面9tfに向けて挿入していく。
【0075】
そして、T字管開口対向面9tfに内視鏡用案内部41及びバルーン用案内部42にそれぞれ設けられた先端角形パイプ44afの傾斜面44apが当接する。その後、さらに、作業者が案内部材4S1の更なる挿入を行うことにより、内視鏡用案内部41が備える角形湾曲部44及びバルーン用案内部42が備える角形湾曲部44がそれぞれ受動的に湾曲されて、図16Aに示すように内視鏡用案内部41の先端が下流側配管9dに挿入され、バルーン用案内部42の先端が上流側配管9uに挿入される。
【0076】
この後、作業者は、図16Bに示すようにバルーン用案内部42内の平板8fB及びバルーン部11を案内部先端42aから押し出して、バルーン部11を上流側配管9u内に配置する。そして、作業者は、バルーン部11内へのエアーの供給を行ってバルーン17を膨張させて上流側配管9uを閉塞状態にする。
【0077】
次いで、作業者は、図16Bに示すように内視鏡用案内部41内の平板8fA及び挿入部21を案内部先端41aから押し出して、内視鏡2の挿入部21の先端を下流側配管9dの目的部位まで挿入して亀裂の有無、腐食の有無等を検査する。
【0078】
このように、案内部材4S1を、曲がり方向を規定した角形挿入部43と受動湾曲する角形湾曲部44とを備えて構成される、内視鏡2が挿入される内視鏡用案内部41、およびバルーン装置3が挿入されるバルーン用案内部42で構成する。このことにより、案内部材4S1をT字管開口9taからT字管開口対向面9tfに向けて挿入していくことにより、内視鏡用案内部41、およびバルーン用案内部42を分岐した所望の配管9u、9d内に容易に配置することができる。
【0079】
図17乃至図27を参照して第2実施形態のガス配管検査用内視鏡装置100の構成及び作用を説明する。なお、ガス配管検査用内視鏡装置100において、上述した実施形態と同部材には同符号を付してその説明を省略する。
ガス配管検査用内視鏡装置100は、前記内視鏡2Aと、流体供給チューブがバルーン部に対して着脱自在なバルーン装置3Bと、前記案内用コイル4A(図17中には不図示)とを備えて構成されている。なお、ガス配管検査用内視鏡装置100で使用される内視鏡は、チャンネル管路を有する内視鏡2であってもよい。また、ガス配管検査用内視鏡装置100で使用されるバルーン装置は、第1口金14Aの先端面にカメラ部18および照明部19を備えるバルーン装置3であってもよい。
【0080】
本実施形態のバルーン装置3Bは、バルーン部11Bと、前記流体供給チューブ12と、前記チューブ用コイル35と、前記流体供給装置13とを備えて構成されている。
図17及び図18に示すようにバルーン部11Bは、前記第1口金14Aと、第2口金15Bと、前記バルーン17とを備えて構成されている。
本実施形態において、第2口金15Bには、3つの軸方向貫通孔、第1孔15B1、第2孔15B2、第3孔15B3が形成されている。第1孔15B1は流体供給孔であり、第2孔15B2は流体排出孔であり、第3孔15B3はワイヤ固定孔である。
【0081】
第3孔15B3にはワイヤ固定部材53が接着、或いは溶接等によって気密に固定される。ワイヤ固定部材53は、鍔部53aと、軸方向貫通孔であるワイヤ固定孔53hとを備えている。ワイヤ固定孔53h内にはバルーン部取出用ワイヤである第1ワイヤ54aの先端部が接着、或いは溶接等によって気密に固定されている。
【0082】
第2孔15B2には、栓部材55及び第1脱落防止部材56aが配置される穴15B2hが設けられている。栓部材55は、予め定めた弾性力を有する例えばゴム部材で構成された封止部材あり、軸方向貫通孔である排気用孔55hを有している。第1脱落防止部材56aは、例えば金属製であり、軸方向貫通孔である栓体通過孔56ahを有している。第1脱落防止部材56aは、栓部材55を穴15B2hに配置した後、穴15B2h内に配置され、接着、或いは溶接等によって外周面が気密に固定される。
【0083】
栓部材55の排気用孔55h及び第1脱落防止部材56aの栓体通過孔56ahには栓体57が配置される。栓体57は、栓部材55の弾性力に抗して排気用孔55hに配置される金属製部材であり、第1脱落防止部材56aの栓体通過孔56ahに対しては遊嵌配置され、排気用孔55hに対しては密着した状態で配置される。即ち、栓体57を栓部材55の排気用孔55h内に配置することにより、排気用孔55hは閉塞される。符号54bは第2ワイヤ54であり、第2ワイヤ54は、栓体引抜用ワイヤである。第2ワイヤ54の先端部は、栓体57のワイヤ固定孔57h内に接着、或いは溶接等によって気密に固定されている。
【0084】
第1孔15B1には、栓58及び第2脱落防止部材56bが配置される穴15B1hが設けられている。栓58は、弾性力を有する例えばゴム部材で構成された封止部材であり、軸方向にスリット58sを有している。第2脱落防止部材56bは、例えば金属製であり、軸方向貫通孔であるニードル通過孔56bhを有している。第2脱落防止部材56bは、栓58を穴15B1hに配置した後、穴15B1h内に配置され、接着、或いは溶接等によって外周面が気密に固定される。
【0085】
栓58のスリット58sには、流体供給用ニードル(以下、ニードルと略記する)59が通過配置され、第2脱落防止部材56bのニードル通過孔56bhにはニードル59が遊嵌配置される。ニードル59は、栓58の有する弾性力に抗してスリット58sに挿入される。栓58は、スリット58s内にニードル59が配置された状態においてはニードル59の外周面に密着して、スリット58s内からニードル59が抜去されている状態においてはスリット58sが密着して空気が流出することを防止する。
【0086】
なお、ニードル59は、流体供給孔となる軸方向貫通孔59hを有する例えば金属パイプである。ニードル59は、流体供給チューブ12の先端部に接着、或いは糸巻き接着等によって一体的に強固に固定されている。
【0087】
上述したように本実施形態のバルーン装置3Bは、流体供給チューブ12がバルーン部11Bの第2口金15Bから取り外し可能な構成になっている。
ガス配管検査用内視鏡装置100の作用を説明する。
【0088】
ガス配管検査用内視鏡装置100でガス配管内の検査を行うにあたって、作業者は、内視鏡2Aと、バルーン装置3Bと、案内用コイル4Aと、流体供給装置13と、内視鏡制御装置31と、チューブ用コイル35とを用意する。そして、作業者は、バルーン部11Bの第2口金15Bから延出している流体供給チューブ12、第1ワイヤ54a、第2ワイヤ54bをチューブ用コイル35の一方の開口から挿通して、他方の開口から延出させる。
【0089】
そして、作業者は、第2流体コネクタ12bを流体供給装置13の流体給排口13bに接続するとともに、フットスイッチ30を流体供給装置13に接続する。さらに、作業者は、ユニバーサルコード23の内視鏡コネクタ23aを制御ボックス32に接続する。
【0090】
次に、作業者は、ガス配管内の検査に移る。まず、作業者は、バルーン部11Bを挿入配置するため、検査するガス配管の蓋を開ける。そして、作業者は、例えば、前記図9で示したように、内視鏡2Aと、チューブ用コイル35を配置したバルーン装置3Bとを案内用コイル4A内に並列に配置した状態にして、案内用コイル4Aと共に、内視鏡2Aおよびバルーン装置3Bを配管9の深部に向けて挿入する。
【0091】
その後、作業者は、チューブ用コイル35を把持して、図19Aに示すようにチューブ用コイル35とともにバルーン部11Bを配管開口9aから配管9内に配置する。
なお、図19Aにおいて、案内用コイル4A及び挿入部21は不図示である。
【0092】
挿入後、作業者は、フットスイッチ30の第1スイッチ30aを操作してバルーン部11B内へのエアーの供給を開始する。すると、流体供給チューブ12、ニードル59、第1孔15B1を介してバルーン17内にエアーが送り込まれて、バルーン17が破線に示すように膨張して、バルーン17の外表面が配管9の内面に密着する。このことによって、配管9が閉塞状態にされて配管開口9aからのガスの漏出が停止する。
【0093】
ここで、作業者は、上述したように第2流体コネクタ12bを流体給排口13bから取り外す等の作業を行った後、案内用コイル4Aを挿入部21および流体供給チューブを覆うチューブ用コイル35から取り外し、再び可撓管部26の基端部を接続口22aに取り付ける。
【0094】
その後、作業者は、図19Bに示すようにチューブ用コイル35の先端をバルーン部11Bの第2口金15Bの基端面に押し付けるように保持しつつ、流体供給チューブ12を牽引して先端部に固定されたニードル59を栓58のスリット58sから抜去する。このとき、栓58のスリット58sが密着して閉塞状態になってバルーン17の膨張状態は維持される。
【0095】
そして、作業者は、流体供給チューブ12及びチューブ用コイル35を配管9内から取り出す。このことによって、検査する配管9内にはバルーン部11Bと、このバルーン部11Bから延出する2つのワイヤ54a、54bが残った状態になる。
【0096】
次いで、作業者は、図19Cに示すように内視鏡2Aの挿入部21を配管9内に挿入し、挿入部21を膨張したバルーン17を有するバルーン部11B近傍まで挿入していく。そして、作業者は、破線に示すようにバルーン部11B近傍に到達したなら、矢印Y16Cに示すように内視鏡2Aの挿入部21を徐々に後退させて、上述したように配管9内の亀裂の有無、腐食の有無等を検査する。
【0097】
作業者は、挿入部21の先端部24を配管開口9aから抜去して検査を終了した後、バルーン部11を配管9から取り出す。このとき、作業者は、フットスイッチ30の第2スイッチ30bを操作する代わりに、第2ワイヤ54bを引っ張って栓体57を栓部材55の排気用孔55hから引き抜く。
【0098】
すると、排気用孔55hからバルーン17内のエアーの排出が開始されて、バルーン17が収縮して、閉塞状態が解除される。ここで、作業者は、第1ワイヤ54a及び第2ワイヤ54bを引っ張って、バルーン部11B及び栓体57を配管9から引き出し、配管開口9aを蓋で閉塞する。このことによって、配管検査が完了する。
【0099】
このように、バルーン部11Bの第2口金15Bに第1孔15B1を設け、その第1孔15B1にスリット58sを有する栓58を配設し、そのスリット58sに流体供給チューブ12の先端部に設けたニードル59を通過配置させている。
【0100】
したがって、流体供給チューブ12、ニードル59を介してバルーン17内にエアーを供給して、バルーン17を膨張させることができる。また、流体供給チューブ12を引っ張ってニードル59をスリット58sから抜去した際にはスリット58sが密着状態になってバルーン17の膨張状態を維持することができる。この結果、内視鏡2A等による配管内検査の際、流体供給チューブ12によって観察視野が遮られる不具合が解消される。
【0101】
また、バルーン部11Bの第2口金15Bに第2孔15B2、第3孔15B3を設け、第3孔15B3に第1ワイヤ54aが固定されているワイヤ固定部材53を固定する一方、第2孔15B2に排気用孔55hを有する栓部材55を配設し、その排気用孔55hに第2ワイヤ54bが固定されている栓体57を配置して、排気用孔55hを塞いでいる。
【0102】
したがって、バルーン17が膨張して配管9にバルーン部11Bが固定されている状態のとき、第2ワイヤ54bを引っ張ることによって、栓体57を栓部材55の排気用孔55hから引き抜いてバルーン17を収縮させることができる。そして、バルーン17が収縮した後には、第1ワイヤ54aを引っ張ることによって、バルーン部11Bを配管9から引き出すことができる。
【0103】
なお、ニードル59の基端面にニードル抜去用ワイヤ(不図示)の一端部を一体的に固定して他端部を流体供給チューブ12の基端側から延出させておく。このことにより、ニードル59を栓58のスリット58sから抜去する際、流体供給チューブ12を牽引する代わりに抜去用ワイヤを牽引してニードル59を栓58のスリット58sから抜去することができる。
【0104】
また、流体供給チューブ12が第2口金15Bから取り外し可能なバルーン部11Bの構成は、上述した実施形態に限定されるものではなく、図20に示す第2口金15Cを構成して、流体供給チューブ12が第2口金15Cから取り外し可能なバルーン部11Cを備えるバルーン装置3Cを実現するようにしてもよい。
【0105】
ここで、図20−図21Bを参照してバルーン装置3Cのバルーン部11Cの構成及び作用を説明する。
図20に示すようにバルーン部11Cは、前記第1口金14Aと、第2口金15Cと、前記バルーン17とを備えて構成されている。
本実施形態において、第2口金15Cには、前記第1孔15B1と、第2孔15B2と、摘み凸部15Caが形成されている。摘み凸部15Caは、内視鏡2のチャンネル開口24cから突出される把持鉗子(図21Aの符号60参照)によって把持される突起である。
【0106】
本実施形態において、第2孔15B2の穴15B2hには、栓部材55及び第1脱落防止部材56aが配置されるが、栓部材55の排気用孔55h及び第1脱落防止部材56aの栓体通過孔56ahには中実な第2栓体57Aが配置される。第2栓体57Aは、摘み部57Aaと、栓部57Abとを備えている。摘み部57Aaは、前記把持鉗子60によって把持される突起である。
【0107】
栓部57Abは、栓体57と同様に第1脱落防止部材56aの栓体通過孔56ahに対しては遊嵌配置され、栓部材55の排気用孔55hに対して弾性力によって密着配置される。栓部57Abの先端には第3ワイヤ54cの基端部が半田等によって一体に固定されている。第3ワイヤ54cの先端部は、半田等によって第2口金15Cのバルーン側面15Cpに半田等によって一体に固定されている。第3ワイヤ54cは、第2栓体57Aが第2口金15Cから脱落することを防止する脱落防止部材である。
その他のバルーン部11Cの構成は、バルーン部11Bと同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0108】
バルーン部11Cを有するバルーン装置3Cを備えるガス配管検査用内視鏡装置100の作用を説明する。
作業者は、ガス配管内の検査を行うにあたって、作業者は、チャンネル開口24cを有する内視鏡2と、バルーン装置3Cと、流体供給装置13と、内視鏡制御装置31と、チューブ用コイル35とを用意する。そして、作業者は、バルーン部11Cの第2口金15Cから延出している流体供給チューブ12をチューブ用コイル35の一方の開口から挿通して、他方の開口から延出させる。そして、作業者は、上述と同様に第2流体コネクタ12bの流体給排口13bへの接続、フットスイッチ30の接続、内視鏡コネクタ23aの制御ボックス32への接続を行う。
【0109】
次に、作業者は、ガス配管内の検査に移る。この際、上述したように、作業者は、前記図19Aに示したようにチューブ用コイル35とともにバルーン部11Bを配管開口9aから配管9の深部に向けて挿入し、バルーン17を膨張させて配管9を閉塞状態にして配管開口9aからのガスの漏出を停止させる。
【0110】
ここで、作業者は、上述と同様に第2流体コネクタ12bを流体給排口13bから取り外すとともに、流体供給チューブ12を牽引してニードル59を栓58から抜去する。作業者は、流体供給チューブ12を配管9内から取り出すと共に、チューブ用コイル35を配管9内から取り出す。このことによって、本実施形態においては、配管9内にバルーン部11Cだけが留置された状態になる。
【0111】
次いで、作業者は、上述と同様に内視鏡2の挿入部21を配管9内に挿入し、挿入部21を膨張したバルーン17を有するバルーン部11C近傍まで挿入し、バルーン部11C近傍に到達したなら、内視鏡2の挿入部21を徐々に後退させて、配管9内の亀裂の有無、腐食の有無等を検査する。
【0112】
作業者は、挿入部21の先端部24を配管開口9aから抜去して検査を終了した後、バルーン部11を配管9から取り出す作業を行う。このとき、作業者は、第2ワイヤ54bを引っ張って栓体57を栓部材55の排気用孔55hから引き抜く代わりに、内視鏡2の挿入部21を再び、バルーン部11C近傍まで挿入する。
【0113】
その後、作業者は、処置具である把持鉗子60を、チャンネル管路を介して配管9内に導出させて、把持鉗子60で摘み部57Aaを把持する。そして、作業者は、図21Aに示すように把持鉗子60を引き戻し操作して、第2栓体57Aを排気用孔55h及び栓体通過孔56ahから抜去する。すると、排気用孔55hからバルーン17内のエアーの排出が開始されて、バルーン17が収縮して、閉塞状態が解除される。このとき、第2栓体57Aは、第3ワイヤ54cによって第2口金15Cから脱落することなくバルーン部11Cと一体である。
【0114】
ここで、作業者は、把持鉗子60で摘み凸部15Caを把持する。その後、作業者は、図21Bに示すように摘み凸部15Caを把持する把持状態を保持しつつ、内視鏡2の挿入部21及びバルーン部11Cを配管9内から回収し、配管開口9aを蓋で閉塞する。このことによって、配管検査が完了する。
【0115】
このように、バルーン部11Cの第2口金15Cに第2孔15B2および摘み凸部15Caを設け、第2孔15B2に排気用孔55hを有する栓部材55を配設し、その排気用孔55hに第3ワイヤ54cによって第2口金15Cに接続された第2栓体57Aを配置して、排気用孔55hを塞いでいる。
したがって、膨張したバルーン17で配管9を閉塞して内視鏡検査を行うとき、流体供給チューブ12及びワイヤ54a、54bによって観察視野を遮られる不具合が解消される。
【0116】
また、バルーン部11Cが配管9に固定されている状態のとき、内視鏡2のチャンネル開口24cから配管9内に導出させた把持鉗子60で第2栓体57Aを排気用孔55hから引き抜き抜くことによってバルーン17を収縮させることができる。そして、バルーン17が収縮した後には、把持鉗子60で摘み凸部15Caを把持して内視鏡2の挿入部21と共に配管9から抜去することにより、バルーン部11Cを配管9から引き出すことができる。
【0117】
なお、第2栓体57Aは、第3ワイヤ54cによってバルーン部11Cと一体である。そのため、バルーン部11Cを配管9から引き出すことにより、第2栓体57Aを紛失することなく配管9から取り出すことができる。
【0118】
次に、図22−図27を参照してチャンネル管路内を挿通する流体供給チューブをバルーン部11Dから取り外し可能にするバルーン装置3Dの構成及び作用を説明する。なお、以下の説明において同部材には同符号を付して説明を省略する。
本実施形態のバルーン装置3Dは、バルーン部11Dと、流体供給チューブ12Dと、前記第1実施形態で示した流体供給装置13とを備えて構成されている。図22に示すようにバルーン部11Dは、第1実施形態と同様にチャンネル開口24cから導出される流体供給チューブ12Dの先端部に配設されている。
【0119】
図22に示すように流体供給チューブ12Dは、チューブ体61の先端に軸方向貫通孔62hを有するニードル62を配設して構成されている。ニードル62は、チューブ体61の先端部に接着、或いは糸巻き接着等によって一体的に強固に固定されている。
【0120】
図22、図23に示すようにバルーン部11Dは、第1口金14と、第2口金15Dと、バルーン17とを主に備えて構成されている。第2口金15Dは、口金部63と栓64とを備えている。口金部63は、貫通孔63hを有するパイプ形状の金属部材である。栓64は、弾性力を有する例えばゴム部材で構成された封止部材であり、貫通孔63h内に収容される。
【0121】
口金部63は、バルーン取付段部65と、先端側に位置する第1抜け止め66と、基端側に位置する第2抜け止め67とを備えている。第1抜け止め66及び第2抜け止め67は、貫通孔63h内に収容された栓64が外部に脱落することを防止する突起である。栓64は、弾性力に抗して押し潰されて例えば第1抜け止め66の開口66hを通過して貫通孔63h内に配置される。
【0122】
バルーン取付段部65にはバルーン17の基端側が配置され、例えばC字形状のカシメ部材68によって口金部63に一体に取り付けられている。本実施形態においては、バルーン17の先端側も、バルーン取付段部14aにカシメ部材68によって取り付けられている。
【0123】
栓64は、軸方向にスリット64sとニードル配置穴64hとを有している。スリット64sにはニードル62が通過配置され、ニードル配置穴64h内にはスリット64sを通過したニードル62が配置される。ニードル62は、栓64の有する弾性力に抗してスリット64sに挿入される。
【0124】
栓64は、スリット64s内にニードル62が配置された状態においてはニードル62の外周面に密着し、スリット64s内からニードル62が抜去されている状態においてはスリット64sが密着して空気が漏れることを防止する。符号64aは案内凹部であり、ニードル62をスリット64sに導くテーパー形状の凹みである。
【0125】
ガス配管内の検査を行うにあたって、作業者は、内視鏡2と、バルーン装置3Dと、流体供給装置13と、内視鏡制御装置31と、案内用コイル4とを用意する。そして、作業者は、流体供給チューブ12Dのニードル62を挿入口26aからチャンネル管路内に挿入してチャンネル開口24cから導出させる。
【0126】
次に、作業者は、ニードル62を第2口金15Dの栓64に所定の状態に接続するとともに、第2流体コネクタ12bを流体供給装置13の流体給排口13bに接続し、その後、フットスイッチ30、ユニバーサルコード23の内視鏡コネクタ23aを第1実施形態で説明したように接続する。その後、作業者は、上述したようにガス配管内の検査に移る。
【0127】
そして、前記図3Cに示したようにバルーン17の外表面が配管9の内面に密着して配管9を閉塞した状態において、作業者は、流体供給チューブ12Dのチューブ体61を牽引してニードル62を栓64のスリット64sから抜去する。このことによって、本実施形態において、配管9内にバルーン部11Dが配設された状態になる。
【0128】
この後、作業者は、上述したように第2流体コネクタ12bを流体給排口13bから取り外す作業、可撓管部26の基端部を操作部22の接続口22aから取り外す作業、案内用コイル4を挿入部21から取り外す作業を行って挿入部21を配管9内に配置する。また、作業者は、案内用コイル4を挿入部21から取り外した後、可撓管部26の基端部を接続口22aに取り付ける。その後、作業者は、内視鏡2の挿入部21を徐々に後退させて、配管9内の亀裂の有無、腐食の有無等を検査する。
【0129】
作業者は、挿入部21の先端部24を配管開口9aから抜去して検査を終了した後、バルーン部11を配管9から取り出す作業を行う。このとき、作業者は、内視鏡2の挿入部21を再び、バルーン部11D近傍まで挿入し、その後、図24に示すように流体供給チューブ12Dの先端側、即ちニードル62とチューブ体61の先端部とをチャンネル開口24cから導出させる。
【0130】
そして、作業者は、内視鏡2の内視鏡画像を観察しつつ、ニードル62を栓64の案内凹部64aを介してスリット64sに差し込み、ニードル62の先端をニードル配置穴64hに配置させる。すると、ニードル62の軸方向貫通孔62hからバルーン17内のエアーの排出が開始されて、バルーン17が収縮して、閉塞状態が解除される。
【0131】
ここで、作業者は、チューブ体61を把持しつつ、内視鏡2の挿入部21を配管9内で後退させて、挿入部21及びバルーン部11Dを配管9内から抜去する。そして、作業者は、配管開口9aを蓋で閉塞して配管検査を完了する。
【0132】
このように、バルーン部11Dの第2口金15Dに栓64を設け、その栓64に流体供給チューブ12Dを構成するニードル62を着脱自在に取り付けられる構成にしている。この結果、膨張したバルーン17で配管9を閉塞して内視鏡検査を行うとき、流体供給チューブ12Dによって観察視野を遮られることなく配管9内の検査を行うことができる。
【0133】
なお、バルーン部11Dの第1口金14及び第2口金15Dを図25に示すように構成してバルーン17の端部を取り付けるようにしてもよい。
具体的に、図25に示すように第1口金14の略中央部及び栓64の略中央部に、それぞれバルーン取付周溝14g、64gを設ける。そして、第1口金14の外周にバルーン17の先端部を配置させた上で、C字形状のカシメリング69をバルーン取付周溝14gにカシメ配置させる。このことによって、バルーン17が第1口金14に取り付けられる。また、栓64のバルーン取付周溝64gにバルーン17の基端部を配置させた上で、C字形状のカシメリング69をバルーン取付周溝64gにカシメ配置させる。このことによって、バルーン17が第2口金15Dに取り付けられる。
【0134】
また、図26に示すように流体供給チューブ12Dを構成するニードル62の軸方向貫通孔62h内に、ニードル62の先端から予め定めた長さ突出する位置決突起62aを固設するようにしてもよい。
位置決め突起62aを設けることにより、位置決突起62aの先端が案内凹部64aに配置されることによって、ニードル62をスリット64sに容易に導くことができる。
【0135】
また、バルーン部11Cに第2口金15Dと略同様の構成の図27に示す第2口金15D1を設け、かつ、図27に示す流体供給チューブ12Eを構成して、ニードルを第2口金15D1に対して着脱自在な構成にしてもよい。
【0136】
具体的に、図27に示すバルーン部11C1は、第1の口金14Dと、コイル16と、バルーン17と、第2口金15Dとを備えて構成されている。第1口金14Dは、パイプ形状の第1口金部71を備え、第2口金15Dは第2口金部72を備えている。第1口金部71の貫通孔及び第2口金15Dの貫通孔の一端側内周面にはコイル16のそれぞれの端部が配設される凹部73が形成されている。
【0137】
本実施形態において、第1口金部71の貫通孔の他端側には中実の栓74が配置される。栓74は、弾性力を有する例えばゴム部材で構成された封止部材である。第2口金部72の貫通孔の他端側にはスリット64s、およびニードル配置穴64hを有する栓64が配置される。一方、流体供給チューブ12Eは、チューブ体61と、接続環75と、シース76とを備えて構成されている。
【0138】
接続環75は、ニードル部77と、口金連結部78と、シース連結部79とを有して構成されている。ニードル部77には軸方向貫通孔77hが形成されている。ニードル部77の基端部には、チューブ体61の先端部が固定されている。
口金連結部78は、第2口金15D1を構成する第2口金部72の外周に外嵌配置される。口金連結部78は、第2口金部72に対して着脱自在である。
シース連結部79には、シース76の先端部が外嵌配置される。シース76の先端部は、シース連結部79に対して接着、糸巻き接着等によって一体的に固定される。シース76は、予め定めた弾発性を有する樹脂製のチューブ体である。
【0139】
本実施形態において、接続環75の口金連結部78を第2口金部72に予め定めた状態で取り付けることによって、ニードル部77がスリット64sを通過してニードル配置穴64hに配置されるようになっている。
【0140】
そして、流体供給チューブ12Eを構成する接続環75の口金連結部78は、内視鏡検査開始前、作業者によってバルーン部11C1の第2口金部72に取り付けられる。一方、接続環75は、バルーン17が膨らんで配管開口を閉塞した状態において、作業者がシース76を牽引することによって第2口金部72から取り外される。そして、接続環75の口金連結部78は、内視鏡検査終了後、バルーン17が膨らんで配管開口を閉塞した状態において、作業者が内視鏡観察状態でシース76を手元操作することによって再び第2口金部72に取り付けられて、ニードル部77がスリット64sを通過してニードル配置穴64hに配置される。
【0141】
このことによって、膨らんでいたバルーン17内のエアーの排出が開始されてバルーン17が収縮してバルーン17による閉塞状態が解除される。そして、バルーン17が収縮したバルーン部11C1は、作業者がシース76を牽引することによって配管から抜去される。
【0142】
ところで、上述した実施形態においては、配管開口から挿入したバルーン装置のバルーンを膨らませて配管を閉塞した後、バルーン近傍から配管開口まで内視鏡によって検査するとしている。しかし、図28−図30に示すガス配管検査用内視鏡装置200を構成することによって、配管に密着配置されるバルーンより配管深部の内視鏡検査を行うことが可能になる。
【0143】
図28−図30を参照してガス配管検査用内視鏡装置200の構成及び作用を説明する。
図28、図29に示すようにガス配管検査用内視鏡装置200は、少なくとも観察光学部24a及び照明部24bを有する内視鏡2Aと、内視鏡案内チューブ80とを備えて構成されている。
【0144】
図28に示すように内視鏡案内チューブ80は、シース81と、バルーン部82とを備えて構成されている。シース81は、例えば2つの貫通孔を有するマルチルーメンチューブであって、流体供給孔81aと、挿入部挿通孔81bとを備えている。
流体供給孔81aの基端には第1の継手91aが設けられている。第1の継手91aには流体供給装置13から延出する第1チューブ92aが接続されるようになっている。
挿入部挿通孔81bの内径は、内視鏡2の挿入部21の外径より予め定めた寸法大きく形成され、挿入部21が挿入部挿通孔81bをスムーズに進退する構成になっている。
【0145】
バルーン部82は、先端部83と基端部84と、一対のバルーン85、86とを備えてダブルバルーンとして構成されている。第1バルーン85は、外側バルーンでありチューブ状である。第2バルーン86は、内側バルーンでありチューブ状である。
【0146】
先端部83は、第1バルーン固定リング87と、封止部材88と、第2バルーン固定リング89とを備えて構成されている。基端部84は、第1バルーン固定リング87と、シース先端部81cと、第2バルーン固定リング89とを備えて構成されている。第1バルーン固定リング87は、リング形状であり、その外径は、シース81の外径と略同寸法である。
【0147】
先端部83を構成する第1バルーン固定リング87の内周面側には環状の封止部材88が配置される。第1バルーン85の先端部は、封止部材88の外周面と第1バルーン固定リング87の内周面との間に密着配置される。一方、基端部84を構成する第1バルーン固定リング87の内周面側にはシース先端部81cが配置される。第1バルーン85の基端部は、シース先端部81cの外周面と第1バルーン固定リング87の内周面との間に密着配置される。封止部材88は、予め定めた弾性力を有する例えばゴム部材で構成されている。
【0148】
第2バルーン固定リング89も、第1バルーン固定リング87と同様にリング形状であり、その内径は、挿入部21の外径より予め定めた寸法大きく設定されて、挿入部21がスムーズに通過する構成になっている。
【0149】
先端部83を構成する第2バルーン固定リング89の外周面側には封止部材88が配置される。第2バルーン86の先端部は、封止部材88の内周面と第2バルーン固定リング89の外周面との間に密着配置される。一方、基端部84を構成する第2バルーン固定リング89の外周面側にはシース先端部81cが配置される。第2バルーン86の基端部は、シース先端部81cの内周面と第2バルーン固定リング89の外周面との間に密着配置される。
【0150】
この構成によれば、第1チューブ92a、第1の継手91a、流体供給孔81aを介してエアーが供給されることによって、第1バルーン85が破線に示すように外側に膨張して、第2バルーン86が破線に示すように内側に膨張する。
【0151】
本実施形態において、シース81の外周面には第1閉塞部材93が進退自在に設けられている。また、バルーン部82の先端面には第2閉塞部材94が設けられている。
第1閉塞部材93は、シース81が挿通可能な軸方向孔93hを備え、軸方向孔93hの内周面の予め定めた位置には保持部材と閉塞部材とを兼ねるOリング95が配設されている。第1閉塞部材93は、Oリング95の付勢力に抗してシース81の軸方向に対して進退可能である。第1閉塞部材93は、例えばテーパー形状の把持面93aと、パイプ形状のバルーン取付面93bとを備えている。
【0152】
バルーン取付面93bには第3バルーン96が例えば糸巻き接着によって固定されている。第1閉塞部材93には、流体管路93cが形成されており、流体管路93cの一端は、例えば基端面で開口し、流体管路93cの他端はバルーン取付面93bで開口している。そして、基端面開口には第2の継手91bが設けられている。第2の継手91bには流体供給装置13から延出する第2チューブ92bが接続されるようになっている。
【0153】
一方、第2閉塞部材94は、先端部83の先端開口を閉塞する。図28、図29に示すように第2閉塞部材94は、複数、例えば3枚の平板弾性ゴム94a、94b、94cで構成されている。複数の平板弾性ゴム94a、94b、94cは、円弧部94dを封止部材88に固設して、初期状態において隣り合う平板弾性ゴム94a、94b、94c同士が重なり合って密着して配置されるようになっている。
【0154】
複数の平板弾性ゴム94a、94b、94cは、配管内のガスが先端開口から内視鏡案内チューブ80内に侵入することを防止する一方、挿入部21が先端開口から外部に導出される際には図28の破線に示すように弾性変形して挿入部21を通過させる。本実施形態において、平板弾性ゴム94a、94b、94cは、半透明である。
【0155】
ガス配管検査用内視鏡装置200の作用を説明する。
作業者は、検査するガス配管の蓋を開け、配管開口9aから配管9の奥方に向けて、内視鏡2Aの挿入部21が配置されている内視鏡案内チューブ80を挿入していく。作業者は、シース81の予め定めた位置に配置した第1閉塞部材93が配管開口9aの奥方に配置させたなら、第1チューブ92a、第2チューブ92bを介してエアーを供給する。
【0156】
すると、図30に示すように第1バルーン85が外側に膨らんで配管9の内周面に密着する一方、第2バルーン86が図28の破線に示すように内側に膨らんでバルーン部82の内部に配置されている挿入部21の先端側外周面に密着した状態になる。また、第3バルーン96も、膨らんで配管9の内周面に密着する。
【0157】
そして、第1バルーン85及び第3バルーン96が配管9の内周面に密着すること、および第2閉塞部材94によってバルーン部82の先端部83の開口が塞さがれていることにより、配管9内のガスが外部に流出することが防止される。
【0158】
ここで、作業者は、挿入部21を配管9内に導出させるため、第2バルーン86の挿入部21の外周面に対する密着状態を和らげる。即ち、第1バルーン85と第2バルーン86との隙間のエアーを、第1チューブ92aを介して排出して、第1バルーン85及び第2バルーン86を所望の量収縮させる。このことによって、挿入部21が第2バルーン86の付勢力に抗して進退可能な状態になる。そして、作業者が、挿入部21を押し出すことによって、図30に示すように挿入部21が配管9内に導出される。
【0159】
このとき、少なくとも第3バルーン96が配管9の内周面に密着していること、および第2バルーン86が挿入部21の外周面に密着していることにより、配管9内のガスが外部に流出することが防止される。
【0160】
作業者は、配管9内に挿入部21を所望の長さ導出させたなら、挿入部21を第2バルーン86の付勢力に抗して徐々に後退させて、配管9内の亀裂の有無、腐食の有無等を検査する。そして、作業者は、挿入部21が再びバルーン部82内に引き戻されたなら、引き続き挿入部21を後退させて内視鏡案内チューブ80から挿入部21を抜去する。
【0161】
その後、作業者は、第1チューブ92a、第2チューブ92bを介してエアーを排出する。すると、第1バルーン85及び第2バルーン86をさらに収縮させるとともに、第3バルーン96が収縮する。作業者は、配管9内から内視鏡案内チューブ80を抜去し、配管開口9aを蓋で閉塞して配管検査を完了する。
【0162】
このように、第1バルーン85及び第2バルーン86を有するバルーン部82と、シース81とを備え、シース81に第3バルーン96を有する第1閉塞部材93を設ける一方、バルーン部82に先端部83の先端開口を塞ぐ平板弾性ゴム94a、94b、94cで構成された第2閉塞部材94を設けて内視鏡案内チューブ80を構成する。そして、第2バルーン86を膨らませて挿入部21の外周面に密着させると共に、第3バルーン96を膨らませて配管9の内周面に密着させる。
このことにより、配管9内のガスが配管開口9aから流出することを防止して、挿入部21を内視鏡案内チューブ80から配管9の深部に導出させて内視鏡2による配管の検査を行うことができる。
【0163】
なお、上述した実施形態において、図31に示すようにシース81の外周に案内部材として外コイル97を配設して内視鏡案内チューブ80Aを構成するようにしてもよい。外コイル97を設ける構成とすることにより、シース81の柔軟性を図れる。外コイル97は、先端側に位置する柔軟性に優れた疎巻きコイル部97aと、疎巻きコイル部97aの先端から予め定めた距離、離間した位置に固定される拡径部材8dと、疎巻きコイル部97aに連設する密巻きコイル部97bとを備えて構成されている。密巻きコイル部97bは、押し込み性に優れ、予め設定した弾性力及び剛性を有している。
【0164】
このように、柔軟性を図ったシース81の外側に上述の構成の外コイル97を設けることによって、内視鏡案内チューブ80Aの配管内での挿入性を大幅に向上させることができる。その他の作用及び効果は上述した内視鏡案内チューブ80と同様である。
【0165】
なお、シース81の外側に外コイル97を設ける代わりに、図32に示すようにバルーン部82の先端側に先端案内コイル98を設けて内視鏡案内チューブ80Bを構成するようにしてもよい。
【0166】
図32に示すように内視鏡案内チューブ80Bは、先端側から順に、先端案内コイル98、バルーン部82、シース81を備えて構成されている。先端案内コイル98は、第1コイル部98aと、第2コイル部98bとを備えて構成されている。
第1コイル部98aは、柔軟性に優れた疎巻きコイルであり、第2コイル部98bは、弾性力及び剛性に加えて柔軟性を有する密着コイルバネである。
【0167】
そして、本実施形態においては、第1コイル部98aが最も柔軟で、第2コイル部98b、バルーン部82、シース81と基端側にいくにしたがって、柔軟性が低下する、言い換えれば、剛性が増す構成になっている。また、第1コイル部98aの先端より予め定めた距離離間した位置に拡径部材8dを設けて内視鏡案内チューブ80Bの挿入性の向上を図っている。
【0168】
なお、本実施形態においては、図33に示すように配管開口9aから屈曲部9eの屈曲部開口9eaまでの距離がLの場合、内視鏡案内チューブ80Bを構成する拡径部材8dの基端からバルーン部82を構成する先端部83の先端までの距離をLに設定する。
【0169】
上述のように構成した内視鏡案内チューブ80Bの作用を説明する。
作業者は、検査するガス配管の蓋を開け、図33に示すように配管開口9aから配管9の奥方に向けて、内視鏡2Aの挿入部21が配置されている内視鏡案内チューブ80Bを挿入していく。内視鏡案内チューブ80Bにおいては、先端側の柔軟性が高いこと、また、柔軟性の最も高い第1コイル部98aの先端側に拡径部材8dが備えられているため、第1コイル部98aの先端側は屈曲部9eで段差に接触することなくスムーズに配管9の奥方に配置されて前進する。
【0170】
そして、挿入途中において拡径部材8dが段差に引っかかってしまった場合であっても、更なる前進、即ち、押し込み動作が継続されることによって、第1コイル部98aが収縮しつつ屈曲する。すると。第1コイル部98aの屈曲に伴って拡径部材8dと段差との接触点が変化し拡径部材8dが捩られて段差との引っかかりが解除される。すると、収縮されていた第1コイル部98aの弾性力によって、拡径部材8dが段差を通過し配管9の奥方に移動される。そして、拡径部材8dは、屈曲部開口9eaを通過する。
【0171】
このとき、拡径部材8dの基端から先端部83の先端までの距離がLに設定されているため、配管開口9aにバルーン部82が配置される。このため、作業者は、第2コイル部98bより剛性の高いバルーン部82、更に剛性の高いシース81を移動させて、内視鏡案内チューブ80Bの先端を配管9の奥方に配置することができる。
【0172】
このように、内視鏡案内チューブ80を構成するバルーン部82の先端側に第1コイル部98a、第2コイル部98bを備える先端案内コイル98を設けて、第1コイル部98aが最も柔軟で、第2コイル部98b、バルーン部82、シース81と基端側にいくにしたがって、柔軟性が低下する内視鏡案内チューブ80Bを構成する。加えて、内視鏡案内チューブ80Bの第1コイル部98aに拡径部材8dを設ける。
このことにより、内視鏡案内チューブ80Bの配管内での挿入性を大幅に向上させることができる。その他の作用及び効果は上述した内視鏡案内チューブ80と同様である。
【0173】
上述した実施形態においては、ガス配管検査用内視鏡装置200は、内視鏡2Aと、内視鏡案内チューブ80、80A、80Bとを備える構成である。しかし、内視鏡案内チューブ80の代わりに内視鏡案内コイル300を備えるガス配管検査用内視鏡装置200Aを構成するようにしてもよい。
【0174】
図34及び図35を参照してガス配管検査用内視鏡装置200Aを説明する。
本実施形態のガス配管検査用内視鏡装置200Aは、例えば図34に示すように内視鏡2Bと、内視鏡案内コイル300とを備えて構成されている。
内視鏡2Bは、少なくとも観察光学部24a及び照明部24b1を有するカメラヘッド99を有し、カメラヘッド99からは信号ケーブル(不図示)が延出している。内視鏡2Bの照明部24bは、複数のLEDを配列して構成されている。符号99aはカメラケーブル用コイルであり、信号ケーブルを覆う密着コイルバネである。カメラケーブル用コイル99aは、押し込み性に優れ、予め設定した弾性力及び剛性を有している。
【0175】
図34、図35に示すように内視鏡案内コイル300は、先端側から順に、先端コイル部301、拡径部302、バルーン部303、挿入コイル部304を連設して構成されている。挿入コイル部304は、押し込み性に優れ、予め設定した弾性力及び剛性を有する密着コイルバネである。一方、先端コイル部301は、柔軟性に優れた疎巻きコイルである。
【0176】
本実施形態において、バルーン部303は、前記バルーン部82と略同様の構成であり、以下の説明において同部材には同符号を付して説明を省略する。
バルーン部303は、先端部311と基端部312と、一対のバルーン313、314と、間隔規定コイル315とを備えてダブルバルーンとして構成されている。第1バルーン313は、外側バルーンであり、第2バルーン314は、内側バルーンである。本実施形態においてバルーン313、314は、伸び方向を径方向にするため、バルーン313、314の表面には長手方向に伸びることを防止する繊維部材が例えば接着によって一体に固定されている。間隔規定コイル315は、予め定めたピッチ及び長さのコイル部材である。
【0177】
先端部311は、第1バルーン固定リング87と、第1封止部材316と、第2バルーン固定リング89とを備えて構成されている。基端部312は、第1バルーン固定リング87と、第2封止部材317及び挿入コイル部先端304aと、第2バルーン固定リング89とを備えて構成されている。第1バルーン固定リング87の外径は、挿入コイル部304の外径より所定寸法大径である。封止部材316、317は、予め定めた弾性力を有する例えばゴム部材で構成されている。
【0178】
先端部311を構成する第1バルーン固定リング87の内周面側には第1封止部材316が配置される。第1バルーン313の先端部は、第1封止部材316の外周面と第1バルーン固定リング87の内周面との間に密着配置される。一方、基端部312を構成する第1バルーン固定リング87の内周面側には第2封止部材317が配置される。本実施形態においては、第1バルーン固定リング87の内周面と第2封止部材317との間に第1バルーン313の基端部が密着配置されると共に、挿入コイル部先端304aが固定される。
【0179】
第2バルーン固定リング89の内径は、カメラヘッド99の外径より予め定めた寸法大きく設定されている。先端部311を構成する第2バルーン固定リング89の外周面側には第1封止部材316が配置される。第2バルーン314の先端部は、第2封止部材317の内周面と第2バルーン固定リング89の外周面との間に密着配置される。一方、基端部312を構成する第2バルーン固定リング89の外周面側には第2封止部材317が配置される。第2バルーン314の基端部は、挿入コイル部先端304aの内周面と第2バルーン固定リング89の外周面との間に密着配置される。
【0180】
そして、第2封止部材317の予め定め位置には軸方向貫通孔が形成されており、その軸方向貫通孔内には継手318が配置されている。継手318には、挿入コイル部304内に挿通配置された流体供給チューブ319の先端部が固定されている。
【0181】
この構成によれば、流体供給チューブ319、継手318を介してエアーが供給されることによって、第1バルーン313が軸方向に膨張することなく外周方向に向かって膨張し、第2バルーン314も軸方向に膨張することなく中心軸方向に向かって膨張して間隔規定コイル315を収縮させる。このことによって、間隔規定コイル315のピッチが狭くなり、硬くなり形状が安定する。
【0182】
なお、第1封止部材316は、細長な管状部材であり、本実施形態においてはその先端側がバルーン固定リング87、89の先端面から突出している。そして、第1封止部材316の先端には先端コイル固定段部316aが設けられている。段部316aには先端コイル部301の基端部が例えば接着によって一体に固定されている。加えて、第1封止部材316の先端側外周面には拡径部材8dが例えば接着によって一体に固定されている。
また、挿入コイル部304の基端には前記第1閉塞部材93を配設するためのシース(不図示)が設けられている。
【0183】
上述のように構成した内視鏡案内コイル300は、バルーン部303の基端側に挿入コイル部304を有し、且つバルーン部303の先端側に拡径部材8dを有することによって、配管内での挿入性を大幅に向上させることができる。
【0184】
また、内視鏡案内コイル300は、バルーン部303と、第1閉塞部材93とを備えることにより、前記実施形態で説明したように第2バルーン314がカメラケーブル用コイル99aの外周面に密着した状態になるとともに、第3バルーン96も配管9の内周面に密着した状態になる。このことによって、配管内のガスが大量に外部に流出することが防止してバルーン部303より先端側の配管内の検査を行うことができる。
【0185】
なお、上述した図32、図33で示した実施形態においては、屈曲部を有する配管への挿入性の向上を図る目的で、内視鏡案内チューブ80Bを先端側から順に、第1コイル部98aと第2コイル部98bとを備える先端案内コイル98、バルーン部82、及びシース81を連設する構成に、第1コイル部98aが最も柔軟で、第2コイル部98b、バルーン部82、シース81と基端側にいくにしたがって柔軟性が低下する構成にしている。しかし、図36に示すようにガス配管検査用内視鏡装置200Bを内視鏡2B1と内視鏡案内チューブ80B1とで構成するようにしてもよい。
【0186】
図36に示すように内視鏡2B1は、カメラケーブル用コイル99aの先端から予め定めた距離離間した位置にダブルバルーンとして構成されるバルーン部303を設けている。その他の構成は上述した内視鏡2Bと同様であり、同部材に同符号を付して説明を省略する。一方、内視鏡案内チューブ80B1は、先端側から順に、第1コイル部98aと第2コイル部98bとを備える先端案内コイル98、及びシース81を連設する構成であり、第1コイル部98aが最も柔軟で、第2コイル部98b、シース81と基端側にいくにしたがって柔軟性が低下する構成である。
【0187】
上述のガス配管検査用内視鏡装置200Bでガス配管の検査を行う際、作業者は、内視鏡2B1を内視鏡案内チューブ80B1に対して所定の位置に配置する。即ち、作業者は、カメラケーブル用コイル99aに設けられているバルーン部303を図中の破線に示すように第2コイル部98bの基端側に配置する。
そして、バルーン部303を膨らませて、第1バルーン313を第2コイル部98bの内周面に密着させる。このことによって、内視鏡2B1が配置された内視鏡案内チューブ80B1は、第1コイル部98aが最も柔軟で、第2コイル部98b、膨張したバルーン部303を有する第2コイル部98b、シース81と基端側にいくにしたがって柔軟性が低下する構成になる。
【0188】
つまり、上述した内視鏡案内チューブ80Bと同様に基端側にいくにしたがって剛性が増す構成になっている。
このことにより、内視鏡案内チューブ80Bと同様な配管内への挿入性を得ることができる。
【0189】
また、上述したバルーン部11−11Dにおいてはバルーン部が所望する膨張状態になって配管に密着している状態であるか否かを目視にて確認する方法がない。図37Aは告知部を備えるバルーン部350であり、このバルーン部350によれば、作業者は、バルーンが所望の膨張状態になって配管に密着した状態になったことを内視鏡を通して目視で確認することができる。
【0190】
図37Aに示すようにバルーン部350は、先端部351と基端部352と、バルーン353と、間隔規定コイル354と、電池355と、接点機構356とを備えて構成されている。基端部352には例えば発光素子であるLED357が設けられている。
【0191】
本実施形態のバルーン353は、上述したバルーン313、314と同様、伸び方向を径方向にするため、バルーン353の表面には長手方向に伸びることを防止する繊維部材が例えば接着によって一体に固定されている。
【0192】
そして、バルーン353の先端側は、先端部351のバルーン取付段部361に糸巻き接着等により固定され、バルーン353の基端側は、基端部352のバルーン取付段部362に糸巻き接着等により固定されている。
間隔規定コイル354は、予め定めたピッチ及び長さのコイル部材である。間隔規定コイル354内には電池355及び複数の接点機構356が所定の間隔を設けて配置されている。
【0193】
この構成によれば、流体供給チューブ、或いはニードルを介してバルーン353内にエアーが供給されると、図37Bに示すようにバルーン353は軸方向に膨張することなく外周方向に向かって膨張して間隔規定コイル354のピッチを狭くする。すると、間隔規定コイル354内に配置されていた電池355及び複数の接点機構356が当接して、LED357が点灯する。
このことによって、作業者は、LED357の点灯を確認して、バルーンが所望の膨張状態であることを認識することができる。
【0194】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0195】
1、1A…ガス配管検査用内視鏡装置 2、2A、2B、2B1…内視鏡
3、3A、3B、3C、3D…バルーン装置 4…案内部材
4、4A…案内用コイル 4S、4S1…案内部材 5…信号ケーブル
5a…第1電気コネクタ 5b…第2電気コネクタ 6…モニター部
7…内シース 7a…チューブ体 7a1…流体供給孔 7a2…挿入部通過孔
7b…内シース用バルーン部 7c…先端部 7d…基端部 7e…第1バルーン
7f…第2バルーン 7g…第1バルーン固定リング 7h…第1封止部材
7j…第2バルーン固定リング 7k…第2封止部材 7k1…接続凸部
7k2…流体通過孔 8d…拡径部材 8f、8fA、8fB…平板 9…配管
9a…配管開口 9d…下流側配管 9e…屈曲部 9ea…屈曲部開口
9ta…T字管開口 9tf…T字管開口対向面 9u…上流側配管
11、11A、11A1、11A2、11B、11C、11C1、11D…バルーン部
12、12D、12C…流体供給チューブ 12a…第1流体コネクタ
12b…第2流体コネクタ 12k、12k1…曲がり癖 13…流体供給装置 13a…装置本体 13b…流体給排口 13c…カメラコネクタ
14、14A、14A1、14D…第1口金 14a…バルーン取付段部
14b…管取付凸部 14g…バルーン取付周溝 15B1…第1孔
15、15A、15A1、15A2、15B、15C、15D、15D1…第2口金
15B1h…穴 15B2…第2孔 15B2h…穴 15B3…第3孔
15Ca…摘み凸部 15Cp…バルーン側面 15a…バルーン取付段部
15b…管取付凸部 15c…流体路 15d…接点部 15e…チューブ接続部
16…コイル 17…バルーン 18…カメラ部 19…照明部
20…信号ケーブル 21…挿入部 22…操作部 22a…接続口
23…ユニバーサルコード 23a…内視鏡コネクタ 24…先端部
24a…観察光学部 24b、24b1…照明部 24c…チャンネル開口
25…湾曲部 26…可撓管部 26a…挿入口 27…ハンドル部
28…湾曲操作レバー 29…スイッチ類 30…フットスイッチ
30a…第1スイッチ 30b…第2スイッチ 31…内視鏡制御装置
32…制御ボックス 33…モニター部 34…入力部 35…チューブ用コイル
41…内視鏡用案内部 41a…案内部先端 42…バルーン用案内部
42a…案内部先端 43…角形挿入部 44…角形湾曲部 44a…角形パイプ
44af…先端角形パイプ 44ap…傾斜面 44b…ヒンジ
45…リング状部材 53…ワイヤ固定部材 53a…鍔部
53h…ワイヤ固定孔 54、54a…第1ワイヤ 54b…第2ワイヤ
54c…第3ワイヤ 55…栓部材 55h…排気用孔
56a…第1脱落防止部材 56ah…栓体通過孔 56b…第2脱落防止部材
56bh…ニードル通過孔 57…栓体 57A…第2栓体 57Aa…摘み部
57Ab…栓部 57h…ワイヤ固定孔 58…栓 58s…スリット
59…ニードル 59h…軸方向貫通孔 60…把持鉗子 61…チューブ体
62…ニードル 62a…位置決突起 62h…軸方向貫通孔 63…口金部
63h…貫通孔 64…栓 64a…案内凹部 64g…バルーン取付周溝
64h…ニードル配置穴 64s…スリット 65…バルーン取付段部
66h…開口 68…カシメ部材 69…カシメリング 71…第1口金部
72…第2口金部 73…凹部 74…栓 75…接続環 76…シース
77…ニードル部 77h…軸方向貫通孔 78…口金連結部
79…シース連結部 80、80A、80B、80B1…内視鏡案内チューブ
81…シース 81a…流体供給孔 81b…挿入部挿通孔
81c…シース先端部 82…バルーン部 83…先端部 84…基端部
85…第1バルーン 86…第2バルーン 87…第1バルーン固定リング
88…封止部材 89…第2バルーン固定リング 91a…第1の継手
91b…第2継手 92a…第1チューブ 92b…第2チューブ
93…第1閉塞部材 93a…把持面 93b…バルーン取付面
93c…流体管路 93h…軸方向孔 94…第2閉塞部材
94a…平板弾性ゴム 94d…円弧部 95…Oリング 96…第3バルーン
97…外コイル 97a…疎巻きコイル部 97b…密巻きコイル部
98…先端案内コイル 98a…第1コイル部 98b…第2コイル部
99…カメラヘッド 99a…カメラケーブル用コイル
100、200、200A、200B…ガス配管検査用内視鏡装置
300…内視鏡案内コイル 301…先端コイル部 302…拡径部
303…バルーン部 304…挿入コイル部 304a…挿入コイル部先端
311…先端部 312…基端部 313…第1バルーン 314…第2バルーン
315…間隔規定コイル 316…第1封止部材 316a…先端コイル固定段部
317…第2封止部材 318…継手 319…流体供給チューブ
350…バルーン部 351…先端部 352…基端部 353…バルーン
354…間隔規定コイル 355…電池 356…接点機構
361…バルーン取付段部 362…バルーン取付段部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察光学部及び照明部を備える先端部を有する可撓性の挿入部と、挿入部に連設する操作部とを備える内視鏡と、
バルーンを有するバルーン部、バルーンに流体を供給する流体供給チューブ及び流体供給装置を備えるバルーン装置と、前記内視鏡の挿入部および前記バルーン部及び前記流体供給チューブを配管内の目的部位に導く案内用コイルと、を具備するガス配管検査用内視鏡装置において、
前記内視鏡の挿入部の基端部は、前記操作部から着脱自在で、且つ、前記流体供給チューブは、前記流体供給装置から着脱自在であることを特徴とするガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項2】
前記流体供給装置に着脱自在な流体供給チューブの端部には弁付コネクタが設けられ、前記弁付コネクタの弁は該流体供給装置に接続された状態において開放され、取り外された状態では閉塞されることを特徴とする請求項1に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項3】
前記バルーン装置の流体供給チューブは、前記内視鏡のチャンネル管路内に挿通されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項4】
前記バルーン装置のバルーン部及び流体供給チューブと、前記内視鏡の挿入部とは前記案内用コイル内に並列に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項5】
前記内視鏡が内シース内に挿通されて前記案内用コイル内に配置される構成において、
前記内シースは、該内シースの外周方向に膨らむ第1バルーンと該内シースの中心軸方向に膨らむ第2バルーンとを備え、
前記第1バルーンと前記第2バルーンとの間に流体が供給されることによって、前記第1バルーンは、該内シースの外周方向に膨張する一方、前記第2バルーンは内シースの中心軸方向に膨張することを特徴とする請求項3に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項6】
前記案内用コイルは、断面形状が円形或いは矩形であることを特徴とする請求項4に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項7】
前記案内用コイルのうち断面形状が矩形の案内用コイルは、矩形な第1案内部と矩形な第2案内部とを組み合わせて構成されることを特徴とする請求項6に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項8】
前記バルーン部は、第1端と第2端とを備え、前記第1端を構成する硬質な第1口金と前記第2端を構成する第2口金との間に膨縮可能なバルーンを設けて構成され、
前記第1口金及び前記第2口金のうち少なくとも該第1口金にカメラ部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項9】
観察光学部及び照明部を備える先端部を有する可撓性の挿入部と、挿入部に連設する操作部とを備える内視鏡と、
バルーンを有するバルーン部、バルーンに流体を供給する流体供給チューブ及び流体供給装置を備えるバルーン装置と、前記内視鏡の挿入部および前記バルーン部及び前記流体供給チューブを配管内の目的部位に導く案内用コイルと、を具備するガス配管検査用内視鏡装置において、
前記内視鏡の挿入部の基端部は、前記操作部から着脱自在で、且つ、前記流体供給チューブの一端は少なくとも前記バルーン部から取り外し可能で、他端は前記流体供給装置から着脱自在であることを特徴とするガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項10】
前記流体供給チューブは、一端側に流体供給孔を有する金属パイプを備え、前記バルーン部は、前記金属パイプが挿通可能なスリットを有する弾性力を有する封止部材としての栓が配設される第1軸方向貫通孔を備える構成において、
前記第1軸方向貫通孔に配設された栓は、該スリット内に該金属パイプが配置された状態においては当該金属パイプの外周面に密着して該バルーン内の空気が流出することを防止し、前記金属パイプが当該スリットから抜去されている状態においては前記スリットが密着して当該バルーン内の空気が流出することを防止することを特徴とする請求項9に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項11】
前記バルーン部は、前記第1軸方向貫通孔に加えて、第2軸方向貫通孔及び第3軸方向貫通孔を備え、
前記第3軸方向貫通孔には、バルーン部取出用ワイヤの端部に固定されたワイヤ固定部材が気密に固定され、前記第2軸方向貫通孔には、弾性力を有する部材で構成され排気用孔を有する栓部材が配置され、
前記排気用孔には、栓体引抜用ワイヤの端部が固定された例えば金属製の栓体が前記栓部材の弾性力に抗して配置されることを特徴とする請求項10に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項12】
前記バルーン部は、
前記金属パイプが挿通可能なスリットを有する弾性力を有する封止部材としての栓が配設される第1軸方向貫通孔と、
弾性力を有する部材で構成され排気用孔を有する栓部材が配置される第2軸方向貫通孔と、
前記内視鏡のチャンネル管路から導出される処置具によって把持される摘み凸部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項13】
前記流体供給チューブは、一端側に流体供給孔を有する金属パイプを備え、前記バルーン部は、前記金属パイプが挿通可能なスリットを有する弾性力を有する封止部材を備えることを特徴とする請求項9に記載のガス配管検査用内視鏡装置。
【請求項14】
前記バルーン部は、第1端と第2端とを備え、前記第1端を構成する硬質な第1口金と前記第2端を構成する第2口金との間に膨縮可能なバルーンを設けて構成され、
前記第1口金及び前記第2口金のうち少なくとも該第2口金に発光素子を設け、バルーン内に電池及び接点機構を設けたことを特徴とする請求項1または請求項9に記載のガス配管検査用内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37A】
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【図37B】
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【公開番号】特開2012−163707(P2012−163707A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23083(P2011−23083)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】