説明

ガラスシートを成形のために位置決めするための方法及びシステム

【課題】 ガラスシートを成形のために位置決めするための改良された方法及びシステムを提供する。
【解決手段】 外側及び内側の成形フロントガラスのガラスシートを形成するための特定の実用性を有する方法及び成形システム(10)は、1つのサイクルから次のサイクルへのガラスシート間の任意のサイズ差にかかわらず、成形モールド(32)の成形面(34)上の中心にガラスシートを位置決めして、各ガラスシートを設計形状に合うように成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスシートを成形のために位置決めするための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスシートは、従来、加熱炉内においてコンベア上で加熱することにより成形し、その後、送出して冷却することで成形される。そのような冷却(cooling)は、焼鈍し(annealing)を行うための徐冷であることができ、又は加熱補強(heat strengthening)若しくは焼戻し(tempering)を行う急冷(faster cooling)であることができる。ガラスシートの加熱に関しては、McMasterらの米国特許第3,806,312号;McMasterらの米国特許第3,947,242号;McMasterの米国特許第3,994,711号;McMasterの米国特許第4,404,011号;McMasterの米国特許第4,512,460号を参照されたい。ガラスシート成形に関しては、McMasterらの米国特許第4,204,854号;McMasterの米国特許第4,222,763号;McMasterらの米国特許第4,282,026号;McMasterらの米国特許第4,437,871号;McMasterの米国特許第4,575,390号;Nitschkeらの米国特許第4,661,141号;Thimonsらの米国特許第4,662,925号;McMasterらの米国特許第5,004,491号;Kusterらの米国特許第5,330,550号;Shetterlyらの米国特許第5,376,158号;Kormanyosらの米国特許第5,472,470号;Mumfordらの米国特許第5,900,034号;Mumfordらの米国特許第5,906,668号;Nitschkeらの米国特許第5,925,162号;Nitschkeらの米国特許第6,032,491号;Mumfordらの米国特許第6,173,587号;Shetterlyの米国特許第6,227,008号;Nitschkeらの米国特許第6,418,754号;Bennettらの米国特許第6,543,255号;Bennettらの米国特許第6,578,383号;Nitschkeらの米国特許第6,718,798号;Nitschkeらの米国特許第6,729,160号を参照されたい。冷却に関しては、McMasterの米国特許第3,936,291号;McMasterらの米国特許第4,470,838号;McMasterらの米国特許第4,525,193号;Barrの米国特許第4,946,491号;Shetterlyらの米国特許第5,385,786号;Ducatらの米国特許第5,917,107号;Ducatらの米国特許第6,079,094号;及び、Bennettらの米国特許第6,513,348号を参照されたい。
【0003】
車両フロントガラスは、従来、外側及び内側の成形ガラスシートとポリビニルブチラルから成る中間層とから製造される。外側ガラスシート及び内側ガラスシートは互いに異なるサイズを有する。これは、成形フロントガラスの外側に湾曲される形状が、外側ガラスシートが内側ガラスシートよりも僅かに大きいサイズを成すことを必要とするからである。また、製造時には、成形前に、平らなガラスのサイズに僅かな変化が存在し得る。従って、成形のためのコンベアからの移送を開始するためにガラスシートの接近を検出するべく以前から利用されてきたスイッチは、成形のために成形モールド上の中心にガラスを位置決めする移送を必ずしも開始するスイッチであるとは限らない
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、加熱ガラスシートを成形のために位置決めする改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を果たすため、加熱ガラスシートを成形のために位置決めする方法は、水平なコンベア上の上記加熱ガラスシートを成形ステーションへ向けて搬送方向に沿って水平な搬送面内で搬送することによって行なわれ、上記成形ステーションが、上記搬送面よりも上側に位置され且つ所定サイズの上記加熱ガラスシートを成形する成形部を有すると共に下方を向く湾曲成形面を含む成形モールドを有する。搬送される加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の上記搬送方向に沿う間隔が検出されて上記所定サイズの上記加熱ガラスシートから任意の差異が決定されると共に、上記任意の差異を示すために制御信号が生成される。上記加熱シートガラスの搬送が成形モールドの下側で続けられ、また、制御信号が用いられて、上記湾曲成形面の上記成形部の下側で上記搬送方向に沿って上記加熱ガラスシートの中心位置決めが行われる。加熱ガラスシートを成形面に当てて成形するために、中心に位置決めされた加熱ガラスシートがコンベアから成形モールドへと移送される。
【0006】
検出器によって上記搬送される加熱ガラスシートの上記下流側先端が最初に検出されることが好ましく、その後、上記搬送と協調して上記検出器によって上記搬送される加熱ガラスシートの上記上流側先端が検出されて上記制御信号が生成され、また、上記加熱ガラスシートの上記搬送が、上記制御信号と協調されて上記湾曲成形面の上記成形部の下側で上記搬送方向に沿う上記加熱ガラスシートの上記中心位置決めが行われる。より具体的には、上記搬送される加熱ガラスシートの上記上流側先端の次の検出が、上記搬送と協調される上記制御信号を生成し、上記加熱ガラスシートの上記コンベアから上記成形モールドの上記湾曲成形面への移送のための上記中心位置決めが行われる。また、上記搬送される加熱ガラスシートの上記上流側先端の次の検出が、上記搬送と協調される上記制御信号を生成し、上記加熱ガラスシートの上記コンベアから上記成形モールドの上記湾曲成形面への移送のための上記中心位置決めが行われる。
【0007】
開示される加熱ガラスシート位置決め方法は、車両フロントガラスの外側加熱ガラスシート及び内側加熱ガラスシートを成形のために交互に搬送して位置決めするために使用され、上記外側加熱ガラスシートは、上記外側加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の距離が上記内側加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の距離よりも僅かに大きい。
【0008】
更に、中心に位置決めされた加熱ガラスシートは、途切れないリングによって上記加熱ガラスシートを上記コンベアから上方へ持ち上げるステップと、セグメント化されたリングによって上記加熱ガラスシートを上記コンベアから上方へ持ち上げるステップと、上記成形モールドの上記湾曲成形面で真空引きするステップと、上記成形モールドを上記コンベアへ向けて下方へ移動させるステップと、上記加熱ガラスシートの下側から上方へ向けてガスを吹き出して上記加熱ガラスシートを上記コンベアから上方へと持ち上げるステップと、これらのステップのうちの2つ以上の任意の組み合わせとを含む任意のステップによって上記コンベアから上記成形モールドへと移送される。
【0009】
また、加熱ガラスシートは、加熱及びその後の上記成形ステーションへの搬送前に、横方向に位置決めされる。
【0010】
本発明の他の目的は、改良されたガラスシート成形システムを提供することである。
【0011】
上記目的を果たすため、本発明のガラスシート成形システムは、加熱ガラスシートを搬送方向に沿って水平な搬送面内で搬送するためのコンベアを含む。成形システムは、コンベアによって加熱ガラスシートが搬送される成形ステーションを有し、成形ステーションは、上記搬送面よりも上側に位置され且つ所定サイズの上記加熱ガラスシートを成形するための成形部を有すると共に下方を向く湾曲成形面を含む成形モールドを有する。検出システムは、上記搬送される加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の搬送方向に沿う間隔を測定し、成形システムのコントローラは、コンベア及び上記検出システムと協調して、上記成形モールドの上記成形部の下側の中心位置へと上記加熱ガラスシートを搬送し、また、成形システムの移送装置は、上記加熱ガラスシートを上記湾曲成形面に当てて成形するために、上記中心位置に位置決めされた加熱ガラスシートを上記コンベアから上記成形モールドへと移送する。
【0012】
開示されるように、検出システムは、上記搬送される加熱ガラスシートの上記下流側先端を最初に検出し、その後、上記搬送される加熱ガラスシートの上記上流側先端を検出して上記加熱ガラスシートのサイズに対応する制御信号を生成する単一の検出器を含み、コントローラは、上記検出システムと協調して上記制御信号を処理して上記成形モールドへの移送前に搬送を停止することなく、上記成形モールドの上記湾曲成形面への移送のために上記中心位置へ上記加熱ガラスシートを搬送する。
【0013】
開示されるように、移送装置は、上記加熱ガラスシートを上記コンベアから上記成形モールドへと上方へ持ち上げるための途切れないリングを含むリフター、上記加熱ガラスシートを上記コンベアから上記成形モールドへと上方へ持ち上げるためのセグメント化されたリングを含むリフター、上記成形モールドの上記湾曲成形面で真空引きするための真空供給源、上記成形モールドを上記コンベアへ向けて下方へ移動させるためのモールド制御部、上記加熱ガラスシートの下側から上方へ向けてガスを吹き出して上記加熱ガラスシートを上記コンベアから上方へと持ち上げるためのガス供給部、又は上記途切れないリングリフター、上記セグメント化されたリングリフター、上記真空供給源、上記モールド制御部、及び上記ガス供給部のうちの2つ以上の任意の組み合わせであってもよい。
【0014】
開示されるガラスシート成形システムは、上記コンベア上の上記加熱ガラスシートを横方向中心位置に横方向の位置決めをする横方向ポジショナも含んでおり、また、成形システムは、上記加熱ガラスシートが上記成形モールドの上記湾曲成形面への移送のために上記成形モールドの下側の上記中心位置へと搬送される前に、加熱のために上記横方向位置決め後に搬送される加熱炉も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ガラスシートを位置決めするための本発明に係る方法を提供するために本発明に従って構成されるガラスシート成形システムの側面図である。
【図2a】成形に備えて搬送されるガラスシートの下流側先端を検出するための検出システムの検出器を示している。
【図2b】成形に備えて搬送されるガラスシートの上流側先端を検出するための検出システムの検出器を示している。
【図3a】設計形状に合わせた成形を行うために大小のガラスシートが湾曲成形モールドの成形面上の中心に位置決めされる態様を示している。
【図3b】設計形状に合わせた成形を行うために大小のガラスシートが湾曲成形モールドの成形面上の中心に位置決めされる態様を示している。
【図4】途切れないリングを含むリフターとして具現化される移送装置を示すために図1の4−4線の方向に沿って見た平面図である。
【図5】セグメント化されたリングである移送装置リフターの他の実施形態を示す図4と同じ方向で見た図である。
【図6】コンベアの下側から上方へ向けて空気を吹き出すためのリフトジェットを移送装置が含むシステムの成形ステーションを示す図1に類似する部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、ガラスシート成形システムが全体的に10で示されており、該システムは、ガラスシートGを取り込むためのローディングステーション12と、ガラスシートを加熱するための加熱炉14と、ガラスシートを成形するための成形ステーション16と、冷却ステーション(quench station)18とを含み、冷却ステーション18は、徐冷のためにガラスシートを冷却して焼鈍しを行うができ、特定のタイプのガラスシートが処理されるべき用途で必要とされる場合には、焼戻し又は加熱補強のために更に急速な冷却を行うこともできる。本発明の全ての態様の理解を容易にするため、本発明に係る成形システム及びその成形ステーション16の構成、並びに、本発明に従った成形のためのガラスシート位置決め方法について統合された態様で説明する。
【0017】
引き続いて図1を参照すると、成形システムのコンベア20は、ガラスシートを加熱炉24内で加熱して成形ステーション26へ移動させて成形するために搬送するロール22を含むロールタイプのものとして示されている。コンベアロール22は、矢印Cで示されるような搬送方向に沿う移動のために各ガラスシートGを水平搬送面内で支持する。また、空気炉床コンベア(air hearth conveyors)などの他のタイプのコンベア上でガラスシートを搬送することもできる。その場合、水平搬送面は、通常、搬送方向に対して垂直な横方向で僅かに傾けられる。
【0018】
ローディングステーション12では、手動で、又は、コンベア20のロール22上の1つ以上の搬送ロボットなどの自動装置によって、各ガラスシートが取り込まれる。ローディングステーションの横方向ポジショナ24は、取り込まれた各ガラスシートGを搬送方向に対して横方向に位置決めし、任意の従来の態様で成形温度まで加熱するための加熱炉14の加熱チャンバ26を通過した後、最終的に成形ステーション16に到達するときに適切な位置を成すようにする。
【0019】
図1に示される成形ステーション16は、成形モールド32が内部に設置される加熱チャンバ30を画定するハウジング28を含む。開示されるこの加熱チャンバ30は加熱炉14の加熱チャンバ26ほど熱くはなく、より具体的には、加熱炉の加熱チャンバは、通常、異なる場所で600−680℃程度であり、一方、成形モールド32が設置される加熱チャンバ30は約500℃である。成形モールド32は、コンベア20のロール22よりも上側に位置されており、下方に向けられた湾曲形状の成形面34を有する。この成形面は、所定のサイズのガラスシートを成形するための成形部を有する。より具体的には、図3a及び図3bに示されるように、成形面34の成形部は、搬送方向Cに沿う中心位置CLを有する。所定サイズのガラスシートは、後述するようにコンベア上又は成形面34上の中心に位置決めされると、搬送方向に沿うその下流側先端と上流側先端との間に、成形面の中心位置CLに位置される中間点を有する。
【0020】
接続部38を介した成形システムのコントローラ36は、コンベア20の概略的に示されるドライブ40を操作する。また、システムの検出システム42は、成形モールド32よりも上流側に位置され且つコントローラ36への接続部46を有する検出器44を含む。
【0021】
図2aに示されるように、検出器44は、搬送されるガラスシートの下流側先端50を最初に検出する検出ビーム48を伝播する。その後、図2bに示されるように、検出器44は、搬送されるガラスシートの上流側先端を検出し、それにより、コントローラ36は、これらの上流側先端と下流側先端との間の間隔又は距離、及び、所定サイズのガラスシートよりも大きい又は小さい任意の差異を測定できる。また、コンベア20を駆動する際のコントローラ36の協調による上流側先端のその後の検出は、搬送されるガラスシートの場所の表示を与え、そのため、図3a及び図3bに仮想線表示で示されるように成形モールド32の成形面34よりも下側の中心位置へとガラスシートが移動されるように制御信号を生成することができる。より具体的には、中心に位置される各ガラスシートGは、その下流側先端50と上流側先端52との間のその間隔にかかわらず、中心位置CLから下流側及び上流側に同じ距離を有しており、そのため、ガラスシートの成形は、ガラスシートサイズの任意の違いにもかかわらず設計形状に適合する。図示のビーム伝播検出器に加えて他のタイプの検出器を使用できることは言うまでもない。
【0022】
図1に示されるように、成形ステーション16は、コンベア20上の中心位置から図3a及び図3bに示される前述した成形モールド32上の中心位置への上方へ向けたガラスシートの上方移動を行うための54によってまとめて示される移送装置を含む。搬送されるガラスシートGがコンベア20上の中心位置に達する直前に、図1に示されるコントローラ36は、ガラスシートを減速するようにコンベアに指示する。図3a及び図3bに示される中心位置に到達したときで且つ搬送終了前に、移送装置54は、成形のための中心位置で、成形モールド32の成形面34へ向けたガラスシートの上方移動を開始する。
【0023】
図1に示されるような移送装置54は、コントローラ36への接続部60を有するアクチュエータ58によって垂直に移動されるリフター56を含む。リフター56は、図4に示されるように、その開示内容全体が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6,543,255号によって更に十分に開示される態様でディスク形状のホイールロール22の下側から上方へ移動する途切れないリング60であってもよい。また、図5に示されるように、リフター56は、上昇を行うためにその一部64が長尺なコンベアロール22間で上方へ移動するセグメント化されたリング62によって具現化されてもよい。
【0024】
図1に戻って参照すると、開示される移送装置54は、コントローラ36への接続部70を介した操作下で成形モールド32の成形面34の開口で導管68を通じて真空引きする真空供給源66も含んでいる。なお、この真空供給源66は、真空インパルスによって与えられる。その後に、初期高真空度を減少させて、真空引きされる成形面の開口での加熱ガラスシートの変形を防止する。また、以下で更に十分に説明されるように、その後に正圧空気を成形面の開口へ供給して、送出のためのガラスシートの解放及びその後の冷却を行うこともできる。
【0025】
また、図1に示される移送装置54は、コントローラ36への接続部76の制御によって実線で示される上側位置と仮想線で示される下側位置との間でその垂直移動を行うために、成形モールド32への接続部74を有する垂直制御機器又はアクチュエータ72も含む。
【0026】
図6に示されるように、移送装置54は、ガス供給部78を含むように構成することもできる。ガス供給部78は、コントローラ36への接続部84によって操作されるバルブ82を介してガスを加圧源80から供給してリフトジェットノズル88の配列86を通じてガスを上方へ吹き出す。より具体的には、上方へ吹き出される空気は、上昇を行うためにコンベアロール22間を通過する。
【0027】
成形システム10は、互いに僅かに異なるサイズを有する外側ガラスシート及び内側ガラスシートを含む車両フロントガラスを製造するために利用されるときに特定の実用性を有する。より具体的には、成形されるフロントガラスの湾曲形状により、外側ガラスシートが内側ガラスシートよりも僅かに大きくなる。しかしながら、ガラスシートは矢印Cで示される搬送方向に沿って中心位置CLに対して中心に位置決めされるため、内側ガラスシート及び外側ガラスシートはいずれも互いに異なる曲率を有さないように成形モールド32の成形面34の同じ成形部で成形される。製造中、大きい方の外側ガラスシート及び小さい方の内側ガラスシートは、ローディングステーション12でコンベア20上に交互に取り込まれ、最終的に、加熱炉内で加熱されて、前述したように成形ステーション16で成形のために処理される。
【0028】
各ガラスシートが図1に示されるように成形された後、冷却ステーション(cooling station)18は、成形されたガラスシートを、アクチュエータ94を有する送出装置92によって動作される冷却モールド90によって受ける。アクチュエータ94からは、接続部96がモールドへ向けて延びており、また、成形ステーションの残りの部分と協調した動作を行うために、制御接続部98がアクチュエータからコントローラ36へと延びている。
【0029】
言うまでもなく、冷却ステーション18は、他の用途では、成形されたガラスシートを焼き戻し又は加熱補強する急速冷却を行うための冷却ステーションタイプを成すこともできる。
【0030】
本発明の様々な態様について図示して説明してきたが、これらの態様は、本発明の全ての可能な形態を図示して説明しようとするものではない。むしろ、明細書中で使用される用語は限定用語ではなく説明の用語であり、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく様々な変形を成すことができることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱ガラスシートを成形のために位置決めする方法であって、
水平なコンベア上の前記加熱ガラスシートを成形ステーションへ向けて搬送方向に沿って水平な搬送面内で搬送するステップであって、前記成形ステーションが、前記搬送面よりも上側に位置され且つ所定サイズの前記加熱ガラスシートを成形する成形部を有すると共に下方を向く湾曲成形面を含む成形モールドを有する、ステップと、
前記搬送される加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の前記搬送方向に沿う間隔を検出して前記所定サイズの前記加熱ガラスシートから任意の差異を決定すると共に、前記任意の差異を示す制御信号を生成するステップと、
前記成形モールドの下側で前記加熱ガラスシートを搬送し続けると共に、前記制御信号を用い、前記湾曲成形面の前記成形部の下側で前記搬送方向に沿って前記加熱ガラスシートの中心位置決めを行うステップと、
前記中心位置決めされた加熱ガラスシートを前記コンベアから前記成形モールドへと移送して前記加熱ガラスシートを前記湾曲成形面に当てて成形するステップと、
を備える加熱ガラスシート位置決め方法。
【請求項2】
検出器によって前記搬送される加熱ガラスシートの前記下流側先端が最初に検出された後に、前記搬送と協調して前記検出器によって前記搬送される加熱ガラスシートの前記上流側先端が検出されて前記制御信号が生成され、前記加熱ガラスシートの前記搬送が前記制御信号と協調されて前記湾曲成形面の前記成形部の下側で前記搬送方向に沿う前記加熱ガラスシートの前記中心位置決めが行われる、請求項1に記載の加熱ガラスシート位置決め方法。
【請求項3】
前記搬送される加熱ガラスシートの前記上流側先端の次の検出が、前記搬送と協調される前記制御信号を生成し、前記加熱ガラスシートの前記コンベアから前記成形モールドの前記湾曲成形面への移送のための前記中心位置決めが行われる、請求項2に記載の加熱ガラスシート位置決め方法。
【請求項4】
前記加熱ガラスシートの前記搬送は、前記成形モールドの前記湾曲成形面の下側の前記中心位置に近づく際に減速され、依然として移動している間に前記中心位置で前記湾曲成形面へと移送される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱ガラスシート位置決め方法。
【請求項5】
車両フロントガラスの外側加熱ガラスシート及び内側加熱ガラスシートが交互に搬送されて位置決めされ、前記外側加熱ガラスシートは、前記外側加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の距離が前記内側加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の距離よりも僅かに大きく成形される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の加熱ガラスシート位置決め方法。
【請求項6】
途切れないリングによって前記加熱ガラスシートを前記コンベアから上方へ持ち上げるステップと、
セグメント化されたリングによって前記加熱ガラスシートを前記コンベアから上方へ持ち上げるステップと、
前記成形モールドの前記湾曲成形面で真空引きするステップと、
前記成形モールドを前記コンベアへ向けて下方へ移動させるステップと、
前記加熱ガラスシートの下側から上方へ向けてガスを吹き出して前記加熱ガラスシートを前記コンベアから上方へと持ち上げるステップと、
これらのステップのうちの2つ以上の任意の組み合わせと、
から成るグループから選択される1つのステップによって、前記位置決めされた加熱ガラスシートが前記コンベアから前記成形モールドへと移送される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の加熱ガラスシート位置決め方法。
【請求項7】
前記加熱ガラスシートは、加熱及びその後の前記成形ステーションへの搬送前に、横方向に位置決めされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の加熱ガラスシート位置決め方法。
【請求項8】
加熱ガラスシートを搬送方向に沿って水平な搬送面内で搬送するコンベアと、
前記コンベアによって前記加熱ガラスシートが搬送される成形ステーションであって、前記搬送面よりも上側に位置され且つ所定サイズの前記加熱ガラスシートを成形するための成形部を有すると共に下方を向く湾曲成形面を含む成形モールドを有する成形ステーションと、
前記搬送される加熱ガラスシートの下流側先端と上流側先端との間の前記搬送方向に沿う間隔を測定するための検出システムと、
前記コンベア及び前記検出システムと協調して、前記成形モールドの前記成形部の下側の中心位置へと前記加熱ガラスシートを搬送するコントローラと、
前記加熱ガラスシートを前記湾曲成形面に当てて成形するために、前記中心位置に位置決めされた加熱ガラスシートを前記コンベアから前記成形モールドへと移送する移送装置と、
を備えるガラスシート成形システム。
【請求項9】
前記検出システムが、前記搬送される加熱ガラスシートの前記下流側先端を最初に検出し、その後、前記搬送される加熱ガラスシートの前記上流側先端を検出して前記加熱ガラスシートのサイズに対応する制御信号を生成する単一の検出器を含み、
前記コントローラは、前記検出システムと協調して前記制御信号を処理して前記成形モールドへの移送前に搬送を停止することなく、前記成形モールドの前記湾曲成形面への移送のために前記中心位置へ前記加熱ガラスシートを搬送する、請求項8に記載のガラスシート成形システム。
【請求項10】
前記移送装置が、
前記加熱ガラスシートを前記コンベアから前記成形モールドへと上方へ持ち上げるための途切れないリングを含むリフターと、
前記加熱ガラスシートを前記コンベアから前記成形モールドへと上方へ持ち上げるためのセグメント化されたリングを含むリフターと、
前記成形モールドの前記湾曲成形面で真空引きするための真空供給源と、
前記成形モールドを前記コンベアへ向けて下方へ移動させるためのモールド制御部と、
前記加熱ガラスシートの下側から上方へ向けてガスを吹き出して前記加熱ガラスシートを前記コンベアから上方へと持ち上げるためのガス供給部と、
前記途切れないリングリフター、前記セグメント化されたリングリフター、前記真空供給源、前記モールド制御部、及び前記ガス供給部のうちの2つ以上の任意の組み合わせと、から成るグループから選択される、請求項8又は9に記載のガラスシート成形システム。
【請求項11】
前記コンベア上の前記加熱ガラスシートを横方向中心位置に横方向の位置決めをする横方向ポジショナを含む請求項8、9又は10に記載のガラスシート成形システム。
【請求項12】
前記加熱ガラスシートが、前記成形モールドの前記湾曲成形面への移送のために前記成形モールドの下側の前記中心位置へと搬送される前に、加熱のために前記横方向位置決め後に搬送される加熱炉を更に含む、請求項11に記載のガラスシート成形ステーション。



【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−531797(P2010−531797A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502185(P2010−502185)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/057334
【国際公開番号】WO2008/124258
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(507367091)グラステック インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】