説明

ガラスシート製造方法

【課題】ガラスリボンからガラスシートを切断するときに、振動がガラスリボンを伝って上流へと伝播することを防ぐ。
【解決手段】対向するエッジと、このエッジ間に延在している横方向部分142とを含むガラスリボン140を、延伸方向128に沿って下流の粘性ゾーンへと融合延伸する。ガラスリボンは粘性ゾーンから下流の硬化ゾーンへと延伸され、さらに硬化ゾーンから下流の弾性ゾーンへと延伸される。弾性ゾーンにおいて真空が生成され、この真空により、ガラスリボンの横方向部分全体を強制的に切断装置のアンビル部220と係合させる。その後、ガラスリボンの横方向部分に沿って罫書き線518を形成し、さらに横方向部分全体が真空によって強制的にアンビル部に押し付けられている間に、ガラスリボンから罫書き線に沿ってガラスシート152を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にガラスシートを製造する方法に関し、特に、成形用ウェッジの底部からガラスリボンを融合延伸することによりガラスシートを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスシートを製造する方法が、成形用ウェッジの底部からガラスリボンを融合延伸するステップを含むことは周知である。一旦底部から延伸されると、ガラスリボンは粘性状態から弾性状態へと硬化する。弾性状態に達すると、ガラスリボンの端部が周期的に切断され、所望の長さを有するガラスシートが提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下は、詳細な説明の中で説明されるいくつかの態様例の基本的な理解を提供するために、その開示の簡単な概要を示したものである。
【0004】
一態様例において、ガラスシートを製造する方法が提供される。この方法は、ガラスリボンを延伸方向に沿って成形用ウェッジの底部から下流の粘性ゾーンへと融合延伸するステップを含む。このガラスリボンは、対向するエッジと、この対向するエッジの間に、延伸方向を横断する横方向に沿って延在している、横方向部分とを含む。この方法はさらに、ガラスリボンを粘性ゾーンから下流の硬化ゾーンへと延伸するステップを含み、このときガラスリボンは、粘性状態から弾性状態へと硬化される。この方法はまた、ガラスリボンを硬化ゾーンから下流の弾性ゾーンへと延伸するステップと、真空を生成して、ガラスリボンの横方向部分の全体を弾性ゾーンにおいて強制的に切断装置のアンビル部に係合させるステップとを含む。この方法はさらに、ガラスリボンの横方向部分に沿って罫書き線を形成するステップと、横方向部分全体が真空によって強制的にアンビル部に押し付けられている間に、ガラスリボンから罫書き線に沿ってガラスシートを切断するステップとを含む。
【0005】
これらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読むと、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ガラスシートを製造するために使用される、フュージョンドロー装置の例を示す概略図
【図2】図1の線2−2に沿った断面図であり、フュージョンドロー装置のアンビル部の一例における特徴を概略的に示している図
【図3】図2の線3−3に沿って見た、アンビル部の一部の前面図
【図4】図1の線4−4に沿った概略断面図であり、アンビル部の特徴を概略的に示している図
【図5A】図4のアンビル部がガラスリボンの横方向部分に対して配置されているのを示す概略図
【図5B】図5Aのガラスリボンの横方向部分が、押圧装置によりアンビル部に対して平坦化されているところを示す概略図
【図5C】ガラスリボンの横方向部分をアンビル部に押し付けて実質的に真っ直ぐな断面プロファイルに沿って真空保持しているところを示す概略図
【図6】ガラスリボンの横方向部分が押圧装置によりアンビル部に対して平坦化される、別の例を示す図
【図7A】図1の線2−2に沿った断面図であり、ガラスリボンの横方向部分に沿って罫書き線を形成するステップを示す図
【図7B】図7Aに類似した断面図であり、吸引部材が罫書き線の下方でガラスリボンの一部と係合している図
【図7C】図7Bに類似した断面図であり、吸引部材がガラスシートを罫書き線に沿ってガラスリボンから切断し始めている図
【図7D】図7Cに類似した断面図であり、吸引部材がガラスシートをガラスリボンから切断するプロセスを完了した図
【図8A】図5Cに類似した概略図であり、側部の圧力ゾーン対が横方向部分の側部エリアを解放し始める前に、横方向部分の中央エリアを解放し始めるよう、中央圧力ゾーンの真空力を減少させる例を示している図
【図8B】図8Aに類似した概略図であり、アンビル部から横方向部分を解放する際、より外側の圧力ゾーン対の真空力を逐次的に減少させることを示す図
【図9A】図5Cに類似した概略図であり、側部の圧力ゾーン対が横方向部分の側部エリアを解放し始める前に、横方向部分の中央エリアを解放し始めるよう、中央圧力ゾーンの真空力を減少させる別の例を示している図
【図9B】図9Aに類似した概略図であり、アンビル部から横方向部分を解放する際、より外側の圧力ゾーン対の真空力を逐次的に減少させることを示す図
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここで、実施形態例を図示している添付の図面を参照し、いくつかの例についてより十分に以下に説明する。可能な限り、図面を通じて、同じまたは同様の部品を参照する際には同じ参照数字を使用する。ただし、態様は多くの異なった形で具現化することが可能であり、本書において明記される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0008】
本書の方法は、ガラスリボンを融合延伸するために使用するよう設計された種々のフュージョンドロー装置と組み合わせることができる。フュージョンドロー装置としては、その全体が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許出願公開第2008/0131651号明細書、米国特許第3,338,696号明細書、および同3,682,609号明細書に開示された特徴を含むものが挙げられる。一例のフュージョンドロー装置110が図1に概略的に示されている。図示のように、フュージョンドロー装置110は、注入口114から溶融ガラスを受け取ってこれを成形槽118のトラフ116に受け入れるよう構成された、フュージョンドローマシン112を含んでもよい。成形槽118は成形用ウェッジ120とともに提供してもよく、この成形用ウェッジは、以下でより十分に論じるが、成形用ウェッジ120の底部122からガラスリボン140を融合延伸するのを助けるよう構成される。牽引ローラアセンブリ126により、ガラスリボン140を延伸方向128に牽引するのを助けてもよい。フュージョンドロー装置110は、その全体が参照することにより本書に組み込まれる、2009年10月28日に出願された米国特許出願第12/607,474号明細書においてより十分に説明されている安定化装置130を、随意的に含んでもよい。
【0009】
フュージョンドロー装置110は、図1に概略的に示した切断装置210をさらに含む。安定化装置130は、提供される場合、切断装置210の上流に位置付けられる。以下でより十分に論じるが、切断装置210はガラスシート152を切り離すように構成され、このガラスシート152が、液晶ディスプレイ(LCD)など種々のディスプレイ装置に組み込まれる個々のディスプレイガラスシート154に再分割され得る。
【0010】
切断装置210は、静止している切断装置を含んでもよいし、あるいは移動する切断装置を含んでもよい。例えば図示のように、切断装置210は、ガラスリボンに罫書きし、続いてガラスシート152をガラスリボン140から切断するプロセスの間、延伸方向128に動き得るような、移動アンビル装置を含む。
【0011】
図2は、図1の線2−2に沿った断面図であり、切断装置210のアンビル部220の一例に関する種々の特徴を概略的に示したものである。アンビル部220は、切断装置210の残りの部分にノーズ部材240を取り付けるための支持ベース230を含んでもよい。ノーズ部材は広範な構造を含むことができる。一例において、ノーズ部材を単一の一体化部品を備えたものとすることができるが、図示のノーズ部材は、支持ベース230に対して取り付けられた第1部品250と、第1部品250に対して取り付けられた第2部品260とを含む。
【0012】
第1部品250は、支持ベース230の取付けチャネル232内に収容することが可能な、取付用拡張部254を含む。図2および4を参照すると、第1部品250は、支持ベース230内の複数の孔234の1つと夫々対応して一致している複数の開口256をさらに含んでもよい。各開口256は、軸受面259内の複数の窪み部258のうちの対応する1つと流体連通している。図示のように、軸受面259は実質的に平面の表面を有するものとすることができるが、他の例においては、他の表面構造を設けてもよい。第1部品250および支持ベース230は、種々の金属(スチールなど)、プラスチック、樹脂、複合材料、または他の材料など、実質的に剛性の材料を含むものとしてもよい。
【0013】
図示のように、第1部品250は、取付用拡張部254を支持ベース230の取付けチャネル232内に挿入することによって、支持ベース230に取り付けることができる。図示の止めねじのような1以上の取付用部材132a、132bをその後調節して、第1部品250の位置を支持ベース230に対してロックしてもよい。あるいは、他のクランプ配置、連結構造、または他の取付け技術を、他の例において採用してもよい。図示の例では、第1部品250を支持ベース230に対して取外し可能に取り付け得るが、他の例においては、一体化させて取り付けてもよい。
【0014】
図2、3および4を参照すると、第2部品260は、夫々が係合面264において窪んだ状態の、複数の圧力ポート262を含んでもよい。一例において、係合面264を、実質的に平面でありかつ第1部品250の軸受面259に適合したものとしてもよい。複数の圧力ポート262の夫々は、実質的に互いに同一のものでもよいし、あるいは他の例においては、異なるサイズおよび/または形状を有するものでもよい。図3に示すように、例えば圧力ポート262は、第1部品250の軸受面259内の、長方形の窪んだエリアを含んでもよい。随意的には、圧力ポート262と、対応する第1部品250の窪み部258との流体連通を提供する、1つのアレイまたは他のパターンの開口266を設けてもよい。
【0015】
第2部品260は、第1部品250に対して取外し可能に取り付けてもよい。例えば、第2部品260は、第1部品250の取付溝252に収容されるよう構成された、取付舌片268を含んでもよい。したがって、支持ベース230を切断装置210の残りの部分から分解することなく、第2部品260を洗浄や交換のために容易に取り外すことができる。図示されていないが、第1部品250と第2部品260との間に接着剤を提供し、第1および第2部品間に固定された接触面を提供してもよい。
【0016】
第2部品260は、例えばシリコンゴムなどの広範な弾性材料を含むものとすることができる。この例の第2部品260は押出成形部品として形成してもよく、この押出成形部品を続いて機械加工し、圧力ポート262および開口266を設けてもよい。あるいは、第2部品260は、射出成型してもよいし、または他の製造技術で形成してもよい。さらに他の例において、第2部品および第1部品を実質的に同じ剛性材料から作製してもよく、そして、互いに一体化させてもよいし分離させてもよい。この例では、部品の外側表面を、弾性材料で被覆してもよいしあるいは裏打ちしてもよい。
【0017】
図4に示すように、切断装置210は、アンビル部220に操作可能に接続された流体制御装置310を含んでもよい。図示のように、流体導管312が、複数の孔234夫々と流体制御マニホールド314との間に流体連通を提供してもよい。流体制御マニホールド314は、選択的に各流体導管312を、正圧源316および負圧源318の少なくとも一方と連通させた状態とするように構成される。
【0018】
コンピュータ制御装置320が伝送線322に沿って命令を送信し、正圧源316を制御してもよい。例えば、正圧源316は圧力ポンプでもよく、この場合コンピュータ制御装置320が伝送線322に沿って命令を送り、圧力ポンプの動作を制御することができる。同様に、コンピュータ制御装置320は別の伝送線324に沿って命令を送信し、負圧源318を制御してもよい。例えば、負圧源318は真空ポンプを含んでもよく、この場合コンピュータ制御装置320は伝送線324に沿って命令を送り、真空ポンプの動作を制御することができる。さらに、コンピュータ制御装置320は、所望の圧力プロファイルに応じて流体制御マニホールド314の動作を制御するよう、伝送線326に沿って信号を送ってもよい。一例において、流体制御マニホールド314は、少なくとも1つのまたは全ての圧力ポート262を、正圧源316および/または負圧源318と流体連通させた状態とすることができる。そのため、複数の圧力ポート262夫々は、処理パラメータに応じて流体放出ポートまたは流体真空ポートのいずれかとして、選択的に機能することができる。
【0019】
アンビル部220の配置はアクチュエータ328を用いて達成することができる。実際には、コンピュータ制御装置320によりアクチュエータ328を操作して、アンビル部220をガラスリボン140の第1面に対し適切に位置付けることができる。アンビル部220をガラスリボン140に対して自動的に位置付けるのを助けるため、1以上の随意的な近接センサ330を配置し、コンピュータ制御装置320にフィードバックを提供してもよい。単一の近接センサを図示しているが、複数の近接センサを提供してもよい。
【0020】
図4にさらに示されているように、各流体導管312は圧力センサ(例えば、332a参照)とともに設けてもよく、この圧力センサは以下でより十分に論じるが、夫々コンピュータ制御装置320にフィードバックを送り、流体制御マニホールド314を用いて圧力の自動調節を助けることができる。
【0021】
ここで、ガラスシート152を製造する方法について説明する。例えば、図1に示すように、フュージョンドローマシン112が注入口114から溶融ガラスを受け取る。溶融ガラスはその後、成形槽118のトラフ116に受け入れられる。溶融ガラスは最終的にトラフ116から溢れ出て、成形用ウェッジ120の両面に沿って延伸方向128へ流れ落ちる。溶融ガラスは成形用ウェッジ120の両面を流れて下降し続け、そして成形用ウェッジ120の底部122で合流する。溶融ガラスはその後、延伸方向128に沿って、成形用ウェッジ120の底部122の下流に位置する粘性ゾーン156へとガラスリボン140の状態で融合延伸される。
【0022】
図示のように、ガラスリボン140は、両矢印146によって示されている横方向に沿った、対向しているエッジ144a、144b間の横方向部分142を含む。図示のように、横方向146は、延伸方向128に実質的に垂直な、ガラスリボン140の幅方向に延びるものとすることができる。他の例において、横方向146を、延伸方向128に対して斜めに延在しているものとしてもよい。
【0023】
ガラスリボン140は、ガラスリボンの幅方向において、実質的に真っ直ぐの、または実質的に湾曲した、断面プロファイルを有するものとすることができる。例えば、図5Aに示すように、ガラスリボン140は幅方向において実質的に湾曲した断面プロファイルを有している可能性がある。
【0024】
実質的に湾曲した断面プロファイルは、広範な種類の技術を用いて得ることができる。例えば、図示のように成形用ウェッジ120の底部122を湾曲させることができるし、あるいはこれ以外に、粘性ゾーンにおいて湾曲した断面プロファイルを誘導するように底部を構成することができる。他の例においては、その全体が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許出願公開第2008/0131651号明細書に開示されている技術を用いて、湾曲した断面プロファイルを得ることができる。
【0025】
図1に戻って参照すると、ガラスリボン140はその後延伸方向128に沿って、粘性ゾーン156から下流の硬化ゾーン158へ移動し得る。硬化ゾーン158において、ガラスリボンは粘性状態から、所望の断面プロファイルを有する弾性状態へと硬化する。ガラスリボンが一旦弾性状態で硬化すると、粘性ゾーン156からのそのガラスリボンのプロファイルは、リボンの特性として固定される。粘性ゾーン156でのガラスリボンのプロファイルは、硬化ゾーン158まで伝えられる。すなわち、図示のように、実質的に湾曲した断面プロファイルは、粘性ゾーン156から硬化ゾーン158までずっと伝わり得、このときこのプロファイルはリボンの特性として固定される。硬化したリボンをこの形状とは異なる形に曲げることもできるが、内部応力によってガラスリボンはもとの硬化されたプロファイルに戻ろうとし、そして極端な場合には、リボンが異なる向きに曲がり過ぎる可能性もある。
【0026】
さらに図示のように、同じ実質的に湾曲した断面プロファイルは、粘性ゾーン156および硬化ゾーン158から、弾性ゾーン160まで伝えることができる。実際、図示のように、ゾーン156、158、160夫々を通じて、ガラスリボン140は幅方向において実質的に同一の断面プロファイルを有し得る。他の例においては、ガラスリボン140は異なる程度に湾曲していてもよいし、あるいは弾性ゾーン160の中で異なる曲率を有することも可能である。すなわち、実質的に湾曲した断面プロファイルは、ゾーン156、158、160の夫々を経て実質的に連続して存在し得、このとき、図5Aに示すように、ガラスリボン140の第1面148aは凸状の表面を含み、そしてガラスリボン140の第2面148bは凹状の表面を含む。
【0027】
前に述べたように、ガラスリボン140は、ゾーン156、158、160の夫々を通って連続的に延在することが可能な、実質的に真っ直ぐな断面プロファイルなどの他のプロファイル形状を含むものでもよい。すなわち、成形用ウェッジ120の底部122は実質的に真っ直ぐなものでもよいし、あるいはこれ以外の、粘性ゾーン156において実質的に平坦なリボンを形成するように構成されたものでもよい。さらに他の例において、ガラスリボン140は様々な断面プロファイルを有するものでもよい。例えば、ガラスリボンを、第1面148aを凹状の表面を含むものとし、そして第2面148bを凸状の表面を含むものとして形成してもよい。図示のように、断面プロファイルは単一の曲線を含むものでもよいが、他のプロファイルとして、正弦曲線や他の曲線形状を含むものでもよい。さらに、断面プロファイルは延伸方向128に移動するにつれて変化してもよい。例えば、粘性ゾーン156、硬化ゾーン158、および/または弾性ゾーン160において、1以上の異なるプロファイルが存在していてもよい。例えば、1以上の、真っ直ぐな形状、単一曲線、正弦曲線、または他の形状が、ガラスリボン140の延伸方向128に沿った種々の位置で存在していてもよい。
【0028】
図1にさらに図示されているように、底部122から延伸方向128にガラスリボン140を延伸するのを助けるため、牽引ローラアセンブリ126を提供してもよい。したがって、ガラスリボン140の牽引速度、厚さ、および他の特性を制御することができる。
【0029】
随意的には、図1に示すように、弾性ゾーン160の範囲内のガラスの領域を、安定化装置130を用いて安定化させてもよい。安定化装置および安定化方法の例については、その全体が参照することにより本書に組み込まれる、2009年10月28日に出願された米国特許出願第12/607,474号明細書において、より十分に論じられている。図示のように、安定化装置130は切断装置210と分離されているが、他の例において、安定化装置130および切断装置210を単一の装置として提供してもよい。さらに、図示のように、安定化装置130は切断装置210のすぐ上流に位置しているが、他の例において、安定化装置130を1以上の他の位置に提供してもよい。例えば、安定化装置130を、弾性ゾーン160の範囲内において、より上流に位置させてもよい。さらに、弾性ゾーン160に沿った種々の位置に、複数の安定化装置130を提供してもよい。例えば、2以上の安定化装置130を、弾性ゾーン160に沿って間隔を空けた位置に提供してもよい。
【0030】
ガラスリボン140が弾性ゾーン160の範囲内で十分に延伸されると、ガラスシート152をガラスリボン140の端部から切断してもよい。アンビル部220を、ガラスリボン140の横方向部分142に関連して適切な位置に、手動または自動で調節することができる。例えば、コンピュータ制御装置320が、1以上の近接センサ330からフィードバックを得てもよい。センサからのフィードバックに基づき、アンビル部220をガラスリボン140に対して適切に位置付けるよう、コンピュータ制御装置320がアクチュエータ328に命令してもよい。
【0031】
例えば図5Aに示すように、アンビル部220を、横方向部分142に沿ってガラスリボンの第2面148b(例えば、凹側)に隣接するように、ガラスリボン140に対して位置決めしてもよい。1以上の圧力ゾーンによって、真空を生成することができる。例えば、図示のように、複数の圧力ゾーン410a〜eをアンビル部220の幅に沿って間隔を空けて設けてもよい。この概略図において、複数の圧力ゾーンは中央圧力ゾーン410aを含み、この中央圧力ゾーンを跨いで第1対の圧力ゾーン410bが位置し、さらにこれらを跨いで、逐次的に、第2対、第3対、および第4対の圧力ゾーン410c、410d、410eが夫々位置している。9個の圧力ゾーンが図示されているが、他の例においては、より多くの、またはより少ない圧力ゾーンを提供してもよい。図示の例において、圧力ゾーンを、ノーズ部材240の第2部品260の係合面264内において窪んだ状態の、圧力ポート262を用いて生成してもよい。流体制御マニホールド314は、各圧力ポート262が様々な圧力の大きさを有する対応する正圧ゾーンまたは真空ゾーンを選択的に提供し得るように、圧力ポート262を、正圧源316または負圧源318の一方または両方と、選択的に連通させた状態とするように動作することができる。
【0032】
この方法は、ガラスリボン140の横方向部分142の全体を、弾性ゾーン160において強制的に切断装置210のアンビル部220と係合させるよう、真空を生成するステップをさらに含み得る。圧力ポート262からの真空力は、ガラスリボン140の横方向部分142を引き寄せてアンビル部220と係合させるのに十分なものとすることができる。一例において、これらの圧力ゾーンは、ガラスリボンがアンビル部と係合するときに互いに独立して操作される。独立した操作を、逐次的に行うことによって、あるいはそれ以外のやり方で行うことによって、ガラスリボン140をアンビル部220に押し付けて伸ばし平坦化するプロセスを制御することができる。例えば、1以上の最も外側の圧力ポートを著しく高い真空で操作し、側部部分142a、142bの少なくとも一方をアンビル部220と接触させるようにしてもよい。例えば、図5Aに示すように、外側の圧力ゾーン410eの対が中央圧力ゾーン410aや残りの圧力ゾーンよりも著しく大きい真空を有するように、最も外側のポート262を操作してもよい。したがって、負圧源318により提供される圧力を最も外側の圧力ゾーン410e対に集中させて、側部部分142a、142bをアンビル部220と接触させるように引き寄せてもよい。次に、隣の圧力ゾーン410d対を操作し、逐次的に、残りの圧力ゾーンに比べて相対的に高い吸引を与えてもよい。この逐次的なプロセスを続けると、横方向部分142全体を、ノーズ部材240の第2部品260により提供される係合面264と係合させることができる。真空圧力をアンビル部220の両側部からアンビル部220の中央に向かって逐次的に調節すると、リボンがアンビル部220に対してパチンとぶつかるのを防ぐことができ、このようなぶつかり方はそれ以外にも、ガラスリボン140を通って硬化ゾーン158へと上流に伝播し得る振動を生成する可能性がある。
【0033】
あるいは、ガラスリボンの横方向部分をアンビル部に押し付けて伸ばし平坦化させるために、押圧装置を用いてもよい。押圧装置は、押圧バー、または他の接触機構を含むものでもよい。図示の例において、押圧装置は、ガラスリボン140の第1面148aを直線方向514に沿って横切って圧延するよう構成された、一連のローラ512を備えたローラ装置510を含む。ローラがガラスシートをアンビル部に対して押圧すると、その後は真空により、ガラスリボン140が非直線のプロファイルに戻ることを防ぎ、さらにその後、以下でより十分に論じるようにガラスリボン140からガラスシート152が切断される。さらに、圧力ポートは、ガラスリボン140の横方向部分142の全体がアンビル部220と係合するように、逐次的に押圧装置と呼応して動作し得る。例えば、図5Aにおいて圧力センサ332a〜iの矢印により示されているように、相対的に弱い圧力ゾーンが最初に提供され得る。図5Bの方を参照すると、圧力センサ332a〜eの矢印で示されているように、押圧装置がガラスリボン140を平坦化し始めると、横方向部分142の平坦化された範囲を係合面264に押し付けて堅く保持するために、圧力ゾーンの真空を逐次的に増加させてもよい。ローラ512で平坦化される前にガラスリボンをアンビル部220に対して牽引するのを助けるため、圧力センサ332fの矢印で示されているように、押圧部材の前方の圧力ゾーンの真空を同様に増加させてもよい。したがって、ガラスリボン140がアンビル部220にパチンとぶつかることによって生じていたかもしれない振動を防ぐことができる。一旦全体が係合すると、図5Cにおいて圧力センサ332a〜iの矢印により示されているように、全ての圧力ゾーンの真空を増加させて、横方向部分142の全体を係合面264に押し付けて堅く保持するのを助けることができる。真空ゾーンを個々におよび/または逐次的に制御することにより、内部応力および/または形状の変動がガラスリボン内に固定され得る硬化ゾーン158へと、振動がリボンを上って伝播するのを減少させることができる。さらに、第2部品260に弾性材料(シリコンゴムなど)を提供すると、ガラスリボンの横方向部分を切断装置のアンビル部と係合させるプロセスから振動を吸収するのをさらに助けることができる。
【0034】
他の例においては、横方向部分142がアンビル部220と係合するとき、圧力ゾーンは正圧で動作してもよい。実際には、図6において圧力センサ332fの矢印により示されているように、パチンとぶつからないようにするのを助けるため、ローラによる係合の直前に圧力ゾーンは最大圧力で動作していてもよい。一旦係合されると、圧力センサ332a〜eにより示されているように、圧力ゾーンを明らかに真空で操作してもよい。押圧部材からさらに離れている圧力ゾーンは、圧縮空気を減らして(332g〜h参照)動作させてもよいし、さらにわずかに真空で(332i参照)動作させてもよい。
【0035】
図5Cに示すように、横方向部分142を平坦化し、直線プロファイルを維持してもよい。直線プロファイルは、説明したような平面の係合面264を提供することによって得ることができる。他の例において、他の非平面の係合面を提供してもよいことは明らかであろう。
【0036】
この方法は、ガラスリボン140の横方向部分142に沿って罫書き線を形成するステップをさらに含む。この罫書き線は、側部部分142a、142bの間に延在する連続的な罫書き線を含むが、破線の罫書き線、ミシン目の線、または他の罫書き形状を有するものでもよい。本開示の態様によれば、種々の罫書き装置を使用することができる。例えば、罫書き装置は、レーザ装置、機械的罫書き装置、および/または、これ以外のやり方でガラスリボンに罫書きする装置を含んでもよい。図示のように、罫書き装置516はダイヤモンドポイントスクライバまたはダイヤモンドホイールスクライバを含むが、他の例においては、他の罫書き機構を使用してもよい。
【0037】
この罫書きプロセスは、横方向部分142の全体が真空により強制的にアンビル部220に係合された後に開始させてもよい。あるいは、図5Bに示すように、罫書き装置516で罫書き線を形成するステップは、ガラスリボン140の横方向部分142全体がアンビル部220と係合する前に開始される。このような手順とすると、総処理時間が減少し、製造効率を向上させることができる。
【0038】
図7A〜7Dは、ガラスリボン140の横方向部分142に沿って罫書き線518を形成するステップと、そして横方向部分142の全体が真空により強制的にアンビル部220に押し付けられている間に、罫書き線518に沿ってガラスリボン140からガラスシート152を切断するステップとを含む方法を概略的に図示したものである。図7Aに示すように、少なくとも1つの圧力ポート262が罫書き線518よりも高い高度に位置付けられるようにして、罫書き装置516がガラスリボン140に罫書き線518を形成する。罫書き後、ガラスリボンの横方向部分142全体がアンビル部220に対して平坦化され、その後真空により、ガラスリボン140が非直線プロファイルに戻らないようにした後に、ガラスリボン140からガラスシート152が切断される。
【0039】
図7Bに示すように、このとき、握持装置600により、罫書き線518の下方の、例えばガラスリボン140の対向するエッジ144a、144bに隣接した位置で、ガラスリボンの区分された部分を握持してもよい。次に、横方向部分全体が真空により強制的にアンビル部に押し付けられている間にガラスシートをガラスリボンから罫書き線に沿って切断するよう、握持装置600を、方向602に沿って下方に牽引してもよいし、および/または方向604の周りに回転させてもよい。本開示の態様によれば、広範な握持装置を使用することができる。図示の例において、握持装置600は、ガラスリボン140の外側エッジ部分を単に握持するために設計された、垂直な円柱状の吸引部材606を備えた吸引キャリッジを含んでもよい。
【0040】
図7Cは、横方向部分142が真空により係合面264に対して堅く保持されている間の、ガラスシート152の罫書き線518に関する回転を示したものである。横方向部分142を係合面264に押し付けて堅く保持すると、切断プロセス中に罫書き線518での応力集中を増加させることができ、それによりガラスシート152をリボンから切断するのに必要な力を減少させることができる。さらに、弾性のある第2部品260の下方エッジは、圧縮されて矢印520で示される反力を提供することができ、この力がこのプロセスにおいて、ガラスシート152の上方部分を損傷することなく罫書き線518に沿って割ることをさらに助け得る。
【0041】
図7Dはガラスリボン140から切断されたガラスシート152を示し、このとき弾性のある第2部品260は振動522を吸収することができ、それにより振動がガラスリボンを通って上方に伝播するのを防ぐ。提供される場合には、安定化装置130が、弾性のある第2部品260によって吸収されない任意の振動による任意の影響を、さらに減少することができる。
【0042】
切断されると、ガラスリボン140の横方向部分142は係合面264に押し付けられて堅く保持されたままとなる。その後、横方向部分142の係合面264からの解放を行う際には、ガラスリボンを揺らさないようにしながら横方向部分を係合面から解除するのを助けるよう、すなわち振動がガラスリボンの上方に伝播するのを防ぐよう、制御することができる。例えば、側部の圧力ゾーンが横方向部分の側部エリアを解放し始める前に、中央圧力ゾーンの真空力を減少させて、横方向部分の中央エリアを解放し始めてもよい。
【0043】
図8Aおよび8Bは、横方向部分142を係合面264から解放する1つの方法を示したものである。図8Aの圧力センサ332eに示されているように、中央圧力ゾーン410aにおける真空を、残りの圧力ゾーンにおける真空を減少させる前に減少させてもよい。したがって、横方向部分142の中央エリアは、横方向部分142の残り部分が係合面264に対して堅く保持されたままの状態である間に、その元の形状を保持し始める。横方向部分142の他の部分が徐々に元のプロファイル形状に戻り続けるように、圧力ゾーン410b、410c対における真空をその後逐次的に減少させる。このプロセスは、図5Aに図示されている元の形状が得られるまで続けてもよい。横方向部分の解放を制御すると、様々なより高いエネルギーのプロファイル形状となるガラスリボンの振動および/または急な動きを、防ぐのを助けることができる。
【0044】
図3および8Bに示すように、1つまたは全ての圧力ポート262を、複数の開口266とともに提供してもよい。図示のように、開口は、ガラス粒子700が圧力ポートを通って流れないように濾過することができる。さらに、複数の開口は圧力ポートを通る流量を制御することができ、このため流量を均等にまたは所望のパターンで分配することができる。開口はさらに、流量絞り弁の機能を果たして流体を制御し、圧力ポートで所望の圧力特性を提供するのを助けることができる。
【0045】
図9Aおよび9Bは、解放プロセスを始めるために、中央圧力ゾーンの真空力を減少させている別の例を示したものである。実際には、図示のように、真空力を完全に排除して正圧に置き換えてもよい。図9Aは、横方向部分142の中央エリアを強制的に係合面264から離す正圧を、中央圧力ゾーン410aが含んでいることを明示しており、一方残りの圧力ゾーンは、全体が解除されないよう真空力を与える。図9Bに示すように、圧力ゾーン410b、410c対をその後逐次的に真空から正圧構造へと切り替え、横方向部分142を係合面264から解除し続ける。
【0046】
図示のように、全切断プロセスを移動アンビル装置によって実行してもよい。実際には、図7A、7B、7C、7Dに示すように、アンビル部220はガラスリボン140とともに移動方向128に移動してもよく、その結果、アンビル部220はガラスリボン140に対し、実質的に相対的には、鉛直方向に動いていないことになる。
【0047】
本発明の、例示的な限定するものではない実施の形態は、以下のものを含む。
【0048】
C1.ガラスシートを製造する方法において、ガラスリボンを延伸方向に沿って成形用ウェッジの底部から下流の粘性ゾーンへと融合延伸するステップであって、前記ガラスリボンが、対向するエッジと、該対向するエッジの間に、前記延伸方向を横断する横方向に沿って延在している横方向部分とを含んでいる、該ステップ、前記ガラスリボンを前記粘性ゾーンから下流の硬化ゾーンへと延伸するステップであって、このとき前記ガラスリボンが、粘性状態から弾性状態へと硬化されるステップ、前記ガラスリボンを前記硬化ゾーンから下流の弾性ゾーンへと延伸するステップ、真空を生成して、前記ガラスリボンの前記横方向部分の全体を前記弾性ゾーンにおいて強制的に切断装置のアンビル部に係合させるステップ、前記ガラスリボンの前記横方向部分に沿って罫書き線を形成するステップ、および、前記横方向部分全体が前記真空によって強制的に前記アンビル部に押し付けられている間に、前記ガラスリボンから前記罫書き線に沿って前記ガラスシートを切断するステップ、を含むことを特徴とする方法。
【0049】
C2.前記真空が、互いに独立して操作される、複数の圧力ゾーンにより提供されることを特徴とするC1記載の方法。
【0050】
C3.前記複数の圧力ゾーンが、少なくとも1対の側部圧力ゾーンが跨いでいる、少なくとも1つの中央圧力ゾーンを含み、このとき、前記ガラスシートを切断するステップの後に、前記中央圧力ゾーンの前記真空力を減少させて、前記側部圧力ゾーン対が前記横方向部分の側部エリアを解放し始める前に、前記横方向部分の中央エリアを解放し始めることを特徴とするC1またはC2記載の方法。
【0051】
C4.前記ガラスシートを切断するステップの後、前記中央エリアを前記アンビル部から強制的に離すために前記中央圧力ゾーンが正圧を加えることを特徴とするC3記載の方法。
【0052】
C5.前記正圧が、前記側部圧力ゾーン対により前記真空が維持されている間に前記中央圧力ゾーンにより加えられることを特徴とするC4記載の方法。
【0053】
C6.前記複数の圧力ゾーンが、前記ガラスリボンが前記アンビル部と係合するときに独立して調節されることを特徴とするC2記載の方法。
【0054】
C7.前記複数の圧力ゾーンが、前記ガラスリボンが前記アンビル部と係合するときに逐次的に調節されることを特徴とするC6記載の方法。
【0055】
C8.前記ガラスリボンを、非直線プロファイルを前記横方向において備えている状態で硬化するステップ、および、押圧装置を用いて、前記ガラスリボンの前記横方向部分を前記アンビル部に押し付けて伸ばし平坦化するステップであって、平坦化後、前記ガラスリボンから前記ガラスシートが切断される前に前記ガラスリボンが前記非直線プロファイルに戻らないよう、前記真空が防ぐ該ステップ、をさらに含むことを特徴とするC1記載の方法。
【0056】
C9.前記罫書き線を形成するステップが、前記ガラスリボンの前記横方向部分全体が前記アンビル部と係合する前に開始されることを特徴とするC1からC8いずれか1項記載の方法。
【0057】
C10.前記アンビル部が弾性材料を含むことを特徴とするC1からC9いずれか1項記載の方法。
【0058】
C11.前記アンビル部が、前記真空を生成するために流体加圧装置と連通している少なくとも1つの圧力ポートを有していることを特徴とするC1からC10いずれか1項記載の方法。
【0059】
C12.前記少なくとも1つの圧力ポートが、前記罫書き線よりも高い高度に位置付けられることを特徴とするC11記載の方法。
【0060】
C13.前記少なくとも1つの圧力ポートが、該圧力ポートを通る流量を制御する複数の開口とともに提供されることを特徴とするC11記載の方法。
【0061】
C14.前記少なくとも1つの圧力ポートが、ガラス粒子が該圧力ポートを通って流れないよう濾過する複数の開口とともに提供されることを特徴とするC11記載の方法。
【0062】
C15.前記アンビル部が、前記真空を生成するために流体加圧装置と連通している少なくとも1つの圧力ポートと、前記ガラスシートの前記横方向部分全体が前記真空によって強制的にアンビル部に押し付けられているときに前記ガラスリボンと係合する係合面とを備え、前記少なくとも1つの圧力ポートが、前記係合面において窪んだ状態のものであることを特徴とするC1からC14いずれか1項記載の方法。
【0063】
C16.弾性材料が前記係合面を提供することを特徴とするC15記載の方法。
【0064】
C17.前記係合面が、平面の係合面を含むことを特徴とするC15記載の方法。
【0065】
C18.前記ガラスリボンを、実質的に湾曲した断面プロファイルを前記横方向において備えている状態で硬化するステップをさらに含むことを特徴とするC1からC17いずれか1項記載の方法。
【0066】
C19.前記ガラスシートを前記罫書き線に沿って前記ガラスリボンから切断する前に、前記真空が、前記ガラスリボンの前記横方向部分を前記アンビル部に押し付けた状態で実質的に真っ直ぐな断面プロファイルに沿って保持することを特徴とするC1からC18いずれか1項記載の方法。
【0067】
C20.前記切断装置が移動アンビル装置を含み、前記アンビル部が、前記真空を維持しながら前記横方向部分とともに前記延伸方向に動くことを特徴とするC1からC19いずれか1項記載の方法。
【0068】
請求される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0069】
120 成形用ウェッジ
122 底部
140 ガラスリボン
142 横方向部分
152 ガラスシート
156 粘性ゾーン
158 硬化ゾーン
160 弾性ゾーン
210 切断装置
220 アンビル部
262 圧力ポート
264 係合面
332a〜332i 圧力センサ
410a 中央圧力ゾーン
410b〜410e 圧力ゾーン対
510 押圧装置
516 罫書き装置
518 罫書き線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスシートを製造する方法において、
ガラスリボンを延伸方向に沿って成形用ウェッジの底部から下流の粘性ゾーンへと融合延伸するステップであって、前記ガラスリボンが、対向するエッジと、該対向するエッジの間に、前記延伸方向を横断する横方向に沿って延在している横方向部分とを含んでいるステップ、
前記ガラスリボンを前記粘性ゾーンから下流の硬化ゾーンへと延伸するステップであって、このとき前記ガラスリボンが、粘性状態から弾性状態へと硬化されるステップ、
前記ガラスリボンを前記硬化ゾーンから下流の弾性ゾーンへと延伸するステップ、
真空を生成して、前記ガラスリボンの前記横方向部分の全体を前記弾性ゾーンにおいて強制的に切断装置のアンビル部に係合させるステップ、
前記ガラスリボンの前記横方向部分に沿って罫書き線を形成するステップ、および、
前記横方向部分全体が前記真空によって強制的に前記アンビル部に押し付けられている間に、前記ガラスリボンから前記罫書き線に沿って前記ガラスシートを切断するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記真空が、互いに独立して操作される、複数の圧力ゾーンにより提供されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ガラスリボンを、非直線プロファイルを前記横方向において備えている状態で硬化するステップ、および、押圧装置を用いて、前記ガラスリボンの前記横方向部分を前記アンビル部に押し付けて伸ばし平坦化するステップであって、平坦化後、前記ガラスリボンから前記ガラスシートが切断される前に前記ガラスリボンが前記非直線プロファイルに戻らないよう、前記真空が防ぐステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記罫書き線を形成するステップが、前記ガラスリボンの前記横方向部分全体が前記アンビル部と係合する前に開始されることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記アンビル部が弾性材料を含むことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記アンビル部が、前記真空を生成するために流体加圧装置と連通している少なくとも1つの圧力ポートを有していることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記アンビル部が、前記真空を生成するために流体加圧装置と連通している少なくとも1つの圧力ポートと、前記ガラスシートの前記横方向部分全体が前記真空によって強制的にアンビル部に押し付けられているときに前記ガラスリボンと係合する係合面とを備え、前記少なくとも1つの圧力ポートが、前記係合面において窪んだ状態のものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記ガラスリボンを、実質的に湾曲した断面プロファイルを前記横方向において備えている状態で硬化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記ガラスシートを前記罫書き線に沿って前記ガラスリボンから切断する前に、前記真空が、前記ガラスリボンの前記横方向部分を前記アンビル部に押し付けた状態で実質的に真っ直ぐな断面プロファイルに沿って保持することを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記切断装置が移動アンビル装置を含み、前記アンビル部が、前記真空を維持しながら前記横方向部分とともに前記延伸方向に動くことを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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