説明

ガラスチョップドストランドマットの製造方法、ガラスチョップドストランドマット、及びルーフライナ

【課題】マットが柔軟で強度的にも優れ、部分的な破断、損傷を防止でき、更に外観上欠点の発生を抑制できるガラスチョップドストランドマットとその製造方法の提供
【解決手段】ガラスチョップドストランドマット19の製造方法は、ガラスチョップドストランド11aのシート状堆積物11bに結合剤Pを散布して加熱後、軟化した結合剤を冷却固化し、ガラスチョップドストランド同士を結合するもので、結合剤Pは、粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)が275μm以上325μm以下、D10が240μm以上、D90が390μm以下となる粒度分布を有する。ガラスチョップドストランドマット19は、目付が50g/mから200g/mの範囲内である。またルーフライナは、ガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートに接着されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化複合材の構成材料として使用されるガラスチョップドストランドマットと、その製造方法、及びガラスチョップドストランドマットにより構成された自動車等に用いられるルーフライナに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスチョップドストランドマットは、量産性と優れた機械的強度を有し、さらに経済的に入手し易い材料であるため、多くの繊維強化複合材の構成材料として用いられている。ガラスチョップドストランドマットは、結合剤と呼ばれる有機樹脂材によってガラスチョップドストランド同士を互いに結合してマット状に成形したガラス基材であり、その具体的な製造は、次のようなものである。まず、予め所定の組成となるように調製したガラス原料を加熱して溶融し、均質な溶融ガラスとする。次いで、この溶融ガラスを貴金属製の複数のノズルより糸状に連続的に引き出して冷却する。こうして得られるガラスフィラメントの表面に、予め複数の薬剤を混合、調整した集束剤を塗布し、集束剤が付着した複数本のガラスフィラメントを束ねて集束させることにより、所定太さのガラスストランドを得る。例えば、Eガラス組成のガラス繊維であれば、その単繊維直径が11μm、ストランド番手が25テックス(テックスは、長さ1000m当たりのグラム単位での質量)のガラスストランドとすればよい。
【0003】
その後、ガラスストランドを、切断装置によって所定長に切断し、その多数本を均等無秩序に堆積させてシート状の堆積物とする。例えば、ガラスストランドの長さ寸法が、約50mmとなるようにガラス繊維切断カッターで切断し、目付が50〜900g/mとなるように均等無秩序に堆積させればよい。そして、このシート状の堆積物の上方より結合剤として粉末ポリエステル樹脂を適量散布する。粉末ポリエステル樹脂の付着量は、1〜20質量%となるように散布すればよい。こうして粉末ポリエステル樹脂が散布された状態のシート状堆積物を加熱することで、粉末ポリエステル樹脂を軟化させた後に冷却固化することによって、ガラスチョップドストランド同士を結合させると、ガラスチョップドストランドマットが得られることになる。
【0004】
ガラスチョップドストランドは、多くの繊維強化複合材の構成材料として用いられる。例えば、自動車用等の成形天井材(以下、ルーフライナと呼ぶ)として利用する場合には、発泡樹脂シートの両表面にガラスチョップドストランドマットを接着することによってルーフライナが製造されることになる。ルーフライナに求められる性能は、剛性、寸法安定性、断熱性、及び遮音性等の特性に加え、自動車全体の重量を軽減することである。よってルーフライナに用いられるガラスチョップドストランドマットは、その目付けの低減、すなわち単位面積当たりの質量を小さくすることが要求される。しかし、ガラスチョップドストランドマットの目付けは小さくなるほど、ガラスチョップドストランドマットのストランド分布が不均一な状態となるため、マットの機械的強度の指標となる引張強さ(引張強度とも称す)が低下したものとなる。その結果、マットを巻き芯に巻き取った後、その外層からマットを順番に引っ張り、解き出す、いわゆる解舒作業の途中でマットがちぎれるという不良現象の発生率が高くなり、マットのちぎれに注意を払いながら作業することとなるので作業性が大幅に低下するという問題がある。
【0005】
このためチョップドストランドマットの機械的強度を向上させる試みは、これまでにも行われてきている。特許文献1は、2種類の形態のガラスチョップドストランドを併用することによって、搬送コンベヤ上でのガラスチョップドストランドの分散性が良好になり、高い引張強度のガラスチョップドストランドマットの得られることを開示している。
【0006】
特許文献2は、目付が80〜200g/mであり、JIS R3420に従う強熱減量が10〜25重量%とすることで、軽量であり解舒作業中に破断することのない強度を有するガラスチョップドストランドマットが開示されている。
【0007】
特許文献3は、ガラスチョップドストランド同士を互いに結合させる結合剤にポリエチレン樹脂を5質量%以上含有させたものを使用することによって、十分な引張強度を有し、成形性を向上させるという発明も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−93546号公報
【特許文献2】特開2003−175777号公報
【特許文献3】特開2008−038297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したようなガラス繊維マットは、ガラスチョップドストランドを搬送コンベヤの搬送ネットの上に堆積させた後、ストランド堆積物に上から顆粒状の結合剤(バインダ、または2次結合剤とも呼ぶ)を散布し、次いで加熱炉で加熱溶融した後に冷却固化することにより製造される。散布された顆粒状の結合剤の一部は、ストランド堆積物の堆積したガラスチョップドストランドの隙間や搬送ネットの間隙を抜けて下方へと落下してしまう。このように、本来ガラスチョップドストランドの結合のために散布された結合剤の一部がガラスチョップドストランドの結合に有効に利用されないと、得られたガラスチョップドストランドが十分な引張強さを持たない場合もある。このため結合剤を散布する前にストランド堆積物を予め水で湿潤させておき、結合剤がストランド堆積物に付着し易くする対応策がとられた。
【0010】
しかし、水で湿潤された含水ストランド堆積物を用いても、散布した結合剤の内の一部は含水したまま、搬送ネットの隙間から下方へと落下してしまう。このため均等な散布状態が得られがたくなり均等な散布が行えないと、ガラスチョップドストランドマットの引張強度が均一なものとならず、局所的に脆弱なものとなってしまという問題がある。
【0011】
例えば、ルーフライナは、上述のガラスチョップドストランドマットを用いた繊維強化複合材の一つである。このルーフライナに用いられるガラスチョップドストランドマットについては、用いられる結合剤が均等に散布、付着していないと、ガラスチョップドストランドマットの引張強度に偏りが生じ、マットが部分的に破断しやすくなる虞がある。引張強度の低いガラスチョップドストランドマットは、ルーフライナの製造工程で他の材料と積層されて用いられる際にロール状に巻き取られたマット回巻体から連続的に引き出されると、マットが破断する虞がある。また結合剤が均等に散布されて付着したガラスチョップドストランドマットを使用していないと、自動車の天井の形状にプレス成型した際、自動車天井のシェードなどの深絞り部に相当するコーナーにひけと呼ばれる表皮のしわが発生するという欠点に係る問題も提示されている。
【0012】
本発明は、上記した様々な事情に鑑み行われたもので、得られるルーフライナに必要な剛性を確保した上で、マット回巻体からガラスチョップドストランドマットを引き出して使用する際にそのマットが柔軟で更に強度的にも優れており、部分的に破断、あるいは損傷するのを防止することが可能であって、しかもマットを使用したルーフライナにひけと呼ばれる外観上の欠点の発生を十分に抑制できるガラスチョップドストランドマットの製造方法、この製造方法により得られるガラスチョップドストランドマット、及び本発明のガラスチョップドストランドマットを使用するルーフライナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、ガラスチョップドストランドのシート状堆積物に結合剤を散布して加熱した後、軟化した結合剤を冷却固化することによって該ガラスチョップドストランド同士を結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、前記結合剤は、粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)が275μm以上、325μm以下、D10が240μm以上、D90が390μm以下となる粒度分布を有する粉体結合剤であることを特徴とする。
【0014】
ガラスチョップドストランドのシート状堆積物に結合剤を散布して加熱した後、軟化した結合剤を冷却固化することによって該ガラスチョップドストランド同士を結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、前記結合剤は、粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)が275μm以上、325μm以下、D10が240μm以上、D90が390μm以下となる粒度分布を有する粉体結合剤であるとは、次のような構成である。すなわち本発明は、所定長に切断され、搬送コンベヤの搬送ネット上に積み重なって均等無秩序に堆積したガラスチョップドストランドの上方から結合剤(2次結合剤、または2次バインダともいう)を散布した後に、この結合剤を軟化温度まで加熱して軟化し、ガラスチョップドストランドに馴染ませ、さらに冷却して固化することにより、夫々堆積状態にあるガラスチョップドストランドを互いに結合した状態としてマットにする製造方法である。このガラスチョップドストランドマットの製造方法で使用する上述の結合剤は、その粒度分布を粒度分布計測装置により計測すると、粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)が275μm以上で、かつ325μm以下、D10が240μm以上、D90が390μm以下という条件を満足する状態となっているということである。
【0015】
本発明の構成を有する結合剤は、ガラスチョップドストランドが堆積されて積層された上方から散布されると、堆積状態のガラスチョップドストランドの適所に均等に散布され、堆積状態のガラスチョップドストランドの隙間からの落下も抑制されたものとなる。このため、この状態で軟化した結合剤を冷却固化することによって該ガラスチョップドストランド同士を結合すると、得られたマットを構成するガラスチョップドストランドの結合箇所は均等に分布した状態となり、引張強度が局所的に異なる状態とならず、偏りのない安定した引張強度を有するガラスチョップドストランドマットとなる。
【0016】
シート状に堆積されたガラスチョップドストランド(シート状堆積物)上に粉体状の結合剤を散布する場合に、その結合剤の粒径加積曲線における有効粒径であるD50(平均粒子径)が275μm未満である場合には、結合剤の粒度が細かくなりすぎて、各々の粉体が、ガラスチョップドストランド同士が結合する適所の接着点上に定着する率が低くなり、接着に寄与する結合剤量が少なくなる傾向になるため、結合剤によるガラスチョップドストランド同士の接着が弱くなり、ガラスチョップドストランドマットがちぎれやすくなる虞があるので好ましくない。また、結合剤の粒度が小さくなると、散布を行う際に用いられるホッパーでの流動特性が低下するので好ましくない。また、工程内の雰囲気の対流や、散布位置から堆積物までの距離などの製造環境の影響によっても均等に結合剤が散布されるのが妨げられる場合も発生し、このような観点からも好ましくない。
【0017】
また、結合剤の粒径加積曲線におけるD50(平均粒子径)が325μmを超える場合、同じ量の結合剤を使用した場合にガラスチョップドストランド同士を互いに結合する最適な接着点の数が少なくなりすぎる。このような状態で結合剤を用いてマットを製造すると、製造工程におけるガラスチョップドストランドの脱落、すなわちストランド落ちが増加し、ガラスチョップドストランドマット全体の引張強度が弱くなり、破断やちぎれに繋がる虞がある。ガラスチョップドストランドの脱落とは、互いに結合されることなくマットの形成部材として関与しないガラスチョップドストランドが発生するということである。また、接着点の減少を補うために接着点を増加させるには散布量を増加させねばならず、効率的な製造の妨げになるので好ましくない。また、結合剤の粒度が大きくなりすぎると、堆積状態のガラスチョップドストランドの最下層まで均等に結合剤が散布され難くなり、このことはストランド落ちが増加する原因の一つとなるとともに結合剤の均等な散布が妨げられることにもなるので好ましくない。
【0018】
結合剤の粒径加積曲線におけるD10が240μm未満になる場合にも、結合剤の粒度は細かすぎ、ガラスチョップドストランド同士が結合する適所の接着点上に定着する率が低くなるとともに、例え接着点に結合剤が付着してもガラスチョップドストランド同士を互いに接着するに見合う付着量が達成されなくなるので好ましくない。
【0019】
結合剤の粒径加積曲線におけるD10が390μmを超える場合には、D50(平均粒子径)が325μmを超える場合と同様に、同じ量の結合剤を使用した場合にガラスチョップドストランド同士を互いに結合する最適な接着点の数が少なくなりすぎる。このような状態で結合剤を用いてマットを製造すると、製造工程におけるガラスチョップドストランドの脱落、すなわちストランド落ちが増加し、ガラスチョップドストランドマット全体の引張強度が弱くなり、破断やちぎれに繋がる虞があるので好ましくない。接着点の数を増加させるには、必要量以上の過剰な散布を行うことになり、経済的でもない。
【0020】
上記のように結合剤が結合に寄与する接着点に十分に散布されない場合に、接着点以外に結合剤の付着量が多くなった部位が他の部位と比べて硬くなり、製造されたガラスチョップドストランドマットの柔軟性が低下する。このような状態のガラスチョップドストランドマットを、例えば自動車用のルーフライナとして成形した時に、シェードなどの開口部や深絞りのコーナー部にこの硬い部位が配置されると、ひけと呼ばれる表皮のしわが入る欠陥が発生する場合がある。また、ひけの発生を避けるために、結合剤の量を減らすとチョップドストランドマットの目付けの小さい部分の引張強度が弱くなる。このため、ガラスチョップドストランドマットにフェノール、メラミン、あるいはイソシアネート等の接着剤を塗布するためにマット回巻体からマットを引き出す際、あるいはルーフライナを成型する工程において表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット、発泡樹脂シート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ねる工程にて、接着剤が塗布されたガラスチョップドストランドマットにより巻き取られた樹脂含浸チョップドストランドマットロールからマットを順次引き出す際に、ガラスチョップドストランドマットの目付けの薄い部分からマットが破断する、即ち、ちぎれるといった問題が生じることになる。
【0021】
粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)、D10、D90の夫々の値を計測するには、まず、結合剤を代表するものを縮分法などによりサンプリングし、例えばJIS R1629(1997)に定義されるレーザー粒子径計測装置による粒子径の計測により、その粒度計測値を特定すればよい。具体的には例えば、日機装株式会社製Microtrac、株式会社島津製作所製SALD2000J等の粒度精密測定装置を使用してμm単位で小数点1桁までの精度で計測すればよい。
【0022】
本発明の結合剤の粒度分布構成を実現するためには、例えば予め化学的に調整して得られた結合剤を機械的な粉砕装置、例えばボールミル、媒体撹拌ミル、気流式粉砕機の何れかを使用して粉砕すればよい。ボールミルとは、ボールと呼ばれる駆動体としてセラミックスや天然鉱石等を使用し、その駆動体を被粉砕物の表面へ繰り返し衝突させることで、被粉砕物を徐々に破砕、粉砕していく加工装置である。このボールミルとしては、最も一般的な円筒形や円錐形の容器内で粉砕をおこなう転動型のボールミル(狭義のボールミル)、ボールに微振動を付与することで微粉砕を行う振動ミル、ボールに加速を与えて粉砕効率を向上させた媒体遊星ミル等を用いてよい。媒体撹拌ミルとは、ボールミル同様にメディアを被粉砕物に衝突させるが、メディアを収納する容器内にディスクや翼状の回転体を設けてメディアに複雑な運動をさせるものであって、効率的な粉砕が可能となる粉砕装置である。媒体撹拌ミルとしては、一般にアニラーミル型、タワーミル型、サンドグラインダミル型、アトライタミル型等が使用可能である。そしてこれらの装置を利用する場合にも、上記のボールミルの場合と同様の対処をすることによって、本発明に適用可能となるものである。さらに、気流式粉砕機とは、高速ジェット気流等によって被粉砕物を強制的に衝突させて粉砕を行う方式を採用した粉砕装置であって、粒度の揃った粉末を調整するに好適である。そして特に、本装置を利用する際には、利用するジェット気流そのものを高湿度環境に保持されるように調整した雰囲気とすることによって、所望の粉砕環境を実現することも可能である。
【0023】
本発明に係る結合剤としては、50〜300℃で軟化し、急冷固化したときに十分な接着性が得られるものであればよく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂やその混合物、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂等を使用してもよい。
【0024】
また、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、上述に加えて結合剤が、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂を含むものであるならば、加熱によってガラスチョップドストランドの表面上で容易に軟化して、冷却することにより固化し、それによってガラスチョップドストランド同士を十分な接着力で結合する。このためマットになった後の結合性能等に起因する機械的強度や、マットの取り扱い易さなど、柔軟性の性能面で優れた品位のガラスチョップドストランドマットが得られることになるので好ましい。
【0025】
結合剤が、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂を含むものであるとは、例えば骨格にビスフェノール基を有する不飽和ポリエステル樹脂を結合剤として用いるというものである。
【0026】
また、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、上述に加えて結合剤が、ボールミルによる粉砕工程の後、篩分級工程を経て得られたものであれば、経済的に高い製造効率で、所望の粒度の結合剤を得ることができるので好ましい。
【0027】
結合剤が、ボールミルによる粉砕工程の後、篩分級工程を経て得られたものとは、化学的合成によって得られた結合剤をボールミルにより粉砕し、その後篩分級で分級して粒度調整することによって得られたものであることを意味している。
【0028】
本発明のガラスチョップドストランドマットは、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法によって製造されたものであり、50g/m以上、200g/m以下の範囲内であることを特徴とする。
【0029】
本発明のガラスチョップドストランドは、ガラスチョップドストランドのシート状堆積物に結合剤を散布して加熱した後、軟化した結合剤を冷却固化することによって該ガラスチョップドストランド同士を結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、前記結合剤は、粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)が275μm以上、325μm以下、D10が240μm以上、D90が390μm以下となる粒度分布を有する粉体結合剤であることを特徴とするガラスチョップドストランドマットの製造方法により製造される。そして得られたガラスチョップドストランドマットは、その目付けが50g/m以上で、かつ200g/m以下の範囲である。
【0030】
ガラスチョップドストランドマットの目付けが50g/m未満であると、接着点の数が少なくなり、十分な引張り強さが得られない場合が生じやすくなるので好ましくない。またガラスチョップドストランドマットの目付けが200g/mを超えると、マットの重量が重くなり、またマットの柔軟さが失われる場合も生じるので好ましくない。
【0031】
本発明のルーフライナは、ガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートの表裏面のいずれか一面側に接着されてなるならば、様々な自動車の成形天井として用いることができ、深絞り成形なども容易である。
【0032】
本発明のルーフライナは、上述に加えてフェノール、メラミン、あるいはイソシアネートの何れかの接着剤によって発泡樹脂シートの表面あるいは裏面の少なくとも一面側に接着されて構成されたルーフライナである。発泡樹脂を用いたシート材の一面のみにガラスチョップドストランドマットを採用する場合、他面には、異なった素材の補強材を使用することは、特に限定するものではない。
【0033】
本発明のルーフライナは、例えば、接着剤を塗布したガラスチョップドストランドマットは、表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット、発泡樹脂シート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ねて製造すればよい。
【発明の効果】
【0034】
(1)以上のように本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、ガラスチョップドストランドのシート状堆積物に結合剤を散布して加熱した後、軟化した結合剤を冷却固化することによって該ガラスチョップドストランド同士を結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、前記結合剤は、粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)が275μm以上、325μm以下、D10が240μm以上、D90が390μm以下となる粒度分布を有する粉体結合剤であるため、ガラスチョップドストランドのシート状堆積物上に偏りなく均等に付着する。このため、ガラスチョップドストランドの結合に必要な接着点を得ることができ、その結果、ガラスチョップドストランドマットの機械的強度の指標となる引張強さに部位による偏りが生じないものとすることができる。そしてこのような均等な機械的強度を有するため、マット回巻体からガラスチョップドストランドマットを引き出して解舒する際に、その操作を円滑に行うことができ、ガラスチョップドストランドマットの破断等の問題の発生を抑止することが可能となるものである。
【0035】
(2)また本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、結合剤が、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂を含むものであるならば、結合剤がガラスチョップドストランドのシート状堆積物上で容易に軟化し、ガラスチョップドストランドと馴染みがよく、ガラスチョップドストランド同士を強固に結合した状態となるように容易に固化させることができるため、ガラスチョップドストランドマットの安定生産を行うことができる。
【0036】
(3)本発明のガラスチョップドストランドマットは、結合剤が、ボールミルによる粉砕工程の後、篩分級工程を経て得られたものであるため、粒度を適正範囲に調整しやすく、またその形状が適度に角張っており、ガラスチョップドストランドの適正な接着点に付着しやすい。また粉砕品で表面積が大きいため、熱吸収が早く、加熱時の軟化が円滑になされ、ガラスチョップドストランドマットの製造効率を向上させることができる。
【0037】
(4)また本発明のガラスチョップドストランドマットは、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法によって製造されたものであり、目付が50g/mから200g/mの範囲内であるため、十分な柔軟性を有するマット状構造補強材であり、深絞り部等の複雑な形状部を有する自動車用のルーフライナ等に使用する際に、ひけ等の成形欠陥の発生を低減して確実に補強することが可能なものとなる。
【0038】
(5)本発明のルーフライナは、本発明のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートの表裏面のいずれか一面側に接着されてなるため、多様な自動車の形状に適用することができ、軽量でかつ十分な強度を有し、さらに高い剛性、断熱性及び遮音性等の多くの性能を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のガラスチョップドストランドマットの製造工程を示す説明図。
【図2】本発明のガラスチョップドストランドマットの部分拡大説明図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法、ガラスチョップドストランドマット、及び本発明のガラスチョップドストランドマットを使用したルーフライナについて図1、図2を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0041】
まず、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法について工程順に従って説明する。
【0042】
予め調製したガラス原料をガラス熔融炉(図示省略)にて均質に熔融し、得られた均質な状態のEガラス材質の熔融ガラスを白金製ブッシング(図示省略)へと導く。次いで1200本のノズルを持つ白金製ブッシングから直径11.6μmのガラスフィラメントを連続的に引き出して成形する。引き出されたガラスフィラメントの表面には、集束剤が塗布される。集束剤の成分は、固形分100質量%換算のポリ酢酸ビニルエマルジョンが4質量%、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが0.3質量%、第4級アンモニウム塩が0.5質量%、イオン交換水が95.2質量%となるように調整したものである。ここでは、この集束剤が、ガラスフィラメント表面ヘの付着に0.4質量%の付着率となるように塗布する。集束剤が塗布された1200本のガラスフィラメントは、カーボン製のシューによって分糸及び集束される。そして、68本のガラスフィラメントよりなる18本のガラスストランド10になり、ボビンに巻き取られて図1に示すガラスケーキ5を得る。その後このガラスケーキ5を、所定時間乾燥して水分を蒸発させ、ガラスフィラメントの表面上に集束剤を定着させる。
【0043】
図1に示すように、ガラス繊維マット製造装置50の各切断機12は、チャンバー11の天井部分に配設されており、反対方向に回転する一対のカッターロール12aとゴムロール12bから構成されている。乾燥工程を終えたガラスケーキ5の内層から連続的に解舒された各ガラスストランド10は、各切断機12の互いに回転するカッターロール12aとゴムロール12bの間に順次送り込まれて、長さ50mmの寸法に連続的に切断される。
【0044】
長さ50mmの寸法に切断されたガラスチョップドストランド10aは、チャンバー11の底部に配設された第一搬送コンベア13の上で均一に分散された状態になるように積もり、次々にシート状に堆積された状態となって第一搬送コンベア13によってチャンバー11の外へと搬送される。次いで堆積されたガラスチョップドストランド10aは次の第二搬送コンベア14に移載され、第二搬送コンベア14上で移動するガラスチョップドストランド10aのシート状堆積物10b上に、平均粒子径(D50)が308μmであり、D10が254μm、D90が386μmであるビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂からなる粉体の結合剤Pが、均一状態に調整されてチョップドストランド10aの結合剤として所定の付着量(11質量%)となるように散布機15によって均等に散布される。この粉体結合剤の、平均粒子径等の計測には、株式会社島津製作所製SALD2000Jを用いた。ちなみに、このビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂からなる粉体の結合剤Pは、化学合成されたものを乾燥後、アルミナボールを有するボールミルを用いて所定時間粉砕し、その後、篩分級工程によって所定の粒径となるように調整して得られたものである。
【0045】
そしてベルトコンベア14上に均一に散布されたガラスチョップドストランド10aのシート状堆積物10bとその上から散布された粉体の結合剤Pとが密着した状態のままで第二搬送コンベア14から第三搬送コンベア16上へと移載される。第三搬送コンベア16の途中には、加熱炉17が配置されており、粉体の結合剤Pが散布されたシート状堆積物10bが、加熱炉17中に移動して所定温度で加熱されることになる。次いでこのガラスチョップドストランド10aの表面上で散布された粉体の結合剤Pが軟化し溶融したシート状堆積物10bを、加熱炉17の外部に移動させ、冷却圧延機18の水冷プレスロール18a、18b間を通して冷却、プレスを行う。ちなみにこの冷却圧延機18は、図1にも示されているようにマットに対して下方に配された送り方向に回転する水冷プレスロール18bと、反対方向に回転するマット上方に配された水冷プレスロール18aとの間隙に上記したガラスチョップドストランド10aの表面上で散布された粉体の結合剤Pが軟化し溶融したシート状堆積物10bを送り方向に挿入して圧延するための装置である。この冷却圧延操作を行うことによって、溶融していた粉体結合剤Pが固化されて、その後巻き取り機21によって巻き取られて最終的にガラスチョップドストランドマット19(目付107g/m)の回巻体20が得られる。
【0046】
このようにして得られたガラスチョップドストランドマット19から巾150mm、長さ300mmのサンプルを巾方向に8枚×5列採取し、その引張強さをJIS R3420(2006)に従い、チャック間距離200mm、引張速度200mm/minで測定した。測定結果はその平均値と標準偏差の値を表1にまとめて示す。
【0047】
【表1】

【0048】
また、以上の工程によって得られたガラスチョップドストランドマット19では、図2にそのガラスチョップドストランド10aの分散状態と粉体結合剤によって得られる接着点2の分布状態をモデルとして示したように、ガラスチョップドストランド10aの表面に均等に分布する接着点2が得られるようになり、接着点2の偏りが認められない構造となる。
【実施例2】
【0049】
こうして得られたガラスチョップドストランドマット19を使用して製造される自動車用の成形天井材、すなわちルーフライナについて、その性能を調査した。以下にその内容を説明する。
【0050】
まず表1に示すように、本発明の実施例である試作製造番号のNo.1からNo.5および比較例である試作製造番号No.101及びNo.102、計7種類の試料を作成した。すなわち、表1のストランド番手となるEガラス材質の所定の寸法を有し、所定のマット目付となるように調整したガラスチョップドストランドマット19にイソシアネート系の接着剤を含浸させた後、表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット19、発泡ポリウレタンシート、別のガラスチョップドストランドマット19及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ね合わせてゆく。次いで、この積層物を自動車の天井の形状をしたプレス型に入れ、その状態でプレス成型を行い所定の形状にした後、その周囲をトリミングして整えた。
【0051】
なおガラスチョップドストランドマット19中のストランド番手(テックス)の測定は、チョップドストランドマット19を620℃で30分間焼却した後、チョップドストランドマット19を構成するストランド50本を抜き取り、その平均長さL(mm)を測定した後、感量が0.1mg以下の秤を用いて50本の総質量W(g)を測定し、数1に示した式により算出することができる。この式は、ストランド長1000mの重量を表すため、単位をミリメートル(mm)からメートル(m)に換算するものとなっている。
【0052】
【数1】

【0053】
以上の手順によって作成された各試料をそれぞれ次に示す評価方法によって調査した。
【0054】
ガラスチョップドストランドマットの結合剤の付着量については、JIS R3420(2006)に記載の方法によって計測したガラスチョップドストランドマットの強熱減量からガラスチョップドストランドの製造に使用したケーキの強熱減量(0.4質量%)を差し引くことにより求めた。
【0055】
また本発明の自動車用のルーフライナの評価は、1000枚の自動車用のルーフライナについて、その表皮側にひけの発生した数量を目視観察によって熟練者が検査を行った。以上の結果を表1に表す。
【0056】
表1からも明らかなように、実施例の試料No.1は、ストランド番手が19texでマット目付が107g/m、結合剤の付着量が10.5%の試料で、粉体結合剤の粒度がD50=308μm、D10=254μm、D90=386μmを使用して製造したものであるが、ガラスチョップドストランドマットの引張強さは、その平均値が230Nで標準偏差が42Nであり、十分に高い引張強さを有し、しかもそのバラツキが小さい値となっている。このためマット回巻体からガラスチョップドストランドマットを解舒して引き出す際に、ガラスチョップドストランドマットが柔軟であるためガラスチョップドストランドマットがちぎれることもなく円滑に引き出すことができ、自動車用ルーフライナのひけ不良による不良は0%であった。
【0057】
また、試料No.2は、ストランド番手が19texでマット目付が106g/m、結合剤の付着量が10.5%の試料で、粉体結合剤の粒度がD50=308μm、D10=254μm、D90=386μmを使用して製造したものである。得られたガラスチョップドストランドマットの引張強さは、その平均値が225Nで標準偏差が44Nであり、問題のない品位であった。そして、このガラスチョップドストランドマットをマット回巻体に巻き取り、その後、自動車用ルーフライナ製造工程にて樹脂含浸されたガラスチョップドストランドマットロールからマットを解舒して引き出す際に樹脂含浸チョップドストランドマットがちぎれることもなく、ひけ不良による不良も試料No.1と同様に全く認められないものであった。
【0058】
さらに試料No.3から試料No.5については、それぞれ試料No.3が、ストランド番手が19texでマット目付が106g/m、粉体結合剤の付着量が11.0%、結合剤の粒度がD50=290μm、D10=245μm、D90=370μmを使用して製造した試料、試料No.4が、ストランド番手が20texでマット目付が106g/m、結合剤の付着量が11.0%、結合剤の粒度がD50=295μm、D10=245μm、D90=375μmを使用して製造した試料、試料No.5が、ストランド番手が20texでマット目付が107g/m、結合剤の付着量が12.0%、結合剤の粒度がD50=295μm、D10=240μm、D90=375μmを使用して製造した試料である。これら試料No.3から試料No.5の試料については、ひけによる不良は全く認められず、マット回巻体からガラスチョップドストランドマットを解舒して引き出す際にマットがちぎれることもなかった。また、ガラスチョップドストランドマットの引張強さは、試料No.3が、その平均値が233Nで標準偏差が43Nであり、試料No.4が、その平均値が240Nで標準偏差が45N、試料No.5が、その平均値が250Nで標準偏差が48Nであって、いずれも引張強さについて全く問題のない品位を有するものであった。
【0059】
以上まとめると、実施例の試料No.1から試料No.5の試料については、結合剤の粒度がD50が290μm以上、308μm以下、D10が240μm以上、254μm以下、D90が370μm以上、386μm以下であった。このように本発明の要件を満足する範囲の粒度の結合剤を用い、結合剤付着量が10.5%以上、12.0%以下となるようにし、マット目付が106g/m以上、107g/m以下のガラスチョップドストランドマットについては、本発明の実施例のガラスチョップドストランドマットは、引張強さの平均値が225N以上、250N以下の範囲にあり、その標準偏差は42N以上、48N以下の範囲にあり、十分に高い安定した引張強さを有することが判明した。
【0060】
一方、比較例である試料No.101は、ストランド番手が20texでマット目付が107g/m、結合剤の付着量が12.0%で、粉体結合剤の粒度がD50=183μm、D10=128μm、D90=385μmを使用して製造した試料であるが、D10とD90が本特許の請求項の範囲外であるため、結合剤が接着点に均等に分散されず、接着点以外のストランドにも付着した状態となる。このため、ガラスチョップドストランドマットに剛性の高い部分ができるため引張強さの平均値は290Nで、その標準偏差が120Nであって、バラツキの大きい品位であり、ガラスチョップドストランドマットに部分的に引張強さが非常に高い部分が存在するので、柔軟性がなくなり、ひけ不良の発生率が20%と高い値となった。
【0061】
また比較例である試料No.102は、ストランド番手が19texでマット目付が106g/m、結合剤の付着量が10.0%で、粉体結合剤の粒度がD50=350μm、D10=242μm、D90=425μmを使用して製造した試料であるが、D50とD90が本特許の請求項の範囲外であるため、ガラスチョップドストランドマットに均等に結合剤が分散されず、接着点が少ないため部分的に強度の弱い部分が存在し、ガラスチョップドストランドマットロール、すなわちマット回巻体からマットを解舒して引き出す時にちぎれが発生した。
【0062】
以上のように、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は安定した品位を有する本発明のガラスチョップドストランドマットを効率よく製造することのできるものである。また本発明の自動車用のルーフライナは、強度による問題を生じさせることなく軽量化が可能であり、外観品位についてもひけ不良の発生のない優れた品位を有するものであることが明瞭になった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、自動車用ルーフライナに使用されるガラスチョップドストランドマットの製造方法として利用することが好ましいものであるが、他にも電子部品等の各種精密機器の構成材、建築・土木の補修材やハウジング構成体やFRP用途の各種構成部材等、種々の用途に使用されるチョップドストランドマットの製造にも適用が可能なものである。
【符号の説明】
【0064】
2 接着点
5 ガラスケーキ
10 ガラスストランド
10a ガラスチョップドストランド
10b シート状堆積物
11 チャンバー
12 切断装置
12a カッターロール
12b ゴムロール
13 第一搬送コンベア
14 第二搬送コンベア
15 散布機
16 第三搬送コンベア
17 加熱炉
18 冷却圧延機
18a、18b 冷却プレスロール
19 ガラスチョップドストランドマット
20 ガラスチョップドストランドマットロール(マット回巻体)
21 巻き取り機
50 ガラス繊維マット製造装置
P 粉体結合剤
L ガラスチョップドストランドの平均長さ
W ガラスチョップドストランドの50本の総質量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスチョップドストランドのシート状堆積物に結合剤を散布して加熱した後、軟化した結合剤を冷却固化することによって該ガラスチョップドストランド同士を結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、
前記結合剤は、粒径加積曲線における有効粒径のD50(平均粒子径)が275μm以上、325μm以下、D10が240μm以上、D90が390μm以下となる粒度分布を有する粉体結合剤であることを特徴とするガラスチョップドストランドマットの製造方法。
【請求項2】
結合剤が、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のガラスチョップドストランドマットの製造方法。
【請求項3】
結合剤が、ボールミルによる粉砕工程の後、篩分級工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラスチョップドストランドマットの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載のガラスチョップドストランドマットの製造方法によって製造されたものであり、目付が50g/m以上、200g/m以下の範囲内であることを特徴とするガラスチョップドストランドマット。
【請求項5】
請求項4に記載のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートの表裏面のいずれか一面側に接着されてなることを特徴とするルーフライナ。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−58102(P2011−58102A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205460(P2009−205460)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】