説明

ガラスリサイクル方法及びシステム

【課題】シートあるいはフィルムが付着したガラスをリサイクルするに際し、シートあるいはフィルムをガラスから短時間に効率的に分離するとともに、ガラスの回収率を向上する。
【解決手段】廃棄ガラスを破砕し、破砕されたガラス片をサイズが異なる少なくとも2つのガラス片にふるい選別し、ふるい選別されたガラス片の一部を再利用ガラスとして回収するようにした。また、ふるい選別されたガラス片の他の一部をガラス片とシートあるいはフィルム片に風力選別し、風力選別されたガラス片を再利用ガラスとして回収するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイを使用した薄型テレビをリサイクルするための技術に関し、特にPDP(プラズマディスプレイパネル)、LCD(液晶ディスプレイ)パネル等に使用されているガラスをリサイクルするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、特定の家電製品に含まれる金属、プラスチック、ガラス等のリサイクルを行うための家電リサイクル法の施行に伴い、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機のリサイクル化が義務づけられており、これら家電製品の廃棄物を解体し、その素材を分別回収して再利用している。
【0003】
また、家電リサイクル法によれば、ブラウン管テレビのみならず、PDPやLCDパネル等の薄型パネルを搭載した薄型テレビもリサイクルの対象製品になっており、加えて、資源の有効利用という観点からリサイクル化が進んでいる。
【0004】
図6はPDPを組み込んだプラズマディスプレイ装置を示しており、図6を参照しながらこのプラズマディスプレイ装置をまず説明する。
【0005】
図6に示されるように、PDP100は、前面カバー102と金属製の背面カバー104とで構成される筐体に収容されており、前面カバー102の開口部には光学フィルターとPDP100の保護を兼ねたガラスなどからなる前面保護板106が配置されている。前面保護板106には、電磁波の不要輻射を抑制するために、例えば銀蒸着が施されている。
【0006】
PDP100の背面側には、PDP100を保持するアルミニウムなどからなるシャーシ108が粘着性のある熱伝導性シート110を介して接合され、シャーシ108の背面側には、PDP100を表示駆動するための複数の回路基板112が取り付けられており、これにより表示ユニットが構成されている。回路基板112は、PDP100の表示駆動とその制御を行うための電気回路を備えており、PDP100の縁部に設けられた電極端子に、シャーシ108の四辺の縁部を越えて延びる複数のフレキシブル配線板(図示せず)により電気的に接続されている。
【0007】
なお、熱伝導性シート110は、PDP100で発生した熱をシャーシ108に効率よく伝え、放熱を行うためのものであり、熱伝導性シート110の少なくとも表面は接着性を有しており、PDP100及びシャーシ108の各々と熱伝導性シート110とが接着されている。
【0008】
上記構成のプラズマディスプレイ装置において、パネルガラスや保護ガラス等のガラスを再生する場合、プラズマディスプレイ装置(廃棄ディスプレイ)からPDP100、熱伝導性シート110及びシャーシ108が一体となったPDPユニット(ディスプレイユニット)をまず取り出し、取り出したPDPユニットを加熱炉の中に入れて、例えば約250℃まで加熱することで熱伝導性シート110の粘着性を低下させた後、PDPユニットのPDP100とシャーシ108を分離している(例えば、特許文献1あるいは2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−116346号公報
【特許文献2】特開2008−96568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、シャーシ108と分離されたPDP100は、図7に示されるように、2枚の板ガラス120aとこれら2枚の板ガラス120aの間に介在する蛍光体120bからなるパネルガラス120に粘着層122を介して熱伝導性シート110が接合されており、パネルガラス120を熱伝導性シート110から剥離してパネルガラス120をリサイクルしている。
【0011】
また、このPDP100の前方には、パネルガラス120を保護するために、図8に示されるような前面保護ガラス124が設けられており、この保護ガラス124は、板ガラス124aと、板ガラス124aの前面及び後面に粘着層124bを介してそれぞれ接合され、反射防止等の光学処理が施されたフィルム124cとで構成されている。この保護ガラス124も同様に、板ガラス124aのリサイクルに際し、フィルム124cを板ガラス124aから剥離する必要がある。
【0012】
また、図9はLCDパネル130を示しており、2枚の板ガラス130aと、これら2枚の板ガラス130aの間に介在する液晶130bと、2枚の板ガラス130aの各々に粘着層130cを介して接合されたフィルム130dとで構成されており、このLCDパネル130もPDP100と同様、板ガラス130aのリサイクルに際し、フィルム130dを板ガラス130aから剥離する必要がある。
【0013】
なお、シート110あるいはフィルム124c,130dをガラス120a,124a,130aから剥離する作業が、例えば作業者により行われる場合、剥離作業は時間がかかるばかりでなく、ガラス120a,124a,130aが割れていると、ガラス片ごとに剥離しなければならないため、多大な時間を要するという問題がある。
【0014】
また、ガラス120a,124a,130aの割れが激しい場合には、剥離作業に更に多大な時間を要することから、シート110あるいはフィルム124c,130dをガラス120a,124a,130aから剥離することなく、廃棄処分している。
【0015】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、シートあるいはフィルムが付着したガラスをリサイクルするに際し、シートあるいはフィルムをガラスから短時間に効率的に分離するとともに、ガラスの回収率を向上することのできるガラスリサイクルシステム及びガラスリサイクル方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に係る発明は、シートあるいはフィルム付き廃棄ガラスを再利用するためのガラスリサイクル方法であって、廃棄ガラスを破砕し、破砕されたガラス片をサイズが異なる少なくとも2つのガラス片にふるい選別し、ふるい選別されたガラス片の一部を再利用ガラスとして回収し、ふるい選別されたガラス片の他の一部をガラス片とシートあるいはフィルム片に風力選別し、風力選別されたガラス片を再利用ガラスとして回収することを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に係る発明は、廃棄ガラスを破砕するに際し、廃棄ガラスを1次破砕し、1次破砕したガラス片をサイズの小さいガラス片に2次破砕することを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項3に係る発明は、2次破砕したガラス片とシートあるいはフィルム片とを風力選別することを特徴とする。
【0019】
また、請求項4に係る発明は、1次破砕後のガラス片が15mm以下の粒径であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項5に係る発明は、2次破砕後のガラス片が0.1〜5mmの粒径であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に係る発明は、ふるい選別され再利用ガラスとして回収されるガラス片の前記一部が0.6mm以下の粒径であることを特徴とする。
【0022】
また、請求項7に係る発明は、ふるい選別されるガラス片の前記他の一部を、第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいガラス片と、にふるい選別することを特徴とする。
【0023】
また、請求項8に係る発明は、第1の粒径が5mmであることを特徴とする。
【0024】
また、請求項9に係る発明は、第2の粒径が1.2mmであることを特徴とする。
【0025】
また、請求項10に係る発明は、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいガラス片を、別々に風力選別することを特徴とする。
【0026】
また、請求項11に係る発明は、第2の粒径より小さいガラス片を風力選別した後のガラス片を再利用ガラスとして回収することを特徴とする。
【0027】
また、請求項12に係る発明は、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片を風力選別した後のガラス片をさらに2次破砕することを特徴とする。
【0028】
また、請求項13に係る発明は、第1の粒径より大きいガラス片をさらに2次破砕することを特徴とする。
【0029】
また、請求項14に係る発明は、ふるい選別され再利用ガラスとして回収されるガラス片の前記一部を、2次破砕されるガラス片に混入することを特徴とする。
【0030】
また、請求項15に係る発明は、2次破砕されるガラス片にガラス粉末を混入することを特徴とする。
【0031】
また、請求項16に係る発明は、廃棄ガラスが、プラズマディスプレイパネルあるいは液晶ディスプレイパネルに使用されていることを特徴とする。
【0032】
さらに、請求項17に係る発明は、シートあるいはフィルムが付着した廃棄ガラスを再利用するためのガラスリサイクルシステムであって、廃棄ガラスを破砕する破砕装置と、該破砕装置により破砕されたガラス片をサイズが異なる少なくとも2つのガラス片にふるい選別するふるい選別装置と、該ふるい選別装置によりふるい選別されたガラス片のうち、サイズが大きいガラス片と該ガラス片に含まれるシートあるいはフィルム片とに風力選別する風力選別装置と、を備えたことを特徴とする。
【0033】
また、請求項18に係る発明は、前記破砕装置が、廃棄ガラスを破砕する1次破砕装置と、該1次破砕装置により破砕されたガラス片をさらに破砕する2次破砕装置を備えたことを特徴とする。
【0034】
また、請求項19に係る発明は、前記ふるい選別装置が、第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さく第3の粒径より大きいガラス片と、第3の粒径より小さいガラス片にふるい選別する複数のメッシュスクリーンを備えたことを特徴とする。
【0035】
また、請求項20に係る発明は、前記風力選別装置が、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片とシートあるいはフィルム片に風力選別する第1の風力選別装置と、第2の粒径より小さく第3の粒径より大きいガラス片とシートあるいはフィルム片に風力選別する第2の風力選別装置と、を備えたことを特徴とする。
【0036】
また、請求項21に係る発明は、前記2次破砕装置で破砕されたガラス片とシートあるいはフィルム片とを風力選別する第3の風力選別装置をさらに備えたことを特徴とする。
【0037】
また、請求項22に係る発明は、前記第1の風力選別装置により選別されたガラス片を前記2次破砕装置に搬送する搬送手段をさらに設けたことを特徴とする。
【0038】
また、請求項23に係る発明は、前記ふるい選別装置により選別された第1の粒径より大きいガラス片を前記2次破砕装置に搬送する搬送手段をさらに設けたことを特徴とする。
【0039】
また、請求項24に係る発明は、前記廃棄ガラスが、プラズマディスプレイパネルあるいは液晶ディスプレイパネルに使用されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
廃棄ガラスを破砕し、破砕されたガラス片をサイズが異なる少なくとも2つのガラス片にふるい選別し、ふるい選別されたガラス片の一部を再利用ガラスとして回収するようにしたので、再利用できるガラスの回収作業を短時間に効率的に行うことができる。また、ふるい選別されたガラス片の他の一部をガラス片とシートあるいはフィルム片に風力選別し、風力選別されたガラス片を再利用ガラスとして回収するようにしたので、再利用できるガラスの回収率が向上する。
【0041】
さらに、廃棄ガラスを破砕するに際し、廃棄ガラスを1次破砕し、1次破砕したガラス片をサイズの小さいガラス片に2次破砕するようにしたので、2次破砕後のガラス片が細かくなって、ガラス片からのシート除去率が高くなり、ガラスの回収率が向上する。
【0042】
また、2次破砕したガラス片とシートあるいはフィルム片とを風力選別すると、ガラス片のふるい選別を効率的に行うことができる
【0043】
また、ふるい選別されるガラス片の他の一部を、第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいガラス片と、にふるい選別するようにしたので、ガラス片の後処理をその粒径に応じて適宜選定することができ、ガラス回収を効率的に行うことができる。
【0044】
第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいガラス片を、別々に風力選別するようにしたので、風力選別後のガラス片に対しその粒径に応じて適切な後処理を行うことができ、ガラス回収を効率的に行うことができる。
【0045】
第2の粒径より小さいガラス片を風力選別した後のガラス片を再利用ガラスとして回収するようにしたので、ガラス回収を短時間に行うことができる。
【0046】
第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片を風力選別した後のガラス片をさらに2次破砕するようにしたので、回収ガラスの純度が向上する。
【0047】
第1の粒径より大きいガラス片をさらに2次破砕するようにしたので、ガラス回収率が向上する。
【0048】
ふるい選別され再利用ガラスとして回収されるガラス片の一部あるいは破砕時に発生したガラス粉塵を回収したガラス粉末等を、2次破砕されるガラス片に混入するようにしたので、シートの粘着層に前記粉末が付着して粘着力が低下し、2次破砕後のガラス片のシート除去率が高くなる。
【0049】
廃棄ガラスとして、プラズマディスプレイパネルあるいは液晶ディスプレイパネルに使用されているガラスを使用すると、プラズマディスプレイパネルあるいは液晶ディスプレイパネルからのガラス回収を短時間に効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るガラスリサイクルシステムを示す概略図
【図2】図1のガラスリサイクルシステムに設けられた1次破砕装置を示しており、(a)はその平面図、(b)はその縦断面図
【図3】図1のガラスリサイクルシステムに設けられた2次破砕装置を示しており、(a)はその縦断面図、(b)は(a)における線IIIb−IIIbに沿った断面図
【図4】図1のガラスリサイクルシステムに設けられたふるい選別装置の正面図
【図5】図1のガラスリサイクルシステムに設けられた風力選別装置の縦断面図
【図6】PDPを組み込んだプラズマディスプレイ装置の分解斜視図
【図7】PDPの断面図
【図8】PDPのパネルガラスを保護する前面保護ガラスの断面図
【図9】LCDパネルの断面図
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明に係るガラスリサイクル方法及びシステムは、ガラスは固くて脆く細かくなりやすいのに対し、シートあるいはフィルムは柔らかくて粘っこく細かくなりにくいという両者の性質の違いを考慮して開発されたもので、ガラスにシートあるいはフィルムが付着した状態で両者を破砕し、シートあるいはフィルムをガラスから剥離(分離)することでガラスを回収するようにしている。
【0052】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るガラスリサイクルシステムRを示しており、PDPあるいはLCDパネルを破砕するための1次破砕装置2と、1次破砕装置2に搬送手段としてのコンベヤ(図示せず)を介して連結された2次破砕装置4と、2次破砕装置4にコンベヤ(図示せず)を介して連結されたふるい選別装置6と、ふるい選別装置6にコンベヤ(図示せず)を介して連結された2つの風力選別装置8,10とで構成されている。
【0053】
1次破砕装置2、2次破砕装置4、ふるい選別装置6、風力選別装置8,10は、いずれも公知のものであるが、その構成を簡単に以下説明する。
【0054】
図2は1次破砕装置2を示しており、筐体12の内部に回転自在に取り付けられた1軸回転ドラム14と、この回転ドラム14の外周面に取り付けられ回転ドラム14の軸心に対し所定の角度をなす複数(例えば、三つ)の剪断歯16とが設けられ、各剪断歯16には所定の間隔で複数の突起歯18が突設されている。
【0055】
筐体12の上部には、二つの切り取り用固定歯20が、回転ドラム14の回転中心に向かって取り付けられており、固定歯20の先端部(回転ドラム14との対向部)は、回転ドラム14の外周面に対し所定の間隔(剪断歯16の高さより僅かに大きい間隔)をおいて離隔している。また、固定歯20の下方には、二つの本切断用固定歯22が設けられており、本切断用固定歯22は、切り取り用固定歯20の先端部と同様、回転ドラム14の外周面に対し所定の間隔をおいて離隔している。さらに、回転ドラム14の下方、すなわち、二つの本切断用固定歯22の間には、多数の開口部が形成されたスクリーン24が設けられている。
【0056】
上記構成の1次破砕装置2の上方開口部(二つの切り取り用固定歯20の間)に、例えば廃棄PDP(P)を投入すると、剪断歯16が回転ドラム14の軸心に対し斜めに取り付けられていることから、切り取り用固定歯20に対する剪断歯16の回転移動により発生する剪断力を受けてPDPは徐々に割れるとともに、割れたガラス片は突起歯18によりさらにサイズの小さいガラス片に切断される。固定歯20を通過した切断ガラスは、さらに剪断歯16の回転移動により本切断用固定歯22でさらに破砕され、スクリーン24の開口部を通過して落下する。
【0057】
スクリーン24の開口部を通過しなかったガラス片は、さらに剪断歯16の回転移動により上方に搬送されて、再度破砕され、粒径がスクリーン24の開口部の直径より小さくなると、開口部を通過して落下する。
【0058】
スクリーン24の開口部は、例えば15mm以下の粒径のガラス片が通過できるサイズに設定される。
【0059】
図3は2次破砕装置4を示しており、2次破砕装置4は、筐体26の内部に回転自在に収容された大ロータ28と、筐体26の内部に大ロータ28と対向して回転自在に収容された小ロータ30を備えている。大ロータ28の回転軸28aと小ロータ30の回転軸30aは、同心上に配置され、互いに反対方向に回転する。大ロータ28は、その軸心から等距離の位置に所定の間隔で取り付けられた複数の破砕ピン28bと、これら複数の破砕ピン28bの外側に大ロータ28の軸心から等距離の位置に所定の間隔で取り付けられた複数の破砕ピン28cとを有している。同様に、小ロータ30は、その軸心から等距離の位置に所定の間隔で取り付けられた複数の破砕ピン30bと、これら複数の破砕ピン30bの外側に小ロータ30の軸心から等距離の位置に所定の間隔で取り付けられた複数の破砕ピン30cとを有している。
【0060】
したがって、大ロータ28の2列の破砕ピン28b,28cと小ロータ30の2列の破砕ピン30b,30cは同心状に配置され、内側から順に、小ロータ30の内側のピン列30b、大ロータ28の内側のピン列28b、小ロータ30の外側のピン列30c、大ロータ28の外側のピン列28cが位置している。また、ピン列30b,28b,30c,28cの径方向の間隔は等しく、各ピン30b,28b,30c,28cの直径も等しく設定されている。
【0061】
上記構成の2次破砕装置4は、二つのロータ28,30の中心部に連通する投入口32を備えており、この投入口32を介して破砕ガラス片を二つのロータ28,30の中心部に投入すると、最内側のピン列(小ロータ30の内側の破砕ピン30b)とその外側のピン列(大ロータ28の内側の破砕ピン28b)とが互いに反対方向に回転移動することで、両者により破砕ガラスは打撃(あるいは衝撃)や摩擦を受けて粉砕される。さらに、破砕ガラスは、次の二つのピン列(大ロータ28の内側の破砕ピン28bと小ロータ30の外側の破砕ピン30c)の間、さらにその外側の二つのピン列(小ロータ30の外側の破砕ピン30cと大ロータ28の外側の破砕ピン28c)の間を順次通過することで、打撃(あるいは衝撃)や摩擦を受けて粉砕され、2次破砕装置4の下部排出口34より落下する。
【0062】
なお、ピン列30b,28b,30c,28cの径方向の間隔は、排出口34から排出されるガラス片の粒径が、例えば0.1〜5mmとなるように設定される。
【0063】
図4はふるい選別装置6を示しており、最下部に設けられた振動(加振)部36と、振動部36の上部に取り付けられた複数の枠体38,40,42,44とで構成されており、上から順に、上枠38、第1の中枠40、第2の中枠42、下枠44が積層されている。上枠38と二つの中枠40,42には、メッシュサイズの異なるメッシュスクリーン38a,40a,42aが設けられており、第1の中枠40のメッシュスクリーン40aのメッシュサイズは上枠38のメッシュスクリーン38aのメッシュサイズより大きく(網目は細かい)設定され、第2の中枠42のメッシュスクリーン42aのメッシュサイズより小さく(網目は粗い)設定されている。
【0064】
上枠38の上部には、ふるい選別が行われる材料(本発明では、ガラス片あるいはシート等が付着したガラス片)が投入される投入口(図示せず)が形成されており、上枠38、中枠40,42、下枠44の各々にはふるい選別後の材料が排出される排出口38b,40b,42b,44bがそれぞれ形成されている。
【0065】
上記構成のふるい選別装置6の上部投入口に、ガラス片を投入すると、振動部36の振動により上枠38のメッシュスクリーン38aで1回目のふるい選別が行われ、第1の粒径(例えば、5mm)より大きいサイズのガラス片はメッシュスクリーン38aを通過することなく上枠38の排出口38bより排出される一方、メッシュスクリーン38aを通過したガラス片は第1の中枠40のメッシュスクリーン40a上に落下する。
【0066】
第1の中枠40では2回目のふるい選別が行われ、第1の粒径より小さく第2の粒径(例えば、1.2mm)より大きいサイズのガラス片はメッシュスクリーン40aを通過することなく第1の中枠40の排出口40bより排出される一方、メッシュスクリーン40aを通過したガラス片は第2の中枠42のメッシュスクリーン42a上に落下する。
【0067】
第2の中枠42では3回目のふるい選別が行われ、第2の粒径より小さく第3の粒径(例えば、0.6mm)より大きいサイズのガラス片はメッシュスクリーン42aを通過することなく第2の中枠42の排出口42bより排出される一方、メッシュスクリーン42aを通過したガラス片は下枠44に落下し、下枠44の排出口44bより排出される。
【0068】
すなわち、様々な粒径のガラス片は、ふるい選別装置6により第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さいが第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいが第3の粒径より大きいガラス片と、第3の粒径より小さいガラス片に選別されることになる。
【0069】
図5は風力選別装置8,10を示しており、筐体46の内部に回転自在に収容されたファン(例えば、シロッコファン)48と、風力選別される材料(本発明では、ガラス片とシートあるいはフィルム片)が投入される投入口が形成され、材料を定量しながら供給する定量フィーダ50を備えている。また、ファン48の周囲には、ファン48が発生した風に乗せて材料を搬送する風路が形成されており、定量フィーダ50のすぐ下流側の風路52は、ファン48の近傍の風路54より断面積が小さく設定されている。
【0070】
また、断面積が小さい風路52の下方には重材料の排出口56が設けられ、断面積が大きい風路54の下方には軽材料の排出口58が設けられている。
【0071】
上記構成の風力選別装置8,10において、定量フィーダ50の投入口にガラス片とシート片の混合体を投入すると、混合体は定量フィーダ50により定量で風路52に導かれる。風路52に導かれた混合体のうち、重たいガラス片は重材料排出口56より落下し、軽いシート片は風に乗って風路54に導かれるが、風路54はその断面積が風路52の断面積より大きく設定されているので、風速が低下することになり、軽いシート片は軽材料排出口58より落下する。
【0072】
なお、二つの風力選別装置8,10は構成は同じであるが、ファン48の回転数が異なり、風力選別装置8の風路内の風速と風力選別装置10の風路内の風速を変えることで、異なる粒子径のガラス片とシート片とを選別することができる。
【0073】
以上、各装置の構成及び作用を説明したが、上述した複数の装置を備えた本発明に係るガラスリサイクルシステムRの作用を、原材料としてPDPのパネルガラスを採用した場合を例に取り、図2乃至図5を参照しながら以下説明する。
【0074】
廃棄PDP(P)はまず1次破砕装置2の上方開口部に投入され、破砕される。破砕されたガラス片は、熱伝導性シートが付着した状態(一部は剥離した状態)でスクリーン24の開口部を介してコンベヤ上に落下し、コンベヤにより2次破砕装置4の投入口32まで搬送され、投入口32に投入される。この1次破砕により、廃棄PDP(P)は所定サイズ(粒径:例えば、15mm以下)のガラス片となり、ガラス片からのシート除去率(熱伝導性シートが付着していないガラス片/全ガラス片×100)は約0〜10%となる。
【0075】
2次破砕装置4の投入口32に投入されたガラス片は、互いに反対方向に回転する大ロータ28の破砕ピン28b,28cと小ロータ30の破砕ピン30b,30cに何度も衝突して、打撃(あるいは衝撃)や摩擦を受け、さらに細かく破砕される。破砕されたガラス片は、ガラス片から分離したシート片ととともに排出口34を介してコンベヤ上に落下し、コンベヤによりふるい選別装置6の投入口まで搬送される。この2次破砕により、ガラス片は所定サイズ(粒径:例えば、0.1〜5mm)の細かいガラス片となり、ガラス片からのシート除去率は約80%以上となる。
【0076】
なお、1次破砕後のシート除去率に比べ、2次破砕後のシート除去率が飛躍的に向上するのは、1次破砕後のガラス片が、2次破砕時に多数の破砕ピン28b,28c,30b,30cによりすり潰されることで、微細なガラス粉が粘着性のある熱伝導性シートに付着し、熱伝導性シートの粘着力が低下するためである。
【0077】
ふるい選別装置6の投入口に投入されたガラス片とシート片は、上枠38のメッシュスクリーン38a上に落下し、メッシュスクリーン38aにより1次ふるい選別が行われる。1次ふるい選別では、第1の粒径(例えば、5mm)より大きいサイズのガラス片及びシート片はメッシュスクリーン38aを通過することなく排出口38bから排出され、コンベヤにより2次破砕装置4の投入口32まで搬送され、2次破砕装置4により再度破砕される。
【0078】
一方、メッシュスクリーン38aを通過したガラス片及びシート片は第1の中枠40のメッシュスクリーン40a上に落下し、メッシュスクリーン40aにより2次ふるい選別が行われる。2次ふるい選別では、第1の粒径より小さく第2の粒径(例えば、1.2mm)より大きいサイズのガラス片及びシート片はメッシュスクリーン40aを通過することなく排出口40bから排出され、コンベヤにより風力選別装置8の定量フィーダ50まで搬送される。
【0079】
また、メッシュスクリーン40aを通過したガラス片及びシート片は第2の中枠42のメッシュスクリーン42a上に落下し、メッシュスクリーン42aにより3次ふるい選別が行われる。3次ふるい選別では、第2の粒径より小さく第3の粒径(例えば、0.6mm)より大きいサイズのガラス片及びシート片はメッシュスクリーン42aを通過することなく排出口42bから排出され、コンベヤにより風力選別装置10の定量フィーダ50まで搬送される。
【0080】
メッシュスクリーン42aを通過した粒子は非常に細かく(例えば、0.6mm以下)、シート片を殆ど含まないガラス片となっており(純度:99.5%以上)、このガラス片は下枠44の排出口44bから排出され、純度の高いガラス片として回収され、再利用される。
【0081】
一方、風力選別装置8の定量フィーダ50まで搬送されたガラス片及びシート片は、定量フィーダ50の投入口に投入され、風路52,54を通過することで風力選別される。また、風力選別により、ガラス片は重材料排出口56を介して純度の高いガラス片として回収され、再利用されるのに対し、シート片は軽材料排出口58を介して回収され、廃棄処分される。
【0082】
同様に、風力選別装置10の定量フィーダ50まで搬送されたガラス片及びシート片は、定量フィーダ50の投入口に投入され、風路52,54を通過することで風力選別される。また、風力選別により、ガラス片は重材料排出口56を介して純度の高いガラス片として回収され、再利用されるのに対し、シート片は軽材料排出口58を介して回収され、廃棄処分される。
【0083】
なお、上述した実施の形態においては、ふるい選別装置6により第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さいが第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいが第3の粒径より大きいガラス片と、第3の粒径より小さいガラス片に選別してガラスの純度を向上しているが、高純度のガラスしか再利用できないわけではないので、メッシュスクリーンを二つ内蔵したふるい選別装置を使用して、第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さいが第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいガラス片に選別するようにしてもよい。
【0084】
この場合、図4に示される上枠38は設ける必要はなく、当然のことながら、図1に示される上枠38の排出口38bから2次破砕装置4の投入口32にガラス片を戻す経路は設けられない。
【0085】
また、メッシュスクリーンを一つ内蔵したふるい選別装置を使用して、所定の粒径より大きいガラス片と、所定の粒径より小さいガラス片に選別するようにしてもよい。
【0086】
この場合、図4に示される上枠38及び第1の中枠40と、風力選別装置8は設けられず、第2の中枠42に収容されたメッシュスクリーン42aのメッシュサイズは適宜選定される。
【0087】
<変形例1>
なお、風力選別装置8により選別されたガラス片は、風力選別装置10により選別されたガラス片より粒子径が大きく、シート片の付着率も高いことから、図1の破線で示されるように、風力選別装置8の重材料排出口56より排出されたガラス片(シートの未剥離片を含む)を2次破砕装置4の投入口32までコンベヤで搬送し、再度2次破砕を行うと、回収されるガラス片の純度はさらに向上する。
【0088】
<変形例2>
また、上述したように、1次破砕後のシート除去率に比べ、2次破砕後のシート除去率が飛躍的に向上するのは、2次破砕装置4において微細なガラス粉が粘着性のある熱伝導性シートに付着することで、熱伝導性シートの粘着力が低下することから、ふるい選別装置6の下枠44の排出口から排出された微細なガラス片の一部をコンベヤにより2次破砕装置4の投入口32まで搬送し、1次破砕後のガラス片とともに投入口32から投入すると、2次破砕装置4の排出口から排出されるガラス片は、シート除去率がさらに向上することになる。
【0089】
なお、ふるい選別装置6の下枠44の排出口から排出された微細なガラス片は、ガラスの純度が極めて高いので、2次破砕装置4の投入口32から投入するのは、不経済となることから、微細なガラス片に代えて、予め用意したガラス粉末等の微粉末を2次破砕装置4の投入口32から投入することもできる。
【0090】
ガラス粉末の具体例としては、上述した実施の形態を実施した際、ガラス粉砕時に発生するガラス粉塵を回収したガラス粉末や、本発明とは異なる工程で行われるブラウン管型表示装置に使用されるパネルガラスのリサイクル作業時に回収されるガラス粉末がある。従来、廃棄されていたこれらのガラス粉末を用いれば、新たな分離工程を設けることなく、熱伝導シートの粘着力を低下させることができる。
【0091】
<変形例3>
上述した本発明に係るガラスリサイクルシステムRの作用は、原材料としてPDPのパネルガラスを採用した場合を例に取り説明したが、PDPの前面保護ガラスの場合、板ガラスに接合されたフィルムは、パネルガラスに接合された熱電導性シートに比べて薄くて軽いことから、2次破砕装置4とふるい選別装置6との間に、さらに別の風力選別装置を設けるようにしてもよい。
【0092】
この場合、2次破砕装置4と風力選別装置をコンベヤを介して連結するとともに、風力選別装置とふるい選別装置6を、同様にコンベヤを介して連結すると、2次破砕装置4で破砕されたガラス片及びフィルム片をコンベヤを介して風力選別装置に搬送してガラス片とフィルム片に選別することができる。また、選別されたフィルム片はふるい選別装置6に送る必要がないので、ふるい選別装置6によるガラス片の選別を効率的に行うことができる。
【0093】
なお、LCDパネルの場合、板ガラスは薄くて軽く、フィルムも薄いことから、2次破砕装置4で破砕処理を行うと、板ガラスとフィルムの全体が細かくなりやすい。したがって、LCDパネルの場合、2次破砕後に風力選別装置で効率よく選別することが難しいことから、PDPのパネルガラスと同様、図1に示される装置を使用して処理するのが好ましい。
【0094】
また、2次破砕装置4とふるい選別装置6との間に、さらに別の風力選別装置を設ける場合、2次破砕装置4とふるい選別装置6を連結するコンベヤと、2次破砕装置4と風力装置とふるい選別装置6を連結するコンベヤをそれぞれ設け、これらのコンベヤを、処理される原材料に応じて切り替え可能な構成とすることで、PDPのパネルガラスと、PDPの前面保護ガラスと、LCDパネルを一つのシステムで処理することができる。
【実施例1】
【0095】
本発明に係るガラスリサイクルシステムRを次の仕様を持つ各装置を使用してPDPあるいはLCDパネルを処理したところ、回収ガラス片の純度は約95%であり、ガラス回収率は約97〜98%であった。また、1枚の処理時間は約1分であった。
(1)1次破砕装置(破砕装置メーカーに特別注文)
駆動動力:22kw
粉破砕方式:1軸剪断粉破砕
ドラム径:φ600
ドラム回転数:5〜180rpm
最大投入物寸法:W1000×L1500×D100
処理能力:1000kg/h(材質、形状等により変動)
粉破砕後粒子径:5〜15mm
(2)2次破砕装置(関西マテック(株)製 KMスーパーミル)
最大供給塊:15mm
電動機出力
大ロータ:22〜45kW
小ロータ:15〜37kW
破砕能力:5〜10L/h
粉破砕後粒子径:0.1〜5mm
(3)ふるい選別装置((株)西村機械製作所製 KFシリーズ)
電動機:1.5kW
振動数:1800rpm
ふるいサイズ
メッシュスクリーン大:5mm
メッシュスクリーン中:1.2mm
メッシュスクリーン小:0.6mm
(4)風力選別装置(2台)(日本専機(株)製 L型)
風量:最大58m/min(2台の設定風量は異なる)
ファン回転数:最大840rpm
【0096】
なお、従来は、廃棄PDPあるいはLCDパネルは、処理工場に搬送されシートあるいはフィルムをガラス板から剥離することでガラスのみ再利用されており、再利用されるガラスの純度は高い(例えば、約99%)が、搬送される廃棄PDPでは約20%、あるいはLCDパネルのうち、約3%が割れてしまうので、その割れた廃棄PDPあるいはLCDパネルの少なくとも約10%程度は再利用されていないのが実情である。
【0097】
すなわち、割れたパネル分(約10%程度)は、シートあるいはフィルムをガラス板から剥離するのが難しく、廃棄処分されている。
【0098】
また、再利用される廃棄PDPは、加熱炉に入れて加熱する必要があることから、1枚のパネルの処理に約10分かかっている。PDPの前面保護板やLCDパネルのフィルム剥離についても同様に加熱する必要があり時間を要するため、従来は剥離せずにそのまま廃棄処分されていた。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明に係るガラスリサイクル方法及びシステムは、シートあるいはフィルムをガラスから短時間に効率的に分離するとともに、ガラスの回収率を向上することができるので、特にPDPやLCDパネル等に使用されているガラスのリサイクルに有用である。
【符号の説明】
【0100】
R ガラスリサイクルシステム、 P 廃棄PDP、 2 1次破砕装置、
4 2次破砕装置、 6 ふるい選別装置、 8,10 風力選別装置、
12 1次破砕装置の筐体、 14 回転ドラム、 16 剪断歯、 18 突起歯、
20 切り取り用固定歯、 22 本切断用固定歯、 24 スクリーン、
26 2次破砕装置の筐体、 28 大ロータ、 28a 回転軸、
28b,28c 破砕ピン、 30 小ロータ、 30a 回転軸、
30b,30c 破砕ピン、 32 投入口、 34 排出口、 36 振動部、
38 上枠、 40,42 中枠、 44 下枠、
38a,40a,42a メッシュスクリーン、
38b,40b,42b,44b 排出口、 46 風力選別装置の筐体、
48 ファン、 50 定量フィーダ、 52,54 風路、 56 重材料排出口、
58 軽材料排出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートあるいはフィルム付き廃棄ガラスを再利用するためのガラスリサイクル方法であって、
廃棄ガラスを破砕し、破砕されたガラス片をサイズが異なる少なくとも2つのガラス片にふるい選別し、ふるい選別されたガラス片の一部を再利用ガラスとして回収し、ふるい選別されたガラス片の他の一部とシートあるいはフィルム片とを風力選別し、風力選別されたガラス片を再利用ガラスとして回収することを特徴とするガラスリサイクル方法。
【請求項2】
廃棄ガラスを破砕するに際し、廃棄ガラスを1次破砕し、1次破砕したガラス片をサイズの小さいガラス片に2次破砕することを特徴とする請求項1に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項3】
2次破砕したガラス片とシートあるいはフィルム片とを風力選別することを特徴とする請求項2に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項4】
1次破砕後のガラス片が15mm以下の粒径であることを特徴とする請求項2に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項5】
2次破砕後のガラス片が0.1〜5mmの粒径であることを特徴とする請求項2あるいは3に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項6】
ふるい選別され再利用ガラスとして回収されるガラス片の前記一部が0.6mm以下の粒径であることを特徴とする請求項1に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項7】
ふるい選別されるガラス片の前記他の一部を、第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいガラス片と、にふるい選別することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項8】
第1の粒径が5mmであることを特徴とする請求項7に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項9】
第2の粒径が1.2mmであることを特徴とする請求項7に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項10】
第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さいガラス片を、別々に風力選別することを特徴とする請求項7に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項11】
第2の粒径より小さいガラス片を風力選別した後のガラス片を再利用ガラスとして回収することを特徴とする請求項7に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項12】
第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片を風力選別した後のガラス片をさらに2次破砕することを特徴とする請求項7に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項13】
第1の粒径より大きいガラス片をさらに2次破砕することを特徴とする請求項7に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項14】
ふるい選別され再利用ガラスとして回収されるガラス片の前記一部を、2次破砕されるガラス片に混入することを特徴とする請求項2乃至13のいずれか1項に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項15】
2次破砕されるガラス片にガラス粉末を混入することを特徴とする請求項2乃至13のいずれか1項に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項16】
前記廃棄ガラスが、プラズマディスプレイパネルあるいは液晶ディスプレイパネルに使用されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のガラスリサイクル方法。
【請求項17】
シートあるいはフィルムが付着した廃棄ガラスを再利用するためのガラスリサイクルシステムであって、
廃棄ガラスを破砕する破砕装置と、該破砕装置により破砕されたガラス片をサイズが異なる少なくとも2つのガラス片にふるい選別するふるい選別装置と、該ふるい選別装置によりふるい選別されたガラス片のうち、サイズが大きいガラス片と該ガラス片に含まれるシートあるいはフィルム片とを風力選別する風力選別装置と、を備えたことを特徴とするガラスリサイクルシステム。
【請求項18】
前記破砕装置が、廃棄ガラスを破砕する1次破砕装置と、該1次破砕装置により破砕されたガラス片をさらに破砕する2次破砕装置を備えたことを特徴とする請求項17に記載のガラスリサイクルシステム。
【請求項19】
前記ふるい選別装置が、第1の粒径より大きいガラス片と、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片と、第2の粒径より小さく第3の粒径より大きいガラス片と、第3の粒径より小さいガラス片にふるい選別する複数のメッシュスクリーンを備えたことを特徴とする請求項18に記載のガラスリサイクルシステム。
【請求項20】
前記風力選別装置が、第1の粒径より小さく第2の粒径より大きいガラス片とシートあるいはフィルム片とを風力選別する第1の風力選別装置と、第2の粒径より小さく第3の粒径より大きいガラス片とシートあるいはフィルム片とを風力選別する第2の風力選別装置と、を備えたことを特徴とする請求項19に記載のガラスリサイクルシステム。
【請求項21】
前記2次破砕装置で破砕されたガラス片とシートあるいはフィルム片とを風力選別する第3の風力選別装置をさらに備えたことを特徴とする請求項20に記載のガラスリサイクルシステム。
【請求項22】
前記第1の風力選別装置により選別されたガラス片を前記2次破砕装置に搬送する搬送手段をさらに設けたことを特徴とする請求項20あるいは21に記載のガラスリサイクルシステム。
【請求項23】
前記ふるい選別装置により選別された第1の粒径より大きいガラス片を前記2次破砕装置に搬送する搬送手段をさらに設けたことを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載のガラスリサイクルシステム。
【請求項24】
前記廃棄ガラスが、プラズマディスプレイパネルあるいは液晶ディスプレイパネルに使用されていることを特徴とする請求項17乃至23のいずれか1項に記載のガラスリサイクルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−183243(P2011−183243A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47808(P2010−47808)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】