説明

ガラス及びガラス上セラミックエナメルの接着用処理方法

本発明の一実施形態は、i)粒径約1〜約40μmかつモース硬度約9.0〜約9.5のアルミナ粒子、ii)1種以上のアルキル硫酸塩、iii)1種以上の増粘剤、及びiv)水、を含有する組成物を、ガラス表面あるいはガラス表面に施されたセラミックフリットに接触させることを含む方法である。接触は、前記組成物をガラス又はセラミックフリットの表面に塗布装置を用いて塗布することにより行うことができる。別の実施形態においては、前記組成物は更に潤滑剤を含有する。また別の実施形態では、前記組成物は更に1種以上のエトキシ化アルコールを含有する。また別の実施形態では、前記組成物は更に1種以上の芳香剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミナ含有組成物を利用して、ガラス表面又はガラス表面上のセラミックエナメルフリットを接着用に処理する方法に関する。本発明は更に、接着剤をガラス又はセラミックエナメルフリットに接触させる前に、ガラス又はガラス上に施されたセラミックエナメルフリットをアルミナ含有組成物で処理する、ガラスを窓枠に接着する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス製の窓は、シリコーン系素材等のゴミや埃がガラス表面に付着していることがよくある。このようなゴミや埃は、ガラスを窓枠に接着するために使用されている接着剤の接着力に悪影響を及ぼす。ガラス窓には、たいていその周囲にフリットと呼ばれるセラミックエナメルが施されている。セラミクエナメルフリットは、窓を構造体に接着するために使用されている接着剤に対して光の透過を遮断し、接着剤の窓への接着力を高める役割を担う。ガラス窓の上に施されたセラミックエナメルフリット上のゴミや埃は、従来、研磨パッドを用いて除去されていたが、研磨パッドがセラミックエナメルフリットを傷めるという問題がある。
【0003】
ガラスを洗浄するために開発された洗浄用組成物が、Sikaの国際公開第2007/003584号パンフレット、Henkelの米国特許第4,808,329号明細書、Joh.A.Benckiserの米国特許第5,076,955号明細書等、いくつかの文献に開示されている。多くのの洗浄液は、セラミックエナメルフリットの表面を傷つけたり、好ましくない膜や粉が表面に残ったり、ガラスやセラミックエナメルフリット表面に対する接着剤の接着力に悪影響を及ぼす場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/003584号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4808329号明細書
【特許文献3】米国特許第5076955号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セラミックエナメルが施されている表面を含むガラス表面を、セラミックエナメルやガラスの表面を傷つけず、接着剤のガラスやセラミックエナメル表面への接着力を損なうことなく、処理する方法が必要とされている。更に、接着剤のガラス表面やセラミックエナメルフリットへの接着力を高める方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、
i)粒径約1〜約40μmかつモース硬度約9.0〜約9.5のアルミナ粒子、
ii)1種以上のアルキル硫酸塩、
iii)1種以上の増粘剤、及び
iv)水
を含有する組成物を、ガラスの表面またはガラスの表面に施されたセラミックエナメルフリットの表面に接触させることを特徴とする方法である。接触は、前記組成物をガラス又はセラミックフリットの表面に塗布装置を用いて塗布することにより行うことができる。別の実施形態においては、前記組成物は更に潤滑剤を含有する。また別の実施形態では、前記組成物は更に1種以上のエトキシ化アルコールを含有する。また別の実施形態では、前記組成物は更に1種以上の芳香剤を含有する。
【0007】
また別の実施形態においては、本発明の方法は更にセラミックフリット表面に処理を施す工程を含む。また更に別の実施形態では、本発明の方法はアルミナ粒子含有組成物を塗布した後、セラミックフリット表面にガラスプライマーを更に塗布する工程を含む。更に別の実施形態は、接着剤を、ガラスの表面又はガラスの表面に施されたセラミックエナメルフリットの表面に塗布し、接着剤がガラス又はガラスの上に施されたセラミックエナメルフリットと第二の基板の間に挟まれるように、ガラスを第二の基板に接触させる工程を更に含む方法である。
【0008】
また本発明の別の実施形態は、a)窓枠から古いガラス窓を取り外し、b)取り換え用ガラス窓の表面又は取り換え用ガラス窓の表面に施されたセラミックフリットの表面に、i)粒径約1〜約40μmかつモース硬度約9.0〜約9.5のアルミナ粒子、ii)1種以上のアルキル硫酸塩、iii)1種以上の増粘剤、及びiv)水、を含有する組成物を塗布する、構造体のガラス窓を交換する方法である。該方法は、所望により、更に、c)ガラスの表面又はセラミックエナメルフリットの表面を洗浄剤を用いて洗浄し、及び/又はd)ガラス又はセラミックエナメルフリットの表面にプライマーを塗布することを含む。本発明の方法は更に、e)接着剤ビードをガラス窓又はセラミックフリット周縁部のガラス窓に塗布し、f)窓枠のフランジに残留している接着剤に活性剤(an activator system)を塗布し、そしてg)接着剤が前記ガラス窓とフランジの間に挟まれ、かつ接着剤が前記ガラス窓と窓枠の間でシールを形成するように前記ガラス窓と窓枠を接触させてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法は、自動車や建造物などの構造体に窓を接着する際に使用することができる。本発明の方法は、接着剤のガラスやセラミックエナメルフリット表面への接着力を損なうことなく、窓を処理、接着することができる。該方法は、更に接着剤のガラスやセラミックエナメルフリットへの接着力を高める。状況によっては、本発明の方法は洗浄工程及び下塗り工程のどちらか一方或いは両方を必要とすることなく、接着剤をガラス又はセラミックエナメルフリット表面に接着することができる。本発明の方法は、窓のガラスやセラミックエナメルフリットの表面を傷つけない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、窓の周囲にセラミックエナメルフリットを施した窓を示す図である。
【0011】
【図2】図2は、窓の上に接着剤を施した窓を示す図である。
【0012】
【図3】図3は、構造体と窓の間の接着を示す階段状断面図である。
【0013】
【図4】図4は、本発明の方法に基づいて処理された表面を示す図である。
【0014】
【図5】図5は、従来技術の方法を使用して処理された第二の表面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の方法は、ガラス又はセラミックエナメルフリットの表面を接着用に処理するためにアルミナ粒子を含有する組成物を使用する。アルミナ粒子は、アルミナ粒子を含有する組成物が接着用に塗布されるガラス又はセラミックフリットの表面を処理することができるアルミナ粒子であれば特に制限されない。好ましくは、アルミナ粒子は、アルミナ水和物、焼成アルミナ、溶融アルミナ又は酸化アルミニウムを1種以上含む。より好ましくは、アルミナ粒子は焼成アルミナからなる。アルミナ粒子は、嵩密度約0.5Kg/L以上であることが好ましく、約0.7Kg/L以上であることがより好ましい。また、アルミナ粒子は、嵩密度約1.2Kg/L以下が好ましく、約1.1Kg/L以下がより好ましい。アルミナ粒子は吸油量約10質量%以上が好ましく、約30質量%以上がより好ましい。また、アルミナ粒子は吸油量約60質量%以下が好ましく、約50質量%以下がより好ましい。アルミナ粒子は比表面積約0.5m/g以上が好ましく、約1.0m/g以上がより好ましい。また、アルミナ粒子は比表面積約16m/g以下が好ましく、約10m/g以下がより好ましい。アルミナ粒子は平均粒径約1.0μm以上が好ましく、約5.0μm以上がより好ましい。また、アルミナ粒子は平均粒径約40μm以下が好ましく、約20μm以下がより好ましい。アルミナ粒子はモース硬度約9.0μm以上、9.5μm以下が好ましい。組成物中のアルミナ粒子含有量は、接着剤がガラス又はセラミックエナメルフリットの表面に接着できるようガラスやセラミックエナメルフリットを処理するのに十分な量とする。アルミナ粒子は、アルミナ含有組成物中、約10質量%以上含まれることが好ましく、約45質量%以上が最も好ましい。また、アルミナ粒子は、アルミナ含有組成物中、約80質量%以下含まれることが好ましく、約55質量%以下が最も好ましい。
【0016】
前記アルミナ含有組成物は、更に界面活性剤を含有する。より詳細には、界面活性剤はアルキル硫酸塩を含む。安定したアルミナ含有組成物の形成を促進するものであれば、どんなアルキル硫酸塩でも使用することができる。ここで「安定」とは、組成物が相分離せず、アルミナ粒子が懸濁液から沈澱しないことを意味する。アルキル硫酸塩は、対陽イオンを有する塩の形であることが好ましい。好ましい陽イオンとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが挙げられ、中でもナトリウムが最も好ましい。ここでの「アルキル」とは、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を意味する。アルキル部分は、好ましくは炭素原子数約8以上、より好ましくは炭素原子数約10以上を有する。また、アルキル部分は好ましくは炭素原子数約16以下、より好ましくは炭素原子数約14以下を有する。好ましいアルキル硫酸塩としては、ラウリル(ドデシル)硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等が挙げられる。最も好ましいアルキル硫酸塩はラウリル(ドデシル)硫酸ナトリウムである。アルキル硫酸塩は、安定したアルミナ含有組成物を形成するために十分な量が含まれる。アルキル硫酸塩は、好ましくはアルミナ含有組成物の約0.1質量%以上、より好ましくは約0.3質量%以上、最も好ましくは約0.5質量%以上、含まれる。また、アルキル硫酸塩は、好ましくはアルミナ含有組成物の約5質量%以下、より好ましくは約2質量%以下、最も好ましくは約0.9質量%以下、含まれる。
【0017】
前記アルミナ含有組成物は、更に1種以上の増粘剤を含む。該アルミナ含有組成物に含まれる増粘剤は、安定した懸濁液を得ることができ、得られる組成物に以下に述べるような粘度を与えるものであれば、どんなものでも使用することができる。好ましい増粘剤は、セルロース、セルロースの誘導体、粘土又はアクリル系ポリマーの1種以上からなることができる。セルロース誘導体の例としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びエチルヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。アクリル系増粘剤の例としては、メタアクリル酸エステル及びアクリル酸エステル由来のポリマー等が挙げられる。粘土増粘剤の例としては、ベントナイト、精製ベントナイト、カオリン、スメクトナイトタイプ(smectonite type)、モンモリロナイト、タルク等が挙げられる。増粘剤の種類は、ヒドロキシアルキルセルロース誘導体が好ましい。組成物中の増粘剤含有量は、安定した懸濁液を形成するのに有効で、所望の粘度が得られる量であれば、特に制限はない。本発明の組成物は、粘度約8,000〜約15,000センチポアズ(約80〜約150N・s/m)の範囲に増粘されることが好ましく、粘度約9,000〜約14,000センチポアズ(約9.0〜約14.0N・s/m)の範囲が好ましく、粘度約10,000〜約13,000センチポアズ(約10.0〜約13.0N・s/m)の範囲がより好ましい。増粘剤は、アルミナ含有組成物中、好ましくは約0質量%以上、より好ましくは約0.1質量%以上、最も好ましくは0.3質量%以上、含まれる。また、増粘剤はアルミナ含有組成物中、好ましくは約10質量%以下、より好ましくは約5質量%以下、最も好ましくは約0.5質量%以下、含まれる。
【0018】
前記アルミナ含有組成物は水中に分散されている。水は、アルミナ組成物の成分を分散でき、所望の粘度を得るのに十分な量を使用する。水は、アルミナ含有組成物中、好ましくは約15質量%以上、より好ましくは約20質量%以上、より好ましくは約25質量%以上、最も好ましくは約35質量%以上、含まれる。また、水はアルミナ含有組成物中、好ましくは約90質量%以下、より好ましくは約80質量%以下、更により好ましくは約55質量%以下、最も好ましくは約45質量%以下、含まれる。
【0019】
前記アルミナ含有組成物は、更に1種以上の潤滑剤を含有することができる。1種以上の潤滑剤は、アルミナ含有組成物中のアルミナ粒子の分解を低減できるものであれば特に制限はない。中でも好ましい潤滑剤は、鉱油等の炭化水素、トリグリセリドエステル、ポリオレフィン、エステル、ポリアルキレングリコール、シリコーン等である。中でもより好ましい潤滑剤は、鉱油とトリグリセリドエステルであり、最も好ましい潤滑剤は、鉱油である。潤滑剤は、アルミナ粒子の分解を抑制する十分な量が含まれる。潤滑剤は、アルミナ含有組成物の好ましくは約0質量%以上、より好ましくは約5質量%以上、最も好ましくは約9質量%以上、含まれる。また、潤滑剤は、アルミナ含有組成物の好ましくは約25質量%以下、より好ましくは約20質量%以下、最も好ましくは約11質量%以下、含まれる。
【0020】
前記アルミナ含有組成物は、更に1種以上のエトキシ化アルコールを含有することができる。1種以上のエトキシ化アルコールは、付加的な乳化剤として含まれる。エトキシ化アルコールとしては、エトキシ化脂肪族アルコールが好ましい。本発明に使用され得る好ましいエトキシ化アルコールの中には、炭素原子数約6〜約22の直鎖及び分岐鎖、飽和及び不飽和エトキシ化アルコール、およびそれらの混合物がある。より好ましいエトキシ化アルコールとしては、直鎖及び分岐鎖ラウリルアルコールエトキシレート、直鎖及び分岐鎖ウンデシルアルコールエトキシレート、直鎖及び分岐鎖トリデシルアルコールエトキシレート、直鎖及び分岐鎖テトラデシルアルコールエトキシレート、直鎖及び分岐鎖ステアリルアルコールエトキシレート、及びそれらの混合物が挙げられる。エトキシ化アルコールは、懸濁液の安定化を提供できる十分な量が含まれる。エトキシ化アルコールは、アルミナ含有組成物の好ましくは約0質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、最も好ましくは約0.05質量%以上、含まれる。また、エトキシ化アルコールは、アルミナ含有組成物の好ましくは約1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは約0.1質量%以下、含まれる。
【0021】
前記アルミナ含有組成物は、更に1種以上の芳香剤を含むことができる。該1種以上の芳香剤は、アルミナ組成物の匂いを改善する目的で含まれる。本発明に使用され得る好ましい芳香剤には、オレンジ芳香剤、オレンジテルペン、シトラステルペン、トリペノレン(tripenolene)、テレビン油、オレンジ油、松根油、エステル系芳香剤等がある。芳香剤は、アルミナ組成物の匂いを改善するのに十分な量が含まれる。芳香剤は、アルミナ含有組成物の好ましくは約0質量%以上、より好ましくは約0.01質量%以上、最も好ましくは約0.05質量%以上、含まれる。また、芳香剤はアルミナ含有組成物の好ましくは約1.0質量%以下、より好ましくは約0.5質量%以下、もっとも好ましくは約0.1質量%以下、含まれる。
【0022】
前記アルミナ含有組成物は、好ましくは塩基性である。該組成物のpHは、約8.5以上が好ましく、約9.0以上がより好ましい。また、該組成物のpHは、約10.5以下が好ましく、10.0以下がより好ましい。
【0023】
本発明の方法は、アルミナ組成物をガラス表面に塗布して、該表面への接着剤の接着力を高めることを含む。被着表面は、ガラスでもセラミックエナメルフリットが塗布されたガラスでもよい。該アルミナ組成物は、液体組成物を表面に塗布する公知の方法で塗布することができ、布、スポンジ、フェルト、ペーパータオル等の吸収性素材による塗布もこれに含まれる。吸収材には、該組成物をたっぷり含ませることが好ましい。該吸収材は、好ましくは糸屑のでない布である。該組成物は、ガラス又はセラミックエナメルフリットの表面に塗布したままでもよく、ガラスクリーナーを用いて除去してもよい。アルミナ組成物は、塗布に適した粘度が得られるのであれば、どんな温度でも塗布することができる。アルミナ組成物は、好ましくは約0℃以上、より好ましくは約10℃以上、最も好ましくは約20℃以上、で塗布される。また、アルミナ組成物は、好ましくは約40℃以下、より好ましくは約30℃以下、最も好ましくは約25℃以下、で塗布される。他の処理を行う前に、水分は蒸発させておくことが望ましい。水分は、通常、約5〜約10分で蒸発する。
【0024】
続いて、前記アルミナ含有組成物を塗布した表面を洗浄する。洗浄剤は、ガラス又はガラスに施されたセラミックエナメルに接着剤を塗布する前処理としてガラスを洗浄するために使用されるものであれば特に制限はない。使用できる公知の洗浄剤には、BETACLEAN3300ガラスクリーナーがある。BETACLEANは、ダウケミカル社(米国、ミシガン州、ミッドランド)の商標である。好ましい洗浄組成物は、水及び1種以上の直鎖又は分岐鎖アルコール、アルコキシアルコール又はそれらの混合物を含む。好ましいアルコールとしては、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、2−ブトキシエタノール、3−ブトキシプロパノール、2−イソプロポキシエタノール、3−イソプロポキシプロパノール等が挙げられる。該洗浄組成物のpHは、アンモニア等の塩基を用いて、アルミナ含有組成物のpHと一致するように調整される。洗浄剤のpHは、好ましくは約8.5以上、より好ましくは9.0以上であり、また好ましくは約9.5以下、より好ましくは9.0以下である。洗浄剤は、当業者に周知のいかなる方法によっても塗布することができ、例えば、スポンジ、糸屑のでない布、又はペーパータオル等の吸収性素材を用いた塗布が挙げられる。他の工程を行う前に、洗浄剤の溶剤を加熱乾燥、つまり、蒸発させる。溶剤は、通常、約2〜約5分で蒸発する。
【0025】
本発明の方法は、ガラス又はガラス上に施されたセラミックエナメルの表面にガラスプライマーを塗布することを更に含む。公知のガラス用プライマーであれば、特定の接着剤と併用すれば、いかなるものでも使用できる。プライマーは一般に、イソシアネートプレポリマー、アクリル樹脂、シラン官能性樹脂、ポリエステル樹脂等の成膜樹脂;アミノシラン、イソシアナトシラン、メルカプトシラン等のシラン含有成分;及び芳香族炭化水素、ケトン、ハイドロフラン及びアセテート等の溶剤を含む。そのようなプライマーの例としては、BETAPRIMETM5500ガラスプライマー及びBETAPRIMETM5504ガラスプライマーが挙げられる。BETAPRIMEは、ダウケミカル社(米国、ミシガン州、ミッドランド)の商標である。プライマーを塗布する場合は、前記アルミナ含有組成物の塗布の工程、及び洗浄工程が含まれる場合は洗浄工程を済ませてから行う。具体的には、プライマーは、アルミナ含有組成物の水分が蒸発してから、塗布する。洗浄工程を行う場合は、洗浄液の溶剤が加熱乾燥で蒸発した後、プライマーを塗布する。プライマーは、当業者に周知の方法で塗布することができる。プライマーは、のちに接着剤を施す基板の表面に、該組成物を含ませたブラシやローラー或いは布を用いて手作業で、該表面に十分な量となるよう塗布することができる。プライマーは、フェルト又はスポンジアプリケーター等の吸収性素材やプライマースティックを用いて手作業で塗布することもできるが、ロボットによる塗布、例えばNordson Deutchland GmbH社製(ドイツ、アースクラス(Erkrath))の自動フェルトアプリケーター、SCA Schucker GmbH社製(ドイツ、ブレッテン−ゴルシャウセン(Bretten-Goelshausen))の自動スプレー塗布装置、Nordson Corporation社製(オハイオ州、アムハースト)の自動プライマーディスペンサーアプリケーターとFanuc Robotics America社製(ミシガン州、ローチェスターヒルズ)のロボットシステムM7101を併用する等、機械を利用して塗布することもできる。プライマー被膜は、通常、ガラス又はセラミックエナメルフリットの表面に付着させる。該被膜は、好ましくは4μm以上、より好ましくは5μm以上、また好ましくは18μm以下、より好ましくは15μm以下である。プライマーの塗布は、スプレー塗布の後は30秒超下塗り後に乾燥させ、吸収性素材を用いた塗布の後は約180秒は乾燥させるように行う。前記接着剤は、プライマー塗布後20秒以上経過してから塗布する。
【0026】
プライマーは、更に、紫外線を照射すると蛍光を呈する成分を含むことができる。蛍光成分は多くの供給源から容易に入手でき、例えば、Aldrich Chemical Company(ウイスコンシン州、ミルウォーキー)が挙げられる。蛍光成分の具体例としては、Ciba Specialty Chemicals社(米国、ニューヨーク州、タリータウン)製のUvitex OB蛍光剤が挙げられる。該蛍光剤は、紫外線を窓に照射した時、プライマー処理をする窓の部分がはっきりと分かるように十分な分量をプライマーに添加する必要がある。
【0027】
プライマーを、塗装される窓のような表面又は金属、プラスチック、又は複合材の表面に塗布する一つの方法は、(a)該表面に光を当てその一部分を照らす工程及び(b)該表面の照らされた部分に沿ってプライマーを塗布する工程が含まれる。接着用プライマーが揮発成分を含有する場合は、該成分が揮発するため、上記の塗布方法は更に、接着用プライマーを塗布する部分を示すために表面の赤外線イメージを形成する工程を含むことができる。接着用プライマーが紫外線照射により蛍光する成分を含有する場合は、上記塗布方法は更に、接着用プライマーを塗布する部分を示すために紫外線を用いて表面を照射する工程を含むことができる。これらの方法は、共同出願の2003年6月11日提出の国際出願第2003/19745号(参照により本明細書に援用される。)に開示の通り行うことができる。
【0028】
ガラス基板は、その表面の一部にセラミックエナメルフリットが施してあることが好ましい。ガラスは平らでも、成形されていてもよい。成形されたガラスには、曲面を有するガラスも包含される。ガラスは窓として使用され、ガラスの周囲にセラミックエナメルフリットが施されていることが好ましい。セラミックエナメルは、構造体に窓を接合している接着剤に接触しないように光の透過を遮断するようガラスの周囲に施されていることが好ましい。周囲のセラミックエナメルフリットは、また、窓の周囲に配置されたトリム部材を隠す。ガラスは窓として、特に自動車の窓として使用されることが好ましい。図1は、本発明の方法にもとづいて処理された窓を示す。図1は、窓(10)の周囲にフリット(11)が施された窓(10)を示す。別の実施形態においては、本発明はガラス製の窓を取り付ける方法であり、所望により窓の周囲にセラミックエナメルフリットが施され、接着剤がガラスの周囲又はガラスの周囲のセラミックエナメルに塗布される。図2は、窓の上に接着剤が施された窓を示し、窓(10)はその上にフリット(11)が施され、該窓上のフリットには接着剤(12)ビードが塗布されている。窓(10)周囲の接着剤(12)ビードは、窓の周囲を完全にシールできるように連続した帯状を形成するように施されている。図3は、構造体と窓の間の接着を示す階段状断面図である。該図は、ガラス(10)とオーガニックフリット(11)を示す。オーガニックフリット(11)に隣接するのは接着剤(12)と被着面である構造体(13)のフランジである。
【0029】
好ましい実施形態においては、上記アルミナ含有組成物は構造体又は車両の窓を交換する方法に使用され、最も好ましくは車両の窓を交換する方法に使用される。第一の工程は、古い窓の取り外しである。この工程は、古い窓を所定の場所に固定している接着剤ビードを切り取り、古い窓を取り外すことでなされる。続いて、新しい窓を洗浄し、本発明の方法に従って処理し、下塗りする。窓のフランジに付着している古い接着剤は、とくに除去する必要はなく、多くの場合そのまま放置されるが、除去することも可能である。窓のフランジは、塗装下塗り剤又は活性剤(activator system)で下塗りすることが好ましい。接着剤は、窓が車体にはめられた時、窓のフランジに接するように窓の周囲に帯状に塗布される。接着剤をその上に施された窓は、次に接着剤が窓とフランジの間にくるように、フランジにはめ込まれる。接着剤ビードは、窓と窓フランジの接合部をシールする役割の連続する帯である。連続する接着剤ビードとは、窓とフランジを接合した時、その間で連続的なシールを形成するように各ビードの端が接続するように配置されていることをいう。その後、接着剤を硬化させる。
【0030】
ガラスを基板に接着するために用いられる接着剤は、ガラスを構造体に接着するために使用される公知の接着剤ビードを使用できる。一実施形態において、接着剤は、水分にさらされると硬化するイソシアネート官能性接着剤、シロキシ官能性接着剤或いはイソシアネートとシロキシ官能性接着剤の併用を用いることができる。接着には、金属、塗装されたプラスチック及び/又はガラス等の無孔材表面への接着用に作られたいかなるイソシアネート官能性接着剤も用いることができる。使用できる接着剤は、例えば、米国特許第4,374,237号明細書、米国特許第4,687,533号明細書、米国特許第4,780,520号明細書、米国特許第5,063,269号明細書、米国特許第5,623,044号明細書、米国特許第5,603,798号明細書、米国特許第5,852,137号明細書、米国特許第5,976,305号明細書、米国特許第5,852,137号明細書、米国特許第6,512,033号明細書に開示されており、関連部分は参照により本明細書に援用される。本発明において使用できる市販の接着剤の例は、ダウ・ケミカル社製の接着剤BETASEALTM15630、15625、61355、Eftec社製のフロントガラス用接着剤EFBONDTM、横浜ゴム株式会社製の接着剤、WS151TM、WS212TMおよびSika Corporation社製の接着剤SIKAFLEXTMである。
【0031】
一実施形態においては、本発明の接着剤組成物は、柔軟性のある主鎖を有し、かつシラノール縮合ができるシラン部分を有するポリマーを含有する。柔軟性のある主鎖を有するポリマーとしては、シラノール縮合ができるシランで官能化され得るものであれば、いかなる柔軟性のある主鎖を持つポリマーでもよい。好ましいポリマーの主鎖としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン等が挙げられる。より好ましいポリマーの主鎖としては、ポリエーテル及びポリウレタンが挙げられ、ポリエーテルが最も好ましい。そのような接着剤組成物の例は、Mahdiの米国特許出願公開第2002/01550号明細書やWuらの米国特許第6,649,016号明細書に開示されているものである。更により好ましいポリマーは、シラノール縮合ができるシラン部分を有するポリエーテルである。いくつかの実施形態において、本発明に使用できるポリマーはYukimotoらの米国特許第4,906,707号明細書、Iwakiriらの米国特許第5,342,914号明細書、Yukimotoらの米国特許第5,063,270号明細書、Yukimotoらの米国特許第5,011,900号明細書、またはSuzukiらの米国特許第5,650,467号明細書(これらはすべて参照により本明細書に援用される。)に開示されたポリマーである。これらのポリマーは、各分子につき1以上の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレンポリマーであることがより好ましい。
【0032】
「反応性ケイ素基」又は「シラノール縮合できる反応性シラン」という表現は、加水分解できる基又は水酸基がケイ素原子に結合しており、かつ、シラノール縮合反応を介して架橋結合できる、ケイ素含有基を意味する。加水分解できる基としてはとくに制限はなく、従来の加水分解可能な基から選ぶことができる。具体例は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノ−オキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基である。中でも好ましいのは、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノ−オキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基である。穏やかな加水分解性による扱いやすさのため、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ又はエトキシ基が最も好ましい。1〜3の水酸基又は加水分解可能な基が、1ケイ素原子に結合できる。各反応性ケイ素基につき2以上の水酸基又は加水分解可能な基が存在している場合は、それらの基は同一でも異なっていてもよい。反応性ケイ素基は1以上のケイ素原子を有することができる。
【0033】
一実施形態においては、接着剤組成物に使用される柔軟性のあるポリマーは、シリル基末端プレポリマーである。該プレポリマーは、ポリオールを、ここに記載のとおり、1以上のシラン部分を有するイソシアナトシランと接触させることで形成される。このシラン部分には、該ポリオールに末端シラン部分を結合させるため、ポリオールのヒドロキシル部分がイソシアナトシランのイソシアネート部分と反応するという条件のもとに、加水分解可能な部分が結合している。上記接触は触媒を添加せずに行うことが好ましい。シリル基末端プレポリマーを形成するために用いることができるポリオールとしては、接着剤やエラストマーの塗布に使われるポリウレタンプレポリマーを調製する際に用いられるポリオールが挙げられ、これらは当業者に周知のものである。ポリオールは、イソシアナトシランと反応させて、反応性シリコーン官能性プレポリマーを形成することができる。該イソシアナトシランは、加水分解可能な部分が付着したシラン基を必要とする。本発明に使用できるイソシアナトシランは、米国特許第4,618,656号明細書第3欄第24行〜第34行(参照により本明細書に援用される。)に記載されている。ポリオールとオルガノ官能性シランの反応は、米国特許第4,652,012号明細書(参照により本明細書に援用される。)に開示の従来の方法で行うことができる。必要に応じて、米国特許第4,652,012号明細書第5欄第14行〜第23行(参照により本明細書に援用される。)に開示されている通常のポリウレタン触媒を、添加してもよい。イソシアナトシランとポリオールの反応は、約0℃以上、より好ましくは約25℃以上、また好ましくは約150℃以下、より好ましくは約80℃以下、で行うことができる。該反応は、好ましくは不活性ガス中で行われる。該反応は所望のシラン官能性が得られるまで進行させる。別の実施形態においては、上記ポリマーは加水分解可能なシラン基を有するポリウレタン系主鎖であり得る。そのようなポリマーは、Changの米国特許第4,622,369号明細書及びPohlの米国特許第4,645,816号明細書(その関連部分は参照により本明細書に援用される。)に開示されている。また別の実施形態においては、主鎖はケイ素部分が結合したポリエーテル又はポリオレフィンのような柔軟性のあるポリマーであり得る。不飽和を有する柔軟性のあるポリマーは、ケイ素に結合した水素又は水酸基部分を有する化合物と反応させることができ、該ケイ素部分もまた1以上の不飽和炭素鎖を有する。ケイ素化合物は、不飽和の部位にヒドロシリル化反応によってポリマーに付加することができる。この反応は、Kawakuboの米国特許第4,788,254号明細書第2欄第38行〜第61行、米国特許第3,971,751号明細書、米国特許第5,223,597号明細書、米国特許第4,923,927号明細書、米国特許第5,409,995号明細書及び米国特許第5,567,833号明細書(本明細書に参照により援用される。)に記載されている。調製されたポリマーは、本明細書に参照として援用されている米国特許第5,567,833号明細書第17欄第31行〜第57行及び米国特許第5,409,995号明細書に記載されている様に、ヒドロシリル化架橋剤及びヒドロシリル化触媒の存在下に架橋結合できる。
【0034】
一般に、窓等のガラスを基板に接着する方法は、本発明の組成物が塗布された構造体に接着されるガラス部分に沿ってその表面に接着剤を塗布することを含む。セラミックエナメルフリットが施されている部分は、接着剤を該セラミックエナメルフリットの表面に塗布する。接着剤は、次に、第二の基板に接触されるが、この時接着剤がガラスと該第二の基板の間に挟まれるようにする。接着剤は、該ガラスと基板の間で耐久性のある接着状態を作るために硬化される。好ましい実施形態においては、1つの基板がガラスで、もう一方の基板がプラスチック、金属、ガラス繊維又は複合材料基板(例えば、硬化したシート成形コンパウンド)であり、これらは所望により塗装されていてもよい。該方法は、耐酸性塗料で塗装された基板に対して特に有用である。一般に、接着剤は大気中の水分の存在下で、大気温度にて塗装される。大気中の水分にさらされるだけで、十分に接着剤を硬化することができる。更に対流熱やマイクロ波加熱による方法で、硬化中の接着剤に熱を加えて硬化を促進することもできる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、説明を目的としてのみ含まれており、本発明の範囲を制限しようとするものではない。特に明記していない限り、部及びパーセンテージはすべて質量を基準とする。
【0036】
ガラス表面への接着剤の接着力を高めるために、水39.1質量%、アルミナ49.5質量%、ホワイトミネラルオイル(石油)10.0質量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.9質量%、ヒドロキシエチルセルロース0.4質量%、エトキシ化脂肪族アルコール0.03質量%及びオレンジ芳香剤0.09質量%からなるアルミナ含有組成物の性能を、シリコーンで汚れたエナメルフリット上で、別の処理方法と比較するために、クイックナイフ(剥離)試験によって評価する。
【0037】
(試験片の作成)
シリコーンで汚れたセラミックフリットを、アルミナ含有組成物で処理及び/又は各種クリーナー、具体的には、以下に記載するように、BETACLEANTM3300ガラスクリーナー及び/又はBETACLEANTM3350ガラスクリーナーを用いて洗浄する。2分間のフラッシュオフタイムの後、BETAPRIMETM5500ガラスプライマーを塗布し、5分間のオープンタイムの後、イソシアネート官能性ポリウレタン系接着剤BETASEALTM2002LVRPを塗布する。BETACLEAN、BETAPRIME、BETASEALはいずれもダウ・ケミカル社の商標である。該プライマーは、均一な膜厚を得るために、標準的なプライマーアプリケーターを用いて、セラミックエナメルフリットの上に塗布する。プライマーアプリケーターは、Filzfabrik Fulda社製(ドイツ、フルダ)で、ポリエチレン製のボトルにフェルトが装着されており、該フエルト素材は密度0.16±0.021gcm−3、直径2.2cmの羊毛である。5分のオープンタイムの後、10mm(高さ)×10〜15mm(幅)×200mm(長さ)の接着剤ビードを塗布する。該接着剤ビードは、高さ約6mmまで圧縮する。試験片を硬化し、次の条件にさらす。(1)23℃、相対湿度(rh.)50%で7日間、(2)23℃の水中で更に7日間、および(3)カタプラズマで7日間。カタプラズマ処理では、試験片を綿布で包みこみ、該綿布の包みを10倍の水で飽和状態にし、蒸発を防止するためにアルミホイル、PEホイルで続けて包み込む。包装された試験片は、70℃で7日間、−20℃で16時間、環境温度においてさらしてから、包装を解いて23℃で2時間保存した。
【0038】
[クイックナイフ試験]
接着性能を評価するため、上記(1)、(2)、(3)の条件に試験片をさらした後、クイックナイフ試験を行う。クイックナイフ試験では、接着剤ビードの縁端を基板と平行に約10mm切り取って、90度の角度で引き剥がす。約10mmごとに、剥がした接着剤ビードは基板までナイフで切りこみ、剥離を続ける。剥がした試験片は、凝集破壊の割合に従って評価する。凝集破壊80%以上は、ガラス工事に十分であると見なす。
【0039】
試験結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
シリコーンで汚れたセラミックフリットの上に上記アルミナ含有組成物を塗布するだけで、試験された他のガラス洗浄剤よりも効率よくセラミックフリットの表面を接着に備えて洗浄、処理する。表1の項目5においても、上記アルミナ含有組成物塗布後の洗浄は、満足できる接着を得るために必要ではないことを示している。
【0042】
BETACLEANTM3300ガラスクリーナーを、上述のアルミナ含有組成物を用いた洗浄工程後に塗布すると、該洗浄剤の濡らし効果により、洗浄効果が目に見えて助長される。図4は、アルミナ含有組成物処理後のセラミックフリットに施されたBETACLEANTM3300ガラスクリーナーの濡らし効果を示す図であり、きれいな表面を示す。図5は、アルミナ含有組成物による処理をせず、セラミックフリットに施されたBETACLEANTM3300ガラスクリーナーの濡らし効果を示す図であり、シリコーンで汚れた表面を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)粒径約1〜約40μmかつモース硬度約9.0〜約9.5のアルミナ粒子、
ii)1種以上のアルキル硫酸塩、
iii)1種以上の増粘剤、及び
iv)水
を含有する組成物を、ガラス表面又はガラス表面に施されたセラミックエナメルフリットに接触させることを含む方法。
【請求項2】
前記組成物を、塗布装置を用いて前記セラミックフリットの表面に塗布することにより前記接触を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塗布装置が糸屑のでない布である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、
i)アルミナ粒子約10〜約80質量%、
ii)1種以上のアルキル硫酸塩約0.1〜約5質量%、
iii)1種以上の増粘剤約1〜約10質量%、及び
iv)水約15〜約80質量%
を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が更に潤滑剤を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記潤滑剤が約0〜約25質量%含まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記潤滑剤が鉱油である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が更に1種以上のエトキシ化アルコールを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記1種以上のエトキシ化アルコールが約0〜約0.1質量%含まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が更に1種以上の芳香剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記1種以上の芳香剤が約0〜約0.1質量%含まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記芳香剤がオレンジ芳香剤である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記1種以上の増粘剤がセルロース、セルロース誘導体、粘土又はアクリル系ポリマーを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1種以上の増粘剤が1種以上のヒドロキシルアルキルセルロースを含有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が更に前記セラミックフリットの表面洗浄工程を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記クリーナーが水とアルコールの混合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記洗浄工程を、アルミナ粒子含有組成物を塗布した後に行う、請求項14または15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、アルミナ粒子含有組成物を塗布した後、ガラスプライマーを前記セラミックフリットの表面に塗布することを更に含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、アルミナ粒子含有組成物の塗布と洗浄工程の後、更にガラスプライマーを前記セラミックフリットの表面に塗布することを更に含む、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、接着剤を前記ガラスのセラミックフリット表面に塗布し、前記接着剤が前記ガラスと第二の基板の間に挟まれるように、前記ガラスを第二の基板に接触させることを更に含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
第二の基板が窓枠のフランジである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
第二の基板が自動車の窓のフランジである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
a)窓枠から古い窓を取り外し、
b)取り換え用ガラス窓の表面に施されたセラミックエナメルフリットの表面に、
i)粒径約1〜約40μmかつモース硬度約9.0〜約9.5のアルミナ粒子、
ii)1種以上のアルキル硫酸塩、
iii)1種以上の増粘剤、及び
iv)水
を含有する、組成物を塗布し、
c)所望により前記セラミックフリットの表面を洗浄剤を用いて洗浄し、
d)所望により前記セラミックフリットの表面にプライマーを塗布し、
e)接着剤ビードを前記セラミックフリット周縁部のガラス窓に塗布し、
f)前記窓枠のフランジに残留している古い接着剤に活性剤を塗布し、
g)前記接着剤が前記窓とフランジの間に挟まれ、かつ前記窓と窓枠の間でシールを形成するように前記窓を窓枠に接触させる、構造体の窓を交換する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−500278(P2010−500278A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524030(P2009−524030)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/064065
【国際公開番号】WO2008/150679
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】