説明

ガラス基板欠陥検査装置及びガラス基板欠陥検査方法並びにガラス基板欠陥検査システム

【課題】分ガラス基板の全面亘って平坦性を確保し、精度よく検査できるガラス基板欠陥検査装置またはガラス基板欠陥検査方法あるいはガラス基板欠陥検査システムを提供する。
【解決手段】ガラス基板をエアで浮上力を発生させて浮上させ、前記浮上力のない検査領域に搬送し、前記検査領域において前記ガラス基板を撮像し検査するガラス基板欠陥検査装置またはガラス基板欠陥検査方法において、前記検査領域の周囲において、前記浮上力を発生する前記ガラス基板面と反対側の面に前記ガラス基板をエアで挟み込む挟込力を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板欠陥検査装置及びガラス基板欠陥検査方法並びにガラス基板欠陥検査システムに係わり、精度よく検査できるガラス基板欠陥検査装置及びガラス基板欠陥検査方法並びにガラス基板欠陥検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルや太陽電池パネルの製造は、フォトリソグラフィ技術等によりガラス基板上にパターンを形成して行なわれる。その際に、ガラス基板の表面の傷や異物等の欠陥が存在すると、パターンが良好に形成されず、不良の原因となる。このため、従来から、欠陥検査装置を用いてガラス基板の表面の傷や異物等の欠陥検査が行なわれている。
【0003】
欠陥検査を実施するためには、ガラス基板を欠陥検査装置に搬送し検査する必要がある。従来は、ロボットやローラコンベアなどが用いられているが、搬送の際にロボットの吸着パット、ローラコンベアのローラに使用されている材料がガラス基板に付着、あるいは割れたガラス破片の付着により傷や異物の欠陥の要因になる。このために、ガラス基板を非接触にて搬送する技術として、ガラス基板の端部を吸着保持し、エア浮上させてガラス基板を搬送する構成が、特許文献1に記載されている。また、ガラス基板上の傷または異物の検査方法が特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−188313号公報
【特許文献2】特開平9−257642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したエア浮上でガラス基板を搬送する方式では、搬送するときの状態によりガラス基板の端部の跳ね上がり(上昇)や垂れ下がり(下降)が発生し、ガラス基板の平坦性が失われ、全面に亘って検査を精度よくできないという課題がある。この課題は、昨今のガラス基板の大型化と薄型化に伴い、基板製作時の残存内部応力による歪の影響が大きくなり、さらに顕著になってきている。
【0006】
特許文献1には、ガラス基板を搬送し、停止して処理することが開示しているが、搬送中に検査するときの上記課題についての認識はなく、まして課題に対する解決策についての開示もない。また、特許文献2についても、光学式の検査装置を開示されているが、搬送中に検査することの上記課題についての認識もなく、解決策に対する開示もない。
【0007】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、ガラス基板の全面亘って平坦性を確保し、基板全面を一方向送りにより、精度よく検査できるガラス基板欠陥検査装置またはガラス基板欠陥検査方法あるいはガラス基板欠陥検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するために、少なくとも下記の特徴を有する。
本発明は、ガラス基板をエアで浮上力を発生させて浮上させ、前記浮上力のない検査領域に搬送し、前記検査領域において前記ガラス基板を撮像し検査するガラス基板欠陥検査装置またはガラス基板欠陥検査方法において、前記検査領域の周囲において、前記浮上力を発生する前記ガラス基板面と反対側の面に前記ガラス基板をエアで挟み込む挟込力を発生させることを第1の特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記浮上力を発生させるエア浮上手段は、前記周囲において前記エアを噴出しガラス基板を浮上させる噴出口と、エアを吸引しガラス基板を前記ステージ側に引込む吸引口とを交互にマトリックス状に配置していることを第2の特徴とする。
さらに、本発明は、前記挟込力を発生させる前記エア挟込手段は、前記エアを噴出しガラス基板Pを前記ステージ側に押付ける噴出口と、前記エアを吸引し前記ガラス基板を前記ステージ側から引き離す吸引口とを交互にマトリックス状に配置していることを第3の特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、前記エア浮上手段の噴出口と吸引口は、前記エア浮上手段の噴出口及び吸引口と同じ位置にならないようにずらして配置されていることを第4の特徴とする。
また、本発明は、前記エア浮上手段と前記エア挟込手段は前記検査をするための検査開口部を有し、前記開口部の形状は、丸形又は楕円或は菱形または角形等の形状を有していることを第5の特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、前記挟込力を発生させる前記エア挟込手段は、前記検査をするための検査開口部と、前記ガラス基板の前記浮上手段の反対側面において、前記開口部に向ってあるいは前記開口部から、前記ガラス基板に平行なエアの流れを形成する手段とを有することを第6の特徴とする。
また、本発明は、前記ガラス基板の傷、汚れ、異物、前記ガラス基板表面のクレータ形状及び前記ガラス基板内部の気泡のうち少なくとも一つを検査することを第7の特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、前記検査する検査部を前記搬送する方向にずらして複数設けたことを第8の特徴とする。
また、本発明は、第1乃至第8の特徴のいずれかを有する複数のガラス基板欠陥検査装置と、前記複数のガラス基板欠陥検査装置間を前記ガラス基板を搬送する搬送装置とを有し、前記複数のガラス基板欠陥検査装置のうち少なくとも2台は、前記ガラスにおいて前記搬送する方向にずれた前記検査領域を検査することを特徴とするガラス基板欠陥検査システムであることを第9の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ガラス基板の全面亘って平坦性を確保し、基板全面を一方向送りにより、精度よく検査できるガラス基板欠陥検査装置またはガラス基板欠陥検査方法あるいはガラス基板欠陥検査システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態であるガラス基板欠陥装置の搬送部を上部から見た概略構成を示した図である。
【図3】図1に示す検査部を含めた図2におけるA−A断面図である。
【図4】図4(a)は精密浮上ステージの構成を、図4(b)は高浮上部ステージ構成をさらに詳細に示した図である。
【図5】上部精密浮上ステージの第2の実施例を示す図である。
【図6】1台のガラス基板欠陥装置に検査部を複数個所設けた実施例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図8】従来のガラス基板欠陥装置の構成と課題を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明のガラス基板欠陥装置の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。本発明の第1の実施形態は1台のガラス基板検査装置100からなる。ガラス基板検査装置100は、大別して、ガラス基板Pを検査する検査部10と、エア浮上ステージ20とガラス基板Pを保持し浮かしながらエア浮上ステージ20上を搬送する駆動部30とを具備する搬送部40と、搬送部40に圧搾エアを供給する圧搾エア供給源51と空気を吸気する真空供給源52とを具備するエア供給吸気部50と、各部の状態を監視し、各部を制御する全体制御部60とを有する。
【0016】
図2は、本発明の第1の実施形態の搬送部40を上部から見た概略構成を示した図である。図3は、図1に示す検査部10を含めた図2におけるA−A断面図である。
図3に示すように、検査部10はガラス基板Pの傷や汚れを検査する第1検査部10Aと、ガラス基板Pの異物や汚れ、ガラス基板表面のクレータ形状、ガラス基板内部の気泡を検査する第2検査部10BとをそれぞれY方向に3組有し、Y方向の検査をこの3組で分担して検査する。基板サイズによって、3組より以下またはそれ以上でもよい。
【0017】
第1検査部10Aは、光源ユニット16Aと撮像ユニット11Aとに分かれる。光源ユニット16Aは、10μm程度の傷を検出するために、線状光源を形成できるレーザ光源17Aと、レーザ光を斜方照射するためのミラー18Aと、安定した線状光を形成するシリンドリカルレンズ19Aとを有する。一方、撮像ユニット11Aは、ガラス基板Pの表面または裏面から散乱光を受光する受光レンズ13Aと、受光レンズ13からの散乱光をP偏光光、S偏光光に分離する偏光ビームスプリッタ14Aまたは無偏光ハーフミラーと、ガラス基板Pの搬送に伴いガラス基板の所定幅を撮像するラインCCD12A1、12A2とを有する。
【0018】
一方、第2検査部10Bは撮像手段12Bによる撮像結果の輝度分布又は波高値(パターン)によりクレータ形状、気泡、異物または汚れを検出する。そのために、光源17Bとして広範囲に照射できるLEDや蛍光灯を用い、ガラス基板Pから透過光を検出する。撮像手段12Bは、ガラス基板Pに移動に伴い所定幅を効率よく撮像するために、第1検査部10Aと同様にラインCCD12Bを用いる。
【0019】
上記の例では、第1検査部10Aと第2検査部10Bを搬送(X)方向に異なる位置に設けたが、第1の検査部と第2検査部をY方向に隣接して設け、さらに第1検査部10Aと第2検査部10BとをX方向に交互に設けてもよい。
【0020】
図2に示すように、駆動部30は、エア浮上ステージ20の搬送(X)方向に沿って設けられたリニアガイド31と、リニアガイド31に沿って走行するリニアアクチュエータ32と、リニアアクチュエータ32に固定されガラス基板Pを保持するグリッパ33と、リニアアクチュエータ32のリニアガイド31上(搬送(X)方向)の位置を検出するリニアスケール34とを有する。
図1に示す全体制御部60は、リニアスケール34の位置情報を読み込み、搬送速度やグリッパ33を制御する。
【0021】
次に、本実施形態の特徴であるエア浮上ステージ20の構成及び動作を説明する。エア浮上ステージ20は、図2に示すように、搬送(X)方向と垂直なY方向に複数配列された長方形の分割ステージ21を有する。分割ステージ21は、検査領域R1、R2(図3も参照)を挟んで両側に設けられた精密浮上ステージ部21Sと、精密浮上ステージ部21Sの両側に設けられた高浮上部ステージ21Hとを有する。なお、検査領域R1、Rの幅は分割ステージ21の幅より小さいものとする。
【0022】
高浮上部ステージ21Hは、図4(b)に示すように、ガラス基板Pを浮上させる圧搾エアを噴出す噴出口PAのみを有し、ガラス基板Pを安定して浮上し搬送速度を低下させる負荷とならないようにしている。なお、分割ステージ21は搬送(X)方向に対して長さを有するときは、所定の長さで分割されているものとする。
【0023】
一方、精密浮上ステージ部21Sは、図3に示すように、エア浮上ステージ20上に設けられた下部精密浮上ステージ21Sdと、搬送されてきたガラス基板Pを挟んで下部精密浮上ステージ21Sdの上部に設けられた上部精密浮上ステージ21Suとを有する。
【0024】
図4(a)は精密浮上ステージ21Sの構成を、図4(b)は高浮上部ステージ21Hの構成をさらに詳細に示した図である。下部精密浮上ステージ21Sdは、検査領域R1、R2に対応した検査開口部K1d、K2dを有し、その検査開口部K1d、K2d以外の領域において、圧搾エアを噴出しガラス基板Pを浮上させる噴出口PAと、エアを吸引しガラス基板Pを浮上ステージ20側に引込む吸引口PVとを交互にマトリックス状に配置している。下部精密浮上ステージ21Sdは全体としてガラス基板Pを浮上ステージ20から浮上させる浮上力を発生させる。
【0025】
一方、上部精密浮上ステージ21Suは、検査領域R1、R2に対応した検査開口部K1u、K2uを有し、その検査開口部K1u、Kud以外の領域において、圧搾エアを噴出しガラス基板Pをエア浮上ステージ20側に押付ける噴出口PAと、エアを吸引しガラス基板Pを浮上ステージ20側から引き離す吸引口PVとを交互にマトリックス状に配置している。上部精密浮上ステージ21Suは全体としてガラス基板Pを浮上ステージ20側に押さえ込み、下部精密浮上ステージ21Sdとの間にガラス基板を挟みこむ挟込力を発生させる。
【0026】
この浮上力と挟込力のバランスを取ることによって、図2に示すガラスが板Pの先端部Pt、又は後端部Pbにおいて跳ね上がり(上昇)や垂れ下がり(下降)を防止するガラス基板の矯正力をもたらすことができる。
また、図4(a)に示すように、下部精密浮上ステージ21Sdの噴出口PAと吸引口PVは、上部精密浮上ステージ21Suの噴出口PA及び吸引口PVと同じ位置にならないようにずらして配置されている。さらに、検査開口部K1d、K2d、K1u、K2uの形状としては、検査の障害にならず検査開口部を小さくできガラス基板の矯正力の急激な低下を防止することができる丸形または楕円或いは菱形または角形でもよい。
【0027】
このような構成によれば、精密浮上ステージ21Sにガラス基板Pが存在すると、ガラス基板Pの上面及び下面において噴出口項PAから吸引口PVに向かってガラス基板に平行なエア流れが生じ、ガラス基板Pの先端部Ptや後端部Pbも含めて全領域において平坦性(平坦度)を保つことができる。
【0028】
また、本実施形態では、下部精密浮上ステージ21Sdと上部精密浮上ステージ21Suの噴出口PA及び吸引口PVは互いにずらして配置されているので、即ち噴出口PA及び吸引口PVがガラス基板Pの上面、下面で重なることがないので、噴射や吸引がある箇所に偏在することなく一様に行われ、ガラス基板の平坦性をより実現できる。
さらに、高浮上部ステージ21Hから精密浮上ステージ21Sにスムーズにガラス基板Pを移行するために、下部精密浮上ステージ21Sdは上部精密浮上ステージ21Suに比べ長くするほうが望ましい。
【0029】
図5は上部精密浮上ステージ21Suの第2の実施例を示す。図5では右から左にガラス基板が搬送されている。第2の実施例では上部精密浮上ステージ21Su´の搬送上流側にガラス基板Pと上部精密浮上ステージ21Su´との間に横方向のエア流れを形成するように圧搾エアを噴出する噴出口PA´を搬送(X)方向と垂直なY方向に複数個設ける。その他の構成は図4に示す第1の実施例を同じである。このエア流れによってガラス基板Pを挟み込む挟込力を発生させることができるので、第1の実施例と同様な効果を奏することができる。図5では噴出口PA´を搬送(X)方向に一つ設けたが複数個設けてもよい。
【0030】
上記の実施形態では、1台のガラス基板欠陥装置に検査部10を1箇所設けたが、ガラス基板のY方向の幅に応じて、図6に示すように検査部10を複数個所(図6では2箇所10−I、10−II)に設け、検査領域R1、R2をY方向にずらしてガラス基板Pの全面を検査してもよい。図6では各破線より紙面上側を検査部10−Iが、各破線より紙面下側を検査部10−IIが検査する。
また、上記実施形態では1箇所の検査部10にY方向の同じ検査をする検査部を3組設けた。そこで、ガラス基板のY方向の幅に応じて検査部を選択し、ガラス基板Pを浮上させる範囲を、例えば、分割ステージ21単位に選択して検査することもできる。
さらに、上記実施形態では、エア浮上ステージ20をY方向に3つの分割ステージ21に分割したが、一つのステージで構成してもよい。
【0031】
上記の実施形態の効果をより理解するために、従来の構成と再度本発明の課題を詳細に説明する。
図8(a)は第1の実施形態に図2に相当する図で、従来の搬送部40を上部から見た概略構成を示した図である。図8(b)は第1の実施形態の図4(a)に相当する図で、本実施形態の下部精密浮上ステージ21Sdに相当する部分の概略構成図である。図8において、基本的に同じ機能又は構成を有するものは、図2又は図4(a)と同じ符号を付している。
【0032】
まず、大きく違う点は、従来は、上部精密浮上ステージ21Suがなく下部精密浮上ステージ21Sdのみで構成されている点である。そのために、図8(b)に示すよう、下部精密浮上ステージ21Sd上を圧縮、吸引による周波数的な力を受けて、下部精密浮上ステージ21Sdに端部においてガラス基板の歪が強調されたり弱められたりして、ガラス基板の先端部Ptまたは後端部PBで跳ね上がり(上昇)や垂れ下がり(下降)が発生しやすい。しかしながら、歪の少ないガラス基板では下部精密浮上ステージ21Sdのみで構成してもよい。
【0033】
一方、本実施形態では、図4(b)に示すように、ガラス基板Pを上下から押さえ込む矯正力によって検査領域R1、R2に達してもガラス基板Pの先端部Pt及び後端部Pb跳ね上がり(上昇)や垂れ下がり(下降)が生じることなく、エア浮上ステージ20に安定して平行にガラス基板Pを搬送することができる。特に、部精密浮上ステージ21Sdと上部精密浮上ステージ21Suの噴出口PA及び吸引口PVは互いにずらして配置されているので、矯正力の主因であるガラス基板Pの上下に発生するガラス基板Pに平行な流れをより安定して生じさせることで、ガラス基板Pをより安定して搬送できる。
【0034】
第2に違う点は、検査領域R1、R2は、従来は両端が開放された長方形であるのに対し、本実施形態では、矯正の範囲を広げる検査開口部を有し、特に矯正力の高い丸形または楕円或いは菱形または角形等の形状にすることにより、より安定してガラス基板Pを平行に搬送できる。
【0035】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、ガラス基板Pを検査開口部K1、K2においてガラス基板の端部の跳ね上がり(上昇)や垂れ下がり(下降)が発生することなく、少なくとも気泡や傷などの検査に必要な平坦性、例えば±50μm程度以内に収めることができる。また、ガラス基板Pの中央部においても、図4(a)に示すエアの横方向の流れとガラス基板Pの重量または剛性とのバランスにより確実に平坦性を保つことができる。この結果、ガラス基板の全面亘って平坦性を確保し、精度よく検査できる。
【0036】
図7は本発明の第2の実施形態を示す図である。第2の実施形態は、第1の実施形態で説明したガラス基板欠陥装置100を複数台(図7では2台100A、100B)直列に設けたガラス基板欠陥システム200を構成している。ガラス基板欠陥システム200は、複数台のガラス基板欠陥装置100A、100Bとそれらの間を接続する搬送部40とを有し、それぞれのガラス基板欠陥装置の検査領域R1、R2をY方向にずらして2台のガラス基板欠陥装置100A、100Bでガラス基板Pの全面を検査する。
【0037】
さらに、図7に第2の実施形態の変形として、ガラス基板欠陥装置を偶数台設け、ガラス基板欠陥装置100Aは第1検査部10Aを有し、ガラス基板欠陥装置は第2検査部10Bを有するというように装置単位で検査内容が異なる構成としてしてもよい。
【0038】
以上説明した第2の実施形態においても、複数台のガラス基板欠陥装置で検査を分担することにより、第1の実施形態同様に、ガラス基板の全面亘って平坦性を確保し、精度よく検査できる。
【符号の説明】
【0039】
10、10−I、10−II:検査部 10A:第1検査部
10B:第2検査部 11A、11B;撮像ユニット
12A1,12A2、12B:ラインCCD(撮像手段)
13A、13B;受光レンズ 14A:偏光ビームスプリッタ
16A、16B:光源ユニット 17A;レーザ光源
18A:ミラー 19A:シリンドリカルレンズ
20:エア浮上ステージ 21:分割ステージ
21S:精密浮上ステージ 21Sd:下部精密浮上ステージ
21Su、21Su´:上部精密浮上ステージ
21H:高浮上部ステージ 30:駆動部
31:リニアガイド 32:リニアアクチュエータ
33:グリッパ 34:リニアスケール
40:搬送部 50:エア供給吸気部
51:圧搾エア供給源 52:真空供給源
60:全体制御部
100、100A、100B:ガラス基板欠陥装置
K1d、K2d、K1u、K2u:検査開口部
P:ガラス基板 PA、PA´:圧搾エアの噴出口
PV:エアの吸引口 Pb:ガラス基板の後端部
Pt:ガラス基板の先端部 R1、R2:検査領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板を保持し搬送するステージ上でガラス基板をエアで浮上させるエア浮上手段を有するエア浮上装置と、前記エア浮上手段がない検査領域に前記ガラス基板を搬送する搬送装置と、前記検査領域において前記ガラス基板を撮像し検査する光学式検査装置とを有するガラス基板欠陥検査装置において、
前記エア浮上装置は、前記検査領域の周囲において、前記ガラス基板を挟んで前記エア浮上手段の反対側から前記ガラス基板をエアで挟み込むエア挟込手段を有することを特徴とするガラス基板欠陥検査装置。
【請求項2】
前記エア浮上手段は、前記検査領域の周囲において前記エアを噴出しガラス基板を浮上させる噴出口と、エアを吸引しガラス基板を前記ステージ側に引込む吸引口とを交互にマトリックス状に配置していることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板欠陥検査装置。
【請求項3】
前記エア挟込手段は、前記エアを噴出しガラス基板Pを前記ステージ側に押付ける噴出口と、前記エアを吸引し前記ガラス基板を前記ステージ側から引き離す吸引口とを交互にマトリックス状に配置していることを特徴とする請求項2に記載のガラス基板欠陥検査装置。
【請求項4】
前記エア浮上手段の噴出口と吸引口は、前記エア浮上手段の噴出口及び吸引口と同じ位置にならないようにずらして配置されていること特徴とする請求項3に記載のガラス基板欠陥検査装置。
【請求項5】
前記エア浮上手段と前記エア挟込手段は前記検査をするための検査開口部を有し、前記開口部の形状は、丸形又は楕円或は菱形又は角形の形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板欠陥検査装置。
【請求項6】
前記エア挟込手段は、前記検査をするための検査開口部と、前記ガラス基板の前記浮上手段の反対側面において、前記開口部に向ってあるいは前記開口部から、前記ガラス基板に平行なエアの流れを形成する手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のガラス基板欠陥検査装置
【請求項7】
前記光学式検査装置は、前記ガラス基板の傷、汚れ、異物、前記ガラス基板表面のクレータ形状及び前記ガラス基板内部の気泡のうち少なくとも一つを検査する検査部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス基板欠陥検査装置。
【請求項8】
前記検査部を前記搬送する方向にずらして複数設けたことを特徴とする請求項7に記載のガラス基板欠陥検査装置。
【請求項9】
ガラス基板をエアで浮上力を発生させて浮上させ、前記浮上力のない検査領域に搬送し、前記検査領域において前記ガラス基板を撮像し検査するガラス基板欠陥検査方法において、
前記検査領域の周囲において、前記浮上力を発生する前記ガラス基板面と反対側の面に前記ガラス基板をエアで挟み込む挟込力を発生させること特徴とするガラス基板欠陥検査方法。
【請求項10】
前記検査は前記ガラス基板の傷、汚れ、異物、前記ガラス基板表面のクレータ形状及び前記ガラス基板内部の気泡のうち少なくとも一つを検査すること特徴とする請求項9に記載のガラス基板欠陥検査方法。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれかに記載の複数のガラス基板欠陥検査装置と、前記ガラス基板を前記複数のガラス基板欠陥検査装置間を搬送させる搬送装置とを有し、前記複数のガラス基板欠陥検査装置のうち少なくとも2台は、前記ガラス基板において前記搬送する方向と垂直方向に互いにずれた前記検査領域を検査することを特徴とするガラス基板欠陥検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−96920(P2012−96920A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248484(P2010−248484)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】