説明

キセロゲル複合材料の製造方法

本発明は、(a)少なくとも一種の多官能性イソシアネートからなるモノマー成分(A1)と多官能性アミンと多官能性ヒドロキシ化合物とから選ばれる少なくとも一種からなるモノマー成分(A2)とを含む有機ゲル前駆体(A)を含む組成物を提供する工程と、(b)連続気孔マクロ孔性発泡体(B)と溶媒(C)の存在下で該有機ゲル前駆体(A)を反応させキセロゲル複合材料とする工程と、(c)溶媒(C)を溶媒(C)の臨界温度と臨界圧力より低い温度と圧力でガス状態に変換させてキセロゲル複合材料を乾燥させる工程とからなることを特徴とするキセロゲルキセロゲル複合材料の製造方法に関する。
本発明はまた、このようにして得られるキセロゲル複合材料と、これらの絶縁材料、断熱用、真空絶縁パネル、冷蔵装置または建物中での利用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
(a)少なくとも一種の多官能性イソシアネートからなるモノマー成分(A1)と多官能性アミンと多官能性ヒドロキシ化合物とから選ばれる少なくとも一種からなるモノマー成分(A2)とを含む有機ゲル前駆体(A)を含む組成物を提供し、
(b)連続気孔マクロ孔性発泡体(B)と溶媒(C)の存在下で該有機ゲル前駆体(A)を反応させキセロゲル複合材料とし;
(c)溶媒(C)を溶媒(C)の臨界温度と臨界圧力より低い温度と圧力でガス状態に変換させてキセロゲル複合材料を乾燥させることを特徴とするキセロゲルキセロゲル複合材料の製造方法に関する。
【0002】
本発明はまた、このようにして得られるキセロゲル複合材料と、その冷蔵装置や建物中での絶縁材料としての断熱用、真空絶縁パネルとしての利用に関する。
【背景技術】
【0003】
孔径が数ミクロンであるかこれよりかなり小さな範囲にあり、気孔率が少なくとも70%である多孔体、例えばポリマー発泡体は、理論的な理由のため特に優れた断熱材である。
【0004】
これらの多孔性物質は、例えば有機キセロゲルの状態であることが可能である。「キセロゲル」という用語は、過去の文献中で必ずしも同じ意味で使われていない。一般に、キセロゲルは、ゾルゲル法で製造された多孔性材料と理解されており、その液相は、その液相の臨界温度と臨界圧力より下(「未臨界条件」)での乾燥によりゲルから除かれている。これ対して、ゲルからの液相除去が超臨界条件で行われる場合には、「エアロゲル」という用語が通常用いられる。
【0005】
このゾルゲル法では、まず反応性の有機ゲル前駆体からゾルが形成され、次いでこのゾルが架橋反応でゲル化されてゲルとなる。このゲルから、例えばキセロゲルから多孔性材料を得るためには、液体の除去が必要である。以下、この工程を簡単のために乾燥と呼ぶ。
【0006】
先行技術のプロセスでは、例えば超臨界条件で、あるいは超臨界流体により、即ちこの液体の臨界圧力Pcritまたは臨界温度Tcritを超える圧力と温度で液体がゲルから除かれる。このような超臨界での乾燥を含む乾燥プロセスは広く知られている。
【0007】
しかしながら、超臨界条件下での乾燥は、特定の圧力と温度条件下で密閉容器中で乾燥を行う必要があり、装置的に非常に複雑となる。また溶媒変更も求められる。このためプロセスがさらに複雑となる。したがって超臨界流体を用いる乾燥は経済性に悪影響を及ぼす。これに代えて、液体を凍結乾燥で除くこともできる。しかしながら、凍結で液体の体積が変化し、その結果三次元的なポリマー骨格が破壊される。この結果、発泡体よりはむしろ粉末が得られる。また凍結乾燥工程は装置的に複雑である。
【0008】
ゲルを未臨界工程で乾燥すると通常気孔構造が変化してゲルが収縮し、得られるキセロゲルの気孔率が超臨界条件下での同様な溶媒除去と較べて大きく低下する。これは未臨界条件下での溶媒の気化の際に働く毛細管効果のためである。また、この毛管力は孔径の大きさに逆比例するため、平均孔径が1ミクロンより小さい場合には毛管力が特に大きくなる。
【0009】
既知の収縮抑制策としては、特定組成物を用いて十分に堅いあるいは十分に安定なゲルを作ることや、例えば溶媒を、ゲル乾燥の際の収縮を抑える低極性溶媒で置換して毛管力を低下させることがあげられる。
【0010】
しかしながら、溶媒の置換は装置的に複雑であり、多くの場合望ましくない。また、毛管力を低下させる溶媒で置換した後でも、ゲルの未臨界乾燥で、しばしば気孔率の低下が引き起こされる。
【0011】
既存の有機キセロゲルは、例えばフェノール−アルデヒド樹脂製やポリウレタン及び/又はポリウレア製である。乾燥時の収縮を抑えながらこれらを製造する方法も、同様に公知である。抽出溶媒の置換が求められない既知のプロセスとしては、十分に安定な多孔性材料を形成する特定の組成物によるものや、繊維状強化材料の使用があげられる。
【0012】
また、エアロゲル発泡体複合材料は、WO2007/146945により公知である。上記のエアロゲル発泡体複合材料は、超臨界乾燥工程の後で、特に、ポリウレタンフォームなどの発泡体中に硬化した有機エアロゲルを含んでいる。この文献には、有機エアロゲルの利用可能な用途や未臨界乾燥の利用について述べられている。この文献では、(無機の)エアロゲルに本質的な脆さを低下するため、また柔軟性など他の機械特性を改善するために、発泡体マトリックスが用いられている。
【0013】
ポリウレア製またはポリウレタン製のキセロゲルは公知であり、機械特性において無機エアロゲルより優れていることが多い。
【0014】
WO2008/138978には、少なくとも一種の多官能性イソシアネートと少なくとも一種の多官能性芳香族アミンからなり、体積平均気孔径が5ミクロン以下であるキセロゲルが開示されている。
【0015】
しかしながら、既存のキセロゲルの熱伝導率は、すべての用途に十分であるのではない。真空範囲より高い圧力範囲での使用では、例えば約1〜約100mbarの圧力範囲、特に大気圧での使用では、この熱伝導率では一般的には不満足である。また、材料の性能が、例えばキセロゲルの機械的安定性や気孔率、特に密度が不満足である。
【0016】
経済的製造の視点から、未臨界での溶媒除去が極めて望ましい。したがってこの点で、キセロゲルがエアロゲルに優る。本発明はすべて、キセロゲルに関する。一般的には、機械的性質が悪いため、無機キセロゲルには未臨界乾燥が使われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は上述の欠点を避けることであり、特に熱伝導率が低い多孔性材料を提供することである。特に、このキセロゲルは、真空範囲を超える圧力で、特に約1mbar〜約100mbarの圧力範囲で、また大気圧で、低い熱伝導率を持つ必要がある。真空パネル中では時間の経過と共に圧力が上昇するため、このことが好ましい。また、このキセロゲルは、可燃性が低く高耐熱であり、同時に機械的に安定でなければならない。
【0018】
もう一つの目的は、孔径が小さく、気孔率が大きく、機械的安定性が高いキセロゲルを提供することである。特に、気孔率は、既知のキセロゲルと較べてさらに大きくする必要があり、また同時に密度を下げる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このため、冒頭に述べた方法とこの方法で得られる有機キセロゲルとを見出した。
【0020】
その好ましい実施様態が、以下の請求項及び明細書中に見出されるであろう。好ましい実施様態の組み合わせも本発明の範囲に収まる。
【0021】
本発明の目的では、キセロゲルは、液相の臨界温度より低くまた臨界圧力より低い条件(「未臨界条件」)での乾燥によりゲル中から液相を除去しながらゾルゲル法で製造された、気孔率が体積の少なくとも70%であり、体積平均孔径が50ミクロンを超える多孔性材料である。
【0022】
工程(a)
本発明によれば、工程(a)は、少なくとも一種の多官能性イソシアネートからなるモノマー成分(A1)と多官能性アミンと多官能性ヒドロキシ化合物とから選ばれる少なくとも一種からなるモノマー成分(A2)とを含む有機前駆体(A)を含む組成物を提供することを含む。
【0023】
本発明の目的では、化合物の官能価とは分子当りの反応性基の数をいう。モノマー成分(A1)の場合、官能価とは、分子当りのイソシアネート基の数をいう。モノマー成分(A2)の場合、官能価とは、分子当りの反応性のアミノ基またはヒドロキシ基の数である。多官能性化合物の官能価は少なくとも2である。
【0024】
異なる官能価を持つ化合物の混合物をモノマー成分(A1)及び/又は(A2)として用いる場合、これら成分の官能価は、いずれの場合も個々の化合物の官能価の個数平均をいう。多官能性化合物は、分子当り少なくとも2個の上記官能基を含む。
【0025】
可能な多官能性イソシアネートは、芳香族、脂肪族、脂環式及び/又は芳香脂肪族イソシアネートである。このような多官能性イソシアネートは公知であり、公知の方法で製造可能である。特に、多官能性イソシアネートは混合物として使用可能であり、この場合は成分(A1)はいろいろな多官能性イソシアネートを含む。(A1)の成分として可能な多官能性イソシアネートは、このモノマー成分の分子当り2個のイソシアネート基をもつ(以下、ジイソシアネートと呼ぶ)か、2個を超える数のイソシアネート基をもつ。
【0026】
特に好適な多官能性イソシアネートは、ジフェニルメタン2,2’−、2,4’−及び/又は4,4’−ジイソシアネート(MDl)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4−及び/又は2,6−ジイソシアネート(TDI)、ジメチルビフェニル3,3’−ジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート及び/又はp−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン及び/又はオクタメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、2−エチルブチレン1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、ブチレン1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4−及び/又は1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキサン2,4−及び/又は−2,6−ジイソシアネート及び/又はジシクロヘキシルメタン4,4’−、2,4’−及び/又は2,2’−ジイソシアネートである。
【0027】
成分(A1)の多官能性イソシアネートとしては、芳香族イソシアネートが好ましい。特に好ましい成分(A1)の多官能性イソシアネートは、以下のものである。
【0028】
i)トリレンジイソシアネート(TDI)系の多官能性イソシアネート、特に2,4−TDIまたは2,6−TDIまたは2,4−と2,6−TDIの混合物;
ii)ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系の多官能性イソシアネート、
特に2,2’−MDIまたは2,4’−MDIまたは4,4’−MDIまたはオリゴマー状MDI、いわゆるポリフェニルポリメチレンイソシアネート、上記ジフェニルメタンジイソシアネートの二種または三種以上の混合物、MDIの製造時に得られる粗製MDI、または
少なくとも一種のMDIオリゴマーと少なくとも一種の上記低分子量MDI誘導体の混合物;
iii)少なくとも一種の実施様態i)に記載の芳香族イソシアネートと少なくとも一種の実施様態ii)に記載の芳香族イソシアネートの混合物。
【0029】
多官能性イソシアネートとして、オリゴマー状のジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。オリゴマー状のジフェニルメタンジイソシアネート(以下、オリゴマー状MDIと称す)は、オリゴマーの縮合生成物またはこれらの混合物であり、このためジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の誘導体からなる。これらの多官能性イソシアネートは、モノマー状の芳香族ジイソシアネートとリゴマー状MDIとの混合物からなることが好ましい。
【0030】
オリゴマー状MDIは、一種以上の、官能価が2以上、特に3または4または5であるMDIの多環縮合生成物を含んでいる。オリゴマー状MDIは公知であり、しばしばポリフェニルポリメチレンイソシアネートまたはポリマー状MDIとよばれる。オリゴマー状MDIは、通常いろいろな官能価をもつMDI系イソシアネートの混合物からなる。オリゴマー状MDIは、通常モノマー状のMDIとの混合物として用いられる。
【0031】
オリゴマー状MDIを含むイソシアネートの(平均)官能性は約2.2〜約5の範囲で変動し、特に2.3〜3.5、特に2.5〜3の範囲で変動する。このようないろいろな官能価をもつMDI系多官能性イソシアネートの混合物は、特に、MDIの製造中に得られる粗MDIである。
【0032】
MDI系の多官能性イソシアネートまたは複数のMDI系多官能性イソシアネートの混合物は公知であり、例えばエラストグラン社よりルプラネート(R)という商品名で販売されている。
【0033】
成分(A1)の官能価は、好ましくは少なくとも2であり、特に少なくとも2.2、特に好ましくは少なくとも2.5である。成分(A1)の官能価は、好ましくは2.2〜4であり、特に好ましくは2.5〜3である。
【0034】
成分(A1)中のイソシアネート基の含量は、好ましくは5〜10mmol/gであり、特に6〜9mmol/g、特に好ましくは7〜8.5mmol/gである。当業界の熟練者には既知のように、イソシアネート基含量(mmol/g)と当量(g/当量)は相互に逆比例する。イソシアネート基含量(mmol/g)は、ASTM−D−5155−96Aに記載のように、重量%での含量に由来する。
【0035】
成分(A1)の粘度は広い範囲で変動しうる。本発明の方法の工程(a)で用いられる成分(A1)の粘度は、好ましくは100〜3000mPa・sであり、特に好ましくは200〜2500mPa・sである。
【0036】
ある特に好ましい実施様態においては、モノマー成分(A1)は、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネートとジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’−ジイソシアネート、オリゴマー状のジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれる少なくとも一種の多官能性イソシアネートを含んでいる。
【0037】
この特に好ましい実施様態においては、成分(A1)は、極めて好ましくは、オリゴマー状のジフェニルメタンジイソシアネートを含み、その官能価は2.5である。
【0038】
本発明によれば、有機ゲル前駆体(A)が、多官能性アミンと多官能性ヒドロキシ化合物から選ばれる少なくとも一種からなるモノマー成分(A2)を含んでいる。多官能性アミンが本発明の目的のために好ましい。可能な多官能性アミンは、原理的には脂肪族アミンと芳香族アミンの両方である。
【0039】
脂肪族アミンを多官能性アミンとして用いる場合、本発明の目的では、多官能性アミンは、イソシアネートに対して反応性のあるアミノ基を分子あたりに少なくとも2個もつアミンである。イソシアネートに対して反応性を持つ基は、第一級アミノ基と第二級アミノ基であり、第一級アミノ基の反応性は、一般的には第二級アミノ基の反応性よりかなり高い。多官能性脂肪族アミンは、好ましくは
少なくとも一種の第一級アミノ基を、特に少なくとも2種の第一級アミノ基を含む。
【0040】
脂肪族アミンを多官能性アミンとして用いる場合、特に有用な多官能性アミンとしては次のものがあげられる。ビス(2−アミノエチル)アミン(ジエチレントリアミンとも呼ばれる)、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、エチレンイミンの他の誘導体、テトラメチレンジアミン、エチレンジアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−、2,4−および2,2’−ジアミノジシクロヘキシル−1,2−および1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,2−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン(ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,2−及び/又は1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(1,3−メチルアミノ)シクロヘキサン、ビスヒドラジド、ビスセミカルバジド、N,N,N−トリス(2−アミノ−エチル)アミン、グアニジン、N−(2−アミノエチル)−1,3−ジアミノプロパン、およびアミノ基を末端基として有するエトキシ化及び/又はプロポキシ化化合物。
【0041】
少なくとも2個の第一級アミノ基をもつ脂肪族の多官能性アミンが好ましく、特にビス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノプロピレン−エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、トリクリコールジアミン、エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドのポリマーでヒドロキシル末端基がアミノ基で置換されたもの、1,3−ジアミノプロパン−2−オール、ω,ω’−ジアミノジ−n−ヘキシルアミン、およびジメチル1,4−ジアミノアジペートが好ましい。
【0042】
これらの好適な多官能性脂肪族アミンを個別に用いても、混合物として用いてもよい。
【0043】
特に好ましい脂肪族アミンはポリアルキレンポリアミンである。本発明の目的では、「ポリアルキレンポリアミン」は、少なくとも3個のアミノ基(第一級、第二級または第三級)をもち、重量平均分子量(Mw)が少なくとも500g/molである脂肪族アミンをさす。
【0044】
可能なポリアルキレンポリアミンの分子量は、広い範囲で、特に500g/mol〜3000000g/molの範囲で変動しうる。成分(A2)として好適なポリアルキレンポリアミンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500g/mol〜50000g/molであり、好ましくは800g/mol〜25000g/mol、特に好ましくは1000g/mol〜10000g/molである。
【0045】
ポリアルキレンポリアミンとしては、特にポリエチレンイミンが好ましい。本発明の目的では、ポリエチレンイミンは、オリゴマーであっても、ホモポリマーであっても、あるいは−CH2−CH2−NH−基をもち、少なくとも3個のアミノ基をもち、重量平均分子量(Mw)が少なくとも500g/molであるコポリマーであってもよい。
【0046】
これらのポリエチレンイミンは、好ましくは構造が−(CH2−CH2−NH2)である末端エチレンイミン単位と、構造が−(CH2−CH2−NH)−である線状エチレンイミン単位と構造N−(CH2CH2−)3である分岐状エチレンイミン単位とから選ばれる単位からなる。
【0047】
アミンとして脂肪族アミンを用いる場合、ポリエチレンイミンが特に好ましい。可能なポリエチレンイミンの分子量は、広い範囲で、特に500g/mol〜3000000g/molの範囲で変わりうる。成分(A2)として特に好ましいポリエチレンイミンの重量平均分子量(Mw)は、500g/mol〜500000g/molであり、好ましくは800g/mol〜200000g/mol、特に好ましくは800g/mol〜50000g/mol、特に1000g/mol〜25000g/mol、極めて好ましくは1000g/mol〜10000g/molである。
【0048】
本発明の目的では、ポリアルキレンポリアミンの重量平均分子量は静的光散乱により決められ、本発明の目的のために述べられたすべてのポリアルキレンポリアミンとポリエチレンイミンの分子量はこれにより決められたものである。なお、屈折率の増分dn/dcをまず示差屈折率計で求める。静的散乱による測定は、熱力学的な良溶媒中で行われる。当業界の熟練者なら、この溶媒中のポリアルキレンポリアミンを、希薄溶液が得られるような濃度とするであろう。分子量の測定は、ジム(Zimm)プロットにより行われる。
【0049】
高分子量または高粘度のポリエチレンイミンを用いると、一般的には、特によい特性をもつ、特に気孔率や熱伝導率、強度の点で優れたゲルまたはキセロゲルが得られる。低分子量または低粘度のポリエチレンイミンを用いると、一般的には、製造工程の実施が特に簡単となり、また優れた特性が、特に気孔率や熱伝導率、強度の点で優れた特性が得られる。
【0050】
ポリエチレンイミンの、DIN−EN−ISO2555(ブルックフィールド粘度計RVT型、20℃、20rpm)に準じて求めた粘度は、一般的には100〜300000mPa・sの範囲であり、好ましくは500〜200000mPa・sの範囲、特に1000〜100000mPa・sの範囲である。
【0051】
ポリエチレンイミンは、例えば、ウルマン電子版を「アジリジン」というキーワードで調べた場合にでてくる方法、またはWO−A94/12560に記載の方法で得ることができる。
【0052】
エチレンイミンから得られるエチレンイミンのホモポリマーやオリゴマーは、一般的には、酸放出化合物、酸またはルイス酸の存在下でのエチレンイミン(アジリジン)の水溶液または有機溶液中での重合で得られる。このようなホモポリマーは、線状ポリマーであるか、好ましくは分岐ポリマーである。一般的には、後者の第一級アミノ基と第二級アミノ基と第三級アミノ基の比率は、例えば約1:1:0.7である、アミノ基の分布は、13C−NMRスペクトロスコピーで決められる。
【0053】
ポリエチレンイミンとしてコポリマーを用いる場合は、少なくとも2個のアミノ基をもつコモノマーが好ましい。好適なコモノマーは、例えば、アルキレン基の炭素原子数が2〜10であるアルキレンジアミンであり、エチレンジアミンとプロピレンジアミンが好ましい。他の好適なコモノマーは、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、トリ−プロピレンテトラミン、ジヘキサメチレントリアミン、アミノプロピルエチレンジアミン、ビスアミノプロピルエチレンジアミンである。
【0054】
しかしながら、実質的にエチレンイミンからなるポリエチレンイミン、特にエチレンイミンのホモポリマーの使用が好ましい。
【0055】
これらのポリエチレンイミンは、好ましくは水を含まない状態で使用される。なお、「水を含まない」とは、DIN53715によりカールフィッシャー法で求めた水分率が0〜1.5重量%、好ましくは0〜1重量%で、特に好ましくは0〜0.5重量%であることを意味する。
【0056】
これらのポリエチレンイミンは、高度に分岐していることが特に好ましい。本発明の目的では、高度に分岐したポリエチレンイミンとは、NH−基を有する非架橋高分子で、構造的に不均一な、特に分岐点間の長さと配列の点で不均一なものである。これらは、デンドリマーと同様に中心分子から作られるが、分枝の鎖長が不均一である。しかしながら、これらは、官能性側基をもつ線状の構造をもつことができ、あるいは、これら二つの極限構造の組み合わせとして、「分子」の線状部と分岐部とをもつことができる。
【0057】
分岐の程度(DB)は、DB=(T+Z)/(T+Z+L)で表され、通常%で報告される。なお式中、Tは末端モノマー単位の数であり、Zは分岐状モノマー単位の数、Lは線状モノマー単位の数である。これらの数は、13C核磁気共鳴スペクトルにより第一級アミノ基(T)、第三級アミノ基(Z)、第二級アミノ基(L)として求められる。分岐度の定義については、H. Frey et al., Acta Polym. 1997,48,30. も参照されたい。
【0058】
特に好ましい高分岐ポリエチレンイミンの分岐度DBは、40〜100%であり、好ましくは50〜80%、特に55〜70%である。
好適なポリエチレンイミンが、例えばルパソール(R)という商品名でBASFより販売されている。2〜6個の、特に2〜4個の第一級アミノ基をもち、数平均分子量が400〜約10000g/mol、好ましくは800〜約6000g/molであり、分岐度DBが40〜100%、好ましくは50〜80%、特に55〜70%である高分岐ポリエチレンイミンが極めて好ましい。
【0059】
モノマー成分(A2)として脂肪族アミンを用いる場合、モノマー成分(A1)と(A2)は、好ましくは別々に工程(a)で供給される。
【0060】
モノマー成分(A2)として脂肪族アミンを用いる場合、モノマー成分(A2)の第一級アミノ基は、工程(b)の初期では保護された状態で存在することが好ましい。モノマー成分(A2)の第一級アミノ基は、特に好ましくは工程(b)を実施する前に保護された状態で存在する。モノマー成分(A2)に、工程(a)で保護された、特に第一級アミノ基の保護のための試薬(即ち、溶媒(C))中に溶解して保護された状態にある第一級アミノ基を供給することが特に好ましい。
【0061】
本発明の目的では、保護状態で存在する第一級アミノ基とは、その第一級アミノ基が実質的に−NH2の形で存在していないことを意味する。モノマー成分(A2)の保護された第一級アミノ基は、イソシアネートに対する反応性が減少している。第一級アミノ基は、少なくとも一種の他の官能基または少なくとも一種の他の分子(保護基として知られる)の可逆的な結合により保護状態で存在することが好ましい。
【0062】
本目的のためには、可逆的結合とは、第一級アミノ基のイソシアネート基との反応の前に思い通りの方法でこの相当する官能基または分子(保護基)が除去される結果、あるいは好ましくは、本発明の方法の工程(b)の間に更なる反応性第一級アミノ基が形成されて、これが第一級アミノ基のイソシアネート基との反応の反応速度を低下させる結果、この相当する官能基または分子(保護基)が、イソシアネートに対する第一級アミノ基の反応性を、完全に反応を阻害するのでなく、低下させることをいう。このような更なる第一級アミノ基の成形は、例えば、保護された形と反応性であるフリーの形との間の平衡の結果起こる。
【0063】
工程(b)中でモノマー成分(A2)の第一級アミノ基が、ケチミン及び/又はアルジミンの形で存在することが特に好ましく、モノマー成分(A2)は、本発明の方法の工程(a)中でケチミン及び/又はアルジミンの形で供給されることが極めて好ましい。
【0064】
このことは、モノマー成分(A2)の第一級アミノ基が、少なくとも部分的に、好ましくは完全にケチミン基及び/又はアルジミン基の形で存在することを意味する。ケチミン及び/又はアルジミンは、特にケトン及び/又はアルデヒドを溶媒(C)として使用する場合に得られる。
【0065】
好適なアルジミンまたはケチミンは、ジアミンまたは第一級アミノ基をもつ多官能性アミンと、アルデヒドまたはケトンとに由来するものであり、これらの物質から公知の方法で、例えば適当なら例えば酸触媒の存在下で不活性有機溶媒中で加熱して、適当なら生成する水を除去しながら加熱して得ることができ、好ましくは溶媒として過剰のケトン及び/又はアルデヒドを用いる反応で得ることができる。これらのアルジミンまたはケチミンは、イソシアネートに対して反応性の他の官能基を、例えばヒドロキシルまたはイミノ基を含んでいてもよい。
【0066】
他の可能性は、保護された第一級アミノ基だけでなくフリーの第二級アミノ基を含むケチミンまたはアルジミンである。例えばジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンのジケチミンである。
【0067】
工程(c)の前か工程(c)中で保護基を解離剤の添加で除く場合は、アルジミンやケチミンの場合の保護基は、特に水を解離剤として添加することで除かれる。
【0068】
しかしながら、本発明の方法の工程(b)中でのイソシアネートとの遅い反応中では、アルジミン及び/又はケチミンは、好ましくは前もって解離剤を添加することなく反応させることが好ましい。ここでは、溶媒(C)中でのフリーの第一級アミノ基と保護された第一級アミノ基との間の平衡を利用することが好ましい。
【0069】
多官能性のアルジミン及び/又はケチミンとポリイソシアネートとからの反応生成物は、アミノ基とイソシアネート基との直接反応の生成物と化学的に同一であるか、ほとんど同一である。しかしながら、第一級の脂肪族アミノ基とイソシアネート基の反応速度の低下は、好ましい影響を、特に工程(b)で生成するゲルの気孔構造に好ましい影響を及ぼす。
【0070】
第一級アミンと可逆的に反応する保護基は、実験条件下では液体であることが好ましい。保護基は、第一級アミノ基に対して反応性がある溶媒(C)の形で用いることが好ましい。
【0071】
工程(a)においてケトン及び/又はアルデヒドを溶媒(C)とする溶液としてモノマー成分(A2)を供給し、工程(b)のモノマー成分(A1)と混合することが極めて好ましい。
【0072】
アルジミンまたはケチミンを製造するのに使えるアルデヒドまたはケトンは、特に、一般式R2−(CO)−R1に相当するものである。なお式中、R1とR2は、それぞれ水素または炭素原子数が1、2、3又は4であるアルキル基である。好適なアルデヒドまたはケトンとしては、特に、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソペンタアルデヒド、2−メチルペンタアルデヒド、2−エチルヘキサアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、フルフラール、アクロレイン二量体、メタクロレイン二量体、1,2,3,6−テトラヒドロベンズアルデヒド、6−メチル−3−シクロヘキセンアルデヒド、シアンアセトアルデヒド、エチルグリオキシレート、ベンズアルデヒド、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、エチルイソプロピルケトン、2−アセチルフラン、2−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、シクロヘキサノン、アセトフェノンがあげられる。上述のアルデヒドとケトンも混合物の形で使用できる。
【0073】
原理的には、前もってアルジミンまたはケチミンを純粋な形で製造し、その後溶媒(C)中の溶液として供給することができる。しかしながら、本発明の方法においては、上述のアルデヒドおよび/またはケトンを溶媒(C)として使用し、成分(A2)の溶解と共にアルジミンまたはケチミンが形成されるようにすることが好ましい。
【0074】
アルデヒドまたはケトンが約180℃より低い沸点を持ち、硬化段階でポリマーから容易に分離できることが望ましい。
【0075】
モノマー成分(A1)と(A2)は、それぞれ別々に溶媒(C)に、特にアルデヒド及び/又はケトンに溶解していることが好ましい。
【0076】
好適な溶媒(C)は、特に両成分(A1)と(A2)が十分な溶解度をもち、モノマー成分(A2)の第一級アミノ基との反応で、好ましくは室温での反応でアルジミンおよび/またはケチミンを生成させるアルデヒド及び/又はケトンである。
【0077】
二つのモノマー成分(A1)と(A2)は、原理的には相互に完全混合可能な異なる溶媒(C1)と(C2)で、これら二成分(A1)と(A2)はその溶媒混合物中に十分な溶解度をもつものに溶解される。
【0078】
多官能性ヒドロキシ化合物をモノマー成分A2として使用することもできる。このようなヒドロキシ化合物は、当業界の熟練者には公知である。可能性としては、例えば、OH官能価が少なくとも2であるポリエーテルポリオール、特にエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド系のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルエステルポリオールがあげられる。その分子量は広い範囲で変動する。この種の可能なポリオールには、原理的には当業界の熟練者には既知のポリウレタン用前駆体のすべてが含まれる。多官能性ヒドロキシ化合物をモノマー成分A2として使用する場合、ある好ましい実施様態においては、この多官能性ヒドロキシ化合物が、フェノール化合物、即ち芳香族ヒドロキシ化合物である。好ましい多官能性フェノール性ヒドロキシ化合物は、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、フロログルシノールであり、フロログルシノールが特に好ましい。
【0079】
しかしながら、このモノマー成分(A2)は、少なくとも一種の多官能性の芳香族アミンを含んでいることが好ましい。
【0080】
モノマー成分(A2)は、好ましくは少なくとも一種の多官能性の芳香族アミンを含み、そのうちの少なくとも一種は、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、およびジアミノジフェニルメタンのオリゴマーから選ばれる。
【0081】
もしモノマー成分(A2)として、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン及び/又はオリゴマー状のジアミノジフェニルメタンが他の多官能性の芳香族アミンとの混合物が用いられる場合、この他の多官能性芳香族アミンの可能性としては、好ましくは、トルエン−2,4−ジアミン及び/又はトルエン−2,6−ジアミンなどのトルエンジアミンや、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及び/又は3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンなどのジエチルトルエンジアミン、また4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)があげられる。
【0082】
特に好ましくは、モノマー成分(A2)が、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)と4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、オリゴマー状のジアミノジフェニルメタンから選ばれる少なくとも一種の多官能性の芳香族アミンを含んでいる。
【0083】
オリゴマー状ジアミノジフェニルメタンは、一個以上のアニリンとホルムアルデヒドからのできる多環メチレン架橋縮合生成物を含んでいる。オリゴマー状MDAは、少なくとも一種のオリゴマーを含み、一般的には官能価が2より大きい、特に3または4または5である二種以上のMDAオリゴマーを含む。オリゴマー状MDAは既知であるか、既知の方法で製造可能である。オリゴマー状MDAは、通常モノマー状MDAとの混合物の形で使用される。
【0084】
オリゴマー状MDAを含む多官能性アミンの(平均)官能価は約2.2〜約5の範囲で変動し、特に2.3〜3.5、特に2.5〜3の範囲で変動する。このようないろいろな官能価をもつMDA系多官能性アミンの混合物は、特に粗製MDIの製造の際に、通常塩酸触媒によるアニリンとホルムアルデヒドの縮合の際に中間体として生成する粗MDAである。モノマー成分(A2)は、好ましくはオリゴマー状のジアミノジフェニルメタンを含み、その官能価は少なくとも2.5である。
【0085】
モノマー成分(A1)のNCO基のモノマー成分(A2)のアミノ基に対する使用比率(当量比)は、好ましくは0.9:1〜1.3:1である。特に好ましくは、モノマー成分(A1)のNCO基のモノマー成分(A2)の反応性基に対する当量比が、0.95:1〜1.2:1であり、特に1:1〜1.1:1である。
【0086】
ある好ましい実施様態においては、モノマー成分(A1)と(A2)は、それぞれ別々に溶媒(C)中に加えられ、最終的に工程(b)の初期に混合される。したがって、本発明の方法は以下の工程からなることが好ましい。
(a−1)モノマー成分(A1)と(A2)のそれぞれ別々な溶媒(C)への供給;
(a−2)工程(a−1)で添加されたモノマー成分の混合による溶媒(C)中にモノマー成分(A1)と(A2)を含むゲル前駆体(A)の供給;
(b)連続気孔マクロ孔性発泡体と溶媒(C)の存在下での該ゲル前駆体(A)の反応によるゲルの形成;および
(c)ゲル中に含まれる液体の臨界温度と臨界圧力を下回る温度と圧力でのゲル中に含まれる液体のガス状態への変換による前工程で得られたゲルの乾燥。
【0087】
モノマー成分(A1)と(A2)は、モノマーの形でゲル前駆体(A)中に存在するか、前もってイソシアネート基とアミノ基の部分的あるいは非当量反応によりプレポリマーに変換され、このプレポリマーが適当なら他のモノマー成分(A1)または(A2)と共にゲル前駆体(A)を形成する。したがって、このゲル前駆体(A)はゲル化可能である。即ち、架橋によりゲルに変換可能である。キセロゲル中にポリマーの形で存在するモノマー成分(A1)と(A2)の比率は、未反応モノマーの形で存在するゲル前駆体(A)中のモノマー成分(A1)と(A2の比率に相当する。
【0088】
「ゲル前駆体(A)」は、成分(A1)と(A2)からなるゲル化可能な混合物をいう。ゲル前駆体(A)は、次いで工程(b)において、溶媒(C)の存在下でゲルに、即ち架橋ポリマーに変換される。
【0089】
当業界の熟練者には、イソシアネート、特にジイソシアネートを水と反応させるとアミン、特にジアミンができることがよく知られている。したがって、成分(A2)として、多官能性イソシアネートと、相当する多官能性アミンに代えて当量の水とを用いて、所望量の多官能性アミンがその場であるいは前反応で形成するようにすることができる。過剰量の成分(A1)を用いて水を同時に添加する場合、成分(A1)は、その場で比例的に成分(A2)に変換され、これが残留する成分(A1)と直接反応して尿素結合を形成する。
【0090】
しかしながら、この多官能性アミンは、モノマー成分(A1)の存在下で溶媒(C)中で成分(A2)から生成させるのでなく、成分(A2)として別途添加することが好ましい。したがって、工程(a)で供給される混合物はまったく水を含んでいないことが好ましい。
【0091】
工程(b)
本発明によれば、工程(b)でゲル前駆体(A)を連続気孔マクロ孔性発泡体(B)と溶媒(C)の存在下で反応させて、ゲルを形成する。
【0092】
本発明の目的では、「マクロ孔性」とは、DIN66133の水銀圧入法により求めた平均気孔径が、1ミクロン(1000nm)より大きい、好ましくは10ミクロンを、特に好ましくは50ミクロンより大きいことを意味する。このようにして得られる数値は、体積平均気孔径である。
【0093】
DIN66133による水銀圧入測定は、多孔度の測定方法であり、通常ポロシメーターを用いて行われる。多孔性材料の試料中に水銀が圧入される。小さな気孔は大きな気孔より水銀充填に高圧力が必要であり、相当する圧力と体積のグラフから孔径分布を決めることができる。
【0094】
発泡体の場合、「連続気孔」は、発泡体の気孔のほとんどが閉鎖されているのでなく相互に連結していることを意味する。連続気孔発泡体の場合、相互に連結されずに閉鎖されている気孔の体積の比率(非連続気孔率または閉鎖率)は50体積%であることが好ましい。連続気孔発泡体中の気孔の非連続気孔体積率は、特に好ましくは30体積%未満であり、例えば20体積%未満、特に10体積%未満である。
【0095】
連続気孔発泡体の場合、平均気孔径は、好ましくは壁面及び/又は支柱で囲まれる気孔の平均径である。この平均気孔径は、体積平均としてDIN66133の水銀圧入法により求められるものであり、本発明に示される非塗装基材の気孔径はこの方法によるものである。化学組成によるが(以下参照)、好適な発泡体の、反応前にDIN−EN−ISO645により求めた密度は、通常5〜500g/dm3である、好ましくは10〜300g/dm3、特に好ましくは15〜200g/dm3をもつ。
【0096】
反応前の発泡体の、BET法(DIN66131のブラウナー・エメット・テラー法)によりガス吸着で求めた固有表面積は、一般的には、多くて30m2/gであり、例えば1〜20m2/gである。
【0097】
化学的には、発泡体(B)は少なくとも一種の有機ポリマーに由来するものである。なお、「由来する」とは、基材の少なくとも50重量%の比率、好ましくは少なくとも60重量%、特に好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%を意味する。
【0098】
原理的には発泡体(B)として発泡体を得るのに、加工可能な有機ポリマーのすべてを用いることができる。発泡体(B)は、アミノアルデヒド樹脂とフェノール−アルデヒド樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースから選ばれることが好ましい。
【0099】
この連続気孔マクロ孔性発泡体は、好ましくはアミノ樹脂に由来するもので、好ましくはメラミン−ホルムアルデヒドに由来するものである。このような発泡体は当業界の熟練者には既知であるか、既知の方法で生産できる。メラミン−ホルムアルデヒド由来の好適な発泡体は、例えば、BASF社のバソテクト(登録商標)製品である。
【0100】
この連続気孔発泡体の密度は、一般的には3〜100g/lの範囲であり、好ましくは5〜20g/lの範囲である。気孔数は、通常50〜300気孔/25mmの範囲である。引張強度は、好ましくは100〜150kPaの範囲であり、破断伸度は好ましくは8〜20%の範囲である。
【0101】
アミノ樹脂として好ましいメラミン−ホルムアルデヒド(MF)樹脂系の連続気孔発泡体を製造するには、EP−A071672またはEP−A037470に記載のように、高濃度の、発泡剤含有溶液またはメラミン−ホルムアルデヒド前縮合物の分散液を形成し、熱風、水蒸気またはマイクロ波照射で硬化させる。
【0102】
メラミンとホルムアルデヒドのモル比は、一般的には1:1.0より小さく、好ましくは1:1〜1:5の範囲、特に1:1.3〜1:1.8の範囲である。一定のメラミン:ホルムアルデヒド比率では、比較的高いサルファイト基含量率で、発泡体からより多くのホルムアルデヒドが放出されることがわかっている。したがって、用いる前縮合物は、ほとんどサルファイト基を含まないことが必要であり、サルファイト基含量は、1%未満、好ましくは0.1%未満、特に0%である必要がある。
【0103】
無処理ではこのメラミン発泡体は親水性であり、容易にばらばらとなる。DE−A102007−009127に記載のように、化学修飾または後処理で疎水化させることができ、及び/又は強化剤により寸法安定性を上げることができる。
【0104】
ポリウレアからなるキセロゲルとメラミンホルムアルデヒドからなる発泡体の組み合わせは、特に優れた気孔率と密度をもつキセロゲル複合材料を与える。
【0105】
可能な溶媒(C)は、原理的には有機化合物または複数の化合物の混合物であり、この溶媒(C)は、工程(a)で混合物が供給される温度・圧力条件(短縮して「溶解条件」)下では液体である。溶媒(C)の組成は、有機ゲル前駆体を溶解か分散させる、好ましくは溶解させるように選ばれる。好ましい溶媒(C)は、有機ゲル前駆体(A)を溶解するもの、即ち反応条件下で有機ゲル前駆体(A)を完全に溶解させるものである。
【0106】
工程(b)からの反応生成物はゲルであり、即ち溶媒(C)で膨潤した粘弾性のある化学骨格である。工程(b)で形成される骨格に対して良膨潤剤となる溶媒(C)は、一般的には微細な気孔と小さな平均気孔径をもつ骨格を与え、工程(b)からのゲルに対して貧膨潤剤である溶媒(C)は、一般的には平均気孔径の大きな粗大気孔の骨格を与える。
【0107】
したがって、溶媒(C)の選択は目的の孔径分布と目的の気孔率に影響を与える。さらに一般的には、溶媒(C)は、本発明の方法の工程(b)中あるいはその後で沈殿または沈殿反応生成物の凝集が大量に起こらないように選択される。
【0108】
好適な溶媒(C)を選ぶ際の、沈殿反応生成物の比率は、混合物の全重量に対して通常1重量%未満である。この特定の溶媒(C)中で生成する沈殿生成物の量は、ゲル化前に適当なフィルターで反応混合物を濾過して重量法で測定できる。
【0109】
可能な溶媒(C)は、先行技術に知られているイソシアネート系ポリマー用の溶媒である。好ましい溶媒は、両成分(A1)と(A2)を溶解させ、即ち成分(A1)と(A2)を反応条件下で実質的に完全に溶解させ、工程(a)で供給される溶媒(C)を含む全混合物中の有機ゲル前駆体(A)含量を好ましくは少なくとも5重量%とさせるものである。この溶媒(C)は、成分(A1)に対して不活性である(即ち、反応しない)ことが好ましい。
【0110】
可能な溶媒(C)は、例えば、ケトン、アルデヒド、脂肪酸アルキル、ホルムアミドやN−メチルピロリドンなどのアミド、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、脂肪族および脂環式ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族化合物、フッ素含有エーテルである。2種以上の上述の化合物の混合物も同様に可能である。
【0111】
他の可能な溶媒(C)は、アセタール、特にジエトキシメタンやジメトキシエタン、1,3−ジオキソランである。
【0112】
ジアルキルエーテルや環状エーテルも同様に好適な溶媒(C)である。好ましいジアルキルエーテルは、特に炭素原子数が2〜6のものであり、特にメチルエチルエーテルやジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、プロピルエチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピルイソプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、エチルn−ブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルt−ブチルエーテルである。好ましい環状エーテルは、特にテトラヒドロフランやジオキサン、テトラヒドロピランである。
【0113】
また、脂肪酸アルキル、特にギ酸メチルや酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチルが溶媒(C)として好適である。好ましいハロゲン系溶媒は、WO00/24799, page 4, line 12〜page 5, line 4 に記載されている。
【0114】
アルデヒド及び/又はケトンが、特に好ましい溶媒(C)である。溶媒(C)として好適なアルデヒドまたはケトンは、特に、一般式R2−(CO)−R1に対応するものである。式中、R1とR2はそれぞれ水素または炭素原子数が1、2、3または4であるアルキル基である。好適なアルデヒドまたはケトンは、特にアルジミン及び/又はケチミンの形成で述べたものである。上述のアルデヒドやケトンを混合物の形で用いることもできる。置換基当り多くて3個の炭素原子をもつアルキル基を有するケトンとアルデヒドが溶媒(C)として好ましい。特に好ましいのは、アセトンである。
【0115】
ジアルキルエーテル、環状エーテル、ケトンやエステルは、溶媒(C)として極めて好ましい。
【0116】
多くの場合、特に有用な溶媒(C)は、上記の溶媒から選ばれる2種以上の完全混合可能な化合物を、混合物の形で用いて得られる。
【0117】
ゲル前駆体(A)は、従来法により発泡体(B)と接触させることができる。発泡体(B)をゲル前駆体(A)で含浸させることが、特に発泡体(B)を溶媒(C)中の溶液として存在するゲル前駆体(A)中に浸漬させることが好ましい。発泡体(B)の処理可能な気孔がすべて濡れていることが重要である。工程(b)の反応で、本発明のキセロゲル複合材料またはその前駆体が与えられるが、そのキセロゲル複合材料またはその前駆体は、特に複合材料のキセロゲル部分は、溶媒(C)を保持している。
【0118】
したがって、キセロゲル複合材料は、ゲル部分とキセロゲルを支持安定化させるマトリックスを形成する発泡体(B)とをもっている。連続気孔構造のため、この複合材料は相互侵入骨格の形で得られる。以下、この複合材料のゲル部分を「ゲル」とよぶ。
【0119】
工程(b)で安定な機械的性質をもつゲルを得るには、本発明の方法の工程(a)で供給される全混合物中のゲル前駆体(A)の比率が、一般的には5重量%以下である必要がある。本発明の方法の工程(a)で供給される溶媒(C)を含む全混合物中のゲル前駆体(A)の比率は、好ましくは少なくとも6重量%であり、特に好ましくは少なくとも8重量%、特に少なくとも10重量%である。
【0120】
他方、供給される混合物中のゲル前駆体(A)の濃度は、高いと優れた特性のキセロゲルが得られないため、あまり高くできない。一般に、本発明の方法の工程(a)で供給される全混合物中のゲル前駆体(A)の比率は40重量%以下である。本発明の方法の工程(a)中で供給される溶媒(C)を含む全混合物中のゲル前駆体(A)の比率は、好ましくは35重量%以下であり、特に好ましくは25重量%以下、特に20重量%以下である。
【0121】
工程(a)で供給される混合物は、必要なら他の成分(B)として、少なくとも一種の触媒(b1)を含んでいてもよい。しかしながら、ゲル前駆体(A)の反応は、触媒の非存在下で行うことが好ましい。
【0122】
触媒(b1)を用いる場合、通常イソシアヌレートの形成を触媒する三量体化触媒が使われるが、もしヒドロキシ化合物をモノマー成分(A2)として使用する場合は、ポリウレタンの形成を触媒する触媒が使われる。この種の三量体化触媒として、当業界の熟練者に広く知られている触媒を、例えば以下に示す触媒を用いることができる。ポリウレタン触媒もまた当業界の熟練者には既知である。
【0123】
成分(b1)として三量体化触媒を使用する場合、第四級アンモニウム水酸化物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド、酢酸カリウムや2−エチルヘキサン酸カリウムなどのカルボン酸エステル、特定の第三級アミン、オクタン酸鉛などの非塩基性金属カルボン酸塩、トリアジン誘導体、特に対称的なトリアジン誘導体などの既知の触媒が適当である。トリアジン誘導体は、三量体化触媒として特に有用である。
【0124】
成分(A1)と(A2)は、ゲル前駆体(A)が30〜90重量%の成分(A1)と10〜70重量%の成分(A2)を含むような量で使用することが好ましい。ゲル前駆体(A)は、好ましくは40〜80重量%の成分(A1)と20〜60重量%の成分(A2)を含む。ゲル前駆体(A)は、特に好ましくは50〜70重量%の成分(A1)と30〜50重量%の成分(A2)を含む。
【0125】
工程(a)で供給される混合物は、他の成分として当業界の熟練者には既知の汎用の助剤を用いることができる。例えば、表面活性物質や難燃剤、核剤、酸化安定剤、潤滑剤や離型剤、染料と顔料、加水分解や光、熱または変色に対する安定剤、無機及び/又は有機充填材、強化材、殺菌剤があげられる。
【0126】
上述の助剤や添加物のより詳細な情報が、専門文献に、例えばPiastics Additive Handbook, 5th edition, H. Zweifelr ed, Hanser Publishers, Munich, 2001に記載されている。
【0127】
本発明の方法の工程(a)での組成物の供給は、従来の方法により行うことができる。この目的のために、良好な混合を得るために攪拌器または他の混合装置を使用することが好ましい。他の混合条件は一般的には特に重要でなく、例えば混合は、0〜100℃で、0.1〜10bar(絶対)で行われ、特に、例えば室温で大気圧で行われる。
【0128】
本発明の方法の工程(b)では、発泡体(B)の存在下でのゲル化反応により、有機ゲル前駆体(A)が、上述の比率のゲルを含むキセロゲル複合材料に変換される。このゲル化反応は重付加反応であり、特にイソシアネート基とアミノ基の重付加反応である。
【0129】
本発明の目的では、ゲルとは、液体と接触しているポリマー由来の架橋した系(ソルボゲルまたはリオゲル、または液体が水の場合、アクアゲルまたはヒドロゲルとよばれる)である。ポリマー相は連続的な三次元骨格を形成する。
【0130】
本発明の方法の工程(b)では、通常養生により、例えばこの混合物が入った容器、反応容器または反応器(以下、ゲル化装置とよぶ)を放置することで、このゲルが形成される。ゲル化(ゲル成形)中に、この混合物を攪拌しないこと、あるいは混合しないことが好ましい。この操作でゲル形成が妨げられることがあるためである。ゲル化中に混合物をカバーで覆うことやゲル化装置をカバーで覆うことが好ましいことがわかっている。
【0131】
ゲル化の所要時間は、用いる成分の種類や量でまた温度で変動し、数日に及ぶこともある。この所要時間は、通常1分〜10日間であり、好ましくは1日未満、特に5分〜12時間、特に好ましくは1時間未満、特に5分〜1時間である。
【0132】
ゲル化は、加熱することなく室温領域で、特に15〜25℃で実施可能であり、あるいは室温より高い温度で、20℃以上で、特に25℃〜80℃で実施可能である。ゲル化温度が高いと、通常ゲル化の所要時間が短くなる。しかしながら、高いゲル化温度は、機械的性質の劣るゲルを与えることがあるため、いずれの場合も高いゲル化温度は有利とはいえない。ゲル化は室温近くの温度で、特に15℃〜25℃で行うことが好ましい。
【0133】
ゲル化中の圧力は広い範囲で変化でき、一般的には特に重要でない。例えば0.1bar〜10barであり、好ましくは0.5bar〜8bar、特に0.9〜5bar(いずれの場合も絶対圧力)である。特に水系の混合物は、室温・大気圧でゲル化可能である。
【0134】
好ましい実施様態においては、工程(b)のゲル化で得られるゲルが養生にかけられ、この間で、工程(c)の実施前にゲル形成が終了する。養生は、特にゲルをある程度の時間、ゲル化進行中より高い温度にさせることで行われる。このために、例えば加熱浴やオーブンを使用したり、ゲルの入った装置や環境を適当な方法で加熱することができる。
【0135】
養生中の温度は広い範囲で変更可能であり、特に重要なわけでもない。一般に、養生は30℃〜150℃の温度で、好ましくは40℃〜100℃の温度で行われる。養生温度は、ゲル化温度より10℃〜100℃、特に20℃〜80℃高い必要がある。ゲル化を室温で行うと、養生は特に40℃〜80℃の温度で、好ましくは約60℃で行われる。養生中の圧力は重要でなく、通常0.9〜5bar(絶対)である。
【0136】
養生の所要時間は、ゲルの種類に依存し、数分間の場合もあれば長時間の場合もある。養生の所要時間が、例えば最大30日間のこともある。養生の所要時間は、通常10分〜12時間であり、好ましくは20分〜6時間、特に好ましくは30分〜5時間である。
【0137】
工程(c)
本発明によれば、前工程で得られたキセロゲル複合材料は、工程(c)でゲル中に含まれる液体をゲル中に含まれる液体の臨界温度と臨界圧力を下回る温度と圧力でガス状態に変換して乾燥させられる。
【0138】
得られるゲルの乾燥は、好ましくは溶媒(C)の臨界温度と臨界圧力を下回る温度と圧力で溶媒(C)をガス状態に変換して行われる。したがって、乾燥は、好ましくは他の溶媒で置換することなく、反応中に存在する溶媒(C)を除去して行われる。したがって、キセロゲル複合材料は、工程(b)の後に、ゲル中の、特にゲルの気孔中に含まれる溶媒(C)をで置換するために、有機液体に接触させないことが好ましい。これは、ゲルが養生されたか否かに関係なく当てはまる。溶媒交換をなくすことで、プロセスの実施が特に簡単で低コストとなる。それでも溶媒交換を行う場合は、溶媒(C)を非極性溶剤で、特にペンタンなどの炭化水素で置換することが好ましい。
【0139】
キセロゲル複合材料に含まれる液体を、好ましくは溶媒(C)を、ガス状態に変換して乾燥を行う可能な方法は、原理的には蒸発と気化の両方であり、昇華ではない。蒸発または気化による乾燥には、特に大気圧乾燥や、減圧乾燥、室温乾燥、高温乾燥があるが、凍結乾燥は含まれない。本発明によれば、乾燥は、キセロゲル複合材料中に含まれる液体の臨界圧力未満で臨界温度未満の圧力と温度で行われる。溶媒を含有するキセロゲル複合材料は、このようにして本発明の方法の工程(c)で乾燥され、プロセス生成物として最終キセロゲル複合材料を与える。
【0140】
キセロゲル複合材料を乾燥させるため、通常、ゲル化装置を開放して、液相をガス状態に変換されるまで、即ち液相が蒸発または気化してなくなるまで、ゲルを上記の圧力と温度条件に維持する。蒸発を早めるために、容器からキセロゲル複合材料を取り出すことが多くの場合有利となる。このようにすると、蒸着及び/又は気化が起こるゲルと周囲空気間の相境界領域が大きくなる。例えばキセロゲル複合材料を、乾燥用の平らな基材かふるいの上に載せることができる。可能な乾燥プロセスは、また当業界の熟練者の馴染みのある乾燥プロセスであり、例えば対流乾燥、マイクロ波乾燥、真空乾燥オーブンまたは
これらのプロセスの組み合わせがあげられる。
【0141】
このキセロゲル複合材料は、大気下で乾燥可能であるが、酸素に敏感であるなら、適当なら、環境の圧力、温度または溶媒含量がコントロール可能な乾燥オーブンや他の適当な装置を用いて、窒素または希ガスなどの他のガス下で乾燥することもできる。
【0142】
乾燥時に選択すべき温度や圧力条件は、特にゲル部に存在する液体の種類に依存する。本発明によれば、乾燥は、キセロゲル複合材料中に存在する液体、好ましくは溶媒(C)の臨界圧力Pcritより低い圧力で、また臨界温度Tcritより低い温度で実施される。したがって、乾燥は未臨界条件で行われる。なお、「臨界」とは次の意味をもつ。臨界圧力と臨界温度では、液相の密度が気相の密度と等しく(臨界密度という)、Tcritを超える温度では、非常に高い圧力を加えても液相はもはや液化しない。
【0143】
アセトンを溶媒として用いると、乾燥は、0℃〜150℃の温度で、好ましくは10℃〜100℃、特に好ましくは15℃〜80’Cの温度で、また高真空、例えば10−3mbar〜5barの圧力で、好ましくは1mbar〜3bar、特に10mbar〜約1bar(絶対)の圧力で行われる。例えば、乾燥を大気圧で0℃〜80℃で、特に室温で行うことができる。このキセロゲル複合材料は、特に好ましくは工程(c)において0.5〜2bar(絶対)の圧力で0〜100℃の温度で行われる。
【0144】
キセロゲル複合材料中に存在する他の液体、特にアセトン以外の溶媒(C)には、乾燥条件(圧力、温度、時間)の変更が必要であり、この条件は簡単な試験により当業界の熟練者により決められる。
【0145】
真空下で乾燥を加速できるし、乾燥を完全にすることができる。乾燥をさらに改善するために、この真空乾燥を、従来の圧力での乾燥より高温で行うことができる。例えば、溶媒(C)の大部分をまず室温で大気圧で30分間〜3時間除去し、次いでキセロゲル複合材料を40〜80℃で、1〜100mbar、特に5〜30mbarの減圧下で、10分間〜6時間乾燥することができる。もちろん、より長い乾燥時間、例えば1〜5日間も可能である。しかしながら、多くの場合12時間未満の乾燥時間が好ましい。
【0146】
このような段階的な乾燥でなく、乾燥時に圧力を連続的に、例えば直線的にまたは指数関数的に下げることもできるし、温度を圧力プログラムまたは温度プログラムに合わせてあげることもできる。もちろん、空気中の湿度が低下すと、キセロゲル複合材料は早く乾燥する。水以外の液相や空気以外のガスにも、これがあてはまる。
【0147】
好ましい乾燥条件は、溶媒だけでなく、キセロゲル複合材料の性質、特に乾燥時に働く毛管力に対する骨格の安定性にもよる。
【0148】
工程(c)での乾燥時に、液相は一般的に、完全に除去されるか、残留量が得られるキセロゲル複合材料に対して0.01〜1重量%となるまで除かれる。
【0149】
キセロゲルまたはその性質またはその組成という場合、これは本発明のキセロゲル複合材料中のキセロゲルを含む要素をさすものである。
【0150】
本発明の方法により得られるキセロゲル複合材料の体積平均気孔径は、好ましくは30ミクロン以下であり、特に20ミクロン以下、特に好ましくは10ミクロン以下である。
【0151】
製造工程の理由で低熱伝導率の視点から、また十分に機械的に安定な材料を得るために高気孔率で非常に低い孔径が望ましいが、体積平均気孔径には現実的な下限がある。一般に、この体積平均気孔径は少なくとも200nmであり、好ましくは少なくとも400nmである。多くの場合、体積平均気孔径は少なくとも500nmであり、特に少なくとも1ミクロンである。
【0152】
本発明のキセロゲル複合材料の気孔率は、好ましくは少なくとも70体積%であり、特に70〜99体積%、特に好ましくは少なくとも80体積%、極めて好ましくは少なくとも85体積%、特に85〜95体積%である。この体積%で表される気孔率は、気孔を含むキセロゲル組成物の全量に対する比率である。熱伝導性を最小にするためには、非常に大きな気孔率が通常望ましいが、キセロゲルの機械的性質と加工性とから気孔率に上限が課せられる。
【0153】
本発明によれば、モノマー成分(A1)と(A2)(以下成分(A1)と(A2)と称す)は、キセロゲル中で重合した形で存在する。本発明の組成では、成分(A1)と(A2)は、キセロゲル中でほとんど尿素結合により結合している。他の可能性のあるキセロゲル中での結合様式は、成分(A1)のイソシアネート基の三量体化により形成するイソシアヌレート結合である。もしキセロゲルが他のモノマー成分を含む場合、他の可能性のある結合は、例えばイソシアネート基とアルコールまたはフェノールの反応で形成されるウレタン基である。
【0154】
成分(A1)と(A2)は、キセロゲル中で少なくとも50モル%の比率で、尿素基−NH−CO−NH−により結合していることが好ましい。成分(A1)と(A2)は、キセロゲル中で、50〜100モル%の比率で、特に60〜100モル%、極めて好ましくは70〜100モル%、特に80〜100モル%、例えば90〜100モル%の量で、尿素基により結合していることが好ましい。
【0155】
100モル%の内の残りは、他の結合、特にイソシアヌレート結合で存在する。しかしながら他の結合が、当業界の熟練者には既知のイソシアネートポリマーの他の結合の形であってもよい。その例としては、エステル基、尿素基、ビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び/又はウレタン基があげられる。
【0156】
キセロゲル中のモノマー成分の結合のモル%の決定は、固体または膨潤状態でのNMRスペクトロスコピー(核スピン共鳴)により行われる。好適な決定方法は当業界の熟練者には公知である。
【0157】
このキセロゲルは、好ましくは40〜80重量%のモノマー成分(A1)と20〜70重量%のモノマー成分(A2)を含んでいる。このキセロゲルは、特に好ましくは50〜70重量%のモノマー成分(A1)と30〜50重量%のモノマー成分(A2)を含む。
【0158】
本発明の方法で得られる有機キセロゲル複合材料の密度は、通常20〜600g/lであり、好ましくは50〜500g/l、特に好ましくは70〜400g/lである。
【0159】
本発明のキセロゲル複合材料と本発明の方法で得られるキセロゲル複合材料は、低熱伝導率と高気孔率と低密度をもつ。本発明によれば、これらのキセロゲル複合材料が小さな平均孔径をもつ。上記性質の組み合わせにより、断熱分野での絶縁材料としての利用、特に真空板の厚みが非常に小さいことが好ましい真空分野用途、例えば冷蔵装置や建物中での利用が可能となる。したがって、真空絶縁パネル中での利用、特に真空絶縁パネルの芯材としての利用が好ましい。また、本発明のキセロゲルの絶縁材料としての利用が好ましい。
【0160】
また、本発明のキセロゲル複合材料の低い熱伝導性のため、1〜100mbarの、特に10mbar〜100mbarの圧力での利用が可能となる。本発明のキセロゲル複合材料のこのような性質のため、特に、真空パネルの長寿命が望ましい用途、またこれらのパネルが、何年もの間の約2mbar/年の圧力増の後でも、例えば100mbarの圧力で低熱伝導率を保持するような用途が開けてくる。本発明のキセロゲル複合材料と本発明の方法で得られるキセロゲル複合材料は、ともに良好な熱的性質と良好な材料性能を、例えば易加工性と高機械的安定性、例えば低脆性などの材料性能を有している。
【実施例】
【0161】
試料の気孔体積(ml/g)と材料の平均孔径の測定は、DIN66133(1993)に準じて室温で水銀多孔度測定により行った。本発明の目的においては、平均孔径は、平均気孔径と同じである。体積平均気孔径は、上記基準に応じて求めた孔径分布より計算した。
【0162】
気孔率(体積%)は、次式で計算した。
P=(Vi/(Vi+Vs))×100体積%
式中、Pは気孔率、ViはDIN66133によるHg侵入体積(ml/g)、Vsは、試料の比容積(ml/g)である。
【0163】
多孔性材料の密度ρ(g/ml)は、次式で計算した。
ρ=1/(Vi+Vs
メラミンとホルムアルデヒド由来の多孔体の比容積として1/Vs=1.68g/mlの値を用い、イソシアネート由来の多孔体の比容積として1/Vs=1.38g/ml値を用いた。両方の値は、Heピクノメトリーで測定した。
【0164】
熱伝導率λは、ダイナミックホットワイヤ法で求めた。ホットワイヤ法では、試験試料に、同時に加熱エレメントと温度センサーとしての働きをする薄いワイヤを挿入する。直径が100ミクロンで長さが40mmの白金ワイヤをワイヤ材料として用い、各試験片を二分割しこれをその中に挿入した。試料とホットワイヤとからなる測定試料を、ガス状窒素の導入後に所望の圧力に設定された真空受器中に設けた。
【0165】
実験中はこのワイヤを一定電力で加熱した。温度は25℃であった。抵抗を測定して、ホットワイヤ部分での経時温度上昇を求めた。熱伝導率は、H.−P. Ebert et al., High Temp.−High. Press, 1993, 25, 391−401に記載のように、試料とワイヤ間の熱接触抵抗と軸方向の熱損失を考慮した上で分析結果を温度−時間曲線に当てはめて求めた。ガス圧の測定は、異なる測定範囲(0.1〜1000mbarと0.001〜10mbar)をもつ2個の容量性圧力センサーを用いて行った。
【0166】
実施例1
0.72gのルプラネート(R)M200R(ASTM−D−5155−96Aにより求めたNCO含量が30.9g/100gで、官能価が約3で、DIN53018による粘度が25℃で2100mPa・sであるオリゴマー状MDI)を、ガラスビーカー中で20℃で攪拌しながら5.65gのアセトンに溶解した。第二のガラスビーカー中で、0.52gの4,4’−ジアミノジフェニルメタンを5.70gのアセトンに溶解した。工程(a)からのこれら二つの溶液を混合した。この結果、透明な低粘度の混合物を得た。この中に、0.12gのメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体を浸漬した。BASF社の発泡体バソテクトを用いた。この発泡体は円柱状であり、この混合物中に完全に浸漬した。混合物と浸漬した発泡体とを、室温で24時間放置して硬化させた。(c)で得られたゲルをガラスビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃で7日間乾燥させて除いた。
【0167】
得られた材料の気孔体積は7.9ml/gであり、平均気孔径は9.1μmであった。気孔率は91体積%で、密度は115g/lであった。
【0168】
得られた材料の熱伝導率λは26.6℃で33.2mW/m・Kであった。
【0169】
実施例1C
0.72gのルプラネート(R)M200R(ASTM−D−5155−96Aにより求めたNCO含量が30.9g/100gで、官能価が約3で、DIN53018による粘度が25℃で2100mPa・sであるオリゴマー状MDI)を、ガラスビーカー中で20℃で攪拌しながら5.65gのアセトンに溶解した。第二のガラスビーカー中で、0.52gの4,4’−ジアミノジフェニルメタンを5.70gのアセトンに溶解した。工程(a)からのこれら二つの溶液を混合した。この結果、透明な低粘度の混合物を得た。(b)からのこの混合物を室温で24時間硬化させた。(c)で得られたゲルを、次いでガラスビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃で7日間乾燥させて除いた。
【0170】
得られた材料の気孔体積は4.2ml/gであり、平均気孔径は2.2μmであった。気孔率は86体積%で、密度は199g/lであった。
【0171】
得られた材料の熱伝導率λは26.6℃で36.2mW/m・Kであった。
【0172】
実施例2
0.76gのルプラネート(R)M200R(ASTM−D−5155−96Aにより求めたNCO含量が30.9g/100gで、官能価が約3で、DIN53018による粘度が25℃で2100mPa・sであるオリゴマー状MDI)を、ガラスビーカー中で20℃で攪拌しながら5.4gのアセトンに溶解した。第二のガラスビーカー中で、0.75gの4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)を5.5gのアセトンに溶解した。工程(a)からのこれら二つの溶液を混合した。この結果、透明な低粘度の混合物を得た。この中に、0.12gのメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体を浸漬した。BASF社の発泡体バソテクトを用いた。この発泡体は円柱状であり、この混合物中に完全に浸漬した。混合物と浸漬した発泡体とを、室温で24時間放置して硬化させた。(c)で得られたゲルをガラスビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃で7日間乾燥させて除いた。
【0173】
得られた材料の気孔率は91体積%で、密度は110g/lであった。
【0174】
得られた材料の熱伝導率λは26.6℃で32mW/m・Kであった。
【0175】
実施2C
0.76gのルプラネート(R)M200R(ASTM−D−5155−96Aにより求めたNCO含量が30.9g/100gで、官能価が約3で、DIN53018による粘度が25℃で2100mPa・sであるオリゴマー状MDI)を、ガラスビーカー中で20℃で攪拌しながら5.4gのアセトンに溶解した。第二のガラスビーカー中で、0.75gの4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)wp5.5gのアセトンに溶解した。工程(a)からのこれら二つの溶液を混合した。この結果、透明な低粘度の混合物を得た。(b)からのこの混合物を室温で24時間硬化させた。この結果、ゲル形成は無く沈殿物を与えた。液体(アセトン)を20℃で7日間乾燥させて除いた。
【0176】
熱伝導率は測定できなかった。
【0177】
実施例3
1.13gのルプラネート(R)M200R(ASTM−D−5155−96Aにより求めたNCO含量が30.9g/100gで、官能価が約3で、DIN53018による粘度が25℃で2100mPa・sであるオリゴマー状MDI)を、ガラスビーカー中で20℃で攪拌しながら5.1gのアセトンに溶解した。第二のガラスビーカー中で、1.11gの4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)を5.1gのアセトンに溶解した。工程(a)からのこれら二つの溶液を混合した。この結果、透明な低粘度の混合物を得た。この中に、0.12gのメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体を浸漬した。BASF社の発泡体バソテクトを用いた。この発泡体は円柱状であり、この混合物中に完全に浸漬した。混合物と浸漬した発泡体とを、室温で24時間放置して硬化させた。(c)で得られたゲルをガラスビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃で7日間乾燥させて除いた。
【0178】
得られた材料の気孔率は89体積%で、密度は140g/lであった。
【0179】
得られた材料の熱伝導率λは26.6℃で34.9mW/m・Kであった。
【0180】
実施例3C
1.13gのルプラネート(R)M200R(ASTM−D−5155−96Aにより求めたNCO含量が30.9g/100gで、官能価が約3で、DIN53018による粘度が25℃で2100mPa・sであるオリゴマー状MDI)を、ガラスビーカー中で20℃で攪拌しながら5.1gのアセトンに溶解した。第二のガラスビーカー中で、1.11gの4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)を5.1gのアセトンに溶解した。工程(a)からのこれら二つの溶液を混合した。この結果、透明な低粘度の混合物を得た。(b)からのこの混合物を室温で24時間硬化させた。(c)で得られたゲルをガラスビーカーから取り出し、液体(アセトン)を20℃で7日間乾燥させて除いた。
【0181】
得られた材料の気孔率は85体積%で、密度は200g/lであった。
【0182】
得られた材料の熱伝導率λは26.6℃で40.4mW/m・Kであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも一種の多官能性イソシアネートからなるモノマー成分(A1)と多官能性アミンと多官能性ヒドロキシ化合物とから選ばれる少なくとも一種からなるモノマー成分(A2)とを含む有機ゲル前駆体(A)を含む組成物を提供する工程と、
(b)連続気孔マクロ孔性発泡体(B)と溶媒(C)の存在下で該有機ゲル前駆体(A)を反応させキセロゲル複合材料とする工程と、
(c)溶媒(C)を溶媒(C)の臨界温度と臨界圧力より低い温度と圧力でガス状態に変換させてキセロゲル複合材料を乾燥させる工程とからなる
ことを特徴とするキセロゲルキセロゲル複合材料の製造方法。
【請求項2】
モノマー成分(A2)が少なくとも一種の多官能性の芳香族アミンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
モノマー成分(A2)が、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)と4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、及びオリゴマー状のジアミノジフェニルメタンから選ばれる少なくとも一種の多官能性の芳香族アミンを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
モノマー成分(A1)が、ジフェニルメタン2,2’−ジイソシアネートとジフェニルメタン2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、オリゴマー状ジフェニルメタンジイソシアネート、及び上記化合物の混合物から選ばれる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
モノマー成分(A1)が、官能価が少なくとも2.5であるオリゴマー状のジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
成分(A1)と(A2)が、それぞれ少なくとも2の官能価を有し、成分(A1)の官能価と成分(A2)の官能価の和が少なくとも4.5である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
連続気孔マクロ孔性発泡体(B)の体積平均孔径が20〜1000ミクロンである請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
連続気孔マクロ孔性発泡体(B)が、反応性の重縮合型樹脂由来のものである請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
連続気孔マクロ孔性発泡体(B)がメラミン−ホルムアルデヒド発泡体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により得られるキセロゲル複合材料。
【請求項11】
請求項10に記載のキセロゲル複合材料の絶縁材料としての利用。
【請求項12】
請求項10に記載のキセロゲル複合材料の断熱への利用。
【請求項13】
請求項10に記載のキセロゲル複合材料の真空絶縁パネルへの利用。
【請求項14】
請求項10に記載のキセロゲル複合材料の冷蔵装置または建物中での利用。

【公表番号】特表2012−520386(P2012−520386A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500199(P2012−500199)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053193
【国際公開番号】WO2010/105985
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】