説明

キッチンの排気構造

【課題】 キッチンの室内意匠を損なうことのない排気ダクトの配設形態を可能とし、かつ、十分な捕集力を有するとともに適切な排気風量を得られ、さらに、建物の長期的な運用にも対応可能とする。
【解決手段】 キッチン1の天井11に接続して設けられる排気装置2に排気ファン7が備えられ、複数本の排気ダクト3が梁貫通により配設される。各排気ダクト3は断熱被覆を含めた外径が梁せいに納まる大きさで構成される小口径のダクトとされる。また、各排気ダクトに対応させて複数台の排気ファン7が排気装置2に備えられ、梁4には小口径の梁スリーブ6が配設されている。そして、梁スリーブ6を介して複数本の排気ダクト3が、梁4の貫通孔に貫通して天井懐12に配管される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等のキッチンから屋外への排気を行う排気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、換気設備等においては、ダクトを用いて空気が所定の場所まで導かれている。また、建物の天井裏スペースにダクトを配設して、ダクトにより建物の外部と居室とが接続されて換気できるように構成される例も多い。外壁に接している居室であれば、ダクト径が大きくても、そのまま外部へ接続できるので問題ないが、外壁に面していない居室であると、外壁面までダクトを配管しなければならい。しかし、天井懐が梁によって分断されているが、その梁を跨ぐようにしてダクトを設置することは困難なため、梁に貫通孔を設け、その貫通孔にダクトを貫通させて配管されることがある。
【0003】
すなわち、上記のような梁貫通させるダクトは、従来、あらかじめ鉄骨梁に大きめのダクト貫通孔を設け、これにダクトを挿通して配管されている。例えば、スラブを支持する鉄骨梁に、開口径Dの貫通孔を設け、口径dのダクトを通す場合を考える。鉄骨梁には必要に応じて耐火被覆が施され、ダクトには断熱材が被覆される。通常、鉄骨梁の耐火被覆はほぼ30〜60mmの厚さが必要であり、またダクトの断熱材は20〜25mmほどの厚さのものが外周面に巻き付けられている必要がある。したがって、従来の場合、鉄骨梁の貫通孔の大きさ(開口径D)は少なくとも、ダクト口径dに断熱材および耐火被覆の厚みを加えて計画されていなければならなかった。
【0004】
したがって、従来は、鉄骨梁にダクトを貫通させる際、貫通孔は、ダクトの口径dよりも、ダクトの断熱材厚の2倍寸法と、必要に応じて耐火被覆厚の2倍寸法分だけ大きい開口径Dをもって設けられていなければならず、かつ鉄骨梁の強度を損なわず、梁せいに納まるように設けるとすれば、必然的にダクトの口径dを小さくするか、梁せいを大きくすることになっていた。また、これらの対応ができない場合には、下がり天井として、ダクトを配設用に天井面を下げて形成するしかなかった。
【0005】
例えば、特許文献1には、隣接する居室の境界付近の天井が下がり天井部となっており、この下がり天井部にセントラル空調設備用の通風ダクトが通された構造について記載されている。下がり天井部は、天井面よりも低い高さに形成され、天井面材と平行なダクト用天井面材とを組み合わせて、緩やかな傾斜天井面材を架け渡して形成されている。
【特許文献1】特開平11−230608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように室内に下がり天井部を設けると、天井高にある程度余裕のある場合はよいが、住宅などの居室ではそれほど天井高がなく、下がり天井部によって室内に圧迫感を与え、室内意匠を損なうおそれがある。また、下がり天井を設ける位置によっては、家具や開口部等の配置に制約を生じるという問題点もある。
【0007】
そこで、住宅などでは、ダクトを天井懐に納めて配管し、梁貫通により外部へ導くことが最も好ましい。通常、キッチンに設けられるレンジフードには、送風機とともに、1本のダクトが接続され、外部まで配管されている。レンジフードに設けられる通常のダクトは、口径が150mmで形成されており、梁せいが200〜250mmとなる住宅等の建物では、梁貫通させることが困難であった。このような事情にあって、キッチンに設けられるレンジフード等の排気装置においては、十分な捕集力を有するものが求められており、ダクト径が小さくて済む小風量の送風機では対応できなくなっている。
【0008】
また、近年では、ストック社会へ移行する中で、ストックを想定した新築住宅や既存建物を改修または再生して、建物を長期にわたって運用していくことが期待されている。建物を長期にわたって有効に使い続けるためには、強度的な耐久性を確保するだけでなく、その時々の建物の使用者や社会の要求に応じて建物の形態を変化させられることが必要となる。
【0009】
例えば、住宅で言えば、家族構成が変化するのにともなって、必要な居室やその数が変わっていくため、将来、プラン変更やリフォーム等が行われることを想定した上で、それに対応できるように当初から計画されていることが望ましい。これにより、コストおよび資源の観点から損失を招くことなく、対応して建物を利活用することが可能となる。
【0010】
このような観点から、キッチンにおいても、新築時とは異なる場所にキッチンを設けたりキッチン内でのレイアウト変更をしたりすることが想定され、また、外壁に面さない場所にキッチンを移したり、レンジフードを新設・更新したりする必要性も生じる。そうすると、従来の下がり天井の構造では、天井を解体してダクト配管のやり直しを行ったり、ダクトを新たに配設するための躯体工事も発生したりすることになる。また、外壁に面していない場所にキッチンを設けるには、新たに下がり天井を設けて天井材の設置高さを変更して対応しなければならなくなる。
【0011】
このため、上記のような従来のレンジフードおよびダクト配管における課題に加えて、長期的な建物の運用に対応させるには、キッチンの排気構造を新たなものに構築し直すことが求められていた。
【0012】
本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、住宅等のキッチンにおいて、室内意匠を損なうことのない排気ダクトの配設形態を可能とし、かつ、十分な捕集力を有するとともに適切な排気風量を得られ、さらに、建物の長期的な運用にも対応することのできるキッチンの排気構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するため、本発明は、キッチンの天井に接続して設けられる排気装置に排気ファンが備えられるとともに、排気装置に接続された排気ダクトが天井懐に梁貫通により配設されて外部吹出口に連通されているキッチンの排気構造であって、前記排気ダクトは断熱被覆がなされ、この断熱被覆を含めた外径が梁せいに納まる大きさで構成される小口径のダクトであり、前記排気装置と外部吹出口とは並設された複数本の排気ダクトにより接続されており、これらの各排気ダクトに対応させて複数台の排気ファンが排気装置に備えられ、前記梁には小口径の排気ダクトに対応させた小口径の梁スリーブが配設されて、当該梁スリーブを介して前記排気ダクトが梁の貫通孔に貫通して天井懐に配管されていることを特徴としている。
【0014】
このような発明により、従来は梁貫通が困難であったり、室内に露出して配管されたりしていた排気ダクトを、天井懐に納めて配設することができ、室内意匠に影響せずすっきりとした納まりのキッチンを形成することができる。また、複数本設けられた排気ダクトに対応させて排気ファンを複数台設けているので、梁貫通を可能とするとともに、必要な排気風量を確保することも可能となっている。さらに、このように排気ダクトを天井懐に納めているので、キッチンの形態が、いわゆるI型、L型、あるいはアイランド型等のどのような形態にも対応することができ、将来のプラン変更に際しても同様に対応することができる。
【0015】
具体的には、前記排気ダクトは口径が約100mmで形成され、排気装置には2本の排気ダクトが接続されるとともに、2台の排気ファンが備えられていることが好ましい。また、前記排気ダクトは口径が約125mmで形成され、排気装置に2本の排気ダクトが接続されるとともに、2台の排気ファンが備えられた構成であってもよい。
【0016】
このような構成であることにより、天井懐の梁が、約200〜250mmのせいを有するものであっても、排気ダクトを貫通させて配設することが可能となる。したがって、キッチンが外壁に面する場所に設けられてなくとも、天井懐を通して排気ダクトを外部吹出口まで連通させることができ、どのようなプランタイプにも対応させることができる。
【0017】
また、本発明は前記構成のキッチンの排気構造において、前記排気ファンは、それぞれが個別に運転可能に制御され、必要な排気風量により運転形態を選択可能とされていることを特徴としている。
【0018】
これにより、複数台の排気ファンを所望の排気風量に応じて適宜運転させることができ、利便性が向上するとともに、効率的な動作状態にすることができ、快適な居住環境と省エネルギーを実現することが可能となる。
【0019】
また、本発明では前記構成のキッチンの排気構造において、前記排気装置には、各排気ダクトに誘導する排気流路が排気ファンごとに形成されてもよい。これにより、排気装置内における気流バランスを制御し、効率のよい運転が可能になるとともに、多様な排気形態をとることができる。
【0020】
さらに、本発明では前記構成のキッチンの排気構造において、前記梁に、あらかじめ梁スリーブを貫通させて配設されていることにより、排気ダクトを貫通させる予備の貫通孔が設けられている構成であってもよい。
【0021】
これにより、将来のリフォーム等においてキッチンの配置形態が変わったり、場所が移動したりしても、梁に貫通孔を設ける作業をすることなく、排気ダクトを配設し直すことができ、長期的な建物の運用にも容易に対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
上述のように構成される本発明のキッチンの排気構造によれば、キッチンの室内意匠を損なうことのない排気ダクトの配設形態が可能となり、かつ、十分な捕集力と適切な排気風量を確保することができ、さらに、建物の長期的な運用にも容易に対応することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係るキッチンの排気構造を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1は本発明のキッチンの排気構造の一例を示す斜視図であり、図2〜6は本発明のキッチンの排気構造を模式的に示す説明図である。
【0025】
本発明に係るキッチンの排気構造は、図1に示すように、キッチン1の天井11に排気装置2が設けられ、この排気装置2に排気ダクト3が接続されている。また、排気ダクト3は天井懐12において、梁貫通により配設された構成となっている。
【0026】
排気装置2は、例えば箱状のフード体に、吸込口や排気ファンなどが備えられたレンジフード等に相当し、キッチン1において調理時に発生する湯気、油煙等を屋外に排気する。
【0027】
排気装置2から延びる排気ダクト3は、円形断面を有して形成されており、外周面に断熱被覆31がなされている。例示の形態では、排気ダクト3は、この断熱被覆31を含めた外径が鉄骨梁4の梁せいに納まる大きさで構成される、小口径のダクトが用いられている。
【0028】
かかる排気装置2と外部吹出口5とは、並走して配設される複数本の排気ダクト3,3によって接続されている。図示するように、例示の形態では、排気装置2に2本の排気ダクト3,3が接続されて、外部吹出口5の方向へ延設されている。
【0029】
ここで、排気ダクト3,3は小口径で構成され、キッチン1の天井懐12に配設されている鉄骨梁4に貫通させて配管される。キッチン1は、図2に示すように、外壁8に面した場所に配置された居室形態であっても、また、図3に示すように、外壁8に面さない建物の内部に配置された居室形態であっても適用することができる。
【0030】
図1に示したように、キッチン1の上部の天井懐12の鉄骨梁4には、ウェブ41に貫通孔42,42が設けられて、小口径の排気ダクト3,3に対応させた小口径の梁スリーブ6,6がそれぞれ取り付けられている。梁スリーブ6は、円筒状に形成されて内側に排気ダクト3を挿通できるように形成されている。
【0031】
このように鉄骨梁4に設けられた梁スリーブ6,6を介して、排気ダクト3,3が梁貫通により天井懐12に配管されている。これにより、排気ダクト3,3をキッチン1の天井11部分に露出させたり、下がり天井を形成したりすることなく、外部吹出口5まで配管することができるようになっている。
【0032】
排気装置2には、複数本の排気ダクト3に対応させた数の排気ファン7が備えられている。すなわち、例示の形態では、2本の排気ダクト3,3に対応して2台の排気ファン7,7が設けられている。これらの排気ファン7,7は、キッチン1の空気を吸引して排気ダクト3に吐出する。排気装置2は、2台の排気ダクト3を備えることにより、必要な排気風量を満たすように構成されている。
【0033】
また、これらの排気ファン7,7は、排気ダクト3,3と対をなして、排気装置2に接続されている。このため、各排気ダクト3に誘導される排気流路は、設けられた2台の排気ファン7ごとに形成されていてもよい。すなわち、図4に示すように、排気装置2の内部が区画部材21により2つに区画された構造となっている。これにより、排気装置2には、吸込口から排気ダクト3に到るまでの排気流路が2通り形成されて、各排気流路に排気ファン7が一つずつ設けられている。
【0034】
このように個別の排気流路に設けられた各排気ファン7は、それぞれが単独あるいは同時に運転可能に制御されており、必要な排気風量により運転形態を選択可能とされていることが好ましい。また、排気ファン7,7がどちらも同一の捕集能力を有するものとするだけでなく、異なる能力の排気ファンを選択するようにしてもよい。
【0035】
例えば、キッチン1の加熱調理器を少量の熱量で使用しているときには、設けられた両方の排気ファン7,7を駆動させなくとも、一方の排気ファン7のみの運転で排気するように操作し、排気ファン7,7の運転形態を適宜選択して制御することができる。具体的には、排気ファン7が備えるモータの回転数をコントロールしたり、その風量や風速を変化させたりすることにより、排気ファン7,7の運転形態を2台による強運転、1台または2台による中運転、1台のみによる弱運転に切り換えることができるものである。
【0036】
したがって、排気ファン7,7は、2台の同時運転により必要排気風量を確保することができているので、それぞれの排気ファン7を小型化することも可能となり、これにより排気装置2の形状や設計における自由度を増すものとなる。
【0037】
また、本発明のキッチンの排気構造は、図5や図6に示すような形態であってもよい。すなわち、図5に示す形態では、天井懐12において、2本の並設された排気ダクト3,3の中間部分に排気ファン7,7が設けられている。これにより、排気装置2は、キッチン1の上部にフード体や吸込口が設けられるだけで、排気ファン7,7が天井懐12に納められているので、レンジフードの形状等を従来よりも自由に設計したり変更したりすることができる。
【0038】
また、図6に示す形態では、排気ダクト3,3の下流側端部において、外部吹出口5に接続させた屋外に排気ファン7,7が設けられている。この場合も、図5の例と同様に、排気装置2は、キッチン1の上部にフード体や吸込口が設けられるだけであるので、設計自由度が増す。加えて、排気ファン7,7に外部から容易にアクセスできるので、メンテナンス性が向上し、騒音源を外置きとすることによって、居住性も向上させることができる。
【0039】
以上のような排気構造により、キッチン1にレンジフード等を設けるにあたり、排気ダクト3をキッチン1に露出させることなく、梁貫通により天井懐12に配設することができ、すっきりと納めて室内意匠に影響を与えない外観を形成することができる。しかも本発明においては、排気ダクト3を複数本備えるとともに、排気ファン7を複数台備えているので、従来の構造と比較しても全く遜色のない風量と捕集能力を得ることができる。
【0040】
建物の長期的な運用に際しては、キッチン1のレイアウトが変更されても、新たに下がり天井等を形成することなく対応することができる。また、下がり天井ではないので、天井懐12において排気ダクト3を延長させたり短縮させたりして配管し直すことが容易であり、所望の場所に排気装置2を配置替えすることができ、制約なくキッチン1のリフォームをすることができる。
【0041】
さらに、かかる排気構造において、鉄骨梁4に、あらかじめ複数箇所に梁スリーブ6,6が貫通して配設されてあってもよい。この場合、建物の構造躯体として配設されている鉄骨梁4には、新築時にあらかじめ排気ダクト3を貫通させる予備の貫通孔42を構成しておき、梁スリーブ6を設けるようにする。これにより、新たに排気ダクト3の配管が必要になった場所に、予備の貫通孔42を利用して配管し、躯体作業をすることなく梁貫通により排気ダクト3を配設することができ、どのような改修や改築にも対応することが可能となる。
【実施例】
【0042】
図7は、本発明のキッチンの排気構造における実施例を示し、排気ダクト3が設けられた鉄骨梁4の説明図である。
【0043】
キッチン1の天井懐12には、排気ファンを備える排気装置に接続された排気ダクト3が2本、梁貫通により配設されている。排気装置には2台の排気ファンが備えられている(図1参照)。
【0044】
天井懐12において、鉄骨梁4はH形鋼の場合を示しており、住宅等の建物において通常用いられる種類のものであり、せいHは、200〜250mmで形成されている。鉄骨梁4のウェブ41には、所定間隔を設けて2つの貫通孔42,42が開設されている。また、各貫通孔42には梁スリーブ6がそれぞれ取り付けられている。
【0045】
鉄骨梁4のせいHが200mmであるとき、排気ダクト3,3は外径φが100mmの小口径のダクトを使用することができる。各排気ダクト3は、厚さ20mmの適宜の断熱材31aで被覆されている。したがって、排気ダクト3,3は断熱被覆を含めて、外径が約140mmに構成されている。
【0046】
従来の構造であれば、排気ダクトはその外径φを150mm以上とする必要があり、断熱被覆を含めれば190mm以上の外径となっていた。このため、梁には、200mm以上の直径を有する貫通孔を必要とし、これに対応する大口径の梁スリーブを設けなければならなかった。しかしながら、これに対応する梁せいが十分に確保できず、梁貫通により大口径の梁スリーブを設けられない場合が多かった。
【0047】
これに対し、本排気構造においては、1本の排気ダクト3の大幅な小型化を図ることができ、せいHが200mm〜250mm程度の、通常の住宅の構造躯体であっても、排気ダクト3を貫通させることが可能となっている。
【0048】
すなわち、本実施例では、鉄骨梁4に設ける貫通孔42,42は、200mmのせいHに開設することのできる大きさ、例えば直径Dが150mm程度で足り、排気ダクト3,3を梁貫通により配設することが可能となっている。
【0049】
また、鉄骨梁4のせいHが250mmであるときには、排気ダクト3,3は外径φが125mmの小口径のダクトを使用することもできる。排気ダクト3,3は、断熱被覆を含めて約165mmの外径となり、小型化を図ることができている。鉄骨梁4に設ける貫通孔42,42は、250mmのせいHに開設可能な、例えば175mm程度とすることができる。これにより、排気ダクト3,3を梁貫通により配設し、天井懐12に納めることができる。
【0050】
したがって、キッチンの天井11を排気ダクト3の配設のために低く下げて形成するなどの対応が必要なく、室内意匠を損なうことなく、排気構造を形成することができる。
【0051】
なお、本実施例において、梁、排気ダクト、梁スリーブ等の寸法は例示であって、これらの数値に限定されるものではなく、梁貫通により複数本の排気ダクトを設けることのできる形態であれば、どのような寸法構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、住宅等のキッチンにおいて形成する排気構造に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るキッチンの排気構造を示す斜視図である。
【図2】本発明のキッチンの排気構造の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明のキッチンの排気構造の他の例を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明のキッチンの排気構造の他の例を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明のキッチンの排気構造の他の例を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明のキッチンの排気構造他の例を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明の実施例を示し、鉄骨梁における排気ダクトの配設形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 キッチン
11 天井
12 天井懐
2 排気装置
3 排気ダクト
4 鉄骨梁
5 外部吹出口
6 梁スリーブ
7 排気ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチンの天井に接続して設けられる排気装置に排気ファンが備えられるとともに、排気装置に接続された排気ダクトが天井懐に梁貫通により配設されて外部吹出口に連通されているキッチンの排気構造であって、
前記排気ダクトは断熱被覆がなされ、この断熱被覆を含めた外径が梁せいに納まる大きさで構成される小口径のダクトであり、
前記排気装置と外部吹出口とは並設された複数本の排気ダクトにより接続されており、これらの各排気ダクトに対応させて複数台の排気ファンが排気装置に備えられ、前記梁には小口径の排気ダクトに対応させた小口径の梁スリーブが配設されて、当該梁スリーブを介して前記排気ダクトが梁の貫通孔に貫通して天井懐に配管されていることを特徴とするキッチンの排気構造。
【請求項2】
請求項1に記載のキッチンの排気構造において、
前記排気ダクトは口径が約100mmで形成され、排気装置には2本の排気ダクトが接続されるとともに、2台の排気ファンが備えられていることを特徴とするキッチンの排気構造。
【請求項3】
請求項1に記載のキッチンの排気構造において、
前記排気ダクトは口径が約125mmで形成され、排気装置に2本の排気ダクトが接続されるとともに、2台の排気ファンが備えられていることを特徴とするキッチンの排気構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のキッチンの排気構造において、
前記排気ファンは、それぞれが個別に運転可能に制御され、必要な排気風量により運転形態を選択可能とされていることを特徴とするキッチンの排気構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載のキッチンの排気構造において、
前記排気装置には、各排気ダクトに誘導する排気流路が排気ファンごとに形成されていることを特徴とするキッチンの排気構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載のキッチンの排気構造において、
前記梁には、あらかじめ梁スリーブを貫通させて配設されていることにより、排気ダクトを貫通させる予備の貫通孔が設けられていることを特徴とするキッチンの排気構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−270744(P2009−270744A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120263(P2008−120263)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】