説明

キャップ部材およびそれを備えた燃料カートリッジ

【課題】燃料供給部を保護するとともに、燃料の漏液を使用者に事前に認識させ、使用を未然に防止する安全で信頼性に優れたキャップ部材とそれを備えた燃料カートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】燃料供給部14を有する燃料カートリッジ10に設けられた燃料供給部14をカバーするキャップ部材20であって、キャップ部材20は燃料供給部14を収納する凹部22と、凹部22に燃料カートリッジ10の燃料供給部14を収納したとき、燃料供給部14に当接する凹部22に設けられたインジケータ部26とを備え、インジケータ部26は、燃料カートリッジ10の燃料の吸液の有無を知らせる識別手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池で構成された発電部を含む機器と接続する燃料カートリッジに関し、特に燃料供給部を収納するキャップ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として、小型かつ軽量で、高エネルギー密度を有する二次電池への要望が高まっている。また、充電の必要な二次電池よりも、燃料を供給することによって長時間連続使用が可能な燃料電池が注目されている。
【0003】
小型携帯電子機器に搭載される小型の燃料電池として、メタノールやメタノール水溶液、蟻酸水溶液などの液体燃料を用いるタイプの燃料電池が注目されている。このような燃料は、一般的に人体に対して有害である。
【0004】
そのため、上記燃料電池に燃料を供給する形態としては、燃料供給部を有する液体燃料を封入した燃料カートリッジが一般的に利用される。
【0005】
そして、燃料カートリッジの燃料供給部と、電子機器に内蔵された燃料電池に燃料を供給する燃料注入部を嵌合したときに、例えばばねの押圧力で密閉されている燃料を通液することにより、燃料電池に燃料が供給される。その場合、燃料カートリッジの燃料が漏れないことが強く求められている。
【0006】
通常、飲料用の容器などにおいては、キャップの内側に封止部材を設け、封止部材を容器本体に形成された飲料の出入り口に当接させて密閉する構造を有している。また、シャンプーや歯磨きなどの容器の場合、容器内の内容物の漏れを防止するため、容器本体に形成した出入り口とキャップに設けた栓とを嵌合させて密閉する構造を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかし、飲料用の容器の場合、飲料の開閉時での多少の漏れは、人体に有害ではないため許容される。一方、燃料カートリッジの場合には、上述したように燃料の漏液は許容されず、このような容器構造を採用することはできない。
【0008】
そこで、燃料の供給時に、不測の力が加わっても、燃料が漏れないように工夫された形状の燃料供給部と、それに合致する構造を備えた燃料注入部が開発されている(例えば特許文献2参照)。
【0009】
また、燃料カートリッジの燃料供給部と螺合するキャップを設けた例が開示されている(例えば、特許文献3参照)。これにより、幼児などが誤って燃料供給部を口に入れることや破損を防止し、安全性を確保できるとしている。
【特許文献1】特開2006−256622号公報
【特許文献2】特開2007−128850号公報
【特許文献3】特開2007−227092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に示す容器や、特許文献2および特許文献3に示す燃料カートリッジの場合、容器内の内容物や燃料などの漏液を課題とし、その防止を主眼としている。
【0011】
しかしながら、燃料カートリッジから、保管時や運搬時あるいは燃料の通液時などで発生する不測の外力などにより、燃料供給部が破損し、人体に有害な燃料が漏液した場合において、燃料カートリッジの使用の有無を判別する方法については何ら開示されていない。そのため、漏液した燃料カートリッジを使用して、機器本体の機能低下や使用者への影響を回避できないという課題があった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、燃料供給部を保護するとともに、燃料の漏液を使用者に事前に認識させ、使用を未然に防止する安全で信頼性に優れたキャップ部材とそれを備えた燃料カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、燃料供給部を有する燃料カートリッジに設けられた燃料供給部をカバーするキャップ部材であって、キャップ部材は燃料供給部を空間部を有して収納する凹部と、凹部に燃料カートリッジの燃料供給部を収納したとき、燃料供給部に当接する凹部に設けられたインジケータ部とを備え、インジケータ部は、燃料カートリッジの燃料の吸液の有無を知らせる識別手段を有する。
【0014】
これにより、不測の事態により燃料が漏液した場合、使用者に事前に漏液を知らせ、その使用を未然に防止できる安全性および信頼性に優れた燃料カートリッジを実現できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、漏液を事前に使用者に知らせ、誤使用を未然に防止できる安全性の高いキャップ部材およびそれを備えた燃料カートリッジを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の発明は、燃料供給部を有する燃料カートリッジに設けられた燃料供給部をカバーするキャップ部材であって、キャップ部材は燃料供給部を収納する凹部と、凹部に燃料カートリッジの燃料供給部を収納したとき、燃料供給部に当接する凹部に設けられたインジケータ部とを備え、インジケータ部は、燃料カートリッジの燃料の吸液の有無を知らせる識別手段を有する。
【0017】
これにより、燃料供給部を外力から保護するとともに、燃料供給部に残存する燃料を吸液して漏液を確実に防止できる。また、不測の事態により燃料が漏液した場合、使用者に事前に漏液を知らせ、その使用を未然に防止できる安全性および信頼性に優れた燃料カートリッジを実現できる。
【0018】
本発明の第2の発明は、第1の発明において、インジケータ部は吸液体からなり、識別手段が燃料の吸液による吸液体の発色である。これにより、使用者に漏液していることを確実に知らせることができる。
【0019】
本発明の第3の発明は、第2の発明において、吸液体は、少なくとも多孔質部材と多孔質部材の内部孔に内包した燃料溶解性物質で構成されている。これにより、漏液した燃料を吸液するとともに、燃料溶解性物質の発色により使用者に漏液していることを確実に知らせることができる。
【0020】
本発明の第4の発明は、第1の発明において、インジケータ部は吸液部材と着色部材からなり、識別手段が燃料の吸液による着色部材の発色である。これにより、吸液部材により漏液した燃料を吸液するとともに、着色部材の発色により使用者に漏液していることを確実に知らせることができる。
【0021】
本発明の第5の発明は、第4の発明において、吸液部材は、少なくとも多孔質部材で構成されている。これにより、漏液した燃料を効率よく吸液することができる。
【0022】
本発明の第6の発明は、第4の発明において、着色部材は、少なくとも燃料溶解性物質を含有する材料で構成されている。これにより、燃料溶解性物質の発色で使用者に漏液していることを確実に知らせることができる。
【0023】
本発明の第7の発明は、第3の発明または第6の発明において、燃料溶解性物質が、メタノール溶解性物質である。これにより、メタノール燃料に対して、メタノール溶解性物質の発色で使用者に漏液していることを確実に知らせることができる。
【0024】
本発明の第8の発明は、第7の発明において、メタノール溶解性物質が、多孔質部材の内部孔の少なくとも一部に設けられている。これにより、漏液した燃料を確実に吸液し、発色により使用者に知らせることができる。
【0025】
本発明の第9の発明は、第7の発明において、メタノール溶解性物質が、多孔質部材の内部孔内の少なくとも一部に層状に設けられている。これにより、漏液を確実に吸液し、発色により使用者に知らせることができる。
【0026】
本発明の第10の発明は、第7の発明から第9の発明のいずれかにおいて、メタノール溶解性物質が、Coおよび/あるいはMnの化合物からなる。これにより、燃料の漏液を、特有の発色により確実に使用者に知らせることができる。
【0027】
本発明の第11の発明は、第10の発明において、Coおよび/あるいはMnの化合物が、Co塩化物、Co硝酸塩またはMn塩化物である。これにより、燃料の漏液を、化合物との反応による特有の発色により使用者に知らせることができる。
【0028】
本発明の第12の発明は、第1の発明において、インジケータ部は吸液変形体からなり、識別手段が燃料の吸液による吸液変形体の変形である。これにより、使用者に漏液していることを確実に知らせることができる。
【0029】
本発明の第13の発明は、第12の発明において、吸液変形体が、燃料を吸液して膨張する部材からなる。これにより、使用者に漏液していることを確実に知らせることができる。
【0030】
本発明の第14の発明は、第13の発明において、部材が、多孔質フッ素系樹脂である。これにより、漏液の吸液による膨張で確実に認識することができる。
【0031】
本発明の第15の発明は、第13の発明または第14の発明において、燃料供給部と当接しない部材の周囲を、燃料の吸液で変形しない材料で被覆した構成を有する。これにより、吸液変形体の変形に異方性を持たせ、変形量を拡大して、漏液を使用者に確実に認識させることができる。
【0032】
本発明の第16の発明は、第1の発明から第15の発明のいずれかにおいて、キャップ部材の少なくとも一部が、インジケータ部を目視できる透明部材からなる。これにより、キャップ部材を空けずに燃料の漏液を認識できるため、安全性の高い燃料カートリッジを実現できる。
【0033】
本発明の第17の発明は、第1の発明から第16の発明のいずれかに記載のキャップ部材を備えた燃料カートリッジである。これにより、燃料の漏液を確実に使用者に知らせ、その使用を未然に防止できる安全性および信頼性に優れた燃料カートリッジを実現できる。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、本明細書に記載された基本的な特徴に基づく限り、以下に記載の内容に限定されるものではない。
【0035】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1におけるキャップ部材の構成について、図1を用いて説明する。なお、図1では、理解を助けるために、キャップ部材を備えた燃料カートリッジを例に説明する。
【0036】
図1(a)は、本発明の実施の形態1における正常時のキャップ部材を備えた閉塞時の燃料カートリッジの断面図で、図1(b)は、本発明の実施の形態1における異常時のキャップ部材を備えた開放時の燃料カートリッジの断面図である。ここで、正常時とは燃料カートリッジから燃料が漏液していない場合であり、異常時とは燃料が漏液して識別できる状態のことである。以下の各実施の形態においても同様である。
【0037】
図1に示すように、本発明の実施の形態1の燃料カートリッジ10は、少なくとも燃料カートリッジ本体12とキャップ部材20が一体的に設けられて構成されている。
【0038】
そして、燃料カートリッジ本体12には、例えば携帯電話などの機器(図示せず)の燃料注入部(図示せず)と接続する燃料供給部14を備えている。また、燃料供給部14には、その外周にメカニカルキー15を有している。なお、メカニカルキー15は、機器の燃料電池の動作に合致した燃料の種類、濃度および燃料カートリッジが加圧タイプか非加圧タイプかを識別するために、機器の燃料注入部のメカニカルキー(図示せず)と結合可能な一対の専用形状からなる。
【0039】
また、キャップ部材20は、閉塞時に燃料カートリッジ本体12の燃料供給部14を収納する凹部22を設けたキャップ本体24と、凹部22に設けられたインジケータ部26とを有し、例えばヒンジ部などからなる開閉部材28で開閉可能に結合されている。そして、キャップ部材20が燃料カートリッジ本体12の燃料供給部14を収納したとき、キャップ部材20のインジケータ部26が燃料供給部14の少なくとも先端部と当接する構成からなる。
【0040】
また、インジケータ部26は、以下で図2を用いて詳細に説明するように、多数の内部孔が形成された多孔質材料などからなる吸液体で構成されている。この場合、吸液体の内部孔には、燃料カートリッジの燃料と反応して発色する燃料溶解性物質が、少なくとも内部孔内の一部に充填されている。
【0041】
そして、不測の事態により、燃料カートリッジ10の燃料供給部14が破損した場合、燃料供給部14から漏液した燃料が、インジケータ部26である吸液体の内部孔に吸液される。このとき、吸液された燃料と内部孔に充填された燃料溶解性物質が反応して発色する。
【0042】
これにより、使用者が、漏液した燃料カートリッジ10を用いて、機器(図示せず)に燃料を供給するためにキャップ部材20を開放したときに、インジケータ部26の発色により、燃料カートリッジ10の燃料の漏液を識別できる。その結果、漏液した燃料カートリッジであることを事前に使用者が判断し、その使用を未然に防止することができる。
【0043】
ここで、インジケータ部26である吸液体は、例えばエタノールなどの燃料と反応しにくい、例えばウレタン発泡体などからなる多孔質材料や、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンからなる織布や不織布材料などで構成される。このとき、インジケータ部26である吸液体から、残渣や金属カチオンなどが燃料との接触により溶出しない材料で構成することが好ましい。
【0044】
また、燃料との反応により発色する燃料溶解性物質としては、例えば携帯用の機器の燃料電池に用いられるメタノール燃料に対して、メタノール溶解性物質を用いることができる。そして、メタノール溶解性物質としては、塩化コバルト(CoCl)などのCo塩化物や硝酸コバルト(Co(NO)などのCo硝酸塩あるいは塩化マンガン(MnCl)などのMn塩化物を利用できる。この場合、例えば塩化コバルトはメタノール燃料と反応して淡青色に発色し、硝酸コバルトはバラ色、塩化マンガンは赤色に発色する。
【0045】
なお、図示しないが機器は、例えば燃料電池で構成された発電部を備えた機器本体と、燃料カートリッジ10の燃料供給部14と接続される燃料注入部とで構成されている。さらに、発電部は燃料電池とこの燃料電池の燃料を蓄えるためのタンクとを少なくとも有している。
【0046】
また、燃料カートリッジ本体12には、例えばメタノールなどの燃料を内蔵するとともに、燃料供給部14は、例えばコイルばねなどの押圧部材とOリングで密閉する構造を備えている。そして、一般に、機器の燃料注入部が接続されたときに燃料供給部14の押圧部材を押し戻して密閉状態を開放し、燃料を機器に注液する構成であるが、内部の詳細な構造については説明を省略する。
【0047】
以下に、本発明の実施の形態1のインジケータ部26である吸液体について、図2を用いて具体的に説明する。
【0048】
図2(a)は本発明の実施の形態1のインジケータ部である吸液体を説明する斜視図である。図2(b)は本発明の実施の形態1のインジケータ部である吸液体の内部孔を説明する拡大図で、図2(c)は本発明の実施の形態1のインジケータ部である吸液体の内部孔の別の例を説明する拡大図である。
【0049】
図2(a)に示すように、インジケータ部26である吸液体は、例えばウレタン発泡体などの多数の内部孔30が形成された多孔質材料からなり、図面中の一方の端面はキャップ本体(図示せず)の凹部に固定され、他方の端面は燃料カートリッジの燃料供給部と当接される。そして、例えば燃料が漏液した場合、燃料供給部に当接したインジケータ部26の端面から内部孔30を介して吸液される。このとき、図2(b)に示すように、内部孔30内の少なくとも一部に設けられた燃料溶解性物質の粉末32と燃料が反応して発色し、漏液が識別される。具体的には、例えば燃料がメタノールの場合、メタノール溶解性物質として塩化コバルトの粉末が部分的に充填されていれば、メタノールと反応して淡青色に発色する。また、図2(c)に示すように、燃料溶解性物質を内部孔30の壁面の一部に層状34に設けてもよい。
【0050】
なお、燃料とは、メタノールやその水溶液、蟻酸などの液体燃料を意図している。
【0051】
また、燃料カートリッジ本体12、燃料供給部14、キャップ本体24や開閉部材28は、例えば耐エタノール性を有するポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマーなどのスーパーエンジニアプラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)などの樹脂材料で構成される。特に、燃料供給部14は、残渣や金属カチオンなどが燃料との接触により母材から溶出しない材料で構成することが好ましい。
【0052】
本実施の形態によれば、燃料供給部が破損し内部の燃料が多量に漏液した場合や継続的あるいは間欠的に漏液した場合、インジケータ部の発色により、使用者に燃料カートリッジの使用の良否を事前に知らせることができる。これにより、漏液した燃料カートリッジの誤使用による機器への損傷を未然に回避できる燃料カートリッジを実現できる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、燃料が漏液しても、インジケータ部である吸液体に吸液されるため、誤って燃料供給部に触れても人体に燃料が付着する可能性を著しく低減できる。その結果、不具合を生じても安全性の高い燃料カートリッジを実現できる。
【0054】
なお、本実施の形態では、キャップ部材をヒンジ構造などの開閉部材で開閉する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、燃料カートリッジ本体にねじ部を設け、それに螺合するキャップ部材としてもよい。また、燃料カートリッジ本体の一部に凹部または凸部を設け、キャップ部材に、燃料カートリッジの凹部または凸部と嵌合する凸部または凹部を全周囲または部分的に設ける構成としてもよい。つまり、キャップ部材と燃料カートリッジの嵌合構造としては、キャップ部の凹部に設けた吸液体と燃料供給部とが閉塞時に当接する構成であれば、特に制限されない。
【0055】
また、本実施の形態では、吸液体と燃料供給部とが平面で当接する例で説明したが、これに限られない。例えば、燃料供給部の先端部が吸液体に食い込む構成としてもよい。
【0056】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2におけるキャップ部材の構成について、図3を用いて説明する。
【0057】
図3(a)は本発明の実施の形態2における正常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図で、図3(b)は図3(a)のインジケータ部の拡大斜視図である。また、図3(c)は本発明の実施の形態2における異常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図で、図3(d)は図3(c)のインジケータ部の拡大斜視図である。
【0058】
図3に示すように、本発明の実施の形態2の燃料カートリッジ40は、少なくとも燃料カートリッジ本体42とインジケータ部56を設けたキャップ部材50が、一体的に設けられて構成されている。
【0059】
つまり、本発明の実施の形態2は、インジケータ部56として燃料の吸液により変形する吸液変形体を備えている点で、実施の形態1とは異なる。
【0060】
そして、燃料カートリッジ本体42には、例えば携帯電話などの機器(図示せず)の燃料注入部(図示せず)と接続する燃料供給部44を備えている。また、燃料供給部44には、その外周にメカニカルキー45を有している。なお、メカニカルキー45は、実施の形態1と同様であり説明を省略する。
【0061】
また、キャップ部材50は、閉塞時に燃料カートリッジ本体42の燃料供給部44を収納する凹部52を設けたキャップ本体54と、凹部52に設けられたインジケータ部56とを有し、例えばヒンジ部などからなる開閉部材58で開閉可能に結合されている。そして、キャップ部材50が燃料カートリッジ本体42の燃料供給部44を収納したとき、キャップ部材50のインジケータ部56が燃料供給部44の少なくとも先端部と当接する構成からなる。
【0062】
また、インジケータ部56は、多数の内部孔60が形成された多孔質材料などからなる吸液変形体で構成されている。このとき、吸液変形体は、燃料カートリッジ40の燃料と反応して膨張あるいは膨潤する材料で構成されている。
【0063】
そして、不測の事態により、燃料カートリッジ40の燃料供給部44が破損した場合、燃料供給部44から漏液した燃料が、インジケータ部56である吸液変形体の内部孔60に吸液される。このとき、吸液された燃料により、吸液変形体が膨張あるいは膨潤して、その体積が増大する。
【0064】
これにより、使用者が、漏液した燃料カートリッジ40を用いて、機器(図示せず)に燃料を供給するためにキャップ部材50を開放したときに、インジケータ部56の膨張あるいは膨潤により、燃料カートリッジ40の燃料の漏液を識別し認識できる。その結果、漏液した燃料カートリッジであることを事前に使用者が判断し、その使用を未然に防止することができる。
【0065】
ここで、インジケータ部56である吸液変形体は、例えばエタノールなどの燃料を吸収して膨張あるいは膨潤する、例えばパーフルオロスルホン酸などの多孔質フッ素樹脂からなる材料で構成される。また、インジケータ部56である吸液変形体から、残渣や金属カチオンなどが燃料との接触により溶出しない材料で構成することが好ましい。
【0066】
なお、他の各構成要素の材料などは実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0067】
本実施の形態によれば、燃料供給部が破損し内部の燃料が多量に漏液した場合や継続的あるいは間欠的に漏液した場合、インジケータ部の膨張あるいは膨潤により、使用者に燃料カートリッジの使用の良否を事前に知らせることができる。これにより、漏液した燃料カートリッジの誤使用による機器への損傷を未然に回避できる燃料カートリッジを実現できる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、燃料が漏液しても、インジケータ部である吸液変形体に吸液されるため、誤って燃料供給部に触れても人体に燃料が付着する可能性を著しく低減できる。その結果、不具合を生じても安全性の高い燃料カートリッジを実現できる。
【0069】
なお、本実施の形態では、吸液変形体が太鼓状に変形する例で説明したが、これに限られない。例えば、吸液量や吸液する状態により、キャップ本体と固定された部分の吸液変形体以外の部分が任意に変形できることはいうまでもない。
【0070】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3におけるキャップ部材の構成について、図4を用いて説明する。
【0071】
図4(a)は本発明の実施の形態3における正常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図で、図4(b)は図4(a)のインジケータ部の拡大斜視図である。また、図4(c)は本発明の実施の形態3における異常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図で、図4(d)は図4(c)のインジケータ部の拡大斜視図である。
【0072】
図4に示すように、本発明の実施の形態3の燃料カートリッジ70は、少なくとも燃料カートリッジ本体72とインジケータ部86を設けたキャップ部材80が、一体的に設けられて構成されている。
【0073】
つまり、本発明の実施の形態3はインジケータ部86として、燃料の吸液により変形する吸液変形部材62の、例えば両端面以外の側面に、吸液で変形しない外套部材90を備えている点で、実施の形態2とは異なる。
【0074】
そして、燃料カートリッジ本体72には、例えば携帯電話などの機器(図示せず)の燃料注入部(図示せず)と接続する燃料供給部74を備えている。また、燃料供給部74には、その外周にメカニカルキー75を有している。なお、メカニカルキー75は、実施の形態1と同様であり説明を省略する。
【0075】
また、キャップ部材80は、閉塞時に燃料カートリッジ本体72の燃料供給部74を収納する凹部82を設けたキャップ本体84と、凹部82に設けられたインジケータ部86とを有し、例えばヒンジ部などからなる開閉部材88で開閉可能に結合されている。そして、キャップ部材80が燃料カートリッジ本体72の燃料供給部74を収納したとき、キャップ部材80のインジケータ部86が燃料供給部74の少なくとも先端部と当接する構成からなる。
【0076】
また、インジケータ部86は、多数の内部孔60が形成された多孔質材料などからなる吸液変形部材62と、その両端面以外の側面に吸液で変形しない外套部材90とで構成されている。このとき、吸液変形部材62は、実施の形態2と同様に、燃料カートリッジ70の燃料と反応して膨張あるいは膨潤する材料で構成されている。
【0077】
そして、不測の事態により、燃料カートリッジ70の燃料供給部74が破損した場合、燃料供給部74から漏液した燃料が、インジケータ部86である吸液変形部材62の内部孔60に吸液される。これにより、吸液された燃料により、吸液変形部材62が膨張あるいは膨潤して、その体積が増大する。このとき、吸液変形部材62の膨張する方向が外套部材90により制限され、異方性を有することになる。つまり、インジケータ部86は、その両端がキャップ本体84と燃料供給部74により制限され、さらに外套部材90により、その径を拡大できない。そのため、図4(d)に示すように、インジケータ部86は、例えば大きく湾曲した形状で変形する。
【0078】
これにより、使用者が、漏液した燃料カートリッジ70を用いて、機器(図示せず)に燃料を供給するためにキャップ部材80を開放したときに、インジケータ部86の変形により、燃料カートリッジ70の燃料の漏液を識別し認識できる。その結果、漏液した燃料カートリッジ70であることを事前に使用者が判断し、その使用を未然に防止することができる。
【0079】
ここで、インジケータ部86である吸液変形部材62は、実施の形態2の吸液変形体と同様の材料を用いることができる。また、外套部材90としては、エタノールなどの燃料との反応性が低く、膨張あるいは膨潤しにくい、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマーなどのスーパーエンジニアプラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)などの樹脂で構成される。
【0080】
なお、他の各構成要素の材料などは実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
【0081】
本実施の形態によれば、燃料供給部が破損し内部の燃料が多量に漏液した場合や継続的あるいは間欠的に漏液した場合、インジケータ部の変形に異方性を付与することにより、変形量を拡大し使用者に燃料カートリッジの使用の良否を事前に、しかも確実に知らせることができる。これにより、漏液した燃料カートリッジの誤使用による機器への損傷を未然に回避できる燃料カートリッジを実現できる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、燃料が漏液しても、インジケータ部である吸液変形部材に吸液されるため、誤って燃料供給部に触れても人体に燃料が付着する可能性を著しく低減できる。その結果、不具合を生じても安全性の高い燃料カートリッジを実現できる。
【0083】
以下に、本発明の実施の形態3のインジケータ部の別の例について、図5を用いて具体的に説明する。
【0084】
図5(a)は本発明の実施の形態3の別の例における正常時のインジケータ部の拡大斜視図で、図5(b)は本発明の実施の形態3の別の例における異常時のインジケータ部の拡大斜視図である。
【0085】
図5に示すように、インジケータ部86の外套部材90の一部に切り込み部100を設けている点で、上記実施の形態とは異なる。
【0086】
そして、不測の事態により、漏液した燃料が、インジケータ部86である吸液変形部材62の内部孔60に吸液された場合、吸液変形部材62の膨張が外套部材90により制限され、異方性を有して変形する。その結果、インジケータ部86は、上記実施の形態で説明したように、例えば大きく湾曲した形状で変形する。このとき、外套部材90に設けた切り込み部100により、切り込み部100を起点に屈曲して変形する。このインジケータ部の屈曲変形は、キャップ部材を開放しても、弾性力などで元に戻ることがない。
【0087】
これにより、使用者が、漏液した燃料カートリッジ70を用いて、機器(図示せず)に燃料を供給するためにキャップ部材80を開放したときに、インジケータ部86の屈曲した変形により、燃料カートリッジ70の燃料の漏液を識別し確実に認識できる。
【0088】
本実施の形態の別の例によれば、インジケータ部の屈曲変形により、使用者に燃料カートリッジの燃料の漏液を確実に知らせることができる。これにより、漏液した燃料カートリッジの誤使用による機器への損傷を未然に回避できる燃料カートリッジを実現できる。
【0089】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4におけるキャップ部材の構成について、図6を用いて説明する。なお、図6でも同様に、理解を助けるためにキャップ部材を備えた燃料カートリッジを例に説明する。
【0090】
図6(a)は本発明の実施の形態4における正常時のキャップ部材を備えた閉塞時の燃料カートリッジの断面図で、図6(b)は本発明の実施の形態4における異常時のキャップ部材を備えた開放時の燃料カートリッジの断面図である。
【0091】
図6に示すように、本発明の実施の形態4の燃料カートリッジ110は、少なくとも燃料カートリッジ本体112とキャップ部材120が一体的に設けられて構成されている。
【0092】
そして、燃料カートリッジ本体112には、例えば携帯電話などの機器(図示せず)の燃料注入部(図示せず)と接続する燃料供給部114を備えている。また、燃料供給部114には、その外周にメカニカルキー115を有している。なお、メカニカルキー115は、機器の動作に合致した燃料の種類、濃度および燃料カートリッジが加圧タイプか非加圧タイプかを識別するために、機器の燃料注入部のメカニカルキー(図示せず)と結合可能な一対の専用形状からなる。
【0093】
また、キャップ部材120は、閉塞時に燃料カートリッジ本体112の燃料供給部114を収納する凹部122を設けたキャップ本体124と、凹部122に設けられた吸液部材125と着色部材127とからなるインジケータ部126とを有し、例えばヒンジ部などからなる開閉部材128と開閉可能に結合されている。このとき、インジケータ部126の着色部材127はキャップ本体124と貼り合わされ、その表面に吸液部材125が貼り合わされている。そして、キャップ部材120が燃料カートリッジ本体112の燃料供給部114を収納したとき、キャップ部材120のインジケータ部126の吸液部材125の一方の端面が燃料供給部114の少なくとも先端部と当接する構成からなる。
【0094】
また、インジケータ部126は、例えば多孔質材料などからなる吸液部材125と、例えばシート状の着色部材127とで構成されている。この場合、着色部材127には、燃料カートリッジ110の燃料と反応して発色する燃料溶解性物質を、少なくとも含有している。
【0095】
そして、不測の事態により、燃料カートリッジ110の燃料供給部114が破損した場合、燃料供給部114から漏液した燃料が、インジケータ部126の吸液部材125に吸液される。さらに、吸液部材125に、例えば毛細管現象により吸液された燃料は、最終的に吸液部材125と貼り合わされた着色部材127に到達し吸収される。このとき、吸液された燃料と着色部材127の燃料溶解性物質が反応して発色する。
【0096】
これにより、使用者が、漏液した燃料カートリッジ110を用いて、機器(図示せず)に燃料を供給するためにキャップ部材120を開放したときに、インジケータ部126の着色部材127の発色により、燃料カートリッジ110の燃料の漏液を識別できる。その結果、漏液した燃料カートリッジであることを事前に使用者が判断し、その使用を未然に防止することができる。
【0097】
ここで、インジケータ部126の吸液部材125および着色部材127は、例えばエタノールなどの燃料と反応しにくい、例えばウレタン発泡体などからなる多孔質材料や、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンからなる織布や不織布材料などで構成される。このとき、特に、燃料供給部114と当接するインジケータ部126の吸液部材125は、残渣や金属カチオンなどが燃料との接触により溶出しない材料で構成することが好ましい。
【0098】
また、インジケータ部126の着色部材127に含有される燃料との反応により発色する燃料溶解性物質としては、携帯用の機器に用いられるメタノール燃料に対して、メタノール溶解性物質を用いることができる。そして、メタノール溶解性物質としては、実施の形態1で説明したような、Co塩化物やCo硝酸塩あるいはMn塩化物を同様に用いることができる。
【0099】
なお、燃料が供給される機器や燃料カートリッジ本体112は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0100】
本実施の形態によれば、燃料供給部が破損し内部の燃料が多量に漏液した場合や継続的あるいは間欠的に漏液した場合、インジケータ部の着色部材の発色により、使用者に燃料カートリッジの使用の良否を事前に知らせることができる。これにより、漏液した燃料カートリッジの誤使用による機器への損傷を未然に回避できる燃料カートリッジを実現できる。
【0101】
なお、本実施の形態では、キャップ部材をヒンジ構造などの開閉部材で開閉する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、燃料カートリッジ本体にねじ部を設け、それに螺合するキャップ部材としてもよい。また、燃料カートリッジ本体の一部に凹部または凸部を設け、キャップ部材に、燃料カートリッジの凹部または凸部と嵌合する凸部または凹部を全周囲または部分的に設ける構成としてもよい。つまり、キャップ部材と燃料カートリッジの嵌合構造としては、キャップ本体の凹部に設けたインジケータ部の吸液部材と燃料供給部とが閉塞時に当接する構成であれば、特に制限されない。
【0102】
また、本実施の形態では、着色部材のみが発色する例で説明したが、これに限られない。例えば、吸液部材に燃料と反応して発色する燃料溶解性物質を含有させる構成としてもよい。これにより、さらに燃料の漏液を容易に識別できる。
【0103】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5におけるキャップ部材の構成について、図7を用いて説明する。
【0104】
図7(a)は、本発明の実施の形態5におけるキャップ部材150を備えた閉塞時の燃料カートリッジ140の断面図である。また、図7(b)から図7(d)は、本発明の実施の形態4における異常時にキャップ部材150の着色部材157に表示される図柄162、164、166の一例を示すキャップ部材150側から見た平面図である。
【0105】
図7(a)に示すように、キャップ本体154を、例えばPETなどの透明性を有する透明部材で形成し、キャップ部材150を閉塞した状態でも、外部から漏液の有無を識別できる構成とした点で、実施の形態4とは異なる。他の構成は、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
【0106】
つまり、図7(a)に示すように、インジケータ部156の吸液部材155を介して吸液された燃料による着色部材157の発色で、透明性を有する透明部材からなるキャップ本体154を介して閉塞した状態で外部から容易に燃料の漏液を識別できるものである。
【0107】
ここで、キャップ本体154の透明部材として、PET以外に、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂を用いることができる。
【0108】
本実施の形態によれば、キャップ部材を開閉することなく、漏液の有無を識別できるので、安全性に優れるとともにユーザーフレンドリな燃料カートリッジを実現できる。
【0109】
なお、本実施の形態では、着色部材の発色がキャップ本体を透過して識別する例で説明したが、これに限られない。例えば、図7(b)から図7(d)に示すように、着色部材の発色時に、漏液を識別する図柄162、164、166を表示する(浮かび上がらせる)構成としてもよい。これらは、例えば着色部材の図柄に対応する位置に上述した燃料溶解性物質を含有させることにより構成できる。これにより、使用者の迅速かつ明確な識別が可能となる。
【0110】
なお、本実施の形態の透明性を有するキャップ本体の構成を上記各実施の形態に適用してもよい。これにより、キャップ部材を開放することなく燃料供給部の漏液を使用者が識別できる燃料カートリッジを実現できる。
【0111】
また、上記各実施の形態を互いに組み合わせて適用してもよいことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明のキャップ部材によれば、燃料の漏液を未然に使用者に知らせ、安全に燃料電池を搭載する携帯用の機器に燃料を供給する燃料カートリッジにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における正常時のキャップ部材を備えた閉塞時の燃料カートリッジの断面図(b)本発明の実施の形態1における異常時のキャップ部材を備えた開放時の燃料カートリッジの断面図
【図2】(a)本発明の実施の形態1のインジケータ部である吸液体を説明する斜視図(b)本発明の実施の形態1のインジケータ部である吸液体の内部孔を説明する拡大図(c)本発明の実施の形態1のインジケータ部である吸液体の内部孔の別の例を説明する拡大図
【図3】(a)本発明の実施の形態2における正常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図(b)図3(a)のインジケータ部の拡大斜視図(c)本発明の実施の形態2における異常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図(d)図3(c)のインジケータ部の拡大斜視図
【図4】(a)本発明の実施の形態3における正常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図(b)図4(a)のインジケータ部の拡大斜視図(c)本発明の実施の形態3における異常時のキャップ部材を備えた燃料カートリッジの断面図(d)図4(c)のインジケータ部の拡大斜視図
【図5】(a)本発明の実施の形態3の別の例における正常時のインジケータ部の拡大斜視図(b)本発明の実施の形態3の別の例における異常時のインジケータ部の拡大斜視図
【図6】(a)本発明の実施の形態4における正常時のキャップ部材を備えた閉塞時の燃料カートリッジの断面図(b)本発明の実施の形態4における異常時のキャップ部材を備えた開放時の燃料カートリッジの断面図
【図7】(a)本発明の実施の形態5におけるキャップ部材を備えた閉塞時の燃料カートリッジの断面図(b)〜(d)本発明の実施の形態4における異常時にキャップ部材の着色部材に表示される図柄の一例を示すキャップ部材側から見た平面図
【符号の説明】
【0114】
10,40,70,110,140 燃料カートリッジ
12,42,72,112 燃料カートリッジ本体
14,44,74,114 燃料供給部
15,45,75,115 メカニカルキー
20,50,80,120,150 キャップ部材
22,52,82,122 凹部
24,54,84,124,154 キャップ本体
26,56,86,126,156 インジケータ部
28,58,88,128 開閉部材
30,60 内部孔
32 粉末
34 層状
62 吸液変形部材
90 外套部材
100 切り込み部
125,155 吸液部材
127,157 着色部材
162,164,166 図柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給部を有する燃料カートリッジに設けられた前記燃料供給部をカバーするキャップ部材であって、
前記キャップ部材は前記燃料供給部を収納する凹部と、前記凹部に前記燃料カートリッジの前記燃料供給部を収納したとき、前記燃料供給部に当接する前記凹部に設けられたインジケータ部とを備え、
前記インジケータ部は、前記燃料カートリッジの燃料の吸液の有無を知らせる識別手段を有することを特徴とするキャップ部材。
【請求項2】
前記インジケータ部は吸液体からなり、前記識別手段が前記燃料の吸液による前記吸液体の発色であることを特徴とする請求項1に記載のキャップ部材。
【請求項3】
前記吸液体は、少なくとも多孔質部材と前記多孔質部材の内部孔に内包した燃料溶解性物質で構成されていることを特徴とする請求項2に記載のキャップ部材。
【請求項4】
前記インジケータ部は吸液部材と着色部材からなり、前記識別手段が前記燃料の吸液による前記着色部材の発色であることを特徴とする請求項1に記載のキャップ部材。
【請求項5】
前記吸液部材は、少なくとも多孔質部材で構成されていることを特徴とする請求項4に記載のキャップ部材。
【請求項6】
前記着色部材は、少なくとも燃料溶解性物質を含有する材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載のキャップ部材。
【請求項7】
前記燃料溶解性物質が、メタノール溶解性物質であることを特徴とする請求項3または請求項6に記載のキャップ部材。
【請求項8】
前記メタノール溶解性物質が、前記多孔質部材の前記内部孔内の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ部材。
【請求項9】
前記メタノール溶解性物質が、前記多孔質部材の前記内部孔内の少なくとも一部に層状に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のキャップ部材。
【請求項10】
前記メタノール溶解性物質が、Coおよび/あるいはMnの化合物からなることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のキャップ部材。
【請求項11】
前記Coおよび/あるいはMnの化合物が、Co塩化物、Co硝酸塩またはMn塩化物であることを特徴とする請求項10に記載のキャップ部材。
【請求項12】
前記インジケータ部は吸液変形体からなり、前記識別手段が前記燃料の吸液による前記吸液変形体の変形であることを特徴とする請求項1に記載のキャップ部材。
【請求項13】
前記吸液変形体が、前記燃料を吸液して膨張する部材からなることを特徴とする請求項12に記載のキャップ部材。
【請求項14】
前記部材が、多孔質フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項13に記載のキャップ部材。
【請求項15】
前記燃料供給部と当接しない前記部材の周囲を、前記燃料の吸液で変形しない材料で被覆したことを特徴とする請求項13または請求項14に記載のキャップ部材。
【請求項16】
前記キャップ部材の少なくとも一部が、前記インジケータ部を目視できる透明部材からなることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のキャップ部材。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のキャップ部材を備えていることを特徴とする燃料カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−140636(P2009−140636A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313265(P2007−313265)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】