説明

キャピラリを介した基準質量の導入装置

【課題】 キャピラリを介して基準質量を質量分析計に導入する装置を提供する。
【解決手段】 本発明の装置は、被分析物イオン源(110)のための質量較正装置であって、第1の点(118)において、被分析物イオン源(110)に結合されているキャピラリ(125)と、第1の点から下流の第2の点において、キャピラリに結合されている基準質量イオン源(150)とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析システムに関し、制限するものではないが、より詳細には、キャピラリを介して基準質量を質量分析計に導入する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析において、基準質量を使用して分析計機器を較正することが有用であることが多く、基準質量は、その質量が正確にわかっているため、質量数決定の変動を補償するのに使用することができる。基準質量は、通常、イオン源部分内に導入されるが、イオン源部分において、基準質量は、時に、被分析物イオンを生成する妨げとなるか、又は妨げとならない場合には、被分析物イオン源の設計及び使い易さを複雑にする可能性がある。たとえば、エレクトロスプレーイオン化(ESI又はナノESI)源では、二重噴霧器注入口が使用されるため、余分な構成要素が必要となり、供給源モジュールの交換の可能性を制約する。APCI、APPI及びマルチモード供給源に関して、基準質量は、通常、被分析物の流れに直接付加されるため、信号が抑制されたり、沈降したりする可能性がある。AP-MALDI源では、イオンはマトリクス内に固定される。この手法は、マトリクス内に埋め込まれた基準質量又は被分析物のイオン抑制を受ける。さらに、一般的に、基準質量を被分析物イオン源ステージで導入する全ての技法に関して、適切な操作のために、顧客に対するさらなる指示及び製造業者によるさらなる開発が必要とされることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、キャピラリを介して基準質量を質量分析計に導入する装置及び方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様において、キャピラリと、第1の点においてキャピラリに結合する被分析物イオン源と、第1の点から下流の第2の点においてキャピラリに結合する基準質量イオン源と、第1の点及び第2の点から下流の第3の点においてキャピラリに結合する質量分析器とを備えている質量較正装置を提供する。基準質量イオン源を、T字連結部を介してキャピラリに結合することができる。基準質量イオン源には、チャンバと、チャンバ内に位置するイオン化装置と、種々の実施形態において、チャンバの内部に位置するか、又はチャンバの外部に位置し、チャンバに結合可能な1つ又はそれ以上の基準質量源とを含むことができる。
【0005】
本発明の別の態様において、被分析物イオンを送出するための第1の出口を有する被分析物イオン源チャンバと、第1の点、第2の点及び第3の点を有するキャピラリとを備え、第1の点は第2の点の上流にあり、第2の点は第3の点の上流にある質量分析計用のイオン源を提供する。キャピラリは、第1の点において被分析物イオン源チャンバの出口に結合し、基準質量イオンを送出するための第2の出口を有する基準質量イオン源は、第2の点においてキャピラリに結合する。被分析物イオンと基準質量イオンは、第2の点から下流のキャピラリにおいて結合し、第3の点において出力される。
【0006】
本発明のさらに別の態様において、キャピラリと、キャピラリに沿った第1の点においてキャピラリに結合する被分析物イオン源と、第1の点から下流の第2の点においてキャピラリに結合する基準質量イオン源とを備えている較正されたイオン源を備えている質量分析器を提供する。また、質量分析計は、第2の点から下流のキャピラリに結合している質量分析器、及び質量分析器から下流に位置しかつその質量分析器に結合する検出器を含む。
【0007】
本発明のさらなる一態様において、イオン源、質量分析器及びイオン源を質量分析器に結合するキャピラリとを含む質量分析計における基準質量イオンによる被分析物イオンの質量較正方法を提供する。この方法は、イオン源から分離され、キャピラリに結合されているチャンバ内で、基準質量イオンをイオン化し、イオン源と質量分析器の間に位置するキャピラリの連結部において、基準質量イオンをキャピラリに導入することを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の質量分析計用の質量較正装置は、キャピラリ125、第1の点においてキャピラリ125と結合されている被分析物イオン源110、第1の点から下流の第2の点においてキャピラリに結合されている基準質量イオン源、第1の点及び第2の点から下流の第3の点においてキャピラリに結合されている質量分析器130を含む。基準質量イオン源を、T字連結124を介してキャピラリ125に結合することができる。基準質量イオン源150は、チャンバ150、そのチャンバ内に配置されているイオン化装置155、チャンバの内部に配置されているか、又はチャンバの外部に配置されてそのチャンバに結合されている1つ又はそれ以上の基準質量源152、154を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を詳細に述べる前に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「ある」、「1つの」及び「その」は、文脈において特に明確に指示する場合を除いて、複数の指示対象を含むことが留意されなければならない。そのため、たとえば、「1つのキャピラリ」への言及は2つ以上の「キャピラリ」を含む。1つの「エレクトロスプレーイオン源」又は1つの「大気圧イオン源」への言及は、2つ以上の「エレクトロスプレーイオン源」又は2つ以上の「大気圧イオン源」を含む。本発明を記述し、請求する時に、以下の用語を以下で述べる定義にしたがって使用する。
【0010】
用語「隣接する」は、近い、隣の又は近接したという意味である。また、隣接するあるものは、別の構成要素に接触してもよく、他の構成要素を囲んでもよく(すなわち、同心をなしてもよく)、他の構成要素から離れていてもよく、又は他の構成要素のある部分を含んでもよい。
【0011】
用語「コロナニードル」は、コロナ放電を生成するのに使用することができる任意の導管、針、物体又は装置を指す。
【0012】
用語「被分析物イオン源」又は「イオン源」は、被分析物イオンを生成する任意の供給源を指す。
【0013】
用語「基準質量イオン源」は、基準質量イオンを生成する任意の供給源を指す。
【0014】
用語「エレクトロスプレーイオン源」は、エレクトロスプレーイオンを生成するための、ネブライザ及び関連する部品を指す。ネブライザは、接地電位であってもよく、又は接地電位でなくてもよい。この用語はまた、当該技術分野でよく知られているエレクトロスプレーイオン化技法を使用して生成されるイオンに類似するか、又はそれと同じである荷電粒子を放電させることができる電極を有する管のような装置又はデバイスを備えるものと幅広く解釈されるべきである。
【0015】
「紫外光子源」は、真空紫外放射源を含むものと画定される。この文脈では、紫外放射スペクトルは、波長が200〜400ナノメートルの範囲にあるものとして画定され、真空紫外スペクトルは、200〜280ナノメートルの紫外波長の部分範囲を占める。
【0016】
本発明を図を参照して記述する。図は、一定の縮尺で描かれておらず、特に、ある寸法を、明確に提示するために、誇張することがある。
【0017】
図1は、基準質量イオンをキャピラリを介して内部に導入することを可能にする質量分析計100を概略的に示す。最初に、被分析物サンプルは、通常、被分析物が溶媒と混合されている流体の流れの形態で、注入口108を介してイオン源部分110に導入される。このために、注入口を、HPLC、マイクロLC又はキャピラリ電気泳動機器のような液体クロマトグラフィシステムに結合することができる。ただ1つの注入口108を示すが、イオン源110はサンプル導入用のさらなる注入口を含み得る。
【0018】
その後、被分析物サンプル流体の流れは、1つ又はそれ以上のイオン化装置115を通して送出されるか、又はそれにさらされる。被分析物イオン源110を、大気圧で、又は大気圧近くで、通常0.5〜2気圧で動作させることができ、この場合、イオン化装置115には、ESI、APCI、APPI、AP-MALDI又はマルチモード供給源におけるこうした装置の任意の適した組み合わせを含む当該技術分野で公知の大気圧イオン化技法の任意の技法が含まれる。イオン化装置115にさらされると、サンプル内の被分析物の大部分がイオン化され、それによって、イオン源内で静電界を受け、静電界は、被分析物イオンをキャピラリ125の注入口118の方に引き寄せ(又ははね返し)、被分析物イオンは、下流の、質量分析計の後続のステージに運ばれる。キャピラリ125に入る前に、被分析物イオンを、残存溶媒分子を除去するために加熱することができる。
【0019】
キャピラリ125は、イオン源部分110内の注入口118から質量分析計の移行部分120を介して延伸する。キャピラリ125の長さに沿った圧力は、たとえば、0.133パスカル(1ミリトル)から大気圧近くまでの範囲の、大気と高真空の間の中間の圧力である。キャピラリ125は、移行部分120内で、その長さに沿って第2の分岐又は注入口128を含み、第2の分岐又は注入口128は、キャピラリの軸に対して垂直に向き、「T字連結部」124を形成する。また、注入口は、キャピラリに対して他の角度に向くことができ、及び垂直なT字形の配列は、本発明との関連で使用することができるキャピラリ連結部の1つの可能な実施態様を示すに過ぎないことに留意されたい。キャピラリ125は、移行部分120を介して出口132まで延伸し、出口132は、スキマー134を介して、1つ又はそれ以上の真空ステージ127に、さらに質量分析器部分130に通じる。示す真空ステージ127の数(2つ)は、例示に過ぎず、数及び真空ステージ内で維持される支配的な圧力は、当該技術分野で公知の変数の中でも特に、採用される質量分析器の形式及びイオンが調節される対応する方法によって決まる。真空ステージは、イオンが質量分析器の方に輸送される際に、イオンを収束させる1つ又はそれ以上のイオンガイド(図示せず)を含み得る。
【0020】
基準質量イオン源チャンバ150は、出口151を介して移行部分120内に(示すように)配置されるか、又は移行部分120に直接結合し、出口151は、供給源チャンバからの基準質量イオンが、T字連結部124を介してキャピラリに送出可能であるように、キャピラリ125の第2の注入口128に接続される。基準質量イオン源チャンバ150は、(キャピラリ125の長さに沿った圧力に依存して)大気圧又は大気中より低い圧力のような、キャピラリ125内で支配的である圧力より高い圧力で動作され、それによって、基準質量イオン源チャンバ内で生成されるイオンは、供給源とキャピラリとの圧力差によって、連結部124の方に推進される。この配置によって、基準質量イオンがT字連結部124へ流れる時、基準質量イオンは、被分析物イオン源110から出てくる被分析物イオンの下流への流れの中に伴出され、合流する。切り替え可能な電源129を、第2の注入口128(又は出口151)に結合することができ、それによって、適切な極性の基準質量イオンを選択するための電圧レベルをこの点に適用し、キャピラリ125内への流入及びキャピラリ125の下流へのさらなる輸送を行うことができる。
【0021】
被分析物イオンと基準質量イオンは共に、スキマー134を通って真空ステージ127を介して質量分析器部分130へ輸送され、質量分析器部分130において、被分析物イオンと基準質量イオンは、走査され、それぞれのm/z比にしたがって分離される。質量分析器135は、質量分析器135と接触するようになる被分析物イオンと基準質量イオンについての質量スペクトル信号を生成する検出器138を含む。質量分析器には、たとえば、限定はしないが、TOF(飛行時間型(Time-Of-Flight))、多極(4重極のような)、FT-ICR(フーリエ変換-イオンサイクロトロン共鳴)、イオントラップ、オービトラップ(orbitrap)、磁気セクタ、又はタンデム配置でのこれらの装置の任意の組み合わせが含まれる。
【0022】
図2Aは、本発明による基準質量イオン源の第1の例の実施形態を示す。この実施形態では、基準質量イオン源150は、外部供給源154から出る第1のグループの基準質量(RM1)を受容する注入口157を含むチャンバを備え、一方、別のグループの基準質量(RM2)は、チャンバの内部に配置されている固定具152上に設置される。基準質量の両方のグループRM1とRM2は、ガスの形態で提供される。また、基準質量イオン化装置155は、チャンバ内に配置され、一旦蒸発された基準質量の両方のグループRM1とRM2をイオン化するように構成されている。たとえば、図2Aに示す基準質量イオン源配置の特定の一実施形態である図2Bに示すように、外部基準質量源154は、低質量の基準化合物を含む液体を通してキャリアガスを気泡化するバブラーを使用して実施され、一方、内部基準質量源152は、液体、固体、又は結晶マトリクスの形態でチャンバ内に設けられる高質量の基準化合物を蒸発させるか、又は昇華させる加熱器158を使用して実施される。低質量の基準化合物を含むキャリアガスは、チャンバ内で、蒸発した高質量の基準化合物と混合し、それらは共に、たとえば、コロナニードル155を使用して実施することができるイオン化装置の作用にさらされる。コロナニードルを、その作用のために、別個の電源162に結合することができる。図2Cは、(別個の電源に結合することもできる)真空紫外(VUV)光子源のような光イオン源155を使用して、コロナニードルの代わりに、基準質量化合物をイオン化する代替的な一実施形態を示す。
【0023】
図3Aは、単一の外部基準質量源154(この場合、図2Bと図2Cの場合と同様にバブラーとして実装される)を含む本発明による基準質量イオン源の第2の例の実施形態を示す。図3Bは、基準質量の2つのグループRM1、RM2が、外部基準質量源154内で混合される一実施形態を示し、外部基準質量源154は、単一の溶出ラインを介してエレクトロスプレーネブライザイオン化装置155に結合されている。この場合、基準質量化合物は、外部基準質量源154からネブライザ155に溶液の形態で供給され、ネブライザ155は、溶出溶液を荷電エアゾルに変換する。生成された基準質量イオンは、静電力及び/又はガス流によってチャンバの出口の方に導かれてキャピラリ125内に入る。他のイオン化機構を採用する実施形態では、基準質量イオンがガスの形態でチャンバ150に供給されることが有利である場合がある。
【0024】
逆に、図3Cの実施形態では、単一の内部基準質量源152(この場合、基準質量サンプルの蒸発を引き起こす加熱器158にさらされる蒸発可能な固体サンプルとして実装される)が存在する。一般に、図3B及び図3Cの実施形態において、基準質量源から出る基準質量化合物をイオン化するために、APCIコロナニードル又は光イオン源のような任意の適するイオン化装置を、この状況で使用することができる。
【0025】
図4Aは、基準質量化合物の複数の供給源が、基準質量イオン源チャンバ150の外部に位置する本発明による基準質量イオン源の代替的な一実施形態を示す。示すように、第1の外部基準質量源154aは基準質量RM1を含み、第2の外部基準質量源154bは基準質量RM2を含む。この場合、基準質量イオン源チャンバ150は、基準質量化合物RM1、RM2を入れるための単一の注入口を含み、又は基準質量化合物を入れるための複数の注入口164a、164b(図示するように)を含むことがある。この実施形態は、コネクタ、弁、配管等を介して、複数の外部基準質量源を基準質量イオン源チャンバ150に結合することがより都合のよい場合に特に有利である場合がある。こうして、基準質量化合物の調製及び格納を、図3Bの実施形態と同様に独立に実施することができる。基準質量化合物RM1、RM2を、流体の流れ又はガスとして、注入口164a、164bを介して基準質量イオン源チャンバ内に導入することができる。エレクトロスプレー、光イオン化及びAPCIを含む任意の適するイオン化機構を使用することができる。
【0026】
図5Aに示す実施形態では、基準質量源152a、152bは共に、基準質量イオン源チャンバ150内に位置する。この場合、基準質量源を、チャンバ内で、液体、固体又は結晶マトリクスの形態で提供することができる。特定の一実施態様では、別個の加熱器158a、158bを設け、同じであるか又は異なる蒸発温度を有する各基準質量化合物を独立して蒸発させることができる。全く異なった蒸発温度を有する基準質量RM1、RM2を使用して、オペレータは、キャピラリ125内に基準質量イオンの一方を導入するか、又は両方を導入するかを制御することができ、同様に、基準質量を蒸発させるために供給される熱量に応じて異なる基準質量イオンの濃度を制御することができる。
【0027】
図5Bは、MALDIレーザ源190a、190bを使用して、それぞれの固体マトリクスRM1、RM2から基準質量イオンを「脱離する」、図5Aによる基準質量イオン源の有利な一実施態様を示す。この場合、レーザは、それぞれの基準質量RM1とRM2を含む結晶マトリクス152a、152bを有するサンプルプレート上に導かれる。レーザは、マトリクス上の標的領域を蒸発させ、マトリクスの所定の部分をイオン化し、基準質量化合物RM1、RM2の一部は、その後、電荷移動の過程によって、マトリクスイオンによりイオン化される。サンプルプレート上の特定のサンプル領域に位置する複数の基準質量RM1、RM2等を有する単一のサンプルプレートを使用可能であることに留意されたい。この場合、所定の領域に選択的に導き、特定の基準質量を放出し、そのイオン化を誘起させることができる単一のレーザを使用することができる。
【0028】
本発明を特定の実施形態について記載してきたが、さらなる変更及び変形が、当業者にとって明らかであり又は当業者が示唆することがあるため、説明は、制限的であることを意味しないことが理解されなければならない。本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るこのような全ての変更及び変形を含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による、基準質量イオンを、キャピラリを介して内部に導入されることを可能とする質量分析計を示す図である。
【図2A】本発明による基準質量イオン源の一実施形態を示す図であり、基準質量化合物の1つの供給源が、基準質量イオン源チャンバの外部に位置し、別の供給源が、チャンバの内部に位置することを示す図である。
【図2B】図2Aによる基準質量イオン源の一実施形態を示す図であり、基準質量化合物の外部供給源がバブラーであり、内部供給源が加熱器であり、イオン化装置がコロナニードルであることを示す図である。
【図2C】図2Bによる基準質量イオン源の一実施形態を示す図であり、基準質量をイオン化するために光イオン源を使用することを示す図である。
【図3A】本発明の一実施形態による基準質量イオン源を示す図であり、基準質量イオン源チャンバの外部に位置する単一の基準質量源が存在することを示す図である。
【図3B】図3Aによる基準質量イオン源の一実施形態を示す図であり、基準質量が、エレクトロスプレーイオン化を介して基準質量イオン源チャンバ内に導入されることを示す図である。
【図3C】本発明による基準質量イオン源の代替的な一実施形態を示す図であり、基準質量の単一の供給源が基準質量イオン源チャンバの内部に位置することを示す図である。
【図4A】本発明による基準質量イオン源の一実施形態を示す図であり、基準質量の複数の供給源が基準質量イオン源チャンバに対して外部に位置することを示す図である。
【図5A】本発明による基準質量イオン源の一実施形態を示す図であり、基準質量の複数の供給源が基準質量イオン源チャンバの内部に位置することを示す図である。
【図5B】図5Aによる基準質量イオン源の一実施形態を示す図であり、マトリクス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)装置が基準質量イオン源チャンバ内に位置し、1つ又はそれ以上のマトリクス内に埋め込まれた基準質量がイオン化されることを示す図である。
【符号の説明】
【0030】
100 質量分析計
108、118、128、157 注入口
110 イオン源部分
115 イオン化装置
120 移行部分
124 T字連結部
125 キャピラリ
127 真空ステージ
129、162 電源
130 質量分析器部分
132、151 出口
134 スキマー
135 質量分析器
138 検出器
150 基準質量イオン源チャンバ
152 内部基準質量源
154 外部基準質量源
155 基準質量イオン化装置
158 加熱器
164a、164b 注入口
190a、190b MALDIレーザ源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被分析物イオン源(110)のための質量較正装置であって、
第1の点(118)において、前記被分析物イオン源(110)に結合されているキャピラリ(125)と、
前記第1の点から下流の第2の点において、前記キャピラリに結合されている基準質量イオン源(150)と
を備えている質量較正装置。
【請求項2】
前記基準質量イオン源(150)が、前記第2の点において、基準質量イオンを当該基準質量イオン源から前記キャピラリ(125)内に推進するのに十分な圧力を維持される請求項1に記載の質量較正装置。
【請求項3】
前記基準質量イオン源(150)が、T字連結部(124)を介して前記キャピラリ(125)に結合されている請求項1に記載の質量較正装置。
【請求項4】
前記キャピラリの前記T字連結部に結合され、イオンの極性を選択する電源(129)をさらに備えている請求項3に記載の質量較正装置。
【請求項5】
前記基準質量イオン源が、さらに、
チャンバ(150)と、
前記チャンバの外部に位置し、かつ当該チャンバに結合されている第1の基準質量化合物の第1の供給源(154)と、
前記チャンバ内に位置する第2の基準質量化合物の第2の供給源(152)と、
前記チャンバ内に位置するイオン化装置(155)とをさらに備えている請求項1に記載の質量較正装置。
【請求項6】
前記第1の基準質量化合物の前記第1の供給源が、第1の基準質量化合物を介してキャリアガスを気泡化させて、該第1の基準質量化合物をガスの状態で前記チャンバに供給するバブラーを含み、前記第2の基準質量化合物の前記第2の供給源が、当該第2の基準質量化合物を蒸発させるように配置されている加熱器(158)を含む請求項5に記載の質量較正装置。
【請求項7】
前記イオン化装置がコロナ放電を備えている請求項5に記載の質量較正装置。
【請求項8】
前記イオン化装置が紫外(UV)光子源を備えている請求項5に記載の質量較正装置。
【請求項9】
イオン源(110)、質量分析器(130)、及び該イオン源(110)と該質量分析器(130)に結合されているキャピラリ(125)を含む質量分析計内の基準質量イオンによる被分析物イオンの質量較正方法であって、
前記イオン源(110)から分離され、前記キャピラリ(125)に結合されているチャンバ(150)内で、前記基準質量イオンをイオン化し、
前記イオン源(110)と前記質量分析器(130)の間に位置する前記キャピラリの連結部(124)において、前記基準質量イオンを前記キャピラリ(125)に導入することを含む方法。
【請求項10】
前記チャンバ内で前記基準質量イオンをイオン化することが、
基準質量化合物を蒸発させてガス状態にし、
前記ガス状態の基準質量化合物を、
コロナ放電、及び、
真空紫外(VUV)光子源
のうちの一方を使用してイオン化することを含む請求項9に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate


【公開番号】特開2007−139778(P2007−139778A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310084(P2006−310084)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】5301 Stevens Creek Boulevard Santa Clara California U.S.A.
【Fターム(参考)】